JP2019039604A - ヒートパイプ - Google Patents

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Tomomi Kaibuchi
朋未 海渕
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智明 虎谷
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Abstract

【課題】本発明は、気相の作動流体と液相の作動流体が流通する際の圧力損失を低減し、液相の作動流体の流通を円滑化することで、優れた熱輸送特性を得ることができるヒートパイプを提供する。【解決手段】コンテナと、前記コンテナの内部空間に封入された作動流体と、前記コンテナの内部空間に収容されたウィック構造体と、前記コンテナの内面と前記ウィック構造体の外面との間の少なくとも一部に設けられた、前記ウィック構造体の気密性よりも高い気密性を有する部材である気液分離部材と、を備え、前記気液分離部材が、前記コンテナの蒸発部の端部から凝縮部側に伸延して配置されたヒートパイプ。【選択図】図1

Description

本発明は、液相の作動流体の流通を円滑化することで、優れた熱輸送特性を発揮するヒートパイプに関するものである。
電気・電子機器に搭載されている半導体素子等の電子部品は、高機能化に伴う高密度搭載や発熱量の増大化により、その冷却がより重要となっている。電子部品の冷却方法として、ヒートパイプが使用されることがある。
上記のように、被冷却体である発熱体の発熱量が増大していることから、ヒートパイプの熱輸送特性のさらなる向上が要求されている。また、電気・電子機器の小型化から、ヒートパイプの細管化、薄型化も要求されている。
そこで、複数本の銅細線からなる線条ウィックであって前記凝縮部から前記蒸発部に到るように延びる第一ウィックと、複数本のカーボン細線からなる束状の線条ウィックである第二ウィックとを備え、前記第一ウィックは、前記第二ウィックを覆うように形成された焼結体により、毛細管力を得つつ、ウィックとコンテナ内面との間の熱抵抗を低減することで、ヒートパイプの熱輸送特性を向上させることが提案されている(特許文献1)。
しかし、特許文献1では、気相の作動流体の流れと該気相の作動流体と対向流の関係である液相の作動流体の流れとの分離が不十分であることから、被冷却体である発熱体の発熱量が増大化すると、気相の作動流体と液相の作動流体が流通する際に圧力損失が生じて、ヒートパイプの熱輸送特性が低下してしまうという問題があった。また、ヒートパイプが細管化、薄型化されると、気相の作動流体の流路(蒸気流路)が狭小化するので、上記圧力損失は、さらに増大してしまうという問題があった。さらに、発熱体が熱的に接続される蒸発部とその近傍では、発熱体の発熱量が増大化すると、気相の作動流体の蒸気圧が特に高くなるので、前記蒸気圧によって液相の作動流体の蒸発部への還流が抑制されてしまい、結果として、ヒートパイプの熱輸送特性が低下してしまうという問題があった。
特開2016−20788号公報
上記事情に鑑み、本発明は、気相の作動流体と液相の作動流体が流通する際の圧力損失を低減し、液相の作動流体の流通を円滑化することで、優れた熱輸送特性を得ることができるヒートパイプを提供することを目的とする。
本発明の態様は、コンテナと、前記コンテナの内部空間に封入された作動流体と、前記コンテナの内部空間に収容されたウィック構造体と、前記コンテナの内面と前記ウィック構造体の外面との間の少なくとも一部に設けられた、前記ウィック構造体の気密性よりも高い気密性を有する部材である気液分離部材と、を備え、前記気液分離部材が、前記コンテナの蒸発部の端部から凝縮部側に伸延して配置されたヒートパイプである。
上記態様では、気液分離部材はウィック構造体の気密性よりも高い気密性を有するので、気液分離部材の気相の作動流体の透過率(単位:m)は、ウィック構造体の気相の作動流体の透過率よりも低い特性を有している。また、本明細書中、「蒸発部」とは、平面視において被冷却体と重なり合うコンテナの部位及び該重なり合う部位から30mmまで離れたコンテナの部位を意味する。
本発明の態様は、前記気液分離部材が、前記ウィック構造体とは別体の管状部材であり、前記ウィック構造体の少なくとも一部の外周に設けられたヒートパイプである。上記態様では、気液分離部材は、ウィック構造体の少なくとも一部を囲む配置となっている。
本発明の態様は、前記気液分離部材が、金属、炭素材、セラミックスまたはガラス材であるヒートパイプである。
本発明の態様は、前記ウィック構造体の一方の端部が、前記コンテナの蒸発部の位置に対応するヒートパイプである。
本発明の態様は、前記気液分離部材が、少なくとも、コンテナ内部において最高の雰囲気温度よりも雰囲気温度が0.5%低下する部位と前記最高の雰囲気温度よりも雰囲気温度が30%低下する部位との間にわたって伸延しているヒートパイプである。
本発明の態様は、前記コンテナの径方向において、前記ウィック構造体の断面積に対する、蒸気流路の断面積の割合が、0.40以上2.0以下であるヒートパイプである。
本発明の態様は、前記ウィック構造体の長手方向の寸法に対する、前記気液分離部材の長手方向の寸法の割合が、0.20以上0.70以下であるヒートパイプである。
本発明の態様は、前記ウィック構造体の外面と前記気液分離部材の内面との間に、充填材が設けられているヒートパイプである。
本発明の態様によれば、コンテナの内面と前記ウィック構造体の外面との間の少なくとも一部に、ウィック構造体の気密性よりも高い気密性を有する部材である気液分離部材が設けられ、気液分離部材が、蒸発部の端部から凝縮部側に配置されることにより、ヒートパイプの蒸発部近傍において、ヒートパイプの蒸発部にて液相から相変化した気相の作動流体の流路と、ヒートパイプの凝縮部にて気相から相変化した液相の作動流体の流路とが空間的に分離される。また、本発明の態様によれば、気相の作動流体の蒸気圧が特に高くなる蒸発部とその近傍において、ウィック構造体中を蒸発部へ還流していく液相の作動流体の流れを前記蒸気圧の作用によって抑制されることを、気液分離部材によって防止できる。よって、気相の作動流体と液相の作動流体が流通する際の圧力損失、及び蒸発部とその近傍へ液相の作動流体が還流する際の圧力損失を低減でき、結果、液相の作動流体の流通が円滑化されることで、優れた熱輸送特性を得ることができる。
また、上記の通り、気相の作動流体と液相の作動流体が流通する際の圧力損失を低減でいるので、コンテナをさらに細管化、薄型化することができる。
本発明の態様によれば、気液分離部材が、少なくとも、コンテナ内部において最高の雰囲気温度よりも雰囲気温度が0.5%低下する部位と最高の雰囲気温度よりも雰囲気温度が30%低下する部位との間にわたって伸延していることにより、ウィック構造体内から蒸気流路への気相の作動流体の放出と、蒸気流路からウィック構造体内への液相の作動流体の取り込みが円滑化され、より優れた熱輸送特性を得ることができる。
本発明の第1実施形態例に係るヒートパイプの平面断面図である。 本発明の第1実施形態例に係るヒートパイプの正面断面図である。 本発明の第2実施形態例に係るヒートパイプの正面断面図である。 (a)図は、実施例で使用したヒートパイプの側面視における説明図、(b)図は、実施例で使用したヒートパイプの正面視における説明図である。
以下に、本発明の第1実施形態例に係るヒートパイプについて、図面を用いながら説明する。
図1、2に示すように、本発明の第1実施形態例に係るヒートパイプ1は、密閉容器であるコンテナ10と、コンテナ10の内部空間に封入された作動流体(図示せず)と、コンテナ10の内部空間に収容されたウィック構造体11とを備えている。
ヒートパイプ1では、コンテナ10は管材である。また、コンテナ10の内部は脱気されて減圧された状態となっている。
コンテナ10の長手方向の形状は、特に限定されず、使用状況に応じて適宜選択可能であり、例えば、L字状、U字状及び/または段差部を有する形状等の曲げ部を有する形状や、直線形状等を挙げることができる。図1に示すように、ヒートパイプ1では、コンテナ10の長手方向の形状は、直線形状となっている。また、ヒートパイプ1では、コンテナ10の長手方向が、ヒートパイプ1の熱輸送方向となっている。コンテナ10の径方向(すなわち、長手方向に対して直交方向)の形状は、特に限定されず、使用状況に応じて適宜選択可能であり、例えば、略円形、楕円形、扁平形状、矩形、角丸長方形等を挙げることができる。図2に示すように、ヒートパイプ1では、コンテナ10の径方向の形状は、扁平形状となっている。
コンテナ10の材質は、特に限定されず、例えば、熱伝導性に優れる点から銅、銅合金、軽量性の点からアルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、強度の点からステンレス等を挙げることができ、その他、使用状況に応じて、スズ、スズ合金、チタン、チタン合金、ニッケル及びニッケル合金等を使用してもよい。
コンテナ10の長手方向の寸法は、特に限定されず、使用状況に応じて適宜選択可能であり、例えば、100〜300mmを挙げることができる。また、コンテナ10の径方向の断面積は、特に限定されず、使用状況に応じて適宜選択可能であり、例えば、10mm〜100mmを挙げることができる。
コンテナ10の内部には、コンテナ10の長手方向に沿って、毛細管力を有するウィック構造体11が収容されている。図1に示すように、ヒートパイプ1では、ウィック構造体11は、コンテナ10の一方の端部14から他方の端部16まで延在している。
また、図2に示すように、ウィック構造体11は、コンテナ10の径方向の断面において、一部領域に設けられている。ウィック構造体11の外側には、空洞部が形成されている。
ウィック構造体11としては、特に限定されず、使用状況に応じて適宜選択可能であり、例えば、金属粉の焼結体、金属メッシュ、金属細線の線条体、ガラス不織布等を挙げることができる。また、金属粉の焼結体、金属メッシュ、金属細線の線条体の金属種としては、使用状況に応じて適宜選択可能であり、例えば、銅、銅合金、鉄、鉄合金、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合金等をあげることができる。また、ウィック構造体11の材質は、コンテナ10の材質と同じでもよく、異なっていてもよい。
図2に示すように、コンテナ10内部のうち、ウィック構造体11の外側は空洞部である。空洞部は、主に、気相の作動流体が、蒸発部から凝縮部へ流通する流路である蒸気流路13となっている。従って、蒸気流路13は、コンテナ10の長手方向に沿って延在している。コンテナ10の径方向における、ウィック構造体11の断面積に対する蒸気流路13の断面積の割合は、特に限定されないが、例えば、その下限値は、気相の作動流体の円滑な流通の点から0.40が好ましく、0.70が特に好ましい。一方で、その上限値は、ヒートパイプの薄型化、細管化の点から2.0が好ましく、1.5が特に好ましい。
図1、2に示すように、ヒートパイプ1では、コンテナ10の内面とウィック構造体11の外面との間に、気液分離部材12が設けられている。ヒートパイプ1では、気液分離部材12は、ウィック構造体11とは別体の管状部材である。また、ウィック構造体11は長手方向の両端面が開口している。従って、気液分離部材12は、一方端17の端面と他方端18の端面に開口部を有している、内部が開放された管状部材である。上記から、管状部材である気液分離部材12の一方端17から、ウィック構造体11を気液分離部材12内へ挿入することで、コンテナ10の内周面とウィック構造体11の外周面との間に、気液分離部材12を配置することができる。
ヒートパイプ1では、ウィック構造体11の外周面と気液分離部材12の内周面とは直接接しており、コンテナ10の内周面と気液分離部材12の外周面とは接していない。
気液分離部材12は、コンテナ10の一方の端部14の位置に対応するウィック構造体11の一方の端部とコンテナ10の中央部15の位置に対応するウィック構造体11の中央部との間にわたって伸延している。従って、気液分離部材12の一方端17は、コンテナ10の一方の端部14及びウィック構造体11の一方の端部に位置している。また、気液分離部材12の他方端18は、コンテナ10の中央部15及びウィック構造体11の中央部に位置している。
図1に示すように、気液分離部材12の一方端17は、ウィック構造体11の一方の端部の先端部までは伸延しておらず、ウィック構造体11の一方の端部の先端部は、平面視において気液分離部材12から露出している。従って、ウィック構造体11の一方の端部の先端部は、コンテナ10の一方の端部14の端面に向かって、気液分離部材12の一方端17から延出した延出部19となっている。延出部19の長さは、特に限定されず、使用状況に応じて適宜選択可能であり、例えば、10mm〜40mmを挙げることができる。
ヒートパイプ1では、例えば、コンテナ10の一方の端部14に冷却対象である発熱体(被冷却体)100が熱的に接続される。この場合、コンテナ10の一方の端部14のうち、平面視において発熱体(被冷却体)100と重なり合うコンテナ10の部位及び該重なり合う部位から30mmまでコンテナの10の中央部15側へ離れたコンテナ10の部位が、ヒートパイプ1の蒸発部20となる。ヒートパイプ1では、気液分離部材12の一方端17が、蒸発部20に位置する。
ウィック構造体11の一方の端部の先端部は、気液分離部材12の一方端17から延出しているので、ヒートパイプ1の蒸発部20にて液相から相変化した気相の作動流体は、ウィック構造体11の延出部19から蒸気流路13へ放出される。また、少なくとも蒸発部20に位置する気液分離部材12により、気相の作動流体の流路である蒸気流路13と、ヒートパイプ1の凝縮部(例えば、コンテナ10の他方の端部16)にて気相から相変化した液相の作動流体の流路であるウィック構造体11内部とが、蒸発部20及びその近傍において空間的に分離される。さらに、気相の作動流体の蒸気圧が特に高くなる蒸発部20とその近傍において、ウィック構造体11内部を凝縮部から蒸発部20へ還流していく液相の作動流体の流れが前記蒸気圧の作用によって抑制されることを、少なくとも蒸発部20に位置する気液分離部材12によって防止することができる。よって、ヒートパイプ1では、少なくとも蒸発部20及びその近傍において、気相の作動流体と液相の作動流体が流通する際の圧力損失、及び蒸発部20とその近傍へ液相の作動流体が還流する際の圧力損失を低減できるので、液相の作動流体の流通が円滑化され、優れた熱輸送特性を得ることができる。
気液分離部材12の一方端17が、蒸発部20に位置していれば、蒸発部20における一方端17の位置は特に限定されず、使用状況に応じて適宜選択可能であるが、例えば、ウィック構造体11の延出部19の長さを十分確保することで、ウィック構造体11から蒸気流路13への気相の作動流体の放出をより円滑化する点から、気液分離部材12の一方端17の位置は、蒸発部20の中央部15側端部と被冷却体100と重なり合う部位の中央部15側端部との間が好ましい。
上記の通り、気液分離部材12は、ウィック構造体11の一方の端部とウィック構造体11の中央部との間にわたって伸延している。一方で、コンテナ10の他方の端部16の位置に対応するウィック構造体11の他方の端部には、気液分離部材12は設けられておらず、ウィック構造体11の他方の端部は蒸気流路13に露出している。従って、コンテナ10の他方の端部16をヒートパイプ1の凝縮部とする場合には、凝縮部にて気相から相変化した液相の作動流体は、円滑にウィック構造体11内部へ取り込まれ、ウィック構造体11へ取り込まれた液相の作動流体は、ウィック構造体11の有する毛細管力によって、凝縮部から蒸発部20へ還流される。
ウィック構造体11の長手方向の寸法に対する、気液分離部材12の長手方向の寸法の割合は、特に限定されず、使用状況に応じて適宜選択可能であるが、例えば、蒸発部20におけるウィック構造体11から蒸気流路13への気相の作動流体の放出と凝縮部におけるウィック構造体11内への液相の作動流体の取り込みとをバランスよく向上させる点から、0.20以上0.70以下が好ましく、0.25以上0.60以下が特に好ましい。
また、気液分離部材12の一方端17が蒸発部20に位置していれば、発熱体100を冷却する際におけるコンテナ10内部の雰囲気温度の分布に基づいて、気液分離部材12の一方端17と他方端18の位置を決めてもよい。
コンテナ10内部の雰囲気温度の分布に基づいて気液分離部材12の一方端17と他方端18を位置決めする場合、例えば、コンテナ10内部において最高の雰囲気温度よりも雰囲気温度が好ましくは0.4%低下、より好ましくは0.5%低下する部位から前記最高の雰囲気温度よりも雰囲気温度が好ましくは60%低下、より好ましくは50%低下する部位までの範囲内の少なくとも一部に、気液分離部材12が設けられている態様が挙げられる。また、少なくとも、前記最高の雰囲気温度よりも雰囲気温度が0.5%低下する部位と前記最高の雰囲気温度よりも雰囲気温度が30%低下する部位との間にわたって、気液分離部材12が設けられている態様が特に好ましい。
上記態様では、蒸発部20におけるウィック構造体11から蒸気流路13への気相の作動流体の放出と凝縮部におけるウィック構造体11内への液相の作動流体の取り込みとをバランスよく向上させつつ、ウィック構造体11内部を凝縮部から蒸発部20へ還流していく液相の作動流体の流れが気相の作動流体の蒸気圧によって抑制されることを確実に防止することができる。結果、液相の作動流体の流通が円滑化されて、優れた熱輸送特性を得ることができる。
気液分離部材12は、ウィック構造体11の気密性よりも高い気密性を有する部材、すなわち、気相の作動流体の透過率(単位:m)がウィック構造体11よりも低い部材であれば、特に限定されず、例えば、金属、炭素材、セラミックス、ガラス材等を挙げることができる。なお、ウィック構造体11の気相の作動流体の透過率は、例えば、1.0×10〜2.5×1011である。
密閉容器であるコンテナ10に封入する作動流体としては、コンテナ10の材料との適合性に応じて、適宜選択可能であり、例えば、水、代替フロン、パーフルオロカーボン、シクロペンタン等を挙げることができる。
次に、本発明の第1実施形態例に係るヒートパイプ1の熱輸送のメカニズムについて、図1、2を用いながら説明する。
まず、コンテナ10のうち、所定の部位(例えば、一方の端部14)に、発熱体(被冷却体)100を熱的に接続する。ヒートパイプ1が一方の端部14である蒸発部20にて発熱体100から受熱すると、蒸発部20において液相の作動流体が気相へ相変化する。相変化した気相の作動流体は、ウィック構造体11の延出部19からコンテナ10の空洞部へ放出される。空洞部は、主に、気相の作動流体が流通する蒸気流路13として機能する。ウィック構造体11の延出部19から放出された気相の作動流体は、蒸気流路13を、コンテナ10の長手方向に蒸発部20から凝縮部(例えば、他方の端部16)へと流れることで、発熱体100からの熱が蒸発部20から凝縮部へ輸送される。蒸発部20から凝縮部へ輸送された発熱体100からの熱は、必要に応じて、放熱フィン等の熱交換手段の設けられた凝縮部にて、気相の作動流体が液相へ相変化することで潜熱として放出される。凝縮部にて放出された潜熱は、凝縮部からヒートパイプ1の外部環境へ放出される。また、凝縮部にて気相から液相へ相変化した作動流体は、気液分離部材12の他方端18から延出し、蒸気流路13に露出したウィック構造体11に取り込まれ、ウィック構造体11の毛細管力によって、凝縮部から蒸発部20へと還流される。
次に、本発明の第2実施形態例に係るヒートパイプについて、図面を用いながら説明する。
上記第1実施形態例に係るヒートパイプ1では、気液分離部材12として、管状部材を用いていたが、これに代えて、図3に示すように、第2実施形態例に係るヒートパイプ2では、気液分離部材12として、カバー部材が用いられている。ヒートパイプ2では、ウィック構造体11の外周面のうち、ウィック構造体11の底部はコンテナ10内周面と直接接している。従って、ウィック構造体11の底部には、カバー部材(気液分離部材12)は設けられていない。
一方で、コンテナ10内周面と直接接していないウィック構造体11の外周面は、カバー部材(気液分離部材12)によって覆われている。すなわち、ウィック構造体11の外周面のうち、ウィック構造体11の底部以外の外表面は、カバー部材によって覆われている。ヒートパイプ2でも、第1実施形態例に係るヒートパイプ1と同様に、コンテナ10の内周面とウィック構造体11の外周面との間に、気液分離部材12を配置することができる。
次に、本発明の他の実施形態例に係るヒートパイプについて説明する。
本発明の第1実施形態例に係るヒートパイプ1では、ウィック構造体11の外周面と気液分離部材12の内周面とは直接接し、空隙が形成されていなかったが、これに代えて、ウィック構造体11の外周面と気液分離部材12の内周面との間に空隙が形成されていてもよい。また、ウィック構造体11の外周面と気液分離部材12の内周面との間の空隙に、必要に応じて、充填材が挿入されていてもよい。この充填材は、気液分離部材12と同程度またはそれ以上の気密性を有している部材でも、気液分離部材12よりも低い気密性を有している部材でもよい。
本発明の第1実施形態例に係るヒートパイプ1では、気液分離部材12は、一方端17の端面と他方端18の端面に開口部を有している管状部材であったが、これに代えて、シート状の部材(例えば、金属箔、シート状の炭素材、シート状のセラミックス、シート状のガラス材等)をウィック構造体11の外周面に巻き付けて気液分離部材12としてもよい。
また、本発明の第1実施形態例に係るヒートパイプ1では、ウィック構造体11の一方の端部の先端部は、気液分離部材12の一方端17から延出した延出部19となっていたが、これに代えて、ウィック構造体11の一方の端部の先端部は、気液分離部材12の一方端17から延出せず、気液分離部材12の周面のうち、前記先端部に対応する位置に、開口部として孔部を形成してもよい。上記態様であっても、気相の作動流体は、ウィック構造体11の先端部から蒸気流路13へ円滑に放出される。
また、本発明の第1実施形態例に係るヒートパイプ1では、コンテナ10の一方の端部14に冷却対象である発熱体が熱的に接続される場合を例にとって説明したが、発熱体がヒートパイプ1に熱的に接続される位置は、コンテナ10の端部に限定されず、例えば、中央部15に熱的に接続されてもよい。
また、上記各実施形態例では、気液分離部材12の外周面にはウィック構造体は設けられていなかったか、必要に応じて、気液分離部材12の外周面の少なくとも一部に、さらにウィック構造体を配置させてもよい。
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、これらの例に限定されるものではない。
図4(a)、(b)に示すように、実施例として、ウィック構造体(長手方向の寸法250mm×短手方向の寸法10mm×厚さ2mm)を、扁平型コンテナ(長手方向の寸法250mm×短手方向の平坦部の寸法10mm×厚さ4mm)に収容し、作動流体(図示せず)として水を封入したヒートパイプを使用した。ヒートパイプは、長手方向の形状が直線形状のものを使用した。また、扁平型コンテナの一方の端部に発熱体を熱的に接続して蒸発部、他方の端部に放熱フィンを設けて凝縮部とした。また、扁平型コンテナの一方の端部から中央部にわたって断熱材を設けた。
気液分離部材(図4では、図示せず)として、長手方向の両端面が開口している銅製の管状部材を使用し、この気液分離部材内に上記ヒートパイプのウィック構造体を嵌挿した。気液分離部材の長手方向の寸法を種々変更して、後述するヒートパイプの熱輸送特性を評価した。気液分離部材の一方端から延出した延出部の長さは、いずれの気液分離部材も10mmとした。なお、ウィック構造体の材質はガラス不織布とした。
また、扁平型コンテナ表面のうち、ウィック構造体の一方の端面を基準に20mm、125mm、175mm、200mmの位置に、それぞれ、CH4とCH5の熱電対、CH6の熱電対、CH7の熱電対、CH8の熱電対を設置し、扁平型コンテナの表面温度を測定した。また、ウィック構造体の一方の端面を基準に10mmの位置に対応する発熱体中央部の表面温度を熱電対CH9にて測定した。
その結果、気液分離部材の長手方向の寸法を75mmとしたとき、CH4〜CH6における扁平型コンテナの表面温度とCH8における平面型コンテナの表面温度との差異が最も低減し、最も優れた熱輸送特性を発揮した。このとき、ウィック構造体の長手方向の寸法に対する、気液分離部材の長手方向の寸法の割合は0.3であり、気液分離部材は、扁平型コンテナの一方の端部の位置に対応するウィック構造体の一方の端部から扁平型コンテナの中央部の位置に対応するウィック構造体の中央部まで伸延した態様であった。また、このとき、気液分離部材は、コンテナ内部において温度の最大値(℃)に対して温度が約0.5%低下する部位から約40%低下する部位まで伸延した態様であった。
また、気液分離部材の長手方向の寸法が75mmよりも短い気液分離部材では、長手方向の寸法が75mmよりも短くなるにつれて、CH4〜CH6における扁平型コンテナの表面温度とCH8における平面型コンテナの表面温度との差異が増大していった。また、気液分離部材の長手方向の寸法が75mmよりも長い気液分離部材では、長手方向の寸法が75mmよりも長くなるにつれて、CH4〜CH6における扁平型コンテナの表面温度とCH8における平面型コンテナの表面温度との差異が増大していった。
本発明のヒートパイプは、気相の作動流体と液相の作動流体が流通する際の圧力損失を低減し、液相の作動流体の流通を円滑化することで、優れた熱輸送特性を得ることができるので、広汎な分野で利用可能であり、例えば、狭小空間に搭載された発熱量の大きい発熱体を冷却する分野で利用価値が高い。
1 ヒートパイプ
10 コンテナ
11 ウィック構造体
12 気液分離部材
13 蒸気流路

Claims (8)

  1. コンテナと、前記コンテナの内部空間に封入された作動流体と、前記コンテナの内部空間に収容されたウィック構造体と、前記コンテナの内面と前記ウィック構造体の外面との間の少なくとも一部に設けられた、前記ウィック構造体の気密性よりも高い気密性を有する部材である気液分離部材と、を備え、
    前記気液分離部材が、前記コンテナの蒸発部の端部から凝縮部側に延伸して配置されたヒートパイプ。
  2. 前記気液分離部材が、前記ウィック構造体とは別体の管状部材であり、前記ウィック構造体の少なくとも一部の外周に設けられた請求項1に記載のヒートパイプ。
  3. 前記気液分離部材が、金属、炭素材、セラミックスまたはガラス材である請求項1または2に記載のヒートパイプ。
  4. 前記ウィック構造体の一方の端部が、前記コンテナの蒸発部の位置に対応する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のヒートパイプ。
  5. 前記気液分離部材が、少なくとも、コンテナ内部において最高の雰囲気温度よりも雰囲気温度が0.5%低下する部位と前記最高の雰囲気温度よりも雰囲気温度が30%低下する部位との間にわたって伸延している請求項1乃至4のいずれか1項に記載のヒートパイプ。
  6. 前記コンテナの径方向において、前記ウィック構造体の断面積に対する、蒸気流路の断面積の割合が、0.40以上2.0以下である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のヒートパイプ。
  7. 前記ウィック構造体の長手方向の寸法に対する、前記気液分離部材の長手方向の寸法の割合が、0.20以上0.70以下である請求項1乃至6のいずれか1項に記載のヒートパイプ。
  8. 前記ウィック構造体の外面と前記気液分離部材の内面との間に、充填材が設けられている請求項1乃至7のいずれか1項に記載のヒートパイプ。
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