JP2017146025A - 扁平型ヒートパイプ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、対向流の抵抗を低減して優れた熱輸送特性を得ることができる扁平型ヒートパイプを提供することを目的とする。【解決手段】熱輸送方向が長手方向である扁平型のコンテナと、該コンテナの内部に封入された作動流体と、前記コンテナの内面に設けられたウィック構造体と、前記コンテナの内部に設けられた蒸気流路と、該蒸気流路と前記ウィック構造体との間に配置され、前記コンテナの入熱部にも放熱部にも対応しない部位に設けられた隔離部材と、を備えた扁平型ヒートパイプ。【選択図】図1
Description
本発明は、熱抵抗の小さい、優れた熱輸送特性を有する扁平型ヒートパイプに関するものである。
電気・電子機器に搭載されている半導体素子等の電子部品は、高機能化に伴う高密度搭載等により、発熱量が増大し、その冷却がより重要となっている。電子部品の冷却方法として、ヒートパイプが使用されることがある。
ヒートパイプは、パイプ状のコンテナの内面に溝や金属焼結体等のウィック構造体を設け、該ウィック構造体の毛細管力を利用して重力の向きに関わらず、コンテナに封入された液相の作動流体を放熱部から入熱部まで戻すことで、作動流体の循環を促している。このため、熱抵抗を低減し、優れた熱輸送特性を得るには、ウィック構造体の毛細管力を確保し、対向流の関係にある気相の作動流体の流れと液相の作動流体の流れの抵抗を低減することが重要となる。
上記問題を解決するために、作動流体の流路が1方向となるループ式のヒートパイプが提案されている。しかし、ループ式のヒートパイプは、入熱部と放熱部との間に往路と復路の2系統のコンテナが必要となるので、配管経路が複雑となり、レイアウトの制約やコスト面等で問題があった。
さらには、電子・電気機器の小型化と高発熱量化に伴い、ヒートパイプには、狭い空間に搭載しつつ、電子部品や熱交換手段に対する優れた熱的接続性が要求されることがある。これらの要求には、コンテナの径方向の形状が丸型であるヒートパイプでは対応することが難しいので、薄型化され、電子部品や熱交換手段に対して面接触可能なヒートパイプ、すなわち、コンテナの径方向の形状が、丸型ではなく、扁平加工された扁平型ヒートパイプが用いられることがある。
そこで、1系統のコンテナにて、液相の作動流体の流れの抵抗を低減する扁平型ヒートパイプとして、複数の細線を束ねた細線束によって形成されたウィックの外周側に、編組機によって他の細線を編んでチューブ状でかつ両端部を互いに離間するように引っ張ることにより外径が小さくなる編組体を構成した扁平型ヒートパイプが提案されている(特許文献1)。
しかし、特許文献1では、ウィックの外周側に設けられているのは編組体なので、編組体の網目構造に作動流体が浸透してしまう。従って、液相の作動流体が還流するウィックと気相の作動流体が流通する蒸気流路は、依然として、相互に連通しており、対向流の関係にある気相の作動流体の流れと液相の作動流体の流れ(以下、「対向流」ということがある。)の抵抗を、十分に低減できないという問題があった。
上記事情に鑑み、本発明は、対向流の抵抗を低減して優れた熱輸送特性を得ることができる扁平型ヒートパイプを提供することを目的とする。
本発明の態様は、熱輸送方向が長手方向である扁平型のコンテナと、該コンテナの内部に封入された作動流体と、前記コンテナの内面に設けられたウィック構造体と、前記コンテナの内部に設けられた蒸気流路と、該蒸気流路と前記ウィック構造体との間に配置され、前記コンテナの入熱部にも放熱部にも対応しない部位に設けられた隔離部材と、を備えた扁平型ヒートパイプである。
上記態様では、コンテナの入熱部にも放熱部にも対応しない部位(以下、「断熱部」ということがある。)において、隔離部材によって、蒸気流路とウィック構造体が連通しておらず、隔離された態様となっている。従って、コンテナの断熱部においては、隔離部材が、気相の作動流体の流れと該気相の作動流体の流れと対向する関係にある液相の作動流体の流れを分離する。一方で、コンテナの入熱部と放熱部は、蒸気流路とウィック構造体が連通した態様となっている。
本発明の態様は、前記隔離部材が、箔体である扁平型ヒートパイプである。
本発明の態様は、前記隔離部材が、筒状に巻かれた箔体である扁平型ヒートパイプである。
本発明の態様は、前記入熱部にも前記放熱部にも対応しない部位の前記蒸気流路の周面が、前記隔離部材によって覆われている扁平型ヒートパイプである。
本発明の態様は、前記入熱部にも前記放熱部にも対応しない部位の前記ウィック構造体の表面が、前記隔離部材によって覆われている扁平型ヒートパイプである。
本発明の態様は、前記隔離部材が、前記コンテナの入熱部にも放熱部にも対応しない部位から前記コンテナの一方の端部または前記コンテナの両端部に渡って設けられ、前記入熱部及び/または前記放熱部に対応する部位に開口部を有する扁平型ヒートパイプである。
本発明の態様によれば、コンテナの断熱部において、隔離部材によって、蒸気流路とウィック構造体が隔離されるので、対向流の関係にある気相の作動流体の流れと液相の作動流体の流れを分離できる。また、蒸気流路とウィック構造体が連通した入熱部と放熱部においては、作動流体の相変化が円滑に生じる。従って、対向流の抵抗を低減して、優れた熱輸送特性を得ることができる。
本発明の態様によれば、隔離部材が箔体であることにより、蒸気流路の周面を覆うように隔離部材を設置できるので、蒸気流路の空間を確実に確保でき、気相の作動流体の流れが阻害されることを防止できる。
本発明の態様によれば、隔離部材が、筒状に巻かれた箔体であることにより、隔離部材がウィック構造体方向へ付勢された付勢部材としても機能するので、隔離部材を精度よくコンテナの断熱部に位置決めでき、また、位置決め後に、別途、ウィック構造体に対する固定工程を設ける必要がない。従って、ヒートパイプの生産性が向上する。
本発明の態様によれば、隔離部材がコンテナの一方の端部または両端部に渡って設けられていることにより、隔離部材がコンテナの断熱部に精度よく位置決め可能となり、結果、コンテナの断熱部においては、気相の作動流体の流れと該気相の作動流体の流れと対向する液相の作動流体の流れを確実に分離できる。また、隔離部材が入熱部及び/または放熱部に対応する部位に開口部を有するので、開口部を介して、蒸気流路とウィック構造体とが連通した入熱部と放熱部においては、作動流体の相変化が円滑に生じる。従って、対向流の抵抗を低減して優れた熱輸送特性を得ることができる。
以下に、本発明の第1実施形態例に係る扁平型ヒートパイプについて、図面を用いながら説明する。
図1(a)、(b)に示すように、第1実施形態例に係る扁平型ヒートパイプ1は、熱輸送方向が長手方向である扁平型のコンテナ11と、扁平型のコンテナ11の内部に封入された作動流体(図示せず)と、扁平型のコンテナ11の内面に設けられた、毛細管力を有するウィック構造体12と、ウィック構造体12の両側に設けられた蒸気流路13とを備えている。また、蒸気流路13とウィック構造体12との間には、隔離部材14が設けられている。
コンテナ11は、内部が密閉された管材であり、コンテナ11の長手方向の形状は、特に限定されないが、扁平型ヒートパイプ1では直線状である。コンテナ11は、扁平加工されており、径方向、すなわち、長手方向に対して直交方向の断面は、一方の平坦部18と、一方の平坦部18と対向する他方の平坦部18’と、一方の平坦部18と他方の平坦部18’とを接続する一方の曲部19と、一方の曲部19と対向し、一方の平坦部18と他方の平坦部18’とを接続する他方の曲部19’とを有する形状となっている。
扁平型ヒートパイプ1では、ウィック構造体12は、銅粉等の金属粉の焼結体であり、扁平型のコンテナ11の径方向の断面において、その中央部に設けられている。ウィック構造体12の上記断面形状は、略矩形状となっている。また、ウィック構造体12は、一方の平坦部18の内面と他方の平坦部18’の内面に、それぞれ、接している。また、ウィック構造体12の設けられていない部位が、気相の作動流体が流通する蒸気流路13であり、扁平型のコンテナ11の径方向の断面において、その両端部に、蒸気流路13(すなわち、複数(2つ)の蒸気流路13)が設けられている。さらに、ウィック構造体12は、扁平型のコンテナ11の長手方向全体にわたって、すなわち、扁平型のコンテナ11の長手方向において一方の端部から他方の端部まで延在している。これに対応して、蒸気流路13も扁平型のコンテナ11の一方の端部から他方の端部まで延在している。扁平型のコンテナ11の内面と接していないウィック構造体12の表面とウィック構造体12と接していない扁平型のコンテナ11の内面との間に形成された空間部が、蒸気流路13となっているので、扁平型のコンテナ11の内面と接していないウィック構造体12の表面とウィック構造体12と接していない扁平型のコンテナ11の内周面とから、蒸気流路13の周面が形成されている。
入熱部、放熱部の位置は特に限定されないが、図1(a)に示すように、扁平型ヒートパイプ1では、扁平型のコンテナ11の長手方向の一方の端部が入熱部15、扁平型のコンテナ11の長手方向の他方の端部が放熱部16、入熱部15と放熱部16との間の中央部(すなわち、扁平型のコンテナ11の入熱部15にも放熱部16にも対応しない部位)が、気相の作動流体が蒸気流路13を入熱部15から放熱部16へ流れ、液相の作動流体がウィック構造体12を放熱部16から入熱部15へ流れることで、作動流体の対向流が形成される断熱部17となっている。
なお、扁平型ヒートパイプ1では、扁平型のコンテナ11の一方の端部を発熱体(図示せず)と熱的に接続することで、扁平型のコンテナ11の一方の端部が入熱部15として機能し、扁平型のコンテナ11の他方の端部を放熱フィン等の熱交換手段(図示せず)と熱的に接続することで、扁平型のコンテナ11の他方の端部が放熱部16として機能する。
図1(a)、(b)に示すように、扁平型ヒートパイプ1では、蒸気流路13とウィック構造体12との間に、隔離部材14が設けられている。また、隔離部材14は、断熱部17に配置され、入熱部15と放熱部16には隔離部材14は配置されていない。扁平型ヒートパイプ1では、隔離部材14の外面は、扁平型のコンテナ11の内面と接していないウィック構造体12の表面及びウィック構造体12と接していない扁平型のコンテナ11の内面と接した態様となっている。従って、断熱部17においては、扁平型のコンテナ11の内面と接していないウィック構造体12の表面は、隔離部材14に覆われ、また、蒸気流路13の周面は、隔離部材14に覆われている。
扁平型ヒートパイプ1では、隔離部材14として、平面状の箔体が用いられている。また、扁平型ヒートパイプ1では、箔体が筒状に巻かれることで、隔離部材14が形成されている。筒状に巻かれた箔体(すなわち、隔離部材14)は、外側方向、すなわち、ウィック構造体12及び扁平型のコンテナ11の方向へ付勢された付勢部材となっている。従って、隔離部材14の外面がウィック構造体12及び扁平型のコンテナ11の方向へ付勢しながらウィック構造体12の表面と扁平型のコンテナ11の内面に接触する。隔離部材14は、ウィック構造体12及び扁平型のコンテナ11の方向へ付勢されているので、そのバネ作用により、ウィック構造体12の表面と扁平型のコンテナ11の内面に固定される。筒状に巻かれた箔体(隔離部材14)の縮径状態を解くことで、隔離部材14はウィック構造体12の表面と扁平型のコンテナ11の内面に固定されるので、精度よくかつ容易に、断熱部17に位置決めできる。
隔離部材14の材質は、作動流体との適合性を有するものであれば、特に限定されず、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合金、ステンレス等の金属材料を挙げることができる。隔離部材14の材料である箔体の厚さは、筒状に巻かれた形状を維持して蒸気流路13の周面を覆いつつ、付勢部材としての機能も備える厚さであれば、特に限定されず、例えば、上記金属材料の場合には、0.01〜0.10mm等を挙げることができる。
扁平型のコンテナ11の材料としては、特に限定されず、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合金、ステンレス等を挙げることができる。扁平型のコンテナ11の材料は、隔離部材14の材料と同じでも、異なっていてもよい。また、扁平型のコンテナ11に封入する作動流体としては、扁平型のコンテナ11や隔離部材14の材料との適合性に応じて、適宜選択可能であり、例えば、水、代替フロン、パーフルオロカーボン、シクロペンタン等を挙げることができる。
隔離部材14は、断熱部17において、蒸気流路13を流れる気相の作動流体の流れと気相の作動流体の流れと対向する関係にあり、ウィック構造体12を流れる液相の作動流体の流れを分離する。一方で、扁平型のコンテナ11の入熱部15と放熱部16には、隔離部材14が設けられていないので、入熱部15と放熱部16では、蒸気流路13とウィック構造体12が連通した態様となっている。従って、入熱部15と放熱部16においては、作動流体の相変化が円滑に生じる。上記から、扁平型ヒートパイプ1では、断熱部17における対向流の抵抗を確実に低減でき、また、入熱部15と放熱部16にて円滑に作動流体が相変化するので、優れた熱輸送特性を得ることができる。
また、隔離部材14は付勢部材なので、扁平型ヒートパイプ1を製造するにあたり、隔離部材14の位置決め後、別途、ウィック構造体12に隔離部材14を固定する工程を設けなくてもよく、結果、優れた生産性を得ることができる。
次に、本発明の第2実施形態例に係る扁平型ヒートパイプについて、図面を用いながら説明する。なお、第1実施形態例に係る扁平型ヒートパイプと同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。
図2(a)に示すように、扁平型のコンテナ11の一方の端部に入熱部15、他方の端部に放熱部16、扁平型のコンテナ11の入熱部15と放熱部16の間である中央部に断熱部17が配置された第1実施形態例に係る扁平型ヒートパイプ1に代えて、第2実施形態例に係る扁平型ヒートパイプ2では、扁平型のコンテナ11の中央部に入熱部15、扁平型のコンテナ11の一方の端部に第1の放熱部16−1、扁平型のコンテナ11の他方の端部に第2の放熱部16−2が配置されている。従って、扁平型ヒートパイプ2では、放熱部が複数(2箇所)設けられている。また、入熱部15と第1の放熱部16−1との間に第1の断熱部17−1、入熱部15と第2の放熱部16−2との間に第2の断熱部17−2が設けられている。従って、扁平型ヒートパイプ2では、断熱部が複数(2箇所)設けられている。
扁平型ヒートパイプ2では、扁平型のコンテナ11の径方向の断面において、その中央部に設けられているウィック構造体22として、扁平型ヒートパイプ1の銅粉等の金属粉の焼結体に代えて、金属細線からなる編組体が用いられている。
また、図2(b)に示すように、第1の断熱部17−1及び第2の断熱部17−2に対応する部位において、ウィック構造体22の外周面に隔離部材14が被覆されている。隔離部材14として、平面状の箔体が用いられている。第1の断熱部17−1及び第2の断熱部17−2に対応する部位のウィック構造体22の外周面は、箔体である隔離部材14で被包されている。扁平型ヒートパイプ2では、ウィック構造体22の外周面に箔体が筒状に巻かれた態様となっている。また、扁平型ヒートパイプ2では、ウィック構造体22が、一方の平坦部18の内面と他方の平坦部18’の内面に挟持されることで、扁平型のコンテナ11内に固定された状態となっている。
また、扁平型ヒートパイプ2では、第1の断熱部17−1及び第2の断熱部17−2に対応する部位において、蒸気流路13と接した扁平型のコンテナ11の内面、すなわち、蒸気流路の周面を形成する扁平型のコンテナ11の内面には、隔離部材14は設けられていない。
隔離部材14は、第1の断熱部17−1及び第2の断熱部17−2において、蒸気流路13を流れる気相の作動流体の流れと気相の作動流体の流れと対向する関係にあり、ウィック構造体22を流れる液相の作動流体の流れを分離する。一方で、扁平型のコンテナ11の入熱部15、第1の放熱部16−1及び第2の放熱部16−2には、隔離部材14が設けられていないので、入熱部15、第1の放熱部16−1及び第2の放熱部16−2では、蒸気流路13とウィック構造体22が連通した態様となっている。従って、入熱部15、第1の放熱部16−1及び第2の放熱部16−2においては、作動流体の相変化が円滑に生じる。上記から、扁平型ヒートパイプ2では、第1の断熱部17−1及び第2の断熱部17−2における対向流の抵抗を確実に低減でき、また、入熱部15、第1の放熱部16−1及び第2の放熱部16−2にて円滑に作動流体が相変化するので、優れた熱輸送特性を得ることができる。
また、扁平型ヒートパイプ2に示すように、本発明の扁平型ヒートパイプは、入熱部と放熱部の位置及び設置数を、使用状況に応じて適宜選択することができる。
次に、本発明の第3実施形態例に係る扁平型ヒートパイプについて、図面を用いながら説明する。なお、第1、第2実施形態例に係る扁平型ヒートパイプと同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。
図3に示すように、第1実施形態例に係る扁平型ヒートパイプ1では、ウィック構造体12は、扁平型のコンテナ11の径方向の断面において、その中央部に設けられていたが、第3実施形態例に係る扁平型ヒートパイプ3では、扁平型のコンテナ11の径方向の断面において、その両端部に、ウィック構造体32が設けられている。従って、扁平型のコンテナ11の径方向の断面において、その中央部に蒸気流路13が設けられている。扁平型のコンテナ11の内面と接していないウィック構造体32の表面とウィック構造体32と接していない扁平型のコンテナ11の内面とから、蒸気流路13の周面が形成されている。
断熱部17の部位において、蒸気流路13の周面に隔離部材14が設けられている。従って、断熱部17の部位においては、蒸気流路13の周面は、隔離部材14によって覆われている。なお、隔離部材14として、平面状の箔体が用いられ、該箔体が筒状に巻かれた状態となっている。
扁平型ヒートパイプ3でも、扁平型ヒートパイプ1、2と同様に、断熱部17における対向流の抵抗を確実に低減できるので、優れた熱輸送特性を得ることができる。
次に、本発明の第4実施形態例に係る扁平型ヒートパイプについて、図面を用いながら説明する。なお、第1〜第3実施形態例に係る扁平型ヒートパイプと同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。
図4に示すように、第1実施形態例に係る扁平型ヒートパイプ1では、中央部に設けられたウィック構造体12の径方向の断面形状は、略矩形状であったが、第4実施形態例に係る扁平型ヒートパイプ4では、該形状が略半楕円状となっている。また、扁平型ヒートパイプ1では、断熱部17の部位において、扁平型のコンテナ11の内面と接していないウィック構造体12の表面とウィック構造体12と接していない扁平型のコンテナ11の内面に隔離部材14が設けられていたが、扁平型ヒートパイプ4では、ウィック構造体42の表面である円弧部は、隔離部材14で被覆され、扁平型のコンテナ11の内面には、隔離部材14が被覆されていない。なお、扁平型ヒートパイプ4では、ウィック構造体42の頂部は、隔離部材14を介して、扁平型のコンテナ11の内面に接した態様となっている。
扁平型ヒートパイプ4でも、扁平型ヒートパイプ1〜3と同様に、断熱部17における対向流の抵抗を確実に低減できるので、優れた熱輸送特性を得ることができる。
次に、本発明の第5実施形態例に係る扁平型ヒートパイプについて、図面を用いながら説明する。なお、第1〜第4実施形態例に係る扁平型ヒートパイプと同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。
図5(a)〜(d)に示すように、第1実施形態例に係る扁平型ヒートパイプ1では、隔離部材14は、扁平型のコンテナ11の断熱部17に設けられ、入熱部15と放熱部16には設けられていなかったが、これに代えて、第5実施形態例に係る扁平型ヒートパイプ5では、扁平型のコンテナ11の長手方向において一方の端部から他方の端部まで延在し、入熱部15と放熱部16に対応する部位に開口部20が設けられている隔離部材14が用いられている。
図5(a)に示すように、扁平型ヒートパイプ5では、隔離部材14の一方の端部の端面は扁平型のコンテナ11の一方の端部の端面に当接し、隔離部材14の他方の端部の端面は扁平型のコンテナ11の他方の端部の端面に当接するので、隔離部材14(開口部20が設けられていない隔離部材14の部位)は扁平型のコンテナ11の断熱部17に精度よく位置決め可能となる。よって、図5(c)に示すように、断熱部17においては、気相の作動流体の流れと気相の作動流体の流れと対向する液相の作動流体の流れを確実に分離できる。また、図5(b)、(d)に示すように、隔離部材14には、入熱部15と放熱部16に対応する部位には開口部20が形成されているので、開口部20を介して、蒸気流路13とウィック構造体12が連通した入熱部15と放熱部16においては、作動流体の相変化が円滑に生じる。
扁平型ヒートパイプ5でも、断熱部17における対向流の抵抗を確実に低減でき、入熱部15と放熱部16にて円滑に作動流体が相変化するので、優れた熱輸送特性を得ることができる。
次に、本発明の扁平型ヒートパイプの製造方法例について説明する。製造方法は特に限定されないが、例えば、第1、第3、第4実施形態例に係る扁平型ヒートパイプは、円形状の管材の長手方向に沿って、所定形状の切り欠き部を有する芯棒を挿入し、管材の内壁面と切り欠き部外面との間に形成された空隙部にウィック構造体となる粉末状の金属材料を充填する。次に、加熱処理して、芯棒を管材から引き抜き、所定の位置に所定形状のウィック構造体が形成されるように、管材を扁平加工することにより、扁平型ヒートパイプを製造する。なお、隔離部材は、管材の扁平加工終了後または扁平加工の途中で、ウィック構造体の表面の所定部位に設置してもよく、予め、切り欠き部外面上に隔離部材を配置してから粉末状の金属材料を充填してもよい。また、管材の扁平加工終了後または扁平加工の途中で、所定部位に隔離部材を設置する場合には、隔離部材の設置後に、隔離部材を焼結結合等にてウィック構造体に固定してもよい。
次に、本発明の他の実施形態例について説明する。上記第5実施形態例では、隔離部材の一方の端部の端面は扁平型のコンテナの一方の端部の端面に当接し、隔離部材の他方の端部の端面は扁平型のコンテナの他方の端部の端面に当接していたが、これに代えて、隔離部材は、扁平型のコンテナの長手方向において断熱部から片方の端部まで延在し、片方の端部(入熱部または放熱部に対応する部位)に開口部が設けられている態様としてもよい。隔離部材の片方の端部の端面が、扁平型のコンテナの片方の端部の端面に当接することでも、隔離部材(開口部が設けられていない隔離部材の部位)は扁平型のコンテナの断熱部に精度よく位置決め可能である。
上記各実施形態例では、扁平型ヒートパイプの長手方向の形状は直線状であったが、該形状は特に限定されず、使用状況に応じて、U字状、L字状等、曲部を有する形状としてもよい。また、上記各実施形態例では、ウィック構造体は金属粉の焼結体または編組体であったが、毛細管力を生じる構造であれば、特に限定されず、例えば、グルーブでもよい。また、入熱部、放熱部及び断熱部のウィック構造体を、それぞれ異なる構造としてもよい。
第1、第3実施形態例では、蒸気流路の周面全体が隔離部材で覆われていたが、これに代えて、ウィック構造体の表面のみが隔離部材で覆われている態様でもよい。また、上記各実施形態例では、隔離部材は、断熱部に位置するウィック構造体の表面全体に設けられていたが、これに代えて、該表面の一部領域にのみ設けてもよい。
以下に、本発明の実施例を説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
本発明の第1実施形態例に係る扁平型ヒートパイプを用いた。外径8mm、内径7.5mm、長さ150mmの銅製コンテナを、厚さ2mmまで扁平加工した。ウィック構造体は、銅粉の焼結体からなり、扁平型のコンテナの一方の平坦部及び他方の平坦部と焼結結合し、扁平型のコンテナの径方向の断面の略中央部にウィック構造体を設けた。扁平型のコンテナの長手方向において、一方の端部から20mmまでを発熱体と熱的に接続した入熱部、他方の端部から40mmまでを放熱フィンと熱的に接続した放熱部とした。従って、断熱部は一方の端部から20mmの部位〜他方の端部から40mmの部位の長さ90mmの領域とした。ウィック構造体が設けられていない部位である、2つの蒸気流路、それぞれに、厚み0.03mmの平面状である銅製の箔体を筒状に巻いて挿入し、断熱部に対応する部位まで挿入した。筒状に巻かれた箔体の付勢によって、蒸気流路の内面に箔体を固定した。扁平型のコンテナ内には作動流体として適量の水を封入した。
本発明の第1実施形態例に係る扁平型ヒートパイプを用いた。外径8mm、内径7.5mm、長さ150mmの銅製コンテナを、厚さ2mmまで扁平加工した。ウィック構造体は、銅粉の焼結体からなり、扁平型のコンテナの一方の平坦部及び他方の平坦部と焼結結合し、扁平型のコンテナの径方向の断面の略中央部にウィック構造体を設けた。扁平型のコンテナの長手方向において、一方の端部から20mmまでを発熱体と熱的に接続した入熱部、他方の端部から40mmまでを放熱フィンと熱的に接続した放熱部とした。従って、断熱部は一方の端部から20mmの部位〜他方の端部から40mmの部位の長さ90mmの領域とした。ウィック構造体が設けられていない部位である、2つの蒸気流路、それぞれに、厚み0.03mmの平面状である銅製の箔体を筒状に巻いて挿入し、断熱部に対応する部位まで挿入した。筒状に巻かれた箔体の付勢によって、蒸気流路の内面に箔体を固定した。扁平型のコンテナ内には作動流体として適量の水を封入した。
発熱体からの入熱により入熱部にて液相から気相へ相変化した作動流体は、ウィック構造体から蒸気流路へ流出し、隔離部材の内側の蒸気流路を流通して、入熱部から放熱部へ流れ、放熱部で潜熱を放出して気相から液相へ相変化した。液相の作動流体は、ウィック構造体の毛細管力によって放熱部から入熱部へ返送されて、発熱体からの熱が輸送された。断熱部においては気相の作動流体と液相の作動流体が完全に隔離されていたので、ループ式ヒートパイプと同様に、対向流の抵抗が低減され、また、最大熱輸送量が増加して、熱輸送特性が向上した。さらに、断熱部において、液相の作動流体の飛散が抑制される点でも、熱輸送特性が向上した。
実施例2
本発明の第2実施形態例に係る扁平型ヒートパイプを用いた。外径6mm、内径5.5mm、長さ250mmの銅製コンテナを使用した。ウィック構造体はメッシュ編み込みの編組体とした。扁平型のコンテナの長手方向において、中央部に30mmに渡って発熱体と熱的に接続した入熱部、一方の端部から50mmまでと他方の端部から50mmまでは、それぞれ、放熱フィンと熱的に接続した放熱部とした。従って、入熱部と放熱部の間の60mmの部位、2カ所を断熱部とした。編組体(ウィック構造体)のうちの断熱部に対応する部位を、筒状に巻かれた箔体(銅箔)に挿入した。厚さ1.5mmまでコンテナを扁平加工して、箔体に挿入された編組体をコンテナの中央に位置するよう固定した。扁平型のコンテナ内には作動流体として適量の水を封入した。なお、必要に応じて、予め、箔体を焼結等でウィック構造体と接合してもよい。
本発明の第2実施形態例に係る扁平型ヒートパイプを用いた。外径6mm、内径5.5mm、長さ250mmの銅製コンテナを使用した。ウィック構造体はメッシュ編み込みの編組体とした。扁平型のコンテナの長手方向において、中央部に30mmに渡って発熱体と熱的に接続した入熱部、一方の端部から50mmまでと他方の端部から50mmまでは、それぞれ、放熱フィンと熱的に接続した放熱部とした。従って、入熱部と放熱部の間の60mmの部位、2カ所を断熱部とした。編組体(ウィック構造体)のうちの断熱部に対応する部位を、筒状に巻かれた箔体(銅箔)に挿入した。厚さ1.5mmまでコンテナを扁平加工して、箔体に挿入された編組体をコンテナの中央に位置するよう固定した。扁平型のコンテナ内には作動流体として適量の水を封入した。なお、必要に応じて、予め、箔体を焼結等でウィック構造体と接合してもよい。
発熱体からの入熱により入熱部にて液相から気相へ相変化した作動流体は、ウィック構造体から蒸気流路へ流出し、隔離部材の内側の蒸気流路を流通して、入熱部から両端部の放熱部へ流れ、放熱部で潜熱を放出して気相から液相へ相変化した。液相の作動流体は、ウィック構造体の毛細管力によって放熱部から中央部の入熱部へ返送されて、発熱体からの熱が輸送された。断熱部においては気相の作動流体と液相の作動流体が完全に隔離されていたので、ループ式ヒートパイプと同様に、対向流の抵抗が低減され、また、最大熱輸送量が増加して、熱輸送特性が向上した。さらに、断熱部において、液相の作動流体の飛散が抑制される点でも、熱輸送特性が向上した。
本発明の扁平型ヒートパイプは、作動流体の対向流の抵抗を低減して優れた熱輸送特性を得ることができるので、広汎な分野で利用可能であり、例えば、車両に搭載された発熱体の冷却用として利用することができる。
1、2、3、4 扁平型ヒートパイプ
11 コンテナ
12、22、32、42 ウィック構造体
13 蒸気流路
14 隔離部材
11 コンテナ
12、22、32、42 ウィック構造体
13 蒸気流路
14 隔離部材
Claims (6)
- 熱輸送方向が長手方向である扁平型のコンテナと、該コンテナの内部に封入された作動流体と、前記コンテナの内面に設けられたウィック構造体と、前記コンテナの内部に設けられた蒸気流路と、該蒸気流路と前記ウィック構造体との間に配置され、前記コンテナの入熱部にも放熱部にも対応しない部位に設けられた隔離部材と、を備えた扁平型ヒートパイプ。
- 前記隔離部材が、箔体である請求項1に記載の扁平型ヒートパイプ。
- 前記隔離部材が、筒状に巻かれた箔体である請求項1または2に記載の扁平型ヒートパイプ。
- 前記入熱部にも前記放熱部にも対応しない部位の前記蒸気流路の周面が、前記隔離部材によって覆われている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の扁平型ヒートパイプ。
- 前記入熱部にも前記放熱部にも対応しない部位の前記ウィック構造体の表面が、前記隔離部材によって覆われている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の扁平型ヒートパイプ。
- 前記隔離部材が、前記コンテナの入熱部にも放熱部にも対応しない部位から前記コンテナの一方の端部または前記コンテナの両端部に渡って設けられ、前記入熱部及び/または前記放熱部に対応する部位に開口部を有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の扁平型ヒートパイプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016028234A JP2017146025A (ja) | 2016-02-17 | 2016-02-17 | 扁平型ヒートパイプ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2016028234A JP2017146025A (ja) | 2016-02-17 | 2016-02-17 | 扁平型ヒートパイプ |
Publications (1)
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JP2017146025A true JP2017146025A (ja) | 2017-08-24 |
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ID=59680724
Family Applications (1)
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JP2016028234A Pending JP2017146025A (ja) | 2016-02-17 | 2016-02-17 | 扁平型ヒートパイプ |
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JP (1) | JP2017146025A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019039604A (ja) * | 2017-08-25 | 2019-03-14 | 古河電気工業株式会社 | ヒートパイプ |
-
2016
- 2016-02-17 JP JP2016028234A patent/JP2017146025A/ja active Pending
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