JP2019038800A - シロアリ毒餌剤とその製造方法 - Google Patents

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【課題】シロアリ喫食性に優れたシロアリ毒餌剤とその製造方法を提供することである。【解決手段】ベンゾイルフェニルウレア化合物を有効成分として含有する、シロアリ毒餌用の印刷塗工植物繊維体および、この印刷塗工植物繊維体からなるシロアリ毒餌剤および、ベンゾイルフェニルウレア化合物と特定の有機溶剤からなる溶液を、植物繊維に印刷塗工することを特徴とする、シロアリ毒餌剤の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、シロアリ毒餌剤とその製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、ベンゾイルフェニルウレア化合物を有効成分として含有する、シロアリ毒餌用の印刷塗工植物繊維体および、この印刷塗工植物繊維体からなるシロアリ毒餌剤と、ベンゾイルフェニルウレア化合物と特定の有機溶剤からなる溶液を、植物繊維に印刷塗工することを特徴とする、シロアリ毒餌剤の製造方法に関する。
シロアリは、住宅、文化財建造物等といった家屋などの建造物の木質資材を加害する構造害虫のうち最も破壊的な害虫といわれている。シロアリは近辺の木材や他のセルロース含有物を食いつくすが、通常は、これら被損部が木質資材の内部や土壌中に隠れているので、被損が深刻になるまで検知できないことが多い。
実用化されているシロアリ駆除法としては、ピレスロイド系化合物、ネオニコチノイド系化合物等の殺虫活性成分を含有する製剤を、シロアリで被害を受けた箇所やシロアリが家屋に侵入する箇所等に散布する方法がある(例えば、特許文献1等)。しかしながら、この方法ではシロアリの巣ごと壊滅させることは難しい。一方、シロアリの巣ごと壊滅させるシロアリ駆除法として、殺虫活性成分を混入した毒餌剤(ベイト剤)をシロアリに摂食させて、シロアリ駆除を行うベイト工法が採用されている(例えば、特許文献2等)。このベイト工法は、限定的に薬剤を使用するので環境を汚染しないという長所がある反面、シロアリの巣を壊滅するのに数ヶ月という長期間を要するという欠点があった。
特表2006−515374号公報 特開2002−212011号公報
シロアリ毒餌剤は、微量の忌避性成分が混入しているだけで喫食率が低下し、望むシロアリ駆除効果が得られないことが報告されている。しかも、殺虫有効成分の中には、シロアリが食害するときに忌避性を示すものが多く、シロアリ毒餌剤を如何に効率よくシロアリに喫食させるかという課題があった。
そこで本発明は、シロアリ喫食性に優れたシロアリ毒餌剤とその製造方法を提供することを目的としている。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、シロアリ毒餌剤を構成する植物繊維基材において有効成分の塗付ムラが生じると、有効成分含有量の低い部分が先に喫食され、有効成分含有量の高い部分が残存し、望むシロアリ駆除効果が得られないことを見出した。そこで、ベンゾイルフェニルウレア化合物を特定の有機溶剤に溶解した溶液を、植物繊維に印刷塗工することにより、ベンゾイルフェニルウレア化合物を均一に植物繊維に塗付することができ、これにより、シロアリの喫食性が向上することを見出し、上記課題を解決するに至ったものである。
本発明は、具体的には次の事項を要旨とする。
1.ベンゾイルフェニルウレア化合物を有効成分として含有する、シロアリ毒餌用の印刷塗工植物繊維体。
2.1.に記載の印刷塗工植物繊維体からなることを特徴とする、シロアリ毒餌剤。
3.ベンゾイルフェニルウレア化合物と、20℃における蒸気圧が20kPa以下の有機溶剤とを混合し、ベンゾイルフェニルウレア化合物溶液を得る第1工程と、前記ベンゾイルフェニルウレア化合物溶液を、植物繊維に印刷塗工する第2工程を含むことを特徴とする、2.記載のシロアリ毒餌剤の製造方法。
本発明のシロアリ毒餌用の印刷塗工植物繊維体は、シロアリ毒餌の有効成分であるベンゾイルフェニルウレア化合物を、植物繊維に印刷塗工することにより得られるものであり、ベンゾイルフェニルウレア化合物が均一に植物繊維に塗付されているという特徴を有するものである。これにより、この印刷塗工植物繊維体からなる本発明のシロアリ毒餌剤は、喫食性が向上し優れたシロアリ駆除効果が得られる。
しかも、本発明のシロアリ毒餌剤の製造方法においてベンゾイルフェニルウレア化合物を特定の有機溶剤に溶解した溶液は、特定の有機溶剤が蒸散しにくく、ベンゾイルフェニルウレア化合物の濃縮が長期間抑制されるという特徴を有するものであり、この点も、ベンゾイルフェニルウレア化合物を均一に植物繊維に塗付するために大きく貢献するものである。
以下、本発明のシロアリ毒餌用の印刷塗工植物繊維体、この印刷塗工植物繊維体からなるシロアリ毒餌剤、さらにこのシロアリ毒餌剤の製造方法について詳細に説明する。
本発明におけるシロアリ毒餌剤の有効成分は、ベンゾイルフェニルウレア化合物である。本発明において、このベンゾイルフェニルウレア化合物とは、下記化学構造を有する化合物群を意味する。
Figure 2019038800
本発明におけるベンゾイルフェニルウレア化合物としては、例えば、トリフルムロン等の2−クロロベンゾイルフェニルウレア化合物や、ジフルベンズロン、ペンフルロン、ビストリフルロン、テフルベンズロン、ヘキサフルムロン、ノバルロン、ノビフルムロン、ルフェヌロン、フルフェノクスロン、フルシクロクスロン、クロルフルアズロン、フルアズロン等の2,6−ジフルオロベンゾイルフェニルウレア化合物が挙げられる。中でも、2,6−ジフルオロベンゾイルフェニルウレア化合物が好ましく、ジフルベンズロン、ビストリフルロン、ノバルロン、ノビフルムロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、クロルフルアズロンがより好ましく、ジフルベンズロン、ビストリフルロン、ノビフルムロン、ヘキサフルムロンが特に好ましく、ヘキサフルムロンが最も好ましい。かかるベンゾイルフェニルウレア化合物の本発明のシロアリ毒餌剤中における含有量は、特に限定されるものではないが、通常0.01〜10重量%の範囲が好ましく、中でも0.05〜5重量%の範囲がより好ましく、0.1〜1重量%の範囲が特に好ましい。
本発明における植物繊維とは、有効成分であるベンゾイルフェニルウレア化合物含有溶液を印刷塗工する基材を意味し、針葉樹、広葉樹、バガス、麻、楮等の植物由来のセルロース成分を含有する紙、布、不織布等を制限無く使用することができる。中でも、模造紙、上質紙、クラフト紙、ロール紙、薄葉紙、グラシン紙、和紙、ボール紙、段ボール等の紙が好適である。本発明における植物繊維として紙を使用する場合には、その紙の坪量は、10〜1000g/m、好ましくは20〜500g/mの範囲が好ましい。
本発明の印刷塗工植物繊維体における、印刷塗工方法は通常の印刷方法を採用することができる。具体的には、例えばフレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷等の印刷方法が挙げられ、中でもグラビア印刷による印刷塗工が、ベンゾイルフェニルウレア化合物を均一に植物繊維に塗付できる点において好ましい。
従来のシロアリ毒餌剤は、担体に有効成分を含浸させたものが使用されている。しかしながら、担体として多孔状構造体を用いて有効成分を含浸させると、多孔状構造体全体に有効成分が均一に浸透せず、部位により有効成分の含有量にムラが生じることが判明した。詳しくは、本発明の印刷塗工植物繊維体を多孔状構造体とした場合には、有効成分含有率のばらつき(標準偏差)が2%未満であるのに対し、未塗工植物繊維体を多孔状構造体とし、有効成分の溶液を点滴含浸した場合には、有効成分含有率のばらつき(標準偏差)は20%以上という結果が得られた。このように有効成分含有量にムラが生じると、シロアリは有効成分含有量の低い部分を先に喫食してしまい、結果として有効成分含有量の高い部分は喫食されず残存することになるため、望むシロアリ駆除効果が得られないことを、本発明者が数多くの実験を行い初めて確認した。そこで、本発明の印刷塗工植物繊維体は、シロアリ毒餌用の担体である多孔状構造体を構成する前の基材である植物繊維に、有効成分であるベンゾイルフェニルウレア化合物を印刷塗工して、均一にベンゾイルフェニルウレア化合物が塗付された植物繊維体を得て、これを多孔状構造体等の担体構造体とすることにより作製する。この構造体により喫食性が向上し優れたシロアリ駆除効果を発揮するシロアリ毒餌剤が得られることを見出し、本発明を完成させた。この有効成分を均一に存在させることにより、シロアリの喫食性を向上させて優れたシロアリ駆除効果が得られることは、本発明による格別顕著な効果である。
本発明のシロアリ毒餌剤が効力を有するシロアリとは、例えば、ムカシシロアリ科、オオシロアリ科、レイビシロアリ科、シュウカクシロアリ科、ミゾガシラシロアリ科、ノコギリシロアリ科、シロアリ科に属する等翅目昆虫をいう。具体的には、ヤマトシロアリ、イエシロアリ、アメリカカンザイシロアリ、ダイコクシロアリ、タイワンシロアリ、コウシュンシロアリ、サツマシロアリ、ナカジマシロアリ、カタンシロアリ、コダマシロアリ、クシモトシロアリ、オオシロアリ、コウシュウイエシロアリ、アマミシロアリ、キアシシロアリ、カンモンシロアリ、タカサゴシロアリ、ニトベシロアリ、ムシャシロアリ等のほか、イースタンサブテラニアンターマイト、ウエスタンサブテラニアンターマイト、ダークサザンサブラテニアンターマイト、アリッドランドサブテラニアンターマイト、デザートサブテラニアンターマイト、およびネバダダンプウッドターマイト等を挙げることができる。
本発明のシロアリ毒餌剤の製造方法において使用する、20℃における蒸気圧が20kPa以下の有機溶剤とは、具体的に、例えば、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソペンチルアルコール、1−ペンチルアルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソペンチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ペンチル、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−ブタノール、2−ブタノール、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチル−n−ブチルケトン等が挙げられるが、本発明のベンゾイルフェニルウレア化合物を、室温において容易に溶解し得る有機溶剤が好ましい。中でも、20℃における蒸気圧が15kPa以下の有機溶剤が好ましく、10kPa以下の有機溶剤がより好ましく、酢酸n−ブチル、酢酸エチルが特に好ましく、酢酸n−ブチルが最も好ましい。
本発明のシロアリ毒餌剤の製造方法は、第1工程と第2工程を含むことを特徴とする。
第1工程は、ベンゾイルフェニルウレア化合物と、20℃における蒸気圧が20kPa以下の有機溶剤とを混合し、ベンゾイルフェニルウレア化合物溶液を得る工程である。溶液を得るための撹拌方法は限定されない。必要に応じて、使用する有機溶剤の沸点以下の温度まで加温してもよいが、室温において結晶が析出することのない安定な溶液であることが好ましい。有機溶剤の使用量は、ベンゾイルフェニルウレア化合物1重量部に対して、1重量部以上1000重量部以下の範囲であればよく、5重量部以上500重量部以下の範囲が好ましく、5重量部以上200重量部以下の範囲がより好ましい。
第2工程は、第1工程により得られたベンゾイルフェニルウレア化合物溶液を、植物繊維に印刷塗工する工程である。この第2工程により得られた印刷塗工植物繊維体は、印刷塗工時またはその後において、第1工程において使用された有機溶剤は蒸散してしまう。そのため、本発明の印刷塗工植物繊維体は、20℃における蒸気圧が20kPa以下の有機溶剤を含有せず、ベンゾイルフェニルウレア化合物のみを含有する状態となる。
本発明の印刷塗工植物繊維体は、そのまま若しくは多孔状構造体等の担体構造体として、シロアリ毒餌剤とすることができる。
第1工程により得られるベンゾイルフェニルウレア化合物溶液は、本発明の効果を妨げない範囲で、当該分野に慣用の界面活性剤、凍結防止剤、消泡剤、防腐剤、酸化防止剤および増粘剤等の添加剤を使用することができる。しかしながら、上述のとおり、シロアリは臭いにとても敏感な生物のため、忌避性が出ない量で添加することが好ましい。
また必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲で、天然ピレトリン、アレスリン、レスメトリン、フラメトリン、プラレトリン、テラレスリン、フタルスリン、フェノトリン、ペルメトリン、シフェノトリン、サイパーメスリン、トランスフルトリン、メトフルトリン、プロフルトリン、イミプロトリン、エンペントリン、エトフェンプロックス、シラフルオフェン等のピレスロイド系化合物;プロポクスル、カルバリル等のカーバメイト系化合物;フェニトロチオン、DDVP等の有機リン系化合物;メトキサジアゾン等のオキサジアゾール系化合物;フィプロニル等のフェニルピラゾール系化合物;アミドフルメト等のスルホンアミド系化合物;イミダクロプリド、ジノテフラン等のネオニコチノイド系化合物;メトプレン、ハイドロプレン等の昆虫幼若ホルモン様化合物;プレコセン等の抗幼若ホルモン様化合物;フィトンチッド、ハッカ油、オレンジ油、桂皮油、丁子油等の殺虫精油類等の各種シロアリ防除剤;サイネピリン、ピペロニルブトキサイド等の共力剤等を併用してもよい。
本発明のシロアリ毒餌剤は、シロアリの生息域に設置して使用する。具体的には例えば、シロアリの被損部、シロアリの通り道、家屋の床下、家屋周辺の土壌等のシロアリが生息している場所またはシロアリの侵入が予想される場所に、本発明のシロアリ毒餌剤をそのまま若しくは適当な容器に収納して設置することにより使用できる。
本発明のシロアリ毒餌剤の使用量は、シロアリを防除しようとする設置場所の面積1mあたりのベンゾイルフェニルウレア化合物量で、通常0.001〜20gが好ましい。
以下、処方例および試験例等により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例に限定されるものではない。
なお、実施例において、特に明記しない限り、部は重量部を意味する。
処方例および試験例の調製に際し、使用した有効成分と有機溶剤の詳細は以下のとおりである。
ヘキサフルムロン:林純薬工業社製
ビストリフルロン:AdipoGen社製
フィプロニル:東京化成工業社製
クロルフェナピル:林純薬工業社製
酢酸n−ブチル:蒸気圧(20℃)1.2kPa:和光純薬工業社製
酢酸エチル:蒸気圧(20℃)10.0kPa:和光純薬工業社製
アセトン :蒸気圧(20℃)24.7kPa:和光純薬工業社製
<シロアリ喫食性確認試験1>
有効成分による、シロアリ喫食性の違いについて確認試験を行った。
(1)試験検体の調製
実施例1
ヘキサフルムロン1重量部および酢酸n−ブチルを使用して全体量を100重量部とし、各成分を混合しマグネチックスターラーにて組成が均一となるように撹拌して試験検体(ヘキサフルムロンの酢酸n−ブチル溶液)を調製した。
実施例2〜4、比較例1〜4は、下記表1に示した配合で、実施例1と同様にしてそれぞれの試験検体を得た。
(2)有効成分含有植物繊維体の調製
試験検体(実施例1〜4、比較例1〜4)600mgを、晒クラフト紙100mm×100mm(厚さ0.07mm)に印刷塗工して風乾した。それぞれを20mm×20mmにカットし、下記シロアリ喫食性確認試験1に使用した。
なお、本実施例における印刷塗工は、実機による印刷塗工と同様の均一塗工が得られる、簡易印刷の手法を採用した。具体的には、ペンキローラーを利用し、塗りムラなく均一に塗工し風乾した。
(3)シロアリ喫食性確認試験1の実施方法
直径90mmのプラスチック製シャーレーの中央に、有効成分を塗工した20mm×20mmの紙片を置き、ヤマトシロアリ150頭を放ち、1週間後の喫食率を確認した。喫食率は、試験前後の喫食重量を確認し、減少率を喫食率とした。試験は3回行い、喫食率はその平均値を使用した。
上記試験検体の組成とそれぞれの喫食率を表1に示した。
Figure 2019038800
表1の結果より、本発明の具体例である実施例1〜4はシロアリ喫食性に極めて優れていることが確認された。
詳しくは、ベンゾイルフェニルウレア化合物の1つであるヘキサフルムロンとビストリフルロンを印刷塗工した植物繊維体(実施例1〜4)は、シロアリ喫食率が52〜67%、すなわち試験検体の半分以上が喫食されるという、極めて優れた喫食性を示すことが明らかとなった。
一方、実施例1、2の有効成分をベンゾイルフェニルウレア化合物とは異なる、フィプロニルやクロルフェナピルを印刷塗工した植物繊維体(比較例1〜4)は、シロアリは全く喫食しないことが確認された。フィプロニルとクロルフェナピルは、ヘキサフルムロン等のベンゾイルフェニルウレア化合物と同様に、シロアリ毒餌剤の有効成分として公知である。表1に示すフィプロニルとクロルフェナピルの喫食率が著しく低い理由については不明であるが、室温で液体のヘキサフルムロンに対し、室温で固体のフィプロニル(融点:203℃)やクロルフェナピル(融点:100℃)は、印刷塗工後に再結晶化していることも想定でき、その他、蒸気圧や臭気等の物性の相違により、シロアリが喫食を忌避した可能性が考えられる。
<シロアリ喫食性確認試験2>
有効成分の塗付方法の違いによる、シロアリ喫食性の違いについて確認試験を行った。
(1)試験検体の調製
比較例5
「シロアリ喫食性確認試験1」の実施例1と同様の、比較例5の試験検体を得た。比較例6は、有効成分としてビストリフルロンを使用して、上記実施例1と同様にして試験検体を得た。
(2)有効成分含有植物繊維体の調製
試験検体(比較例5、6)600mgを、晒クラフト紙100mm×100mm(厚さ0.07mm)にポンプスプレーにより噴霧塗付して風乾した。それぞれを20mm×20mmにカットし、下記シロアリ喫食性確認試験2に使用した。実施例1、3は、「シロアリ喫食性確認試験1」で調製した植物繊維体を使用した。
(3)シロアリ喫食性確認試験2の実施方法
上記「シロアリ喫食性確認試験1」と同じ方法により、シロアリ喫食性確認試験を3回行い、喫食率はその平均値を使用した。
上記試験検体の組成とそれぞれの喫食率を表2、3に示した。
Figure 2019038800
Figure 2019038800
表2、3の結果より、本発明の有効成分であるベンゾイルフェニルウレア化合物は、印刷塗工により植物繊維に塗付されることにより、優れたシロアリ喫食性を示すことが確認された。
詳しくは、ヘキサフルムロン、ビストリフルロンともに、酢酸n−ブチルに溶解し印刷塗工した植物繊維体(実施例1、3)は、噴霧塗付した植物繊維体(比較例5、6)に比べて、約1.5倍以上の喫食率の向上が確認された。
これは、噴霧塗付に比べ印刷塗工することにより、有効成分であるヘキサフルムロンやビストリフルロンを均一に植物繊維(紙)に塗付できたことに起因する結果であると考えられる。
<溶液濃縮性の確認試験>
(1)試験検体の調製
実施例5
ヘキサフルムロン5重量部および酢酸n−ブチルを使用して全体量を100重量部とし、各成分を混合し撹拌機にて組成が均一となるように撹拌して試験検体(ヘキサフルムロンの酢酸n−ブチル溶液)を調製した。
比較例7
ヘキサフルムロン5重量部およびアセトンを使用して全体量を100重量部とし、各成分を混合し撹拌機にて組成が均一となるように撹拌して試験検体(ヘキサフルムロンのアセトン溶液)を調製した。
(2)溶液濃縮性の確認試験方法
実施例5と比較例7の試験検体をそれぞれ、グラビア印刷機の溶液タンク40cm×40cm×高さ15cm(開放)に16L投入し、時間経過によるヘキサフルムロンの濃縮程度を確認した。濃縮程度の確認は、それぞれ経過時間ごとにサンプリングした溶液中のヘキサフルムロン量をHPLCにて定量し、溶液中のヘキサフルムロン濃度を調べることで対初期濃縮率を求めた。
Figure 2019038800
表4の結果より、ヘキサフルムロンの酢酸n−ブチル溶液(実施例5)は、80分経過後も酢酸n−ブチルが蒸散することなく、ヘキサフルムロン濃度が大きく変化することはなかった。一方、ヘキサフルムロンのアセトン溶液(比較例7)は、アセトンの蒸散が大きく、80分経過後はヘキサフルムロン濃度が大きく上昇していることが確認された。
本発明は、20℃における蒸気圧が20kPa以下の有機溶剤を使用することにより、印刷機による印刷塗工前後における有機溶剤の蒸散を最低限に抑制することができるため、植物繊維にベンゾイルフェニルウレア化合物を均一に印刷塗工することができ、それによりシロアリ喫食性を向上させる効果が得られるものである。
本発明のシロアリ毒餌用の印刷塗工植物繊維体は、シロアリ毒餌の有効成分であるベンゾイルフェニルウレア化合物が、均一に植物繊維に塗付されているため、シロアリ喫食性が向上するという優れた効果が得られる。有効成分であるベンゾイルフェニルウレア化合物は遅効性のため、これを喫食したシロアリは、すぐに死ぬことなく毒餌をさらに巣に持ち帰り、また、グルーミング等により個体間で有効成分を伝播させて、シロアリの巣を壊滅させる効果を得ることができる。

Claims (3)

  1. ベンゾイルフェニルウレア化合物を有効成分として含有する、シロアリ毒餌用の印刷塗工植物繊維体。
  2. 請求項1に記載の印刷塗工植物繊維体からなることを特徴とする、シロアリ毒餌剤。
  3. ベンゾイルフェニルウレア化合物と、20℃における蒸気圧が20kPa以下の有機溶剤とを混合し、ベンゾイルフェニルウレア化合物溶液を得る第1工程と、前記ベンゾイルフェニルウレア化合物溶液を、植物繊維に印刷塗工する第2工程を含むことを特徴とする、請求項2記載のシロアリ毒餌剤の製造方法。
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