JP2019038775A - イリジウム錯体化合物、該化合物を含む組成物、有機電界発光素子、表示装置及び照明装置 - Google Patents
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Abstract
Description
ム錯体化合物を含有する組成物及び有機電界発光素子と、該有機電界発光素子を用いた表
示装置および照明装置に関する。
スプレイ)など、有機電界発光素子(以下、「有機EL素子」と称すこともある。)を利
用する各種電子デバイスが実用化されつつある。有機EL素子は、印加電圧が低く消費電
力が小さく、面発光であり、三原色発光も可能であることから、照明やディスプレイへの
適用が盛んに検討されている。そのためにも、有機EL素子のより一層の発光効率の改善
が求められる。
生成する一重項励起子と三重項励起子との生成比が1:3であることを利用して、有機E
L素子の発光層に燐光発光材料を利用することが提案されている。燐光発光材料としては
、例えば、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウムアセチルアセトナー
ト(Irppy2(acac))や、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’) イ
リジウム(Ir(ppy)3)をはじめとしたオルトメタル化イリジウム錯体化合物が広
く知られている(非特許文献1)。
る配位子上の置換基の種類や置換位置についての検討が行われている(特許文献1及び非
特許文献1)。例えば、2−フェニルピリジンを配位子とするイリジウム錯体化合物(I
r(PPy)3)は緑色に発光することが知られているが、このイリジウム錯体化合物にフ
ッ素原子を6つ導入することで発光波長の波長化シフトが観測され、青色に発光すること
が知られている(非特許文献2)。
また、電子求引基を導入することにより、分子のLUMO(最低空軌道は電子に占有さ
れていない最もエネルギーの低い分子軌道)よりHOMO(最高被占軌道は電子に占有さ
れている最もエネルギーの高い分子軌道)を安定させられ、三重項エネルギーギャップが
広がることが知られている(非特許文献3)。
有することが知られている。これらは、医薬品や農薬の分野で優れたビルディングブロッ
クとして注目されている(非特許文献4)。
を導入するのは有効的な一つ手法である。しかしながら、本発明者等は、電子求引基とし
てフッ素原子を導入すると、電子求引性が弱いため、HOMOやLUMOが広がる分子に
対し発光波長シフト効果が大幅に降下するという問題があることを見出した。
また、フッ素原子の励起中のMLCT(Metal to Ligand Charge Transfer、中心金属
から配位子への電子移動)性が減少する傾向より、錯体の量子効率が下がるという欠点が
あることも見出した。
オロ基を有するイリジウム錯体化合物が、所望の色を発すること、及び優れた溶解性を持
つことを見出した。さらに、該イリジウム錯体化合物が、高い量子収率を示すことを見出
し、本発明を完成するに至った。
R1、R2及びR3は、各々独立に、式(2)で表される基、水素原子、炭素数4以上
20以下のアルキル基、炭素数7以上40以下のアラルキル基、炭素数4以上20以下の
アルコキシ基、炭素数3以上20以下のアリールオキシ基又は炭素数3以上30以下の(
ヘテロ)アリール基を表し、
該炭素数4以上20以下のアルキル基は、式(2)で表される基を少なくとも一つ含ん
でいてもよく、
R1、R2及びR3の少なくとも1つは、式(2)で表される基又は式(2)で表され
る基を少なくとも一つを含む炭素数4以上20以下のアルキル基である。
環Aは、N原子及びC原子を含む5員環又は6員の芳香族複素環を表す。
mは1〜3の整数を表す。
n1、n2及びn3はそれぞれ独立に、0〜4の整数を表す。]
[3] [1]又は[2]に記載のイリジウム錯体化合物及び溶媒を含む、組成物。
[4] 陽極、陰極、及び前記陽極と前記陰極の間に少なくとも1層の有機層を有する有機
電界発光素子であって、該有機層のうち少なくとも1層が、[1]又は[2]に記載のイリジ
ウム錯体化合物を含むものである、有機電界発光素子。
[5] [4]に記載の有機電界発光素子を用いた表示装置。
[6] [4]に記載の有機電界発光素子を用いた照明装置。
量子収率を示すものであり、色素材料として有用である。また、本発明のイリジウム錯体
化合物は成膜性に優れるため、湿式成膜法に適しており、該イリジウム錯体化合物を含む
有機電界発光素子の性能が高いものである。
れるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形して実施することができる。
本発明のイリジウム錯体化合物は、式(1)で表されることを特徴とする。以下、その
詳細について述べる。
本発明のイリジウム錯体化合物が、所望の色を発すること、優れた溶解性を持つこと、
及び高い量子収率であることの理由は以下のように推測される。
発光波長は、錯体化合物のHOMOの準位による制御される。該錯体化合物に電子求引
基を導入することによりHOMOを下降させることで、発光を短波長にシフトする方法が
知られている。従来の方法では、フッ素原子を特定の位置に導入することによりHOMO
を低下させて短波長化を実現したが、フッ素原子は電子求引性があまり高くないため、H
OMOやLUMOが広がる分子に対し、発光波長シフトの効果が大幅に降下する。そのた
め、錯体化合物の設計の自由度が狭いという問題があった。
本発明のイリジウム錯体化合物は、より電子求引性が強い式(2)で表される基(サル
ファーペンタフルオロ基)を有することにより、LUMOやHOMOが広がる錯体化合物
を、所望の色の発光材料に変えることができるものである。
一方、有機溶媒への溶解性を高めるには、通常、イリジウム錯体化合物の配位子にアル
キル基を導入することが行われている。しかしながら、今般、発明者らの検討によれば、
単にアルキル基を導入しても、その鎖長がイリジウム錯体化合物の分子サイズに比して短
い場合や、その置換位置によっては溶解性が改善されないことが分かった。また、逆にア
ルキル基の鎖長が長すぎる場合には溶解性は向上するものの、イリジウム錯体化合物中に
占める発光に寄与しない部分が増えるために、量子収率の低下等が発生し、有機EL素子
性能の低下を引き起こすことが分かった。
本発明のイリジウム錯体化合物は、式(2)で表される基を有することにより溶解性が
向上する。その理由としては、立体的効果及び電子的効果の2つがあるものと考えられる
。
前者の立体的効果としては、式(2)で表される基の硫黄−炭素結合が、炭素−炭素結
合よりも長く、式(2)で表される基を導入した当該イリジウム錯体化合物の溶媒排除体
積が大きくなるため、溶解性が向上するというものである。
後者の電子的効果としては、硫黄原子と炭素原子の電子状態の違いから、式(2)で表
される基を導入した化合物の分極状態が、導入していない化合物よりも大きいことによる
。この分極状態が大きいことで、特に極性が高い溶媒に対して溶解性が向上する。
をイリジウム錯体化合物に導入することで、励起される際に、錯体の中心金属から配位子
への電子移動(MLCT)遷移能力が向上する。そのため、該イリジウム錯体化合物は強
く発光し、錯体の量子収率が高くなると考えられる。
R1、R2及びR3は、各々独立に、式(2)で表される基、水素原子、炭素数4以上
20以下のアルキル基、炭素数7以上40以下のアラルキル基、炭素数4以上20以下の
アルコキシ基、炭素数3以上20以下のアリールオキシ基又は炭素数3以上30以下の(
ヘテロ)アリール基を表し、
該炭素数4以上20以下のアルキル基は、式(2)で表される基を少なくとも一つ含ん
でいてもよく、
R1、R2及びR3の少なくとも1つは、式(2)で表される基又は式(2)で表され
る基を少なくとも一つを含む炭素数4以上20以下のアルキル基である。
環Aは、N原子及びC原子を含む5員環又は6員の芳香族複素環を表す。
mは1〜3の整数を表す。
n1、n2及びn3はそれぞれ独立に、0〜4の整数を表す。]
R1、R2及びR3は、各々独立に、式(2)で表される基、水素原子、炭素数4以上
20以下のアルキル基、炭素数7以上40以下のアラルキル基、炭素数4以上20以下の
アルコキシ基、炭素数3以上20以下のアリールオキシ基又は炭素数3以上30以下の(
ヘテロ)アリール基を表す。該炭素数4以上20以下のアルキル基は、式(2)で表され
る基を少なくとも一つ含んでいてもよい。
さらに、R1、R2及びR3の少なくとも1つは、式(2)で表される基又は式(2)
で表される基を少なくとも一つを含む炭素数4以上20以下のアルキル基である。
R1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。また、R2及びR3
についても、同様である。
炭素数4以上20以下のアルキル基は、直鎖、分岐又は環状であってもよいが、直鎖の
方が、炭素のラジカル化が抑制できる傾向にあるため好ましい。
該アルキル基の炭素数は4以上であり、好ましくは6以上であり、より好ましくは8以
上である。一方、炭素数は20以下であり、好ましくは18以下であり、より好ましくは
16以下である。これらの範囲であることで、イリジウム錯体化合物が高溶解性及び高量
子収率を示す傾向にある。
炭素数4以上20以下のアルキル基は、式(2)で表される基を少なくとも一つ含んで
いてもよく、式(2)を含む以外にも置換基を有していてもよい。有していてもよい置換
基は特に限定はないが、フェニル基、フェニレン基、フルオレニル基、カルバゾリル基等
が挙げられる。
炭素数7以上40以下のアラルキル基は、直鎖、分岐又は環状のアルキル基を構成する
水素原子の一部がアリール基で置換された基のことを指す。より具体的には、1−フェニ
ル−1−エチル基、クミル基、5−フェニル−1−ペンチル基、6−フェニル−1−ヘキ
シル基、7−フェニル−1−ヘプチル基、テトラヒドロナフチル基などが挙げられる。
炭素数7以上40以下のアラルキル基の炭素数は特に限定されないが7以上であり、好
ましくは8以上であり、より好ましくは12以上である。一方、炭素数は40以下であり
、好ましくは24以下であり、より好ましくは18以下である。これらの範囲であること
で、イリジウム錯体化合物が高溶解性及び高量子収率を示す傾向にある。
また、炭素数7以上40以下のアラルキル基のアルキル及びアリール部分の炭素数等も
特に限定されない。例えば、アルキル部分の炭素数は3以上が好ましく、12以下が好ま
しい。また、アリール部分は、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナント
レン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェ
ニレン環、フルオランテン環、フラン環、ベンゾフラン環、ジベンゾフラン環、チオフェ
ン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダ
ゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環
、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フ
ロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソ
チアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミ
ジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、ベ
ンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環等があ
げられ、これらの中でもベンゼン環が、イリジウム錯体化合物の熱や酸化還元の安定性が
得られる傾向にあるため好ましい。
炭素数7以上40以下のアラルキル基は、置換基を有していてもよい。有していてもよ
い置換基は特に限定はないが、フェニル基、フェニレン基、フルオレニル基、カルバゾリ
ル基等が挙げられる。
炭素数4以上20以下のアルコキシ基は、直鎖又は分岐であってもよい。該アルコキシ
基の炭素数は4以上であり、好ましくは6以上であり、より好ましくは8以上である。一
方、炭素数は20以下であり、好ましくは18以下であり、より好ましくは16以下であ
る。これらの範囲であることでイリジウム錯体化合物が高溶解性及び高量子収率を示す傾
向にある。
炭素数4以上20以下のアルコキシ基は、置換基を有していてもよい。有していてもよ
い置換基は特に限定はないが、フェニル基、フェニレン基、フルオレニル基、カルバゾリ
ル等が挙げられる。
炭素数3以上20以下のアリールオキシ基の炭素数は3以上であり、好ましくは4以上
であり、より好ましくは6以上である。一方、炭素数は20以下であり、好ましくは18
以下であり、より好ましくは16以下である。これらの範囲であることでイリジウム錯体
化合物が高溶解性及び高量子収率を示す傾向にある。
また、アリールオキシ基のアリール部分は特に限定はされないが、例えば上記炭素数7
以上40以下のアラルキル基で挙げたアリール部分が挙げられる。
炭素数3以上20以下のアリールオキシ基は、置換基を有していてもよい。有していて
もよい置換基は特に限定はないが、フェニル基、フェニレン基、フルオレニル基、カルバ
ゾリル基が挙げられる。
炭素数3以上30以下の(ヘテロ)アリール基は、1個の遊離原子価を有する、芳香族
炭化水素基及び芳香族複素環基の両方を意味する。
該(ヘテロ)アリール基の炭素数は3以上であり、好ましくは5以上であり、より好ま
しくは6以上である。一方、炭素数は30以下であり、好ましくは24以下であり、より
好ましくは15以下である。これらの範囲であることで、イリジウム錯体化合物の熱や酸
化還元に対する耐久性が向上する傾向にある。
する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テ
トラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテ
ン環、フラン環、ベンゾフラン環、ジベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン
環、ジベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾ
ール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、
ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラ
ン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイ
ミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、
キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、ベンゾイミダゾール環、ペ
リミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環等が挙げられる。
フラン環、ジベンゾチオフェン環、カルバゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、トリア
ジン環等が好ましく、中でも、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環又はピリジン環が
さらに好ましい。
ここで、本発明において、遊離原子価とは、有機化学・生化学命名法(上)(改定第2
版、南江堂、1992年発行)に記載のとおり、他の遊離原子価と結合を形成できるもの
を言う。すなわち、例えば、「1個の遊離原子価を有するベンゼン環」はフェニル基のこ
とを言い、「2個の遊離原子価を有するベンゼン環」はフェニレン基のことを言う。
てもよい置換基は特に限定はないが、フェニル基、フェニレン基、フルオレニル基、カル
バゾリル基が挙げられる。
上記のなかでも、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に、炭素数7以上40以下のアラ
ルキル基 及び/又は炭素数3以上30以下の(ヘテロ)アリール基であることが好ましく、
特に、炭素数7以上40以下のアラルキル基及び/又は炭素数3以上30以下のアリール
基であることが好ましい。これらの基であることで、イリジウム錯体化合物のHOMOや
LUMOが広がり、MLCT性の向上や電子耐久性が向上する傾向にある。
n1、n2及びn3は、それぞれ独立に、0〜4の整数であるが、ホストよりイリジウ
ム錯体化合物がエネルギーを受ける効率性の観点から、好ましくは、1以上であり、また
、好ましくは3以下である。
率を維持又は向上させるために、それぞれ異なることが好ましい。
る基を少なくとも一つを含む炭素数4以上20以下のアルキル基である。式(1)表され
るイリジウム錯体化合物中の式(2)で表される基の数は特に限定されないが、6以下で
あることが好ましく、4以下であることがより好ましい、3以下であることが特に好まし
い。これらの範囲であることで、本願発明のイリジウム錯体化合物が、所望の色を発し、
優れた溶解性を持ち、さらに高い量子収率である傾向にある。
環Aは、窒素原子及び炭素原子を含む、6員環または5員環の芳香族複素環を表す。
6員環または5員環の芳香族複素環としては、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環
、トリアジン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環等が挙げられ、中でも
ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール
環等が好ましく、ピリジン環が特に好ましい。これらの環であることで、イリジウム錯体
化合物のLUMOがこれらの環に制御され、特に、緑燐光錯体を容易に得ることができる
傾向にある。
以上30以下のアルキル基、炭素数7以上40以下の(ヘテロ)アラルキル基、炭素数1
以上20以下のアルコキシ基、炭素数3以上20以下の(ヘテロ)アリールオキシ基、炭
素数が1以上20であるアルキルシリル基、炭素数が6以上20以下であるアリールシリ
ル基、炭素数2以上20以下のアルキルカルボニル基、炭素数7以上20以下のアリール
カルボニル基、炭素数2以上20以下のアルキルアミノ基、炭素数6以上20以下のアリ
ールアミノ基及び炭素数3以上20以下の(ヘテロ)アリール基からなる群より選択され
る少なくとも1つで置換されていてもよい。
上記の中でも、水素原子が置換される場合は、耐久性の観点から、炭素数1以上30以
下のアルキル基、炭素数7以上40以下の(ヘテロ)アラルキル基または炭素数3以上2
0以下の(ヘテロ)アリール基が好ましく、特に、炭素数3以上20以下のアリール基で
あることがより好ましい。
いてもよい。特に限定されないが、カルボリン環、ジアザカルバゾール環、キノリン環、
イソキノリン環、キナゾリン環、キノキサリン環、アザフェナントレン環、アザトリフェ
ニレン環、ベンズイミダゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環等が挙げ
られる。中でも、カルボリン環、キノリン環、キナゾリン環、キノキサリン環、アザトリ
フェニレン環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環等が好ましい具体例とし挙げ
られる。
(炭素数1以上30以下のアルキル基)
炭素数1以上30以下のアルキル基は直鎖、分岐又は環状のアルキル基が挙げられる。
特に限定されないが、炭素数は1以上であり、好ましくは4上であり、より好ましくは6
以上である。一方、炭素数は30以下であり、好ましくは24以下であり、より好ましく
は18以下である。これらの範囲であることで、イリジウム錯体化合物が高溶解性及び高
量子収率を示す傾向にある。
炭素数1以上30以下のアルキル基は特に限定されないが、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチ
ル基、イソペンチル基、シクロヘキシル基などが好ましい具体的として挙げられる。
上記の中でも、化合物の安定性の観点から、炭素数1以上30以下の直鎖のアルキル基
が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オク
チル基等が好ましい。
炭素数1以上30以下のアルキル基は、置換基を有していてもよい。有していてもよい
置換基は特に限定はないが、フェニル基、フェニレン基、フルオレニル基、カルバゾリル
等が挙げられる。
前記炭素数7以上40以下の(ヘテロ)アラルキル基は、直鎖のアルキル基、分岐のア
ルキル基、環状のアルキル基を構成する水素原子の一部が(ヘテロ)アリール基で置換さ
れた基のことを指す。
炭素数7以上40以下の(ヘテロ)アラルキル基の炭素数は特に限定されないが7以上
であり、好ましくは8以上である。一方、炭素数は40以下であり、好ましくは30以下
であり、より好ましくは24以下であり、さらに好ましくは15以下である。これらの範
囲であることで熱や酸化還元に対する耐久性が向上する傾向にある。
また、炭素数7以上40以下のアラルキル基のアルキル及び(ヘテロ)アリール部分の
炭素数等も特に限定されない。例えば、アルキル部分の炭素数は3以上が好ましく、12
以下が好ましい。
また、(ヘテロ)アリール部分の具体例としては、前記R1、R2及びR3の炭素3以
上30以下の(ヘテロ)アリール基で挙げたものと同義である。
炭素数7以上40以下の(ヘテロ)アラルキル基としては、特に限定されないが、1−
フェニル−1−エチル基、クミル基、5−フェニル−1−ペンチル基、6−フェニル−1
−ヘキシル基、7−フェニル−1−ヘプチル基、テトラヒドロナフチル基などが挙げられ
る。中でも、5−フェニル−1−ペンチル基、6−フェニル−1−ヘキシル基、7−フェ
ニル−1−ヘプチル基が好ましい具体例として挙げられる。
炭素数7以上40以下の(ヘテロ)アラルキル基は、置換基を有していてもよい。有し
ていてもよい置換基は特に限定はないが、フェニル基、フェニレン基、フルオレニル基、
カルバゾリル等が挙げられる。
炭素数1以上20以下のアルコキシ基は、直鎖又は分岐であってもよい。該アルコキシ
基の炭素数は1以上であり、好ましくは2以上であり、より好ましくは4以上である。一
方、炭素数は20以下であり、好ましくは18以下であり、より好ましくは16以下であ
る。これらの範囲であることでイリジウム錯体化合物が高溶解性及び高量子収率を示す傾
向にある。
炭素数1以上20以下のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、ヘ
キシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、オクタデシルオキシ基等が挙げられる。中で
も、メトキシ基、ヘキシルオキシ基が好ましい。
炭素数1以上20以下のアルコキシ基は、置換基を有していてもよい。有していてもよ
い置換基は特に限定はないが、フェニル基、フェニレン基、フルオレニル基、カルバゾリ
ル等が挙げられる。
炭素数3以上20以下の(ヘテロ)アリールオキシ基の炭素数は3以上であり好ましく
は4以上であり、より好ましくは6以上である。一方、炭素数は20以下であり、好まし
くは18以下であり、より好ましくは16以下である。これらの範囲であることでイリジ
ウム錯体化合物が高溶解性及び高量子収率を示す傾向にある。
また、(ヘテロ)アリールオキシ基の(ヘテロ)アリール部分は特に限定はされないが
、例えば、前記R1、R2及びR3の炭素3以上30以下の(ヘテロ)アリール基で具体
例として示したものが挙げられる。
炭素数3以上20以下の(ヘテロ)アリールオキシ基としては、フェノキシ基、4−メ
チルフェニルオキシ基等が好ましい具体例として挙げられ、さらに、フェノキシ基が化合
物の安定性の観点から好ましい。
炭素数3以上20以下の(ヘテロ)アリールオキシ基は、置換基を有していてもよい。
有していてもよい置換基は特に限定はないが、フェニル基、フェニレン基、フルオレニル
基、カルバゾリル等が挙げられる。
炭素数が1以上20であるアルキルシリル基の炭素数は1以上であり、好ましくは4上
であり、より好ましくは6以上である。一方、炭素数は20以下であり、好ましくは18
以下であり、より好ましくは16以下である。これらの範囲であることで、イリジウム錯
体化合物が高溶解性及び高量子収率を示す傾向にある。
該アルキルシリル基のアルキル基は特に限定されず、直鎖、分岐又は環状のアルキル基
が挙げられる。
炭素数が1以上20であるアルキルシリル基としては、化合物の安定性の観点から、ト
リメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルフェニル
基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基等が好ましい具体例と
して挙げられ、中でもトリイソプロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブ
チルジフェニルシリル基が、より好ましい具体例として挙げられる。
炭素数が1以上20であるアルキルシリル基は、置換基を有していてもよい。有してい
てもよい置換基は特に限定はないが、フェニル基、フェニレン基、フルオレニル基、カル
バゾリル等が挙げられる。
アリール基の炭素数が6以上20以下であるアリールシリル基の炭素数は6以上であり
、好ましくは7以上である。一方、炭素数は20以下であり、好ましくは18以下であり
、より好ましくは16以下である。これらの範囲であることでイリジウム錯体化合物が高
溶解性及び高量子収率を示す傾向にある。
該アリールシリル基のアリール部分は特に限定されず、例えば、前記R1、R2及びR
3の炭素数7以上40以下のアラルキル基で挙げたアリール部分と同義である。
アリール基の炭素数が6以上20以下であるアリールシリル基としては、化合物の安定
性の観点から、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基等が好ましい具体例と
して挙げられ、中でもトリフェニルシリル基が好ましい。
炭素数が6以上20以下であるアリールシリル基は、置換基を有していてもよい。有し
ていてもよい置換基は特に限定はないが、フェニル基、フェニレン基、フルオレニル基、
カルバゾリル等が挙げられる。
炭素数2以上20以下のアルキルカルボニル基の炭素数は2以上であり、好ましくは3
以上であり、より好ましくは4以上である。一方、炭素数は20以下であり、好ましくは
18以下であり、より好ましくは16以下である。これらの範囲であることでイリジウム
錯体化合物が高溶解性及び高量子収率を示す傾向にある。
該アルキルカルボニル基のアルキル部分は特に限定されず、例えば、前記R1、R2及
びR3の炭素数7以上40以下のアラルキル基で挙げたアリール部分と同義である。
炭素数2以上20以下のアルキルカルボニル基としては、化合物の安定性の観点から、
アセチル基、プロピオニル基、ピバロイル基、カプロイル基、デカノイル基、シクロヘキ
シルカルボニル基等が好ましい具体例として挙げられ、中でもアセチル基又はピバロイル
基が好ましい。
炭素数2以上20以下のアルキルカルボニル基は、置換基を有していてもよい。有して
いてもよい置換基は特に限定はないが、フェニル基、フェニレン基、フルオレニル基、カ
ルバゾリル等が挙げられる。
炭素数7以上20以下のアリールカルボニル基の炭素数は7以上であり、好ましくは8
以上である。一方、炭素数は20以下であり、好ましくは18以下であり、より好ましく
は16以下である。これらの範囲であることでイリジウム錯体化合物が高溶解性及び高量
子収率を示す傾向にある。
該アリールカルボニル基のアリール部分は特に限定されず、例えば、前記R1、R2及
びR3の炭素数7以上40以下のアラルキル基で挙げたアリール部分と同義である。
炭素数7以上20以下のアリールカルボニル基としては、化合物の安定性の観点から、
ベンゾイル基、ナフトイル基、アントライル基等が好ましい具体例として挙げられ、中で
もベンゾイル基が好ましい。
炭素数7以上20以下のアリールカルボニル基は、置換基を有していてもよい。有して
いてもよい置換基は特に限定はないが、フェニル基、フェニレン基、フルオレニル基、カ
ルバゾリル等が挙げられる。
炭素数2以上20以下のアルキルアミノ基の炭素数は2以上であり、好ましくは3以上
であり、より好ましくは4以上である。一方、炭素数は20以下であり、好ましくは18
以下であり、より好ましくは16以下である。これらの範囲であることでイリジウム錯体
化合物が高溶解性及び高量子収率を示す傾向にある。
炭素数2以上20以下のアルキルアミノ基としては、化合物の安定性の観点から、メチ
ルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジヘキシル
アミノ基、ジオクチルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基等が好ましい具体例として挙
げられ、中でもジメチルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基が好ましい。
炭素数2以上20以下のアルキルアミノ基は、置換基を有していてもよい。有していて
もよい置換基は特に限定はないが、フェニル基、フェニレン基、フルオレニル基、カルバ
ゾリル等が挙げられる。
炭素数6以上20以下のアリールアミノ基の炭素数は6以上であり、好ましくは8以上
である。一方、炭素数は20以下であり、好ましくは18以下であり、より好ましくは1
6以下である。これらの範囲であることでイリジウム錯体化合物が高溶解性及び高量子収
率を示す傾向にある。
該アリールアミノ基のアリール部分は特に限定されず、例えば、前記R1、R2及びR
3の炭素数7以上40以下のアラルキル基で挙げたアリール部分と同義である。
炭素数6以上20以下のアリールアミノ基としては、化合物の安定性の観点から、フェ
ニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジ(4−トリル)アミノ基、ジ(2,6−ジメチル
フェニ)アミノ基等が好ましい具体例として挙げられ、中でも、ジフェニルアミノ基又は
ジ(4−トリル)アミノ基が好ましい。
炭素数6以上20以下のアリールアミノ基は、置換基を有していてもよい。有していて
もよい置換基は特に限定はないが、フェニル基、フェニレン基、フルオレニル基、カルバ
ゾリル等が挙げられる。
以上であり、より好ましくは6以上である。炭素数は20以下であり、好ましくは18以
下であり、より好ましくは16以下である。これらの範囲であることでイリジウム錯体化
合物が高溶解性及び高量子収率を示す傾向にある。
該(ヘテロ)アリール基の(ヘテロ)アリール部分は特に限定はされないが、例えば、
前記R1、R2及びR3の炭素3以上30以下の(ヘテロ)アリール基で挙げたものと同
義である。
炭素数3以上20以下の(ヘテロ)アリール基は、置換基を有していてもよい。有して
いてもよい置換基は特に限定はないが、フェニル基、フェニレン基、フルオレニル基、カ
ルバゾリル等が挙げられる。
mは1〜3の整数である。特に限定されないが、mは1又は2であることが、イリジウ
ム錯体化合物のHOMOやLUMOを調整しやすい傾向にあるため好ましい。
本発明の式(1)で表されるイリジウム錯体化合物は、既知の方法の組み合わせなどに
より合成され得る配位子を用い、配位子とIr化合物により合成することができる。
イリジウム錯体化合物の合成方法については、式(I)に示した一段階でトリス錯体を
形成する方法、式(II)に示したIr二核錯体のような中間体を形成させたのちにトリ
ス体を形成させる方法等が例示できるが、これらに限定されるものではない。
3(イリジウムアセチルアセトナート錯体)1当量の反応により金属錯体を得る方法があ
げられる。
高めてもよい。また、配位子を複数種類用い、逐次的に添加し、混合配位子錯体を形成し
てもよい。
また、典型的な反応(B)としては、例えば配位子2当量とIrCl3・xH2O(イ
リジウムクロライド・x水和物)1当量の反応によりIr原子2個からなる2核金属錯体
などの中間対を得たのち、さらに配位子をIrに対し1当量反応させて金属錯体を得る方
法が挙げられる。
込み比は適当に調整することができる。反応式(B)の場合、最後に添加する配位子を最
初の配位子と異なるものを用いることにより、簡便に混合配位子錯体を形成できる。
Ir化合物としては上記のIr(acac)3錯体やIrCl3・xH2O錯体の他に
、Irシクロオクタジエニル錯体など、適当なIr化合物を用いてもよい。炭酸塩などの
塩基化合物、Ag塩などのハロゲントラップ剤、などを併用して反応を促進させてもよい
。反応温度は50℃〜400℃程度の温度が好ましく用いられる。一般的に120℃以上
の高温が用いられる。反応は無溶剤で行ってもよいし、既知の溶剤を用いてもよい。高温
反応で行う場合、グリセリン等の高沸点溶剤が好ましい。
Z)よりボロンエステル化し、更に鈴木カップリング反応により新たな錯体を形成できる
。この方法は式(III)に示した。
本発明の式(1)で表されるイリジウム錯体化合物の分子量は、錯体の安定性の観点か
ら、通常500以上、好ましくは600以上、通常3000以下、好ましくは2000以
下であるが、本発明のイリジウム錯体化合物を側鎖に含む高分子化合物にも好適に用いる
ことができる。
以下に、本発明の式(1)で表されるイリジウム錯体化合物の好ましい具体例を示すが
、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の式(1)で表されるイリジウム錯体化合物は、有機電界発光素子に用いられる
材料、すなわち有機電界発光素子用材料として好適に使用可能であり、有機電界発光素子
やその他の発光素子等の発光材料としても好適に使用可能である。
本発明の式(1)で表されるイリジウム錯体化合物は、溶解性に優れることから、溶媒
とともに使用されることが好ましい。
以下、本発明の式(1)で表されるイリジウム錯体化合物と溶媒とを含有する組成物(
以下、「イリジウム錯体化合物含有組成物」と称することがある。)について説明する。
び溶媒を含有する。本発明のイリジウム錯体化合物含有組成物は通常湿式成膜法で層や膜
を形成するために用いられ、特に有機電界発光素子の有機層を形成するために用いられる
ことが好ましい。該有機層は、特に発光層であることが好ましい。
つまり、イリジウム錯体化合物含有組成物は、有機電界発光素子用組成物であることが
好ましく、更に発光層形成用組成物として用いられることが特に好ましい。
なっていてもよい。形成方法として例えば、湿式成膜法が挙げられる。
湿式成膜法とは、成膜方法、即ち、塗布方法として、例えば、スピンコート法、ディッ
プコート法、ダイコート法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、スプレ
ーコート法、キャピラリーコート法、インクジェット法、ノズルプリンティング法、スク
リーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等、湿式で成膜される方法を採用し、こ
の塗布膜を乾燥して膜形成を行う方法をいう。
の含有量は、通常0.001質量%以上、好ましくは0.005質量%以上、通常30質
量%以下、好ましくは25質量%以下である。組成物のイリジウム錯体化合物の含有量を
この範囲とすることにより、該組成物を有機電界発光素子用途に利用した場合に、隣接す
る層(例えば、正孔輸送層や正孔阻止層)から発光層へ、効率よく正孔や電子の注入が行
われ、駆動電圧を低減することができる。なお、本発明のイリジウム錯体化合物はイリジ
ウム錯体化合物含有組成物中に、1種のみ含まれていてもよく、また、2種以上含まれて
いてもよい。
は、式(1)で表されるイリジウム錯体化合物や溶媒の他、電荷輸送性化合物を含有する
ことができる。該電荷輸送性化合物は特に限定されず、有機電界発光素子、特に発光層に
用いられるものを用いることができる。
本発明のイリジウム錯体化合物含有組成物を用いて、有機電界発光素子の発光層を形成
する場合には、式(1)で表されるイリジウム錯体化合物をドーパント材料とし、他の電
荷輸送性化合物をホスト材料として含むことが好ましい。
ウム錯体化合物を含む層を形成するために用いる、揮発性を有する液体成分である。
該溶媒は、溶質である式(1)で表されるイリジウム錯体化合物が高い溶解性を有する
ために、後述する電荷輸送性化合物が良好に溶解する溶媒であれば特に限定されない。
好ましい溶媒としては、例えば、n−デカン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン
、デカリン、ビシクロヘキサン等のアルカン類;トルエン、キシレン、メシチレン、フェ
ニルシクロヘキサン、テトラリン等の芳香族炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベン
ゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;1,2−ジメトキシベンゼ
ン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、
3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−
ジメチルアニソール、ジフェニルエーテル等の芳香族エーテル類;酢酸フェニル、プロピ
オン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブ
チル等の芳香族エステル類;シクロヘキサノン、シクロオクタノン、フェンコン等の脂環
族ケトン類;シクロヘキサノール、シクロオクタノール等の脂環族アルコール類;メチル
エチルケトン、ジブチルケトン等の脂肪族ケトン類;ブタノール、ヘキサノール等の脂肪
族アルコール類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエ
ーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の
脂肪族エーテル類等が挙げられる。中でも好ましくは、アルカン類や芳香族炭化水素類で
あり、特に、フェニルシクロヘキサンは湿式成膜プロセスにおいて好ましい粘度と沸点を
有している。
び比率で用いてもよい。
溶媒の沸点は、通常80℃以上、好ましくは100℃以上、より好ましくは150℃以
上、特に好ましくは200℃以上である。また、通常沸点300℃以下、好ましくは28
0℃以下、より好ましくは250℃以下である。この範囲であることで、湿式成膜時にお
ける組成物からの溶媒蒸発を抑制することができ、成膜安定性が得られる傾向にある。
10質量部以上、より好ましくは50質量部以上、特に好ましくは80質量部以上であり
、また、好ましくは99.95質量部以下、より好ましくは99.9質量部以下、特に好
ましくは99.8質量部以下である。
通常発光層の厚みは3〜200nm程度であるが、溶媒の含有量が上記下限値以上であ
ることで、イリジウム錯体化合物含有組成物の過剰な粘性を抑制することができ、成膜作
業性を向上させることができる傾向にある。一方、上記上限値以下であることで、成膜後
、溶媒を除去して得られる膜の厚みが得られ、成膜性が向上する傾向にある。
、従来有機電界発光素子用材料として用いられているものを使用することができる。例え
ば、国際公開2012/096263に記載の電荷輸送性化合物などが挙げられる。
これらは1種類を単独で用いてもよく、また、2種類以上を任意の組み合わせ及び比率
で用いてもよい。
ジウム錯体化合物含有組成物を100質量部とすると、通常0.01質量部以上、好まし
くは0.05質量部以上、また、通常50質量部以下、好ましくは30質量部以下である
。
本発明のイリジウム錯体化合物含有組成物には、必要に応じて、上記の化合物等の他に
、更に他の化合物を含有していてもよい。例えば、上記の溶媒の他に、別の溶媒を含有し
ていてもよい。そのような溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,
N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これら
は1種類を単独で用いてもよく、また、2種類以上を任意の組み合わせ及び比率で用いて
もよい。
本発明の有機電界発光素子は、陽極、陰極、及び該陽極と該陰極の間に少なくとも1層
の有機層を有する有機電界発光素子であって、該有機層のうち少なくとも1層が、本発明
のイリジウム錯体化合物を含むものである。前記有機層は発光層を含む。
本発明のイリジウム錯体化合物を含む有機層は、本発明における組成物を用いて形成さ
れた層であることがより好ましく、湿式成膜法により形成された層であることがさらに好
ましい。前記湿式成膜法により形成された層は、該発光層であることが好ましい。
図1は本発明の有機電界発光素子10に好適な構造例を示す断面の模式図であり、図1
において、符号1は基板、符号2は陽極、符号3は正孔注入層、符号4は正孔輸送層、符
号5は発光層、符号6は正孔阻止層、符号7は電子輸送層、符号8は電子注入層、符号9
は陰極を各々表す。
これらの構造に適用する材料は、公知の材料を適用することができ、特に制限はない。
本発明の表示装置及び照明装置は、上述のような本発明の有機電界発光素子を用いたも
のである。本発明の表示装置及び照明装置の形式や構造については特に制限はなく、本発
明の有機電界発光素子を用いて常法に従って組み立てることができる。
例えば、「有機ELディスプレイ」(オーム社、平成16年8月20日発刊、時任静士
、安達千波矢、村田英幸著)に記載されているような方法で、本発明の表示装置及び照明
装置を形成することができる。
以下の実施例に限定されるものではない。なお、下記の実施例における各種の条件や評価
結果の値は、本発明の実施態様における上限または下限の好ましい値としての意味をもつ
ものであり、好ましい範囲は前記した上限または下限の値と下記実施例の値または実施例
同士の値との組合せで規定される範囲であってもよい。
<化合物(D−1)の合成例>
(中間体1の合成)
微量のヨウ素片で活性化し、ブロモベンゼン(1192g)の乾燥THF(3.5L)溶
液に2時間かけて滴下し、更に1.5時間還流撹拌しグリニャール試薬溶液を調製した。
20L反応器に、窒素下、1,5−ジブロモペンタン(4365g)乾燥THF(5.
2L)を入れ、先に調製した触媒溶液を加え、内温10℃に冷却後、先に調製したグリニ
ャール試薬溶液を、内温10〜45℃になるように、1時間かけて滴下した後、室温で一
夜撹拌した。
3M塩酸(3.5L)を加え、油層を分離し、さらに水層を酢酸エチル(3.5×2 回
)で抽出した。油層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、油層をろ過した後、ろ液を濃縮し
、褐色油状の粗体(4.9kg)を得た。この粗体を減圧蒸留して、微黄色透明油状物と
して中間体1(0.94kg)を得た。
入れ、ヨウ素片(数十mg)で活性化し、中間体6(0.91kg)の乾燥THF(2.5L
)溶液を2時間かけて滴下し、更に1時間内温55℃にて加熱撹拌しグリニャール試薬溶
液を調製した。3−ブロモベンゾニトリル及び乾燥THF(4.5L)を10℃に冷却後
、先に調製したグリニャール試薬溶液を、内温10〜35℃で45分間かけて滴下し、内
温45〜58℃にて3時間加熱撹拌した。3M塩酸(4.3L)に先の反応液を滴下した
後、室温へ冷却し油層を分離し、さらに水層を酢酸エチル(6L)で抽出した。油層を合
わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、油層をろ過した後、ろ液を濃縮し、褐色油状の粗
体(2.0kg)を得た。この粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル
/ヘキサン=1/9−1/4)で精製し、淡黄色透明油状物(0.74kg)を得た。
続いて20L反応器に移し、ジグリム(5.1L)を仕込み、水酸化ナトリウム(0.
19kg)を加えた。次いで、ヒドラジン一水和物(0.24kg)を30分間かけて滴
下し、1時間かけて内温80℃まで昇温し、内温123℃にて4時間撹拌した。冷却後、
2M塩酸(3.6L)を加えた後、ヘキサン(3.5L)を加え、油層を分離した。水層
をヘキサン(2.5L×2回)で抽出し、油層を合わせて飽和食塩水(2.5L)で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、油層をろ過した後、ろ液を濃縮し、褐色油状の粗体
(0.92kg)を得た。この粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)
で精製し、黄色透明油状物として中間体2(0.45kg)を得た。
、内温−77℃に冷却し、1.65Mのn−ブチルリチウム/n−ヘキサン溶液(1.0
L)を内温−68℃以下で1時間かけて滴下し、−68℃にて1時間撹拌した。次いで、
ホウ酸トリメチル(0.47kg)を内温−70℃以下で滴下し、温度を保ち1.5時間
撹拌した。その後3M塩酸(1.5L)を滴下し、室温に戻しながら一夜撹拌した。酢酸
エチル(3L)を注ぎ、油層を分離し、さらに水層を酢酸エチル(3L)で抽出した。油
層を合わせ、飽和食塩水(2.5L)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、油層を
ろ過した後、ろ液を濃縮し、褐色油状の粗体(0.58kg)を得た。この粗体をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ジクロロメタン/ヘキサン=0/1/3〜2
/2/3)で精製したところ中間体3を0.31kg得た。
g、3,3’−ジブロモビフェニル 64.4g、2M リン酸三カリウム水溶液 26
0mL、トルエン 280mL及びエタノール 140mLを加え、窒素を30分バブリン
グした。その後撹拌しながらさらにPd(PPh3)4、6.0gを加え、100℃で3
時間撹拌還流した。その後室温まで冷却し、水を加え分液洗浄後、有機層を硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。その後溶媒を減圧下除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(ジクロロメタン/へキサン=4/6〜ジクロロメタン/ヘキサン/酢酸エ
チル=3/7/0.5)にて精製することにより、中間体4を22.0gの黄色油状物質
として得た。
カリウム水溶液33mL、トルエン60mL及びエタノール30mLを加え、窒素を30分
バブリングした。その後撹拌しながらさらに、Pd(PPh3)4 0.76gを加え、
100℃で1.5時間撹拌還流した。その後室温まで冷却し、水を加え分液洗浄後、有機
層を硫酸マグネシウムで乾燥した。その後溶媒を減圧下除去した。得られた残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/へキサン=2/8)にて精製することによ
り、中間体5を12.9gの無色油状物質として得た。
ジウムn水和物 28.8gと2−エトキシエタノール 200mL及び蒸留水60mL
を加え、オイルバスの温度を135℃とし8時間撹拌した。その間還流される液は側管か
ら除いた。その後室温に冷却し、メタノール100mLを反応液に投入後、析出固体をろ
過し、メタノール400mLで洗浄後乾燥した。中間体6を49.0gの黄色固体として
得た。
Lを入れ、オイルバスの温度を170℃とし、弱い還流とした。トリフルオロメタンスル
ホン酸銀3.52gを投入し、2時間撹拌した。室温に冷却後、水300mLとトルエン
300mL、ジクロロメタン300mLで分液洗浄したのち、硫酸マグネシウムで乾燥さ
せ、ろ過し溶媒を減圧下除去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロ
ロメタン/ヘキサン=1/1)にて精製した。中間体7を4.3g、黄色固体として得た
。
ン、2.7gの酢酸カリウム、400mLの脱水ジメチルスルホキシドを加え、窒素を3
0分バブリングした。その後、撹拌しながらさらに [PdCl2dppf]CH2Cl
2 0.92gを加え、100℃で7時間撹拌した。
その後、室温まで冷却し、水500mLとジクロロメタン500mLを加え分液洗浄後
、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。その後溶媒を減圧下除去した。得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/ジクロロメタン/酢酸エチル=60/
30/1から70/0/30)にて精製することにより、中間体8を2.5gの黄色固体
として得た。
(化合物D−1の合成)
-ペンタフルオリド、2Mリン酸三カリウム水溶液を18.5mL、トルエン38mL及び
エタノール19mLを加え、窒素を30分バブリングした。その後、撹拌しながらさらに
Pd(PPh3)4 0.27gを加え、80℃で2.0時間撹拌還流した。
その後、室温まで冷却し、水とジクロロメタンを加え分液洗浄後、有機相を硫酸マグネ
シウムで乾燥した。その後、溶媒を減圧下除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーにて精製し、化合物D−1(2.3g、収率68.6%)を得た。
褐色サンプル瓶に、化合物D−1を1.5mg量りとり、フェニルシクロヘキサンを加
えて100mgとした後、室温にて1分間ふりまぜたところ、化合物D−1は完全に溶解
した。
化合物D−1を2−メチルテトラヒドロフラン(脱水、安定剤無添加)に溶解し、1x
10−5mol/Lの溶液を調製した。テフロン(登録商標)コック付きの石英セルに移
したのち、15分間窒素バブリングをおこない、発光量子収率及びこの溶液のCIE値を
測定した。結果を表1に示す。
なお、2−メチルテトラヒドロフラン(脱水、安定剤無添加)は、シグマアルドリッチ
社製のものを使用した。
装置:浜松ホトニクス(株) 有機EL量子収率測定装置C9920−02
(光源 :モノクロ光源L9799−01)
(検出器 :マルチチャンネル検出器PMA−11)
励起光:380nm
国際公開2013/105615号公報に記載の方法にて化合物D−2を合成した。
化合物D−1に代えて化合物D−2を用いて実施例1と同様に2−メチルテトラヒドロ
フラン溶液を調製し、発光量子収率及びこの溶液のCIE値を測定した。測定結果を表1
に示す。
値は0.02小さくなることが確認された。また、本願発明のイリジウム錯体化合物は高
量子収率で燐光発光するため、該化合物を用いた有機電界発光素子は高い発光効率を得ら
れると推測する。
2 陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 正孔阻止層
7 電子輸送層
8 電子注入層
9 陰極
10 有機電界発光素子
Claims (6)
- 下記式(1)で表されるイリジウム錯体化合物。
R1、R2及びR3は、各々独立に、式(2)で表される基、水素原子、炭素数4以上
20以下のアルキル基、炭素数7以上40以下のアラルキル基、炭素数4以上20以下の
アルコキシ基、炭素数3以上20以下のアリールオキシ基又は炭素数3以上30以下の(
ヘテロ)アリール基を表し、
該炭素数4以上20以下のアルキル基は、式(2)で表される基を少なくとも一つ含ん
でいてもよく、
R1、R2及びR3の少なくとも1つは、式(2)で表される基又は式(2)で表され
る基を少なくとも一つを含む炭素数4以上20以下のアルキル基である。
環Aは、N原子及びC原子を含む5員環又は6員の芳香族複素環を表す。
mは1〜3の整数を表す。
n1、n2及びn3はそれぞれ独立に、0〜4の整数を表す。]
- 環Aがピリジン環である、請求項1に記載のイリジウム錯体化合物。
- 請求項1又は2に記載のイリジウム錯体化合物及び溶媒を含む、組成物。
- 陽極、陰極、及び前記陽極と前記陰極の間に少なくとも1層の有機層を有する有機電界
発光素子であって、該有機層のうち少なくとも1層が、請求項1又は2に記載のイリジウ
ム錯体化合物を含むものである、有機電界発光素子。 - 請求項4に記載の有機電界発光素子を用いた表示装置。
- 請求項4に記載の有機電界発光素子を用いた照明装置。
Priority Applications (1)
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