JP2019038288A - 電圧安定化装置 - Google Patents
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Abstract
Description
アイドリングストップ機能を有する車両では、エンジンを停止させた後に再始動させる際、各種車載電子機器の電源であるバッテリに電圧ドロップが生じる。これは、エンジン始動を行うセルモータ等のスタータがバッテリから電力を持ち出すことによる。
しかしながら、電圧安定化装置の昇圧能力を高めるためには、例えば電解コンデンサやコイル等といった回路構成部品の大型化や個数増加を招き、装置サイズ、コスト、質量の増大化を招いてしまう。
第二安定化回路として昇圧能力の低い安定化回路を設けていることで、第二安定化回路についてコイルや電解コンデンサ等の構成部品の容量を下げることが可能とされる。
これにより、第二安定化回路として昇圧能力の低い回路を用いても、第二種の車載電子機器に対する供給電圧が最低動作保証電圧を下回ってしまうことがないようにすることが可能とされる。
カーナビゲーション機器やオーディオビジュアル機器は、入力電圧が最低動作保証電圧を下回った場合に表示や機能の劣化が乗員に知覚され易い機器であるため、昇圧能力が高い第一安定化回路の負荷とすることが好適である。
一方、上記の制御機器は、マイクロコンピュータのリセットが防止できれば機能保持できるもので比較的最低動作保証電圧が低く、第二安定化回路の負荷とすることが好適である。
これにより、第一安定化回路、第二安定化回路の安定化動作が不必要に長時間行われてしまうことの防止を図ることが可能とされる。
これにより、第一種、第二種の車載電子機器について、それぞれの動作保証に必要な時間だけ第一安定化回路、第二安定化回路の安定化動作を行わせることが可能とされる。
これにより、電圧バックアップ動作時にバッテリから第二安定化回路側へ入力電流が流れないようにすることが可能とされる。
実施形態における車両には、上記の電圧安定化装置1と共に、例えば鉛蓄電池とされ出力電圧が12V程度とされたバッテリBtと、バッテリBtを充電するオルタネータ2と、エンジン始動のためにエンジンをクランキングするセルモータ等によるスタータと、エンジンの運転制御を行うECU(Engine Control Unit)4と、バッテリBtの出力電圧(以下「バッテリ電圧」と表記する)に基づきそれぞれ動作する第一種の車載電子機器群5、及び第二種の車載電子機器群6とが設けられている。
図1では、車載電子機器群5は車載電子機器D1、D2、D3で成り、車載電子機器群6は車載電子機器D4、D5、D6で成るものとして示しているが、車載電子機器群5、6をそれぞれ構成する車載電子機器Dの数は3に限定されず、少なくともそれぞれ1以上であばよい。
ECU4は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)等を備えたマイクロコンピュータを有して構成され、エンジンについての燃料噴射制御、点火制御、吸入空気量調節制御などの各種運転制御を行う。具体的には、エンジンに設けられた各種のアクチュエータ(例えばスロットル弁を駆動するスロットルアクチュエータや燃料噴射を行うインジェクタ等)を制御することでエンジンについての各種運転制御を行う。
本実施形態におけるECU4は、車速条件を含む所定条件の成立に応じてエンジン停止操作に依らずエンジンを停止/再始動させるアイドリングストップ機能を実行可能とされている。具体的に、ECU4は、アイドリングストップ機能の作動許可条件として定められた所定条件(例えば、エンジンが充分に暖機されている、全てのドアが閉まっている、運転席シートベルトが着用されている等の条件)が成立しているか否かを判定する。そして、該作動許可条件が成立している下で、エンジンの停止条件として定められた所定条件、すなわち車速条件を含む所定条件が成立したことに応じて、エンジンを自動停止させる。例えば、車速条件としては、車速が10km/h等の所定閾値(本例では閾値>0)以下であることを条件としている。車速以外の停止条件としては、少なくともブレーキペダルが踏まれていることを条件とする(他にも例えばステアリングが操作されていない、急坂でない等の条件を付加することもできる)。
そして、エンジンの自動停止後、所定条件の成立に応じて、スタータ3を制御してエンジンを再始動させる。例えば、この際の所定条件としては、ブレーキが解除される等を挙げることができる。
第一昇圧回路11及び第二昇圧回路12は、昇圧型のDC/DCコンバータとして構成されている。本例では、第一昇圧回路11、第二昇圧回路12を構成するDC/DCコンバータにはそれぞれスイッチングコンバータが用いられる。第一昇圧回路11、第二昇圧回路12は、それぞれ出力電圧をフィードバック入力して出力電圧値が一定となるように制御する定電圧制御を行う。すなわち、出力電圧の安定化機能を有している。
電圧安定化装置1において、スイッチSW1と第一昇圧回路11、スイッチSW2と第二昇圧回路12はそれぞれ並列接続され、スイッチSW1と第一昇圧回路11の並列接続回路、及びスイッチSW2と第二昇圧回路12の並列接続回路がそれぞれバッテリBtに対して直列接続されている。これにより、スイッチSW1と第一昇圧回路11、及びスイッチSW2と第二昇圧回路12のそれぞれの並列接続回路にバッテリBtからの入力電圧Vinが供給される。
また、スイッチSW2と第二昇圧回路12の並列接続回路の出力電圧を第二出力電圧Vo2とすると、スイッチSW2がONのとき、第二出力電圧Vo1=バッテリ電圧となり、スイッチSW2がOFFのときは第二昇圧回路12による昇圧電圧が第二出力電圧Vo2となる。
第一出力電圧Vo1は第一種の車載電子機器群5を構成する各車載電子機器D(本例ではD1〜D3)に対して電源電圧として供給され、第二出力電圧Vo2は第二種の車載電子機器群6を構成する各車載電子機器D(本例ではD4〜D6)に対して電源電圧として供給される。
なお、スイッチSW1は、以下で説明する制御部13により、第一昇圧回路11による昇圧電圧が第一出力電圧Vo1として出力される期間にはOFFとされ、それ以外の期間はONとされる。同様に、スイッチSW2は、制御部13により、第二昇圧回路12による昇圧電圧が第二出力電圧Vo2として出力される期間にはOFFとされ、それ以外の期間はONとされる。
具体的に、制御部13は、入力電圧Vinの電圧値を検出し、該電圧値と上記の通知信号Sisとに基づいてスイッチSW1、スイッチSW2、第一昇圧回路11、及び第二昇圧回路12についてのON/OFF制御を行う。
なお、該ON/OFF制御については後に改めて説明する。
制御部13はステップS101で、エンジン再始動タイミングの到来を待機する。具体的には、ECU4からの通知信号Sisによってアイドリングストップ機能によるエンジン再始動タイミングが通知されるまで待機する。
ここで、閾値TH1は、第一昇圧回路11の動作開始/停止を制御するための閾値であり、閾値TH2は、第二昇圧回路12の動作開始/停止を制御するための閾値であり、TH1>TH2である。本例では、閾値TH1は例えば10V、閾値TH2は例えば6.5Vとされている。
制御部13はステップS109の処理を実行したことに応じ、図2に示す処理を終える。
アイドリングストップ機能によるエンジン再始動時において、図3Aのように第一昇圧回路11側では、入力電圧Vinの電圧値が閾値TH1を下回ると昇圧動作が開始され、その後、入力電圧Vinの電圧値が閾値TH1以上に回復すると昇圧動作が停止される。また、図3Bに示すように第二昇圧回路12側では、入力電圧Vinの電圧値が閾値TH2を下回ると昇圧動作が開始され、その後、入力電圧Vinの電圧値が閾値TH2以上に回復すると昇圧動作が停止される。
図3A、図3Bでは、それぞれ梨地部分により、第一昇圧回路11、第二昇圧回路12がバックアップする電気エネルギー量を模式的に表している。この対比より、第二昇圧回路12側のバックアップ容量は小さいことが分かる。
従って、第二昇圧回路12についてコイルや電解コンデンサ等の回路構成部品の容量を下げることが可能とされ、電圧安定化装置1の小型軽量化、及びコストの削減を図ることができる。
従来において、電圧安定化装置の昇圧能力を高めることによると、バッテリBtからの入力電流Iinの値が大きくなる。このような入力電流Iinの増大化は、配線ケーブル径を太くし、車両の質量、コストを増大させるとともに、バッテリBtから電圧安定化装置への配線レイアウトの自由度低下を招く虞がある。
そこで、電圧バックアップ動作時における入力電流Iinの電流値上昇の抑制を図り、配線ケーブルの小型軽量化により車両の質量やコストの削減、及び配線レイアウトの自由度向上を図る。
電圧供給部14においては、バッテリBtとスイッチSW2との接続点とアースとの間に、電流制限抵抗RrとスイッチSW3とキャパシタCcとの直列接続回路が挿入されている。電流制限抵抗Rrの一端はバッテリBtとスイッチSW2との接続点に接続され、電流制限抵抗Rrの他端はスイッチSW3の一端と接続されている。スイッチSW3の他端は、キャパシタCcの正極端子と接続され、キャパシタCcの負極端子は接地されている。
図示のようにスイッチSW3の他端とキャパシタCcの正極端子との接続点が、第二昇圧回路12と接続されている。
本例では、降圧回路12’はキャパシタCcからの入力電圧に基づき、例えば6.5Vに安定化された出力電圧を得る。これは、エンジン再始動に伴いドロップが生じた入力電圧Vin(バッテリ電圧)と比較して、より高い電圧となり得る。すなわち、降圧回路12’が用いられた電圧安定化装置1Aによっても、図1に示した電圧安定化装置1の場合と同様に、第二種の車載電子機器群6に対する電圧バックアップが行われることに変わりはない。
なお、降圧回路は、昇圧回路よりも昇圧能力が低い回路と言うことができる。
なお図5において、既に図2で説明した処理と同様となる処理については同一ステップ番号を付して説明を省略する。
スイッチSW3がOFFとされ、降圧回路12’がONとされることで、キャパシタCcに充電された電力をエネルギーソースとして降圧回路12’が降圧動作(安定化動作)を行う。すなわち、図1で説明した電圧安定化装置1とは異なり、第二種の車載電子機器群6側の電圧安定化動作にバッテリ電圧が直接的に用いられることがない。
制御部13Aは、ステップS108で入力電圧Vinの電圧値が閾値TH1以上となってステップS109でスイッチSW1をON、第一昇圧回路11をOFFとする処理を行ったことに応じ、ステップS203でスイッチSW3をON状態に戻す処理を行い、図5に示す処理を終える。つまりこの場合、入力電圧Vinが閾値TH1以上に回復し、降圧回路12’及び第一昇圧回路11の安定化動作が停止されたことに応じてキャパシタCcの充電が再開される。
なお、上段においては比較として、従来の電圧安定化装置(例えば容量=400W)への入力電流の電流値の変化を点線により表している。
一方、降圧回路12’側への入力電流は、キャパシタCcへの充電電流となり、そのピーク値を「P2」と表記する。
このため、入力電流Iinのピーク値は、「P1+P2」ではなく、「P1」に抑えられる。この場合の入力電流Iinのピーク値は、従来の電圧安定化装置の入力電流ピーク値(図中「Pp」)に対して相当に小さく抑えられたものとなる。
従って、バッテリBtと電圧安定化装置1A間の配線ケーブルについて、ケーブル径の小径化を図ることができ、配線ケーブルの小型軽量化、コスト削減を図ることができる。また、配線ケーブルの小径化により、電圧安定化装置1Aへの配線レイアウトの自由度向上を図ることができる。
これにより、電圧バックアップ動作時にバッテリBtから降圧回路12’側へ入力電流が流れないようにすることが可能とされ、電圧バックアップ動作時における入力電流Iinの電流値上昇を抑制できる。
何れにしても、該安定化動作の停止制御は、少なくとも入力電圧Vinの電圧値が所定閾値以上となることを条件として行われればよい。
第二安定化回路として昇圧能力の低い安定化回路を設けていることで、第二安定化回路についてコイルや電解コンデンサ等の構成部品の容量を下げることが可能とされる。
従って、電圧安定化装置の小型軽量化、及びコストの削減を図ることができる
これにより、第二安定化回路として昇圧能力の低い回路を用いても、第二種の車載電子機器に対する供給電圧が最低動作保証電圧を下回ってしまうことがないようにすることが可能とされる。
第二安定化回路として昇圧能力の低い回路を設けていることで、電圧安定化装置の小型軽量化、コストの削減を図ることができる。
カーナビゲーション機器やオーディオビジュアル機器は、入力電圧が最低動作保証電圧を下回った場合に表示や機能の劣化が乗員に知覚され易い機器であるため、昇圧能力が高い第一安定化回路の負荷とすることが好適である。
一方、上記の制御機器は、マイクロコンピュータのリセットが防止できれば機能保持できるもので比較的最低動作保証電圧が低く、第二安定化回路の負荷とすることが好適である。
従って、エンジン再始動時に機能劣化が生じることの防止を図ることができ、商品性の低下防止を図ることができる。
これにより、第一安定化回路、第二安定化回路の昇圧動作が不必要に長時間行われてしまうことの防止を図ることが可能とされる。
従って、電圧安定化装置による不要な電力消費の防止を図ることができる。
これにより、第一種、第二種の車載電子機器について、それぞれの動作保証に必要な時間だけ第一安定化回路、第二安定化回路の安定化動作を行わせることが可能とされる。
従って、第一種、第二種の車載電子機器について動作保証を行うことと、電圧安定化装置による不要な電力消費防止との両立を図ることができる。
これにより、電圧バックアップ動作時にバッテリから第二安定化回路側へ入力電流が流れないようにすることが可能とされる。
従って、電圧バックアップ動作時における入力電流の電流値上昇を抑制でき、バッテリと電圧安定化装置間の配線ケーブル径の小径化を図ることができ、配線ケーブルの小型軽量化により車両の質量やコストの削減、及び電圧安定化装置への配線レイアウトの自由度向上を図ることができる。
Claims (6)
- アイドリングストップ機能を有する車両に設けられ、前記アイドリングストップ機能によりエンジンが再始動される際にバッテリからの入力電圧に基づいて所定の車載電子機器に電源電圧を出力する電圧安定化装置であって、
入力電圧を安定化した安定化電圧を第一種の車載電子機器に出力する第一安定化回路と、
入力電圧を安定化した安定化電圧を第二種の車載電子機器に出力する第二安定化回路と、を備え、
前記第二安定化回路は、前記第一安定化回路よりも昇圧能力が低い
電圧安定化装置。 - 前記第二種の車載電子機器は前記第一種の車載電子機器よりも最低動作保証電圧が低い機器とされた
請求項1に記載の電圧安定化装置。 - 前記第一種の車載電子機器はカーナビゲーション機器又はオーディオビジュアル機器とされ、前記第二種の車載電子機器はマイクロコンピュータを有し前記車両の走行安全性に係る制御を行う制御機器とされた
請求項2に記載の電圧安定化装置。 - 前記第一安定化回路、前記第二安定化回路の安定化動作開始後における前記バッテリからの入力電圧の検出値に基づいて前記第一安定化回路、前記第二安定化回路の安定化動作の停止制御を行う制御部をさらに備えた
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の電圧安定化装置。 - 前記制御部は、
前記第一安定化回路の安定化動作を前記検出値が第一閾値以上となることを条件として停止させ、前記第二安定化回路の安定化動作を前記検出値が前記第一閾値よりも小さい第二閾値以上となることを条件として停止させる
請求項4に記載の電圧安定化装置。 - 前記バッテリにより充電可能とされたキャパシタを有し、前記第二安定化回路が安定化動作を停止している際に前記キャパシタを前記バッテリにより充電させ、前記第二安定化回路が安定化動作を開始する際に前記キャパシタを放電させて前記キャパシタの両端電圧を前記第二安定化回路の入力電圧として供給する電圧供給部をさらに備えた
請求項1乃至請求項5の何れかに記載の電圧安定化装置。
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