JP2019037701A - ステント - Google Patents

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Kenji Takamura
兼司 高村
裕統 灘
Hiromune Nada
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Abstract

【課題】ステントの半径方向の高剛性と、長手方向の曲がりやすさとを両立し、径方向の潰れにくさを維持しつつ、曲げ柔軟性、折り畳み時の管長方向コンパクト性および耐久性を備えたステントを提供すること。【解決手段】n個以上(nは、4以上の自然数である。)の矩形波状の環状体が軸方向に整列して互いに連結された拡張可能なステントであって、矩形波の角部は、丸められてR形状とされており、環状体は、それぞれ、軸方向の一端側に対して凸部となり他端側に対して凹部となる山と、一端側に対して凹部となり他端側に対して凸部となる谷との組み合わせを2組以上有し、隣接する第m環状体(mは、1以上n−2以下の自然数である。)の山の凹部と、第m+1環状体の谷の凹部とは、互いに向かい合って軸方向に整列し、かつ、互いに向かい合う第m環状体の山の凹部と第m+1環状体の谷の凹部とは、少なくとも1箇所以上において、屈曲部を有する連結部によって互いに連結されていること、ことを特徴とする。【選択図】図7

Description

本発明は、生体内管路の閉塞または狭窄に対抗するために用いられるステントに関する。
近年、外科医療分野において、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などのような生体内管路の閉塞または狭窄を伴う病変に対し、その治療のための医療器具としてステントが用いられている。
生体内留置用ステントは、血管あるいは他の生体内管腔が狭窄もしくは閉塞することによって生じる様々な疾患を治療するために、その狭窄もしくは閉塞部位を拡張し、その内腔を確保するためにそこに留置する、一般的には管状の医療用具である。
ステントは、体外から体内に挿入するため、挿入時には直径が小さく、目的の狭窄もしくは閉塞部位で拡張させて直径を大きくして留置し、その管腔をそのままで保持するものである。
ステントとしては、金属線材、あるいは金属管を加工した円筒状のものが一般的である。ステントは、細くした状態でカテーテルなどに装着されて生体内に挿入され、目的部位で所定の方法により拡張させ、その管腔内壁に密着、固定することで管腔形状を維持する。ステントは、機能および留置方法によって、セルフエクスパンダブルステントとバルーンエクスパンダブルステントに区別される。バルーンエクスパンダブルステントはステント自体に拡張機能はなく、ステントを目的部位に挿入した後、ステント内にバルーンを位置させてバルーンを拡張させ、バルーンの拡張力によりステントを拡張(塑性変形)させ目的管腔の内面に密着させて固定する。このタイプのステントでは、上記のようなステントの拡張作業が必要になる。
血管系、特に冠動脈治療に用いられているステントは、バルーンエクスパンドタイプがその大半を占めている。
そして、より多くの症例に対応させるために、ステントに求められる特性として、管路の拡張を維持するための径方向の潰れにくさ、生体の動きにしなやかに追従するための曲げ柔軟性、留置施術の際に患者への負担を軽減するための折り畳み時の管長方向コンパクト性、留置後の再狭窄を防ぐためのステント自体の耐久性(破損しにくさ)などが挙げられる。そのうち、折り畳み時の管長方向コンパクト性は拡張時の管長増大をも意味し、施術の際の病変部へ正確な留置のしやすさにも寄与できる。
従来の一般的なステントは筒状の網目のような形状をしており、拡張時には径方向には広がるものの、管長方向には短くなってしまう性質をもつため、これらの機能を発揮できなかった。これに対し、折り畳み時には管長方向のコンパクト性、拡張時には管長増大性を備えた、拡大性材料(Auxetic material)からなる管状ライナが提案されている(特許文献1)。また、生体の動きにしなやかに追従するための曲げ柔軟性を達成するために、波線状環状体及びそれらを連結するためのリンクを有するステントが知られている(特許文献2)。
特表2005−534396号公報 特開2008−86462号公報
しかしながら、特許文献1のステントは、局所的な曲げ柔軟性(耐キンク性)に欠け、また応力集中がしやすい構造であるため耐久性が不十分であるという問題があった。
また、特許文献2のステントは、折り畳み時の管長方向コンパクト性および拡張時の管長増大が不十分であるという問題があった。拡張時にステントの長さが短くなると(ショートニング)、病変部位への正確な留置を妨げる場合があり、拡張時に長さが短くならない設計が重要である。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、ステントの半径方向の高剛性と、長手方向の曲がりやすさとを両立し、径方向の潰れにくさを維持しつつ、曲げ柔軟性、折り畳み時の管長方向コンパクト性および耐久性を備えたステントを提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、ステントをAuxetic構造とするとともに、環状体同士を互いに連結する連結部に屈曲部を設けることで、上記課題を解決できることに想到し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1] n個以上(nは、4以上の自然数である。)の矩形波状の環状体が軸方向に整列して互いに連結された拡張可能なステントであって、
前記矩形波の角部は、丸められてR形状とされており、
前記環状体は、それぞれ、軸方向の一端側に対して凸部となり他端側に対して凹部となる山と、該一端側に対して凹部となり該他端側に対して凸部となる谷との組み合わせを2組以上有し、
隣接する第m環状体(mは、1以上n−2以下の自然数である。)の山の凹部と、第m+1環状体の谷の凹部とは、互いに向かい合って軸方向に整列し、かつ、互いに向かい合う該第m環状体の山の凹部と該第m+1環状体の谷の凹部とは、少なくとも1箇所において、屈曲部を有する連結部によって互いに連結されていること、ことを特徴とするステント。
[2] 前記連結部の屈曲部は、該連結部の略中央に設けられ、かつ、前記ステントの軸方向に直交する方向に延びる部分を有する、[1]に記載のステント。
[3] 前記屈曲部は、波状、U字状、V字状、W字状、S字状、又はZ字状のいずれかの形状である、[1]または[2]に記載のステント。
[4] 前記連結部は、前記第m環状体の山の凹部と前記第m+1環状体の谷の凹部が互いに向かい合うすべての箇所に設けられている、[1]〜[3]のいずれかに記載のステント。
[5] 前記第m環状体の山の凹部と前記第m+1環状体の谷の凹部が互いに向かい合う箇所で、前記連結部が設けられている箇所、および、隣接する第m+2環状体の山の凹部と第m+3環状体の谷の凹部が互いに向かい合う箇所で、前記連結部が設けられている箇所は、周面方向に1つずつずれて存在し、ステント全体としては、軸方向に対してスパイラル状に存在する、[1]〜[3]のいずれかに記載のステント。
[6] 前記第m環状体の山の凹部と、前記第m+1環状体の谷の凹部が互いに向かい合う箇所で、前記連結部が設けられていない箇所が存在する、[1]〜[3]のいずれかに記載のステント。
[7] 前記第m環状体の山の凹部と前記第m+1環状体の谷の凹部が互いに向かい合う箇所で、前記連結部が設けられていない箇所、および、隣接する第m+2環状体の山の凹部と第m+3環状体の谷の凹部が互いに向かい合う箇所で、前記連結部が設けられていない箇所は、前記ステントの軸方向に沿って整列している、[6]に記載のステント。
[8] 前記第m環状体の山の凹部と前記第m+1環状体の谷の凹部が互いに向かい合う箇所で、前記連結部が設けられていない箇所、および、隣接する第m+2環状体の山の凹部と第m+3環状体の谷の凹部が互いに向かい合う箇所で、前記連結部が設けられていない箇所は、周面方向に1つずつずれて存在し、ステント全体としては、軸方向に対してスパイラル状に存在する、[6]に記載のステント。
本発明によれば、矩形波状の環状体の凹部同士を、屈曲部を有する連結部で連結したAuxetic構造とすることで、ステントの径方向の高剛性と、長手方向の曲がりやすさとを両立し、径方向の潰れにくさを維持しつつ、曲げ柔軟性、折り畳み時の管長方向コンパクト性および耐久性を備えたステントを提供することができる。
本発明のステントの第一実施形態を示す図であり、ステントを中心軸に平行に長手方向に切断し展開した状態を示す平面図である。 図1に示すステントを血管内に挿入した状態を模式的に示す図である。 ステントを血管内に留置する方法の一例を説明する図である。 本発明のステントの第二実施形態を示す図であり、ステントを中心軸に平行に長手方向に切断し展開した状態を示す平面図である。 図4に示すステントを血管内に挿入した状態を模式的に示す図である。 図4に示すステントを血管内で拡張した状態を模式的に示す図である。 本発明のステントの第三実施形態を示す図であり、ステントを中心軸に平行に長手方向に切断し展開した状態を示す平面図である。 図7に示すステントを血管内に挿入した状態を模式的に示す図である。 本発明のステントの第四実施形態を示す図であり、ステントを中心軸に平行に長手方向に切断し展開した状態を示す平面図である。 図9に示すステントを血管内に挿入した状態を模式的に示す図である。 曲げ特性の評価方法を説明するための図である。 潰れ特性の評価方法を説明するための図である。 実施例1のステントを血管内で曲げた状態を示す図である。 実施例1のステントを血管内で潰した状態を示す図である。 実施例2のステントを血管内で曲げた状態を示す図である。 実施例2のステントを血管内で潰した状態を示す図である。 実施例3のステントを血管内で曲げた状態を示す図である。 実施例3のステントを血管内で潰した状態を示す図である。 実施例4のステントを血管内で曲げた状態を示す図である。 実施例4のステントを血管内で潰した状態を示す図である。 比較例1のステントを中心軸に平行に長手方向に切断し展開した状態を示す平面図である。 比較例1のステントを血管内で曲げた状態を示す図である。 比較例1のステントを血管内で潰した状態を示す図である。 比較例2のステントを中心軸に平行に長手方向に切断し展開した状態を示す平面図である。 比較例2のステントを血管内で曲げた状態を示す図である。 比較例2のステントを血管内で潰した状態を示す図である。
本発明のステントの好適な実施形態について、以下具体的に説明する。
本実施形態に係るステントは、略管状体に形成され、生体内管腔への挿入のための直径を有し、該管状体の内部より半径方向に広がる力が付加されたときに拡張可能なステントである。
本実施形態に係るステントは、主に、生体内管腔である血管に生じた狭窄部(治療部位)を治療するために使用される。ステントは、血管内で展開及び留置され、狭窄部の内側を支持することで狭窄部を押し広げる留置部材として構成される。なお、本実施形態のステントは、血管への適用に限定されるものではなく、種々の生体管腔(例えば、胆管、気管、食道、尿道、鼻腔、その他の臓器等)の治療に適用することが可能である。
<第一実施形態> 連結部間引きなし
図1および図2は、本発明のステントの第一実施形態を示す図であり、図1はステントを中心軸に平行に長手方向に切断し展開した状態を示す平面図である。また、図2は、ステントを血管内に挿入した状態を模式的に示す図である。なお、図1では8個の環状体、図2では10個の環状体を示しているが、本実施形態のステントが備える環状体の数は、これに限定されるものではない。後掲する図面においても同様である。
本実施形態のステント1A(1)は、n個以上(nは、4以上の自然数である。)の矩形波状の環状体10が軸方向に整列して互いに連結された拡張可能なステントである。ステント1A(1)は、素線である矩形波状の環状体10により、全体として筒状の骨格に形成される。
環状体10は、軸方向に矩形波状を有し、軸心回りを周回して環状に形成されている。本実施形態のステント1A(1)では、環状体10は、それぞれ、軸方向の一端側に対して凸部となり他端側に対して凹部となる山11と、一端側に対して凹部となり他端側に対して凸部となる谷12との組み合わせを2組以上有する。図1に示す例では、山11と谷12の組み合わせからなる矩形波を3組有している。矩形波の角部は、丸められてR形状とされている。
環状体10は軸方向に複数並び、隣接し合う環状体同士が連結部20により連結されている。本実施形態のステント1A(1)は、隣接する第m環状体10(mは、1以上n−2以下の自然数である。)の山11の凹部と、第m+1環状体10m+1の谷12の凹部とは、互いに向かい合って軸方向に整列し、かつ、該第m環状体10の山11の凹部と該第m+1環状体10m+1の谷12の凹部とは、少なくとも1箇所において、屈曲部21を有する連結部20によって互いに連結されている。図1に示す例では、互いに向かい合う第m環状体10の山11の凹部と第m+1環状体10m+1の谷12の凹部とは、すべての箇所において連結されている。
ステント1A(1)は、連結部20が複数の環状体10を連ねることで、軸方向に連なって周面が網目状を呈する筒状となる。ステント1A(1)の内側には、ステントの長手方向(軸方向)に沿って貫通孔が設けられており、留置手術時には、この貫通孔に、後述するステント留置器具のバルーンカテーテルが挿通される。
特に本発明では、ステントをAuxetic構造としている。すなわち、矩形波状の環状体10の凹部同士(第m環状体10の山11の凹部と、第m+1環状体10m+1の谷12の凹部)を、連結部20(リンク)で連結することにより、折り畳み時のコンパクト性と、拡張時の管長増大(ショートニングの解決)と、を実現した。
具体的には後述する実施例にも示されるように、ステント1A(1)がAuxetic構造を有していることで、折り畳み時にはコンパクトであり、拡張した時には軸方向に十分に長く延びることができる。環状体10の矩形波の振幅を変化させることで、拡張時の伸長率を制御できる。折り畳み時にコンパクトな状態で体内に入れることにより、留置施術の際に患者への負担が少なく、また拡張したときに十分に長く広がるため、目的部位を的確にカバーすることができる。
さらに、本実施形態のステント1A(1)では、環状体10の波形状を矩形状とするとともに、矩形波の角部は、丸められてR形状とされている。これにより、留置施術の際に、環状体10の角部で患者の生体を傷つけたりすることなく、負担を少なくすることができる。
本実施形態に係るステント1A(1)において、環状体10を構成する素線の寸法としては、特に限定されるものではないが、例えば、幅は0.09mm〜0.30mm程度であり、肉厚は0.05mm〜0.25mm程度である。
環状体10自体の寸法は、特に限定されるものではないが、例えば、非拡張時の軸方向長さ(図中L1)は1.0mm〜8.0mm程度であり、特に、1.5mm〜5.0mmが好ましい。また非拡張時の直径は、例えば0.8mm〜2.5mm程度であり、拡張状態の直径は、例えば1.2mm〜4.0mm程度である。
ステント1A(1)における、軸方向の環状体10の数としては、特に限定されるものではなく、ステントの長さによって異なるが、例えば、4〜50であり、特に、10〜35が好ましい。
なお、ステント1A(1)の大きさ(長さおよび直径)、構成要素(環状体10および連結部20)の大きさ・数は、適用される生体部位を考慮して決定する。
また、本実施形態のステント1A(1)では、連結部20が屈曲部21(バネ状機構)を有することにより、曲げやすくなり、応力集中も避けられる。これにより、生体内での曲げ柔軟性、耐キンク性および耐久性を向上できる。
屈曲部21は、連結部20の略中央に設けられ、ステントの軸方向に直交する方向に延びる部分であり、バネ状機構の役割を有する。連結部20が、その略中央に、ステントの軸方向に直交する方向に延びる屈曲部21を有することで、力が印加されたときに曲げる作用を有するものとなる。そして、隣接する環状体同士を柔軟に連結することができ、ステントを体内で曲げやすくなり、屈曲部21における応力集中も避けることができる。
具体的には、例えば、屈曲部21は、波状、U字状、V字状、W字状、S字状、又はZ字状のいずれかの形状である。図1に示す例では、屈曲部21は、ステントの軸方向に直交する方向にW字状に延びる部分を有している。屈曲部21の角部は、丸められてR形状とされており、留置施術の際に、患者への負担を少なくすることができる。
図1に示す例では、屈曲部21の屈曲方向は、すべて同じ方向を向いているが、屈曲部21の屈曲方向は、異なるものであってもよい。第m環状体10と第m+1環状体10m+1とを結合する連結部20の屈曲部21の屈曲方向と、第m+1環状体10m+1と第m+2環状体10m+2とを結合する連結部20の屈曲部21の屈曲方向とが異なって(例えば逆方向)いてもよいし、第m環状体10と第m+1環状体10m+1とを結合する連結部20において、隣り合う連結部の屈曲部21の屈曲方向が異なっていてもよい。
連結部20の、ステントの軸方向長さ(図中L2)としては、2.1mm〜16.5mm程度が好ましく、特に、1.3mm〜4.5mmが好ましい。また、屈曲部21の、ステントの軸方向に直交する方向の長さ(図中L3)としては、0.2mm〜1.0mm程度が好ましく、特に、0.3mm〜0.5mmが好ましい。
本実施形態に係るステント1A(1)(環状体10および連結部20)を構成する材料は、特に限定されるものではないが、ある程度の生体適合性を有するものが好ましく、例えば、金属材料や樹脂材料を適用することができる。ステント1A(1)を構成する金属材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、例えば、Ni−Ti系合金のような擬弾性合金(超弾性合金を含む)、形状記憶合金、ステンレス鋼(例えば、SUS304、SUS303、SUS316、SUS316L、SUS316J1、SUS316J1L、SUS405、SUS430、SUS434、SUS444、SUS429、SUS430F、SUS302等、SUSの全品種)、タンタル系合金、コバルト系合金、金、白金のような貴金属、タングステン系合金、炭素系材料(ピアノ線を含む)等が挙げられる。
次に、本実施形態のステントの留置方法の一例について、図3を用いて説明する。
ステント留置器具50は、ステント1と、ステント1を血管40内で拡張させるためのバルーンカテーテル51と、バルーンカテーテル51を収納したプロテクティブシース53を備える。ステント1は、折り畳まれたバルーンカテーテル51のバルーン52に被嵌されている。ステント1が狭い蛇行した血管40の中を通過する時に血管との摩擦で脱落するのを防止するために、ステント全体は、プロテクティブシース53の中に引っ込んだ状態にて血管内に挿入される。血管40の中を進行させる際には、バルーンカテーテル51内に、ガイドワイヤー56を挿通し、このガイドワイヤー56を血管40の狭窄部41を通過させた後、このガイドワイヤー56に沿わせてステント留置器具50を進行させる。
そして、狭窄部41の付近まで、シース53ごとステント留置器具50を侵入させた後、X線透視下でシースの先端を狭窄部内に位置させて位置を確認し、その位置でシース53のみを後退させる。次に、バルーン52内に造影剤を高圧で注入しその力でバルーン52を拡張させる。バルーン52の拡張により、ステント1は、半径方向に径が拡がるように塑性変形して拡張(膨張)し、狭窄部41を押し広げる。次に、バルーン52の圧力を除去して収縮させる。ステント1は、塑性変形による拡張保持力(形状保持力)があるので収縮せずその位置にとどまり、血管を拡張した状態を維持し続け、血流障害を改善する。
特に本実施形態に係るステント1A(1)によれば、折り畳み時の管長方向コンパクト性に優れているので、留置施術の際に患者への負担を軽減することができる。また拡張したときに十分に長く広がるため、目的部位へ正確に留置することができる。また、曲げ柔軟性に優れているので、生体の動きにしなやかに追従することができる。さらに、径方向に潰れにくいので、管路の拡張を維持し、留置後の再狭窄を防ぐことができる。このように本実施形態のステント1によれば、優れた特性を有しているので、多くの症例に対応させることが可能である。
なお、上記説明では、本実施形態のステントを血管狭窄部の拡張用ステントを用いて説明したが、これに限らず、胆管、気管、食道、尿道、その他の臓器などの生体内に生じた狭窄部の改善に使用できる。
<第二実施形態>
以下、本発明の第二実施形態について説明する。なお、第二実施形態と第一実施形態とは、連結部の配置が異なるのみであり、それ以外はほぼ同様の構成を有する。そのため、以下の説明では、上述した第一実施形態と異なる部分についてのみ説明し、共通する部分については、その説明を省略する。
図4〜図6は、本発明のステントの第二実施形態を示す図であり、図4はステント1B(1)を中心軸に平行に長手方向に切断し展開した状態を示す平面図である。また、図5は、ステント1B(1)を血管内に挿入した状態を示す図であり、図6は、ステント1B(1)を拡張した状態を示す図である。
本実施形態のステント1B(1)においても、n個以上(nは、4以上の自然数である。)の矩形波状の環状体10は軸方向に複数並び、隣接し合う環状体同士が連結部20により連結されている。本実施形態のステントは、隣接する第m環状体10(mは、1以上n−2以下の自然数である。)の山11の凹部と、第m+1環状体10m+1の谷12の凹部とは、互いに向かい合って軸方向に整列し、かつ、互いに向かい合う第m環状体10の山11の凹部と第m+1環状体10m+1の谷12の凹部とは、少なくとも1か所において、屈曲部21を有する連結部20によって互いに連結されている。
上述した第一実施形態では、互いに向かい合って軸方向に整列する、第m環状体10の山11の凹部と第m+1環状体10m+1の谷12の凹部とはすべて連結されていたが、本実施形態のステント1B(1)では、第m環状体10mの山11の凹部と第m+1環状体10m+1の谷12の凹部とのうち、連結部20によって互いに連結されていない箇所(間引き部分)が設けられている。
特に本実施形態のステント1B(1)では、第m環状体10の山11の凹部と第m+1環状体10m+1の谷12の凹部が互いに向かい合う箇所で、連結部が設けられていない箇所、および、第m+2環状体10m+2の山11の凹部と第m+3環状体10m+3の谷12の凹部が互いに向かい合う箇所で、連結部が設けられていない箇所は、軸方向に整列している。すなわち、ステント全体として、連結部20が設けられていない箇所は、ステントの軸方向に沿って直線状に配されている。
図4に示す例では、第m環状体10と第m+1環状体10m+1との間において、凹部同士が向かい合った部分を3箇所有するが、そのうちの2箇所のみ連結部20が設けられ、1箇所は連結部20が設けられていない。
連結部20で連結しない部分を設けた(間引きした)ことにより、ステント1B(1)は曲げやすくなり、応力集中も避けることができる。これにより、生体内での曲げ柔軟性、耐キンク性および耐久性をさらに向上できる。一方で、連結部20を間引きし、曲げ柔軟性を実現したにもかかわらず、拡張保持性、耐久性も維持することができる。
<第三実施形態>
以下、本発明の第三実施形態について説明する。なお、第三実施形態と上述した実施形態とは、連結部の配置が異なるのみであり、それ以外はほぼ同様の構成を有する。そのため、以下の説明では、上述した実施形態と異なる部分についてのみ説明し、共通する部分については、その説明を省略する。
図7および図8は、本発明のステントの第三実施形態を示す図であり、図7はステント1C(1)を中心軸に平行に長手方向に切断し展開した状態を示す平面図である。また、図8は、ステント1C(1)を血管内に挿入した状態を示す図である。
本実施形態のステント1C(1)においても、n個以上(nは、4以上の自然数である。)の矩形波状の環状体10は軸方向に複数並び、隣接し合う環状体同士が連結部20により連結されている。本実施形態のステント1C(1)は、隣接する第m環状体10(mは、1以上n−2以下の自然数である。)の山11の凹部と、第m+1環状体10m+1の谷12の凹部とは、互いに向かい合って軸方向に整列し、かつ、互いに向かい合う第m環状体10の山11の凹部と第m+1環状体10m+1の谷12の凹部とは、少なくとも1箇所において、屈曲部21を有する連結部20によって互いに連結されている。
本実施形態のステント1C(1)では、第m環状体10の山11の凹部と第m+1環状体10m+1の谷12の凹部とのうち、連結部20によって互いに連結されていない部分(間引き部分)が設けられている。図4に示すように、本実施形態では、第m環状体10と第m+1環状体10m+1との間において、凹部同士が向かい合った箇所を3箇所有するが、そのうちの2箇所のみ連結部20が設けられ、1箇所は連結部20が設けられていない。
上述した第二実施形態では、連結されていない間引き部分は、軸方向に沿って直線状に配されていたが、本実施形態のステント1C(1)では、連結部20が設けられていない間引き部分が、ステントの軸方向に連続しないように配されている。具体的には、図7に示すように、本実施形態のステントでは、第m環状体10の山11の凹部と第m+1環状体10m+1の谷12の凹部が互いに向かい合う箇所で連結部20が設けられていない箇所、および、第m+2環状体10m+2の山11の凹部と第m+3環状体10m+3の谷12の凹部が互いに向かい合う箇所で連結部20が設けられていない箇所は、周面方向に1つずつずれて存在し、ステント全体としては、軸方向に対してスパイラル状に存在する。
連結部20で連結しない部分を設けた(間引きした)ことにより、ステント1C(1)は曲げやすくなり、応力集中も避けることができる。これにより、生体内での曲げ柔軟性、耐キンク性および耐久性をさらに向上できる。一方で、連結部20を間引きし、曲げ柔軟性を実現したにもかかわらず、拡張保持性、耐久性も維持することができる。
特に、本実施形態のステント1C(1)は、連結されていない間引き部分を、軸方向に沿ってスパイラル状に配することで、曲げ柔軟性および耐久性等の特性において、軸方向に等方性を有することとなる。すなわち、ステント全体としては湾曲方向性を持たない良好な変形が可能なものとなる。湾曲方向性を持たないとは、易変形方向および難変形方向を持たないことを意味する。
<第四実施形態>
以下、本発明の第四実施形態について説明する。なお、第四実施形態と上述した実施形態とは、連結部の配置が異なるのみであり、それ以外はほぼ同様の構成を有する。そのため、以下の説明では、上述した実施形態と異なる部分についてのみ説明し、共通する部分については、その説明を省略する。
図9および図10は、本発明のステントの第四実施形態を示す図であり、図9はステント1D(1)を中心軸に平行に長手方向に切断し展開した状態を示す平面図である。また、図10は、ステント1D(1)を血管内に挿入した状態を示す図である。
本実施形態のステント1D(1)においても、n個以上(nは、4以上の自然数である。)の矩形波状の環状体10は軸方向に複数並び、隣接し合う環状体同士が連結部20により連結されている。本実施形態のステント1D(1)は、隣接する第m環状体10(mは、1以上n−2以下の自然数である。)の山11の凹部と、第m+1環状体10m+1の谷12の凹部とは、互いに向かい合って軸方向に整列し、かつ、互いに向かい合う第m環状体10の山11の凹部と第m+1環状体10m+1の谷12の凹部とは、少なくとも1箇所において、屈曲部21を有する連結部20によって互いに連結されている。
本実施形態のステント1D(1)では、第m環状体10の山11の凹部と第m+1環状体10m+1の谷12の凹部とのうち、連結部20によって互いに連結されていない部分(間引き部分)が設けられている。図4に示すように、本実施形態では、第m環状体10と第m+1環状体10m+1との間において、凹部同士が向かい合った部分を3箇所有するが、そのうちの1箇所のみ連結部20が設けられ、2箇所は連結部20が設けられていない。
本実施形態のステント1D(1)では、連結部20が、ステントの軸方向に連続しないように配されている。具体的には、図9に示すように、本実施形態のステント1D(1)は、第m環状体10の山11の凹部と第m+1環状体10m+1の谷12の凹部が互いに向かい合う箇所で、連結部20が設けられている箇所、および、第m+2環状体10m+2の山11の凹部と第m+3環状体10m+3の谷12の凹部が互いに向かい合う箇所で、連結部20が設けられている箇所は、周面方向に1つずつずれて存在する。すなわち、ステント全体としては、連結部20は軸に対してスパイラル状に配されている。
連結部20で連結しない部分を設けた(間引きした)ことにより、ステント1D(1)は曲げやすくなり、応力集中も避けられる。これにより、生体内での曲げ柔軟性、耐キンク性および耐久性をさらに向上できる。一方で、連結部20を間引きし、曲げ柔軟性を実現したにもかかわらず、拡張保持性、耐久性も維持することができる。
特に、本実施形態のステントで1D(1)は、連結部20を、軸方向に沿ってスパイラル状に配することで、曲げ柔軟性および耐久性等の特性において、軸方向に等方性を有することとなる。すなわち、ステント全体として湾曲方向性を持たない良好な変形が可能なものとなる。
また、連結部20をステントの軸方向に連続しないものとすることにより、1つの環状体10が血管の変形に追従するように変化した時の負荷が、隣り合わない環状体にまで直接伝達されることを抑制でき、環状体個々の独立した拡張機能を発揮する。さらに、連結部20の配置が、ステント全体から見てスパイラル状になっていることで、隣り合わない環状体による影響をより受けにくいものとなる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
以下、本発明の効果を確認するために行った実施例および比較例について説明する。なお、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
実施例および比較例のステントについて、有限要素法によるシミュレーションを行い、性能を比較した。
なお、シミュレーションにおいて、ステントには、弾塑性モデルとしてステンレス SUS316L(ポアソン比:0.3、ヤング率:193GPa、降伏応力:175MPa、引張強度:480MPa、破断ひずみ:40%)を用いた。ステントは、10個の環状体が連結された構成とし、拡張前の直径が1.6mm、軸方向の長さが21mmとした。また血管には、ヤング率1MPa、ポアソン比0.3の弾性体モデルを使用した。血管は直径(内径)が2.8mm、長さが45mmとした。
実施例および比較例のステントについて、管内でステントを拡張させる拡張シミュレーション、拡張した状態から所定の曲げ変位を加える曲げシミュレーション、および所定の潰れ変位を加える潰れシミュレーションの3種のシミュレーションを行った。これらのシミュレーションから、折り畳み時コンパクト性を評価する拡張時伸長率、曲げ柔軟性を評価する曲げ荷重、径方向潰れにくさを評価する潰れ荷重、耐久性を評価する最大応力について評価を行った。結果を表1に示す。
[拡張時伸長率]
内径2.8mmの血管内で、直径1.6mmで長さが21mmのステントを拡張したときの、長さの変化率を測定した。
[曲げ荷重]
内径2.8mmで長さが45mmの血管内で、直径1.6mmで長さが21mmのステントを直径3.0mmになるように拡張し、さらに血管両端部を固定し、固定点間の中央を長手方向と直交する方向に10mmのたわみを与えるために必要な荷重を測定した(図11参照)。
[曲げ変形形状]
内径2.8mmで長さが45mmの血管内で、直径1.6mmで長さが21mmのステントを直径3.0mmになるように拡張しさらに血管両端部を固定し、固定点間の中央を長手方向と直交する方向に10mmのたわみを与えた際に、局所的な折れ曲がり(キンク)の発生の有無を判断した。キンクが発生しなかった場合を〇、キンクが発生した場合を×として評価した。
[潰れ荷重]
内径2.8mmで長さが45mmの血管内で、直径1.6mmで長さが21mmのステントを直径3.0mmになるように拡張し、さらに血管両端部を固定し、固定点間の中央部幅9mmの領域に径方向内向きに0.25mmの変位を与えるために必要な荷重を測定した(図12参照)。
[最大応力(曲げ)]
内径2.8mmで長さが45mmの血管内で、直径1.6mmで長さが21mmのステントを直径3.0mmになるように拡張し、さらに血管両端部を固定し、固定点間の中央を長手方向と直交する方向に10mmのたわみを与えた際に、ステントに生じる最大の応力を測定した。
[最大応力(潰れ)]
内径2.8mmで長さが45mmの血管内で、直径1.6mmで長さが21mmのステントを直径3.0mmになるように拡張し、さらに血管両端部を固定し、固定点間の中央部幅9mmの領域に径方向内向きに0.25mmの変位を与えた際に、ステントに生じる最大の応力を測定した。
(実施例1)
図1および図2に示す構造を有するステントを、実施例1のステントとした。
すなわち、実施例1のステントは、R矩形波状の環状体が10個、軸方向に整列して互いに連結されたステントであり、互いに向かい合う第m環状体の山の凹部と第m+1環状体の谷の凹部とは、すべての箇所において、屈曲部を有する連結部により連結されている。
実施例1のステントを血管内で曲げた状態を図13に示し、ステントを血管内で潰した状態を図14に示す。
(実施例2)
図4〜図6に示す構造を有するステントを、実施例2のステントとした。
すなわち、実施例2のステントは、R矩形波状の環状体が10個、軸方向に整列して互いに連結されたステントであり、第m環状体の山の凹部と第m+1環状体の谷の凹部が向かい合った3箇所のうちの2箇所のみ、屈曲部を有する連結部が設けられ、1箇所は連結部を設けていない。連結されていない間引き部分は、軸方向に沿って直線状に配されている。
実施例2のステントを血管内で曲げた状態を図15に示し、ステントを血管内で潰した状態を図16に示す。
(実施例3)
図7および図8に示す構造を有するステントを、実施例3のステントとした。
すなわち、実施例3のステントは、R矩形波状の環状体が10個、軸方向に整列して互いに連結されたステントであり、第m環状体の山の凹部と第m+1環状体の谷の凹部が向かい合った3箇所のうちの2箇所のみ、屈曲部を有する連結部を設け、1箇所は連結部を設けなかった。連結部を設けなかった箇所は、ステントの軸方向に対してスパイラル状に配されている。
実施例3のステントを血管内で曲げた状態を図17に示し、ステントを血管内で潰した状態を図18に示す。
(実施例4)
図9および図10に示す構造を有するステントを、実施例3のステントとした。
すなわち、実施例4のステントは、R矩形波状の環状体が10個、軸方向に整列して互いに連結されたステントであり、第m環状体の山の凹部と第m+1環状体の谷の凹部とが向かい合った3箇所のうちの1箇所のみ、屈曲部を有する連結部により連結部を設け、2箇所は連結部を設けなかった。第連結部が設けられている箇所は、ステントの軸方向に対してスパイラル状に配されている。
実施例4のステントを血管内で曲げた状態を図19に示し、ステントを血管内で潰した状態を図20に示す。
(比較例1)
図21に示す展開構造を有するステントを、比較例1のステントとした。
すなわち、比較例1のステントは、長手方向に平行な2つの辺と、それぞれの辺に従属する各2つの辺からなる六辺体の繰り返し構造を有し、長手方向に平行な辺とそれに従属する2つの辺が90°未満の内部角を作った。
比較例1のステントを血管内で曲げた状態を図22に示し、ステントを血管内で潰した状態を図23に示す。
(比較例2)
図24に示す展開構造を有するステントを、比較例1のステントとした。
すなわち、比較例2のステントは、複数の波線状環状体と、それらをつなぐ2種の連結部とを有し、リンクの1種は軸方向に直交する方向に延びる屈曲部を備える。またリンクのもう1種は前記波線状環状体の頂点部分同士を連結させる。各連結部は軸方向に対して交互となるように配置されている。
比較例2のステントを血管内で曲げた状態を図25に示し、ステントを血管内で潰した状態を図26に示す。
実施例および比較例のステントについての評価結果を表1に示す。
Figure 2019037701
表1から明らかなように、ステントがAuxetic構造を有することで(例えば実施例1)拡張時伸長率の値から、拡張時に管長が長くなることが確認でき、折り畳み時の管長方向コンパクト性が十分発揮されることがわかる。また、曲げ荷重の値および最大応力の値から、実施例のステントは曲げ柔軟性および耐久性についても優れることがわかる。さらに、潰れ荷重の値から、従来のステントと同等の径方向潰れにくさを有することもわかる。
特に、Auxetic構造を有する比較例1と、実施例1とを比較すると、連結部に屈曲部を設けることにより、曲げ荷重が小さくなり曲げ柔軟性が向上することがわかる。
また、実施例1〜4のステントは、比較例のステントと比べてほぼ同等の性能を有することも確認された。
実施例1では、剛性が高いものの、曲げ柔軟性が十分ではなかった。また、連結部のない箇所を設けた(間引きした)影響について、実施例1と、実施例2〜実施例4とを比較してわかるように、コンパクト性には大きな影響は見られなかった。また、曲げ柔軟性についても大きな影響は見られなかった。また耐久性には大きな影響はみられなかった。実施例2〜4では、連結部の数による曲げ柔軟性は変わらない。このように、いずれの評価項目も大きな違いはみられず、連結部の間引きの影響は小さいことが確認された。
しかし、拡張保持性については、連結部の数が少なくなるに従い、拡張保持性が低下する傾向があることが確認された。実施例4は従来品である比較例2よりも拡張保持性が下回っており、ステントとしての性能が十分に発揮できない可能性もある。そのため、ステントとしての性能を発揮するためには、例えば、隣接する環状体の山の凹部と、谷の凹部とが互いに向かい合う箇所のうち、少なくとも1/3以上の箇所に連結部が設けられていることが好ましい。
本発明のステントは、径方向の高剛性と、長手方向の曲がりやすさとを両立し、径方向の潰れにくさを維持しつつ、曲げ柔軟性、折り畳み時の管長方向コンパクト性および耐久性を備えたものとなり、心疾患の原因となる冠動脈の狭窄や閉塞を改善するステント留置術などの治療法の分野で好適に利用できる。
1A〜1D(1) ステント
10 環状体
11 山
12 谷
20 連結部
21 屈曲部
40 血管
41 狭窄部
50 ステント留置器具
51 バルーンカテーテル
52 バルーン
53 プロテクティブシース

Claims (8)

  1. n個以上(nは、4以上の自然数である。)の矩形波状の環状体が軸方向に整列して互いに連結された拡張可能なステントであって、
    前記矩形波の角部は、丸められてR形状とされており、
    前記環状体は、それぞれ、軸方向の一端側に対して凸部となり他端側に対して凹部となる山と、該一端側に対して凹部となり該他端側に対して凸部となる谷との組み合わせを2組以上有し、
    隣接する第m環状体(mは、1以上n−2以下の自然数である。)の山の凹部と、第m+1環状体の谷の凹部とは、互いに向かい合って軸方向に整列し、かつ、互いに向かい合う該第m環状体の山の凹部と該第m+1環状体の谷の凹部とは、少なくとも1箇所において、屈曲部を有する連結部によって互いに連結されていること、ことを特徴とするステント。
  2. 前記連結部の屈曲部は、該連結部の略中央に設けられ、かつ、前記ステントの軸方向に直交する方向に延びる部分を有する、請求項1に記載のステント。
  3. 前記屈曲部は、波状、U字状、V字状、W字状、S字状、又はZ字状のいずれかの形状である、請求項1または2に記載のステント。
  4. 前記連結部は、前記第m環状体の山の凹部と前記第m+1環状体の谷の凹部が互いに向かい合うすべての箇所に設けられている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のステント。
  5. 前記第m環状体の山の凹部と前記第m+1環状体の谷の凹部が互いに向かい合う箇所で、前記連結部が設けられている箇所、および、隣接する第m+2環状体の山の凹部と第m+3環状体の谷の凹部が互いに向かい合う箇所で、前記連結部が設けられている箇所は、周面方向に1つずつずれて存在し、ステント全体としては、軸方向に対してスパイラル状に存在する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のステント。
  6. 前記第m環状体の山の凹部と、前記第m+1環状体の谷の凹部が互いに向かい合う箇所で、前記連結部が設けられていない箇所が存在する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のステント。
  7. 前記第m環状体の山の凹部と前記第m+1環状体の谷の凹部が互いに向かい合う箇所で、前記連結部が設けられていない箇所、および、隣接する第m+2環状体の山の凹部と第m+3環状体の谷の凹部が互いに向かい合う箇所で、前記連結部が設けられていない箇所は、前記ステントの軸方向に沿って整列している、請求項6に記載のステント。
  8. 前記第m環状体の山の凹部と前記第m+1環状体の谷の凹部が互いに向かい合う箇所で、前記連結部が設けられていない箇所、および、隣接する第m+2環状体の山の凹部と第m+3環状体の谷の凹部が互いに向かい合う箇所で、前記連結部が設けられていない箇所は、周面方向に1つずつずれて存在し、ステント全体としては、軸方向に対してスパイラル状に存在する、請求項6に記載のステント。
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