JP2019037458A - バスケットカテーテル - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、バスケット部での異物の捕捉操作と除去操作の両方を容易にかつ効率よく行うことができるバスケットカテーテルを提供する。【解決手段】遠位側と近位側を有する外筒部材2と、外筒部材2の内腔に配置されている内挿部材3と、内挿部材3の遠位側に配置され、3つ以上の弾性ワイヤ15が第1結束部と該第1結束部よりも近位側の第2結束部において結束されて形成されている拡張可能なバスケット部10と、を有しているバスケットカテーテルであって、バスケット部10の第1結束部と第2結束部の間で一部の弾性ワイヤ15同士を結束し、一部の弾性ワイヤ15に対してスライドする結束部材30と、結束部材30に接続されており、外筒部材2の内腔に配置されている線状部材40と、を有しており、バスケット部10の第1結束部と第2結束部の間で、残りの弾性ワイヤ15が結束されていない。【選択図】図3

Description

本発明は、好適にバスケットに異物を捕捉することができるカテーテルに関する。
胆管や尿道に生じる結石の治療では、SUS撚線やNi−Ti等の形状記憶合金線を籠状に編んだバスケットカテーテル(バスケット鉗子)や結石除去用バルーンカテーテルが用いられる。バスケットカテーテルにおいて、結石などの異物を捕捉するバスケット部は、複数の金属線材が、遠位端と該遠位端よりも近位側の2箇所で結束されて、この2箇所の結束部の間で線材が折り曲げられたり、らせん状にねじり合わされることで籠状に構成されている。バスケットカテーテルは、内視鏡の鉗子口を通じて、胆管内等の処置部に到達する。バスケット部は、患部への送達時には例えば樹脂製のシースに収められており、異物の捕捉時にシースの遠位端から露出させることにより籠状に展開される。異物をバスケット内に収容した後、バスケットカテーテルを処置部から抜去し、異物を除去する。しかし、処置部付近の狭窄等により、処置部からカテーテル自体を抜去できない(嵌頓)ことがある。そのような場合、一旦バスケット内から異物をリリースしてカテーテルのみを抜去し、新たな処置具を挿入する等の対応が可能である。しかし、捕捉の状態によっては、異物をバスケット内からリリースできなくなる場合がある。その結果、篏頓解除の処置や外科的手技に移行することで手技時間が長くなり、患者への侵襲が大きくなることがあった。このため、嵌頓を防止するための装置が開発されている。
例えば、特許文献1には、内視鏡の鉗子チャンネルに挿通可能な中空シース部と、前記中空シース部の先端側に位置し多数本のワイヤにより形成されたバスケット状または網状に拡開可能な先端回収部とよりなる生体組織回収具において、前記先端回収部を形成する拡開した状態で、前記多数本のワイヤのうちの1組のワイヤ間隔を他のワイヤ間隔より広くすることにより開口部を形成することが開示されている。
特許文献2には、可撓性シース内に軸線方向に進退自在に挿通配置された操作ワイヤの先端に、複数の弾性ワイヤにより籠状に形成されたバスケットが連結され、バスケットを可撓性シースの先端から突没させると各弾性ワイヤの弾性によりバスケットが膨縮をする内視鏡用バスケット型回収具において、バスケットを形成する隣り合う弾性ワイヤ間の隙間を、一か所だけ他より広く形成することが開示されている。
特開平10−137252号公報 特開2002−113010号公報
しかし、特許文献1〜2に記載されているように、予め隣り合う弾性ワイヤの隙間を広げておくことで、バスケットから異物を除去しやすくなるが、サイズが比較的小さい異物は当該隙間からすり抜けるため捕捉できないことがあった。そこで、本発明は、バスケット部での異物の捕捉操作と除去操作の両方を容易にかつ効率よく行うことができるバスケットカテーテルを提供することを目的とする。
上記課題を解決し得た本発明のバスケットカテーテルは、遠位側と近位側を有する外筒部材と、外筒部材の内腔に配置されている内挿部材と、内挿部材の遠位側に配置され、3つ以上の弾性ワイヤが第1結束部と該第1結束部よりも近位側の第2結束部において結束されて形成されている拡張可能なバスケット部と、を有しているバスケットカテーテルであって、バスケット部の第1結束部と第2結束部の間で一部の弾性ワイヤ同士を結束し、一部の弾性ワイヤに対してスライドする結束部材と、結束部材に接続されており、外筒部材の内腔に配置されている線状部材と、を有しており、バスケット部の第1結束部と第2結束部の間で、残りの弾性ワイヤが結束されていない点に要旨を有する。本発明のバスケットカテーテルでは、バスケット部の第1結束部と第2結束部の間で、一部の弾性ワイヤ同士が結束されており、残りの弾性ワイヤが結束されていないため、カテーテルの周方向において、結束された複数の弾性ワイヤと、結束された弾性ワイヤと隣り合う結束されていない弾性ワイヤとの距離を離すことができる。このため、捕捉した異物をバスケット部から容易にかつ効率よく除去することができ、嵌頓の発生を防ぐことができる。また、結束部材が、一部の弾性ワイヤに対してスライドすることにより、異物の捕捉時には結束部材を第2結束部付近に配置することによって、3つ以上の弾性ワイヤ同士の周方向の配置間隔を略均一にすることができるため、異物の捕捉操作時にバスケット部が意図せず変形することを防げる。したがって、本発明のバスケットカテーテルによれば、異物の捕捉操作と除去操作の両方を容易にかつ効率よく行うことができる。
上記バスケットカテーテルにおいて、結束部材は、バスケット部の最大径部から第2結束部までの範囲をスライドするものであることが好ましい。
上記バスケットカテーテルにおいて、結束部材が1つのみ設けられていることが好ましい。
上記バスケットカテーテルにおいて、結束部材が複数の中空部を有しており、複数の中空部内にそれぞれ弾性ワイヤが配置されていることが好ましい。
上記バスケットカテーテルにおいて、結束部材が複数の内腔を有する筒状に形成されており、複数の内腔にそれぞれ弾性ワイヤが挿通されていることが好ましい。
上記バスケットカテーテルにおいて、結束部材が1の中空部または1の内腔を有しており、1の中空部または1の内腔に上記一部の弾性ワイヤが挿通されていることが好ましい。
上記バスケットカテーテルにおいて、結束部材は、遠位端と近位端の少なくともいずれか一方に向かって外径が小さくなるように形成されていることが好ましい。
上記バスケットカテーテルにおいて、内挿部材が中空状に形成されていることが好ましい。その場合、線状部材が、内挿部材の内側または外側に配置されていることがより好ましい。
上記バスケットカテーテルにおいて、内挿部材が、中実状に形成されているか、あるいは複数の線材が結束または撚られて形成されていることが好ましい。
6つの弾性ワイヤを有している上記バスケットカテーテルにおいて、結束部材は、2つの弾性ワイヤを結束していることが好ましい。
8つの弾性ワイヤを有している上記バスケットカテーテルにおいて、結束部材は、2または3つの弾性ワイヤを結束していることが好ましい。
上記バスケットカテーテルにおいて、さらに、外筒部材または内挿部材の近位側には中空部を有しているハンドルが設けられており、ハンドルは、線状部材の近位端部に接続されている位置調整部材を有しており、位置調整部材は、ハンドルの中空部内に配置されている弾性部材と接触していることが好ましい。
本発明のバスケットカテーテルによれば、異物の捕捉操作と除去操作の両方を容易にかつ効率よく行うことができるため、嵌頓の防止、症例に応じた手技の選択肢の増加、低侵襲治療の促進といった効果が得られる。
本発明の実施の形態に係るバスケットカテーテルの遠位側の側面図(一部断面図)を表す。 図1に示すバスケットカテーテルを遠位端から見た正面図を表す。 本発明の実施の形態に係るバスケットカテーテルの遠位側の側面図(一部断面図)を表す。 図3に示すバスケットカテーテルを遠位端から見た正面図を表す。 本発明の実施の形態に係る結束部材の斜視図を表す。 図5に示した結束部材のVI−VI線に沿った断面図を表す 図6に示した結束部材の変形例を示す断面図を表す。 図6に示した結束部材の他の変形例を示す断面図を表す。 図6に示した結束部材のさらに他の変形例を示す断面図を表す。 図5に示した結束部材の変形例を示す斜視図を表す。 図1に示したバスケットカテーテルのXI−XI線に沿った断面図を表す。 図11に示したバスケットカテーテルの変形例を示す断面図を表す。 本発明の実施の形態に係るバスケットカテーテルの近位側の平面図を表す。 図13に示したバスケットカテーテルの近位側の変形例を示す平面図を表す。
以下、下記実施の形態に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施の形態によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、各図面において、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、本発明の特徴の理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
本発明においてバスケットカテーテルは、遠位側と近位側を有するものであり、結石等の体内の異物を捕捉する籠状のバスケット部を有する医療用の処置具である。バスケットカテーテルを、以下、単に「カテーテル」と称することがある。本発明のカテーテルは、外筒部材と、内挿部材と、バスケット部と、結束部材と、線状部材と、を有している。図1、図3は、本発明の実施の形態に係るカテーテルの遠位側の側面図(一部断面図)を表し、図2、図4はそれぞれ図1、図3に示すカテーテルを遠位端から見たときの正面図を表す。図1は、結束部材30をバスケット部10の第2結束部の近傍に配置した状態を示し、図3は結束部材30をバスケット部10の最大径部13の近傍に配置した状態を示している。なお、図2および図4では、結束部材30を省略して記載している。
本発明において、カテーテル1の近位側とは、カテーテル1の延在方向に対して使用者(術者)の手元側の方向を指し、遠位側とは近位側の反対方向(すなわち処置対象側の方向)を指す。また、カテーテル1の近位側から遠位側への方向を軸方向と称する。
本発明のバスケットカテーテル1は、内視鏡を用いた治療に用いられ、内視鏡の鉗子口を通じて、内視鏡の鉗子口の遠位側から体内に配置され、処置部まで到達する。カテーテル1のすべての材料は生体適合性を有することが望ましい。外筒部材2は、内腔にバスケット部10(バスケット鉗子)を収容することができる。外筒部材2は、内部にバスケット部10を収容することによって、カテーテル1が内視鏡の鉗子口から鉗子チャンネル内を通って異物の近くに搬送されるまでの間に、バスケット部10の弾性ワイヤ15が内視鏡内の鉗子口、鉗子チャンネル内、異物以外の体内組織等を傷付けることを防止する。
外筒部材2としては、樹脂チューブ、単線または複数の線材、撚線の線材を特定のパターンで配置することによって形成された筒状体、金属管またはこれらを組み合わせたものが挙げられる。樹脂チューブは、例えば押出成形によって製造することができる。線材が特定のパターンで配置された筒状体としては、線材が単に交差される、または編み込まれることによって網目構造を有する筒状体や、線材が巻回されたコイルが示される。網目構造の種類は特に制限されず、コイルの巻き数や密度も特に制限されない。網目構造やコイルは、軸方向の全体にわたって一定の密度で形成されていてもよく、軸方向の位置によって異なる密度で形成されていてもよい。金属管の可撓性を高めるために、金属管の外側表面には複数の環状の溝やらせん状の溝が形成されていてもよい。中でも、溝が、金属管の軸方向の中央よりも遠位側の外表面(特に外周面)に形成されていることが好ましい。
外筒部材2は樹脂または金属から構成されることが好ましい。外筒部材2を構成する樹脂としては、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、塩化ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、天然ゴム等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂が好適に用いられる。また、外筒部材2を構成する金属としては、例えば、SUS304、SUS316等のステンレス鋼、白金、ニッケル、コバルト、クロム、チタン、タングステン、金、Ni−Ti合金、Co−Cr合金、またはこれらの組み合わせが挙げられる。特に、Ni−Ti合金から構成されている線材は、形状記憶性および高弾性に優れている。また、線材は、上述の金属、ポリアリレート繊維、アラミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、PBO繊維、炭素繊維等の繊維材料であってもよい。繊維材料は、モノフィラメントであっても、マルチフィラメントであってもよい。また、樹脂から構成されている筒状体に、金属線材等の補強材が配設されているものを外筒部材2として用いてもよい。
内挿部材3は、外筒部材2の内腔に配置されている。内挿部材3は、近位側に設けられるハンドルと遠位側のバスケット部10に接続されており、手元側の操作を遠位側に伝達する。
内挿部材3は、外筒部材2と同様の樹脂または金属から構成されることが好ましい。内挿部材3の材料は、外筒部材2の材料と同じであってもよく、異なっていてもよい。内挿部材3は、外筒部材2と同様に樹脂チューブ、単線または複数の線材、撚線の線材を特定のパターンで配置することによって形成された筒状体、金属管またはこれらを組み合わせたものを用いることができる。
内挿部材3が、中実状に形成されているか、あるいは複数の線材が結束または撚られて形成されていることが好ましい。これにより、内挿部材3の外径を小さくすることができるため、外筒部材2内に後述する結束部材30や線状部材40を収容しやすくなる。バスケット部10を形成する弾性ワイヤ15を長尺で準備し、弾性ワイヤの遠位部分にバスケット部10を形成し、バスケット部10の第2結束部よりも近位部分を内挿部材3とすることができる。当該ワイヤの近位部分を結束したり、撚り合わせて内挿部材3を形成することができる。
内挿部材3が中空状に形成されていることが好ましい。これにより、バスケット部10で捕捉された異物を除去等するための補助処置具を内挿部材3内に配置することができる。別の補助処置具によって、管腔内または異物の観察や捕捉した異物の除去等の処置を行うことができ、嵌頓の防止、症例に応じた手技の選択肢の増加、低侵襲治療の促進といった効果が得られる。例えば、内視鏡を併用して、胆管内の結石を除去する場合、内視鏡を胆管内に挿入することができないため、十二指腸に配置された内視鏡から胆管内に挿入されたカテーテル1から、追加の処置具である補助処置具を挿入することによって、処置の効率を高め、治療の低侵襲性を促進することができる。補助処置具としては、バルーンカテーテル、マイクロカテーテル、鉗子、レーザープローブ、ファイバースコープ、電気水圧衝撃破砕プローブまたはガイドワイヤが挙げられる。
中空状の内挿部材3として、一または複数の線材がらせん状に巻回されて形成されている中空体を用いてもよい。内挿部材3は遠近方向の一部が中空体であることが好ましく、軸方向全体が中空体であってもよい。複数の線材がらせん状に巻回されて形成される中空体は、複数の線材を撚り合わせて芯のない中空体として形成することもできる。中空体は、中空体が複数重なった複層中空体であることが好ましい。複層中空体は、例えば、芯材に線材を巻きつけてコイルを形成し、そのコイルの上にさらに線材を巻きつけてコイルを形成することにより形成することができる。このような中空体は、手元側のトルクをバスケット部10に伝達しやすくなり、異物の捕捉操作を容易に行うことができる。
図示していないが、内挿部材3は、中空コイル体の近位端部に接続されている金属管をさらに有していてもよい。金属管が設けられることによって内挿部材3の軸方向への伸び率を抑えることができる。中空体をコイル状に形成する場合は、中空コイル体の内側または外側に、遠近方向に沿って延在している伸長抵抗部材を配置し、他の線材の一方端部と他方端部を中空コイル体に固定することができる。これにより、中空コイル体が軸方向に伸びることを抑制できる。
外筒部材2や内挿部材3は、単層から構成されていてもよく、複数層から構成されていてもよい。また、軸方向において、外筒部材2の一部が単層から構成されており、他部が複数層から構成されていてもよく、内挿部材3についても同様である。
造影剤や薬液等の流体から外筒部材2や内挿部材3を保護するために、外筒部材2や内挿部材3の外側表面、内側表面にはコーティング剤が塗布されていてもよい。また、内挿部材3に対するガイドワイヤの摺動性を高めるために、内挿部材3の内側表面には潤滑剤が塗布されていてもよい。さらに、外筒部材2に対する内挿部材3の摺動性を高めるために、外筒部材2の内側表面や内挿部材3の外側表面には潤滑剤が塗布されていてもよい。
バスケット部10は、体内で異物を捕捉するために設けられる。図1、図3に示すように、バスケット部10は、3つ以上の弾性ワイヤ15が第1結束部と第2結束部で結束されて形成されている。弾性ワイヤ15は、湾曲形状や屈曲形状が付与され、籠状に形成される。これにより、2箇所の結束部の間に異物を捕捉する捕捉部16が形成される。バスケット部10の第2結束部よりも遠位側を外筒部材2から露出させることによって、弾性ワイヤ15が径方向の外方に拡張し、捕捉部16に異物を捕捉することができる。弾性ワイヤ15の形状は、同一平面上を通る形状であってもよく、らせん状など、ワイヤ全体が同一平面にない形状であってもよい。
弾性ワイヤ15は、弾性を有する線状部材40であり、形状記憶合金または形状記憶樹脂から構成されることが好ましい。弾性ワイヤ15は、例えば、SUS304、SUS316等のステンレス鋼、白金、ニッケル、コバルト、クロム、チタン、タングステン、アルミニウム、金、銀、Ni−Ti合金、Co−Cr合金等から構成されている単線または撚線の金属線材であってもよい。中でもNi−Ti合金から構成されている金属線材であることが好ましい。弾性ワイヤ15の個数は特に制限されないが、例えば、3本以上、4本以上、5本以上、6本以上、8本以上、10本以上、または、20本以下、15本以下であっても許容される。
捕捉部16において、弾性ワイヤ15は、直線状に形成されていてもよく、曲線状に形成されていてもよい。また、捕捉部16において、弾性ワイヤ15は屈曲している部分(屈曲部)を有していることが好ましい。屈曲部において、弾性ワイヤ15は湾曲していてもよく、折り曲げられていてもよい。このように捕捉部16を形成することによって異物を捕捉しやすくなる。
捕捉部16において、バスケット部10の最大径部13よりも遠位側と近位側において、弾性ワイヤ15が異なる材料から構成されていてもよい。例えば、最大径部13よりも近位側に配置されている弾性ワイヤ15が、最大径部13よりも遠位側に配置されている弾性ワイヤ15よりも硬度が低いことが好ましい。これにより、最大径部13よりも近位側に配置されている弾性ワイヤ15は変形しやすいため、結束部材30で結束されている弾性ワイヤ15と結束されていない弾性ワイヤ15の距離を好適に離すことができる。
バスケット部10は最大径部13を挟んで近位側と遠位側で弾性ワイヤ15の個数が異なっていてもよく、例えば、最大径部13よりも遠位側の個数を近位側よりも多くすることができる。このようにバスケット部10を形成することにより、異物の捕捉操作と除去操作の両方を容易にかつ効率よく行うことができる。
バスケット部10では、3つ以上の弾性ワイヤ15が第1結束部において結束されている。第1結束部において、弾性ワイヤ15は、それぞれが接していてもよいし、接していなくてもよい。例えば、先端チップ11によって、弾性ワイヤ15が第1結束部で結束されていてもよい。熱溶着または銀ロウ付け、接着、かしめ加工などの方法により、複数の弾性ワイヤ15が結束されていてもよい。また、複数の弾性ワイヤ15を用いて結び目を形成することにより、これら弾性ワイヤ15が結束されていてもよい。
図示していないが、先端チップ11は、複数の弾性ワイヤ15の遠位端部が挿入されるワイヤ挿入孔を有していることが好ましい。先端チップ11は、このようなワイヤ挿入孔を複数有していてもよい。
先端チップ11を構成する材料としては、外筒部材2を構成する樹脂、金属、またはこれらの組み合わせが挙げられる。先端チップ11を構成する金属は、ステンレス鋼、Ni−Ti合金であることが好ましい。
図示していないが、先端チップ11には、バスケットカテーテル1とは別の処置具である補助処置具を挿通させる処置具挿通路が設けられていてもよい。処置具挿通路は、内挿部材3の軸方向に沿って延在していることが好ましい。先端チップ11に処置具挿通路を設けることによって、補助処置具の遠位端を、カテーテル1の遠位端よりも遠位側に配置しやすくなる。
内挿部材3の径方向において、先端チップ11の外径は、外筒部材2の内径よりも大きいことが好ましい。外筒部材2内に弾性ワイヤ15を収容しても、先端チップ11が外筒部材2の遠位端に引っ掛かり、バスケット部10が外筒部材2の近位側に過度に移動することを防ぐ。また、収容後に手技を行う際にも、弾性ワイヤ15を外筒部材2から直ぐに露出することができるので、手技を効率よく行うことができる。
図1〜図4に示すように、バスケット部10では、3つ以上の弾性ワイヤ15が第1結束部よりも近位側の第2結束部において結束されている。第2結束部において、弾性ワイヤ15は、それぞれが接していてもよいし、接していなくてもよい。例えば、接続具20によって、弾性ワイヤ15が第2結束部で結束されていてもよい。第2結束部において、3つ以上の弾性ワイヤ15と内挿部材3が接続具20によって接続されていることが好ましい。接続具20は、円筒状や多角筒状等の筒状に形成することができる。接続具20は例えば、先端チップ11や外筒部材2と同様の材料から構成することができる。接続具20は、弾性ワイヤ15とともに外筒部材2内に収容されるため、接続具20の外径は、外筒部材2の内径よりも小さいことが必要である。また、熱溶着または銀ロウ付け、接着、かしめ加工などの方法により、複数の弾性ワイヤ15や接続具20が互いに第2結束部で結束されていてもよい。
内挿部材3が中空状に形成されている場合、接続具20も、例えばリング状、筒状の中空状に形成されており、接続具20の周壁に弾性ワイヤ15が固定されていることが好ましい。接続具20は、遠位側から弾性ワイヤ15の近位端部が挿入されているワイヤ挿通路を複数有していてもよい。その場合、複数のワイヤ挿通路が周方向に並んで配置されることが好ましく、より好ましくは等間隔に並んで配置される。内挿部材3と3つ以上の弾性ワイヤ15を筒状の接続具20を介して接続することによって、内挿部材3の内腔に挿通される補助処置具を併用することができる。
結束部材30は、バスケット部10の第1結束部と第2結束部の間で一部の弾性ワイヤ15同士を結束し、結束した当該一部の弾性ワイヤ15に対してスライドするものである。ここで、結束部材30は、弾性ワイヤ15を第1結束部で結束する先端チップ11や、第2結束部で結束する接続具20とは別に設けられる部材である。一部の弾性ワイヤ15同士を結束するとは、一のワイヤの一部と他部を結束することではなく、複数の異なる弾性ワイヤ同士を結束することを意味している。
図1〜図4では、6本の弾性ワイヤ15(15a〜15f)を有するバスケットカテーテル1を示している。図1、図3に示すように、本発明のバスケットカテーテル1では、バスケット部10の第1結束部と第2結束部の間で、一部の弾性ワイヤ同士15b、15cが結束部材30によって結束されており、残りの弾性ワイヤ15a、15d〜15fが結束されていない。これにより、図3に示すように、結束部材30を遠位方向に移動させることによって、カテーテル1の周方向において、結束された弾性ワイヤ(例えば15c)と、結束された弾性ワイヤ15cと隣り合う結束されていない弾性ワイヤ(例えば15d)との距離を離すことができる(図4)。このような状態を開口状態ということができる。また、結束部材30を近位方向に移動させることによってバスケット部10の形状を開口状態から元の状態に戻すことができる。このような操作が可能であるため、捕捉した異物をバスケット部10から除去する必要が生じたときに、結束部材30を操作してバスケット部10の形状を開口状態にすることができ、バスケット部10の内部の結石が開放されやすくなり、嵌頓の発生を防ぐことができる。また、結束部材30を、一部の弾性ワイヤ15a〜15cに対して近位側にスライドさせて、図1に示すように、異物の捕捉時には結束部材30を第2結束部の近傍に配置することによって、3つ以上の弾性ワイヤ同士15a〜15fの周方向の配置間隔を均一にすることができるため、異物の捕捉操作時にバスケット部10が意図せず変形することを防げる。したがって、本発明のバスケットカテーテル1によれば、異物の捕捉操作と除去操作の両方を容易にかつ効率よく行うことができる。
図1〜図4では2つの弾性ワイヤ15b、15cが結束部材30によって結束されているが、結束されている弾性ワイヤ15の個数は2以上であり、かつ全数でなければ特に限定されない。結束されている弾性ワイヤ15の個数が、結束されていない弾性ワイヤ15の個数以下であることが好ましく、結束されていない弾性ワイヤ15の個数よりも少ないことが好ましい。これにより、結束部材30のサイズの増大を抑制することができる。また、結束部材30のサイズの増大を一層抑制するためには、1つの結束部材30によって結束されている弾性ワイヤの個数が4つ以下、3つ以下または2つ以下であることが好ましい。
弾性ワイヤ15を有しているバスケットカテーテル1では、弾性ワイヤ15の個数は偶数であることが一般的であり、中でも6つまたは8つの弾性ワイヤ15を有しているものがよく使用される。1つのバスケットカテーテル1の弾性ワイヤ15の総数と、結束部材30によって結束される弾性ワイヤ15の個数は特に限定されない。例えば、6つの弾性ワイヤ15を有しているバスケットカテーテル1において、結束部材30は、2つの弾性ワイヤ15を結束していることが好ましい。また、8つの弾性ワイヤ15を有しているバスケットカテーテル1において、結束部材30は、2または3つの弾性ワイヤ15を結束していることが好ましい。このように弾性ワイヤ15の総数と、結束部材30によって結束される弾性ワイヤ15の個数を定めることにより、異物の捕捉操作および除去操作を行いやすくなる。
1つのバスケットカテーテル1に設けられる結束部材30の個数は特に限定されず、例えば3つ以下または2つ以下にすることができる。結束部材30は、バスケット部10と共に外筒部材2内に収容されるため、結束部材30の個数はより少なく、また外径はより小さいことが好ましい。外筒部材2内のクリアランスには限りがあるため、結束部材30は1つのみ設けられていることがさらに好ましい。
カテーテル1の軸方向における結束部材30のスライド範囲は特に限定されないが、結束部材30は、バスケット部10の最大径部13から第2結束部までの範囲をスライドするものであることが好ましい。これにより、結束部材30が最大径部13よりも近位側に配置されるため、結束された弾性ワイヤ15が最大径部13よりも近位側でばらつき、隙間が大きくなることを防げる。結束部材30がバスケット部10の最大径部13に配置されることによって、結束された複数の弾性ワイヤ15と、それに隣り合う結束されていない弾性ワイヤ15の間の距離を最大にすることができる。
カテーテル1には、結束部材30が、バスケット部10の最大径部13を超えて遠位側に移動することを防ぐための機構が設けられていてもよい。結束部材30が最大径部13を超えて遠位側に移動すると、開口状態が維持されず、上記距離は小さくなるためである。このため、結束部材30に接続されている線状部材40の軸方向における移動幅が制御されていることが好ましい。例えば、ハンドルに好ましく設けられる位置調整部材にラッチが設けられていることが好ましい。
バスケット部10の第1結束部と第2結束部の間で結束されている一部の弾性ワイヤ15が、結束されていない弾性ワイヤ15よりも硬度が低いことが好ましい。結束部材30によって結束されるが変形しやすくなるため、複数の弾性ワイヤ15を好適に束ねることができ、結束部材30で結束されている弾性ワイヤ15と結束されていない弾性ワイヤ15を離間させやすくなる。
結束されている弾性ワイヤ15と結束されていない弾性ワイヤ15との周方向の離間距離を確保する観点からは、結束部材30の長軸方向の最大長さが、第1結束部と第2結束部の離間距離の30分の1以上であることが好ましく、20分の1以上であることがより好ましい。他方、結束部材30を第2結束部付近に配置したときには、すべての弾性ワイヤ15の周方向の間隔が一定になるように、結束部材30の最大長さは、第1結束部と第2結束部の離間距離の10分の1以下であることが好ましく、15分の1以下であることがより好ましい。
外筒部材2内に結束部材30を収容しやすくする観点から、結束部材30の外径は、外筒部材2の内径の2分の1以下であることが好ましい。
結束部材30は樹脂または金属から構成することができる。結束部材30を構成する樹脂としては、外筒部材2と同様の材料を用いることができる。結束部材30を構成する金属としては、弾性ワイヤ15や内挿部材3の中空コイル体を構成する線材の材料と同じものを好ましく使用することができる。
結束部材30に対する弾性ワイヤ15の摺動性を高めるために、結束部材30の内側表面または弾性ワイヤ15の外側表面には潤滑剤が塗布されていたり、結束部材30に滑り性の高い樹脂が用いられていてもよい。
次に、結束部材30の具体的な構成について図5〜図10を用いて説明する。図5は、結束部材30の構成例を示す斜視図であり、図6は、図5のVI−VI線に沿った断面図である。図7〜図9は、図6に示した結束部材30の変形例を示す断面図であり、図10は図5に示した結束部材30の変形例を示す斜視図である。本発明の理解を容易にするため、図6〜図9では結束部材30に配置される弾性ワイヤ15を図示している。
図5〜図10に示すように、結束部材30には、弾性ワイヤ15が配置されている中空部31または内腔32が設けられていることが好ましい。ここで、結束部材30の中空部31は、結束部材30をいずれかの外周面から見て視認可能で、外側と連通している部分であり、結束部材30の内腔32は、結束部材30の遠位端面と近位端面に入口および出口を持つ貫通孔によって外側と連通しており、外周面から見て視認できない部分である。ここで、外周面とは、結束部材30の遠位側端面および近位側端面以外の面をいう。弾性ワイヤ15の軸方向と垂直な断面における結束部材30の形状は、例えば、円形状、楕円形状、半円形状、多角形状、一部を切り欠いた半円形状等、またはこれらの組み合わせであってもよい。
結束部材30の中空部31や内腔32が、弾性ワイヤ15の軸方向に沿って延在していてもよく、弾性ワイヤ15の軸方向と平行に延在していてもよく、弾性ワイヤ15の湾曲形状に沿って延在していてもよい。
結束部材30の中空部31や内腔32は、軸方向全体にわたって大きさが一定であってもよく、遠位端と近位端の少なくともいずれか一方に向かって内径が小さくなるように形成されていてもよい。
本発明の一実施形態では、図5〜図6に示すように、結束部材30が複数の中空部31を有しており、複数の中空部31内にそれぞれ弾性ワイヤ15が配置されていることが好ましい。弾性ワイヤ15が配置される部分を中空に形成することにより、結束部材30の取り付けおよび取り外しを容易に行うことができる。このため、従来のバスケット把持具にも取り付けることができる。
図5〜図6に示される実施形態の結束部材30の1つの中空部31、例えば中空部31Aには、2つ以下の弾性ワイヤ15が配置されていることが好ましく、1つの弾性ワイヤ15が配置されていることが好ましい。これにより、結束部材30に結束された状態でも弾性ワイヤ15は所定の間隔で配置されるため、弾性ワイヤ15に対して結束部材30をスライドさせやすい。また、弾性ワイヤ15同士が擦れて強度が低下することも防げる。図6では、結束部材30の中空部31(31A、31B、31C)に、それぞれ弾性ワイヤ15(15a、15b、15c)が配置されている。
本実施形態では、結束部材30が半円筒状に形成されており、内周面側に中空部31が形成されていることが好ましい。これにより、弾性ワイヤ15が自然に拡開する弾性力を利用して、中空部31に弾性ワイヤ15を押し当てることができるので、弾性ワイヤ15が結束部材30から意図せずに外れることを抑制できる。図5では、中空部31として、結束部材30の軸方向に延在する溝が設けられている。
本実施形態では、結束部材30の軸方向と垂直な断面における中空部31の形状は、例えば円形状や多角形状にすることができる。後述する異なる実施形態の結束部材30の内腔32の形状も同様に形成されていることが好ましい。本実施形態では、図6に示すように、円の一部を切り欠いた形状であることが好ましい。弾性ワイヤ15に対して結束部材30をスライドさせたときに、弾性ワイヤ15が擦れて強度が低下することを防げる。
図7に示すように、結束部材30が複数の内腔32を有する筒状に形成されており、複数の内腔32にそれぞれ弾性ワイヤ15が挿通されていることが好ましい。中空部31が設けられる態様に比べて、弾性ワイヤ15が結束部材30から意図せずに外れるリスクを低減できる。図7では、結束部材30が半円筒状に形成されており、3つの内腔32(32A、32B、32C)が設けられている。中空部31と同様に、結束部材30の1つの内腔32には2つ以下(より好ましくは1つ)の弾性ワイヤ15が配置される。
図5〜図7に示すように、結束部材30が複数の中空部31(または内腔32)を有している場合、カテーテル1の周方向において複数の中空部31(または内腔32)が等間隔に配置されていることが好ましい。このように中空部31または内腔32を設けることにより、結束部材30を遠位側にスライドさせても、弾性ワイヤ15が過度に変形することを防げる。また結束部材30を第2結束部の近傍に配置したときにも弾性ワイヤ15が周方向に等間隔で配置されるため、異物の捕捉操作を行いやすい。
図5〜図7に示すように、結束部材30が複数の内腔32(または中空部31)が配置されている場合、隣り合う内腔32同士(または中空部31同士)の周方向における間隔が、バスケット部10の最大径部13において結束されていない隣り合う弾性ワイヤ15同士の周方向の間隔よりも狭いことが好ましい。これにより、結束部材30をバスケット部10の最大径部13に配置したときに、結束部材30で結束されている弾性ワイヤ15同士の周方向の間隔を好適に狭めることができる。そのため、結束されていない弾性ワイヤ15と、結束されている弾性ワイヤ15の周方向の間隔を広げることができ、バスケット部10に捕捉された異物を除去しやすくなる。
本発明の異なる実施形態では、図8〜図9に示すように、結束部材30が1つの中空部31または1つの内腔32を有しており、1つの中空部31または1つの内腔32に一部の弾性ワイヤ15が挿通されていることが好ましい。結束部材30に複数の中空部31または内腔32を設けなくてもよいため、結束部材30の製造工程を簡略化することができる。図8では、結束部材30に1つの中空部31が設けられている例を示し、図9では、結束部材30に1つの内腔32が設けられている例を示した。
1つの中空部31を有している結束部材30は、例えば、板状や環状の部材を湾曲させたり、折り曲げたり、かしめたり、一部を切り欠いたりすることにより得られる。1つの中空部31を有している結束部材30の断面形状としては、例えば、D字形状の直線部の一部を欠いた形状にすることができる。1つの内腔32を有している結束部材30としては、環状部材を用いることができる。
図10に示すように、結束部材30は、遠位端と近位端のいずれか一方、または両方に向かって外径が小さくなるように形成されていることが好ましい。遠位端に向かって外径を小さくすることにより、結束部材30を遠位端に向かって移動させたときに、バスケット部10の最大径部13よりも径方向の外方に結束部材30がはみ出すことを抑制できるため、結束部材30によって生体内壁を傷付けるリスクを低減できる。他方、近位端に向かって外径を小さくすることにより、結束部材30が外筒部材2内に収容されやすくなる。図10では、結束部材30は、遠位端と近位端の両方に向かって外径が小さくなるように形成されている例を示している。
線状部材40は、結束部材30に接続されており、外筒部材2の内腔に配置されている。線状部材40は、結束部材30を遠近方向に移動させるための操作部材として機能する。
線状部材40は、単線であっても複数の単線からなる撚線であってもよい。線状部材40は結束部材30を遠近方向に繰り返し移動させても座屈しないように、弾性を有していることが好ましい。線状部材40は、結束部材30の好ましい材料として挙げた樹脂または金属から構成することができるが、強度を確保する観点からは金属から構成されていることが好ましく、例えば、ステンレス鋼や、Ni−Ti合金等の形状記憶合金が挙げられる。製造工程の簡略化の観点からは、線状部材40には弾性ワイヤ15と同種の線材を使用してもよい。
線状部材40の外径は、弾性ワイヤ15の外径以上の大きさであることが好ましく、より好ましくは1.2倍以上、さらに好ましくは1.5倍以上の大きさである。これにより、線状部材40の強度を確保することができるため、線状部材40を用いて結束部材30のスライド操作を繰り返し行っても、線状部材40が座屈しにくい。
結束部材30は、線状部材40の遠位端部に接続されていることが好ましい。より好ましくは、結束部材30の遠位端が、線状部材40の遠位端よりも遠位側に配置されている。これにより、線状部材40が結束部材30よりも遠位側に配置されないため、線状部材40を進退させても、線状部材40の遠位端が生体内壁に接触することを抑制できる。結束部材30は近位端部が線状部材40と接続されていることが好ましい。
結束部材30と線状部材40の接合方法としては、レーザー等による溶接、溶着、ろう付け、かしめ加工、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系等の接着剤による接着等により接合する方法が挙げられる。また、接合方法は、結束部材30の近位側に線状部材40を挿入可能な挿入孔を設けておき、線状部材40が挿入された結束部材30の挿入孔の部分をかしめ(圧着し)たり、挿入孔に接着剤等を注入する方法であってもよい。結束部材30の外側表面または内側表面に線状部材40が接合されていてもよい。内挿部材3が中空状に形成されている場合、結束部材30の内側表面に線状部材40が接合されていることが好ましい。
結束部材30と線状部材40を接合する他の具体的方法としては、結束部材30に複数の内腔32または中空部31が設けられており、一の内腔32(または中空部31)に弾性ワイヤ15が配置されており、他の内腔32(または中空部31)に線状部材40が配置されていてもよい。このように結束部材30を形成することによって、弾性ワイヤ15を結束しつつ、線状部材40とも確実に接続することができる。その場合、線状部材40が配置される他の内腔32(または中空部31)は、結束部材30の遠近方向に貫通していてもよく、貫通していなくてもよい。
外筒部材2内での線状部材40の配置位置について説明する。線状部材40は、図11に示すように、内挿部材3の外側に配置されていてもよく、図12に示すように内挿部材3の内側に配置されていてもよい。図示していないが、内挿部材3が中実状に形成されているか、あるいは複数の線材が結束または撚られて形成されており、かつ線状部材40が内挿部材3外に配置されていてもよい。さらに、内挿部材3が中空状に形成されており、線状部材40が、内挿部材3の内側または外側に配置されていてもよい。外筒部材2内のクリアランスには限りがあるため、図12に示すように、内挿部材3が中空状に形成されている場合、内挿部材3の内側に配置されていることが好ましい。
線状部材40の進退操作をスムーズに行うために、線状部材40は他の筒状部材内に配置されていてもよい。例えば、図1〜図3、図11に示すように、内挿部材3の外側表面に、他の筒状部材(以下、「補助筒部材41」と称する)が接合されており、補助筒部材41内に線状部材40が配置されていることが好ましい。その場合、内挿部材3の外径と補助筒部材41の外径の和が外筒部材2の内径よりも小さいものとなる。補助筒部材41の外径は、内挿部材3の外径よりも小さいことが好ましく、より好ましくは2分の1以下、さらに好ましくは3分の1以下の大きさである。補助筒部材41は、外筒部材2と同様の方法で形成することができる。
図13〜図14を用いて、カテーテル1の近位側の構成例について説明する。図13〜図14に示すように、外筒部材2と内挿部材3の操作性を向上させるため、外筒部材2または内挿部材3の近位側には中空部55を有しているハンドル50が設けられることが好ましい。図13〜図14では、ハンドル50が第1ハンドル51と第2ハンドル52を備えており、第1ハンドル51が内挿部材3の近位端側に接続されており、第2ハンドル52が外筒部材2の近位端側に接続されている。第1ハンドル51や第2ハンドル52は、内挿部材3や外筒部材2の近位端側を挿入可能とするために、筒状に形成されていることが好ましい。
ハンドル50の材料としては、例えば、ABSやポリカーボネート等の合成樹脂や、ポリウレタン発泡体等の発泡プラスチックを用いることができる。
第1ハンドル51の内腔は、内挿部材3の内腔と連通していてもよい。第1ハンドル51の内腔は、ガイドワイヤの挿通路以外に、薬剤や生体体腔内の流体等の通路として機能させてもよい。また、外筒部材2の内腔であって内挿部材3の外側と連通している第2ハンドル52の内腔を、薬剤や生体体腔内の流体等の通路として機能させてもよい。
内挿部材3と第1ハンドル51、外筒部材2と第2ハンドル52の接合は、接着剤や熱溶着など従来公知の接合手段を用いて行うことができる。第1ハンドル51は、第2ハンドル52よりも近位側に配置されている。第2ハンドル52の近位端には、例えば環状の抵抗部材53が設けられていてもよい。これにより、第1ハンドル51に対する第2ハンドル52の位置が意図せずにずれることを防止できるため、外筒部材2と内挿部材3の相対位置を固定することができる。
ハンドル50は、線状部材40の近位端部に接続されている位置調整部材54を有しており、位置調整部材54は、ハンドル50の中空部55内に配置されている弾性部材56と接触していることが好ましい。これにより、位置調整部材54を操作することで、容易に結束部材30のスライドさせることができる。図13では第2ハンドル52に中空部55が設けられており、図14では第1ハンドル51に中空部55が設けられている。
図13では、位置調整部材54としてのスライドレバーが、外筒部材2に接続されている第2ハンドル52に設けられている中空部55内に配置されている弾性部材56としてのばね部材と接触している。図14では、位置調整部材54としてのスライドレバーが、内挿部材3に接続されている第1ハンドル51に設けられている中空部55内に配置されている弾性部材56としてのばね部材と接触している。
ばね部材の近位端部に位置調整部材54が接触していることが好ましい。これにより、スライドレバーを遠位側に押し込んだ状態、すなわち、ばね部材を付勢した状態では、線状部材40は遠位側に移動するため、線状部材40に接続されている結束部材30をバスケット部10の遠位端に向かってスライドさせることができる。他方、スライドレバーから手を離すとばね部材への付勢が解除され、線状部材40は最近位に配置される結果、線状部材40に接続されている結束部材30もバスケット部10の近位側に配置される。このようにハンドル50に位置調整部材54と弾性部材56を設けることにより、一方向にのみ操作を行うことで容易に結束部材30をスライドさせることができる。
位置調整部材54は線状部材40を遠近方向に軸移動するための機構であれば特に限定されず、スライドレバーのほか、ボタン、回転ハンドル、回転つまみ等であってもよい。位置調整部材54の材料としては、ハンドル50と同様の材料を使用することができる。
弾性部材56としては、コイルばね、板ばね、ぜんまいばね等のばね部材や、ゴム部材を用いることができる。
1:バスケットカテーテル
2:外筒部材
3:内挿部材
10:バスケット部
11:先端チップ
13:最大径部
15、15a、15b、15c、15d、15e、15f:弾性ワイヤ
16:捕捉部
20:接続具
30:結束部材
31:中空部
32:内腔
40:線状部材
41:補助筒部材
50:ハンドル
51:第1ハンドル
52:第2ハンドル
53:抵抗部材
54:位置調整部材
55:中空部
56:弾性部材

Claims (13)

  1. 遠位側と近位側を有する外筒部材と、
    該外筒部材の内腔に配置されている内挿部材と、
    前記内挿部材の遠位側に配置され、3つ以上の弾性ワイヤが第1結束部と該第1結束部よりも近位側の第2結束部において結束されて形成されている拡張可能なバスケット部と、を有しているバスケットカテーテルであって、
    前記バスケット部の前記第1結束部と前記第2結束部の間で一部の前記弾性ワイヤ同士を結束し、前記一部の前記弾性ワイヤに対してスライドする結束部材と、
    前記結束部材に接続されており、前記外筒部材の内腔に配置されている線状部材と、を有しており、
    前記バスケット部の前記第1結束部と前記第2結束部の間で、残りの前記弾性ワイヤが結束されていないことを特徴とするバスケットカテーテル。
  2. 前記結束部材は、前記バスケット部の最大径部から前記第2結束部までの範囲をスライドするものである請求項1に記載のバスケットカテーテル。
  3. 前記結束部材が1つのみ設けられている請求項1または2に記載のバスケットカテーテル。
  4. 前記結束部材が複数の中空部を有しており、
    前記複数の中空部内にそれぞれ前記弾性ワイヤが配置されている請求項1〜3のいずれか一項に記載のバスケットカテーテル。
  5. 前記結束部材が複数の内腔を有する筒状に形成されており、
    前記複数の内腔にそれぞれ前記弾性ワイヤが挿通されている請求項1〜3のいずれか一項に記載のバスケットカテーテル。
  6. 前記結束部材が1の中空部または1の内腔を有しており、
    前記1の中空部または前記1の内腔に、前記一部の前記弾性ワイヤが挿通されている請求項1〜3のいずれか一項に記載のバスケットカテーテル。
  7. 前記結束部材は、遠位端と近位端の少なくともいずれか一方に向かって外径が小さくなるように形成されている請求項1〜6のいずれか一項に記載のバスケットカテーテル。
  8. 前記内挿部材が中空状に形成されている請求項1〜7のいずれか一項に記載のバスケットカテーテル。
  9. 前記線状部材が、前記内挿部材の内側または外側に配置されている請求項8に記載のバスケットカテーテル。
  10. 前記内挿部材が、中実状に形成されているか、あるいは複数の線材が結束または撚られて形成されている請求項1〜7のいずれか一項に記載のバスケットカテーテル。
  11. 6つの前記弾性ワイヤを有している前記バスケットカテーテルにおいて、
    前記結束部材は、2つの前記弾性ワイヤを結束している請求項1〜10のいずれか一項に記載のバスケットカテーテル。
  12. 8つの前記弾性ワイヤを有している前記バスケットカテーテルにおいて、
    前記結束部材は、2または3つの前記弾性ワイヤを結束している請求項1〜10のいずれか一項に記載のバスケットカテーテル。
  13. さらに、前記外筒部材または前記内挿部材の近位側には中空部を有しているハンドルが設けられており、
    前記ハンドルは、前記線状部材の近位端部に接続されている位置調整部材を有しており、
    前記位置調整部材は、前記ハンドルの前記中空部内に配置されている弾性部材と接触している請求項1〜12のいずれか一項に記載のバスケットカテーテル。
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