JP2019035613A - 膜型表面応力センサーを用いた水素センサー及び水素検出方法 - Google Patents

膜型表面応力センサーを用いた水素センサー及び水素検出方法 Download PDF

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【課題】水素をその爆発限界よりも十分低い濃度で検出する高感度の水素センサーを提供する。【解決手段】膜型表面応力センサー(MSS)の感応膜としてPd等の水素吸蔵材料の極めて薄い膜(30nm以下)を使用した水素センサーにより、この課題を達成した。Pdを使用し、膜厚を20nmとした場合、水素濃度が5ppmでも十分に検出できた。また、水素吸蔵は一般に長時間を要するプロセスであるが、本発明の水素センサーでは水素を供給し始めた直後のセンサー出力の変化率が大きいことを利用して、検出時間を短縮することができる。【選択図】図1

Description

本発明は膜型表面応力センサーを用いた水素センサーに関し、特にその感応膜にパラジウム等の水素吸蔵金属、合金等の水素吸蔵材料(以下、水素吸蔵材料と総称する)を使用した水素センサーに関する。本発明はまたそのような水素センサーを使用した水素検出方法に関する。
環境への負荷の低減などのため、水素をエネルギー源として利用するための研究開発がすすめられ、一部では実用化されている。水素を広く利用するための一つの問題点として、その貯蔵器、配管などからの水素の漏出による爆発の可能性がある。水素は軽くまた拡散性が高いため、開放された空間では水素は蓄積しにくく爆発の危険性はそれほど高くないということができる。一方、密閉状態に近い区画内で水素の漏出が起こると、水素の滞留が起こり得る。このように水素が滞留して空気中の水素濃度が4〜75体積%という広い領域(爆発範囲)に入ると、引火した場合に爆発が起こる。従って、水素濃度が4%よりも十分に低いうちに水素の漏出や蓄積を早期発見することが、水素関連機器や施設の安全性の確保上、非常に重要である。
これまでに提案された多様な動作原理に基づく水素センサーのうちに、微細なカンチレバーの片面に水素吸蔵材料の薄膜を形成し、この薄膜への水素の吸蔵・放出による薄膜の伸縮が引き起こすカンチレバーのたわみ量(カンチレバー先端の変位)の変化から、試料気体中の水素濃度を測定する形式のものがある。この形式のセンサー(カンチレバー型センサー)はカンチレバーの表面に被着する物質の膜(感応膜、受容体層等と呼ばれる)を適宜選択することにより液体あるいは気体試料中の特定の物質を選択的に検出することができるため、微量成分の検出のために多くの応用が提案されている。
上述したように、水素は4体積%という低濃度でも爆発の危険があるため、漏出等した水素の蓄積をその濃度が爆発範囲に到達する十分前に検出するには、水素センサーの感度をできるだけ高くすることが望まれる。とりわけ、内部が複雑な構造・形状を有する閉鎖領域内では、水素漏出を起こしている箇所により領域内の水素濃度分布が大きく変化する可能性があるため、このような場合まで対応するには水素センサーの感度にはさらに大きな余裕が求められる。ただし、大気中には通常0.5ppm程度の水素が含まれているため(非特許文献2)、微量の水素漏出を検出するという目的に使用する場合には、0.5ppmに近い値を検出できる程の高い感度までは求められない。
水素吸蔵金属を感応膜に使用したカンチレバー型センサーでは、感応膜を厚くしていくと水素吸蔵・放出により体積変化が起こる水素吸蔵材料の体積が大きくなり、これによりカンチレバー表面に引き起こされる表面応力は大きくなるので、感度も大きくなる。しかし、感応膜が過度に厚くなると感度は逆に低下する。水素吸蔵材料としては多様な金属や合金等の物質が挙げられるが、通常は大気に暴露しても酸化しないパラジウム等の貴金属が好ましい。このような貴金属は非常に高価なものであるため、水素センサーの低価格化のためには感応膜を薄くしても十分な感度を実現することが重要である。また、水素吸蔵材料は一般に水素の吸蔵及び放出に長時間を要するので、この点でも感応膜の薄膜化が重要となる。
カンチレバー型センサーの感度について論じている非特許文献4によれば、感応膜が検出対象の物質を、外気に露出している面からカンチレバーに接触している反対側の面まで一様に吸収して伸縮を起こし、この伸縮がカンチレバー表面に表面応力として作用するとした、カンチレバー型センサーの動作から考えて十分に妥当と考えられるモデルを想定し、感応膜の厚さ及びヤング率がカンチレバー先端の変位に与える影響を解析している。非特許文献4のFIG. 2にその解析の結果が感応膜のヤング率をパラメーターとしてグラフ化されているが、このグラフは当該文献における解析の目的の都合上、膜厚が変化しても表面応力σsurfが一定であるとして計算を行っている。感応膜として使用する材料を一種類に固定して(例えばパラジウム)その厚さを変化させた場合の感応膜の厚さによるカンチレバー先端の変位(言い換えればこのカンチレバー型センサーの感度)の変化を見るにはこれでは不適切なので、以下ではシリコン単結晶の薄層で形成されたカンチレバーの一方の面を、感応膜として水素吸蔵材料の典型例であるパラジウムの薄膜で被覆した場合を例にとり、非特許文献4で示された解析方法に従って、今度は感応膜内の応力を一定とした場合の感応膜厚とカンチレバー先端の変位(感度)との関係を求める。
具体的に説明すれば、非特許文献4により、感応膜が被覆されたカンチレバーの変位量(Δz)は以下であらわされる。
ここで
であり、また
としている。これらの式中で、各変数E, ν, σ, w, lはそれぞれヤング率、ポアソン比、応力、幅、長さを表し、下付き添え字fは感応膜の各変数を、下付き添え字cはカンチレバーの各変数を表している。これらについては図13を参照されたい。
感応膜及びカンチレバーとして使用する材料(それぞれパラジウム及びシリコン)の物性値、またカンチレバー型センサー各部の典型的なサイズに基づいてE=120GPa、E=190GPa、ν=0.39、ν=0.28、σ=0.01GPa、w=w=300μm、l=300μm、t=2.5μmとしてこの変位量Δzを計算し、その結果の曲線を描画したグラフを図14に示す。これからわかるように、変位量Δzは感応膜厚tが1400nm付近にピークを持つとともに、膜厚tがこれよりも薄くなるにつれて変位量Δzはゼロへ向かって急速に減少する。これより、感度を最大にするには感応膜の厚さを1400nm程度にすればよいことがわかるが、この厚さでは当然ながら水素が感応膜全体に浸透しまた感応膜全体から水素を放出するために要する時間が非常に長くなり、また感応膜材料として貴金属を使用した場合のセンサー価格への影響も無視できなくなるので、水素センサーとしては到底実用に耐えない。そこで、十分希薄な水素を検出する能力を維持しながら感応膜をどこまで薄くできるかが問題となる。
ここで、水素吸蔵材料を感応膜の材料として使用している先行文献中で、感応膜を薄くした場合の結果が具体的に示されているものを取り上げて説明する。
非特許文献3では感応膜の材料としてパラジウム及びパラジウム−銀合金を、またカンチレバーの材料としてガラスを使用したカンチレバー型センサー(カンチレバー長は25mmとかなり長いものを使用)に対して圧力が0.1、0.3、1、3、10、30及び100Torrの水素ガスを与えてカンチレバーの曲率(曲率半径の逆数)の変化を求めている。なお、水素の爆発範囲の下限4%における水素分圧は30Torrである。したがって、水素ガス圧力が0.1Torrの場合の測定結果が、水素濃度が約0.013%(約130ppm)の空気の測定結果に相当すると考えることができる。非特許文献3において、感応膜材料がパラジウムの場合には感応膜の膜厚を100、300、500及び1000nmとしているが(Fig. 7等)、最低膜厚100nmの場合にはかなりの感度低下が見られる。また、感応膜にパラジウム−銀合金を使用した場合は膜厚を31、57及び111nmとしているが(Fig. 13等)、この場合も最低膜厚31nmの場合は膜厚57nmの場合の54%の膜厚であるにもかかわらず、感度(カンチレバーの曲率)はFig. 7に示されたそれぞれの曲線を実測したところ、水素濃度が0.1Torrの場合に約40%と膜厚の低減率よりも大きな感度低下が見られた。また、膜厚を薄くすることで水素濃度の変化への応答性が当然良好になるはずのところ、Fig. 7において水素濃度を0.1Torrに切り替えた直後のカンチレバー曲率変化を示す曲線の立ち上がりを感応膜厚が31nmと57nmの場合の2本の曲線で比較すれば直ちにわかるように、感応膜厚が31nmと薄くすることにより応答性が逆にかなり悪化している。したがって、パラジウム−銀合金の感応膜の場合でも、31nmという感応膜厚は使用可能な膜厚の下限であるかあるいは下限から逸脱しているということができる。
また、非特許文献5にも、パラジウムを感応膜として使用した水素センサーが開示されている。ここにおいて、水素の吸蔵・放出によるパラジウム感応膜の膨張・収縮によりカンチレバーとパラジウム感応膜との間に働く大きな剪断応力が両者の間に滑りを引き起こすことを防止するため、カンチレバー表面にその長手方向に直角に多数の溝を形成しておく構成のカンチレバー型センサーが、そのような溝が切られていない通常のカンチレバー型センサーと比較対照されている。非特許文献5によれば、パラジウム感応膜の膜厚として40nm及び50nmの2種類のカンチレバー型センサーに対して水素濃度が30〜200ppmの範囲(更に200ppm〜1000ppmの範囲についても、範囲追加のための具体的な手段の記載はないが、実験したとのことである)の水素と窒素との混合ガスを与え、それによるカンチレバー型センサーのカンチレバー先端の変位Δzを検出するという実験を行っている。その結果をまとめて示すFigure 7を見ると、感応膜厚が50nmの場合には非特許文献5固有の構造である滑り止めの溝付きのカンチレバー型センサーでも水素濃度を30ppmまで低下させるとカンチレバー先端の変位量Δz(感度)は大きく低下している。溝なしの通常の構成の場合は水素濃度50ppmまでしかプロットされていないことから、これよりも低濃度では実質的に検出できなかったと推定される。感応膜をこれよりもわずかに薄くした40nmの場合には、Figure 7を見るに、溝の有無にかかわらず水素濃度が200ppm以上の場合しかプロットされていない。感応膜厚40nmの測定結果を更に詳しく示しているFigure 3を見ると、水素濃度が100ppmについても実験が行われたが、そのような低濃度領域ではほとんど感度が出ていなかったことが判る。この結果から、パラジウムをカンチレバー型水素センサーの感応膜に使用した場合、膜厚を50nmからそれよりも20%薄いだけの40nmに薄くするだけで感度の急激な低下が起こるということができる。
本発明は、上述した従来技術における水素吸蔵材料の感応膜が水素を吸蔵・放出する際の膨張・収縮によりセンサー本体表面に生起される表面応力を検出する形式の水素センサーにおいて、従来技術よりも薄くした感応膜を使用して高い水素検出感度を発揮する水素センサー及びそのようなセンサーを使用した水素検出方法を提供することを課題とする。
本発明の一側面によれば、膜型表面応力センサーの表面応力を受け取る表面に感応膜として膜厚が30nm以下の水素吸蔵材料の膜を設けた水素センサーが与えられる。
ここで、前記水素吸蔵材料はパラジウム、マグネシウム、チタン、バナジウム、ジルコニウム、ランタン、鉄、ニッケル、タンタル、及び前記金属の二以上の合金からなる群から選択されてよい。
また、前記感応膜の膜厚が5nm以上であってよい。
本発明の他の側面によれば、前記何れかに記載の水素センサーに水素を含有するターゲットガスとパージガスとを交互に切り替えて供給し、前記水素センサーからの出力信号から前記ターゲットガス中の水素濃度を測定する水素検出方法が与えられる。
また、前記出力信号に対して演算処理を行ってよい。
また、前記演算処理は時間微分であってよい。
また、前記時間微分された前記出力信号のピーク値に基づいて水素濃度を求める処理を行ってよい。
また、前記時間微分された前記出力信号のピーク値に基づいて水素濃度を求める処理は、更に前記時間微分された前記出力信号の前記ピーク値に続く信号波形に基づいて水素濃度を求める処理を含んでよい。
また、前記時間微分された前記出力信号の前記ピーク値に続く信号波形に基づいて水素濃度を求める処理は前記時間微分された前記出力信号のピーク値に基づいて選択的に行われてよい。
本発明によれば、センサー本体として膜型表面応力センサーを使用することにより、水素吸蔵材料でできた感応膜の厚さが30nm以下であっても従来のカンチレバー型水素センサーを上回る検出感度を実現することができるようになる。
膜型表面応力センサー(MSS)の模式図。 感応膜としてパラジウムが蒸着されたMSSの写真。 実施例で使用した実験装置の構成図。 水素濃度5ppmの水素・窒素混合ガスを1時間導入し、その後パージガスとして窒素ガスを3時間導入するサイクルを3回繰り返した時の、厚さ20nmパラジウム感応膜付きMSSの応答の時間微分の時間変化を示すグラフ。 水素濃度25ppmの水素・窒素混合ガスを1時間導入し、その後パージガスとして窒素ガスを3時間導入するサイクルを3回繰り返した時の、厚さ20nmパラジウム感応膜付きMSSの応答の時間微分の時間変化を示すグラフ。 水素濃度50ppmの水素・窒素混合ガスを1時間導入し、その後パージガスとして窒素ガスを3時間導入するサイクルを3回繰り返した時の、厚さ20nmパラジウム感応膜付きMSSの応答の時間微分の時間変化を示すグラフ。 水素濃度100ppmの水素・窒素混合ガスを1時間導入し、その後パージガスとして窒素ガスを3時間導入するサイクルを3回繰り返した時の、厚さ20nmパラジウム感応膜付きMSSの応答の時間微分の時間変化を示すグラフ。 水素濃度2000ppmの水素・窒素混合ガスを1時間導入し、その後パージガスとして窒素ガスを3時間導入するサイクルを3回繰り返した時の、厚さ20nmパラジウム感応膜付きMSSの応答の時間微分の時間変化を示すグラフ。 水素濃度10000ppmの水素・窒素混合ガスを1時間導入し、その後パージガスとして窒素ガスを3時間導入するサイクルを3回繰り返した時の、厚さ20nmパラジウム感応膜付きMSSの応答の時間微分の時間変化を示すグラフ。 水素濃度20000ppmの水素・窒素混合ガスを1時間導入し、その後パージガスとして窒素ガスを3時間導入するサイクルを3回繰り返した時の、厚さ20nmパラジウム感応膜付きMSSの応答の時間微分の時間変化を示すグラフ。 水素濃度40000ppmの水素・窒素混合ガスを1時間導入し、その後パージガスとして窒素ガスを3時間導入するサイクルを3回繰り返した時の、厚さ20nmパラジウム感応膜付きMSSの応答の時間微分の時間変化を示すグラフ。 図4〜図11に示した、水素濃度を変化させてセンサー出力の時間微分について、測定の各サイクル中の観測された最大値(黒の三角形)、及び厚さ10nmパラジウム感応膜を使用して同じ条件で観測された最大値(白の丸)を、水素濃度に対してプロットするとともに、これらのプロットのラングミュアモデルへのフィッティングの結果を示すグラフ。 感応膜が被覆されたカンチレバーの変位を求める式中で使用されている各種変数が関連する当該カンチレバー中の部位を示す図。 感応膜厚を変化させたときのカンチレバーの変位を示すグラフ。
本発明では、感応膜として水素吸蔵材料を使用する点では上述した先行技術と同じであるが、感応膜の膨張・収縮を表面応力として受け取るセンサー本体として、先行技術のカンチレバー型センサーに代えて膜型表面応力センサー(Membrane-type Surface stress Sensor、MSS)を使用する。図1に示す模式図からわかるように、MSSでは長手方向に延びている短冊状の基材表面に感応膜を被着する代わりに、円盤状(あるいは正方形状等の、その中心の周りの90度の整数倍の回転について対称になっている回転対称性を有する形状でもよい)の薄板状部材の周辺4カ所を外側から(図1ではバルクシリコン基板部)支持している。これら4カ所の支持部は互いに上記部材の中心から90度の回転対称の位置に設けられる(つまり、上記部材の中心点の周りに薄板状部材を90度回転すると、隣の支持部が90度回転前の支持部と同じ位置に来る)。薄板状部材の表面に生起した表面応力はこれら4カ所の支持部に集中することにより、これら支持部に増幅された一軸性の応力が印加される。この応力により支持部にそれぞれ設けられた応力検知部の電気特性(現在作製されているMSSでは電気抵抗)が変化することで、表面応力を検出することができる。さらに、図1に示されているように、これら4カ所の応力検知部の抵抗R1−ΔR1、R2+ΔR2、R3−ΔR3、R4+ΔR4はフルホイートストンブリッジ構成で接続されており、VとGNDの2つの端子間に電圧を印加したときに2つのVout端子間に現れる電圧をMSSの出力として取り出す。薄板状部材及びその周辺は通常はシリコンウエハーから作製し、また応力検知部は通常はシリコンウエハーの当該箇所にピエゾ抵抗素子を形成することにより実現される。
MSSでは薄板状部材表面(センサー本体表面)の表面応力の検出に当たって、カンチレバー型センサーのように特定の一つの方向(カンチレバーの長手方向)の表面応力だけを検出する代わりに、感応膜(図1では本発明の主題を反映して「水素感応皮膜部」と記載)などによってセンサー本体表面上に生起したところの、あらゆる方向の成分を有する表面応力を、直交する2つの方向の成分に分けて互いに90度回転した位置にある二組の応力検知部対で検出する。これによりセンサー本体表面上の表面応力のすべての方向の成分をその検出に利用でき、また薄板状部材表面の応力は検出部を兼ねた狭窄部分に集中するため、良好な検出効率を達成できる。さらに、4つの応力検出部の出力(図1の場合は抵抗変化)をフルホイートストンブリッジ構成で接続して一つの出力(Vout間に現れる電圧)にまとめるため、大振幅の出力が得られるとともに、4つの応力検出部の出力に乗っている同相のノイズ成分を相殺できるのでS/Nが改善される。これらにより、MSSは同等の材料を使用したカンチレバー型センサーに比べて最大130倍程度高い感度が期待される(非特許文献1、非特許文献6)。なお、現在利用されているカンチレバー型センサーの種類としては光読み取りカンチレバー及びピエゾ抵抗カンチレバーがあるが、感度を比較するとMSS≧光読み取りカンチレバー≫ピエゾ抵抗カンチレバーとなる。なお、MSSでも応力検知部材にピエゾ抵抗素子を使用しているにもかかわらずピエゾ抵抗カンチレバーよりも非常に高感度にすることができる理由は、MSSの応力検知部材(及びそれらと一体になった薄板状部材)にp型シリコン単結晶の(001)面を使用した場合に、この表面上に[110]方向の電流を流した場合のピエゾ抵抗率の符号が[110]方向と[1/10]方向(ここで「/1」は1にオーバーバーを付けた記号を意味する)で互いに反対向きになることを利用できるからである。つまり、この場合には、上記2つの方向をそれぞれx軸、y軸にとった座標系を設定したとき、ピエゾ抵抗値Rの微小変化dRがx方向の応力とy方向の応力の差、σ−σに比例する。そこで、4つの応力検知部材中のピエゾ抵抗素子に電流が同じ向き([110]方向)に流れるようにこれら応力検知部材を構成すること(図1に示すMSSの構造中の4つの応力検知部に示された黒の太線の向きが全て横方向、つまり[110]方向になっている点に注意)により、薄板状部材へ表面応力を印加すると、その周辺で隣り合う応力検知部材のピエゾ抵抗値が互いに逆方向に変化し(図1に示された抗力検知部材の抵抗変化ΔR1〜ΔR4の符号が、ΔR1から反時計回りに−、+、−、+と交互に変化している点に注意)、その結果、これらのピエゾ抵抗素子により構成されるフルホイートストンブリッジから大きな出力変化が得られるためである。この詳細な解析等は非特許文献1等を参照されたい。
MSSは表面応力センサー及びその応用の分野に属する当業者にはすでによく知られている事項であるため、これ以上の詳細な説明は省略する。必要であれば、MSSについて説明している特許文献1〜3、並びに非特許文献1等を参照されたい。
本発明の水素センサーでは、MSSの感応膜として水素吸蔵材料の薄膜を使用する。以下の実施例で説明するように、感応膜の厚さを変えて水素濃度とMSSの検出出力との間の関係を調べたところ、先行技術では何も考慮されていなかった範囲であるところの膜厚が30nm、あるいは25nm以下の極めて薄い場合でも非常に希薄な水素を検出可能であるという、予想を超えた効果が得られた。具体的には電子ビーム蒸着法で成膜したパラジウム膜を感応膜として使用した場合、感応膜厚が20nmの場合には5ppmの水素濃度まで検出が可能であり、感応膜厚を10nmまで薄くしても25ppmの濃度の水素を検出することができた。信号の強度は膜厚が大きいほうが強く出ることがわかる。
ここで、パラジウム膜の成膜方法として電子ビーム蒸着法を採用して実験を行ったが、一般にはスパッター法を使用した方が膜の密着性が良好であるとされている。非特許文献5を参照すれば、パラジウム膜(あるいはそれ以外の材料を使用した感応膜)とセンサー本体表面との間の密着性が良好であればそれらの間の剪断応力による滑りが少なくなることから、電子ビーム蒸着法に代えてスパッター法などの膜の密着性がさらに良好な成膜法を使用することによって本発明の水素センサーの感度が更に向上することが期待される。
なお、大気中に自然に含まれている水素の濃度が0.5ppmであることから考えて、水素漏出検出目的には数ppm程度の水素検出感度よりも高い感度は実用上あまり意味がないと考えられる。
実施例では10nmよりも薄い場合についての実験を行っていないので感応膜の膜厚の下限は実験的には確認できていない。しかし、上に述べたように膜厚が10nmの場合でも水素濃度が25ppm(実際の下限水素濃度は5ppmと25ppmの間のどこか)という低濃度の場合を検出可能であることから考えて、更に膜厚を薄くしていっても十分な感度が達成できると考えられる。ただし、感応膜の成膜方法や成膜条件にもよるが、平均膜厚を5nm程度まで薄くすると、実際に形成される膜としては、微粒子が基材上に散在したり、互いに不連続である微小な島状領域が隙間を開けて多数基材上に形成されているという、通常の意味での膜とはいいがたい状態になる傾向が強くなる。このような状態では、連続した一様な膜が基材上に形成されているというモデルで考えた場合に比べて、膜の水素吸蔵・放出によって検出器本体表面上に生起する表面応力が大幅に小さくなるため、水素の検出感度も急激に低下すると考えられる。この意味では、特殊な成膜手法等を使用して連続性の高い極薄の膜を成膜するのでない限り、感応膜の膜厚の下限は5nm程度であるということができる。ただし、非特許文献7からわかるように、表面応力センサーにおいては、感応膜が単に不連続になっただけでは大きな感度低下は起こらないと考えられる。このように、感応膜としては完全に連続している膜だけでなく切れ目等があるような不連続な膜も許容されるので、この意味では本願で言う膜厚とは平均の膜厚であると理解すべきである。同文献によれば、感度低下が顕著になるのは、不連続な感応膜の微細構造が島状や微粒子状等の小領域が互いに隙間を開けた状態で分布している状態、つまりセンサー本体表面を感応膜が実際に覆っている被覆率が1よりも実質的に低下するようになってからである。
ここで注意すべき点として、本発明は上述した非特許文献3及び非特許文献5に比較して単に感度が高いだけではないことが挙げられる。すなわち、これらの非特許文献では感応膜の膜厚を40nmあるいは31nmまで減少させた段階で、技術常識から推測されるよりも大きく感度が低下したり(非特許文献5のFigure 7に示されている膜厚が40nmの場合の感度を50nmの場合の感度と比較されたい)、あるいは膜厚が薄い方が水素ガス濃度変化に対する応答速度が速くなるはずのところが逆に低下したりする(非特許文献3のFig. 13に示されている膜厚が31nmの場合のグラフの立ち上がりが57nmの場合に比べて緩慢になっていることに注意)などの性能上の劣化が顕著となり、この程度まで膜厚を減少させた場合にはすでに水素センサーの感応膜として使用するには不適切な領域に入っていると当業者には認識されるはずである。このような現象はセンサー本体(これらの非特許文献ではカンチレバー型センサー)ではなく、感応膜自体の特性によると考えるのが自然であるため、センサー本体として別の形式のものを採用することで感応膜の厚さの上記限界を克服しようという動機づけは働かないと言うべきである。しかしながら、以下の実施例からわかるように、本発明では感応膜の膜厚を10nmと極めて薄くしてもまだ水素濃度25ppm(あるいは5〜25ppmの間のどこか)まで検出可能であり、膜厚を10nmまで薄くしてもまだ使用可能な膜厚の下限に到達していないということができる。
また、以下の実施例において説明するように、水素吸蔵は比較的長時間を要する現象であるが、水素吸蔵材料の感応膜を極めて薄くした場合には、測定対象であるところの水素を含有するガス(ターゲットガス)のMSSへの供給を開始すると、感応膜中の水素吸蔵量は急速に平衡状態に近づくため、MSSからの出力信号のうちのターゲットガスの供給開始時点及びそのごく近傍だけを使用することで、ターゲットガス中の水素濃度を高い精度で検出することが可能となる。もちろんこれに限定する意図はないが、MSSからの出力信号に対して時間微分等の演算処理を行うことによって、このような供給開始時点近傍の信号に含まれる水素濃度情報を容易に抽出することが可能である。より具体的に言えば、MSSからの出力信号の時間微分値のピーク値を見るだけで高い精度で水素濃度を判定できる。また、特に水素濃度が低い場合には水素吸蔵が平衡に到達する態様が緩慢になる傾向がみられることがあるが、その場合にはピーク値だけでは水素濃度を高い精度で判定することが困難になる。このような場合であっても、ターゲットガスの供給開始時点からある程度の時間が経過する間の出力信号の、あるいは時間微分などの演算処理後の波形には、水素濃度の違いが反映される。従って、このような波形情報等を利用することで、水素濃度を低濃度域まで高い精度で判定することができる。また、水素濃度(具体的には例えば得られたピーク値)により場合分けを行い、検出された水素濃度が低い場合に上述のような波形情報等も加えた水素濃度判定を行うことで、低水素濃度域での検出精度を向上させ、またそのような波形情報等なしで高精度の水素濃度を得ることができる領域ではピーク値だけを使用することで、短時間で水素濃度の判定を行うという方法を採用することもできる。
なお、実施例では感応膜の材料としてパラジウムを使用しているが、他にもマグネシウム、チタン、バナジウム、ジルコニウム、ランタン、鉄、ニッケル、タンタルなどの金属単体およびそれらの合金であっても、水素吸蔵により体積変化を起こす材料であれば感応膜の材料として使用可能である。
以下では図1に概念的な構造を示し、図2にその光学顕微鏡写真を示す膜型表面応力センサー(MSS)において表面応力を受け取る平坦部材(図1、図2中央の円形部分)に水素吸蔵材料としてパラジウムを使用した薄膜(膜厚20nm及び10nm)を形成した水素センサーを例に挙げて、その水素センサーとしての特性を測定し、この水素センサーが高い感度を有することを示した。なお、当然のことであるが、本発明は実施例で使用した特定の水素センサーに限定されるものではなく、本願特許請求の範囲中の各請求項に係るものであることに注意すべきである。
図2はMSSの円形の平坦部材(図2中央の白色の円形部分)に、水素吸蔵材料として知られるパラジウムを蒸着したものである。本実施例においては10nmと20nmの膜厚でパラジウムを電子ビーム蒸着法により蒸着したものを用いた。パラジウムは水素を吸蔵する材料として知られており、水素を取り込むことにより膨張することが知られている。なお、MSSの平坦部材表面にパラジウムの薄膜を形成する方法としては、電子ビーム蒸着法以外にも例えばスパッター法などを使用することができる。本実施例では使用可能な実験設備の都合上、電子ビーム蒸着法を使用した。
図3は、今回の実施例の実験を行った実験システムの概要を示す構成図である。この実験システムを使用し、水素を窒素で各種の濃度に希釈したターゲットガスをMSSに供給することにより、各水素濃度での変化を調べた。MSSを温度制御された恒温槽の中に収容し、外部からターゲットガスと純粋な窒素ガスであるパージガスとを周期的に切り替えて導入した。ここで、パージガスとは、感応膜に取り込まれたターゲットガス成分等をできるだけ除去して感応膜を初期状態あるいは基準とする状態に戻すために供給されるガスであり、この種の測定でしばしば使用される。これらのガスはマスフローコントローラー(Mass Flow Controller, MFC)によりコントロールされ、総流量を30sccmとし、ターゲットガスの水素濃度を5ppm(0.0005%)〜40,000ppm(4%)の間で変化させ応答を記録した。温度は流入ガスと恒温槽内とを同じ温度とし、本実施例においてはすべて60℃で測定を行った。
図4〜図11に、MSSにパラジウムを20nm厚で蒸着したセンサーを用いた場合のガス導入時の応答の例を示す。5ppm(図4)、25ppm(図5)、50ppm(図6)、100ppm(図7)、2000ppm(図8)、10000ppm(図9)、20000ppm(図10)及び40000ppm(図11)の各濃度に希釈した水素、すなわちターゲットガスと純窒素ガスであるパージガスとを、ターゲットガス供給を1時間、またパージガス供給を3時間というサイクルで周期的に切り替えながら、MSSからの出力電圧を求めた。なお、本実施例ではMSSからの出力電圧のドリフトが長時間継続したため、図4〜図11のグラフの縦軸には、MSSからの出力電圧そのものではなく、その時間微分を取った値を示した。これにより、MSSからの出力信号に含まれているドリフト成分を除去することができた。もちろん、MSSからの出力信号成分中で着目したい成分を強調し、及び/または不要な成分を抑制するものであれば、出力信号に施すことのできる演算処理は時間微分に限定されるものでないことは当然である。ただし、5ppm(図4)においては信号がノイズに対して小さいために、出力信号の単純移動平均(平滑化)を行った後に微分処理を行った。
ここで着目すべきこととして、本実施例におけるMSSへのターゲットガス・パージガスの供給サイクルは1時間+3時間と非常に長時間であったが、その時間微分(つまり、MSS出力信号の変化率)からわかるように、ターゲットガスとパージガスとの切替の直後だけ大きな時間微分値が観測され、その後は急激に減衰する。これから、本実施例における水素センサーの出力信号から得られる水素濃度に関する情報はターゲットガスとパージガスとの切替時点のごく近傍に集中しており、そこから時間が経過するとともに、出力信号中の水素濃度に関する情報は急激に少なくなることがわかる。結局、ターゲットガスとパージガスとの切替時点での信号の変化から、ターゲットガス中の水素濃度をかなりの精度で求めることができる。従って、本発明の水素センサーは、本実施例における測定実験のサイクル時間を4時間に設定したものの、その実際の測定速度はそのような見かけほど遅いわけではないということができる。
図12に、図4〜図11に示した、水素濃度を変化させてセンサー出力の時間微分について、測定の各サイクル中の観測された最大値(黒の三角形)、及び厚さ10nmパラジウム感応膜を使用して同じ条件で観測された最大値(白色の丸)を、水素濃度に対してプロットしたグラフを示す。ここで、膜厚10nmかつ水素濃度25〜100ppmにおいては信号がノイズに対して小さいため、出力信号の単純移動平均(平滑化)を行った後に微分処理を行った結果である。また、膜厚10nmかつ水素濃度5ppmの測定では信号を確認することができなかったので、図12にはこれに対応する測定データは示されていない。このように、ターゲットガスとパージガスとの切替時点の出力信号の変化率を利用するだけで、広い水素濃度範囲に渡って水素の有無を判定できることが判った。
図12にプロットした各膜厚の結果は、
と表される関数でフィッティングできた。ここでCは吸着ガス濃度であり、a,bは実験結果から決められた定数である。この関数は低濃度領域ではCに比例している。
この関数によりフィッティングできる理由は以下の通り説明可能である。パラジウムと水素の吸蔵反応過程を考える。水素分子がパラジウム表面に吸着し、その後水素原子としてパラジウム金属内に拡散し、水素原子はパラジウム内で固溶状態となると考えられる。固溶体となったPdHは単体パラジウムよりも大きな格子定数をとる、すなわち膨張することが知られており、固溶した水素量に比例して膨張すると考えられる。上記の反応過程を化学反応式で書くと
となる。ここでPd(s)−Hはパラジウム表面にH原子が吸着した状態を示す。
MSSの電圧値(V)はPdHの濃度に比例すると考えられるので、
と表される。ここで[PdH]はPdHの濃度を表す。その時間微分を取ると
である。また化学反応論によれば、
と表される。ここでk,kは反応速度定数である。水素導入する反応初期において[PdH]〜0と考えられるので、
となる。ここで[Pd(s)−H]について水素吸着がラングミュア(Langmuir)モデルに従うと考えると、
となる。ここでKは反応速度によって決まる定数である。ゆえにdV/dtが水素ガス濃度を変数としたラングミュアモデルにフィットできることになる。膜厚が10nm及び20nmの測定結果についてのこのラングミュアフィッティング(Langmuir fitting)の結果も図12にそれぞれ実線及び破線で示す。
このように、膜厚を10nmまで薄くしてもその水素に対する応答がラングミュアモデルに非常に良好に適合しており、そこからの逸脱の兆候が全くうかがえないことからも、膜厚をさらに薄くした場合においても本発明の水素センサーが良好に動作することが示唆される。
以上説明したように、本発明は水素利用施設等の高い安全性を確保するために利用可能である等、産業上の利用可能性は高いと期待される。
公開特許2015−45657号 再公表2013/157581 再公表2011/148774
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Claims (9)

  1. 膜型表面応力センサーの表面応力を受け取る表面に感応膜として膜厚が30nm以下の水素吸蔵材料の膜を設けた水素センサー。
  2. 前記水素吸蔵材料はパラジウム、マグネシウム、チタン、バナジウム、ジルコニウム、ランタン、鉄、ニッケル、タンタル、及び前記金属の二以上の合金からなる群から選択される、請求項1に記載の水素センサー。
  3. 前記感応膜の膜厚が5nm以上である、請求項1または2に記載の水素センサー。
  4. 請求項1から3の何れかに記載の水素センサーに水素を含有するターゲットガスとパージガスとを交互に切り替えて供給し、前記水素センサーからの出力信号から前記ターゲットガス中の水素濃度を測定する水素検出方法。
  5. 前記出力信号に対して演算処理を行う、請求項4に記載の水素検出方法。
  6. 前記演算処理は時間微分である、請求項5に記載の水素検出方法。
  7. 前記時間微分された前記出力信号のピーク値に基づいて水素濃度を求める処理を行う、請求項6に記載の水素検出方法。
  8. 前記時間微分された前記出力信号のピーク値に基づいて水素濃度を求める処理は、更に前記時間微分された前記出力信号の前記ピーク値に続く信号波形に基づいて水素濃度を求める処理を含む、請求項7に記載の水素検出方法。
  9. 前記時間微分された前記出力信号の前記ピーク値に続く信号波形に基づいて水素濃度を求める処理は前記時間微分された前記出力信号のピーク値に基づいて選択的に行われる、請求項8に記載の水素検出方法。
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