JP2019035207A - 地下二重壁構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】壁パネルの上下の端部を固定して二重壁とする地下二重壁構造において、壁パネルの撓みを抑える。【解決手段】地下外壁11の内側に立設される金属サンドイッチパネルからなる複数の壁パネル20と、外壁11と壁パネル20の互いの対向面のうちの一方に固定され、他方には固定されず該他方との間に間隙16が空けられた非接触面を有する受圧ブロック70とを備える。壁パネル20の撓みを受圧ブロック70で抑え、外壁11の不陸を間隙16で吸収する。【選択図】図1
Description
本発明は、建物の地下階における外壁の内側に構築する地下二重壁の構造に関する。
建物の地下階においては、土と接触する外壁の内側に二重壁を設けて屋内への地下水の浸入や屋内壁面の結露を防いでいる。地下二重壁は、従来、透湿性を有するコンクリートブロックを積み上げた湿式壁が一般的であった。しかし、コンクリートブロックの厚さによって屋内空間が狭くなるという問題や、施工性が悪い面があった。そこで、床スラブから天井にわたって上下方向に延びる複数の胴縁を外壁に沿って間隙をおいて設置し、これら胴縁に壁パネルを固定した構造の二重壁が提案された(特許文献1)。
ところが、胴縁に壁パネルを固定する構造では、胴縁の設置に手間がかかるという不満が生じた。そこで、胴縁を省略して壁パネルの上下の端部を床と天井に固定するという簡素な構造が発案された。この構造では胴縁が不要となるため低コストで二重壁を構築できるという利点がある。しかしこの構造では、ある程度以上の高さを有する壁パネルの場合、壁パネルを押すなどして壁パネルに対し屋内側から外壁側に荷重がかかると壁パネルが撓むという問題が生じた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、壁パネルの上下の端部を固定して二重壁とする地下二重壁構造において、壁パネルの撓みを抑えることができる技術を提供することにある。
本発明の地下二重壁構造は、地下外壁の内側に立設される壁パネルと、前記外壁と前記壁パネルの互いの対向面のうちの一方に固定され、他方には固定されず該他方との間に間隙が空けられた非接触面を有する受圧部材と、を備えることを特徴とする。本発明の壁パネルは、例えば金属製の比較的薄い板材からなる2枚の面材の間に芯材を挟んだ金属サンドイッチパネル等が挙げられる。
本発明によれば、壁パネルによって外壁の内側に二重壁が構成され、壁パネルのさらに内側が屋内空間となる。本発明の受圧部材は、壁パネルまたは外壁の一方に固定される。受圧部材が壁パネルに固定された形態では非接触面と外壁との間に間隙が空く。また、受圧部材が外壁に固定された形態では非接触面と壁パネルとの間に間隙が空く。いずれの形態においても、壁パネルに対し屋内側から外壁側に荷重がかかって壁パネルが外壁側に撓む状況が生じた場合、上記間隙の分だけ壁パネルは動き、非接触面が外壁もしくは壁パネルに当接し、壁パネルと外壁との間に受圧部材が挟まった状態となる。この受圧部材により壁パネルの外壁側への動きは阻止され、撓みが抑えられる。受圧部材は壁パネルと外壁の双方に固定されておらず、いずれか一方との間に間隙が形成される構成であるため、外壁に不陸があっても受圧部材を壁パネルもしくは外壁に干渉することなく設けることができる。つまり間隙が不陸を吸収する。また、その間隙があるため、地震等によって外壁が振動した場合、外壁の振動が壁パネルに直接伝わらず、これによって受圧部材が損傷を受けることが防がれるとともに、壁パネルへの振動の影響を抑えることができる。さらに上記間隙があるため、ある程度の撓みが壁パネルに生じて衝撃が吸収され、これにより壁パネルの損傷、変形、破壊等が抑えられる。
本発明は、前記受圧部材の少なくとも前記非接触面が衝撃吸収性材料で構成されている形態を含む。この形態によれば、壁パネルが受圧部材に当接するか、または、受圧部材が外壁に当接する際の衝撃が吸収され、壁パネルの損傷や変形が防止される。
本発明は、前記受圧部材は硬質材料で構成されている形態を含む。この場合の硬質材料は、金属、硬質樹脂、煉瓦やコンクリート、木材等を言う。この形態では、上記非接触面が外壁もしくは壁パネルに当接してからそれ以上の壁パネルの撓みの発生が確実に抑えられる。
本発明は、前記受圧部材は前記外壁側に下り勾配に設けられている形態を含む。この形態によれば、受圧部材に付着する水分は勾配にしたがって外壁側に流れ落ち、壁パネル側へ水分が流動しにくくなる。このため、屋内への漏水防止の効果が向上する。
本発明は、前記間隙、すなわち受圧部材が壁パネルに固定された形態では非接触面と外壁との間の間隙、受圧部材が外壁に固定された形態では非接触面と壁パネルとの間の間隙が、5〜30mmであることを特徴とする。当該間隙は狭すぎると、上記の外壁の不陸を吸収する作用が不十分となり、広すぎると壁パネルの撓みを招く。したがって、当該間隔は5〜30mmの範囲から選択されることが好ましい。なお、不陸は一般には10mm前後の場合が多く、これに対応することを考慮すると当該間隔は実質的には10〜20mmがより好ましい。
本発明によれば、壁パネルの上下の端部を固定して二重壁とする地下二重壁構造において、壁パネルの撓みを抑えることができるといった効果を奏する。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
図1〜図3は、土中に構築された躯体10および躯体10の内側の二重壁2によって地下空間(以下、屋内)1が形成された地下階を示している。躯体10は、外壁11、床スラブ12、上階スラブ13、柱14を有している。図2に示すように、二重壁2は、複数の壁パネル20が柱14の間に立設され、隣接する壁パネル20どうしが接合されて構成されている。二重壁2は、外壁11との間に所定間隔(150〜200mm程度)を空けて構築されている。
図1〜図3は、土中に構築された躯体10および躯体10の内側の二重壁2によって地下空間(以下、屋内)1が形成された地下階を示している。躯体10は、外壁11、床スラブ12、上階スラブ13、柱14を有している。図2に示すように、二重壁2は、複数の壁パネル20が柱14の間に立設され、隣接する壁パネル20どうしが接合されて構成されている。二重壁2は、外壁11との間に所定間隔(150〜200mm程度)を空けて構築されている。
壁パネル20は、床スラブ12に形成された堰121の上に、壁パネル設置用のレール30を介して立設されている。堰121と外壁11との間に排水溝15が形成されている。排水溝15には外壁11からしみ出した地下水等の水分が流れ、その水分は回収処理される。壁パネル20と外壁11との間に、本発明に係る受圧ブロック(受圧部材)70が配設されている。
[1]壁パネルの構成
図4に示すように、壁パネル20は、2枚の金属製の面材21の間に芯材22が挟まれた金属サンドイッチパネルで構成されている。面材21は金属製の薄板であり、例えば、カラー鋼板、フッ素鋼板、塩ビ鋼板、ガルバリウム鋼板(登録商標)、SUS304等のステンレス鋼板等が用いられる。面材21の厚さは、例えば0.27〜1.2mm程度のものが用いられる。面材21の少なくとも外面は、塗装により防カビおよび抗菌処理がなされていると好ましい。
図4に示すように、壁パネル20は、2枚の金属製の面材21の間に芯材22が挟まれた金属サンドイッチパネルで構成されている。面材21は金属製の薄板であり、例えば、カラー鋼板、フッ素鋼板、塩ビ鋼板、ガルバリウム鋼板(登録商標)、SUS304等のステンレス鋼板等が用いられる。面材21の厚さは、例えば0.27〜1.2mm程度のものが用いられる。面材21の少なくとも外面は、塗装により防カビおよび抗菌処理がなされていると好ましい。
芯材22は、軽量の樹脂発泡体が一定厚さのパネル状に成形されたものが用いられるが、その中でも、断熱性を有するもの、または断熱性とともに不燃性を有するものが好適である。断熱性を有する材料としては、ポリスチレン樹脂等の樹脂の発泡体が用いられ、好ましくは、水分を吸収しにくいことにより高い断熱性を有するものがよい。また、断熱性とともに不燃性を有する材料としては、炭酸カルシウムやフェノール樹脂等の発泡体、硬質ポリイソシアヌレートフォーム等のポリウレタンフォーム等が好適である。
この種の芯材22は、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤等の適宜な接着剤によって面材21の内面に接着される。壁パネル20の全体寸法としては、例えば、幅:900mm程度、高さ:1800〜5000mm程度とされ、厚さは40〜50mm程度とされる。壁パネル20は、1枚で堰121から上階スラブ13にわたる高さを有するものが用いられる。
壁パネル20どうしの接合は、接合端面の芯材22に長手方向に沿って形成された溝状凹部221と凸条222の凹凸嵌合によってなされる。なお、柱14に隣接する両端の壁パネル20は、柱14側の端面が平坦面に加工されたものが用いられる。
[2]受圧ブロック
図1に示すように、壁パネル20における外壁11に対向する背面(対向面)201には、複数の受圧ブロック70が固定されている。この場合、図2に示すように幅方向中央に複数(この場合、3つ)の受圧ブロック70が上下に分散して配置されている。なお、1枚の壁パネル20に対して受圧ブロック70を設ける数は任意であり、壁パネル20のサイズ等に応じて適宜な数が選択される。受圧ブロック70は、断面が平行四辺形を呈する角柱状のものであり、その長手方向が水平方向とほぼ平行になり、かつ、上面が外壁11側に下り勾配に傾斜する状態に、壁パネル20の背面201に固定される。受圧ブロック70の固定は、壁パネル20に対向させられる1つの面71が接着剤80により面材21に接着され、必要に応じてさらに表面202側から壁パネル20に通した取り付けねじ64をねじ込むことによりなされる。接着剤80としては、例えばウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤等が適宜に選択されて用いられる。
図1に示すように、壁パネル20における外壁11に対向する背面(対向面)201には、複数の受圧ブロック70が固定されている。この場合、図2に示すように幅方向中央に複数(この場合、3つ)の受圧ブロック70が上下に分散して配置されている。なお、1枚の壁パネル20に対して受圧ブロック70を設ける数は任意であり、壁パネル20のサイズ等に応じて適宜な数が選択される。受圧ブロック70は、断面が平行四辺形を呈する角柱状のものであり、その長手方向が水平方向とほぼ平行になり、かつ、上面が外壁11側に下り勾配に傾斜する状態に、壁パネル20の背面201に固定される。受圧ブロック70の固定は、壁パネル20に対向させられる1つの面71が接着剤80により面材21に接着され、必要に応じてさらに表面202側から壁パネル20に通した取り付けねじ64をねじ込むことによりなされる。接着剤80としては、例えばウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤等が適宜に選択されて用いられる。
本実施形態では、受圧ブロック70の断面形状の四辺が同寸である(正方形を歪めた形状)。このような断面形状の場合には、それら辺を形成する4面のいずれの面を壁パネル20の背面201に合わせて固定しても同じ側面視形状が得られる。したがってそれら4面のいずれを固定面としてよく、固定面を選択する手間を要さない。その結果、施工性の向上が図られる。
壁パネル20に固定された状態で、受圧ブロック70の外壁11側の面72は外壁11に接触しない非接触面となっている。すなわち面72と外壁内面(対向面)111との間には間隙16が空いている。この間隙16は例えば5〜30mm程度が好適とされ、10〜20mm程度がより好ましい。
受圧ブロック70は、例えば全体が衝撃吸収性を有する材料で構成されている。当該材料としては、例えばある程度の剛性を有する樹脂やゴム等からなる弾性材料が用いられるが、この他に、上記壁パネル20の芯材22の材料として挙げられたポリスチレン樹脂等の樹脂の発泡体も用いることができる。
[3]二重壁の施工
以下、二重壁2の施工例を説明する。まず、堰121の上に置いたレール30をアンカーねじ61によって堰121に固定する。一方、上階スラブ13に、断面L字状の上部固定アングル50をアンカーねじ62によって固定する。
以下、二重壁2の施工例を説明する。まず、堰121の上に置いたレール30をアンカーねじ61によって堰121に固定する。一方、上階スラブ13に、断面L字状の上部固定アングル50をアンカーねじ62によって固定する。
次に、予め背面201に受圧ブロック70を固定した壁パネル20の下端部をレール30内に嵌合し、背面201の上端部を上部固定アングル50に当接させる。そして、壁パネル20の上端部を取り付けねじ63によって上部固定アングル50に固定する。
続いて、上記のように固定した壁パネル20の横に同様に壁パネル20を立て込み、図4に示したように接合端部を接合させ、上部固定アングル50に上端部を取り付けねじ63で固定する作業を繰り返し行い、所定枚数の壁パネル20を柱14間に立て込む。以上で二重壁2が構築される。なお、排水溝15の点検ならびに換気を行うために、隣接する2本の柱14の間の複数の壁パネル20に対し点検口(不図示)を一対の状態で設けると好ましい。
[4]二重壁の構造とその効果
本実施形態の二重壁2は、複数の壁パネル20によって外壁11の内側に構成され、壁パネル20のさらに内側が屋内1となる。本実施形態では、壁パネル20を押すなどして壁パネル20に対し屋内1側から外壁11側に荷重がかかって壁パネル20が外壁11側に撓む状況が生じた場合、受圧ブロック70と外壁11との間の間隙16の分だけ壁パネル20は動いて面72が外壁内面111に当接し、壁パネル20と外壁11との間に受圧ブロック70が挟まった状態となる。この受圧ブロック70により壁パネル20の外壁11側への動きは阻止され、従来のように壁パネル20を胴縁に固定しない構造であっても壁パネル20の撓みが抑えられる。撓みを抑える観点から壁パネル20は高さが高く撓みやすいものにおいて特に有効であり、2m以上、あるいは2.5m以上の高さを有する壁パネル20において特に有効である。
本実施形態の二重壁2は、複数の壁パネル20によって外壁11の内側に構成され、壁パネル20のさらに内側が屋内1となる。本実施形態では、壁パネル20を押すなどして壁パネル20に対し屋内1側から外壁11側に荷重がかかって壁パネル20が外壁11側に撓む状況が生じた場合、受圧ブロック70と外壁11との間の間隙16の分だけ壁パネル20は動いて面72が外壁内面111に当接し、壁パネル20と外壁11との間に受圧ブロック70が挟まった状態となる。この受圧ブロック70により壁パネル20の外壁11側への動きは阻止され、従来のように壁パネル20を胴縁に固定しない構造であっても壁パネル20の撓みが抑えられる。撓みを抑える観点から壁パネル20は高さが高く撓みやすいものにおいて特に有効であり、2m以上、あるいは2.5m以上の高さを有する壁パネル20において特に有効である。
また、本発明では、受圧ブロック70と外壁11との間に間隙16を形成するため、外壁内面111に不陸があっても受圧ブロック70を外壁11に干渉することなく設けることができる。つまり間隙16が不陸を吸収する作用をなす。間隙16が狭すぎると外壁内面111の不陸を吸収する作用が不十分となり、広すぎると壁パネル20の撓みを招くことから、間隙16は5〜30mm程度が好ましく、10〜20mm程度がより好ましい。また、間隙16が形成されているため、地震等によって外壁11が振動した場合、外壁11の振動が壁パネル20に直接伝わらない。その結果、受圧ブロック70が損傷を受けることが防がれるとともに、外壁11の振動が壁パネル20に影響することを抑えることができる。また、間隙16があるため、壁パネル20にある程度の撓みが生じて壁パネル20への衝撃が吸収され、これにより壁パネル20の損傷、変形、破壊等が抑えられる。例えば地下駐車場に本実施形態の二重壁2を適用した場合、車両が二重壁2に接触したり衝突したりすることが想定されるが、その際には壁パネル20にある程度の撓みが生じることで衝撃が吸収され、壁パネル20の損傷が抑えられるか、あるいは損傷の程度が軽度で済む。
また、受圧ブロック70は衝撃吸収性材料で構成されているため、受圧ブロック70が外壁11に当接した際の衝撃が壁パネル20に直接伝わらず吸収される。その結果、壁パネル20の損傷や変形が防止される。また、受圧ブロック70は外壁11側に下り勾配に傾斜しているため、受圧ブロック70に付着する水分は勾配にしたがって外壁11側に流れ落ち、壁パネル20側へ水分が流動しない。このため、屋内1への漏水防止の効果が向上する。
また、外壁内面111は地下水の漏水や結露等の水分の影響でコンクリートの白華現象(エフロレッセンス)が起こりやすいが、外壁内面111は二重壁2によって屋内1側から見えないため白華や水のシミ等が見えず、美観性が保たれる。また、壁パネル20を屋内1の内壁の仕上げ材として構成することができる。
また、外壁内面111にカビ等が発生しても、二重壁2によって直接的にカビの影響を受けることが抑えられる。また、壁パネル20の芯材22およびレール30に、断熱性を有する材料を用いた場合には壁パネル20に結露が生じにくいという利点が得られ、不燃性を有する材料を用いた場合には不燃性の向上が図られる。さらに壁パネル20は面材21が金属製であり耐久性が高いため、二重壁2も高い耐久性が得られる。
[5]他の実施形態
[5−1]受圧ブロックを外壁に固定する形態
本発明は、上記実施形態のように受圧ブロック70が壁パネル20に固定されている形態に代えて、図5に示すように受圧ブロック70が外壁11に固定されている形態も含む。この形態では、受圧ブロック70の面72が接着剤80によって外壁内面111に固定されている。受圧ブロック70の壁パネル20側の面71が壁パネル20に接触しない非接触面となっており、その面71と壁パネル20の背面201との間に間隙16が空いている。受圧ブロック70は上記実施形態と同様に外壁11側に下り勾配に傾斜している。
[5−1]受圧ブロックを外壁に固定する形態
本発明は、上記実施形態のように受圧ブロック70が壁パネル20に固定されている形態に代えて、図5に示すように受圧ブロック70が外壁11に固定されている形態も含む。この形態では、受圧ブロック70の面72が接着剤80によって外壁内面111に固定されている。受圧ブロック70の壁パネル20側の面71が壁パネル20に接触しない非接触面となっており、その面71と壁パネル20の背面201との間に間隙16が空いている。受圧ブロック70は上記実施形態と同様に外壁11側に下り勾配に傾斜している。
この実施形態では、壁パネル20に対し屋内1側から外壁11側に荷重がかかって壁パネル20が外壁11側に撓む状況が生じた場合、受圧ブロック70と壁パネル20との間の間隙16の分だけ壁パネル20は動いて壁パネル20の背面201が受圧ブロック70の面71に当接し、壁パネル20と外壁11との間に受圧ブロック70が挟まった状態となる。この受圧ブロック70により壁パネル20の内側への動きは阻止され、撓みが抑えられる。この実施形態では、受圧ブロック70と壁パネル20との間の間隙16により、外壁内面111の不陸を吸収する作用を上記実施形態と同様に得られる。
なお、受圧ブロック70の外壁11への固定は接着剤80による接着のみでもよいが、例えば面71から受圧ブロック70を貫通させたねじを外壁11にねじ込むといったねじによる固定手段を追加してもよい。
また、受圧ブロック70を外壁11に固定する形態では、図6に示すように外壁11への固定面である面72に上下方向に延びる溝73を形成してもよい。この場合、受圧ブロック70の上面を外壁11側に流れる水分が溝73に入り、溝73内を通って排水溝15に落下する。なお、受圧ブロック70は上記したようにいずれの面も固定面となり得るため、図6に示すように4面全周にわたり溝73を形成しておくとよい。溝73の数は任意であり、必要に応じて適宜な数が形成される。溝73により水分を円滑に排水溝15に導くことができ、また、受圧ブロック70と外壁11との境界で形成される溝状部分に水分が貯留することを抑えることができる。
[5−2]受圧ブロックの形状
図7は、受圧ブロック70の側面視形状の他の例を示している。同図(a)、(b)のように少なくとも上面が外壁11側(図7で左側)に下り勾配に傾斜している形状であれば、上記のように屋内1への漏水防止効果を向上させることができる。なお、本発明はこのように勾配している形態には限定されず、図7(c)に示すように上面が水平で勾配がないものであってもよいが、逆に壁パネル20側に下り勾配に傾斜している形態は好ましくない。
図7は、受圧ブロック70の側面視形状の他の例を示している。同図(a)、(b)のように少なくとも上面が外壁11側(図7で左側)に下り勾配に傾斜している形状であれば、上記のように屋内1への漏水防止効果を向上させることができる。なお、本発明はこのように勾配している形態には限定されず、図7(c)に示すように上面が水平で勾配がないものであってもよいが、逆に壁パネル20側に下り勾配に傾斜している形態は好ましくない。
[5−3]衝撃吸収性について
壁パネル20を保護する観点から、上記実施形態では受圧ブロック70の全体を衝撃吸収性材料で構成しているが、少なくとも上記非接触面が衝撃吸収性材料で構成されていればよい。すなわち、受圧ブロック70が壁パネル20に固定される場合(図1)には、外壁11側の面72を衝撃吸収性材料で構成し、受圧ブロック70が外壁11に固定される場合(図5)には、壁パネル20側の面71を衝撃吸収性材料で構成する。非接触面のみを衝撃吸収性材料で構成する場合、受圧ブロック70自体は金属や樹脂等の硬質材料で形成したものでよく、図8に示すように、ゴム等の柔軟性を有する衝撃吸収性材料90を接着剤で接着するなどして非接触面を構成する。
壁パネル20を保護する観点から、上記実施形態では受圧ブロック70の全体を衝撃吸収性材料で構成しているが、少なくとも上記非接触面が衝撃吸収性材料で構成されていればよい。すなわち、受圧ブロック70が壁パネル20に固定される場合(図1)には、外壁11側の面72を衝撃吸収性材料で構成し、受圧ブロック70が外壁11に固定される場合(図5)には、壁パネル20側の面71を衝撃吸収性材料で構成する。非接触面のみを衝撃吸収性材料で構成する場合、受圧ブロック70自体は金属や樹脂等の硬質材料で形成したものでよく、図8に示すように、ゴム等の柔軟性を有する衝撃吸収性材料90を接着剤で接着するなどして非接触面を構成する。
[5−4]受圧ブロックの配置
1枚の壁パネル20に対して受圧ブロック70を設ける数およびその配置は任意であり、壁パネル20の形状や大きさ等に応じて適宜に設定される。また、受圧ブロック70の形状も任意であり、壁パネル20からの荷重を受けて撓みを抑えることが可能であれば、いかなる形状であってよい。
1枚の壁パネル20に対して受圧ブロック70を設ける数およびその配置は任意であり、壁パネル20の形状や大きさ等に応じて適宜に設定される。また、受圧ブロック70の形状も任意であり、壁パネル20からの荷重を受けて撓みを抑えることが可能であれば、いかなる形状であってよい。
[5−5]外壁への受圧ブロックの固定
図5に示したように外壁11に受圧ブロック70を固定する場合には、図9に示すように、団子状に形成した接着剤80を外壁内面111に点在する状態に塗りつけ、これら接着剤80に受圧ブロック70を接着させる工法を採用することができる。接着剤80は、ウレタン系、ポリウレタン系あるいはエポキシ系の接着剤が用いられるが、これら接着剤に代えてシリコーン系のシーリング剤も接着剤80として用いることができる。この工法では、受圧ブロック70の配置は壁パネル20に対応することなくランダムに行うことができ、このため、細かい寸法出しを必要としないため施工性がよいという利点がある。図10は、そのようにランダムに配置した受圧ブロック70が壁パネル20の内側に設けられた二重壁2を示している。団子状の接着剤80にある程度の厚みがある場合には、図11に示すようにその厚みによって受圧ブロック70と外壁内面111との間に隙間19が空き、上記溝73以外に、この隙間19からも水分を落下させることができる。この隙間19から水分を十分に落下させることができれば、溝73の形成を省略することができる。
図5に示したように外壁11に受圧ブロック70を固定する場合には、図9に示すように、団子状に形成した接着剤80を外壁内面111に点在する状態に塗りつけ、これら接着剤80に受圧ブロック70を接着させる工法を採用することができる。接着剤80は、ウレタン系、ポリウレタン系あるいはエポキシ系の接着剤が用いられるが、これら接着剤に代えてシリコーン系のシーリング剤も接着剤80として用いることができる。この工法では、受圧ブロック70の配置は壁パネル20に対応することなくランダムに行うことができ、このため、細かい寸法出しを必要としないため施工性がよいという利点がある。図10は、そのようにランダムに配置した受圧ブロック70が壁パネル20の内側に設けられた二重壁2を示している。団子状の接着剤80にある程度の厚みがある場合には、図11に示すようにその厚みによって受圧ブロック70と外壁内面111との間に隙間19が空き、上記溝73以外に、この隙間19からも水分を落下させることができる。この隙間19から水分を十分に落下させることができれば、溝73の形成を省略することができる。
[5−6]受圧ブロックの材質
上記実施形態では、受圧ブロック70は全体が衝撃吸収性を有する材料で構成されたものであるが、本発明では、受圧ブロック70は、金属、硬質樹脂、煉瓦やコンクリート、木材等の硬質材料で構成されている形態を含む。受圧ブロック70がこのような硬質材料で構成されている場合には、上記非接触面(71、72)が外壁11もしくは壁パネル20に当接してからそれ以上の壁パネル20の撓みの発生が確実に抑えられるという作用が得られる。
上記実施形態では、受圧ブロック70は全体が衝撃吸収性を有する材料で構成されたものであるが、本発明では、受圧ブロック70は、金属、硬質樹脂、煉瓦やコンクリート、木材等の硬質材料で構成されている形態を含む。受圧ブロック70がこのような硬質材料で構成されている場合には、上記非接触面(71、72)が外壁11もしくは壁パネル20に当接してからそれ以上の壁パネル20の撓みの発生が確実に抑えられるという作用が得られる。
本発明は、地下二重壁に利用可能である。
2…二重壁
11…外壁
111…外壁内面(対向面)
16…間隙
20…壁パネル
201…壁パネルの背面(対向面)
70…受圧ブロック(受圧部材)
71…壁パネル側の面(非接触面)
72…外壁側の面(非接触面)
90…衝撃吸収性材料
11…外壁
111…外壁内面(対向面)
16…間隙
20…壁パネル
201…壁パネルの背面(対向面)
70…受圧ブロック(受圧部材)
71…壁パネル側の面(非接触面)
72…外壁側の面(非接触面)
90…衝撃吸収性材料
Claims (5)
- 地下外壁の内側に立設される壁パネルと、
前記外壁と前記壁パネルの互いの対向面のうちの一方に固定され、他方には固定されず該他方との間に間隙が空けられた非接触面を有する受圧部材と、
を備えることを特徴とする地下二重壁構造。 - 前記受圧部材の少なくとも前記非接触面が衝撃吸収性材料で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の地下二重壁構造。
- 前記受圧部材は硬質材料で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の地下二重壁構造。
- 前記受圧部材は前記外壁側に下り勾配に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の地下二重壁構造。
- 前記間隙が5〜30mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の地下二重壁構造。
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