JP2019034997A - 冷凍機油組成物及び冷凍機用作動流体 - Google Patents
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Abstract
【課題】鉱鉱物油としてより安価で粘度指数の高いパラフィン系鉱物油を用いた冷凍機油組成物における冷媒との相溶性をより高め、冷凍機用作動流体、特に高温ヒートポンプに用いた時の冷凍機の性能を良好に長期間維持する。
【解決手段】パラフィン系鉱物油とポリオールエステル油との混合油と、必須添加剤としてソルビタン化合物及びグリセリン脂肪酸エステルの少なくとも一方とを含有する冷凍機油組成物、並びに前記冷凍機油組成物と、ハイドロフルオロカーボン冷媒、ハイドロフルオロオレフィン冷媒及び二酸化炭素冷媒から選ばれる1以上の冷媒とを含む冷凍機用作動流体。
【選択図】なし
【解決手段】パラフィン系鉱物油とポリオールエステル油との混合油と、必須添加剤としてソルビタン化合物及びグリセリン脂肪酸エステルの少なくとも一方とを含有する冷凍機油組成物、並びに前記冷凍機油組成物と、ハイドロフルオロカーボン冷媒、ハイドロフルオロオレフィン冷媒及び二酸化炭素冷媒から選ばれる1以上の冷媒とを含む冷凍機用作動流体。
【選択図】なし
Description
本発明は、鉱物油を含有する冷凍機油組成物、並びに前記冷凍機油組成物と冷媒とを含有する冷凍機用作動流体に関する。
冷凍機用作動流体として、鉱物油を含有する冷凍機油と、旧来の塩素を含むハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)冷媒とを含有するものが知られている。鉱物油を用いることにより、冷凍機油を安価にすることができるという利点がある。
しかしながら、オゾン層保護の観点から塩素を含まないハイドロフルオロカーボン(HFC)冷媒が用いられるようになり、鉱物油はこのハイドロフルオロカーボン冷媒との相溶性が著しく低いため、冷凍機用作動流体として冷凍サイクルに用いた場合、熱交換器や配管内に鉱物油が残留することで圧縮機内の冷凍機油が不足して澗滑不良を起こしてしまうという問題がある。
一方で、ハイドロフルオロカーボン冷媒に溶けやすい冷凍機油として、ポリオールエステル油などのエステル系冷凍機油が使用されており、安価な鉱物油と、エステル油とを混合した冷凍機油も使用されている。例えば、特許文献1では、ナフテン系やパラフィン系の鉱物油と、ポリオールエステル油とを混合使用した冷凍機油を提案している。
また、鉱物油の中では、ナフテン系鉱物油が低温流動性等に優れることから好ましいとされており、本出願人も特許文献2において、ナフテン系鉱物油とポリオールエステル油を混合して使用することにより、潤滑性や冷媒の溶解性を改善できることを示している。
上記したように鉱物油としてナフテン系鉱物油が好ましいものの、ナフテン系鉱物油はパラフィン系鉱物油より生産量が少なく、高価である。また、パラフィン系鉱物油は粘度指数が高く温度上昇による粘度低下が比較的少ない。しかしながら、パラフィン系鉱物油は冷媒、特にハイドロフルオロカーボン冷媒との相溶性が低い。ナフテン系鉱物油と同様に、ポリオールエステル油を混合することにより相溶性の向上が見られるものの、未だ不十分であり、熱交換効率が経時的に低下するおそれがある。
そこで本発明は、鉱物油としてより安価で粘度指数の高いパラフィン系鉱物油を用いた冷凍機油組成物における冷媒との相溶性をより高め、冷凍機用作動流体、特に高温ヒートポンプに用いた時の冷凍機の性能を良好に長期間維持することを目的とする。
本発明者らが検討した結果、ナフテン系鉱物油を用いた場合と同様に、パラフィン系鉱物油にポリオールエステル油を混合することにより冷媒との相溶性を向上させることができるものの、未だ十分ではなく、これを改善するためにはソルビタン化合物またはグリセリン脂肪酸エステルを添加することが有効であることを知見した。即ち、本発明は下記の冷凍機油組成物及び冷凍機用作動流体を提供する。
(1)パラフィン系鉱物油とポリオールエステル油との混合油と、必須添加剤としてソルビタン化合物及びグリセリン脂肪酸エステルの少なくとも一方とを含有することを特徴とする冷凍機油組成物。
(2)前記必須添加剤がソルビタン化合物であることを特徴とする上記(1)記載の冷凍機油組成物。
(3)前記ソルビタン化合物が、ポリオキシエチレンと、ソルビタンと、脂肪酸との化合物であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の冷凍機油組成物。
(4)前記混合油において、パラフィン系鉱物油とポリオールエステル油とが、質量比で、パラフィン系鉱物油:ポリオールエステル油=60〜90:40〜10であることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか1項に記載の冷凍機油組成物。
(5)前記必須添加剤の含有量が、該冷凍機油組成物全量の0.5〜5質量%であることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか1項に記載の冷凍機油組成物。
(6)前記パラフィン系鉱物油の40℃における動粘度が5〜460mm2/sであり、前記ポリオールエステル油の40℃における動粘度が5〜350mm2/sであることを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか1項に記載の冷凍機油組成物。
(7)上記(1)〜(6)の何れか1項に記載の冷凍機油組成物と、
ハイドロフルオロカーボン冷媒、ハイドロフルオロオレフィン冷媒及び二酸化炭素冷媒から選ばれる1以上の冷媒と、を含むことを特徴とする冷凍機用作動流体。
(1)パラフィン系鉱物油とポリオールエステル油との混合油と、必須添加剤としてソルビタン化合物及びグリセリン脂肪酸エステルの少なくとも一方とを含有することを特徴とする冷凍機油組成物。
(2)前記必須添加剤がソルビタン化合物であることを特徴とする上記(1)記載の冷凍機油組成物。
(3)前記ソルビタン化合物が、ポリオキシエチレンと、ソルビタンと、脂肪酸との化合物であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の冷凍機油組成物。
(4)前記混合油において、パラフィン系鉱物油とポリオールエステル油とが、質量比で、パラフィン系鉱物油:ポリオールエステル油=60〜90:40〜10であることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか1項に記載の冷凍機油組成物。
(5)前記必須添加剤の含有量が、該冷凍機油組成物全量の0.5〜5質量%であることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか1項に記載の冷凍機油組成物。
(6)前記パラフィン系鉱物油の40℃における動粘度が5〜460mm2/sであり、前記ポリオールエステル油の40℃における動粘度が5〜350mm2/sであることを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか1項に記載の冷凍機油組成物。
(7)上記(1)〜(6)の何れか1項に記載の冷凍機油組成物と、
ハイドロフルオロカーボン冷媒、ハイドロフルオロオレフィン冷媒及び二酸化炭素冷媒から選ばれる1以上の冷媒と、を含むことを特徴とする冷凍機用作動流体。
本発明の冷凍機用作動流体は、パラフィン系鉱物油とポリオールエステル油との混合油に、ソルビタン化合物及びグリセリン脂肪酸エステルの少なくとも一方を添加したことにより、より安価な冷凍機油組成物が得られるとともに、粘度指数の高いパラフィン系鉱物油と冷媒との相溶性がより高まり、冷凍装置の性能、特に高温ヒートポンプの性能を良好に、長期間維持することができる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(冷凍機油組成物)
本発明の冷凍機油組成物では、ナフテン系鉱物油よりも安価で粘度指数の高いパラフィン系鉱物油を用い、溶媒との相溶性を高めるためにポリオールエステル油を混合した混合油を基油に用いる。
本発明の冷凍機油組成物では、ナフテン系鉱物油よりも安価で粘度指数の高いパラフィン系鉱物油を用い、溶媒との相溶性を高めるためにポリオールエステル油を混合した混合油を基油に用いる。
両者の混合比は、パラフィン系鉱物油の割合が多くなるほど冷凍機油組成物の製造コストを低減できる。但し、パラフィン系鉱物油の割合が多くなるほど、冷媒との相溶性が低下して熱交換効率が低下する。これらを考慮すると、パラフィン系鉱物油とポリオールエステル油とを、質量比で、パラフィン系鉱物油:ポリオールエステル油=60〜90:40〜10とすることが好ましく、70〜80:30〜20とすることがより好ましい。
パラフィン系鉱物油は、15℃における密度が0.86g/cm3以上であることが好ましく、より好ましくは0.87g/cm3以上である。この密度が0.86g/cm3未満では、澗滑性や油戻り特性に劣るようになる。
また、パラフィン系鉱物油の動粘度は、40℃における動粘度で5〜460mm2/sが好ましく、冷凍機用作動流体としたときに、用途に応じてこの範囲から選択される。例えば、空調機器に用いる場合は、40℃における動粘度が10〜100mm2/sであることが好ましく、廃熱回収装置などの高温ヒートポンプに用いる場合は100〜460mm2/sであることが好ましい。
更に、パラフィン系鉱物油は、不純物に対する溶解性を高めるために、アニリン点が低いことが好ましく、80〜110℃であることがより好ましい。
尚、パラフィン系鉱物油は、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理を適宜組み合わせて精製したものを用いる。
一方、ポリオールエステル油の中では、ジオールあるいは水酸基を3〜20個有するポリオールと、炭素数6〜18の一価または2価の脂肪酸とのエステルが好ましい。
ジオールとしては炭素数が2〜12のものが好ましい。具体的には、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオぺンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,7−ヘプタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール等が挙げられる。ポリオールとしては、炭素数が3〜60のものが好ましい。具体的には、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ジ−(トリメチロールプロパン)、トリ−(トリメチロールプロパン)、ぺンタエリスリトール、ジ−(ペンタエリスリトール)、トリ−(ペンタエリスリトール)、グリセリン、ポリグリセリン(グリセリンの2〜20量体)、1,3,5−ペンタントリオール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等の多価アルコール、キシロース、アラビノース、リボース、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、シエクロース、ラフイノース、ゲンチアノース、メレジトース等の糖類、ならびにこれらの部分工一テル化物、およびメチルグルコシド(配糖体)等が挙げられる。脂肪酸としては、具体的には、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、オレイン酸等の直鎖または分枝のもの、あるいはα炭素原子が4級であるいわゆるネオ酸等が挙げられる。また、ポリオールエステル油は、遊離の水酸基を有していてもよい。
特に好ましいポリオールエステル油は、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ジ−(トリメチロールプロパン)、トリ−(トリメチロールプロパン)、ペンタエリスリトール、ジ−(ペンタエリスリトール)、トリ−(ペンタエリスリトール)等のヒンダードアルコールのエステルである。具体的には、トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールぺラルゴネート等が挙げられる。動粘度、耐加水分解性の観点でより好ましくは、炭素数3〜10個のポリオールと炭素数4〜10個の脂肪酸とのエステルである。
また、ポリオールエステル油は、良好な潤滑性を確保するために、空調機器に用いる場合は40℃における動粘度が5〜68mm2/sであることが好ましく、7〜46mm2/sであることがより好ましい。廃熱回収装置などの高温ヒートポンプに用いる場合は40℃における動粘度が68〜350mm2/sであることが好ましい。更には、流動点が−25℃以下であることが好ましく、−35℃以下であることがより好ましい。
上記のパラフィン系鉱物油とポリオールエステル油との混合油には、パラフィン系鉱物油の冷媒との相溶性を高めるために、必須添加剤としてソルビタン化合物及びグリセリン脂肪酸エステルの少なくとも一方を添加する。必須添加剤の添加量は、冷媒との相溶性を改善できる有効量であれば制限はないが、冷凍機油組成物全量の0.5〜5質量%が好ましい。添加量が0.5質量%未満では、冷凍装置によっては効果が不十分となるおそれがあり、5質量%を超えると効果が飽和し、不経済であるばかりでなく、相対的に混合油量が減るため、潤滑性能等が十分に得られないおそれがある。
ソルビタン化合物は分子構造中にソルビタンに由来する官能基を有するものであり、冷媒との相溶性向上に特に効果的な化合物として、ポリオキシエチレンと、ソルビタンと、脂肪酸との化合物を挙げることができる。具体的には、ポリオキシエチレンソルビタン酸エステルやポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル等が挙げられる。また、これらの混合物であってもよい。
また、グリセリン脂肪酸エステルとしては、グリセリンモノオレエート、グリセリンモノリリレート等が挙げられ、これらの混合物であってもよい。
尚、必須添加剤としてはソルビタン化合物の方が好ましく、冷媒との相溶性をより高めることができる。
本発明の冷凍機油組成物には、ソルビタン化合物やグリセリン脂肪酸エステル以外にも、通常用いられる添加剤を添加してもよい。例えば、酸性物質やラジカル等の活性物質の捕捉剤としてのフェニルグリシジルエーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテルまたはエポキシ化植物油等のエポキシ化合物、フェノール系またはアミン系の酸化防止剤、高級アルコール類、高級脂肪酸類の油性向上剤、ベンゾトリアゾール等の金属不活性化剤、各種正燐酸エステル、酸性燐酸エステル、亜燐酸エステル、ホスフィン類、硫酸エステル類、スルフィド類やチオフェン類等の摩耗防止剤あるいは極圧剤等を単独、または数種組み合わせて添加することもできる。これら他の添加剤の添加量は、特に制限はないが、通常の範囲でかまわない。
(冷凍機用作動流体)
本発明はまた、上記の冷凍機油組成物と冷媒とを含む冷凍機用作動流体に関する。
本発明はまた、上記の冷凍機油組成物と冷媒とを含む冷凍機用作動流体に関する。
冷媒としては、二酸化炭素冷媒の他、ジフルオロメタン(HFC−32)、トリフルオロメタン(HFC−23)、ペンタフルオロエタン(HFC−125)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134)、1,1,1,2一テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、あるいはこれらの混合冷媒等のハイドロフルオロカーボン冷媒(HFC冷媒)、トリフルオロエテン(HFO−1123)、trans−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze(E))、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)、3,3,3−トリフルオロプロペン(HFO−1243zf)、cis−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(HFO−1336mzz(Z)、あるいはこれらの混合冷媒等のハイドロフルオロオレフィン冷媒(HFO冷媒)が好ましい。HFO冷媒は地球温暖化係数が低く、今後主流になると思われる冷媒である。
冷凍機油組成物と冷媒との混合比には制限がなく、用途に応じて適宜設定されるが、通常は冷凍機油組成物:冷媒=5:95〜80:20であり、本発明においてもこの範囲でかまわない。
そして、上記の冷凍機用作動流体は、冷蔵庫、冷凍庫、給湯器、各種空調機器や廃熱回収装置等に広く使用できるが、圧縮機と、凝縮器またはガスクーラーと、膨張機構と、蒸発器とを備え、冷凍サイクルで冷却を行い、ヒートポンプサイクルで加熱を行うヒートポンプ方式の冷凍・加熱装置への適用が特に好適である。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に説明する。
表1に示す物性のパラフィン系鉱物油、ポリオールエステル油(POE)及びポリビニルエーテル油(PVE)を用意し、表2に示すように、パラフィン系鉱物油とPOEとを混合して基油A、パラフィン系鉱物油とPVEとを混合して基油Bをそれぞれ調製した。尚、混合割合はPOE及びPVEともに、基油全量の20質量%とした。基油A及び基油Bの物性を表2に併記する。
また、添加剤として下記3種を用意した。
・ソルビタン化合物A:ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート
・ソルビタン化合物B:ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート
・グリセリン脂肪酸エステル(表3ではグリセリンエステルと表記):グリセリンモノオレエートとグリセリンモノリノレートとの混合物
・ソルビタン化合物A:ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート
・ソルビタン化合物B:ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート
・グリセリン脂肪酸エステル(表3ではグリセリンエステルと表記):グリセリンモノオレエートとグリセリンモノリノレートとの混合物
そして、表3に示すように、上記の基油Aまたは基油Bに、上記の添加剤を添加して試料油(冷凍機油用組成物)を調製し、下記の付着試験を行った。
[付着試験]
先ず、パイレックス製耐圧ガラスチューブ(内径6〜10mm×長さ230〜260mm×厚さ2〜3mm)を用意し、その内部を蒸留水で洗浄し、105℃〜120℃の乾燥器で約24時間乾燥後、デシケータ中で放冷した。次いで、このガラスチューブに試料油を約0.9g採取し、ガラスチューブ内を1分間真空脱気した。脱気後、ガラスチューブをドライアイスで5分間冷却し、表3に示す冷媒を試験油に対して約80質量%となるように封入した。冷媒封入後にドライアイスでガラスチューブを5分間冷却し、ハンドバーナーにて溶断シールした。そして、試料油と冷媒とを密封したガラスチューブを−20℃、+20℃、+40℃の恒温槽に入れ、各2時間静置後、ガラスチューブ側壁への油滴の付着状態を観察した。
[付着試験]
先ず、パイレックス製耐圧ガラスチューブ(内径6〜10mm×長さ230〜260mm×厚さ2〜3mm)を用意し、その内部を蒸留水で洗浄し、105℃〜120℃の乾燥器で約24時間乾燥後、デシケータ中で放冷した。次いで、このガラスチューブに試料油を約0.9g採取し、ガラスチューブ内を1分間真空脱気した。脱気後、ガラスチューブをドライアイスで5分間冷却し、表3に示す冷媒を試験油に対して約80質量%となるように封入した。冷媒封入後にドライアイスでガラスチューブを5分間冷却し、ハンドバーナーにて溶断シールした。そして、試料油と冷媒とを密封したガラスチューブを−20℃、+20℃、+40℃の恒温槽に入れ、各2時間静置後、ガラスチューブ側壁への油滴の付着状態を観察した。
結果を表3に併記するが、図1に示すように油滴の付着が無いものを「◎」、油滴の付着量があるもの、付着量が僅かであるものを「○」、油滴の付着が添加剤無添加の場合よりも少ないものを「△」、油滴が添加剤無添加の場合と同等または多く付着しているものを「×」とした。
表3に示すように、パラフィン系鉱物油とポリオールエステル油との混合油である基油Aに、ソルビタン化合物またはグリセリン脂肪酸エステルを添加することにより、R410A冷媒及びR1234yf冷媒との相溶性が改善して油滴の付着が減っている。特に、常温よりも高温での溶媒との相溶性に優れており、高温用途の冷凍サイクルでの使用に有効であるといえる。また、ソルビタン化合物とグリセリン脂肪酸エステルとを比較すると、ソルビタン化合物の方が、冷媒との相溶性がより高まり、好ましいといえる。
これに対して、基油Bのように、ポリオールエステル油の代わりにポリビニルエーテルを混合し、ソルビタン化合物やグリセリン脂肪酸エステルを添加しても、R410A冷媒及びR1234yf冷媒との相溶性の改善効果があまり見られない。R410A冷媒については相溶性の改善効果は殆ど見られず、R1234yf冷媒については冷温での相溶性が悪い。
Claims (7)
- パラフィン系鉱物油とポリオールエステル油との混合油と、必須添加剤としてソルビタン化合物及びグリセリン脂肪酸エステルの少なくとも一方とを含有することを特徴とする冷凍機油組成物。
- 前記必須添加剤がソルビタン化合物であることを特徴とする請求項1記載の冷凍機油組成物。
- 前記ソルビタン化合物が、ポリオキシエチレンと、ソルビタンと、脂肪酸との化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の冷凍機油組成物。
- 前記混合油において、パラフィン系鉱物油とポリオールエステル油とが、質量比で、パラフィン系鉱物油:ポリオールエステル油=60〜90:40〜10であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の冷凍機油組成物。
- 前記必須添加剤の含有量が、該冷凍機油組成物全量の0.5〜5質量%であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の冷凍機油組成物。
- 前記パラフィン系鉱物油の40℃における動粘度が5〜460mm2/sであり、前記ポリオールエステル油の40℃における動粘度が5〜350mm2/sであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の冷凍機油組成物。
- 請求項1〜6の何れか1項に記載の冷凍機油組成物と、
ハイドロフルオロカーボン冷媒、ハイドロフルオロオレフィン冷媒及び二酸化炭素冷媒から選ばれる1以上の冷媒と、を含むことを特徴とする冷凍機用作動流体。
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---|---|---|---|---|
WO2021167068A1 (ja) * | 2020-02-19 | 2021-08-26 | 出光興産株式会社 | 冷凍機油組成物及び冷凍機用混合組成物 |
JP7490385B2 (ja) | 2020-02-19 | 2024-05-27 | 出光興産株式会社 | 冷凍機油組成物及び冷凍機用混合組成物 |
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2017
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