JP2019032979A - 開閉器用端子、及び開閉器 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業者の作業によって生じる開閉器本体と圧着端子とを接続の不具合を低減することができる開閉器用端子及び開閉器を提供する。【解決手段】開閉器用端子30は、端子保持部材31と、挿入口35とを備える。端子保持部材31は、電線の心線に取り付けられる圧着端子202を保持する。挿入口35は、圧着端子202が挿入される挿入方向における端子保持部材31の一端に設けられ、圧着端子202が挿入される。挿入方向における端子保持部材31の他端は、端子保持部材31の一端と電気的に接続され、かつ本体部20と電気的機械的に接続されている。【選択図】図1

Description

本発明は、開閉器用端子及び開閉器に関し、より詳細には電線を接続する開閉器用端子及び開閉器に関する。
従来、商用電源のような系統電源に接続するために、主幹ブレーカ(開閉器本体)と系統電源に接続された主幹配線(電線)とを接続する必要がある。
例えば、特許文献1では、主幹ブレーカの系統電源側の端子と、主幹配線とが直接接続されている。
特開2015−91001号公報
特許文献1では、主幹ブレーカの系統電源側の端子と、主幹配線との接続は、電気工事作業者が行っている。そのため、端子を主幹配線(主幹配線に接続された圧着端子)に締め付けるトルクは作業者によって異なる可能性がある。端子を主幹配線に締め付けるトルクが弱いと、ねじの緩み等が発生する。
本発明は上記課題に鑑みてなされ、作業者の作業によって生じる開閉器本体と圧着端子とを接続の不具合を低減することができる開閉器用端子及び開閉器を提供することを目的とする。
本開示に係る一態様の開閉器用端子は、電線の心線に取り付けられる圧着端子を保持する端子保持部材と、前記圧着端子が挿入される挿入方向における前記端子保持部材の一端に設けられ、前記圧着端子が挿入される挿入口とを備える。前記挿入方向における前記端子保持部材の他端は、前記一端と電気的に接続され、かつ開閉器本体と電気的機械的に接続されている。
本開示に係る一態様の開閉器は、上述した開閉器用端子と、前記開閉器用端子と負荷側端子との間の接続を開閉する機能を有する開閉器本体とを備える。
この開示によると、作業者の作業によって生じる開閉器と圧着端子とを接続の不具合を低減することができる。
図1Aは、実施形態1に係る開閉器用端子の斜視図である。図1Bは、同上の開閉器用端子が有する端子保持部材の斜視図である。図1Cは、実施形態1に係る開閉器の概略図である。 図2は、実施形態1に係る分電盤で外扉、内扉が開いた状態の外観斜視図である。 図3Aは、実施形態1に係る端子保持部材が形成される前の状態を表す図である。図3Bは、同上の端子保持部材を上方から見た図である。 図4Aは、実施形態1に係る開閉器用端子に圧着端子が挿入される前の開閉器用端子の状態を表す図である。図4Bは、同上の開閉器用端子に圧着端子が挿入された後の開閉器用端子の状態を表す図である。 図5A〜図5Dは、実施形態2に係る開閉器用端子を説明する図である。 図6は、実施形態3に係る開閉器用端子を説明する図である。 図7は、実施形態4に係る開閉器用端子を説明する図である。 図8は、開閉器用端子の変形例を説明する図である。
以下に説明する各実施形態及び変形例は、本発明の一例に過ぎず、本発明は、実施形態及び変形例に限定されない。この実施形態及び変形例以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(実施形態1)
本実施形態の開閉器及び開閉器用端子について、図1A〜図4Bを参照して説明する。
本実施形態の開閉器2は、分電盤1に収容され、商用電源に電気的に接続される主幹開閉器である。
ここで、「電気的に接続」とは、電気的に導通した状態の接続を意味し、直接的な接続だけでなく、例えば電線等の導体を介した間接的な接続も含む。
分電盤1は、図2に示すように、一面(前面)に開口を有するキャビネット10と、キャビネット10の開口を覆うようにキャビネット10に取り付けられる扉と、を備える。分電盤1は、一例として、工場やオフィス等の建物(施設)に設置される。なお、本実施形態の開閉器2は、住宅に設置される分電盤に適用してもよい。また、扉は必須ではない。
以下では、分電盤1が壁に取り付けられた状態で、キャビネット10を正面(開口部10a側)から見たときの上下左右を基準として説明を行う。また、分電盤1が壁に取り付けられた状態でキャビネット10を正面から見たときの奥行方向を前後方向とし、キャビネット10の前面が前方を向いていることとして説明する。つまり、図1A、図1B、図2等において「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」の矢印で示す通りに各方向を規定する。ただし、これらの方向は分電盤1の設置方向を規定する趣旨ではない。また、図面中の各方向を示す矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
キャビネット10は、開閉器2の他、1以上の分岐開閉器3を収容する。キャビネット10の内部には取付部材4が配置され、取付部材4に複数の分岐開閉器3が取り付けられている。キャビネット10には、交流電源(電源)に接続される電源線201(母線、電線)等の配線を通すための貫通孔10bが設けられている。電源線201の先端部には、圧着端子202が設けられている。圧着端子202は、電源線201の心線に取り付けられた板形状の端子であり、電源線201と接続されている。また、圧着端子202の中央部位には、貫通孔203が設けられている(図1A参照)。
キャビネット10には、内扉12がヒンジを介して開閉可能に取り付けられている。内扉12が閉じた状態では内扉12が開口部10aを覆い、内扉12が開いた状態では開口部10aが露出している(図2参照)。内扉12には、開閉器2のハンドル23を露出させる第1の窓孔13と、分岐開閉器3のハンドル3aを露出させる第2の窓孔14とが設けられている。また、キャビネット10には、外扉15がヒンジを介して開閉可能に取り付けられている。外扉15が閉じた状態では外扉15が内扉12を覆い、外扉15が開いた状態では内扉12が露出している。
開閉器2は、商用電源からの電力を分岐開閉器3を介して、負荷に供給する。開閉器2は、本体部20と開閉器用端子30とを備える。本体部20は、直方体状のケース20aを備えている。図1C、図2に示すように、ケース20aの上端部は3つの一次側の端子21が設けられ、ケース20aの下端部には3つの二次側の端子22(負荷側端子)が、3つの一次側の端子21にそれぞれ対応付けられて設けられている。ケース20aの内部には、一次側の端子21と対応する二次側の端子22との間に電気的に接続された接点部が収納されている。開閉器2は、接点部を流れる主幹電流が、あらかじめ決められたしきい値を超えると、接点部を強制的に開極させる過電流保護機能を備えている。さらに、開閉器2は、漏電を検出すると、接点部を強制的に開極させる漏電保護機能を備えている。また、3つの一次側の端子21は、開閉器用端子30と電気的に接続されている(図1C参照)。
ケース20aの前面には接点部を手動で開閉させるためのハンドル23が配置されている。3つの一次側の端子21は、交流電源に電気的に接続される。本実施形態では、交流電源の配電方式が単相三線式である場合を例に説明する。電圧極(L1相、L2相)と中性極との3本の電源線201は、それぞれに対応する開閉器用端子30に接続される。これにより、一次側の端子21には、電圧極(L1相、L2相)と中性極との3本の電源線201が圧着端子202を介して電気的に接続される。3本の電源線201は、交流電源に電気的に接続されている。これにより、開閉器2は、3本の電源線201を介して交流電源に電気的に接続される。
3つの二次側の端子22は、電圧極(L1相、L2相)と中性極との3本の導電バー5の一端に電気的にそれぞれ接続される。3本の導電バー5の各々は、金属製であって、上下方向に長尺となる帯板状に形成されている。3本の導電バー5の各々は、例えば、金属板にプレス加工を施すことによって形成される。3本の導電バー5の各々は、開閉器2を介して電源線201に電気的に接続されている。
取付部材4は、平面形状が矩形状の板である。キャビネット10の内部において、キャビネット10の後壁には一対のフレーム16が固定されている。一対のフレーム16の各々は、上下方向に長尺となる棒状に形成されている。一対のフレーム16は、左右方向において間隔を空けて対向するように配置されている。取付部材4は、一対のフレーム16間に跨って取り付けられている。取付部材4は、一対のフレーム16に対して、例えばねじで固定されている。
キャビネット10の内部であって、左右方向における一対のフレーム16の略中間には、3本の導電バー5が取り付けられている。3本の導電バー5は、前後方向において間隔をあけて並ぶように配置されている(図2参照)。取付部材4には、導電バー5の左側及び右側のそれぞれに複数の分岐開閉器3が取り付けられている。なお、導電バー5の左側及び右側の各々において、複数の分岐開閉器3は、上下方向に並ぶように配置されている。導電バー5の前面は、導電バー5の前側に配置される合成樹脂製のカバー5aで覆われている。
次に、開閉器用端子30について説明する。
開閉器用端子30は、端子保持部材31と、保護部34とを有している。
端子保持部材31は、導電性を有しており、圧着端子202を保持する。端子保持部材31の上下方向における上部は、略直方体形状であり、前後方向に対向する第1板部31aと第2板部31bとの間には、圧着端子202が挿入されるための隙間31eが形成されている(図1B参照)。また第1板部31aは、左右方向における両端に比べて中央部位が第2板部31bに近くなるように湾曲している。第1板部31aは湾曲していることで、ばね性を有している。
端子保持部材31の上下方向における上部である第1端部32は、保護部34に収納されている。端子保持部材31の上下方向における下部である第2端部33には、貫通孔33aが設けられている(図1A、図1B参照)。一次側の端子21が貫通孔33aに挿通され、一次側の端子21をドライバ等の工具で締め付けることで、一次側の端子21と端子保持部材31とが接続される。これにより、開閉器用端子30と本体部20とは、電気的機械的に接続される。なお、一次側の端子21の締め付けは、開閉器2が工場等から出荷される前に、一定のトルクで機械的に行われる。一定のトルクで一次側の端子21の締め付けが行われた後、開閉器2は出荷される。
保護部34は、非導電性の部材で形成されており、端子保持部材31、特に略直方体形状である上部を収納し、外部から接触されないように保護している(図1A参照)。保護部34の第1端部32には、圧着端子202が挿入されるための挿入口35が設けられている。挿入口35の中心部位には、端子保持部材31の第1端部32の先端が露出している。つまり、挿入口35は、端子保持部材31の第1端部32に設けられている。挿入口35の前後方向、左右方向には、圧着端子202を端子保持部材31の隙間31eへ誘い込むためのテーパ面35a,35bがそれぞれ設けられている。テーパ面35a,35bは、圧着端子202を端子保持部材31の隙間31eへ誘い込むので、挿入口35から端子保持部材にガイドするガイド部として機能している。保護部34の下部には、前後方向に対して貫通孔36が設けられており、貫通孔36から端子保持部材31の第1板部31aの下端部に設けられた切欠部31fへと続いている。
ここで、端子保持部材31の形成方法について説明する。
端子保持部材31は、図3Aに示す1枚のL字形状の平板100から形成される。図3Aに示す破線X1を基準として平板100を折り曲げる。その後、図3Aに示す破線X2を基準として、第1板部31aと第2板部31bとが対向するように折り曲げる。このとき、第1板部31aの左右方向における両端に比べて中央部位が第2板部31bに近くなるように、第1板部31aを湾曲させる。最後に、図3Aに示す破線X3を基準として折り曲げることで、図1bに示す端子保持部材31が形成される。
図3Bは、図1Bに示す端子保持部材31を上から見た図である。隙間31eの前後方向において、第1板部31aの中央部位と第2板部31bとの間隔L1は、圧着端子202の厚さよりも小さい。隙間31eの左右方向における幅L2は、圧着端子202の径と略同一である。圧着端子202が隙間31eに挿入されると、第1板部31aの中央部位と第2板部31bとの幅は、間隔L1よりも広がる。しかしながら、第1板部31aは、左右方向における両端に比べて中央部位が第2板部31bに近くなるように第1板部31aを湾曲させるように形成されているので、ばね性を有している。そのため、復元力により、一旦広がった幅は元の間隔L1に戻ろうとするので、圧着端子202は前後方向において押圧される。さらに、隙間31eの左右方向における幅L2は、圧着端子202の径と略同一であるので、端子保持部材31の左右に位置する第3板部31c及び第4板部31dで押圧される。
したがって、圧着端子202が端子保持部材31の隙間31eに挿入されると、圧着端子202は前後左右方向から押圧されるので、隙間31eから圧着端子202が抜け出る可能性が低くなる。
次に、圧着端子202が開閉器用端子30に挿入される前後の開閉器用端子30の状態について説明する。
図4Aは、圧着端子202が開閉器用端子30に挿入される前の開閉器用端子30の状態を表す図である。図4Bは、圧着端子202が開閉器用端子30に挿入された後の開閉器用端子30の状態を表す図である。
上述したように、貫通孔36は端子保持部材31の切欠部31fに連続しているので、圧着端子202が開閉器用端子30に挿入される前では、貫通孔36から端子保持部材31の第2板部31bの一部が見えている状態である。圧着端子202が開閉器用端子30に挿入され、圧着端子202の先端部が保護部34の底面37に到達すると、第2板部31bの前方に圧着端子202が位置することになるので、貫通孔36からは圧着端子202の一部が見えている状態になる。
これにより、圧着端子202を開閉器用端子30に挿入する際に、貫通孔36から見える対象が端子保持部材31の第2板部31bから圧着端子202へと変わることを確認することで、圧着端子202が隙間31eの正常に挿入されたか否かを知ることができる。よって、貫通孔36は、圧着端子202が端子保持部材31に正常に挿入されているか否かを表示する表示部に相当する。
(実施形態2)
本実施形態では、圧着端子202が端子保持部材31から抜けることを防止するロック機構及びロックを解除する解除機構を有する点が、実施形態1とは異なる。以下、本実施形態の開閉器2及び開閉器用端子30について、実施形態1とは異なる点を中心に説明する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態の開閉器2の開閉器用端子30が有する端子保持部材31では、第1板部31aの中央部位に貫通孔31gが設けられている(図5A参照)。
本実施形態の開閉器2の開閉器用端子30は、実施形態1の構成に加えて、さらにロック部300及び解除部400を備えている(図5B参照)。
ロック部300は、図5Bに示すように、ロック本体部301とばね302とを有している。ロック本体部301の前後方向における両端のうち一端(先端部)は先端に向うにつれて上下方向における幅が小さくなっている(上下方向に傾斜している)傾斜面303を有し、端子保持部材31の貫通孔31gに挿通している。ロック本体部301の前後方向における両端のうち他端にはばね302の一端が設けられている。ばね302は、上述したように両端のうち一端はロック本体部301に設けられており、他端は、保護部34の前面に設けられている。
解除部400は、圧着端子202のロックを解除するための非導電性の部材である。解除部400は、断面形状がL字状であり、第1部位401と第2部位402とを形成されている。第1部位401の先端部は、保護部34から露出している。第2部位402の先端部は、ロック本体部301の傾斜面303に当接している。また、解除部400は、軸403を中心として回転可能に構成されている。
圧着端子202が開閉器用端子30に挿入される前では、ロック本体部301の先端部は、第2板部31bに当接している。圧着端子202が開閉器用端子30に挿入され、圧着端子202の先端がロック本体部301の先端部に当接する。さらに圧着端子202が開閉器用端子30に挿入されると、ロック本体部301の先端部が上下方向に傾斜しているので、ばね302が縮む方向に移動するのでロック本体部301は前方に移動する。その後、圧着端子202の先端が底面37まで到達すると、圧着端子202には貫通孔203が設けられているので、ばね302は伸びる方向に移動する。その結果、ロック本体部301の先端部は、圧着端子202の貫通孔203に挿通して第2板部31bに当接する(図5C参照)。
圧着端子202がロックされた状態(図5Cの状態)で、解除部400の第1部位401の先端(露出している部位)を図5Dにおいて反時計回りに回転させると、第2部位402の先端部が回転することになり、ロック本体部301が前方に移動する。これにより、ロックが解除される。
ロック機構は、上述した構成に限定されない。例えば、鎖錠ばねのような板ばねを用いて板ばねの押力により圧着端子202をロックしてもよい。このとき、解除部400は、押力を減少させる構成であればよい。また、別のロック機構の構成として、電源線201を固定することで、圧着端子202が開閉器用端子30から抜け出ることを防止する構成であってもよい。この場合の解除部は、電源線201が固定されている状態を解除する構成であればよい。
(実施形態3)
本実施形態では、圧着端子202と端子保持部材31との接続部分の温度を検出し、計測結果を通知する点が、実施形態1とは異なる。以下、本実施形態の開閉器2及び開閉器用端子30について、実施形態1とは異なる点を中心に説明する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態の開閉器2が備える開閉器用端子30は、実施形態1の構成に加えて、さらに温度検出部50及び通知部51を備えている(図6参照)。なお、通知部51は、複数の開閉器用端子30のそれぞれに備えられてもよいし、複数の開閉器用端子30のうち1つの開閉器用端子30に備えられてもよい。本実施形態では、複数の開閉器用端子30のうち1つの開閉器用端子30に通知部51が備えられている。
温度検出部50は、例えばサーミスタを有しており、端子保持部材31に設けられ、端子保持部材31と圧着端子202との接続部分の温度を検出する。
通知部51は、通信機能を有しており、各温度検出部50の検出結果を、例えば分電盤1に設けられた通信アダプタを介してHEMS(home energy management system)のコントローラに送信する。なお、検出結果の送信先は、携帯電話機、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等の情報端末であってもよい。
なお、通知部51は、通信機能ではなく、LED(light emitting diode)等のような光を発する発光機能、ブザー音等の音を発する音出力機能等を有していてもよい。または、通知部51は、通信機能、発光機能及び音出力機能のうち2つ以上の機能を有していてもよい。
通知部51が発光機能を有している場合、各温度検出部50の検出結果のうち、少なくとも1つの温度検出部50の検出結果(計測された温度)が所定値以上である場合には、光を発光して通知する。通知部51が音出力機能を有している場合、各温度検出部50の検出結果のうち、少なくとも1つの温度検出部50の検出結果(計測された温度)が所定値以上である場合には、ブザー音等の音を出力して通知する。
なお、本実施形態で説明した温度検出部50及び通知部51は、実施形態2に示す開閉器用端子30に設けてもよい。
また、本実施形態の開閉器用端子30を、既存の主幹開閉器(本実施形態の本体部20に相当)に取り付けも可能である。開閉器用端子30を、既存の主幹開閉器に取り付けた場合でも温度検出が可能となる。
(実施形態4)
本実施形態では、端子保持部材31で流れる電流を計測し、計測結果を通知する点が、実施形態1とは異なる。以下、本実施形態の開閉器2及び開閉器用端子30について、実施形態1とは異なる点を中心に説明する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態の開閉器2が備える開閉器用端子30は、実施形態1の構成に加えて、さらに電流計測部60及び通知部61を備えている(図7参照)。なお、通知部61は、複数の開閉器用端子30のそれぞれに備えられてもよいし、複数の開閉器用端子30のうち1つの開閉器用端子30に備えられてもよい。本実施形態では、複数の開閉器用端子30のうち1つの開閉器用端子30に通知部61が備えられている。
電流計測部60は、端子保持部材31に設けられ、圧着端子202が挿入された状態で端子保持部材31に流れる電流を計測する。
通知部61は、通信機能を有しており、各電流計測部60の計測結果を、例えば分電盤1に設けられた通信アダプタを介してHEMSのコントローラに送信する。なお、検出結果の送信先は、携帯電話機、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等の情報端末であってもよい。
なお、通知部61は、通信機能ではなく、LED等のような光を発する発光機能、ブザー音等の音を発する音出力機能等を有していてもよい。または、通知部61は、通信機能、発光機能及び音出力機能のうち2つ以上の機能を有していてもよい。
通知部61が発光機能を有している場合、各電流計測部60の検出結果のうち、少なくとも1つの電流計測部60の検出結果(計測された電流値)が所定値以上である場合には、光を発光して通知する。通知部61が音出力機能を有している場合、各電流計測部60の検出結果のうち、少なくとも1つの電流計測部60の検出結果(計測された電流値)が所定値以上である場合には、ブザー音等の音を出力して通知する。
なお、本実施形態で説明した電流計測部60及び通知部61は、実施形態2に示す開閉器用端子30に設けてもよいし、実施形態3に示す開閉器用端子30に設けてもよい。
(変形例)
本発明の実施形態は、上記の各実施形態に限定されない。上記の各実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
上記各実施形態の保護部34は、図8に示すように、透明の部材で形成されてもよい。この場合、端子保持部材31の位置を視認することができる。なお、透明な部材は、少なくとも、保護部34の前面に適用されていればよい。この場合、保護部34を透明部材とすることで、端子保持部材31の位置を視認することができるので、貫通孔36は設けなくてもよい。図8では、貫通孔36を設けていない場合の保護部34を記載している。
上記各実施形態では、開閉器2の本体部20と開閉器用端子30とは別体の構成としたが、一体型の構成であってもよい。例えば、端子保持部材31の第2端部33と、本体部20の一次側の端子21とがレーザ溶接、ロウ付け等の方法で一体形成されてもよい。要するに、開閉器2の本体部20と開閉器用端子30とは、レーザ溶接、ロウ付け、ねじ止め等の方法で電気的、及び機械的に接続されていればよい。
上記各実施形態では、挿入口35では、挿入口35の前後方向、左右方向に、テーパ面35a,35bがそれぞれ設けられる構成としたが、この構成に限定されない。挿入口35の前後方向、左右方向のうち少なくとも一方にテーパ面が設けられた構成であればよい。
上記各実施形態では、端子保持部材31の第1板部31aにばね性を持たせる構成としたが、この構成に限定されない。第1板部31aと第2板部31bとの双方にばね性を持たせてもよいし、第1板部31aの代わりに第2板部31bにばね性を持たせてもよい。
上記各実施形態の開閉器2は、主幹開閉器として用いられるが、本発明に係る実施形態の開閉器2は主幹開閉器に限定されない。本発明に係る実施形態の開閉器2は、例えば、分岐開閉器、及び連系開閉器(連系ブレーカ)、解列器等であってもよい。連系開閉器又は解列器として用いられる開閉器においては、分散電源と電気的に接続される。
上記各実施形態の開閉器2において、開閉器用端子30は本体部20の一次側の端子21と電気的に接続される構成としたが、この構成に限定されない。開閉器用端子30は、本体部20の二次側の端子22と電気的に接続されてもよい。この場合、例えば、導電バー5(本開示の電線の心線に相当)の一端の圧着端子202が設けられる。または、導電バー5の一端が圧着端子202を兼ねてもよく、この場合には導電バー5の一端が圧着端子に相当する。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様の開閉器用端子(30)は、端子保持部材(31)と、挿入口(35)とを備える。端子保持部材(31)は、電線の心線に取り付けられる圧着端子(202)を保持する。挿入口(35)は、圧着端子(202)が挿入される挿入方向における端子保持部材(31)の一端に設けられ、圧着端子(202)が挿入される。挿入方向における端子保持部材(31)の他端は、端子保持部材(31)の一端と電気的に接続され、かつ開閉器本体(本体部20)と電気的機械的に接続されている。
この構成によると、開閉器用端子(30)に圧着端子(202)が挿入されると、端子保持部材(31)は圧着端子(202)を保持する。そのため、作業者は、圧着端子(202)を開閉器用端子(30)に挿入するだけで、圧着端子(202)と開閉器本体とを電気的に接続することができる。したがって、作業者は、圧着端子(202)と端子とを締め付ける必要がないので、作業者の作業によって生じる開閉器本体と圧着端子(202)とを接続の不具合を低減することができる。
第2態様の開閉器用端子(30)では、第1の態様において、端子保持部材(31)は、導電性を有する平板(100)が折り曲げられて、圧着端子(202)を囲んでいる。この構成によると、端子保持部材(31)は、簡単な構成で圧着端子(202)を保持することができる。
第3の態様の開閉器用端子(30)では、第2の態様において、端子保持部材(31)の厚さ方向の両側(第1板部31a、第2板部31b)のうち少なくとも一方側は、ばね性を有している。この構成によると、ばねの押力によって、圧着端子(202)を保持することができる。
第4の態様の開閉器用端子(30)は、第1〜第3のいずれかの態様において、圧着端子(202)が端子保持部材(31)に正常に挿入されているか否かを表示する表示部(貫通孔36)を、更に備える。この構成によると、作業者は、圧着端子(202)が端子保持部材(31)に正常に挿入されたか否かを知ることができる。
第5の態様の開閉器用端子(30)は、第1〜第4のいずれかの態様において、圧着端子(202)が端子保持部材(31)から抜けることを防止するロック部(300)を、更に備える。この構成によると、圧着端子(202)を確実に保持することができる。また、外部からの衝撃等があっても圧着端子が抜ける可能性を低くすることができる。
第6の態様の開閉器用端子(30)は、第5の態様において、圧着端子(202)が挿入された状態である場合に、ロック部(300)により圧着端子(202)が端子保持部材(31)から抜けることを防止された状態を解除する解除部(400)を、更に備える。この構成によると、解除部を用いることで作業者が意識して圧着端子(202)が端子保持部材(31)から抜けることを防止された状態を解除することができる。
第7の態様の開閉器用端子(30)では、第1〜第6のいずれかの態様において、挿入口(35)は、第1方向(例えば前後方向)及び第2方向(例えば左右方向)のうち少なくとも一方の方向において、圧着端子(202)を端子保持部材(31)にガイドするガイド部(テーパ面35a,35b)を有する。ここで、第1方向は、挿入方向に対して直交する方向であり、第2方向は、挿入方向と第1方向との双方に直交する方向である。この構成によると、挿入口(35)が直接見えない場所であっても、ガイド部を有することで、端子保持部材までガイドすることができる。
第8の態様の開閉器用端子(30)では、第1〜第7のいずれかの態様において、端子保持部材(31)は、一部が露出した状態で挿入口(35)を有する保護部(34)に収納されている。保護部(34)は、透明な部材で形成されている。この構成によると、挿入口(35)から端子保持部材(31)へと圧着端子(202)が挿入されることを作業者は視認することができる。
第9の態様の開閉器用端子(30)は、第1〜第8のいずれかの態様において、温度検出部(50)と、温度通知部(通知部51)とを、さらに備える。温度検出部(50)は、端子保持部材(31)に設けられ、端子保持部材(31)と圧着端子(202)との接続部位の温度を検出する。温度通知部は、温度検出部(50)での検出結果を通知する。ここで、通知とは、信号の送信及び光の発光、音の出力を含む。この構成によると、開閉器用端子(30)は、加熱等の有無を通知することができる。これにより、通知を受ける者は、開閉器用端子(30)の状態を監視することができる。
第10の態様の開閉器用端子(30)は、第1〜第9のいずれかの態様において、電流計測部(60)と、電流通知部(通知部61)とを、更に備える。電流計測部(60)は、端子保持部材(31)に設けられ、圧着端子(202)が挿入された状態で端子保持部材(31)に流れる電流を計測する。電流通知部は、電流計測部(60)の計測結果を通知する。ここで、通知とは、信号の送信及び光の発光、音の出力を含む。この構成によると、開閉器用端子(30)は、過電流の有無等を通知することができる。また、電流センサを別途設ける必要がないので、例えば分電盤(1)内のスペースの合理化を図ることができる。
第11の態様の開閉器(2)は、第1〜10のいずれか態様の開閉器用端子(30)と、開閉器用端子(30)と負荷側端子(二次側の端子22)との間の接続を開閉する機能を有する開閉器本体(本体部20)とを備える。この構成によると、作業者は、圧着端子(202)と端子とを締め付ける必要がないので、作業者の作業によって生じる開閉器本体と圧着端子(202)とを接続の不具合を低減することができる。
2 開閉器
20 本体部(開閉器本体)
30 開閉器用端子
31 端子保持部材
34 保護部
35 挿入口
35a,35b テーパ面(ガイド部)
36 貫通孔(表示部)
50 温度検出部
51 通知部(温度通知部)
60 電流計測部
61 通知部(電流通知部)
100 平板
201 電源線(電線)
202 圧着端子
300 ロック部
400 解除部

Claims (11)

  1. 電線の心線に取り付けられる圧着端子を保持する端子保持部材と、
    前記圧着端子が挿入される挿入方向における前記端子保持部材の一端に設けられ、前記圧着端子が挿入される挿入口とを備え、
    前記挿入方向における前記端子保持部材の他端は、前記一端と電気的に接続され、かつ開閉器本体と電気的機械的に接続されている
    ことを特徴とする開閉器用端子。
  2. 前記端子保持部材は、
    導電性を有する平板が折り曲げられて、前記圧着端子を囲んでいる
    ことを特徴とする請求項1に記載の開閉器用端子。
  3. 前記端子保持部材の厚さ方向の両側のうち少なくとも一方側は、ばね性を有している
    ことを特徴とする請求項2に記載の開閉器用端子。
  4. 前記圧着端子が前記端子保持部材に正常に挿入されているか否かを表示する表示部を、更に備える
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の開閉器用端子。
  5. 前記圧着端子が前記端子保持部材から抜けることを防止するロック部を、更に備える
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の開閉器用端子。
  6. 前記圧着端子が挿入された状態である場合に、前記ロック部により前記圧着端子が前記端子保持部材から抜けることを防止された状態を解除する解除部を、更に備える
    ことを特徴とする請求項5に記載の開閉器用端子。
  7. 前記挿入口は、
    前記挿入方向に対して直交する第1方向及び前記挿入方向と前記第1方向との双方に直交する第2方向のうち少なくとも一方の方向において、前記圧着端子を前記端子保持部材にガイドするガイド部を有する
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の開閉器用端子。
  8. 前記端子保持部材は、一部が露出した状態で前記挿入口を有する保護部に収納されており、
    前記保護部は、透明な部材で形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の開閉器用端子。
  9. 前記端子保持部材に設けられ、前記端子保持部材と前記圧着端子との接続部位の温度を検出する温度検出部と、
    前記温度検出部での検出結果を通知する温度通知部とを、更に備える
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の開閉器用端子。
  10. 前記端子保持部材に設けられ、前記圧着端子が挿入された状態で前記端子保持部材に流れる電流を計測する電流計測部と、
    前記電流計測部の計測結果を通知する電流通知部とを、更に備える
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の開閉器用端子。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の開閉器用端子と、
    前記開閉器用端子と負荷側端子との間の接続を開閉する機能を有する開閉器本体とを備える
    ことを特徴とする開閉器。
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