JP2019032022A - 遊星ローラ式摩擦伝導装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャリアのポケットに保持された遊星ローラの回転を円滑に行うことができ、伝導効率の低下を防止できる遊星ローラ式摩擦伝導装置を提供する。【解決手段】遊星ローラ式摩擦伝導装置100は、高速回転側の太陽ローラ112と、太陽ローラと同心円状に固定されたアウタリング120と、太陽ローラの外周面126とアウタリングの内周面128との間を摩擦接触状態で転動する遊星ローラ122と、遊星ローラを保持する低速回転側のキャリア118とを有し、キャリアは、太陽ローラの軸心を中心とした台座130と、台座から遊星ローラ同士の間に突出する基部132、134、136と、隣接する基部の間に形成され、遊星ローラを回転自在に保持するポケット138、140、142とを有し、ポケットの内面144と遊星ローラの外面146との隙間154は、遊星ローラの回転の上流側から内面と外面との接触部150に向かって小さくなる。【選択図】図3

Description

本発明は、遊星ローラを保持するキャリアを備えた遊星ローラ式摩擦伝導装置に関する。
摩擦伝導装置として、高速回転側の太陽ローラの外周面と固定された外輪の内周面との間で複数の遊星ローラ(円筒ころなど)が摩擦接触状態で転動し、増速機や減速機として機能する遊星ローラ式摩擦伝導装置が知られている。遊星ローラは、低速回転側のキャリアに形成された複数のポケットにそれぞれ保持される。なお高速回転側とは、減速機として機能する場合の入力側である。低速回転側とは、増速機として機能する場合の入力側である。
遊星ローラ式摩擦伝導装置では、増速機として機能する場合、キャリアのポケットに押されながら遊星ローラが自転しつつ公転する。一方、減速機として機能する場合には、太陽ローラの回転に伴い遊星ローラが自転しつつ公転しながら、キャリアのポケットを押す。このため、遊星ローラ式摩擦伝導装置では、増速機または減速機のいずれであっても、キャリアのポケットの内面と遊星ローラとの接触部では圧力が高くなっている。
特許文献1には、キャリアの外径面とポケットの内面とを、平面や曲面、あるいは面取り部を介してつなげる構造とした遊星ローラ式動力伝達装置が提案されている。なお特許文献1では、キャリアの外径面とポケットの内面との間は、ポケットの先端部の薄肉部分とされている。特許文献1は、上記構造によりポケットの先端部の薄肉部分を省略できるため、キャリアの機械的強度が向上する、としている。
特開平9−236158号公報
しかし遊星ローラ式摩擦伝導装置では、キャリアのポケットにそれぞれ保持された遊星ローラを高速回転させたり、大きなトルクを伝達したりすると、ポケットの内面と遊星ローラとの接触部で焼き付きが生じ、伝導効率が低下するという問題がある。この対策として、ポケットの内面と遊星ローラの外面との隙間には潤滑油が供給される。
特許文献1に記載の技術は、ポケットの先端部の薄肉部分をなくして機械的強度を向上させるものに過ぎず、潤滑油が供給される上記隙間の形状には着目していない。
本発明は、このような課題に鑑み、キャリアのポケットに保持された遊星ローラの回転を円滑に行うことができ、伝導効率の低下を防止できる遊星ローラ式摩擦伝導装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかる遊星ローラ式摩擦伝導装置の代表的な構成は、高速回転側の太陽ローラと、太陽ローラと同心円状に固定された外輪と、太陽ローラの外周面と外輪の内周面との間を摩擦接触状態で転動する遊星ローラと、遊星ローラを保持する低速回転側のキャリアとを有する遊星ローラ式摩擦伝導装置であって、キャリアは、太陽ローラの軸心を中心とした台座と、台座から遊星ローラ同士の間に突出する基部と、隣接する基部の間に形成され、遊星ローラを回転自在に保持するポケットとを有し、ポケットの内面と遊星ローラの外面との隙間は、遊星ローラの回転の上流側から内面と外面との接触部に向かって小さくなることを特徴とする。
上記構成では、ポケットの内面は、遊星ローラ(円筒ころなど)の外面との隙間が遊星ローラの回転の上流側から接触部に向かって小さくなるように形成されている。この隙間には、焼き付きを防止するために潤滑油が供給される。供給された潤滑油は、遊星ローラの回転に伴って隙間の大きい方から小さい方、すなわち遊星ローラの回転の上流側から接触部に向かって引き込まれる。潤滑油が接触部に引き込まれると、圧力(油膜圧力)が発生し、ポケットの内面と遊星ローラの外面との接触を抑制し良好な潤滑状態を保つ、いわゆるくさび効果を生じる。このため、くさび効果によって上記接触部に油膜が確実に形成されるので、接触部での焼き付きを防止できる。したがって上記構成によれば、遊星ローラの回転を円滑に行うことができ、伝導効率の低下を防止できる。
上記のポケットの内面の曲率半径は、遊星ローラの曲率半径よりも大きく、ポケットの内面の曲率中心は、遊星ローラの曲率中心よりも遊星ローラの回転の上流側にずれているとよい。このように、ポケットの内面の曲率半径が遊星ローラの曲率半径よりも大きいため、ポケットに遊星ローラを保持できる。またポケットの内面の曲率中心を遊星ローラの曲率中心から回転の上流側にずらすことで、ポケットの内面と遊星ローラの外面との隙間を遊星ローラの回転の上流側に偏らせることができる。これにより、遊星ローラの回転の上流側から接触部に向かって隙間を小さくできる。なおポケットの内面の曲率半径が一定であるため、ポケットの内面の加工が容易であり、上記隙間を確実に形成できる。
上記のポケットの内面は、遊星ローラの回転の上流側の端と接触部との間の上流側円弧と、遊星ローラの回転の下流側の端と接触部との間の下流側円弧とを含み、上流側円弧は、下流側円弧よりも曲率半径が大きく、接触部は、上流側円弧と下流側円弧とが接していてポケットの内面が滑らかに連続しているとよい。上記構成では、ポケットの内面を曲率半径の異なる2つの円弧で形成し、上流側円弧の曲率半径を下流側円弧の曲率半径よりも大きくしている。これにより、ポケットの内面と遊星ローラの外面との隙間を遊星ローラの回転の上流側に偏らせることができる。このようなポケットの内面によれば、遊星ローラの回転の上流側から接触部に向かって隙間を小さくできる。なおポケットの内面が滑らかに連続しているため、遊星ローラの外面に与える負荷を増大させることはない。
上記のポケットの内面の曲率半径は、遊星ローラの回転の上流側の端から接触部に向かって連続的に小さくなり、接触部から遊星ローラの回転の下流側の端に向かって連続的に大きくなっていて、ポケットの内面の上流側の端は、下流側の端よりも曲率半径が大きいとよい。上記構成では、ポケットの内面の曲率半径を上流側の端から下流側の端まで連続的に変化させ、上流側の端の曲率半径が下流側の端の曲率半径よりも大きく、接触部の曲率半径が最も小さくなっている。このようなポケットの内面によれば、遊星ローラの外面との隙間を遊星ローラの回転の上流側に偏らせて、遊星ローラの回転の上流側から接触部に向かって隙間を小さくできる。なおポケットの内面の曲率半径が接触部およびその周辺で連続的に変化するため、接触部での遊星ローラの回転を安定させることができる。
本発明によれば、キャリアのポケットに保持された遊星ローラの回転を円滑に行うことができ、伝導効率の低下を防止できる遊星ローラ式摩擦伝導装置を提供することができる。
本発明の実施形態における遊星ローラ式摩擦伝導装置の概略構成を示す断面図である。 図1の遊星ローラ式摩擦伝導装置のA−A断面図である。 図2の遊星ローラ式摩擦伝導装置の一部を拡大して示す図である。 本発明の他の実施形態における遊星ローラ式摩擦伝導装置の一部を拡大して示す図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本発明の実施形態における遊星ローラ式摩擦伝導装置(以下、摩擦伝導装置100)の概略構成を示す断面図である。図2は、図1の摩擦伝導装置100のA−A断面図である。図2(a)、図2(b)は、摩擦伝導装置100が増速機、減速機として機能している状態をそれぞれ示している。
摩擦伝導装置100は、ケーシング102内で同一軸線上に配置された高速回転側の軸(以下、増速側軸104)と低速回転側の軸(以下、減速側軸106)とを有する。高速回転側とは、摩擦伝導装置100が減速機として機能する場合の入力側である。低速回転側とは、摩擦伝導装置100が増速機として機能する場合の入力側である。
増速側軸104は、ケーシング102の開口108に挿通されていて、開口108付近に設けられた軸受110を介して回転自在に支持されている。また増速側軸104には、太陽ローラ112が固定されている。太陽ローラ112は、増速側軸104と一体に回転する。減速側軸106は、ケーシング102の開口114に挿通されていて、開口114付近に設けられた軸受116を介して回転自在に支持されている。また減速側軸106には、キャリア118が固定されている。キャリア118は、減速側軸106と一体に回転する。
摩擦伝導装置100はさらに、図2に示すように、外輪(アウタリング120)と複数(ここでは3つ)の遊星ローラ122とを有する。アウタリング120は、ケーシング102内で太陽ローラ112と同心円状に配置され、ボルト124によってケーシング102に固定されている。
遊星ローラ122は、太陽ローラ112の外周面126とアウタリング120の内周面128との間に圧接していて、これらの間を摩擦接触状態で転動する。なお遊星ローラ122は軽量化を図るために、中空式すなわち円筒状に形成されている。遊星ローラ122は、減速側軸106と一体に回転するキャリア118に保持される。
キャリア118は、図1に示すように、太陽ローラ112の軸心を中心とした円状の台座130を有する。キャリア118はさらに、図2に示すように、複数(ここでは3つ)の基部132、134、136と、複数(ここでは3つ)のポケット138、140、142とを有する。
本出願では、ポケットとポケットの間の棒状の部位を基部と称している。言い換えると、基部と基部の間にポケットが形成されている。基部132、134、136は、台座130から遊星ローラ122同士の間にそれぞれ突出している。ポケット138、140、142は、隣接する基部132、134、136の間にそれぞれ形成され、遊星ローラ122を回転自在に保持する。
つぎに摩擦伝導装置100が増速機や減速機として機能する場合について説明する。なお以下では、キャリア118のうち隣接する基部132、134の間に形成されたポケット138と、ポケット138に回転自在に保持された遊星ローラ122との挙動に着目して説明する。ただし、他のポケット140、142とこれらに保持された他の遊星ローラ122との挙動も同様である。
摩擦伝導装置100は、図2(a)に示す増速機として機能する場合、低速回転側の減速側軸106が入力側となる。入力側となる減速側軸106には、減速側軸106を回転させる不図示の電動モータが取付けられる。電動モータの回転力が減速側軸106に入力されると、キャリア118は、図2(a)の矢印Bに示すように例えば時計回りに回転する。キャリア118の回転に伴って、ポケット138のうち基部132側の内面144(図3参照)は、矢印Bに沿う方向で遊星ローラ122を押し付ける。
遊星ローラ122は、ポケット138の内面144に押されて、太陽ローラ112の外周面126とアウタリング120の内周面128との間を摩擦接触状態で転動する。すなわち遊星ローラ122は、図2(a)の矢印Cに示すように反時計回りに自転しつつ、矢印Bに沿って時計回りに公転する。
太陽ローラ112の外周面126は、遊星ローラ122の外面146と摩擦接触状態になっている。このため、太陽ローラ112は、遊星ローラ122の転動に伴って、図2(a)の矢印Dに示すように時計回りに回転する。
増速側軸104と一体に回転する太陽ローラ112は、遊星ローラ122が公転して再び元の位置に戻るまでの間に複数回回転するため、減速側軸106と一体に回転するキャリア118に対して相対的に高速回転する。このように摩擦伝導装置100は、入力側の減速側軸106に対して出力側の増速側軸104が高速回転することで、増速機として機能する。
一方、摩擦伝導装置100は、図2(b)に示す減速機として機能する場合、高速回転側の増速側軸104が入力側となる。入力側となる増速側軸104には、増速側軸104を回転させる不図示の電動モータが取付けられる。電動モータの回転力が増速側軸104に入力されると、太陽ローラ112は、図2(b)の矢印Eに示すように例えば時計回りに回転する。
太陽ローラ112の回転に伴って、遊星ローラ122は、太陽ローラ112の外周面126とアウタリング120の内周面128との間を摩擦接触状態で転動する。すなわち遊星ローラ122は、図2(b)の矢印Fに示すように反時計回りに自転しつつ、矢印Gに示すように時計回りに公転する。
自転しつつ公転する遊星ローラ122は、ポケット138のうち基部134側の内面148(図3参照)を矢印Gに沿う方向で押し付ける。キャリア118は、ポケット138の内面148が遊星ローラ122に押されることで、図2(b)の矢印Gに示すように時計回りに回転する。
減速側軸106と一体に回転するキャリア118は、太陽ローラ112が1回転しても、わずかしか回転せず1回転に満たない。このため、キャリア118は、増速側軸104と一体に回転する太陽ローラ112に対して相対的に低速回転する。このように摩擦伝導装置100は、入力側の増速側軸104に対して出力側の低速側軸106が低速回転することで、減速機として機能する。
図3は、図2の摩擦伝導装置100の一部を拡大して示す図である。増速機として機能する摩擦伝導装置100は、ポケット138の内面144が矢印Bの方向で遊星ローラ122を押し、これにより遊星ローラ122が矢印Cの方向に回転しながら、太陽ローラ112を矢印Dの方向に回転させる。このため、摩擦伝導装置100を増速機として機能させた場合、ポケット138の内面144と遊星ローラ122の外面146との接触部150で圧力が高くなる。
減速機として機能する摩擦伝導装置100は、矢印Eの方向で回転する太陽ローラ112が遊星ローラ122を矢印Fの方向に回転させ、これにより遊星ローラ122がポケット138の内面148を矢印Gの方向に押す。このため、摩擦伝導装置100を減速機として機能させた場合、ポケット138の内面148と遊星ローラ122の外面146との接触部152で圧力が高くなる。
このような接触部150、152では、遊星ローラ122を高速回転させたり、大きなトルクを伝達したりすると焼き付きが生じてしまい、荷重の伝導効率が低下する場合があり得る。そこで摩擦伝導装置100では、ポケット138の内面144、148と遊星ローラ122の外面146とのそれぞれの隙間154、156の形状に着目し、この隙間154、156に潤滑油を供給することで、焼き付きを防止する構成を採用した。
図示左側の隙間154は、遊星ローラ122の回転の上流側の端158から接触部150に向かって小さくなっている。この隙間154に潤滑油を供給すると、潤滑油は、遊星ローラ122の回転に伴って隙間154の大きい方から小さい方、すなわち遊星ローラ122の回転の上流側の端158から接触部150に向かって引き込まれる。
潤滑油が接触部150に引き込まれると、いわゆるくさび効果を生じる。すなわち接触部150に引き込まれた潤滑油に圧力(油膜圧力)が発生し、ポケット138の内面144と遊星ローラ122の外面146との接触を抑制し良好な潤滑状態を保つことができる。これにより、摩擦伝導装置100は、増速機として機能する場合、隙間154に潤滑油を供給することで、接触部150に油膜を確実に形成でき、焼き付きを防止できる。
ここで隙間154を形成するための幾何学的な条件を説明する。まずポケット138の内面144の曲率半径Rpは、遊星ローラ122の曲率半径Rrよりも大きい。なお図中の点O、Oaは、遊星ローラ122の曲率中心、ポケット138の内面144の曲率中心をそれぞれ示している。つぎに、ポケット138の内面144の曲率中心Oaは、遊星ローラ122の曲率中心Oよりも、遊星ローラ122の回転の上流側(ここでは図中、上側)にずれている。
このように、ポケット138の内面144の曲率半径Rpを遊星ローラ122の曲率半径Rrよりも大きくすることで、ポケット138に遊星ローラ122を保持できる。さらにポケット138の内面144の曲率中心Oaを遊星ローラ122の曲率中心Oから回転の上流側にずらすことで、隙間154を、図示のように遊星ローラ122の回転の上流側に偏らせて、上流側の端158から接触部150に向かって小さくなるように形成できる。またポケット138の内面144の曲率半径Rpが一定であるため、ポケット138の内面144の加工が容易であり、隙間154を確実に形成できる。
一方、図示右側の隙間156は、遊星ローラ122の回転の上流側の端160から接触部152に向かって小さくなっている。この隙間156に潤滑油を供給すると、潤滑油は、遊星ローラ122の回転に伴って上流側の端160から接触部152に向かって引き込まれ、くさび効果により接触部152で油膜となる。これにより、摩擦伝導装置100は、減速機として機能する場合、隙間156に潤滑油を供給することで、接触部152に油膜を確実に形成でき、焼き付きを防止できる。
隙間156を形成するためには、ポケット138の内面148の曲率中心Obを、遊星ローラ122の曲率中心Oよりも、遊星ローラ122の回転の上流側(ここでは図中、下側)にずらせばよい。このようにすれば、隙間156を、図示のように遊星ローラ122の回転の上流側に偏らせて、上流側の端160から接触部152に向かって小さくなるように形成できる。
なおポケット138の内面148は、ポケット138の内面144と同様の曲率半径Rpを有しているため、ポケット138に遊星ローラ122を保持できる。またポケット138の内面148の曲率半径Rpが一定であるため、ポケット138の内面148の加工が容易であり、隙間156を確実に形成できる。
上記説明したように、摩擦伝導装置100によれば、隙間154、156に潤滑油を供給することで、くさび効果による油膜を接触部150、152に形成して焼き付きを防止し、遊星ローラ122の回転を円滑に行うことができ、伝導効率の低下を防止できる。
図4は、本発明の他の実施形態における摩擦伝導装置100A、100Bの一部を拡大して示す図である。図4(a)に示す摩擦伝導装置100Aは、キャリア118Aの隣接する基部132A、134Aの間に形成されたポケット138Aを有する。ポケット138Aのうち基部132A側(図示左側)の内面144Aと遊星ローラ122の外面146との間には、隙間154Aが形成されている。
ポケット138Aの内面144Aは、曲率半径の異なる2つの円弧である上流側円弧162および下流側円弧164で形成されている。上流側円弧162は、遊星ローラ122の回転の上流側の端166と接触部150Aとの間を形成していて、曲率中心Oc、曲率半径Rp1を有する。下流側円弧164は、遊星ローラ122の回転の下流側の端168と接触部150Aとの間を形成していて、曲率中心Od、曲率半径Rp2を有する。
上流側円弧162の曲率半径Rp1は、下流側円弧164の曲率半径Rp2よりも大きい。また、接触部150Aは、上流側円弧162と下流側円弧164とが連続している。具体的には、上流側円弧162の曲率中心Ocと、下流側円弧164の曲率中心Odは、接触部150Aと遊星ローラの中心Oを結ぶ直線上にある。すると接触部150Aにおいて上流側円弧162と下流側円弧164はいずれも90°となり、角を有することなく、滑らかに連続する。
このように摩擦伝導装置100Aでは、ポケット138Aの内面144Aを曲率半径の異なる2つの円弧で形成し、上流側円弧162の曲率半径Rp1を下流側円弧164の曲率半径Rp2よりも大きくしている。このようにすれば、隙間154Aを、図示のように遊星ローラ122の回転の上流側に偏らせて、上流側の端166から接触部150Aに向かって徐々に小さくなるように形成できる。
したがって摩擦伝導装置100Aによれば、増速機として機能する場合、隙間154Aに潤滑油を供給することで、くさび効果による油膜を接触部150Aに形成して焼き付きを防止し、遊星ローラ122の回転を円滑に行うことができ、伝導効率の低下を防止できる。
また摩擦伝導装置100Aでは、ポケット138Aの内面144Aの曲率が接触部150Aで1回だけ変化する。このため、ポケット138Aの内面144Aと遊星ローラ122の外面146との間で接触部150Aを介して荷重を確実に伝達できる。なお接触部150Aにおいて上流側円弧162と下流側円弧164とが滑らかに連続しているため、遊星ローラ122の外面146に与える負荷を増大させることはない。
なお、ポケット138Aのうち基部134A側(図示右側)の内面148Aを、ポケット138Aの内面144Aと対称に形成してもよい。このようにすれば、摩擦伝導装置100Aが減速機として機能する場合であっても、ポケット138Aの内面148Aと遊星ローラ122の外面146との間の隙間156Aに潤滑油を供給することで、接触部152Aに油膜を形成して焼き付きを防止できる。
図4(b)に示す摩擦伝導装置100Bは、キャリア118Bの隣接する基部132B、134Bの間に形成されたポケット138Bを有する。ポケット138Bのうち基部132B側(図示左側)の内面144Bと遊星ローラ122の外面146との間には、隙間154Bが形成されている。
ポケット138Bの内面144Bは、遊星ローラ122の回転の上流側の端170から下流側の端172まで曲率半径が連続的に変化している。具体的には、ポケット138Bの内面144Bの曲率半径は、上流側の端170から接触部150Bに向かって連続的に小さくなり、接触部150Bから下流側の端172に向かって連続的に大きくなっている。ただし、ポケット138Bの内面144Bのうち、上流側の端170の曲率半径Rp3は下流側の端172の曲率半径Rp5よりも大きくなっている。またポケット138Bの内面144Bのうち、接触部150Bの曲率半径Rp4が最も小さい。
このようなポケット138Bの内面144Bによれば、隙間154Bを、図示のように遊星ローラ122の回転の上流側に偏らせて、上流側の端170から接触部150Bに向かって小さくなるように形成できる。
したがって摩擦伝導装置100Bによれば、増速機として機能する場合、隙間154Bに潤滑油を供給することで、くさび効果による油膜を接触部150Bに形成して焼き付きを防止し、遊星ローラ122の回転を円滑に行うことができ、伝導効率の低下を防止できる。
また摩擦伝導装置100Bでは、ポケット138Bの内面144Bの曲率半径が接触部150Bおよびその周辺で連続的に変化するため、接触部150Bでの遊星ローラ122の回転を安定させることができる。
なお、ポケット138Bのうち基部134B側(図示右側)の内面148Bを、ポケット138Bの内面144Bと対称に形成してもよい。このようにすれば、摩擦伝導装置100Bが減速機として機能する場合であっても、ポケット138Bの内面148Bと遊星ローラ122の外面146との間の隙間156Bに潤滑油を供給することで、接触部152Bに油膜を形成して焼き付きを防止できる。
上記の摩擦伝導装置100、100A、100Bでは、中空式の遊星ローラ122を適用した。しかし本発明はこれに限られず、太陽ローラ112の外周面126とアウタリング120の内周面128との間を摩擦接触状態で転動可能であれば、円柱状など他の形状の遊星ローラを適用してもよい。
また上記の摩擦伝導装置100、100A、100Bでは、ポケット138、138A、138Bの両側の内面に本発明を適用して説明した。しかし、摩擦伝導装置が増速機または減速機のいずれかにのみ使用される予定なのであれば、増速機ならキャリア回転方向の下流側(図示左側)の内面のみに、減速機ならキャリア回転方向の上流側(図示右側)の内面のみに本発明を適用してもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、遊星ローラを保持するキャリアを備えた遊星ローラ式摩擦伝導装置として利用することができる。
100、100A、100B…摩擦伝導装置、102…ケーシング、104…増速側軸、106…減速側軸、108、114…開口、110、116…軸受、112…太陽ローラ、118、118A、118B…キャリア、120…アウタリング、122…遊星ローラ、124…ボルト、126…太陽ローラの外周面、128…アウタリングの内周面、130…台座、132、132A、132B、134、134A、134B、136…基部、138、138A、138B、140、142…ポケット、144、144A、144B、148、148A、148B…ポケットの内面、146…遊星ローラの外面、150、150A、150B、152、152A、152B…接触部、154、154A、154B、156、156A、156B…隙間、158、160、166、170…上流側の端、162…上流側円弧、164…下流側円弧、168、172…下流側の端

Claims (4)

  1. 高速回転側の太陽ローラと、
    前記太陽ローラと同心円状に固定された外輪と、
    前記太陽ローラの外周面と前記外輪の内周面との間を摩擦接触状態で転動する遊星ローラと、
    前記遊星ローラを保持する低速回転側のキャリアとを有する遊星ローラ式摩擦伝導装置であって、
    前記キャリアは、
    前記太陽ローラの軸心を中心とした台座と、
    前記台座から前記遊星ローラ同士の間に突出する基部と、
    隣接する前記基部の間に形成され、前記遊星ローラを回転自在に保持するポケットとを有し、
    前記ポケットの内面と前記遊星ローラの外面との隙間は、該遊星ローラの回転の上流側から前記内面と前記外面との接触部に向かって小さくなることを特徴とする遊星ローラ式摩擦伝導装置。
  2. 前記ポケットの内面の曲率半径は、前記遊星ローラの曲率半径よりも大きく、
    前記ポケットの内面の曲率中心は、前記遊星ローラの曲率中心よりも該遊星ローラの回転の上流側にずれていることを特徴とする請求項1に記載の遊星ローラ式摩擦伝導装置。
  3. 前記ポケットの内面は、
    前記遊星ローラの回転の上流側の端と前記接触部との間の上流側円弧と、
    前記遊星ローラの回転の下流側の端と前記接触部との間の下流側円弧とを含み、
    前記上流側円弧は、前記下流側円弧よりも曲率半径が大きく、
    前記接触部は、前記上流側円弧と前記下流側円弧とが滑らかに連続していることを特徴とする請求項1に記載の遊星ローラ式摩擦伝導装置。
  4. 前記ポケットの内面の曲率半径は、前記遊星ローラの回転の上流側の端から前記接触部に向かって連続的に小さくなり、該接触部から前記遊星ローラの回転の下流側の端に向かって連続的に大きくなっていて、
    前記ポケットの内面の前記上流側の端は、前記下流側の端よりも曲率半径が大きいことを特徴とする請求項1に記載の遊星ローラ式摩擦伝導装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111750055A (zh) * 2019-03-28 2020-10-09 日本电产新宝株式会社 牵引减速器

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