JP2019031903A - 簡易クレーン用の荷降ろし補助具、荷降ろし装置、簡易クレーン、荷降ろし方法 - Google Patents

簡易クレーン用の荷降ろし補助具、荷降ろし装置、簡易クレーン、荷降ろし方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 火傷する恐れを減らし、作業者の負担を軽減する。【解決手段】 前部に滑車20を懸吊する簡易クレーン10が設置されたビティ式仮設足場201の内、簡易クレーン10の下に荷降ろし補助具30を着脱自在に装着する。荷降ろし補助具30は基部部材31とブレーキ部34を備え、ブレーキ部34は荷降ろしロープ3が巻き掛けられる胴部35と胴部35に巻き掛けられた荷降ろしロープ3が外れるのを阻止するストッパ36、37を含む。荷降ろしロープ3を簡易クレーンの滑車20と胴部35に巻き掛け、滑車20から垂れ下がった荷降ろしロープ3に荷降ろし対象部材6を吊るして地上に投下し降下速度が上がったあと、胴部35から垂れ下がった荷降ろしロープ3の上昇移動を拘束しないときは遠心力で荷降ろしロープが胴部35から離れてブレーキが掛からず、上昇移動を手で拘束すると荷降ろしロープ3が胴部34に接触してブレーキが掛かるようにした。【選択図】 図2

Description

本発明は簡易クレーン用の荷降ろし補助具、荷降ろし装置、簡易クレーン、荷降ろし方法に係り、とくにマンション、ビル等の建築物の新築・改修工事現場等の仮設足場に設置して足場部材、建築用工事資材、建築物の解体部材等の荷降ろしをするのに好適な簡易クレーン用の荷降ろし補助具、荷降ろし装置、簡易クレーン、荷降ろし方法に関する。
マンション、ビル等の新築・改修工事現場等で工事後の仮設足場は、最上段から順次、足場部材を外して地上に降ろして解体することで撤去される。ビティ式仮設足場の場合、図1に示す如く、ビティ式仮設足場1の最上部のステージに建枠部材2を1つ立脚した状態で、作業員Aが荷降ろしロープ3を建枠部材2の上部の横枠4に二つ折りにして掛ける。荷降ろしロープ3の一端の輪部5に荷降ろし対象の建枠部材6を掛け、横枠4に掛かった荷降ろしロープ3の両側の下降側ロープ3aと上昇側ロープ3bを皮手袋をした両手で支持しながら建枠部材6を投下する。縦枠部材6が地上に近づいた所で、下降側ロープ3aと上昇側ロープ3bを両手でまとめて強く握り、摩擦ブレーキを掛けてスピードを落とし、ゆっくり地上に降ろす。地上の作業員Bは荷降ろしロープ3から建枠部材6を外し、空きスペースに積み上げる。作業員Aは荷降ろしロープ3の上昇側ロープ3bを引き下げて元に戻し、同様の作業を繰り返して他の建枠部材や足場ステージを解体していく。クサビ緊結式足場など、他の種類の仮設足場も同様の作業で解体するようにしている。
ところで、一回に荷降ろしする足場部材は、複数個の建枠部材や、複数個の足場ステージなどで40kg程度の重量があり、作業員Aがブレーキを掛ける際、下降側ロープ3aと上昇側ロープ3bを両手でかなり強く握り締める必要があり、摩擦熱で火傷する恐れがあるため、作業者の身体的な負担が大きく作業の円滑な進行の妨げとなっていた。
本発明は上記した従来技術の問題に鑑みなされたもので、作業者の身体的な負担を減らし、作業性を向上することのできる簡易クレーン用の荷降ろし補助具、荷降ろし装置、簡易クレーン、荷降ろし方法を提供することを、その目的とする。
請求項1記載の発明では、
荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられる滑車を懸吊する滑車取り付け部、または荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられるシーブを前部に備えた簡易クレーンが設置されて荷降ろしを行う足場の構造物の内、簡易クレーンの下側に着脱自在に装着される基部部材と、
基部部材に固着して設けられるか、または着脱自在に装着された巻き掛け式のブレーキ部と、
を備え、
巻き掛け式のブレーキ部は、滑車取り付け部に懸吊した滑車またはシーブに巻き掛けられる荷降ろしロープの内、荷降ろし対象部材が吊るされる下降側とは反対の上昇側が巻き掛けられる摩擦発生用の固定の胴部を含み、
胴部は、荷下ろしロープを巻き掛ける外面が外部に露出するようにしたこと、
を特徴としている。
請求項2記載の発明では、
荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられる滑車を懸吊する滑車取り付け部、または荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられるシーブを前部に備えた簡易クレーンが設置されて荷降ろしを行う足場の構造物の内、簡易クレーンの下側に着脱自在に装着される基部部材と、
基部部材に固着して設けられるか、または着脱自在に装着された複数の巻き掛け式のブレーキ部と、
を備え、
各巻き掛け式のブレーキ部は、滑車取り付け部に懸吊した滑車またはシーブに巻き掛けられる荷降ろしロープの内、荷降ろし対象部材が吊るされる下降側とは反対の上昇側が巻き掛けられる摩擦発生用の固定の胴部を含むこと、
を特徴としている。
請求項3記載の発明では、
荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられる滑車を懸吊する滑車取り付け部、または荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられるシーブを前部に備え、荷降ろしを行う足場の構造物に着脱自在に装着可能な簡易クレーンと、荷降ろしを行う足場の構造物の内、簡易クレーンの下側に着脱自在に装着可能な荷降ろし補助具とからなり、
簡易クレーンは、
基部寄りに固着して装着されるか、または着脱自在に装着された1または複数の巻き掛け式のブレーキ部を有し、
各巻き掛け式のブレーキ部は、滑車取り付け部に懸吊した滑車またはシーブに巻き掛けられる荷降ろしロープの内、荷降ろし対象部材が吊るされる下降側とは反対の上昇側が巻き掛けられる摩擦発生用の固定の胴部を含み、
荷降ろし補助具は、
荷降ろしを行う足場の構造物の内、簡易クレーンの下側に着脱自在に装着される基部部材と、
基部部材に固着して装着されるか、または着脱自在に装着された1または複数の巻き掛け式のブレーキ部と、
を備え、
各巻き掛け式のブレーキ部は、簡易クレーンに最後に巻き掛けられたブレーキ部から垂れ下がった荷降ろしロープが巻き掛けられる摩擦発生用の固定の胴部を含むこと、
を特徴としている。
請求項4記載の発明では、
荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられる滑車を懸吊する滑車取り付け部、または荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられるシーブを前部に備え、荷降ろしを行う足場の構造物に着脱自在に装着可能な簡易クレーンにおいて、
簡易クレーンの基部寄りに固着して装着されるか、または着脱自在に装着された複数の巻き掛け式のブレーキ部を設け、
各巻き掛け式のブレーキ部は、滑車取り付け部に懸吊した滑車またはシーブに巻き掛けられる荷降ろしロープの内、荷降ろし対象部材が吊るされる下降側とは反対の上昇側が巻き掛けられる摩擦発生用の固定の胴部を含むこと、
を特徴としている。
請求項5記載の発明では、
荷降ろしを行う足場の構造物に、荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられる滑車を懸吊する滑車取り付け部、または荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられるシーブを前部に備えた簡易クレーンを設置するとともに、荷降ろしを行う足場の構造物の内、簡易クレーンの下側に、荷降ろしロープが巻き掛けられる摩擦発生用の固定の胴部を含む1または複数の巻き掛け式のブレーキ部を装着した荷降ろし補助具を設置し、
荷降ろしロープを簡易クレーンの滑車取り付け部に懸吊した滑車またはシーブと、各巻き掛け式のブレーキ部の胴部に巻き掛け、滑車またはシーブから垂れ下がった荷降ろしロープに荷降ろし対象部材を吊るして地上に向けて落下させ、
荷降ろし対象部材を地上に向け落下させたあとの初めの内は上昇側の荷降ろしロープの移動を手で拘束しないようにして、荷降ろし対象部材の降下速度が上がると胴部に巻き掛けられた荷降ろしロープが遠心力で胴部の外側に膨らむようにし、
荷降ろし対象部材が降下している途中で、荷降ろしロープが最後に巻き掛けられた胴部から垂れ下がった荷降ろしロープの移動を手で拘束したときの荷降ろしロープと胴部との接触で発生する摩擦により荷降ろしロープにブレーキを掛けながら荷降ろしすること、
を特徴としている。
請求項6記載の発明では、
荷降ろしを行う足場の構造物に、荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられる滑車を懸吊する滑車取り付け部、または荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられるシーブを前部に備え、基部寄りに荷降ろしロープが巻き掛けられる摩擦発生用の固定の胴部を含む1または複数の巻き掛け式のブレーキ部が装着された簡易クレーンを設置するとともに、荷降ろしを行う足場の構造物の内、簡易クレーンの下側に、荷降ろしロープが巻き掛けられる摩擦発生用の固定の胴部を含む1または複数の巻き掛け式のブレーキ部を装着した荷降ろし補助具を設置し、
荷降ろしロープを簡易クレーンの滑車取り付け部に懸吊した滑車またはシーブと、簡易クレーンの各巻き掛け式のブレーキ部の胴部と、荷降ろし補助具の各巻き掛け式のブレーキ部の胴部に巻き掛け、滑車またはシーブから垂れ下がった荷降ろしロープに荷降ろし対象部材を吊るして地上に向けて落下させ、
荷降ろし対象部材を地上に向け落下させたあとの初めの内は上昇側の荷降ろしロープの移動を手で拘束しないようにして、荷降ろし対象部材の降下速度が上がると胴部に巻き掛けられた荷降ろしロープが遠心力で胴部の外側に膨らむようにし、
荷降ろし対象部材が降下している途中で、荷降ろしロープが最後に巻き掛けられた胴部から垂れ下がった荷降ろしロープの移動を手で拘束したときの荷降ろしロープと各胴部との接触で発生する摩擦により荷降ろしロープにブレーキを掛けながら荷降ろしすること、
を特徴としている。
請求項7記載の発明では、
荷降ろしを行う足場の構造物に、荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられる滑車を懸吊する滑車取り付け部、または荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられるシーブを前部に備えるとともに、基部寄りに荷降ろしロープが巻き掛けられる摩擦発生用の固定の胴部を含む複数の巻き掛け式のブレーキ部が装着された簡易クレーンを設置し、
荷降ろしロープを簡易クレーンの滑車取り付け部に懸吊した滑車またはシーブと、各巻き掛け式のブレーキ部の胴部に巻き掛け、滑車またはシーブから垂れ下がった荷降ろしロープに荷降ろし対象部材を吊るして地上に向けて落下させ、
荷降ろし対象部材を地上に向け落下させたあとの初めの内は上昇側の荷降ろしロープの移動を手で拘束しないようにして、荷降ろし対象部材の降下速度が上がると胴部に巻き掛けられた荷降ろしロープが遠心力で胴部の外側に膨らむようにし、
荷降ろし対象部材が降下している途中で、荷降ろしロープが最後に巻き掛けられた胴部から垂れ下がった荷降ろしロープの移動を手で拘束したときの荷降ろしロープと各胴部との接触で発生する摩擦により荷降ろしロープにブレーキを掛けながら荷降ろしすること、
を特徴としている。
請求項1、2において、胴部の外表面の全部または一部に摩擦用ロープを付設しても良い。
請求項1乃至4において、荷降ろしロープが最後に巻き掛けられる巻き掛け式の胴部を縦長に形成しても良い。
請求項5乃至7において、ブレーキを掛ける際、上昇側ロープを手で拘束する力を加減してブレーキの効きを加減するようにしても良い。
各請求項において、巻き掛け式のブレーキ部に、胴部の端部に設けられて荷降ろしロープが胴部から外れるのを阻止するストッパを含めても良い。
請求項1乃至7において、胴部は荷降ろしロープを巻き掛ける外面が外部に露出するようにし、胴部に対し荷降ろしロープを巻き掛け、取り外し自在に巻き掛け可能としても良い。
本発明によれば、荷降ろしロープを簡易クレーン前部の滑車(またはシーブ)と巻き掛け式のブレーキ部の胴部に巻き掛け、滑車(またはシーブ)から垂れ下がった荷降ろしロープに荷降ろし対象部材を吊るして地上に向け落下させたあと、荷降ろし対象部材の降下速度が上がると、遠心力で荷降ろしロープが胴部から離れるか、軽く接触するだけであり、円滑に落下する。荷降ろしロープの上昇移動を皮手袋をした手で拘束すると荷降ろしロープが胴部の表面に対し大きな押圧力で接触して大きな摩擦力が生じブレーキが掛かる。これにより、上昇側ロープを強く握らなくても荷降ろし対象部材をゆっくり地上に降ろすことができる。従って、皮手袋をした手と上昇側ロープとの間の摩擦熱は小さく、火傷する恐れがなくなり、作業者の身体的な負担が軽減する。
また、他の発明によれば、複数の巻き掛け式のブレーキ部に荷降ろしロープの上昇側を巻き掛けるようにしたことにより、胴部への巻き掛け量の自由度が増し、現場の状況に合わせてブレーキの効き具合を容易に調節可能となる。
従来のビティ式仮設足場の解体方法を示す説明図である。 本発明の第1実施例に係る荷降ろし補助具の使用方法を示す斜視図である(実施例1)。 図2中の荷降ろし補助具周りの一部省略した拡大外観斜視図である。 図2中の荷降ろし補助具の使用方法を示す説明図である。 図2中の荷降ろし補助具の変形例を示すの説明図である。 図2中の荷降ろし補助具の他の変形例を示すの説明図である。 図6の荷降ろし補助具の使用方法の説明図である。 図6の荷降ろし補助具の使用方法の説明図である。 図2中の荷降ろし補助具の更に他の変形例を示すの説明図である。 図9の荷降ろし補助具の使用方法の説明図である。 図9の荷降ろし補助具の使用方法の説明図である。 本発明の第2実施例に係る荷降ろし装置の使用方法を示す一部省略した側面図である(実施例2)。 図12中の荷降ろし装置の一部省略した拡大外観斜視図である。 本発明の第3実施例に係る荷降ろし装置の使用方法を示す一部省略した斜視図である(実施例3)。 図14中の荷降ろし補助具の下部を示す一部省略した外観斜視図である。 図14中の荷降ろし補助具の下部を示す一部省略した説明図であり、(1)は荷降ろし補助具の下部を示す一部省略した側面図、(2)は(1)の正面図、(3)は(1)の背面図である。 図14中の荷降ろし補助具の下側のブレーキ部の作用説明図である。 本発明の第4実施例に係る荷降ろし装置の使用方法を示す一部省略した側面図である(実施例4)。 図18中の荷降ろし装置の一部省略した拡大外観斜視図である。 図18の荷降ろし装置の使用方法の説明図である。 図18中の荷降ろし補助具の変形例を示すの説明図である。 図21の荷降ろし補助具の使用方法の説明図である。 図18中の荷降ろし補助具の他の変形例を示すの説明図である。 図23の荷降ろし補助具の使用方法の説明図である。 図18中の荷降ろし装置の変形例を示すの説明図である。 図25の荷降ろし装置の使用方法の説明図である。 図18中の荷降ろし装置の他の変形例を示すの説明図である。 図18中の簡易クレーンの変形例の説明図である。 図18中の簡易クレーンの他の変形例の説明図である。 図29の簡易クレーンの使用方法の説明図である。 図18中の簡易クレーンの更に他の変形例の説明図である。 本発明の第5実施例に係る荷降ろし装置の使用方法を示す一部省略した側面図である(実施例5)。 図32の荷降ろし装置の使用方法の説明図である。 図32の荷降ろし装置の使用方法の説明図である。 本発明の他の変形例に係る簡易クレーンの説明図である。
以下、本発明の最良の形態を実施例に基づき説明する。
図2と図3を参照して本発明の第1実施例を説明する。図2は本発明に係る荷降ろし方法を具現した簡易クレーンと荷降ろし補助具の使用状態を示す一部省略した斜視図、図3は図2中の荷降ろし補助具周りの一部省略した拡大外観斜視図である。これらの図において、図1と同一の構成部分には同一の符号が付してある。
図2において、200は建物、201は建物200の脇に仮設されたビティ式仮設足場であり、解体途中の状態を示す。202はビティ式仮設足場201の建物側を建物200の前面に仮固定しているアンカーボルトであり、足場の解体が進行するに伴い、順次取り外される。ビティ式仮設足場201の最上部のステージに建枠部材2が一脚立設されており、この建枠部材2の前側の縦枠8の上端部に全体が鋼製の簡易クレーン10が着脱自在に装着されている。簡易クレーン10は図3の上部に示す如く、上下方向に配設された角パイプからなる基部支柱11、基部支柱11の背面側の上部に設けられて縦枠8に着脱自在なクランプ12、基部支柱11の背面側の下部に設けられて縦枠8に係脱自在な係合爪13、基部支柱11の上端部から斜め上前方へ延設された角パイプからなるアーム部14、アーム部14の前端部に固着されたU字状の滑車取り付け部15、アーム部14の下面側の途中と基部支柱11の下端部の前面側との間に斜め方向に固着された補強部材16とから成る。基部支柱11、アーム部14、補強部材16によりブラケット17が構成されている。滑車取り付け部15には荷降ろし用のフック首廻し式の滑車20を着脱自在に懸吊可能になっている。なお、係合爪13はクランプと置き換えても良い。
縦枠8の前面側で簡易クレーン10のすぐ下に、全体が鋼製の荷降ろし補助具30が着脱自在に装着されている。ビティ式仮設足場201の最上部のステージに載った作業員Aは簡易クレーン10に懸吊した滑車20に荷降ろしロープ3を巻き掛け、荷降ろし補助具30の後述するブレーキ部34にも巻き掛けて荷降ろし対象の建枠部材6を地上に荷降ろしする。
荷降ろしロープ3は、麻ロープ(マニラ麻ロープを含む)、綿ロープなどの天然繊維系ロープ、ポリプロピレンロープ、ビニロンロープ(クレモナロープ)、ビニロンとポリエチレン、ビニロンとエステルなどの混撚ロープなどである。
荷降ろし補助具30は、図3の下部に示す如く、上下方向に延びた角パイプからなる基部支柱31を有し、基部支柱31の背面側の上下に装着されたクランプ32、33により、建枠部材2の前側の縦枠8に着脱自在に装着可能となっている。基部支柱31の前側(クランプ32、33とは反対側)には、巻き掛け式のブレーキ部34が装着されている。このブレーキ部34は荷降ろしロープ3を巻き掛けて摩擦によるブレーキを掛けるためのものである。ブレーキ部34の内、35はブレーキドラムとしての鋼製で円筒状の胴部であり、一端に荷降ろし対象部材を吊持して滑車20に巻き掛けられる荷降ろしロープ3の内、荷降ろし対象部材とは反対の上昇側が巻き掛けられる。36と37は胴部35の左右両端に装着された円環状のストッパであり、荷降ろしロープ3が胴部35から外れないようにする。38と39は胴部35の軸方向の中央部分を基部支柱31の前面側に固着する固着プレートである。胴部35は軸が左右方向に水平に配設されている。
胴部35は背面側の中央部分が固着プレート38、39に支持されることにより、荷降ろしロープ3を巻き掛ける左右の外周面が外部に露出しており、胴部35の外側からの胴部35への荷降ろしロープ3の巻き掛け、取り外しを自在に行えるようになっている。また胴部35は固着プレート38、39により回転不能に固定されているので、胴部35の外周面に荷降ろしロープ3を接触させて大きな摩擦力を発生させ、移動中の荷降ろしロープ3にブレーキを掛けることができる。なお、荷降ろしロープ3が胴部35に接触する接触長さが長くなったり、胴部35に接触した荷降ろしロープ3が胴部35を押圧する力が大きくなると摩擦力が大きくなり、接触長さが短くなったり、押圧力が小さくなると摩擦力が小さくなる。
図4は上記した簡易クレーン10と荷降ろし補助具30による荷降ろし方法の説明図であり、以下、この図を参照して上記した実施例の作用を説明する。
図2に示す如く、予めビティ式仮設足場201の最上部のステージから上方に立脚された建枠部材2の前側の縦枠8の上端部に簡易クレーン10が装着済みであり、かつ簡易クレーン10の下側に荷降ろし補助具30が装着済みであるとする。具体的には、簡易クレーン10は基部支柱11の係合爪13を縦枠8の前面に係合し、クランプ12により縦枠8の前面に締結してある。滑車取り付け部15にはフック首廻し式の滑車20が懸吊してある。荷降ろし補助具30は基部支柱31が簡易クレーン10のすぐ下で、クランプ32、33により縦枠8の前面に締結してある。
ビティ式仮設足場201の最上部のステージに配置した作業員Aは、荷降ろしロープ3を滑車20に巻き掛けるとともに、荷降ろしロープ3の手元側(滑車20に巻き掛けられる荷降ろしロープ3の内、荷降ろし対象部材とは反対の上昇側)をブレーキ部34の胴部35に約1/12周乃至1/8周程度か、それより1周または2周多い程度巻き掛けておく(胴部35への巻き掛け量は荷降ろし対象部材の重量、荷降ろし高さ、荷降ろしロープの長さなどで調節する。例えば、荷降ろし対象部材の重量がブレーキ部34の胴部35から垂れ下がった上昇側ロープ3bの重量(地上とブレーキ部34との間の部分の重量であり、地上に横たわった部分を除く)より遥かに重いときは巻き掛け量を多くすることもできる)。そして、滑車20から垂れ下がった下降側ロープ3aの下端の輪部5にカラビナ21と玉掛けロープ22を介して荷降ろし対象の建枠部材6を吊持する。この際、簡易クレーン10のアーム部14が斜め上方に向いており、滑車20の位置が高くなっているので、輪部5に吊持された建枠部材6の下端が作業員Aの配置した足場ステージ24、25にぶつかり難くなり、建枠部材6の取り扱いが容易となる。
ブレーキ部34の胴部35から垂れ下がった上昇側ロープ3bを上昇移動を拘束しないように皮手袋をした手で支持しながら建枠部材6を地上に投下する。荷降ろし対象部材の重量がブレーキ部34から垂れ下がった上昇側ロープ3bの重量より遥かに重いものとすると、すぐに下降速度が一定以上に速くなり、胴部35に巻き掛けられた荷降ろしロープ3は遠心力で胴部35の半径方向外側に膨らんだ大きな円弧(または円)を描き、拡径しながら移動するので胴部35の表面に殆ど接触しないか、胴部35の表面に対し比較的小さな押圧力で軽く接触するだけであり、摩擦力が殆ど生じないか小さな摩擦力が発生するだけで、円滑に建枠部材6は落下する。
滑車20がビティ式仮設足場201の前面より前方に離れているので、荷降ろし中の建枠部材6とビティ式仮設足場201の前面との間に距離があき、建枠部材6に上昇側ロープ3bの下端の輪部(図1の符号7参照)が引っ掛かる恐れが少ない。このため、作業員Aは荷降ろし中の建枠部材6がビティ式仮設足場201の前面に衝突しないように下降側ロープ3aを前方に押す必要があまりなく、上昇側ロープ3bを手で制御して下端の輪部7が荷降ろし中の建枠部材6に引っ掛からないように注意すればよく、作業性が良好となる。
なお、荷降ろし高さが高いなど、投下時にブレーキ部34の胴部35から垂れ下がった上昇側ロープ3bの重量が荷降ろし対象部材の重量と比べてそれほど軽くないとき、最初の内は下降速度が遅く、荷降ろしロープ3が胴部35の表面に接触しながら移動する。このため、上昇側ロープ3bと胴部35との間に少し摩擦力が発生し、上昇側ロープ3bは少しブレーキが掛かった状態で上昇移動するが、建枠部材6の下降が進むと下降側ロープ3aの重量が増して下降速度が速くなり、胴部35に巻き掛けられた荷降ろしロープ3は遠心力で胴部35の半径方向外側に膨らんだ大きな円弧(または円)を描き、拡径しながら移動するようになる。
建枠部材6が地上に近づいたところで、胴部35の下側の上昇側ロープ3bを皮手袋をした両手または片手で掴み、上方移動を少し拘束すると、ブレーキ部34の固定の胴部35に巻き掛けられた荷降ろしロープ3が締まって縮径し、胴部35の表面に大きな押圧力で接触して大きな摩擦力が生じ、荷降ろしロープ3の移動にブレーキが掛かる。これにより、上昇側ロープ3bを強く握らなくても建枠部材6をゆっくり地上に降ろすことができる。
なお、ブレーキを掛ける際、荷降ろしロープ3の上昇移動を手で拘束する力を加減することで、胴部35に接触した荷降ろしロープ3が胴部35の表面を押圧する力を加減することができ、胴部35と荷降ろしロープ3の接触による摩擦力を加減してブレーキの効きを制御できる。
地上の作業員(図1の符号B参照)は荷降ろしロープ3から建枠部材6を外し、空きスペースに積み上げる。作業員Aは荷降ろしロープ3の上昇側ロープ3bをブレーキ部34の胴部35から外し、滑車20をフック首を軸にして180度回転し、荷降ろしロープ3の上昇側と下降側を入れ替えたのち、同様の作業を繰り返して他の足場部材(建枠部材、足場ステージなど)を荷降ろしする(なお、荷降ろしロープ3の輪部7の側にもカラビナを介して玉掛けロープが吊持されている。図33、図34参照)。
この実施例によれば、解体対象のビティ式仮設足場201の最上部のステージに立脚された建枠部材2の前面側の縦枠8の上端部の上下に簡易クレーン10と荷降ろし補助具30を着脱自在に装着しておき、荷降ろしロープ3を簡易クレーン10に懸吊した滑車20に巻き掛けるとともにブレーキ部34の回転しない固定の胴部35に巻き掛け、滑車20から下がった荷降ろしロープ3に荷降ろし対象の建枠部材6を吊るして地上に投下したあと降下速度が一定以上に速くなると、胴部35に巻き掛けられた荷降ろしロープ3は遠心力で胴部35の半径方向外側に膨らんだ大きな円弧(または円)を描き、拡径しながら移動するので胴部35の表面に殆ど接触しないか、胴部35の表面に対し比較的小さな押圧力で軽く接触するだけであり、摩擦力が殆ど生じず、円滑に建枠部材6は落下する。建枠部材6が地上に近づいたところで、胴部35の下側の上昇側ロープ3bを皮手袋をした両手または片手で掴み、上方移動を少し拘束すると、ブレーキ部34の固定の胴部35に巻き掛けられた荷降ろしロープ3が締まって縮径し、胴部35の表面に大きな押圧力で接触して大きな摩擦力が生じ、ブレーキが掛かる。これにより、上昇側ロープ3bを強く握らなくても建枠部材6をゆっくり地上に降ろすことができる。
従って、作業者Aの身体的負担が軽減し、また皮手袋と上昇側ロープ3bとの間の摩擦熱は小さく、火傷する恐れがなくなり、作業の中断や遅延が生じ難く作業性が改善する。また皮手袋の損傷も少なく経済的となる。また、手に皮手袋だけ嵌めればよいので、厚くならず、これによっても作業性が改善する。また、ブレーキを掛けるときに下降側ロープ3aと上昇側ロープ3bの両方をまとめて握らなくて良いので、荷降ろし対象の建枠部材6に上昇側ロープ3bが引っ掛かる恐れが少なくなる。
また、ブレーキを掛ける際、荷降ろしロープ3の上昇移動を手で拘束する力を加減することで、胴部35に接触した荷降ろしロープ3が胴部35の表面を押圧する力を加減することができ、胴部35と荷降ろしロープ3の接触による摩擦力を加減してブレーキの効きを制御できる。
また、胴部35は背面側の中央部分が固着プレート38、39に支持されることにより、荷降ろしロープ3を巻き掛ける左右の外周面が外部に露出しており、胴部35の外側からの胴部35への荷降ろしロープ3の巻き掛け、取り外しを自在に行える。
また、荷降ろし補助具30の建枠部材2への設置は、基部支柱31に装着されたクランプ32、33により縦枠8に締結するだけでよく、簡単な作業で済む。
なお、上記した実施例では、ブレーキ部の鋼製の胴部の外周表面と荷降ろしロープの間で生じる摩擦力でブレーキが掛かるようにしたが、胴部の外周表面の軸方向の全部または一部を覆うようにして、ロープ、皮シート、ゴムシート、布シート等の摩擦部材を胴部の表面に装着し、鋼製の胴部表面と比較して、荷降ろしロープが摩擦部材と接触することで、より大きな摩擦力が生じるようにしても良い。図5に摩擦部材としての摩擦用ロープ40を胴部35の外周面に平巻き状に巻装した荷降ろし補助具30Aを示す。摩擦用ロープ40には麻ロープ、ポリプロピレンロープなど、荷降ろしロープと同様の素材を用いることができる。
また、荷降ろし補助具に、胴部の下側の上昇側ロープと一緒に掴むことにより摩擦力を増大できる掴み式のブレーキ部を付設しても良い。例えば、図6に示す荷降ろし補助具30Bの如く、摩擦用ロープ40の巻装された胴部35の中央に数本のロープ紐41、42を吊持し、胴部35に巻き掛けられた荷降ろしロープ3の上昇側ロープ3bをロープ紐41、42と一緒に掴むことにより、荷降ろしロープ3と胴部35に巻装された摩擦用ロープ40との接触に加えて、ロープ紐41、42とも荷降ろしロープ3が接触することで、より大きな摩擦力を得ることができる(図7、図8参照)。胴部35に3本以上のロープ紐を吊持しても良い。
或いは、図9に示す荷降ろし補助具30Cの如く、摩擦用ロープ40の巻装された胴部35の中央に、ロープ部材を略わらじ状に編んで変形性、摩擦性、耐久性を持たせたマット体43を吊持紐44により吊持し、胴部35に巻き掛けられた荷降ろしロープ3の上昇側ロープ3bをマット体43を挟んで一緒に掴むことにより、荷降ろしロープ3と胴部35に巻装された摩擦ロープ40との接触に加えて、マット体43と荷降ろしロープ3とが接触することで、より大きな摩擦力を得ることができる(図10、図11参照)。
荷降ろしロープ3をブレーキ部34の胴部35に巻き掛けた状態で、荷降ろし対象部材を地上に投下したあとは、胴部35への巻き掛け量を大きく増やすことは困難であり、下降速度が速くなりすぎた場合に、胴部35でのブレーキが間に合わなくなる恐れがある。図6、図9の如く掴み式のブレーキ部を組み合わせることにより、荷降ろしロープ3を掴み式のブレーキ部と一緒に掴むと、荷降ろし対象部材を下降させたときに、手の中で移動する荷降ろしロープ3と掴み式のブレーキ部の間に大きな摩擦力が働き、荷降ろし高さが高いなどの理由で荷降ろし対象部材の降下速度が速い場合でも、確実にブレーキを掛けることができる。このように、巻き掛け式のブレーキ部と掴み式のブレーキ部を組み合わせることにより、ブレーキを掛ける自由度が高くなり、降下中でもブレーキの効き具合を容易に調節可能となる。
また、掴み式のブレーキ部と一緒に荷降ろしロープを掴むことで、作業者の手に摩擦熱がより伝わり難くなり、皮手袋もより損傷し難くなる。図6、図9の例では胴部35には摩擦用ロープ40が巻装されているが、図3の如く摩擦用ロープの無い胴部35からロープ紐41、42、マット体43を吊持するようにしても良いのは勿論である。
ロープ紐41、42、マット体43には前述した荷降ろしロープ用の各種ロープ素材を用いることができる。ロープ紐41と42のロープ素材は同一でも良く、異なっていても良い。マット体43は一種類のロープ素材で編んでも、複数種のロープ素材を混ぜて編んでも良い。
また、上記した実施例ではブレーキドラムとしての胴部を円筒状としたが、円柱状、楕円柱状、角を丸めた四角柱や六角柱などの多角柱状、中央が太く両側が細い太鼓状、中央が細く両側が太い糸巻き状などの形状としても良い。胴部は、巻き掛けられた荷降ろしロープとの間で接触摩擦を生じる胴形の摩擦発生手段として機能するものである。
また、上記した実施例では、簡易クレーンは、アーム部の前端部に装着した滑車取り付け部に滑車を懸吊するタイプとし、荷降ろしロープを滑車に巻き掛けたのち、ブレーキ部の胴部に巻き掛けるようにしたが、本発明は何らこれに限定されず、アーム部の前端部に滑車取り付け部に代えて、荷降ろしロープを巻き掛けるシーブを装着したタイプとしても良い。また、アーム部を前方斜め上方へ延設する代わりに、前方へ水平に延設するようにしても良い。
また、荷降ろし補助具をクサビ緊結式仮設足場用に変更したい場合、基部支柱の背面側の上端部に、クサビ緊結式仮設足場の建地部材のポケットに挿脱自在に嵌合可能なクサビ部を装着し、基部支柱の背面側の下端部に建地部材に着脱自在に締結可能なクランプを装着すれば良い。簡易クレーンもクサビ緊結式仮設足場用に変更したい場合、基部支柱の背面側の上端部に、クサビ緊結式仮設足場の建地部材のポケットに挿脱自在に嵌合可能なクサビ部を装着し、基部支柱の背面側の下端部に建地部材に係合可能な係合爪または建地部材に着脱自在に締結可能なクランプを装着すれば良い。
次に、図12と図13を参照して本発明の第2実施例を説明する。図12は本発明に係る荷降ろし方法を具現した簡易クレーンと荷降ろし補助具の使用状態を示す一部省略した側面図、図13は図12中の荷降ろし補助具周辺の拡大斜視図である。これらの図において、図2、図3と同一の構成部分には同一の符号が付してある。
前述した第1実施例では荷降ろし補助具に巻き掛け式のブレーキ部を1つ設けた例を示したが、第2実施例は複数の巻き掛け式のブレーキ部を設けた例を示す。
図12において、ビティ式仮設足場201の最上部のステージに1脚立設された建枠部材2の縦枠8の前面側で簡易クレーン10のすぐ下に、全体が鋼製の荷降ろし補助具30Dが着脱自在に装着されている。ビティ式仮設足場201の最上部のステージに載った作業員Aは簡易クレーン10に懸吊した滑車20に荷降ろしロープ3を巻き掛けるとともに、荷降ろし補助具30Dの後述する第1のブレーキ部34aと第2のブレーキ部34bにも巻き掛けて荷降ろし対象の建枠部材6を地上に荷降ろしする。
第1のブレーキ部34aと第2のブレーキ部34bの両方に巻き掛けることで、第1実施例の一つのブレーキ部だけ用いる場合とは異なる巻き掛け量を実現することができる。例えば、第1実施例の1つのブレーキ部では、荷降ろしロープ3を胴部に一周以下で巻き掛ける場合、約1/12周乃至1/8周程度となる。これに対し、第2実施例では、第1のブレーキ部34aの胴部に約1/6周程度巻き掛け、第2のブレーキ部34bの胴部に1/12周乃至1/8周程度巻き掛けることで、合わせて1/4周程度の巻き掛け量を実現できる。
荷降ろし補助具30Dは、図13の下部に示す如く、縦方向に延びた角パイプからなる基部支柱31Dを有し、基部支柱31Dの背面側の上下に装着されたクランプ32、33により、建枠部材2の前側の縦枠8に着脱自在に装着可能となっている。基部支柱31Dの前側(クランプ32、33とは反対側)の上下には、第1実施例のブレーキ部34と同形な巻き掛け式の第1、第2のブレーキ部34a、34bが装着されている。第1、第2のブレーキ部34a、34bは各々荷降ろしロープ3を巻き掛けて摩擦によるブレーキを掛けるためのものである。ブレーキ部34a、34bの内、35a、35bはブレーキドラムとしての鋼製で円筒状の胴部であり、一端に荷降ろし対象部材を吊持して滑車20に巻き掛けられる荷降ろしロープ3の内、荷降ろし対象部材とは反対の上昇側が巻き掛けられる。36aと37a、36bと37bは胴部35a、35bの左右両端に装着された円環状のストッパであり、荷降ろしロープ3が胴部35a、35bから外れないようにする。38aと39a、38bと39bは胴部35a、35bの軸方向の中央部分を基部支柱31Dの前面側に固着する固着プレートである。胴部35a、35bは軸が左右方向に水平に配設されている。
胴部35a、35bは背面側の中央部分が固着プレート38a、39a、38b、39bに支持されることにより、荷降ろしロープ3を巻き掛ける左右の外周面が外部に露出しており、胴部35a、35bの外側からの胴部35a、35bへの荷降ろしロープ3の巻き掛け、取り外しを自在に行えるようになっている。また、胴部35a、35bは固着プレート38a、39a、38b、39bにより回転不能に固定されているので、胴部35a、35bの外周面に荷降ろしロープ3を接触させると摩擦力が発生し、移動中の荷降ろしロープ3にブレーキが掛かる。なお、荷降ろしロープ3が胴部35a、35bに接触する接触長さが長くなったり、胴部35a、35bに接触した荷降ろしロープ3が胴部35a、35bを押圧する力が大きくなると摩擦力が大きくなり、接触長さが短くなったり、押圧力が小さくなると摩擦力が小さくなる。
図12の他の構成部分は図2と同様に構成されている。
次に上記した第2実施例の作用を説明する。
図12に示す如く、予めビティ式仮設足場201の最上部のステージから上方に立脚された建枠部材2の前側の縦枠8の上端部に簡易クレーン10が装着済みであり、かつ簡易クレーン10の下側に荷降ろし補助具30Dが装着済みであるとする。荷降ろし補助具30Dは基部支柱31Dが簡易クレーン10のすぐ下で、クランプ32、33により縦枠8の前面に締結してある。
ビティ式仮設足場201の最上部のステージに配置した作業員Aは、荷降ろしロープ3を滑車20に掛けたあと、荷降ろしロープ3の手元側(滑車20に巻き掛けられる荷降ろしロープ3の内、荷降ろし対象部材とは反対の上昇側)を第1のブレーキ部34aの胴部35aに約1/6周程度巻き掛け、更に第2のブレーキ部34bの胴部35bにも約1/12周乃至1/8周程度巻き掛けておく。そして、滑車20から垂れ下がった下降側ロープ3aの下端の輪部5に荷降ろし対象の建枠部材6を吊持する。
第2のブレーキ部34bから垂れ下がった上昇側ロープ3bを上昇移動を拘束しないように皮手袋をした手で支持しながら建枠部材6を地上に投下する。荷降ろし対象部材の重量が第2のブレーキ部34bから垂れ下がった上昇側ロープ3bの重量(地上と第2のブレーキ部34bとの間の部分の重量であり、地上に横たわった部分を除く)より遥かに重いものとすると、すぐに下降速度が一定以上に速くなり、第1、第2のブレーキ部34a、34bの胴部35a、35bに巻き掛けられた荷降ろしロープ3は遠心力で胴部35a、35bの半径方向外側に膨らんだ大きな円弧を描き、拡径しながら移動するので胴部35a、35bの表面に殆ど接触しないか、胴部35a、35bの表面に対し比較的小さな押圧力で軽く接触するだけであり、摩擦力が殆ど生じないか小さな摩擦力が発生するだけで、円滑に建枠部材6は落下する。
滑車20がビティ式仮設足場201の前面より前方に離れているので、荷降ろし中の建枠部材6とビティ式仮設足場201の前面との間に距離があき、建枠部材6に上昇側ロープ3bの下端の輪部(図1の符号7参照)が引っ掛かる恐れが少ない。このため、作業員Aは荷降ろし中の建枠部材6がビティ式仮設足場201の前面に衝突しないように下降側ロープ3aを前方に押す必要があまりなく、上昇側ロープ3bを手で制御して下端の輪部7が荷降ろし中の建枠部材6に引っ掛からないように注意すればよく、作業性が良好となる。
なお、荷降ろし高さが高いなど、投下時に第2のブレーキ部34bから垂れ下がった上昇側ロープ3bの重量が荷降ろし対象部材の重量と比べてそれほど軽くないとき、最初の内は下降速度が遅く、荷降ろしロープ3が胴部35a、35bの表面に接触しながら移動する。この場合、作業員Aは第2のブレーキ部34bの下側の上昇側ロープ3bを手で前寄りに支持し、荷降ろしロープ3と胴部35bとが接触しないようにするか、接触長さを短くすることで、少ない抵抗で下降させることができる。
建枠部材6の下降が進み、荷降ろし対象部材と下降側ロープ3aを合わせた重量が上昇側ロープ3bの重量より或る程度大きくなって下降速度が一定以上に速くなると、胴部35a、35bに巻き掛けられた荷降ろしロープ3は遠心力で胴部35a、35bの半径方向外側に膨らんだ大きな円弧を描き、拡径しながら移動するようになる。
建枠部材6が地上に近づいたところで、荷降ろしロープ3が最後に巻き掛けられた第2のブレーキ部34bの胴部35bの下側の上昇側ロープ3bを皮手袋をした両手または片手で掴み、上方移動を少し拘束すると、第1、第2のブレーキ部34a、34bの固定の胴部35a、35bに巻き掛けられた荷降ろしロープ3が締まって縮径し、胴部35a、35bの表面に大きな押圧力で接触して大きな摩擦力が生じ、荷降ろしロープ3の移動にブレーキが掛かる。
より強くブレーキを掛けたい場合は、上昇側ロープ3bを後ろ側(手元側)に引き、上昇側ロープ3bを胴部35bに押し当てながら胴部35bへの巻き掛け量を増やしたり、上昇側ロープ3bの上昇移動を手で拘束する力を増やし、胴部35a、35bに接触した上昇側ロープ3bが胴部35a、35bの表面を押圧する力を増やせば良い。反対にブレーキを弱めたい場合は、上昇側ロープ3bを前側に押し、上昇側ロープ3bの胴部35bへの巻き掛け量を減らしたり、上昇側ロープ3bの上昇移動を手で拘束する力を弱めて、胴部35a、35bに接触した上昇側ロープ3bが胴部35a、35bの表面を押圧する力を弱めれば良い。
このようにして、上昇側ロープ3bを強く握らなくても建枠部材6をゆっくり地上に降ろすことができる。
地上の作業員は荷降ろしロープ3から建枠部材6を外し、空きスペースに積み上げる。作業員Aは荷降ろしロープ3の上昇側ロープ3bを第1、第2のブレーキ部34a、34bの胴部35a、35bから外し、滑車20をフック首を軸にして180度回転し、荷降ろしロープ3の上昇側と下降側を入れ替えたのち、同様の作業を繰り返して他の足場部材(建枠部材、足場ステージなど)を荷降ろしする。
なお、荷降ろし対象部材の重量が上昇側ロープ3bの重量より遥かに大きいときなど、第1、第2のブレーキ部34a、34bの胴部35a、35bへの巻き掛け量を一周より多くしても良いのは勿論である。
この第2実施例によれば、解体対象のビティ式仮設足場201の最上部のステージに立脚された建枠部材2の前面側の縦枠8の上端部の上下に簡易クレーン10と荷降ろし補助具30Dを着脱自在に装着しておき、荷降ろしロープ3を簡易クレーン10に懸吊した滑車20に巻き掛けるとともに第1、第2のブレーキ部34a、34bの回転しない固定の胴部35a、35bに巻き掛け、滑車20から下がった荷降ろしロープ3に荷降ろし対象の建枠部材6を吊るして地上に投下すると、下降速度が一定以上に速くなったところで、第1、第2のブレーキ部34a、34bの胴部35a、35bに巻き掛けられた荷降ろしロープ3は遠心力で胴部35a、35bの半径方向外側に膨らんだ大きな円弧(または円)を描き、拡径しながら移動するので胴部35a、35bの表面に殆ど接触しないか、胴部35a、35bの表面に対し比較的小さな押圧力で軽く接触するだけであり、摩擦力が殆ど生じないか小さな摩擦力が発生するだけで、円滑に建枠部材6は落下する。
建枠部材6が地上に近づいたところで、第2のブレーキ部34bの胴部35bの下側の上昇側ロープ3bを皮手袋をした両手または片手で掴み、上方移動を少し拘束すると、第1、第2のブレーキ部34a、34bの固定の胴部35a、35bに巻き掛けられた荷降ろしロープ3が締まって縮径し、胴部35a、35bの表面に大きな押圧力で接触して大きな摩擦力が生じ、ブレーキが掛かる。これにより、上昇側ロープ3bを強く握らなくても建枠部材6をゆっくり地上に降ろすことができる。
ブレーキを掛けたときの皮手袋と上昇側ロープ3bとの間の摩擦熱は小さく、火傷する恐れがなくなり、作業者Aの身体的な負担が軽減し、また作業の中断や遅延が生じ難く作業性が改善する。また皮手袋の損傷も少なく経済的となる。また、手に皮手袋だけ嵌めればよいので、厚くならず、これによっても作業性が改善する。また、ブレーキを掛けるときに下降側ロープ3aと上昇側ロープ3bの両方をまとめて握らなくて良いので、荷降ろし対象の建枠部材6に上昇側ロープ3bが引っ掛かる恐れが少なくなる。
また、ブレーキを掛ける際、胴部35bの下側の上昇側ロープ3bを持つ手を少し前に出し、荷降ろしロープ3と胴部35bとの接触長さを短くして摩擦を減らしブレーキの効きを弱めたり、少し後ろ側(手元側)に引き、接触長さを長くして摩擦を増やしブレーキの効きを強めたり、容易に加減することができる。
また、上昇側ロープ3bの上昇移動を手で拘束する力を小さくして、胴部35a、35bに接触した上昇側ロープ3bが胴部35a、35bの表面を押圧する力を弱めたり、上昇側ロープ3bの上昇移動を手で拘束する力を大きくして、胴部35a、35bに接触した上昇側ロープ3bが胴部35a、35bの表面を押圧する力を強めることでも、ブレーキの効きを容易に加減することができる。
また、複数の巻き掛け式のブレーキ部34a、34bに荷降ろしロープ3の上昇側を巻き掛けるようにしたことにより、胴部35a、35bへの巻き掛け量の自由度が増し、現場の状況に合わせてブレーキの効き具合を容易に調節可能となる。
また、胴部35a、35bは背面側の中央部分が固着プレート38a、39a、38b、39bに支持されることにより、荷降ろしロープ3を巻き掛ける左右の外周面が外部に露出しており、胴部35a、35bの外側からの胴部35a、35bへの荷降ろしロープ3の巻き掛け、取り外しを自在に行える。
また、荷降ろし補助具30Dの建枠部材2への設置は、基部支柱31Dに装着されたクランプ32、33により縦枠8に締結するだけでよく、簡単な作業で済む。
なお、上記した第2実施例では、第1、第2のブレーキ部の鋼製の胴部の外周表面と荷降ろしロープの間で生じる摩擦力でブレーキが掛かるようにしたが、胴部の外周表面の軸方向の全部または一部を覆うようにして、ロープ、皮シート、ゴムシート、布シート等の摩擦部材を胴部の表面に装着し、鋼製の胴部表面と比較して、荷降ろしロープが摩擦部材と接触することで、より大きな摩擦力が生じるようにしても良い(図5参照)。また、第2のブレーキ部の胴部の中央等から荷降ろしロープと一緒に掴むことのできるロープ紐、ロープ編みのマット体等の掴み式のブレーキ部を吊持しても良い(図6、図9参照)。
また、上記した第2実施例ではブレーキドラムとしての胴部を円筒状としたが、円柱状、楕円柱状、角を丸めた四角柱や六角柱などの多角柱状、中央が太く両側が細い太鼓状、中央が細く両側が太い糸巻き状などの形状としても良く、第1のブレーキ部と第2のブレーキ部の胴部の形は同一形状としても、異なる形状としても良い。
また、簡易クレーンは、アーム部の前端部に装着した滑車取り付け部に滑車を懸吊するタイプとし、荷降ろしロープを滑車に巻き掛けたのち、ブレーキ部の胴部に巻き掛けるようにしたが、アーム部の前端部に滑車取り付け部に代えて、荷降ろしロープを巻き掛けるシーブを装着したタイプとしても良い。また、アーム部は前方へ水平に延設しても良い。
また、荷降ろし補助具をクサビ緊結式仮設足場用に変更したい場合、基部支柱の背面側の上端部に、クサビ緊結式仮設足場の建地部材のポケットに挿脱自在に嵌合可能なクサビ部を装着し、基部支柱の背面側の下端部に建地部材に着脱自在に締結可能なクランプを装着すれば良い。簡易クレーンもクサビ緊結式仮設足場用に変更したい場合、基部支柱の背面側の上端部に、クサビ緊結式仮設足場の建地部材のポケットに挿脱自在に嵌合可能なクサビ部を装着し、基部支柱の背面側の下端部に建地部材に係合可能な係合爪または建地部材に着脱自在に締結可能なクランプを装着すれば良い。
次に、図14乃至図16を参照して本発明の第3実施例を説明する。図14は本発明に係る荷降ろし方法を具現した簡易クレーンと荷降ろし補助具の使用状態を示す一部省略した斜視図、図15は図14中の荷降ろし補助具の下部を示す一部省略した外観斜視図、図16は図14中の荷降ろし補助具の下部の構成図であり、(1)は荷降ろし補助具の下部の一部省略した側面図、(2)は正面図、(3)は背面図である。これらの図において、図12と同一の構成部分には同一の符号が付してある。
前記した第2実施例では巻き掛け式の第1、第2のブレーキ部を同一構成とした例を示したが、第3実施例では第2のブレーキ部の胴部を縦長構成とした例を示す。
図14乃至図16において、ビティ式仮設足場201の最上部のステージに1脚立設された建枠部材2の縦枠8の前面側で簡易クレーン10のすぐ下に、全体が鋼製の荷降ろし補助具30Eが着脱自在に装着されている。最上部のステージに載った作業員Aは簡易クレーン10に懸吊した滑車20に荷降ろしロープ3を巻き掛け、荷降ろし補助具30Eの後述する第1、第2ブレーキ部34a、340にも巻き掛けて荷降ろし対象の建枠部材6を地上に荷降ろしする。
荷降ろし補助具30Eは後述する摩擦用ロープを除いて全体が鋼製であり、上下方向に延びた角パイプからなる基部支柱31Eを有し、基部支柱31Eの背面側の上端部に装着されたクランプ32と、基部支柱31Eの背面側の下端部に装着されたクランプ33により、建枠部材2の前側の縦枠8に着脱自在に装着可能となっている。
基部支柱31Eの前側(クランプ32、33とは反対側)の上端部と下端部には、巻き掛け式の第1、第2のブレーキ部34a、340が装着されている。第1、第2のブレーキ部34a、340は各々、荷降ろしロープ3を巻き掛けて摩擦によるブレーキを掛けるためのものである。第1のブレーキ部34aは第1実施例のブレーキ部34と同形であり、ブレーキ部34aの内、35aはブレーキドラムとしての鋼製で円筒状の胴部であり、一端に荷降ろし対象部材を吊持して滑車20に巻き掛けられる荷降ろしロープ3の内、荷降ろし対象部材とは反対の上昇側が巻き掛けられる。36aと37aは胴部35の左右両端に装着された円環状のストッパであり、荷降ろしロープ3が胴部35aから外れないようにする。38aと39aは胴部35aの軸方向の中央部分を基部支柱31Eの前面側に固着する固着プレートである。胴部35aは軸が左右方向に水平に配設されている。
胴部35aは背面側の中央部分が固着プレート38a、39aに支持されることにより、荷降ろしロープ3を巻き掛ける左右の外周面が外部に露出しており、胴部35aの外側からの胴部35aへの荷降ろしロープ3の巻き掛け、取り外しを自在に行えるようになっている。また、胴部35aは固着プレート38a、39aにより回転不能に固定されているので、胴部35aの外周面に荷降ろしロープ3を接触させると摩擦力が発生し、移動中の荷降ろしロープ3にブレーキが掛かる。なお、荷降ろしロープ3が胴部35aに接触する接触長さが長くなったり、胴部35aに接触した荷降ろしロープ3が胴部35aを押圧する力が大きくなると摩擦力が大きくなり、接触長さが短くなったり、押圧力が小さくなると摩擦力が小さくなる。
第2のブレーキ部340の内、52、53は基部支柱31Eの下端部の左右両側に固着された支持プレートであり、基部支柱31Eから前方へ互いに平行に延設されるとともに前部が上下に延びている。54と55は支持プレート52、53の上端部間と、上下方向の真ん中より少し上の間に固着された丸棒状のバー、56は支持プレート52、53の下端部間に固着された円筒体である。バー54、55、円筒体56が上段、中段、下段となるように上下に配設されている。バー54、55、円筒体56は軸が左右方向へ水平に延設されており、左右方向に見た中央付近の背面側が支持プレート52、53の前端に固着されて支持されている。バー54と55は同径で小径であり、円筒体56は大径である。側面的に見て、バー54の前端が一番前寄りであり、バー55の前端はバー54より少し後ろ、円筒体56の前端はバー55より更に少し後ろとなるように配設されている。これらのバー54と55、円筒体56の左右両側部には摩擦用ロープ57、58が着脱自在に平巻状に巻装されている。支持プレート52と53、バー54と55、円筒体56、摩擦用ロープ57、58によりブレーキドラムとしての胴部59が構成されている。
胴部59は側面的に見て縦に長く、前方に少し凸な略しずく形に形成されている。バー54、55、円筒体56の左右両端には胴部59の外面に巻き掛けた荷降ろしロープ3が外れないようにするストッパ60、61が固着されている。
バー54の左右方向中央の上端と、円筒体56の左右方向中央の下端に各々上下方向に向けたU字金具62と63、バー54と55の左右方向中央の前端と、円筒体56の左右方向中央の前端に前方に向けたU字金具64乃至66が固着されている。これらのU字金具62乃至66は、掴み式のブレーキ部(図6に示すロープ紐41、42、図9に示すロープ編みのマット体43参照)の吊持等に用いるものである。
支持プレート52、53の基部支柱31Eの近くに2つずつロープ通し孔67と68、69と70が穿設されており、ストッパ60、61の上端部の後寄りにロープ留め溝71、72が設けられている。
ここで、バー54と55、円筒体56に対する摩擦用ロープ57、58の巻装方法を説明する。摩擦用ロープ57の一端側を支持プレート52のロープ通し孔67と支持プレート53のロープ通し孔69に挿通して着脱自在に固定したのち、支持プレート52とストッパ60の間のバー54、55、円筒体56を覆うようにして平巻きし、摩擦用ロープ57の他端側をストッパ60のロープ留め溝71に差し込み、着脱自在に固定する。同様に、摩擦用ロープ58の一端側を支持プレート53のロープ通し孔70と支持プレート52のロープ通し孔68に挿通して着脱自在に固定したのち、支持プレート53とストッパ61の間のバー54、55、円筒体56を覆うようにして平巻きし、摩擦用ロープ58の他端側をストッパ61のロープ留め溝72に差し込み、着脱自在に固定する。
このようにして、バー54、55、円筒体56の左側部分と右側部分の外面に摩擦用ロープ57、58が側面的に見て上下に細長い略しずく形に巻装された胴部59が完成する。
胴部59には、一端に荷降ろし対象部材を吊持して滑車20に巻き掛けられる荷降ろしロープ3の内、荷降ろし対象部材とは反対の上昇側が巻き掛けられる。胴部59は背面側の中央部分が支持プレート52、53に支持されることにより、荷降ろしロープ3を巻き掛ける左右の外周面(摩擦用ロープ57、58の外面)が外部に露出しており、胴部59の外側からの胴部59への荷降ろしロープ3の巻き掛け、取り外しを自在に行えるようになっている。また、胴部59は支持プレート52、53により回転不能に固定されているので、胴部59の外周面に荷降ろしロープ3を接触させると摩擦力が発生し、移動中の荷降ろしロープ3にブレーキが掛かる。なお、荷降ろしロープ3が胴部59の外面に接触する接触長さが長くなったり、胴部59に接触した荷降ろしロープ3が胴部59の外面を押圧する力が大きくなると摩擦力が大きくなり、接触長さが短くなったり、押圧力が小さくなると摩擦力が小さくなる。
図14の他の構成部分は図2と同様に構成されている。
次に、図14と図17を参照して第3実施例の作用を説明する。
図14に示す如く、予めビティ式仮設足場201の最上部のステージから上方に一脚立設された建枠部材2の前側の縦枠8の上端部に簡易クレーン10が装着済みであり、かつ簡易クレーン10の下側に荷降ろし補助具30Eが装着済みであるとする。荷降ろし補助具30Eは基部支柱31Eが簡易クレーン10のすぐ下で、クランプ32、33により縦枠8の前面に締結してある。
ビティ式仮設足場201の最上部のステージに配置した作業員Aは、荷降ろしロープ3を滑車20に掛けたあと、荷降ろしロープ3の手元側を第1のブレーキ部34aの胴部35aに約1/6周程度巻き掛け、更に第2のブレーキ部340の胴部59の左側の摩擦用ロープ57または右側の摩擦用ロープ58の前面側にも巻き掛けておく。そして、滑車20から垂れ下がった下降側ロープ3aの下端の輪部(図12の符号5参照)に荷降ろし対象の建枠部材6を吊持する。
第2のブレーキ部340から垂れ下がった上昇側ロープ3bを上昇移動を拘束しないように皮手袋をした手で支持しながら建枠部材6を地上に投下する。
荷降ろし対象部材の重量が第2のブレーキ部340から垂れ下がった上昇側ロープ3bの重量(地上と第2のブレーキ部340との間の部分の重量であり、地上に横たわった部分を除く)より遥かに重いものとすると、すぐに下降速度が一定以上に早くなり、第1のブレーキ部34aの胴部35aに巻き掛けられた荷降ろしロープ3は遠心力で胴部35aの半径方向外側に膨らんだ大きな円弧を描き、拡径しながら移動するとともに、第2のブレーキ部340の胴部59の丸みの有る上端部でも曲率半径方向外側に膨らんだ大きな円弧を描きながら移動するので胴部35a、59の表面に殆ど接触しないか、胴部35a、59の表面に対し比較的小さな押圧力で軽く接触するだけであり、摩擦力が殆ど生じず、円滑に建枠部材6は落下する。
滑車20がビティ式仮設足場201の前面より前方に離れているので、荷降ろし中の建枠部材6とビティ式仮設足場201の前面との間に距離があき、建枠部材6に上昇側ロープ3bの下端の輪部(図1の符号7参照)が引っ掛かる恐れが少ない。このため、作業員Aは荷降ろし中の建枠部材6がビティ式仮設足場201の前面に衝突しないように下降側ロープ3aを前方に押す必要があまりなく、上昇側ロープ3bを手で制御して下端の輪部7が荷降ろし中の建枠部材6に引っ掛からないように注意すればよく、作業性が良好となる。
なお、荷降ろし高さが高いなど、投下時に第2のブレーキ部340から垂れ下がった上昇側ロープ3bの重量が荷降ろし対象部材の重量と比べてそれほど軽くないとき、最初の内は下降速度が遅く、荷降ろしロープ3が胴部35a、59の表面に接触しながら移動する。この場合、作業員Aは第2のブレーキ部340の下側の上昇側ロープ3bを前寄りに支持し、荷降ろしロープ3と胴部59の摩擦用ロープ57または58とが接触しないようにするか、接触長さを短くすることで、少ない抵抗で下降させることができる。
建枠部材6の下降が進み、荷降ろし対象部材と下降側ロープ3aを合わせた重量が上昇側ロープ3bの重量より或る程度大きくなって下降速度が一定以上に速くなると、荷降ろしロープ3は遠心力で胴部35aの半径方向外側に膨らんだ大きな円弧を描き、拡径しながら移動するとともに、胴部59の丸みの有る上端部でも曲率半径方向外側に膨らんだ大きな円弧を描きながら移動するようになる。
建枠部材6が地上に近づいたところで、荷降ろしロープ3を最後に巻き掛けた第2のブレーキ部340の胴部59の下側の上昇側ロープ3bを皮手袋をした両手または片手で掴み、上方移動を少し拘束すると、第1のブレーキ部34aに巻き掛けられた荷降ろしロープ3が締まって縮径し、固定の胴部35aの表面に大きな押圧力で接触して大きな摩擦力が生じ、第2のブレーキ部340の上端部でも荷降ろしロープ3が締まって固定の胴部59の上端部の表面に大きな押圧力で接触して大きな摩擦力が生じ、ブレーキが掛かる。これにより、上昇側ロープ3bを強く握らなくても建枠部材6をゆっくり地上に降ろすことができる。
ブレーキを掛ける際、胴部59の下側の上昇側ロープ3bを持つ手を前寄りにし、荷降ろしロープ3がバー54近くのごく短い範囲の摩擦用ロープ57または58と接触するようにしてブレーキの効きを弱めたり(図17(1)参照)、上昇側ロープ3bを持つ手を前後方向の中程とし、荷降ろしロープ3がバー54から55までぐらいの範囲の摩擦用ロープ57または58と接触するようにしてブレーキの効きを中程度としたり(図17(2)参照)、上昇側ロープ3bを持つ手を後ろ寄りにし、荷降ろしロープ3がバー54から円筒体56までの比較的長い範囲の摩擦用ロープ57または58と接触するようにしてブレーキの効きを強めたりするなど(図17(3)参照)、容易に加減することができる。
ここで、胴部59は側面的に見て縦に長く、前方に少し凸な略しずく形に形成されているので、荷降ろしロープ3をバー54から円筒体56まで巻き掛けたときの接触長さは第2実施例の胴部35bに半周前後巻き掛けた場合と比較して、遥かに長くなり、建枠部材6の下降速度が大きい場合でも、確実にブレーキを掛けて最終的に地上にゆっくり下ろすことが可能となる。
また、上昇側ロープ3bの上昇移動を手で拘束する力を増やして、胴部35a(または胴部35aと59)に接触した上昇側ロープ3bが胴部35a(または胴部35aと59)の表面を押圧する力を増大したり、上昇側ロープ3bの上昇移動を手で拘束する力を弱めて、胴部35a(または胴部35aと59)に接触した上昇側ロープ3bが胴部35a(または胴部35aと59)の表面を押圧する力を減少させることでも、ブレーキの効きを容易に加減することができる。
地上の作業員は荷降ろしロープ3から建枠部材6を外し、空きスペースに積み上げる。作業員Aは荷降ろしロープ3の上昇側ロープ3bを第1、第2のブレーキ部34a、340から外し、滑車20をフック首を軸にして180度回転し、荷降ろしロープ3の上昇側と下降側を入れ替えたのち、同様の作業を繰り返して他の足場部材(建枠部材、足場ステージなど)を荷降ろしする。
なお、荷降ろし対象部材の重量が上昇側ロープ3bの重量より遥かに大きいときなどに、第1のブレーキ部34aへの巻き掛け量を一周より多くしても良いのは勿論である。
この第3実施例によれば、解体対象のビティ式仮設足場201の最上部のステージに立脚された建枠部材2の前面側の縦枠8の上端部の上下に簡易クレーン10と荷降ろし補助具30Eを着脱自在に装着しておき、荷降ろしロープ3を簡易クレーン10に懸吊した滑車20に巻き掛けるとともに第1、第2のブレーキ部34a、340の回転しない固定の胴部35a、59に巻き掛け、滑車20から下がった荷降ろしロープ3に荷降ろし対象の建枠部材6を吊るして地上に投下すると、下降速度が一定以上に早くなったところで、第1、第2のブレーキ部34a、340の胴部35a、59に巻き掛けられた荷降ろしロープ3は遠心力で胴部35aの半径方向外側に膨らんだ大きな円弧を描き、拡径しながら移動するとともに、胴部59の丸みを持った上端部の外側に膨らんで移動するので胴部35aや59の表面に殆ど殆ど接触しないか、胴部35a、59の表面に対し比較的小さな押圧力で軽く接触するだけであり、摩擦力が殆ど生じないか小さな摩擦力が発生するだけで、円滑に建枠部材6は落下する。
滑車20がビティ式仮設足場201の前面より前方に離れているので、荷降ろし中の建枠部材6とビティ式仮設足場201の前面との間に距離があき、建枠部材6に上昇側ロープ3bの下端の輪部(図1の符号7参照)が引っ掛かる恐れが少ない。このため、作業員Aは荷降ろし中の建枠部材6がビティ式仮設足場201の前面に衝突しないように下降側ロープ3aを前方に押す必要があまりなく、上昇側ロープ3bを手で制御して下端の輪部7が荷降ろし中の建枠部材6に引っ掛からないように注意すればよく、作業性が良好となる。
建枠部材6が地上に近づいたところで、第2のブレーキ部340の胴部59の下側の上昇側ロープ3bを皮手袋をした両手または片手で掴み、上方移動を少し拘束すると、第1のブレーキ部34aに巻き掛けられた荷降ろしロープ3が締まって縮径し、胴部35aの表面に大きな押圧力で接触して大きな摩擦力が生じ、第2のブレーキ部340の上端部でも荷降ろしロープ3が締まって胴部59の上端部の表面に大きな押圧力で接触して大きな摩擦力が生じ、ブレーキが掛かる。これにより、上昇側ロープ3bを強く握らなくても建枠部材6をゆっくり地上に降ろすことができる。
従って、皮手袋と上昇側ロープ3aとの間の摩擦熱は小さく、火傷する恐れがなくなり、作業者Aの身体的な負担が軽減し、また作業の中断や遅延が生じ難く作業性が改善する。また皮手袋の損傷も少なく経済的となる。また、手に皮手袋だけ嵌めればよいので、厚くならず、これによっても作業性が改善する。また、ブレーキを掛けるときに下降側ロープ3aと上昇側ロープ3bの両方をまとめて握らなくて良いので、荷降ろし対象の建枠部材6に上昇側ロープ3bが引っ掛かる恐れが少なくなる。
また、第2のブレーキ部340の胴部59は側面的に見て縦に長く、前方に少し凸な略しずく形に形成されているので、ブレーキを掛ける際、胴部59の下側の上昇側ロープ3bを持つ手を前寄りにし、荷降ろしロープ3がバー54近くのごく短い範囲の摩擦用ロープ57または58と接触するようにしたり、上昇側ロープ3bを持つ手を前後方向の中程とし、荷降ろしロープ3がバー54から55までの範囲の摩擦用ロープ57または58と接触するようにしたり、上昇側ロープ3bを持つ手を後ろ寄りにし、荷降ろしロープ3がバー54から円筒体56までの比較的長い範囲の摩擦用ロープ57または58と接触するようにしたりすることで、ブレーキの効きを容易に広範囲に加減することができる。従って、建枠部材6の下降速度が大きい場合でも、確実にブレーキを掛けて最終的に地上にゆっくり下ろすことが可能となる。
また、上昇側ロープ3bの上昇移動を手で拘束する力を増やして、胴部35a(または胴部35aと59)に接触した上昇側ロープ3bが胴部35a(または胴部35aと59)の表面を押圧する力を増大したり、上昇側ロープ3bの上昇移動を手で拘束する力を減らして、胴部35a(または胴部35aと59)に接触した上昇側ロープ3bが胴部35a(または胴部35aと59)の表面を押圧する力を減少させることでも、ブレーキの効きを容易に加減することができる。
また、複数の巻き掛け式の第1、第2のブレーキ部34a、340に荷降ろしロープ3の上昇側を巻き掛けるようにしたことにより、胴部35a、59への巻き掛け量の自由度が増し、現場の状況に合わせてブレーキの効き具合を容易に調節可能となる。
また、胴部35aは背面側の中央部分が固着プレート38a、39aに支持されることにより、荷降ろしロープ3を巻き掛ける左右の外周面が外部に露出しており、胴部35aの外側からの胴部35aへの荷降ろしロープ3の巻き掛け、取り外しを自在に行える。同様に、胴部59は背面側の中央部分が支持プレート52、53に支持されることにより、荷降ろしロープ3を巻き掛ける左右の外周面(摩擦用ロープ57、58の外面)が外部に露出しており、胴部59の外側からの胴部59への荷降ろしロープ3の巻き掛け、取り外しを自在に行える。
また、荷降ろし補助具30Eの建枠部材2への設置は、基部支柱31Eに装着されたクランプ32、33により縦枠8に締結するだけでよく、簡単な作業で済む。
また、摩擦用ロープ57、58が摩擦で劣化しても容易に交換できる。
なお、上記した第3実施例では、上側の第1のブレーキ部に荷降ろしロープを約1/6周程度巻き掛ける場合を例に挙げて説明したが、第1のブレーキ部に一周以上巻き掛けても良いのは勿論である。
また、第2のブレーキ部の中央に配置されたU字金具62乃至66に、荷降ろしロープと一緒に掴んでブレーキを付加する掴み式のブレーキ部を吊持しても良い(図6の符号41、42、図9の符号43、44参照)。
また、上記した第3実施例では第1のブレーキ部の胴部を円筒状としたが、円柱状、楕円柱状、角を丸めた四角柱や六角柱などの多角柱状、中央が太く両側が細い太鼓状、中央が細く両側が太い糸巻き状などの形状としても良い。
また、第2のブレーキ部の胴部を側面的に見て上下に長く前方に凸な略しずく形としたが、側面的に見て上下に長く前方に凸な楕円形等の湾曲形としたり、上下に長く前方に凸な多角形としたりしても良い(多角形とする場合は角を丸くすると良い)。
また、簡易クレーンは、アーム部の前端部に装着した滑車取り付け部に滑車を懸吊するタイプとし、荷降ろしロープを滑車に巻き掛けたのち、ブレーキ部の胴部に巻き掛けるようにしたが、アーム部の前端部に滑車取り付け部に代えて、荷降ろしロープを巻き掛けるシーブを装着したタイプとしても良い。また、アーム部を前方へ水平に延設するようにしても良い。
また、荷降ろし補助具をクサビ緊結式仮設足場用に変更したい場合、基部支柱の背面側の上端部に、クサビ緊結式仮設足場の建地部材のポケットに挿脱自在に嵌合可能なクサビ部を装着し、基部支柱の背面側の下端部に建地部材に着脱自在に締結可能なクランプを装着すれば良い。簡易クレーンもクサビ緊結式仮設足場用に変更したい場合、基部支柱の背面側の上端部に、クサビ緊結式仮設足場の建地部材のポケットに挿脱自在に嵌合可能なクサビ部を装着し、基部支柱の背面側の下端部に建地部材に係合可能な係合爪または建地部材に着脱自在に締結可能なクランプを装着すれば良い。
次に、図18と図19を参照して本発明の第4実施例を説明する。図18は本発明に係る荷降ろし方法を具現した荷降ろし装置の使用状態を示す一部省略した側面図、図19は図18中の荷降ろし装置周辺の拡大斜視図である。これらの図において、図2と同一の構成部分には同一の符号が付してある。
前述した第2実施例では荷降ろし補助具に巻き掛け式のブレーキ部を2つ設けた例を示したが、第4実施例は簡易クレーンと荷降ろし補助具の両方に一つずつ巻き掛け式のブレーキ部を設けたものである。
図18において、ビティ式仮設足場201の最上部のステージに1脚立設された建枠部材2の縦枠8の上部に全体が鋼製の簡易クレーン10Aが着脱自在に装着されている。簡易クレーン10Aは図19の上部に示す如く、上下に配設された角パイプからなる基部支柱11、基部支柱11の背面側の上部に設けられて縦枠8に着脱自在なクランプ12、基部支柱11の背面側の下部に設けられて縦枠8に係脱自在な係合爪13、基部支柱11の上端部から斜め上前方へ延設された角パイプからなるアーム部14、アーム部14の前端部に固着されたU字状の滑車取り付け部15、アーム部14の下面側の途中と基部支柱11の下端部の前面側との間に斜め方向に固着された補強部材16、基部支柱11の前面側の上端近くに装着された巻き掛け式のブレーキ部80とから成る。基部支柱11、アーム部14、補強部材16によりブラケット17が構成されている。滑車取り付け部15にはフック首廻し式の滑車20を着脱自在に懸吊可能になっている。なお、係合爪13はクランプと置き換えても良い。
ブレーキ部80は荷降ろしロープ3を巻き掛けて摩擦によるブレーキを掛けるためのものであり、第1実施例のブレーキ部34と同一に形成されている。ブレーキ部80の内、81は荷降ろしロープ3が巻き掛けられるブレーキドラムとしての鋼製で円筒状の胴部であり、一端に荷降ろし対象部材を吊持して滑車20に巻き掛けられる荷降ろしロープ3の内、荷降ろし対象部材とは反対の上昇側が巻き掛けられる。82と83は胴部81の左右両端に装着された円環状のストッパであり、荷降ろしロープ3が胴部81から外れないようにする。84と85は胴部81の軸方向の中央部分を基部支柱11の前面側に固着する固着プレートである。胴部81は軸が左右方向に水平に配設されている。
胴部81は背面側の中央部分が固着プレート84、85に支持されることにより、荷降ろしロープ3を巻き掛ける左右の外周面が外部に露出しており、胴部81の外側からの胴部81への荷降ろしロープ3の巻き掛け、取り外しを自在に行えるようになっている。また、胴部81は固着プレート84、85により回転不能に固定されているので、胴部81の外周面に荷降ろしロープ3を接触させると摩擦力が発生し、移動中の荷降ろしロープ3にブレーキが掛かる。なお、荷降ろしロープ3が胴部81に接触する接触長さが長くなったり、胴部81に接触した荷降ろしロープ3が胴部81を押圧する力が大きくなると摩擦力が大きくなり、接触長さが短くなったり、押圧力が小さくなると摩擦力が小さくなる。
簡易クレーン10Aのすぐ下の縦枠8の前面側に、第1実施例と同様に構成された全体が鋼製の荷降ろし補助具30が着脱自在に装着されている。ビティ式仮設足場201の最上部のステージに載った作業員Aは簡易クレーン10Aに懸吊した滑車20に荷降ろしロープ3を巻き掛けるとともに、ブレーキ部80の胴部81に約1/4周程度巻き掛け、更にブレーキ部34の胴部35にも約1/12周乃至1/8周程度巻き掛けて荷降ろし対象の建枠部材6を地上に荷降ろしする。
簡易クレーン10Aと荷降ろし補助具30とにより荷降ろし装置が構成されている。
図18の他の構成部分は図2と同様に構成されている。
次に、図18、図20を参照して上記した実施例の作用を説明する。
図18に示す如く、予めビティ式仮設足場201の最上部のステージから上方に立脚された建枠部材2の前側の縦枠8の上端部に簡易クレーン10Aが装着済みであり、かつ簡易クレーン10Aの下側に荷降ろし補助具30が装着済みであるとする。荷降ろし補助具30は基部支柱31が簡易クレーン10Aのすぐ下で、クランプ32、33により縦枠8の前面に締結してある。
ビティ式仮設足場201の最上部のステージに配置した作業員Aは、荷降ろしロープ3を滑車20に掛けたあと、荷降ろしロープ3の手元側をブレーキ部80の胴部81に約1/4周程度巻き掛け、更に荷降ろし補助具30のブレーキ部34の胴部35にも約1/12周程乃至1/8周度巻き掛けておく。そして、滑車20から垂れ下がった下降側ロープ3aの下端の輪部5にカラビナ21、玉掛けロープ22を介して荷降ろし対象の建枠部材6を吊持する。
ブレーキ部34から垂れ下がった上昇側ロープ3bを上昇移動を拘束しないように皮手袋をした手で支持しながら建枠部材6を地上に投下する。荷降ろし対象部材の重量がブレーキ部80から垂れ下がった上昇側ロープ3bの重量(地上とブレーキ部80との間の部分の重量であり、地上に横たわった部分を除く)より遥かに重いものとすると、すぐに下降速度が一定以上に速くなり、ブレーキ部80、34の胴部81、35に巻き掛けられた荷降ろしロープ3は遠心力で胴部81、35の半径方向外側に膨らんだ大きな円弧を描き、拡径しながら移動するので胴部81、35の表面に殆ど接触しないか、胴部81、35の表面に対し比較的小さな押圧力で軽く接触するだけであり、摩擦力が殆ど生じないか小さな摩擦力が発生するだけで、円滑に建枠部材6は落下する。
滑車20がビティ式仮設足場201の前面より前方に離れているので、荷降ろし中の建枠部材6とビティ式仮設足場201の前面との間に距離があき、建枠部材6に上昇側ロープ3bの下端の輪部(図1の符号7参照)が引っ掛かる恐れが少ない。このため、作業員Aは荷降ろし中の建枠部材6がビティ式仮設足場201の前面に衝突しないように下降側ロープ3aを前方に押す必要があまりなく、上昇側ロープ3bを手で制御して下端の輪部7が荷降ろし中の建枠部材6に引っ掛からないように注意すればよく、作業性が良好となる。
なお、荷降ろし高さが高いなど、投下時にブレーキ部80から垂れ下がった上昇側ロープ3bの重量が荷降ろし対象部材の重量と比べてそれほど軽くないとき、最初の内は下降速度が遅く、荷降ろしロープ3が胴部81、35の表面に接触しながら移動する。この場合、作業員Aはブレーキ部34の胴部35の下側の上昇側ロープ3bを前寄りに支持し、荷降ろしロープ3と胴部35とが接触しないようにするか、接触長さを短くすることで、少ない抵抗で下降させることができる(図18参照)。
下降が進み、荷降ろし対象部材と下降側ロープ3aを合わせた重量が上昇側ロープ3bの重量より或る程度大きくなって下降速度が一定以上に速くなると、胴部81、35に巻き掛けられた荷降ろしロープ3は遠心力で胴部81、35の半径方向外側に膨らんだ大きな円弧を描き、拡径しながら移動するようになる。
建枠部材6が地上に近づいたところで、荷降ろしロープ3が最後に巻き掛けられたブレーキ部34の胴部35の下側の上昇側ロープ3bを皮手袋をした両手または片手で掴み、上方移動を少し拘束すると、ブレーキ部80(またはブレーキ部80、34)に巻き掛けられた荷降ろしロープ3が締まって縮径し、胴部81(または胴部81、35)の表面に大きな押圧力で接触して大きな摩擦力が生じ、ブレーキが掛かる。
より強くブレーキを掛けたい場合は、上昇側ロープ3bを後ろ側(手元側)に引き、上昇側ロープ3bを胴部35に押し当てながら胴部35bへの巻き掛け量を増やしたり(図20参照)、上昇側ロープ3bの上昇移動を手で拘束する力を増やし、胴部81(または胴部81と35)に接触した上昇側ロープ3bが胴部81(または胴部81と35)の表面を押圧する力を増やせば良い。反対にブレーキを弱めたい場合は、上昇側ロープ3bを前側に押し、上昇側ロープ3bの胴部35への巻き掛け量を減らしたり(図18参照)、上昇側ロープ3bの上昇移動を手で拘束する力を弱めて、胴部81(または胴部81と35)に接触した上昇側ロープ3bが胴部81(または胴部81と35)の表面を押圧する力を弱めれば良い。
このようにして、上昇側ロープ3bを強く握らなくても建枠部材6をゆっくり地上に降ろすことができる。
地上の作業員は荷降ろしロープ3から建枠部材6を外し、空きスペースに積み上げる。作業員Aは荷降ろしロープ3の上昇側ロープ3bをブレーキ部80、34の胴部81、35から外し、滑車20をフック首を軸にして180度回転し、荷降ろしロープ3の上昇側と下降側を入れ替えたのち、同様の作業を繰り返して他の足場部材(建枠部材、足場ステージなど)を荷降ろしする。
なお、荷降ろし対象部材の重量が上昇側ロープ3bの重量より遥かに大きいときなど、ブレーキ部80、34の胴部81、35への巻き掛け量を一周より多くしても良いのは勿論である。
また、荷降ろし補助具30は使用せず、簡易クレーン10Aだけで荷降ろしすることもできる。
この第4実施例によれば、解体対象のビティ式仮設足場201の最上部のステージに立脚された建枠部材2の前面側の縦枠8の上端部の上下に簡易クレーン10Aと荷降ろし補助具30を着脱自在に装着しておき、荷降ろしロープ3を簡易クレーン10Aに懸吊した滑車20に巻き掛けるとともにブレーキ部80、34の胴部81、35に巻き掛け、滑車20から下がった荷降ろしロープ3に荷降ろし対象の建枠部材6を吊るして地上に投下すると、下降速度が一定以上に速くなったところで、ブレーキ部80、34の胴部81、35に巻き掛けられた荷降ろしロープ3は遠心力で胴部81、35の半径方向外側に膨らんだ大きな円弧または円を描き、拡径しながら移動するので胴部81、35の表面に殆ど接触しないか、胴部81、35の表面に対し比較的小さな押圧力で軽く接触するだけであり、摩擦力が殆ど生じないか小さな摩擦力が発生するだけで、円滑に建枠部材6は落下する。滑車20がビティ式仮設足場201の前面より前方に離れているので、荷降ろし中の建枠部材6とビティ式仮設足場201の前面との間に距離があき、建枠部材6に上昇側ロープ3bの下端の輪部(図1の符号7参照)が引っ掛かる恐れが少ない。このため、作業員Aは荷降ろし中の建枠部材6がビティ式仮設足場201の前面に衝突しないように下降側ロープ3aを前方に押す必要があまりなく、上昇側ロープ3bを手で制御して下端の輪部7が荷降ろし中の建枠部材6に引っ掛からないように注意すればよく、作業性が良好となる。
建枠部材6が地上に近づいたところで、ブレーキ部34の胴部35の下側の上昇側ロープ3bを皮手袋をした両手または片手で掴み、上方移動を少し拘束すると、ブレーキ部80(またはブレーキ部80、34)に巻き掛けられた荷降ろしロープ3が締まって縮径し、胴部81(または胴部81、35)の表面に大きな押圧力で接触して大きな摩擦力が生じ、ブレーキが掛かる。これにより、上昇側ロープ3bを強く握らなくても建枠部材6をゆっくり地上に降ろすことができる。
より強くブレーキを掛けたい場合は、上昇側ロープ3bを後ろ側に引いて胴部35に押し当てながら胴部35への巻き掛け量(接触長さ)を増やしたり、荷降ろしロープ3の移動を拘束する力を少し増やせばよい。ブレーキの効きを弱めたい場合は、上昇側ロープ3bを前側に押して胴部35への巻き掛け量(接触長さ)を減らしたり、荷降ろしロープ3の移動を拘束する力を少し減らせばよい。
ブレーキを掛けたときの皮手袋と上昇側ロープ3bとの間の摩擦熱は小さく、火傷する恐れがなくなり、作業者Aの身体的な負担が軽減し、また作業の中断や遅延が生じ難く作業性が改善する。また皮手袋の損傷も少なく経済的となる。また、手に皮手袋だけ嵌めればよいので、厚くならず、これによっても作業性が改善する。また、ブレーキを掛けるときに下降側ロープ3aと上昇側ロープ3bの両方をまとめて握らなくて良いので、荷降ろし対象の建枠部材6に上昇側ロープ3bが引っ掛かる恐れが少なくなる。
また、複数の巻き掛け式のブレーキ部80、34に荷降ろしロープ3の上昇側を巻き掛けるようにしたことにより、胴部81、35への巻き掛け量の自由度が増し、現場の状況に合わせてブレーキの効き具合を容易に調節可能となる。
また、胴部81は背面側の中央部分が固着プレート84、85に支持されることにより、荷降ろしロープ3を巻き掛ける左右の外周面が外部に露出しており、胴部81の外側からの胴部81への荷降ろしロープ3の巻き掛け、取り外しを自在に行える。胴部35も同様に、背面側の中央部分が固着プレート38、39に支持されることにより、荷降ろしロープ3を巻き掛ける左右の外周面が外部に露出しており、胴部35の外側からの胴部35への荷降ろしロープ3の巻き掛け、取り外しを自在に行える。
なお、上記した第4実施例では簡易クレーンと荷降ろし補助具のブレーキドラムとしての胴部を円筒状としたが、円柱状、楕円柱状、角を丸めた四角柱や六角柱などの多角柱状、中央が太く両側が細い太鼓状、中央が細く両側が太い糸巻き状などの形状としても良い。また、簡易クレーンと荷降ろし補助具とで胴部を同一形状としても良く、異なる形状としても良い。
また、上記した第4実施例では、簡易クレーンのブレーキ部を基部支柱の前面側の上端部に装備した例を示したが、基部支柱の前面側の下端部に装備しても良い。或いは、アーム部の内、基部支柱寄りの箇所に装備するようにしたり、アーム部と基部支柱の間に固着された補強部材の内、基部支柱寄りの箇所に装備するようにしても良く、要はブラケットの基部寄りに装備するようにすれば良い。
また、簡易クレーンは、アーム部の前端部に装着した滑車取り付け部に滑車を懸吊するタイプとし、荷降ろしロープを滑車に巻き掛けたのち、ブレーキ部の胴部に巻き掛けるようにしたが、アーム部の前端部に滑車取り付け部に代えて、荷降ろしロープを巻き掛けるシーブを装着したタイプとしても良い。また、アーム部は前方へ水平に延設するようにしても良い。
また、荷降ろし補助具をクサビ緊結式仮設足場用に変更したい場合、基部支柱の背面側の上端部に、クサビ緊結式仮設足場の建地部材のポケットに挿脱自在に嵌合可能なクサビ部を装着し、基部支柱の背面側の下端部に建地部材に着脱自在に締結可能なクランプを装着すれば良い。簡易クレーンもクサビ緊結式仮設足場用に変更したい場合、基部支柱の背面側の上端部に、クサビ緊結式仮設足場の建地部材のポケットに挿脱自在に嵌合可能なクサビ部を装着し、基部支柱の背面側の下端部に建地部材に係合可能な係合爪または建地部材に着脱自在に締結可能なクランプを装着すれば良い。
また、上記した第4実施例中の荷降ろし補助具30を図5、図6、図9の荷降ろし補助具30A、30B、30Cに置き換えても良い。例えば図6の荷降ろし補助具30Bを設置する場合、簡易クレーン10Aの胴部81に巻き掛けられた荷降ろしロープ3の上昇側ロープ3bを胴部35の前側に掛け、ロープ紐41、42と一緒に掴んで胴部35の表面に押し当てるようにすれば、大きな摩擦力を得ることができる(図21、図22参照)。また、図9の荷降ろし補助具30Cを設置する場合、簡易クレーン10Aの胴部81に巻き掛けられた荷降ろしロープ3の上昇側ロープ3bを胴部35の前側に掛け、ロープ編みのマット体43を挟んで荷降ろしロープ3を掴み、胴部35の表面に押し当てるようにすれば、大きな摩擦力を得ることができる(図23、図24参照)。
また、第4実施例中の荷降ろし補助具30を第2実施例の荷降ろし補助具30D或いは第3実施例の荷降ろし補助具30Eと置き換えても良い。
また、上記した第4実施例では簡易クレーンに一つの巻き掛け式のブレーキ部を設けた例を示したが、複数のブレーキ部を装備しても良い。例えば、図25の簡易クレーン10Bは、基部支柱11の前側の上端部と下端部に各々、巻き掛け式の第1のブレーキ部80a、第2のブレーキ部80bを装着した例を示す。第1、第2のブレーキ部80a、80bは各々に荷降ろしロープ3を巻き掛けて摩擦によるブレーキを掛けるためのものである。ブレーキ部80a、80bの内、81a、81bは荷降ろしロープ3が巻き掛けられるブレーキドラムとしての鋼製で円筒状の胴部であり、一端に荷降ろし対象部材を吊持して滑車20に巻き掛けられる荷降ろしロープ3の内、荷降ろし対象部材とは反対の上昇側が巻き掛けられる。82aと83a、82bと83bは胴部81a、81bの左右両端に装着された円環状のストッパであり、荷降ろしロープ3が胴部81a、81bから外れないようにする。84aと85a、84bと85bは胴部81a、81bの軸方向の中央部分を基部支柱11の前面側に固着する固着プレートである。胴部81a、81bは軸が左右方向に水平に配設されている。
胴部81a、81bは背面側の中央部分が固着プレート84a、85a、84b、85bに支持されることにより、荷降ろしロープ3を巻き掛ける左右の外周面が外部に露出しており、胴部81a、81bの外側からの胴部81a、81bへの荷降ろしロープ3の巻き掛け、取り外しを自在に行えるようになっている。また、胴部81a、81bは固着プレート84a、85a、84b、85bにより回転不能に固定されているので、胴部81a、81bの外周面に荷降ろしロープ3を接触させると摩擦力が発生し、移動中の荷降ろしロープ3にブレーキが掛かる。なお、荷降ろしロープ3が胴部81a、81bに接触する接触長さが長くなったり、胴部81a、81bに接触した荷降ろしロープ3が胴部81a、81bを押圧する力が大きくなると摩擦力が大きくなり、接触長さが短くなったり、押圧力が小さくなると摩擦力が小さくなる。
図25の例の場合、荷降ろしロープ3は滑車20に巻き掛けたあと、例えば第1のブレーキ部80aに約半周程度、第2のブレーキ部80bに約1/12周乃至1/8周程度巻き掛け、更に荷降ろし補助具30のブレーキ部34の胴部35の前面に沿って垂らしておく。
下降側ロープ3aの下端に吊持した建枠部材6を投下した後、初めのうち、上昇側ロープ3bが長く重いために建枠部材6がゆっくり下降するとき、第1、第2のブレーキ部80a、80bに巻き掛けられた荷降ろしロープ3は胴部81a、81bの表面に接触しながら移動する。この場合、作業員Aは上昇側ロープ3bを持つ手を少し前寄りとし、ブレーキ部34の胴部35から離すようにすれば、少ない抵抗で下降する(図26の実線C参照)。
建枠部材6の下降が進み、下降側ロープ3aが長くなって重量が増大するなどして建枠部材6の下降速度が上がり、遠心力で胴部81a、81bの半径方向外側に膨らんだ大きな円弧を描き、拡径しながら移動するようになると、胴部81a、81bの表面に殆ど接触しないか、比較的小さい押圧力で軽く接触するだけとなり、円滑に建枠部材6は落下する。
建枠部材6が地上に近づいたところで、ブレーキ部34の胴部35の下側の上昇側ロープ3bを皮手袋をした両手または片手で掴み、上方移動を少し拘束すると、第1、第2のブレーキ部80a、80bに巻き掛けられた荷降ろしロープ3が締まって縮径し、胴部81a、81bの表面に大きな押圧力で接触して大きな摩擦力が生じるのでブレーキが掛かる。更に、上昇側ロープ3bを手前に引き、ブレーキ部34の胴部35に押し当てるようにすると、胴部35の前面との接触でより大きな摩擦力が生じてより大きなブレーキが掛かる(図26の破線D参照)。これにより、上昇側ロープ3bを強く握らなくても建枠部材6をゆっくり地上に降ろすことができる。なお、上昇側ロープ3bの移動を拘束する力を加減することで、荷降ろしロープ3が胴部81a、81b、35の表面を押圧する力を加減し、ブレーキの効きを加減することもできる。
図25の変形例において、ブレーキ部80a、80b、34に荷降ろしロープを一周以上巻き掛けても良い。
図25の変形例において、簡易クレーン10Bの下側に設置した荷降ろし補助具30を、図5、図6、図9の変形例に係る荷降ろし補助具30A乃至30C、第2実施例の荷降ろし補助具30D、第3実施例の荷降ろし補助具30Eに置換することもできる。
或いは、図27に示す如く、第3実施例の荷降ろし補助具30Eの内、下半分の構成を備えた荷降ろし補助具30Fに置換することもできる。荷降ろし補助具30Fは、短尺の基部支柱31Fと、基部支柱31Fの背面側に装着されたクランプ33と、基部支柱31Fの前側に装備されたブレーキ部340からなる。滑車20、第1、第2のブレーキ部80a、80bに巻き掛けた荷降ろしロープ3の上昇側ロープ3bはブレーキ部340の胴部59の前面側に巻き掛ければ良い。荷降ろし中に下降速度を減速させる際、胴部59の下側の上昇側ロープ3bを前寄りとすれば、胴部59の前面と接触せず、手で荷降ろしロープ3の上昇移動を拘束することで第1、第2のブレーキ部80a、80bとの摩擦によるブレーキを掛けることができる。上昇側ロープ3bを少し後ろに引けば、胴部59の上部または上部から中段部までの接触による摩擦を加えたブレーキを掛けることができ(図17(1)、(2)参照)、更に後ろに引けば胴部59の前面の上部から下部までの接触による、より大きなブレーキを掛けることができる(図17(3)参照)。
また、図25の変形例における簡易クレーン10Bは、図19における簡易クレーン10Aと荷降ろし補助具30を一体化したものと同等であり、簡易クレーン10B単独で荷降ろし作業に使用することができる。この場合、下側の第2のブレーキ部を図5、図6、図9のブレーキ部と置き換えることもできる。
或いは、第2のブレーキ部に代えて、図6、図9に示した掴み式ブレーキ部を基部支柱11の下部に吊持するようにしても良い。図28の簡易クレーン10Cは図25の簡易クレーン10Bの第2のブレーキ部80bの代わりに、基部支柱11と補強部材16が固着した箇所に紐部材44によりロープ編みのマット体43を吊持した例を示す。ブレーキを掛ける際、ブレーキ部80の下側の上昇側ロープ3bをマット体43を挟んで掴むようにすれば良い。マット体43に代えて、図6のロープ紐41、42を吊持しても良い。
荷降ろしロープ3をブレーキ部80の胴部81に巻き掛けた状態で、荷降ろし対象部材を地上に投下したあとは、胴部81への巻き掛け量を大きく増やすことは困難であり、下降速度が速くなりすぎた場合に、胴部81でのブレーキが間に合わなくなる恐れがある。掴み式のブレーキ部を組み合わせることにより、荷降ろしロープ3を掴み式のブレーキ部と一緒に掴むと、荷降ろし対象部材を下降させたときに、手の中で移動する荷降ろしロープ3と掴み式のブレーキ部の間に接触による大きな摩擦力が働き、荷降ろし高さが高いなどの理由で荷降ろし対象部材の降下速度が速い場合でも、確実にブレーキを掛けることができる。このように、巻き掛け式のブレーキ部と掴み式のブレーキ部を組み合わせることにより、ブレーキを掛ける自由度が高くなり、降下中でもブレーキの効き具合を容易に調節可能となる。
また、図25の変形例における簡易クレーン10Bと荷降ろし補助具30を一体化した図29の如く簡易クレーン10Dとしても良い。簡易クレーン10Dは、図25の簡易クレーン10Bの基部支柱11を下方に延設した基部支柱11Dに置き換え、基部支柱11Dの前面側の下端部に巻き掛け式の第3のブレーキ部80cを追加して装備した構成を有する。第3のブレーキ部80cは第1、第2のブレーキ部80a、80bと同一の構成を有している。
滑車20、第1、第2のブレーキ部80a、80bに巻き掛けた荷降ろしロープ3の上昇側ロープ3bはブレーキ部80cの胴部81cの前面側に沿って垂らすようにすれば良い。荷降ろし中に下降速度を減速させる際、胴部81cの下側の上昇側ロープ3bを前寄りにし、胴部81cの前面と接触しないようにさせながら手で上昇移動を拘束することで、荷降ろしロープ3を第1、第2のブレーキ部80a、80bに大きな押圧力で接触させ、大きな摩擦力によるブレーキを掛けることができる(図30の実線E参照)。上昇移動を拘束した上昇側ロープ3bを手で少し後ろに引けば、胴部81cの下部との接触による摩擦を加えたより大きなブレーキを掛けることができる(図30の破線F参照)。
図29の第3のブレーキ部80cを図5、図6、図9のブレーキ部と置き換えることもできる。
また、図19の簡易クレーン10Aと図27の荷降ろし補助具30Fを一体化した図31の如く簡易クレーン10Eとしても良い。簡易クレーン10Eは、図19の簡易クレーン10Aの基部支柱11を下方に延設した基部支柱11Eに置き換え、基部支柱11Eの上下端部にクランプ12、33を装着し、基部支柱11Eの前面側の下端部に巻き掛け式の第2のブレーキ部341を追加して装備した構成を有する。第2のブレーキ部341は図27のブレーキ部340と同一の構成を有する。
滑車20、ブレーキ部80に巻き掛けた荷降ろしロープ3の上昇側ロープ3bはブレーキ部341の胴部59に巻き掛けながら下方へ垂らせば良い。荷降ろし中に胴部59の下側の上昇側ロープ3bの移動を手で拘束し、下降速度を減速させる際、胴部59の下側の上昇側ロープ3bを持つ手を前寄りにし、荷降ろしロープ3が胴部81と胴部59のバー54近くのごく短い範囲の摩擦用ロープ57または58と接触するようにしてブレーキの効きを弱めたり(図17(1)参照)、上昇側ロープ3bを持つ手を前後方向の中程とし、荷降ろしロープ3が胴部81と胴部59のバー54から55ぐらいまでの範囲の摩擦用ロープ57または58と接触するようにしてブレーキの効きを中程度としたり(図17(2)参照)、上昇側ロープ3bを持つ手を後ろ寄りにし、荷降ろしロープ3が胴部81と胴部59のバー54から円筒体56までの比較的長い範囲の摩擦用ロープ57または58と接触するようにしてブレーキの効きを強めたりするなど(図17(3)参照)、容易に広範囲に加減することができる。
次に、図32乃至図34を参照して本発明の第5実施例を説明する。図32は本発明に係る荷降ろし方法を具現した荷降ろし装置の使用状態を示す一部省略した拡大斜視図、図33と図34は荷降ろし装置の使用状態を示す側面図である。これらの図において、図18と同一の構成部分には同一の符号が付してある。
図32において、200はビル、マンションなどの建物、201は建物の前面側に設置された解体途中のビティ式仮設足場であり、地上から偶数段目の建枠部材の後側(建物側)の縦枠がアンカーボルト(図18の符号202参照)により建物200の前面に仮固定されている。ビティ式仮設足場201の最上部のステージに建枠部材2が一脚立設されており、この建枠部材2の前側の縦枠8の上端部に全体が鋼製の簡易クレーン10Fが着脱自在に装着されている。
簡易クレーン10Fは、上下方向に延びた鋼製の角パイプからなる基部支柱11を有し、基部支柱11の背面側の上部及び下部に装着されたクランプ12及び係合爪13により、建枠部材2の前側の縦枠8に着脱自在に装着可能となっている。基部支柱11の上端に固着された鋼製の角パイプからなるアーム部14Fが前方斜め上方向きに延設されており、このアーム部14Fの前端近くと前端にU字状の滑車取り付け部15とU字状のガイドロープ取り付け部90が装着されている。滑車取り付け部15には滑車20を着脱自在に懸吊可能になっている。ガイドロープ取り付け部90にはガイドロープ91の一端側が取り付けられたフック92が着脱自在に懸吊可能になっている。ガイドロープ91は荷降ろし中の建枠部材等がビティ式仮設足場201の前面に衝突しないようにするためのものである。アーム部14Fの下面側の途中と基部支柱11の下端部の前面側との間には鋼製の補強部材16が斜め方向に固着されている。基部支柱11、アーム部14F、補強部材16によりブラケット17Fが形成されている。基部支柱11はブラケット17Fの基部を成し、アーム部14Fの前端がブラケットの前端となる。なお、係合爪13はクランプと置き換えても良い。
基部支柱11の上端部の前側(クランプ12とは反対側)には、巻き掛け式の鋼製のブレーキ部80が装着されている。このブレーキ部80は荷降ろしロープ3を巻き掛けて摩擦によるブレーキを掛けるためのものであり、図18のブレーキ部80と同一に形成されている。
簡易クレーン10Fのすぐ下の縦枠8の前面側に、第1実施例と同様に構成された全体が鋼製の荷降ろし補助具30が着脱自在に装着されている。ビティ式仮設足場201の最上部のステージに載った作業員Aは簡易クレーン10Fに懸吊した滑車20に荷降ろしロープ3を巻き掛けるとともに、ブレーキ部80に約1/4周程度巻き掛け、更にブレーキ部34にも約1/12乃至1/8周程度巻き掛けて荷降ろし対象の建枠部材6を地上に荷降ろしする。
簡易クレーン10Fと荷降ろし補助具30とにより荷降ろし装置が構成されている。
図32のその他の構成部分は図2と同様に構成されている。
次に、図32乃至図34を参照して上記した第5実施例の作用を説明する。
図33に示す如く、予めビティ式仮設足場201の最上部のステージに1つ立脚された建枠部材2の前側の縦枠8の上端近くに簡易クレーン10Fが装着済みであり、かつ簡易クレーン10Fの下側に荷降ろし補助具30が装着済みであるとする。荷降ろし補助具30は基部支柱31が簡易クレーン10Fのすぐ下で、クランプ32、33により縦枠8の前面に締結してある。
滑車取り付け部15には荷降ろし用の滑車20が懸吊してある。また、ガイドロープ取り付け部90にはフック92が懸吊してあり、このフック92に上端が取り付けられたガイドロープ91の下側が地上まで垂らされて、地上の作業員Bにより斜め前下方向に張った状態で地上に設置した重量物93に固定されている。重量物93はガイドロープ取り付け部90の直下より少し前方に置かれている。
ビティ式仮設足場201の最上部のステージに配置した作業員Aは両手に皮手袋を嵌めた状態で、荷降ろしロープ3を滑車20に掛けたあと、荷降ろしロープ3の手元側をブレーキ部80の胴部81に約1/4周程度巻き掛け、更に荷降ろし補助具30のブレーキ部34の胴部35にも約1/12乃至1/8周程度巻き掛けておく。そして、滑車20から垂れ下がった下降側ロープ3aの下端の荷側端部としての輪部5に嵌装された掛装具の一例としてのカラビナ94をガイドロープ91に摺動自在に掛装させる(図32参照)。続いて、輪部5に嵌装されたカラビナ21に玉掛けロープ22を介して荷降ろし対象の建枠部材6を吊持させる。
そして、ブレーキ部34の胴部35から垂れ下がった上昇側ロープ3bを上昇移動を拘束しないように皮手袋をした手で支持しながら建枠部材6を地上に投下する。この際、アーム部14Fが斜め上方に向いており、滑車20の位置が高くなっているので、輪部5に吊した建枠部材6の下端が作業員Aの配置した足場ステージ24、25にぶつかり難くなり、建枠部材6の取り扱いが容易となる。
荷降ろし対象部材の重量がブレーキ部80から垂れ下がった上昇側ロープ3bの重量(地上とブレーキ部80との間の部分の重量であり、地上に横たわった部分を除く)より遥かに重いものとすると、すぐに下降速度が一定以上に速くなり、ブレーキ部80、34の胴部81、35に巻き掛けられた荷降ろしロープ3は遠心力で胴部81、35の半径方向外側に膨らんだ大きな円弧を描き、拡径しながら移動するので胴部81、35の表面に殆ど接触しないか、胴部81、35の表面に対し比較的小さい押圧力で軽く接触するだけであり、摩擦力が殆ど生じないか小さな摩擦力が発生するだけで、円滑に建枠部材6は落下する。
下降中、滑車20がビティ式仮設足場201の前面より前方に離れており、また、下降側ロープ3aの輪部5がカラビナ94を介してガイドロープ91により前方へ引っ張られるので、荷降ろし中の建枠部材6とビティ式仮設足場201の前面との間に大きな距離があき、建枠部材6がビティ式仮設足場201の前面に衝突する恐れがなくなり、上昇側ロープ3bの下端の輪部7に引っ掛かる恐れも一層少なくなる。従って、作業員Aは荷降ろし中の建枠部材6がビティ式仮設足場201の前面に衝突しないように下降側ロープ3aを前方に押す必要がなく、上昇側ロープ3bを手で制御して下端の輪部7が荷降ろし中の建枠部材6に引っ掛からないように注意するだけでよく、作業性が極めて良好となる(図33参照)。
なお、荷降ろし高さが高いなど、投下時にブレーキ部80から垂れ下がった上昇側ロープ3bの重量が荷降ろし対象部材の重量と比べてそれほど軽くないとき、最初の内は下降速度が遅く、荷降ろしロープ3が胴部81、35の表面に接触しながら移動する。この場合、作業員Aはブレーキ部34の下側の上昇側ロープ3bを前寄りに支持し、荷降ろしロープ3と胴部35とが接触しないようにするか、接触長さを短くすることで、少ない抵抗で下降させることができる。下降が進み、荷降ろし対象部材と下降側ロープ3aを合わせた重量が上昇側ロープ3bの重量より或る程度大きくなるなどして、下降速度が一定以上に速くなると、胴部81、35に巻き掛けられた荷降ろしロープ3は遠心力で胴部81、35の半径方向外側に膨らんだ大きな円弧を描き、拡径しながら移動するようになる。
建枠部材6が地上に近づいたところで、ブレーキ部3の胴部35の下側の上昇側ロープ3bを皮手袋をした両手または片手で掴み、上方移動を少し拘束すると、ブレーキ部80、34の固定の胴部81、35に巻き掛けられた荷降ろしロープ3が締まって縮径し、胴部81、35の表面に大きな押圧力で接触して大きな摩擦力が生じ、ブレーキが掛かる。より強くブレーキを掛けたい場合は、上昇側ロープ3bを後ろ側に引き、上昇側ロープ3bを胴部35に押し当てながら胴部35への巻き掛け量を増やしたり、上昇移動を拘束する力を増やしたりすれば良い。ブレーキを弱めたい場合は、上昇側ロープ3bを前寄りに支持し、上昇側ロープ3bの胴部35への巻き掛け量を減らしたり、上昇移動を拘束する力を減らしたりすれば良い。
このようにして、上昇側ロープ3bを強く握らなくても建枠部材6をゆっくり地上に降ろすことができる。
地上の作業員Bは荷降ろしロープ3の輪部5に嵌装したカラビナ94からガイドロープ91を外し、更にカラビナ21から玉掛けロープ22を外して建枠部材6を荷降ろしロープ3から外し、空きスペースに積み上げればよい(図34参照)。
一回分の荷降ろし後、作業員Aは荷降ろしロープ3の上昇側ロープ3bをブレーキ部80から外し、滑車20をフック首を軸にして180度回転し、荷降ろしロープ3の上昇側と下降側を入れ替えたのち(輪部7にもカラビナ95、96が嵌装されており、カラビナ95には玉掛けロープ97が吊持されている。なお、前述した各実施例及び変形例においても、輪部7にはカラビナ95が嵌装されており、このカラビナ95に玉掛けロープ97が吊持されている)、同様の作業を繰り返して他の足場部材(建枠部材、足場ステージなど)を荷降ろしする。
この第5実施例によれば、ビティ式仮設足場201の最上部のステージに立脚した建枠部材2の内、前側の縦枠8の上端部に着脱自在に設置した簡易クレーン10Fと、簡易クレーン10Fのすぐ下に着脱自在に設置した荷降ろし補助具30を用いて足場部材をビティ式仮設足場201の前面に衝突させることなく円滑に荷降ろしできる。
具体的には、簡易クレーン10Fの前端から地上近くまで垂らしたガイドロープ91を地上の作業員Bが斜め前下方向へ引っ張って重量物93に固定しておく。
ビティ式仮設足場201の最上部のステージに配置した作業員Aは両手に皮手袋を嵌めて、荷降ろしロープ3を滑車20に掛けたあと、荷降ろしロープ3の手元側をブレーキ部80の胴部81に約1/4周程度巻き掛け、更に荷降ろし補助具30のブレーキ部34の胴部35にも約1/12乃至1/8周程度巻き掛けておく。そして、滑車20から垂れ下がった下降側ロープ3aの下端の荷側端部としての輪部5に嵌装されたカラビナ94にガイドロープ91を挿通して懸装させる。続いて、輪部5に嵌装されたカラビナ21に玉掛けロープ22を介して荷降ろし対象の建枠部材6を吊持させる。そして、ブレーキ部34から垂れ下がった上昇側ロープ3bを上昇移動を拘束しないように皮手袋をした手で支持しながら建枠部材6を地上に投下する。
この際、アーム部14Fが斜め上方に向いており、滑車20の位置が高くなっているので、輪部5に吊持した建枠部材6の下端が作業員Aの配置した足場ステージ24、25にぶつかり難くなり、建枠部材6の取り扱いが容易となる。
荷降ろし対象部材の重量がブレーキ部80から垂れ下がった上昇側ロープ3bの重量(地上とブレーキ部80との間の部分の重量であり、地上に横たわった部分を除く)より遥かに重いものとすると、すぐに下降速度が一定以上に速くなり、ブレーキ部80、34の胴部81、35に巻き掛けられた荷降ろしロープ3は遠心力で胴部81、35の半径方向外側に膨らんだ大きな円弧を描き、拡径しながら移動するので胴部81、35の表面に殆ど接触しないか、胴部81、35の表面に対し比較的小さな押圧力で軽く接触するだけであり、摩擦力が殆ど生じないか小さな摩擦力が発生するだけで、円滑に建枠部材6は落下する。
下降中、滑車20がビティ式仮設足場201の前面より前方に離れており、また、下降側ロープ3aの輪部5がカラビナ94を介してガイドロープ91により前方へ引っ張られるので、荷降ろし中の建枠部材6とビティ式仮設足場201の前面との間に大きな距離があき、建枠部材6がビティ式仮設足場201の前面に衝突する恐れがなくなり、上昇側ロープ3bの下端の輪部7に引っ掛かる恐れも一層少なくなる。従って、作業員Aは荷降ろし中の建枠部材6がビティ式仮設足場201の前面に衝突しないように下降側ロープ3aを前方に押す必要がなく、上昇側ロープ3bを手で制御して下端の輪部7が荷降ろし中の建枠部材6に引っ掛からないように注意するだけでよく、作業性が極めて良好となる。
建枠部材6が地上に近づいたところで、ブレーキ部3の胴部35の下側の上昇側ロープ3bを皮手袋をした両手または片手で掴み、上方移動を少し拘束すると、ブレーキ部80、34の胴部81、35に巻き掛けられた荷降ろしロープ3が締まって縮径し、胴部81、35の表面に大きな押圧力で接触して大きな摩擦力が生じ、ブレーキが掛かる。より強くブレーキを掛けたい場合は、上昇側ロープ3bを後ろ側に引き、上昇側ロープ3bを胴部35に押し当てながら胴部35への巻き掛け量を増やしたり、上昇移動を拘束する力を少し大きくすればよい。ブレーキを弱めたい場合は、上昇側ロープ3bを前寄りに支持し、上昇側ロープ3bの胴部35への巻き掛け量を減らしたり、上昇移動を拘束する力を減らしたりすれば良い。
このようにして、上昇側ロープ3bを強く握らなくても建枠部材6をゆっくり地上に降ろすことができる。
ブレーキを掛けるときの皮手袋と上昇側ロープ3bとの間の摩擦熱は小さく、火傷する恐れがなくなり、作業者Aの身体的な負担が軽減し、また作業の中断や遅延が生じ難く作業性が改善する。また皮手袋の損傷も少なく経済的となる。また、手に皮手袋だけ嵌めればよいので、厚くならず、これによっても作業性が改善する。
なお、上記した第5実施例では、荷降ろしロープの荷側端部である輪部に嵌めたカラビナによりガイドロープに掛装するようにしたが、玉掛けロープまたは荷降ろし対象部材に支持させた掛装具をガイドロープに摺動自在に掛装させるようにしても良い。
また、第1実施例乃至第4実施例及びそれらの変形例においても、第5実施例と同様に、簡易クレーンのアーム部の先端部を前方に延ばし、前端部(滑車取り付け部の前側)にU字状のガイドロープ取り付け部を装着し、ガイドロープにより荷降ろし対象部材を前方へ引っ張るようにしても良い。
また、上記した各実施例及びその変形例の内、簡易クレーンが1または複数の巻き掛け式のブレーキ部を装備したタイプでは、ブレーキ部を固着プレート等により基部支柱の前面に固着して装備する場合を例に挙げて説明したが、本発明は何らこれに限定されるものでなく、ボルトやクランプ等の締結部品等を用いて、簡易クレーンに着脱自在に装着可能としても良い。
例えば、図35に示す2つのブレーキ用補助具としての第1と第2のブレーキ部80a’、80b’を装備した簡易クレーン10Gでは、第1のブレーキ部80a’は全体が鋼製であり、円筒状に形成された胴部81a’の両端に円環状のストッパ82a’、83a’が固着されて成る。基部支柱11’の上端近くに前後方向に貫通して穿設されたクランプボルト通し孔120の両側の基部支柱11’の前面に、2つの支持プレート84a’、85a’が固着されており、支持プレート84a’、85a’の前端には水平に配設された胴部81a’の周面の一部が嵌合する円弧状の当て部86、87が形成されている。一方、胴部81a’の軸方向中央に前後方向に貫通したクランプボルト通し孔88が穿設されている。クランプ12と第1のブレーキ部80a’を基部支柱11’に装着する場合、クランプ12と基部支柱11’のクランプボルト通し孔120にクランプボルト121を通し、更に胴部81a’の軸方向中央の背面側を支持プレート84a’、85a’の当て部86、87に当てながら、クランプボルト通し孔88にクランプボルト121を通し、ナット122を螺合して着脱自在に締結する。
第2のブレーキ部80b’は全体が鋼製であり、円筒状に形成された胴部81b’、胴部81b’の両端に固着された円環状のストッパ82b’、83b’、胴部81b’の軸方向の中央の背面から後方に延設された一対の支持プレート84b’、85b’から成る。支持プレート84b’、85b’の間隔は基部支柱11’の横幅と同一であり、後端近くにボルト通し孔89、90が穿設されており、対向面側の途中に基部支柱11’の前面の左右端部に当接する当接部91、92が突設されている。一方、基部支柱11’の上下方向の中央より少し下には左右側面を貫通してボルト通し孔93が穿設されている。第2のブレーキ部80b’を基部支柱11’に装着する場合、支持プレート84b’、85b’を基部支柱11’の左右両側面を挟むようにして差し込み、当接部91、92を基部支柱11’の前面に当接させて支持プレート84b’、85b’を水平に位置決めし、ボルト通し孔90、93、89にボルト94を通し、ナット95を螺合して着脱自在に締結する。
この図35の例によれば、第1、第2のブレーキ部80a’、80b’の胴部81a’、81b’が荷降ろしロープ3との摩擦で磨り減ったときに、容易に交換することができる。
図18の簡易クレーン10Aのブレーキ部80、図25の簡易クレーン10Bの第1、第2のブレーキ部80a、80b、図28の簡易クレーン10Cのブレーキ部80、図29の簡易クレーン10Dの第1乃至第3のブレーキ部80a乃至80c、図31の簡易クレーン10Eのブレーキ部80、図32の簡易クレーン10Fのブレーキ部80なども、基部支柱等に対し着脱自在に装着可能としても良いのは勿論である。
また、上記した各実施例及びそれらの変形例では、足場部材を荷降ろしする場合を例に挙げて説明したが、建築物の工事用資材、建築物の解体部材等を対象とすることもできる。
本発明は、マンション、ビル等の建築物の新築・改修工事現場等に設置される仮設足場の解体部材、建築物の工事用資材、建築物の解体部材等を仮設足場を通じて荷降ろしする際に適用できる。
2、6 建枠部材
3 荷降ろしロープ
3a 下降側ロープ
3b 上昇側ロープ
10 簡易クレーン
20 滑車
24、25 足場ステージ
30 荷降ろし補助具
31 基部支柱
32、33 クランプ
34 ブレーキ部
35 胴部
201 ビティ式仮設足場

Claims (7)

  1. 荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられる滑車を懸吊する滑車取り付け部、または荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられるシーブを前部に備えた簡易クレーンが設置されて荷降ろしを行う足場の構造物の内、簡易クレーンの下側に着脱自在に装着される基部部材と、
    基部部材に固着して設けられるか、または着脱自在に装着された巻き掛け式のブレーキ部と、
    を備え、
    巻き掛け式のブレーキ部は、滑車取り付け部に懸吊した滑車またはシーブに巻き掛けられる荷降ろしロープの内、荷降ろし対象部材が吊るされる下降側とは反対の上昇側が巻き掛けられる摩擦発生用の固定の胴部を含み、
    胴部は、荷下ろしロープを巻き掛ける外面が外部に露出するようにしたこと、
    を特徴とする簡易クレーン用の荷降ろし補助具。
  2. 荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられる滑車を懸吊する滑車取り付け部、または荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられるシーブを前部に備えた簡易クレーンが設置されて荷降ろしを行う足場の構造物の内、簡易クレーンの下側に着脱自在に装着される基部部材と、
    基部部材に固着して設けられるか、または着脱自在に装着された複数の巻き掛け式のブレーキ部と、
    を備え、
    各巻き掛け式のブレーキ部は、滑車取り付け部に懸吊した滑車またはシーブに巻き掛けられる荷降ろしロープの内、荷降ろし対象部材が吊るされる下降側とは反対の上昇側が巻き掛けられる摩擦発生用の固定の胴部を含むこと、
    を特徴とする簡易クレーン用の荷降ろし補助具。
  3. 荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられる滑車を懸吊する滑車取り付け部、または荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられるシーブを前部に備え、荷降ろしを行う足場の構造物に着脱自在に装着可能な簡易クレーンと、荷降ろしを行う足場の構造物の内、簡易クレーンの下側に着脱自在に装着可能な荷降ろし補助具とからなり、
    簡易クレーンは、
    基部寄りに固着して装着されるか、または着脱自在に装着された1または複数の巻き掛け式のブレーキ部を有し、
    各巻き掛け式のブレーキ部は、滑車取り付け部に懸吊した滑車またはシーブに巻き掛けられる荷降ろしロープの内、荷降ろし対象部材が吊るされる下降側とは反対の上昇側が巻き掛けられる摩擦発生用の固定の胴部を含み、
    荷降ろし補助具は、
    荷降ろしを行う足場の構造物の内、簡易クレーンの下側に着脱自在に装着される基部部材と、
    基部部材に固着して装着されるか、または着脱自在に装着された1または複数の巻き掛け式のブレーキ部と、
    を備え、
    各巻き掛け式のブレーキ部は、簡易クレーンに最後に巻き掛けられたブレーキ部から垂れ下がった荷降ろしロープが巻き掛けられる摩擦発生用の固定の胴部を含むこと、
    を特徴とする荷降ろし装置。
  4. 荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられる滑車を懸吊する滑車取り付け部、または荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられるシーブを前部に備え、荷降ろしを行う足場の構造物に着脱自在に装着可能な簡易クレーンにおいて、
    簡易クレーンの基部寄りに固着して装着されるか、または着脱自在に装着された複数の巻き掛け式のブレーキ部を設け、
    各巻き掛け式のブレーキ部は、滑車取り付け部に懸吊した滑車またはシーブに巻き掛けられる荷降ろしロープの内、荷降ろし対象部材が吊るされる下降側とは反対の上昇側が巻き掛けられる摩擦発生用の固定の胴部を含むこと、
    を特徴とする簡易クレーン。
  5. 荷降ろしを行う足場の構造物に、荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられる滑車を懸吊する滑車取り付け部、または荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられるシーブを前部に備えた簡易クレーンを設置するとともに、荷降ろしを行う足場の構造物の内、簡易クレーンの下側に、荷降ろしロープが巻き掛けられる摩擦発生用の固定の胴部を含む1または複数の巻き掛け式のブレーキ部を装着した荷降ろし補助具を設置し、
    荷降ろしロープを簡易クレーンの滑車取り付け部に懸吊した滑車またはシーブと、各巻き掛け式のブレーキ部の胴部に巻き掛け、滑車またはシーブから垂れ下がった荷降ろしロープに荷降ろし対象部材を吊るして地上に向けて落下させ、
    荷降ろし対象部材を地上に向け落下させたあとの初めの内は上昇側の荷降ろしロープの移動を手で拘束しないようにして、荷降ろし対象部材の降下速度が上がると胴部に巻き掛けられた荷降ろしロープが遠心力で胴部の外側に膨らむようにし、
    荷降ろし対象部材が降下している途中で、荷降ろしロープが最後に巻き掛けられた胴部から垂れ下がった荷降ろしロープの移動を手で拘束したときの荷降ろしロープと胴部との接触で発生する摩擦により荷降ろしロープにブレーキを掛けながら荷降ろしすること、
    を特徴とする荷降ろし方法。
  6. 荷降ろしを行う足場の構造物に、荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられる滑車を懸吊する滑車取り付け部、または荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられるシーブを前部に備え、基部寄りに荷降ろしロープが巻き掛けられる摩擦発生用の固定の胴部を含む1または複数の巻き掛け式のブレーキ部が装着された簡易クレーンを設置するとともに、荷降ろしを行う足場の構造物の内、簡易クレーンの下側に、荷降ろしロープが巻き掛けられる摩擦発生用の固定の胴部を含む1または複数の巻き掛け式のブレーキ部を装着した荷降ろし補助具を設置し、
    荷降ろしロープを簡易クレーンの滑車取り付け部に懸吊した滑車またはシーブと、簡易クレーンの各巻き掛け式のブレーキ部の胴部と、荷降ろし補助具の各巻き掛け式のブレーキ部の胴部に巻き掛け、滑車またはシーブから垂れ下がった荷降ろしロープに荷降ろし対象部材を吊るして地上に向けて落下させ、
    荷降ろし対象部材を地上に向け落下させたあとの初めの内は上昇側の荷降ろしロープの移動を手で拘束しないようにして、荷降ろし対象部材の降下速度が上がると胴部に巻き掛けられた荷降ろしロープが遠心力で胴部の外側に膨らむようにし、
    荷降ろし対象部材が降下している途中で、荷降ろしロープが最後に巻き掛けられた胴部から垂れ下がった荷降ろしロープの移動を手で拘束したときの荷降ろしロープと各胴部との接触で発生する摩擦により荷降ろしロープにブレーキを掛けながら荷降ろしすること、
    を特徴とする荷降ろし方法。
  7. 荷降ろしを行う足場の構造物に、荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられる滑車を懸吊する滑車取り付け部、または荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられるシーブを前部に備えるとともに、基部寄りに荷降ろしロープが巻き掛けられる摩擦発生用の固定の胴部を含む複数の巻き掛け式のブレーキ部が装着された簡易クレーンを設置し、
    荷降ろしロープを簡易クレーンの滑車取り付け部に懸吊した滑車またはシーブと、各巻き掛け式のブレーキ部の胴部に巻き掛け、滑車またはシーブから垂れ下がった荷降ろしロープに荷降ろし対象部材を吊るして地上に向けて落下させ、
    荷降ろし対象部材を地上に向け落下させたあとの初めの内は上昇側の荷降ろしロープの移動を手で拘束しないようにして、荷降ろし対象部材の降下速度が上がると胴部に巻き掛けられた荷降ろしロープが遠心力で胴部の外側に膨らむようにし、
    荷降ろし対象部材が降下している途中で、荷降ろしロープが最後に巻き掛けられた胴部から垂れ下がった荷降ろしロープの移動を手で拘束したときの荷降ろしロープと各胴部との接触で発生する摩擦により荷降ろしロープにブレーキを掛けながら荷降ろしすること、
    を特徴とする荷降ろし方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021123891A (ja) * 2020-02-03 2021-08-30 積 中野 重量物載置装置及びその使用方法

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