JP2019031465A - 医薬組成物 - Google Patents

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【課題】 キレート剤を含有することなく、かつ保存安定性が向上したパロノセトロンまたはその薬学的に許容し得る塩を有効成分として含有する医薬組成物を提供すること。【解決手段】 本発明の医薬組成物は、パロノセトロンまたはその薬学的に許容し得る塩、および緩衝剤を含有し、かつエチレンジアミン四酢酸を含有しない。ここで、本発明における緩衝剤は、リン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、および酒石酸緩衝剤からなる群から選択される少なくとも1種を含有する。【選択図】なし

Description

本発明は医薬組成物に関し、より詳細にはパロノセトロンまたはその薬学的に許容し得る塩を有効成分として含有する医薬組成物に関する。
癌治療における化学療法剤の投与後、または麻酔および手術後に現れる悪心および嘔吐を抑制または治療のために、5−HT3(5−ヒドロキシトリプタミン)受容体アンタゴニストを用いた種々の医薬製剤の開発が行われている。
このような5−HT3受容体アンタゴニストのうち、例えば、特許文献1は、パロノセトロンのような架橋された二環式アミン置換基を含む三環系5−HT3受容体アンタゴニストが静脈注射用製剤として使用され得ることを開示する。しかし、特許文献1に記載の製剤は保存安定性に欠けるため、製剤後短期間での使用を行わざるを得ず、汎用性や大量生産において不向きであることが指摘されていた。
これに対し、製剤中にEDTA(エチレンジアミン四酢酸)などのキレート剤を含有させた、パロノセトロン製剤が提案されている(特許文献2および3)。しかし、当該キレート剤は、人体に対して灼熱感、アレルギー反応等の副作用を誘発することがあり、より多くの患者への使用には制限がある点が指摘されている。
さらに、特許文献4では、キレート剤を用いることなく、クエン酸緩衝剤、およびマンニトールなどの等張化剤を含有させることにより、パロノセトロン製剤の安定性を改善する提案が行われている。
しかし、このような製剤であっても未だ充分な安定性を有しているとは言い難く、さらなる改良が所望されている。
特開平3−176486号公報 特表2006−516583号公報 特開2011−236242号公報 特表2017−504615号公報
本発明は、上記問題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、キレート剤を含有することなく、かつ保存安定性が向上したパロノセトロンまたはその薬学的に許容し得る塩を有効成分として含有する医薬組成物を提供することにある。
本発明は、パロノセトロンまたはその薬学的に許容し得る塩、および緩衝剤を含有し、
該緩衝剤が、リン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、および酒石酸緩衝剤からなる群から選択される少なくとも1種であり、そして
EDTAを含有しない、医薬組成物である。
1つの実施形態では、上記緩衝剤は酢酸緩衝剤およびリン酸緩衝剤からなる群から選択される少なくとも1種である。
1つの実施形態では、上記緩衝剤は酢酸緩衝剤である。
1つの実施形態では、本発明の医薬組成物はさらに等張化剤を含有する。
さらなる実施形態では、上記等張化剤は、キシリトールおよびD−ソルビトールからなる群から選択される少なくとも1種の糖成分を含有する。
さらなる実施形態では、上記等張化剤はキシリトールを含有する。
1つの実施形態では、本発明の医薬組成物は液剤の剤形を有する。
さらなる実施形態では、pHは4から6である。
1つの実施形態では、上記パロノセトロンまたはその薬学的に許容し得る塩はパロノセトロン塩酸塩である。
本発明によれば、パロノセトロンの類縁物質の生成を抑制して、より長期にわたる保存が可能である。これにより、製造から使用までの保存期間を考慮して製造ロットの拡大も可能となり、製造効率を高めることができる。さらに、EDTAを含有しないため、人体に対する副作用の懸案から開放され、より多くの患者が使用することができる。
以下、本発明について詳述する。
本発明の医薬組成物は、パロノセトロンまたはその薬学的に許容し得る塩、および緩衝剤を含有する。
パロノセトロンは、(3aS)−2−[(3S)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル]−2,3,3a,4,5,6−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[de]イソキノリン−1−オンの一般名であり、以下の化学式:
Figure 2019031465
で表される三環系5−HT3受容体アンタゴニストである。パロノセトロンは、例えば、シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤の投与に伴う、悪心および嘔吐(化学療法誘発性悪心嘔吐;CINV)の予防または治療に用いられている。さらに、パロノセトロンは、外科手術後または放射線治療後に発生する嘔吐に対する抗嘔吐剤としても用いられている。
パロノセトロンは注射後の血中半減期が30時間〜40時間であると言われており、主に肝臓で代謝され、かつ尿中に排泄される。パロノセトロンは当該期間において5−HT3受容体への結合を通じてより長時間の効果を発揮することができる。これにより、パロノセトロンは、第2世代5−HT3受容体アンタゴニストに分類されており、特に後続性の嘔吐抑制効果において優れる。ただし、パロノセトロンは、例えば光によって容易に酸化かつ分解されるという性質を有する。このため、薬物自体の安定性は脆弱である。
パロノセトロンの薬学的に許容し得る塩は、上記パロノセトロンの薬理活性を損なわず、むしろ当該活性を提供し得る塩であり、例えば、無機酸から形成された付加塩、および有機酸から形成された付加塩、ならびそれらの組み合わせを包含する。パロノセトロンの付加塩を構成する無機酸としては、必ずしも限定されないが、例えば、塩酸、臭素酸、硫酸、硝酸、およびリン酸が挙げられる。パロノセトロンの付加塩を構成する有機酸としては、必ずしも限定されないが、例えば、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、琥珀酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、o−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]オクト−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、4,4’−メチレンビス(3−ヒドロキシ−2−エン−1−カルボン酸)、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、酢酸tert−ブチル、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフト酸、サリチル酸、ステアリン酸、およびムコン酸が挙げられる。入手がより容易であるとの理由から、本発明では、パロノセトロンまたはその薬学的に許容し得る塩としては、パロノセトロン塩酸塩を用いることが好ましい。
本発明の医薬組成物におけるパロノセトロンまたはその薬学的に許容し得る塩の含有量は、当業者によって適宜選択され得るが、例えば、本発明の医薬組成物がバイアル製剤またはバッグ製剤などの液剤の剤形に調製されている場合、パロノセトロン濃度に換算して、好ましくは0.0050mg/〜1mg/ml、より好ましくは0.0075mg/ml〜0.75mg/mlである。
本発明において、緩衝剤は、無機酸緩衝剤および/または有機酸緩衝剤である。このような無機酸緩衝剤および有機酸緩衝剤としては、リン酸緩衝剤(すなわち、リン酸二水素ナトリウムとリン酸二水素ナトリウムとの混合物)、酢酸緩衝剤(すなわち、酢酸と酢酸ナトリウムとの混合物)、および酒石酸緩衝剤(すなわち、酒石酸と酒石酸ナトリウムとの混合物)、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。本発明の医薬組成物は、上記緩衝剤に加えて他の緩衝剤を含有していてもよい。他の緩衝剤の例としては、炭酸緩衝剤(すなわち、炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムとの混合物)、およびトリス塩酸緩衝剤(すなわち、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。医薬組成物における光照射下での類縁物質の発生をより効果的に抑制することができるという理由から、本発明の医薬組成物は緩衝剤として酢酸緩衝剤および/またはリン酸緩衝剤を含有することが好ましく、酢酸緩衝剤を含有することがさらに好ましい。
本発明において、緩衝剤は、医薬組成物中で好ましくは1mM〜150mM、より好ましくは20mM〜100mMとなる濃度に調製されている。
1つの実施形態では、本発明の医薬組成物を構成する等張化剤は糖成分を含有する。当該糖成分の例としては、キシリトール、およびD−ソルビトール、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。医薬組成物における類縁物質の発生をより効果的に抑制することができるという理由から、本発明の医薬組成物は、等張化剤としてキシリトールを含有することが好ましい。
例えば、本発明の医薬組成物が液剤の剤形に調製されている場合、等張化剤として上記糖成分を、好ましくは10mg/ml〜100mg/ml、より好ましくは20mg/ml〜80mg/ml、さらにより好ましくは30mg/ml〜60mg/mlの割合で含有する。
さらに、本発明では、等張化剤として上記糖成分に加えてまたは上記糖成分の代わりに、他の糖成分を含有していてもよい。当該他の糖成分の例としては、D−マンニトール、ラクトース、デキストロース、およびトレハロース、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。本発明の医薬組成物における当該他の糖成分の含有量は、当業者によって適宜選択され得る。
あるいは、本発明では、等張化剤として、上記糖成分および/または他の糖成分に加えて、もしくは上記糖成分および/または他の糖成分の代わりに、電解質類を含有していてもよい。電解質類の例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、およびマグネシウム塩、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。電解質のより具体的な例としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、および炭酸マグネシウム、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。本発明の医薬組成物における当該電解質の含有量は特に限定されず、当業者によって適宜選択され得る。
本発明の医薬組成物は、経口または非経口投与のための種々の剤形に製剤化され得る。例えば、本発明の医薬組成物が液剤の剤形を有する場合、当該医薬組成物は、好ましくは純水などの水を所定量の割合で含有し、pHが例えば4〜6、好ましくは4.3〜5.5となるように調整されている。本発明の医薬組成物が液剤である場合、経口、静脈内、筋肉内、経皮、鼻腔内、皮下、または局所的投与のために使用され得る。本発明の医薬組成物はまた、液剤だけでなく、例えば凍結乾燥することによって粉剤に製剤化することもできる。このような粉剤は、例えば、注射用水が添加され注射用製剤として使用され得る。
本発明の医薬製剤はまた、EDTAを含有しない。これにより、本発明の医薬製剤は、灼熱感、アレルギー反応等の副作用を誘発する恐れのある患者に対しても使用することができる。その一方で、本発明の医薬組成物は、上記成分を含有することにより、EDTAを含有していないにも関わらず、優れた光安定性を有する。
本発明による医薬組成物は、ガラスまたはプラスチック製のバイアルまたはアンプル、あるいはプラスチック製のバッグなどの当該分野において公知の充填容器または密封容器中で保存され得る。直射光を避けるために暗所にて保存することが好ましい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1:注射用製剤の作製)
0.84mgのパロノセトロン塩酸塩(パロノセトロン含量0.75mg)、188.0mgのキシリトール、および酢酸緩衝剤(2.0mgの酢酸および9.5mgの酢酸ナトリウム水和物)を混合して純水で5mLに調製し、これを5mLのガラス製バイアルに充填して、注射用製剤E1を作製した。この注射用製剤E1のpHは5.0であった。
(試験例A:光照射下で生じた類縁物質の測定)
上記バイアルの外から、白色蛍光ランプを4.0klx/時間の強度で12.5日間照射した。その後、バイアル内の注射用製剤について下記表1に記載の分析条件にて高速液体クロマトグラフィー(日本ウォーターズ株式会社製e2695 Separations Module)により測定し、パロノセトロンに由来する生成した類縁物質の量を、パロノセトロンに対する類縁物質の百分率で算出した。得られた結果を表2に示す。
Figure 2019031465
(試験例B:80℃保存条件下で生じた類縁物質の測定)
上記バイアルを、暗所で80℃にて3日間保存した。その後、バイアル内の注射用製剤について下記表1に記載の分析条件にて高速液体クロマトグラフィー(日本ウォーターズ株式会社製e2695 Separations Module)により測定し、パロノセトロンに由来する生成した類縁物質の量を、パロノセトロンに対する類縁物質の百分率で算出した。得られた結果を表2に示す。
(実施例2:注射用製剤の作製)
キシリトールの代わりに225.0mgのD−ソルビトールを用いたこと以外は実施例1と同様にして、注射用製剤E2を作製した。この注射用製剤E2のpHは5.0であった。この注射用製剤E2について上記試験例AおよびBに記載の試験を行った。得られた結果を表2に示す。
(実施例3:注射用製剤の作製)
キシリトールの代わりに225.0mgのD−ソルビトールを用い、そして酢酸緩衝剤の代わりにリン酸緩衝剤(15.0mgのリン酸二水素ナトリウム二水和物および0.05mgのリン酸水素二ナトリウム)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、注射用製剤E3を作製した。この注射用製剤E3のpHは5.0であった。この注射用製剤E3について上記試験例AおよびBに記載の試験を行った。得られた結果を表2に示す。
(実施例4:注射用製剤の作製)
キシリトールの代わりに225.0mgのD−ソルビトールを用い、そして酢酸緩衝剤の代わりに酒石酸緩衝剤(0.46mgの酒石酸および11.5mgの酒石酸ナトリウム二水和物)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、注射用製剤E4を作製した。この注射用製剤E4のpHは5.0であった。この注射用製剤E5について上記試験例AおよびBに記載の試験を行った。得られた結果を表2に示す。
(比較例1:注射用製剤の作製)
パロノセトロン塩酸塩を用いた市販製剤(大鵬薬品工業株式会社製「アロキシ静注0.75mg」)に相当する注射用製剤を以下のようにして作製した。
0.84mgのパロノセトロン塩酸塩(パロノセトロン含量0.75mg)、207.5mgのD−マンニトール、2.5mgのEDTA、およびクエン酸緩衝剤(18.5mgのクエン酸ナトリウム水和物および7.8mgのクエン酸水和物)を混合して純水で5mLに調製し、これを5mLのガラス製バイアルに充填して、注射用製剤C1を作製した。この注射用製剤C1のpHは5.0であった。この注射用製剤C1について上記試験例AおよびBに記載の試験を行った。得られた結果を表2に示す。
(比較例2:注射用製剤の作製)
D−マンニトールを含有させなかったこと以外は比較例1と同様にして、注射用製剤C2を作製した。この注射用製剤C2のpHは5.0であった。この注射用製剤C2について上記試験例AおよびBに記載の試験を行った。得られた結果を表2に示す。
(比較例3:注射用製剤の作製)
EDTAを含有させなかったこと以外は比較例1と同様にして、注射用製剤C3を作製した。この注射用製剤C3のpHは5.0であった。この注射用製剤C3について上記試験例AおよびBに記載の試験を行った。得られた結果を表2に示す。
(比較例4:注射用製剤の作製)
D−マンニトールおよびEDTAを含有させなかったこと以外は比較例1と同様にして、注射用製剤C4を作製した。この注射用製剤C4のpHは5.0であった。この注射用製剤C4について上記試験例AおよびBに記載の試験を行った。得られた結果を表2に示す。
(比較例5:注射用製剤の作製)
D−マンニトールの代わりに225.0mgのD−ソルビトールを用い、かつEDTAを含有させなかったこと以外は比較例1と同様にして、注射用製剤C5を作製した。この注射用製剤C5のpHは5.0であった。この注射用製剤C5について上記試験例AおよびBに記載の試験を行った。得られた結果を表2に示す。
(比較例6:注射用製剤の作製)
D−マンニトールの代わりに188.0mgのキシリトールを用い、かつEDTAを含有させなかったこと以外は比較例1と同様にして、注射用製剤C6を作製した。この注射用製剤C6のpHは5.0であった。この注射用製剤C6について上記試験例AおよびBに記載の試験を行った。得られた結果を表2に示す。
(比較例7:注射用製剤の作製)
D−マンニトールの代わりに222.5mgのグルコースを用い、かつEDTAを含有させなかったこと以外は比較例1と同様にして、注射用製剤C7を作製した。この注射用製剤C7のpHは5.0であった。この注射用製剤C7について上記試験例AおよびBに記載の試験を行った。得られた結果を表2に示す。
Figure 2019031465
表2に示すように、実施例1〜4で得られた注射用製剤E1〜E4では、光照射下での類縁物質量、および80℃、3日間保存条件下での類縁物質量の結果がいずれも、先発製剤である比較例1の注射用製剤C1の結果と同等またはそれ以下の数値となった。特に、実施例1で得られた注射用製剤E1の光照射下での類縁物質量は、比較例1の製剤の結果と比較して、半分以下であった。このことから、実施例1で得られた注射用製剤E1は、安定性が一層向上していたことがわかる。なお、比較例1の注射用製剤C1は、その成分にEDTAを含有していたのに対し、実施例1〜4で得られた注射用製剤E1〜E4ではEDTAを含有することなく、これらの結果を示していることについて特に留意すべきである。
本発明によれば、EDTAを含有させることなく、光安定性および保存安定性に優れたパロノセトロン製剤を提供することができる。このため、EDTAによる副作用を懸念することなく、より多くの患者に対して適用することができるとともに、製造から使用までの保存期間を考慮して製造ロットを拡大することが可能となり、工業的な生産性を高めることができる点で有用である。

Claims (9)

  1. パロノセトロンまたはその薬学的に許容し得る塩、および緩衝剤を含有し、
    該緩衝剤が、リン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、および酒石酸緩衝剤からなる群から選択される少なくとも1種であり、そして
    エチレンジアミン四酢酸を含有しない、医薬組成物。
  2. 前記緩衝剤が酢酸緩衝剤およびリン酸緩衝剤からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記緩衝剤が酢酸緩衝剤である、請求項1に記載の医薬組成物。
  4. さらに等張化剤を含有する、請求項1から3のいずれかに記載の医薬組成物。
  5. 前記等張化剤が、キシリトールおよびD−ソルビトールからなる群から選択される少なくとも1種の糖成分を含有する、請求項4に記載の医薬組成物。
  6. 前記等張化剤がキシリトールを含有する、請求項4に記載の医薬組成物。
  7. 液剤の剤形を有する、請求項1から6のいずれかに記載の医薬組成物。
  8. pHが4から6である、請求項7に記載の医薬組成物。
  9. 前記パロノセトロンまたはその薬学的に許容し得る塩がパロノセトロン塩酸塩である、請求項1から8のいずれかに記載の医薬組成物。
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