JP2019031416A - 光ファイバ母材の製造方法、及び光ファイバの製造方法 - Google Patents

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石原 朋浩
Tomohiro Ishihara
朋浩 石原
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Abstract

【課題】長手方向における堆積物の均一性を向上させる、光ファイバ母材の製造方法を提供する。【解決手段】この製造方法は、光ファイバ母材の製造方法であって、空気導入口3aが設けられた反応容器2を準備する準備工程と、マンドレル10を反応容器2内において軸回りに回動させる回動工程と、燃焼ガス及びガラス原料ガスをバーナ6に導入してマンドレル10に向けて火炎を発生させると共にマンドレル10とバーナ6とを長手方向に相対的に移動させ、火炎によりマンドレル10の外周上にガラス微粒子層11aを堆積する堆積工程と、を備えている。堆積工程では、マンドレル10の長手方向における母材有効領域に少なくとも跨がるように空気導入口3aから反応容器2内にクリーンエアを導入しつつ火炎によりマンドレル10の外周上にガラス微粒子層11aを堆積する。【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバ母材の製造方法、及び光ファイバの製造方法に関する。
特許文献1には、マルチモード光ファイバ母材の製造方法が開示されている。特許文献1に記載の製造方法では、マンドレルとバーナとを相対的に移動させて、ガラス微粒子をマンドレルの外周上に堆積させ、その後、ガラス微粒子の積層体を加熱して焼結している。このガラス微粒子を堆積させる際にガラス微粒子の堆積部の表面温度が母材の有効部全長にわたり目標値に対して所定の範囲内となるように燃焼ガスの流量を制御し、これにより、精度の良い屈折率分布を得るようにしている。
特開2005−170731号公報
特許文献1に記載の光ファイバ母材の製造方法によれば、マルチモード光ファイバに要求される屈折率分布の精度を向上させることができる。しかしながら、マルチモード光ファイバの母材に限らず光ファイバの母材の製造方法全般において、堆積させるガラス微粒子の更なる均一化が望まれている。
本発明は、光ファイバ母材の長手方向における堆積物の均一性を更に向上させた光ファイバ母材の製造方法、及び、当該光ファイバ母材を用いた光ファイバの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態に係る光ファイバ母材の製造方法は、少なくとも1つの空気導入口が長手方向に沿って設けられた反応容器を準備する準備工程と、長手方向に延在する出発ロッドを反応容器内において軸回りに回動させる回動工程と、燃焼ガス及びガラス原料ガスを反応容器に取り付けられたバーナに導入して出発ロッドに向けて火炎を発生させると共に出発ロッドとバーナとを長手方向に相対的に移動させ、火炎により出発ロッドの外周上にガラス微粒子層を堆積する堆積工程と、を備え、堆積工程では、出発ロッドの長手方向における母材有効領域に少なくとも跨がるように空気導入口から反応容器内にクリーンエアを導入しつつ火炎により出発ロッドの外周上にガラス微粒子層を堆積する。
本発明の一実施形態に係る光ファイバの製造方法は、上記の光ファイバ母材の製造方法によって製造される光ファイバ母材を用いて光ファイバを製造する製造方法であって、光ファイバ母材のガラス微粒子層を焼結する焼結工程と、光ファイバ母材から出発ロッドを除去してガラスパイプを形成するパイプ形成工程と、ガラスパイプを中実化してガラスロッドを形成する中実化工程と、ガラスロッドを線引きして光ファイバを製造する線引き工程と、を備える。
上記によれば、長手方向における堆積物の均一性を向上させた光ファイバ母材の製造方法、及び、当該光ファイバ母材を用いた光ファイバの製造方法を提供することができる。
図1は、一実施形態に係る光ファイバ母材の製造装置の構成を示す模式図である。 図2は、図1に示す製造装置において、反応容器内の圧力の長手方向における変動の一例を示す図である。 図3は、図1に示す製造装置等を用いて光ファイバ母材を製造した際の長手方向における堆積面温度の変動の一例を示す図である。 図4は、図1に示す製造装置等を用いて光ファイバ母材を製造した際の堆積面温度の経時変化の一例を示す図である。 図5は、別の実施形態に係る光ファイバ母材の製造装置の構成を示す模式図である。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施形態の内容をそれぞれ個別に列記して説明する。
(1)本実施形態に係る光ファイバ母材の製造方法は、少なくとも1つの空気導入口が長手方向に沿って設けられた反応容器を準備する準備工程と、長手方向に延在する出発ロッドを反応容器内において軸回りに回動させる回動工程と、燃焼ガス及びガラス原料ガスを反応容器に取り付けられたバーナに導入して出発ロッドに向けて火炎を発生させると共に出発ロッドとバーナとを長手方向に相対的に移動させ、火炎により出発ロッドの外周上にガラス微粒子層を堆積する堆積工程と、を備え、堆積工程では、出発ロッドの長手方向における母材有効領域に少なくとも跨がるように空気導入口から反応容器内にクリーンエアを導入しつつ火炎により出発ロッドの外周上にガラス微粒子層を堆積する。
本実施形態に係る光ファイバ母材の製造方法では、反応容器に長手方向に沿って空気導入口を設け、堆積工程において、出発ロッドの長手方向における母材有効領域に少なくとも跨がるように空気導入口から反応容器内にクリーンエアを導入しつつ火炎により出発ロッドの外周上にガラス微粒子層を堆積するようにしている。この場合、反応容器内においてガラス微粒子層を堆積する際に使用される領域の圧力差や気流の流速差を所定の範囲内に抑えることができるため、出発ロッドの外周上に堆積されるガラス微粒子層を長手方向において変動の少ないものとすることができる。これにより、長手方向における堆積物の均一性を更に向上させた光ファイバ母材を製造することができる。
(2)本実施形態の一態様として、空気導入口から導入されるクリーンエアの反応容器の内と外との間の圧力差が5Pa以上であってもよい。この場合、所定の流速の気流を反応容器内に導入しやすくなり、反応容器内の圧力や気流の変動を抑えやすくなる。なお、空気導入口に二枚以上の金属メッシュを配置することで空気導入口から導入されるクリーンエアの反応容器の内と外との間の圧力差が5Pa以上とされるようにしてもよい。
(3)本実施形態の一態様として、堆積工程では、出発ロッドの母材有効領域がバーナと相対的に移動する範囲内における反応容器内の圧力差が1.3Pa/m以下であり且つ反応容器内の気流の流速差が0.5(m/s)/m以下である状況で、火炎により出発ロッドの外周上にガラス微粒子層を堆積するようにしてもよい。この場合、長手方向における堆積物の均一性を更に向上させた光ファイバ母材を製造することができる。
(4)本実施形態の一態様として、空気導入口から導入されるクリーンエアの長手方向における温度変動が0.25℃以内であってもよい。この場合、出発ロッドに堆積されるガラス微粒子層の長手方向における温度変動を小さくすることができ、これにより、例えば、マルチモード光ファイバにおける屈折率分布を所望の分布により一層、近似させることができる。
(5)本実施形態の一態様として、反応容器には、当該容器内に導入されたクリーンエアを排出するための複数の排出口が設けられており、堆積工程では、母材有効領域に少なくとも跨がるように複数の排出口からクリーンエアを排出しつつ火炎により出発ロッドの外周上にガラス微粒子層を堆積するようにしてもよい。排出口が一つである場合、排出側において圧力や気流の流速が長手方向で変動してしまう可能性があるが、上記構成のように複数の排出口を設けることにより、排出側においても圧力差や気流の流速差を所定の範囲内に抑えることができるため、出発ロッドの外周上に堆積されるガラス微粒子層を長手方向においてより一層変動の少ないものとすることができる。
(6)本実施形態の一態様として、空気導入口から導入されるクリーンエアの経時的な温度変化が0.25℃/分以下になるように調整されていてもよい。この場合、反応容器内の温度の経時変化を抑えることができるため、所望の性能(例えば良好な屈折率分布)を有する光ファイバ母材を得ることがより一層実現しやすくなる。
(7)本実施形態の一態様として、堆積工程では、バーナは固定されており、出発ロッドがバーナに対して長手方向に沿って往復移動することで火炎により出発ロッドの外周上にガラス微粒子層を堆積するようにしてもよい。この場合、バーナの位置を固定できるので、空気導入口を設ける箇所を選別しやすくなり、本製造方法に用いる装置構成を簡易なものとすることができる。また、バーナを移動しなくてもよいため、バーナの移動に伴う反応容器内の圧力差や気流の流速差の変動をなくし、反応容器内の圧力差や気流の流速差等を所定の範囲内により一層抑えやすくなる。
(8)本実施形態に係る光ファイバの製造方法は、上記(1)〜(7)の何れかの態様の光ファイバ母材の製造方法によって製造される光ファイバ母材を用いて光ファイバを製造する製造方法であって、光ファイバ母材のガラス微粒子層を焼結する焼結工程と、光ファイバ母材から出発ロッドを除去してガラスパイプを形成するパイプ形成工程と、ガラスパイプを中実化してガラスロッドを形成する中実化工程と、ガラスロッドを線引きして光ファイバを製造する線引き工程と、を備えている。この場合、長手方向における堆積物の均一性を向上させた光ファイバ母材を用いて光ファイバを製造するため、より所望の性能を有する光ファイバを得ることができる。
[本願発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る光ファイバ母材の製造方法、及び、当該製造方法による光ファイバ母材を用いて光ファイバを製造する光ファイバの製造方法の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、また、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[光ファイバ母材の製造装置]
図1は、本実施形態に係る光ファイバ母材の製造方法に用いられる製造装置の構成を示す模式図である。図1に示されるように、製造装置1は、いわゆるOVD法(外付け化学気相堆積法)に用いられる装置であり、反応容器2、クリーンブース3、排出室4、保持具5、及び、バーナ6を備えている。製造装置1では、反応容器2内の上方に配置された保持具5により、光ファイバ母材を製造するための出発ロッドである長尺状のマンドレル10の上端を保持し、マンドレル10が垂直方向に向くように支持している。保持具5は、保持しているマンドレル10をその軸回りに回転させることができるように構成されている。マンドレル10は、例えば、アルミナ、カーボン又はシリカから形成することができる。
反応容器2は、光ファイバ母材11を製造するための内部領域を画定するための容器であり、出発ロッドとなるマンドレル10をその内部に収納する。反応容器2ではマンドレル10に対してガラス微粒子を堆積させて光ファイバ母材を製造するため、ガラス微粒子を生成する際に発生する塩素ガス等による腐食が起こらないよう、反応容器2は、例えば二酸化ケイ素、炭化ケイ素、ニッケル又はニッケル合金などにより形成されている。
また、反応容器2には、ガラス微粒子生成用のバーナ6が取り付けられている。バーナ6は、ガスを吹き出すための複数のポートを有しており、各ポートそれぞれから燃焼ガス及びガラス原料ガスを吹き出し、燃焼ガスの燃焼により生じる酸水素火炎中においてガラス原料ガスを加水分解反応させて、ガラス微粒子を生成する。バーナ6は、生成したガラス微粒子をマンドレル10の外周上に堆積させるように、マンドレル10に向けて横方向に配置されている。
ここで用いる燃焼ガスには、例えば水素(H)及び酸素(O)が含まれる。また、ガラス原料ガスには、例えば四塩化ケイ素(SiCl)やシロキサンが含まれ、そこに四塩化ゲルマニウム(GeCl)が屈折率調整剤として添加される。屈折率調整剤としては、ゲルマニウムの他に例えばリン又はホウ素を用いることができる。ガラス原料ガスとして四塩化ケイ素と四塩化ゲルマニウムを用いた場合、シリカ(SiO)及び二酸化ゲルマニウム(GeO)を主成分とするガラス微粒子がバーナ6の火炎中で生成される。
反応容器2内にはマンドレル10を保持する保持具5が設けられている。保持具5は、垂直方向(図示上下方向、長手方向ともいう)に沿った軸を中心として回動可能である。また、保持具5は、垂直方向に往復移動(トラバース)可能なように構成されており、保持具5により保持されるマンドレル10を回動しながら、上下方向に往復移動させる。
反応容器2の一方には、クリーンブース3が隣接して配置されており、反応容器2とクリーンブース3との間に空気導入口3aが設けられている。空気導入口3aは、製造装置1の長手方向に沿って設けられており、マンドレル10が保持具5により往復移動した際の最大移動領域に跨がるように配置されている。空気導入口3aは、クリーンブース3からのクリーンエアを反応容器2内に導入する。導入される空気の流速は、例えば1m/s〜3m/sの間であり、一例として2m/sとすることができる。空気導入口3aから導入されるクリーンエアの温度は、例えば20℃〜30℃の間であり、一例として25℃とすることができ、その経時的な温度変化が0.25℃/分以下となるように温度調整されている。また、空気導入口3aから導入されるクリーンエアの長手方向における温度変動も0.25℃以内となるように調整されている。
また、空気導入口3aには、二枚以上の金属メッシュが配置されており、フィルターとしての機能を奏すると共に、所定の圧力損失を生成することで、反応容器2とクリーンブース3との間に所定の圧力差、例えば5Pa以上の圧損を設けるようにしている。反応容器2の内と外との間にこのような圧力差を設けることにより、導入されるクリーンエアの流速や温度などを長手方向で安定化させることができる。なお、ここで使用される金属メッシュとしては、例えば、50メッシュ/インチであり、その線径が0.2mmである金属メッシュを用いることができる。
反応容器2の他方には、排出室4が隣接して配置されており、反応容器2と排出室4との間には複数の排出口4a,4b,4c及び4dが設けられている。排出室4には、複数の排出口4a〜4dを介して、マンドレル10に堆積されなかった余剰のガラス微粒子を含む容器内部の排気ガスが排出されるようになっている。排出口4a〜4dは、製造装置1の長手方向に分散するように順に設けられており、マンドレル10が保持具5により往復移動した際の最大移動領域に跨がるように配置されている。なお、排出口4a〜4dは、空気導入口3aの設置数、開口面積及び配置箇所に対応するように設けてもよいが、マンドレル10が保持具5により往復移動した際の最大移動領域に跨がるようであれば、空気導入口3aの設置数、開口面積及び配置箇所に対応せずに異なった設置数、開口面積及び配置箇所であってもよい。
[光ファイバ母材の製造方法]
次に、このような構成を備えた製造装置1によって光ファイバ母材を製造する方法について説明する。まず、空気導入口3a及び複数の排出口4a〜4dが長手方向に沿って設けられた反応容器2を含む製造装置1を準備する(準備工程)。
続いて、保持具5によって反応容器2内に吊り下げられたマンドレル10を反応容器2内において軸回りに回動させる(回動工程)。そして、バーナ6に燃焼ガス(例えば水素及び酸素)及びガラス原料ガス(例えば四塩化ケイ素及び四塩化ゲルマニウム)を導入し、回転しているマンドレル10に向けて酸水素火炎を発生させる。酸水素火炎中では、加水分解反応により二酸化ゲルマニウムが含まれたガラス微粒子が生成される。この際、保持具5により、マンドレル10を軸回りに回転させながら、長手方向(上下方向)に昇降させて往復移動させる。なお、本実施形態では、バーナ6を固定してマンドレル10を往復移動させる態様としたが、これとは逆にバーナ6を長手方向に移動させることで、バーナ6とマンドレル10とが相対的に移動するようにしてもよい。
このような酸水素火炎によって生成されたガラス微粒子は、回転動作及び往復動作を行うマンドレル10の外周面上に堆積され、ガラス微粒子層11aが生成される。ガラス微粒子層11aのうち、後に光ファイバとして製品化できる部分は、マンドレル10の長手方向においてその外径が一定となっている中央の部分(母材有効領域)であり、上述したように、この母材有効領域に少なくとも跨がるように空気導入口3aを介してクリーンブース3からのクリーンガスが反応容器2内に導入される。またこの際、排出口4a〜4dもこの母材有効領域に少なくとも跨がるように設けられており、長手方向に順に配置された排出口4a〜4dを介して、マンドレル10に堆積されなかった余剰のガラス微粒子を含む容器内部の排気ガスを排出室4に排出する。
ここで、このような空気導入口3aと複数の排出口4a〜4dとを備えた反応容器2における圧力の長手方向における変動の一例について、図2を参照して説明する。図2は、反応容器内の圧力(負圧)の長手方向における変動の一例を示す図である。図2に示す圧力(Pa)は、例えば、スス体であるガラス微粒子層11aの中心線を含む、気流方向と垂直な断面上の反応容器の壁の近傍での圧力を所定の圧力計にて測定したものである。図2に示すように、反応容器2の長手方向に沿った母材有効領域に対応する長さ0.5m〜2.5mの範囲内の圧力差は、上述したような空気導入口及び排出口を設けることにより、例えば上端部と下端部との間でも0.2Pa程度の圧力差に抑えることができる。つまり、空気導入口3a、反応容器2とクリーンブース3との間の所定の圧力差、及び、複数の排出口4a〜4dを設けることにより、反応容器2の長手方向における圧力差を1.3Pa/m以下とすることができる。なお、この際の条件は以下の通りである。また、反応容器2内の流速は、スス体であるガラス微粒子層11aの中心線を含む、気流方向と垂直な断面上の流速を所定の流速計で測定することができる。
空気導入口の開口面積:1m
排気口の数:4
空気導入口から導入されるクリーンエアの流速:1m/s
また、このような空気導入口3aと複数の排出口4a〜4dとを備えた反応容器2においてマンドレル10上に堆積されたガラス微粒子の堆積温度の変動の一例について、図3を参照して説明する。図3は、反応容器内において堆積されたガラス微粒子層の堆積面温度の長手方向における変動を示す図である。図3に示すように、空気導入口3aと複数の排出口4a〜4dを設けた反応容器2を用いた実施例では、ガラス微粒子の堆積面温度が長手方向において一定の範囲内に収まることが確認できる。一方、母材有効領域より短い空気導入口と1の排出口のみを設けた反応容器で同様のガラス微粒子をマンドレルの外周上に堆積した比較例では、ガラス微粒子の堆積面温度が長手方向においてばらついてしまい、例えば上端側において他の領域よりもかなり低い温度となることが確認できる。
マルチモード光ファイバでは、ガラス母材を製造する際のガラス微粒子の堆積面温度がそのガラス母材の屈折率に影響を及ぼすことが知られているが、上述した実施例のように長手方向における堆積面温度を所定の範囲内で均一にすることにより、所望の屈折率分布により近似した光ファイバ母材を得ることができる。そして、このような均一の堆積面温度を維持できることにより、かかるガラス母材から製造されるマルチモード光ファイバでは、ファイバ長さ(km)における帯域幅の長手変動量(%)が従来の最大4.4%/kmから最大2.8%/kmまで低減することができる。なお、この際の、反応容器2内の長手方向の圧力差は0〜0.5(Pa/m)であり、反応容器2内の長手方向の流速差は0〜0.5((m/s)/m)であり、また、室温変動は0.25(℃/分)以下である。また、反応容器2の内外の差圧は5(Pa)以上である。
また、図4に示されるように、スス付け時間とガラス微粒子の堆積面温度との関係について、上述した比較例では、時間の経過に伴って堆積面温度が上昇してしまうことがあるが、実施例では、時間の経過があった場合でも、ガラス微粒子の堆積面温度を所定の範囲内に納めることができる。つまり、より均一化した光ファイバ母材を得ることができる。
以上、本実施形態に係る光ファイバ母材の製造方法によれば、反応容器2に空気導入口3aを設け、堆積工程において、マンドレル10の長手方向における母材有効領域に少なくとも跨がるように空気導入口3aから反応容器2内にクリーンエアを導入しつつ火炎によりマンドレル10の外周上にガラス微粒子層11aを堆積するようにしている。このため、反応容器2内においてガラス微粒子層11aを堆積する際に使用される領域の圧力差や気流の流速差を所定の範囲内に抑えることができ、マンドレル10の外周上に堆積されるガラス微粒子層11aを長手方向において変動の少ないものとすることができる。これにより、長手方向における堆積物の均一性を更に向上させた光ファイバ母材11を製造することができる。
また、空気導入口3aから導入されるクリーンエアの反応容器2の内と外との間の圧力差が5Pa以上である。このため、長手方向に安定した流速の気流を反応容器2内に導入しやすくなり、反応容器2内の圧力や気流の変動を抑えやすくすることができる。
また、堆積工程では、マンドレル10の母材有効領域がバーナ6と相対的に移動する範囲内における反応容器2内の圧力差が1.3Pa/m以下であり且つ反応容器内の気流の流速差が0.5(m/s)/m以下である状況で、火炎によりマンドレル10の外周上にガラス微粒子層11aを堆積している。このため、長手方向における堆積物の均一性を更に向上させた光ファイバ母材11を製造することができる。
また、空気導入口3aから導入されるクリーンエアの長手方向における温度変動が0.25℃以内である。このため、マンドレル10に堆積されるガラス微粒子層11aの長手方向における温度変動を小さくすることができ、これにより、例えば、マルチモード光ファイバにおける屈折率分布を所望の分布により一層、近似させることができる。
また、反応容器2には、当該容器内に導入されたクリーンエアを排出するための複数の排出口4a〜4dが設けられており、堆積工程では、母材有効領域に少なくとも跨がるように複数の排出口4a〜4dからクリーンエアを排出しつつ火炎によりマンドレル10の外周上にガラス微粒子層11aを堆積するようにしている。従来の製法のように排出口が一つである場合、排出側において圧力や気流の流速が長手方向で変動してしまう可能性があるが、複数の排出口を設けることにより、排出側においても圧力差や気流の流速差を所定の範囲内に抑えることができるため、マンドレル10の外周上に堆積されるガラス微粒子層11aを長手方向においてより一層変動の少ないものとすることができる。
また、空気導入口3aから導入されるクリーンエアの経時的な温度変化が0.25℃/分以下になるように調整されている。この場合、反応容器2内の温度の経時変化を抑えることができるため、所望の性能(例えば良好な屈折率分布)を有する光ファイバ母材を得ることがより一層実現しやすくなる。
また、堆積工程では、バーナ6は固定されており、マンドレル10がバーナ6に対して長手方向に沿って往復移動することで火炎によりマンドレル10の外周上にガラス微粒子層11aを堆積するようにしてもよい。この場合、バーナ6の位置を固定できるので、空気導入口3aを設ける箇所を選別しやすくなり、本製造方法に用いる装置構成を簡易なものとすることができる。また、バーナ6を移動しなくてもよいため、バーナ6の移動に伴う反応容器2内の圧力差や気流の流速差の変動をなくし、反応容器2内の圧力差や気流の流速差等を所定の範囲内により一層抑えやすくなる。
[光ファイバの製造方法]
次に、上記した光ファイバ母材の製造方法によって製造されて長手方向に均一性を有する光ファイバ母材11を用いて光ファイバを製造する方法について説明する。
まず、マンドレル10の材質がシリカである場合、ガラス微粒子が堆積されたガラス微粒子層11aをその外周に有する光ファイバ母材11を焼結させて透明化する。その後、マンドレル10の部分をドリル等で切削して穴あけ処理を行う。一方、マンドレル10の材質がアルミナ、カーボン、又はアルミナ上にカーボンをコーティングしたものである場合、ガラス微粒子が堆積されたガラス微粒子層11aをその外周に有する光ファイバ母材11からマンドレル10を引き抜いて取り除き、焼結を行って透明化する。以上の何れかにより、ガラスパイプが形成される。
続いて、このガラスパイプを加熱して、コラプス法により中実化してガラスロッドを形成する。更に、ガラスロッドの外周上にガラス微粒子を堆積させて透明化させるか、又は、ガラスパイプを被せてロッドインコラプス法により一体化させることによりクラッドとなるガラスを作製してもよい。そして、このガラスロッドを線引きして、マルチモード光ファイバなどの光ファイバを製造する。
なお、ガラス微粒子層11aを焼結する際、コラプス法を行う際、及び線引きする際には熱源を使用することになるが、その際、酸水素火炎を発生させるバーナを用いた場合には加熱雰囲気中にOH基が存在し、ガラスの中にOH基を侵入させてしまうことが考えられる。そこで、このような加工を行う際には、加熱雰囲気の中にOH基を発生させない無水雰囲気の加熱源を用いてもよい。このような無水加熱源としては、誘導加熱炉、抵抗加熱炉、又はプラズマバーナ等を例示することができる。
このように長手方向における堆積物の均一性を向上させた光ファイバ母材を用いて光ファイバを製造するため、上記の製造方法によれば、より所望の性能を有する光ファイバを得ることができる。
以上、本実施形態に係る光ファイバ母材の製造方法及び当該製造方法によって製造された光ファイバ母材を用いて光ファイバを製造する製造方法について説明してきたが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々の変形を適用することができる。
例えば、上記実施形態では、単一の空気導入口3aを有する製造装置1を用いて光ファイバ母材11を製造しているが、例えば図5に示すように、複数の空気導入口3bを有する製造装置1aを用いて光ファイバ母材11を製造してもよい。製造装置1aの他の構成は製造装置1と同様であり、また各空気導入口3bには上記同様に金属メッシュが配置されている。この場合でも、複数の空気導入口3bがマンドレル10の長手方向における母材有効領域に跨がるようになっていることから、反応容器2内においてガラス微粒子層11aを堆積する際に使用される領域の圧力差や気流の流速差を所定の範囲内に抑えることができ、マンドレル10の外周上に堆積されるガラス微粒子層11aを長手方向において変動の少ないものとすることができる。
1,1a…製造装置、2…反応容器、3…クリーンブース、3a,3b…空気導入口、4…排出室、4a〜4d…排出口、5…保持具、6…バーナ、10…マンドレル(出発ロッド)11…光ファイバ母材、11a…ガラス微粒子層。

Claims (9)

  1. 少なくとも1つの空気導入口が長手方向に沿って設けられた反応容器を準備する準備工程と、
    長手方向に延在する出発ロッドを前記反応容器内において軸回りに回動させる回動工程と、
    燃焼ガス及びガラス原料ガスを前記反応容器に取り付けられたバーナに導入して前記出発ロッドに向けて火炎を発生させると共に前記出発ロッドと前記バーナとを長手方向に相対的に移動させ、前記火炎により前記出発ロッドの外周上にガラス微粒子層を堆積する堆積工程と、
    を備え、
    前記堆積工程では、前記出発ロッドの長手方向における母材有効領域に少なくとも跨がるように前記空気導入口から前記反応容器内にクリーンエアを導入しつつ前記火炎により前記出発ロッドの外周上に前記ガラス微粒子層を堆積する、光ファイバ母材の製造方法。
  2. 前記空気導入口から導入される前記クリーンエアの前記反応容器の内と外との間の圧力差が5Pa以上である、
    請求項1に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  3. 前記空気導入口に二枚以上の金属メッシュを配置することで前記空気導入口から導入される前記クリーンエアの前記反応容器の内と外との間の圧力差が5Pa以上とされている、
    請求項2に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  4. 前記堆積工程では、前記出発ロッドの前記母材有効領域が前記バーナと相対的に移動する範囲内における前記反応容器内の圧力差が1.3Pa/m以下であり且つ前記反応容器内の気流の流速差が0.5(m/s)/m以下である状況で、前記火炎により前記出発ロッドの外周上に前記ガラス微粒子層を堆積する、
    請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  5. 前記空気導入口から導入される前記クリーンエアの長手方向における温度変動が0.25℃以内である、
    請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  6. 前記反応容器には、当該容器内に導入された前記クリーンエアを排出するための複数の排出口が設けられており、
    前記堆積工程では、前記母材有効領域に少なくとも跨がるように前記複数の排出口から前記クリーンエアを排出しつつ前記火炎により前記出発ロッドの外周上に前記ガラス微粒子層を堆積する、
    請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  7. 前記空気導入口から導入される前記クリーンエアの経時的な温度変化が0.25℃/分以下になるように調整されている、
    請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  8. 前記堆積工程では、前記バーナは固定されており、前記出発ロッドが前記バーナに対して長手方向に沿って往復移動することで前記火炎により前記出発ロッドの外周上に前記ガラス微粒子層を堆積する、
    請求項1〜請求項7の何れか一項に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  9. 請求項1〜請求項8の何れか一項に記載の光ファイバ母材の製造方法によって製造される光ファイバ母材を用いて光ファイバを製造する製造方法であって、
    前記光ファイバ母材の前記ガラス微粒子層を焼結する焼結工程と、
    前記光ファイバ母材から前記出発ロッドを除去してガラスパイプを形成するパイプ形成工程と、
    前記ガラスパイプを中実化してガラスロッドを形成する中実化工程と、
    前記ガラスロッドを線引きして光ファイバを製造する線引き工程と、
    を備える光ファイバの製造方法。
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