JP2019031026A - 樹脂成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱伝導性に優れる樹脂成形体を提案する。【解決手段】 本発明は、強化繊維2が含有される樹脂成形体1であって、強化繊維2は、樹脂成形体1中に分散し、樹脂成形体1の厚さ方向に配向する強化繊維2の割合は50%以上とされる。樹脂成形体1の厚さ方向に配向する強化繊維2の割合が50%以上であることで、当該強化繊維2を熱伝導媒体として厚さ方向に熱を伝導し易くなる。また、強化繊維2は、樹脂成形体1中に分散していることで、当該樹脂成形体1中で強化繊維2が密となる部位と疎となる部位とを低減することができる。こうして、熱伝導性に優れる樹脂成形体1が提供される。【選択図】 図2

Description

本発明は、熱伝導性に優れる樹脂成形体に関する。
近年、電子機器や自動車部品などの機器に収容される素子の高密度化や、当該機器の薄型化の傾向がある。このような傾向に伴って、樹脂成形体の熱伝導性を高めることが検討されている。
例えば、下記特許文献1では、カーボン繊維と樹脂接合相とを有する放熱材が提案されている。下記特許文献1の放熱材では、500〜32000本のカーボン繊維から成るカーボン繊維束が放熱材の厚さ方向に配向し、当該カーボン繊維の長さが放熱材の厚さと同一となっている。
特開2016−103554号公報
ところが、上記特許文献1の放熱材では、厚さ方向に配向する複数のカーボン繊維束が、当該放熱材の面方向に間隔をあけて並べられている。このため、上記特許文献1の放熱材では、カーボン繊維束が厚さ方向に配置されている部位と配置されない部位とが混在する。従って、熱源の位置等に応じて熱伝導のばらつきが生じることが懸念される。
そこで本発明は、熱伝導性に優れる樹脂成形体を提供する。
かかる課題を解決するため本発明は、強化繊維が含有される樹脂成形体であって、前記強化繊維は、前記樹脂成形体中に分散し、前記樹脂成形体の厚さ方向に配向する前記強化繊維の割合は、50%以上とされることを特徴とする。
このような樹脂成形体によれば、樹脂成形体の厚さ方向に配向する強化繊維の割合が50%以上であるため、当該強化繊維を熱伝導媒体として厚さ方向に熱を伝導し易くなる。従って、樹脂成形体における厚さ方向の熱伝導性を高めることができる。また、強化繊維は、樹脂成形体中に分散しているため、当該樹脂成形体中で強化繊維が密となる部位と疎となる部位とを低減することができる。従って、樹脂成形体の厚さ方向における熱伝導のばらつきを抑制することができる。こうして、熱伝導性に優れる樹脂成形体が提供される。
また、前記強化繊維の平均繊維長は、前記樹脂成形体の厚さの半分よりも小さいことが好ましい。
この場合、樹脂成形体の厚さ方向における熱伝導を確保しつつ、樹脂成形体の強度を十分に保つことが可能であり、かつ樹脂成形体の異方性を小さくすることができる。
また、前記樹脂成形体の厚さ方向に配向する前記強化繊維の割合は、90%以下とされることが好ましい。
この場合、樹脂成形体の異方性をより小さくすることができる。
また、前記樹脂成形体は、ポリアミド樹脂を含有し、前記強化繊維の含有量は、前記ポリアミド樹脂100質量部に対して30〜300質量部とされることが好ましい。
30質量部以上とすることで樹脂成形体の強度及び熱伝導性が不十分となることを抑制し、300質量部以下とすることで強化繊維の流動性が悪くなって樹脂成形体中での分散が不十分となることを抑制し得る。
なお、前記樹脂成形体は屈曲していても良く、管状体とされていても良い。例えば、管状体である場合、成形体の内側を通る物質の熱を外側に効率よく放熱することが可能である。
以上のように本発明によれば、熱伝導性に優れる樹脂成形体が提供される。
第1実施形態における樹脂成形体を概略的に示す図である。 図1の樹脂成形体の一部を拡大した様子を示す図である。 第2実施形態における樹脂成形体を概略的に示す図である。
以下、本発明に係る樹脂成形体を実施するための実施形態及び実施例が添付図面とともに例示される。以下に例示する実施形態及び実施例は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができる。
(1)第1実施形態
図1は、第1実施形態における樹脂成形体を概略的に示す図である。図1に示すように、本実施形態における樹脂成形体1は、(A)熱可塑性樹脂と、(B)強化繊維とを含有する成形体であり、管状体とされる。この管状体の断面は円であっても楕円であっても良い。
図2は、図1の樹脂成形体の一部を拡大した様子を示す図である。図2に示すように、強化繊維2は、樹脂成形体1中に分散している。樹脂成形体1の厚さ方向TDに配向する強化繊維2の割合は、50%以上とされる。樹脂成形体1の厚さは、本実施形態では管状体の肉厚であり、当該管状体における外壁面F1と内壁面F2との間の直線距離である。管状体の断面が円又は楕円である場合、樹脂成形体1の厚さは、外径と内径との差である。なお、強化繊維2が厚さ方向TDに対して傾いている場合、その傾きが45°以下であれば強化繊維2は厚さ方向TDに配向している。
このような樹脂成形体1は、例えば、熱溶解積層法による3Dプリンタを用いて、造形対象の厚さ方向に沿ってノズルを動かしながら、強化繊維が含有される溶融樹脂を押し出して層を積み重ねるようにして製造し得る。
(A)熱可塑性樹脂
熱可塑性樹脂は、熱可塑性を有する樹脂であり、その具体例としては、ポリアミド樹脂、ポリエステル、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、芳香族ビニル化合物重合体、ポリオレフィン、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、ポリ乳酸系樹脂等が挙げられる。本実施形態では、ポリアミド樹脂とされる。
ポリアミド樹脂は、その分子中に酸アミド基(−CONH−)を有する、加熱溶融できるポリアミド重合体である。具体的には、ラクタムの重縮合物、ジアミン化合物とジカルボン酸化合物との重縮合物、ω−アミノカルボン酸の重縮合物等の各種ポリアミド樹脂、またはそれ等の共重合ポリアミド樹脂やブレンド物等である。ポリアミド樹脂の重縮合の原料であるラクタムとしては、例えば、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム等が挙げられる。
ジアミン化合物としては、例えば、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、(2,2,4−または2,4,4−)トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン(MXDA)、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジン等の脂肪族、脂環式、芳香族のジアミン等が挙げられる。
ジカルボン酸化合物としては、例えば、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の脂肪族、脂環式、芳香族のジカルボン酸等が挙げられる。ω−アミノカルボン酸としては、例えば、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸等のアミノ酸が挙げられる。
これらの原料から重縮合されてなるポリアミド樹脂の具体例としては、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリヘキサメチレンテレフタラミド(ポリアミド6T)、ポリヘキサメチレンイソフタラミド(ポリアミド6I)、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、ポリメタキシリレンドデカミド、ポリアミド9T、ポリアミド9MT等が挙げられる。なお、これらポリアミドホモポリマーもしくはコポリマーは、各々単独または混合物の形で用いることができる。
上述のようなポリアミド樹脂の中でも、成形性、耐熱性の観点から、ポリアミド6、ポリアミド66、またはα,ω−直鎖脂肪族二塩基酸とキシリレンジアミンとの重縮合で得られるキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂(MXナイロン)がより好ましく使用される。
MXナイロンは、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド9T等の脂肪族系ポリアミド樹脂に比べ結晶化速度がやや遅いため、MXナイロンを使用する場合は、成形サイクルを短縮するために、MXナイロンに脂肪族系ポリアミド樹脂を配合して用いることが好ましい。上記成形サイクル短縮の目的で配合する場合に用いられる脂肪族系ポリアミド樹脂としては、ポリアミド66、ポリアミド6、ポリアミド46、ポリアミド9T等の結晶化速度の速いポリアミド樹脂や、ポリアミド66/6T、66/6T/6I等の高融点のポリアミド樹脂が挙げられ、経済性の観点からポリアミド66またはポリアミド6が好ましい。成形性および物性のバランスから、その脂肪族系ポリアミド樹脂の含有率は、全ポリアミド樹脂中の50重量%未満が好ましい。脂肪族系ポリアミド樹脂の含有率を50重量%未満にすることにより、耐熱性を良好に保つことができる。
MXナイロンの原料であるα,ω−直鎖脂肪族二塩基酸の中では、炭素数6〜20のα,ω−直鎖脂肪族二塩基酸、例えば、アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカン二酸、エイコジオン酸等が好適に使用できる。これらのα,ω−直鎖脂肪族二塩基酸の中でも、成形性、成形品性能等のバランスを考慮すると、セバシン酸が特に好適である。
MXナイロンのもうひとつの原料に使用するキシリレンジアミンとは、メタキシリレンジアミン、もしくはパラキシリレンジアミンとメタキシリレンジアミンとの混合キシリレンジアミンである。混合キシリレンジアミン中のメタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンのモル比率(メタキシリレンジアミン/パラキシリレンジアミン)は55/45〜100/0が好ましく、70/30〜100/0がより好ましい。パラキシリレンジアミンのモル比率を45モル%未満とすることにより、ポリアミド樹脂の融点を低く保ち、MXナイロンの重合やMXナイロンを含む組成物の成形加工が容易になるため好ましい。
(B)強化繊維
強化繊維は、繊維状の強化剤であり、その具体例としては、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維などの無機系繊維類、ステンレススチール繊維、黄銅繊維などの金属繊維類、液晶性ケブラー等の有機繊維類が挙げられる。
上記のように、樹脂成形体1の厚さ方向TDに配向する強化繊維2の割合は、50%以上とされる。この割合は90%以下とされることが好ましい。樹脂成形体1の厚さ方向TDに配向する強化繊維2の割合が90%以下とされた場合、当該割合が90%よりも大きい場合に比べて樹脂成形体1の異方性を小さくすることができる。
なお、樹脂成形体1の厚さ方向TDに配向する強化繊維2の割合は、次のようにして求め得る。樹脂成形体1から0.5gのサンプルを切り出し、切り出したサンプルに対し、電子顕微鏡観察で使用される包埋用エポキシ樹脂を含浸させる。その後、ミクロトーム等を用いて、包埋用エポキシ樹脂を含浸させたサンプルの厚さ方向に沿った切片を切り出し、当該切片を走査型電子顕微鏡により100倍の倍率で観察する。同一の焦点の視野を任意に5箇所選定し、選定した視野ごとに、視野内における全ての強化繊維に対する、当該視野内においてサンプルの厚さ方向に配向する強化繊維の割合を算出する。そして、視野ごとに算出した強化繊維の割合の平均を、樹脂成形体1の厚さ方向TDに配向する強化繊維2の割合とする。なお、強化繊維がサンプルの厚さ方向に対して傾いている場合、上記のように、その傾きが45°以下であれば、強化繊維がサンプルの厚さ方向に配向している。また、樹脂成形体1から切り出すサンプルの重量、走査型電子顕微鏡の倍率、及び、選定する視野数は、所定の値であれば、上記の値以外に変更しても良い。
強化繊維における原料の繊維長として2〜5mmであるものを使用する。原料の繊維長がこのような範囲にあることで、樹脂成形体1中に分散する強化繊維の平均繊維長を100〜500μmに収めることができる。樹脂成形体1中に分散する強化繊維の平均繊維長としては、好ましくは150μm以上が好ましく、200μm以上がより好ましい。また、強化繊維の平均繊維長は、樹脂成形体1の厚さとの関係では、当該樹脂成形体1の厚さの半分よりも小さいことが好ましい。樹脂成形体1の厚さに対する強化繊維の平均繊維長の割合としては50%以下が好ましく、30%以下がより好ましい。当該割合がこのようにされることで、成形品の異方性を小さくすることができる。
なお、平均繊維長は、次のようにして求め得る。樹脂成形体1から5gのサンプルを切り出し、温度600℃の電気炉で2時間灰化後、残った強化繊維を折損しないようにスライドガラス上に移し、光学顕微鏡により40倍の倍率で写真撮影を行う。その写真画像から、画像解析ソフトを用いて任意に2000本の強化繊維を選択し、選択した強化繊維の平均を平均繊維長とする。なお、平均繊維長の測定は、例えば、オリンパス社製の顕微鏡BX50を使用し、解析ソフトはWINROOF Ver6.4を使用し得る。また、樹脂成形体1から切り出すサンプルの重量、灰化温度、灰化時間、光学顕微鏡の倍率、及び、強化繊維の選択本数は、所定の値であれば、上記の値以外に変更しても良い。
強化繊維の含有量は、ポリアミド樹脂100質量部に対して30〜300質量部とされる。強化繊維の含有量がこのような範囲にあることで樹脂成形体1中の強化繊維を分散させ得る。30質量部未満では樹脂成形体1の強度及び熱伝導性が不十分となり易く、逆に300質量部を超えると強化繊維の流動性が悪くなり樹脂成形体1中での分散が不十分となり易い。強化繊維の含有量がポリアミド樹脂100質量部に対して35〜200質量部とされることが好ましく、40〜180質量部とされることがより好ましい。
なお、樹脂成形体1中における強化繊維の状態は次のようにして評価し得る。ミクロトーム等を用いて樹脂成形体1の厚さ方向に沿った切片を樹脂成形体1から切り出し、当該切片を光学顕微鏡により40倍の倍率で観察する。同一の焦点の視野を任意に5箇所選定し、それぞれの視野内における強化繊維が離れていれば分散している。なお、視野内において強化繊維の全部又は一部が重なって塊として存在していても、その塊が50本未満であれば分散しているものとする。なお、光学顕微鏡の倍率、及び、選定する視野数は、所定の値であれば、上記の値以外に変更しても良い。
本実施形態における樹脂成形体1は、上記した以外に添加剤を含有していてもよい。具体的には、難燃剤、熱安定剤、染顔料、離型剤、酸化防止剤、増核剤、耐衝撃改良剤、可塑剤、流動性改良剤等が挙げられる。
以上のように本実施形態の樹脂成形体1には強化繊維2が含有され、樹脂成形体1の厚さ方向TDに配向する強化繊維2の割合は50%以上とされる。このため、樹脂成形体1は強化繊維2を熱伝導媒体として厚さ方向TDに熱を伝導し易くなる。従って、樹脂成形体1における厚さ方向TDの熱伝導性を高めることができる。
また、樹脂成形体1に含有される強化繊維2は、樹脂成形体1中に分散しているため、当該樹脂成形体1中で強化繊維2が密となる部位と疎となる部位とを低減することができる。従って、樹脂成形体1の厚さ方向TDにおける熱伝導のばらつきを抑制することができる。こうして、熱伝導性に優れる樹脂成形体1が提供される。
なお、強化繊維2の平均繊維長が樹脂成形体1の厚さの半分よりも小さくされた場合、樹脂成形体の厚さ方向における熱伝導を確保しつつ、樹脂成形体の強度を十分に保つことが可能であり、かつ成形品の異方性を小さくすることができる。更に、樹脂成形体1の厚さ方向TDに配向する強化繊維2の割合が90%以下とされた場合、樹脂成形体1の異方性をより小さくすることができる。
本実施形態の場合、樹脂成形体1は、ポリアミド樹脂を含有し、強化繊維2の含有量は、ポリアミド樹脂100質量部に対して30〜300質量部とされる。
30質量部以上とすることで樹脂成形体1の強度及び熱伝導性が不十分となることを抑制し、300質量部以下とすることで強化繊維の流動性が悪くなって樹脂成形体1中での分散が不十分となることを抑制し得る。
(2)第2実施形態
図3は、第2実施形態における樹脂成形体を概略的に示す図である。図3に示すように、本実施形態の樹脂成形体10は、第1実施形態の樹脂成形体とは異なる形状とされる。ただし、本実施形態の樹脂成形体10は、第1実施形態における上記の(A)ポリアミド樹脂と、上記の(B)強化繊維とを含有する成形体である。強化繊維は、図示しないが、上記第1実施形態と同様に樹脂成形体10中に分散し、当該樹脂成形体10の厚さ方向TDに配向する強化繊維の割合は、50%以上とされる。
本実施形態の樹脂成形体10は、板状体とされる。従って、樹脂成形体10は、上記第1実施形態のように屈曲している管状体の樹脂成形体1とは異なり、本実施形態の樹脂成形体10は屈曲していない。
このように本実施形態の樹脂成形体10は、上記第1実施形態の樹脂成形体1と異なる形状である。ただし、上記第1実施形態と同様に、樹脂成形体10に含有される強化繊維は、樹脂成形体10中に分散し、樹脂成形体10の厚さ方向に配向する強化繊維の割合は、50%以上とされる。従って、本実施形態の樹脂成形体10によれば、樹脂成形体1と異なる形状とされていても、上記第1実施形態と同様に、樹脂成形体10の厚さ方向TDにおける熱伝導のばらつきを抑制しつつ、当該厚さ方向TDの熱伝導性を高めることができる。
なお、本実施形態では樹脂成形体10の形状が板状とされ、上記第1実施形態では樹脂成形体1の形状が管状とされた。しかし、樹脂成形体の形状としては、様々な形状が適用可能である。なお、樹脂成形体が屈曲している場合、厚さ方向に屈曲していることが好ましい。例えば、厚さ方向に屈曲した箱状の樹脂成形体等が適用し得る。また、上記第2実施形態のような板状の樹脂成形体の1又は2以上の箇所が厚さ方向に屈曲していてもよい。
本発明は、強化繊維が含有される樹脂成形体を用いる分野において利用可能性がある。
1,10・・・樹脂成形体
2・・・強化繊維

Claims (6)

  1. 強化繊維が含有される樹脂成形体であって、
    前記強化繊維は、前記樹脂成形体中に分散し、
    前記樹脂成形体の厚さ方向に配向する前記強化繊維の割合は、50%以上とされる
    ことを特徴とする樹脂成形体。
  2. 前記強化繊維の平均繊維長は、前記樹脂成形体の厚さの半分よりも小さい
    ことを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形体。
  3. 前記樹脂成形体の厚さ方向に配向する前記強化繊維の割合は、90%以下とされる
    ことを特徴とする請求項2に記載の樹脂成形体。
  4. 前記樹脂成形体は、ポリアミド樹脂を含有し、
    前記強化繊維の含有量は、前記ポリアミド樹脂100質量部に対して30〜300質量部とされる
    ことを特徴とする請求項3に記載の樹脂成形体。
  5. 前記樹脂成形体は、前記樹脂成形体の厚さ方向に屈曲している
    ことを特徴とする請求項4に記載の樹脂成形体。
  6. 前記樹脂成形体は、管状体とされる
    ことを特徴とする請求項5に記載の樹脂成形体。
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