JPH0651293B2 - 短繊維複合シートの製造方法 - Google Patents
短繊維複合シートの製造方法Info
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- JPH0651293B2 JPH0651293B2 JP2186092A JP18609290A JPH0651293B2 JP H0651293 B2 JPH0651293 B2 JP H0651293B2 JP 2186092 A JP2186092 A JP 2186092A JP 18609290 A JP18609290 A JP 18609290A JP H0651293 B2 JPH0651293 B2 JP H0651293B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は短繊維複合シートの製造方法に関するものであ
る。
る。
(従来の技術) 一般に、短繊維複合シートは、例えばエラストマーの分
野では、伝動ベルトの圧縮ゴム層、防振ゴム、緩衝材、
シール材、靴底、床材、キャタピラのカバー等に、FR
Pの分野では、摺動材、補強部品等の用途に利用するこ
とができ、有用である。
野では、伝動ベルトの圧縮ゴム層、防振ゴム、緩衝材、
シール材、靴底、床材、キャタピラのカバー等に、FR
Pの分野では、摺動材、補強部品等の用途に利用するこ
とができ、有用である。
従来周知の製造方法では、繊維配向はランダムであるか
またはシート表面に平行な配向シートしか得られず、自
ずと用途に制限が生じていた。すなわち、上述した用途
の中には、シート等の表面に垂直な方向に短繊維が主と
して配向することにより、短繊維複合のメリット、例え
ば耐圧縮性、耐摩耗性、滑り性などが発揮される製品が
多く含まれるが、それらには用いることができないのが
現状である。
またはシート表面に平行な配向シートしか得られず、自
ずと用途に制限が生じていた。すなわち、上述した用途
の中には、シート等の表面に垂直な方向に短繊維が主と
して配向することにより、短繊維複合のメリット、例え
ば耐圧縮性、耐摩耗性、滑り性などが発揮される製品が
多く含まれるが、それらには用いることができないのが
現状である。
ところで、従来短繊維補強材料の繊維配向のための加工
方法としては、次のような方法が知られている。
方法としては、次のような方法が知られている。
カレンダーによる圧延:シート長さ方向の一軸配向が
主となっている。
主となっている。
押出し成形:押出し方向の一軸配向が主となる以外
に、特公昭53−14239号公報に示すように繊維を
押出し方向から外して配向させた環状押出し物を得る方
法や特公昭58−29231号公報に示すように繊維配
向の半径方向成分が繊維配向の軸方向成分を越えるホー
スの製造方法が提案されているが、高度な配向が要求さ
れる用途に対しては十分でなく、また、均一な広幅のシ
ートを得ることができない。すなわち、内側型の固定部
が材料の乱流をもたらし、部分的な配向の乱れが生じ
る。
に、特公昭53−14239号公報に示すように繊維を
押出し方向から外して配向させた環状押出し物を得る方
法や特公昭58−29231号公報に示すように繊維配
向の半径方向成分が繊維配向の軸方向成分を越えるホー
スの製造方法が提案されているが、高度な配向が要求さ
れる用途に対しては十分でなく、また、均一な広幅のシ
ートを得ることができない。すなわち、内側型の固定部
が材料の乱流をもたらし、部分的な配向の乱れが生じ
る。
射出成形:主に材料の流動方向に繊維が配向し、全体
に亘り一定方向に配向させることは困難である。
に亘り一定方向に配向させることは困難である。
積層:例えば特開昭60−219034号公報に記載
されるように、カレンダーまたは押出しによりシート長
さ方向に主に配向したシートを多数同方向に積層し、一
定幅にカットすることにより、結果として最小寸法(厚
さ)方向に主に繊維が配向したシートを得る方法は知ら
れているが、加工に手間がかかり、大面積のものを得る
ことは実質上困難である。
されるように、カレンダーまたは押出しによりシート長
さ方向に主に配向したシートを多数同方向に積層し、一
定幅にカットすることにより、結果として最小寸法(厚
さ)方向に主に繊維が配向したシートを得る方法は知ら
れているが、加工に手間がかかり、大面積のものを得る
ことは実質上困難である。
本発明はかかる点に鑑みてなされてもので、単一の工程
で容易に、短繊維が主に厚さ方向に配向した短繊維複合
シートを製造する方法を提供するものである。
で容易に、短繊維が主に厚さ方向に配向した短繊維複合
シートを製造する方法を提供するものである。
(課題を解決するための手段) 請求項(1)の発明は、短繊維複合エラストマーを、成形
型を用いて押出すことにより短繊維複合シートに成形す
る方法を前提として、上記短繊維複合エラストマーは、
熱可塑性材料と、アスペクト比が10以上でかつ繊維長
さが10mm以下の短繊維とが複合されてなるとともに、
上記短繊維複合物は、成形型通過時の粘度が2.0×104〜
1.0×107ポイズで、下記粘度式において、成形型通過時
の温度70〜140℃及び剪断歪速度dγ/dt:1〜
200sec-1の領域における係数bが0.6〜1.0で
あり、 log η=a/T−b・log(dγ/dt)+c η:粘度(ポイズ) a,b,c:定数 T:絶対温度(°K) dγ/dt:剪断歪速度(sec-1) 上記成形型は、下記の寸法形状を有し、 h0/hm≧3 hm≦2mmmo ≧3hm h0:シートの厚さ方向に対応する成形型の出口の寸法 hm:成形型内の成形流路の最小寸法部におけるh0に
対応する方向の寸法mo :成形型の出口から最小寸法部までの成形流路の
長さ 下記の式で示される短繊維の配向率が HZ>HXかつHZ>HY である構成とする。
型を用いて押出すことにより短繊維複合シートに成形す
る方法を前提として、上記短繊維複合エラストマーは、
熱可塑性材料と、アスペクト比が10以上でかつ繊維長
さが10mm以下の短繊維とが複合されてなるとともに、
上記短繊維複合物は、成形型通過時の粘度が2.0×104〜
1.0×107ポイズで、下記粘度式において、成形型通過時
の温度70〜140℃及び剪断歪速度dγ/dt:1〜
200sec-1の領域における係数bが0.6〜1.0で
あり、 log η=a/T−b・log(dγ/dt)+c η:粘度(ポイズ) a,b,c:定数 T:絶対温度(°K) dγ/dt:剪断歪速度(sec-1) 上記成形型は、下記の寸法形状を有し、 h0/hm≧3 hm≦2mmmo ≧3hm h0:シートの厚さ方向に対応する成形型の出口の寸法 hm:成形型内の成形流路の最小寸法部におけるh0に
対応する方向の寸法mo :成形型の出口から最小寸法部までの成形流路の
長さ 下記の式で示される短繊維の配向率が HZ>HXかつHZ>HY である構成とする。
Hx={(1/Vx)/(1/Vx+1/Vy+1/V
z)}×100 Hy={(1/Vy)/(1/Vx+1/Vy+1/V
z)}×100 Hz={(1/Vz)/(1/Vx+1/Vy+1/V
z)}×100 Hx;シート長さ方向の短繊維配向率 Hy;シート幅方向の短繊維配向率 Hz;シート面に対し垂直(厚さ)方向の短繊維配向率 Vx;溶剤中でのシート長さ方向の線膨張率 Vy;溶剤中でのシート幅方向の線膨張率 Vz;溶剤中でのシート面に対し垂直(厚さ)方向の線
膨張率 請求項(2)の発明は、成形型はT型ダイスである。
z)}×100 Hy={(1/Vy)/(1/Vx+1/Vy+1/V
z)}×100 Hz={(1/Vz)/(1/Vx+1/Vy+1/V
z)}×100 Hx;シート長さ方向の短繊維配向率 Hy;シート幅方向の短繊維配向率 Hz;シート面に対し垂直(厚さ)方向の短繊維配向率 Vx;溶剤中でのシート長さ方向の線膨張率 Vy;溶剤中でのシート幅方向の線膨張率 Vz;溶剤中でのシート面に対し垂直(厚さ)方向の線
膨張率 請求項(2)の発明は、成形型はT型ダイスである。
請求項(3)の発明は、成形型は環状ダイスである。請求
項(4)の発明は、成形型が、出口が少なくとも1つの弧
形状の出口部からなるものである。
項(4)の発明は、成形型が、出口が少なくとも1つの弧
形状の出口部からなるものである。
(作用) 請求項(1)乃至請求項(4)の発明によれば、短繊維複合エ
ラストマーが、熱可塑性材料と、アスペクト比が10以
上でかつ繊維長さが10mm以下の短繊維とが複合されて
なるとともに、上記短繊維複合エラストマーは、成形型
通過時の粘度が2.0×104〜1.0×107ポイズで、前述した
粘度式において、成形型通過時の温度70〜140℃及
び剪断歪速度dγ/dt:1〜200sec-1の領域にお
ける係数bが0.6〜1.0であり、上記成形型は、 h0/hm≧3 hm≦2mmmo ≧3hm なる寸法形状を有し、前述した式で示される短繊維の配
向率が HZ>HXかつHZ>HY であるので、最小寸法部で一旦短繊維複合エラストマー
の流れ方向に配向された短繊維が、最小寸法部に続く成
形流路において通路面積が急激に拡大されることで繊維
配向がシート厚さ方向に変更せしめられる。
ラストマーが、熱可塑性材料と、アスペクト比が10以
上でかつ繊維長さが10mm以下の短繊維とが複合されて
なるとともに、上記短繊維複合エラストマーは、成形型
通過時の粘度が2.0×104〜1.0×107ポイズで、前述した
粘度式において、成形型通過時の温度70〜140℃及
び剪断歪速度dγ/dt:1〜200sec-1の領域にお
ける係数bが0.6〜1.0であり、上記成形型は、 h0/hm≧3 hm≦2mmmo ≧3hm なる寸法形状を有し、前述した式で示される短繊維の配
向率が HZ>HXかつHZ>HY であるので、最小寸法部で一旦短繊維複合エラストマー
の流れ方向に配向された短繊維が、最小寸法部に続く成
形流路において通路面積が急激に拡大されることで繊維
配向がシート厚さ方向に変更せしめられる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に沿って詳細に説明する。
まず、本発明に係る短繊維複合シートを製造するのに用
いる成形型1は、例えば第1図及び第2図に示すよう
に、主成形通路2から環状成形通路3を経て、半円弧状
の2つの出口部4A,4Bを通じて流れ出るようになっ
ている。環状成形通路3は、主成形通路2に連通し徐々
に半径が大きくなる第1通路3Aと、第1通路3Aの最
大径に略匹敵する径の第2通路3Bとを有し、該第2通
路3Bの途中には、通路断面積を絞る絞り部である最小
寸法部(ダム部)が介設されている。なお、第1図にお
いて、h0はシート厚さ方向に相当する出口部4A,4
Bの寸法、hmは最小寸法部5におけるシート厚さ方向
に相当する寸法(第2通路3B中の最小寸法)、mo
は最小寸法部5から出口部4A,4Bまでの流路長さを
示す。
いる成形型1は、例えば第1図及び第2図に示すよう
に、主成形通路2から環状成形通路3を経て、半円弧状
の2つの出口部4A,4Bを通じて流れ出るようになっ
ている。環状成形通路3は、主成形通路2に連通し徐々
に半径が大きくなる第1通路3Aと、第1通路3Aの最
大径に略匹敵する径の第2通路3Bとを有し、該第2通
路3Bの途中には、通路断面積を絞る絞り部である最小
寸法部(ダム部)が介設されている。なお、第1図にお
いて、h0はシート厚さ方向に相当する出口部4A,4
Bの寸法、hmは最小寸法部5におけるシート厚さ方向
に相当する寸法(第2通路3B中の最小寸法)、mo
は最小寸法部5から出口部4A,4Bまでの流路長さを
示す。
本発明に係る短繊維複合シートは、熱可塑性材料とアス
ペクト比が10以上でかつ長さが10mm以下の短繊維か
らなり、成形型の成形通路通過時の粘度が2.0×104〜1.
0×107ポイズ、下記粘度式において、成形型の成形通路
通過時の温度及びdγ/dt:1〜200sec-1の領域
における係数bが0.6〜1.0である。
ペクト比が10以上でかつ長さが10mm以下の短繊維か
らなり、成形型の成形通路通過時の粘度が2.0×104〜1.
0×107ポイズ、下記粘度式において、成形型の成形通路
通過時の温度及びdγ/dt:1〜200sec-1の領域
における係数bが0.6〜1.0である。
log η=a/T−b・log(dγ/dt)+C η:粘度(ポイズ) a,b,c:定数 T:絶対温度(°K) dγ/dt:剪断歪速度(sec-1) 熱可塑性材料としては、天然ゴム、スチレン・ブタジ
エンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル・ブタ
ジエンゴム、エチレンプロピレン系ゴム等の架橋性エラ
ストマーに配合剤を添加したコンパウンド、オレフィ
ン系、エステル系、エーテル系、アミド系、ウレタン系
などの熱可塑性エラストマー及びそれらに配合剤を添加
したコンパウンド、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、
ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル等の熱可塑性
樹脂及びそれらに配合剤を加えたコンパウンド等が用い
られる。
エンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル・ブタ
ジエンゴム、エチレンプロピレン系ゴム等の架橋性エラ
ストマーに配合剤を添加したコンパウンド、オレフィ
ン系、エステル系、エーテル系、アミド系、ウレタン系
などの熱可塑性エラストマー及びそれらに配合剤を添加
したコンパウンド、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、
ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル等の熱可塑性
樹脂及びそれらに配合剤を加えたコンパウンド等が用い
られる。
また、短繊維としては、綿、絹、羊毛等の天然繊維、
ナイロン、アラミド、ポリエステル、アクリル、ビニロ
ン等の合成繊維、グラス、炭素、シリカ、チッ化ケイ
素、アルミナ等の無機繊維及び金属繊維等が用いられ
る。アスペクト比を10以上とするのは、10未満の場
合には短繊維複合による補強性などの異方性効果が小さ
く繊維配向による効果がほとんど認められないからであ
り、また、繊維長さを10mm以下とするのは、10mmを
越えると、後述の成形型では短繊維の配向率がHz(シ
ート面に対し垂直な方向(厚さ)方向の短繊維配向率)
>Hx(シート長さ方向の短繊維配向率)かつHz>H
y(シート幅方向の短繊維配向率)となるシートを得る
ことが難しくなるからである。なお、短繊維配向率H
x,Hy,Hzは次の式によって定義される。
ナイロン、アラミド、ポリエステル、アクリル、ビニロ
ン等の合成繊維、グラス、炭素、シリカ、チッ化ケイ
素、アルミナ等の無機繊維及び金属繊維等が用いられ
る。アスペクト比を10以上とするのは、10未満の場
合には短繊維複合による補強性などの異方性効果が小さ
く繊維配向による効果がほとんど認められないからであ
り、また、繊維長さを10mm以下とするのは、10mmを
越えると、後述の成形型では短繊維の配向率がHz(シ
ート面に対し垂直な方向(厚さ)方向の短繊維配向率)
>Hx(シート長さ方向の短繊維配向率)かつHz>H
y(シート幅方向の短繊維配向率)となるシートを得る
ことが難しくなるからである。なお、短繊維配向率H
x,Hy,Hzは次の式によって定義される。
Hx={(1/Vx)/(1/Vx+1/Vy+1/V
z)}×100 Hy={(1/Vy)/(1/Vx+1/Vy+1/V
z)}×100 Hz={(1/Vz)/(1/Vx+1/Vy+1/V
z)}×100 Hx;シート長さ方向の短繊維配向率 Hy;シート幅方向の短繊維配向率 Hz;シート面に対し垂直(厚さ)方向の短繊維配向率 Vx;溶剤中でのシート長さ方向の線膨張率 Vy;溶剤中でのシート幅方向の線膨張率 Vz;溶剤中でのシート面に対し垂直(厚さ)方向の線
膨張率 また、上記コンパウンドは、流動性の点から、粘度ηは
例えばキャピラリ型レオメータにより温度Tと剪断歪速
度dγ/dtを変量して測定され、数式的には前述した
式で表される。
z)}×100 Hy={(1/Vy)/(1/Vx+1/Vy+1/V
z)}×100 Hz={(1/Vz)/(1/Vx+1/Vy+1/V
z)}×100 Hx;シート長さ方向の短繊維配向率 Hy;シート幅方向の短繊維配向率 Hz;シート面に対し垂直(厚さ)方向の短繊維配向率 Vx;溶剤中でのシート長さ方向の線膨張率 Vy;溶剤中でのシート幅方向の線膨張率 Vz;溶剤中でのシート面に対し垂直(厚さ)方向の線
膨張率 また、上記コンパウンドは、流動性の点から、粘度ηは
例えばキャピラリ型レオメータにより温度Tと剪断歪速
度dγ/dtを変量して測定され、数式的には前述した
式で表される。
成形型通過時の材料温度、剪断速度域での材料粘度
を2.0×104〜1.0×107ポイズとするのは、
2.0×104ポイズ未満では成形流路中の最小寸法部
5(最小寸法hm)通過後の圧力が不足し、必要とする
短繊維配向状態が得難いからであり、1.0×107ポ
イズ越えると、所望のシート形状が得難くなるからであ
る。
を2.0×104〜1.0×107ポイズとするのは、
2.0×104ポイズ未満では成形流路中の最小寸法部
5(最小寸法hm)通過後の圧力が不足し、必要とする
短繊維配向状態が得難いからであり、1.0×107ポ
イズ越えると、所望のシート形状が得難くなるからであ
る。
成形型通過時の温度領域及び剪断歪速度が1〜20
0の歪速度域で求めた上記粘度式の係数bが0.6未満
の材料では成形型の寸法hmの部位から寸法h0の部位
への流路拡大に伴い剪断歪速度の低下に対して、見掛け
粘度の上昇が小さく、緻密なシートを得ることが難し
い。一方、係数bが1.0を越える材料は、剪断歪速度
の低下に伴う見掛け粘度の上昇が大きく材料の流動に乱
れが生じ、均一な短繊維配向シートが得難い。
0の歪速度域で求めた上記粘度式の係数bが0.6未満
の材料では成形型の寸法hmの部位から寸法h0の部位
への流路拡大に伴い剪断歪速度の低下に対して、見掛け
粘度の上昇が小さく、緻密なシートを得ることが難し
い。一方、係数bが1.0を越える材料は、剪断歪速度
の低下に伴う見掛け粘度の上昇が大きく材料の流動に乱
れが生じ、均一な短繊維配向シートが得難い。
前述した材料を用いて、h0/hm≧3、hm≦2(m
m)、mo≧3hmなる寸法関係を有する成形流路を有
する成形型を使用したときのみ、Hz>HxかつHz>
Hyの均一なシートを得ることができる。寸法関係が、
h0/hm<3、hm>2(mm)のいずれの場合にも主に
シート面に垂直に短繊維が配向したシートとならない。
すなわち、目的とする短繊維配向状態を得るためには、
寸法hmの部位で一旦成形流路の方向に平行に短繊維を
配向させた後、寸法h0の部位から寸法hmの部位に至
るまでの成形流路の通路面積の拡大により短繊維をシー
ト面に垂直な方向に配向させる必要があり、そのための
条件としてh0/hm≧3、hm≦2(mm)が必要であ
る。なお、mo<3hmの場合、寸法h0の部位以後
の材料にかかる圧力が不足し、十分に緻密なシートを得
ることができない。
m)、mo≧3hmなる寸法関係を有する成形流路を有
する成形型を使用したときのみ、Hz>HxかつHz>
Hyの均一なシートを得ることができる。寸法関係が、
h0/hm<3、hm>2(mm)のいずれの場合にも主に
シート面に垂直に短繊維が配向したシートとならない。
すなわち、目的とする短繊維配向状態を得るためには、
寸法hmの部位で一旦成形流路の方向に平行に短繊維を
配向させた後、寸法h0の部位から寸法hmの部位に至
るまでの成形流路の通路面積の拡大により短繊維をシー
ト面に垂直な方向に配向させる必要があり、そのための
条件としてh0/hm≧3、hm≦2(mm)が必要であ
る。なお、mo<3hmの場合、寸法h0の部位以後
の材料にかかる圧力が不足し、十分に緻密なシートを得
ることができない。
また、成形型の出口開口部の形状は、上記成形型の成形
流路の条件を満たすものであれば、成形型の型形状は任
意であり、T型ダイスであっても、環状ダイスであって
も目的物を得ることができる。さらに、目的とする配向
状態を有する均一なシートを得るためには、成形型の出
口が、1ケまたは複数の弧状の出口部からなるものが有
利である。すなわち、T型ダイスでは、中央部と端部と
の流速及び繊維配向の制御のために精度の高い型設計及
び条件設定を必要とする。一方、環状ダイスでは、内ダ
イスを内部の成形流路中で固定する必要があり、固定部
が流路の一部をさえぎるために、その後部に位置する材
料融合(流れが再び合わされる部分)部のシート厚さ方
向及び繊維配向状態が他の一般的部分と同一でなくなる
問題がある。それらに対し、弧状の開口部を有する成形
型を使用すれば、均一なシートを容易に得ることができ
る。
流路の条件を満たすものであれば、成形型の型形状は任
意であり、T型ダイスであっても、環状ダイスであって
も目的物を得ることができる。さらに、目的とする配向
状態を有する均一なシートを得るためには、成形型の出
口が、1ケまたは複数の弧状の出口部からなるものが有
利である。すなわち、T型ダイスでは、中央部と端部と
の流速及び繊維配向の制御のために精度の高い型設計及
び条件設定を必要とする。一方、環状ダイスでは、内ダ
イスを内部の成形流路中で固定する必要があり、固定部
が流路の一部をさえぎるために、その後部に位置する材
料融合(流れが再び合わされる部分)部のシート厚さ方
向及び繊維配向状態が他の一般的部分と同一でなくなる
問題がある。それらに対し、弧状の開口部を有する成形
型を使用すれば、均一なシートを容易に得ることができ
る。
−実験1− 押出機の先端に第1図及び第2図に示す2個の円弧形状
の開口部4A,4Bを有する成形型1を取付け、次の配
合材料による押出しシートを得た。
の開口部4A,4Bを有する成形型1を取付け、次の配
合材料による押出しシートを得た。
クロロプレンゴム 100重量部 ステアリン酸 2 軟化剤 変量 老化防止剤 2 酸化マグネシウム 4 酸化亜鉛 5 カーボンブラック 変量 ポリエステル繊維 変種・変量 成形型1はhm=0.5mm、h0=5mm、mo=40
mmのものを使用した。ポリエステル繊維はフィラメント
径が24μmのものを使用した。配合混練物の粘度は温
度70〜140℃及び剪断歪速度dγ/dtが1〜20
0の領域にて、キャピラリー型レオメータを用いて測定
し、係数bを求めた。短繊維配向率Hx,Hy,Hzは
押出しシートを160℃で15分加硫し、一定寸法にカ
ットし、トルエンに48時間浸漬した後の線膨張率によ
り求めた。結果は、表1に示す。
mmのものを使用した。ポリエステル繊維はフィラメント
径が24μmのものを使用した。配合混練物の粘度は温
度70〜140℃及び剪断歪速度dγ/dtが1〜20
0の領域にて、キャピラリー型レオメータを用いて測定
し、係数bを求めた。短繊維配向率Hx,Hy,Hzは
押出しシートを160℃で15分加硫し、一定寸法にカ
ットし、トルエンに48時間浸漬した後の線膨張率によ
り求めた。結果は、表1に示す。
−実験2− 実験1と同一の材料を用い、hm、h0、moを変え
た実験1と同一の構造を型を用いて押出しを行い、配向
率Hz,Hx,Hyを測定した結果を、第3図及び第4
図に示す。
た実験1と同一の構造を型を用いて押出しを行い、配向
率Hz,Hx,Hyを測定した結果を、第3図及び第4
図に示す。
−実験3− 第5図に示す構造で成形通路11aを有するT型ダイス
11、及び第6図及び第7図に示す外ダイ12と内ダイ
13とからなり成形通路14aを有する環状ダイス14
にて押出し成形を行った。第7図にて内ダイ13は3本
の支持部13aで固定されており、その支持部13aの
通過後の材料の合流部について、そのような支持部13
aのない通常部とは別に測定した。
11、及び第6図及び第7図に示す外ダイ12と内ダイ
13とからなり成形通路14aを有する環状ダイス14
にて押出し成形を行った。第7図にて内ダイ13は3本
の支持部13aで固定されており、その支持部13aの
通過後の材料の合流部について、そのような支持部13
aのない通常部とは別に測定した。
その結果を表2に示す。
(発明の効果) 請求項(1)乃至請求項(4)の発明によれば、最小寸法部で
一旦流れ方向に配向された短繊維が、最小寸法部に続く
成形通路において通路面積が急拡大され、繊維がシート
厚さ方向に変更せしめられることになるので、シート厚
さ方向に短繊維が配向された短繊維複合シートを容易に
連続して製造することが可能となる。
一旦流れ方向に配向された短繊維が、最小寸法部に続く
成形通路において通路面積が急拡大され、繊維がシート
厚さ方向に変更せしめられることになるので、シート厚
さ方向に短繊維が配向された短繊維複合シートを容易に
連続して製造することが可能となる。
図面は本発明の実施例を示し、第1図及び第2図は成形
型の断面図及び正面図、第3図及び第4図は試験結果を
示す図、第5図はT型ダイスの断面図、第6図は環状ダ
イスの断面図、第7図は第6図のVII−VII線における断
面図である。 1……成形型 2……主成形通路(成形通路) 3……環状通路 4A,4B……出口部 5……最小寸法部
型の断面図及び正面図、第3図及び第4図は試験結果を
示す図、第5図はT型ダイスの断面図、第6図は環状ダ
イスの断面図、第7図は第6図のVII−VII線における断
面図である。 1……成形型 2……主成形通路(成形通路) 3……環状通路 4A,4B……出口部 5……最小寸法部
Claims (4)
- 【請求項1】短繊維複合エラストマーを、成形型を用い
て押出すことにより短繊維複合シートに成形する方法で
あって、 上記短繊維複合エラストマーは、熱可塑性材料と、アス
ペクト比が10以上でかつ繊維長さが10mm以下の短繊
維とが複合されてなるとともに、 上記短繊維複合物は、成形型通過時の粘度が2.0×104〜
1.0×107ポイズで、下記粘度式において、成形型通過時
の温度70〜140℃及び剪断歪速度dγ/dt:1〜
200sec-1の領域における係数bが0.6〜1.0で
あり、 log η=a/T−b・log(dγ/dt)+c η:粘度(ポイズ) a,b,c:定数 T:絶対温度(°K) dγ/dt:剪断歪速度(sec-1) 上記成形型は、下記の寸法形状を有し、 h0/hm≧3 hm≦2mmmo ≧3hm h0:シートの厚さ方向に対応する成形型の出口の寸法 hm:成形型内の成形流路の最小寸法部におけるh0に
対応する方向の寸法mo :成形型の出口から最小寸法部までの成形流路の
長さ 下記の式で示される短繊維の配向率が HZ>HXかつHZ>HY であることを特徴とする短繊維複合シートの製造方法。 Hx={(1/Vx)/(1/Vx+1/Vy+1/V
z)}×100 Hy={(1/Vy)/(1/Vx+1/Vy+1/V
z)}×100 Hz={(1/Vz)/(1/Vx+1/Vy+1/V
z)}×100 Hx;シート長さ方向の短繊維配向率 Hy;シート幅方向の短繊維配向率 Hz;シート面に対し垂直(厚さ)方向の短繊維配向率 Vx;溶剤中でのシート長さ方向の線膨張率 Vy;溶剤中でのシート幅方向の線膨張率 Vz;溶剤中でのシート面に対し垂直(厚さ)方向の線
膨張率 - 【請求項2】成形型はT型ダイスであるところの請求項
(1)記載の短繊維複合シートの製造方法。 - 【請求項3】成形型は環状ダイスであるところの請求項
(1)記載の短繊維複合シートの製造方法。 - 【請求項4】成形型は、出口が少なくとも1つの弧形状
の出口部からなるところの請求項(1)記載の短繊維複合
シートの製造方法。
Priority Applications (8)
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---|---|---|---|
JP2186092A JPH0651293B2 (ja) | 1990-07-12 | 1990-07-12 | 短繊維複合シートの製造方法 |
CA002046722A CA2046722A1 (en) | 1990-07-12 | 1991-07-10 | Method for manufacturing fiber reinforced elastic sheet, apparatus for manufacturing the same and mold to be used |
US07/727,967 US5281380A (en) | 1990-07-12 | 1991-07-10 | Method for manufacturing fiber reinforced elastic sheet, apparatus for manufacturing the same and mold to be used |
EP95100058A EP0657272B1 (en) | 1990-07-12 | 1991-07-12 | Method for manufacturing fiber reinforced elastic sheet, apparatus for manufacturing the same and mold to be used |
DE69131720T DE69131720T2 (de) | 1990-07-12 | 1991-07-12 | Verfahren zur Herstellung einer faserverstärkten elastischen Folie, Vorrichtung zu deren Herstellung und dabei zu verwendendes Werkzeug |
EP91111621A EP0468306B1 (en) | 1990-07-12 | 1991-07-12 | Method for manufacturing fiber reinforced elastic sheet, apparatus for manufacturing the same and mold to be used |
DE69113552T DE69113552T2 (de) | 1990-07-12 | 1991-07-12 | Verfahren zur Herstellung einer faserverstärkten elastischen Folie, Vorrichtung zu deren Herstellung und dabei zu verwendendes Werkzeug. |
US08/238,338 US5522719A (en) | 1990-07-12 | 1994-05-04 | Apparatus for manufacturing fiber reinforced elastic sheet |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2186092A JPH0651293B2 (ja) | 1990-07-12 | 1990-07-12 | 短繊維複合シートの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0471808A JPH0471808A (ja) | 1992-03-06 |
JPH0651293B2 true JPH0651293B2 (ja) | 1994-07-06 |
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ID=16182230
Family Applications (1)
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JP2186092A Expired - Fee Related JPH0651293B2 (ja) | 1990-07-12 | 1990-07-12 | 短繊維複合シートの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH0651293B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019031026A (ja) * | 2017-08-08 | 2019-02-28 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | 樹脂成形体 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2003082072A (ja) * | 2001-09-14 | 2003-03-19 | Teijin Meton Kk | 繊維強化樹脂成形体及びその製造方法 |
JP4855242B2 (ja) * | 2006-12-27 | 2012-01-18 | 株式会社ダイセル | アクチュエータ |
-
1990
- 1990-07-12 JP JP2186092A patent/JPH0651293B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019031026A (ja) * | 2017-08-08 | 2019-02-28 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | 樹脂成形体 |
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JPH0471808A (ja) | 1992-03-06 |
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