JP2019030926A - ノズルおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型の部品を真空吸着によって保持する際に、吸着の対象となる部品を確実に保持することができるノズルを提供する。【解決手段】ノズルを、本体部1と、封止部2と、気体通過部3を備える構成とする。本体部1は、多孔質の弾性体によって柱状に形成され、吸着対象の部品と接する吸着面を有する。封止部2は、本体部1の円周側の表面全体に形成され、本体部1の表面からあらかじめ設定された厚み内に存在する多孔質の弾性体の孔部が充填材によって充填されている。気体通過部3は、本体部1の中心側に連続的に形成され、吸着面から吸着面と対向する側の面まで気体を通過させる多孔質の孔部を有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、電子部品の吸着技術に関するものであり、特に、部品を吸着するノズルに関するものである。
半導体装置等の電子部品を基板に搭載する製造装置等において、電子部品の搬送時に真空吸着によって電子部品を保持する方法が広く用いられている。電子機器の小型や高密度化によって、電子部品の小型化が進んでいる。例えば、チップ部品では、長さと幅が各々0.4mm、0.2mmの0402と呼ばれる部品よりもさらに小さい、0.25mm、0.125mmサイズの0201呼ばれる部品の量産化も視野に入ってきている。
電子部品を基板に搭載する作業を行う際には、電子部品に素子の信頼性に影響するようなダメージを与えない状態で、脱落しないように確実に保持する必要がある。よって、吸着面の面積が小さく表面段差があるような電子部品であっても、不要な力を電子部品にかけずに確実に保持できることが要求される。そのため、電子部品のような部品を真空吸着によって保持する際に、吸着の対象となる部品をより確実に保持する技術の開発が行われている。そのような、部品を真空吸着によって保持する際に、吸着の対象となる部品をより確実に保持する技術としては特許文献1のような技術が開示されている。
特許文献1は、半導体ウェハのような反りを有する薄板状部材を吸着して保持する吸着装置に関するものである。特許文献1の吸着装置は、スポンジからなる盤状の弾性部材と、スポンジの外周を気密状態にする可とう性の膜によって形成された吸着パッドを備えている。特許文献1は、吸着パッドを介して真空吸着によって薄板状部材する際に、スポンジ部分が反り等を吸収するため、安定して薄板状部材を吸着することができるとしている。
特開2004−55833号公報
しかしながら、特許文献1の技術は次のような点で十分ではない。特許文献1の吸着パッドは、スポンジからなる弾性部材と、その周囲の気密状態を保持する膜によって形成されている。真空吸着用の吸着パッドでは、吸着パッドで真空に引く部分が部品側の吸着面より大きいと、十分な吸着力を維持できずに部品が脱落するおそれがある。そのため、小型の電子部品を保持する際には、スポンジからなる弾性部材の部分を部品に合わせて小さくし、その周囲に気密状態を保持する膜を形成しないと、小型の電子部品を安定して保持することができない。しかし、吸着対象の電子部品が小さくなるほど、径の小さい弾性体の周囲に気密状態を保持した状態で弾性体の周囲に安定した膜を形成することが困難になる。そのため、特許文献1の技術では小型の電子部品を気密状態が十分でないために、吸着対象の電子部品の脱落等が生じる恐れがある。よって、特許文献1の技術は、小型の部品を真空吸着によって保持する際に、吸着の対象となる部品を確実に保持する技術としては十分ではない。
本発明は、上記の課題を解決するため、小型の部品を真空吸着によって保持する際に、吸着の対象となる部品を確実に保持することができるノズルを提供することを目的としている。
上記の課題を解決するため、本発明のノズルは、本体部と、封止部と、気体通過部を備えている。本体部は、多孔質の弾性体によって柱状に形成され、吸着対象の部品と接する吸着面を有する。封止部は、本体部の円周側の表面全体に形成され、本体部の表面からあらかじめ設定された厚み内に存在する多孔質の弾性体の孔部が充填材によって充填されている。気体通過部は、本体部の中心側に連続的に形成され、吸着面から吸着面と対向する側の面まで気体を通過させる多孔質の孔部を有する。
また、本実施形態のノズルの製造方法は、柱状の多孔質の弾性体の第1の平面と、第2の平面とをマスク材によってマスキングする。本実施形態のノズルの製造方法は、マスキングを施した弾性体を、充填材を溶解した溶液に浸漬する。本実施形態のノズルの製造方法は、充填材を円周側の表面からあらかじめ設定された厚み内に存在する多孔質の弾性体の孔部に含浸させる。本実施形態のノズルの製造方法は、充填材を含浸させた弾性体を溶液から取り出し、マスク材を剥離し、多孔質の弾性体の孔部に含浸した充填材を硬化させる。
本発明によると、小型の部品を真空吸着によって保持する際に、吸着の対象となる部品を確実に保持することができる。
本発明の第1の実施形態の構成の概要を示す図である。 本発明の第2の実施形態の構成の概要を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態の構成の概要を示す平面図である。 本発明の第2の実施形態におけるノズルの製造フローを模式的に示した図である。 本発明の第2の実施形態の小径のノズルの例を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態の小径のノズルの例を示す平面図である。 本発明の第2の実施形態のノズルを用いて電子部品を吸着している状態を模式的に示した図である。 本発明の第2の実施形態のノズルを用いて電子部品を吸着している状態を、電子部品の長辺方向について模式的に示した図である。 本発明の第2の実施形態のノズルを用いて電子部品を吸着している状態を、電子部品の短辺方向について模式的に示した図である。 本発明と対比した構成のノズルを用いて電子部品を吸着している状態を、電子部品の長辺方向について模式的に示した図である。 本発明と対比した構成のノズルを用いて電子部品を吸着している状態を、電子部品の長辺方向について模式的に示した図である。 本発明と対比した構成のノズルを用いて電子部品を吸着している状態を、電子部品の短辺方向について模式的に示した図である。 本発明の第3の実施形態の構成の概要を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態の構成の概要を示す平面図である。 本発明の第3の実施形態の構成の概要を示す平面図である。 本発明の第4の実施形態の構成の概要を示す断面図である。 本発明の第4の実施形態の構成の概要を示す平面図である。 本発明の第4の実施形態の構成の概要を示す平面図である。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態のノズルの構成の概要を示したものである。本実施形態のノズルは、本体部1と、封止部2と、気体通過部3を備えている。本体部1は、多孔質の弾性体によって柱状に形成され、吸着対象の部品と接する吸着面を有する。封止部2は、本体部1の円周側の表面全体に形成され、本体部1の表面からあらかじめ設定された厚み内に存在する多孔質の弾性体の孔部が充填材によって充填されている。気体通過部3は、本体部1の中心側に連続的に形成され、吸着面から吸着面と対向する側の面まで気体を通過させる多孔質の孔部を有する。
本実施形態のノズルは、多孔質の弾性体によって形成されている本体部1の円周側の孔部を充填材で充填することで封止部2を形成している。そのような構成とすることで、充填材で多孔質の孔部が充填されている層の表面から厚みを設定することで、気体通過部3の径を設定することができる。そのため、小さな電子部品の大きさ合わせた径のノズルを容易に形成することができるので、電子部品の大きさに合わせた適切なノズルを用いることができる。その結果、本実施形態のノズルは、小型の部品を真空吸着によって保持する際に吸着の対象となる部品を確実に保持することができる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図2Aおよび図2Bは、本実施形態のノズル10の構成の概要を示したものである。図2Aは、本実施形態のノズル10の断面部を示している。また、図2Bは、本実施形態のノズル10の平面図を示している。本実施形態のノズル10は、ノズル多孔部11と、封止層12と、孔部13と、充填孔14を備えている。
ノズル10は、電子部品等の小型部品を真空吸着によって保持する搬送装置等において、部品と接する吸着部に用いられる。本実施形態のノズル10は、円柱状に形成され、部品の吸着側の面と、搬送装置等の搭載機への取り付け側の面を有する。
ノズル10の本体部、すなわち、円柱状のノズル10全体は、多孔質の弾性体を基材として形成されている。すなわち、ノズル10の基材は、弾性を有する多孔体である。ノズル10は、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ゴムまたはその他の弾性を有する材料によって形成されている。また、本実施系地のノズル10の多孔質の弾性体は、第1の実施形態の本体部1に相当する。
ノズル多孔部11は、ノズル10の中心部に存在し、真空引きによって部品を吸着する際の配管としての機能を有する。ノズル多孔部11は、連続して存在する孔である孔部13を備え、ノズル10の本体の基材のみによって形成されている部分である。孔が連続であるとは、気体分子の大きさにとって連続であればよく、気体が容易に通過できる程度の厚さまたは密度の基材の壁で仕切られている孔の間も連続とみなすことができる。円柱体の平面と平行な面におけるノズル多孔部11の大きさは、全ての方位において吸着対象となる部品の吸着面より小さくなるように設定される。本実施形態のノズル多孔部11は、第1の実施形態の気体通過部3に相当する。
封止層12は、ノズル多孔部11よりも外周側に存在し、ノズル多孔部11の気密性を維持するガスバリア層としての機能を有する。封止層12は、ノズル10の本体の多孔体の孔部を充填材で埋めることによって形成されている。封止層12の充填材は、弾性体であることが望ましい。封止層12の充填材には、例えば、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂またはゴムが用いられる。また、円柱の中心部から封止層12の内側までの距離は、ノズルの内径に相当する。また、本実施形態の封止層12は、第1の実施形態の封止部2に相当する。
孔部13は、ノズル10の中心部のノズル多孔部11に存在し、ノズル10に一方の平面からもう一方の平面まで連続して形成されている。孔部13は、基材となる弾性体の樹脂のマトリクス中に存在する。それぞれの孔部13の間は、真空にする際に気体が通過するように一部が連続している。
充填孔14は、ノズル10の封止層12の充填材で埋められた孔部であり、ノズル10の基材とともに充填層12を形成している。充填孔14は、円柱の外周部の孔部を埋めることで、真空状態としたときにノズル10内部の気密性を保つ機能を有する。
本実施形態のノズル10の製造方法について説明する。図3は、本実施形態のノズル10を製造する際の各ステップにおける状態を模式的に示した図である。
始めに円柱状のノズル本体の平面にマスキングが施される。マスキングは、例えば、剥離可能なシートをマスク材として用いて行われる。本実施形態では、ノズル本体の2つの平面の平面には、全面にマスキングが施される。
マスキングが施されると、ノズル本体は、封止層12を形成する充填材の溶液に浸漬される。充填材にウレタン樹脂を用いる場合には、充填材の溶液には、例えば、熱硬化性のポリウレタンを溶解した溶液が用いられる。
ノズル本体の浸漬は、封止層12の厚みの設計値に基づいてあらかじめ設定された時間、行われる。すなわち、ノズル10の内径は、浸漬を継続する時間によって制御することができる。浸漬を継続することで、充填材の溶液は、ノズル本体の孔部に含浸する。
あらかじめ設定された時間が経過すると、ノズル本体が溶液から引き上げられる。ノズル本体の引き上げが行われると、両面のマスク材の剥離が行われる。
マスク材の剥離が行われると、ノズル本体が加熱炉で加熱され、充填材の硬化が行われる。充填材が硬化すると、充填材に充填された充填孔14を有する封止層12が形成される。充填材の硬化が終わると、ノズル10が完成する。
また、本実施形態のノズル10は、浸漬時間を長くすることでノズルの内径、すなわち、ノズル多孔部11の径を小さくすることができる。図4Aおよび図4Bは、弾性体の浸漬時間を長くしてノズル多孔部11の径を小さくした例を、ノズル20として示したものである。図4Aは、ノズル20の断面図を示している。また、図4Bは、ノズル20の平面図を示している。弾性体の浸漬時間を長くすると、円柱の封止層から中心に向かって含浸が進むため、図4Aおよび図4Bのようにノズル内径の小さいノズルを形成することができる。
また、上記の例では、マスキングを施した弾性体を浸漬しているが、マスキングを施さずに浸漬を行ってもよい。そのような場合には、浸漬後の硬化完了後に、ノズルの長軸に垂直な平面でノズル本体を切断することによって吸着面や装置側の面を形成する。ノズル本体を切断することで吸着面等を形成する場合には、あらかじめ切断する長さの分、長軸方向に長さに余裕を持たせた弾性体を浸漬する。また、複数のノズルの長さに相当する弾性体の浸漬と硬化を行った後に、ノズルの長さごとに切断して複数のノズルをまとめて形成してもよい。
図5は、本実施形態のノズル10を用いて電子部品31を吸着している際の状態を模式的に示した図である。また、図6Aおよび図6Bは、上記のノズル20を用いて電子部品31よりも小さい電子部品32を吸着している際の状態を模式的に示したものである。図6Aは、電子部品32の長辺方向の断面図を示している。また、図6Bは、電子部品32の短辺方向の断面図を示している。図6Bでは、小さな電子部品32の短辺方向でも電子部品32の吸着を確実に行うことができる。本実施形態では、図5、図6Aおよび図6Bに示すように電子部品の大きさに合わせて、ノズルを形成する際の浸漬時間を変えてノズル多孔部11の径を変化させることで、様々な大きさの電子部品に対応することができる。
図7は、本実施形態のノズル10と対比した構成のノズルの例を示している。図7のノズルは、ノズルの先端にゴム等で形成されたノズル先端部を取り付けることで電子部品の吸着を行っている。このような構成のノズルでは、部品の幅よりもノズル先端の外径を小さくする必要がある。図8Aおよび図8Bは、図7の例よりも小さな電子部品を吸着するノズルの例を示している。図8Aは、電子部品の長辺方向の断面図を示している。また、図8Bが、電子部品の短辺方向の断面図を示している。図8Aおよび図8Bのように図7よりも電子部品を小型化すると、ノズルの径も小さくする必要がある。しかし、径の小さなノズルを形成することは困難なため、大きさに余裕がないと、図8Bのように短辺方向のずれで隙間が生じて電子部品の吸着を行えない恐れがある。一方で、本実施形態のノズル10は、内径が部品の幅より小さければよく、外径は部品の幅よりも大きくてもよい。そのため、本実施形態では、浸漬時間を変えることで小さな部品に対応したノズルを容易に形成することができる。
多孔体ではない弾性体の中心部に孔を開けただけでは、ノズル内部を吸引して負圧とした際に、孔が塞がってしまう恐れがある。本実施形態のノズル10は、多孔体で形成することで孔内部に補強材が入った構造となるため、負圧になっても孔が塞がれることはなくノズルとして機能する。
本実施形態のノズル多孔部11の中心、すなわち、ノズルの中心と、円柱の中心は一致していなくてもよい。そのような構成の場合にはノズル10の取り付け時などにノズル多孔部11の中心位置をカメラで確認し、ノズル10を取り付けが搬送装置等において位置の補正が行われる。
本実施形態のノズル10は、多孔質の弾性体の周囲の孔部13を充填材で充填し、封止層12を形成している。そのため、真空吸着用のノズルとして用いた場合に、電子部品に接触した状態でノズル多孔部11を介して真空引きを行うと、ノズル10の内部が負圧になるので電子部品の吸着を行うことができる。また、本実施形態のノズル10は、弾性体によって電子部品を吸着するので電子部品のコプラナリティーを吸収することができ、電子部品を安定して吸着することができる。
また、本実施形態のノズル10は、形成する際に浸漬時間を変えることで、ノズルの内径を小さくすることができるので、製造方法を変えることなく小さな電子部品に対応することができる。その結果、本実施形態のノズルは、小型の部品を真空吸着によって保持する際に吸着の対象となる部品を確実に保持することができる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図9A、図9Bおよび図9Cは、本実施形態のノズル40の構成の概要を示したものである。図9Aは、本実施形態のノズル40の構成の概要を示す断面図である。また、図9Bは、本実施形態のノズル40の上部、すなわち、装置への取り付け側における平面図である。また、図9Cは、ノズル40の下部、すなわち、部品の吸着面側の平面図である。
第2の実施形態のノズル10では、封止層12の厚みとノズル多孔部11の径は、両側の平面を含む長軸方向のいずれの位置でも同じであったが、本実施形態のノズル40は、吸着面の平面のノズル多孔部が部品の大きさに合わせて形成されていることを特徴とする。
本実施形態のノズル40は、ノズル多孔部41と、封止層42と、孔部43と、充填孔44と、吸着面側開口部45と、吸着面側封止層46を備えている。
本実施形態のノズル多孔部41、封止層42、孔部43および充填孔44の構成と機能は、第2の実施形態の同名称の部位とそれぞれ同様である。
吸着面側開口部45は、ノズル多孔部41と同様にノズル40の基材の多孔質の弾性体のみによって形成されている部分である。吸着面側開口部45は、吸着対象の部品の短辺、すなわち、吸着面のうち最も長さが短い部分よりも小さくなるように形成されている。吸着面側開口部45の表面付近の孔部43は、ノズル多孔部41の孔部43とつながっている。すなわち、吸着面側開口部45の表面から対向する装置側の面まで気体が通過することができるので、真空引きしてノズル40の内部を負圧にすることで吸着面側開口部45の位置に部材を吸着することができる。
吸着面側封止層46は、吸着面側の孔部43が充填材で充填された封止層である。吸着面側封止層46は、吸着面において、吸着対象となる部品に対応する開口部以外の部分を封止している。
本実施形態のノズル40は、マスキングを行う際に吸着面側と装置への搭載面側でそれぞれ異なる大きさのマスク材を用いてマスキングを行うことで、下記に示すように第2の実施形態のノズル40と同様に製造することができる。
始めに円柱状の多孔質の弾性体であるノズル本体の平面にマスキングが施される。マスキングは、例えば、剥離可能なシートをマスクとして用いて行われる。本実施形態では、ノズル本体の2つの平面のうち装置に取り付ける側の平面には、全面にマスキングが施される。また、部品を吸着する側の面には、吸着対象の部品に基づいて設定されたノズルの内径に応じた大きさのマスク材によってマスキングが施される。
マスキングが施されると、封止層42を形成する充填材の溶液にノズル本体が浸漬される。充填材にウレタン樹脂を用いる場合には、充填材の溶液には、例えば、熱硬化性のポリウレタンを溶解した溶液が用いられる。
ノズル本体の浸漬は、封止層42の厚み、すなわち、ノズル40の内径の設計値に基づいてあらかじめ設定された時間、行われる。ノズル40の内径であるノズル多孔部41の径は、浸漬を継続する時間によって制御することができる。浸漬を継続することで、充填材の溶液は、ノズル本体の孔部に含浸する。
あらかじめ設定された時間が経過すると、ノズル本体が溶液から引き上げられる。溶液からの引き上げが行われると、ノズル本体の両面のマスク材が剥離される。マスク材が剥離れると、ノズル本体が加熱炉で加熱され、充填材の硬化が行われる。充填材が硬化すると、充填材によって充填された充填孔44を有する封止層42が形成される。充填材の硬化が終わると、ノズル40が完成する。
本実施形態のノズル40は、第2の実施形態のノズル40と同様の効果を有する。また、浸漬時間によらずに吸着面側の開口部を小さく出来るので、浸漬に要する時間を短くすることができる。また、ノズルの内径を細くしすぎずに小さな電子部品を吸着することができるので、より安定して電子部品を吸着することができる。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図10A、図10Bおよび図10Cは、本実施形態のノズル50の構成の概要を示したものである。図10Aは、本実施形態のノズル50の構成の概要を示す断面図である。また、図10Bは、本実施形態のノズル50の上部、すなわち、装置への取り付け側における平面図である。また、図10Cは、ノズル50の下部、すなわち、部品の吸着面側の平面図である。
第2および第3の実施形態では、ノズルの封止層は、弾性を有する樹脂材料によって形成されていたが、本実施形態のノズル50の封止層は、金属材料または無機材料によって表面封止層として形成されていることを特徴とする。
本実施形態のノズル50は、ノズル多孔部51と、充填層52と、孔部53と、充填孔54と、吸着面側開口部55と、吸着面側充填層56と、表面封止層57を備えている。
本実施形態のノズル多孔部51、孔部53、充填孔54および吸着面側開口部55の構成と機能は、第2および第3の実施形態の同名称の部位とそれぞれ同様である。
充填層52は、ノズル50の封止層に存在し、孔部53が充填材で充填されている層である。充填層52の構成は、第2の実施形態の封止層12と同様であるが、表面の平坦性が維持されていればよいため、孔部が充填材によって完全に埋められていなくてもよい。充填層52が存在することで、ノズル50の表面付近に存在する孔部53による凹凸がなくなり、カバレッジが向上するので表面封止層57の均一性や封止性が向上する。
吸着面側充填層56は、吸着面側に存在し、充填層52と同様の構成を有する。
表面封止層57は、充填層52および吸着面側充填層56の表面に成膜された金属材料または無機材料の膜である。表面封止層57は、充填層52および吸着面側充填層56の表面を皮膜し、ノズル50内部の気密性を維持する封止膜としての機能を有する。表面封止層57の膜は、例えば、スパッタ、めっき、蒸着、CVD(Chemical Vapor Deposition)等の成膜法によって形成される。
本実施形態のノズル50の製造方法について説明する。始めに円柱状の多孔質の弾性体であるノズル本体の平面にマスキングが施される。マスキングは、例えば、剥離可能なシート材をマスク材として用いて行われる。本実施形態では、ノズル本体の2つの平面のうち装置に取り付ける側の平面には、全面にマスキングが施される。また、部品を吸着する側の面には、吸着対象の部品に基づいて設定されたノズルの内径に応じた大きさのマスク材によってマスキングが施される。
マスキングが施されると、充填層52および吸着面側充填層56を形成する充填材の溶液にマスキングを施した弾性体が浸漬される。充填材にウレタン樹脂を用いる場合には、充填材の溶液には、例えば、熱硬化性のポリウレタンを溶解した溶液が用いられる。
ノズル本体の弾性体の浸漬は、あらかじめ設定された時間、行われる。本実施形態では充填層52および吸着面側充填層56の厚みが表面付近の孔部53が埋まる厚みとなるように浸漬時間が設定される。また、充填層52および吸着面側充填層56は、スプレーや刷毛によってノズル本体の表面に充填材を塗布することによって行われてもよい。
充填層52および吸着面側充填層56の形成が終わると、マスク材の剥離が行われ、ノズル本体の加熱炉での加熱によって、充填材の硬化が行われる。充填材が硬化すると、充填材に充填された充填孔54を有する充填層52および吸着面側充填層56が形成される。
充填層52および吸着面側充填層56が形成されると、両側の平面のマスキングが再度、施され、表面封止層57が形成される。表面封止層57は、例えば、CVD法によってDLC(Diamond Like Carbon)膜を成膜することで形成される。
表面封止層57の成膜が終わると、ノズル本体の両面のマスク材が剥離される。マスク材が剥離されるとノズル50が完成する。
本実施形態のノズル50は、金属材料または無機材料の表面封止層57を備えているのでガスバリア性が向上する。金属材料または無機材料は、薄膜でよいためノズル50の弾性の阻害を抑制しつつ、ノズル50内部の気密性を維持することができる。
本実施形態のノズル50では、充填層52および吸着面側充填層56は、孔部に充填材が入り込むことで形成されているためアンカー効果によって剥離しづらい。充填層52および吸着面側充填層56上に成膜されるため、表面封止層57の金属材料または無機材料の膜も安定して存在する。また、ノズル50の本体は弾性体で形成されているため、段差等のある電子部品であっても確実に吸着を行うことができる。
各実施形態のノズルは、金属等のノズルと組み合わせて用いてもよい。例えば、ステンレス製のノズルの先端部に各実施形態のノズルを取り付けることで、部品の大きさに合わせた装置の段取り替えを容易に行うことができるようになる。
1 本体部
2 封止部
3 気体通過部
10 ノズル
11 ノズル多孔部
12 封止層
13 孔部
14 充填孔
20 ノズル
31 電子部品
32 電子部品
40 ノズル
41 ノズル多孔部
42 封止層
43 孔部
44 充填孔
45 吸着面側開口部
46 吸着面側封止層
50 ノズル
51 ノズル多孔部
52 充填層
53 孔部
54 充填孔
55 吸着面側開口部
56 吸着面側充填層
57 表面封止層

Claims (10)

  1. 多孔質の弾性体によって柱状に形成され、吸着対象の部品と接する吸着面を有する本体部と、
    前記本体部の円周側の表面全体に形成され、前記本体部の表面からあらかじめ設定された厚み内に存在する前記多孔質の弾性体の孔部が充填材によって充填されている封止部と
    前記本体部の中心側に連続的に形成され、前記吸着面から前記吸着面と対向する側の面まで気体を通過させる前記多孔質の孔部を有する気体通過部と
    を備えることを特徴とするノズル。
  2. 前記吸着面における前記気体通過部の面積は、前記吸着面と対向する側の面の面積よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のノズル。
  3. 前記吸着面において、前記吸着対象の部品の大きさに基づいて設定された径よりも外側の領域に形成され、前記吸着面の表面近傍の前記多孔質の弾性体の孔部が前記充填材によって充填された吸着面側封止部をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載のノズル。
  4. 前記封止部の表面に、金属材料または無機材料の層によって形成された第2の封止部をさらに備えることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載のノズル。
  5. 前記充填材は、弾性材であることを特徴とする請求項1から4いずれかに記載のノズル。
  6. 前記封止部において、前記本体部の表面から中心に向かうにつれて、前記多孔質の弾性体の孔部に対する前記充填材の割合が低下することを特徴とする請求項1から5いずれかに記載のノズル。
  7. 柱状の多孔質の弾性体の第1の平面と、第2の平面とをマスク材によってマスキングし、
    マスキングを施した前記弾性体を、充填材を溶解した溶液に浸漬し、
    前記充填材を円周側の表面からあらかじめ設定された厚み内に存在する前記多孔質の弾性体の孔部に含浸させ、
    前記充填材を含浸させた前記弾性体を前記溶液から取り出し、
    前記マスキング材を剥離し、
    前記弾性体の孔部に含浸した前記充填材を硬化させ、
    を特徴とするノズルの製造方法。
  8. 前記第1の平面を、吸着対象の部品の大きさに基づいて設定された径の領域を覆う前記マスク材によってマスキングし、
    含浸を行う際に、前記第1の平面の中心から前記あらかじめ設定された径よりも外側の領域の表面近傍に存在する前記多孔質の弾性体の孔部に前記充填材を含浸させることを特徴とする請求項7に記載のノズルの製造方法。
  9. 前記充填材の硬化後に、前記弾性体の円周側の表面に金属材料または無機材料を成膜することを特徴とする請求項7または8に記載のノズルの製造方法。
  10. 柱状の多孔質の弾性体を、充填材を溶解した溶液に浸漬し、
    前記充填材を円周側の表面からあらかじめ設定された厚み内に存在する前記多孔質の弾性体の孔部に含浸させ、
    前記充填材を含浸させた前記弾性体を前記溶液から取り出し、
    前記多孔質の弾性体の孔部に含浸した前記充填材を硬化させ、
    前記弾性体を長軸方向の所定の長さで切断して、部品と吸着させる第1の平面と、前記第1の平面と対向する第2の平面とを形成すること
    を特徴とするノズルの製造方法。
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