JP2019030891A - 金属成形用鋳型及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鋳込んだ溶湯金属の熱により破損や型崩れが起きない鋳造キャビティを有する金属成形用の鋳型の提供。
【解決手段】両方の型基体12、22の焼成層15(15a、15b)、25(25a、25b)は、上下の二層構造になっている。下側の焼成層15a、25aは、低火度の釉薬を型基体12の表面に塗布後、パネルヒータの温度800℃で焼成した層である。上側の焼成層15b、25bは、下側の焼成層の表面に高火度の釉薬を塗り、ガスバーナーの火炎温度1300℃で焼成した層である。型基体12、22に焼成層15(15a、15b)、25(25a、25b)を形成してなる雄型12と雌型22は、凸部14と凹部23を嵌合させて組み立てられ、両方の焼成層15(15a、15b)、25(25a、25b)で囲まれた鋳造キャビティ27が形成される金属成形用の鋳型。
【選択図】図3

Description

本発明は、金属溶湯を流し込んで鋳物を製造するための金属成形用鋳型に関するものであり、特に、3Dプリンタを用いて、無機質粉体に粉体凝固液を塗布して成形した立体状の粉体凝固品(以下、「無機質粉体製の型基体」という。)を有する金属成形用鋳型に関するものである。
3Dプリンタの出力に使用される無機質粉体として、ケイ砂ないしアルミナや石膏が用いられており、粉体凝固液としてはケイ砂等に対しては水ガラスが用いられ、石膏に対しては水を主成分とする液体が用いられている。3Dプリンタにより出力された無機質粉体製の型基体を、射出成形用簡易型、ブロー成形用簡易型、板金プレス用簡易型ないし鋳型用砂中子として使用する技術が知られている。この技術では、上記無機質粉体製の型基体の機械的強度を高めるために、出力後の型基体を乾燥後、真空下で熱硬化性樹脂を含浸させ、その後、粉体原料の熱変質温度以下に加熱して熱硬化性樹脂を硬化させ、型基体の内部において含浸した熱硬化性樹脂の化学結合により補強することで、機械的強度を高めている(特許文献1)。
含浸させる熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂のような熱硬化性樹脂を主成分とし、これに脂肪族アミンや芳香族アミン、桟無水物、第3級アミンのような硬化剤を加えたものである。
硬化した熱硬化性樹脂の溶融温度は、エポキシ樹脂で105〜200℃、フェノール樹脂で150℃、不飽和ポリエステル樹脂で130〜150℃であり、これらの温度以下では、硬化した熱硬化性樹脂が補強材としての機能を発揮して機械的強度が高められ、溶融温度が200℃程度のプラスチックの射出成形用の型として使用することができる。
しかし、上記200℃を超える溶融温度で高圧射出するプラスチックに対しては、耐熱性や機械的強度が不足しており、射出成型用の型として使用することができない。更に、鋳物として使用される金属、例えば、汎用性の高い黄銅の融点は約900℃、マグネシウム合金の融点は約595℃、アルミニウム合金の融点は約580℃(以下、「高融点合金」という。)であり、亜鉛合金の融点は約385℃、錫合金の融点は約296℃、鉛合金の融点は約272℃(以下、「低融点合金」という。)である。3Dプリンタにより出力された無機質粉体製の型基体にこれらの金属溶湯を鋳込んだ場合に、補強している熱硬化性樹脂が軟化して、鋳造キャビティが変形ないし型崩れを起こして、所望形状の鋳物を得ることができない。
一方、型基体を構成する無機質粉体としてケイ砂ないしアルミナを用い、粉体凝固液として水ガラス(軟化点550〜670℃)を用いたものをそのまま金属成形用の鋳型として用いた場合、水ガラスの軟化点を超えると型崩れを起こしてしまうという問題がある。したがって、上記の黄銅やマグネシウム、アルミニウム等の高融点合金の金属成形用鋳型として使用できない。
型基体を構成する無機質粉体として石膏を用い、粉体凝固液として水を主成分とする型基体をそのまま金属成形用の鋳型として用いた場合、二水石膏が140℃を超えると半水石膏になり形状を保持することができない。石膏の熱変質温度(130〜140℃)を超えると型崩れを起こしてしまうという問題がある。したがって、高融点合金はもちろんのこと、低融点合金の金属成形用鋳型としても使用することができない。
特許3212581公報
本発明の第1の目的は、以上のような従来の欠点に鑑み、無機質粉体製の型基体を、低融点合金及び高融点合金の鋳込みに使用することができるようにすることである。
本発明の第2の目的は、3Dモデリングソフトウエアにより作成した3Dデータを用いて、3Dプリンタで出力した無機質粉体製の型基体を、低融点合金及び高融点合金の鋳込みに使用することができる金属成形用鋳型の製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1記載の金属成形用鋳型は、無機質粉体製の型基体の表面に、釉薬の焼成層を形成してなる鋳造キャビティを有することを特徴とするものである。無機質粉体としては、ケイ砂ないしアルミナや石膏が好ましい。型基体の製法としては、木型を用いた従来の方法のほかに、3Dプリンタを用いて出力することにより製造することができる。無機質粉体製の型基体としては石膏製の型基体とケイ砂製の型基体などが考えられる。型基体の無機質粉体層と釉薬の焼成層とは相性がよく剥離しにくい。型基体は熱硬化性樹脂等により補強されていた方がよい。型基体の表面に形成された釉薬の焼成層が、鋳込まれた金属溶湯の熱や圧力から型基体を保護して、鋳造キャビティの変形や型崩れを防止する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の金属成形用鋳型において、3Dプリンタにより出力された無機質粉体製の型基体の表面に、釉薬の焼成層を形成してなる鋳造キャビティを有することを特徴とするものである。3Dモデリングソフトウエアを用いて金属成形品の3Dデータを作成し、当該金属成形品をディスプレイに表示させて顧客と相談しながら修正を加えて、金属成形品の3Dデータを決定することができる。また、金属成形品の3Dデータから作られた型基体の3Dデータを3Dプリンタで出力することができ、決定した金属成形品が反転した形状の現実の型基体を迅速に製造することができ、顧客満足度を高めることができる。
請求項3の発明は、請求項2記載の金属成形用鋳型において、3Dプリンタにより出力された無機質粉体製の型基体の表面に、陶磁器用釉薬の焼成層を形成してなる鋳造キャビティを有することを特徴とするものである。釉薬には陶磁器用の釉薬とホーロー用の釉薬があり、陶磁器用釉薬には、楽焼用ないし低火度釉薬及び高火度釉薬がある。これらの釉薬は鋳込む金属溶湯の温度により使い分けることができる。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか記載の金属成形用鋳型において、無機質粉体製の型基体が石膏製の型基体であることを特徴とするものである。3Dプリンタの出力材料として石膏(半水石膏)を用いることにより、型基体を安価に製造することができる。また、出力された型基体にシアノアクリエートやエポキシ樹脂を含浸させることにより、出力後の型基体に機械的強度を付与することができる。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか記載の金属成形用鋳型において、石膏製又はケイ砂製の型基体の表面に塗布された釉薬に向けて火炎や輻射熱などの表面加熱手段により焼成したものである。火炎ないし輻射熱は、型基体の内部への加熱を極力抑えながら、表面の釉薬のみを焼成することができる。特に、バーナーの火炎による焼成は、型基体の表面に設けられた凸凹形状の垂直面(バーナ―の噴射方向と直角方向の壁面)の焼成に有効である。
請求項6記載の発明は、請求項3〜5のいずれか記載の金属成形用鋳型において、前記陶磁器用釉薬が楽焼用ないし低火度の釉薬であり、バーナーの火炎及び/又はヒーターの輻射温度が800℃〜1000℃であることを特徴とするものである。楽焼用ないし低火度の釉薬を800〜1000℃の温度で焼成したものは、亜鉛合金、錫合金、鉛合金、アルミニウム、マグネシウム等の溶湯の鋳込みに使用することができる。
請求項7記載の発明は、請求項3〜5のいずれか記載の金属成形用鋳型において、前記陶磁器用釉薬が高火度釉薬であり、バーナーの火炎及び/又はヒーターの温度が1000℃を超え1300℃以下であることを特徴とするものである。高火度釉薬を1000℃を超え1300℃以下で焼成したものは、銅合金、チタン ブロンズ等の溶湯の鋳込みに使用することができる。
請求項8記載の発明は、請求項6又は7のいずれか記載の金属成形用鋳型において、前記釉薬の焼成層が、楽焼用ないし低火度の釉薬の焼成層で形成された下層焼成層と、その上に形成された高火度釉薬の焼成層で形成された上側焼成層の複数層で形成されていることを特徴とするものである。上層焼成層となる高火度釉薬を焼成するときに、バーナー火炎/及びヒーターの輻射熱に対して下層焼成層が断熱効果を発揮して熱が型基体の内部に伝達されるのを防止し、型基体の型崩れを防止することができる。下層の釉薬層は、塗布・乾燥した状態のままでもよいが、上層の釉薬層の焼成に先立って焼成されていてもよい。
請求項9記載の発明は、請求項1〜8のいずれか記載の金属成形用鋳型において、前記型基体が互いに連結可能な2以上の単位型基体からなり、各単位型基体に一体的に設けられた連結部で相互に連結することにより型基体を一体的に組み立て、当該型基体の表面に釉薬の焼成層を形成してなる鋳造キャビティを有することを特徴とするものである。3Dプリンタが出力できる範囲(大きさ)に限界があるが、単位型基体を連結して大型の型基体を構成することができ、単位型基体の連結部に存在する継ぎ目を焼成層で覆うことにより、つなぎ目のない大型の型基体が形成できるので、大型の金属成形品用鋳型の製造が可能となる。
請求項10記載の発明は、請求項1〜9のいずれか記載の金属成形用鋳型を用いて製造してなる金属成形品であり、当該金属成形品が表札等の鋳物製標識プレートであること特徴とするものである。
請求項11記載の発明は、請求項1〜9のいずれか記載の金属成形用鋳型を用いて製造してなる金属成形品であり、当該金属成形品が大型壁掛け用の外枠や自動車用のドアフレームやシートフレームその他の薄物大型の鋳物製金属部品であることを特徴とするものである。
請求項12の発明は、無機質粉体製の型基体を成形し、当該型基体の表面に釉薬を塗布したあと、塗布された釉薬を焼成して、釉薬の焼成層を有する鋳造キャビティを形成することを特徴とする金属成形用鋳型の製造法である。
請求項13記載の発明は、請求項12記載の製造方法において、3Dモデリングソフトウエアを用いて金属成形品の3Dデータを作成し、当該金属成形品の3Dデータを用いて無機質粉体製の型基体を成形し、当該型基体の表面に釉薬を塗布したあと、塗布された釉薬を焼成して、釉薬の焼成層を有する鋳造キャビティを形成することを特徴とするものである。
請求項14の発明は、請求項13の製造方法において、3Dモデリングソフトウエアを用いて金属成形品の3Dデータを作成し、当該金属成形品の3Dデータを用いて無機質粉体製の型基体を成形し、当該型基体の表面に陶磁器用釉薬を塗布したあと、塗布された釉薬を焼成して、釉薬の焼成層を有する鋳造キャビティを形成することを特徴とするものである。
請求項15の発明は、請求項12〜14のいずれか記載の製造方法において、無機質粉体製の型基体を石膏製の型基体としたことを特徴とするものである。
請求項16記載の発明は、請求項12〜15のいずれか記載の製造方法において、前記釉薬の焼成層が、型基体の表面に塗布された釉薬を火炎や輻射熱などの表面加熱手段により焼成されたものであることを特徴とするものである。
請求項17記載の発明は、請求項14〜16のいずれか記載の製造方法において、前記陶磁器用釉薬が楽焼用ないし低火度の釉薬であり、バーナーの火炎及び/又はヒーターの輻射熱の温度が800℃〜1000℃であることを特徴とするものである。
請求項18記載の発明は、請求項14〜16のいずれか記載の製造方法において、前記陶磁器用釉薬が高火度釉薬であり、バーナーの火炎ないしヒーターの温度が1000℃を超え1300℃以下であることを特徴とするものである。
請求項19記載の発明は、請求項17又は18記載の製造方法において、前記陶磁器用釉薬の焼成層が、前記型基体の表面に楽焼用なし低火度の釉薬を塗布したあと、そのままで、又は当該釉薬の表面をバーナーの火炎及び/又はヒーターの輻射熱により焼成して、下側の塗布層のままで、又は下側の焼成層を形成し、当該塗布層又は焼成層の表面に高火度釉薬を塗布し、当該釉薬の表面をバーナーの火炎及び/又はヒーターの輻射熱により焼成して、複数の焼成層を有する鋳造キャビティを形成することを特徴とするものである。
請求項20記載の発明は、請求項12〜19のいずれか記載の製造方法において、前記型基体を互いに連結可能な2以上の単位型基体に分割形成し、各単位型基体に一体的に設けられた連結部で相互に連結して型基体を一体的に組み立て、当該型基体の表面に釉薬の焼成層を形成することを特徴とする製造方法である。
以上の説明から明らかなように、本発明にあたっては次に列挙する効果が得られる。請求項1の発明は、無機質粉体製の型基体の表面に、釉薬の焼成層を形成してなる鋳造キャビティを有するので、鋳込んだ溶湯金属の熱により破損や型崩れが起きない鋳造キャビティを有する金属成形用の鋳型を提供することができる。
請求項2の発明は、型基体を3Dプリンタにより出力して製造するので、ディスプレイを操作して顧客と打ち合わせながら、金属成形品の3Dデータを作成することができ、作成された3Dデータに基づき3Dプリンタで出力して型基体を作成するものであるから、現物の金属成型品に顧客の要望を十分に反映することができる。
請求項3の発明は、陶磁器用の釉薬を用いたので、型基体を形成する無機質粉体と接着性がよく、剥離を起こし難い焼成層を備えた鋳型キャビティを有する金属成形用鋳型を提供することができる。
請求項4の発明によれば、無機質粉体として石膏粉体を用いたので、型基体を安価に製造することができると共に、表面が平滑で寸法精度の高い金属成形用鋳型を提供することができる。
請求項5の発明は、型基体の焼成層を、火炎や輻射熱などの表面加熱手段により、型基体に塗布された表層の釉薬のみを加熱し、型基体内部に熱が伝わらないようにしたので、焼成時に型基体が熱で崩れるのを防止することができる。
請求項6の発明は、釉薬として楽焼用ないし低火度の釉薬を用いたので、800℃〜1000℃で焼成することができ、亜鉛合金、錫合金、鉛合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金等の低金属合金用の鋳型を安価に提供することができる。
請求項7の発明によれば、釉薬として高火度の釉薬を用いたので、1000℃〜1300℃で焼成することができ、銅合金、チタン合金、ブロンズ等の高融点合金用の鋳型を提供することができる。
請求項8の発明によれば、型基体の焼成層を、下層焼成層として楽焼用ないし低火度用の釉薬からなる焼成層も設け、上層焼成層として高火度用の釉薬の焼成層を設けたので、下層焼成層が上層焼成層を補完して、高融点合金を鋳込む際の型崩れをより有効に防止することができる。なお、下層焼成層は、焼成しない状態で上層の釉薬を塗布し、下層の塗布層を上層の塗布層の焼成と同時に焼成することができる。
請求項9の発明によれば、大型の金属成形品を鋳造する際に、金属成形品用の型基体をいくつかの単位型基体に分割成形し、これらの単位型基体をその連結対で連結し、連結された型基体の表面に釉薬を塗布し、これを加熱して一体の焼成層を形成したので、継ぎ目のない大型の鋳造キャビティを形成することができるので、大型の金属成形品用の鋳型を提供することができる。
請求項10の発明によれば、鋳型を安価に製造することができるから、一品製作性の性格が強い表札や看板を安価に製造することができる金属成形用の鋳型を提供することができる。
請求項11の発明によれば、薄物の大型壁掛け用テレビの外枠を量産するに先立って製作される試作品の製造に好適な金属成形用の鋳型を安価に提供することができる。
請求項12の発明によれば、無機質粉体製の型基体の表面に釉薬を塗布した後、塗布した釉薬を焼成するものであるから、型基体内部を加熱せずに、釉薬のみを焼成することができるので、金属溶湯の鋳込み時に型崩れや変形しない鋳造キャビティを備えた金属成形用鋳型の製造方法を提供することができる。
請求項13の発明によれば、3Dソフトウエアを用いて金属成形品をディスプレイに表示させ、ディスプレイを操作しながら簡単な操作で変形することができるので、顧客の要望を満たした金属成形本の3Dデータを作製することができ、顧客の満足する鋳型を製造することができる。
請求項14の発明により、釉薬として陶磁器用のものを使用したので、鋳込む金属の合わせて好適な釉薬を安価に入手することができる。
請求項15の発明により、無機質粉体として石膏を使用したので、現実の型基体を安価に製造することができると共に、表面が繊細で変化に富んだ形状の鋳物を製造することができる。
請求項16の発明により、釉薬を火炎や輻射熱などの表面加熱手段により焼成したものであるから、型基体の内部が加熱されるのを避けながら、表面の釉薬のみを焼成することができる。
請求項17の発明により、楽焼釉や低火度の釉薬で焼成層を形成したので、低融点合金を鋳込むことができる鋳型を提供することができる。
請求項18の発明により、高火度の釉薬で焼成層を形成したので、高融点合金を鋳込むことができる鋳型を提供することができる。
請求項19の発明により、下層に低火度の釉薬の焼成層を形成し、上層に高火度の釉薬の焼成層を形成したので、より耐熱性が高く型崩れを起こさない鋳造キャビティを有する金属成形用の鋳型を提供することができる。
請求項20の発明により、互いに連結可能な2以上の単位型基体に分割形成し、相互に連結して型基体を一体的に組み立てた型基体の表面に釉薬の焼成層を形成したから、つなぎ目のない大型の鋳造キャビテイを得ることができる。
ディスプレイに表示された仮想の銅製看板の斜視図である。 図1のA−A断面図である。 銅製看板を鋳造するための現実の鋳型の拡大断面図である。 ディスプレイに表示された仮想のアルミニウム製の表札の斜視図である。 図4に表示された表札を鋳造するための現実の鋳型の斜視図である。 図5のB部断面図である。 ディスプレイに表示された仮想の液晶大型テレビの外枠の斜視図である。 図7の丸印における現実の鋳型の一部を示す斜視図である。
本発明の金属成形用鋳型を構成する無機質粉体製の型基体は、木型を用いた従来の方法のほかに、3Dプリンタにより出力することにより所望の立体形状に製造することができる。無機質粉体製の型基体の3Dデータを作成するときには、3Dモデリングソフトウエア、例えば、ソリッドワークスやスペースクレーム、オートディスクのような会社の3D―CAD用ソフトウエアを使用することができる。例えば、123Dデザイン(拡張子.123d)やDSメカニカル(拡張子.rsdoc)のようなフリーのモデリングソフトウエアを使用することができる。フュージョン360等の有料のモデリングソフトウエアでもよい。作成された3Dデータは、3Dプリンタ用の3Dデータ(拡張子.stl)に変換してエクスポートする。
例えば、直方体ないし短円柱体の3Dデータから金属成形品の3Dデータを引き算(CombineコマンドのSubtract)することにより、直方体等の表面ないし内部に金属成形品の形状に相当する凹所ないし空所が形成された鋳型用の3Dデータを作成することができる。表面に凹所(型本体の凹所)を形成したときには別途蓋板を配置して、鋳造キャビティを形成する。直方体等の内部に空所を形成した場合は、直方体等の3Dデータをいくつかの単位型基体の3Dデータに分割(型割)する。例えば、雄型と雌型、必要により中子型を分割形成し、互いに位置決めして鋳造キャビティを形成する。また、大型液晶パネル外枠用の鋳型を形成するときには、雄型の単位型基体と雌型の単位基体及び雄型同士と雌型同士を互いに連結して、大型の鋳造キャビティを形成する。なお、足し算や引き算という用語は、使用するソフトウエアによっては、ブーリアン(集合演算)と呼ばれることもある。
型基体の3Dデータは、半球曲面を有する金属成形品を成形するための3次元的な鋳込キャビティを形成することも可能である。3Dモデリングソフトウエアにより作成した型基体の3Dデータを3Dプリンタにより出力することにより製造すること(DDM)ができ、多面体や球体も成形できる。型基体の材料としては石膏が好ましい。
石膏製の型基体を用いる場合であって、溶融温度が低い金属溶湯を使用するときは、楽焼釉ないし低火度釉の焼成層を形成する。溶融温度が高い金属溶湯を用いるときは、型基体の表面に直接に高火度釉の焼成層を形成するか、または型基体の表面に予め低火度の釉薬を塗布して乾燥したもの(そのまま)または低火度の釉薬の塗布層を焼成したもの(焼成層があるもの)に、高火度の釉薬の焼成層を形成する。看板や表札の標識プレートの金属成形品の仕上げ方法としては、着色、バフ仕上げ、ヘアーライン仕上げ、ランダム仕上げなどの研摩加工を行うことができる。
本実施例の金属成形用鋳型は、3Dプリンタにより粉体凝固液を無機質粉体に塗布して成形した粉体造形物(型基体)の表面に、釉薬の焼成層を設けた鋳造キャビティを備えたものである。以下の実施例1及び2では、無機質粉体として石膏(半水石膏)を用い、硬化剤として水を主成分とする溶液を用い、3Dプリンタ出力後の型基体の補強材としてシアノアクリレートを用いた例を示す。また、焼成層を形成する釉薬としては、楽焼用ないし低火度の釉薬や高火度の釉薬を用い、これらの釉薬の焼成にはパネルヒータの輻射熱及び/又はガスバーナーの火炎を用いた。
図1はディスプレイに表示された仮想の銅製看板を示す斜視図であり、図2は図1のA−A線断面図である。図3は看板を鋳造するための現実の鋳型の断面図である。図1及び図2の看板1は、3Dモデリングソフトウエアにより作成された3Dデータをディプレイ上に表示したものであり、断面が楕円形のベース板2と、ベース板2の表面中央で縦方向に突出形成されたイルカのレリーフ模様3、ベース板の上下方向中央に位置して、レリーフ模様3を横断するように突設(文字S,A)ないし凹設(文字E)された文字列(SEA)4を有している。ベース板の外周縁から裏側に向かって高さの低い周囲壁5が垂下されている。ベース体2、周囲壁5、レリーフ模様3及び文字列4は一体的に設けられている。6はベース板の裏面側に互いに離れた位置に設けられた短円柱体であり、その軸中心にボルト取付用のネジ孔7が設けられている。
次に、型基体の具体的な作成方法を述べる。雄型基体12及び雌型基体22の3Dデータは、3次元モデリングソフトを使って作成された看板1の3Dデータを、3Dデータの断面楕円型の柱状体に埋没させた後、引き算をすることにより柱状体の中に表札の形状に相当する空間をつくり、雄型基体のもっとも低い位置(雌型基体の外周表面が当接する位置)の3Dデータ値を基準値としてパーティングラインを設定し、柱状体の3Dデータを雄型基体12と雌型基体22の3Dデータに2分割(型割)する。この段階で、雄型基体及び雌型基体の3Dデータに凸部13及び凹部23を設けて両方の型基体12、22の3Dデータの作成が完了する。
型基体の3Dデータに基づき3Dプリンタによって石膏製の型基体を出力する。次に型基体にシアンアクリレートを浸透・硬化させて型基体を補強する。最後に、型基体の表面に焼成層を形成する。図中、11は銅製の表札1を成形するための鋳型であり、12は雄型基体、13は雄型基体12の周辺隅部14に設けられた位置決め凸部、15は雄型基体12及び凸部14の表面に形成された釉薬の焼成層、16は雄型基体及び焼成層の中央位置に設けられた湯道、17は湯道に連なる湯口である。型基体12、凸部13、焼成層15、湯道16及び湯口17により雄型18が形成されている。
第3図中、22は雌型基体、23は雌型基体の周辺端部24に設けられた位置決め凹部、25は雌型基体22及び凹部23の表面に形成された釉薬の焼成層であり、型基体22、凹部23、焼成層24により雌型26が形成されている。凹部23のくぼみの内径寸法は、雄型基体の凸部14に形成された焼成層15と雌型基体の凹部23に形成される焼成層25とを合わせた厚みを加算した寸法、即ち、凸部の外径寸法より2つの焼成層15、25の厚さ分だけ径大になっている。
次に、両方の型基体12、22の表面、凸部14と凹部23の表面及び周囲壁5、25の表面に低火度の釉薬を塗布したあと乾燥する。乾燥後の塗布面にパネルヒータの輻射熱をあてて低火度の釉薬を焼成して下側の焼成層15a、25aを形成する。下側の焼成層の上に高火度の釉薬を塗布したあと乾燥する。乾燥後の塗布面にガスバーナーの火炎をあてて高火度の釉薬を焼成して上側の焼成層15b、25bを形成する。銅を鋳込むときには、型基体12、22の表面に下側の低火化度の釉薬と上側の高火度の釉薬からなる二層の焼成層15a、15b、25a、25bを形成しておくのがよい。
上述のように、両方の型基体12、22の焼成層15、25は、上下の二層構造になっている。下側の焼成層15a25aは、低火度の釉薬を型基体12の表面に塗布後、パネルヒータの温度800℃で焼成した層である。上側の焼成層15b、25bは、下側の焼成層の表面に高火度の釉薬を塗り、ガスバーナーの火炎温度1300℃で焼成した層である。ところで、両方の型基体15、25の表面等に高火度の釉薬を直接塗り、ガスバーナーで焼成することも可能であるが、下層の焼成層と上層の焼成層とからなる複数の焼成層を形成して、石膏製の型基体12、22が熱により型崩れをするのを防止した方がよい。
このように型基体に焼成層を形成してなる雄型12と雌型22は、凸部14と凹部23を嵌合させて組み立てられ、両方の焼成層15(15a、15b)、25(25a、25b)で囲まれた鋳造キャビティ27が形成される。組み立てた鋳型の鋳造キャビティ27に湯口17から銅の溶湯を鋳込んで冷却後脱型すれば、現実の銅製看板を製造することができる。
図4はディスプレイに表示された仮想の表札の斜視図であり、図5は図4の表札を鋳造するための現実の鋳型の斜視図、図6は図5のB部断面図である。ディスプレイに表示された仮想の表札31の地模様体32は、幅5mmで厚さ3mmの長円形外枠体33の内側に、傾き45度及び逆傾き45度で一定間隔を隔てて配置した複数本の棒材34、35を有している。各棒材は幅3mmで、厚さ3mmであり、それぞれの棒材が直角に交差して正面側から見て正方形の多数の透孔36・・・を形成している。外枠体33の周縁内側にある透孔36aは、外枠体と棒材とで形成された不定形な断面形状を有するものとなっている。即ち、地模様体32は、各棒材34、35と、各棒材の外側先端部37・・・を連結する外枠体33とにより構成され、各棒材及び外枠体により表側から裏側に貫通する断面正方形の透孔36と不定形の透孔36aを有している。
地模様体32の左右対称位置に、「A」と「B」の立体的な文字39、40が配置されている。各文字は、幅4mm厚さ6mmであって、正方形の透孔36・・・より大きく形成されている。各文字は複数の透孔36・・・(図面上は5個ないし6個の透孔)にかかるように配置され、各棒材34、35と一体なった状態で支持されている。文字39、40はひとつの透孔36よりも大きく、棒材からはみ出した部分38(棒材と重ならない部分)の背面は地模様体32の背面と面一なるまで延びている。表札の文字39、40は、肉厚3mmの地模様体の表面側上方に3mm上方に突出していることになる。つまり、文字39、40は、棒材34、35からはみ出した部分38の裏面が地模様体の裏面と面一となり、文字の表面は地模様体の表面から3mm突出していることになる。
型基体42の3Dデータは、3次元モデリングソフトを使って作成された仮想の表札31の3Dデータを、3Dデータの直方体に埋没させた後、引き算をすることにより直方体の表面に表札31の形状に相当する凹所を形成したものである。現実の型基体42は、前記型基体42の3Dデータを、石膏用3Dプリンタで出力したあと、シアノアクリレートを含浸させて補強したものである。型基体42の凹所のうちで、表札の棒材を形成する凹溝44及び45に囲まれた突出部(鋳型表面側から見て直方体形の部分)43は、表札31の断面正方形の透孔36を形成する部分であり、その頂面が型基体の外周表面46と面一になっている。また、文字を成形する凹溝47、48は、棒材の凹溝44、45よりさらに深く窪んでいる。外枠体33を形成する凹溝49は棒材の凹溝44、45と同じ深さである。両方の棒材及び外枠体を成形する凹溝44、45、49及び文字を成形する凹溝47、48により鋳造キャビティとなる凹所が形成される。
更に、図5及び図6において、51は型基体42の凹所を閉鎖する蓋板であり、市販の石膏ボードを型基体の成形側表面と同じ大きさに切断したものである。蓋板51の中央には板厚方向に設けられた2つの湯道52、52およびこれらにつながる湯口53が設けられている。各湯道は、鋳型が組み立てられたときに、型基体42に設けられた文字の凹溝47、48に開口する位置に設けられている。
次に、型基体42及び蓋板51で構成されたアルミニウム成形用鋳型の製法について述べる。3Dプリンタで出力した型基体42の表面に楽焼用の釉薬を塗布して、塗布層をガスバーナーの火炎で800℃に加熱し、火炎の熱により釉薬を焼成して焼成層46を形成し、鋳込用凹所を有する鋳型本体56を製造する。同じく、板材51の表面に楽焼用の釉薬を塗布して、ガスバーナーの火炎で800℃に加熱し、火炎の熱により釉薬を焼成して焼成層54を有する蓋体57を製造する。板材51に小径孔と大径孔を連続して設け、それらに楽焼用の釉薬を塗布したあと、焼成して湯道52及び湯口53を形成する。型基体42に焼成層46を形成してなる鋳型本体56に、焼成層54を形成してなる蓋体57を当接させて鋳型58組み立てることにより鋳造キャビティ55が形成される。なお、蓋板として鋼鈑や銅板を用いるときには、釉薬の焼成層は不要である。
この鋳造キャビティ55にアルミニウム溶湯を鋳込むことにより、現実の表札を鋳造することができる。鋳造キャビティ55の成形面(焼成面)に傾き2度程度の抜き勾配を設けると共に、離型剤を塗布しておくことにより成形後の脱型作業が容易となり、鋳型を2〜5回程度繰り返して使用することができる。また、文字や棒材、外枠体の凹溝44、45、47、48、49の表面は鋳物製表札の表面を成形する面となるから、表札31を設計するときに、模様をつけ、シボをつけ、平滑面とすれば、変化に富んだ現実の表札を得ることができる。鋳型58取り出した表札には、顧客要望に応じて、着色、バフ仕上げや本緑青仕上げ等の後処理を施すことができる。
図7はディスプレイに表示された大型液晶パネル用の仮想の外枠の斜視図、図8は図7の丸印で囲った部分を成形するための現実の型基体である。本実施例3では、無機質粉体としてケイ砂を用い、硬化剤として水ガラスを用い、3Dプリンタ出力後の型基体の補強材としてエポキシ樹脂を用いた例を示す。図7に示すように、3Dデータからなる仮想の外枠61は断面逆L形で、縦800mm、横1200mmの矩形をしている。3Dモデリングソフトを用いて、図示しない直方体の3Dデータから前記外枠61の3Dデータを引き算して型基体62の3Dデータを作る。3Dプリンタで出力できる大きさが限られているから、型基体62の3Dデータを3Dプリンタで出力できる大きさに分割して、単位型基体の3Dデータとする。例えば、型基体のコーナー部を縦横100mm×300mmの単位型基体64に分割形成し、コーナー部をつなぐ直線部63を100mm×300mmの単位型基体65に分割形成する。各単位型基体64、65の連結面(3Dデータの面)に裁頭円錐型の凸部と凹部の連結対(図示せず)を形成しておく。
次に、単位型基体64、65の3Dデータに基づき、ケイ砂製の3Dプリンタを用いて出力して現実の単位型基体70、71を出力する。出力されたコーナー部の単位型基体70には、断面逆L形の凹溝72が90℃で屈折した状態で設けられており、この凹溝が単位型基体70の隣接する端面73a、73bに開口している。直線部の型基体71には、断面逆L型の凹溝74が対向する端面75a、75b(図示せず)に開口している。コーナー部の型基体70と直線部の型基体71を、それぞれの端面73a、75aに設けられた凸部75xと凹部73yで嵌合して接合し、断面逆L型の凹溝72,74が連続した組立後の型基体を得る。組み立て後の現実の型基体にはその接合部に筋が残るが、この筋にパテを塗っておくのがよい。
断面逆L形の凹溝72、74の表面を含めた組立後の型基体の表面に、高火度の釉薬を塗布し、乾燥した後にバーナーの火炎で焼成して焼成層76を形成して鋳型本体80を製造する。パテは、型基体に塗布された高火度の釉薬が連結部に浸み込むのを防止して、焼成したときに焼成層76の表面が面一になるようにする。石膏ボード製の板材78を使用するのであれば高火化度の釉薬の焼成層を形成して蓋体81を製造する。蓋板としてステンレスを使用するのであればそのまま使用することができる。蓋体81を鋳型本体80に当接させて固定して鋳型82を組み立てて、形成された鋳造キャビティ79にステンレス溶湯を鋳込むことにより、図7に相当する現実の外枠を成形することができる。
このような技術の利用分野は、例えば、表札等の一品製作的な標識プレートの製造又は大型金属部品の試作ないし製造に関する分野である。標識プレートとしては、看板、表札、銘板 定礎板、印鑑などがある。大型金属部品としては、薄型液晶テレビの外枠、大型壁掛け用の外枠、自動車用のドアフレームやシートフレームなどがある。
12、22、42、70、71 型基体
15、25、46、76 釉薬の焼成層
27、55、79 鋳造キャビティ
11、41、82 鋳型

Claims (20)

  1. 無機質粉体製の型基体の表面に、釉薬の焼成層を形成してなる鋳造キャビティを有することを特徴とする、金属成形用鋳型。
  2. 3Dプリンタにより出力された無機質粉体製の型基体の表面に、釉薬の焼成層を形成してなる鋳造キャビティを有することを特徴とする、請求項1記載の金属成形用鋳型。
  3. 3Dプリンタにより出力された無機質粉体製の型基体の表面に、陶磁器用釉薬の焼成層を形成してなる鋳造キャビティを有することを特徴とする、請求項2記載の金属成形用鋳型。
  4. 無機質粉体製の型基体が石膏製の型基体であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか記載の金属成形用鋳型。
  5. 前記釉薬の焼成層は、型基体の表面に塗布された釉薬を火炎や輻射熱などの表面加熱手段により焼成したものであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか記載の金属成形用鋳型。
  6. 前記陶磁器用釉薬が楽焼用ないし低火度の釉薬であり、バーナーの火炎及び/又はヒーターの輻射熱の温度が800℃〜1000℃であることを特徴とする、請求項3〜5記載のいずれか記載の金属成形用鋳型。
  7. 前記陶磁器用釉薬が高火度の釉薬であり、バーナーの火炎及び/又はヒーターの輻射熱の温度が1000℃を超え1300℃以下であることを特徴とする、請求項3〜5の記載の金属成形用鋳型。
  8. 前記陶磁器用釉薬の焼成層が、楽焼用ないし低火度の釉薬を含む下側焼成層と、その上に形成された高火度の釉薬を含む上側焼成層の複数の焼成層で形成されていることを特徴とする、請求項6又は7記載の金属成形用鋳型。
  9. 前記型基体が互いに連結可能に形成された2以上の単位型基体からなり、各単位型基体に設けられた連結部で相互に連結されて一体となっており、その表面に釉薬の焼成層を形成してなる鋳造キャビティを有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか記載の金属成形用鋳型。
  10. 請求項1〜9のいずれか記載の金属成形用鋳型を用いて鋳造してなる成形品が、表札や看板等の標識プレートであること特徴とする、金属成形品。
  11. 請求項1〜9のいずれか記載の金属成形用鋳型を用いて製造してなる成形品が、大型壁掛け用テレビの外枠や自動車用のドアフレームないしシートフレームその他の薄物大型金属部品であることを特徴とする、金属成形品。
  12. 無機質粉体製の型基体を成形し、当該型基体の表面に釉薬を塗布したあと、塗布された釉薬を焼成して、釉薬の焼成層を有する鋳造キャビティを形成することを特徴とする、金属成形用鋳型の製造方法。
  13. 3Dモデリングソフトウエアを用いて金属成形品の3Dデータを作成し、当該金属成形品の3Dデータを用いて無機質粉体製の型基体を成形し、当該型基体の表面に釉薬を塗布したあと、塗布された釉薬を焼成して、釉薬の焼成層を有する鋳造キャビティを形成することを特徴とする、請求項12記載の金属成形用鋳型の製造方法。
  14. 3Dモデリングソフトウエアを用いて金属成形品の3Dデータを作成し、当該金属成形品の3Dデータを用いて無機質粉体製の型基体を成形し、当該型基体の表面に陶磁器用釉薬を塗布したあと、塗布された陶磁器用釉薬を焼成して、当該釉薬の焼成層を有する鋳造キャビティを形成することを特徴とする、請求項13記載の金属成形用鋳型の製造方法。
  15. 無機質粉体製の型基体が石膏製の型基体であることを特徴とする、請求項12〜14のいずれか記載の金属成形用鋳型の製造方法。
  16. 前記釉薬の焼成層は、型基体の表面に塗布された釉薬を火炎や輻射熱などの表面加熱手段により焼成したものであることを特徴とする、請求項12〜15のいずれか記載の金属成形用鋳型の製造方法。
  17. 前記陶磁器用釉薬が楽焼用ないし低火度の釉薬であり、バーナーの火炎及び/又はヒーターの輻射熱の温度が800℃〜1000℃であることを特徴とする、請求項14〜16のいずれか記載の金属成形用鋳型の製造方法。
  18. 前記陶磁器用釉薬が高火度釉薬であり、バーナーの火炎及び/又はヒーターの輻射熱の温度が1000℃を超え1300℃以下であることを特徴とする、請求項14〜16のいずれか記載の金属成形用鋳型の製造方法。
  19. 前記陶磁器用釉薬の焼成層が、前記型基体の表面に楽焼用なし低火度の釉薬を塗布したあと、そのままで、又は当該釉薬の表面をバーナーの火炎及び/又はヒーターの輻射熱により焼成して、下側の塗布層のままで、又は下側の焼成層を形成し、当該塗布層又は焼成層の表面に高火度釉薬を塗布し、当該釉薬の表面をバーナーの火炎及び/又はヒーターの輻射熱により焼成して、複数の焼成層を有する鋳造キャビティを形成することを特徴とする、請求項17又は18記載の金属成形用鋳型の製造方法。
  20. 前記型基体を互いに連結可能な2以上の単位型基体に分割形成し、各単位型基体に一体的に設けられた連結部で相互に連結して型基体を一体的に組み立て、当該型基体の表面に釉薬の焼成層を有する鋳造キャビティを形成することを特徴とする、請求項12〜19のいずれか記載の製造方法。
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