JP2019030627A - 縦型の洗濯機 - Google Patents

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中西 健浩
Takehiro Nakanishi
健浩 中西
雅浩 上津原
Masahiro Kamitsubara
雅浩 上津原
ミンス 金
Minsu Kim
ミンス 金
林 重貴
Shigeki Hayashi
重貴 林
神井 敏宏
Toshihiro Kamii
敏宏 神井
眞 加々見
Makoto Kagami
眞 加々見
智行 奥野
Satoyuki Okuno
智行 奥野
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Abstract

【課題】パルセータの裏羽根で水を効果的に吐出できるようにする。【解決手段】水受槽20の内部で回転駆動される回転槽30を備える。回転槽30は、胴部材31の底部にパルセータ40と、パルセータ40を境に区画された洗濯空間450とポンプ空間451とに連通する循環経路460とを有している。パルセータ40は、円板状のベースと、ベースを貫通し、洗濯空間450とポンプ空間451とを連通させる複数の通水孔と、ベースの裏面に設けられ、ポンプ空間451で水を径方向に送り出す裏羽根とを有する。【選択図】図5

Description

開示する技術は、縦型の洗濯機に関し、その中でも特に、回転槽の水を循環させる構造を備えた洗濯機に関する。
現在、洗濯機は、洗い、濯ぎ、脱水、場合によっては乾燥などからなる一連の洗濯行程を自動的に行う全自動式が主流である。そのような洗濯機でも、節水に有利なため、近年では、洗濯物を投入するドラムが、水平方向又は傾斜した方向に延びる軸周りに回転する、いわゆるドラム型の洗濯機が増加している。しかし、洗濯物を投入する洗濯兼脱水槽が、垂直方向に延びる軸周りに回転する縦型の洗濯機も、依然として人気がある。
縦型の洗濯機では、筐体内に設置された貯水槽に、円筒容器状の洗濯兼脱水槽(回転槽)が収容されていて、洗濯兼脱水槽の多くは、排水及び脱水が容易に行えるように、その周壁の広い範囲に多数の脱水孔が形成されている(ホールフルタイプ)。この種の洗濯機では、洗いや濯ぎの各行程で用いられる水は、洗濯兼脱水槽だけでなく、洗濯兼脱水槽と貯水槽の間の空間にも貯められる。そのため、使用する水量が多くなり易いという不利がある。
それに対し、近年の洗濯機では節水が重要視されており、縦型の洗濯機でも、少量の水で洗いや濯ぎが効率よく行えることが求められている。そのため、洗濯物が漂うことなく浸かる程度か、それ以下の給水量での洗濯が、縦型の洗濯機でも一般的になりつつある(節水仕様)。なお、欧米の洗濯機では、元々、日本と比べると給水量が少なく、更に少ない水で洗濯される場合もある。
開示する技術に関し、洗濯槽30(回転槽)と、裏羽根を有する回転翼33(パルセータ)とを備えた洗濯機が、特許文献1に開示されている。その洗濯機では、裏羽根の遠心力で洗濯槽内の水に上昇流を発生させ、表側の翼の遠心力で発生する渦流との組み合わせで、洗濯槽内に旋回流を発生させている。
そのため、パルセータの外周部分に、上向きに傾斜した周壁34を設け、その周壁34に、遠心力で水が円滑に流出するよう、格子状に並ぶ多数の水流孔34aが水平方向に貫通した状態で形成されている。更に、回転翼33の裏側に水を流入させるために、その中心側の領域に、多数の通水孔33cを形成している。
開示する技術に関し、水を循環させる経路はないが、洗濯兼脱水槽12の上縁部の近傍に、円環状の水路31が設けられている洗濯機が、特許文献2に開示されている。水路31には、多数の注水孔34が全周にわたって形成されている。
その洗濯機では、脱水しながら濯ぎを行う際に、その水路31に水を供給することで、洗濯兼脱水槽12の内周面に集まる洗濯物に、注水孔34からシャワー状に散水し、少量の水であっても、洗濯物に均等に水が染み込むようにしている。
特許文献2にはまた、実施形態の一つとして、洗濯兼脱水槽12の上縁に取り付けられたバランサーの上部に水路31を形成し、バランサーを上下に貫通して注水孔34を形成することが開示されている(図5)。
特開2012−55546号公報 特開平9−285686号公報
縦型の洗濯機、特に節水仕様の洗濯機では、次のような課題1、2がある。
(課題1)
洗濯時には、洗濯物から微細な糸屑(リント)が発生し、そのリントが水中に漂うようになる。そのため、洗濯後にリントが洗濯物に再付着し、綿埃になるという、問題がある。給水量が少なくなるほど、リントが再付着し易くなるため、近年の節水仕様の洗濯機では、特にその影響が大きく、重要視されている。
リントフィルターを、洗濯時に水を循環させる循環経路に設けて、循環時にリントを捕集すれば、再付着が防止できるが、水を円滑に循環させながら、リントフィルターでリントを効率よく捕集するには、安定した強い循環能力が必要である。
特許文献1の洗濯機のように、回転するパルセータの裏羽根で水を循環経路に吐出して水力を得ることが考えられるが、リントの捕集に十分な強い水力を得るのは難しい。
また、特許文献1の洗濯機では、回転翼33の中心側の範囲に多数の通水孔33cを形成し、負圧を利用して、パルセータの下側に水を流入させているが、本発明者らが検討したところ、改善の余地があることが判明した。すなわち、パルセータの裏羽根で水を吐出させる場合、通水孔の総開口面積が小さ過ぎても大き過ぎても、安定した強い循環能力が得られないことを見出した。
(課題2)
給水量が少なくなると、水が洗濯物に均等に行き渡らなくなって、洗浄性能が低下するおそれがある。すなわち、洗いや濯ぎの行程では洗濯物が撹拌されるため、その行程中の洗濯物は回転槽の内部を移動する。洗濯物の一部が滞留する場合もある。そのため、例えば、洗濯物が浸かる程度しか給水されていない場合には、洗濯物は水に浸かったり浸からなかったりする。その結果、洗いや濯ぎの効果がばらついて、洗浄性能が低下するおそれがある。
なお、特許文献2の洗濯機では、水路31を介して洗濯兼脱水槽12に送水されるので、少量ずつでしか送水できない。注水孔34や水路31の深さを大きくすれば送水できるが、現実的ではない。循環水には糸屑が混ざるため、注水孔34が詰まる可能性もある。そのため、循環水量が多い、洗いや濯ぎ行程等での水循環には採用できない。送水口に相当する出水口部25が機枠10に固定されているため、洗濯兼脱水槽12及び外槽11が揺れ動くと、外槽11の外に水が漏れ出す場合もある。
開示する技術の目的は、これらの課題について改善を図ることにあり、節水に優れるとともに、機能的にも優れた縦型の洗濯機を提供することにある。
開示する技術の1つは、筐体の内部に支持された水受槽と、洗濯物が投入され、前記水受槽の内部で垂直方向に延びる軸回りに回転駆動される回転槽と、を備えた縦型の洗濯機に関する。
前記回転槽は、有底円筒状の胴部材と、前記胴部材の底部に設置され、前記軸回りに回転駆動されるパルセータと、前記胴部材の側部に設置され、前記パルセータを境に区画された上側の洗濯空間と下側のポンプ空間とに連通し、前記パルセータを介して水を循環させる循環経路と、有している。
すなわち、この洗濯機の回転槽の内部は、パルセータを境に、洗濯空間とポンプ空間とに区画されていて、これらが循環経路を介して連通している。従って、回転槽に水を貯めた状態でパルセータが回転されると、ポンプ空間の水が循環経路に押し出される共に、通水孔を通じて洗濯空間の水がポンプ空間に導入されるので、パルセータで回転槽の水を撹拌することと共に、回転槽の中の水を循環させることができる。
具体的には、前記パルセータは、円板状のベースと、前記ベースを貫通し、前記洗濯空間と前記ポンプ空間とを連通させる複数の通水孔と、前記ベースの裏面に設けられ、前記ポンプ空間で水を径方向に送り出す裏羽根と、を有し、前記通水孔が、前記ベースの中心側の領域に偏在して配置され、前記ベースの表面をその垂直方向から見た場合での、その総面積に対する前記通水孔の総開口面積の割合が1.5〜3.2%の範囲内に設定されているようにするのが好ましい。
そうすれば、パルセータが、洗濯空間とポンプ空間とを連通させる複数の通水孔と、ポンプ空間で水を径方向に送り出す裏羽根とを有しているので、回転槽に水を貯めた状態でパルセータが回転されると、ポンプ空間の水が裏羽根で循環経路に押し出される共に、通水孔を通じて洗濯空間の水がポンプ空間に導入されるので、回転槽の中の水が循環する。
このとき、ポンプ空間の裏羽根との空間に隙間が少ないほど、強い吐出が得られるが、その吐出に追随できる量の水をポンプ空間へ導入するのは難しい。そのため、十分な負圧力が得られても、ポンプ空間の水が不足して、十分な吐出が得られない。
それに対し、通水孔をベースの中心側の領域に偏在して配置し、ベースの総面積(投影面積)に対する通水孔の総開口面積の割合を1.5〜3.2%の範囲内に設定することで、後述するように、強い吐出を得ることが可能になり、水を勢いよく円滑に循環できるようになる。
具体的には、前記ベースの表面のうち、当該ベースと同心かつ外径の80%の大きさを有する円形領域に、総開口面積の92%以上の前記通水孔が配置されているようにするとよい。
そうすれば、ポンプ空間でのポンプ機能を効果的に発揮させることができ、円滑で勢いが強い水の循環が実現できる。
特に、前記回転槽が、更に、前記胴部材の側部に設置されて前記洗濯空間に臨むリントフィルターを有し、前記循環経路が、前記リントフィルターを通じて前記洗濯空間に連通しているようにすればよい。
前述したように、洗濯機が節水仕様である場合、洗濯物に対する水量が少ないため、リントが洗濯物に再付着し易いという問題があるが、この洗濯機では、強い循環能力が得られるので、リントの効率的な捕集が実現できる。
より具体的には、前記ベースの表面には、その中心に位置するボス部と、前記ボス部から放射状に延びる複数の撹拌羽根部と、隣接する前記撹拌羽根部の間に拡がって外周側が略平坦な平面部と、を有し、前記通水孔が前記平面部に集約して配置されているようにするとよい。
そうすれば、少ない抵抗で水をポンプ空間に導入できる通水孔を、一様に多数形成できる。成形が容易な点でも有利である。回転槽の中に洗濯物があっても、撹拌羽根部で受け止められるので、通水孔が塞がれ難い。従って、水量がばらつくことなく、水をポンプ空間に安定して導入できる。
前記パルセータの外周部分が前記胴部材の底部と隙間を介して近接しているようにすればよい。
そうすれば、ポンプ空間の周囲からの自由な水の出入を抑制できるので、安定した強い吐出を得ることができる。
開示する技術の他の1つは、筐体の内部に弾性的に支持された水受槽と、洗濯物が投入され、前記水受槽の内部で垂直方向に延びる軸回りに回転する回転槽と、前記回転槽に貯まる水を、吐出口から噴き出すことによって前記回転槽の中に戻す循環経路と、を備えた縦型の洗濯機に関する。
前記回転槽は、有底円筒状の胴部材と、前記胴部材の上部の開口の内側に沿って設置されたリング状のバランサーと、を有している。そして、前記バランサーの上部に、当該バランサーより上方に張り出した円筒状の止水リブが設けられ、前記吐出口が、前記水受槽の上部に設置され、前記止水リブよりも径方向内側に張り出して前記回転槽の内部に臨んでいる。
すなわち、この洗濯機は、回転槽に貯まる水を吐出口から噴き出して循環させる循環経路を備え、多量の洗浄水や濯ぎ水を循環できるので、洗い性能や濯ぎ性能に優れる。
そして、吐出口が水受槽の上部に設置されているので、筐体に弾性的に支持されている水受槽が揺れ動いても、吐出口と胴部材の開口との間の位置関係は変化しない。従って、吐出先の位置がぶれることがなく、吐出口から噴き出される水を回転槽の内部中央に安定して送水することができる。
更に、バランサーの上部には止水リブが設けられていて、吐出口が、止水リブよりも径方向内側に張り出して回転槽の内部に臨んでいるので、吐出口から噴き出される水のうち、勢いの弱い水など、バランサーの上に流下する水については、止水リブによって回転槽の外部への流出が阻止されているので、回転槽の内部周辺に送水することができる。
従って、この洗濯機によれば、給水量が少量であっても、循環する水を、回転槽の内部中央及び内部周辺の双方から送水できるので、回転槽内で移動する洗濯物や滞留する洗濯物に、水をバランスよく行き渡らせることができる。
前記水受槽は、その上部に取り付けられる槽カバーを有し、前記槽カバーは、径方向内側に張り出して前記胴部材の開口との間を覆うフランジ部を有し、前記フランジ部に、前記吐出口が一体に形成されているようにしてもよい。
そうすれば、既存の比較的簡素な構造を利用して、隙間の少ない機能的な洗濯機を実現できる。
その場合、前記バランサーの上部の前記止水リブの径方向内側から上方に張り出して、前記フランジ部との間の隙間を塞ぐ円筒状のカバーリブが更に設けられ、前記バランサーに、前記止水リブと前記カバーリブとの間に形成される環状の溝に入り込んだ水を前記胴部材の中に戻す流下経路が設けられているようにするとよい。
そうすれば、カバーリブによって洗濯物の噛み込みが防止できるし、カバーリブの裏側に入り込んだ水も流下経路を通じて回転槽の内部周辺に送水できる。
その場合、前記バランサーが、前記胴部材に取り付けられる取付部と、当該取付部の内側に一体化されるバランス調整部と、を有し、前記流下経路が、前記取付部と前記バランス調整部との間に設けられているようにするとよい。
そうすれば、バランサーの胴部材への組み付けが容易になるし、流下経路もバランサーの機能を損なうことなく容易に形成できる。
また、前記バランサーが、その内部に流体を収容する環状の液室と、当該液室に径方向から張り出した複数の流動抑制部と、を有している場合には、前記流下経路が、前記流動抑制部を上下に貫通することによって設けられているようにしてもよい。
この場合も、バランサーの機能を損なうことなく流下経路が形成できる。
開示する技術によれば、節水に優れるだけでなく、機能的にも優れた縦型の洗濯機が実現できる。
(第1実施形態)洗濯機の全体構造を模式的に示す概略断面図である。 制御装置とその主な入出力装置のブロック図である。 パルセータを斜め上方から見た概略斜視図である。 パルセータを斜め下方から見た概略斜視図である。 図1における矢印V方向から見た概略図である。 図5における矢印VI−VI線での概略断面図である。 パルセータを軸方向上方から見た模式図である。 通水孔の開口率(%)と循環水位の変化量(mm)との関係を示したグラフである。 リントの捕集試験の結果を示すグラフである。 (第2実施形態)洗濯機の全体構造を模式的に示す概略断面図である。 制御装置とその主な入出力装置のブロック図である。 下方から見た水受槽の概略斜視図である。 水受槽と回転槽との組み付けを示す分解斜視図である。 槽カバーを上方から見た概略斜視図である。 槽カバーを下方から見た概略斜視図である。 水受槽の上部を示す概略斜視図である。 バランサーの概略上面図である。内部構造を示すため、一部切り欠いて表している。 図17における矢印X−X線での概略断面図である。 図17における矢印Y−Y線での概略断面図である。 水循環時の吐出口の状態を示す概略図である。 バランサーの変更例を示す概略断面図である。 バランサーの変更例を示す概略断面図である。 バランサーの変更例を示す概略断面図である。
以下、開示する技術の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、発明、その適用物あるいはその用途を制限するものではない。
=第1実施形態=
<洗濯機の構成>
図1に、本実施形態の洗濯機1Aの全体構造を示す。洗濯機1Aは、筐体10、水受槽20、回転槽30、パルセータ40、駆動装置50などで構成されている。
筐体10は、縦長な矩形箱型の形状であり、複数の金属パネルや樹脂部材等を組み合わせて形成されている。筐体10の上面には、トップカバー11が組み付けられており、そのトップカバー11の前側の領域に洗濯物を出し入れする投入口12が大きく形成されている。トップカバー11における投入口12の後縁の部分には、蓋13が揺動可能に取り付けられており、投入口12は、蓋13によって開閉されるようになっている。トップカバー11における投入口12の前縁の部分に、洗濯機1Aの運転時には、閉じた蓋13をロックするロック装置14が設置されている。
また、トップカバー11の蓋13の内側には、仮想線で示すように、少量の洗濯物を手洗いできるように、手洗い洗濯用の桶部材301が揺動可能に取り付けられている。蓋13と共に、桶部材301を後方に跳ね上げることにより、投入口12が開放され、回転槽30への洗濯物の出し入れが可能になる。
トップカバー11における投入口12より後側の部分には、上方に膨出した膨出部11aが設けられている。膨出部11aの前面には、ユーザーが操作するスイッチやタッチパネル、モニター等が配置された操作部15が設置されており、膨出部11aの内部には、操作部15を通じて行われるユーザーの指示に従って洗濯機1Aの各装置の作動を制御する制御装置60が設置されている。
制御装置60は、プロセッサやメモリ、入出力装置等のハードウエアと、これらに実装された制御プログラム等のソフトウエアとで構成されている。制御装置60は、洗濯機1Aに取り付けられた各種センサ等の入力信号に基づいて、洗濯機1Aに設置されている各装置の駆動を制御する。図2に、制御装置60と、その主な入力装置及び出力装置との関係を示す。
制御装置60には、洗い行程、濯ぎ行程、及び脱水行程を主体とした、洗濯を行う複数の洗濯コースが設定されている。ユーザーは、操作部15を操作することにより、任意に洗濯コースを選択し、好みの洗濯処理を行うことができる。
筐体10の内部の後部上方には、給水装置70が設置されている。給水装置70は、第1給水接続配管71a、第2給水接続配管71b、第1給水弁72a、第2給水弁72b、注水ケース73などで構成されている。第1給水接続配管71a及び第2給水接続配管71bの上流側の端部は、筐体10の外部に突出しており、これらに水供給源となる水道の蛇口や温水供給装置等が、ホース等を介して接続される。第1給水接続配管71a及び第2給水接続配管71bには、制御装置60によって開閉される第1給水弁72a及び第2給水弁72bが各々設置されている。第1給水接続配管71a及び第2給水接続配管71bの下流側の端部は、注水ケース73に接続されている。注水ケース73には、トレイ状の洗剤投入容器73aが着脱可能に収容されている。
水受槽20は、貯水可能な大型容器である(図12参照)。筐体10の内部の上方には、弾性変形可能なサスペンション16が複数箇所に取り付けられている。水受槽20は、これらサスペンション16によって懸架されることにより、揺れ動きが可能な状態で筐体10の内部に弾性的に支持されている。
水受槽20の上端には、フランジ状に内側に張り出す槽カバー21が取り付けられている。注水ケース73は、回転槽30の内部に給水できるように、この槽カバー21の上方を横切って回転槽30の開口に向かって突き出すように配置されている。
回転槽30は、水受槽20の内部に収容されている(図13参照)。回転槽30は、水受槽20と同心に配置されていて、垂直方向に延びる縦軸Jの回りに回転可能に構成されている。従って、この洗濯機1Aは、縦型の洗濯機である。
回転槽30は、有底円筒形状の胴部材31を有している。胴部材31の周壁部の広い範囲に、内外に連通する多数の貫通孔31aが形成されている(ホールフルタイプ)。胴部材31は、ステンレス鋼板等で構成されている。
なお、回転槽30は、独立して貯水可能なホールレスタイプであってもよい。ホールレスタイプの場合、その周壁部に多数の貫通孔31aは形成されていない。例えば、胴部材31の上端部にのみ、複数の脱水孔が全周にわたって形成されている(胴部材31の上部から溢水できればよいため、複数の脱水孔は必須ではない)。
洗濯物は、投入口12を通じてこの回転槽30に投入され、洗いや濯ぎ、脱水等の一連の行程からなる洗濯の各処理は、この回転槽30に洗濯物を収容した状態で行われる。胴部材31の上縁部には、リング状のバランサー33が取り付けられている。
胴部材31の底部の中央には、縦軸Jに沿って延びる第1軸81が、胴部材31の内部に突出している。第1軸81の突端にパルセータ40が固定されている。パルセータ40は、撹拌機能を有する円板状の部材である(パルセータ40については、別途後述)。
パルセータ40を境に、胴部材31の内部は、洗濯物が収容されて洗濯等の処理が行われる洗濯空間450(上側の空間)と、パルセータ40の回転によってポンプ作用を発揮するポンプ空間451(下側の空間)とに区画されている。
胴部材31の側部には、この洗濯空間450とポンプ空間451とに連通する循環経路460が設置されている。循環経路460は、縦軸Jを挟んで対向状に複数(この洗濯機では2つ)配置されている。胴部材31の側部にはまた、各循環経路460に対応して、リントフィルター470が設置されている(循環経路460及びリントフィルター470については、別途後述)。
胴部材31の底部は、第1軸81と同軸に設けられた第2軸82の突端に固定されている。第1軸81及び第2軸82は、軸ユニット80として一体化されており、互いに独立して回転可能に構成されている。
胴部材31の底部の裏面(外側)には、フランジシャフト35が取り付けられている。フランジシャフト35により、回転槽30の底部の強度が補強されている。胴部材31の底部には、流出口36が開口している。
軸ユニット80は、フランジシャフト35を上下に貫通するように配置されていて、第2軸82は、フランジシャフト35に固定されている。
水受槽20の底部には、導水経路91が形成されている。
水受槽20の底部の裏面に、駆動装置50が設置されている。また、水受槽20の底部には、水受槽20の揺れ量を検知して、制御装置60に出力する加速度センサ25も設置されている。駆動装置50には、モータ202が設置されており、その運転は制御装置60によって制御される。駆動装置50には、モータ202の回転数を検知して制御装置60に出力する回転センサ53も設けられている。
水受槽20の底部から突出した軸ユニット80は、モータ202と連結されている。制御装置60が、駆動装置50を制御することにより、第1軸81及び第2軸82が同期して一体に回転する第1状態と、第1軸81だけが回転する第2状態と、に切り替え可能となっている。
それにより、洗濯時に行われる各行程のうち、例えば、脱水行程では、第1状態にされることで、回転槽30及びパルセータ40が一体的に回転する。洗い行程や濯ぎ行程では、第2状態にされることで、回転槽30は回転せずに、パルセータ40が反転しながら回転する。洗い行程等において、回転槽30とパルセータ40とが同時に相反回転等、回転される場合もある。
(排水経路)
水受槽20の底部には、水受槽20の内部の空間に臨む第1排水口26と、導水経路91に臨む第2排水口27とが開口している。第2排水口27は、導水経路91の下側の内面に開口し、その内部の空間に臨んでいる。従って、第2排水口27は、導水経路91を介して流出口36と連通している。それにより、回転槽30に貯まる水は、流出口36から導水経路91に導入され、第2排水口27から流出する。
そして、第1排水口26は、水受槽20の底部から下方に延びる管路(第1経路92)の上端に接続されている。第2排水口27は、第1経路92と並列した状態で、水受槽20の底部から下方に延びる管路(第2経路93)の上端に接続されている。第2経路93には、通気管29aを介して水位センサ29が取り付けられている。
通気管29aは、第2経路93ではなく、導水経路91等に接続してもあってもよい。水位センサ29は、通気管29a内の空気圧の変化に基づいて、回転槽30に貯まる水の水位を検知して、制御装置60に出力する。本実施形態では、通気管29aの下部に水を導入する例を示したが、通気管29aの下部にエアートラップを設けて通気管29aに水が入らないようにしてもよい。
筐体10の下部には、筐体10の内底に沿って延び、筐体10の背面から端部(ホース接続口94a)が外部に突出した管路(第3経路94)が設置されている。第3経路94の途中に、排水ポンプ150が設置されている。排水ポンプ150は、制御装置60の制御によって駆動する。ホース接続口94aには、水受槽に貯まる水の所定の水位(通常は、水受槽の上限水位)よりも高位置まで持ち上げられた排水ホース96が接続されている。
それにより、この洗濯機では、自然に排水(流下による排水)することはできず、排水ポンプ150が作動して、強制的に排水されるようになっている。そして、この第3経路94における排水ポンプ150より上流側の部位に、第1及び第2の経路92,93の下端が接続されている。換言すれば、上流側から順に、第2経路93、第1経路92が、並列した状態で第3経路94に接続されており、これら経路92,93の合流部位の下流側に排水ポンプ150が設置されている。
それにより、回転槽30に貯まる水は、流出口36から導水経路91、第2経路93、第3経路94を通じて排水が行える。そして、水受槽20に貯まる水は、第1排水口26から第1経路92、第3経路94を通じて排水が行える。
従って、回転槽30や水受槽20に貯まる水は、それぞれ個別に排水可能であり、排水ポンプ150の上流側に、これら2つの排水経路92,93が存在している。そのため、両方の排水経路92,93が詰まらない限り、排水ポンプ150に過度な負荷を強いることが無い。従って、排水ポンプ150による強制的に排水が行われる排水経路であっても、安定して排水できる。
(止水構造)
この洗濯機1Aでは、簡素な構造で安定して水が貯められるようにするために、排水経路に、止水弁100と、排水ポンプ150との組み合わせからなる止水構造が設けられている。止水弁100は、第1経路92に設置されていて、排水状態に応じて開閉する。止水弁100は、制御装置60で制御される電動式の開閉弁であってもよいし、排水状態に応じて非電気的に作動するフロート式の開閉弁であってもよい。
(パルセータ)
図3、図4に、パルセータ40を示す。パルセータ40は、樹脂で一体に形成された射出成形品であり、円板状のベース401を有している。ベース401の表面の中央には、第1軸81が固定される円錐状のボス部401aが形成されている。更に、ベース401の表面には、このボス部401aから放射状に延びるように複数(このパルセータ40では、6個)の撹拌羽根部401bが形成されている。
各撹拌羽根部401bは、ベース401の表面から膨出し、略逆Uないし略逆V状の横断面を有すると共に、中心側から外周側に向かって次第に横幅が拡がるように形成されている。互いに隣接する2つの撹拌羽根部401b,401bの間には、外周側が略平坦な平面部401cが拡がるように形成されている。すなわち、このパルセータ40は、カップ形状ではなく皿形状をしている。
そして、各平面部401cには、ベース401を貫通した通水孔402の一群が形成されている(通水孔402については別途後述)。これら通水孔402は、小物が通過しない、つまり洗濯物に含まれるボタン等の異物が通り抜けない大きさに形成されている。そして、隣接する通水孔402との間のピッチは、必要な強度が確保できる範囲で設定されている。
ベース401の裏面には、複数の裏羽根403が設けられている。各裏羽根403は、薄板状の部材からなり、中心のボス部401aから外周側に向かって放射状に配置されている。
(循環経路及びリントフィルター)
図5、図6に、循環経路460及びリントフィルター470の構造を示す。
胴部材31の底部は、その側方から内側に張り出している。それにより、パルセータ40の外周縁と、胴部材31の底部とが僅かな隙間を介して近接するように構成されている。すなわち、パルセータ40により、胴部材31の内部は、洗濯空間450とポンプ空間451とに区画されている。
胴部材31の底部の周辺部分から側部の下側部分にわたる所定の範囲に、上方に向かって帯状に延びる厚みの薄いダクト状の空間(循環経路460)が形成されている。胴部材31の側部のうち、循環経路460を構成している部分には、貫通孔31aは形成されていない。
循環経路460の下側の開口(入水口460a)はポンプ空間451に臨んでおり、循環経路460は、この入水口460aを通じてポンプ空間451に連通している。循環経路460の上側の開口(出水口460b)は、洗濯空間450に臨んでおり、循環経路460は、この出水口460bを通じて洗濯空間450に連通している。
出水口460bは、大きな開口面積を有する矩形状に、胴部材31の内側面に形成されている。この出水口460bに、リントフィルター470が脱着可能に装着されている。リントフィルター470は、格子状の開口を有する支持体470aと、支持体470aに取り付けられた濾過材470b(リントを捕集する粗いメッシュ状のもの)とで構成されている。リントフィルター470は、洗濯空間450に臨んでおり、循環経路460は、このリントフィルター470、詳しくは濾過材470b及び支持体470aの開口を通じて洗濯空間450に連通している。
回転槽30に水が貯められた状態で、パルセータ40が回転すると、図6に矢印で示すように、ポンプ空間451の内部の水は、裏羽根403によって径方向外側へと押し出される。ポンプ空間451は、その周囲が仕切られていて、径方向外側に入水口460aが配置されているので、径方向外側に押し出された水は、強い勢いで、入水口460aから循環経路460に導入される。その結果、循環経路460に導入された水が、出水口460bから濾過材470bを通じて洗濯空間450へと流出する。
ポンプ空間451は、通水孔402を介して洗濯空間450と連通しているため、ポンプ空間451で減少する水は、図6に矢印で示すように、通水孔402を通じて補充される。
(通水孔の配置、開口率)
この洗濯機1Aでは、通水孔402の配置や開口率が工夫されている。
すなわち、通水孔402の一群は、ベース401のうち、ボス部401a及び撹拌羽根部401bを除く各平面部401cの中心側に偏在した領域に格子状に配置されている。詳しくは、図7に模式的に示すように、ベース401の表面のうち、ベース401と同心であり、かつ、その外径D2がベース401の外径D1の80%の大きさを有する円形領域の内側に位置する平面部401c(斜線で示す領域)に、総開口面積の92%以上の通水孔402が配置されている。
すなわち、ベース401の外周部分には、通水孔402は形成されないか形成されても僅かであり、通水孔402は、中心側に集約して配置されている。これら通水孔402は、遠心ポンプのように機能(外周側が相対的に正圧になり、中心側が相対的に負圧になる)するポンプ空間451に洗濯空間450の水を送り込む。
通水孔402を外周側に形成すると、外周側の通水孔402から水が吐出されてしまい、循環する水量が低下し、ポンプ機能が損なわれる。中心側からポンプ空間451に水を導入することで、ポンプ空間451に円滑に水を取り入れて、円滑に水を吐出させることができる。
詳細には、ポンプ空間451では、パルセータ40の回転によって水の流動が形成されるので、その中心側から外周側に向かうほど、遠心力が水の流動に強く作用する。そのため、パルセータ40の外周側にも通水孔402が多数形成されていると、図6に、破線の矢印で示すように、その外周側の通水孔402を通じて洗濯空間450に水が戻る現象が発生する。
洗濯空間450でも、パルセータ40の撹拌羽根部401bの撹拌作用で、その中心側から外周側に向かい、回転槽30の内壁に沿って上昇する水の流動が形成されている。そのため、外周側の通水孔402を通じて洗濯空間450に戻った水は、その流動の作用で、図6に、破線の矢印で示すように、ポンプ空間451から更に遠ざかっていく。
それに対し、洗濯空間450の中心側では、上方からパルセータ40に向かう水の流動が形成されるので、パルセータ40の上部の中心側は相対的に正圧になり易い。それに、ポンプ空間451の中心側の負圧が加わって、ポンプ空間451に円滑に水を取り入れることができる。
パルセータ40の外周側に通水孔402が無ければ、ポンプ空間の外周側を相対的に正圧に維持できるので、循環経路460に効率良く、水を吐出することができる。
そのためには、外径D2が、ベース401の外径D1の80%の大きさを有する円形領域の内側に、ほとんどの通水孔402を形成するのが好ましい。円形領域の外側に多少の貫通孔があっても、機能が大きく損なわれることはないので、総開口面積の92%以上としている。
パルセータ40の回転方向に直交する平坦な平面部401cに設けることで、少ない抵抗で水をポンプ空間451に導入できる通水孔402を、一様に多数形成できる。成形が容易な点でも有利である。洗濯物があっても、撹拌羽根部401bで受け止められるので、通水孔402が塞がれ難い。従って、水量がばらつくことなく、水をポンプ空間451に安定して導入できる。
なお、撹拌羽根部401bの側面に回転方向に臨むように通水孔402を形成してもよい。そうすれば、パルセータ40の回転を利用して積極的に水をポンプ空間451に導入できる。
更に、本発明者らが検討したところ、ポンプ空間451が略密閉された状態であればもちろんのこと、ポンプ空間451に多少の隙間がある状態であっても、通水孔402の開口率によって、吐出性能に差が生じ、最適な条件があることを見出した。すなわち、ベース401の表面をその垂直方向から見た場合での、そのベース401の表面の総面積(いわゆる投影面積)に対し、円形領域での通水孔402の総開口面積(各通水孔402の開口面積の総和)の割合(通水孔402の開口率)が1.5〜3.2%の範囲内にあるようにするのが好ましい。
図8に、その通水孔402の開口率(%)と、吐出との関係を示したグラフを示す。縦軸は、循環時に循環経路460で上昇する水位の変化量(mm)であり、吐出に相当する。実線が、本実施形態で示す回転槽30(ホールフルタイプ)の場合である。破線が、ホールレスタイプの回転槽の場合である。いずれも、その他の構造は実施形態の洗濯機1Aと同様である。
回転槽30の底部に孔や隙間の無いホールレスタイプの回転槽では、通水孔402の開口率(%)の増加に従って、吐出も増加したが、2.8%当たりにピークがあり、その後は吐出が減少する傾向が認められた。回転槽30の底部に孔や隙間があってもよいホールフルタイプの回転槽30でも、緩やかではあるが、同様の傾向が認められた。
具体的には、通水孔402の開口率(%)が1.5%に至るまでは、吐出が緩やかに上昇する傾向が認められた。そして、通水孔402の開口率(%)が3.2%に至るまでは、その吐出はほとんど変化せず、3.2%を超えることで吐出が下降する傾向が認められた。
従って、通水孔402の開口率(%)を、前述したように1.5〜3.2%の範囲内とすることで、ホールフル及びホールレスの双方のタイプにおいて良好な吐出が得られ、安定した水循環が行える。
<洗濯機1Aの運転>
前述した洗濯機1Aの主な運転動作について説明する。
洗濯の運転に先だって、ユーザーは、回転槽30に洗濯物を投入し、洗剤投入容器73aに洗剤を投入する。蓋13が閉じられると、蓋13がロックされる。そうして、ユーザーが操作部15を操作し、いずれかの洗濯コースが指示されると、制御装置60が、第1給水弁72aや駆動装置50等を制御し、その洗濯コースの一連の処理を実行する。ここでは、各洗濯コースを構成する洗い行程、濯ぎ行程、及び脱水行程の内容、及びこれら行程で行われる排水や水循環の仕組みについて説明する。
洗い行程が開始されると、制御装置60は、パルセータ40を回転させ、その時にモータに作用する負荷に基づいて、投入された洗濯物(乾燥状態)の重量を推定する。その後、制御装置60は、回転槽30やパルセータ40を適宜回転させた状態で、第1給水弁72a又は第2給水弁71bを開く。それにより、水道水又は温水(単に水ともいう)が給水装置70に流入し、回転槽30に水が供給される。その際、洗剤も水と共に回転槽30に供給される。
排水ホース96が、水受槽20の水位よりも高位置まで持ち上げられているので、供給された水は排水されない。そうして、回転槽30及び通気管29aの水位が、所定の水位(推定された洗濯物の重量に基づいて設定される)に達すると、水位センサ29の検出値に基づいて、制御装置60が給水を停止する。
この洗濯機1Aの場合、節水できるように、洗濯物に対する給水量は少なく設定されている。例えば、図1に示すように、回転槽30に投入された洗濯物の大部分が浸かる程度(給水の完了時に、洗濯物の上部がその水面上に出ている程度)か、それ以下の量が給水される。給水量は、洗濯物の重量の推定値に基づいて設定される。
制御装置60は、駆動装置50を制御し、第2状態に切り替え、回転センサ53の検出置に基づいてモータ202を駆動することにより、回転槽30は回転せずに、所定時間、パルセータ40を正逆回転させる。そうして洗い処理が実行される。
パルセータ40が回転することで、ポンプ空間451の水が循環経路460に吐出され、洗濯空間450の水が通水孔402を通じてポンプ空間451に導入される。それにより、回転槽30の水が、循環経路460を通じて循環する水循環が行われると共に、リントフィルター470によるリントの捕集が行われる。従って、単にパルセータ40で撹拌するだけの場合に比べて、洗濯性能が向上する。
洗い処理が終わると、排水処理が行われ、制御装置60は、排水ポンプ150を、所定時間、連続的又は間欠的に駆動する。それにより、回転槽30に貯まった水が強制的に排水される。
濯ぎ行程も、洗い行程と同様の制御によって行われる。すなわち、回転槽30に水を貯めた状態でパルセータ40が回転駆動され、洗濯物を撹拌すると共に、水循環によってリントの捕集が行われる。濯ぎ行程は、複数回行うのが好ましい。パルセータ40の回転により、水循環とリントの捕集とが行われるので、単にパルセータ40で撹拌するだけの場合に比べて、濯ぎ性能も向上する。
濯ぎ行程が終了すると、制御装置60は、排水された状態でパルセータ40を回転させて洗濯物を解す(洗濯物の分布を均一化する)解し処理を実行する。そうして、制御装置60は、加速度センサ25の検出値に基づいて、洗濯物のアンバランス状態を判定し、適正な範囲であれば、脱水行程に移行する。
脱水行程が開始されると、制御装置60は、駆動装置50を制御し、回転槽30及びパルセータ40が一体に回転するように、第1状態に切り替える。そうして、モータ202を駆動し、洗濯行程や濯ぎ行程よりも高速で回転槽30等を回転させる。遠心力の作用で、洗濯物に含まれる水は、貫通孔31aを通じて回転槽30の外に流出する。
回転槽30の外に流出した水は、水受槽20の底部に流下し、第1排水口26、第1経路92(止水弁100は開いた状態)、第3経路94を通じて、排水ポンプ150の駆動によって強制的に排水される。
所定時間が経過すると、制御装置60は、モータ202の駆動を停止し、脱水行程を終了する。脱水行程が終了すると、ブザー等で運転の停止がユーザーに報知されるとともに、蓋13のロックが解除され、ユーザーが洗濯物を回転槽30から取り出せる状態となる。
<リントの捕集効果>
本実施形態の洗濯機1Aと同等の洗濯機(回転槽30はホールレスタイプ)を用いて、同一の条件の下で洗濯を行い、通水孔402の開口率を変えてリントを捕集する試験を行った。その試験結果を図9に示す。
図9は、通水孔402の開口率(%)とリントの捕集率との関係を示しており、リントの捕集率の変化は、図8に示した吐出とほぼ同様の傾向が認められた。従って、リントを良好に捕集するためにも、通水孔402の開口率(%)は、1.5〜4.0%の範囲内とするのが好ましく、1.5〜3.2%の範囲内とするのがより好ましい。
(変更例)
なお、開示した技術は、第1実施形態に限定されず、それ以外の種々の構成をも包含する。
洗濯機1Aでは、パルセータ40の裏羽根403による水循環をリントの捕集に利用したが、それに限るものではない。例えば、リントフィルター470に代えて、スリット状や多孔状の吐水口を回転槽の上部に設け、循環する水をその吐水口から回転槽の内部にシャワー状に濯ぐようにしてもよい。
また、循環経路460に洗剤が投入できる洗剤投入口を付設し、循環する水に洗剤を直接混合できるようにしてもよい。更には、銀イオン等の制菌剤が収容できる薬剤収容室を、循環経路460に連通するように併設し、循環する水に制菌作用を付与できるようにしてもよい。
ポンプ空間451の内部には、ヒーターを設置してもよい。そうすれば、洗い水や濯ぎ水を温水化できるので、よりいっそう洗浄性が向上する。
第1実施形態では、排水ポンプを備えた洗濯機を例示したが、本技術は、排水ポンプを備えていない洗濯機、つまり自然排水(流下による排水)を行う洗濯機にも適用できる。乾燥機能を有する洗濯機にも適用できる。
=第2実施形態=
図10に、第2実施形態の洗濯機1Bの全体構造を示す。筐体10、水受槽20、回転槽30、パルセータ40、駆動装置50など、洗濯機1Bの基本的な構成は、洗濯機1Aと同じである。従って、同じ部材には同じ符号を用いてその説明は省略し、主に、異なる構造について説明する。洗濯機1Bにおける、制御装置60と、その主な入力装置及び出力装置との関係は、図11に示す。
図12に示すように、水受槽20は、貯水可能な大型容器である。水受槽20は、貯水可能な有底円筒形状をした槽本体20aと、槽本体20aの上端に取り付けられる槽カバー21とを有している(槽カバー21については別途後述)。筐体10の内部の上方には、弾性変形可能なサスペンション16が複数箇所に取り付けられている。水受槽20は、これらサスペンション16によって懸架されることにより、揺れ動きが可能な状態で筐体10の内部に弾性的に支持されている。
注水ケース73は、回転槽30の内部に給水できるように、この槽カバー21の上方を横切って回転槽30の開口に向かって突き出すように配置されている。
図13に示すように、回転槽30は、水受槽20の内部に収容されている(貫通孔31aは図示省略)。胴部材31の上縁部には、回転槽30に発生し得る回転バランスの乱れを抑制するために、開口の内側に沿ってリング状のバランサー33が取り付けられている(バランサー33については別途後述)。
水受槽20の底部の表面(内側)には、その表面に被せ付けるようにして、区画プレート22が設置されている。区画プレート22により、水受槽20の底部の内部空間が区画されていて、その内部に導水経路91が形成されている。導水経路91の内部には、ヒーターを設置してもよい。
水受槽20の底部には、水受槽20の内部の空間に臨む第1排水口26と、導水経路91に臨む第2排水口27と、後述する循環経路210に連通する第3排水口211(循環用の排水口)と、が開口している。第2排水口27及び第3排水口211は、導水経路91の下側の内面に開口し、その内部の空間に臨んでいる。従って、第2排水口27及び第3排水口211は、導水経路91を介して流出口36と連通している。それにより、回転槽30に貯まる水は、流出口36から導水経路91に導入され、第2排水口27又は第3排水口211のいずれかから流出する。
(循環経路)
図10に示すように、回転槽30に貯まる水を循環させる循環経路210は、水受槽20の外周面に沿って上方に延びるように設置されている。第3排水口211は、循環経路210の端部(下側の端部)に接続されている。図12にも示すように、水受槽20の底部の裏面に、制御装置60によってその駆動が制御される循環ポンプ212が設置されており、循環経路210の途中に位置するように循環ポンプ212が配置されている。循環経路210は、その上端部に、胴部材31の開口を通じてその中に水を戻す吐出口213を有している。吐出口213は、水受槽20の上部に取り付けられた槽カバー21と一体に形成されている。
(槽カバー)
図14,図15に、槽カバー21を示す。槽カバー21は、リング枠状の部材であり、円筒状の周壁部21aと、周壁部21aの上縁から径方向内側に環状に張り出すフランジ部21bと、で大略構成されている。フランジ部21bの一部に、径方向内側に向かってV字状に拡がる口構成部21cが形成されている。この口構成部21cに、V字状に拡がるトレイ状の口構成パーツ21dを取り付けることで、フランジ部21bに吐出口213が一体に形成されている。口構成部21cの側方には、吐出口213に連通するホース接続部21eが形成されている。
図13に示すように、槽本体20aに回転槽30を収容した状態で、槽本体20aの上端に周壁部21aが固定され、図16に示すように、槽本体20aと槽カバー21とが一体化される。それにより、フランジ部21bは、胴部材31の開口の縁の上方に張り出した状態となり、槽本体20aと胴部材31の開口との間の隙間(径方向の隙間)はフランジ部21bによって覆われる。循環ポンプ212と吐出口213のホース接続部21eとの間は、ホース部材214によって接続される。吐出口213は、胴部材31の中央部を指向しており、循環ポンプ212が駆動して吐出口213から水が噴き出ると、胴部材31の中央に向かって拡がるように散水される。
(バランサー)
図17、図18A及び図18Bに、バランサー33を示す。本実施形態のバランサー33は、内部に流体を有する流体バランサーであり、取付部331と、バランス調整部332とを有している。取付部331及びバランス調整部332は、樹脂成形品である。
取付部331は、リング状の中空枠部331aと、その下に連なる円筒状の嵌合部331bとを有している。取付部331は、嵌合部331bを胴部材31の内側に嵌め込んだ状態で、胴部材31に取り付けられる。中空枠部331aには、円筒状の止水リブ333が、その上端部から上方に張り出すように設けられている。
バランス調整部332は、リング状の部材からなり、その内部には、内外2層に区画された環状の液室332aが形成されている。バランス調整部332は、上下一対の部材を突き合わせ、溶着して接合することによって形成されている。各液室332aには、高比重な不凍液からなる流体が、所定量封入されている。各液室332aの周方向の数カ所には、流体が過度に流動するのを抑制するため、径方向から液室332aの中に張り出した流動抑制部332bや規制リブ332cが形成されている。
バランス調整部332は、胴部材31に取り付けられた取付部331の内側に、スピン溶着や振動溶着等によって一体化される。このように、バランサー33を取付部331とバランス調整部332とで構成し、スピン溶着で溶着すれば、短時間でバランサー33と胴部材31とを一体化できるので、生産性の向上が図れる。
バランス調整部332には、円筒状のカバーリブ334が、その上端部から上方に張り出すように設けられている。カバーリブ334は、止水リブ333の径方向内側に、止水リブ333と隙間を隔てた状態で対向するように配置されている。
回転槽30は水受槽20の中に位置決めされているので、水受槽20が揺れ動いても、胴部材31やバランサー33とフランジ部21bとの間の位置関係は変化しない。そのため、バランサー33よりも上方に張り出しているカバーリブ334及び止水リブ333の突端を、フランジ部21bの近傍に位置させることができる。
特に、カバーリブ334の突端はフランジ部21bの突端に近接しており、カバーリブ334により、バランサー33とフランジ部21bとの間の隙間(縦方向の隙間)が塞がれている。それにより、回転槽30の回転時に、洗濯物がその隙間に噛み込まれるのを防止している。
フランジ部21bに設けられている吐出口213との関係においても、カバーリブ334は、吐出口213の開口の直ぐ下、ないし吐出口213の開口より僅かに径方向内側に位置している。そして、吐出口213は、止水リブ333よりも径方向内側に張り出して回転槽30の内部に臨んでいる。
胴部材31と取付部331との間の周方向の複数カ所には、バランサー33の下方のスペースから胴部材31の上部の外方に連通する溢水経路335が設けられている。具体的には、前述したように、胴部材31の側部には、多数の貫通孔31aが全周にわたって形成されており、これら貫通孔31aは、バランサー33の下方にも位置している。そして、胴部材31の内面に沿って最上位に位置する貫通孔31aより上方に延び、胴部材31の上端を越えて溢水させる溢水経路335が、胴部材31と取付部331との間の周方向の複数カ所に設けられている。
また、取付部331とバランス調整部332との間の周方向の複数カ所には、止水リブ333とカバーリブ334との間に形成される環状の溝に入り込んだ水を胴部材31の中に戻す流下経路336が設けられている。具体的には、バランス調整部332の径方向外側の周面における周方向の複数カ所に、流下経路336として、止水リブ333に沿って上下に貫通するスリット状の縦孔が形成されている。この縦孔336が、バランサー33の上方の、止水リブ333とカバーリブ334との間のスペースと、バランサー33の下方のスペースとに連通している。
<洗濯機1Bの運転>
洗濯機1Bの主な運転動作について説明する。なお、基本的な運転動作は洗濯機1Aと同じであるため、異なる運転動作について説明する。
洗濯機1Bにおいては、洗い処理の実行中、制御装置60は、所定の時間、連続的又は間欠的に、循環ポンプ212を駆動する。それにより、回転槽30に貯められた水は、導水経路91、循環経路210を通じて吐出口213へと送水される。
図19に示すように、吐出口213に送水された水は、吐出口213から回転槽30の中央に向かって拡がるように噴き出され、回転槽30の中へと戻される。
吐出口213は、水受槽20と一体に設けられているので、パルセータ40の回転によって水受槽20が揺れ動いても、吐出口213と胴部材31の開口との間の位置関係は変化しない。従って、吐出先の位置がぶれることがなく、吐出口から噴き出される水(特に勢いの強い水)は、回転槽の内部中央に安定して送水することができる。
そして、図18Aに示すように、吐出口213から噴き出される水のうち、その一部はバランサー33の上に流下するようになっている。
循環ポンプ150の駆動の開始時や停止時など、吐出口213から噴き出される水の勢いが弱くなる時には、液垂れ等が発生し、図18Aに細矢印で示すように、吐出口213から出た水が、カバーリブ334の裏側に入り込む。また、勢いの強い水でも、例えば、吐出口213の向きや形状を調整することで、その一部がカバーリブ334の裏側に入り込み、バランサー33の上に流下するように構成することもできる。
この洗濯機1Bでは、止水リブ333が設けられているので、カバーリブ334の裏側に入り込んだ水は、止水リブ333によって水受槽20への流出が阻止される。そして、止水リブ333とカバーリブ334との間には、縦孔336が設けられているので、止水リブ333とカバーリブ334との間に入り込んだ水は、図18Aに細矢印で示すように、回転槽30の内部周辺に送水することができる。
止水リブ333の内側に沿うように縦孔336が形成されているので、揺れ動きによって径方向外側に集まる水が縦孔336へと誘導されて、回転槽30の中に円滑に流下する。
従って、この洗濯機1Bによれば、回転槽30の内部中央と内部周辺とから循環水が送水されるので、給水量が少量であっても、循環する水を、回転槽30内の洗濯物にバランスよく行き渡らせることができる。
脱水行程では、洗濯物に含まれる水のほとんどは、貫通孔31aを通じて回転槽30の外に流出するが、一部の水がバランサー33の下隅部に集まるおそれがある。それに対し、この洗濯機1Bでは、溢水経路335が設けられているので、図18Aに破線矢印で示すように、そのような水も溢水経路335を通じて溢水させることができる。従って、脱水性能に優れる。
<その他の変更例>
バランサー33の構造は、仕様に応じて適宜変更できる。その変更例をいくつか示す。
図20Aに、第1変更例のバランサー33Aを示す。第2実施形態のバランサー33は、取付部331とバランス調整部332とからなる複数部材で構成したが、このバランサー33Aは、取付部331とバランス調整部332とが一部材で構成されている(一体型)。一体型のバランサーは、部材点数が少ない利点がある。
胴部材31に取り付ける構造は、取付部331と同じであるため、溢水経路335も前述した実施形態のバランサー33と同様に構成されている。それに対し、流下経路336は、一体型であるため、バランサー33を上下に貫通する孔を形成する必要がある。孔を形成するために、液室332aを縮小するとバランサー33の機能が損なわれる。そこで、このバランサー33では、流動抑制部332bに、上下に貫通する縦孔を形成することで、流下経路336が設けられている。
図20Bに、第2変更例のバランサー33Bを示す。このバランサー33Bも、第1変更例と同じ一体型であるが、流下経路336の構造が異なっている。すなわち、カバーリブ334の付け根部分の複数カ所に、流下経路336として、内外に貫通する横孔が形成されている。
図20Cに、第3変更例のバランサー33Cを示す。このバランサー33Cも一体型であり、流下経路336を形成するために、カバーリブ334に相当する部分が省略されている。
なお、開示した技術は、第2実施形態に限定されず、それ以外の種々の構成をも包含する。例えば、本技術も、第1実施形態と同様に、排水ポンプを備えていない洗濯機にも適用できる。
バランサーは、流体バランサーに限らず、ボールバランサーであってもよい。すなわち、流体に代えて、複数のボールが内部に周回可能に収容されている。
止水リブ333やカバーリブ334は、薄板状に限らず突起状であってもよい。要は、水を堰き止めることができればよい。溢水経路の構造も、流下経路と同様に仕様に応じて適宜変更できる。
第1実施形態及び第2実施形態の各々で開示した構成は、仕様に応じて、適宜、互いに組み合わせたり省略したりできる。
1A,1B 洗濯機
10 筐体
20 水受槽
30 回転槽
31 胴部材
32 脱水孔
40 パルセータ
50 駆動装置
60 制御装置
70 給水装置
80 軸ユニット
96 排水ホース
100 止水弁
150 排水ポンプ
401 ベース
401a ボス部
401b 撹拌羽根部
401c 平面部
402 通水孔
403 裏羽根
450 洗濯空間
451 ポンプ空間
460 循環経路
470 リントフィルター
J 縦軸

Claims (11)

  1. 縦型の洗濯機であって、
    筐体の内部に支持された水受槽と、
    洗濯物が投入され、前記水受槽の内部で垂直方向に延びる軸回りに回転駆動される回転槽と、
    を備え、
    前記回転槽は、
    有底円筒状の胴部材と、
    前記胴部材の底部に設置され、前記軸回りに回転駆動されるパルセータと、
    前記胴部材の側部に設置され、前記パルセータを境に区画された上側の洗濯空間と下側のポンプ空間とに連通し、前記パルセータを介して水を循環させる循環経路と、
    を有する洗濯機。
  2. 請求項1に記載の洗濯機において、
    前記パルセータは、
    円板状のベースと、
    前記ベースを貫通し、前記洗濯空間と前記ポンプ空間とを連通させる複数の通水孔と、
    前記ベースの裏面に設けられ、前記ポンプ空間で水を径方向に送り出す裏羽根と、
    を有し、
    前記通水孔が前記ベースの中心側の領域に偏在して配置され、前記ベースの表面をその垂直方向から見た場合での、その総面積に対する前記通水孔の総開口面積の割合が1.5〜3.2%の範囲内に設定されている洗濯機。
  3. 請求項2に記載の洗濯機において、
    前記ベースの表面のうち、当該ベースと同心かつ外径の80%の大きさを有する円形領域に、総開口面積の92%以上の前記通水孔が配置されている洗濯機。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の洗濯機において、
    前記回転槽は、更に、前記胴部材の側部に設置されて前記洗濯空間に臨むリントフィルターを有し、
    前記循環経路が、前記リントフィルターを通じて前記洗濯空間に連通している洗濯機。
  5. 請求項2〜4のいずれか1つに記載の洗濯機において、
    前記ベースの表面には、
    その中心に位置するボス部と、
    前記ボス部から放射状に延びる複数の撹拌羽根部と、
    隣接する前記撹拌羽根部の間に拡がって外周側が略平坦な平面部と、
    を有し、
    前記通水孔が前記平面部に集約して配置されている洗濯機。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の洗濯機において、
    前記パルセータの外周部分が、前記胴部材の底部と隙間を介して近接している洗濯機。
  7. 縦型の洗濯機であって、
    筐体の内部に弾性的に支持された水受槽と、
    洗濯物が投入され、前記水受槽の内部で垂直方向に延びる軸回りに回転する回転槽と、
    前記回転槽に貯まる水を、吐出口から噴き出すことによって前記回転槽の中に戻す循環経路と、
    を備え、
    前記回転槽は、
    有底円筒状の胴部材と、
    前記胴部材の上部の開口の内側に沿って設置されたリング状のバランサーと、
    を有し、
    前記バランサーの上部に、当該バランサーより上方に張り出した円筒状の止水リブが設けられ、
    前記吐出口が、前記水受槽の上部に設置され、前記止水リブよりも径方向内側に張り出して前記回転槽の内部に臨んでいる洗濯機。
  8. 請求項7に記載の洗濯機において、
    前記水受槽は、その上部に取り付けられる槽カバーを有し、
    前記槽カバーは、径方向内側に張り出して前記胴部材の開口との間を覆うフランジ部を有し、
    前記フランジ部に、前記吐出口が一体に形成されている洗濯機。
  9. 請求項8に記載の洗濯機において、
    前記バランサーの上部の前記止水リブの径方向内側から上方に張り出して、前記フランジ部との間の隙間を塞ぐ円筒状のカバーリブが更に設けられ、
    前記バランサーに、前記止水リブと前記カバーリブとの間に形成される環状の溝に入り込んだ水を前記胴部材の中に戻す流下経路が設けられている洗濯機。
  10. 請求項9に記載の洗濯機において、
    前記バランサーが、前記胴部材に取り付けられる取付部と、当該取付部の内側に一体化されるバランス調整部と、を有し、
    前記流下経路が、前記取付部と前記バランス調整部との間に設けられている洗濯機。
  11. 請求項9に記載の洗濯機において、
    前記バランサーが、その内部に流体を収容する環状の液室と、当該液室に径方向から張り出した複数の流動抑制部と、を有し、
    前記流下経路が、前記流動抑制部を上下に貫通することによって設けられている洗濯機。
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