以下に、図面を参照しながら球根植込装置にかかる本発明の一実施の形態、それに関連する球根植込方法にかかる発明の一実施の形態、及びそれに関連する球根収穫装置にかかる発明の一実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
ここでは、図面を用いて、球根植込装置にかかる本発明の一実施の形態の球根植込装置1について説明しながらそれに関連する球根植込方法にかかる発明の一実施の形態の球根植込方法についても同時に説明する。
図1は、本実施の形態の球根植込装置1がトラクタ10の後部に連結された状態を示す左側面図である。
また、図2は、本実施の形態の球根植込装置1の概略の左側面図である。
また、図3は、本実施の形態の球根植込装置1のタンク底部70及びその周辺を右後上方から見た斜視図であり、見やすくするためにタンク本体部61の図示は省略した。
また、図4(a)は、左右一対のロープ16L、16Rを供給する左右一対のロープ供給装置30L、30Rを説明するための概略左側面図であり、図4(b)は、左右一対のロープ供給装置30L、30Rを説明するための概略背面図である。
なお、図4(a)に示す上部ネット8と下部ネット9の搬送経路が、図2に示す場合と異なるが、これは、別の搬送経路を採用した場合を示したものであり、球根15と左右のロープ16L、16Rとを、上部ネット8と下部ネット9の間に挟み込むことが出来れば、これらの図に示す経路に限らずどのような搬送経路を採用しても良い。
本実施の形態の球根植込装置1には、図1に示す様に、平面視で略矩形状のメイン支持枠体4の左右前端部に左右一対のロワーリンク取付部2L、2Rが設けられており、且つ、メイン支持枠体4の前端部の左右幅方向の中央から上方に突き出して先端部が前方に屈曲したトップリンク取付部3が設けられており、トラクタ10の3点リンク、即ち、左右一対のロワーリンク11L、11R、及びトップリンク12に対して、それぞれ着脱可能に連結される構成である。また、本実施の形態の球根植込装置1は、図1に示す様に、トラクタ10のPTO軸13からの駆動力をユニバーサルジョイント13aを介して入力し、傘歯車(図示省略)により伝達方向を球根植込装置1の左右両側に変更するための入力ギヤボックス101(図7参照)をメイン支持枠体4の前側の左右幅方向中央部に配置している。
本実施の形態の球根植込装置1は、図1に示す様に、圃場において、前進走行するトラクタ10に牽引されて、左右一対の排土螺旋体20L、20Rにより圃場の表土を所定深さH1(例えば、約5cm)だけ削り左右方向に排土しながら前進走行することで、タンク60に収容されているチューリップの球根15と、左右一対のロープ16L、16Rとを、順次繰り出される所定幅(例えば、約75cm)の上部ネット8と下部ネット9の間に挟み込みながら圃場に植え付けると共に、覆土して畝成形機7で所定高さH2(例えば、約30cm)の畝Uを形成する構成である。
なお、上部ネット8は、圃場において球根15の上側に埋め込まれ、下部ネット9は、圃場において球根15の下側に埋め込まれる。また、左右一対のロープ16L、16Rは、上部ネット8と下部ネット9の左右両端側において上下のネットの間に挟み込まれて圃場に埋め込まれる(図4(a)、図4(b)参照)。
以下、主として図2〜図7を用いて、本実施の形態の球根植込装置1についてその構成と動作を具体的に説明しながら本実施の形態の球根植込方法についても同時に説明する。
本実施の形態の球根植込装置1は、図2に示す様に、メイン支持枠体4の下方において、進行方向前側から順番に、圃場の表土を所定深さH1だけ削り左右方向に排土案内する左右一対の排土螺旋体20L、20Rと、表面にスポンジを貼り付けた下部スポンジローラ23と、左右一対の覆土ディスク25L、25Rと、をそれぞれ回動可能に備えると共に、メイン支持枠体4の内側において下部スポンジローラ23の前側に上部スポンジローラ27を回動可能に備えている。
また、左右一対の排土螺旋体20L、20Rは、螺旋体軸21に対して、双方の排土螺旋体20L、20Rが螺旋体軸21の中央部で一定幅(例えば、約3cm)だけオーバーラップさせる様にして固定されている。この様にして排土螺旋体20L、20Rをオーバーラップさせて固定することで、圃場の床面が真っ平になる様に削ることが出来、上部ネット8及び下部ネット9を埋設する際に、ネットにシワがよらない様にすることが出来る。
また、下部スポンジローラ23の左右幅は、上部ネット8及び下部ネット9の左右幅より少し狭く構成されている(例えば、左右幅を3〜5cmそれぞれ短くする)。これにより、床面の土が下部スポンジローラ23の表面に付着することを防止出来る。この場合、上部ネット8及び下部ネット9は、下部スポンジローラ23の左右端で少し折れ曲がりながら埋設されていき、床面では平らになる。
また、左右一対の覆土ディスク25L、25Rは、それぞれ専用の油圧モータ26で駆動する構成であり、平面視でそれぞれのディスクの前端側が後端側に比べて機体の左右幅の中心線から遠ざかる様に傾斜して配置されており、それぞれのディスクの傾斜角度は、平面視で上記中心線を基準として約30度から45度の範囲で調整可能に構成されている。
また、左右一対の覆土ディスク25L、25Rは、上部ネット8及び下部ネット9を埋設する際にシワがよらない様にするために、左側面視で時計回り(図2の矢印D参照)に回動させることで、出来るだけ上部ネット8の上方から覆土出来るようにする構成である。
メイン支持枠体4の左枠部4Lと右枠部4Rの左右外側であって、球根植込装置1の左右両側には左右のカバー枠体4dL(4dR)が設けられている。メイン支持枠体4の左枠部4Lと右枠部4Rは、左右のカバー枠体4dL(4dR)の後部まで設けられている。
一方、左右のカバー枠体4dL(4dR)の左右外側には、左右の後部支持枠体4cL(4cR)が設けられている。左右の後部支持枠体4cL(4cR)は、前部の回動支点4sを中心にして後部側が昇降する構成としている。左右の後部支持枠体4cL(4cR)には、左右一対の覆土ディスク25L、25Rとその関連部材、畝成形機7とその関連部材(昇降用パワーシリンダ6など)が設けられているので、これらの部材も左右の後部支持枠体4cL(4cR)の昇降と共に昇降する構成としている。
左右の後部支持枠体4cL(4cR)の後枠部4bに設けられた平行リンク5と昇降用パワーシリンダ6を介して畝成形機7が昇降可能に連結されている。
左右の後部支持枠体4cL(4cR)の後枠部4bの中間部にシリンダフレーム4eを立設しており、このシリンダフレーム4eと左右のカバー枠体4dL(4dR)の間に設けられているフレーム(図示せず)の間に油圧シリンダ4fを設けている。この油圧シリンダ4fのシリンダロッドを伸縮することで、左右の後部支持枠体4cL(4cR)が昇降する。
また、球根植込装置1は、左右一対のロープ16L、16Rを供給する左右一対のロープ供給装置30L、30Rを備え(図4(a)、図4(b)参照)、メイン支持枠体4の前枠部4aに、下部ネットロール41を回動可能に支持すると共に帯状の下部ネット9を連続的に供給する下部ネット供給装置40(図5参照)を備え、メイン支持枠体4の後枠部4bの前側であって下部スポンジローラ23の上方に、上部ネットロール51を回動可能に支持すると共に帯状の上部ネット8を連続的に供給する上部ネット供給装置50を備え、更にメイン支持枠体4の上方であって下部ネットロール41の後方に、球根15を収容するタンク60を備える。
なお、左右一対のロープ供給装置30L、30Rについては、図4(a)、図4(b)を用いて更に後述する。
図5は、下部ネット供給装置40を示す概略背面図である。
ここで、下部ネット供給装置40は、図5に示す様に、(1)帯状の下部ネット9が円筒形状の下部ネットロール芯41aの外周面に予め巻き回されて形成された下部ネットロール41の両端部を回動可能に支持する、背面視で略U字状の下部ネットロール支持部42と、(2)一端部43aがメイン支持枠体4の前枠部4aの中央位置より右寄りの位置に回動可能に支持されており、他端部43bが下部ネットロール支持部42の右端部の近傍に固定された下部ネットロール回動アーム43と、(3)メイン支持枠体4の前枠部4aの左端の位置に立設され、側面視で略U字形状に形成された上端部44aの凹部に下部ネットロール支持部42の左端部を下方から支持する下部ネットロール支持ステー44と、(4)下部ネットロール回動アーム43を矢印A(図5参照)の方向に回動させる複動式油圧シリンダ45と、を備えている。
更に、下部ネットロール支持部42は、対向する左右一対の支持部材の内の右側の支持部材42Rの内側部に、先端部が円錐台形状であって、下部ネットロール芯41aの右側の開口部に挿入可能に形成された支持ピン42Pを配置すると共に、対向する左右一対の支持部材の内の左側の支持部材42Lの内側部に、下部ネットロール芯41aの左側の開口部に挿入可能な支持ピン42Pを電動シリンダ42Cを介して配置している。
また、支持ピン42Pの軸部には圧縮スプリング42Sが取り付けられていることで、下部ネットロール41を、左右の支持ピン42Pを介して下部ネットロール支持部42に装着した場合に、圧縮スプリング42Sの押圧力により、下部ネットロール41が自由な回動を妨げない程度にしっかりと保持される。
また、電動シリンダ42Cのシリンダの伸び具合を調整することで、下部ネットロール41に対する支持ピン42Pの押圧力を強めて、下部ネットロール芯41aと支持ピン42Pとの摩擦力により回動を停止させることが出来るので、必要に応じて、電動シリンダ42Cによるブレーキ機能を作用させることが出来る。
更にまた、下部ネットロール41が下部ネットロール支持部42にしっかりと装着されていない場合はそれを検知し、その検知結果を出力する検知センサ(図示省略)が設けられており、その検知結果により点滅して作業者に注意を喚起する警告ランプ42Aが設けられている。
この様に、下部ネットロール支持部42を矢印A方向(図5参照)に回動可能に構成したことにより、下部ネット9を圃場に供給する際には、下部ネットロール支持部42をメイン支持枠体4の前枠部4aの上方において水平姿勢に維持させることが出来、また、下部ネットロール41を装着する時には、下部ネットロール支持部42を背面視で時計回りに回動させて縦姿勢にして、トラクタ10の右後輪の後側に立たせることが出来るので、重量物である下部ネットロール41の交換作業を効率的に行える。
また、上部ネット供給装置50は、図2に示す様に、(1)帯状の上部ネット8が円筒形状の上部ネットロール芯51aの外周面に予め巻き回されて形成された上部ネットロール51の当該上部ネットロール芯51aの内部空間に貫通挿入されて、上部ネットロール51を回動可能に支持する支持バー52と、(2)メイン支持枠体4の左枠部4Lと右枠部4Rの後部に立設され、支持バー52の両端を下方側から受ける略V字状の受け部がそれぞれの先端に設けられた左右一対の上部ネットロール支持ステー53L、53Rと、を備えている。
なお、本実施の形態では、上部ネット8と下部ネット9は、メッシュの大きさ、幅、材質、その他の仕様において全く同じネットであり、上部ネットロール51と下部ネットロール41についても同じものである場合について説明したが、これに限らず例えば、メッシュの大きさ、幅、材質、その他の仕様において、双方のネットに違いを持たせても良い。
また、タンク60は、図2、図3、図6に示す様に、天板61aと前板61bと左側板61cと右側板61dと後板61eとで囲まれたタンク本体部61と、その底面側を覆う、平面視で略矩形状の箱形のタンク底部70を有している。
本実施の形態では、タンク本体部61とタンク底部70とは構造上分離しており、タンク本体部61は、メイン支持枠体4から立設したタンクステイ65(図6参照)に対して、その前板61b側と後板61e側がしっかりと固定されているが、タンク底部70は、後述する様に揺動可能に構成されており、タンク底面側を覆う機能の他に、タンク60内の球根を繰出搬送する機能も兼用している。
図6は、タンク60を背面側から見た概略背面図である。
なお、図6では、畝成形機7の図示は省略しているが、畝成形機7を昇降させる昇降用パワーシリンダ6は記載している。
タンク本体部61は、図2、図6に示す様に、天板61aと前板61bとを除き、左側板61cと右側板61dと後板61eが、上方から下方に向うに従ってタンク60の内側に漏斗状に傾斜している。また、後板61eの上部壁面部63は、ヒンジ部63aを回動軸として開閉可能(図2中の矢印E参照)に構成されており、球根15をタンク60内に補給する際の開閉蓋として機能する。また、後板61eの下部の左右幅の中央位置にはタンク内を確認するためのタンク内確認窓64が設けられており、内部が視認可能な板状部材で覆われている。
また、タンク本体部61の内部には、図2に示す様に、側面視で略への字形状を成した左右幅方向に長い遮蔽板62が回動軸62aを軸心として回動可能に設けられている。遮蔽板62は、タンク60の外部から手動で回動させてストッパーピン(図示省略)で固定することにより、その傾斜角度が調整可能に構成されており、タンク60内の下部に存在する球根15に対して、上部からの球根15の重みが直接加わることを抑制し、且つ、遮蔽板62の裏側に球根15の存在しない空間を形成し、タンク底部70の揺動運動を利用して、球根自体がタンク60内を移動し易い状態にする。これにより、球根15の大きさに応じて、遮蔽板62の傾斜角度を変更出来る。
また、タンク底部70は、図3に示す様に、球根15を落下させる開口部71がタンク底板70bの前側に形成された箱形の部材であり、タンク底部70の左右両壁の前側下端部には、左右方向の外向きに突き出す様に左右一対の揺動支持部材81L、81Rが設けられている。なお、左右一対の揺動支持部材81L、81Rは、後述する揺動機構80の一部を構成している。
タンク底部70は、左右一対の揺動支持部材81L、81Rを揺動軸として、後述する揺動機構80の偏心カム82b等の作用により揺動可能に構成されており、且つ、開口部71側に向うに従って下方に傾斜して配置されている(図2参照)。なお、左右一対の揺動支持部材81L、81Rの上端アーム部81La、81Raの先端部は、メイン支持枠体4から立設した、タンク本体部61の前板61bを固定するタンクステイ(図示省略)に回動可能に支持されている。
また、タンク底部70の後板70cには、タンク底部確認窓78が設けられており、内部が視認可能な板状部材で覆われている。
また、タンク60の内部には、図2、3に示す様に、タンク底部70の開口部71の上部を覆う様に回転ブラシ90が配置されており、開口部71への球根15の落下量が調整可能となる様に構成されている。また、回転ブラシ90のブラシ回転軸91の右端部91Rは、回転ブラシ用車速連動モータ92に連結されている。回転ブラシ90の回転方向は、左側面視で時計回り(図2参照)に回転する構成である。
また、ブラシ回転軸91は、図2、図3に示す様に、ブラシ回転軸支持アーム93とブラシ昇降用パワーシリンダ94によって、揺動機構取付枠体14を基準として昇降位置調整可能に支持されている。なお、揺動機構取付枠体14は、メイン支持枠体4の左枠部4Lと右枠部4Rに立設された左右一対の枠体支持ステー19L、19Rにより支持されており、且つタンク底部70のタンク底板70bの傾斜に概ね沿う様に配置されている。また、揺動機構取付枠体14の傾斜角度は、調整可能に構成されている。
また、ブラシ回転軸支持アーム93は、側面視で略V字形状を成し、且つ平面視で略U字形状を成しており、揺動機構80の偏心軸83を回動可能に取り付ける揺動機構取付枠体14の左右両側の枠部において、略V字形状の屈曲部に設けられた回動支持軸93aにより回動可能に支持されている。また、ブラシ回転軸支持アーム93の両端のボス部は、ブラシ回動軸91を回動可能に支持している。
更に、ブラシ回転軸支持アーム93は、その後端部93bが左右幅方向の中央位置において、揺動機構取付枠体14の後側の後枠部14aと、ブラシ昇降用パワーシリンダ94を介して昇降可能に連結されている。
これにより、ブラシ昇降用パワーシリンダ94を伸縮させることで、ブラシ回転軸支持アーム93の前端部で回動可能に支持された回転ブラシ90を、タンク底部70の開口部71の上方において上下方向に移動させることが出来、球根15の大きさに応じて回転ブラシ90の位置調整が自在に行える。
具体的には、圃場に植え付ける球根15のサイズが大きい場合の方が、小さい場合に比べて、回転ブラシ90の位置が高くなる様にブラシ昇降用パワーシリンダ94を調整し、回転ブラシ90の下面とタンク底部70の開口部71との距離を大きく確保することで、大きな球根15でもスムーズに落下させることが可能となる。
また、回転ブラシ90の位置を最も低い位置に下げることで、タンク底部70の開口部71を実質的に塞ぐことが出来るので、シャッター機能を持たせることが出来る。
また、タンク底部70の前側には、回転ブラシ90の上方を覆う、側面視で略への字状の底部遮蔽板73(図3、図2参照)が固定されており、更に、回転ブラシ90の後側(上流側)であって、底部遮蔽板73の後端縁部73aとタンク底部70のタンク底板70bとの間の空間部には、左右方向に往復動可能な略長方形の板状のアジテーター74が複数個設けられている。なお、図3では、アジテーター74が4個設けられた場合を示しているが、これに限定されるものではない。
アジテーター74は、タンク底部70の左右両側壁に形成されたスリット70aに左右方向にスライド可能に貫通配置されたアジテーター取付板75の後面側で且つその下端部から下方に突き出す様にして等間隔の位置に固定されている。また、そのアジテーター取付板75の左端部75Lは、タンク底部70の左側壁の外側面に取り付けられたアジテーター用車速連動モータ76の回転軸に設けられた、回転運動を往復運動に変換するクランク部材77に連結されている。
この様に、回転ブラシ90の後側(上流側)にアジテーター74を左右方向に往復動可能に配置したことで、回転ブラシ90の手前(上流側)で生じている球根15の所謂ブリッジ現象を解消出来て、球根15を開口部71側にスムーズに移動させることが出来る。
また、球根植込装置1には、GNSS(Global Navigation Satellite System)に基づいて球根植込装置1の位置情報を演算する測位装置(図示省略)と、その測位装置からの位置情報に基づいて球根植込装置1の走行速度を演算する制御部(図示省略)とを備えている。
上述したアジテーター用車速連動モータ76と回転ブラシ用車速連動モータ92の回転速度は、球根植込装置1に設けられている制御部で演算された球根植込装置1の走行速度に連動する様に構成されている。
これにより、トラクタ10の走行速度が変化することで、それに牽引されている球根植込装置1の走行速度が変化した場合でも、アジテーター用車速連動モータ76と回転ブラシ用車速連動モータ92の回転速度が球根植込装置1の走行速度、即ちトラクタ10の走行速度に連動するので、球根15の圃場への供給量が車速と連動可能となり、単位面積当たりの球根15の植え込み量の均一化を図ることが出来る。
なお、トラクタ10が走行を停止した場合は、アジテーター用車速連動モータ76と回転ブラシ用車速連動モータ92は、回転が停止される。
また、本実施の形態の揺動機構80は、図3、図7に示す様に、(1)上述した、タンク底部70の左右両壁の前側下端部に設けられた左右一対の揺動支持部材81L、81Rと、(2)リング状ホルダー82aの内周部に、外周形状が円形の偏心カム82bの外周部を嵌合させて回動可能に支持し、そのリング状ホルダー82aの外周部の上端側82cをタンク底部70のタンク底板70bの裏面の後端側に固定した、左右一対の偏心カム部材82L、82Rと、(3)円形の偏心カム82bの中心軸からずれた位置に貫通固定された偏心軸83と、(4)偏心軸83の両端部を回動可能に支持する軸受け部84と、を備えている。軸受け部84は、揺動機構取付枠体14に固定されている。
なお、左右一対の揺動支持部材81L、81Rは、図3に示す様に、タンク底部70の左右両壁の前側下端部から真っすぐ突き出した左右一対の下端アーム部81Lb、81Rbと、左右一対の上端アーム部81La、81Raとをリンクで吊持することによって揺動可能に構成されており、左右一対の上端アーム部81La、81Raは、左右一対の下端アーム部81Lb、81Rbを回動可能に連結されている。これにより、側面視で左右一対の下端アーム部81Lb、81Rbは、左右一対の上端アーム部81La、81Raを軸心として時計回り、及び反時計回りに回動可能となる。
これにより、図3に示す様に、偏心軸83が、右側面視で反時計回りに回動することで、偏心カム82bの作用により左右一対の偏心カム部材82L、82Rが同期して側面視で略円形状の軌跡を描いて揺動するので、左右一対の偏心カム部材82L、82Rに固定されているタンク底部70の後端側もこの軌跡と同様に、タンク底部70の前端側に設けられた左右一対の揺動支持部材81L、81Rの上端アーム部81La、81Raを支点として揺動する。なお、タンク底部70の前端側は、概ね前後方向の軌跡を描いて揺動する。
そのため、従来の様に搬送ベルトを用いなくても、タンク底部70において球根15を開口部71側(図2の矢印B参照)へ効果的に移動させ、後述する整列用振動板17に落下させることが出来る。
図7は、揺動機構80の構成を示すと共に、球根植込装置1の動力伝達機構100を説明するための概略の背面図である。なお、球根植込装置1の動力伝達機構100については、更に後述する。
また、球根植込装置1は、タンク底部70の開口部71の下方からタンク底部70の後方に向けて斜め下向きに傾斜して配置された、当該傾斜方向に沿って略前後方向に振動可能に設けられた整列用振動板17を有している。整列用振動板17は、左右幅方向に亘り複数の凹凸が交互に形成された波板形状を成しており、タンク底部70の揺動動作と回転ブラシ90の回転動作等によって、タンク底部70の開口部71から落下してくる球根15を受け取り、複数の凹部の平行な列に概ね万遍無く分配して、その球根15を振動によりその凹部の列に沿って後方に向けて整列させながら移動させる構成である。また、整列用振動板17の後端部(下流側)の左右両側には、後述する左右一対のロープ16L、16Rが、下部ネット9上の両端部に案内されてくる時に、下部ネット9の両端から球根15が外側へ落下しない様にするための左右一対の球根落下防止ガイド18L、18Rが設けられている(図4参照)。また、整列用振動板17の振動用の駆動力は後述する動力伝達機構100から供給される。
上述したことから明らかな様に、本実施の形態の球根植込装置1では、タンク底部70の揺動動作等によるタンク底部70での球根15の前方向への移動方向(図2中の矢印B参照)が、整列用振動板17での球根15の後方向への移動方向(図2中の矢印C参照)に対して逆向きとなる様に構成されている。
これにより、タンク底部70における移動行程と整列用振動板17における整列移動行程の双方の行程を平面視でオーバーラップさせてコンパクトに配置させることが出来、球根植込装置の小型化を図ることが出来る。
次に、左右一対のロープ供給装置30L、30Rについて、図4(a)、図4(b)を用いて説明する。
なお、左右一対のロープ供給装置30L、30Rは、互いに同じ構成であるので、ここでは、左側ロープ供給装置30Lを中心に説明し、右側ロープ供給装置30Rの説明は省略する。
左側ロープ供給装置30Lは、図4(a)、図4(b)に示す様に、(1)左側球根落下防止ガイド18Lの上方に配置された、左側ロープ16Lを束ねたロープ束31を2個収納するロープ受けボックス32と、(2)左側ロープ16Lが通過可能な貫通孔を有する部材であって、タンク本体部61の左側板61cの下部に設けられ、ロープ受けボックス32から繰り出される左側ロープ16Lをその貫通孔に通すことで絡まない様に案内する第1ロープ案内部材33と、(3)左側球根落下防止ガイド18Lの外壁面に固定された、下部ネット9の左端に落下してくる左側ロープ16Lが供給されすぎて下部ネット9上で滞留しない様に供給にブレーキをかけるブレーキ部材34と、(4)内部の孔に左側ロープ16Lを貫通させ、左側球根落下防止ガイド18Lの外壁面から下流側に突き出す様に固定された円筒状の部材であって、上部スポンジローラ27の上面に巻き付いた状態で送り出されてくる下部ネット9の左端の所定位置に左側ロープ16Lを正確に落下させるための第2ロープ案内部材35と、を備えている。
これにより、図4(a)、図4(b)に示す様に、トラクタ10に牽引された球根植込装置1が前進走行することで、左右一対のロープ受けボックス32、32から繰り出される左右のローブ16L、16Rは、左右一対の球根落下防止ガイド18L、18Rに固定された第2ロープ案内部材35に案内されて、上部スポンジローラ27上にある下部ネット9の左端と右端の所定位置にそれぞれ正確に供給される。そして、この様に供給されてくる左右一対のロープ16L、16Rと、整列用振動板17から下部ネット9上に落下してくる球根15は、上部ネット供給装置50から供給されてくる上部ネット8に覆われることにより、上部ネット8と下部ネット9とによりサンドイッチ状態となって下部スポンジローラ23側に送られて圃場に植え込まれ、その上に、左右一対の覆土ディスク25L、25Rにより覆土が行われ、畝成形機7で畝が形成される。
即ち、本実施の形態の球根植込装置1によれば、装置の小型化を図ることが出来ると共に、上部ネット8と下部ネット9との間に球根15を万遍無く分散させて圃場に植え込むことが出来る。
また、本実施の形態の球根植込装置1及び本実施の形態の球根植込方法によれば、左右一対のロープ16L、16Rを、上部ネット8と下部ネット9の間の左右両端側に挟み込み圃場に植え込む構成としたことにより、球根15を圃場にて栽培中に、例えば、上部ネット8又は下部ネット9がネズミに齧られたり、圃場内の石で破れたりすることがあっても、左右のロープ16L、16Rが切断されることは無いので、球根15の収穫時において、仮に下部ネット9が破損していたとしても、ネットとロープを一緒に巻き取ることで、収穫時の球根収穫装置による巻取り作業に支障をきたさない様にすることが可能であるという効果を発揮する。
なお、収穫時に用いる球根収穫装置については、後述する実施の形態2で説明する。
次に、球根植込装置1の動力伝達機構100について、図2、図7を用いて説明する。
トラクタ10のPTO軸13からユニバーサルジョイント13a(図1参照)を介して入力されてくる駆動力は、図7に示す様に、入力ギヤボックス101からメイン支持枠体4の左枠部4L側と右枠部4R側に突き出した左右一対の出力軸102L、102Rに伝達され、その左出力軸102Lの先端部に固定された左第1プーリ103Lから、無端ベルト109を介して、その後方斜め下方に配置された第3プーリ105に伝達されて、螺旋体軸21を回動させる。伝達トルクに対応するため、無端ベルト109は4本掛けの構成としている。
また、上記駆動力は、右出力軸102Rの先端部に固定された右第1プーリ103Rから、無端ベルト109を介して、その後方斜め上方に配置された第2プーリ104に伝達されて、整列用振動板17を振動させる。
第2プーリ104は、整列用振動板17に対して振動用の駆動力を伝達するための振動用駆動軸104aに固定されており、第3プーリ105は、螺旋体軸21の左端部に固定されている。更にまた、振動用駆動軸104aに固定された、第2プーリ104より直径の大きな第4プーリ106が、無端ベルト109を介して、偏心軸83の右端部に固定された第5プーリ107に対して動力を伝達する構成である。
なお、左右一対のロープ供給装置30L、30R、下部ネットロール41、上部ネットロール51、下部スポンジローラ23、及び上部スポンジローラ27は、駆動源を有していない。
そのため、球根植込み作業の開始前に、作業者は、球根植込装置1に、ロープ束31と、下部ネットロール41と、上部ネットロール51とを、それぞれセットし、下部ネット9と、左右一対のロープ16L、16Rと、上部ネット8のそれぞれの先端を引き出して、重ね合わせて圃場に埋め込こんでおくという準備作業を行う。
これにより、トラクタ10に牽引された球根植込装置1が直進走行を開始すると、下部ネット9と左右一対のロープ16L、16Rと上部ネット8のそれぞれが、予め圃場に重なって埋め込まれているので、それらに引っ張られて、下部ネットロール41及び上部ネットロール51が回動を開始し、同様に、ロープ受けボックス32内の左右のロープ16L、16Rが繰出されていく。また、下部スポンジローラ23、上部スポンジローラ27については、繰り出されていく上部ネット8、下部ネット9との接触摩擦により回動を開始する。
なお、本実施の形態のトラクタ10は、本発明の走行車両の一例にあたる。また、本実施の形態のタンク60は、本発明のタンクの一例にあたり、本実施の形態のタンク底部70は、本発明のタンクの底部の一例にあたる。また、本実施の形態の開口部71は、本発明の開口部の一例にあたる。また、本実施の形態の整列用振動板17は、本発明の整列移動部材の一例にあたる。また、本実施の形態の回転ブラシ90は、本発明の繰出量調整部材の一例にあたる。また、本実施の形態のアジテーター74は、本発明の攪拌部材の一例にあたる。また、本実施の形態の揺動支持部材81L、81Rは、本発明の揺動支点の一例にあたり、本実施の形態の偏心カム部材82L、82Rは、本発明の偏心カム部材の一例にあたる。
なお、上記実施の形態では、左右一対のロープ供給装置30L、30Rを備えた場合について説明したが、これに限らず例えば、左右一対のロープ供給装置30L、30Rを備えていない構成であっても良い。この構成の場合でも、タンク底部70の揺動動作等によるタンク底部70での球根15の前方向への移動方向(図2中の矢印B参照)が、整列用振動板17での球根15の後方向への移動方向(図2中の矢印C参照)に対して逆向きとなる様に構成されているので、球根植込装置の小型化を図ることが出来る。
また、上記実施の形態では、タンク底部70での球根15の前方向への移動方向(図2中の矢印B参照)が、整列用振動板17での球根15の後方向への移動方向(図2中の矢印C参照)に対して逆向きとなる様に構成されて小型化を図った球根植込装置について説明したが、これに限らず例えば、小型化を図った構成でなくても、下部ネット供給装置40と上部ネット供給装置50と左右一対のロープ供給装置30L、30Rとを備えた構成であれば良い。これにより、球根15の収穫時において、仮に下部ネット9が破損していたとしても、ネットとロープを一緒に巻き取ることで、収穫時の球根収穫装置による巻取り作業に支障をきたさない様にすることが可能であるという効果を発揮する。
また、上記実施の形態では、回転ブラシ90が開口部71の真上に配置されている場合について説明したが、これに限らず例えば、回転ブラシ90が開口部71の真上から所定距離だけ上流側に、即ち、アジテーター74側に寄った位置に配置されている構成であっても良い。この構成の場合、タンク60内の球根15は、回転ブラシ90の回動によりタンク底板70b上で下流側に送られた後、開口部71から落下する。
また、上記実施の形態では、アジテーター74が左右方向に往復移動する場合について説明したが、これに限らず例えば、アジテーター74が左右方向に揺動する構成であっても良く、要するに、アジテーター74の動きにより、球根が攪拌される構成であれば、アジテーター74はどの様に動作しても良い。
また、上記実施の形態では、回転ブラシ90を備えた場合について説明したが、これに限らず例えば、回転ブラシ90を備えていない構成であっても良い。
また、上記実施の形態では、アジテーター74を備えた場合について説明したが、これに限らず例えば、アジテーター74を備えていない構成であっても良い。
また、上記実施の形態では、アジテーター74の左右方向への移動速度が、走行速度に連動させた場合について説明したが、これに限らず例えば、走行速度に連動していなくても良い。
また、上記実施の形態では、回転ブラシ90の回転速度が、走行速度に連動させた場合について説明したが、これに限らず例えば、走行速度に連動していなくても良い。
また、上記実施の形態では、GNSSを用いた測位装置(図示省略)と、その測位装置からの位置情報に基づいて球根植込装置1の走行速度を演算する制御部(図示省略)とを球根植込装置1に設けた場合について説明したが、これに限らず例えば、GNSSを用いた測位装置と、その測位装置からの位置情報に基づいて走行車両(例えば、トラクタ10)の走行速度を演算する制御部とを、走行車両に設けた構成でも良い。この構成の場合、アジテーター用車速連動モータ76と回転ブラシ用車速連動モータ92の回転速度は、走行車両に設けられている制御部で演算された走行車両の走行速度に連動する。また、これに限らず例えば、走行車両(例えば、トラクタ10)の後輪の回転数を検知する後輪回転数検知センサ(図示省略)を設け、その検知結果に基づいて制御部により走行車両の走行速度を演算し、その演算結果に基づいて、アジテーター用車速連動モータ76と回転ブラシ用車速連動モータ92の回転速度を制御しても良い。
また、上記実施の形態では、動力伝達機構100の内、第2プーリ104と第4プーリ106と第5プーリ107とを球根植込装置1の右側面に纏めて配置した場合について説明したが、これに限らず例えば、球根植込装置1の左側面に纏めて配置しても良い。その構成の場合、左側に配置される第2プーリ104への駆動力は、左出力軸102L側から伝達される。また、この構成の場合、第3プーリ105を螺旋体軸21の右端部に固定し、螺旋体軸21への駆動力が右出力軸102R側から無端ベルトを介して伝達される構成としても良い。
また、上記実施の形態では、整列用振動板17に概ね前後方向への振動を起こさせる駆動力が、動力伝達機構100から供給される場合について説明したが、これに限らず例えば、その駆動力は、専用のモータから供給される構成であっても良い。また、振動方向は、前後方向に限らず例えば、上下方向であっても良く、要するに、球根15を移動させることが出来る構成であれば振動方向に限定されるものでは無い。
また、上記実施の形態では、球根植込装置1が、振動を与えて球根15を移動させる整列用振動板17を備えた構成について説明したが、これに限らず例えば、ベルトコンベア等で球根15を整列させながら移動させる整列移動部材であっても良い。
また、上記実施の形態では、上部ネット8と下部ネット9との間の左右両端側にそれぞれロープ16L、16Rを供給する球根植込装置、及び球根植込方法について説明したが、球根15の収穫時において、仮に上部ネット8又は下部ネット9が破損していたとしても、ネットとロープを一緒に回収することで、球根収穫装置による巻取り作業に支障をきたさない様にすることが可能であれば、ロープを供給する位置、供給するロープの本数は、上記実施の形態の構成に限定されるものではない。
また、上記実施の形態では、上部ネット8と下部ネット9とを供給し、それら双方のネットの間にロープ16L、16Rを供給する球根植込装置、及び球根植込方法について説明したが、これに限らず例えば、タンクに収容されている球根をネット状部材と共に圃場に植え付ける、走行車両に連結可能な球根植込装置であって、前記圃場において前記ネット状部材を供給するネット状部材供給装置と、前記ネット状部材の下側又は上側に配置されるロープ状部材を供給するロープ状部材供給装置と、を備えた球根植込装置であっても良い。この構成を実現するための一例としての第2球根植込装置(図12の第2球根植込装置501参照)としては、例えば、ネット状部材供給装置(図12の下部ネット供給装置40参照)から供給されるネット状部材(図12の下部ネット9参照)の上側の左右両端側に、ロープ状部材供給装置(図4(a)、図4(b)の左右一対のロープ供給装置30L、30R参照)からロープ状部材(図12のロープ16L、16R参照)を供給し、ネット状部材とロープ状部材をローラで案内しながら圃場に布設する(図12の上部スポンジローラ27、下部スポンジローラ23参照)と共に、タンク(図12のタンク60参照)に収容されている球根を、整列用振動板17及びその下流側に連結された球根案内樋を介して、圃場に布設されたネット状部材の上に案内してばらまく(図12の整列用振動板17、及び球根案内樋510参照)。なお、この構成では、球根植込装置1で説明した上部ネット供給装置50(図2参照)は備えていない。これにより、圃場に埋め込まれたネット状部材が破損した場合であっても、球根収穫時において、その巻取り作業に支障をきたさない様にすることが可能な球根植込装置、及び球根植込方法を提供することが出来る。図12は、本発明の球根植込装置の一例としての第2球根植込装置501の構成を示す概略左側面図である。なお、上述した球根植込装置1の構成と基本的に同じ構成には同じ符号を付した。
また、上述した第2球根植込装置(図12の第2球根植込装置501参照)では、ネット状部材の上側にロープ状部材を供給する構成としたが、これに限らず例えば、ネット状部材の下側にロープ状部材を供給する構成であっても良い。この構成の場合、例えば、ネット状部材供給装置(図12の下部ネット供給装置40参照)から供給されるネット状部材(図12の下部ネット9参照)の下側の左右両端側に、ロープ状部材供給装置からロープ状部材を供給し、ネット状部材とロープ状部材をローラで案内しながら圃場に布設する(図12の上部スポンジローラ27、下部スポンジローラ23参照)と共に、タンク(図12のタンク60参照)に収容されている球根を、整列用振動板17及び球根案内樋510を介して、圃場に布設されたネット状部材の上に案内してばらまく(図12の整列用振動板17、球根案内樋510参照)。これにより、圃場に埋め込まれたネット状部材が破損した場合であっても、球根収穫時において、その巻取り作業に支障をきたさない様にすることが可能な球根植込装置、及び球根植込方法を提供することが出来る。
また、上記実施の形態では、本発明における球根の一例としてチューリップの球根15を植付ける場合について説明したが、これに限らず例えば、他の植物の球根であっても良い。
なお、本実施の形態における球根植込装置1の動作説明は、球根植込方法にかかる発明の一実施の形態の説明に相当し、その動作に起因する効果は、その一実施の形態の球根植込方法により発揮される効果に相当する。また、上記実施の形態における第2球根植込装置501の動作説明は、球根植込方法にかかる発明の別の一実施の形態の説明に相当し、その動作に起因する効果は、その別の一実施の形態の球根植込方法により発揮される効果に相当する。
(実施の形態2)
ここでは、図面を用いて、上述した球根植込装置1に関連する球根収穫装置にかかる発明の一実施の形態の球根収穫装置1001について説明する。
図8は、本実施の形態の球根収穫装置1001がトラクタ10の後部に連結された状態を示す右側面図である。
また、図9(a)は、本実施の形態の球根収穫装置1001の概略の右側面図であり、図9(b)は、図9(a)の球根収穫装置1001の要部の概略背面図である。
また、図10は、トラクタ10の後部に連結された球根収穫装置1001と、それに並走する別のトラクタ2010の後部に連結された球根収容装置2100とを示す概略の平面図である。
また、図11は、トラクタ10の後部に連結された球根収穫装置1001と、それに並走する別のトラクタ2010の後部に連結された球根収容装置2100とを示す概略の背面図であり、双方のトラクタの図示は省略した。
なお、上記実施の形態1の構成と同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略した。
本実施の形態の球根収穫装置1001には、図9に示す様に、平面視で略矩形状の収穫機メイン支持枠体1004の左右前端部に左右一対の収穫機ロワーリンク取付部1002L、1002Rが設けられており、且つ、収穫機メイン支持枠体1004の前端部の左右幅方向の中央から上方に突き出して先端部が前方に屈曲した収穫機トップリンク取付部1003が設けられており、トラクタ10の3点リンク、即ち、左右一対のロワーリンク11L、11R、及びトップリンク12に対して、それぞれ着脱可能に連結される構成である。また、本実施の形態の球根収穫装置1001は、図9に示す様に、トラクタ10のPTO軸13からの駆動力をユニバーサルジョイント13aを介して入力し、収穫機動力伝達機構(図示省略)により各部に伝達する構成である。
本実施の形態の球根収穫装置1001は、上記実施の形態1で説明した球根植込装置1により、上部ネット8と下部ネット9の間に挟まれて左右のロープ16L、16Rと共に圃場に植え付けられて成長した球根15を収穫する装置である。
即ち、本実施の形態の球根収穫装置1001は、図9に示す様に、圃場において、前進走行するトラクタ10に牽引されて、左右一対の収穫機排土螺旋体1020L、1020Rにより圃場に形成された畝Uの表土を所定深さH3(例えば、約10cm)だけ削り、その表土を、成長したチューリップの茎葉部15a(図9(a)参照)と共に左右方向に排土しながら前進走行し、畝Uに残った球根15を上部ネット8と下部ネット9と左右のロープ16L、16Rと共に回収して、そこから球根15を分離し、コンベア1400により、並走する球根収容装置2100に搬送する構成である(図10参照)。
以下、主として図9(a)〜図11を用いて、本実施の形態の球根収穫装置1001と球根収容装置2100についてその構成と動作を具体的に説明する。
本実施の形態の球根収穫装置1001は、図9(a)に示す様に、収穫機メイン支持枠体1004の下方において、進行方向前側から順番に、(1)右側面視で反時計回りに回動して畝Uの表土を所定深さH3だけ削り、その表土を成長したチューリップの茎葉部15aと共に左右方向に排土案内する左右一対の収穫機排土螺旋体1020L、1020Rと、(2)その後方に配置され、右側面視で時計回りに回動して畝Uに残った上部ネット8と球根15と左右のロープ16L、16Rと下部ネット9とを一緒に表面に巻き付けながら引っ張り上げる円筒形状の掘り取りガイドローラ1023と、(3)左右一対の収穫機排土螺旋体1020L、1020Rと掘り取りガイドローラ1023との間の下方に配置された、側面視で略V字形状の板状部材であって、収穫機排土螺旋体1020L、1020Rの回動に伴いその背後に落ちてくる第1土1020aと、掘り取りガイドローラ1023の回動に伴いその前側に落ちてくる第2土1023aとが再び上部ネット8の上を覆わない様にするためにそれらの土を略V字形状の傾斜部1025aを利用して前方に案内して、左右一対の収穫機排土螺旋体1020L、1020Rで再び左右方向に排土させるガイド板1025と、(4)収穫機メイン支持枠体1004の後端下部に回動自在に配置された、球根収穫装置1001を安定して走行させるための安定ローラ1027と、を備えている。
ここで、左右一対の収穫機排土螺旋体1020L、1020Rと、掘り取りガイドローラ1023は、収穫機動力伝達機構(図示省略)からの駆動力により回動し、安定ローラ1027は、圃場の表面との接触により回動する。
また、球根収穫装置1001は、図9(a)、図9(b)に示す様に、収穫機メイン支持枠体1004の上方において、(1)一緒に引っ張り上げられてくる上部ネット8と球根15と左右のロープ16L、16Rと下部ネット9とを掘り取りガイドローラ1023の表面に巻き付ける方向に押圧力を加えるローラであって、後述する側板1050L、1050Rに回動可能に支持された巻取り支点ローラ1030と、(2)一緒に引っ張り上げられてくる上部ネット8と球根15と左右のロープ16L、16Rと下部ネット9から上部ネット8を分離し、球根15を落下させる分離装置1100と、(3)収穫機メイン支持枠体1004の前側左右両端部に立設された左右一対の第1ステー1040L、1040Rの上端部に回動可能に配置された、分離装置1100により分離された上部ネット8を巻き取る上部ネット巻取装置1200と、(4)分離装置1100により分離された左右のロープ16L、16Rと下部ネット9とを巻き取る下部ネット巻取装置1300と、(5)分離装置1100から落下してくる球根15を受け取り、左右方向の何れの方向にも搬送可能なコンベア1400と、を備えている。
ここで、上部ネット巻取装置1200と、下部ネット巻取装置1300と、コンベア1400は、収穫機動力伝達機構(図示省略)からの駆動力により回動し、巻取り支点ローラ1030は、上方に引っ張り上げられてくる下部ネット9の表面やそれに付着した土等との接触により回動する。
また、球根収穫装置1001には、上述した巻取り支点ローラ1030と分離装置1100と下部ネット巻取部1310とコンベア1400を回動可能に支持するための、収穫機メイン支持枠体1004の左右両端から上方に向けて立設した略扇型の左右一対の側板1050L、1050Rが設けられており、その側板1050L、1050Rの前端部は、左右一対の第1ステー1040L、1040Rに固定されている。
また、分離装置1100は、図9(a)、図9(b)に示す様に、(1)一緒に引っ張り上げられてくる上部ネット8と球根15と左右のロープ16L、16Rと下部ネット9とを上方に案内する分離第1ガイドローラ1110と、(2)右側面視で反時計回りに回動し、上部ネット8を分離する分離駆動ローラ1120と、(3)左右のロープ16L、16Rと下部ネット9とを下部ネット巻取装置1300側に案内する分離第2ガイドローラ1130と、(4)分離駆動ローラ1120により分離された上部ネット8に絡みついている球根15を掻き落とす、右側面視で時計回りに回動する落下第1ローラ1140と、(5)分離駆動ローラ1120により分離された左右のロープ16L、16Rや下部ネット9に絡みついている球根15を掻き落とす、右側面視で反時計回りに回動する落下第2ローラ1150と、(6)落下第1ローラ1140の下流側に近接配置され、上部ネット8を落下第1ローラ1140側に押し付ける落下第1ガイドローラ1160と、(7)落下第2ローラ1150の下流側に近接配置され、下部部ネット9と左右のロープ16L、16Rを落下第2ローラ1150側に押し付ける落下第2ガイドローラ1170と、を有している。
また、落下第1ローラ1140と落下第2ローラ1150は、両端に対向配置された円板の外周縁部に等間隔で4本の丸棒が固定され、両端の円板の中心軸を軸心として回動可能に構成されている。4本の丸棒の長さは、上部ネット8、下部ネット9の左右幅の寸法に概ね対応している。
また、コンベア1400は、図9(a)、図9(b)に示す様に、左右の何れの方向にも搬送可能な、平ベルトが巻き回された上段コンベア1410と下段コンベア1420が、上下二段に配置された構成であり、下段コンベア1420は、左右の何れの方向にも手動によりスライド移動可能に構成されている。なお、左右一対の側板1050L、1050Rには、下段コンベア1420が左右の何れの方向にスライド移動した場合でも、互いに干渉しない様にコンベア用開口部1051L、1051Rが設けられている。
上記構成によれば、実施の形態1で説明した様に球根植込装置1により球根15が圃場に植え付けられて所定期間経過した後、作業者は、成長した球根15と共に圃場に植え付けられている上部ネット8と左右のロープ16L、16Rと下部ネット9の端部を掘り起こし、図9(a)に示す所定の経路を通し、上部ネット8の端部を上部ネット巻取装置1200に取り付け、また、左右のロープ16L、16Rと下部ネット9とを一緒に下部ネット巻取装置1300に取り付ける。
なお、左右のロープ16L、16Rと下部ネット9との下部ネット巻取装置1300への取り付けに関しては、下部ネット巻取装置1300の構成及び動作と共に、更に後述する。
トラクタ10を前進走行させると、掘り取りガイドローラ1023、巻取り支点ローラ1030、分離駆動ローラ1120、上部ネット巻取装置1200、下部ネット巻取部1310は駆動するが、車速に連動するため車速が速くなると速く駆動し、車速が遅くなると遅く駆動する。
そして、トラクタ10を前進走行させて、収穫機排土螺旋体1020L、1020Rと、掘り取りガイドローラ1023と、分離装置1100と、上部ネット巻取装置1200と、下部ネット巻取装置1300と、コンベア1400とを同期させて回転駆動させることにより、上部ネット8と、左右一対の収穫機排土螺旋体1020L、1020Rで茎葉部15aが切除された球根15と、左右のロープ16L、16Rと、下部ネット9とが一緒になって圃場から引っ張り上げられてくる。
なお、この時、下段コンベア1420は、例えば右側にスライド移動されているものとする(図10、図11参照)。
一緒に引っ張り上げられてくる上部ネット8と球根15と左右のロープ16L、16Rと下部ネット9は、分離駆動ローラ1120を通過することにより、上部ネット8とそれに絡まった球根15だけが更に上方に引っ張り上げられ、残りの左右のロープ16L、16Rと、下部ネット9とそれに絡まった球根15は、分離駆動ローラ1120に巻き付けられながら下方に向けて引っ張られていく。
更に上方に引っ張り上げられていく上部ネット8に絡まった球根15は、落下第1ローラ1140の外周部に配置された4本の丸棒の回動により上部ネット8から掻き落とされて上段コンベア1410上に落下する。また、下方に引っ張り下げられていく下部ネット9に絡まった球根15は、落下第2ローラ1150の外周部に配置された4本の丸棒の回動により下部ネット9から掻き落とされて右方向に搬送動作している上段コンベア1410上に落下する。
この様にして、上段コンベア1410上に落下した球根15は、右側に搬送されて、右方向に搬送動作している下段コンベア1420上に落下し、更に右側に搬送されて、球根収穫装置1001と並走する球根収容装置2100(図10、図11参照)に設けられた4つのコンテナ2110に順次落下させる。
なお、球根収容装置2100では、4つのコンテナ2110が回転式の基台2120の上に載置されており、コンテナ2110が球根15で満タンになったことをセンサ(図示省略)で検知し、その検知信号を受信した制御部(図示省略)が、モータ(図示省略)からの駆動力、又は前を走行する別のトラクタ2010からの駆動力により、基台2120を90度回転させ、空のコンテナ2110が下段コンベア1420の下方にくるように構成されている。また、これに限らず例えば、基台2120の回転は、手動で行う構成であっても良い。
また、上部ネット巻取装置1200に巻き取られた上部ネット8の外径が所定の大きさになると、作業者は、トラクタ10を停止させて、ロール状を成した上部ネット8を切断して上部ネット巻取装置1200から取り外す。また、後述する下部ネット巻取部1310に巻き取られた下部ネット9と左右のロープ16L、16Rとの外径が所定の大きさになると、作業者は、トラクタ10を停止させて、ロール状を成した下部ネット9と左右のロープ16L、16Rを切断して下部ネット巻取部1310から取り外す。そして、作業者は、上部ネット8と下部ネット9と左右のロープ16L、16のそれぞれの端部を、上部ネット巻取装置1200、下部ネット巻取装置1300に上記の通りセットして、再び、トラクタ10を前進走行させて、球根収穫装置1001による上記作業を繰り返す。
よって、本実施の形態の球根収穫装置1001によれば、圃場で成長した球根15は、上部ネット8と下部ネット9との間に挟まったままの状態で圃場から回収されて、コンベア1400の上方に配置されている分離駆動ローラ1120までそのまま一緒に引っ張り上げられてから上部ネット8と下部ネット9が分離されて、その後、上部ネット8と下部ネット9から球根15が掻き落とされるので、従来の様に、単一のネットと共に圃場に植え付けられた球根が、圃場から回収される際に単一のネットから外れて圃場に落下してしまい回収効率が低下することを防止出来、球根15を確実に収穫することが出来る。
また、本実施の形態の球根収穫装置1001によれば、球根15は、上部ネット8と下部ネット9との間に挟まったままの状態で圃場から回収されるので、球根15に付着する土が少ない状態で球根15のみを回収することが出来、球根15に付着した土を取り除く処理作業(例えば、水洗い作業)の負担を軽減することが出来る。
次に、図9(a)、図9(b)を用いて、下部ネット巻取装置1300の構成及び動作について説明する。
下部ネット巻取装置1300は、図9(a)、図9(b)に示す様に、(1)左右のロープ16L、16Rと下部ネット9とを同時に巻き付ける下部ネット巻取部1310と、(2)分離第2ガイドローラ1130により案内されてくる、左右のロープ16L、16Rと下部ネット9との内、下部ネット9のみを引っ掛けて、下部ネット巻取部1310側に案内する下部ネットガイドローラ1320と、(3)分離第2ガイドローラ1130により案内されてくる、左右のロープ16L、16Rと下部ネット9との内、左右のロープ16L、16Rをそれぞれ別々に貫通させる貫通孔1331aを有する左右一対の移動体1331L、1331Rと、(4)下部ネット巻取部1310に巻き取られた下部ネット9の左右幅方向の中央位置を基準として、左右一対の移動体1331L、1331Rの内、左側移動体1331Lを上記中央位置と下部ネット9の左端から所定幅だけ内側に寄った位置との間を往復移動させ、且つ、右側移動体1331Rを上記中央位置と下部ネット9の右端から所定幅だけ内側に寄った位置との間を往復移動させる往復移動部1330と、を有している。貫通孔1331aの孔径は、左右のロープ16L、16Rの外径より大きく構成されている。
この構成により、図9(a)、図9(b)に示す様に、分離第2ガイドローラ1130により案内されてくる、左右のロープ16L、16Rと下部ネット9との内、下部ネット9は下部ネットガイドローラ1320に案内されながら下部ネット巻取部1310に巻き取られると同時に、貫通孔1331aを貫通している左右のロープ16L、16Rは、往復移動部1330により左右の移動体1331L、1331Rが移動させることにより左右両側から中央位置に向けて移動させられながら(図9(b)参照)、当該下部ネット9の上に巻き取られていく。この場合、往復移動部1330は、左右のロープ16L、16Rを、下部ネット巻取部1310上の下部ネット9の左右両側から巻き始めて、中央位置まで巻くと、そこでリターンして、左右両側へ向けて移動しながら巻き続けるという行程を繰り返す。
これにより、下部ネット巻取部1310上に、左右のロープ16L、16Rと下部ネット9とを同時に巻き付ける場合、左右のロープ16L、16Rの位置を左右にずらせながら巻き取るので、左右のロープ16L、16Rが左右両端側の同じ場所で重なって巻き取られることがなく、下部ネット巻取部1310に巻き取られる下部ネット9の外径が左右幅方向において全体として概ね均一になり、スムーズな巻取作業が行える。
また、上述した様に、本実施の形態によれば、球根15の収穫時において、上部ネット8と下部ネット9と共に左右のロープ16L、16Rを一緒に回収することにより、上部ネット8又は下部ネット9が、ネズミに齧られたり、石で切れたりして破損していた場合でも、左右のロープ16L、16Rが切断される可能性は極めて低いので、上部ネット8及び下部ネット9の巻取り作業をより確実に行うことが出来、巻取り作業に支障をきたさない。
即ち、左右のロープ16L、16Rは、切断される可能性は極めて低いので下部ネット巻取部1310により確実に巻き取られていく。そして、その左右のロープ16L、16Rは、上部ネット8と下部ネット9との間に挟まれて一体となった状態で、掘り取りガイドローラ1023の表面に巻き付けられて、上方へ引っ張り上げられていくので、仮に、上部ネット8又は下部ネット9の一部分が破損していた場合でも、分離駆動ローラ1120に至るまでは、左右のロープ16L、16Rの牽引により左右両端側の引っ張りバランスを保ちつつ、上部ネット8と下部ネット9と左右のロープ16L、16Rとが一緒になって同時に引っ張り上げられてくる。
そして、分離駆動ローラ1120を通過した上部ネット8は、分離駆動ローラ1120の直ぐ上に配置されている上部ネット巻取装置1200により直ぐに巻き取られるので、仮に、上部ネット8の一部分が破損していたとしても、左右両端側の引っ張りバランスがほとんど崩れることなく巻き取られる。
一方、分離駆動ローラ1120を通過した下部ネット9は、分離第2ガイドローラ1130に至るまでは、左右のロープ16L、16Rと一緒になって引っ張られるので、左右両端側の引っ張りバランスが保たれる。そして、分離第2ガイドローラ1130を通過した下部ネット9は、左右のロープ16L、16Rと分離されるが、近くに配置されている下部ネット巻取部1310に巻き取られるので、仮に、下部ネット9の一部分が破損していたとしても、左右両端側の引っ張りバランスがほとんど崩れることなく巻き取られる。
よって、上部ネット8や下部ネット9が、左右幅方向に亘り完全に切断されている場合を除き、上部ネット8及び下部ネット9の巻取り作業をより確実に行うことが出来る。
なお、図9(b)は、概略図であるため、下部ネット巻取部1310に巻き取られている下部ネット9の同じ面上において、左右のロープ16L、16Rが左右方向にずれながら幾重にも巻き取られている様に見えるが、実際は、下部ネット巻取部1310に巻き取られる下部ネット9の同じ面上には、左右のロープ16L、16Rは、それぞれ1重分しか巻き取られない構成である。
なお、上記実施の形態では、球根収穫装置1001が、左右一対の収穫機排土螺旋体1020L、1020Rを備えた場合について説明したが、これに限らず例えば、左右一対の収穫機排土螺旋体1020L、1020Rを備えない構成であっても良い。
また、上記実施の形態では、球根収穫装置1001は、実施の形態1で説明した球根植込装置1(図1、図2参照)により、上部ネット8と下部ネット9の間に挟まれて左右のロープ16L、16Rと共に圃場に植え付けられて成長した球根15を収穫する装置である場合について説明したが、これに限らず例えば、左右のロープ16L、16Rを用いずに、上部ネット8と下部ネット9の間に挟まれて圃場に植え付けられて成長した球根15を収穫する構成であっても良い。この構成の場合の球根収穫装置は、下部ネット巻取装置1300は、下部ネット9さえ巻き取ることが出来れば良く、下部ネット巻取部1310さえ有しておれば良い。この構成の場合でも、上部ネット8と下部ネット9との間に挟まったままの状態で圃場から回収されて、上部ネット8と下部ネット9が分離された後、上部ネット8と下部ネット9から球根15が掻き落とされるので、従来の様に球根を単一ネットと共に圃場から回収する装置に比べて、球根15を確実に収穫することが出来る。
また、上記実施の形態では、球根収穫装置1001は、実施の形態1で説明した、従来に比べて装置の小型化を図ると共に上部ネット8と下部ネット9の他に左右のロープ16L、16Rをも一緒に植え付ける構成の球根植込装置1(図1、図2参照)により圃場に植え込まれた球根15を収穫する装置として説明したが、これに限らず例えば、実施の形態1で説明した球根植込装置1ではなく従来の球根植込装置により圃場に植え付けられた球根を収穫する球根収穫装置であっても良い。即ち、この構成の場合における従来の球根植込装置は、例えば、左右のロープ16L、16Rを用いずに、上部ネット8と下部ネット9の間に球根15を挟み込んで圃場に植え付ける構成であり、且つ、球根のタンク内での搬送方向と、整列板上での搬送方向が共に後方に向けられた構成である。この場合の球根収穫装置は、下部ネット巻取装置1300は、下部ネット9さえ巻き取ることが出来れば良く、下部ネット巻取部1310さえ有しておれば良い。この構成の場合でも、球根15は、上部ネット8と下部ネット9との間に挟まったままの状態で圃場から回収されて、上部ネット8と下部ネット9が分離された後、上部ネット8と下部ネット9から球根15が掻き落とされるので、従来の様に球根を単一ネットと共に圃場から回収する装置に比べて、球根15を確実に収穫することが出来る。
また、上記実施の形態では、球根収穫装置1001は、下部ネット巻取部1310に対して、左右のロープ16L、16Rと下部ネット9とを一緒に巻き付ける構成について説明したが、これに限らず例えば、左右のロープ16L、16Rを下部ネット巻取部1310とは別のロープ専用の巻取装置(図示省略)に巻き付ける構成であっても良い。
また、上記実施の形態の球根収穫装置1001では、コンベア1400が上段コンベア1410と下段コンベア1420の二段構成である場合について説明したが、これに限らず例えば、一段構成であっても良い(図11参照)。この構成の場合、一段構成のコンベア1400の左右幅は、球根収穫装置1001の左右幅の概ね2倍の長さに設定されており、一段構成のコンベア1400を右側に手動で押し出して使用することで、右側で搬送する球根収容装置2100のコンテナ2110に球根を落下させることが出来(図11参照)、また、左側に手動で押し出して使用することで、左側で搬送する球根収容装置2100のコンテナ2110に球根を落下させることが出来る。
また、上記実施の形態では、二段構成のコンベア1400の下段コンベア1420の左右方向へのスライド移動、及び、一段構成のコンベア1400の左右方向への押し出し移動を、手動で行う構成について説明したが、これに限らず例えば、並走する球根収容装置2100が右側に位置するか左側に位置するかを検知して、その検知結果に応じて、自動的にスライド移動の方向、又は、押し出し移動の方向を決定して、コンベアを自動的に移動させる構成であっても良い。
また、上記実施の形態では、球根収穫装置1001が、分離装置1100により落下してくる球根15を受け取り、左右方向の何れの方向にも搬送可能なコンベア1400を備えた場合について説明したが、これに限らず例えば、コンベア1400に代えて、分離装置1100により落下してくる球根15を受け取り収容する収容容器(図示省略)を備えた構成であっても良い。
また、上記実施の形態では、球根収穫装置1001は、実施の形態1で説明した球根植込装置1(図1、図2参照)及び球根植込方法により、上部ネット8と下部ネット9の間に挟まれて左右両端側に供給されたロープ16L、16Rと共に圃場に植え付けられて成長した球根15を収穫する装置である場合について説明したが、その球根植込装置及び球根植込方法において、ロープを供給する位置や、供給するロープの本数は、上記実施の形態の構成に限定されるものではない。従って、球根収穫装置において、圃場に埋め込まれているネットとロープを一緒に回収することで、巻取り作業に支障をきたさない様に出来る構成であれば、回収するロープの本数や回収したロープの巻き取り方は、上記構成に限定されるものではない。
また、上記実施の形態では、球根収穫装置1001は、実施の形態1で説明した球根植込装置1(図1、図2参照)及び球根植込方法により、上部ネット8と下部ネット9の間に挟まれて左右両端側に供給されたロープ16L、16Rと共に圃場に植え付けられて成長した球根15を収穫する装置である場合について説明したが、その球根植込装置及び球根植込方法において、例えば、上部ネット8を供給せず、下部ネット9とロープ16L、16Rとを供給し、球根と共に圃場に植え付ける構成であっても良いことは、第2球根植込装置を例に挙げて既に説明した通りである(図12参照)。
従って、例えばこの第2球根植込装置を用いて植え付けられた球根を収穫する球根収穫装置の構成としては、例えば、ネット状部材、及び当該ネット状部材の下側又は上側に布設されたロープ状部材と共に圃場に植え付けられている球根を収穫する、走行車両に連結可能な球根収穫装置であって、(1)前記ネット状部材と前記ロープ状部材とを一緒に前記圃場から回収する回収装置と、(2)前記回収装置により回収された前記ネット状部材と前記ロープ状部材とを巻き取ると共に、前記球根を落下させる巻取落下装置と、(3)落下してくる前記球根を受け取る受取装置と、を備えたことを特徴とする球根収穫装置であっても良い。これにより、圃場に埋め込まれたネット状部材が破損した場合であっても、球根収穫時において、ネット状部材とロープ状部材とを一緒に圃場から回収するので、その巻取り作業に支障をきたさない様にすることが出来る。
また、この構成の球根収穫装置の場合、前記巻取落下装置は、例えば、(1)前記回収装置により回収された前記ネット状部材と前記ロープ状部材とを分離すると共に、前記球根を落下させる分離部と、(2)前記分離部により分離された前記ネット状部材を巻き取る第1巻取部と、(3)前記分離部により分離された前記ロープ状部材を巻き取る第2巻取部と、を有する構成であっても良いし、或いは、前記巻取落下装置は、例えば、(1)前記回収装置により回収された前記ネット状部材から前記球根を落下させる落下部と、(2)前記落下部により前記球根が落下された前記ネット状部材を、前記ロープ状部材と共に巻き取る巻取部と、を有する構成であっても良い。
また、上記実施の形態では、本発明における球根の一例としてチューリップの球根15を収穫する場合について説明したが、これに限らず例えば、他の植物の球根であっても良い。