JP2019030222A - 培養容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】培養容器において、機械的な作用による培養面の破損等の発生を抑制すること。
【解決手段】容器本体3は主面3a1と溝3a2と凸部3c1と凸部3c2とを備え、溝3a2は主面3a1に設けられ、凸部3c1は、溝3a2に設けられ、主面3a1の上に突出し、主面3a1における溝3a2の開口3a21の縁3a22に設けられ、縁3a22に沿って延びており、主面3a1の上から見て開口3a21を囲んでおり、凸部3c2は、主面3a1に設けられ、主面3a1の縁3a11と開口3a21との間に配置され、フィルム5は、主面3a1の上に配置され、開口3a21と凸部3c2とを覆い、凸部3c1の端面3c11と凸部3c2の端面3c21とに接合され、開口3a21は、主面3a1の上の空間に対し凸部3c1とフィルム5との接合によって気密に封止されている。
【選択図】図1
【解決手段】容器本体3は主面3a1と溝3a2と凸部3c1と凸部3c2とを備え、溝3a2は主面3a1に設けられ、凸部3c1は、溝3a2に設けられ、主面3a1の上に突出し、主面3a1における溝3a2の開口3a21の縁3a22に設けられ、縁3a22に沿って延びており、主面3a1の上から見て開口3a21を囲んでおり、凸部3c2は、主面3a1に設けられ、主面3a1の縁3a11と開口3a21との間に配置され、フィルム5は、主面3a1の上に配置され、開口3a21と凸部3c2とを覆い、凸部3c1の端面3c11と凸部3c2の端面3c21とに接合され、開口3a21は、主面3a1の上の空間に対し凸部3c1とフィルム5との接合によって気密に封止されている。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、細胞を培養するために用いる培養容器に関するものである。
近年、再生医療に対する研究開発が進められている。再生医療では、組織や臓器が細胞培養によって人工的に造られる。細胞の培養には、細胞培養施設が用いられる。この細胞培養施設は、例えばGMP(Good Manufacturing Practice)等の予め設定された基準を充足する。そして、人工多能性幹細胞(iPS細胞)や胚性幹細胞(ES細胞)等を培養する場合、ディッシュ、フラスコ等の開放系の培養容器が用いられ、人の手を介して行われるピペッティングによって当該培養容器内に細胞懸濁液や培地等の液体が導入され、このピペッティングによって当該培養容器内から液体や細胞が回収される。このような開放系の培養容器では、開蓋時に培養容器内の空間が外気と通じるので、細菌・ウィルス等の外界からのコンタミネーションの問題がある。開放系の培養容器についての上記問題点を補うものとして、閉鎖系の培養容器が知られている(例えば特許文献1)。
特許文献1に開示された培養容器は、単一の培養容器のみでリンパ球の活性化および増殖を効率的に行うことを目的としたものとなっている。この培養容器は、リンパ球を培養するための培養容器であり、例えば100[μm]程度の厚みのポリエチレンのガス透過性フィルムからなり、対向する培養容器内面の片方の面のみに抗体が固相化されて固相化面と非固相化面とが備えられ、固相化面において、抗体が固相化されている。この培養容器にリンパ球および培養液を封入し、培養容器における固相化面が底面になるように培養容器を配置してリンパ球を活性化させ、次いで培養容器を反転し、培養容器における非固相化面が底面になるように培養容器を配置してリンパ球を増幅させる。
特許文献1で用いられる培養容器は、ポリエチレンから成り100[μm]程度の厚みのフィルムによって構成されている。細胞は、当該培養容器内に封入され、当該培養容器の内面(培養面)で培養される。当該培養容器を用いた細胞の培養中には、当該培養容器自体が載置台の表面に直接に接触する。しかし、当該培養容器の厚みが比較的に薄いので、このような場合に当該培養容器には、この載置台との接触等の機械的な作用によって、破損等が容易に生じる可能性がある。したがって、培養容器において、機械的な作用による培養面の破損等の発生を抑制することが必要となっている。
一態様においては培養容器が提供される。
この培養容器は、容器本体とフィルムとを備える。容器本体は、主面と溝と第1の凸部と第2の凸部とを備える。主面は、平坦である。溝は、主面に設けられている。第1の凸部は、主面に設けられており、主面の上に突出しており、主面における溝の開口の第1の縁に設けられており、第1の縁に沿って延びており、主面の上から見て開口を囲んでいる。第2の凸部は、主面に設けられており、主面の第2の縁と開口との間に配置されている。フィルムは、主面の上に配置されており、開口と第2の凸部とを覆い、第1の凸部の第1の端面と第2の凸部の第2の端面とに接合されている。開口は、主面の上の空間に対し第1の凸部とフィルムとの接合によって気密に封止されている。従って、フィルムが容器本体から剥がされる向きに機械的な作用がフィルムに加えられる場合であっても、当該作用がフィルムと溝の開口の第1の縁に設けられた第1の凸部の第1の端面との接合に加えられる前に、フィルムと第2の凸部の第2の端面との接合に加えられることとなるので、フィルムと溝の開口の第1の縁に設けられた第1の凸部の第1の端面との接合が、フィルムと第2の凸部の第2の端面との接合によって保護される。
この培養容器は、容器本体とフィルムとを備える。容器本体は、主面と溝と第1の凸部と第2の凸部とを備える。主面は、平坦である。溝は、主面に設けられている。第1の凸部は、主面に設けられており、主面の上に突出しており、主面における溝の開口の第1の縁に設けられており、第1の縁に沿って延びており、主面の上から見て開口を囲んでいる。第2の凸部は、主面に設けられており、主面の第2の縁と開口との間に配置されている。フィルムは、主面の上に配置されており、開口と第2の凸部とを覆い、第1の凸部の第1の端面と第2の凸部の第2の端面とに接合されている。開口は、主面の上の空間に対し第1の凸部とフィルムとの接合によって気密に封止されている。従って、フィルムが容器本体から剥がされる向きに機械的な作用がフィルムに加えられる場合であっても、当該作用がフィルムと溝の開口の第1の縁に設けられた第1の凸部の第1の端面との接合に加えられる前に、フィルムと第2の凸部の第2の端面との接合に加えられることとなるので、フィルムと溝の開口の第1の縁に設けられた第1の凸部の第1の端面との接合が、フィルムと第2の凸部の第2の端面との接合によって保護される。
一実施形態において、容器本体は、第3の凸部を更に備え、第3の凸部は、主面に設けられており、主面の上から見て第2の縁からフィルムの第3の縁までの間に配置されており、主面に対する第3の凸部の高さは、フィルムの厚みと主面に対する第1の凸部の高さとの合計よりも高く、且つ、フィルムの厚みと主面に対する第2の凸部の高さとの合計よりも高い。従って、主面を鉛直方向の下側に向け且つ主面と反対側の面を鉛直方向の上側に向けて培養容器を所定の台上に載置した場合に、当該台の表面には、第3の凸部の端面が接触し、当該台とフィルムとの接触は回避されるので、フィルムは、第3の凸部によって保護される。
一実施形態において、容器本体は、底壁と側壁と第4の凸部とを更に備え、底壁は、裏面と主面とを備え、裏面は、主面の反対側にあり、側壁は、裏面の第4の縁に設けられており、第4の縁に沿って延びており、裏面の上に延びており、裏面の上から見て裏面を囲んでおり、裏面の上に向けてテーパ状に拡がっており、第4の凸部は、側壁の第3の端面に設けられており、裏面の上から見て第3の凸部の外表面に接している。従って、二つの培養容器を互いの主面が重なるように積み重ねた場合に、一方の培養容器の第4の凸部と他方の培養容器の第3の凸部とが互いに接触することとなるので、当該他方の培養容器が当該一方の培養容器に対し主面に平行な方向に移動する(二つの培養容器が主面に平行な方向に互いにずれる)、という事態を回避できる。従って、第4の凸部によって、上記のように積み重ねられた二つの培養容器を主面に平行な方向において安定して重ね置くことができ、さらに、一方の培養容器の側壁(特に、側壁の内側面や、側壁の第3の端面の縁など)がもう一方の培養容器のフィルムの第3の縁に接触することを回避できる。
一実施形態において、第1の凸部は、溝の内面と段差無く接続される内側面を備える。従って、溝と溝の開口の第1の縁に設けられた第1の凸部との接続箇所において段差(凹凸)が形成されていないので、当該接続箇所に細胞等の物質が堆積する事態を回避できる。
以上説明したように、培養容器において、機械的な作用による培養面の破損等の発生を抑制することができる。
図1〜図7を参照して、一実施形態に係る培養容器1の構成を説明する。同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明を省略する。図1は、一実施形態に係る培養容器の構成を示す図であって培養容器の主面側から培養容器を斜視的に見た図であり、図2は、一実施形態に係る培養容器の構成を示す図であって図1に示す培養容器の主面側の構成の一部を分解して見た図であり、図3は、一実施形態に係る培養容器の構成を示す図であって培養容器の裏面側から培養容器を斜視的に見た図であり、図4は、一実施形態に係る培養容器の構成を示す図であって培養容器の主面の上から培養容器を見た図である。また、図5は、一実施形態に係る培養容器の構成を示す図であって図4に示すA−A線に沿った面から培養容器を断面的に見た図であり、図6は、一実施形態に係る培養容器の構成を示す図であって図4に示すB−B線に沿った面から培養容器を断面的に見た図であり図7は、一実施形態に係る培養容器の構成を示す図であって培養容器の側面から培養容器を見た図である。
培養容器1は、例えばiPS細胞、ES細胞等の多能性幹細胞、骨髄間質細胞(MSC:Marrow Stromal Cell)等の軟骨細胞、樹状細胞等の様々な接着性(付着性)細胞を培養する用途に用いることができる。培養容器1は、容器本体3とフィルム5とを備える。容器本体3は、溝部31と、底壁3aと、主面3a1と、縁3a22(第1の縁)と、縁3a11(第2の縁)と、縁3a31(第4の縁)と、溝3a2と、開口3a21と、内面3a23と、裏面3a3と、側壁3bと、端面3c11(第1の端面)と、端面3c21(第2の端面)と、端面3b1(第3の端面)と、端面3c31と、端面3b31と、端面3c41と、入出部3b2と、開口3b21と、スペーサ3b3と、内側面3c12と、外表面3c32と、内表面3c42と、凸部3c1(第1の凸部)と、凸部3c2(第2の凸部)と、凸部3c3(第3の凸部)と、凸部3c4(第4の凸部)と、凹部3dとを備える。フィルム5は、縁5a(第3の縁)と表面5bとを備える。
底壁3aは、板状の形状を有する。底壁3aの主面3a1は、板状の底壁3aの二つの表面のうち一方の表面である。底壁3aの裏面3a3は、主面3a1の反対側にあり、板状の底壁3aの二つの表面のうち主面3a1以外の他の表面である。主面3a1および裏面3a3は、平坦である。主面3a1と裏面3a3とは互いに平行である。
側壁3bは、裏面3a3の縁3a31に設けられている。側壁3bは、縁3a31に沿って延びている。側壁3bは、裏面3a3の上に延びている。側壁3bは、裏面3a3の上から見て裏面3a3を囲んでいる。側壁3bは、裏面3a3の上に向けてテーパ状に拡がっている。底壁3aと側壁3bとは、容器本体3において凹部3dを画成している。
溝3a2は、主面3a1に設けられている。溝3a2は、主面3a1の上から見て、主面3a1において、蛇行した形状を有する。溝3a2の開口3a21は、主面3a1の上から見て、主面3a1において、蛇行している。溝3a2は、内面3a23を備える。溝3a2は、内面3a23によって画成される。溝3a2の深さは、底壁3aの厚みよりも深く、側壁3bの裏面3a3からの高さよりも浅い。溝3a2は、主面3a1の上から見て、二つの端部を備える。溝3a2の二つの端部のそれぞれには、入出部3b2が接続されている。入出部3b2は、開口3b21を備える。開口3b21は、側壁3bに設けられた側壁3bの貫通孔に含まれる。当該貫通孔は、入出部3b2に含まれる。溝3a2は、入出部3b2を介して、開口3b21から外部の空間(具体的には側壁3b上の空間)と連通する。溝部31は、溝3a2を備える。溝部31は、裏面3a3に設けられている。溝部31は、凹部3dに設けられている。溝部31は、裏面3a3から裏面3a3の上に突出している。入出部3b2と溝部31(溝3a2)との接続部分は、凹部3dに設けられている。
スペーサ3b3は、裏面3a3に設けられている。スペーサ3b3は、凹部3dに設けられている。スペーサ3b3は、裏面3a3から裏面3a3の上に突出している。スペーサ3b3は、端面3b31を備える。スペーサ3b3は、主面3a1の上から見て、凸部3c3の端面3c31と重なる位置に設けられている。すなわち、凸部3c3の端面3c31と、スペーサ3b3の端面3b31とは、主面3a1の上から見て、互いに重なる。
凸部3c1は、主面3a1に設けられている。凸部3c1は、主面3a1の上に突出している。凸部3c1は、主面3a1における溝3a2の開口3a21の縁3a22に設けられている。凸部3c1は、縁3a22に沿って延びている。凸部3c1は、主面3a1の上から見て、開口3a21を囲んでいる。凸部3c1は、溝3a2の内面3a23と段差無く接続される内側面3c12を備える。内面3a23と内側面3c12とは滑らかに接続される。内面3a23と内側面3c12とは、一体に設けられており、滑らかに接続されており、互いに同質の面である。
凸部3c2は、主面3a1に設けられている。凸部3c2は、主面3a1の縁3a11と開口3a21との間に配置されている。
凸部3c3は、主面3a1に設けられている。凸部3c3は、主面3a1の上から見て、主面3a1の縁3a11からフィルム5の縁5aまでの間に配置される。凸部3c3は、例えば、主面3a1の上から見て、主面3a1の縁3a11に沿って設けられ得る。
凸部3c4は、側壁3bの端面3b1に設けられている。凸部3c4は、内表面3c42を備える。内表面3c42は、凹部3dの側(培養容器1の内側)に面している。凸部3c4の内表面3c42は、裏面3a3の上から見て、培養容器1の外側に面している凸部3c3の外表面3c32に接している。
フィルム5は、主面3a1の上に配置されている。フィルム5の表面5bは、フィルム5の二つの表面の一方であり、溝3a2の凸部3c1の端面3c11に接合しているフィルム5の他方の表面の反対側にある。フィルム5は、開口3a21と凸部3c2とを覆う。フィルム5は、凸部3c1の端面3c11と凸部3c2の端面3c21とに接合されている。主面3a1に対する凸部3c3の高さは、フィルム5の厚みと主面3a1に対する凸部3c1の高さとの合計よりも高く、且つ、フィルム5の厚みと主面3a1に対する凸部3c2の高さとの合計よりも高い。フィルム5と溝3a2の凸部3c1の端面3c11との接合によって、溝3a2の内側は、主面3a1の上側の空間に対し気密に封止される。溝3a2の開口3a21の全体は、主面3a1の上の空間に対し凸部3c1とフィルム5とによって気密に封止される。また、開口3b21に例えば医療用の開閉弁等を取り付けてルアーロック等のように開口3b21を気密に閉じた場合、フィルム5と溝3a2とによって画成される空間(第1の空間)、および、当該空間に連通する入出部3b2の内部の空間(第2の空間)は、何れも、培養容器1の外部に対し気密に閉じられており、よって、上記の第1および第2の空間内に細胞懸濁液が予め収容されている場合には、この細胞懸濁液が上記の第1および第2の空間の外部に漏れ出ることはない。なお、フィルム5と凸部3c1および凸部3c2との接合は、接着剤を使用せずに、例えば、超音波融着、熱融着等によって成されたものである。
以下、一実施形態に係る培養容器1の主要な構成の一例をより具体的に説明する。一実施形態においては、容器本体3およびフィルム5の材質は、高光透過性を有する樹脂、例えばポリスチレン等を含み得る。容器本体3およびフィルム5が光透過性を有する場合、培養容器1の溝3a2内において培養中の細胞を、培養容器1の外部から光学的に観察することが容易となる。容器本体3は、例えば射出成形により一体に形成され得る。
容器本体3の底壁3aは、板状の形状を有し得る。底壁3aは、主面3a1の上から見て略長方形の形状を有し得る。側壁3bは、底壁3aの裏面3a3から一定の高さを有し得る。側壁3bは、裏面3a3の上から見て、裏面3a3の縁3a31の延びている方向において、閉じた形状を有し得る。側壁3bは、裏面3a3の上から見て、裏面3a3を囲んでいる。
フィルム5は、主面3a1の上から見て、略長方形の形状を有し得る。フィルム5は、適度なガス透過性を有し得る。フィルム5の厚みは、例えば30〜300[μm]の程度であり得る。これにより、培養中の細胞に酸素ガス等のガスを供給することが容易となる。なお、培養容器1において嫌気性の細胞を培養する場合には、フィルム5は、ガス不透過性を有し、この場合、フィルム5の厚みは、例えば2000〜3000[μm]の程度であり得る。
凸部3c2は、フィルム5の縁5aに沿って(例えば、フィルム5の縁5aに沿い、且つ、主面3a1の上から見て略長方形の形状を有しているフィルム5の各頂点の箇所に)、配置され得る。凸部3c3は、主面3a1の縁3a11に沿って(例えば、主面3a1の縁3a11に沿い、且つ、主面3a1の中心に対し点対称に)配置され得る。従って、底壁3aを鉛直方向の下側に向け、且つ、凹部3dを鉛直方向の上側に向けて、培養容器1を所定の台上に載置した場合に、培養容器1は、当該台上において凸部3c3によって安定に支えられる。
更に、図5〜図7に示す基準面SH1〜SH5、および、基準面SO1を用いて、一実施形態における培養容器1の構成を説明する。基準面SH1〜SH5,SO1は、培養容器1の構成の説明のために培養容器1に対して便宜上設けた仮想的な平面である。基準面SH1〜SH5は互いに平行であり、基準面SO1は基準面SH1〜SH5に直交する。裏面3a3の側から主面3a1の側に向かう方向において、基準面SH5の上に基準面SH4が配置され、基準面SH4の上に基準面SH3が配置され、基準面SH3の上に基準面SH2が配置され、基準面SH2の上に基準面SH1が配置されている。底壁3aの主面3a1は、基準面SH3にある。凸部3c3の端面3c31は、基準面SH1にある。フィルム5の表面5bは、基準面SH2にある。側壁3bの端面3b1は、基準面SH4にある。スペーサ3b3の端面3b31は、基準面SH4にある。凸部3c4の端面3c41は、基準面SH5にある。培養容器1の外側に面している凸部3c3の外表面3c32は、基準面SO1にある。培養容器1の内側(凹部3dの側)に面している凸部3c4の内表面3c42は、基準面SO1にある。
主面3a1(基準面SH3)の上に向かって、基準面SH2、基準面SH1は、この順に配置される。基準面SH3と基準面SH1との間の距離は、基準面SH3と基準面SH2との間の距離よりも長い。基準面SH3には主面3a1が重なり、基準面SH1には凸部3c3の端面3c31が重なり、基準面SH2にはフィルム5の表面5bが重なる。従って、主面3a1に対する凸部3c3の高さ(基準面SH3と基準面SH1との間の距離)は、フィルム5の厚みと主面3a1に対する凸部3c1の高さとの合計よりも高く、且つ、フィルム5の厚みと主面3a1に対する凸部3c2の高さとの合計よりも高い(基準面SH3と基準面SH2との間の距離よりも高い)。
二つの培養容器(第1の培養容器1および第2の培養容器1)を互いの主面3a1が重なるように積み重ねる場合であって、第1の培養容器1の凹部3dの側から、第1の培養容器1の上に、第2の培養容器1を、第1の培養容器1と同じ向きに重ねて配置する場合に、第1の培養容器1の基準面SH4が、第2の培養容器1の基準面SH1と重なる。この場合、第2の培養容器1の凸部3c3の端面3c31は、第1の培養容器1のスペーサ3b3の端面3b31に接触する。第1の培養容器1の基準面SO1は、第2の培養容器1の基準面SO1と重なり、第1の培養容器1の基準面SO1にある第1の培養容器1の凸部3c4の内表面3c42は、第2の培養容器1の基準面SO1にある第2の培養容器1の凸部3c3の外表面3c32と接触する。第2の培養容器1のフィルム5は、第1の培養容器1の何れに対しても接触しない。
以上説明した一実施形態に係る培養容器1では、フィルム5が容器本体3から剥がされる向きに機械的な作用がフィルム5に加えられる場合であっても、当該作用がフィルム5と溝3a2の開口3a21の縁3a22に設けられた凸部3c1の端面3c11との接合に加えられる前に、フィルム5と凸部3c2の端面3c21との接合に加えられることとなるので、フィルム5と溝3a2の開口3a21の縁3a22に設けられた凸部3c1の端面3c11との接合が、フィルム5と凸部3c2の端面3c21との接合によって保護される。
また、主面3a1を鉛直方向の下側に向け且つ主面3a1と反対側の裏面3a3を鉛直方向の上側に向けて培養容器1を所定の台上に載置した場合に、当該台の表面には、凸部3c3の端面3c31が接触し、当該台とフィルム5との接触は回避されるので、フィルム5は、凸部3c3によって保護される。
また、二つの培養容器(上記した第1の培養容器1および第2の培養容器1という。)を互いの主面3a1が重なるように積み重ねた場合、より具体的には、第2の培養容器1が第1の培養容器1の凹部3dの側において第1の培養容器1に互いの主面3a1が重なるように積み重ねて配置されている場合には、第1の培養容器1の凸部3c4と第2の培養容器1の凸部3c3とが互いに接触することとなるので、第2の培養容器1が第1の培養容器1に対して主面3a1に平行な方向に移動する(第1の培養容器1および第2の培養容器1が主面3a1に平行な方向に互いにずれる)、という事態を回避できる。従って、凸部3c4によって、上記のように積み重ねられた二つの培養容器1を主面3a1に平行な方向において安定して重ね置くことができ、さらに、第1の培養容器1の側壁3b(特に、側壁3bの内側面や、側壁3bの端面3b1の縁など)が第2の培養容器1のフィルム5の縁5aに接触することが回避できる。
また、凸部3c1の内側面3c12は、溝3a2の内面3a23に段差無く接続されるので、溝3a2と溝3a2の開口3a21の縁3a22に設けられた凸部3c1との接続箇所において段差(凹凸)が形成されていないので、当該接続箇所に細胞等の物質が堆積する事態を回避できる。
上記構成の培養容器1の用法の一例の概略を以下に示す。溝3a2内には、入出部3b2の開口3b21を介して、液体(細胞が分散された液体、培養液、剥離剤、リン酸緩衝生理食塩水(PBS:Phosphate Buffered Saline)等)が流入され、開口3b21が気密に閉じられた状態で、当該液体が外部に漏れ出ることなく溝3a2内に良好に収容される。培養容器1は、細胞の培養中には、凹部3dが鉛直方向の上側に開口され、フィルム5が鉛直方向の下側に向くように、配置される。この場合、溝3a2の内側に面したフィルム5の表面に細胞が播種されると共に培養される。溝3a2内に細胞懸濁液(例えば、iPS細胞が分散された細胞懸濁液等)が流入される前において、溝3a2の内面3a23および凸部3c1の内側面3c12には、細胞非接着コーティングが施され、溝3a2の内側に面するフィルム5の表面(表面5bの反対側にある表面)には、細胞外マトリックス(ECM:Extra Cellular Matrix)が塗布される。
以上、好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
例えば、主面3a1の上から見た底壁3aおよびフィルム5(フィルム5の表面5b)の形状は、略長方形(四角形)に限らず、三角形や、五角形以上の他の任意の多角形であり得る。また、スペーサ3b3の形状および配置は、上記説明したものに限らず、上記説明した機能と同様の機能を奏するものであれば、他の形状および他の配置であり得る。
また、凸部3c2,3c3,3c4のそれぞれは、何れも、図1〜図7に示すように複数の部分(複数体)から成るものとしたが、これに限らず、一体として設けられたものであり得る。凸部3c2は、主面3a1の上から見て、例えば、溝3a2の開口3a21の全体を囲むように主面3a1に延在する一体形状であり得る。凸部3c3は、主面3a1の上から見て、主面3a1を囲むように、主面3a1の縁3a11に沿って延在する一体形状であり得る。この場合、主面3a1の上から見て、凸部3c3によって囲まれる領域には、溝3a2、開口3a21、凸部3c1、凸部3c2が全て含まれる。凸部3c4は、例えば、裏面3a3の上から見て、裏面3a3を囲むように側壁3bの端面3b1に沿って延在する一体形状であり得る。この場合、裏面3a3の上から見て、凸部3c4によって囲まれる領域には、溝部31が含まれる。
1…培養容器、3…容器本体、31…溝部、3a…底壁、3a1…主面、3a11…縁(第2の縁)、3a2…溝、3a21…開口、3a22…縁(第1の縁)、3a23…内面、3a3…裏面、3a31…縁(第4の縁)、3b…側壁、3b1…端面(第3の端面)、3b2…入出部、3b21…開口、3b3…スペーサ、3b31…端面、3c1…凸部(第1の凸部)、3c11…端面(第1の端面)、3c12…内側面、3c2…凸部(第2の凸部)、3c21…端面(第2の端面)、3c3…凸部(第3の凸部)、3c31…端面、3c32…外表面、3c4…凸部(第4の凸部)、3c41…端面、3c42…内表面、3d…凹部、5…フィルム、5a…縁(第3の縁)、5b…表面、SH1…基準面、SH2…基準面、SH3…基準面、SH4…基準面、SH5…基準面、SO1…基準面。
Claims (4)
- 容器本体とフィルムとを備え、
前記容器本体は、主面と溝と第1の凸部と第2の凸部とを備え、
前記主面は、平坦であり、
前記溝は、前記主面に設けられており、
前記第1の凸部は、前記主面に設けられており、該主面の上に突出しており、該主面における前記溝の開口の第1の縁に設けられており、該第1の縁に沿って延びており、該主面の上から見て該開口を囲んでおり、
前記第2の凸部は、前記主面に設けられており、該主面の第2の縁と前記開口との間に配置されており、
前記フィルムは、前記主面の上に配置されており、前記開口と前記第2の凸部とを覆い、前記第1の凸部の第1の端面と該第2の凸部の第2の端面とに接合されており、
前記開口は、前記主面の上の空間に対し前記第1の凸部と前記フィルムとの接合によって気密に封止されている、
培養容器。 - 前記容器本体は、第3の凸部を更に備え、
前記第3の凸部は、前記主面に設けられており、該主面の上から見て前記第2の縁から前記フィルムの第3の縁までの間に配置されており、
前記主面に対する前記第3の凸部の高さは、前記フィルムの厚みと該主面に対する前記第1の凸部の高さとの合計よりも高く、且つ、該フィルムの厚みと該主面に対する前記第2の凸部の高さとの合計よりも高い、
請求項1に記載の培養容器。 - 前記容器本体は、底壁と側壁と第4の凸部とを更に備え、
前記底壁は、裏面と前記主面とを備え、
前記裏面は、前記主面の反対側にあり、
前記側壁は、前記裏面の第4の縁に設けられており、前記第4の縁に沿って延びており、該裏面の上に延びており、該裏面の上から見て該裏面を囲んでおり、該裏面の上に向けてテーパ状に拡がっており、
前記第4の凸部は、前記側壁の第3の端面に設けられており、前記裏面の上から見て前記第3の凸部の外表面に接している、
請求項2に記載の培養容器。 - 前記第1の凸部は、前記溝の内面と段差無く接続される内側面を備える、
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の培養容器。
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