JP2019029536A - Iii族窒化物エピタキシャル基板、電子線励起型発光エピタキシャル基板及びそれらの製造方法、並びに電子線励起型発光装置 - Google Patents

Iii族窒化物エピタキシャル基板、電子線励起型発光エピタキシャル基板及びそれらの製造方法、並びに電子線励起型発光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】発光強度の向上又は受光感度の向上を可能にするIII族窒化物エピタキシャル基板及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明によるIII族窒化物エピタキシャル基板の製造方法は、基板上に、AlxGa1−xN井戸層(0<x<1)およびAlyGa1−yN障壁層(x<y≦1)よりなる多重量子井戸構造を具える活性層を形成する成長工程と、前記活性層を露出した状態で、不活性ガス雰囲気下で600℃以上950℃以下の温度範囲でのアニールを行うアニール工程と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、III族窒化物エピタキシャル基板、電子線励起型発光エピタキシャル基板及びそれらの製造方法、並びに電子線励起型発光装置に関し、特に、発光出力の向上を可能にする電子線励起型発光エピタキシャル基板に関するものである。
従来、紫外線は、感光性を有する樹脂の硬化や、物質の検出や組成分析等のセンシング、水や物質表面の殺菌や消毒といった様々な用途に使用されている。III族窒化物エピタキシャル基板は紫外線を放射(発光)または受光する素子の作製に利用される。例えば、電子線を照射する電子線源と、電子線が照射される電子線励起型発光エピタキシャル基板とを備える電子線励起型発光装置が知られている。電子線励起型エピタキシャル基板の活性層に電子線が照射されると電子・正孔対が形成され、電子および正孔が再結合することにより紫外線が放射される。
これまで、電子線励起型エピタキシャル基板から放射される紫外線の発生効率を向上させる幾つかの技術が提案されている。例えば、特許文献1には、電子線を受ける金属層側から紫外光を取り出す基板側に向かって井戸層のバンドギャップを深さ方向に増加させることで、電子線励起による発光強度を増加させる技術が記載されている。
特開2016−15379号公報
上記した特許文献1に記載された技術により、紫外線の発生効率を大きく向上させて発光強度を高めることができる。しかしながら、発光強度の更なる向上が望まれており、それを可能にする技術の確立が希求されている。また、紫外線を高感度に受光可能なIII族窒化物エピタキシャル基板を確立する技術も今後期待される。
そこで、本発明は、発光強度の向上又は受光感度の向上を可能にするIII族窒化物エピタキシャル基板及びその製造方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、発光強度の向上を可能にする電子線励起型発光エピタキシャル基板およびその製造方法並びに電子線励起型発光装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者は不活性ガス雰囲気下で活性層をアニールすることを着想し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の要旨構成は以下のとおりである。
(1)基板上に、AlGa1−xN井戸層(0<x<1)およびAlGa1−yN障壁層(x<y≦1)よりなる多重量子井戸構造を具える活性層を形成する成長工程と、
前記活性層を露出した状態で、不活性ガス雰囲気下で600℃以上950℃以下の温度範囲でのアニールを行うアニール工程と、を備えることを特徴とするIII族窒化物エピタキシャル基板の製造方法。
(2)前記成長工程と前記アニール工程との間に、500℃以下となるまで冷却する冷却工程を更に備える、上記(1)に記載のIII族窒化物エピタキシャル基板の製造方法。
(3)前記アニール工程において、800℃以上900℃以下の温度範囲でアニールを行う、上記(1)または(2)に記載のIII族窒化物エピタキシャル基板の製造方法。
(4)基板上に、AlGa1−xN井戸層(0<x<1)およびAlGa1−yN障壁層(x<y≦1)よりなる多重量子井戸構造を具える活性層を形成する成長工程と、
前記活性層を露出した状態で、不活性ガス雰囲気下で600℃以上950℃以下のアニールを行うアニール工程と、
前記アニール工程後、前記活性層上に金属層を形成する金属層形成工程と、を備えることを特徴とする電子線励起型発光エピタキシャル基板の製造方法。
(5)前記成長工程と前記アニールする工程との間に、500℃以下に冷却する冷却工程を更に備える、上記(5)に記載の電子線励起型発光エピタキシャル基板の製造方法。
(6)基板と、
前記基板上のAlGa1−xN井戸層(0<x<1)およびAlGa1−yN障壁層(x<y≦1)よりなる多重量子井戸構造を具える活性層と、を備えるIII族窒化物エピタキシャル基板であって、
前記活性層の水素濃度の平均値が9×1016atoms/cm以下であることを特徴とするIII族窒化物エピタキシャル基板。
(7)基板と、
前記基板上の、AlGa1−xN井戸層(0<x<1)およびAlGa1−yN障壁層(x<y≦1)よりなる多重量子井戸構造を具える活性層と、
前記活性層上の金属層と、を備える電子線励起型発光エピタキシャル基板であって、
前記活性層の水素濃度の平均値が9×1016atoms/cm以下であることを特徴とする電子線励起型発光エピタキシャル基板。
(8)上記(7)に記載の電子線励起型発光エピタキシャル基板と、
前記電子線励起型発光エピタキシャル基板の金属層に電子線を照射する電子線源と、
を備える紫外線発光装置。
(9)基板と、
前記基板上の、AlGa1−xN井戸層(0<x<1)およびAlGa1−yN障壁層(x<y≦1)よりなる多重量子井戸構造を具える活性層と、を備えるIII族窒化物エピタキシャル基板であって、
220〜245nmの波長範囲内に光吸収ピーク波長を有し、該光吸収ピーク波長での受光感度が0.01A/W以上であることを特徴とするIII族窒化物エピタキシャル基板。
本発明によれば、発光強度の向上又は受光感度の向上を可能にするIII族窒化物エピタキシャル基板及びその製造方法を提供することができる。さらに、本発明によれば、発光強度の向上を可能にする電子線励起型発光エピタキシャル基板およびその製造方法並びに電子線励起型発光装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に従うIII族窒化物エピタキシャル基板の製造方法を説明するフローチャートである。 本発明の好適実施形態に従うIII族窒化物エピタキシャル基板の製造方法を説明するフローチャートである。 本発明の一実施形態に従うIII族窒化物エピタキシャル基板の模式断面図である。 本発明の一実施形態に従う電子線励起型発光エピタキシャル基板の模式断面図である。 実験例1における発明例1および比較例1のCLスペクトルを示すグラフである。 実験例1における発明例1および比較例1の深さ方向における水素濃度を示すグラフである。 実験例2における発明例2の金属層を説明する模式上面図である。 実験例2における発明例2および比較例2の光応答度の応答スペクトルを示すグラフである。 実験例3におけるアニール温度とCL発光強度の向上率との関係を示すグラフである。
(III族窒化物エピタキシャル基板とその製造方法)
以下、図面を参照して本発明について詳しく説明する。図1および図2に本発明の一実施形態に従うIII族窒化物エピタキシャル基板の製造方法のフローチャートを示す。図3は、本発明の一実施形態に従うIII族窒化物エピタキシャル基板の製造方法により得られるIII族窒化物エピタキシャル基板100の模式断面図である。
図1、図3に示すように、本発明の一実施形態によるIII族窒化物エピタキシャル基板100の製造方法は、基板11上に、AlGa1−xN井戸層31(0<x<1)およびAlGa1−yN障壁層32(x<y≦1)よりなる多重量子井戸構造を具える活性層33を形成する成長工程S10と、アニール工程S20と、を備える。図2のフローチャートに示すように、本発明の一実施形態によるIII族窒化物エピタキシャル基板100の製造方法が、成長工程S10とアニール工程S20との間に、冷却工程S15を更に備えることも好ましい。そして、図3はこの製造方法に従い得られるIII族窒化物エピタキシャル基板100の模式断面図を示すものであり、基板11上に設けられた多重量子井戸構造を具える活性層33を備える。なお、図3に示すように、基板11と活性層33との間に、活性層33の結晶性を向上させるための層としてIII族窒化物半導体層14を更に備える形態とするのも好ましい形態である。
さて、このIII族窒化物エピタキシャル基板100の製造方法において、活性層33を露出した状態で、不活性ガス雰囲気下で600℃以上950℃以下の温度範囲内でのアニールを行うアニール工程S20が特に特徴的な工程である。以下、アニール工程S20および所望により行われる冷却工程S15の詳細を説明する。
通常、III族窒化物をエピタキシャル成長させた後に冷却を行う場合、成長させたIII族窒化物の窒素原子抜けを抑制しながら冷却する必要がある。ここで、窒素分子(N)からなる窒素ガス雰囲気下では窒素原子抜けを十分に抑制できない。そのため、III族窒化物の窒素原子抜けの悪影響が起こりやすい温度域(例えば500℃以上)ではV族原料ガスでもあるアンモニア(NH)を流すことにより、アンモニアの分解による窒素原子が存在する雰囲気下で冷却を行うのが一般的である。ただし、このとき、アンモニアの分解により窒素原子と共に水素原子も発生する。本発明では活性層の水素濃度を低減させるために、あえて窒素原子抜けの生じ得る不活性ガス雰囲気下でのアニールを行う。
本明細書における不活性ガス雰囲気とは、窒素ガス若しくは希ガス又は窒素及び希ガスの混合ガスなどが例示され、窒素ガスを用いることが最も好ましい。また、不活性ガス雰囲気には、水素を含まない不活性ガスを用いてもよい。なお、「水素を含まない」とは、許容される水素濃度が一般的な水素ガス検知器の反応レベルである100ppm未満であることをいう。不活性ガス雰囲気の圧力はアニール温度にも拠るが、0.01MPa以上であることが好ましく、0.1MPa以上であることがさらに好ましい。
また、活性層33を露出した状態とは、基板11上に活性層33を形成した後に、活性層33上に他のIII族窒化物層などを設けていない状態を言う。詳細を後述するアニールによる活性層33内の水素濃度を低減するため、アニール時に活性層33の水素濃度の低減を阻害する材料が活性層33を覆っていないことが好ましく、活性層33の上面が露出していることが好ましい。
本工程S20においてアニールを行うとは、活性層33のエピタキシャル成長温度未満である600℃以上950℃以下の温度範囲内において熱処理を行うことであり、10分以上熱処理を行うことが好ましく、14分以上48時間以内の範囲の間、熱処理を行うことがより好ましい。上記温度範囲内で任意に設定した温度をアニール温度とする。なお、アニール中、特定のアニール温度を特定の時間維持することが好ましいが、アニール中の温度は上記温度範囲内で経時変化してもよく、その場合はアニール中の温度の平均値をアニール温度と言う。なお、アニール時間を少なくとも10分以上とするのは、10分未満では発光強度向上の効果を十分得られないことがあるからである。48時間を超えるのは生産性の面で好ましくないからである。ここで、600℃未満のアニールでは、本発明の効果が十分得られず、950℃を超えると950℃以下のアニールに比べて効果が大きく減るため好ましくない。また、800℃以上900℃以下の温度範囲でアニールを行うことが好ましい。800℃〜900℃でアニールを行う場合、アニールに必要な時間は好ましくは10分以上14時間以内である。
ここで、活性層33は、アンドープ層またはSi等のn型ドーパントを含む層であって多重量子井戸構造を具えており、活性層33にMgなどのp型ドーパントは含まれない。そして、上記のとおり、アニール工程S20では活性層33を露出した状態でアニールを行うため、p型ドーパントを含む層がない対象物に対して本発明のアニールが行われる。なお、本明細書において、p型またはn型ドーパントとなり得る不純物元素の濃度が1×1017atoms/cm未満である場合は、不純物が電気的活性に実質的に寄与しないので「アンドープである」とする。
アニール工程S20において行うアニールは、活性層33を成長させた炉内で行う場合と、活性層33を成長させた炉内から別の熱処理炉に移して行う場合と、のいずれであってもよい。いずれの場合でも、基板11上に多重量子井戸構造を具える活性層33を形成する成長工程は1000℃以上の高温で行われるため、成長工程S10の後、アニール工程S20を行う前には冷却が行われることとなる。
別の熱処理炉に移した後にアニール工程S20を行う場合は、アニール温度未満かつIII族窒化物エピタキシャル基板の移設が可能な温度(例えば250℃以下)まで冷却する冷却工程S15が必要となる。一方、活性層33を成長させた炉内にて継続してアニール工程S20を行う場合は500℃以下までの冷却は必須ではないものの、500℃以下まで冷却する冷却工程S15の後に、改めてアニール温度まで昇温させてアニールを行うことがより好ましい。アニール前に500℃以下まで冷却することが好ましい理由は、以下のとおりと推定される。まず、後述の図9に示すように、アニール温度を500℃以下とするとアニール効果が少ない。このことから、アニール効果が得られる600℃以上の中温ゾーンにおいては活性層33中の点欠陥や水素は移動することができるが、500℃以下まで冷却すると冷却工程S15に伴って発生した欠陥や水素の移動が難しくなると予想される。そして、冷却工程S15により500℃以下まで冷却して蓄積した欠陥は、アニール工程S20によって600〜950℃の範囲内に再昇温すると、欠陥および水素は再移動し、消滅または発散する。こうした理由により、アニール処理後に炉から取り出す際の再冷却工程で残る欠陥の量は、アニール前に500℃以下まで冷却していない場合に比べて少なくなり、結果として活性層33内の欠陥や水素濃度がより少なくなると考えられる。この欠陥または水素濃度の低減が、電子線照射した場合に発光強度の大きい活性層33が得られる原因と考えられる。
なお、冷却工程S15における雰囲気ガスは、アニール工程S20と同様に不活性ガス雰囲気でもよいし、アニール工程S20と異なり、アンモニアを含む雰囲気ガスとしてもよい。ただし、窒素抜けを防止するためには、アンモニアを含む雰囲気ガスであることが好ましく、窒素とアンモニアとの混合ガスとすることがより好ましい。
アニール工程S20を経た結果、得られるIII族窒化物エピタキシャル基板100の活性層33の水素濃度は、アニール工程前よりも低減する。そして、活性層33の水素濃度の平均値が9×1016atoms/cm以下となる。なお、本発明において、活性層33の水素濃度はSIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる活性層33の深さ方向の水素濃度である。ただし、活性層33の上面から基板方向に向かって深さ方向にSIMS分析を行う場合、活性層33の両界面、すなわち活性層33の上面と、活性層33およびIII族窒化物半導体層14の境界からそれぞれ0.1μm内側までの値は使用せず、それらの中間域における水素濃度の値から平均値を求めるものとする。
以下、成長工程S10として、基板11上に多重量子井戸構造をもつ活性層33を形成するまでの具体的態様について説明する。説明を単純化するため、活性層33が紫外線を放射する例を用いて説明するが、活性層33が紫外線を吸収する場合も基板11および活性層33として同様の構成を採用することができる。
基板11としては、活性層33において発生した紫外線の波長に対して、透過特性が良好なものであれば特に限定されない。例えば、サファイア基板や窒化アルミニウム(AlN)基板、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)基板、等を用いることができるが、サファイア基板を用いることがコスト面では特に好ましい。サファイア基板は対候性が高くて割れにくく、短波長の紫外域まで高い透過率を有するため、そのまま紫外光源の光取り出し部として使用しやすい。
基板11の厚さは、十分に大きいことが好ましく、具体的には100μm以上2000μm以下とすることが好ましい。より好ましくは、400μm以上1400μm以下である。なお、基板11としてサファイア基板を用いる場合、現在市販されているものの標準的な厚さは、2インチ径のもので430μm、4インチ径のもので650μm、6インチ径のもので1000μmまたは1300μmである。
こうした基板11の光取り出し面である裏側の面に、凹凸を設けることが好ましい。これにより、光取り出し面に到達した紫外線の光取り出し効率をさらに向上させることができる。ここで、凹凸パターンにおける凸部の形状や大きさ等は、光取り出し効率を向上させるものであれば特に限定されない。例えば、凸部を2〜5μm径の半球状・円錐状・多角錐状とすることができる。こうした凹凸は、ドライエッチングによって形成することができる。
基板11がサファイア基板のように活性層33とは異種の材料の基板である場合、基板11と活性層33との間に、活性層33の結晶性を向上させ、かつ、活性層33において発生した紫外線を透過するIII族窒化物半導体層14を介していることが好ましい。この場合、III族窒化物半導体層14のバンドギャップは、活性層33における井戸層31のバンドギャップよりも大きいことが好ましい。例えば、井戸層31よりも高いAl組成をIII族窒化物半導体層14が有することが好ましく、III族窒化物半導体層14がAlNであることが特に好ましい。サファイア基板表面にAlN層が設けられたAlNテンプレート基板のように、III族窒化物半導体層14を予め備えるテンプレート基板21を用いてもよいし、サファイア基板上にIII族窒化物半導体層14をエピタキシャル成長させた後、活性層33を成長させてもよい。なお、基板11が窒化アルミニウム(AlN)基板や窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)基板のように、活性層33と同種の材料の基板である場合、III族窒化物半導体層14を省略してもよい。
特に、活性層33をエピタキシャル成長させる表面が、面刃状転位の密度が低減された、X線回折による(10−12)面の半値幅(Full Width Half Maximum,FWHM)が500秒以下である前記の同種の材料の基板11またはテンプレート基板21を用いることが好ましい。これにより、活性層33内の発光効率に悪影響を及ぼす転位が抑えられ、紫外線の発光強度を大きく向上させることができる。
次に、活性層33について説明する。活性層33は、紫外線を放射する機能を有し、井戸層31と、該井戸層31よりも大きなバンドギャップを有する障壁層32とからなる多重量子井戸構造を具える。これにより、電子線励起により形成された電子・正孔対をバンドギャップのより小さな井戸層31に閉じ込めて、紫外線を効率よく発生させることができる。井戸層31は、AlGaN材料で構成されていることが好ましい。ここで、「AlGaN材料」とは、アルミニウム、ガリウム及び窒素からなる材料であって、式AlGa1−xN(0<x<1)で表される材料を意味する。なお、AlGaN材料は、結晶性向上のためにIn(インジウム)をIII族の組成に対し5%以下含んでいても良く、この場合はAlInGa1−x―zN(0<x<1、0≦z≦0.05)となり、Al組成だけでなくIn組成を含めてバンドギャップを計算する必要がある。
なお、前述のとおり、井戸層31および障壁層32はアンドープであるか、Siドープのいずれかとする。発光効率を向上させるためには井戸層31にSiドープすることが好ましく、この場合のSiドーパントの濃度は、1×1017atoms/cm以上1.2×1018atoms/cm以下とすることが好ましい。
MOCVD法により活性層33を成長させる場合、活性層33における発光領域のAl組成の調整は、供給するIII族元素原料ガスのIII族元素濃度全体(すなわち、Al濃度+Ga濃度)に対するAl原料ガスのAl濃度(気相比という)を調整することにより行うことができる。なお、本発明において「Al組成」とは、単層膜を成長後、単層膜をPL(フォトルミネッセンス)の発光波長により分析してAl組成を算出した値を示す。このAl組成を固相比ともいう。この固相比と気相比とは相関関係があることが知られており、成長時の気相比以外の条件が同じで気相比と固相比との関係が既知であれば、成長時に各々設定した気相比から各々の固相比を算出できる。
活性層33における井戸層31のバンドギャップ(AlGa1−xN(0<x<1)の場合はAl組成x)が、活性層33の最上面側から基板11側に向かって深さ方向に増加することも好ましい。この理由は、特許文献1に記載されているとおりであり、その開示内容全体が参照により本明細書に組み入れられる。
なお、上記したバンドギャップ(Al組成)に関する要件は、活性層33の発光に寄与する井戸層31に対して課されればよく、障壁層32に対して課す必要はない。障壁層32のバンドギャップが井戸層31のバンドギャップよりも大きくなるように設定されればよい。障壁層32はAlGa1−yN(x<y≦1)で表され、最も好ましくはy=1となるAlNである。
活性層33において発生する紫外線の波長は、AlGa1−xN井戸層31を構成するバンドギャップに対応する式Al組成xにより主に決定され、井戸層31のAl組成xを変更することにより、発生する紫外線の波長を所望の値に調整することができる。ここで、AlN及びGaNのバンドギャップはそれぞれ約6.2eV、約3.4eVであるため、Al組成を変更することにより、AlGaN材料のバンドギャップを約6.2eVと約3.4eVとの間で調整することができる。バンドギャップ約6.2eV、約3.4eVに対応する光の波長は、それぞれ約210nm、約365nmであるため、井戸層31のAl組成xを変更することにより、発生する紫外線の波長を約210nmと約365nmとの間で調整することができる。
活性層33の両端(すなわち最上面および基板11側の最下面)は障壁層32であることが好ましい。特に、活性層33の最上面(後述の金属層13を設ける場合は金属層と接する面である)は障壁層32であることが好ましい。なお、活性層33の最上面の障壁層は、他の障壁層とは厚さなどの条件を変えてもよい。
ここで、井戸層31の厚みは、2nm以上4nm以下とすることが好ましい。2nm未満の場合には、井戸層31が薄いため、電子線による十分な励起ができなくなる場合がある。一方、4nmを超えると、いわゆる量子シュタルク効果により、電子と正孔の空間的な分離が生じ、発光効率が低下する場合がある。より好ましくは、2.5nm以上3.5nm以下である。
また、障壁層32の厚みは、1nm以上9nm以下とすることが好ましい。1nm未満の場合には、障壁層32が障壁層として機能せず、電子の閉じ込めが不十分となり、発光効率が低下する場合がある。一方、9nmを超えると、電子線により励起された電子が、井戸層31で発光再結合をする前に欠陥にトラップされ、非発光再結合をしてしまう場合がある。より好ましくは、2nm以上6nm以下である。
図3に示すように、こうして作製されるIII族窒化物エピタキシャル基板100は、基板11と、基板11上のAlGa1−xN井戸層31(0<x<1)およびAlGa1−yN障壁層32(x<y≦1)よりなる多重量子井戸構造を具える活性層33と、を備える。そして、活性層33の水素濃度の平均値が9×1016atoms/cm以下である。また、活性層33は、アンドープまたはSiドープである。後述するように、III族窒化物エピタキシャル基板100を用いて電子線励起型発光エピタキシャル基板200(図4参照)を作製することもできるし、紫外線受光型のエピタキシャル基板を作製することもできる。
(電子線励起型発光エピタキシャル基板とその製造方法)
図4を参照しつつ、本発明の一実施形態による電子線励起型発光エピタキシャル基板の製造方法を説明する。図4は、本発明により得られる電子線励起型発光エピタキシャル基板200を示す図である。本発明の一実施形態による電子線励起型発光エピタキシャル基板200の製造方法は、基板11上に、AlGa1−xN井戸層31(0<x<1)およびAlGa1−yN障壁層32(x<y≦1)よりなる多重量子井戸構造を具える活性層33を形成する成長工程と、活性層33を露出した状態で、不活性ガス雰囲気下で600℃以上950℃以下のアニールを行うアニール工程とを有し、さらに、アニール工程後、活性層33上に金属層13を形成する金属層形成工程を行うことを特徴とする。
活性層33を露出した状態にて不活性ガス雰囲気下でアニールするアニール工程までは、前述のIII族窒化物エピタキシャル基板の製造方法における各工程S10、S15,S20と同様であり、重複する説明を省略する。なお、不活性ガス雰囲気下でアニールするにあたり、活性層33の表面において窒素原子抜けの影響により表面粗さが大きくなり得るものの、その活性層33の表面に、金属層13を直接形成して、電子線の照射面として利用する場合には表面粗さの増大に伴う悪影響はない。むしろ、活性層33の表面に凹凸がある方が金属層13による絶縁破壊の防止に有効となり、反射の効果を高めることが期待できる。
金属層13の形成方法は限定されない。例えば、金属層13は、電子ビーム蒸着法やスパッタ法等により形成することができる。
この金属層13を構成する材料としては、アルミニウム、ロジウム、モリブデン、タングステン等の、波長350nm以下の波長領域の光に対して高い反射率(例えば、0.7以上)を有する材料を用いることができる。また、金属層13の厚さは、電子線の出力や、活性層33及び金属層13の厚さにも依存するが、5nm以上100nm以下とすることが好ましく、30〜50nmとすることが特に好ましい。
このような活性層33上に形成される金属層13は、電子線源の陽極、反射層及びチャージアップ防止層を兼ねるものであり、メタルバックとも呼ばれる。接地させて電子線源(陰極、図示せず)に対する陽極として機能するとともに、照射された電子線を透過させて活性層33に入射させる。さらに、照射された電子線により活性層33に電荷が蓄積されるのを抑制して、活性層33が絶縁破壊するのを防止する。さらにまた、活性層33において発生した光のうち、光取り出し側と反対側(すなわち、金属層13側)に進む光を反射して、光取り出し効率を向上させる。発光ダイオードなどとは異なり、電子線励起型においては電子線が活性層33を発光させるため、この金属層が活性層33に直接接するように形成される。
図4に示すように、こうして作製される電子線励起型発光エピタキシャル基板200は、基板11と、基板11上の、AlGa1−xN井戸層31(0<x<1)およびAlGa1−yN障壁層32(x<y≦1)よりなる多重量子井戸構造を具える活性層33と、活性層33上の金属層13と、を備える。そして、活性層33の水素濃度の平均値が9×1016atoms/cm以下である。
(電子線励起型発光装置)
本発明による電子線励起型発光装置は、前述した本発明による電子線励起型発光エピタキシャル基板と、該電子線励起型発光エピタキシャル基板の金属層の表面に電子線を照射する電子線源とを備える。このような構成とすることにより、活性層33において発生した光を活性層33自身によって吸収されるのを抑制することができ、発光強度を向上させることができる。
なお、電子線源としては、各種の熱電子型電子銃やカーボンナノチューブ陰極、カーボンナノウォール、ナノダイヤモンド等の電界放出型の電子源を用いることができる。コンパクト化や低消費電力的な面で、電界放出型の電子線源がより好ましい。
また、本発明により得られるIII族窒化物エピタキシャル基板は、受光素子用のエピタキシャル基板に供しても好適である。こうしたIII族窒化物エピタキシャル基板は、図1に示すように、基板11と、該基板11上の、AlGa1−xN井戸層31(0<x<1)およびAlGa1−yN障壁層32(x<y≦1)よりなる多重量子井戸構造を具える活性層33と、を備える。そして、220〜245nmの波長範囲内に光吸収ピーク波長を有し、該光吸収ピーク波長での受光感度が0.01A/W以上である。このIII族窒化物エピタキシャル基板100も、図1,2を用いて前述したIII族窒化物エピタキシャル基板の製造方法に従い製造することができる。III族窒化物エピタキシャル基板を受光型とする場合には、活性層33上に金属層を設け、金属材料をニッケル、アルミニウム、亜鉛、銀、金、プラチナ、パラジウム、およびチタンなどの、コンタクト抵抗を低減できる金属を用いた構成とすればよい。なお、電子線励起型発光エピタキシャル基板200では金属層13の側から電子線が照射されるが、これと異なり、受光型の場合は基板11側が紫外光の受光面となる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実験例1)
以下の手順に従い、発明例1に係る電子線励起型発光エピタキシャル基板を作製した。
<1 成長工程>
サファイア基板(直径:2インチ、厚さ:430μm)上に、MOCVD法を用いてAlN単結晶層(厚さ:600nm)を成長させて、窒化物半導体成長用基板としてAlN(0001)テンプレート基板を作製した。AlN層の(10−12)面のX線ロッキングカーブの半値幅は315秒であった。
次に、得られたAlN(0001)テンプレート基板上に、AlNからなる障壁層(厚さ:3nm)を一層成長させた後、AlGa1−xNからなる井戸層(厚さ:3nm)及びAlNからなる障壁層(厚さ:3nm)を100組エピタキシャル成長させて、多重量子井戸構造(MQW)を有する活性層を成長させてエピタキシャル基板を得た。エピタキシャル成長中の成長温度は1150℃、圧力は0.01MPaとし、キャリアガスは水素(H)とした。
ここで、成長工程ではV族原料としてアンモニアガスを用い、III族原料であるTMAガスとTMGガスの流量の調整(気相比の調整)によって井戸層のAl組成xを、表1に示すように活性層の最上面から基板側に向かって階段状に増加するように調整し、また、同一のAl組成を有する井戸層の数(組数)が、基板側に向かって活性層の深さ方向に減少するようにした。障壁層のAl組成yはy=1で固定した。井戸層のエピタキシャル成長中にドーパントガスとしてシランガスを使用し、井戸層にシリコンをドープした。ドープしたシリコンの濃度を2次イオン質量分析法(Secondary Ion Mass Spectrometry、SIMS)により測定したところ、約6×1017/cmであった。
<2 冷却工程>
III族原料ガスの供給を停止して多重量子井戸構造を具える活性層のエピタキシャル成長を終了した後、キャリアガスを水素から窒素に変更して、すぐに降温を開始した。降温開始から15分間はキャリアガス(窒素)と共に、V族の原料ガスであるアンモニアガスの供給を継続した。降温開始から15分で1150℃から500℃まで低下した。15分経過以降は、アンモニアガスの供給を停止して、キャリアガス(窒素)のみの供給とした。降温開始から30分で250℃以下まで低下したのを確認した後、エピタキシャル基板を成長炉から取り出した。
<3 アニール工程>
冷却工程を経たエピタキシャル基板を、アニールが可能な熱処理炉内に配置した。アニール炉内の低温ゾーンに配置して、真空排気しN2置換した後、N2ガスを流しながら炉の昇温を開始した。高温の熱処理ゾーンに設定した領域の炉内温度が目的とするアニール温度に至り、温度が安定したところで、エピタキシャル基板を熱処理ゾーンに移動した。熱処理ゾーンにて一定時間経過した後、基板を低温ゾーンまで引き戻し、その後、炉を降温させた。
本実験例1では、炉内の熱処理ゾーンの設定温度(アニール温度)は850℃とし、炉内雰囲気は窒素、圧力は0.1MPaとした。エピタキシャル基板の温度プロファイルは、200℃から850℃まで約3分で昇温し、850℃で20分間維持され、850℃から500℃まで約2分で冷却された。冷却後、炉内の温度が200℃以下まで低下するまで待って、エピタキシャル基板を炉外へ取り出した。
<4 金属層形成工程>
アニール工程を経たエピタキシャル基板の活性層上に、電子ビーム蒸着法により金属層としてアルミニウム(厚さ:30nm)を形成して、発明例1に係る電子線励起型発光エピタキシャル基板を作製した。
(比較例1)
アニール工程を行わなかった以外は、実施例1と同様とし、比較例1に係る電子線励起型発光エピタキシャル基板を作製した。
発明例1及び比較例1を評価するため、以下の測定を行った。
<電子線励起による発光測定>
内部に電子線源としての電子銃(Kimball Physics社製、型番:EMG-4212)が設けられたチャンバ−内において、金属成膜工程後の電子線励起型発光エピタキシャル基板試料を、その金属層と電子線源とが対向するように配置した。そして、チャンバ−内を排気して圧力が1.5〜4.5×10−5Paの真空状態とした。次に、電子線を照射する金属層を、電流計を介して接地し、電子銃から電子線を照射して、活性層を発光させた。その際、電子の加速電圧は、6.5kVとし、照射電流の値を変化させながら、サファイア基板の光取り出し面側(裏面)に対して、垂直方向に設けられたコサインコレクタを介して、励起された紫外線の発光スペクトルを、分光器(Ocean Optics社製USB2000+、波長:180nm〜850nm)を用いて測定し、照射電流20μAの時における紫外線の波長と発光強度を測定した。なお、分光評価システムは、重水素標準ランプを光源として分光感度校正を施している。発明例1及び比較例1の紫外線の波長と発光強度を図5に示す。
図5より、アニール処理を行った発明例1では、アニール処理を行わない比較例1に比べて発光強度ピークが1.45倍となることが確認できた。同様にして作製した3つのサンプルについてもCL強度を測定したところ、本発明条件に従うことにより平均して1.42倍に発光強度ピークが向上することが確認された。
<SIMSによる水素濃度分析>
発光強度が上昇した原因を調べるために、発明例1(アニール工程あり)と比較例1(アニール工程なし)の金属層形成工程前の状態でのエピタキシャル基板について、SIMS分析を行った。SIMS分析の結果、水素濃度に有意な差が見られた。水素濃度の測定値を平均化処理した後の深さ方向の水素濃度を図6に示す。なお、左端(活性層の最表面)から603nm(0.6μm)までが量子井戸構造(MQW)の範囲である。なお、水素濃度に関して、活性層の最表面から100nm(0.1μm)までと、503〜603nmの範囲は除外するものとし、中間域(101〜502nmの範囲)の平均値を採用するものとする。
SIMS分析による水素濃度の値から、アニール前の水素濃度の平均値は9.0×1016atoms/cmより大きいのに比べて、アニール後の水素濃度の平均値は9.0×1016atoms/cm以下に低下していることが分かる。特にMQWでの水素濃度の低下量が大きく、この領域での水素濃度の低減が発光強度の増加に関係していると考えられる。
(実験例2)
<ダブルショットキーダイオードによる光応答度測定>
実験例1では金属層形成工程において、金属層としてアルミニウムを用いていたところ、これに替えて、ニッケルを抵抗加熱蒸着法により150nmの厚さで成膜し、図7に示す形状の金属層パターンを形成した。なお、内側のNi電極径は直径1.1mmであり、活性層33の露出幅(内側Ni電極および周囲のNi電極間の距離)は0.95mmである。その他の条件は実験例1における発明例1及び比較例1と同様にして、それぞれ発明例2及び比較例2に係るダブルショットキーダイオードを作製した。
発明例2及び比較例2のそれぞれに対して、内側電極のNi電極と、周囲のNi電極とにプローブを当て、キセノンランプ光源による光を、日本分光株式会社製CT-25分光器にて分光し、耐紫外線光ファイバー経由で、200〜400nmの単色光をサファイア基板側から中央の電極部に照射した。それぞれの波長における照射パワーは、別途オフィール社製のPD300-UV光パワーメータにより計測した。光照射時の光電流−電圧特性は、アジレント社製4156C半導体パラメータアナライザーを用いて測定した。照射した光の強度(W)に対する電流(A)の値、すなわち光応答度(Photo Responsivity)を求めた。発明例2と比較例2における光応答度の測定結果を図8に示す。図8から、発明例2では比較例2に比べて光応答度が顕著に向上したことが確認できた。
(実験例3)
実験例1における発明例1ではアニール工程での熱処理ゾーンの温度を850℃としていたところ、これに替えてアニール工程での熱処理ゾーンの温度を300℃、400℃、500℃、600℃、800℃、900℃のそれぞれに変えた以外は、発明例1と同様にして電子線励起型発光エピタキシャル基板を作製した。
こうして作製したアニール工程における熱処理ゾーンの温度(アニール温度)を種々変更したサンプルについて、発明例1と同様にして発光強度を測定した。比較例1(アニール工程なし)に対する発光強度の向上率を、発明例1の結果を含めて図9のグラフに示す。
図9の結果より、アニール工程による発光強度向上の効果を得るには、600〜950℃でアニールすることが好ましく、800〜900℃でアニールすることがさらに好ましいことが分かる。
本発明によるIII族窒化物エピタキシャル基板は、アニール工程を経ることによって、電子線照射による発光強度を向上させることができる。かかるIII族窒化物エピタキシャル基板を使用した電子線励起型発光エピタキシャル基板は、高強度の紫外線を発生させることから、半導体産業、食品産業などの工業分野や環境浄化分野、医療分野において有用である。また、高感度に紫外線を受光することから受光素子への応用も可能である。
11 基板
13 金属層
14 III族窒化物半導体層層
21 テンプレート基板
31 井戸層
32 障壁層
33 多重量子井戸構造
100 III族窒化物エピタキシャル基板
200 電子線励起型発光エピタキシャル基板

Claims (9)

  1. 基板上に、AlGa1−xN井戸層(0<x<1)およびAlGa1−yN障壁層(x<y≦1)よりなる多重量子井戸構造を具える活性層を形成する成長工程と、
    前記活性層を露出した状態で、不活性ガス雰囲気下で600℃以上950℃以下の温度範囲でのアニールを行うアニール工程と、を備えることを特徴とするIII族窒化物エピタキシャル基板の製造方法。
  2. 前記成長工程と前記アニール工程との間に、500℃以下となるまで冷却する冷却工程を更に備える、請求項1に記載のIII族窒化物エピタキシャル基板の製造方法。
  3. 前記アニール工程において、800℃以上900℃以下の温度範囲でアニールを行う、請求項1または2に記載のIII族窒化物エピタキシャル基板の製造方法。
  4. 基板上に、AlGa1−xN井戸層(0<x<1)およびAlGa1−yN障壁層(x<y≦1)よりなる多重量子井戸構造を具える活性層を形成する成長工程と、
    前記活性層を露出した状態で、不活性ガス雰囲気下で600℃以上950℃以下のアニールを行うアニール工程と、
    前記アニール工程後、前記活性層上に金属層を形成する金属層形成工程と、を備えることを特徴とする電子線励起型発光エピタキシャル基板の製造方法。
  5. 前記成長工程と前記アニールする工程との間に、500℃以下に冷却する冷却工程を更に備える、請求項4に記載の電子線励起型発光エピタキシャル基板の製造方法。
  6. 基板と、
    前記基板上のAlGa1−xN井戸層(0<x<1)およびAlGa1−yN障壁層(x<y≦1)よりなる多重量子井戸構造を具える活性層と、を備えるIII族窒化物エピタキシャル基板であって、
    前記活性層の水素濃度の平均値が9×1016atoms/cm以下であることを特徴とするIII族窒化物エピタキシャル基板。
  7. 基板と、
    前記基板上の、AlGa1−xN井戸層(0<x<1)およびAlGa1−yN障壁層(x<y≦1)よりなる多重量子井戸構造を具える活性層と、
    前記活性層上の金属層と、を備える電子線励起型発光エピタキシャル基板であって、
    前記活性層の水素濃度の平均値が9×1016atoms/cm以下であることを特徴とする電子線励起型発光エピタキシャル基板。
  8. 請求項7に記載の電子線励起型発光エピタキシャル基板と、
    前記電子線励起型発光エピタキシャル基板の金属層に電子線を照射する電子線源と、
    を備える紫外線発光装置。
  9. 基板と、
    前記基板上の、AlGa1−xN井戸層(0<x<1)およびAlGa1−yN障壁層(x<y≦1)よりなる多重量子井戸構造を具える活性層と、を備えるIII族窒化物エピタキシャル基板であって、
    220〜245nmの波長範囲内に光吸収ピーク波長を有し、該光吸収ピーク波長での受光感度が0.01A/W以上であることを特徴とするIII族窒化物エピタキシャル基板。
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