JP2019029363A - 接着フィルムの破断方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】接着フィルムを冷却してから破断する場合に、接着フィルムを効率よく冷却できるようにする。【解決手段】複数のストリートSによって区画された領域にデバイスが形成されたウエーハWの裏面Wbに装着された接着フィルムKを、環状のフレームFに装着された保護テープTの表面Taに貼着された状態でストリートSに沿って破断する接着フィルムKの破断方法であって、環状のフレームFを保持するフレーム保持工程と、接着フィルムKのウエーハWが装着されている領域に低温の液体Eを保護テープTを介して接触させる冷却工程と、フレーム保持手段2に保持された環状のフレームFに装着された保護テープTを拡張して接着フィルムKを破断するテープ拡張工程と、を少なくとも備える破断方法である。【選択図】図3
Description
本発明は、デバイスが形成されたウエーハの裏面に貼着された接着フィルムを破断する破断方法に関する。
半導体ウエーハの裏面に貼着された接着フィルムを破断する場合、接着フィルムは柔軟な樹脂からなる基材層及び基材層上の粘着層等からなるため、接着フィルムの基材層側に貼着されている保護テープを拡張して接着フィルムの破断を行おうすると、接着フィルムも伸びてしまい接着フィルム自体を確実に破断することが難しいという問題がある。そこで、フィルム破断時に、接着フィルムが貼着されたウエーハが収容される空間に冷気を送り込み、接着フィルムを冷却しながら伸ばさずに破断する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
しかし、接着フィルムが貼着されたウエーハが収容される空間全体を冷却させるためには、相当の時間と電力を要するという問題がある。したがって、接着フィルムを冷却してから破断する破断方法においては、接着フィルムをより効率よく冷却できるようにするという課題がある。
上記課題を解決するための本発明は、表面に複数のストリートが格子状に形成されているとともに該複数のストリートによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハの裏面に装着された接着フィルムを、環状のフレームに装着された保護テープの表面に貼着された状態で該ストリートに沿って破断する接着フィルムの破断方法であって、該環状のフレームをフレーム保持手段で保持するフレーム保持工程と、該接着フィルムのウエーハが装着されている領域に低温の液体を該保護テープを介して接触させる冷却工程と、該フレーム保持手段に保持された該環状のフレームに装着された該保護テープを拡張して該接着フィルムを破断するテープ拡張工程と、を少なくとも備える破断方法である。
前記冷却工程は、前記接着フィルムのウエーハが装着されている領域にノズルから噴射させた前記低温の液体を前記保護テープを介して接触させると好ましい。
前記冷却工程は、前記接着フィルムのウエーハが装着されている領域に容器に充填された前記低温の液体を前記保護テープを介して接触させると好ましい。
本発明に係る接着フィルムの破断方法は、冷却工程において、接着フィルムのウエーハが装着されている領域に低温の液体を保護テープを介して接触させることで、効率的に接着フィルムを冷却することが可能となり、テープ拡張工程において接着フィルムを伸ばさずに破断することが可能となる。
図1に示すウエーハWは、例えば、母材がシリコンからなる円形状の半導体ウエーハであり、ウエーハWの表面Waには複数のストリートSがそれぞれ直交するように設定されている。そして、ストリートSによって区画された複数の格子状の領域には、図示しないデバイスがそれぞれ形成されている。そして、ウエーハWはストリートSに沿って切削溝等の溝Mが形成されて、デバイスを備える個々のチップCに分割された状態になっている。
このように個々のデバイスチップCに分割されたウエーハWは、例えば先ダイシング法(Dicing Before Grinding)により製造される。先ダイシング法では、回転する切削ブレードでウエーハWの表面Wa側からストリートSに沿ってチップCの仕上がり厚み以上の深さの切削溝を形成し、次いで、ウエーハWの裏面Wbを研削して切削溝を表面Waに露出させることにより、ウエーハWが個々のチップCに分割される。
デバイスチップCに分割されたウエーハWの製造は、先ダイシング法以外にも、例えば、レーザ加工装置と研削装置とを用いて実施するいわゆるSDBG(Stealth Dicing Before Grinding)加工によってなされてもよい。この加工方法は、まず、ウエーハWに対して透過性を有する波長のレーザビームをストリートSに沿って照射して、ウエーハW内部の所定深さの位置に改質層を形成する。その後、ウエーハWの裏面Wbを研削してウエーハWを仕上がり厚みに薄化するとともに、改質層を分割起点として研削圧力によりウエーハWの表面Wa側に亀裂を伸長させることで、ウエーハWを個々のチップCに分割できる。
先ダイシング法又はSDBG加工が施されることで個々のデバイスチップCに分割されたウエーハWの裏面Wbには、例えば、DAF(Die Attach Film)等の円形の接着フィルムKが装着されている。接着フィルムKは、ウエーハWよりも外径が大きくなるように設計されており、その外周部がウエーハWからはみ出している。接着フィルムKは、図1、2に示す破断装置1によって、ウエーハWの格子状のストリートSに沿って破断されることになる。接着フィルムKの下面には、接着フィルムKの外径よりも大きい外径を有する円盤状の保護テープTが貼着されている。
図1、2に示す保護テープTは、機械的外力に対する適度な伸縮性を備えている。保護テープTは、その表面Taの外周部が円形の開口を備える環状のフレームFの下面に貼着されていることで、環状のフレームFに装着された状態になっている。そして、保護テープTの表面Taの中央部に接着フィルムKの下面が貼着されており、表面Waが露出した状態のウエーハWは、環状のフレームFを介したハンドリングが可能な状態になっている。
なお、本発明の破断方法が適用される接着フィルムK上のウエーハWは、図1に示すように個々のチップCに分割されている状態でなく、ストリートSに沿って内部に改質層が形成されているような分割前の状態であってもよい。
なお、本発明の破断方法が適用される接着フィルムK上のウエーハWは、図1に示すように個々のチップCに分割されている状態でなく、ストリートSに沿って内部に改質層が形成されているような分割前の状態であってもよい。
図1、2に示す破断装置1は、保護テープTを拡張させるときの力を利用して、ウエーハWのストリートSに沿って接着フィルムKを格子状に破断する装置であり、例えば、環状のフレームFを保持するフレーム保持手段2と、フレーム保持手段2に保持された環状のフレームFに装着された保護テープTを拡張して接着フィルムKを破断するテープ拡張手段3と、接着フィルムKのウエーハWが装着されている領域に低温の液体を保護テープTを介して接触させる冷却手段4と、を少なくとも備えている。
フレーム保持手段2(図1参照)は、例えば、平面視矩形状の第1の保持部材21と、第1の保持部材21と共に上下方向両側から環状のフレームFを挟持固定する第2の保持部材22とを備えている。この第1の保持部材21と第2の保持部材22とは、例えばSUSなどの金属材料からなり、上下に対向した状態で配置されており、その中央部には、環状のフレームFの開口と略同径の開口部211、221がそれぞれ形成されている。
そして、図2に示すように、環状のフレームFは、第1の保持部材21と第2の保持部材22との間に、環状のフレームFの開口、第1の保持部材21の開口部211、及び第2の保持部材22の開口部221の中心を合わせた状態で配置され、第1の保持部材21及び第2の保持部材22によって上下から挟まれて固定される。第1の保持部材21の下面中の開口部211の周囲の一領域と第2の保持部材22の上面中の開口部221の周囲の一領域とが、環状のフレームFを挟持する挟持面として機能する。また、第1の保持部材21及び第2の保持部材22は、図示しないロック手段により環状フレームFを挟持固定した固定位置でロックされる。
図1、2に示すテープ拡張手段3は、保護テープTの拡張時に保護テープTに下方から当接する円筒状の拡張ドラム30と、拡張ドラム30を上下動させる例えば4つの昇降機構31(図1においては3つのみ、図2においては2つのみ図示)とを備えている。図2に示すように、拡張ドラム30は、例えば、円筒状の筒部300と、筒部300の下端側において径方向外側に延出されたフランジ部301と、筒部300の上端部に取り付けられた複数のローラー302とを備えている。筒部300の外径は、例えば、環状フレームFの開口の直径よりも小さく、かつ、接着フィルムKの外径よりも大きく形成されている。図2に示すように、筒部300の中心と第2の保持部材22の開口部221の中心とは略合致している。ローラー302は、保護テープTを下方から押圧して拡張する際に生じる摩擦抵抗を軽減させ、拡張力を均等に作用させる役割を果たす。
周方向に所定の間隔をおいて均等に配設された各昇降機構31は、例えばエアシリンダであり、内部に図示しないピストンを備える筒状のシリンダチューブ310と、シリンダチューブ310に挿入され下端がピストンに取り付けられたピストンロッド311とを備える。ピストンロッド311の上端は、拡張ドラム30のフランジ部301の下面に固定されている。シリンダチューブ310にエアが供給(または、排出)されシリンダチューブ310内の圧力が変化することで、ピストンロッド311が上下動し、拡張ドラム30も上下動する。
テープ拡張手段3が保護テープTに作用しない待機状態のときには、昇降機構31によって、拡張ドラム30の上端となるローラー302が第2の保持部材22の保持面(上面)よりも下方となる高さ位置に位置付けられている。
テープ拡張手段3が保護テープTに作用しない待機状態のときには、昇降機構31によって、拡張ドラム30の上端となるローラー302が第2の保持部材22の保持面(上面)よりも下方となる高さ位置に位置付けられている。
図1、2に示すように、第1の保持部材21及び第2の保持部材22の下方には、冷却手段4が配設されている。冷却手段4は、例えば、平面視矩形状の外形を備え上方に向かって開口する箱体40と、箱体40内に収容された液体噴射手段41と、液体噴射手段41に低温の液体を供給すると共に液体噴射手段41から噴射された液体を循環させる循環装置42とを備えている。
図2に示すように、第2の保持部材22、テープ拡張手段3、及び冷却手段4が組み合わされた状態において、テープ拡張手段3は、液体噴射手段41を周囲から囲むようにして箱体40内に収容され、第2の保持部材22は箱体40内に立設された支持部材400(図1には不図示)によって支持された状態になる。
液体噴射手段41は、例えば、先端の噴射口が上方に向かって開口している複数のノズル410と、複数のノズル410を支持する支持台411と、支持台411の底面側に配設された回転手段412と、回転手段412の下方に配設され支持台411を昇降させる昇降手段413とを備えている。
複数のノズル410は、支持台411上に支持台411の長手方向に均等な間隔を空けて整列している。
回転手段412は、Z軸方向の軸心を備え支持台411の下面に固定されたスピンドルと、スピンドルを回転駆動するモータとから構成されており、モータがスピンドルを回転させることに伴って、支持台411も回転する。
昇降手段413は、回転手段412のモータが固定されている保持台413aと、保持台413aに連結されたピストンシリンダ413bとを備える。なお、ピストンシリンダ413bの代わりに、ボールネジ及びモータ等から駆動機構を備えてもよい。
昇降手段413は、回転手段412のモータが固定されている保持台413aと、保持台413aに連結されたピストンシリンダ413bとを備える。なお、ピストンシリンダ413bの代わりに、ボールネジ及びモータ等から駆動機構を備えてもよい。
なお、液体噴射手段41は、本実施形態における例に限定されるものではなく、例えば、ノズル410は、デバイスチップCに分割されたウエーハWの外周縁からはみ出さない程度の直径を備える円形の支持台上に周方向及び径方向に等間隔で複数配設されていてもよい。この場合には、液体噴射手段41は回転手段412を備えない構成であってもよい。また、液体噴射手段41は、昇降手段413を備えていない構成としてもよい。
図3に示すように、循環装置42は、冷凍機等からなる温度調整部422によって所定の温度(例えば、−30℃〜10℃程度)に調整された液体Eを、ポンプによって供給管420に対して送出する。液体Eとしては、純水に凝固点降下剤であるエチレングリコール等を混合した不凍液を使用すると好ましい。
供給管420に供給された低温の液体Eは、供給管420に連通する各ノズル410から上方に向かって噴射され、その後、落下して箱体40の底に溜められていく。例えば、箱体40の底には排出管421が連通しており、箱体40に溜められた液体Eは排出管421を通り循環装置42へと戻される。循環装置42は、例えば、フィルター等からなる濾過部423を備えており、循環装置42に戻った液体Eは、濾過部423を通過して混入したゴミ等が濾過され、温度調整部422で再度所定の温度まで冷却され、その後、再度ポンプによって供給管420に対して送出される。
図1、2に示すように、例えば、破断装置1は、第1の保持部材21上を覆う箱状の蓋体7を備えていてもよい。この箱状の蓋体7によって第1の保持部材21の上方には、図2に示す冷却空間71が形成される。例えば、蓋体7の側壁には冷却気体供給管70が貫設されており、この冷却気体供給管70には、図示しない冷却気体供給手段が連通していてもよい。そして、フレーム保持手段2により環状フレームFが保持された状態において、冷却気体供給手段から冷却空間71に冷気を導入することで、接着フィルムKを冷却空間71内の冷気によって冷却できる。なお、破断装置1は蓋体7を備えない構成としてもよい。
(破断方法の実施形態1)
以下に、上述した破断装置1を用いて接着フィルムKを破断する場合の各ステップ及び破断装置1の動作について説明する。
以下に、上述した破断装置1を用いて接着フィルムKを破断する場合の各ステップ及び破断装置1の動作について説明する。
(1)フレーム保持工程
まず、フレーム保持手段2によって環状のフレームFが保持される。即ち、環状フレームFによって支持されているウエーハWの中心と第2の保持部材22の開口部221の中心とが略合致するように、第2の保持部材22の上面上に環状フレームFが載置される。続いて、第2の保持部材22から離れて対向している第1の保持部材21を第2の保持部材22側に向けて下降させることにより、環状フレームFを第1の保持部材21と第2の保持部材22との間に挟持させる。この状態においては、テープ拡張手段3の拡張ドラム30の上端部であるローラー302は、少なくとも、保護テープTの下方に位置している。
まず、フレーム保持手段2によって環状のフレームFが保持される。即ち、環状フレームFによって支持されているウエーハWの中心と第2の保持部材22の開口部221の中心とが略合致するように、第2の保持部材22の上面上に環状フレームFが載置される。続いて、第2の保持部材22から離れて対向している第1の保持部材21を第2の保持部材22側に向けて下降させることにより、環状フレームFを第1の保持部材21と第2の保持部材22との間に挟持させる。この状態においては、テープ拡張手段3の拡張ドラム30の上端部であるローラー302は、少なくとも、保護テープTの下方に位置している。
(2)冷却工程
図3に示すように、昇降手段413が支持台411を上昇させて、ノズル410を保護テープTの下面近傍に位置づける。循環装置42が作動して、供給管420に対して低温(例えば、−30℃〜10℃程度)の液体Eが送出され、各ノズル410から低温の液体Eが上方に向かって噴射される。また、回転手段412が支持台411をZ軸方向の軸心周りに回転させることで、接着フィルムKのウエーハWが装着されている領域全体に低温の液体Eが保護テープTを介して接触する。その結果、接着フィルムKは、例えば、破断可能な所定の温度(例えば、10℃以下)まで冷却される。接着フィルムKを冷却した低温の液体Eは、先に説明したように、箱体40に落下して、循環装置42によって循環する。
なお、図3に示すように、蓋体7の冷却空間71に図示しない冷却気体供給手段から冷気を供給し、冷却空間71を冷却することで、接着フィルムKが低温の液体Eの接触による冷却と共に冷気で冷却されるようにしてもよい。
図3に示すように、昇降手段413が支持台411を上昇させて、ノズル410を保護テープTの下面近傍に位置づける。循環装置42が作動して、供給管420に対して低温(例えば、−30℃〜10℃程度)の液体Eが送出され、各ノズル410から低温の液体Eが上方に向かって噴射される。また、回転手段412が支持台411をZ軸方向の軸心周りに回転させることで、接着フィルムKのウエーハWが装着されている領域全体に低温の液体Eが保護テープTを介して接触する。その結果、接着フィルムKは、例えば、破断可能な所定の温度(例えば、10℃以下)まで冷却される。接着フィルムKを冷却した低温の液体Eは、先に説明したように、箱体40に落下して、循環装置42によって循環する。
なお、図3に示すように、蓋体7の冷却空間71に図示しない冷却気体供給手段から冷気を供給し、冷却空間71を冷却することで、接着フィルムKが低温の液体Eの接触による冷却と共に冷気で冷却されるようにしてもよい。
(3)テープ拡張工程
次いで、図4に示すように、昇降機構31が拡張ドラム30を所定の高さ位置まで上昇させることで、第2の保持部材22の保持面(上面)が拡張ドラム30の上端部より下方の高さ位置に相対的に位置づけられた状態になる。その結果、保護テープTは、拡張ドラム30の上端部で押し上げられて径方向外側に向かって放射状に拡張される。例えば、保護テープTは、その凝固点が接着フィルムKの凝固点よりも低いため、低温の液体Eによって10℃以下まで冷却されても硬化せず、テープ拡張手段3による下方から外力を受けて破断せずに径方向外側に向かって放射状に均等に拡張されていく。
次いで、図4に示すように、昇降機構31が拡張ドラム30を所定の高さ位置まで上昇させることで、第2の保持部材22の保持面(上面)が拡張ドラム30の上端部より下方の高さ位置に相対的に位置づけられた状態になる。その結果、保護テープTは、拡張ドラム30の上端部で押し上げられて径方向外側に向かって放射状に拡張される。例えば、保護テープTは、その凝固点が接着フィルムKの凝固点よりも低いため、低温の液体Eによって10℃以下まで冷却されても硬化せず、テープ拡張手段3による下方から外力を受けて破断せずに径方向外側に向かって放射状に均等に拡張されていく。
一方、接着フィルムKのウエーハWが装着されている領域にも拡張力が作用しているが、この接着フィルムKのウエーハWが装着されている領域は、低温の液体Eによって冷却されて硬化している状態にある。そのため、接着フィルムKのウエーハWが装着されている領域は、柔軟性(伸縮性)が抑制されており、拡張力が加わることでストリートSに沿って破断される。その結果、裏面Wbに接着フィルムKの貼着された個々のデバイスチップCを得ることができる。
なお、ウエーハWが未分割であり、ストリートSに沿って改質層が形成された状態である場合には、保護テープTが拡張されると、ウエーハWにも拡張力が作用する。これにより、接着フィルムKと共に、ウエーハWも改質層が形成されている位置、即ち、ストリートSに沿って破断する。
なお、ウエーハWが未分割であり、ストリートSに沿って改質層が形成された状態である場合には、保護テープTが拡張されると、ウエーハWにも拡張力が作用する。これにより、接着フィルムKと共に、ウエーハWも改質層が形成されている位置、即ち、ストリートSに沿って破断する。
接着フィルムKがストリートSに沿って破断された後、図5に示すように、昇降機構31が拡張ドラム30を所定の高さ位置まで下降させて、拡張ドラム30を保護テープTから離間させると、保護テープTを水平方向に引っ張る力が無くなり保護テープTのテンションが解除される。また、循環装置42による液体Eのノズル410への供給が停止する。
その後、第1の保持部材21と第2の保持部材22とによる環状フレームFの保持が解除されて、環状フレームFによって支持されたウエーハWが破断装置1内から取り出され、エアカーテン等を通過して保護テープTに付着している液体Eが除去される。
その後、第1の保持部材21と第2の保持部材22とによる環状フレームFの保持が解除されて、環状フレームFによって支持されたウエーハWが破断装置1内から取り出され、エアカーテン等を通過して保護テープTに付着している液体Eが除去される。
本発明に係る接着フィルムの破断方法は、冷却工程において、接着フィルムKのウエーハWが装着されている領域に、例えばノズル410から噴射させた低温の液体Eを保護テープTを介して接触させることで、効率的に接着フィルムKを冷却することが可能となり、テープ拡張工程において接着フィルムKを伸ばさずに破断することが可能となる。
なお、本発明に係る接着フィルムの破断方法は上記実施形態に限定されるものではなく、また、添付図面に図示されている破断装置1の構成等についても、これに限定されず、本発明の効果を発揮できる範囲内で適宜変更可能である。
例えば、冷却手段4は、図1、2に示すノズル410から低温の液体Eを噴射させる液体噴射手段41に代えて、図6に示すように低温の液体Eを充填することができる容器45を備える構成としてもよい。容器45は、例えば、平面視円形状となる外形を備えており、上方に向かって開口している。
容器45は、例えば、箱体40内に配設されたピストンシリンダ等の昇降手段46によって、所定の高さ位置まで昇降可能となっている。容器45の内部には、先に説明した循環装置42に接続された供給管420が連通している。
(破断方法の実施形態2)
以下に、上述した容器45を備える破断装置1を用いて接着フィルムKを破断する場合の各ステップ及び破断装置1の動作について説明する。
以下に、上述した容器45を備える破断装置1を用いて接着フィルムKを破断する場合の各ステップ及び破断装置1の動作について説明する。
(1)フレーム保持工程
まず、図6に示すように、環状フレームFによって支持されているウエーハWの中心と第2の保持部材22の開口部221の中心とが略合致するように、第2の保持部材22の上面上に環状フレームFが載置され、次いで、第1の保持部材21が第2の保持部材22側に向けて下降することで、環状フレームFが、第1の保持部材21と第2の保持部材22との間に挟持されて、フレーム保持手段2に保持された状態になる。
まず、図6に示すように、環状フレームFによって支持されているウエーハWの中心と第2の保持部材22の開口部221の中心とが略合致するように、第2の保持部材22の上面上に環状フレームFが載置され、次いで、第1の保持部材21が第2の保持部材22側に向けて下降することで、環状フレームFが、第1の保持部材21と第2の保持部材22との間に挟持されて、フレーム保持手段2に保持された状態になる。
(2)冷却工程
循環装置42が作動して、温度調整部422によって所定の温度(例えば、−30℃〜10℃程度)に調整された低温の液体Eが供給管420に送出され、容器45内に液体Eが溜められていく。容器45内の液体Eが容器45内から溢れ出る状態になったら、図7に示すように、昇降手段46が、容器45を上昇させて、接着フィルムKのウエーハWが装着されている領域に容器45内の液体Eを保護テープTを介して接触させる。その結果、接着フィルムKは、例えば、破断可能な所定の温度(例えば、10℃以下)まで冷却される。容器45内から溢れ出て接着フィルムKを冷却した低温の液体Eは、箱体40に落下して、循環装置42によって循環する。
なお、図7に示すように、蓋体7の冷却空間71に図示しない冷却気体供給手段から冷気を供給し、接着フィルムKが低温の液体Eの接触による冷却と共に冷気で冷却されるようにしてもよい。
また、容器45内への低温の液体Eの供給は、フレーム保持工程を実施する前から開始してもよく、フレーム保持工程と並行して実施してもよい。
循環装置42が作動して、温度調整部422によって所定の温度(例えば、−30℃〜10℃程度)に調整された低温の液体Eが供給管420に送出され、容器45内に液体Eが溜められていく。容器45内の液体Eが容器45内から溢れ出る状態になったら、図7に示すように、昇降手段46が、容器45を上昇させて、接着フィルムKのウエーハWが装着されている領域に容器45内の液体Eを保護テープTを介して接触させる。その結果、接着フィルムKは、例えば、破断可能な所定の温度(例えば、10℃以下)まで冷却される。容器45内から溢れ出て接着フィルムKを冷却した低温の液体Eは、箱体40に落下して、循環装置42によって循環する。
なお、図7に示すように、蓋体7の冷却空間71に図示しない冷却気体供給手段から冷気を供給し、接着フィルムKが低温の液体Eの接触による冷却と共に冷気で冷却されるようにしてもよい。
また、容器45内への低温の液体Eの供給は、フレーム保持工程を実施する前から開始してもよく、フレーム保持工程と並行して実施してもよい。
(3)テープ拡張工程
次いで、図8に示すように、昇降機構31が拡張ドラム30を所定の高さ位置まで上昇させることで、第2の保持部材22の保持面が拡張ドラム30の上端部より下方の高さ位置に相対的に位置づけられた状態になる。例えば、保護テープTは、その凝固点が接着フィルムKの凝固点よりも低いため、容器45内に充填された低温の液体Eにより10℃以下まで冷却されても硬化せず、テープ拡張手段3による下方から外力を受けて破断せずに径方向外側に向かって放射状に均等に拡張されていく。
次いで、図8に示すように、昇降機構31が拡張ドラム30を所定の高さ位置まで上昇させることで、第2の保持部材22の保持面が拡張ドラム30の上端部より下方の高さ位置に相対的に位置づけられた状態になる。例えば、保護テープTは、その凝固点が接着フィルムKの凝固点よりも低いため、容器45内に充填された低温の液体Eにより10℃以下まで冷却されても硬化せず、テープ拡張手段3による下方から外力を受けて破断せずに径方向外側に向かって放射状に均等に拡張されていく。
一方、接着フィルムKのウエーハWが装着されている領域は、液体Eによって冷却されて硬化している状態にある。そのため、接着フィルムKのウエーハWが装着されている領域は、拡張力が加わることでストリートSに沿って破断される。その結果、裏面Wbに接着フィルムKの貼着された個々のデバイスチップCを得ることができる。なお、図8に示すように、昇降機構31が拡張ドラム30を所定の高さ位置まで上昇させることに伴って、昇降手段46が容器45を上昇させることで、テープ拡張中においても、容器45内の液体Eを接着フィルムKのウエーハWが装着されている領域に保護テープTを介して接触させてもよい。または、テープ拡張中においては、容器45内の液体Eが接着フィルムKのウエーハWが装着されている領域に接触しない高さ位置に容器45を位置づけてもよい。
接着フィルムKがストリートSに沿って破断された後、図9に示すように、昇降機構31が拡張ドラム30を所定の高さ位置まで下降させて、拡張ドラム30を保護テープTから離間させて保護テープTのテンションが解除される。また、循環装置42による液体Eの容器45内への供給が停止する。
その後、第1の保持部材21と第2の保持部材22とによる環状フレームFの保持が解除されて、環状フレームFによって支持されたウエーハWが破断装置1内から取り出され、エアカーテン等を通過して保護テープTに付着している液体Eが除去される。
その後、第1の保持部材21と第2の保持部材22とによる環状フレームFの保持が解除されて、環状フレームFによって支持されたウエーハWが破断装置1内から取り出され、エアカーテン等を通過して保護テープTに付着している液体Eが除去される。
本発明に係る接着フィルムの破断方法は、冷却工程において、接着フィルムKのウエーハWが装着されている領域に、例えば容器45に充填された低温の液体Eを保護テープTを介して接触させることで、効率的に接着フィルムKを冷却することが可能となり、テープ拡張工程において接着フィルムKを伸ばさずに破断することが可能となる。
W:ウエーハ S:ストリート C:チップ K:接着フィルム T:保護テープ F:環状のフレーム
1:破断装置
2:フレーム保持手段 21:第1の保持部材 211:開口部
22:第2の保持部材 221:開口部
3:テープ拡張手段 30:拡張ドラム 300:円筒部 301:フランジ部 302:ローラー
31:昇降機構 310:シリンダチューブ 311:ピストンロッド
4:冷却機構
40:箱体 400:支持部材
41:液体噴射手段 410:ノズル 412:回転手段 413:昇降手段
42:循環手段 420:供給管 421:排出管 422:温度調整部 423:濾過部
45:容器 46:昇降手段
7:蓋体 71:冷却空間
E:低温の液体
1:破断装置
2:フレーム保持手段 21:第1の保持部材 211:開口部
22:第2の保持部材 221:開口部
3:テープ拡張手段 30:拡張ドラム 300:円筒部 301:フランジ部 302:ローラー
31:昇降機構 310:シリンダチューブ 311:ピストンロッド
4:冷却機構
40:箱体 400:支持部材
41:液体噴射手段 410:ノズル 412:回転手段 413:昇降手段
42:循環手段 420:供給管 421:排出管 422:温度調整部 423:濾過部
45:容器 46:昇降手段
7:蓋体 71:冷却空間
E:低温の液体
Claims (3)
- 表面に複数のストリートが格子状に形成されているとともに該複数のストリートによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハの裏面に装着された接着フィルムを、環状のフレームに装着された保護テープの表面に貼着された状態で該ストリートに沿って破断する接着フィルムの破断方法であって、
該環状のフレームをフレーム保持手段で保持するフレーム保持工程と、
該接着フィルムのウエーハが装着されている領域に低温の液体を該保護テープを介して接触させる冷却工程と、
該フレーム保持手段に保持された該環状のフレームに装着された該保護テープを拡張して該接着フィルムを破断するテープ拡張工程と、を少なくとも備える破断方法。 - 前記冷却工程は、前記接着フィルムのウエーハが装着されている領域にノズルから噴射させた前記低温の液体を前記保護テープを介して接触させる請求項1に記載の破断方法。
- 前記冷却工程は、前記接着フィルムのウエーハが装着されている領域に容器に充填された前記低温の液体を前記保護テープを介して接触させる請求項1に記載の破断方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017143462A JP2019029363A (ja) | 2017-07-25 | 2017-07-25 | 接着フィルムの破断方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023042263A1 (ja) * | 2021-09-14 | 2023-03-23 | ヤマハ発動機株式会社 | エキスパンド装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01233736A (ja) * | 1988-03-15 | 1989-09-19 | Fujitsu Ltd | 半導体装置の製造方法 |
JP2006049591A (ja) * | 2004-08-05 | 2006-02-16 | Disco Abrasive Syst Ltd | ウエーハに貼着された接着フィルムの破断方法および破断装置 |
JP2013236001A (ja) * | 2012-05-10 | 2013-11-21 | Disco Abrasive Syst Ltd | 板状物の分割方法 |
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2017
- 2017-07-25 JP JP2017143462A patent/JP2019029363A/ja active Pending
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