JP2019026865A - 高濃度に燐を含む脱燐スラグからの燐の分離回収方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高濃度に燐を含む脱燐スラグから浸出法により燐を効率的に分離し、その浸出液から燐を回収することができる、高濃度に燐を含む脱燐スラグからの燐の分離回収方法を提供する。【解決手段】燐酸(P2O5)を5〜12質量%含み、Na2O及びK2Oの少なくとも一方を2質量%以上含む脱燐スラグを、pHが5.0〜6.5の水溶液に浸漬させて、燐を水溶液中に浸出させた後、残渣を分離除去した水溶液のpHを9.5以上とすることにより、水溶液中から燐を回収する。【選択図】図1
Description
本発明は、高濃度に燐を含む脱燐スラグからの燐の分離回収方法に関する。
高炉溶銑には燐が含まれているため、製鋼プロセスではこれを除去する必要がある。一般には、転炉で脱炭精錬を行う時に同時にスラグへ燐を移行させるが、我が国では、脱炭精錬に先立って酸化脱燐精錬を行う溶銑予備処理法も広く用いられている。また、電気炉では、スクラップを溶解して溶鋼とする場合には脱燐の必要はないが、スクラップとともに銑鉄を溶解する場合には、転炉と同じように脱燐精錬を行う。また、その結果、これらの工程で発生するスラグには燐が含まれる。現在、使用されている鉄鉱石を用いた場合の溶銑の燐濃度は0.1%程度であるが、鉱山には鉄の品位は高いものの燐濃度が高い鉱石が大量にあり、試算によればそのような鉄鉱石を用いた場合には、溶銑の燐濃度は現在の2〜3倍になる。この溶銑を脱燐した場合には、スラグ中の燐酸濃度は5%以上になる。
ところで、このようなスラグは溶鋼1トン当たり100 kg程度発生するが、主に、路盤材や土木工事原料として用いられている。しかし、その膨大な発生量に対して需要量は充分ではなく、また建設廃材などの競合材料も多いため、使用されずに製鉄所内に堆積されている量が、今後は増加すると予想されている。スラグの主要な構成酸化物は、CaO、SiO2、FeO、MgO、P2O5であり、その中で、P2O5の含有量を低下することが出来れば、再び脱燐精錬に利用することができる。そのため、スラグからP2O5を除去する方法や、肥料原料である燐酸を製鋼スラグから分離回収する試みが多数提案されている。
製鋼スラグ中の燐は、ダイカルシウム・シリケート(2CaO・SiO2)とトリカルシウム・フォスフェイト(3CaO・P2O5)との固溶体として存在している比率が高いため、この固溶体を、その他の部分と分離する方法が各種考えられている。例えば、固溶体とその他の部分の密度が異なることを利用して、スラグを5℃/分以下の徐冷又は温度保定することで上下2層に分離させる方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、固溶体とその他の部分との磁着力の差を利用して、粉砕後に磁力により選別する方法も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
一方、スラグの水溶性を利用した方法も提案されている。例えば、Na等のアルカリ金属を主成分とするスラグを水に溶解させ、残渣を除去した後に、水溶液中に含有される燐化合物を燐酸カルシウムのようなアルカリ土類金属化合物として沈殿させる方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。また、固溶体と他の相(マトリックス相)との水溶性の差を用いて、固溶体のみを水溶液へ溶解させる方法(浸出法)も開示されている(例えば、特許文献4参照)。
これらの方法とは異なるものに、脱燐スラグを溶銑で溶融還元し、高濃度に燐を含む溶銑と燐を含まないスラグとに分離し、生成した高濃度に燐を含む溶銑を再び脱燐して、高燐スラグとして排出する方法が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
しかし、特許文献1の技術では、燐の分離性が低く、下層においてもP2O5が1%以上含まれるという課題があった。また、特許文献2の技術には、分離の可能性が示されているのみで、実際の分離性が示されてなく、原理的に直径が10μm程度の固溶体相とその他の相とを粉砕で分離することは不可能であるという課題があった。また、特許文献3の技術では、Na等のアルカリ金属を主成分とするスラグが対象であり、一般的に用いられているCaO等を主成分とするスラグでは用いられないという課題があった。また、特許文献4の技術では、マトリックス相の溶解を抑制するために、製鋼スラグを酸化して当該スラグに含まれる酸化鉄をFe2O3又はFe3O4とした上で、pHを6.5以上9.0以下に制御した水溶液へ浸漬しているが、燐の回収率は低く、ヒドロキシアパタイトの溶解度を超えないようにするため、多量の水溶液と酸とが必要になるという課題があった。また、特許文献5の技術では、還元精錬、酸化精錬を繰り返すため、多量のエネルギーが必要になり現実的ではないという課題があった。
そこで、本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、高濃度に燐を含む脱燐スラグから浸出法により燐を効率的に分離し、その浸出液から燐を回収することができる、高濃度に燐を含む脱燐スラグからの燐の分離回収方法を提供することを目的とする。これにより、スラグの浸出残渣を再び鉄鋼製錬に利用することができるとともに、浸出液から回収されたP2O5を肥料用の燐酸源として利用することができる。
前記の目的を達成するために、本発明に係る高濃度に燐を含む脱燐スラグからの燐の分離回収方法は、燐酸(P2O5)を5〜12質量%含み、Na2O及びK2Oの少なくとも一方を2質量%以上含む脱燐スラグを、pHが5.0〜6.5の水溶液に浸漬させて、燐を前記水溶液中に浸出させる第一工程と、前記第一工程後に残渣を分離除去した前記水溶液のpHを9.5以上とすることにより、前記水溶液中から燐を回収する第二工程とを、備えていることを特徴とする。
また、本発明に係る高濃度に燐を含む脱燐スラグからの燐の分離回収方法は、前記第一工程の前に、前記脱燐スラグに含まれる酸化鉄の全濃度に対するFeO濃度の比を0.1以下としてもよい。また、本発明に係る高濃度に燐を含む脱燐スラグからの燐の分離回収方法で、前記脱燐スラグ中には、CaO、SiO2及びP2O5を主成分とする固溶体相が鉱物相として存在し、前記固溶体相の組成におけるCaとPの質量比(Ca/P)が2〜5であってもよい。なお、本発明での脱燐スラグとは、燐酸(P2O5)を質量パーセントで5%以上含む、転炉、溶銑予備処理、電気炉で生成されるスラグである。
本発明により、高濃度に燐を含む脱燐スラグから浸出法により燐を効率的に分離し、その浸出液から燐を回収することができる、高濃度に燐を含む脱燐スラグからの燐の分離回収方法を提供することができる。これにより、スラグの浸出残渣を再び鉄鋼製錬に利用することができるとともに、浸出液からP2O5を回収し、肥料または肥料原料として利用することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明は、脱燐スラグ中で燐が主に含まれる、ダイカルシウム・シリケート(2CaO・SiO2;以下、C2Sと称する)とトリカルシウム・フォスフェイト(3CaO・P2O5;以下、C3Pと称する)との固溶体相と、その他の部分(以下、マトリックス相と称する)とで水に対する溶解度が大きく異なるという従来知見に加えて、Na2O及び/又はK2Oを適正濃度で配合することで、固溶体の水に対する溶解性が増し、マトリックスの溶解性は低下するという、本発明者等が見いだした新しい知見に基づく。
本発明は、脱燐スラグ中で燐が主に含まれる、ダイカルシウム・シリケート(2CaO・SiO2;以下、C2Sと称する)とトリカルシウム・フォスフェイト(3CaO・P2O5;以下、C3Pと称する)との固溶体相と、その他の部分(以下、マトリックス相と称する)とで水に対する溶解度が大きく異なるという従来知見に加えて、Na2O及び/又はK2Oを適正濃度で配合することで、固溶体の水に対する溶解性が増し、マトリックスの溶解性は低下するという、本発明者等が見いだした新しい知見に基づく。
浸漬液から燐を回収する場合に、回収物の燐濃度が高くないと、肥料又は肥料原料としての価値がなくなるため、固溶体中のCa/Pを小さくする必要がある。一般に固溶体の水溶性はC2S/C3Pが小さいほど低下するのに対して、Na2O及び/又はK2Oを適正濃度に配合することで、C2S/C3Pが小さい固溶体でも水に溶解できる点が、本発明者らが見いだした新しい知見である。
まず、脱燐スラグに類似させた37mass%CaO−23mass%SiO2−29mass%Fe2O3−6mass%P2O5からなる組成に試薬を混合したスラグと、それにNa2O又はK2Oを4mass%だけ加えたスラグとを、それぞれ白金坩堝で、1800℃で溶解し、溶解後に温度を1350℃まで低下させ、溶融スラグから固溶体を晶出させた。スラグは20分程度、その温度で保持した後に、炉内で徐冷させた。次に、このスラグを57μm以下の粒径に粉砕し、クエン酸によりpHを6.0に制御した常温の水0.4Lに対して、1gをビーカーに添加し、撹拌羽根で混合しつつ水中へ溶出した各イオン濃度を測定した。120分浸漬後の結果を表1に示す。
ここで、溶出率は、溶液中の各元素濃度と溶液量、及び、溶出前のスラグ量とスラグ組成から計算した値である。これより、CaとPの溶出率は、Na2OやK2Oを添加した場合の方が大きく、逆にFeのように、マトリックスを構成する成分の溶出率は低くなっている。スラグの断面組織を走査型電子顕微鏡で分析し、観察された各相の組成をX線プローブマイクロアナライザー(EPMA)で分析することで、スラグ中に含まれる各鉱物相の相分率を、表1のように計算することができた。この結果から、固溶体相が完全に溶解したと仮定したときのリンの溶出率と実験値とを比べることで、固溶体溶解率を計算した結果も、表1に示している。
表1に示すように、Na2OやK2Oを添加した場合には、75%以上の固溶体が溶解していることが明らかである。尚、Na2OやK2Oは、強塩基性酸化物であるため、脱燐精錬中にスラグに添加すれば脱燐反応がより効果的に進むが、精錬後の排滓時に混合しても良い。また、Na2CO3(ソーダ灰)やK2CO3(炭酸カリウム)という工業製品で添加しても、高温でCO2は分解するため、これらは、より安価で望ましい添加物である。さらに、Na2Oは、水ガラス(Na2SiO3)として添加する方法も望ましい。また、Na2OやK2Oに代えて、或いはNa2OやK2Oとともに、LiOを添加することもできる。
本実施形態において、燐を浸出させるためのスラグの好ましい条件は、燐酸(P2O5)を質量パーセントで5〜12%含み、Na2O、K2Oをいずれか又は合計で2質量%以上含むことである。燐酸濃度が低すぎる場合には、次工程で燐を回収するときに効率が悪くなり、燐酸濃度が12%よりも高い場合には、Na2OやK2Oを混合しても水溶性が低くなる。この場合、例えば改質炉を用いて、燐酸濃度を12%以下にすることができる。
Na2O又はK2Oの添加濃度を0〜8mass%の範囲で変化させ、他の条件は表1の場合と同じにして、Pの溶出率を求めた。このときのそれぞれの添加濃度とPの溶出率との関係を、図1に示す。図1に示すように、Na2OとK2Oの作用は同等であるため、いずれか又は合計で2質量%以上含むことが必要で、これより低いと、固溶体の水溶性が低下し、燐の溶出率が低下する。溶出率としての上限はないものの、Na2O及び/又はK2Oの含有率が10質量%以上であれば、効果が飽和する一方、Na2OやK2Oの添加コストが高くなる。
スラグを添加する水のpHを、クエン酸により4〜7の範囲で変化させ、他の条件は表1の場合と同じにして、PおよびFeの溶出率を求めた。このときのpHとPおよびFeの溶出率との関係を、図2に示す。なお、スラグには、Na2Oを4mass%加えている。図2に示すように、pHは、5.0〜6.5が適正であり、低すぎると鉄の溶出率が上がり、これはマトリックスも溶解することを意味する。一方、pHが高すぎると、燐の溶出率が下がり、固溶体の溶解が妨げられていることになる。尚、pHを調整するための酸としては、水溶液中でCaやFeとPとの間で化合物を生成する場合には、化合物の飽和溶解度でPの溶出率が上限となるため、化合物は好ましくなく、化合物ではなく錯体を生成するクエン酸が望ましい。
浸出試験後の溶液をろ過して得た浸出液に対し、Ca(OH)2又はNaOHを添加してpHを11に上昇させたところ、白色の沈殿物が得られた。これを600℃でか焼した結果、表2に示す組成の粉末が得られた。
この粉末をX線回折法により同定した結果、ヒドロキシアパタイト(水酸燐灰石;Ca10(PO4)3(OH)2)であることが確認された。ヒドロキシアパタイトは、弱酸性を示す植物の根の周囲で溶解することから、燐酸肥料として用いることができる。また、ヒドロキシアパタイトは、FeOやAl2O3をほとんど含まないため、高純度の燐鉱石代替品としても使用できる。浸出液中のリン濃度と、アルカリ添加によりpHを上げた後の上済み液中のリン濃度とから析出率を計算した結果を、図3に示す。図中には、スラグ組成(Na2O又はK2O添加)と、pHを上げるために用いたアルカリ(Ca(OH)2又はNaOH)との組み合わせ別に、結果を示している。これより、燐の析出率を高めるのに最適なpHは9.5以上であり、低すぎると、析出率が少なく回収効率が悪い。一方、pHが高くなるほど、析出物中のSiO2濃度が増える。これは、アモロファスシリカの析出によるものである。リン鉱石においては、ケイ酸濃度が高い銘柄を嫌う場合がある上に廃液処理を考えると、できるだけ中性に近い方が低コストであることから、pHは11.5以下にすることが望ましい。
本発明をより効率的に実施するためには、マトリックス相の水溶性を抑制することも大事である。マトリックス相は、スラグの冷却方法によって鉱物相構成が異なる。スラグの冷却が早い場合には、ガラス相が存在する。ガラス相の水溶性は、そこに含まれるFeの価数に大きく影響を受ける。スラグを構成するガラス相のみで行った溶出試験では、酸化鉄がFeOであると非常に溶解しやすく、Fe2O3であればほとんど溶解しなかった。
図4は、スラグを合成する際に、FeOとFe2O3の比率を変えた場合の溶出試験結果である。この実験では、表1の組成でNa2Oを4mass%添加したスラグを用い、それを溶解するときのCO/CO2ガスの混合比を変化させることで、FeOとFe2O3の比率を制御した。また、スラグは炉冷した。その結果、当該スラグに含まれる酸化鉄の全濃度(FeO+FeO3)に対してFeOの比を0.1以下とすることで、Feの溶出(つまりマトリックスの溶出)を抑制でき、かつPの溶出率を高くできることがわかった。一般に、製鋼スラグ中の酸化鉄は、精錬中はFeOであり、冷却中に酸化を受けて一部がFe2O3に変化するが、さらに酸化させるには、例えばスラグに空気を吹き込むような既存技術(例えば、特許文献4等参照)を用いれば良い。
尚、スラグの冷却速度が遅い場合には、ガラス相の比率は小さくなるため、スラグは水冷せずに、自然冷却することが望ましい。
一方、浸出液から燐を高濃度で回収するためには、固溶体の組成(C2S:C3P)が大事である。浸出時には、Ca, Si, Pが固溶体の組成に比例して溶け出し、pHを上げることで、CaHPO4・2H2Oのような水和物として晶出させる必要があるが、水溶液中のCaが多い場合には、クエン酸カルシウム等が晶出して回収物の純度が悪くなるため、固溶体のCa/Pは5以下である必要がある。Ca/Pを低くするには、例えば下水汚泥を添加してやれば良い。一方、Ca/Pが2より小さいと、固溶体中のC3Pの割合が大きくなりすぎ、水への溶解性が悪化する。Ca/Pを高くするには、例えば石灰を添加してやれば良い。
以上のように、沈殿物を回収後、600℃程度に加熱すれば結晶水を除去でき、ヒドロキシアパタイトとして燐を回収することができる。
試薬を37mass%CaO−23mass%SiO2−29mass%Fe2O3−6mass%P2O5−4mass%Na2Oからなる組成に混合して1800℃で溶解し、溶解後に温度を1350℃まで低下し、溶融スラグから固溶体を晶出させた。20分程度、その温度で保持後に炉内で冷却した。このスラグには、FeOは含まれず、固溶体の分率は30%でマトリックスは51%であり、その他、MgO-Fe2O3相が19%であった。次に、このスラグを粒径57μm以下に粉砕し、クエン酸によりpHを6.0に制御した常温の水0.4Lに対して、1gをビーカーに添加し、撹拌羽根で混合しつつ120分間浸出させた。浸出試験後の溶液をろ過して得た浸出液に対し、Ca(OH)2を添加してpHを11に上昇させ、24時間放置した後に上澄み液を分離した。水分を多く含む下層を遠心分離機で脱水後、さらに100℃で水分を蒸発させた。その後、600℃で2時間加熱した。
以上の工程により得られた粉末を、図5に示す。この粉末は、X線回析により、純度の高いヒドロキシアパタイトであることを確認した。スラグに含まれる燐の全質量に対して、浸出で溶液中に溶出した割合は77%で、そのうちヒドロキシアパタイトとして回収された割合は97%であったため、スラグに含まれる燐のうち、75%を回収することができた。
Claims (3)
- 燐酸(P2O5)を5〜12質量%含み、Na2O及びK2Oの少なくとも一方を2質量%以上含む脱燐スラグを、pHが5.0〜6.5の水溶液に浸漬させて、燐を前記水溶液中に浸出させる第一工程と、
前記第一工程後に残渣を分離除去した前記水溶液のpHを9.5以上とすることにより、前記水溶液中から燐を回収する第二工程とを、
備えていることを特徴とする高濃度に燐を含む脱燐スラグからの燐の分離回収方法。 - 前記第一工程の前に、前記脱燐スラグに含まれる酸化鉄の全濃度に対するFeO濃度の比を0.1以下とすることを特徴とする請求項1に記載の高濃度に燐を含む脱燐スラグからの燐の分離回収方法。
- 前記脱燐スラグ中には、CaO、SiO2及びP2O5を主成分とする固溶体相が鉱物相として存在し、
前記固溶体相の組成におけるCaとPの質量比(Ca/P)が2〜5であることを
特徴とする請求項1または2記載の高濃度に燐を含む脱燐スラグからの燐の分離回収方法。
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JP2017143902A JP2019026865A (ja) | 2017-07-25 | 2017-07-25 | 高濃度に燐を含む脱燐スラグからの燐の分離回収方法 |
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