JP2019026830A - インクジェット捺染用インク及びインクジェット捺染用インクセット - Google Patents
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Abstract
Description
には、一定の条件において必要な性能を満足できるようにしたとしても、異なる条件では性能が不十分となる場合が多い。しかもこれらの性能は互いに相関しており、いろいろな条件で特性が総合的に良好なインクジェットインクを得るためには多くの研究が必要であり、単純な設計指針をもって行うことは通常困難である。
酸性染料、反応染料及び直接染料から選ばれる一種以上である水溶性染料と、
全量に対して0.05質量%以上3.0質量%以下のノニオン系界面活性剤と、
全量に対して1質量ppm以上100質量ppm以下のアニオン系界面活性剤と、
を含む。
前記水溶性染料が、RBk39、RY95、RBk5、ABk172、AY79、DB87、AR138及びAV97から選ばれる一種以上であってもよい。
前記アニオン系界面活性剤が、アルキル基を有する芳香族スルホン酸化合物又はその塩であってもよい。
前記アルキル基を有する芳香族スルホン酸化合物又はその塩が、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸及びその塩並びにドデシルベンゼンスルホン酸及びその塩から選ばれる一種以上であってもよい。
前記ノニオン系界面活性剤が、アセチレングリコール系界面活性剤であってもよい。
二種以上のインクからなるインクジェット捺染用インクセットであって、前記インクの一種以上が、上述のインクジェット捺染用インクである。
本実施形態のインクジェット捺染用インク(以下、「インクジェット捺染用インク」、あるいは単に「インク」等ともいう)は、インクジェット法により布帛に付着させて使用される。まず、インクジェット捺染用インクについて説明する。
本実施形態のインクジェット捺染用インクは、酸性染料、反応染料及び直接染料から選ばれる一種以上である水溶性染料を含む。また、本実施形態で用いる水溶性染料は、布帛(繊維)を染色できる染料であるが、染色のメカニズムは特に制限されない。さらにこれらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
C.I.Acid Red 1、6、8、9、13、14、18、19、24、26、27、28、32、35、37、42、51、52、57、62、75、77、80、82、83、85、87、88、89、92、94、95、97、106、111、114、115、117、118、119、127、128、129、130、131、133、134、138、143、145、149、151、154、155、158、168、180、183、184、186、194、198、199、209、211、215、216、217、219、249、252、254、256、257、260、261、262、263、265、266、274、276、282、283、289、299、301、303、305、315、318、320、321、322、336、337、361、396、397等;
C.I.Acid Violet 5、7、11、15、31、34、35、41、43、47、48、49、51、54、66、68、75、78、90、97、103、106、126等;
C.I.Acid Yellow 1、3、7、11、17、19、23、25、29、36、38、39、40、42、44、49、50、59、61、64、70、72、75、76、78、79、98、99、110、111、112、114、116、118、119、127、128、131、135、141、142、143、151、159、161、162、163、164、165、169、174、184、190、195、196、197、199、207、218、219、222、227、246等;
C.I.Acid Blue 1、7、9、15、22、23、25、27、29、40、41、43、45、49、54、59、60、62、72、74、76、78、80、82、83、87、90、92、93、100、102、103、104、106、112、113、114、117、120、126、127、127:1、128、129、130、131、133、138、140、142、143、151、154、156、158、161、166、167、168、170、171、175、181、182、183、184、185、187、192、193、201、203、204、205、207、209、220、221、224、225、229、230、232、239、247、249、258、260、264、271、277、277:1、278、279、280、284、288、290、296、298、300、317、324、326、333、335、338、342、350等;
C.I.Acid Black 1、2、7、24、26、29、31、44、48、50、51、52、52:1、58、60、62、63、64、67、72、76、77、94、107、108、109、110、112、115、118、119、121、122、131、132、139、140、155、156、157、158、159、172、191、194、234等;
C.I.Acid Orange 1、7、8、10、19、20、24、28、33、41、43、45、51、56、63、64、65、67、74、80、82、85、86、87、88、94、95、122、123、124等;
C.I.Acid Green 3、7、9、12、16、19、20、25、27、28、35、36、40、41、43、44、48、56、57、60、61、65、73、75、76、78、79等;
C.I.Acid Brown 2、4、13、14、19、20、27、28、30、31、39、44、45、46、48、53、100、101、103、104、106、160、161、165、188、224、225、226、231、232、236、247、256、257、266、268、276、277、282、289、294、295、296、297、298、299、300、301、302等が挙げられる。
C.I.Direct Red 2、4、9、23、26、31、39、62、63、72、75、76、79、80、81、83、84、89、92、95、111、173、184、207、211、212、214、218、221、223、224、225、226、227、232、233、240、241、242、243、247等;
C.I.Direct Violet 7、9、47、48、51、66、90、93、94、95、98、100、101等;
C.I.Direct Yellow 8、9、11、12、27、28、29、33、35、39、41、44、50、53、58、59、68、86、87、93、95、96、98、100、106、108、109、110、130、132、142、144、161、163等;
C.I.Direct Blue 1、10、15、22、25、41、55、67、68、71、76、77、78、80、84、86、87、90、98、106、108、109、120、151、156、158、159、160、153、168、189、192、193、194、199、200、201、202、203、207、211、213、214、218、225、226、229、236、237、244、248、249、251、252、264、270、280、288、289、291等;
C.I.Direct Black 9、17、19、22、32、51、56、62、69、77、80、91、94、97、108、112、113、114、117、118、121、122、125、132、146、154、166、168、173、195、199等が挙げられる。
C.I.Reactive Yellow 1、2、3、5、11、13、14、15、17、18、20、21、22、23、24、25、26、27、29、35、37、40、41、42、47、51、55、65、67、81、95、116、142、161等;
C.I.Reactive Red 1、3、3:1、4、13、14、17、19、21、22、23、24、24:1、25、26、29、31、32、35、37、40、41、43、44、45、46、49、55、60、66、74、79、96、97、108、141、180、218、226、245等;
C.I.Reactive Violet 1、3、4、5、6、7、8、9、16、17、22、23、24、26、27、33、34等;
C.I.Reactive Blue 1、2、3、5、7、8、10、13、14、15、17、18、19、21、23、25、26、27、28、29、32、35、38、41、49、63、72、75、80、95、190等;
C.I.Reactive Black 1、3、4、5、7、8、11、12、14、17、21、23、26、31、32、34、39等が挙げられる。
しくは1質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは3質量%以上20質量%以下である。
本実施形態のインクジェット捺染用インクは、ノニオン系界面活性剤を含む。ノニオン系界面活性剤としては、アセチレングリコール系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、及びフッ素系界面活性剤を挙げることができる。
ル系アミド、多価アルコール脂肪酸(部分)エステル等を用いてもよい。そのようなノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、脂肪族アルカノールアミド、グリセリンエステル、ソルビタンエステル等が挙げられる。このようなノニオン系界面活性剤の市販品としては、例えば、日油社製:商品名ディスパノールTOC、第一工業製薬社製:商品名アクアロンHS−10、アクアロンKH−05、日本乳化剤社製:商品名ニューコール2308LY等が挙げられる。
本実施形態のインクジェット捺染用インクは、アニオン系界面活性剤を含む。アニオン系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、カルボン酸系、スルホン酸系、硫酸エステル系、リン酸エステル系等の任意の親水性基と、脂肪族、芳香族等の任意の疎水性基とを有する化合物が挙げられる。
ル塩類;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールエーテル硫酸又はその塩類;ラウリル硫酸ナトリウム、高級アルコール硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸又はその塩類;オレイン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、半硬化牛脂脂肪酸ナトリウム等の脂肪酸又はその塩類;ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ジアンモニウム、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸カルシウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等のアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸又はその塩類;芳香族スルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物の塩類;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム等の芳香族スルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物の塩類;ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン酸塩、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸又はその塩類;及びN−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸モノナトリウム等のN−アシルグルタミン酸又はその塩類;等が挙げられる。
1.4.1.水
本実施形態に係るインクジェット捺染用インクは、水を含んでもよい。水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水のような、イオン性不純物を低減したものが挙げられる。また、紫外線照射又は過酸化水素の添加等によって滅菌した水を用いると、インクジェット捺染用インクを長期保存する場合に細菌類や真菌類の発生を抑制することができる。
本実施形態のインクジェット捺染用インクは、含窒素化合物、アルキルポリオール、グリコールエーテル等の有機溶剤を含んでもよい。
含窒素化合物としては例えば、ε−カプロラクタム[136℃]、N−メチル−2−ピロリドン[204℃]、N−エチル−2−ピロリドン[212℃]、N−ビニル−2−ピロリドン[193℃]、2−ピロリドン[245℃]、5−メチル−2−ピロリドン[248℃]等の含窒素複素環式化合物や、尿素、ジメチル尿素等が挙げられる。括弧内の数値は標準沸点を表す。これらの含窒素化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。このような含窒素化合物は、上述した染料を溶解させやすく、かつ、インクジェット捺染用インクの固化や乾燥を抑制するという効果を期待できる。
アルキルポリオールの具体例としては、1,2−プロパンジオール[188℃]、1,2−ブタンジオール[194℃]、1,2−ペンタンジオール[210℃]、1,2−ヘキサンジオール[224℃]、1,2−ヘプタンジオール[227℃]、1,3−プロパンジオール(プロピレングリコール)[210℃]、1,3−ブタンジオール[230℃]、1,4−ブタンジオール[230℃]、1,5−ペンタンジオール[242℃]、1,6−ヘキサンジオール[250℃]、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール[226℃]、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール[230℃]、2−メチル−1,3−プロパンジオール[214℃]、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール[210℃]、3−メチル−1,3−ブタンジオール[203℃]、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール[244℃]、3−メチル−1,5−ペンタンジオール[250℃]、2−メチルペンタン−2,4−ジオール[197℃]、ジエチレングリコール[245℃]、ジプロピレングリコール[232℃]、トリエチレングリコール[287℃]、グリセリン[290℃]等が挙げられる。なお、括弧内の数値は標準沸点を表す。これらのアルキルポリオールは、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
グリコールエーテルとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールから選択されるグリコールのモノアルキルエーテルが好ましい。より好ましくは、メチルトリグリコール(トリエチレングリコールモノメチルエーテル)、ブチルトリグリコール(トリエチレングリコールモノブチルエーテル)、ブチルジグリコール(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等が挙げられ、典型例としてジエチレングリコールモノブチルエーテル[230℃]が挙げられる。括弧内の数値は標準沸点を表す。
さらに本実施形態のインクジェット捺染用インクに使用可能な有機溶剤としては、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、ベタイン化合物等が挙げられる。これらの有機溶剤を使用すると、濡れ性や浸透速度を制御できる場合があるため、画像の発色性を向上できる場合がある。
本実施形態に係るインクジェット捺染用インクは、上述したノニオン系界面活性剤及びアニオン系界面活性剤の他に、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤等を含んでもよい。このような界面活性剤は、インクジェット捺染用インクの表面張力を低下させ布帛との濡れ性(布帛への浸透性)を調整、向上させる目的で用いてもよく、上述の界面活性剤の効果を阻害しない範囲で補助的に用いてもよい。
本実施形態のインクジェット捺染用インクは、pHを調整する等の目的で、pH調整剤を添加することができる。pH調整剤としては、特に限定されないが、酸、塩基、弱酸、弱塩基の適宜の組み合わせが挙げられる。そのような組み合わせに用いる酸、塩基の例としては、無機酸として、硫酸、塩酸、硝酸等、無機塩基として水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア等が挙げられ、有機塩基として、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン(THAM)等が挙げられ、有機酸として、アジピン酸、クエン酸、コハク酸、乳酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)、モルホリノエタンスルホン酸(MES)、カルバモイルメチルイミノビス酢酸(ADA)、ピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、コラミン塩酸、N−ト
リス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸(TES)、アセトアミドグリシン、トリシン、グリシンアミド、ビシン等のグッドバッファー、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、トリス緩衝液等を用いてもよい。さらに、これらのうち、pH調整剤の一部又は全部として、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の第三級アミン、及び、アジピン酸、クエン酸、コハク酸、乳酸等のカルボキシル基含有有機酸、が含まれることが、pH緩衝効果をより安定に得ることができるため好ましい。
また、インクジェット捺染用インクの保湿剤として、あるいは、染料の染着性を向上させる染着助剤等として、尿素類を使用してもよい。尿素類の具体例としては、尿素、エチレン尿素、テトラメチル尿素、チオ尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。尿素類を含有する場合には、その含有量は、インクの全質量に対して、1質量%以上10質量%以下とすることができる。
インクジェット捺染用インクの固化、乾燥を抑制する等の目的で、適量の糖類を使用してもよい。糖類の具体例としては、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール(ソルビット)、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、及びマルトトリオース等が挙げられる。
インクジェット捺染用インク中の不要なイオンを除去する等の目的で、適量のキレート化剤を使用してもよい。キレート化剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸及びそれらの塩類(エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム塩、又は、エチレンジアミンのニトリロトリ酢酸塩、ヘキサメタリン酸塩、ピロリン酸塩、若しくはメタリン酸塩等)等が挙げられる。
インクジェット捺染用インクは、防腐剤、防かび剤を適宜使用してもよい。防腐剤、防かび剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンゾイソチアゾリン−3−オン(ゼネカ社のプロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL.2、プロキセルTN、プロキセルLV)、4−クロロ−3−メチルフェノール(バイエル社のプリベントールCMK等)等が挙げられる。
さらに上記以外の成分として、例えば、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、溶解助剤等、インクジェット用のインクにおいて通常用いることができる添加剤を含有してもよい。なお、本実施形態のインクジェット捺染用インクは、水溶性染料であれば、上述した酸性染料、反応染料又は直接染料以外の染料を含有してもよい。
本実施形態に係るインクジェット捺染用インクは、上記した各成分を、任意な順序で混
合し、必要に応じて濾過等をして不純物を除去することにより得られる。各成分の混合方法としては、メカニカルスターラー、マグネチックスターラー等の撹拌装置を備えた容器に順次材料を添加して撹拌混合する方法が好適に用いられる。
本実施形態のインクジェット捺染用インクは、例えば、捺染対象として、各種の布帛に対して用いることができる。布帛を構成する素材としては、特に限定されず、例えば、綿、麻、羊毛、絹等の天然繊維、ポリプロピレン、ポリエステル、アセテート、トリアセテート、ポリアミド、ポリウレタン等の合成繊維、ポリ乳酸等の生分解性繊維などが挙げられ、これらの混紡繊維であってもよい。布帛としては、上記に挙げた繊維を、織物、編物、不織布等いずれの形態にしたものでもよい。本実施形態で捺染対象とする布帛は、これらのうちポリアミド繊維を含む布帛であることがより好ましい。このような布帛を用いることで、インクジェット捺染用インクのよりすぐれた染着性を得ることができる。また、必要に応じて、布帛にアルカリ剤及びヒドロトロピー剤の少なくとも一方を含有する前処理組成物を付与してもよい。これにより染料の染着性が一層向上する場合がある。
本実施形態のインクジェット捺染用インクは、アニオン系界面活性剤を特定の濃度で含むことにより、インクジェット装置のインク流路やカートリッジの充填性が良好で気泡排出性及び吐出安定性に優れた捺染を行うことができる。また、ノニオン系界面活性剤とアニオン系界面活性剤との濃度の関係が適切であり、泡立ちが抑制されるとともに捺染対象に対する浸透性が良好である。さらに、水溶性染料を用いたことで布帛を良好に捺染することができる。
上述の本実施形態のインクジェット捺染用インクは、他の任意の色の染料を含むインク
ジェット捺染用インクと、任意の組成物数、任意の色数で組み合わせたインクセットを構成することができる。
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
3.1.1.インクジェット捺染用インクの調製
表1の組成になるように各成分を容器に入れて、マグネチックスターラーで2時間混合及び攪拌した後、孔径5μmのメンブランフィルターで濾過することで、実施例及び比較例に係るインクジェット捺染用インクを得た。また、表1中の数値の単位は、それぞれの欄に示した。
, Inc.社製のノニオン系界面活性剤であり、それぞれ2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール−ジ(ポリオキシエチレン)エーテル及び2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールを指す。また、各アニオン系界面活性剤は、試薬として市販されているものを用いた。
<充填性の評価>
Monna Lisa 180 T16(Robustelli社製)のヘッドからインクを排出した状態とし、ヘッドにインクを供給する流路に、実施例及び比較例のインクジェット捺染用インクをそれぞれ導入した。その後、装置のクリーニング動作を行うことにより、インクがヘッドに侵入して、全てのノズルから正常に吐出されるまでのクリーニング動作の回数を調べた。そして以下の基準によってヘッドに対する各例のインクジェット捺染用インクの充填性を評価して、結果を表1に記載した。なお下記基準においてA、B又はCが許容範囲である。
A:3回以内で正常に吐出できた
B:4〜5回で正常に吐出できた
C:6〜7回で正常に吐出できた
D:正常に吐出させるには、8〜9回必要であった
E:10回以上でも正常吐出しない
Monna Lisa 180 T16(Robustelli社製)のヘッドにインクを充満させた状態とし、装置のクリーニング動作を行い当該クリーニング動作中に、ヘッドにインクを供給する流路を閉塞させてインクを供給できないようにした。そしてこの状態でクリーニング用の吸引キャップを開放し、ノズルからヘッド内及び流路に空気を逆流させた。その後、ヘッドにインクを供給する流路を開放して、装置のクリーニング動作を行うことにより、逆流した空気が排出されて、全てのノズルから正常に吐出されるまでのクリーニング動作の回数を調べた。そして以下の基準によってヘッドに対する各例のインクジェット捺染用インクの気泡排出性を評価して、結果を表1に記載した。なお基準においてA、B又はCが許容範囲である。
A:3回以内で正常に吐出できた
B:4〜5回で正常に吐出できた
C:6〜7回で正常に吐出できた
D:正常に吐出させるには、8〜9回必要であった。
E:10回以上でも正常吐出しない
Monna Lisa 180 T16(Robustelli社製)に各例のインクジェット捺染用インクをそれぞれ充填し、それぞれ720×540d.p.i.、3passモードにてロールメディアに連続印字を行い、抜け・曲がり等なく正常に印刷できるかを調べた。抜け・曲がり等が生じたときのメディアの長さを以下の基準で評価し、結果を表1に記載した。なお基準においてA、B又はCが許容範囲である。
A:1000m以上を正常に印刷できた
B:500m以上1000m未満を正常に印刷できた
C:200m以上500m未満を正常に印刷できた
D:200m未満で抜け・曲がりが発生した
3.2.1.インクジェット捺染用インクセット
上述の実施例及び比較例のインクジェット捺染用インクを表2のように組み合わせて、実施例及び比較例のインクジェット捺染用インクセットとした。すなわち、インクセットの実施例及び比較例は、X色のインク及びY色のインクの2色からなるインクセットである。
<インクセット実施例:S1、S2、及びCS1>
坪量130g/m2の綿布を、下記の前処理剤に浸し、マングルにてピックアップ率20%で絞ったのち、槽内温度を60℃にしたオーブンに10分間入れて乾燥させ、評価用布帛1を作成した。
<前処理剤>
アルギン酸ナトリウム 1.0質量%
グアガム 1.0質量%
硫酸アンモニウム 4.0質量%
尿素 10.0質量%
水 残量
パターンA:0.5mm幅の細線をX色で描き、その周囲をY色のベタで囲む。
パターンB:0.5mm幅の細線はY色で描き、その周囲をX色のベタで囲む。
坪量60g/m2の絹布を前述と同様の方法で前処理を行い、評価用布帛2を作成した。その後、前述と同様の手法にて、評価用布帛2に、各インクセット実施例の組み合わせで印刷を行った。
、下記基準においてA、B又はCが許容範囲である。
A:細線の輪郭がくっきりと見え、滲みも見られない
B:わずかに細線が太く見えるが、滲みは見られない
C:わずかに細線が細く見えるが、線は認識できて滲みも見られない
D:細線が太く見える
E:細線が太く見える、滲みも見られる
F:細線がベタ色に浸食されて細く見える、又は線が認識できない
表1をみると、水溶性染料と、全量に対して合計で0.05質量%以上3.0質量%以下のノニオン系界面活性剤と、全量に対して合計で1質量ppm以上100質量ppm以下のアニオン系界面活性剤と、を含む、各実施例(A−1〜A−11)のインクジェット捺染用インクは、充填性、気泡排出性、吐出安定性ともに優れることが分かった。
Claims (6)
- 酸性染料、反応染料及び直接染料から選ばれる一種以上である水溶性染料と、
全量に対して0.05質量%以上3.0質量%以下のノニオン系界面活性剤と、
全量に対して1質量ppm以上100質量ppm以下のアニオン系界面活性剤と、
を含む、インクジェット捺染用インク。 - 請求項1において、
前記水溶性染料が、RBk39、RY95、RBk5、ABk172、AY79、DB87、AR138及びAV97から選ばれる一種以上である、インクジェット捺染用インク。 - 請求項1又は請求項2において、
前記アニオン系界面活性剤が、アルキル基を有する芳香族スルホン酸化合物又はその塩である、インクジェット捺染用インク。 - 請求項3において、
前記アルキル基を有する芳香族スルホン酸化合物又はその塩が、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸及びその塩並びにドデシルベンゼンスルホン酸及びその塩から選ばれる一種以上である、インクジェット捺染用インク。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか一項において、
前記ノニオン系界面活性剤が、アセチレングリコール系界面活性剤である、インクジェット捺染用インク。 - 二種以上のインクからなるインクジェット捺染用インクセットであって、前記インクの一種以上が、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のインクジェット捺染用インクである、インクジェット捺染用インクセット。
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