JP2019026140A - 車両用空調システム - Google Patents

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冬人 荒木
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雅史 阿波
雅巳 谷口
Masami Taniguchi
雅巳 谷口
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Yasushi Kamikura
泰 上倉
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Abstract

【課題】内燃機関の稼働時における負荷増大を抑制しつつ、内燃機関が停止した状態であっても車室内の空調を継続可能な車両用空調システムを提供する。【解決手段】車両用空調システム1は、エンジン2からの出力によって走行する車両に適用され、吸着材122が収容される吸着器12を備える。車両用空調システム1は、反応媒体を蒸発させて吸着器12に反応媒体を供給可能であるとともに、吸着器12から流入する反応媒体を凝縮させて貯留可能な蒸発凝縮器14を備える。車両用空調システム1は、エンジン2の停止時に吸着材122と反応媒体との結合により生ずる熱、または、蒸発凝縮器14における反応媒体の蒸発潜熱を利用して車室内に供給する空気の温度を調整する室内熱交換器54を備える。車両用空調システム1は、エンジン2の稼働時に内燃機関からの排熱を回収する排熱回収器34を備え、排熱回収器34にて回収した排熱が吸着器12に熱輸送される構成になっている。【選択図】図1

Description

本発明は、車室内を空調する車両用空調システムに関する。
従来、交流電源駆動式の家庭用空調機を車両に搭載し、車両走行用のエンジンで駆動される発電機によって充電されたバッテリを利用してエンジンの停止時に家庭用空調機を作動させる車両用副空調システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。これによると、エンジンが停止した状態であっても家庭用空調機によって車室内の空調を継続させることが可能となる。
特開2008−810078号公報
しかしながら、特許文献1の車両用副空調システムは、家庭用空調機を作動させるためのバッテリを充填する発電機が内燃機関であるエンジンで駆動されるので、内燃機関の稼働時に内燃機関の負荷が増大する。このことは、内燃機関の燃料消費量が増加する要因となることから好ましくない。
本発明は上記点に鑑みて、内燃機関の稼働時における負荷増大を抑制しつつ、内燃機関が停止した状態であっても車室内の空調を継続可能な車両用空調システムを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、内燃機関(2)からの出力によって走行する車両に適用され、内燃機関が停止した状態で車室内を空調可能な車両用空調システムを対象としている。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
反応媒体との結合によって発熱し反応媒体の脱離によって蓄熱する特性を有する吸着材(122)が収容される吸着器(12)と、
反応媒体を蒸発させて吸着器に反応媒体を供給可能であるとともに、吸着器から流入する反応媒体を凝縮させて貯留可能な蒸発凝縮器(14)と、
内燃機関の停止時に、吸着材と反応媒体との結合により生ずる熱、または、蒸発凝縮器における反応媒体の蒸発潜熱を利用して車室内に供給する空気の温度を調整する室内熱交換器(52)と、
内燃機関の稼働時に内燃機関からの排熱を回収する排熱回収器(34)と、を備える。
そして、車両用空調システムは、吸着材から反応媒体が脱離するように排熱回収器にて内燃機関から回収した排熱が吸着器に熱輸送される構成となっている。
これによると、内燃機関の停止時に、吸着材と反応媒体との結合により生ずる熱、または、蒸発凝縮器における反応媒体の蒸発潜熱を利用して車室内に供給する空気の温度を調整するので、内燃機関が停止した状態であっても車室内の空調を継続することができる。
加えて、内燃機関の稼働時に内燃機関から回収した排熱を利用して吸着材から反応媒体を脱離させるので、内燃機関の稼働時における負荷が増大することを抑制することができる。
したがって、本発明によれば、内燃機関の稼働時における負荷増大を抑制しつつ、内燃機関が停止した状態であっても車室内の空調を継続可能な車両用空調システムを実現することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
実施形態に係る車両用空調システムの概略構成図である。 車両用空調システムの制御装置の模式的なブロック図である。 車両用空調システムの制御装置が実行する停車時空調処理の流れを示すフローチャートである。 車両用空調システムによる車室内の冷房時における各流体の流れ方を説明するための説明図である。 車両用空調システムによる車室内の暖房時における各流体の流れ方を説明するための説明図である。 車両用空調システムによる脱離工程時における各流体の流れ方を説明するための説明図である。
以下、本発明の一実施形態について図1〜図6を参照して説明する。図1に示す車両用空調システム1は、内燃機関であるエンジン2からの出力によって走行する車両に適用される。図示しないが、本実施形態の車両には、車両用空調システム1以外に、エンジン2が稼働している状態で車室内を空調するメイン空調装置が搭載されている。本実施形態の車両用空調システム1は、エンジン2が停止した際にメイン空調装置を補完する補助空調装置として機能する。すなわち、車両用空調システム1は、エンジン2が停止した際に車室内を空調する空調システムである。
図1および図2に示すように、本実施形態の車両用空調システム1は、吸着式ヒートポンプ10、オイル循環回路30、冷却液循環回路50、制御装置100を含んで構成されている。
吸着式ヒートポンプ10は、フロアパネルFPの下方側の空間に配置されている。吸着式ヒートポンプ10は、吸着器12、蒸発凝縮器14、接続配管16、第1開閉バルブ18、および第2開閉バルブ20を備えている。本実施形態の吸着式ヒートポンプ10には、4つの吸着器12を備えている。
4つの吸着器12には、その内側に吸着材122が収容されている。吸着材122は、反応媒体と結合すると発熱し、反応媒体が脱離によって蓄熱する特性を有する物質である。本実施形態の吸着材122は、ゼオライト系吸着材が採用されている。本実施形態では、吸着材122として、反応媒体を脱離する脱離温度が高いエンジン2の冷却水の温度よりも高いものを採用している。このような吸着材122としては、Agが担持されたAg型ゼオライト(脱離温度が80℃〜90℃程度)よりも反応媒体を脱離する脱離温度が高いモレキュラーシーブの13X型(脱離温度が180℃〜200℃程度)が挙げられる。また、本実施形態では、吸着材122に対する反応媒体として水が採用されている。
4つの吸着器12には、その内側に吸着用熱交換部124が設けられている。吸着用熱交換部124には、その内部に形成される流路に第1熱媒体としてのオイルが流れる。吸着器12は、吸着用熱交換部124の流路外側に吸着材122が設けられている。
吸着用熱交換部124は、流路内を流れるオイルと吸着材122とを熱交換させることで、吸着材122と反応媒体とが結合する際に生ずる熱を回収することが可能である。また、吸着用熱交換部124は、流路内を流れるオイルと吸着材122とを熱交換させることで、オイルを介して輸送されるエンジン2の排熱を吸着材122に供給し、吸着材122から反応媒体を脱離させることも可能である。
4つの吸着器12それぞれは、接続配管16を介して蒸発凝縮器14に連通している。これにより、反応媒体は、4つの吸着器12、接続配管16、および蒸発凝縮器14の内側を流通可能となっている。具体的には、4つの吸着器12、接続配管16、および蒸発凝縮器14の内側は、真空状態となっている。なお、真空状態とは、空気の圧力が大気圧よりも低い状態である。
蒸発凝縮器14の内側には、反応媒体熱交換部142が設けられている。反応媒体熱交換部142は、その内部に形成される流路に第2熱媒体としての冷却液が流れる。反応媒体熱交換部142は、流路内を流れる冷却液とその内部の反応媒体とを熱交換させることで、反応媒体を蒸発させることが可能である。これにより、蒸発凝縮器14は、吸着器12に反応媒体を供給することが可能となっている。また、反応媒体熱交換部142は、流路内を流れる冷却液とその内部の反応媒体とを熱交換させることで、反応媒体を凝縮させることが可能である。これにより、蒸発凝縮器14は、その内部に反応媒体を貯留可能となっている。
吸着器12と蒸発凝縮器14とを接続する接続配管16には、第1開閉バルブ18および第2開閉バルブ20が設けられている。第1開閉バルブ18および第2開閉バルブ20は、制御装置100により、その開閉動作が制御される。第1開閉バルブ18および第2開閉バルブ20が開くと、吸着器12と蒸発凝縮器14との間の反応媒体の流れが許容される。また、第1開閉バルブ18および第2開閉バルブ20が閉じると、吸着器12と蒸発凝縮器14との間の反応媒体の流れが遮断される。
オイル循環回路30は、第1熱媒体であるオイルが循環する回路である。オイル循環回路30は、吸着式ヒートポンプ10と同様に、フロアパネルFPの下方側の空間に収容されている。
オイル循環回路30は、オイルと冷却液と熱交換させる水‐油熱交換器32との間にオイルを循環させる回路と、エンジンEGの排熱を回収する排熱回収器34と4つの吸着器12の吸着用熱交換部124との間にオイルを循環させる回路とを切替可能になっている。
オイル循環回路30には、オイルポンプ36が設けられている。オイルポンプ36は、制御装置100により、その動作が制御される電動ポンプで構成されている。オイルポンプ36のオイル吐出側には、オイルが循環する回路をオイルポンプ36から吐出されたオイルを水−油熱交換器32側に流す回路と排熱回収器34側に流す回路とに切り替える三方弁38が設けられている。図1では、理解しやすいように、オイルを水−油熱交換器32側に流す回路を実線で示し、オイルを排熱回収器34側に流す回路を破線で示している。
三方弁38は、オイルポンプ36から吐出されたオイルを水−油熱交換器32側または排熱回収器34側に流す分流型の三方弁で構成されている。三方弁38は、制御装置100により、その動作が制御される。本実施形態では、三方弁38が、第1回路切替部を構成している。
水−油熱交換器32は、オイルが流れるオイル側熱交換部322と冷却液が流れる冷却液側熱交換部324を有している。本実施形態の水−油熱交換器32は、オイル側熱交換部322におけるオイルが流れる向きと冷却液側熱交換部324における冷却液が流れる向きとが逆向きとなる対向流型の熱交換器で構成されている。これにより、水−油熱交換器32は、オイルと冷却液との温度差を確保して、オイルと冷却液との熱交換効率が高くなっている。本実施形態では、水−油熱交換器32がオイル循環回路30を流れるオイルと冷却液循環回路50を流れる冷却液とを熱交換させる熱媒体熱交換器を構成している。
排熱回収器34は、エンジン2の排熱を回収する熱交換器である。本実施形態の排熱回収器34は、オイルをエンジン2から排出された排出ガスと熱交換させる熱交換器で構成されている。
排熱回収器34は、エンジン2の排出ガス経路3のうち、排気ガス浄化装置4の下流側に配設されている。例えば、貨物自動車等の大型車両では、排出ガスの温度が、排気ガス浄化装置4の下流側において300℃程度となる場合がある。この場合、排熱回収器34を通過したオイルは、例えば、200℃前後まで昇温する。
水−油熱交換器32のオイル出口側および排熱回収器34それぞれのオイル出口側は、合流部40で合流した後、分岐部41〜43を介して、4つの吸着器12の吸着用熱交換部124のオイル入口側に接続されている。そして、4つの吸着器12のオイル出口側には、合流部44、45を介してオイルポンプ36のオイル入口側に接続されている。
前述したように、オイルは、排熱回収器34を通過することで、例えば、200℃前後の高い温度に上昇する。このため、オイルポンプ36としては、耐熱性に優れたポンプを採用することが望ましい。
しかしながら、耐熱性に優れたポンプは高価である。このため、耐熱性に優れたポンプをオイルポンプ36に採用すると、車両用空調システム1のコストが著しく上昇してしまう可能性がある。
これに対して、本実施形態では、オイルポンプ36を排熱回収器34の直後ではなく、4つの吸着器12のオイル流れ下流側に位置付けている。これによると、オイルポンプ36として通常の耐熱性を有するポンプを採用することができるので、車両用空調システム1のコスト上昇を抑制することができる。
また、本実施形態では、オイルポンプ36は、後述する室外熱交換器54に併設された室外ファン55から供給される外気(すなわち、車室外空気)が流れる位置に配置されている。これによると、外気によってオイルポンプ36が冷却されるので、排熱回収器34にて昇温したオイルが流れることに伴うオイルポンプ36の過度な温度上昇を抑制することができる。
ここで、エンジン2からの排熱は、エンジン負荷が増大すると非常に高い温度になることがある。このため、排熱回収器34を通過する熱媒体として沸点が低い液体を採用すると、排熱回収器34にて熱媒体が気化することで、エンジン2の稼働時に吸着器12における熱媒体の放熱量が減少してしまう。
このことを考慮して、排熱回収器34を通過する熱媒体として、冷却液よりも沸点が高い液体を採用している。具体的には、本実施形態では、排熱回収器34を通過する熱媒体として、沸点が300℃以上となるオイルを採用している。
続いて、冷却液循環回路50は、第2熱媒体である冷却液が循環する回路である。冷却液循環回路50は、後述する室内熱交換器52が車室内に設置されているものの、その他の構成機器がフロアパネルFPの下方側の空間に収容されている。なお、図1では、オイル循環回路30と区別するために、冷却液循環回路50を二点鎖線で示している。
冷却液循環回路50は、冷却液が室内熱交換器52を通過する室内側回路50A、および冷却液が室外熱交換器54を通過する室外側回路50Bで構成されている。室内側回路50Aおよび室外側回路50Bは、それぞれ冷却液が循環するように閉回路として構成される。
冷却液循環回路50は、室外側回路50B側で室外熱交換器54にて冷却された冷却液を水−油熱交換器32に供給し、室内側回路50A側で蒸発凝縮器14にて冷却された冷却液を室内熱交換器52に供給する冷房回路に切替可能となっている。また、冷却液循環回路50は、室外側回路50B側で蒸発凝縮器14を通過した冷却液を室外熱交換器54に供給し、室内側回路50A側で水−油熱交換器32にて加熱された冷却液を室内熱交換器52で放熱させる暖房回路に切替可能となっている。
冷却液循環回路50には、室内側回路50Aにて冷却液を循環させる第1冷却液ポンプ56、室外側回路50Bにて冷却液を循環させる第2冷却液ポンプ58が設けられている。第1冷却液ポンプ56および第2冷却液ポンプ58は、制御装置100により、その動作が制御される電動ポンプで構成されている。
具体的には、第1冷却液ポンプ56は、室内熱交換器52の冷却液流れ下流側に配置されている。また、第2冷却液ポンプ58は、室外熱交換器54の冷却液流れ下流側に配置されている。
冷却液循環回路50には、第1冷却液ポンプ56および第2冷却液ポンプ58の冷却液流れ下流側に第1四方弁60が配置されている。第1四方弁60は、第1冷却液ポンプ56からの冷却液を冷却液側熱交換部324および反応媒体熱交換部142の一方に流す際に、第2冷却液ポンプ58からの冷却液を冷却液側熱交換部324および反応媒体熱交換部142の他方に流すように構成されている。
また、冷却液循環回路50には、冷却液側熱交換部324および反応媒体熱交換部142の冷却液流れ下流側に第2四方弁62が配置されている。第2四方弁62は、冷却液側熱交換部324を通過した冷却液を室内熱交換器52および室外熱交換器54の一方に流す際に、反応媒体熱交換部142を通過した冷却液を室内熱交換器52および室外熱交換器54の他方に流すように構成されている。本実施形態では、第1四方弁60および第2四方弁62が、第2回路切替部を構成している。
室内熱交換器52は、吸着材122と反応媒体との結合により生ずる熱、または、蒸発凝縮器14における反応媒体の蒸発潜熱を利用して、室内ファン53によって車室内に供給する空気を所望の温度に調整する熱交換器である。室内熱交換器52を通過した空気は、空調風として車室内に供給される。
室外熱交換器54は、室外ファン55から送風された外気を冷却液と熱交換させて、冷却液を放熱させる熱交換器である。室外熱交換器54を通過した冷却液は、室外熱交換器54に流入する冷却液よりも低温となる。すなわち、冷却液は、室外熱交換器54にて外気と熱交換することで冷却される。
次に、車両用空調システム1の電子制御部である制御装置100について図2を参照して説明する。制御装置100は、制御処理や演算処理を行うプロセッサ、プログラムやデータ等を記多くするROM、RAM等の記憶部を含むマイクロコンピュータ、およびその周辺回路で構成されている。
制御装置100の入力側には、外気温を検出する外気温センサ101、エンジン2をオン・オフするイグニッションスイッチ102、A/Cスイッチ103、車室内の設定温度を設定する温度設定スイッチ104等が接続されている。A/Cスイッチ103は、エンジン2の停止時に車両用空調システム1が行う車室内の空調をオン・オフするスイッチであり、メイン空調装置による車室内の空調をオン・オフするスイッチとは別に設けられている。
制御装置100の出力側には、第1開閉バルブ18、第2開閉バルブ20、三方弁38、第1四方弁60、第2四方弁62、オイルポンプ36、第1冷却液ポンプ56、第2冷却液ポンプ58等が接続されている。
制御装置100は、入力側から入力された信号等を記憶部に記憶されたプログラムにしたがって演算処理し、その演算処理の処理結果等に基づいて出力側に接続された各種機器を制御する。
次に、本実施形態の制御装置100が実行する制御処理の流れを図3に示すフローチャートを参照して説明する。図3に示す制御処理は、エンジン2が停止した状態において、制御装置100が所定のタイミング(例えば、予め定めた周期)で実行する。
図3に示すように、制御装置100は、ステップS100にて、イグニッションスイッチ102がオフされている状態でA/Cスイッチ103がオンされているか否かを判定する。すなわち、制御装置100は、ステップS100にて、ユーザがエンジン2の停止時に車室内の空調を要求しているか否かを判定する。この結果、A/Cスイッチ103がオンされている場合にステップS110に移行し、A/Cスイッチ103がオフされている場合に本処理を抜ける。
制御装置100は、ステップS110にて、エンジン2の停止時に、車室内を冷房するか暖房するかを判定する。この冷暖房判定処理では、例えば、外気温度が設定温度よりも高い温度となる場合に車室内を冷房すると判定し、外気温度が設定温度よりも低い温度となる場合に車室内を暖房すると判定する。
車室内を冷房する場合、制御装置100は、ステップS120にて、各開閉バルブ18、20を開状態に制御するとともに、オイル循環回路30および冷却液循環回路50を冷房用の回路に切り替える。
具体的には、制御装置100は、三方弁38を制御してオイル循環回路30をオイルポンプ36から吐出されたオイルが水−油熱交換器32側に流れる回路に切り替える。この回路は、吸着器12における反応媒体と吸着材122との結合により生ずる熱によって昇温したオイルを水−油熱交換器32に供給する回路である。
また、制御装置100は、各四方弁60、62を制御して、室外側回路50B側で室外熱交換器54にて冷却された冷却液を水−油熱交換器32に供給し、室内側回路50A側で蒸発凝縮器14にて冷却された冷却液を室内熱交換器52に供給する回路に切り替える。この回路は、蒸発凝縮器14における反応媒体の蒸発潜熱によって冷却された冷却液を室内熱交換器52に供給するとともに、室外熱交換器54にて冷却された冷却液を水−油熱交換器32に供給する回路である。
続いて、制御装置100は、オイル循環回路30および冷却液循環回路50を冷房用の回路に切り替えた後、ステップS130にて、オイルポンプ36、第1冷却液ポンプ56、および第2冷却液ポンプ58の作動を開始する。また、制御装置100は、ステップS130にて、室内ファン53および室外ファン55の作動を開始する。
車室内の冷房時には、各開閉バルブ18、20が開放されることで、図4に示すように、蒸発凝縮器14で蒸発した反応媒体が接続配管16を介して吸着器12に流入し、吸着器12内の吸着材122と結合する。このとき、蒸発凝縮器14における反応媒体の蒸発潜熱によって反応媒体熱交換部142を流れる冷却液が冷却される。反応媒体熱交換部142で冷却された冷却液は、室内熱交換器52に流入し、室内熱交換器52にて車室内へ供給する空気と熱交換する。これにより、車室内に低温の空気が導入されることで、車室内の冷房が行われる。
また、吸着器12の内部で吸着材122と反応媒体との結合により生じた熱は、吸着用熱交換部124を流れるオイルに熱輸送される。吸着用熱交換部124を通過したオイルは、水−油熱交換器32にて、室外熱交換器54で冷却された冷却液と熱交換して冷却される。
図3に戻り、車室内を暖房する場合、制御装置100は、ステップS140にて、各開閉バルブ18、20を開状態に制御するとともに、オイル循環回路30および冷却液循環回路50を暖房用の回路に切り替える。
具体的には、制御装置100は、三方弁38を制御してオイル循環回路30をオイルポンプ36から吐出されたオイルが水−油熱交換器32側に流れる回路に切り替える。この回路は、吸着器12における反応媒体と吸着材122との結合により生ずる熱によって昇温したオイルを水−油熱交換器32に供給する回路である。
また、制御装置100は、各四方弁60、62を制御して、室内側回路50A側で水−油熱交換器32にて加熱された冷却液を室内熱交換器52に供給し、室外側回路50B側で蒸発凝縮器14を通過した冷却液を室外熱交換器54に供給する回路に切り替える。この回路は、水−油熱交換器32にて吸着材122と反応媒体との結合により生じた熱によって加熱された冷却液を室内熱交換器52に供給するとともに、蒸発凝縮器14を通過した冷却液を室外熱交換器54に供給する回路である。
続いて、制御装置100は、オイル循環回路30および冷却液循環回路50を暖房用の回路に切り替えた後、ステップS150にて、オイルポンプ36、第1冷却液ポンプ56、および第2冷却液ポンプ58の作動を開始する。また、制御装置100は、ステップS150にて、室内ファン53および室外ファン55の作動を開始する。
車室内の暖房時には、各開閉バルブ18、20が開放されることで、図5に示すように、蒸発凝縮器14で蒸発した反応媒体が接続配管16を介して吸着器12に流入し、吸着器12内の吸着材122と結合する。このとき、吸着材122と反応媒体との結合により生じた熱よって反応媒体熱交換部142を流れるオイルが加熱される。そして、反応媒体熱交換部142で加熱されたオイルは、水−油熱交換器32にて冷却液と熱交換する。水−油熱交換器32を流れる冷却液は、オイルとの熱交換によって加熱される。そして、水−油熱交換器32を通過した冷却液は、室内熱交換器52に流入し、室内熱交換器52にて車室内へ供給する空気と熱交換する。これにより、車室内に高温の空気が導入されることで、車室内の暖房が行われる。
図3に戻り、車室内の冷房または暖房が行われている際に、制御装置100は、ステップS160にて、空調停止条件が成立したか否かを判定する。この空調停止条件は、A/Cスイッチ103がオフされている際に成立する条件となっている。
この結果、空調停止条件が不成立となる場合には、車室内の冷房または暖房が継続される。一方、空調停止条件が成立すると、制御装置100は、ステップS170にて、エンジン2が稼働しているか否かを判定する。具体的には、制御装置100は、イグニッションスイッチ102がオンされたか否かを判定する。
この結果、エンジン2が稼働している場合、制御装置100は、ステップS180にて、各開閉バルブ18、20を開状態に制御するとともに、オイル循環回路30および冷却液循環回路50を吸着材122から反応媒体を脱離させる脱離用の回路に切り替える。すなわち、エンジン2が稼働している場合には、吸着材122から反応媒体を脱離させる脱離工程に移行する。
具体的には、制御装置100は、三方弁38を制御してオイル循環回路30をオイルポンプ36から吐出されたオイルが排熱回収器34側に流れる回路に切り替える。この回路は、排熱回収器34にて昇温したオイルを吸着器12に供給する回路である。
また、制御装置100は、各四方弁60、62を制御して、室外側回路50B側で室外熱交換器54にて冷却された冷却液を蒸発凝縮器14に供給する回路に切り替える。この回路は、室外熱交換器54にて冷却された冷却液を蒸発凝縮器14に供給することで、蒸発凝縮器14にて反応媒体を凝縮させる回路である。
続いて、制御装置100は、オイル循環回路30および冷却液循環回路50を冷房用の回路に切り替えた後、ステップS190にて、第1冷却液ポンプ56を停止した状態でオイルポンプ36および第2冷却液ポンプ58の作動を開始する。また、制御装置100は、ステップS190にて室外ファン55の作動を開始する。
脱離工程では、図6に示すように、排熱回収器34にて昇温したオイルが吸着器12に流入して、吸着材122が加熱される。吸着材122は、自身の温度が脱離温度まで上昇すると反応媒体を脱離する。これにより、エンジン2の稼働時にエンジン2から回収した排熱を利用して吸着材122を再生することができる。
また、脱離工程では、各開閉バルブ18、20が開放されているので、吸着器12と蒸発凝縮器14との圧力差により吸着材122から脱離した反応媒体が接続配管16を介して蒸発凝縮器14に流入する。蒸発凝縮器14に流入した反応媒体は、室外熱交換器54を通過した冷却液との熱交換により放熱して凝縮する。これにより、吸着材122から脱離した反応媒体を蒸発凝縮器14に貯留することができる。
続いて、制御装置100は、ステップS200にて、吸着材122の脱離が完了したか否かを判定する。この判定処理では、例えば、脱離工程を開始してから予め定めた基準時間を経過した際に吸着材122の脱離が完了したと判定する。なお、基準時間は、吸着材122から反応媒体を脱離させるのに要する時間に設定すればよい。
吸着材122の脱離が完了した場合、制御装置100は、ステップS210にて、脱離終了処理を実行する。この脱離終了処理では、各開閉バルブ18、20を閉鎖する。また、脱離終了処理では、各ポンプ36、56、58および各ファン53、55等の作動を停止する。
以上説明した本実施形態の車両用空調システム1は、エンジン2の停止時に吸着材122と反応媒体との結合により生ずる熱、または、蒸発凝縮器14における反応媒体の蒸発潜熱を利用して車室内に供給する空気の温度を調整する。これによると、エンジン2が停止した状態であっても車室内の空調を継続することができる。
加えて、本実施形態の車両用空調システム1は、エンジン2の稼働時にエンジン2から回収した排熱を利用して吸着材122から反応媒体を脱離させるので、エンジン2の稼働時における負荷が増大することを抑制することができる。
ここで、従来技術の如く、エンジン2の稼働時に発電機を介して充電されたバッテリを利用して、圧縮機等の空調機器を作動させることが考えられるが、この場合、通常の発電機ではバッテリに対して充分な充填を行うことが困難である。このため、エンジン2が長時間停止した際に車室内の空調を継続させるためには、特別仕様の発電機を搭載する必要がある。また、エンジン2が長時間停止した際に車室内の空調を継続させるためには、大容量のバッテリを追加する必要があるが、当該バッテリの定期交換等が必要になることでランニングコストが著しく大きくなってしまう。
これに対して、本実施形態の車両用空調システム1は、エンジン2の停止時に吸着式ヒートポンプ10によって車室内の空調を実現しているので、特別使用の発電機の搭載や、定期点検等によるランニングコストの増大といった問題が生じ難いといった利点がある。
また、本実施形態の車両用空調システム1は、エンジン2の稼働時に吸着材122から脱離した反応媒体を蒸発凝縮器14に貯留する構成となっている。これによると、エンジン2の停止時に蒸発凝縮器14にて蒸発させる反応媒体を充分に確保することができるので、エンジン2の停止時における車室内の空調の継続時間を長くすることが可能となる。
ここで、本実施形態では、オイルポンプ36を排熱回収器34の直後ではなく、4つの吸着器12のオイル流れ下流側に位置付けている。これによると、オイルポンプ36として通常の耐熱性を有するポンプを採用することができるので、車両用空調システム1のコスト上昇を抑制することができる。なお、オイルポンプ36として通常の耐熱性を有するポンプを採用する場合、ポンプ内部のシール材等のゴム材だけ耐熱性を有する材料に変更してもよい。この場合、ポンプ自体を変更する場合に比べて、コストの増大を抑制したり、搭載性を向上させたりすることができる。
また、本実施形態では、オイルポンプ36を室外ファン55から供給された外気が流れる位置に配置している。これによると、外気によってオイルポンプ36が冷却されるので、排熱回収器34にて昇温したオイルが流れることに伴うオイルポンプ36の過度な温度上昇を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、冷却液よりも沸点が高いオイルを第1熱媒体として採用している。これによると、排熱回収器34にてオイルが気化し難くなるので、エンジン2の稼働時に吸着器12におけるオイルの放熱量を確保することができる。
ところで、エンジン2からの排熱の回収手法として、エンジン2を冷却する冷却水の熱を回収することが考えられるが、当該冷却水の温度は80℃〜90℃程度である。このような温度域で反応媒体を脱離可能な吸着材122は極めて少なく非常に高価となるので、コスト面を考慮すると吸着材122を充分に搭載することが困難となってしまう。そして、吸着材122の搭載量が少ないことは、エンジン2の停止時における車室内の空調の継続時間を長くすることを妨げる要因となることから好ましくない。
これに対して、エンジン2から排出される排出ガスは、エンジン2の稼働が継続されることで昇温し、エンジン2の冷却水よりも高い温度(例えば、180℃〜200℃)になり易い。このため、本実施形態では、排熱回収器34としてエンジン2から排出される排出ガスから熱を回収する熱交換器を採用している。
これによると、吸着材122の選択範囲が拡大することで、吸着材122として安価なものを選択することができる。これにより、吸着材122の搭載量を充分に確保することができるので、エンジン2の停止時における車室内の空調の継続時間を長くすることが可能となる。
(他の実施形態)
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
上述の実施形態では、吸着材122の脱離が完了したか否かの判定を、脱離工程を開始してからの経過時間に基づいて行う例について説明したが、これに限定されない。
車両用空調システム1は、例えば、吸着材122の脱離が完了したか否かの判定を、反応媒体熱交換部142の入口および出口における冷却液の温度差や、吸着用熱交換部124の入口および出口におけるオイルの温度差に基づいて行ってもよい。この場合、反応媒体熱交換部142の入口および出口における冷却液の温度差や、吸着用熱交換部124の入口および出口におけるオイルの温度差が所定値以下となった際に、吸着材122の脱離が完了したと判定すればよい。
上述の実施形態では、吸着材122としてゼオライト系吸着材を例示したが、これに限定されない。吸着材122としては、例えば、例えば、シリカゲル、アルミナ、硝酸アルミニウム、酸化カルシウム、二酸化バナジウム、酸化マグネシウム、酸化バリウムなど、種々の物質を使用することが可能である。また、反応媒体については、吸着材122の吸着および脱離の特性に応じて変更することが望ましい。
上述の実施形態では、1つの蒸発凝縮器14に対して4つの吸着器12を備える吸着式ヒートポンプ10を例示したが、これに限定されない。吸着式ヒートポンプ10は、蒸発凝縮器14の数と吸着器12の数は任意に設定することができる。
上述の実施形態の如く、エンジン2からの排熱の回収手法として、エンジン2から排出された排出ガスの熱を排熱回収器34で回収することが望ましいが、これに限定されない。吸着材122としてエンジン2の冷却水の温度域で脱離するものを採用すれば、排熱回収器34は、エンジン2を冷却する冷却水の熱を回収する熱交換器で構成されていてもよい。
上述の実施形態の如く、オイルポンプ36を吸着器12のオイル流れ下流側に位置付けることが望ましいが、これに限定されない。オイルポンプ36は、例えば、排熱回収器34のオイル流れ下流側に位置付けられていてもよい。
また、上述の実施形態の如く、オイルポンプ36を室外ファン55から供給された外気が流れる位置に配置することが望ましいが、これに限定されない。オイルポンプ36は、室外ファン55から供給された外気が流れる位置以外の位置に配置されていてもよい。
上述の実施形態では、エンジン2の停止時に吸着材122と反応媒体との結合により生ずる熱を利用して車室を暖房し、蒸発凝縮器14における反応媒体の蒸発潜熱を利用して車室内を冷房する例について説明したが、これに限定されない。
車両用空調システム1は、例えば、エンジン2の停止時に吸着材122と反応媒体との結合により生ずる熱を利用して専ら車室の暖房を行う暖房専用のシステムとして構成されていてもよい。また、車両用空調システム1は、エンジン2の停止時に蒸発凝縮器14における反応媒体の蒸発潜熱を利用して専ら車室内の冷房を行う冷房専用のシステムとして構成されていてもよい。
上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、車両用空調システムは、吸着材が収容される吸着器と、反応媒体を蒸発または凝縮させる蒸発凝縮器と、車室内に供給する空気の温度を調整する室内熱交換器と、を備える。さらに、車両用空調システムは、内燃機関の稼働時に内燃機関からの排熱を回収し、吸着材から反応媒体が脱離するように内燃機関から回収した排熱を吸着器に熱輸送する排熱回収器を備える。
第2の観点によれば、車両用空調システムは、吸着器にて反応媒体と熱交換する第1熱媒体が流れる第1熱媒体回路を切り替える第1回路切替部と、蒸発凝縮器にて反応媒体と熱交換する第2熱媒体が流れる第2熱媒体回路を切り替える第2回路切替部と、を備える。また、車両用空調システムは、第2熱媒体回路に設けられて第2熱媒体を放熱させる室外熱交換器を備える。第1回路切替部は、吸着材から反応媒体を脱離させる内燃機関の稼働時に、排熱回収器にて昇温した第1熱媒体を吸着器に供給する回路に第1熱媒体回路を切り替える。そして、第2回路切替部は、吸着材から反応媒体を脱離させる内燃機関の稼働時に、吸着材から脱離した反応媒体が蒸発凝縮器で凝縮するように室外熱交換器で冷却された第2熱媒体を蒸発凝縮器に供給する回路に第2熱媒体回路を切り替える。
これによると、内燃機機関の稼働時に排熱回収器にて昇温した第1熱媒体が吸着器に供給されるので、第1熱媒体の熱によって吸着材に吸着された反応媒体を吸着材から脱離させることができる。また、内燃機関の稼働時に室外熱交換器で冷却された第2熱媒体が蒸発凝縮器に供給されるので、吸着材から脱離した反応媒体を蒸発凝縮器で凝縮させて貯留することができる。
このように、内燃機関の稼働時に吸着材から脱離した反応媒体を蒸発凝縮器に貯留すれば、内燃機関の停止時に蒸発凝縮器にて蒸発させる反応媒体を充分に確保できるので、内燃機関の停止時における車室内の空調の継続時間を長くすることが可能となる。
第3の観点によれば、車両用空調システムは、第1熱媒体回路に第1熱媒体を循環させる第1熱媒体ポンプが設けられている。この第1熱媒体ポンプは、第1熱媒体回路が吸着材から反応媒体を脱離させる回路に切り替えられた際に、吸着器よりも第1熱媒体流れ下流側に位置するように第1熱媒体回路に設けられている。
第1熱媒体ポンプには、内燃機関の稼働時に、排熱回収器にて昇温した第1熱媒体が流れることで過度に温度が高くなってしまう場合がある。このため、第1熱媒体ポンプとして耐熱性に優れたポンプを採用することが望ましい。
しかしながら、耐熱性に優れたポンプは高価であり、当該ポンプを第1熱媒体ポンプに採用すると、車両用空調システムのコストが著しく上昇してしまう可能性がある。
これに対して、内燃機関の稼働時に第1熱媒体ポンプを吸着器よりも第1熱媒体流れ下流側に位置付ける構成とすれば、第1熱媒体ポンプには、吸着器にて放熱された第1熱媒体が流入する。このような構成では、第1熱媒体ポンプとして通常の耐熱性を有するポンプを採用することが可能となるので、車両用空調システムのコスト上昇を抑制することができる。
第4の観点によれば、車両用空調システムは、室外熱交換器に車室外空気を供給する室外ファンを備える。そして、第1熱媒体ポンプは、室外ファンから供給された車室外空気が流れる位置に配置されている。
これによると、車室外空気によって第1熱媒体ポンプが冷却されるので、排熱回収器にて昇温した第1熱媒体が流れることに伴う第1熱媒体ポンプの過度な温度上昇を抑制することができる。
第5の観点によれば、車両用空調システムは、第1熱媒体回路を流れる第1熱媒体として、第2熱媒体回路を流れる第2熱媒体よりも沸点が高い液体が採用されている。
エンジンからの排熱は、エンジン負荷が増大すると非常に高い温度になることがある。このため、第1熱媒体として沸点が低い液体を採用すると、排熱回収器にて第1熱媒体が気化することで、内燃機関の稼働時に吸着器における第1熱媒体の放熱量が減少してしまうことが懸念される。
これに対して、第1熱媒体として、第2熱媒体よりも沸点が高い液体を採用すれば、排熱回収器にて第1熱媒体が気化し難くなり、内燃機関の稼働時に吸着器における第1熱媒体の放熱量を確保できる。この結果、吸着材から反応媒体を脱離させ易くなる。
第6の観点によれば、車両用空調システムは、第1熱媒体回路を流れる第1熱媒体と第2熱媒体回路を流れる第2熱媒体とを熱交換させる熱媒体熱交換器を備える。第1回路切替部は、車室内の冷房時に、吸着器における反応媒体と吸着材との結合により生ずる熱によって昇温した第1熱媒体を熱媒体熱交換器に供給する回路に第1熱媒体回路を切り替える。また、第2回路切替部は、車室内の冷房時に、蒸発凝縮器における反応媒体の蒸発潜熱によって冷却された第2熱媒体を室内熱交換器に供給するとともに、室外熱交換器にて冷却された第2熱媒体を熱媒体熱交換器に供給する回路に第2熱媒体回路を切り替える。これによれば、内燃機関が停止した状態であっても蒸発凝縮器における反応媒体の蒸発潜熱を利用して、車室内の冷房を実現することができる。
第7の観点によれば、車両用空調システムは、第1熱媒体回路を流れる第1熱媒体と第2熱媒体回路を流れる第2熱媒体とを熱交換させる熱媒体熱交換器を備える。第1回路切替部は、車室内の暖房時に、吸着器における反応媒体と吸着材との結合により生ずる熱によって昇温した第1熱媒体を熱媒体熱交換器に供給する回路に第1熱媒体回路を切り替える。そして、第2回路切替部は、車室内の暖房時に、熱媒体熱交換器にて加熱された第2熱媒体を室内熱交換器に供給するとともに、蒸発凝縮器を通過した第2熱媒体を室外熱交換器に供給する回路に第2熱媒体回路を切り替える。これによれば、内燃機関が停止した状態であっても吸着器における反応媒体と吸着材との結合により生ずる熱を利用して、車室内の暖房を実現することができる。
第8の観点によれば、車両用空調システムは、第1熱媒体回路を流れる第1熱媒体と第2熱媒体回路を流れる第2熱媒体とを熱交換させる熱媒体熱交換器を備える。
第1回路切替部は、車室内の冷房時に、吸着器における反応媒体と吸着材との結合により生ずる熱によって昇温した第1熱媒体を熱媒体熱交換器に供給する回路に第1熱媒体回路を切り替える。また、第1回路切替部は、車室内の暖房時に、吸着器における反応媒体と吸着材との結合により生ずる熱によって昇温した第1熱媒体を熱媒体熱交換器に供給する回路に第1熱媒体回路を切り替える。
第2回路切替部は、車室内の冷房時に、蒸発凝縮器における反応媒体の蒸発潜熱によって冷却された第2熱媒体を室内熱交換器に供給するとともに、室外熱交換器にて冷却された第2熱媒体を熱媒体熱交換器に供給する回路に第2熱媒体回路を切り替える。また、第2回路切替部は、車室内の暖房時に、熱媒体熱交換器にて加熱された第2熱媒体を室内熱交換器に供給するとともに、蒸発凝縮器を通過した第2熱媒体を室外熱交換器に供給する回路に第2熱媒体回路を切り替える。
これによれば、内燃機関が停止した状態であっても、蒸発凝縮器における第2熱媒体の蒸発潜熱、または、吸着器における反応媒体と吸着材との結合により生ずる熱を利用して、車室内の温度を適切に調整することができる。
第9の観点によれば、車両用空調システムは、排熱回収器が、内燃機関から排出される排出ガスから熱を回収する熱交換器で構成されている。
内燃機関からの排熱の回収手法として、内燃機関を冷却する冷却水の熱を回収することが考えられるが、当該冷却水の温度は80℃〜90℃程度である。このような温度域で反応媒体を脱離可能な吸着材は極めて少なく非常に高価となるので、コスト面を考慮すると吸着材を充分に搭載することが困難となってしまう。そして、吸着材の搭載量が少ないことは、内燃機関の停止時における車室内の空調の継続時間を長くすることを妨げる要因となることから好ましくない。
これに対して、内燃機関から排出される排出ガスは、内燃機関の稼働が継続されることで昇温し、内燃機関の冷却水よりも高い温度(例えば、180℃〜200℃)になり易い。このため、排熱回収器として、内燃機関から排出される排出ガスから熱を回収する熱交換器を採用すれば、吸着材の選択範囲が拡大することで、吸着材として安価なものを選択することができる。これにより、吸着材の搭載量を充分に確保することができるので、内燃機関の停止時における車室内の空調の継続時間を長くすることが可能となる。
1 車両用空調システム
2 エンジン(内燃機関)
12 吸着器
122 吸着材
14 蒸発凝縮器
34 排熱回収器
54 室内熱交換器

Claims (9)

  1. 内燃機関(2)からの出力によって走行する車両に適用され、前記内燃機関が停止した状態で車室内を空調可能な車両用空調システムであって、
    反応媒体との結合によって発熱し反応媒体の脱離によって蓄熱する特性を有する吸着材(122)が収容される吸着器(12)と、
    反応媒体を蒸発させて前記吸着器に反応媒体を供給可能であるとともに、前記吸着器から流入する反応媒体を凝縮させて貯留可能な蒸発凝縮器(14)と、
    前記内燃機関の停止時に、前記吸着材と反応媒体との結合により生ずる熱、または、前記蒸発凝縮器における反応媒体の蒸発潜熱を利用して前記車室内に供給する空気の温度を調整する室内熱交換器(52)と、
    前記内燃機関の稼働時に前記内燃機関からの排熱を回収する排熱回収器(34)と、を備え、
    前記吸着材から反応媒体が脱離するように前記排熱回収器にて前記内燃機関から回収した排熱が前記吸着器に熱輸送される車両用空調システム。
  2. 前記吸着器にて反応媒体と熱交換する第1熱媒体が流れる第1熱媒体回路(30)を切り替える第1回路切替部(38)と、
    前記蒸発凝縮器にて反応媒体と熱交換する第2熱媒体が流れる第2熱媒体回路(50)を切り替える第2回路切替部(60、62)と、
    前記第2熱媒体回路に設けられて第2熱媒体を放熱させる室外熱交換器(54)と、を備え、
    前記第1回路切替部は、前記吸着材から反応媒体を脱離させる前記内燃機関の稼働時に、前記排熱回収器にて昇温した第1熱媒体を前記吸着器に供給する回路に前記第1熱媒体回路を切り替え、
    前記第2回路切替部は、前記吸着材から反応媒体を脱離させる前記内燃機関の稼働時に、前記吸着材から脱離した反応媒体が前記蒸発凝縮器で凝縮するように前記室外熱交換器で冷却された第2熱媒体を前記蒸発凝縮器に供給する回路に前記第2熱媒体回路を切り替える請求項1に記載の車両用空調システム。
  3. 前記第1熱媒体回路には、第1熱媒体を循環させる第1熱媒体ポンプ(36)が設けられており、
    前記第1熱媒体ポンプは、前記第1熱媒体回路が前記吸着材から反応媒体を脱離させる回路に切り替えられた際に、前記吸着器よりも第1熱媒体流れ下流側に位置するように前記第1熱媒体回路に設けられている請求項2に記載の車両用空調システム。
  4. 前記室外熱交換器に車室外空気を供給する室外ファン(55)を備え、
    前記第1熱媒体ポンプは、前記室外ファンから供給された車室外空気が流れる位置に配置されている請求項3に記載の車両用空調システム。
  5. 前記第1熱媒体回路を流れる第1熱媒体は、前記第2熱媒体回路を流れる第2熱媒体よりも沸点が高い液体である請求項2ないし4のいずれか1つに記載の車両用空調システム。
  6. 前記第1熱媒体回路を流れる第1熱媒体と前記第2熱媒体回路を流れる第2熱媒体とを熱交換させる熱媒体熱交換器(32)を備え、
    前記第1回路切替部は、前記車室内の冷房時に、前記吸着器における反応媒体と前記吸着材との結合により生ずる熱によって昇温した第1熱媒体を前記熱媒体熱交換器に供給する回路に前記第1熱媒体回路を切り替え、
    前記第2回路切替部は、前記車室内の冷房時に、前記蒸発凝縮器における反応媒体の蒸発潜熱によって冷却された第2熱媒体を前記室内熱交換器に供給するとともに、前記室外熱交換器にて冷却された第2熱媒体を前記熱媒体熱交換器に供給する回路に前記第2熱媒体回路を切り替える請求項2ないし5のいずれか1つに記載の車両用空調システム。
  7. 前記第1熱媒体回路を流れる第1熱媒体と前記第2熱媒体回路を流れる第2熱媒体とを熱交換させる熱媒体熱交換器(32)を備え、
    前記第1回路切替部は、前記車室内の暖房時に、前記吸着器における反応媒体と前記吸着材との結合により生ずる熱によって昇温した第1熱媒体を前記熱媒体熱交換器に供給する回路に前記第1熱媒体回路を切り替え、
    前記第2回路切替部は、前記車室内の暖房時に、前記熱媒体熱交換器にて加熱された第2熱媒体を前記室内熱交換器に供給するとともに、前記蒸発凝縮器を通過した第2熱媒体を前記室外熱交換器に供給する回路に前記第2熱媒体回路を切り替える請求項2ないし5のいずれか1つに記載の車両用空調システム。
  8. 前記第1熱媒体回路を流れる第1熱媒体と前記第2熱媒体回路を流れる第2熱媒体とを熱交換させる熱媒体熱交換器(32)を備え、
    前記第1回路切替部は、
    前記車室内の冷房時に、前記吸着器における反応媒体と前記吸着材との結合により生ずる熱によって昇温した第1熱媒体を前記熱媒体熱交換器に供給する回路に前記第1熱媒体回路を切り替え、
    前記車室内の暖房時に、前記吸着器における反応媒体と前記吸着材との結合により生ずる熱によって昇温した第1熱媒体を前記熱媒体熱交換器に供給する回路に前記第1熱媒体回路を切り替え、
    前記第2回路切替部は、
    前記車室内の冷房時に、前記蒸発凝縮器における反応媒体の蒸発潜熱によって冷却された第2熱媒体を前記室内熱交換器に供給するとともに、前記室外熱交換器にて冷却された第2熱媒体を前記熱媒体熱交換器に供給する回路に前記第2熱媒体回路を切り替え、
    前記車室内の暖房時に、前記熱媒体熱交換器にて加熱された第2熱媒体を前記室内熱交換器に供給するとともに、前記蒸発凝縮器を通過した第2熱媒体を前記室外熱交換器に供給する回路に前記第2熱媒体回路を切り替える請求項2ないし5のいずれか1つに記載の車両用空調システム。
  9. 前記排熱回収器は、前記内燃機関から排出される排出ガスから熱を回収する熱交換器で構成されている請求項1ないし8のいずれか1つに記載の車両用空調システム。
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