JP2019025696A - ボードおよびボードの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】廃石こうボードから回収された石こうを効率的に建築用資材として再利用できるボードおよびボードの製造方法を提供する。【解決手段】紙パルプ製造工程残渣を焼却処理して得られる製紙スラッジ焼却灰と二水石こうとを原料として含有する成形材料によって形成された板状の基材と、該基材の表面および/または裏面に積層された吸水性を有するシート部材と、を有することを特徴とする。基材が製紙スラッジ焼却灰と二水石こうを原料とした成形材料を含有しているので、基材とシート部材の界面において、接着剤を用いなくても両者を強固に接合させることができる。このため、ボードの強度を高くすることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、ボードおよびボードの製造方法に関する。さらに詳しくは、廃石こうボードから回収された石こうと製紙工程の排水等を処理した際に発生する製紙スラッジを焼却した際に回収される製紙スラッジ焼却灰を利用したボードおよびボードの製造方法に関する。
石こうボードは、耐火性、断熱性等に優れていることから、建築用資材として広く使用されており、建築物の新築等によって一定の量の需要があるものと予想されている一方、建築物の解体等に伴い多量の廃石こうボードが廃棄されている。
廃石こうボードの排出量は、現在、年間約100万トンと推計されており、2025年には倍の年間200万トンを超えるものと推計されている。しかし、その多くが産業廃棄物として埋め立て処理されており、埋め立て地の確保等が困難になってきている。
そこで、従来、廃石こうボードから回収した石こうに対して所定の加熱処理を施した石こうを建築用資材として再利用する方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3)。
例えば、特許文献1には、回収した二水石こうを半水石こうにした後、かかる半水石こうを用いて石こうボードを製造する技術が開示されている。
また、特許文献2には、回収した二水石こうを半水石こうにした後、この半水石こうを製紙スラッジ、繊維と共に混練することによって石こうボードを製造する技術が開示されている。
引用文献3には、製紙スラッジ焼却灰(以下、単にPS灰という)と、石こう(半水石こう)と、石こうの水和反応を促進させるための反応促進剤と、を混合することによって建材を製造する技術が開示されている。
特開平6−142633号公報 特開平5−310456号公報 特開昭59−156955号公報
しかるに、特許文献1〜3の技術を用いれば、廃石こうボードを再利用して建築用のボードを製造できるものの、ボードを固化させるために、廃石こうボードから回収された石こう(二水石こう)を加熱処理しなければならない。これは、回収された石こう(二水石こう)が、そのままでは水と反応して固化しないため、加熱処理することによって、水と反応して固化する半水石こうにする必要があるからである。
したがって、従来の技術では、廃石こうボードから石こうを回収するためのコストに加えて、回収した二水石こうを半水石こうに加熱処理するために多大なエネルギーが必要となる。
しかも、加熱処理を行える特殊設備を備えた業者でなければ、回収された石こうを再処理することができないことから処理量に限界が生じている。
このため、現状では、廃石こうボードの建築用資材として再利用率は25%程度にとどまっているのが実情であり、再利用率の向上が求められている。
現状では、廃石こうボードから回収された石こうを効率的に建築用資材として再利用することができる技術は開発されておらず、かかる技術の開発が求められている。
もし、かかる技術が確立できれば、廃石こうボードの産業廃棄物としての問題を解決でき、かつ産業資源としての再利用率を向上させることができる。
本発明は上記事情に鑑み、廃石こうボードから回収された石こうを効率的に建築用資材として再利用できるボードおよびボードの製造方法を提供することを目的とする。
第1発明のボードは、紙パルプ製造工程残渣を焼却処理して得られる製紙スラッジ焼却灰と二水石こうとを原料として含有する成形材料によって形成された板状の基材と、該基材の表面および/または裏面に積層された吸水性を有するシート部材と、を有することを特徴とする。
第2発明のボードは、第1発明において、前記シート部材は、ステキヒトサイズ度が30秒〜150秒であることを特徴とする。
第3発明のボードは、第1発明または第2発明において、前記シート部材が、紙であることを特徴とする。
第4発明のボードは、第1発明、第2発明または第3発明において、前記二水石こうの配合割合が、前記製紙スラッジ焼却灰100重量%に対して、15重量%以上であることを特徴とする。
第5発明のボードは、第1発明、第2発明、第3発明または第4発明において、前記二水石こうが、廃石こうボードから回収されたものを含有することを特徴とする。
第6発明のボードの製造方法は、板状の成形体の表面に一対のシート部材が積層されたボードを製造する方法であって、紙パルプ製造工程残渣を焼却処理して得られる製紙スラッジ焼却灰と二水石こうとを原料として含有する成形材料に水を加えて調製物を調製し、該調製物を前記一対のシート部材の対向する面間に供給して積層体を形成し、成形する方法であり、前記一対のシート部材の対向する面に水を含ませた状態で、前記調製物を供給することを特徴とする。
第7発明のボードの製造方法は、第6発明において、前記シート部材全体に水を含ませた状態で前記調製物を供給することを特徴とする。
第8発明のボードの製造方法は、第6発明または第7発明において、前記調製物を調製後、前記調製物が、前記一対のシート部材に接するまでの時間を30秒以内とすることを特徴とする。
第9発明のボードの製造方法は、板状の成形体の表面と裏面にそれぞれ第一シート部材および第二シート部材が積層されたボードを製造する方法であって、前記第二シート部材の一方の面に水を含ませた後、紙パルプ製造工程残渣を焼却処理して得られる製紙スラッジ焼却灰と二水石こうとを原料として含有する成形材料に水を加えて調製した調製物を前記水を含ませた第二シート部材の一方の面に供給し、前記第一シート部材の一方の面に水を含ませた後、該第一シート部材を、前記水を含ませた第一シート部材の一方の面が前記第二シート部材の一方の面に供給された前記調製物に接触し、かつ、該調製物を前記第二シート部材との間に挟むようにして配置して積層体を形成し、該積層体を成形することを特徴とする。
第10発明のボードの製造方法は、第9発明において、前記第二シート部材の一方の面に前記調製物を載置する前に、前記第二シート部材の全体に水を含ませ、前記第一シート部材を前記調製物に配置する前に、前記第一シート部材の全体に水を含ませることを特徴とする。
第11発明のボードの製造方法は、第9発明または第10発明において、前記調製物の調製後、前記調製物が、前記第二シート部材および第一シート部材の一方の面に接するまでの時間を30秒以内とすることを特徴とする。
第12発明のボードの製造方法は、板状の成形体の表面と裏面にそれぞれ第一シート部材および第二シート部材が積層されたボードを製造する方法であって、前記第一シート部材の一方の面および前記第二シート部材の一方の面に水を含ませた後、紙パルプ製造工程残渣を焼却処理して得られる製紙スラッジ焼却灰と二水石こうとを原料として含有する成形材料に水を加えて調製した調製物を、前記水を含ませた第一シート部材の一方の面と前記水を含ませた第二シート部材の一方の面の間に供給して積層体を形成し、該積層体を成形することを特徴とする。
第13発明のボードの製造方法は、第12発明において、前記第一シート部材および前記第二シート部材の全体に水を含ませることを特徴とする。
第14発明のボードの製造方法は、第12発明または第13発明において、前記調製物の調製後、前記調製物が、前記第一シート部材および前記第二シート部材の一方の面に接するまでの時間を30秒以内とすることを特徴とする。
第15発明のボードの製造方法は、第6発明乃至第14発明のいずれかに記載の発明において、前記二水石こうの配合割合が、前記製紙スラッジ焼却灰100重量%に対して、15重量%以上となるように調整することを特徴とする。
第16発明のボードの製造方法は、第6発明乃至第15発明のいずれかに記載の発明において、前記二水石こうが、廃石こうボードから回収されたものを含有することを特徴とする。
第1発明によれば、基材が製紙スラッジ焼却灰と二水石こうを原料とした成形材料を含有しているので、基材とシート部材の界面において、接着剤を用いなくても両者を強固に接合させることができる。このため、ボードの強度を高くすることができる。
第2発明によれば、シート部材のステキヒトサイズ度が所定の範囲内であるので、特殊な紙を用いなくてもボードに高い強度を発揮させることができる。しかも、特殊な紙を用いなくてもよいので、製造コストを抑制できる。
第3発明によれば、シート部材が紙であるので、ボードの表面の意匠性の自由度を向上させることができる。
第4発明によれば、製紙スラッジ焼却灰と二水石こうの配合割合を適切に調整することによって、ボードの強度をより適切に発揮させることができる。
第5発明によれば、廃材として処理される廃石こうボードを有効に再利用することができる。
第6発明によれば、シート部材の接触面に水を含ませることによって、シート部材と成形体とを強固に接合させることができる。したがって、調製物を成形してシート部材を積層させるだけの簡単な操作で高い強度を有するボードを製造することができる。
第7発明によれば、全体に水を含んだ状態のシート部材を積層させることによって、両者の接合を適切に行わせることができる。
第8発明によれば、シート部材の積層時間を所定の時間以内にすることによって、両者の接合をより適切に行わせることができる。
第9発明によれば、シート部材の調製物に接触する接触面に水を含ませることによって、積層体において、調製物からなる基材とシート部材とを強固に接合させることができる。しかも、シート部材によって調製物を挟み込むだけの簡単な操作で積層体を形成することができる。したがって、高い強度を有するボードを簡単に製造することができる。
第10発明によれば、シート部材の全体に水を含ませることによって、積層体において、調製物からなる成形体とシート部材との接合を適切に行わせることができる。
第11発明によれば、調製物とシート部材を接触させて積層体を形成するまでの時間を所定の時間以内にすることによって、両者の接合をより適切に行わせることができる。
第12発明によれば、シート部材の調製物に接触する接触面に水を含ませることによって、積層体において、調製物からなる成形体とシート部材とを強固に接合させることができる。しかも、シート部材によって調製物を挟み込むだけの簡単な操作で積層体を形成することができる。したがって、高い強度を有するボードを簡単に製造することができる。
第13発明によれば、シート部材の全体に水を含ませることによって、積層体において、調製物からなる成形体とシート部材との接合を適切に行わせることができる。
第14発明によれば、調製物とシート部材を接触させて積層体を形成するまでの時間を所定の時間以内にすることによって、両者の接合をより適切に行わせることができる。
第15発明によれば、製紙スラッジ焼却灰と二水石こうの配合割合を適切に調整することによって、ボードの強度を適切に発揮させることができる。
第16発明によれば、廃石こうボードから回収された二水石こうをそのまま利用できるので、廃石こうボードの再利用率を向上させることができる。
本実施形態のボードの概略断面図である。 本実施形態の製造方法のフローを示した図である。 本実施形態の製造方法によるボードの製造状況を説明した概略図である。 本実施形態の他の製造方法によるボードの製造状況を説明した概略図である。 実施例の実験結果を示した図である。 実施例の実験結果を示した図である。 実施例の実験結果を示した図である。 実施例の実験結果を示した図である。 実施例の比較試験結果を示した図である。
本発明のボードは、基材にシート部材が積層したボードであって、基材が、製紙スラッジ焼却灰と二水石こうとを原料とした成形材料を含有しているので、基材とシート部材を強固に接合させることができるようになるから、接着剤等を用いなくてもボードの強度を高くできるようにしたことに特徴を有している。
本発明のボードの製造方法は、成形体(本発明のボードの基材に相当する)にシート部材が積層したボードを製造する方法であって、水を含ませたシート部材を積層することによって、接着剤等を用いなくても、成形体とシート部材を強固に接合させることができるようにしたことに特徴を有している。
以下では、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
まず、本実施形態のボードの概略を説明した後、本発明のボードの製造方法について説明する。
図1に示すように、本実施形態のボード1は、板状の基材2と、この基材2に積層したシート部材3と、を備えている。
(基材2について)
本実施形態のボード1の基材2は、成形材料から形成されたものであり、原料として製紙スラッジ焼却灰(以下、単にPS灰という)と二水石こうとを含有したものである。
(PS灰について)
基材2の成形材料の原料となるPS灰は、製紙工程の排水等を処理した際に発生する固形分(以下、単に製紙スラッジという)を焼却設備を用いて焼却処理(例えば、800℃〜900℃程度)した際に回収される焼却灰であれば、とくに限定されない。例えば、一般的に、焼却設備から回収されたサイクロン灰やバグフィルター灰またはこれらを混合した灰を採用することができる。また、これらの灰の大きさ(つまり粒子径)もとくに限定されず、例えば、粒子径が1000μm以下の粒状体の灰からなるサイクロン灰や、粒子径が20μm以下の小さな粒子状の灰からなるバグフィルター灰を挙げることができる。
なお、サイクロン灰やバグフィルター灰の大きさ(粒子径)は、レーザー回折・散乱法により測定された粒度分布から算出することができる。
また、これらの平均粒子径もレーザー回折・散乱法により測定された粒度分布から算出することができ、粒度分布における体積平均粒子径のことを意味する。
また、上述したPS灰は、製紙スラッジに含まれる無機物質に由来する元素成分を含有している。かかる元素としては、例えば、カルシウム(Ca)やアルミニウム(Al)、ケイ素(Si)などを挙げることができる。そして、これらの元素は、例えば、酸化カルシウムやカオリンなどのような状態でサイクロン灰やバグフィルター灰などのPS灰中に存在すると考えられている。
(二水石こうについて)
基材2の成形材料の原料となる二水石こうは、硫酸カルシウム2水和物(CaSO・2HO)を主成分とするものである。このような二水石こうとしては、例えば、天然物として産出する硫酸カルシウム2水和物を主成分とする鉱物はもちろん、廃石こうボードから紙片を除去して回収される硫酸カルシウム2水和物を主成分とする廃石こうや、化学的に合成された硫酸カルシウム2水和物を主成分とする合成物などを用いることができる。
この二水石こうは、その大きさや形状は基材2に含有可能であればとくに限定されない。例えば、塊状のものを粉砕してある程度の大きさ(例えば、数mm以下の大きさ)となるように調整したものを用いることができる。また、その形状としても、粒状、粉状、小塊、クラッシュ形状等の様々な形状のものを用いることができる。
なお、以下では、このような様々な形状の二水石こうを単に粒状体といい、その大きさも粒子径で表す。
また、二水石こうの大きさ(つまり粒子径)は、上述した灰の粒子径を計測する場合と同様にレーザー回折・散乱法により測定された粒度分布から算出することができる。
(シート部材3について)
本実施形態のボード1のシート部材3は、板状の基材2に積層して設けられるシート状の部材である。積層する面は板状の基材2の少なくとも一方の面(例えば表面)に積層されていればよく、他方の面(例えば裏面)の両面に積層してもよい。
また、シート部材3は、吸水性を有する部材である。具体的には、シート部材3は、シート部材3の表面に水を塗布等した際に水を吸収しやすい部材で形成されている。この水の吸収のしやすさは、シート部材の表面から内部に向かって水が浸透する際の時間(例えば、ステキヒトサイズ度)で表すことができる。
例えば、シート部材3は、ステキヒトサイズ度が30秒〜150秒のものが好ましく、より好ましくは40秒〜120秒、さらに好ましくは50秒〜100秒のものが好ましい。ステキヒトサイズ度が30秒よりも低いと水を塗布した際に、シート部材の強度が低下し、破れるおそれがある。一方、ステキヒトサイズ度が150秒よりも高いと積層するまでに十分な水の塗布量が得られない。したがって、シート部材3は、ステキヒトサイズ度が上記範囲内となるように調整されたものが好ましい。
なお、シート部材3の素材としては、ステキヒトサイズ度が上記範囲内となるようなものであれば、とくに限定されない。例えば、紙製のものや、可撓性を有する不織布、合成繊維で形成されたシート状のものなどをシート部材の素材として採用することができる。とくに、シート部材3を繊維により形成した場合、上述したようなステキヒトサイズ度を有するものであれば、基材2と接触する接触面において、複数の空隙や繊維間に形成された隙間などを設けた構造とすることができる。
「ステキヒトサイズ度」とは、JIS P8122(紙及び板紙−サイズ度試験方法−ステキヒト法)に準拠して測定した値であり、かかる値が小さいほど水が浸透し易い素材といえる。
なお、上述した廃石こうボードとは、一般的な建築用資材として使用されている石こうボードの廃材をいい、天然または合成の硫酸カルシウム2水和物を主成分とした基材表面を特殊な紙で被覆して板状に成形されたものである。そしてこのような石こうボードに用いられる特殊な紙のステキヒトサイズ度は、一般的に、270秒〜300秒程度といわれており、水を非常に通しにくいように形成されているものが使用されている。
以上のごとく、本実施形態のボード1は、上述したPS灰と二水石こうとを原料として含有する成形材料によって基材2が形成されており、この基材2の表面および/または裏面に上述した吸水性を有するシート部材3が積層した構造となるように形成されている。
このため、PS灰と二水石こうを原料とした成形材料によって基材2自体を固化させることができる。しかも、基材2とシート部材3の界面においては、接着剤を用いなくても両者を強固に接合させることができる。したがって、基材2とシート部材3が一体となるように接合しているので、ボードの強度を高くすることができる。
また、シート部材3としては、ステキヒトサイズ度が上記範囲内となるようなものであればよく、例えば、段ボール原紙、紙管原紙、両更クラフト紙、片艶クラフト紙などをシート部材3として採用することができる。このため、シート部材3の素材として、特殊な紙を用いなくてもボード1の強度を高い状態に維持できる。
ここで、通常の内装用ボードであれば特殊な紙を基材に積層することによって強度を発揮させている。そして、このような紙は、表面の意匠性が非常に乏しいものである。このため、一般的には、このような内装用のボード表面には、意匠性を有する別のシートを貼り付けるなどの工夫がなされている。
しかしながら、本実施形態のボード1であれば、上述したような一般的な紙をシート部材3として採用することができるので、建築用資材の内装材として利用するような場合には、そのままの状態で使用することができる。つまり、ボード1の表面の意匠性の自由度を従来のボードと比べて飛躍的に向上させることができる。しかも、特殊な紙はもちろん余分なシートを新たに貼り付ける必要もないので、製造コストはもちろん設置費用等も抑制することができる。
(廃石こうの利用)
とくに、基材2を形成する成形材料中に含有する二水石こうは、上述したように廃石こうを使用すれば、以下の効果を奏する。
従来、廃石こうなどの硫酸カルシウム2水和物を主成分とするものは、再利用する際に加熱処理して水分子をある程度除去した状態のいわゆる半水石こう等にした状態でなければ固化剤として使用することができないと考えられている。しかし、本実施形態のボード1の基材2のように、二水石こうとPS灰を混合した成形材料に水を加えて混練すれば、固化剤等を加えなくても強固に固化させることができることを見出した。
つまり、廃石こうを再利用する場合には、従来のような加熱処理を行わなくても、本実施形態のボード1は、従来加熱処理を行った場合と同等またはそれ以上の高い強度にできる。
しかも、従来のように二水石こうを再利用する際に加熱処理して半水石こうにする処理を行わなくてもよくなるので、加熱処理のために要するエネルギーを抑制できるので、ボード1の製造コストを抑制することができる。
さらに、半水石こうは吸湿固化しやすく、水分に触れるとすぐに固化してしまうため、保管時に密封保存しなければならない。しかし、二水石こうは常温常湿での保管が可能であり、半水石こうのようにただちに固化してしまうこともないため、管理や取り扱いが容易であるという利点も得られる。
また、廃石こうをある程度粉砕するだけで、そのまま本実施形態のボード1の成形材料として利用することができるので、成形材料を製造する際の作業性を向上させることができる。このため、生産性を向上させることができるから、廃石こうの再利用の推進を加速することができる。
しかも、廃石こうを再利用する際の特殊な加熱処理設備などを用いなくてもよくなるので、再処理にかかるコストを抑制できるようになる。この場合、従来、上述したような加熱処理設備を有していなかった業者であっても成形材料を製造することができるようになるので、例えば、廃石こうボードのリサイクルをさらに促進させることが可能となる。
さらに、廃石こうボードをそのまま粉砕したものを使用してもよい。この場合、廃石こうボード中に含まれる繊維部材を成形材料として利用するので、ボード1の強度をより向上させることが可能となる。かかる理由については後述する。
(本実施形態の製造方法)
本実施形態のボード1は、以下のような方法を用いて製造することができる。
図3に示すように、成形材料に水を加えて調製した調製物をシート部材3に供給し積層体を形成することによってボード1を製造することができる。具体的には、シート部材3に供給した調製物が固まる前に接触面に水を含ませたシート部材3を積層することによって、ボード1を製造する。
なお、本実施形態のボード1を製造する方法は、上述したように調製物が固まる前に接触面に水を含ませたシート部材3を積層することができる方法であれば、以下の製造方法に限定されないことはいうまでもない。
(調製物の調製)
まず、図2に示すように、原料となるPS灰と二水石こうとを混合した成形材料を撹拌して両者が均質な状態となるようにした後、水を加えて調製物を調製する。
調製物を調製する方法は、とくに限定されない。例えば、成形材料に水を加えて混練すれば調製物を調製することができる。また、混練機を使用すれば撹拌と混練を同時に行うことができるので調製作業が行いやすくなる。
以下では、シート部材3を、バッチ方式で積層してボード1を製造する方法と、連続的にシート部材3を積層してボード1を製造する方式について説明する
まず、シート部材3をバッチ方式で積層してボード1を製造する方法について説明する。
図3(A)に示すように、上方に開口を有する箱型の型枠Fと、この型枠Fの内底面とこの内底面に連続した長軸側の一対の内側面と開口面を覆うことができる大きさのシート部材3を準備する。
そして、図3(B)に示すように、このシート部材3を型枠F内に配置する。このとき、シート部材3において、型枠Fの内底面側に位置する部分を以下、第二シート部材3bという。そして、図3(C)および図3(D)に示すように、閉じたときに開口面を覆う位置に配設される部分を以下、第一シート部材3aという。
この第二シート部材3bの接触面(つまり調製物を供給した際、調製物を載置する側の面)には、調製物を供給する前に、水を含ませておき、調製物が供給されたときには湿潤状態となっているようにする。
シート部材3の接触面に水を含ませる方法はとくに限定されない。例えば、スプレー等によってシート部材3の接触面に対してミスト上の水を塗布してもよいし、接触面を直接水に接触させてもよいし、後述するようにシート部材3を水中に浸漬させてもよい。なお、シート部材3に含ませる水の量についての詳細は後述する。
ついで、図3(B)に示すように、型枠Fの開口上方に設けられたノズルNから調製物を型枠F内に供給する。
図3(C)に示すように、型枠Fの開口縁以上となるまで調製物を供給した後、供給を止める。その後できるだけ早く型枠Fの調製物に向かって第一シート部材3aの接触面が上記調製物に接するまで折り曲げる。そして、第一シート部材3aの接触面がかかる調製物に接した状態からさらに押圧して、第一シート部材3aの接触面における調製物に接する領域全体が調製物に接するようにする。言い換えれば、第一シート部材3aの長軸側の端縁部が、第一シート部材3aが連結した型枠Fの側壁に対向する側の側壁上端に接するようにする。つまり、型枠F内に供給した調製物が型枠Fの内壁形状と同じような形状、大きさとなるように調製物からなる成形体を形成する。
このとき同時に成形体の両面には第一シート部材3aと第二シート部材3bが積層された状態となっている。つまり、第一シート部材3aと第二シート部材3bとの間に調製物を挟むようにして配置して加圧することによって、調製物からなる成形体にシート部材3を積層した積層体を形成し成形することができるのである。言い換えれば、積層体は、調製物からなる成形体にシート部材3が積層した構造となっている。
この積層体を乾燥等すれば、本実施形態のボード1を製造することができる。
なお、積層体において、調製物からなる成形体が、図1におけるボード1の基材2に相当する。
また、第一シート部材3aの接触面(つまり調製物に接触する側の面)には、調製物に接触させる前に、水分を含ませておき、調製物を挟むようにして配置したときには湿潤状態となっているようにする。
また、第一シート部材3aおよび第二シート部材3bは、調製物に接触する前に、第一シート部材3aおよび第二シート部材3bの全体に水を含ませた状態とすれば、上述したシート部材3全体に水を含ませた状態にする場合と同様の効果を奏する。
以上のごとく、接触面に水を含ませたシート部材3を調製物に接触させて積層体を形成し、この積層体を成形することによって、両者を強固に接合させることができる。
かかる固化現象の明確なメカニズムは不明であるが、以下のように推察される。
固化していない状態の成形体の表面に接触面が濡れた状態のシート部材3を接触させた際、両者の界面において、接合に寄与する成分(例えば、成形体を構成する成形材料中に含まれるカルシウムやアルミニウム、ケイ素などの無機物等)が、成形体の表面からシート部材3へ移行するのを抑制することができる。このため、界面における固化現象に寄与する成分の濃度が維持されるため、両者を強固に接合させることができるものと推察される。
また、両者の界面において、両者が水に濡れた状態であるので、両者を密着させることができるので、その際に成形体の表面に存在する成形材料の一部をシート部材3の接触面に接触させることができる。
具体的には、シート部材3が繊維により形成されていれば、接触面に露出している繊維間に成形材料の一部を配置させたり、接触した状態にすることができる。そして、かかる状態のまま固化させれば、かかる界面において、固化した結晶等の固化物がシート部材3の接触面に露出した繊維間に侵入したり、このような繊維を抱き込んだような状態となる。言い換えれば、固化した固化物がシート部材3の接触面に食い込んだような状態となるので、界面における両者の接合をより強固にしているものと推察される。
また、成形体自体も、PS灰と二水石こうとを原料とする成形材料に水を加えて混練した調製物を成形することによって、他の固化剤等を含有しない状況下で固化させることができる。
したがって、所定の成分を含有した成形材料に水を加えて調製物を調製し、この調製物を接触面が水を含んだシート部材3に供給して積層体を成形するだけの簡単な操作によって、高い強度を有するボード1を製造することができる。
なお、シート部材3の「接触面」とは、シート部材3において、上述した調製物や上述した調製物からなる成形体に接触する側の面はもちろん、シート部材3の厚さ方向において、かかる面を有する層(つまり接触層)を含む概念である。
また、上述したように第一シート部材3aを調製物に積層する際、そのまま積層してもよいが、第一シート部材3aの接触面が平滑な状態となるようにテンションをかけた状態で積層してもよい。
この場合、第一シート部材3aの接触面にテンションをかけることによって接触面をより平滑な状態にできる。すると、第一シート部材3aの接触面を調製物に接触して積層するときに、第一シート部材3aの接触面の接触面と、押圧後に形成される調製物からなる成形体の接触面とをより密着させた状態で積層することができるので、より強度の高いボード1を製造することができる。
(シート部材3の積層に要する時間)
とくに、このバッチ方式では、シート部材3を積層するタイミングは、調製物とシート部材3の接触界面が湿潤状態であればとくに限定されないが、短いほうが好ましい。具体的には、調製物とシート部材3の接合に影響を与えない程度の時間であればとくに限定されないが、この時間が30秒よりも長くなると両者の接合に影響が生じはじめる。
したがって、このバッチ方式では、調製物を調製後(例えば、図3ではノズルNの供給口から調製物が排出されたときから)、かかる調製物が第二シート部材3bの接触面に供給してから第一シート部材の接触面に接する(つまりシート部材3と調製物が接触して両者が積層した状態の積層体が形成されたとき)までの時間を30秒以内となるように調整するのが好ましく、より好ましくは20秒以内であり、さらに好ましくは15秒以内であり、よりさらに好ましくは5秒以内となるように調整するのがよい。
シート部材3を積層するタイミングが上記範囲内となるように積層体を成形することによって、積層体において、調製物からなる成形体と第一シート部材3aと第二シート部材3bとの接合をより適切に行わせることができるようになる。このため、強度をより向上させたボード1を製造することができるようになる。
(調製物を調製する際に加える水量)
調製物を調製する際に加える水の量は、成形材料を均一に混練することができる量であればとくに限定されない。
例えば、成形材料中のPS灰100重量%に対して、50重量%以上となるように調整するのが好ましく、より好ましくは50重量%以上200重量%以下であり、さらに好ましくは70重量%〜150重量%となるように調整する。
水の量が50重量%よりも少ないと混練を十分に行うことができない。一方、水の量を増加すれば混練をスムースに行うことができるが、200重量%よりも多くなると成形性が低下したり乾燥に時間がかかるので、取扱い上の観点から加える水の量は、上記範囲内となるように調整するのが好ましい。
したがって、調製物の粘性および固化の速さを考慮した場合、加える水の量は、成形材料中のPS灰100重量%に対して50重量%以上、より好ましくは上記範囲内となるように調整するのが好ましい。
(シート部材3への水塗布量)
シート部材3は、上述したように接触面に水を含ませた状態つまり接触面が湿潤状態に維持されていればよく、シート部材3全体に水を含ませた状態であってもよい。
シート部材3全体に水を含ませた状態とすれば、シート部材3の接触面において、確実に水が存在するような状態で積層させることができるので、シート部材3と調製物からなる成形体との接合を適切に行わせることができる。つまり、両者をより強固に接合させることができるので好ましい。
シート部材3に含ませる水の量(つまり水塗布量)は、シート部材3が上述したような状態を維持することができる量であれば、とくに限定されない。
例えば、シート部材3に対する水塗布量は、5g/mよりも大きくなるように調整するのが好ましい。しかし、水塗布量が30g/mよりも少なくなるとシート部材3の接触面と調製物からなる成形体との界面において空隙等を形成し易くなる。かかる界面に空隙が発生してしまうと、両者の接触面積が低下することによって、ボード1の強度が低下する可能性がある。
したがって、シート部材3に対する水塗布量は、5g/mよりも大きくなるように調整するのが好ましく、より好ましくは30g/m以上、さらに好ましくは50g/m以上となるように調整する。
例えば、シート部材3の素材が紙製のシート部材3(例えば、坪量100g/m)を用いた場合、かかるシート部材3を水中に約1秒間浸漬させれば、その水塗布量を約50g/mとなるように調整することができ、浸漬時間を約180秒間とすれば、水塗布量を約100g/mとなるように調整することができる。
また、シート部材3の接触面に対してミスト状の水を塗布する方法を採用すれば、シート部材3に対する水塗布量を調整し易いという利点が得られる。例えば、ミストの粒子の大きさを調整すれば、短い時間でシート部材3の接触面の内部(つまり接触層)まで水分を供給することが可能となるので、短い時間でシート部材3の接触面の水分含有量が適切な状態となるように調整することが可能となる。
(PS灰と二水石こうの配合割合)
成形材料は、上述したように原料としてPS灰と二水石こうとを含有していれば、両者の配合割合はとくに限定されないが、以下のような配合割合とすれば、上述した成形体とシート部材3との接合をより適切に行わせることができ、かつ成形体の強度も適切に発揮させることができる。
つまり、成形材料のPS灰と二水石こうの配合割合を適切に調整すれば、ボード1の強度を適切に発揮させることができる。
しかも、二水石こうの配合割合を増加させれば、二水石こうが有する機能(耐熱性機能や耐候性機能など)もボード1に付与させることができるようになる。
二水石こうの配合割合としては、例えば、PS灰100重量%に対して15重量%以上となるように調整するのが好ましく、より好ましくは20重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上となるように調整する。配合割合が10重量%よりも低くなると、ボード1の強度が急激に低下してしまう。一方、二水石こうの配合割合を高くすればボード1の強度を向上させることができるが、配合割合が50重量%を超えたあたりから、その強度向上は鈍化する傾向にある。したがって、二水石こうの混合割合は、PS灰100重量%に対して20重量%以上となるように調整するのが好ましく、30重量%以上となるように調整するのがより好ましい。
(二水石こうの粒子径)
成形材料に配合する二水石こうは、粉砕したものであればその大きさはとくに限定されないが、ボード1の強度を適切に発揮させる上では、以下のような大きさのものが好ましい。
例えば、二水石こうの粒子径が1mm以下となるように調製する。より具体的には、平均粒子径が5μm〜300μmとなるように調製したものが好ましい。
一方、二水石こうの平均粒子径が5μmよりも小さくなると、得られた成形体の強度も低くなる傾向にある。
したがって、本発明の成形材料中に含有する二水石こうの大きさは、上記の範囲内となるように調整するのが好ましい。
なお、二水石こうの大きさを調製する方法は、とくに限定されない。例えば、公知の乾式粉砕機や、湿式粉砕機を用いれば、所望の粒子径となるように調製することができる。とくに、粉砕後の篩分け等の作業性の観点から、乾式粉砕を採用するのが好ましい。
また、上述した二水石こうの平均粒子径は、上述した灰の粒子径を計測する場合と同様にレーザー回折・散乱法により測定された粒度分布から算出することができる。
成形材料には、上述したPS灰と二水石こうの他に、後述する繊維部材や、短冊状に切断した紙や、珪藻土、界面活性剤、硬化促進剤、凝結遅延剤、樹脂系の結合剤などを含有させてもよいのは言うまでもない。
珪藻土を混合すれば、軽量化を図ることができる。また、フェノール系樹脂、アミノ系樹脂などの樹脂系の結合剤を混合すれば、後述する成形体の強度をより向上させることができる。
成形材料に繊維部材を含有させれば、ボード1の強度をより向上させることが可能となる。
かかる理由としては、繊維部材を含有する成形材料に水を加えて混練し成型すれば、PS灰と比較して高いアスペクト比を有する繊維部材同士間に成形材料が混在した状態で形成することができるからである。このような構造となっているので、曲げ荷重がかかり、破断面に存在する繊維に引張応力が加わる。その際、繊維部材とPS灰間に応力が発生したことで、ボード1の物理的強度が向上するものと推察される。
また、乾燥した状態では、繊維部材同士を連結させた状態で固化させることができる。とくに、繊維部材の材質が水酸基を有する場合、隣接する繊維部材同士を水素結合によって結合させることができる。
このような繊維部材としては、例えば、合成樹脂系の繊維部材や天然物系の繊維部材などを用いることができる。天然物系の繊維部材としては、例えば新聞古紙や雑誌古紙、段ボール古紙などから製造された古紙パルプのほか、針葉樹クラフトパルプ(NKP)、広葉樹クラフトパルプ(LKP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)などのバージンパルプなどを挙げることができる。しかも、このようなパルプ系の繊維部材を用いれば、繊維部材は、その表面に水酸基を有するので、上述したように隣接する繊維部材同士間に水素結合を発生させることができるので、好ましい。
なお、調製物からなる成形体にシート部材3を積層して形成した積層体は、ある程度の期間養生するのが好ましい。この養生期間はとくに限定されないが、例えば、積層体を適切に硬化させる上では、1日〜7日程度とするのが好ましい。
また、積層体をある程度乾燥すれば、本実施形態のボード1として完成するが、かかる乾燥条件は、積層体の形状変化が一定となるような状態まで乾燥できれば、とくに限定されない。
一般的に、成形物を乾燥する際には、形状変化を起こし易いことが知られている。このため、積層体が乾燥した際に形状変化を生じやすい場合には、成形材料中に上述した繊維部材を含有するのが好ましい。この場合、乾燥後の積層体の収縮や反りなどを抑制できるので、乾燥後に形状を整えるための加工作業を軽減できるから、ボード1を製品化する際の製造コストを抑制できるという利点が得られる。
(他の実施形態の製造方法)
上記例では、バッチ的にボード1を製造する方法について説明したが、以下では、既存の設備を活用しながら連続的にボード1を製造する場合について説明する。
以下では、シート部材3を連続的に積層してボード1を製造する方法について説明する。
この製造方法では、シート部材3を連続的に調製物(上述した調製物を成形した調製物からなる成形体を含む)に積層することができる方法であれば、以下の方法に限定されない。
図4に示すように、この製造装置は、シート部材供給部と、調製物供給部と、駆動部とを備えている。
図4に示すように、駆動部は、駆動ローラRと複数の案内ローラRとを備えている。駆動ローラRは、モータなどによって回転駆動されるものであり、回転すると案内ローラRの上部に設けられたベルトBが複数の案内ローラRに案内されて下流側に向かって移動(図4では右側から左側へ向かって移動)するようになっている。なお、このベルトBは、周回移動となるように取り付けられていてもよい。
この駆動部のベルトBの上方には、上流側から、表面用のシート部材3xを供給するための第一シート部材供給部、調製物供給部、裏面用のシート部材3yを供給するための第二シート部材供給部、加圧部、の順に配設されている。
図4に示すように、各シート部材供給部には、シート部材3x、3yの調製物に接触する側の接触面に水wを供給する水分供給部を備えている。
加圧部は、ローラであって、ベルトBとローラとの間に一定の隙間を有するように配設されている。この間隔はボード1の厚さによって任意に設定することができるようになっている。
この製造装置が以上のような構造を有しているので、以下のように、シート部材3を連続的に調製物(調製物を成形した成形体を含む)に積層して積層体を成形することができる。
まず、ベルトBを移動させながら、第一シート部材供給部からシート部材3xを連続してベルトBの上面に供給する。このときシート部材3xの接触面は、水分供給部から供給された水wによって水分を含んだ状態となっている。つぎに、シート部材3xは下流側に移動して、調製物供給部の下方まで移動する。すると、調製物供給部のノズルNから連続してシート部材3xの接触面に調製物が供給される。さらに、シート部材3xの接触面に調製物が載置された状態のまま下流側に移動して加圧部のローラに到達する。このローラには、かかるローラの上方に配設された第二シート部材供給部から連続して供給されるシート部材3yが巻き掛けられている(図4参照)。
このため、ベルトBを上流側から下流側へ向かって移動させれば、調製物は加圧部のローラに挟まれて加圧され所定の厚さに成形される。このとき、加圧により成形された調製物の成形体の表面と裏面にはそれぞれシート部材3xとシート部材3yが連続的に積層される。つまり、調製物を、シート部材3yの接触面とシート部材3xの接触面との間に配置しながら連続的に調製物の成形体の両面にシート部材3x、3yが積層した積層体を形成し成形することができる。
なお、シート部材3x、3yの接触面への水分供給は、水分供給部からスプレー等を用いて水wを供給してもよいし、水槽等を設けた水分供給部内を通過させて全体に水を含ませた状態で供給してもよい。この場合、全体に水を含ませた状態とすれば、上述したシート部材3全体に水を含ませた状態にする場合と同様の効果を奏する。
とくに、この連続方式の製造装置では、調製物を調製後(例えば、図4ではノズルNの供給口から排出されたときから)、かかる調製物がシート部材3xとシート部材3yとの間に供給するまでの時間、より具体的にはシート部材3xとシート部材3yの対向する一方の面(つまり接触面)に調製物が接する(つまりシート部材3と調製物が接触して両者が積層した状態の積層体が形成されたとき)までの時間を30秒以内となるように調整するのが好ましく、より好ましくは20秒以内であり、さらに好ましくは15秒以内であり、よりさらに好ましくは5秒以内となるように調整する。
シート部材3を積層するタイミングが上記範囲内となるように積層体を形成し成形することによって、積層体において、調製物からなる成形体とシート部材3xとシート部材3yとの接合をより適切に行わせることができるようになる。このため、強度をより向上させたボード1を連続して製造することができるようになる。
例えば、調製物供給部のノズルNの先端が加圧部のローラ近傍に位置するように配設すれば、上記時間を短くできる。かかる時間内に積層体を形成し成形することによって、積層体において、調製物をからなる成形体とシート部材3x、3yとの接合をより適切に行わせることができるようになる。
なお、成形された積層体は、さらに下流側に設けられた切断機等によって所定の長さに切断されたのち、乾燥手段に供給する。この乾燥手段は、成形された積層体をそのまま内部に収容することができる収容部を備えている。この収容部は、乾燥条件等を設定できるようになっている。この乾燥手段を通過させれば、本実施形態のボード1を連続して製造することができる。
本発明のボードの有効性を確認するために、二水石こうの配合割合とボードの強度との関係、シート部材の影響およびシート部材の積層タイミングに基づくボードの性質、シート部材の水塗布量とボードの強度との関係をそれぞれ確認した。
実験では、まず、使用する成形材料の調製を行った後、かかる成形材料を用いて形成したボードの性質を確認した。
(成形材料の調製)
実験では、成形材料の原料として、紙パルプ製造工程残渣を焼却処理した際に回収された製紙スラッジ焼却灰(以下単にPS灰という)、二水石こう、および繊維部材を使用した。使用した各原料は、以下のとおりである。
PS灰として、紙パルプ製造工程残渣を焼却処理した際に回収された製紙スラッジ焼却灰のうち、焼却設備に設けられたバグフィルターによって回収されたバグフィルター灰(以下、単にBF灰という)を使用した。
このBF灰は、粒子径が約30μm以下の粒状体を約100体積%含有しており、粒子径が約10μm以下の粒状体を約82体積%含有しており、粒度分布D50が約5μmであった。
二水石こうとしては、廃石こうボードから回収されたもの(以下、単に廃石こうという)を粉砕されたものを粉砕機を用いてさらに粉砕したものを使用した。
実験に使用した廃石こうは、粒子径が約1mm以下のものであり、粒度分布D50が259μmのものを使用した。
なお、粒度分布は、乾式粒度分布測定装置(株式会社セイシン企業製、型番;LMS−2000e)を用いて測定した。
また、粒度分布の測定では、上記乾式粒度分布測定装置を用いて、実験に使用したBF灰の粒度分布を求めた後、BF灰の全体積を100%として累積カーブを求めたときに、その累積カーブが50%となる点の粒子径をD50(μm)として算出した。
繊維部材としては、未叩解NBKP(平均繊維長が約2.36mm、平均繊維幅が約22.8μm)を使用した。
なお、平均繊維幅と平均繊維長の測定は、Lorentzen&Wettre社製のファイバーテスター(型番;CODE912)を用いて測定した。
上述したPS灰(BF灰)、二水石こう(廃石こう)、および繊維部材(未叩解NBKP)を以下のように配合した。
二水石こう(廃石こう)の配合割合は、PS灰(BF灰)100重量%に対する割合となるように調整した。
繊維部材(未叩解NBKP)の配合割合は、PS灰(BF灰)100重量%に対して4重量%となるように調整した。
水の配合割合は、PS灰100重量%に対して、100重量%となるように調整した。
なお、二水石こうを含有しないもの(0重量%のもの)および二水石こうを10重量%含有するものを調製して比較例1、2とした。また、二水石こう以外の成分については、同じ配合割合となるように調整した。
(実験1)
実験1では、二水石こうの配合割合とボードの強度との関係を確認した。
(本発明のボードの作製)
実験1では、二水石こう(廃石こう)の配合割合が、PS灰(BF灰)100重量%に対して15重量%、20重量%、30重量%、50重量%となるように調整した成形材料を使用して、以下の方法により調製物からなる成形体の両面にシート部材が積層した積層体を形成してボードを作製した。
実験1では、二水石こう(廃石こう)の配合割合が、
PS灰(BF灰)100重量%に対して15重量%のものをボードA、
PS灰(BF灰)100重量%に対して20重量%のものをボードB、
PS灰(BF灰)100重量%に対して30重量%のものをボードC、
PS灰(BF灰)100重量%に対して50重量%のものをボードD、とした。
なお、二水石こうを含有しないもの(0重量%のもの)および二水石こうを10重量%含有するものを調製して比較例1、2とした成形材料を用いたものを比較ボード1、2とした。
また、比較例1、2の成形材料に含まれる二水石こう以外の成分については、上述した配合割合となるように調整した。
まず、撹拌機(ASONE社製、型番;PM202)に成形材料130gを投入し、水を加えて、2分間、250〜300rpmで混練して調製物を調製した。
また、調製物は、調製の完了と同時に後述するシート部材に供給した。
シート部材として、晒片艶クラフト紙(坪量180g/m、引張強さ(縦)8.82kN/m、ステキヒトサイズ度92秒)を使用した。
このシート部材を水中に180秒浸漬させて、シート部材の調製物に接する側の面(接触面)を湿潤状態にした。
なお、水塗布量は、102g/mであった。水塗布量は、塗布直後のシート部材質量を計量し、塗布前のシート部材の質量を差し引いて算出した。
また、ステキヒトサイズ度は、JIS P8122(紙及び板紙−サイズ度試験方法−ステキヒト法)に準拠して測定した。
このシート部材(縦210mm、横50mm)を、その背面が長手方向に沿った中央で折り曲げられるように形成した断面形状がL字状の板部材の表面に接するように配置して、かかるシート部材が断面形状L字状となるように形成した。
このL字状に形成したシート部材をセットした状態のまま板状部材を実験台に配置した。そして、このL字状に形成したシート部材の折り曲げ部分の表面上に上記のごとき調製した調製物をシート部材の長手方向に沿って供給した。
供給が完了した後、板状部材の実験台の面に略立設した状態で配置されていた部分のシート部材を調製物に向かって接近させて(つまり押し倒して)、接触面全体に調製物が接触するように押圧して、縦200mm、横50mm、厚さ10mmの積層体を成形した。
作製した各積層体は1時間静置して硬化させた後、水分が散逸しない状態、かつ室温雰囲気下という条件で7日間養生した。
7日間養生した後の各積層体は、恒温器(いすゞ製作所製、型番;VTR−115)を用いて40℃の下、18時間乾燥してボードA〜Dを得た。
得られた各ボードの大きさは、縦209mm〜211mm、横49.9mm〜50.1mm、厚さ9.9mm〜10.1mmであった。
(ボードの強度測定)
各ボードは、三点曲げ試験により、破断時の最大荷重を測定し、この最大荷重とボードの寸法から曲げ強さ(MPa)を計算した。この曲げ強さ試験は、JIS A 1106に準拠して測定した。
三点曲げ試験における支点間距離は150mmとした。荷重速度は3mm/minとした。
(実験1の結果)
実験1の結果を図5に示す。
図5に示すように、ボードA〜Dは、いずれも曲げ強さが10.0MPa以上であった。
一方、比較ボード1、2はいずれも曲げ強さが10.0MPa未満であった。
そして、図5の実験結果から、二水石こうの配合割合と曲げ強さとの関係において、変曲点は、二水石こうの配合割合がPS灰100重量%に対して15重量%付近に存在することが確認できた。
なお、曲げ強さは、JIS A 5430記載のけい酸カルシウム板の特性 タイプ2 0.8けい酸カルシウム板0.60以上0.90未満より、10.0MPaを基準とした。
(実験2)
実験2では、調製物を調製後かかる調製物とシート部材が接触するまでの時間(つまりシート部材と調製物が接触して両者が積層した状態の積層体が形成されたとき)までの時間と、得られたボードの強度との関係を確認した。
実験2では、ボードは、実験1と同様の方法により作製した。
ただし、調製物を調製後かかる調製物とシート部材を接触させて得られる積層体を形成するまでの時間(以下、積層時間という)をそれぞれ5秒、10秒、20秒と変化させた。また、得られたボードをそれぞれボードE、F、Gとした。
作製した各ボードの曲げ強さは実験1と同様の方法で測定した。
(実験2の結果)
実験2の結果を図6に示す。
図6に示すように、いずれのボードも曲げ強さが10.0MPa以上であった。
とくに、ボードEが他のボードに比べて高い曲げ強さを示した。
実験2の結果から、積層時間が短いほどボードの曲げ強さを向上させることができることが確認できた。
(実験3)
実験3では、シート部材の水塗布量とボードの強度との関係を確認した。
実験3では積層時間を5秒とした。
また、実験3では、シート部材の水塗布量が、それぞれ29g/m、54g/m、102g/mとなるように調製した。調製した各シート部材を用いてボードH、I、Jを作製した。なお、ボードは、実験1と同様の方法により作製した。
作製した各ボードは、上述した方法により曲げ強さ(MPa)を求めた。
(実験3の結果)
実験3の結果を図7に示す。
図7に示すように、いずれのボードH〜Jの曲げ強さも、10.0MPa以上であった。
また、シート部材の水塗布量の増加に比例するようにボードの曲げ強さも大きくできることが確認できた。
とくに、シート部材の水塗布量が102g/mのボードJでは、曲げ強さが17.0MPaを示し、一般的な建材に使用される石こうボードの強度(約6.0MPa)と比べて、より高い強度を発現することが確認できた。
実験3の結果から、シート部材の湿潤状態を増加させることによって、ボードの強度を向上させることができることが確認できた。
そして、かかる実験結果から、成形体とシート部材の界面において、両者間に存在する水分量を増加させれば、両者の接着性を向上させることができることが確認できた。つまり、シート部材の水塗布量を増加することによって、成形体とシート部材の接合をより適切に行わせることができることが確認できた。
図8には、ボードにおいて、成形体(基材)とシート部材との界面の断面を走査型電子顕微鏡(SEM、日本電子(株)製、型番;JSM−IT300)とエネルギー分散型X線分析装置(EDX、日本電子(株)製、型番;JED−2300)を用いて観察したSEM画像とEDX画像を示した。
なお、EDXではCaを測定対象とした。
図8では上側の画像がSEM画像であり、下側の画像がEDX画像である。
そして、図8(A)の画像が水塗布量102g/mの画像であり、図8(B)の画像が水塗布量0g/mの画像である。
図8の上側のSEM画像を比較すると、水塗布量102g/mの画像(図8(A))では、成形体とシート部材はしっかりと密着していることが確認できた。
一方、水塗布量0g/mの画像(図8(B))では成形体とシート部材の間に複数の空隙が確認できた。
また、図8の下側のEDX画像を比較すると、水塗布量102g/mの画像(図8(A))では、シート部材の部分にはCaに起因する蛍光は確認できなかった。一方、成形体の部分ではCaに起因する蛍光が明瞭に確認できた。
しかし、水塗布量0g/mの画像(図8(B))では、シート部材の接触面はもちろんシート部材の内部においても蛍光が確認された。また、シート部材全体にも僅かな蛍光が確認された。
以上の結果から、調製物(調製物からなる成形体を含む)とシート部材の接触面とを接触させて積層体を形成した際、シート部材の接触面に水を含ませる(つまり湿潤状態にする)ことによって、積層体における調製物からなる形成体とシート部材との界面において、Caなどの両者の接合の要因となると考える成分が、調製物からなる形成体の表面からシート部材の内部へ向かって移動するのを抑制することができることが確認できた。
言い換えれば、接触させる際、シート部材の接触面に水を含ませた状態で積層させることによって、両者の界面における固化の要因となる成分の濃度が低下するのを抑制できるので、両者を密着させたような状態で固化させることができたものと推察された。
(比較試験)
比較試験として、比較成形材料に含有した二水石こう(廃石こう)のかわりに半水石こうを用いて比較ボードを作製した。
比較試験では、積層時間を5秒とした。
上記以外は、実験1と同様の方法により比較ボードを作製した。
また、曲げ強さ(MPa)の試験も実験1の場合と同様に行った。
なお、使用した半水石こうは、実験で用いた廃石こうを以下の条件で加熱して調製した。
廃石こう200gをバットに入れて略均一となるように広げた後、かかるバットを恒温器(いすゞ製作所製、型番;VTR−115)内に入れ、160℃の下、1時間加熱した。
なお、加熱開始から適宜バット内の廃石こうの質量を測定した。その結果、加熱開始から30分以降は質量が160gで一定した。このため、1時間の加熱により、廃石こう200gから半水石こう160gを調製できた。
(比較試験の結果)
比較試験の結果を図9に示す。
図9に示すように、比較ボードは、その曲げ強さが7.8MPaであり、半水石こうを用いた場合では基準値の10.0MPaをクリアすることができず、十分な強度を得ることができないことが確認できた。
以上の実験結果から本発明のボードの製造方法を用いてシート部材が積層した積層体のボードを作製することによって、強度の高いボードを確実に製造することができるこが確認できた。とくに、シート部材と成形物との接触のタイミングやシート部材の湿潤状態を調整することによって、ボードの強度を調整できることが確認できた。
したがって、本発明のボードの製造方法を用いれば、高い強度を発揮した板状のボードを量産できることが確認できた。
本発明のボードは、高い強度を有するので、建物の壁材や床材、ブロックなどの建築用資材や産業用材料など構造用材料の材料として適している。また、本発明のボードの製造方法は、建物の壁材や床材、ブロックなどの建築用資材を量産できる製造方法としてとくに適している。

Claims (16)

  1. 紙パルプ製造工程残渣を焼却処理して得られる製紙スラッジ焼却灰と二水石こうとを原料として含有する成形材料によって形成された板状の基材と、
    該基材の表面および/または裏面に積層された吸水性を有するシート部材と、を有する
    ことを特徴とするボード。
  2. 前記シート部材は、
    ステキヒトサイズ度が30秒〜150秒である
    ことを特徴とする請求項1記載のボード。
  3. 前記シート部材が、紙である
    ことを特徴とする請求項1または2記載のボード。
  4. 前記二水石こうの配合割合が、
    前記製紙スラッジ焼却灰100重量%に対して、15重量%以上である
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載のボード。
  5. 前記二水石こうが、
    廃石こうボードから回収されたものを含有する
    ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載のボード。
  6. 板状の成形体の表面に一対のシート部材が積層されたボードを製造する方法であって、
    紙パルプ製造工程残渣を焼却処理して得られる製紙スラッジ焼却灰と二水石こうとを原料として含有する成形材料に水を加えて調製物を調製し、
    該調製物を前記一対のシート部材の対向する面間に供給して積層体を形成し、成形する方法であり、
    前記一対のシート部材の対向する面に水を含ませた状態で、前記調製物を供給する
    ことを特徴とするボードの製造方法。
  7. 前記シート部材全体に水を含ませた状態で前記調製物を供給する
    ことを特徴とする請求項6記載のボードの製造方法。
  8. 前記調製物を調製後、前記調製物が、前記一対のシート部材に接するまでの時間を30秒以内とする
    ことを特徴とする請求項6または7記載のボードの製造方法。
  9. 板状の成形体の表面と裏面にそれぞれ第一シート部材および第二シート部材が積層されたボードを製造する方法であって、
    前記第二シート部材の一方の面に水を含ませた後、
    紙パルプ製造工程残渣を焼却処理して得られる製紙スラッジ焼却灰と二水石こうとを原料として含有する成形材料に水を加えて調製した調製物を前記水を含ませた第二シート部材の一方の面に供給し、
    前記第一シート部材の一方の面に水を含ませた後、
    該第一シート部材を、前記水を含ませた第一シート部材の一方の面が前記第二シート部材の一方の面に供給された前記調製物に接触し、かつ、該調製物を前記第二シート部材との間に挟むようにして配置して積層体を形成し、
    該積層体を成形する
    ことを特徴とするボードの製造方法。
  10. 前記第二シート部材の一方の面に前記調製物を載置する前に、前記第二シート部材の全体に水を含ませ、
    前記第一シート部材を前記調製物に配置する前に、前記第一シート部材の全体に水を含ませる
    ことを特徴とする請求項9記載のボードの製造方法。
  11. 前記調製物の調製後、前記調製物が、前記第二シート部材および第一シート部材の一方の面に接するまでの時間を30秒以内とする
    ことを特徴とする請求項9または10記載のボードの製造方法。
  12. 板状の成形体の表面と裏面にそれぞれ第一シート部材および第二シート部材が積層されたボードを製造する方法であって、
    前記第一シート部材の一方の面および前記第二シート部材の一方の面に水を含ませた後、
    紙パルプ製造工程残渣を焼却処理して得られる製紙スラッジ焼却灰と二水石こうとを原料として含有する成形材料に水を加えて調製した調製物を、前記水を含ませた第一シート部材の一方の面と前記水を含ませた第二シート部材の一方の面の間に供給して積層体を形成し、
    該積層体を成形する
    ことを特徴とするボードの製造方法。
  13. 前記第一シート部材および前記第二シート部材の全体に水を含ませる
    ことを特徴とする請求項12記載のボードの製造方法。
  14. 前記調製物の調製後、前記調製物が、前記第一シート部材および前記第二シート部材の一方の面に接するまでの時間を30秒以内とする
    ことを特徴とする請求項12または13記載のボードの製造方法。
  15. 前記二水石こうの配合割合が、
    前記製紙スラッジ焼却灰100重量%に対して、15重量%以上となるように調整する
    ことを特徴とする請求項6乃至14記載のボードの製造方法。
  16. 前記二水石こうが、廃石こうボードから回収されたものを含有する
    ことを特徴とする請求項6乃至15記載のボードの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024042922A1 (ja) * 2022-08-23 2024-02-29 吉野石膏株式会社 石膏ボードの製造方法

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