JPH0776927A - コンクリート型枠用板及びその製造方法 - Google Patents

コンクリート型枠用板及びその製造方法

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JPH0776927A
JPH0776927A JP22414193A JP22414193A JPH0776927A JP H0776927 A JPH0776927 A JP H0776927A JP 22414193 A JP22414193 A JP 22414193A JP 22414193 A JP22414193 A JP 22414193A JP H0776927 A JPH0776927 A JP H0776927A
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Japan
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polyethylene
concrete
wood pulp
concrete formwork
component
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JP22414193A
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Junji Harada
純二 原田
Yasuko Kaneko
泰子 金子
Yasuyuki Oku
恭行 奥
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 適度の透気性、透水性を有し、硬化したコン
クリート面の表面性が良好で、構造強度が高く、型枠材
が容易に剥離できるコンクリート型枠用板及びその製造
方法を提供する。 【構成】 コンクリート型枠用板において、該コンクリ
ート型枠用板がポリエチレン及び木材パルプを主成分と
する材料を圧縮成型してなる成型物であり、そのポリエ
チレン/木材パルプの絶乾重量比が5/95〜40/6
0であることを特徴とするコンクリート型枠用板及びそ
の製造方法。 【効果】 ポリエチレン層が木材パルプ層中に局在化さ
れた積層構造をとるため、型枠面は適度な透気性、吸水
性を有して水/セメント比を低下させつつ、良好な平滑
面を形成し、コンクリート微粒子の侵入を抑制してコン
クリート硬化後の型枠の離型を容易にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート打設によ
り構造物の構築を行うときに用いられるコンクリート型
枠用板及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現状、コンクリート構造物を構築するに
際して、多量の水分を含有する生コンクリートの枠材と
して一般に木製合板からなる木製コンクリート型枠用合
板が使用されている。このような木製コンクリート型枠
用合板をコンクリート打設に用いた場合において、木材
に含まれるヤニ、タンニン、糖類、色素及びリグニンに
よりコンクリート打設面が汚染されたり、硬化反応が阻
害されて打設面の硬度が低下するという問題があった。
このような問題を解決するために、木製コンクリート型
枠用合板の打設面側に合成樹脂塗料を塗布する方法、ポ
リオレフィン樹脂シートやフェノール樹脂含浸紙を貼り
つける方法などが行われているが、これらの方法にも以
下のような問題点があった。
【0003】すなわち、コンクリート構築物の構造的特
性を最大にするには、水/セメント比率を下げる必要が
あるが、打設時の生コンクリートの流動性を確保するた
めに、過剰の水分が加えられている。このため、生コン
クリートが固形化した後で、過剰の水分を排除する必要
がある。この過剰な水分は、気泡を伴って型枠面に集中
するので、型枠面の透気性が良好でない場合は、得られ
るコンクリート構造物の表面に気泡痕(あばた)が残る
ことがあるし、このあばたからひび割れを発生する場合
がある。更に、重要な問題は、型枠面の透水性がない場
合においては、過剰の水分が型枠面に集中する結果、水
/セメント比が増大し、硬化後のコンクリート表面の構
造が疎で、コンクリートの劣化を早めるといった問題が
あった。また、型枠面に織布、不織布などを貼りつけて
ある程度の透気性、透水性をもたせる方法もあるが、こ
の方法の欠点として、型枠面が多孔質状態となるため、
コンクリートの微粒子が孔に入り込み、型枠を硬化した
コンクリートから剥離する場合に、剥離しにくいといっ
た問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明が解決
しようとする問題は、コンクリート型枠用板において、
その型枠面が、適度の透気性、透水性を有して硬化した
コンクリート面の表面性が良好で、構造強度が高く、且
つコンクリート硬化後において、型枠材が容易に硬化し
たコンクリート面から剥離できるコンクリート型枠用
板、及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは以上の問題
を鋭意検討した結果、以下のような発明を見いだすに至
った。すなわち、コンクリート型枠用板において、該コ
ンクリート型枠用板がポリエチレン及び木材パルプを主
成分とする材料を圧縮成型してなる成型物であり、且つ
ポリエチレン(E)木材パルプ(P)の絶乾重量比(E
/P)が5/95〜40/60であることを特徴とする
コンクリート型枠用板の発明である。
【0006】コンクリート型枠用板は、該型枠用板の少
なくとも片面に、疎水性樹脂塗膜を形成したコンクリー
ト型枠用板としてもよい。
【0007】本発明のコンクリート型枠用板を製造する
には、ポリエチレンラミネートした木材パルプよりなる
紙を細分化し、必要であれば湿式抄紙を行い、その後、
該細分化した紙を加熱圧縮成型して、板状とすることに
より達成される。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
コンクリート型枠用板は、その原料としてポリエチレン
と木材パルプ(特に、化学的方法によりパルプ化された
もの)からなる。原料としてパルプを用いることによ
り、一般に木材面をそのままコンクリート型枠用板に利
用した場合に問題を引き起こすヤニ、タンニン、糖類、
色素、リグニンなどの影響を最小にし、且つ生コンクリ
ートの水分を適度に吸収することができる。木材パルプ
のみでは相互の結合力がないため、コンクリート型枠用
板としての強度を有さないが、ポリエチレンをバインダ
ーとして用いることにより木材パルプ相互の結合が可能
となる。ここで重要なことは、ポリエチレンという素材
自身は生コンクリートの固形化に対して影響を及ぼさ
ず、その他の硬化性樹脂を用いた場合に起こるようなコ
ンクリートの硬度の不足や劣化の促進、着色などの問題
を引き起こす要因とならないということである。
【0009】本発明のコンクリート型枠用板において、
その構造上で重要な点は、ある程度紙層形成した木材パ
ルプ表面を覆うようにポリエチレン成分が存在し、その
ような小片がいくつも積層された状態で圧縮成型された
コンクリート型枠用板であるということである。木材パ
ルプとポリエチレンが、このようにポリエチレン層が木
材パルプ層中に局在化された積層構造をとると、型枠面
は適度な透気性、吸水性を有して水/セメント比を低下
させつつ、良好な平滑面を形成し、コンクリート微粒子
の侵入を抑制してコンクリート硬化後の型枠の離型を容
易にするという特徴がある。
【0010】本発明において、木材パルプとは、一般に
製紙業で用いられる針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、針葉
樹広葉樹混合パルプの木材パルプを主成分とする天然パ
ルプであり、本発明の目的から化学的方法(ソーダ法、
クラフト法、石灰法、中性亜硫酸塩法及び亜硫酸法)に
より製造されたパルプが好ましく、機械的方法により製
造されるパルプはあまり好ましくない。
【0011】本発明の木材パルプには、一般に製紙業界
で用いられる合成パルプ、各種高分子化合物、添加剤、
填料、デンプン誘導体、ポリアクリルアミド、ポリビニ
ルアルコール誘導体、ゼラチン等の乾燥紙力増強剤、脂
肪酸塩、ロジン誘導体、ジアルキルケテンダイマー乳化
物等のサイズ剤、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ化
ポリアミド等の湿潤紙力増強剤、安定剤、顔料、染料、
酸化防止剤、蛍光増白剤、各種ラテックス、無機電解
質、pH調整剤等を適宜組み合わせて含有せしめること
ができる。ここで、木材パルプ成分としての重要な特徴
は、木材パルプとは木材(あるいは木材チップ)ではな
く、木材に含まれるヤニ及びリグニンなどを蒸解、除去
したパルプ成分であるという点である。木材パルプ成分
は漂白してある必要はないが、漂白してあればより好ま
しい。
【0012】本発明においてポリエチレン成分として用
いられるポリエチレン樹脂としては、例えば、以下の物
質が挙げられる。すなわち、高密度ポリエチレン、低密
度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポ
リエチレン、超高分子量ポリエチレンなどである。
【0013】本発明における木材パルプとポリエチレン
成分の存在状態においては、これらが別々に存在するよ
りも、木材パルプ成分とポリエチレン成分が密に接着し
た状態で存在する方が好ましい。最も好ましい存在状態
は、木材パルプ成分にポリエチレンを溶融押し出しラミ
ネートした後に、両者を粉砕・細分化し、更にその粉砕
物を加熱圧縮して成型した状態が好ましい。
【0014】溶融押し出しラミネートの前処理として、
木材パルプ成分にコロナ処理、フレーム処理など公知の
接着性改良のための処理を行うことは何等差し支えな
い。また、溶融押し出し時において、クーリングロール
からの剥離性を良くする目的で、これらのポリオレフィ
ン樹脂ラミネート層中、あるいはラミネート面にフッ素
化合物、シリコーン化合物や有機金属塩などの剥離剤、
滑剤などを混入すること、あるいは加熱、放射線照射な
どの手段でこれらの剥離剤や滑剤を固定することは何等
さしつかえない。その他に、助剤としてステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パ
ラフィン、酸化パラフィン、酸化ポリエチレン、ステア
リン酸アミド、カスターワックス等のワックス類、界面
活性剤などが必要に応じて添加される。
【0015】本発明のコンクリート型枠用板は、木材パ
ルプ成分とポリエチレン成分を所定の比率で混合した状
態で成型金型へ入れ、加熱圧縮することにより製造する
ことができる。金型に入れる混合した木材パルプ成分と
ポリエチレン成分は、細分化された乾燥状態でも良い
し、例えば、湿式抄紙などによりシート化した状態でも
良い。
【0016】加熱温度は、ポリエチレンの軟化温度を越
える温度であれば差し支えないが、生産の効率上、ポリ
エチレンの融解温度を上回る温度が適当であり、また、
木材パルプ成分の劣化を引き起こさない温度が適当であ
り、具体的には、110℃〜250℃の温度であること
が好ましい。
【0017】加熱方法は、火力、蒸気、電気、高周波な
ど如何なる方法でも差し支えない。
【0018】加圧圧力は、10〜200kgf/cm2
であることが好ましく、加圧圧力がこの圧力範囲より小
さいと良好な圧縮成型品が得られないし、この圧力範囲
を超えてもより圧縮が進行する訳でもなく、経済性に乏
しい。加熱圧縮の時間としては、金型に投入した木材パ
ルプ成分とポリエチレン成分の存在状態により異なる
が、1〜40分の範囲で十分である。
【0019】金型に不織布、あるいは剥離剤を塗布した
工程紙などをあらかじめ積層しておくと、コンクリート
型枠用板に不織布や剥離剤を積層した表面強化タイプの
コンクリート型枠用板が得られる。金型にメッシュ、ワ
イヤーを張ったり、剥離処理を施すことは何等差し支え
ない。
【0020】ポリエチレン(E)及び木材パルプ(P)
は、その絶乾重量比(E/P)が5/95〜40/60
であることが好ましい。これは、打設されるコンクリー
トが余剰の水分を有するため、余剰分の水分をコンクリ
ートが接する型枠用板を通して適度に排除しなければな
らない。余剰水を排除しすぎると型枠用板と硬化しつつ
あるコンクリートとの間に空隙が生じ、硬化したコンク
リートの表面性が悪化する。また、コンクリートの微粒
子は全く通過させない機密性が必要であるが、余剰水の
排除性が低すぎると水/セメントの比率が高すぎ、硬化
したコンクリートの硬度が不足するという問題が生じ
る。
【0021】ポリエチレン/木材パルプの絶乾重量比を
5/95〜40/60とすることにより、良好な成型性
と、適度な水分透過性、機密性、乾燥強度及び湿潤強度
を得ることができる。ポリエチレン/木材パルプの割合
がこの範囲より小さいと成型性が良好でないばかりか、
余剰水の吸水性が高すぎ、硬化したコンクリートの表面
性が悪化する。逆に、ポリエチレン/木材パルプの割合
がこの範囲より大きいと機密性が高すぎ、硬化したコン
クリートの硬度が不足する。
【0022】本発明のコンクリート型枠用板の表面に、
吸水性、湿潤面強度、平滑化などの性能付与のために疎
水性樹脂塗膜層を設けることができる。コンクリートと
の接着性が強すぎる場合には、疎水性樹脂塗膜層に長鎖
アルキル基含有樹脂、フッ素樹脂、あるいはシリコーン
樹脂などの剥離剤を混入することにより、剥離性を適度
に発現させ機能させることができる。
【0023】本発明の疎水性樹脂塗膜層の塗布量は、5
〜150g/m2が適当である。疎水性樹脂塗膜層の塗
布量がこの範囲より小さいと期待する効果が出にくい
し、この範囲より多くても平滑化などにより多く寄与す
ることがないばかりか、塗膜の強度の弱さが強調された
り、硬化に時間がかかる、吸水性、透気性が低下するな
ど不経済である。当然のことながら、疎水性樹脂塗膜層
の厚みを小さくするために、別の樹脂でコンクリート型
枠用板の面に下塗りを1回あるいは多数回施しておくこ
とは何等差し支えない。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は、実施例に限られるものではない。
以下に示す部及び%のいずれも重量基準である。
【0025】実施例1 木材パルプ成分として市販の上質紙(三菱製紙製、金
菱)に、ポリエチレン成分として低密度ポリエチレン
(密度;0.918g/cc、MFR;23g/10
分)を溶融ラミネートしたものを用いた。ポリエチレン
/木材パルプの割合は、5/95、20/80、40/
60の3種類である。それぞれのラミネート紙をシュレ
ッダーにかけ、3mm×10mm程度の小片とした。熱
プレス装置に底面にワイヤーメッシュを張った200c
m四方の金枠を設け、中にラミネート紙小片を入れて、
その上からワイヤーメッシュを張った金属板で押え、そ
のまま150℃、40kg/cm2の圧力で5分間圧縮
成型して12mm厚のコンクリート型枠用板を得た。
【0026】実施例2 実施例1においてポリエチレン/木材パルプの割合を2
0/80にした以外は、実施例1と同様にして12mm
厚のコンクリート型枠用板を得た。
【0027】実施例3 実施例1においてポリエチレン/木材パルプの割合を4
0/60にした以外は、実施例1と同様にして12mm
厚のコンクリート型枠用板を得た。
【0028】実施例4 木材パルプ成分、及びポリエチレン成分として市販のミ
ルクカートン用ラミネート紙を用いた。ポリエチレン/
木材パルプの割合は10/90であった。ミルクカート
ン用ラミネート紙をシュレッダーにかけ、10mm×2
0mm程度の小片とした。この小片を直径15mmのオ
リフィスから加熱、圧縮押し出しすることにより、直径
15mm、長さ50mm程度の棒状の成型品を得た。実
施例1と同様な熱プレス装置に底面にワイヤーメッシュ
を張った200cm四方の金枠を設け、中に上記の棒状
の成型品を流し込み、その上からワイヤーメッシュを張
った金属板で押え、そのまま150℃、100kg/c
2の圧力で2分間圧縮成型して12mm厚のコンクリ
ート型枠用板を得た。
【0029】実施例5 木材パルプ成分、及びポリエチレン成分として市販のミ
ルクカートン用ラミネート紙を用いた。ポリエチレン/
木材パルプの割合は10/90であった。ミルクカート
ン用ラミネート紙をシュレッダーにかけ、5mm×20
mm程度の小片とした。この小片を水中に分散させてワ
イヤーを用いて濾水して湿式シートを得た。実施例1と
同様な熱プレス装置に底面にワイヤーメッシュを張った
200cm四方の金枠を設け、中に上記のシートを重ね
て置き、その上からワイヤーメッシュを張った金属板で
押え、そのまま200℃、100kg/cm2の圧力で
5分間圧縮成型して12mm厚のコンクリート型枠用板
を得た。
【0030】実施例6 木材パルプ成分、及びポリエチレン成分として市販の写
真印画紙用支持体(ポリエチレンラミした上質紙)を用
いた。ポリエチレン/木材パルプの割合は20/80で
あった。ポリエチレン成分中には重量比で5%の酸化チ
タンを含有していた。写真印画紙支持体用ラミネート紙
をシュレッダーにかけ、10mm×20mm程度の小片
とした。この小片を直径15mmのオリフィスから加
熱、圧縮押し出しすることにより、直径15mm、長さ
50mm程度の棒状の成型品を得た。実施例1と同様な
熱プレス装置に底面にワイヤーメッシュを張った200
cm四方の金枠を設け、中に上記の棒状の成型品にシリ
コーン離型剤(信越化学工業製、KM2002T)を噴
霧しつつ流し込み、その上から金属板で押え、そのまま
200℃、40kg/cm2の圧力で3分間圧縮成型し
て疎水性樹脂塗膜を有する12mm厚のコンクリート型
枠用板を得た。
【0031】比較例1 実施例1においてポリエチレン/木材パルプの割合を3
/97にした以外は、実施例1と同様にして12mm厚
のコンクリート型枠用板を得た。
【0032】比較例2 実施例1においてポリエチレン/木材パルプの割合を5
0/50にした以外は、実施例1と同様にして12mm
厚のコンクリート型枠用板を得た。
【0033】比較例3 木材パルプ成分として市販の上質紙(三菱製紙製、金
菱)をシュレッダーにかけ、バインダー成分としてフェ
ノール樹脂をフェノール樹脂/木材パルプの割合が20
/8となるように混合し、熱プレス装置に底面にワイヤ
ーメッシュを張った200cm四方の金枠を設け、中に
フェノール樹脂混合パルプを入れて、その上からワイヤ
ーメッシュを張った金属板で押え、そのまま150℃、
40kg/cm2の圧力で5分間圧縮成型し、且つ2日
間養生して12mm厚のコンクリート型枠用板を得た。
【0034】[試験]実施例1〜4及び比較例1〜3に
おいて得られたコンクリート型枠用板を用いて、縦、
横、高さがそれぞれ30cmである箱型を作製した。実
施例で得られたコンクリート型枠用板は容易に鋸で切断
でき、釘打ちも可能であった。得られた箱型に普通のポ
ルトランドセメント100部、砂300部、水90部か
らなる生コンクリートを流し込み、4日間養生した。養
生後、硬化したコンクリート面からコンクリート型枠用
板をコンクリートに対して垂直方向に剥すのに要する剥
離荷重を測定した。コンクリート型枠用板を剥離後のコ
ンクリート表面の状況、コンクリートの硬化強度(釘で
引っかき確認する)、コンクリート型枠用板へのコンク
リートの付着の程度を確認した。剥離したコンクリート
型枠用板を平面に置き、コンクリート型枠用板の歪みを
測定した。また、転用試験として、上記試験を繰り返
し、剥離荷重が50g/cm2(硬化コンクリート面か
ら容易に型枠が外れる基準値)以上になるまでの回数を
転用回数とした。
【0035】表1に結果をまとめる。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明の実施例から判るように、本発明
のコンクリート型枠用板は、ポリエチレン層が木材パル
プ層中に局在化された積層構造をとるため、型枠面は適
度な透気性、吸水性を有し、生コンクリートの水/セメ
ント比を低下させつつ、良好な平滑面を形成し、コンク
リート微粒子の侵入を抑制してコンクリート硬化後の型
枠の離型を容易にする。型枠面が適度の透気性、透水性
を有しているのみならず圧縮成型されているため、硬化
したコンクリート面の表面性が良好で、構造強度が高
い。このような効果は、木材パルプにバインダー樹脂を
混合あるいは含浸しただけでは得られない。また、本発
明の木材パルプ/ポリエチレンの割合より木材パルプ分
が多いと吸水性が高すぎ、且つコンクリート型枠用板と
しての強度が弱いため変形する。この割合が多すぎても
透気性、吸水性が低くなりすぎ、コンクリート面に気泡
痕が残り好ましくない。本発明のコンクリート型枠用板
は転用回数を多くでき、その分省資源であるばかりでな
く、木材パルプとポリエチレンからなるラミネート紙
は、ミルクカートンやラミネート紙などの故紙を利用す
ることが可能なため、コンクリート型枠用に熱帯雨林を
用いることもなく環境上好ましいものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート型枠用板において、該コン
    クリート型枠用板がポリエチレン及び木材パルプを主成
    分とする材料を圧縮成型してなる成型物であり、且つポ
    リエチレン(E)と木材パルプ(P)の絶乾重量比(E
    /P)が5/95〜40/60であることを特徴とする
    コンクリート型枠用板。
  2. 【請求項2】 コンクリート型枠用板の少なくとも片面
    に、疎水性樹脂塗膜を形成してなることを特徴とする請
    求項1記載のコンクリート型枠用板。
  3. 【請求項3】 ポリエチレンラミネートした木材パルプ
    よりなる紙を細分化し、該細分化した紙を加熱圧縮成型
    して板状とすることを特徴とするコンクリート型枠用板
    の製造方法。
JP22414193A 1993-09-09 1993-09-09 コンクリート型枠用板及びその製造方法 Pending JPH0776927A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001300921A (ja) * 2000-02-17 2001-10-30 International Paint Kk 適度な通水/通気性を有する型枠により成形されたセメント成型物およびその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001300921A (ja) * 2000-02-17 2001-10-30 International Paint Kk 適度な通水/通気性を有する型枠により成形されたセメント成型物およびその製造方法

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