JP2019025532A - 冷間圧延鋼帯のワイパー装置 - Google Patents
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Abstract
Description
冷間圧延においてこのような水溶性圧延油を使用する目的は、冷間圧延中の鋼帯がWR(ワークロール)とメタルタッチすることによって生じる焼き付きの抑制と、圧下の際に鋼帯に生じる熱を冷却するためである。
かかる技術によれば、鋼帯上面側のエッジ部に溜まる水溶性圧延油を除去して当該部分の錆や油焼き付きの発生を抑えることができる。
それゆえに、本発明の目的は、冷間圧延鋼帯のうら面の水切りを適切に行い、冷間圧延の通板速度が大きい場合や鋼帯温度が高い場合であっても、冷間圧延鋼帯のうら面での錆や油分の焼き付きの発生を確実に抑制することが可能な冷間圧延鋼帯のワイパー装置を提供することである。
すなわち、水溶性圧延油が付着した状態で走行する上記の鋼帯12の下面側に接触させて該水溶性圧延油を上記の鋼帯12から除去する接触パッド16を設ける。そして、その接触パッド16を発泡ゴムで形成する。
ここで、上記の接触パッド16を形成する発泡ゴムの素材としては、クロロプレンゴム,アクリロニトリル・ブタジエンゴム,スチレン・ブタジエンゴムなどを使用することができるが、耐油性や耐候性や耐薬品性などのバランスに優れたクロロプレンゴムを用いるのが特に好ましい。
この場合、水溶性圧延油の油分は、毛細管現象により発泡ゴムの独立気泡内部へと吸収(トラップ)されてしまうため、接触パッド16が接触した鋼帯12の下面から当該油分が除去される。その結果、鋼帯12の下面での油分の焼き付きを防止することができる。一方、水溶性圧延油の水分については、独立気泡構造の発泡ゴムは吸水しないので、水分は発泡ゴムの内部にはトラップされず、鋼帯12の下面に留まることとなる。しかしながら、走行する鋼帯12に接触パッド16が接触することにより、鋼帯12の下面における当該接触部分では水分が広く展ばされて表面積が大きくなり蒸発し易くなる。その結果、接触パッド16が吸水せずとも錆を防げるようになる。
これらの場合、摩擦抵抗の大きな発泡ゴムからなる接触パッド16を鋼帯12の下面に連続的に接触させるワイパー装置を安定的に且つ効率よく長時間稼働させることができる。
図1は、本発明の一実施形態のワイパー装置10が搭載された可逆式の冷間圧延機14の概略を示す図である。また、図2は、本発明の一実施形態のワイパー装置10を示す図であり、図3は、本実施形態のワイパー装置10におけるパッド取付金具34に接触パッド16を装着した状態の一例を示す斜視図である。
先ず始めに、本発明のワイパー装置10が装着される可逆式の冷間圧延機14について説明すると、この可逆式の冷間圧延機14(図1参照)は、1台の圧延機20の前後に配置された入側リール22及び出側リール24に鋼帯12を巻き取り又は巻き戻しながら繰り返し圧延することにより、鋼帯12の厚みを目標の厚みに調整するためのものである。
この圧延機20の前後には、上述の通り、入側リール22及び出側リール24がそれぞれ配置されており、これら入側リール22及び出側リール24には、それぞれモーター22a及び24aが取り付けられる。また、この入側リール22及び出側リール24と圧延機20との間における各リール22,24近傍の位置には、鋼帯12の走行を案内するガイドロール26A及び26Bが設けられる。更に、ガイドロール26Aと圧延機20との間には、入側板厚計28Aが設置され、ガイドロール26Bと圧延機20との間には、出側板厚計28Bが設置される。
そして、この圧延機20には、図示しないが圧延する鋼帯12に向けて水溶性圧延油を供給する圧延油供給装置が装備される。
板厚制御装置30は、入側板厚計28A及び出側板厚計28Bで測定した板厚データに基づいて、圧下のゲインとタイミングを決定して圧延機14の圧下装置32を動作させる。
ここで、ワイパー装置10を出側板厚計28B及び入側板厚計28Aの下流側にそれぞれ設置するようにしているが、これは、ワイパー装置10の接触パッドを構成する発泡ゴムの破片(千切れたもの)等が鋼帯12に付着したまま出側板厚計28B及び入側板厚計28Aへと入ることによって、これらの板厚計が誤動作するのを防止するためである。
ここで、このパッド取付金具34への接触パッド16の取り付け方法は、図3に示すように、倒伏正四角柱状に形成された接触パッド16のエッジが最も高い位置に配置されるよう取り付けるのが好ましい。接触パッド16を構成する発泡ゴムは摩擦抵抗が大きく、鋼帯12と広い面積で接触させた場合、その接触条件によっては接触パッド16が爪部材40から離脱してしまう虞があるからである。同様の理由により、この接触パッド16は鋼帯12の幅よりも狭幅に形成するのが好ましいし、その際、接触パッド16は鋼帯12の幅方向において2つ以上設けるのが好ましい。
また、ワイパー装置10を圧延機20の出側にだけ設ける場合を示したが、圧延機20の出側と入側の両方に設けるようにしてもよい。
更に、ワイパー装置10の接触パッド16を鋼帯12のうら面に接触させる場合を示したが、当該接触パッド16を鋼帯12のおもて面に接触させるようにしてもよい。
その他に、当業者が想定できる範囲で種々の変更を行えることは勿論である。
Claims (5)
- 鋼帯(12)を冷間圧延する冷間圧延機(14)に装着され、水溶性圧延油が付着した状態で走行する上記の鋼帯(12)に接触させて該水溶性圧延油を上記の鋼帯(12)から除去する接触パッド(16)が設けられた冷間圧延鋼帯のワイパー装置であって、
上記の接触パッド(16)が発泡ゴムで形成される、ことを特徴とする冷間圧延鋼帯のワイパー装置。 - 請求項1の冷間圧延鋼帯のワイパー装置において、
前記の接触パッド(16)を形成する前記の発泡ゴムが独立気泡構造である、ことを特徴とする冷間圧延鋼帯のワイパー装置。 - 請求項1又は2の冷間圧延鋼帯のワイパー装置において、
前記の接触パッド(16)は、前記の鋼帯(12)の幅よりも狭幅に形成される、ことを特徴とする冷間圧延鋼帯のワイパー装置。 - 請求項3の冷間圧延鋼帯のワイパー装置において、
前記の接触パッド(16)は、前記の鋼帯(12)の幅方向において2つ以上設けられる、ことを特徴とする冷間圧延鋼帯のワイパー装置。 - 請求項4の冷間圧延鋼帯のワイパー装置において、
前記の接触パッド(16)が、前記の鋼帯(12)の板端を跨ぐ位置に設けられる、ことを特徴とする冷間圧延鋼帯のワイパー装置。
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