JP2019023302A - バイオフィルム形成能を抑えた防汚コンポジット皮膜 - Google Patents

バイオフィルム形成能を抑えた防汚コンポジット皮膜 Download PDF

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Abstract

【課題】バイオフィルム形成能を抑えた防汚性を、ガラス材料や金属材料などの材料表面に付与するためのコンポジット皮膜の提供。【解決手段】チタン、スズ、ニッケル、コバルト、銀、銅からなる金属元素群のうち、少なくとも一種の金属の、平均粒子径が100nm以下の金属ナノ粒子からなる(C)成分を、シラン系樹脂を含む基材中に分散させたコーティング剤を硬化させたコンポジット皮膜。【選択図】なし

Description

本発明は、ガラスや金属板等の基材上におけるバイオフィルム形成能を抑制するコンポジット皮膜及びその製造方法と、それにより保護された材料に関するものである。
ガラスは建築用材料から鏡のような家屋内で用いられるものまで、様々な用途に用いられているが、産業的には透過率の高さを用いて光学機器にも使用される。用途によって使用環境が異なるが、多くの使用環境では、様々な付着物質が表面に付着してくもりの原因となり、透過率、反射率などの工学的機能を低下させる原因となる。そのために曇らないガラス(防汚ガラス)を開発することは大いに需要がある。
くもりの原因は上記のように多様であるが、例えば水環境ではシリケート由来のシリコン、炭酸カルシウム由来のカルシウムが重要である。これらがガラス表面に付着しても、例えば屋外では雨などの水の流れによって自然に除去されたりする。従来、これら非生物的な汚れを構成する物質については、ガラス表面の親水−疎水性を変化させたり、超撥水性に構成することによって対策が立てられていた。
しかし、非生物的な要因だけでなく、生物的な要因、具体的には微生物の付着によって生ずる問題が解決されない限り、くもりの発生を十分に抑制することはできなかった。生物的なくもりの発生は、概ね次のような機構による。まずガラス表面に付着する細菌の影響で、粘着物質が形成され、この粘着物質の作用によって、非生物的な汚れが長らくガラス表面に固着して、曇りが除去しにくくなる。細菌はガラスに限らずあらゆる材料表面に付着する傾向がある。付着細菌は数が増えると、一斉に体外に多糖を排出し、これが粘着物質となって材料表面を不均一な膜として被う。これをバイオフィルムと呼んでいる。
バイオフィルムができにくいガラス表面を形成することは、曇らないガラスを創製することになるため、適切なコーティング法を考案することは日常生活、産業現場のいずれにおいてもきわめて重要な事柄である。また、ガラスのみならず、種々の金属、セラミックスに対しても、バイオフィルム生成の抑制は重要な課題である。
この課題についての指摘は、例えば非特許文献1、2のような学術的な指摘がされている。
バイオフィルムが形成されると、汚れが表面に固着し、透過率が低下する。この相関関係はすでに非特許文献2にて科学的に明らかにされている。その検証には、非特許文献3〜5に記載された、循環型のバイオフィルム製造装置が使用可能である。この製造装置を用いて、二週間バイオフィルムを、各種コーティング材を塗布したガラス材料上に形成させ、その透過率をUV−VISにて計測することで、具体的なバイオフィルムの評価が可能となる。この循環型バイオフィルム製造装置の原理は図1に示す通りである。
Kanematsu, H., H. Ikegai, and M. Yoshitake, Patents for Antibacterial Metallic Coating and Its Future Trend in Japan. Research Inventy: International Journal of Engineering and Science, 2013. 3(6): p. 47-55. Kanematsu, H., T. Kogo, H. Itoh, N. Wada, and M. Yoshitake, Fogged Glass by Biofilm Formation and Its Evaluation, in Proceedings of MS & T' 132013: Montreal, Quebec, Canada. p. 2427-2433. 兼松秀行, 黒田大介, 小屋駿, and 伊藤日出生, 閉鎖循環系浸漬試験を用いたバイオフィルムの実験室的製造法の開発. 表面技術, 2012. 63(7): p. 459-461. Kanematsu, H., Kougo, T., Kuroda, D., Ogino, Y., and Yamamoto, Y., Biofilm Formation Derived from Ambient Air and the Characteristics of Apparatus. Journal of Physics: Conference Series, 2013. 433: p. 012031: 1-6. Kanematsu, Hideyuki, Kogo, Takeshi, Kuroda, Daisuke, Itoh, Hideo, and Kirihara, Soshu, Biofilm Formation and Evaluation for Spray Coated Metal Films on Laboratory Scale, in Thermal Spray 2013 - Innovative Coating Solutions for the Global Economy2013, ASM International: Busan, Republic of Korea. p. 520-525.
しかしながら、従来はガラスの曇りの原因を付着する非生物的無機物質、有機物質と捉えて対策を立てることが常識であり、それでは根本的な原因に到達できなかった。
また、バイオフィルム形成は細菌の作用であるが、一般的な抗菌性コーティングでは、ある程度の細菌数抑制効果が認められ、これによってバイオフィルムの形成を抑制する効果が認められるものの、従来の抗菌性コーティングではその効果は不十分なものとなっていた。
そこでこの発明は、バイオフィルム形成能を抑えた防汚性を、ガラス材料や金属材料などの、材料表面に付与するために行う防汚コーティング皮膜とその製造方法を提供することを目的とする。
この発明は、シラン系樹脂を基材とし、これに、抗バイオフィルム形成能を有する金属粒子、又は金属元素化合物を分散させたコンポジット皮膜により、上記の課題を解決したのである。これにより、従来の抗菌性を有する金属イオンのみによる抗菌コーティングでは達成し得なかった、高い抗バイオフィルム形成能を発揮することができる。
また、このコンポジット皮膜をガラス表面に形成させるにあたり、ガラスの透過率を低下させないように配慮しながら、あらかじめコーティングの前処理として、親水性を上げる表面処理を施した上で、上記コンポジット皮膜を形成させると、より高い密着性を発揮する。これにより、より高い使用耐久性を有するコーティング皮膜を、透過率の低下を抑制しながら実現することができる。
上記コンポジット皮膜を形成させるコーティング剤は、下記の(A)、(B),(C)成分を含有することが好ましい。
上記(A)成分とは、下記式(1)で示されるアルコキシラン化合物、およびその部分加水分解縮合物から選ばれる1種類の化合物又は複数種の化合物の混合物である。
Si(OR4−n (1)
(上記式(1)中、Rは炭素数1〜10の芳香族基を含んでも良い炭化水素基を示す。Rは、炭素数1〜4のアルキル基を示す。上記RとRとは、同一であってもよく、異なっていてもよい。また、nは1〜3の整数を示す。)
上記(B)成分とは、下記式(2)で示されるアルコキシシラン化合物、およびその部分加水分解縮合物から選ばれる1種類の化合物又は複数種の化合物の混合物である。この(B)成分は、含有していてもよいし、含有していなくてもよい。
(R−RSi(OR (2)
(上記式(2)中、Rは、メルカプト基、アミノ基、フェニルアミノ基、アミノエチルアミノ基、メタクリロキシ基、グリドキシ基、イソシアネート基、又はビニル基を示す。Rは、炭素数0〜4の二価の炭化水素基を示す。Rは、炭素数1〜4のアルキル基を示す。Rは、炭素数1〜10の芳香族基を含んでもよい炭化水素基を示す。また、mは1〜3の整数を、pは1〜3の整数を、qは0〜2の整数を示し、m+p+q=4である。)
上記(C)成分は、チタン、スズ、ニッケル、コバルト、銅、銀の有機金属化合物、又はチタン、スズ、ニッケル、コバルト、銅、銀の金属ナノ粒子からなり、単独でもよいし、これらの複数の混合物でもよい。
このコンポジット皮膜は、アルコキシシラン化合物又はその部分加水分解縮合物と有機金属化合物もしくは金属ナノ粒子との組み合わせで、塗布後環境に存在する水分を吸湿することにより硬化するようになるものとする。このような(A)〜(C)成分を組み合わせたコーティング剤は、ガラスや金属などの平滑な材料表面に十分に塗布可能な粘度の液状となる。従って、材料表面に塗布すると、表面に皮膜を形成させることができる。ここで固まる際には、上記の(A)成分および(B)成分が加水分解してアルコールが抜けつつ多量体を形成していき、好ましい速度で硬化する。
なおかつ、上記の(A)、(B)成分の選択と共に、(C)成分である有機金属化合物、金属ナノ粒子又はそれらの両方を選択することにより、加熱によって反応を促進させなくとも、空気中の水分と加水縮合反応を起こして、塗布後常温環境下において2時間程度でその表面を指で擦っても傷が付かない程度に硬化させることができる。
以上の処理を施すことにより、ガラス表面に密着性がよく、剥離がしにくく、しかも透過率が10%以上は低下しない、バイオフィルム形成能を著しく抑制したシラン系樹脂中に上記各種金属の有機金属化合物、アセチルアセテート化合物等の錯化合物あるいはナノパウダーを分散させたコンポジット皮膜が形成できる。
バイオフィルムが形成されると、汚れが表面に固着し、透過率が低下する。この相関関係はすでに非特許文献2にて科学的に明らかにされている。そこで発明者らにより考案された循環型のバイオフィルム製造装置により、二週間バイオフィルムを各種コーティング材を塗布したガラス材料上に形成させ、その透過率をUV−VISにて計測した。循環型バイオフィルム製造装置の原理は図1に示す通りであり、非特許文献3−5のように、既に学術的な一定の評価が定まっている。
この発明により、ガラス表面に密着性がよく、剥離がしにくく、しかも透過率が10%以上は低下しない、バイオフィルム形成能を著しく抑制したシラン系樹脂中に上記各種金属の有機金属化合物、アセチルアセテート化合物等の錯化合物あるいはナノパウダーを分散させたコンポジット皮膜が形成できる。このコンポジット皮膜(コーティング皮膜)により、材料表面の光学的性質を長期間に亘って劣化させずに保持することが可能となる。
バイオフィルム加速形成試験機の概略 バイオフィルム加速形成試験機にて14日間浸漬してバイオフィルムを形成させた各紙試料上の細菌数を遺伝子解析の手法を用いて計測した結果 バイオフィルム形成試験前の各試料の透過率 バイオフィルム加速形成試験機に14日間浸漬後の各試料の透過率
以下、この発明について詳細に説明する。
この発明は、ガラス、金属やセラミックスの構造体に塗工し、その表面を被覆することで、バイオフィルムの形成を防止するコンポジット皮膜とその製造方法、及びそれによって保護された保護材料である。
この発明で対象とする基材は、特に屋外の水環境下にある構造物に用いると有用である。例えば、ガラス・鉄等の金属・セラミックス等が例示される。
この発明にかかるコンポジット皮膜は、基材とするシラン系樹脂と、チタン、スズ、ニッケル、コバルト、銀、銅からなる金属元素群のうち少なくとも一つの金属ナノ粒子、有機金属化合物、又はそれらの両方からなる(C)成分とを含む。具体的には、シラン系樹脂としては、アルコキシシラン化合物、又はその部分加水分解縮合物が挙げられ、少なくとも下記の(A)成分を有し、下記の(B)成分を含んでいてもよい。
上記(A)成分は、下記式(1)で示されるアルコキシシラン化合物及びその部分加水分解縮合物から選ばれる、1種の化合物又は複数種の化合物の混合物である。この(A)成分を用いることにより、硬化後、基材表面に欠点のないコンポジット皮膜を形成し、バイオフィルム形成防止能を発揮することができる。
Si(OR4−n (1)
上記式(1)中、Rは炭素数1〜10の芳香族基を含んでも良い炭化水素基を示す。Rは、炭素数1〜4のアルキル基を示す。上記RとRとは、同一であってもよく、異なっていてもよい。また、nは1〜3の整数を示す。
上記Rとしては、具体的には、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基等の芳香族基等が挙げられる。
このようなアルコキシシラン化合物の例としては、メチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシランやジアルキルジアルコキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のフェニル基含有アルコキシシラン等が挙げられる。
また、上記アルコキシシラン化合物の部分加水分解縮合物とは、上記アルコキシシラン化合物の単一物又は混合物に水を加え、塩酸、酢酸、蟻酸等の触媒の存在下で撹拌しながら昇温することにより、部分的に加水分解を生じさせて縮合させることにより得られた化合物をいう。
上記の複数種の化合物の混合物とは、上記アルコキシシラン化合物である複数種の化合物の混合物、上記アルコキシシラン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物と上記アルコキシシラン化合物の部分加水分解縮合物から選ばれる少なくとも1種の化合物との混合物、上記部分加水分解縮合物である複数種の化合物の混合物をいう。上記のうち、上記部分加水分解縮合物から選ばれる化合物を複数種用いて混合する場合、上記の各アルコキシシラン化合物を、別々に加水分解縮合してから混合してもよく、複数種の上記アルコキシシラン化合物を混合してから加水分解縮合してもよい。
上記の部分的な加水分解縮合を行う際に必要に応じて溶剤を用いることができる。溶剤としては、上記混合物を溶解して均一な溶液を与えるものであれば特に制限はないが、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素化合物、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類等が用いられる。なお、ここで用いた溶剤は、加水分解後に除去しておくと好ましい。溶剤が残存していると、この発明にかかるコンポジット皮膜を作成する際に、溶剤によって固形分量が低下し基材表面を完全に覆えない場合がある。
次に、上記(B)成分は、下記式(2)で示されるアルコキシシラン化合物、およびその部分加水分解縮合物から選ばれる1種の化合物又は複数種の化合物の混合物である。この(B)成分を用いることにより、アルコキシシラン化合物又はその部分加水分解縮合物として、上記(A)成分のみを使用した場合に比べて、上記コンポジット皮膜を基材に塗布させたとき、得られるポリマー又はこのポリマーからなる被覆と基材との密着力がより向上し、表面全体を覆う被覆を形成させた場合の耐久性が飛躍的に向上する。なお、(B)成分としては、下記式(2)の構造を有する1種類の化合物でもよいし、2種類以上の化合物を併用してもよい。
(R−RSi(OR (2)
上記式(2)中、Rは、メルカプト基、アミノ基、フェニルアミノ基、アミノエチルアミノ基、メタクリロキシ基、グリドキシ基、イソシアネート基、又はビニル基を示す。Rは、炭素数0〜4の二価の炭化水素基を示す。Rは、炭素数1〜4のアルキル基を示す。Rは、炭素数1〜10の芳香族基を含んでもよい炭化水素基を示す。また、mは1〜3の整数を、pは1〜3の整数を、qは0〜2の整数を示し、m+p+q=4である。
上記(B)成分としてのアルコキシシラン化合物を加水分解縮合する方法、加水分解縮合の程度、および、使用する溶媒の種類については、上記した(A)成分の場合と同様な方法、程度、溶媒の種類等を採用することができる。また、アルコキシシラン化合物とその部分加水分解縮合物についての混合物の混合のさせ方や、加水分解縮合する手順も上記(A)成分と同様の方法が採用できる。
上記(B)成分を構成するアルコキシシラン化合物の例としては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記(A)成分および(B)成分の好ましい混合比は、(B)成分/(A)成分=0/100〜40/60がよく、0/100〜25/75が好ましい。上記(B)成分が40重量%より多くなると、透過率が悪化する傾向がある
これらの上記(A)成分および(B)成分は、空気中の水分などの水とOR基とが反応する加水分解反応で脱アルコール縮合を起こし、ポリマー化することで、細孔を閉塞させるとともに被覆を形成する。また同時に、セラミックやガラスなどのシリコンを含有する素材である場合には、シリコンとの間にSi−O−Si結合を形成し、強固に結合する。
上記(C)成分を構成するチタン、スズ、ニッケル、コバルト、銅、銀の有機金属化合物、又は金属ナノ粒子の例としては、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン等の有機チタン化合物、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート等の有機スズ化合物、ニッケルエトキシド、ニッケルアセチルアセトナート等の有機ニッケル化合物、コバルトイソプロポキシド、ビスアセチルアセトナートコバルト等の有機コバルト化合物、銅イソプロポキシド、銅tert−ブトキシド等の有機銅化合物、銀イソプロポキシド、銀アセチルアセテート化合物等の有機銀化合物、又はチタン、スズ、ニッケル、コバルト、銅、銀の金属ナノ粒子等が挙げられる。
上記(C)成分の好ましい配合濃度は、上記コンポジット皮膜中に0.01〜10mol%が好ましく、0.05〜5mol%がより好ましい。0.01mol%より少ないと、常温での硬化速度が異常に遅くなったり、硬化被覆の強度が不足したりする場合があり、さらにバイオフィルム形成の防止能が低下する可能性がある。一方、10mol%より多いと、硬化速度が速くなりすぎて、形成されるポリマーに内部応力が蓄積され、経時的に被覆にクラックが発生しやすくなったり、透過率が低くなったりする場合がある。
上記(C)成分を構成するうちで、金属ナノ粒子の平均粒子径は、100nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましい。100nmを越えると塗膜が濁りだし、透過率が低下する。また、顔料の沈降が起こり扱いにくくなる。
この発明で用いる上記コーティング剤の、(A)成分〜(C)成分の混合物の初期粘度は、20rpmの条件において、100mPa・s以下が好ましく、50mPa・s以下であることがより好ましい。初期粘度が100mPa・sを超えると被覆作業が困難となり、平滑な被覆形成が困難となる。なお、初期粘度の測定はJIS K 7117によるものであり、混合直後に測定した粘度のことをいう。
また、この発明にかかるコンポジット皮膜の硬化速度は、塗工後30分間の重量減少率にして、10〜16重量%が好ましい。この重量減少率が10重量%未満であると加水分解縮合の進行が遅すぎて、硬化までにかかる時間がかかりすぎ、実用上問題が生じてしまうおそれがある。一方で、16重量%を超えると、形成されるポリマーに内部応力が蓄積され、経時的に被覆にクラックが発生する傾向がある。
上記のガラス、金属、セラミック等の構造材料表面への、上記コーティング剤の塗布量は、20g/m以上が好ましく、30g/m以上がより好ましい。20g/m未満では、表面に存在する(C)成分の量が不足気味となり、抗バイオフィルム形成能が不十分になるおそれがあるためである。一方で、80g/m以下が好ましく、70g/m以下であるとより好ましい。70g/mより多いと、被覆が厚くなりすぎて残留応力が増大し、クラックを発生する可能性がある。80g/mより多くなるとその可能性はさらに高まり、100g/mを超えるとほぼ確実にクラックを発生させる。さらに、液だれ等施工上の問題も発生する危険がある。
また、上記コンポジット皮膜を上記構造材料表面に形成させる場合、得られるコンポジット皮膜の厚みは、50μm以下がよく、30μm以下であるとより好ましい。50μmより厚いと、残留応力が蓄積され増大し、経時的に被覆にクラックを発生する可能性がある。さらに透過率が低下することもある。
この発明で用いる上記コーティング剤は、常温で十分硬化可能であり、速やかに表面を被覆された基材を得ることができる。また必要に応じて加熱処理を行うとより速く硬化を行うことができる。
また、この発明にかかるコンポジット皮膜を形成させるにあたり、上記コーティング剤を塗布する前に、構造材料表面に事前処理を行っておくことが好ましい。この事前処理は、ガラスの透過率を低下させないように配慮しながら、あらかじめコーティングの前処理として、親水性を上げる表面処理を施す。具体的には、界面活性剤や弱酸、弱アルカリなどにより、表面に付着している油性成分や埃などを除去し、構造材料自体の表面を露出させておくとよい。この表面処理を行った上で上記のコンポジット皮膜を形成させることで、構造材料とコンポジット皮膜との間に高い密着性を発揮でき、コンポジット皮膜の耐久性を向上させることができる。また、高い密着性により、光の透過率の低下を抑制させることができる。
この発明にかかるコンポジット皮膜を、ガラス、金属、セラミックスなどの構造材料表面に形成させると、含有する(C)成分とシラン系樹脂との相乗効果により、構造材料表面に微生物が繁殖することを防止できる。これにより、構造材料表面に、微生物に由来するバイオフィルムが生じることを抑制し、構造材料表面に曇りが生じることを抑制できる。また同時に、上記構造材料に対する、水および二酸化炭素ガス、Clイオン等による劣化を防止できる。これにより、構造材料の表面に対する生物的劣化と非生物的劣化の両方を抑制し、構造材料表面の美観や光学特性などを長期間に亘って保持できる。
以下、この発明について具体的な実施例を示す。まず、用いる原材料と評価方法について説明する。
<(A)成分>
・メチル基およびフェニル基含有アルコキシシランオリゴマー…信越化学工業(株)製:KR−213(以下、「KR213」と称する。)メチルトリメトキシシランおよびフェニルトリメトキシシランを部分加水分解縮合した4量体。分子量約440、粘度18mPa・s。
・メチルトリメトキシシランオリゴマー…信越化学工業(株)製:KC89S(以下、「KC89S」と称する。)メチルトリメトキシシランを部分加水分解縮合した約2量体。分子量約280、粘度5mPa・s。
<(B)成分>
・N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン…信越化学工業(株)製:KBM−603(以下、「KBM603」と称する。)部分加水分解していないモノマー。分子量222、粘度4mPa・s。
<(C)成分>
・テトラ−n−ブトキシチタン…日本曹達(株)製:B−1(以下、「B1」と称する。図中、「Ti butoxide」との表記がある。)
・スズアセチルアセトナート…和光純薬工業(株)製:Tin(II) Acetylacetonate(以下、「スズアセチルアセトナート」と称する。)
・銅イソプロポキシド…Alfa−Aesar社製:Copper(II) isopropoxide(以下、「銅イソプロポキシド」と称する。)
・銀アセチルアセトナート…SIGMA−ALDRICH社製:Silver Acetylacetonate(以下、「銀アセチルアセトナート」と称する。)
・銅ナノ微粒子…SIGMA−ALDRICH社製:Copper-nanopowder(以下、「銅ナノ微粒子」と称する。)
・ニッケルアセチルアセトナート…和光純薬工業(株)製:Nickel(II) Acetylacetonate(以下、「ニッケルアセチルアセトナート」と称する。)
<ガラス親水化処理>
10×5cmの大きさに切り出したガラス基板を、界面活性剤を含んだ水道水で、超音波照射により細かなガラス片や油分を取り除く為に洗浄した。その後溶液を蒸留水に変え界面活性剤を十分に除去した。洗浄後、過酸化水素水とアンモニア水を体積比1:1で混合した溶液に浸漬させ、110℃で保持し、アンモニア分が揮発し、溶液が中性付近になるまで実施し、ガラス基板表面を親水化した。
<コンポジット皮膜形成>
表1に記載の組成で、(株)東洋精機製作所製試験用分散機(俗称ペイントシェイカー、容器90cc、溶液/シンマルエンタープライゼス(株)製ジルコンボール1mmφの容積比=50/50、充填率:80%、回転数750rpm)にて、(A)、(B)および(C)成分を1時間混合して得られたコーティング剤を、上記の親水処理を施したガラス板にエアスプレーにて10μm厚みに塗布し、室温で1週間養生した後、下記の評価を行った。
Figure 2019023302
<バイオフィルム形成>
図1の構成で制作した循環型バイオフィルム製造装置に表1に記載の実施例及び比較例にかかるコーティング剤を分散させたコンポジット皮膜をガラス上に形成させた試料を装着し、投げ込みヒーターで30℃に調整した水を6L/分の流量で2週間浸漬しバイオフィルムの形成を試みた。
<細菌数計測>
上記のバイオフィルム形成を試みた、上記の実施例及び比較例にかかるコーティング剤をガラス上にコーティングした試料について、日鉄住金環境(株)製;Extrap Soil DNA Kit Plus ver.2を用いてDNA抽出し、(株)キアゲン製;Rotor−Geneを用いて計測方法:QP−PCR法にて真正細菌の遺伝子を定量した。
<透過率測定>
バイオフィルムを形成させた、上記の実施例及び比較例にかかるコンポジット皮膜をガラス上にコーティングした試料を、日本分光(株)製;紫外可視近赤外分光光度計V−670で透過率を測定した。このときのガラス上の細菌数を遺伝子解析の手法を用いて計測し比較した結果を図2に示す。この図から、比較例1、2ではバイオフィルム形成の防止効果が見られないが、対して、実施例1−5では著しく細菌数が抑えられており、バイオフィルム形成の防止効果が高いことがわかる。
同様に各種試料についてUV-VISにて各試料の透過率を計測した結果を図3及び図4に示す。図3はバイオフィルム加速形成試験機における浸漬試験直前の結果であり、図4は二週間浸漬した後の状態の結果である。この試料から、実施例1−5の細菌のつきにくい試料については透過率が高く、比較例1、2のように細菌数が多いと透過率が低くなっていることがわかる。
<総括>
既に過去の非特許文献2において明らかにされたように、細菌が多くなるとバイオフィルムが成長し、ガラスの透過率が下がることと一致している。図3、図4からも当該の有機金属化合物分散膜およびナノパウダー粒子分散膜のバイオフィルム抑制能が明らかである。同時にバイオフォイルムが抑制されるとガラスの汚れが抑えられることもあわせて明確となっている。

Claims (4)

  1. チタン、スズ、ニッケル、コバルト、銀、銅からなる金属元素群のうち少なくとも一種の金属の、平均粒子径が100nm以下の金属ナノ粒子からなる(C)成分を、シラン系樹脂を含む基材中に分散させたコーティング剤を硬化させたコンポジット皮膜。
  2. 上記シラン系樹脂が、下記の(A)成分、又は(A)成分と(B)成分の混合物である、請求項1に記載のコンポジット皮膜。
    ・(A)成分:下記式(1)で示されるアルコキシシラン化合物、およびその部分加水分解縮合物から選ばれる1種類の化合物又は複数種の化合物の混合物。
    Si(OR4−n (1)
    (上記式(1)中、Rは炭素数1〜10の芳香族基を含んでも良い炭化水素基を示す。Rは、炭素数1〜4のアルキル基を示す。上記RとRとは、同一であってもよく、異なっていてもよい。また、nは1〜3の整数を示す。)
    ・(B)成分:下記式(2)で示されるアルコキシシラン化合物、およびその部分加水分解縮合物から選ばれる1種類の化合物又は複数種の化合物の混合物。
    (R−RSi(OR (2)
    (上記式(2)中、Rは、メルカプト基、アミノ基、フェニルアミノ基、アミノエチルアミノ基、メタクリロキシ基、グリドキシ基、イソシアネート基、又はビニル基を示す。Rは、炭素数0〜4の二価の炭化水素基を示す。Rは、炭素数1〜4のアルキル基を示す。Rは、炭素数1〜10の芳香族基を含んでもよい炭化水素基を示す。また、mは1〜3の整数を、pは1〜3の整数を、qは0〜2の整数を示し、m+p+q=4である。)
  3. 請求項1又は2に記載のコンポジット皮膜を、ガラス材料、金属材料、又はセラミック材料からなる構造材料の表面に形成させることによる、バイオフィルム形成能の抑制方法。
  4. ガラス材料、金属材料、又はセラミック材料からなる構造材料の表面に、請求項1又は2に記載のコンポジット皮膜を形成させた、抗バイオフィルム形成能を有する構造材料。
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