JP2019023268A - エポキシ組成物、その硬化方法及びその保存方法 - Google Patents

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暢隆 小竹
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Abstract

【課題】オニウム塩配合一液型エポキシ樹脂においてエポキシ当量とオニウム塩配合量に着目し、各種の物性を発揮すべき最適条件、及び硬化条件、及び保存方法を新たに見出した。
【解決手段】
本発明のエポキシ組成物は、エポキシ化合物と、オニウム塩と、を含むエポキシ組成物であって、エポキシ化合物は、単独成分、又は二種以上の複数成分からなり、オニウム塩は、反応開始温度が45℃以上であり、エポキシ化合物のエポキシ当量(X)と、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の配合比(Ymass%)が、所定の範囲内にあることを特徴とする。本発明の硬化方法は、このエポキシ組成物を60℃以上の温度で熱処理することを特徴とする。本発明の保存方法は、このエポキシ組成物を0℃以上、オニウム塩の反応開始温度以下の温度で保存することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、エポキシ組成物、その硬化方法及びその保存方法に関する。
1975年に米国のゼネラル・エレクトリック社(General Electric Company、略称:GE)がオニウム塩を用いたエポキシ基の開環重合に成功して以来、光や熱オニウム塩がエポキシ組成物(エポキシ樹脂)の新潜在硬化触媒として再脚光を浴び、様々なオニウム塩が国内外で研究開発されてきた。
オニウム塩一液エポキシ組成物は、(a)短時間での硬化処方が可能、(b)配合が容易、(c)加熱硬化時の臭気やベーパーが少なく人体や環境に優しい、(d)一般的な冷凍保存が不要で可使時間が長い、(e)硬化物は着色せずエポキシ樹脂の透明性も持続でき、(f)エポキシ樹脂自身の優秀な物性(強靭・高強度、電気特性、耐溶剤性等)も損なわれることなくそのまま発現する等の優れた特徴を有している。これらの特徴について、以下に説明する。
(a)短時間硬化処方
オニウム塩とエポキシ化合物との反応機構は、光や熱などのエネルギーにより励起されたオニウムイオンがエポキシ基を開環し、連鎖反応によって一気に自己縮合ネットワークを形成することとなっている。一方、通常のエポキシ化合物は、当量のアミン類などと縮合反応することで硬化反応が進む。
(b)配合の容易性
熱活性潜在オニウム塩は、大まかな計量でも物性値にほとんど影響を与えない。このため、熱活性潜在オニウム塩とエポキシ化合物との配合が至極簡単であり、微量の添加でも効果を発揮する。このため、取り扱いに熟練を要しない。対して、一般的なアミン類等の硬化剤は、エポキシ化合物に対する当量を正確に計量する必要がある。
(c)安全性
一般的なアミン系硬化剤を使用した場合、硬化時に窒素化合物含有ベーパーが発生し、臭気や作業者の人体や環境への影響がある。これに対し、オニウム塩の場合は、硬化時の臭いやベーパー量が、アミン系硬化剤の場合と比べて格段に少ない。これにより、人体や環境に優しく、作業がしやすい優位性がある。
(d)長い可使時間
一般的なアミン系潜在硬化剤を配合したエポキシ組成物は、すべて冷凍保存しなければならないという管理上の煩わしさがあった。これに対し、反応開始温度が室温よりも明確に高い熱活性オニウム塩配合のエポキシ組成物は、室温で安定なものが多く、冷凍保存の必要性がない。これにより、作業の効率化や省エネにも有利である。特に、冷凍保存されたエポキシ組成物は、使用前に、冷凍温度から常温に戻す必要がある。このときに、周囲の大気中に含まれる水分が凝結して含有したものとなるとともに、常温に戻すのに要する時間が長時間となっていた。さらに、余剰のエポキシ組成物を冷凍状態に戻す必要がある、といった問題があった。
(e)透明性
一般的なアミン系硬化剤は、その構造上、アミン自身が着色しているものが多い。透明なアミンを使用した場合でも、アミンが熱に敏感なため加熱硬化時に着色しやすい。このため、無色透明の硬化物を得るには何らかの手を加えないと困難であった。対して、オニウム塩の場合は、オニウム塩自身が透明であるため、無色透明のエポキシ樹脂となるエポキシ組成物を用いれば無色透明の硬化物を簡単に得ることができる。
(f)優秀な特性
一般的なアミン系硬化剤を使用する場合は、アミン系硬化剤をエポキシ化合物に対して当量使用する。このため、エポキシ樹脂(エポキシ組成物の硬化物)の物性がアミン硬化剤の影響を受ける。対して、オニウム塩を使用する場合は、1wt%以下の微量でもエポキシ基の開環重合を開始する効果を発揮できる。そのため、エポキシ樹脂自身の優秀な特性(強靭・高強度、電気特性、耐溶剤性等)をそのまま発現できる。
オニウム塩含有一液型エポキシ組成物は、上述のような特徴を有している組成物である。しかし、オニウム塩の活性にバラツキ(ムラ)が多いものが多かった。このため、多種多様のオニウム塩から、低温活性と潜在性を両立させ得るバランスの良いオニウム塩を選定することが困難であった。
エポキシ組成物を接着剤とする電材用フィルム用途では、ガラス転位温度が高く、かつ高温領域まで寸法安定性が高いポリイミドフィルムが幅広く使用されている。ポリイミドフィルムは、他の材質のフィルムと比べて、非常に高価である。このため、耐熱性や寸法安定性は劣るものの、多彩な加工にも対応可能であり、より安価なPETやエンジニアリングプラスチックと呼ばれる各種フィルムの使用が増加してきている。これらの安価なフィルムは、電材用用途等においても多量に使用されている。
例えば、PETフィルムは、連続使用温度がUL規格(UL746)で106℃と認定されている。しかし、エポキシ組成物を高温で硬化処理すると、硬化時にエポキシ樹脂と基材フィルムの間で歪みが発生する。この歪みは、精密な電子材料において、致命的な欠陥になる可能性があった。
また、エポキシ組成物の特徴として、接着力が優秀であるが、エポキシ樹脂が概して硬いという問題があった。エポキシ樹脂の硬さは、可撓性を付与したものであっても、フィルムの用途には不向きであった。このことから、フィルムにも追随して変形するようなフレキシブル性が付与されたエポキシ樹脂、更に低温で強力に硬化できる一液型エポキシ組成物の出現が望まれていた。
また、エポキシ組成物は、フィルム用途以外にも多量に使用されている。一般の電気電子部品は熱に敏感なものが多く、熱衝撃が少ない低温・短時間硬化可能な一液型エポキシ組成物の出現が望まれていた。
工業的ライン生産において、低温・短時間硬化の最大の利点は、生産性向上と省エネによるコストダウンである。しかし、その開発には一液型エポキシ組成物の室温安定性という問題がつきまとい、低温・短時間硬化処方は長年の夢であった。
特に、オニウム塩配合一液型エポキシ樹脂における、電材用途で望まれていた60〜80℃の低温で硬化可能で、かつ高硬度・高強度の一液型エポキシ組成物、及び、反対の性質であるフィルムのような超柔軟な硬化物性を持つ一液型エポキシ組成物はいまだ見いだされていなかった。
例えば、反応開始温度が室温に近いオニウム塩と従来のエポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名:JER828)の組み合わせの場合、シェルフライフが短く、エポキシ組成物と混合した場合、すぐ反応を始めるものが多く、1液型潜在硬化組成物となり得ないと考えられる。一方、反応開始温度が高いオニウム塩とエポキシ樹脂(商品名:JER828)との組み合わせの場合、シェルフライフは長く安定であるが、硬化温度100℃未満、特に60〜80℃の範囲内の低温では硬化するものは知られていなかった。
また、オニウム塩配合一液型エポキシ樹脂における、エポキシ樹脂100重量部に対するオニウム塩の使用量は、例えば特許文献1〜2に記載されている。これらの特許文献には、芳香族の水素化エポキシ化合物100重量部に対して0.01〜15重量部の範囲でオニウム塩を使用できるなどの記載はあるが、使用量とエポキシ樹脂の硬化特性、硬化物の特性、特にエポキシ当量とオニウム塩の配合量を明確化し詳細に検討した報告はなされていなかった。
また、これらの特許文献は、共に実施例はエポキシ樹脂100重量部に対してオニウム塩0.17重量部の記述はあるが、エポキシ当量とオニウム塩配合量の関係から各種エポキシ樹脂の硬化条件、特に硬化温度100℃未満における硬化物の特性を詳細に検討した報告はなされていなかった。
本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたものであり、低温短時間で硬化可能なエポキシ樹脂が得意とする分野である高強度・高硬度の硬化物となり、かつエポキシ樹脂が苦手とする分野であるフレキシブルなフィルムに追随するような超柔軟性と耐折り曲げ性を兼ね備えた硬化物となるエポキシ組成物、その硬化方法及びその保存方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明のエポキシ組成物は、エポキシ化合物と、オニウム塩と、を含むエポキシ組成物であって、エポキシ化合物は、単独成分、又は二種以上の複数成分からなり、オニウム塩は、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂とともに加熱した際の反応開始温度が45℃以上であり、エポキシ化合物のエポキシ当量(X)と、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の配合比(Ymass%)が、エポキシ化合物のエポキシ当量が1000未満の場合には、0.5×exp(−0.003X)≦Y≦250×exp(−0.003X)の範囲にあり、エポキシ化合物のエポキシ当量が1000以上の場合には、0.02≦Y≦40の範囲にあることを特徴とする。
本発明のエポキシ組成物の硬化方法は、請求項1〜10のいずれか1項に記載のエポキシ組成物を、60℃以上の温度で熱処理することを特徴とする。すなわち、本発明のエポキシ組成物を、60℃以上の温度で熱処理することを特徴とする。
本発明のエポキシ組成物は、従来の一液型エポキシ組成物では困難であった低温での硬化が可能なエポキシ組成物である。そして、本発明のエポキシ組成物は、従来のエポキシ組成物が得意とする高硬度・高強度のエポキシ樹脂や、エポキシ組成物が苦手とするフィルムのようにしなやかな超柔軟エポキシ樹脂の両者を得ることができる。このため、本発明のエポキシ組成物は、熱に敏感な各種の電気、電子材料や、各種フィルム等の用途にも使用できる。この結果、本発明のエポキシ組成物は、工業的ライン生産において低温・短時間硬化による生産性の向上、省エネによるコストダウンと作業性の向上の効果を発揮する。
本発明のエポキシ組成物の硬化方法は、エポキシ組成物を60℃以上の温度で熱処理することで強靱なエポキシ組成物の硬化樹脂を得ることができる。本発明のエポキシ組成物の硬化方法は、本発明のエポキシ組成物の硬化方法である。
本発明のエポキシ組成物の硬化方法は、80℃以下の温度で熱処理することが好ましい。エポキシ組成物において、エポキシ当量とオニウム塩の最適配合比を選択することで、硬化温度を制御することが可能となる。本発明における熱処理の温度は、従来の中・低温型の1液型潜在硬化剤のエポキシ組成物では、困難であった室温での保管が可能となる。また、中・高温型の1液型潜在硬化剤のエポキシ組成物よりも反応開始温度を大幅に低下することができ、簡単かつ低い加熱温度で硬化開始する。
本発明のエポキシ組成物の保存方法は、請求項1〜10のいずれか1項に記載のエポキシ組成物を、0℃以上、オニウム塩の反応開始温度以下の温度で保存することを特徴とする。すなわち、本発明のエポキシ組成物を、0℃以上、オニウム塩の反応開始温度以下の温度で保存することを特徴とする。
本発明の保存方法によるエポキシ組成物は、室温程度の温度での保存が可能なエポキシ組成物である。エポキシ組成物において、エポキシ当量とオニウム塩の最適配合比を選択することで、硬化温度を制御することが可能となる。そして、本発明のエポキシ組成物は、従来のエポキシ組成物では低温での保存(冷凍保存)を用いることなく保存できる。この結果、本発明のエポキシ組成物は、保存・保管において冷凍保存を行わないことにより、生産性の向上、省エネによるコストダウンと作業性の向上の効果を発揮する。
なお、本発明のエポキシ組成物は、当然のことながら、0℃以下の温度での保存が可能である。すなわち、冷凍保存が可能である。
図1は、エポキシ当量と体積抵抗率の関係を示すグラフである。
実施形態
以下、実施形態を用いて本発明を具体的に説明する。
(エポキシ組成物)
本形態のエポキシ組成物は、エポキシ化合物と、オニウム塩と、を含むエポキシ組成物である。エポキシ化合物は、単独成分、又は二種以上の複数成分からなる。オニウム塩は、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂とともに加熱した際の反応開始温度が45℃以上75℃以下である。エポキシ化合物のエポキシ当量(X)とエポキシ化合物100質量部に対するオニウム塩の配合比(Y質量部)は、エポキシ化合物のエポキシ当量が1000未満の場合には、0.5×exp(−0.003X)≦Y≦250×exp(−0.003X)の範囲にあり、エポキシ化合物の該エポキシ当量が1000以上の場合には、0.02≦Y≦40の範囲にある。
本形態のエポキシ組成物は、エポキシ化合物と、オニウム塩と、を含むエポキシ組成物である。本形態のエポキシ組成物は、エポキシ化合物と、オニウム塩と、を含むことから、一液型のエポキシ組成物である。
オニウム塩は、エポキシ化合物のエポキシ基の開環重合を開始する。
オニウム塩は、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂とともに加熱した際の反応開始温度が45℃以上である。すなわち、エポキシ化合物と加熱した際の反応開始温度が45℃以上である。反応開始温度が、この温度範囲内となることで、本形態のエポキシ組成物が、比較的低温で硬化開始し、室温で硬化することがなくなる。
オニウム塩の反応開始温度の上限は限定されるものではない。例えば、270℃、250℃、200℃、170℃、150℃、120℃、100℃、75℃以下等の温度から選ばれる温度とすることができ、75℃以下であることが好ましい。オニウム塩の反応開始温度は、50℃以上、65℃以下であることがより好ましい。
オニウム塩のビスフェノールA型液状エポキシ樹脂との反応開始温度は、後述の示差走査熱量測定(DSC)での測定結果を用いることができる。
オニウム塩は、1種類の化合物を使用することで効果を発現できるが、必要に応じて2種類以上の複数種類を使用しても良い。
オニウム塩としては、上記の特性を有するものであれば、具体的な化合物は限定されるものではない。例えば、低温硬化性に優れたピリジニウム塩として、N−(αフェニルベンジル)−4−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、N−(1−ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、N−シンナミル−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、N−シンナミル−4−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、N−シンナミル−2−クロロニウムヘキサフルオロアンチモネート等を挙げることができる。
低温硬化性に優れた脂肪族スルホニウム塩として、1−ナフチルメチルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−ナフチルメチルテトラメチレンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、シンナミルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、シンナミルテトラメチレンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、9−フルオレニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、9−フルオレンテトラメチレンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等を挙げることができる。
熱・光活性であるN−メチルアンモニウム塩として、N−メチル−4−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、N−メチル−2−クロロピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、N−メチル−2−メトキシピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、N−メチル−2,6−ジメチルピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、N−メチル−2−クロロー6−メトキシピリジニウヘキサフルオロアンチモネート、N−メチル−3−ブロモキノリウムヘキサフルオロアンチモネート、N−ベンジル−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート等を挙げることができる。
熱・光活性とであるキノリウム塩として、N−ベンジル−3−ブロモキノリウムヘキサフルオロアンチモネート、N−(αーフェニルベンジル)−3−ブロモキノリウムヘキサフルオロアンチモネート、N−(1−ナフチルメチル)−3−ブロモキノリウムヘキサフルオロアンチモネート、N−シンナミル−3−ブロモキノリウムヘキサフルオロアンチモネート等を挙げることができる。
熱・光活性であるアンモニウム塩として、N−ベンジルピラジニウムヘキサフルオロアンチモネート、N−(4−ニトロベンジル)ピラジニウムヘキサフルオロアンチモネート、N−(4−メトキシベンジル)ピラジニウムヘキサフルオロアンチモネート、N−(αーフェニルベンジル)ピラジニウムヘキサフルオロアンチモネート、N−シンナミルピラジニウムヘキサフルオロアンチモネート、N−(−1−ナフチルメチル)ピラジニウムヘキサフルオロアンチモネート、N−ベンジル−4−ブロモ−N,N−ジメチルアニリニウムヘキサフルオロアンチモネート、N−(1−ナフチルメチル)−4−ブロモ−N,N−ジメチルアニリニウムヘキサフルオロアンチモネート等を挙げることができる。
熱・光の高活性であるアンモニウム塩として、N−メチル−2−メチル−、N−メチル−2−(4−メチル−)ベンゾチアゾリウムヘキサフルオロアンチモネート、N−メチル−2−(1−メチル−)ベンゾチアゾリウムヘキサフルオロアンチモネート、N−メチル−2−ベンジルチオピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート等を挙げることができる。
熱活性と光活性に優れた芳香族スルホニウム塩として、2−インダニルフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、1−エトキシカルボニルエチルフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、フェニルメチル−2−メチル−2−フェニルプロピルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、2−フェニルエチルフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、2−フェニルプロピルフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、2−(4−メトキシフェニル)エチルフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、3−(4−メトキシフェニル)−2−プロピルフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、ベンジルジメチルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート等の化合物も上記の特性を示すものであれば本発明に使用することができる。
既に商業化されているものとしては、スルホニウムボーレート錯体(ソニーケミカル株式会社製、デクセリアリズ株式会社製)、2−ブテン−1−チオニアシクロペンタヘキサフロロアンチモネート(旭電化工業株式会社製、商品名:CP66)、3−メチル2−ブテン−1−チオニアシクロペンタヘキサフロロアンチモネート(旭電化工業株式会社製、商品名:CP77)、ジブチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート(みどり化学株式会社製)、ベンジルメチル−p−メトキシカルボニルオキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(三新化学工業株式会社製、商品名:SI−45)、1−ナフチルメチルメチル−p−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(三新化学工業株式会社製、商品名:SI−60)、2−メチルベンジルメチル−p−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(三新化学工業株式会社製、商品名:SI−80)、2−メチルベンジルメチルp−メトキシカルボニルオキシフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(三新化学工業株式会社製、商品名:SI−B2A)、ベンジルメチルp−メトキシカルボニルオキシフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(三新化学工業株式会社製、商品名:SI−B3A)、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロホスホネート(みどり化学株式会社製)、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート(みどり化学株式会社製)、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスホネート(ダウケミカル日本株式会社製、商品名:UVI−6990)等の化合物から上記の特性を示すものを用いることができる。
本形態において、オニウム塩は、助剤を混合していてもよい。助剤としては、重合の活性を調整する活性調整剤や、反応抑制効果を備えた貯蔵安定性を向上する助剤をあげることができる。助剤の添加量は、限定されるものではないが、オニウム塩と助剤の合計質量を100mass%としたときに、10mass%以下となるように添加することが好ましい。オニウム塩は、助剤を混合していなくてもよい。すなわち、0mass%でもよい。
本形態において、オニウム塩に添加する助剤としては、例えば、三新化学工業株式会社製、商品名:サンエイドSI助剤を挙げることができる。
エポキシ化合物は、エポキシ基を有する化合物よりなる。エポキシ化合物のエポキシ基がオニウム塩により開環し、重合反応により硬化する。
エポキシ化合物は、単独成分、又は二種以上の複数成分からなる。エポキシ化合物は、1種類からなるもの(単独成分)で用いてもよいが、複数のエポキシ化合物(二種以上の複数成分)を組み合わせたものであっても良い。複数のエポキシ化合物(二種以上の複数成分)を組み合わせることで、エポキシ当量を調節できる。
エポキシ化合物は、そのエポキシ当量(X)と、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の配合比(Ymass%)とが、エポキシ化合物のエポキシ当量が1000未満の場合には、0.5×exp(−0.003X)≦Y≦250×exp(−0.003X)の範囲にあり、エポキシ化合物の該エポキシ当量が1000以上の場合には、0.02≦Y≦40の範囲にある。
エポキシ当量(X)とオニウム塩の配合比(Y)が、この関係を満たすことで、比較的低温の温度条件での硬化反応を十分に進めることができる。なお、エポキシ当量とは、エポキシ化合物がエポキシ成分をすべて含んだ状態で測定したエポキシ当量である。具体的な測定方法は、後述する。
ここで、Yがこの範囲より小さい場合、比較的低温条件での硬化反応を十分に進めることができなくなる。Yがこの範囲より大きい場合は、硬化反応は進むものの、硬化後の物理特性が十分に発現しにくくなる。
この配合比の範囲は、エポキシ化合物のエポキシ当量が1000未満の場合は、3×exp(−0.003X)≦Y≦200×exp(−0.003X)の範囲にあり、エポキシ化合物のエポキシ当量が1000以上の場合は0.3≦Y≦20の関係にあれば好ましい。エポキシ化合物のエポキシ当量が1000未満の場合において、5×exp(−0.003X)≦Y≦150×exp(−0.003X)の範囲にあり、エポキシ化合物のエポキシ当量が1000以上の場合は0.6≦Y≦10の関係にあれば、更に好ましい。
本形態のエポキシ化合物は、上記の特性を有するものであれば、具体的な化合物は限定されるものではない。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名:JER828やJER834)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(株式会社ADEKA製、商品名:EP−4901)、ビスフェノールE型エポキシ樹脂(株式会社プリンテック製、商品名:R710)、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名:YX8000やYX8034)、ビスフェノールAタイプ高分子エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名:JER1256)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名:JER152)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名:N660)、ビフェニル型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名:YX4000)、ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名:HP−4032D)、シクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名:HP−7200)、などを挙げることができる。
エポキシ化合物においても、助剤を混合していてもよい。助剤としては、エポキシ組成物の粘度を調整する粘度調整剤(あるいは粘度安定剤)、重合の活性を調整する活性調整剤等の添加剤を挙げることができる。助剤の添加量は、限定されるものではない。それぞれの助剤において好ましい添加量とすることができる。
エポキシ化合物に添加する助剤(粘度調整剤,粘度安定剤)としては、例えば、アルキルグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名:YED216D)、1価のエポキシ基を有する化合物(三菱化学株式会社製、商品名:YED188やYED122)を挙げることができる。
本形態のエポキシ組成物は、エポキシ化合物とオニウム塩のみから形成されていても、他の成分を含んでいても、いずれでもよい。なお、他の成分とは、オニウム塩とエポキシ化合物との反応に影響を及ぼさない成分(エポキシ基の開環重合反応を促進又は阻害しない成分)を示す。
他の成分としては、エポキシ化合物とオニウム塩の両成分との混和性や粘性を調節するための溶剤(あるいは、溶媒)を挙げることができる。溶剤としては、その種類が限定されるものではない。例えば、n−ヘキサン、メチルエチルケトン、トルエンなどの低沸点溶剤から、沸点が150〜250℃のエステル類などを挙げることができる。本形態のエポキシ組成物が比較的低い温度で硬化反応が進行するものであるので、硬化した後に、残留溶剤が悪影響を及ぼさないためには、揮発性が比較的高い溶剤を使用することが好ましい。
本形態のエポキシ組成物は、接着剤として使用することができる。本形態のエポキシ組成物は、従来の一液型エポキシ組成物では困難であった低温での硬化が可能なエポキシ組成物であることから、従来のエポキシ組成物が得意とする高硬度・高強度のエポキシ樹脂や、従来のエポキシ組成物が苦手とするフィルムのようにしなやかな超柔軟エポキシ樹脂の両者を得ることができる。このため、本形態のエポキシ組成物は、工業的ライン生産において低温・短時間硬化による生産性の向上、省エネによるコストダウンと作業性の向上の効果を発揮する。
本形態のエポキシ組成物は、フィラーを含有していてもよい。フィラーとしては、従来のエポキシ組成物において用いられるフィラーを挙げることができる。フィラーを含有することで、エポキシ組成物(の硬化物)に所望の特性を付与できる。
フィラーとしては、金属粒子粉末、無機粒子粉末、炭素粉末、有機粒子粉末等を挙げることができる。フィラーとしては、アモルファスシリカ粉末であることがより好ましい。
本形態のエポキシ組成物がフィラーを含有する場合、その配合比は限定されるものではない。例えば、本形態のエポキシ組成物がフィラーとしてシリカ粉末を含有する場合、エポキシ組成物全体の質量を100mass%としたときに、20mass%以下であることが好ましい。フィラーの配合比は、10mass%以下であることがより好ましく、5mass%以下であることが更に好ましい。
すなわち、エポキシ組成物全体の質量を100mass%としたときに、20mass%以下でアモルファスシリカよりなるフィラーを含有することが好ましい。
本形態のエポキシ組成物は、導電性接着剤としても好適に使用することができる。導電性接着剤は、本形態のエポキシ組成物に導電性付与材を添加して形成することができる。導電性付与材は、導電性材料よりなるものであればその材質が限定されるものではない。例えば、銀、銅,金、ニッケル、アルミニウム、パラジウム、プラチナ、金属コートされたポリマーや充填剤、カーボンブラック、カーボンファイバー、グラファイト、ナノ銀、ナノ銅、ナノアルミニウム、ナノ金、ナノニッケル、カーボンナノチューブ等の導電粉末を挙げることができる。導電粉末の粒子形状についても、限定されるものではなく、球状、針状、フレーク状等の形状を挙げることができ、フレーク状であることがより好ましい。導電粉末は、1種類からなるものでもよいが粒子形状、粒子径、表面の清浄度等の異なる複数の導電粉末を組み合わせたものであっても良い。
この中で特にフレーク状の銀粉末を導電性付与材として使用することがより好ましい。銀粉末は、1種類からなるものでもよいが粒子形状、粒子径、表面の清浄度等の異なる複数の銀粉末を組み合わせたものであっても良い。
また、銀粉末は、洗浄したものであっても、未洗浄のものであっても、いずれでも同様な効果を発揮できる。
銀粉末を使用する場合、その使用量は、エポキシ組成物(あるいは、導電性接着剤)全体の質量を100mass%としたときに、75〜95mass%であることが好ましい。75mass%未満では、十分な導電性が得られなくなる。95mass%を超えて多くなると、エポキシ組成物の占める割合が少なくなり、硬化後のもろさが増し、接着剤としての機能が十分に発現しなくなる。銀粉末を使用する場合、エポキシ組成物全体を100mass%としたときに、80〜92mass%であることがより好ましく、85〜90mass%であることが更に好ましい。
銀粉末を使用する場合、フレーク状の粒子の粉末であることが好ましい。フレーク状とは、薄片形状とも称する形状であり、例えば、略板状、一方向に延びる軸をもつ略棒状、複数方向に延びる軸をもつ樹枝状等の形状を挙げることができる。フレーク状の粒子は、球状粒子と比較して、隣接する別の粒子との接触が生じやすい。すなわち、導電経路を形成しやすい。
銀粉末を使用する場合、導電性接着剤の粘度は、25℃における粘度が1〜90Pa・sであることが好ましい。導電性接着剤の粘度は、後述の測定方法により測定できる。25℃における粘度がこの範囲にあることで、導電性接着剤としての取り扱いが可能となる。粘度が1Pa・s未満となると、銀粉末の沈降を防止することが困難になる。粘度が90Pa・sを越えて大きくなると、導電性接着剤の粘性が高くなり、使用する際の取り扱いが困難になる。25℃における粘度は5〜70Pa・sであることがより好ましく、10〜50Pa・sであることが更に好ましい。
すなわち、本形態のエポキシ組成物は、全体を100mass%としたときに、75〜95mass%で銀粉末を含有し、25℃における粘度が1〜90Pa・sであることが好ましい。銀粉末は、フレーク状であることがより好ましい。
本形態のエポキシ組成物は、エポキシ化合物のエポキシ当量が1000以上であり、かつ体積抵抗率が2×10−4Ωcm以下であることが好ましい。本形態のエポキシ組成物は、エポキシ化合物のエポキシ当量が1000以上と大きなものでありながら、2×10−4Ωcm以下と優れた導電性(低い体積抵抗率)を有する。
本形態のエポキシ組成物において、エポキシ当量の異なるエポキシ化合物におけるオニウム塩の質量部と、体積抵抗率との関係を図1に示す。エポキシ化合物に対して2質量部でオニウム塩を含有した場合のエポキシ当量と体積抵抗率の関係を図2に示す。なお、エポキシ化合物は、エポキシ当量が165,186,194,250,263,470,1004,2605,7318のエポキシ化合物を用いた。このエポキシ化合物及びオニウム塩は、後述の実施例において用いられた化合物及び対応するオニウム塩である。
なお、これらのサンプルは、後述の実施例33と同様に、80℃×60分の硬化条件で体積抵抗率を測定した。
図1に示したように、エポキシ当量が1000以上のエポキシ化合物は、2×10−4Ωcm以下、さらには、1×10−4Ωcm以下、すなわち10−5Ωcmオーダーと優れた導電性を発揮する。10−5Ωcmオーダーの体積抵抗率は、従来のエポキシ組成物では達成が困難なレベルの導電性である。
以上に示したように、本形態のエポキシ組成物に導電粉末(銀粉末)を配合した場合において、エポキシ当量とオニウム塩配合量との関係を鋭意検討した結果、エポキシ当量とオニウム塩配合量の関係が明確になり、それぞれ最適配合領域が存在することが明確に見いだされた。
さらに、本形態のエポキシ組成物において、エポキシ当量の異なるエポキシ化合物におけるオニウム塩の質量部と、引張剪断力との関係を精査した結果、相関を見いだした。なお、エポキシ化合物は、エポキシ当量が165,186,194,250,263,470,1004,2605,7318のエポキシ化合物を用いた。このエポキシ化合物及びオニウム塩は、後述の実施例において用いられた化合物及び対応するオニウム塩である。
なお、これらのサンプルは、後述の実施例33と同様に、80℃×60分の硬化条件で引張剪断力(ダイシェア強度)を測定した。
エポキシ当量が異なる複数種のエポキシ化合物において、いずれのエポキシ化合物の場合でも、引張剪断力(被着材との接着力)が5MPaと高い応力(接着力)を発揮できることがわかる。すなわち、エポキシ組成物に含まれるオニウム塩の含有割合を調節することで、優れた接着性を持つ接着剤としても利用できる。
導電性接着剤は、全体を100mass%としたときに、さらに、0.01〜20mass%でシリカを含有することが好ましい。シリカは、導電性接着剤において、エポキシ組成物中の銀粉末の分散性を向上し、沈降を防止する。シリカの含有量が0.01mass%未満では、添加の効果が十分に発揮されない。20mass%を超えて多くなると、接着力や導電性が低下しやすくなる。シリカの含有量は、5mass%以下がより好ましく、2mass%以下が更に好ましい。
シリカは、従来の導電性接着剤のフィラーとして使用されているシリカを用いることができ、粒子径がnm単位のナノシリカであることがより好ましく、疎水性ナノシリカであることが更に好ましい。シリカは、アモルファスよりなる市販のナノシリカを使用することができる。
本形態のエポキシ組成物は、接着剤として利用したときに、比較的低温で短時間の処理で強い接着強度を示す特徴を有している。接着強度は、ダイシェア引張剪断強度により規定できる。ダイシェア引張剪断強度は、後述の方法により求めることができる。70〜80℃、60分の熱処理後の引張剪断強度が5MPa以上であることが好ましい。このようなエポキシ組成物は、特に工業的生産ラインにおいて生産性の向上に結びつくためにより好ましい。70〜80℃において、60分の熱処理により引張剪断強度が10MPa以上を示すものは、更に好ましい。
本形態のエポキシ組成物は、接着剤として用いることが好ましく、導電性付与材を添加した場合は導電性接着剤として用いることが好ましい。
本形態のエポキシ組成物は、強化材を含有することが好ましい。強化材を含有することで、本形態のエポキシ組成物は、強化材を含有した硬化物を得られる。この硬化物は、強化材を含有しており強度に優れたものとなる。
強化材としては、限定されるものではなく、エポキシ組成物を用いた従来の複合材料において使用されているものを用いることができる。強化材としては、緻密質あるいは多孔質の構造体や繊維状のものをあげることができる。また、その材質についても限定されるものではなく、炭素、金属、無機材料、有機材料等を挙げることができる。さらに、強化材は、これらの繊維を配列して形成された構造材であることが好ましい。
すなわち、強化材は、炭素繊維、金属繊維、無機繊維、有機繊維より選ばれる1種以上の繊維の集積体、及び/又は有機材料あるいは無機材料よりなる緻密質あるいは多孔質の構造体であることが好ましい。繊維の集積体とは、繊維が所定の方向(任意の角度)に配向して並んでいる状態や、少なくとも隣接する短繊維同士が絡み合った状態である。強化材は、繊維が所定の方向に配向して並んでいる帯状体、各前記繊維の織布、各前記繊維の不織布であることがより好ましい。緻密質あるいは多孔質の構造体において、細孔の占める割合(気孔率)は限定されるものではない。従来の多孔質構造体と同様の気孔率とすることができる。好ましくは、多孔質の構造体である。
(硬化方法)
本形態のエポキシ組成物は、60℃以上の温度で熱処理することで、硬化することができる。この温度範囲で熱処理することで、本形態のエポキシ組成物において、エポキシ化合物とオニウム塩との反応が開始し、本形態のエポキシ組成物が硬化する。また、この温度での加熱によると、硬化を素早く完了できる。
熱処理温度は、限定されるものではなく、エポキシ組成物に含まれるオニウム塩の反応開始温度より高い温度である。好ましくは、オニウム塩の反応開始温度〜反応開始温度+30℃程度の温度である。より好ましくは、オニウム塩の反応開始温度〜反応開始温度+10℃程度の温度である。
熱処理温度の上限についても限定されるものではなく、エポキシ組成物に含まれるオニウム塩の反応開始温度より更に高い温度とすることができる。好ましくは、オニウム塩の反応開始温度〜反応開始温度+30℃程度の温度である。特に、フィルム(膜状部材)や熱に敏感な電子部品用途への適用においては、オニウム塩の反応開始温度〜反応開始温度+10℃程度の温度が好ましい。
80℃以下の温度で熱処理することが好ましい。反応開始温度を45〜75℃のオニウム塩を用いてなるエポキシ組成物においては、60〜80℃の低温で硬化反応を進行できる。
エポキシ組成物において、エポキシ当量とオニウム塩の最適配合比を選択することで、硬化温度を制御することが可能となる。なお、硬化温度とは、硬化反応が開始する温度乃至硬化反応が完了するまでの温度(硬化反応が進行している時の温度)の範囲内の温度である。すなわち、熱処理における温度に変化(温度の上昇)がある場合、硬化温度は、硬化反応が開始する温度、硬化反応が完了するまでの温度、硬化反応が進行している時の温度のいずれかの温度とすることができ、好ましくは硬化反応が開始する温度である。この結果、通常のエポキシ樹脂の硬化条件として考えられない条件での硬化反応が可能となる。例えば、150℃程度の中温域での熱処理によると、秒速での硬化反応の進行(すなわち、秒速硬化)が可能となる。
本形態のエポキシ組成物は、その硬化温度が限定されるものではない。硬化時間を短くする場合には、硬化温度を高く設定することが好ましい。
この熱処理は、加熱時間が5秒以上、5分以下であることが好ましい。加熱時間がこの範囲内となることで、エポキシ組成物が十分に硬化する。加熱時間が5秒以上となることで、エポキシ組成物が十分に硬化できる。本形態のエポキシ組成物は、硬化反応が素早く進行するため、5分以下の加熱でエポキシ組成物の硬化を完了できる。すなわち、5分以下の加熱でエポキシ組成物が十分に硬化できる。加熱時間は、5秒以上の加熱時間であれば限定されるものではなく、10秒以上、30秒以上、60秒(1分)以上、3分以上、5分以上、7分以上、10分以上、15分以上、20分以上、30分以上、60分以上、120分以上のいずれの加熱時間でもよい。
エポキシ組成物は、加熱時間が上記範囲内となることで、十分に硬化する。十分に硬化するとは、接着剤として利用したときに、ダイシェア引張剪断強度が5MPa以上となる状態である。
熱処理は、その雰囲気が限定されるものではない。大気雰囲気、酸素を含有する酸化性雰囲気、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気等の雰囲気から適宜選択できる。大気雰囲気が好ましい。熱処理の雰囲気の圧力についても限定されるものではない。大気圧、減圧条件下、加圧条件下等の条件から適宜選択できる。大気圧が好ましい。
熱処理は、熱処理温度と加熱時間を、適宜決定することが好ましい。熱処理温度が高くなると、加熱時間を短くすることができる。逆に、熱処理温度を低くした場合、加熱時間を長くすることで、エポキシ組成物を硬化することができる。
例えば、後述の試料5の構成では、70℃×1hr、80℃×1hr、100℃×1hr、150℃×1hr、200℃×1hrの各条件で得られる硬化物が13MPa〜28MPaの高い接着力を示す。すなわち、高い接着力を示す硬化物を得られる。
同様に、後述の表8に示したように、オニウム塩量にも関係するが155℃×60秒、175℃×60秒、200℃×60秒の熱処理条件で約20〜30MPaの高い接着力を示す。秒単位での硬化が可能となり、作業効率が向上する。さらに、反応開始温度が136℃のオニウム塩を用いた場合でも、275℃×30秒、275℃×45秒で15〜45MPaの高い接着力を示す。
後述の表9の試料241〜245に示したように、エポキシ組成物を40℃×4週間保存した後、150℃×1hr、250℃×90秒、250℃×120秒で25〜35MPaの高い接着力を示す。
(保存方法)
本形態のエポキシ組成物の保存方法は、本形態のエポキシ組成物を、0℃以上、オニウム塩の反応開始温度以下の温度で保存することができる。すなわち、本形態のエポキシ組成物を、エポキシ組成物の凍結温度以上、かつオニウム塩の反応開始温度以下の温度で保存することができる。保存温度は、好ましくは反応開始温度より10〜20℃程度低い温度以下の温度であり、より好ましくは常温(0〜40℃)であり、更に好ましくは5〜30℃である。
本形態のエポキシ組成物は、0℃より低い温度で保存すること(冷凍保存)も当然可能である。従来のアミンを用いた一液型のエポキシ組成物では反応が停止せずに進行する(冷凍保存時でも律速で反応が進行)。しかし、本形態のエポキシ組成物では、特に半硬化状態で反応が停止する。このため、0℃より低い温度では、長期保存が可能となっている。
詳しくは、本形態のエポキシ組成物は、上記のように反応開始温度以上の加熱により硬化反応が開始する。換言すると、反応開始温度未満の温度に保持することで、保存が可能となる。すなわち、低温での保存が可能となる。
本形態の保存方法におけるエポキシ組成物の状態(反応段階)は限定されない。エポキシ組成物とオニウム塩とが混合した未硬化の状態であっても、熱硬化性樹脂の反応の中間的な段階である半硬化状態(一般にBステージとも称される)であっても、いずれでもよい。
本形態の保存方法におけるエポキシ組成物は、上記した本形態のエポキシ組成物である。すなわち、銀粉末(導電性粉末)、強化材(炭素繊維、金属繊維、無機繊維、有機繊維の織布や不織布、構造体)、その他の添加材(例えば、粘度調整剤)を含有していても良い。特に、粘度調整剤を含有すると、エポキシ組成物の粘度の変化(硬化)を抑えた状態で本形態のエポキシ組成物の保存が可能となる。
エポキシ組成物が強化材として繊維の織布や不織布を含有している場合、エポキシ化合物とオニウム塩の混合物は、織布や不織布に含浸していることが好ましい。
本形態の保存方法は、上記したエポキシ組成物に加えて、反応開始温度がより高いオニウム塩を配合してなるエポキシ組成物にも適用できる。例えば、反応開始温度が100℃以上のオニウム塩を配合したエポキシ組成物に適用できる。このようなオニウム塩としては、例えば、三新化学工業株式会社製、商品名:SI−100(反応開始温度:約100℃)やSI−150(反応開始温度:約150℃)をあげることができる。
なお、本形態のエポキシ組成物の保存方法は、本形態のエポキシ組成物の保存に適用可能な保存方法である。本形態のエポキシ組成物は、オニウム塩の反応開始温度以下の温度であり、かつ0℃以下の温度で保存してもよい。すなわち、冷凍保存が可能である。
本形態の保存方法によると、複合材用として有用なエポキシ組成物であっても、後述の表10の試料251〜256に示したように、オニウム塩を選定すれば、エポキシ樹脂そのまま、又は強化材(例えば、SiCや焼結アルミやカーボン繊維)を配合したまま半硬化状態(通常Bステージ樹脂と言われる)のまま、室温×1年間保存した後、150℃×60分で20〜30MPaの高い接着力を示す。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。
なお、エポキシ組成物やその硬化物の物性値等は、以下に記載の方法により測定した。
(A)オニウム塩とビスフェノールA型液状エポキシ樹脂との反応開始温度
まず、オニウム塩とその活性調整剤をγーブチルラクトン(溶媒)に溶解して、オニウム塩が33mass%、活性調整剤が0.33mass%で含まれるオニウム塩溶液を作製する。このとき、オニウム塩を先に溶解した後に、保存安定剤を溶解することが好ましい。
このオニウム塩溶液とビスフェノールAタイプ液状エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名:JER828)を質量比が2:100となるように配合した試料10mgを専用アルミパンに封入する。
この試料を、DSC装置(セイコーインスツルメンツ株式会社製、商品名:DSC6200)にセットし、30℃から250℃の温度範囲で昇温速度10℃/分の条件で測定する。反応開始温度は、反応によりDSCのベースラインが発熱側にずれ始める温度とする。具体的には、処理によりノイズを除いたベースラインを求め、その接線の交点を発熱開始温度とする。
(B)エポキシ当量
JIS K7236:2001に準拠する方法で測定する。
詳しくは、液状エポキシ樹脂の場合はそのままの状態で、固形エポキシ樹脂の場合は固形分40wt%に溶解した状態のものを、100mLビーカに6.0×10−4〜9.0×10−4molのエポキシ基に相当する試料を採取して精秤する(有効数字:0.1mgの桁)。
秤量したエポキシ溶液にクロロフォルム10mLを加え、撹拌子を入れたスターラで撹拌溶解する。
次に、酢酸20mL及び臭化テトラエチルアンモニウム溶液10mL加える。
電極を浸し、0.1mol/L過塩素酸−酢酸標準液で滴定する。
同様の操作で空試験を行いブランクとする。
なお、滴定は、自動滴定装置(商品名:COM−1750),ガラス電極(商品名:GE−101B),比較電極(商品名:RE−201)(いずれも平沼産業株式会社製)を用い、比較電極内部液は飽和過塩素酸ナトリウム/酢酸溶液を用いて測定する。
(C)溶液の粘度測定
E型粘度計(東機産業株式会社製、商品名:RE−80U)を用い、25℃における3°コーン5rpmの2分値を計測する。
(D)エポキシ組成物の熱硬化処理
加熱硬化には、温度精度±3℃の温風オーブン(株式会社いすゞ製作所製、商品名:AT−S13)を用いる。オーブン内の試料近傍とオーブン内部に温度計を差込み、オーブン表示温度と加えた3箇所の温度を確認する。処理温度(熱硬化温度)は、試料近傍の温度を採用する。試料をオーブンに入れた際、被着材(被接着物)の熱容量の影響(被接着物の熱容量が大きい場合、加熱量が大きくなる)で試料温度が若干下がった後、試料近傍の温度が設定温度の−2℃に戻った時点を硬化処理開始とし(通常、2〜3分程度)、そこから所定時間(30分、60分、180分)硬化処理する。
また、所定時間が秒単位(10,30,60秒)である場合(いわゆる秒速硬化の場合)には、オーブンに変えてホットプレート等の加熱装置を用いる。
(E)接着力(ダイシェア引張剪断強度)
被着材としてレギュラースライドグラス(松浪硝子工業株式会社製、商品名:S1112)上に、オニウム塩を配合したエポキシ樹脂溶液を2mm程度の半球状に滴下し、その上に一辺が2mm角×厚さ0.5mmのシリコンチップを乗せピンセットで押さえたものを上記の加熱硬化反応に供する。
硬化反応後1日経過させ、引張圧縮試験機(株式会社今田製作所製、商品名:SH−2013M)を用い、引張速度25mm/minでダイシェア引張剪断を測定する。n数は5個とし、その平均値を採用する。
判定基準は、◎(20MPa以上),〇(5MPa以上、20MPa未満),△(2MPa以上、5MPa未満),×(2MPa未満),××(未硬化)とした。なお、被着材や治具等はすべてアセトンで脱脂したものを用いる。
(F)体積抵抗値測定
被着材としてレギュラースライドグラス(松浪硝子工業株式会社製、商品名:S1112)、ポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製、商品名:カプトン)、又は厚さ100μmのPETフィルム(東レ株式会社製、商品名:ルミラーS10)に100μm厚さをめどに約10mmの幅で長さ約70mmのエポキシ樹脂組成物を均一に塗布して試料を作製する。作成した試料を、上記の加熱硬化反応に供する。
その硬化塗膜について、電極距離を50mmにしてデジタルマルチメーター(タケダ理研株式会社製、商品名:TR6851)を使用して電気抵抗値を測定する。
(体積抵抗の計算法)=電気抵抗値(Ω)×断面積(膜厚×膜幅)/測定距離)。
膜厚測定は、測定装置(株式会社小野測器製、商品名:ST−011)を用いた。判定基準は、◎(9×10−5Ωcm以下),〇(10−4Ωcmオーダー),△(10−3Ωcmオーダー),×(10−2Ωcmオーダー以上)とする。
(G)色調判定
被着材としてレギュラースライドグラス(松浪硝子工業株式会社製、商品名:S1112)、ポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製、商品名:カプトン)、又は厚さ100μmのPETフィルム(東レ株式会社製、商品名:ルミラーS10)上に、オニウム塩を配合したエポキシ樹脂溶液を5mm程度の半球状に滴下し、上記の加熱硬化反応に供する。
その硬化塗膜について、目視判定を行う。判定基準は、〇(無色透明),△(微着色透明),×(黄褐色)とする。
(H)耐屈曲、耐折曲試験
被着材としてレギュラースライドグラス(松浪硝子工業株式会社製、商品名:S1112)、ポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製、商品名:カプトン)、又は厚さ100μmのPETフィルム(東レ株式会社製、商品名:ルミラーS10)を約30×100mmの短冊形に切り、50μm厚さをめどに約10mmの幅で長さ約50mmのエポキシ樹脂組成物を均一に塗布して試料を作製する。
上記の方法で硬化反応を行い、屈曲試験は塗布フィルムの表面と裏面で位置をずらし180°折り曲げ、塗膜のヒビや割れを目視判断する。耐折曲試験の判定基準は、〇(ヒビ割れなし),△(微ヒビ又は片方ヒビ割れ),×(両方ヒビ割れ又は剥がれ)とする。
本評価においても被着材や治具等はすべてアセトンで脱脂したものを用いる。
(I)クロスカット試験
被着材としてレギュラースライドグラス(松浪硝子工業株式会社製、商品名:S1112)、ポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製、商品名:カプトン)、又は約30×100mmの短冊形に切った厚さ100μmのPETフィルム(東レ株式会社製、商品名:ルミラーS10)又はポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製、商品名:カプトン)に、厚さ50μmをめどに約13mmの幅で長さ約50mmのエポキシ樹脂組成物を均一に塗布して試料を作製し、上記の方法で硬化する。なお、PETフィルムは難接着性の1種であるため、そのまま、もしくは表面処理としてコロナ処理を施し、比較に用いた。
硬化塗膜をJIS K5400適合のNo.315スーパーカッターガイド(太佑機材株式会社製)を用い、JIS K5400適合のカッターで素地まで到達する切込みを1mm間隔で11本入れた後、90°向きを変えて更に同様に11本引き、100目カットした碁盤目状塗膜にする。碁盤目上を覆うようにセロハン粘着テープを強く圧着させ、45°の角度で一気に引き離し、塗膜残存目数を判定する。判定基準は、〇(80目以上),△(80目未満〜50目以上),×(50目未満)とする。
(J)ラビング試験
被着材としてレギュラースライドグラス(松浪硝子工業株式会社製、商品名:S1112)、ポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製、商品名:カプトン)、又は約30×100mmの短冊形に切った厚さ100μmのPETフィルム(東レ株式会社製、商品名:ルミラーS10)に膜厚約50μmにエポキシ樹脂組成物を塗布した後、上記の方法で硬化する。
硬化塗膜を、トルエンに浸漬して硬く丸めた脱脂綿で、500gの荷重をかけて10往復摩擦して塗膜変化を目視判断する。判定基準は、〇(不溶又は変化なし),△(一部溶解),×(50%以上溶解)とする。
(K)保存安定性試験
調製したエポキシ組成物を、ねじ口瓶に入れて封止し、遮光した状態(紫外線を遮断した状態)で、所定温度で所定期間保存する。所定期間経過後、(E)接着力(ダイシェア引張剪断強度)試験に供して接着力を測定する。なお、所定温度としては、例えば、冷凍温度(−10℃)、冷蔵温度(5℃)、室温(25℃)、加速試験用温度(40℃)をあげることができる。
[実施例1及び比較例1]
本例の各試料のエポキシ組成物を、以下の方法により調製した。
20mLのねじ口瓶(日電理化硝子株式会社製、商品名:SV−20)に、エポキシ当量が186のエポキシ化合物(液状、三菱化学株式会社製、商品名:JER828)10gを計り取る。
続いて、表1に示したオニウム塩に活性調整剤(三新化学工業株式会社製、商品名:SI助剤)を質量比で99:1となる割合で混合計量し、溶媒としてγ−ブチルラクトンを加えて、オニウム塩の濃度が33mass%、活性調整剤が0.33mass%で含まれるオニウム塩溶液を調製した。
調製したオニウム塩溶液を、エポキシ化合物に加える。添加されたオニウム塩は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときに、表1に合わせて示した割合となる。
本例のエポキシ組成物は、表1に示したように、オニウム塩の反応開始温度が、28℃(試料1,商品名:SI−25),43℃(試料2,商品名:SI−40),48℃(試料3,商品名:SI−45),50℃(試料4,商品名:SI−B2A),63℃(試料5,商品名:SI−60),71℃(試料6,商品名:SI−80),78℃(試料7〜8,PBPH),83℃(試料9,商品名:SI−B3A),90℃(試料10,PBBQ),108℃(試料11,商品名:SI−100),136℃(試料12,商品名:SI−150)のもの(市販品は、いずれも三新化学工業株式会社製)が用いられた。なお、試料7〜8のPBPHは、N−(α−フェニルベンジル)−3−ブロモキノリウムヘキサフルオロアンチモネートである。試料10のPBBQは、N−(αーフェニルベンジル)ピラジニウムヘキサフルオロアンチモネートである。これらは、公知の方法により調製したものを用いた。
本例のエポキシ組成物は、表1に示したように、オニウム塩が、エポキシ樹脂の質量を100mass%としたときに、3mass%(試料1〜5,7,9〜12),10mass%(試料6,8)のように、エポキシ樹脂とオニウム塩の配合量に変更が加えられている。
ここで、エポキシ当量186から求められるexp(−0.003X)(=Z)の値は、0.572である。各試料のオニウム塩の配合比(Ymass%)は、0.286(=0.5×Z)≦Y≦143.088(=250×Z)の関係を満たす。
混合溶液にステンレス製のミクロスパーテルを挿入し、タッチミキサー(ヤマト科学株式会社製、商品名:MT−31)上で3〜5分撹拌し均一溶液とした。
以上により、本例のエポキシ組成物が調製された。
本例のエポキシ組成物に対し、上記(C)で示す粘度の測定、(E)で示すダイシェア引張剪断強度の測定を行い、その後、表1に示した所定条件で(D)で示す硬化処理した後、(G)で示す色調判定を行った。結果を表1に示す。
Figure 2019023268
表1に示したように、オニウム塩の反応開始温度が所定の範囲内にある試料3〜6のエポキシ組成物は、5MPa以上の大きなダイシェア引張剪断強度を有している。すなわち、高い接着強度を備えていることがわかる。
一方、オニウム塩の反応開始温度が所定の範囲(45℃)より小さい試料1〜2では、一液型のエポキシ組成物として成り立たなかった。具体的には、硬化反応の反応時間が短すぎたり、保存安定性が悪くなったりして、一液型のエポキシ組成物として成り立たなかった。また、反応開始温度がその範囲よりも高い(過剰に高い温度)試料7〜12のエポキシ組成物は、70〜80℃で硬化が不十分であり、ダイシェア引張剪断強度が接着剤として実用に供することに不適なほど小さくなっている。
このように、試料3〜6のエポキシ組成物は、70〜80℃での加熱により、高い強度の硬化物となることが確認できる。
[実施例2及び比較例2]
本例の各試料のエポキシ組成物は、オニウム塩の配合割合を変える以外は実施例1及び比較例1と同様に調製された。本例の評価を実施例1と同様に行った。実施例1と同様に測定した測定結果を表2に示す。なお、評価は、(D)で示す硬化条件を表2に示した条件として硬化処理した後に測定した。
本例は、実施例1の試料5に対して、オニウム塩の配合比が異なる。配合比を表2に合わせて示したオニウム塩を用いて各試料を調製した。なお、オニウム塩は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときに、表2に示した割合となる。
例えば、調製したオニウム塩溶液2.1gを、エポキシ化合物に加えることで、試料28のエポキシ組成物となる。試料28で添加されたオニウム塩は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときに、表2に記載のように、7mass%に相当する。
本例のエポキシ組成物は、表2に示したように、オニウム塩が、エポキシ樹脂の質量を100mass%としたときに、0.1mass%(試料21),0.2mass%(試料22),0.3mass%(試料23),0.4mass%(試料24),0.6mass%(試料25),1mass%(試料26),1.8mass%(試料27),7mass%(試料28),15mass%(試料29),60mass%(試料30),100mass%(試料31),140mass%(試料32),160mass%(試料33),180mass%(試料34)で含有する。
ここで、エポキシ当量186から求められるexp(−0.003X)(=Z)の値は、0.572である。試料23〜試料32のオニウム塩の配合比(Ymass%)は、0.286(=0.5×Z)≦Y≦143.088(=250×Z)の関係を満たす。
また、試料21〜22のオニウム塩の配合比(Ymass%)は、0.286未満である。試料33〜34のオニウム塩の配合比(Ymass%)は、143.088より大きい。
Figure 2019023268
表2に示したように、オニウム塩の配合比が所定の範囲内にある試料23〜32のエポキシ組成物は、5MPa以上の大きなダイシェア引張剪断強度を有している。すなわち、高い接着強度を備えていることがわかる。
一方、オニウム塩の配合比が所定の範囲より小さい試料21〜22、大きい試料33〜34のエポキシ組成物は、ダイシェア引張剪断強度が接着剤として実用に供することに不適なほど小さくなっている。
さらに、試料23〜32のエポキシ組成物は、70〜80℃での加熱により、高い強度の硬化物となることが確認できる。
[実施例3及び比較例3]
50mLのねじ口瓶(日電理化硝子株式会社製、商品名:SV−50)にエポキシ当量2605の固形エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名:JER1009)10gとメチルエチルケトン(MEK)15gを計量し、エポキシ樹脂を溶解して、エポキシ化合物の含有割合が40mass%エポキシ溶液を作製した。なお、溶解時に溶媒の一部が蒸発した場合には、蒸発量と同量のメチルエチルケトンを追加する。
反応開始温度が63℃のオニウム塩(商品名:SI−60)に活性調整剤(商品名:SI助剤)(共に三新化学工業株式会社製)を質量比で99:1となる割合で混合計量し、溶媒としてγ−ブチルラクトンを加えて、オニウム塩の濃度が33mass%、活性調整剤が0.33mass%で含まれるオニウム塩溶液を調製した。
調製したオニウム塩溶液0.30gを、エポキシ溶液に加える。添加されたオニウム塩は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときに、表3に示した割合となる。
ステンレス製のミクロスパーテルを挿入しタッチミキサー(ヤマト科学株式会社製、商品名:MT−31)上で3〜5分撹拌し均一溶液とした。撹拌時においても、溶媒の一部が蒸発した場合には、蒸発量と同量のメチルエチルケトンを追加する。
以上により、本例のエポキシ組成物が調製された。本例のエポキシ組成物は、表3中の試料46に相当する。
本例のエポキシ組成物は、表3に示したように、オニウム塩が、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときに、0.01mass%(試料41),0.02mass%(試料42),0.1mass%(試料43),0.3mass%(試料44),0.6mass%(試料45),1mass%(試料46),10mass%(試料47),20mass%(試料48),40mass%(試料49),60mass%(試料50),100mass%(試料51)で含有する。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ樹脂の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、試料41は0.01と0.02未満であり、試料42〜49は0.02≦1(=Y)≦40の範囲内にあり、試料50では60であり、試料51では100であるため、いずれも40より過剰に大きい。
本例の評価を実施例1と同様に行った。測定結果を表3に示す。
Figure 2019023268
表3に示したように、オニウム塩の配合比が所定の範囲内にある試料42〜49のエポキシ組成物は、5MPa以上の大きなダイシェア引張剪断強度を有している。すなわち、高い接着強度を備えていることがわかる。
一方、オニウム塩の配合比が所定の範囲より小さい試料41、大きい試料50〜51のエポキシ組成物は、ダイシェア引張剪断強度が接着剤として実用に供することに不適なほど小さくなっている。
さらに、試料42〜49のエポキシ組成物は、70〜80℃での加熱により、高い強度の硬化物となることが確認できる。
[実施例4及び比較例4]
本例の各試料のエポキシ組成物は、異なるエポキシ化合物を用い、更にオニウム塩とエポキシ化合物の配合比を変える以外は実施例1と同様に調製された。本例の評価を実施例1と同様に行った。実施例1と同様に測定した測定結果を表4に示す。なお、評価は、(D)で示す硬化条件を表4に示した条件で硬化処理した後に測定した。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が165のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:JER806)を用いた。オニウム塩として、実施例1の試料5と同様に、反応開始温度が63℃(三新化学工業株式会社製,商品名:SI−60)のもの用いた。
オニウム塩の配合比は、表4に合わせて示したように、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときに、0.2mass%(試料61),0.3mass%(試料62),2mass%(試料63),20mass%(試料64),50mass%(試料65),150mass%(試料66),160mass%(試料67)で含有する。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比(Ymass%)が、試料61は0.304(=0.5×Z)未満であり、試料62〜66は0.304(=0.5×Z)≦Y≦152.393(=250×Z)の関係を満たし、試料67は152.393より大きい。
[実施例5及び比較例5]
本例の各試料のエポキシ組成物は、異なるエポキシ化合物を用い、更にオニウム塩とエポキシ化合物の配合比を変える以外は実施例4と同様に調製された。本例の評価を実施例4と同様に行った。実施例4と同様に測定した測定結果を表4に示す。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が186のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:JER828)を用いた。オニウム塩として、実施例4と同様に、反応開始温度が63℃(三新化学工業株式会社製,商品名:SI−60)のもの用いた。
オニウム塩の配合比は、表4に合わせて示したように、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときに、0.2mass%(試料71),0.3mass%(試料72),2mass%(試料73),10mass%(試料74),50mass%(試料75),140mass%(試料76),150mass%(試料77)で含有する。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比(Ymass%)が、試料71は0.286(=0.5×Z)未満であり、試料72〜76は0.286(=0.5×Z)≦Y≦143.088(=250×Z)の関係を満たし、試料67は143.088より大きい。
[実施例6及び比較例6]
本例のエポキシ組成物は、異なるエポキシ化合物を用い、更にオニウム塩とエポキシ化合物の配合比を変える以外は実施例4と同様に調製された。本例の評価を実施例4と同様に行った。実施例4と同様に測定した測定結果を表4に示す。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が194のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:YX8000)を用いた。オニウム塩として、実施例4と同様に、反応開始温度が63℃(三新化学工業株式会社製,商品名:SI−60)のもの用いた。
オニウム塩の配合比は、表4に合わせて示したように、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときに、0.2mass%(試料81),0.3mass%(試料82),2mass%(試料83),6mass%(試料84),50mass%(試料85),140mass%(試料86),150mass%(試料87)で含有する。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比(Ymass%)が、試料81は0.279(=0.5×Z)未満であり、試料82〜86は0.279(=0.5×Z)≦Y≦139.695(=250×Z)の関係を満たし、試料87は139.695より大きい。
[実施例7及び比較例7]
本例のエポキシ組成物は、異なるエポキシ化合物を用い、更にオニウム塩とエポキシ化合物の配合比を変える以外は実施例4と同様に調製された。本例の評価を実施例4と同様に行った。実施例4と同様に測定した測定結果を表4に示す。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が263のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:YX8034)を用いた。オニウム塩として、実施例4と同様に、反応開始温度が63℃(三新化学工業株式会社製,商品名:SI−60)のもの用いた。
オニウム塩の配合比は、表4に合わせて示したように、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときに、0.2mass%(試料91),0.3mass%(試料92),2mass%(試料93),5mass%(試料94),50mass%(試料95),110mass%(試料96),120mass%(試料97)で含有する。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比(Ymass%)が、試料91は0.227(=0.5×Z)未満であり、試料92〜96は0.227(=0.5×Z)≦Y≦113.575(=250×Z)の関係を満たし、試料97は113.575より大きい。
Figure 2019023268
表4に示したように、エポキシ当量及びオニウム塩の配合比が所定の範囲内にある各試料のエポキシ組成物は、5MPa以上の大きなダイシェア引張剪断強度を有している。すなわち、高い接着強度を備えていることがわかる。
一方、オニウム塩の配合比が所定の範囲より小さい試料、大きい試料のエポキシ組成物は、ダイシェア引張剪断強度が接着剤として実用に供することに不適なほど小さくなっている。
さらに、エポキシ当量及びオニウム塩の配合比が所定の範囲内にある各試料のエポキシ組成物は、80℃での加熱により、高い強度の硬化物となることが確認できる。
[実施例8及び比較例8]
本例のエポキシ組成物は、異なるエポキシ化合物を用い、更にオニウム塩とエポキシ樹脂の配合比を変える以外は実施例3の試料46と同様に調製された。本例の評価を実施例3と同様に行った。実施例3と同様に測定した測定結果を表5に示す。なお、評価は、(D)で示す硬化条件を表5に示した条件で硬化処理した後に測定した。
本例は、オニウム塩の配合比を表5に合わせて示した割合で各試料を調製した。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が470のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:JER1001)を用いた。このエポキシ化合物は、含有割合が50mass%となるエポキシ溶液として調製された。
本例のエポキシ組成物は、表5に示したように、オニウム塩が、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときに、0.1mass%(試料101),0.2mass%(試料102),1mass%(試料103),3mass%(試料104),40mass%(試料105),60mass%(試料106),70mass%(試料107)で含有する。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比(Ymass%)が、試料101は0.122(=0.5×Z)未満であり、試料102〜106は0.122(=0.5×Z)≦Y≦61.036(=250×Z)の関係を満たし、試料107は61.036より大きい。
[実施例9及び比較例9]
本例のエポキシ組成物は、異なるエポキシ化合物を用い、更にオニウム塩とエポキシ化合物の配合比を変える以外は実施例8と同様に調製された。本例の評価を実施例8と同様に行った。実施例8と同様に測定した測定結果を表5に示す。
本例は、オニウム塩の配合比を表5に合わせて示した割合で各試料を調製した。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が1004のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:JER1004AF)を用いた。このエポキシ化合物は、含有割合が45mass%となるエポキシ溶液として調製された。
本例のエポキシ組成物は、表5に示したように、オニウム塩が、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときに、0.01mass%(試料111),0.02mass%(試料112),0.5mass%(試料113),2mass%(試料114),20mass%(試料115),40mass%(試料116),50mass%(試料117)で含有する。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比(Ymass%)が、試料111は0.02未満であり、試料112〜116は0.02≦Y≦40の関係を満たし、試料117は40より大きい。
[実施例10及び比較例10]
本例のエポキシ組成物は、異なるエポキシ化合物を用い、更にオニウム塩とエポキシ化合物の配合比を変える以外は実施例8と同様に調製された。本例の評価を実施例8と同様に行った。実施例8と同様に測定した測定結果を表5に示す。
本例は、オニウム塩の配合比を表5に合わせて示した割合で各試料を調製した。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が2605のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:JER1009)を用いた。このエポキシ化合物は、含有割合が40mass%となるエポキシ溶液として調製された。
本例のエポキシ組成物は、表5に示したように、オニウム塩が、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときに、0.01mass%(試料121),0.02mass%(試料122),0.5mass%(試料123),1mass%(試料124),20mass%(試料125),40mass%(試料126),50mass%(試料127)で含有する。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比(Ymass%)が、試料121は0.02より小さく、試料122〜126は0.02≦Y≦40の関係を満たし、試料127は40より大きい。
[実施例11及び比較例11]
本例のエポキシ組成物は、異なるエポキシ化合物を用い、更にオニウム塩とエポキシ化合物の配合比を変える以外は実施例8と同様に調製された。本例の評価を実施例8と同様に行った。実施例8と同様に測定した測定結果を表5に示す。
本例は、オニウム塩の配合比を表5に合わせて示した割合で各試料を調製した。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が7926のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:JER1256)を用いた。このエポキシ化合物は、含有割合が40mass%となるエポキシ溶液として調製された。
本例のエポキシ組成物は、表5に示したように、オニウム塩が、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときに、0.01mass%(試料131),0.02mass%(試料132),0.5mass%(試料133),2mass%(試料134),20mass%(試料135),40mass%(試料136),50mass%(試料137)で含有する。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比(Ymass%)が、試料131は0.02未満であり、試料132〜136は0.02≦Y≦40の関係を満たし、試料137は40より大きい。
Figure 2019023268
表5に示したように、エポキシ当量及びオニウム塩の配合比が所定の範囲内にある各試料のエポキシ組成物は、5MPa以上の大きなダイシェア引張剪断強度を有している。すなわち、高い接着強度を備えていることがわかる。
一方、オニウム塩の配合比が所定の範囲より小さい試料、大きい試料のエポキシ組成物は、ダイシェア引張剪断強度が接着剤として実用に供することに不適なほど小さくなっている。
さらに、エポキシ当量及びオニウム塩の配合比が所定の範囲内にある各試料のエポキシ組成物は、80℃での加熱により、高い強度の硬化物となることが確認できる。
[実施例12]
本例のエポキシ組成物は、異なるエポキシ化合物を用い、更にオニウム塩への助剤の配合比を変える以外は実施例1と同様に調製された。本例の評価を実施例1と同様に行った。実施例1と同様に測定した測定結果を表6に示す。なお、評価は、(D)で示す硬化条件を表6に示した条件で硬化処理した後に測定した。
本例は、オニウム塩の配合比を表6に合わせて示した割合で各試料を調製した。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が186のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:JER828)を用いた。
本例のエポキシ組成物は、表6に示したように、オニウム塩が、オニウム塩(三新化学工業株式会社製、商品名:SI−60)と活性調整剤(三新化学工業株式会社製、商品名:SI助剤)とを質量比で、100:0(試料141),99:1(試料142),97:3(試料143),95:5(試料144),93:7(試料145〜146),90:10(試料147〜148)の割合で混合したものを用いて調製された。これにより、オニウム塩の反応開始温度が61℃(試料141),63℃(試料142),65℃(試料143),67℃(試料144),70℃(試料145),70℃(試料146),73℃(試料147),73℃(試料148)となった。
本例のエポキシ組成物は、各試料のいずれもが、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩(助剤を含まない成分)の質量比が、0.286(=0.5×Z)以上であり、143.088(=250×Z)以下である。
Figure 2019023268
表6に示したように、エポキシ当量及びオニウム塩の配合比が所定の範囲内にある各試料のエポキシ組成物は、5MPa以上の大きなダイシェア引張剪断強度を有している。すなわち、高い接着強度を備えていることがわかる。このことから、オニウム塩が助剤と混合していても、大きなダイシェア引張剪断強度を得られることがわかる。
さらに、エポキシ当量及びオニウム塩の配合比が所定の範囲内にある各試料のエポキシ組成物は、80℃での加熱により、高い強度の硬化物となることが確認できる。
[実施例13]
本例のエポキシ組成物は、異なるエポキシ化合物を用い、エポキシ化合物に対するオニウム塩の配合比を変え、更に処理条件を変える以外は実施例12(試料142)と同様に調製された。本例の評価を実施例12と同様に行った。実施例12と同様に測定した測定結果を表6に示す。
本例は、オニウム塩の配合比を表6に合わせて示した割合で各試料(試料151〜157)を調製した。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が165のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:JER806)を用いた。
本例のエポキシ組成物は、表6に示したように、処理温度を80〜65℃、処理時間を15〜120分として評価を行った。
本例のエポキシ組成物は、各試料のいずれもが、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、0.305(=0.5×Z)以上であり、152.393(=250×Z)以下である。
表6に示したように、エポキシ当量及びオニウム塩の配合比が所定の範囲内にある各試料のエポキシ組成物は、5MPa以上の大きなダイシェア引張剪断強度を有している。すなわち、高い接着強度を備えていることがわかる。このことから、オニウム塩が活性調整剤と混合していても、大きなダイシェア引張剪断強度を得られることがわかる。
一方、処理条件が低温、短時間になるほど、ダイシェア引張剪断強度が小さくなる。そして、70〜80℃での加熱により、高い強度の硬化物となることが確認できる。
[実施例14]
本例のエポキシ組成物は、異なるエポキシ化合物を用い、異なるオニウム塩を用い、更に処理条件を変える以外は実施例13と同様に調製された。本例の評価を実施例13と同様に行った。実施例13と同様に測定した測定結果を表6に示す。
本例は、オニウム塩の配合比を表6に合わせて示した割合で各試料(試料161〜167)を調製した。
本例では、オニウム塩として、反応開始温度が54℃のオニウム塩(三新化学工業株式会社製、商品名:SI−B2A)を用いた。エポキシ化合物として、エポキシ当量が186のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:JER828)を用いた。
本例のエポキシ組成物は、表6に示したように、処理温度を80〜65℃、処理時間を15〜120分として評価を行った。
本例のエポキシ組成物は、各試料のいずれもが、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、0.286(=0.5×Z)以上であり、143.088(=250×Z)以下である。
表6に示したように、エポキシ当量及びオニウム塩の配合比が所定の範囲内にある各試料のエポキシ組成物は、5MPa以上の大きなダイシェア引張剪断強度を有している。すなわち、高い接着強度を備えていることがわかる。このことから、オニウム塩が助剤と混合していても、大きなダイシェア引張剪断強度を得られることがわかる。
一方、処理条件が低温、短時間になるほど、ダイシェア引張剪断強度が小さくなる。そして、70〜80℃での加熱により、高い強度の硬化物となることが確認できる。
[実施例15]
本例のエポキシ組成物は、異なるオニウム塩を用い、オニウム塩の配合比率と、処理条件を変える以外は実施例10と同様に調製された。本例の評価を実施例14と同様に行った。実施例14と同様に測定した測定結果を表6に示す。
本例は、オニウム塩の配合比を表6に合わせて示した割合で各試料(試料171〜175)を調製した。
本例では、オニウム塩として、反応開始温度が52℃のオニウム塩(三新化学工業株式会社製、商品名:SI−45)を用いた。エポキシ化合物として、エポキシ当量が2605のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:JER1009)を用いた。
本例のエポキシ組成物は、表6に示したように、処理温度を80〜65℃、処理時間を30〜120分として評価を行った。
本例のエポキシ組成物は、各試料のいずれもが、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、0.02以上であり、40以下である。
表6に示したように、エポキシ当量及びオニウム塩の配合比が所定の範囲内にある各試料のエポキシ組成物は、5MPa以上の大きなダイシェア引張剪断強度を有している。すなわち、高い接着強度を備えていることがわかる。このことから、オニウム塩が助剤と混合していても、大きなダイシェア引張剪断強度を得られることがわかる。
一方、処理条件が低温、短時間になるほど、ダイシェア引張剪断強度が小さくなる。そして、70〜80℃での加熱により、高い強度の硬化物となることが確認できる。
[実施例16]
本例のエポキシ組成物は、異なるオニウム塩を用い、更に処理条件を変える以外は実施例12と同様に調製された。本例の評価を実施例12と同様に行った。実施例12と同様に測定した測定結果を表6に示す。
本例は、オニウム塩の配合比を表6に合わせて示した割合で各試料(試料181〜182)を調製した。
本例では、オニウム塩として、反応開始温度が71℃のオニウム塩(三新化学工業株式会社製、商品名:SI−80)を用いた。エポキシ化合物として、エポキシ当量が186のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:JER828)を用いた。
本例のエポキシ組成物は、各試料のいずれもが、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、0.286(=0.5×Z)以上であり、143.088(=250×Z)以下である。
表6に示したように、エポキシ当量及びオニウム塩の配合比が所定の範囲内にある各試料のエポキシ組成物は、5MPa以上の大きなダイシェア引張剪断強度を有している。すなわち、高い接着強度を備えていることがわかる。このことから、オニウム塩が助剤と混合していても、大きなダイシェア引張剪断強度を得られることがわかる。
一方、処理条件が低温、短時間になるほど、ダイシェア引張剪断強度が小さくなる。そして、80℃での加熱により、高い強度の硬化物となることが確認できる。
[実施例17]
本例のエポキシ組成物は、異なるエポキシ化合物を混合して用いた以外は実施例11と同様に調製された。本例の評価を実施例11と同様に行った。実施例11と同様に測定した測定結果を表7に示す。なお、評価は、(D)で示す硬化条件を表7に示した条件で硬化処理した後に測定した。
本例は、オニウム塩の配合比を表7に合わせて示した割合で各試料(試料191〜192,試料193〜194)を調製した。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が7926のエポキシ化合物(商品名:JER1256)と、エポキシ当量が186のエポキシ化合物(商品名:JER828)とを当質量で混合したものを用いた(いずれも、三菱化学工業株式会社製)。本例のエポキシ化合物の混合物のエポキシ当量は、4095である。このエポキシ化合物は、含有割合が70mass%となるエポキシ溶液として調製された。
本例において試料191〜192と試料193〜194とは、オニウム塩の配合比率を変える以外は同様に調製された。
本例のエポキシ組成物は、各試料のいずれもが、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩溶液の質量比が、0.02より大きく、40未満である。
[実施例18]
本例のエポキシ組成物は、異なるエポキシ化合物及び反応開始温度61℃のオニウム塩を用いた以外は実施例17と同様に調製された。本例では、オニウム塩と活性調整剤を質量比で97:3として調製されたことで、オニウム塩の混合状態での反応開始温度が65℃となっている。本例の評価を実施例17と同様に行った。実施例17と同様に測定した測定結果を表7に示す。なお、本例は、評価における処理条件が異なる例である。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が186のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:JER828)のみを用いた。
本例のエポキシ組成物は、各試料(試料195〜196)のいずれもが、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、0.286(=0.5×Z)以上であり、143.088(=250×Z)以下である。
[実施例19]
本例のエポキシ組成物は、実施例7と同様に調製された。本例の評価を実施例17と同様に行った。本例の各試料(試料197〜201)の測定結果を表7に示す。
本例は、オニウム塩の配合比を表7に合わせて示した割合で各試料を調製した。
本例では、オニウム塩として、反応開始温度が65℃のオニウム塩(三新化学工業株式会社製、商品名:SI−60)と活性調整剤(三新化学工業株式会社製、商品名:SI助剤)を、エポキシ化合物としてエポキシ当量が263のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:YX8034)を用いた。
本例のエポキシ組成物は、各試料のいずれもが、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、0.227(=0.5×Z)以上であり、113.575(=250×Z)以下である。
[実施例20]
本例のエポキシ組成物は、異なるエポキシ化合物を混合して用い、更に異なるオニウム塩を用いた以外は実施例19と同様に調製された。本例の評価を実施例19と同様に行った。実施例19と同様に測定した測定結果を表7に示す。
本例は、オニウム塩の配合比を表7に合わせて示した割合で各試料(試料202〜203)を調製した。
本例では、オニウム塩として、オニウム塩と活性調整剤を質量比で97:3となるように調製した、反応開始温度が73℃のオニウム塩(三新化学工業株式会社製、商品名:SI−80)及び活性調整剤(三新化学工業株式会社製、商品名:SI助剤)を用いた。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が194のエポキシ化合物(商品名:YX8000)と、エポキシ当量が263のエポキシ化合物(商品名:YX8034)とを当質量で混合したものを用いた。(いずれも、三菱化学工業株式会社製)本例のエポキシ化合物のエポキシ当量は、229である。
本例のエポキシ組成物は、各試料のいずれもが、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、0.252(=0.5×Z)以上であり、125.771(=250×Z)以下である。
[実施例21]
本例のエポキシ組成物は、異なるオニウム塩を用いた以外は実施例20と同様に調製された。本例の評価を実施例20と同様に行った。実施例20と同様に測定した測定結果を表7に示す。
本例は、オニウム塩の配合比を表7に合わせて示した割合で各試料(試料204〜205)を調製した。
本例では、オニウム塩として、オニウム塩と活性調整剤を質量比で97:3となるように調製した、反応開始温度が65℃のオニウム塩(三新化学工業株式会社製、商品名:SI−60)及び活性調整剤(三新化学工業株式会社製、商品名:SI助剤)を用いた。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が194のエポキシ化合物(商品名:YX8000)と、エポキシ当量が263のエポキシ化合物(商品名:YX8034)とを当質量で混合したものを用いた。(いずれも、三菱化学工業株式会社製)本例のエポキシ化合物のエポキシ当量は、229である。
本例のエポキシ組成物は、各試料のいずれもが、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、0.252(=0.5×Z)以上であり、125.771(=250×Z)以下である。
[実施例22]
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物を1種類のみとした以外は実施例20と同様に調製された。本例の評価を実施例20と同様に行った。実施例20と同様に測定した測定結果を表7に示す。
本例は、オニウム塩の配合比を表7に合わせて示した割合で各試料(試料206〜207)を調製した。
本例では、オニウム塩として、オニウム塩と活性調整剤を質量比で97:3となるように調製した、反応開始温度が73℃のオニウム塩(三新化学工業株式会社製、商品名:SI−80)及び活性調整剤(三新化学工業株式会社製、商品名:SI助剤)を用いた。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が263のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:YX8034)を用いた。
本例のエポキシ組成物は、各試料のいずれもが、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、0.227(=0.5×Z)以上であり、113.575(=250×Z)以下である。
[実施例23]
本例のエポキシ組成物は、オニウム塩及び配合比が異なること以外は実施例1と同様に調製された。本例の評価を実施例1と同様に行った。実施例1と同様に測定した測定結果を表7に示す。
本例は、オニウム塩の配合比を表7に合わせて示した割合で試料208を調製した。
本例では、オニウム塩として、オニウム塩と活性調整剤を質量比で97:3となるように調製した、反応開始温度が73℃のオニウム塩(三新化学工業株式会社製、商品名:SI−80)及び活性調整剤(三新化学工業株式会社製、商品名:SI助剤)を用いた。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が186のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:JER828)を用いた。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、0.286(=0.5×Z)以上であり、143.088(=250×Z)以下である。
[比較例12]
本例のエポキシ組成物は、オニウム塩の配合比が異なること以外は実施例23と同様に調製された。本例の評価を実施例23と同様に行った。実施例23と同様に測定した測定結果を表7に示す。
本例は、オニウム塩の配合比を表7に合わせて示したように、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときに、0.2mass%となる割合で試料211を調製した。
本例では、オニウム塩として、オニウム塩と活性調整剤を質量比で97:3となるように調製した、反応開始温度が71℃のオニウム塩(三新化学工業株式会社製、商品名:SI−80)及び活性調整剤(三新化学工業株式会社製、商品名:SI助剤)を用いた。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が186のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:JER828)を用いた。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、0.286(=0.5×Z)より小さい。
[比較例13]
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物、オニウム塩及び配合比が異なること以外は実施例1と同様に調製された。本例の評価を実施例1と同様に行った。実施例1と同様に測定した測定結果を表7に示す。
本例は、オニウム塩の配合比を表7に合わせて示した割合で各試料(試料212〜213)を調製した。
本例では、オニウム塩として、オニウム塩と活性調整剤を質量比で97:3となるように調製した、反応開始温度が110℃のオニウム塩(三新化学工業株式会社製、商品名:SI−100)及び活性調整剤(三新化学工業株式会社製、商品名:SI助剤)を用いた。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が172のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:YL983U)を用いた。
本例のエポキシ組成物は、各試料のいずれもが、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、0.298(=0.5×Z)以上である。
[比較例14]
本例のエポキシ組成物は、オニウム塩が異なること以外は実施例23と同様に調製された。本例の評価を実施例23と同様に行った。実施例23と同様に測定した測定結果を表7に示す。
本例では、オニウム塩として、オニウム塩と活性調整剤を質量比で97:3となるように調製した、反応開始温度が110℃のオニウム塩(三新化学工業株式会社製、商品名:SI−100)及び活性調整剤(三新化学工業株式会社製、商品名:SI助剤)を用いた。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が186のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:JER828)を用いた。
本例のエポキシ組成物は、各試料(試料214〜215)のいずれもが、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、0.286(=0.5×Z)以上であり、143.088(=250×Z)以下である。
[比較例15]
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物、オニウム塩及び配合比が異なること以外は実施例22と同様に調製された。本例の評価を実施例22と同様に行った。実施例22と同様に測定した測定結果を表7に示す。
本例は、オニウム塩の配合比を表7に合わせて示した割合で各試料(試料216〜217)を調製した。
本例では、オニウム塩として、オニウム塩と活性調整剤を質量比で97:3となるように調製した、反応開始温度が110℃のオニウム塩(三新化学工業株式会社製、商品名:SI−100)及び活性調整剤(三新化学工業株式会社製、商品名:SI助剤)を用いた。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が263のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:YX8034)を用いた。
本例のエポキシ組成物は、各試料のいずれもが、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、0.227(=0.5×Z)以上である。
[比較例16]
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物、オニウム塩が異なること以外は実施例23と同様に調製された。本例の評価を実施例23と同様に行った。実施例23と同様に測定した測定結果を表7に示す。
本例は、オニウム塩の配合比を表7に合わせて示した割合で各試料(試料218〜219)を調製した。
本例では、オニウム塩として、オニウム塩と活性調整剤を質量比で97:3となるように調製した、反応開始温度が138℃のオニウム塩(三新化学工業株式会社製、商品名:SI−150)及び活性調整剤(三新化学工業株式会社製、商品名:SI助剤)を用いた。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が186のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:JER828)を用いた。
本例のエポキシ組成物は、各試料のいずれもが、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、0.286(=0.5×Z)以上である。
Figure 2019023268
表7に示したように、エポキシ当量及びオニウム塩の配合比が所定の範囲内にある各試料のエポキシ組成物は、5MPa以上と大きなダイシェア引張剪断強度を有している。すなわち、高い接着強度を備えていることがわかる。このことから、オニウム塩が活性調整剤と混合していても、大きなダイシェア引張剪断強度を得られることがわかる。
さらに、エポキシ当量及びオニウム塩の配合比が所定の範囲内にあり、かつ表1〜表7に示したように反応開始温度が45℃〜75℃のオニウム塩を含有する各試料のエポキシ組成物は、80℃での加熱により、高い強度の硬化物となることが確認できる。
[その他の評価]
上記の試料26、及びオニウム塩を変えた以外は試料26と同様に調製されたエポキシ組成物に上記(K)で示す保存安定性試験を行った。
本評価では、オニウム塩として反応開始温度が63℃(商品名:SI−60),73℃(商品名:SI−80),110℃(商品名:SI−100),138℃(商品名:SI−150)を用い、活性調整剤を適宜配合して調製した各試料の保存安定性を評価した。また、所定時間は、1年とした。
いずれの試料においても、所定温度(オニウム塩の反応開始温度より高い温度)に加熱して得られる硬化物は、5MPa以上の高い接着強度が得られた。
以上のように、本評価に供される各試料のエポキシ組成物は、5〜30℃での長期保存が可能なエポキシ組成物であることが確認できる。すなわち、各実施例のエポキシ組成物は、常温での長期保存が可能なエポキシ組成物であることが確認できる。
[実施例24及び比較例17]
本例のエポキシ組成物は、オニウム塩の配合割合を変える以外は実施例2と同様に調製された。本例の評価を実施例2と同様に行った。実施例2と同様に測定した測定結果を表2に示す。なお、評価は、(D)で示す処理条件を表8に示した条件として硬化処理した後に測定した。
なお、本例では、オニウム塩は、さらに活性調整剤を含んでいる。すなわち、オニウム塩には、オニウム塩と活性調整剤を質量比で99:1となるように調製した、反応開始温度が61℃のオニウム塩(三新化学工業株式会社製、商品名:SI−60)及び活性調整剤(三新化学工業株式会社製、商品名:SI助剤)を用いた。
本例のエポキシ組成物は、表8に示したように、オニウム塩が、エポキシ樹脂の質量を100mass%としたときに、0.1mass%(試料221,222,223),1mass%(試料224,225,226),20mass%(試料227,228,229),150mass%(試料230,231)で含有する。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比(Ymass%)が、試料221〜223は0.286未満であり、試料224〜229は0.286≦Y≦143.088の関係を満たし、試料230,231は143.088より大きい。
Figure 2019023268
本例の各試料のエポキシ組成物は、表8に示すように、試料221,224,227,230に対しては155℃×60秒の硬化処理を、試料222,225,228に対しては175℃×60秒の硬化処理を、試料223,226,229,231に対しては200℃×60秒の硬化処理を、それぞれ施した。
表8に示したように、エポキシ当量及びオニウム塩の配合比が所定の範囲内にある各試料のエポキシ組成物は、5MPa以上と大きなダイシェア引張剪断強度を有している。すなわち、高い接着強度を備えていることがわかる。このことから、本例のエポキシ組成物は、60秒と短い加熱時間で硬化可能であることがわかる。
[実施例25]
本例のエポキシ組成物は、異なるエポキシ化合物及びオニウム塩を用い、エポキシ化合物に対するオニウム塩の配合比を変え、更に処理条件を変える以外は実施例24と同様に調製された。本例の評価を実施例24と同様に行った。実施例24と同様に測定した測定結果を表8に示す。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が194のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:YX8000)を用いた。
本例では、オニウム塩は、オニウム塩と活性調整剤を質量比で99:1となるように調製した、反応開始温度が108℃のオニウム塩(三新化学工業株式会社製、商品名:SI−100)及び活性調整剤(三新化学工業株式会社製、商品名:SI助剤)を用いた。
本例のエポキシ組成物は、表8に示したように、オニウム塩が、エポキシ樹脂の質量を100mass%としたときに、0.5mass%(試料232,233,234),1mass%(試料235,236,237)で含有する。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、各試料で0.286≦Y≦143.088の関係を満たす。
本例の各試料のエポキシ組成物は、表8に示すように、試料232〜234に対しては150℃で60,90,120秒の硬化処理を、試料235〜237に対しては250℃で10,20,30秒の硬化処理を、それぞれ施した。
表8に示したように、試料232のエポキシ組成物は、3.2MPaのダイシェア引張剪断強度を示し、各試料233〜237のエポキシ組成物は、5MPa以上と大きなダイシェア引張剪断強度を有している。すなわち、高い接着強度を備えていることがわかる。このことから、本例のエポキシ組成物は、150℃と中温での加熱によっても、硬化可能であることがわかる。
[実施例26]
本例のエポキシ組成物は、異なるオニウム塩を用い、エポキシ化合物に対するオニウム塩の配合比を変え、更に処理条件を変える以外は実施例24と同様に調製された。本例の評価を実施例24と同様に行った。実施例24と同様に測定した測定結果を表8に示す。
本例では、オニウム塩は、オニウム塩と活性調整剤を質量比で99:1となるように調製した、反応開始温度が138℃のオニウム塩(三新化学工業株式会社製、商品名:SI−150)及び活性調整剤(三新化学工業株式会社製、商品名:SI助剤)を用いた。
本例のエポキシ組成物は、表8に示したように、オニウム塩が、エポキシ樹脂の質量を100mass%としたときに、1mass%(試料238〜240)で含有する。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、各試料で0.286≦Y≦143.088の関係を満たす。
本例の各試料のエポキシ組成物は、表8に示すように、各試料に対しては275℃で15,30,45秒の硬化処理をそれぞれ施した。
表8に示したように、各試料のエポキシ組成物は、5MPa以上と大きなダイシェア引張剪断強度を有している。すなわち、高い接着強度を備えていることがわかる。このことから、本例のエポキシ組成物は、275℃と中・高温での加熱によっても、硬化可能であることがわかる。
[実施例27]
本例のエポキシ組成物は、異なるオニウム塩を用い、エポキシ化合物に対するオニウム塩の配合比を変える以外は実施例2と同様に調製された。本例の評価として、(K)で示す保存安定性試験を行った。測定結果を表9に示す。
本例では、オニウム塩は、オニウム塩と活性調整剤を質量比で97:3となるように調製した、反応開始温度が138℃のオニウム塩(三新化学工業株式会社製、商品名:SI−150)及び活性調整剤(三新化学工業株式会社製、商品名:SI助剤)を用いた。
本例の各試料のエポキシ組成物は、表9に示したように、オニウム塩が、エポキシ樹脂の質量を100mass%としたときに、1mass%(試料241〜244)で、1.5mass%(試料245)で、それぞれ含有する。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、各試料で0.286≦Y≦143.088の関係を満たす。
本例の各試料のエポキシ組成物は、表9に示すように、各試料に対しては40℃で1週間,2週間,3週間,4週間経過後の粘度を測定した。さらに、4週間経過後の各試料の接着力を測定した。
Figure 2019023268
表9に示したように、各試料のエポキシ組成物は、40℃での保存において、ほとんど粘度の変化が見られなかった。すなわち、室温近傍である40℃で4週間の保存を行っても、本例のエポキシ組成物は、硬化がほとんど進行しないことが確認できる。
さらに、40℃で1ヶ月保存後の粘度が2倍になるものは、室温で1年間の保存が可能であるという技術常識がある。この技術常識に鑑みると、本例のエポキシ組成物は、ほとんど粘度の変化が見られないため、年単位での常温での保存が可能であることがわかる。
さらに、試料241,245によると、150℃の中温での硬化が可能であることがわかる。また、試料242〜244によると、秒速硬化が可能であることが確認できる。
すなわち、本例のエポキシ組成物は、年単位の長期保存後においても、上記した優れた効果を発揮できる。
[実施例28]
本例のエポキシ組成物は、異なるエポキシ化合物を用い、エポキシ化合物に対するオニウム塩の配合比を変え、更に処理条件を変える以外は実施例27と同様に調製された。本例の評価を実施例27と同様に行った。実施例27と同様に測定した測定結果を表9に示す。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が194のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:YX8000)を用いた。
本例の各試料のエポキシ組成物は、表9に示したように、オニウム塩が、エポキシ樹脂の質量を100mass%としたときに、0.4mass%(試料246)で、0.8mass%(試料247)で、1.5mass%(試料248)で、それぞれ含有する。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、各試料で0.279≦Y≦139.695の関係を満たす。
表9に示したように、各試料のエポキシ組成物は、時間の経過とともに粘度が増加している。しかしながら、各試料のエポキシ組成物は、その硬化物が5MPa以上の高いダイシェア引張剪断強度を備えていることがわかる。すなわち、本例のエポキシ組成物は、常温で保存しても、その硬化物が高い強度を備えることが確認できる。
[実施例29]
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物に対するオニウム塩の配合比を変え、更に保存安定剤を添加した以外は実施例28と同様に調製された。本例の評価を実施例28と同様に行った。実施例28と同様に測定した測定結果を表9に示す。
本例では、保存安定剤として、従来のエポキシ組成物において粘度調整剤として使用されているジエチレングリコールジエチルエーテルを用いた。
本例の各試料のエポキシ組成物は、表9に示したように、オニウム塩が、エポキシ樹脂の質量を100mass%としたときに、1.5mass%(試料249〜250)で含有する。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、各試料で0.279≦Y≦139.695の関係を満たす。
表9に示したように、各試料のエポキシ組成物は、40℃での保存において、若干の粘度の増加は確認できるが、保存安定性の加速度試験に用いられる40℃で4週間の保存を行っても硬化がほとんど進行しないことが確認できる。
さらに、各試料のエポキシ組成物は、5MPa以上の高いダイシェア引張剪断強度を備えていることがわかる。すなわち、本例のエポキシ組成物は、常温で保存しても、その硬化物が高い強度を備えることが確認できる。
[実施例30]
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物に対するオニウム塩の配合比を変える以外は実施例27と同様に調製された。
本例の評価として、表10に示す条件で処理して半硬化状態とし、保存安定性試験を行った。測定結果を表10に示す。
本例の各試料のエポキシ組成物は、表10に示したように、オニウム塩が、エポキシ樹脂の質量を100mass%としたときに、0.8mass%(試料251〜253)で含有する。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、各試料で0.286≦Y≦143.088の関係を満たす。
Figure 2019023268
本例の各試料のエポキシ組成物は、表10に示すように、各試料に対しては室温で1年間の保存後においても、5MPa以上の高いダイシェア引張剪断強度を備えていることがわかる。すなわち、本例のエポキシ組成物は、半硬化状態として常温で保存しても、その硬化物が高い強度を備えることが確認できる。
すなわち、本例のエポキシ組成物は、半硬化状態での年単位の長期保存後においても、上記した優れた効果を発揮できる。
[実施例31]
本例のエポキシ組成物は、さらに強化材を含有する以外は実施例30と同様に調製された。本例の評価として、表10に示す条件で処理して半硬化状態とし、保存安定性試験を行った。測定結果を表10に合わせて示す。
本例の各試料のエポキシ組成物は、表10に示したように、強化材として、SiC(試料254)、焼結Al(試料255)、CF平織(試料256)のぞれぞれが含有した。強化材は、エポキシ組成物(強化材を含んだ状態)の質量を100mass%としたときに、89mass%(試料254)、70mass%(試料255)、75mass%(試料256)となるように含有する。
SiCは、平均粒度が9.5±8μmのSiC粉末(信濃電気製錬株式会社製、商品名:GP#1200)を用いた。
焼結Alは、繊維径100μmのアルミ短繊維(赤尾アルミ株式会社製、試作品)を用いた。
CF平織は、炭素繊維織物(東レ株式会社製、商品名:C06151B)を用いた。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、各試料で0.286≦Y≦143.088の関係を満たす。
本例の各試料のエポキシ組成物は、表10に示すように、各試料に対しては室温で1年間の保存後においても、5MPa以上の高いダイシェア引張剪断強度を備えていることがわかる。すなわち、本例のエポキシ組成物は、半硬化状態として常温で保存しても、その硬化物が高い強度を備えることが確認できる。
すなわち、本例のエポキシ組成物は、半硬化状態での年単位の長期保存後においても、上記した優れた効果を発揮できる。
[実施例32]
本例のエポキシ組成物は、異なるエポキシ化合物と異なるオニウム塩の両者を用い、エポキシ化合物に対するオニウム塩の配合比を変える以外は実施例30と同様に調製された。本例の評価として、表10に示す条件で処理して半硬化状態とし、保存安定性試験を行った。測定結果を表10に示す。
本例のエポキシ組成物は、表10に示したように、オニウム塩の反応開始温度が、110℃(試料257,商品名:SI−100),73℃(試料258,商品名:SI−80),63℃(試料259,商品名:SI−60),110℃(試料260,商品名:SI−100)のもの(いずれも三新化学工業株式会社製)が用いられた。
本例の各試料のエポキシ組成物は、表10に示したように、オニウム塩が、エポキシ樹脂の質量を100mass%としたときに、0.5mass%(試料257〜258,260)、0.3mass%(試料259)でそれぞれ含有する。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、試料257〜259で0.286≦Y≦143.088の関係を満たす。また、試料260は0.304≦Y≦152.393の関係を満たす。
本例の各試料のエポキシ組成物は、表10に示すように、各試料に対しては室温〜冷蔵〜冷凍状態で1年間の保存後においても、5MPa以上の高いダイシェア引張剪断強度を備えていることがわかる。具体的には、試料251〜258および260に対しては室温状態で、反応開始温度63℃のオニウム塩を使用した試料259では冷蔵〜冷凍で1年間の保存後においても、5MPa以上の高いダイシェア引張剪断強度を備えていることがわかる。
すなわち、本例のエポキシ組成物は、半硬化状態として室温〜冷蔵〜冷凍で保存しても、その硬化物が高い強度を備えることが確認できる。もちろん、従来の1液型のエポキシ組成物のように冷凍保存しても全く問題がない。
すなわち、本例のエポキシ組成物は、半硬化状態での年単位の長期保存後においても、上記した優れた効果を発揮できる。即ち、本例のエポキシ組成物は、半硬化状態でも反応開始温度以下にすることによって、硬化反応を停止することが可能である。このことは、従来のアミン潜在硬化型1液エポキシ樹脂と全く異なる、本例のエポキシ組成物の優れた点である。従来のアミン潜在硬化型1液エポキシ樹脂は、一旦硬化反応が始まると、半硬化状態で室温に戻しても硬化反応を停止することができない。このため、プリプレグなどに使われるアミン潜在硬化型1液エポキシ樹脂の半硬化状態での保管は、通常−30℃以下の冷凍下で反応速度を遅らせる保存方法をとらざるを得なくなっていた。本例のエポキシ組成物は、半硬化状態でも反応開始温度以下にすることによって、硬化反応を停止することが可能であるため、このような冷凍が不要となる。
[実施例33及び比較例18]
本例のエポキシ組成物を、以下の方法により調製した。本例のエポキシ組成物は、導電性エポキシ組成物である。以下の方法は、本例の試料267の具体的な方法である。他の試料については、この方法を適宜用いて製造する。
50mLのねじ口瓶(日電理化硝子株式会社製、商品名:SV−50)に、反応開始温度が63℃のオニウム塩(商品名:SI−60)に活性調整剤(商品名:SI助剤)(共に三新化学工業株式会社製)を質量比で99:1となる割合で混合計量し、溶媒としてγ−ブチルラクトンを加えて、オニウム塩の濃度が33mass%、活性調整剤が0.33mass%で含まれるオニウム塩溶液を調製した。調製したオニウム塩溶液3.6gを秤量する。
そして、エポキシ当量が263のエポキシ化合物(三菱化学株式会社製、商品名:YX8034)7.5gを秤量し、オニウム塩溶液に混合する。オニウム塩は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときに、16mass%となる。
つぎに、粒子形状の異なる2種類のAg粉末(商品名:AgC2351、AgC234)(いずれも福田金属箔工業株式会社製)を質量比1:1で混合する。Ag混合物500gを1Lポリビン(1Lのポリエチレン製ボトル)に入れ、更にアセトン250mlを追加し3〜5分間振り混ぜ、5Aのろ紙でヌッチェ/吸引ビンろ過を3回繰返し、自然乾燥させて清浄した。
清浄したAg混合粉末52.5gを、混合溶液に加える。
それら3種類を計量したねじ口瓶に、ステンレス製のミクロスパーテルを挿入しタッチミキサー(ヤマト科学株式会社製、商品名:MT−31)上で約10分撹拌し均一溶液の一液型導電性エポキシ組成物とした。
以上により、試料267のエポキシ組成物が調製された。
同様の方法により、本例の各試料(試料261〜273)のエポキシ組成物が調製された。
本例のエポキシ組成物は、表11に示したように、オニウム塩が、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときに、0.1mass%(試料261),0.3mass%(試料262),0.5mass%(試料263),1.0mass%(試料264),2mass%(試料265),4mass%(試料266),16mass%(試料267),20mass%(試料268),40mass%(試料269),60mass%(試料270),80mass%(試料271),100mass%(試料272),120mass%(試料273)で含有する。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、試料261は0.227(=0.5×Z)未満であり、試料262〜272は0.227(=0.5×Z)以上113.575(=250×Z)以下であり、試料273では113.575(=250×Z)より大きい。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ組成物全体から熱分解するオニウム塩と粘度調整剤としての溶媒を除いた質量を100mass%としたときに、87.5mass%でAg粉末を配合する。
本例の評価を実施例1と同様に行った。実施例1と同様に測定した測定結果を表8に示す。
本例のエポキシ組成物(導電性エポキシ組成物)を、上記(C)で示す粘度の測定、(E)で示すダイシェア引張剪断強度、(F)で示す体積抵抗値、の測定を行い、その後、表11に示した所定条件で(D)で示す硬化処理した後、(G)で示す色調判定、を行った。結果を表11に示す。
Figure 2019023268
表11に示したように、本例の各試料のエポキシ組成物は、25℃における溶液粘度が10〜40Pa・sと所定の範囲内となっている。
そして、表11に示したように、本剤のエポキシ当量及びオニウム塩の配合比が所定の範囲内にある各試料のエポキシ組成物は、5MPa以上と大きなダイシェア引張剪断強度を有している。すなわち、高い接着強度を備えていることがわかる。このことから、オニウム塩が活性調整剤と混合していても、大きなダイシェア引張剪断強度を得られることがわかる。
さらに、各試料のエポキシ組成物は、80℃及び/又は150℃での加熱により、高い強度の硬化物となることが確認できる。
また、本例の各試料のエポキシ組成物は、体積抵抗値も小さく、優れた導電性を有していることがわかる。
以上のように、本例の各試料のエポキシ組成物は、導電性エポキシ組成物(導電性接着剤)として優れた特性を有する。
[実施例34及び比較例19]
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物を変える以外は実施例33と同様に調製された。本例の評価を実施例33と同様に行った。実施例33と同様に測定した測定結果を表13に示す。本例のエポキシ組成物(導電性エポキシ組成物)に対しては、さらに、上記(I)で示すクロスカット試験、(H)で示す耐屈曲、耐折曲試験、(J)で示すラビング試験、を行った。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が165のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:JER806)を用いた。
本例は、オニウム塩の配合比を表12に合わせて示した割合で各試料(試料281〜289)を調製した。
本例のエポキシ組成物は、表12に示したように、オニウム塩が、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときに、0.1mass%(試料281),0.5mass%(試料282),1mass%(試料283),4mass%(試料284),10mass%(試料285),30mass%(試料286),70mass%(試料287),120mass%(試料288),160mass%(試料289)で含有する。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、試料281は0.305(=0.5×Z)未満であり、試料282〜288は0.305(=0.5×Z)以上152.393(=250×Z)以下であり、試料289では152.393(=250×Z)より大きい。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ組成物全体から熱分解するオニウム塩と溶媒を除いた質量を100mass%としたときに、87.5mass%でAg粉末を配合する。
Figure 2019023268
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表12に示したように、本例のエポキシ当量及びオニウム塩の配合比が所定の範囲内にある各試料のエポキシ組成物は、25℃における溶液粘度が6〜29Pa・sと所定の範囲内となっている。
そして、表13に示したように、本例の各試料のエポキシ組成物は、5MPa以上と大きなダイシェア引張剪断強度を有している。すなわち、高い接着強度を備えていることがわかる。このことから、オニウム塩が活性調整剤と混合していても、大きなダイシェア引張剪断強度を得られることがわかる。
さらに、各試料のエポキシ組成物は、80℃及び/又は150℃での加熱により、高い強度の硬化物となることが確認できる。
また、本例の各試料のエポキシ組成物は、体積抵抗値も小さく、優れた導電性を有していることがわかる。
以上のように、本例の各試料のエポキシ組成物は、導電性エポキシ組成物(導電性接着剤)として優れた特性を有する。
[実施例35及び比較例20]
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物を変える以外は実施例33と同様に調製された。本例の評価を実施例34と同様に行った。実施例34と同様に測定した測定結果を表15に示す。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が186のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:JER828)を用いた。
本例は、オニウム塩の配合比を表14に合わせて示した割合で各試料(試料291〜299)を調製した。
本例のエポキシ組成物は、表14に示したように、オニウム塩が、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときに、0.2mass%(試料291),0.5mass%(試料292),1mass%(試料293),4mass%(試料294),10mass%(試料295),30mass%(試料296),70mass%(試料297),120mass%(試料298),150mass%(試料299)で含有する。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、試料291は0.286(=0.5×Z)未満であり、試料292〜298は0.286(=0.5×Z)以上143.088(=250×Z)以下であり、試料299では143.088(=250×Z)より大きい。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ組成物全体から熱分解するオニウム塩と溶媒を除いた質量を100mass%としたときに、87.5mass%でAg粉末を配合する。
Figure 2019023268
Figure 2019023268
表14に示したように、本例のエポキシ当量及びオニウム塩の配合比が所定の範囲内にある各試料のエポキシ組成物は、25℃における溶液粘度が7〜40Pa・sと所定の範囲内となっている。
そして、表15に示したように、本例の各試料のエポキシ組成物は、5MPa以上と大きなダイシェア引張剪断強度を有している。すなわち、高い接着強度を備えていることがわかる。このことから、オニウム塩が活性調整剤と混合していても、大きなダイシェア引張剪断強度を得られることがわかる。
さらに、各試料のエポキシ組成物は、80℃及び/又は150℃での加熱により、高い強度の硬化物となることが確認できる。
また、本例の各試料のエポキシ組成物は、体積抵抗値も小さく、優れた導電性を有していることがわかる。
以上のように、本例の各試料のエポキシ組成物は、導電性エポキシ組成物(導電性接着剤)として優れた特性を有する。
[実施例36及び比較例21]
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物を変える以外は実施例33と同様に調製された。本例の評価を実施例34と同様に行った。実施例34と同様に測定した測定結果を表17に示す。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が194のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:YX8000)を用いた。
本例は、オニウム塩の配合比を表16に合わせて示した割合で各試料(試料301〜309)を調製した。
本例のエポキシ組成物は、表16に示したように、オニウム塩が、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときに、0.2mass%(試料301),0.3mass%(試料302),4mass%(試料303),10mass%%(試料304),20mass%%(試料305),40mass%(試料306),70mass%(試料307),120mass%(試料308),150mass%(試料309)で含有する。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、試料301は0.279(=0.5×Z)未満であり、試料302〜308は0.279(=0.5×Z)以上139.695(=250×Z)以下であり、試料309では139.695(=250×Z)より大きい。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ組成物全体から熱分解するオニウム塩と溶媒を除いた質量を100mass%としたときに、87.5mass%でAg粉末を配合する。
Figure 2019023268
Figure 2019023268
表16に示したように、本例のエポキシ当量及びオニウム塩の配合比が所定の範囲内にある各試料のエポキシ組成物は、25℃における溶液粘度が16〜30Pa・sと所定の範囲内となっている。
そして、表17に示したように、本例の各試料のエポキシ組成物は、5MPa以上と大きなダイシェア引張剪断強度を有している。すなわち、高い接着強度を備えていることがわかる。このことから、オニウム塩が活性調整剤と混合していても、大きなダイシェア引張剪断強度を得られることがわかる。
さらに、各試料のエポキシ組成物は、80℃及び/又は150℃での加熱により、高い強度の硬化物となることが確認できる。
また、本例の各試料のエポキシ組成物は、体積抵抗値も小さく、優れた導電性を有していることがわかる。
以上のように、本例の各試料のエポキシ組成物は、導電性エポキシ組成物(導電性接着剤)として優れた特性を有する。
[実施例37及び比較例22]
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物を変える以外は実施例33と同様に調製された。本例の評価を実施例34と同様に行った。実施例34と同様に測定した測定結果を表19に示す。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が250のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:JER834)を用いた。このエポキシ化合物は、含有割合が60mass%となるエポキシ溶液として調製された。
本例は、オニウム塩の配合比を表18に合わせて示した割合で各試料(試料311〜319)を調製した。
本例のエポキシ組成物は、表18に示したように、オニウム塩が、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときに、0.2mass%(試料311),0.5mass%(試料312),4mass%(試料313),10mass%(試料314),20mass%(試料315),40mass%(試料316),70mass%(試料317),120mass%(試料318),150mass%(試料319)で含有する。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、試料311は0.236(=0.5×Z)未満であり、試料312〜317は0.236(=0.5×Z)以上118.091(=250×Z)以下であり、試料318〜319では118.091(=250×Z)より大きい。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ組成物全体から熱分解するオニウム塩と溶媒を除いた質量を100mass%としたときに、87.5mass%でAg粉末を配合する。
Figure 2019023268
Figure 2019023268
表18に示したように、本例のエポキシ当量及びオニウム塩の配合比が所定の範囲内にある各試料のエポキシ組成物は、25℃における溶液粘度が17〜40Pa・sと所定の範囲内となっている。
そして、表19に示したように、本例の各試料のエポキシ組成物は、5MPa以上と大きなダイシェア引張剪断強度を有している。すなわち、高い接着強度を備えていることがわかる。このことから、オニウム塩が活性調整剤と混合していても、大きなダイシェア引張剪断強度を得られることがわかる。
さらに、各試料のエポキシ組成物は、80℃及び/又は150℃での加熱により、高い強度の硬化物となることが確認できる。
また、本例の各試料のエポキシ組成物は、体積抵抗値も小さく、優れた導電性を有していることがわかる。
以上のように、本例の各試料のエポキシ組成物は、導電性エポキシ組成物(導電性接着剤)として優れた特性を有する。
[実施例38及び比較例23]
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物を変える以外は実施例33と同様に調製された。本例の評価を実施例33と同様に行った。実施例33と同様に測定した測定結果を表20に示す。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が263のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:YX8034)を用いた。
本例は、オニウム塩の配合比を表20に合わせて示した割合で各試料(試料321〜333)を調製した。
本例のエポキシ組成物は、表20に示したように、オニウム塩が、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときに、0.1mass%(試料321),0.3mass%(試料322),0.5mass%(試料323),1mass%(試料324),2mass%(試料325),4mass%(試料326),16mass%(試料327),20mass%(試料328),40mass%(試料329),60mass%(試料330),80mass%(試料331),100mass%(試料332),120mass%(試料333)で含有する。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、試料321は0.227(=0.5×Z)未満であり、試料322〜332は0.227(=0.5×Z)以上113.575(=250×Z)以下であり、試料333では113.575(=250×Z)より大きい。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ組成物全体から熱分解するオニウム塩と溶媒を除いた質量を100mass%としたときに、87.5mass%でAg粉末を配合する。
Figure 2019023268
表20に示したように、本例のエポキシ当量及びオニウム塩の配合比が所定の範囲内にある各試料のエポキシ組成物は、25℃における溶液粘度が10〜40Pa・sと所定の範囲内となっている。
そして、表20に示したように、本例の各試料のエポキシ組成物は、5MPa以上と大きなダイシェア引張剪断強度を有している。すなわち、高い接着強度を備えていることがわかる。このことから、オニウム塩が活性調整剤と混合していても、大きなダイシェア引張剪断強度を得られることがわかる。
さらに、各試料のエポキシ組成物は、80℃及び/又は150℃での加熱により、高い強度の硬化物となることが確認できる。
また、本例の各試料のエポキシ組成物は、体積抵抗値も小さく、優れた導電性を有していることがわかる。
以上のように、本例の各試料のエポキシ組成物は、導電性エポキシ組成物(導電性接着剤)として優れた特性を有する。
[実施例39及び比較例24]
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物を変える以外は実施例33と同様に調製された。本例の評価を実施例33と同様に行った。実施例33と同様に測定した測定結果を表21に示す。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が470のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:JER1001)を用いた。このエポキシ化合物は、含有割合が50mass%となるエポキシ溶液として調製された。
本例は、オニウム塩の配合比を表21に合わせて示した割合で各試料(試料341〜351)を調製した。
本例のエポキシ組成物は、表21に示したように、オニウム塩が、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときに、0.1mass%(試料341),0.2mass%(試料342),1mass%(試料343),1.5mass%(試料344),2mass%(試料345),10mass%(試料346),12mass%(試料347),15mass%(試料348),20mass%(試料349),50mass%(試料350),70mass%(試料351)で含有する。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、試料341は0.122(=0.5×Z)未満であり、試料342〜350は0.122(=0.5×Z)以上61.036(=250×Z)以下であり、試料351では61.036(=250×Z)より大きい。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ組成物全体から熱分解するオニウム塩と溶媒を除いた質量を100mass%としたときに、87.5mass%でAg粉末を配合する。
Figure 2019023268
表21に示したように、本例のエポキシ当量及びオニウム塩の配合比が所定の範囲内にある各試料のエポキシ組成物は、25℃における溶液粘度が5〜20Pa・sと所定の範囲内となっている。
そして、表21に示したように、本例の各試料のエポキシ組成物は、5MPa以上と大きなダイシェア引張剪断強度を有している。すなわち、高い接着強度を備えていることがわかる。このことから、オニウム塩が活性調整剤と混合していても、大きなダイシェア引張剪断強度を得られることがわかる。
さらに、各試料のエポキシ組成物は、80℃及び/又は150℃での加熱により、高い強度の硬化物となることが確認できる。
また、本例の各試料のエポキシ組成物は、体積抵抗値も小さく、優れた導電性を有していることがわかる。
以上のように、本例の各試料のエポキシ組成物は、導電性エポキシ組成物(導電性接着剤)として優れた特性を有する。
[実施例40及び比較例25]
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物を変える以外は実施例33と同様に調製された。本例の評価を実施例33と同様に行った。実施例33と同様に測定した測定結果を表22に示す。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が1004のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:JER1004AF)を用いた。このエポキシ化合物は、含有割合が50mass%となるエポキシ溶液として調製された。
本例は、オニウム塩の配合比を表22に合わせて示した割合で各試料(試料361〜371)を調製した。
本例のエポキシ組成物は、表22に示したように、オニウム塩が、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときに、0.01mass%(試料361),0.03mass%(試料362),0.1mass%(試料363),1mass%(試料364),4mass%(試料365),10mass%(試料366),12mass%(試料367),15mass%(試料368),20mass%(試料369),40mass%(試料370),60mass%(試料371)で含有する。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、試料361は0.02未満であり、試料362〜370は0.02以上40以下であり、試料371では40より大きい。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ組成物全体から熱分解するオニウム塩と溶媒を除いた質量を100mass%としたときに、87.5mass%でAg粉末を配合する。
Figure 2019023268
表22に示したように、本例のエポキシ当量及びオニウム塩の配合比が所定の範囲内にある各試料のエポキシ組成物は、25℃における溶液粘度が15〜32Pa・sと所定の範囲内となっている。
そして、表22に示したように、本例の各試料のエポキシ組成物は、5MPa以上と大きなダイシェア引張剪断強度を有している。すなわち、高い接着強度を備えていることがわかる。このことから、オニウム塩が活性調整剤と混合していても、大きなダイシェア引張剪断強度を得られることがわかる。
さらに、各試料のエポキシ組成物は、80℃及び/又は150℃での加熱により、高い強度の硬化物となることが確認できる。
また、本例の各試料のエポキシ組成物は、体積抵抗値も小さく、優れた導電性を有していることがわかる。
以上のように、本例の各試料のエポキシ組成物は、導電性エポキシ組成物(導電性接着剤)として優れた特性を有する。
[実施例41及び比較例26]
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物を変える以外は実施例33と同様に調製された。本例の評価を実施例33と同様に行った。実施例33と同様に測定した測定結果を表23に示す。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が2605のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:JER1009)を用いた。このエポキシ化合物は、含有割合が50mass%となるエポキシ溶液として調製された。
本例は、オニウム塩の配合比を表23に合わせて示した割合で各試料(試料381〜392)を調製した。
本例のエポキシ組成物は、表23に示したように、オニウム塩が、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときに、0.01mass%(試料381),0.03mass%(試料382),0.1mass%(試料383),0.4mass%(試料384),1mass%(試料385),4mass%(試料386),10mass%(試料387),12mass%(試料388),15mass%(試料389),20mass%(試料390),40mass%(試料391),60mass%(試料392)で含有する。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、試料381は0.02未満であり、試料382〜391は0.02以上40以下であり、試料392では40より大きい。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ組成物全体から熱分解するオニウム塩と溶媒を除いた質量を100mass%としたときに、87.5mass%でAg粉末を配合する。
Figure 2019023268
表23に示したように、本例のエポキシ当量及びオニウム塩の配合比が所定の範囲内にある各試料のエポキシ組成物は、25℃における溶液粘度が12〜22Pa・sと所定の範囲内となっている。
そして、表23に示したように、本例の各試料のエポキシ組成物は、5MPa以上と大きなダイシェア引張剪断強度を有している。すなわち、高い接着強度を備えていることがわかる。このことから、オニウム塩が活性調整剤と混合していても、大きなダイシェア引張剪断強度を得られることがわかる。
さらに、各試料のエポキシ組成物は、80℃及び/又は150℃での加熱により、高い強度の硬化物となることが確認できる。
また、本例の各試料のエポキシ組成物は、体積抵抗値も小さく、優れた導電性を有していることがわかる。
以上のように、本例の各試料のエポキシ組成物は、導電性エポキシ組成物(導電性接着剤)として優れた特性を有する。
[実施例42及び比較例27]
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物を変える以外は実施例33と同様に調製された。本例の評価を実施例33と同様に行った。実施例33と同様に測定した測定結果を表24に示す。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が7318のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:JER1256M40)を用いた。このエポキシ化合物は、含有割合が40mass%となるエポキシ溶液として調製された。
本例は、オニウム塩の配合比を表24に合わせて示した割合で各試料(試料401〜412)を調製した。
本例のエポキシ組成物は、表24に示したように、オニウム塩が、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときに、0.01mass%(試料401),0.03mass%(試料402),0.1mass%(試料403),0.4mass%(試料404),1mass%(試料405),4mass%(試料406),10mass%(試料407),12mass%(試料408),15mass%(試料409),20mass%(試料410),40mass%(試料411),60mass%(試料412)で含有する。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、試料401は0.02未満であり、試料402〜411は0.02以上40以下であり、試料412では40より大きい。
本例のエポキシ組成物は、エポキシ組成物全体から熱分解するオニウム塩と溶媒を除いた質量を100mass%としたときに、87.5mass%でAg粉末を配合する。
Figure 2019023268
表24に示したように、本例のエポキシ当量及びオニウム塩の配合比が所定の範囲内にある各試料のエポキシ組成物は、25℃における溶液粘度が15〜22Pa・sと所定の範囲内となっている。
そして、表24に示したように、本例の各試料のエポキシ組成物は、5MPa以上と大きなダイシェア引張剪断強度を有している。すなわち、高い接着強度を備えていることがわかる。このことから、オニウム塩が活性調整剤と混合していても、大きなダイシェア引張剪断強度を得られることがわかる。
さらに、各試料のエポキシ組成物は、80℃及び/又は150℃での加熱により、高い強度の硬化物となることが確認できる。
また、本例の各試料のエポキシ組成物は、体積抵抗値も小さく、優れた導電性を有していることがわかる。
以上のように、本例の各試料のエポキシ組成物は、導電性エポキシ組成物(導電性接着剤)として優れた特性を有する。
[実施例43]
本例のエポキシ組成物は、エポキシ化合物及びオニウム塩と溶媒の組成を変える以外は実施例33と同様に調製された。本例の評価を実施例33と同様に行った。本例のエポキシ組成物は、表25に示した構成を有する。
本例では、エポキシ化合物として、エポキシ当量が7318のエポキシ化合物(三菱化学工業株式会社製、商品名:JER1256M40)を用いた。このエポキシ化合物は、含有割合が35mass%となるエポキシ溶液として調製された。
本例のエポキシ組成物は、試料421〜422のいずれもが、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、0.02より大きく、40未満である。
本例のエポキシ組成物は、加熱条件が異なること以外は実施例34と同様に評価を行った。評価結果を表26に示す。
試料421及び試料422は、100℃,125℃,150℃,175℃,200℃の所定の温度に30分間保持する加熱処理である。
試料422は、表26中の100℃の加熱は、100℃に30分間保持する加熱処理である。125℃の加熱は、100℃で30分間保持し、125℃で30分間保持する加熱処理である。150℃の加熱は、前記125℃の加熱後に、150℃で30分間保持する加熱処理である。175℃の加熱は、前記150℃の加熱後に、175℃で30分間保持する加熱処理である。200℃の加熱は、前記175℃の加熱後に、200℃で30分間保持する加熱処理である。
Figure 2019023268
Figure 2019023268
表25に示したように、本例のエポキシ当量及びオニウム塩の配合比が所定の範囲内にある各試料のエポキシ組成物は、25℃における溶液粘度が25Pa・sと所定の範囲内となっている。
そして、表26に示したように、本例の各試料のエポキシ組成物は、5MPa以上と大きなダイシェア引張剪断強度を有している。すなわち、高い接着強度を備えていることがわかる。このことから、オニウム塩が活性調整剤と混合していても、大きなダイシェア引張剪断強度を得られることがわかる。
さらに、各試料のエポキシ組成物は、100℃以上の加熱でも、高い強度の硬化物となることが確認できる。
また、本例の各試料のエポキシ組成物は、体積抵抗値も小さく、優れた導電性を有していることがわかる。
以上のように、本例の各試料のエポキシ組成物は、導電性エポキシ組成物(導電性接着剤)として優れた特性を有する。
[実施例44及び比較例28]
30mLのねじ口瓶(日電理化硝子株式会社製、商品名:SV−30)に、反応開始温度が108℃になるようにオニウム塩(商品名:SI−100)に活性調整剤(商品名:SI助剤)(共に三新化学工業株式会社製)を質量比で99:1となる割合で混合計量し、溶媒としてγ−ブチルラクトンを加えて、オニウム塩の濃度が33mass%、活性調整剤が0.33mass%で含まれるオニウム塩溶液を調製した。調製したオニウム塩溶液0.24gを秤量する。
そして、エポキシ当量が194のエポキシ化合物(三菱化学株式会社製、商品名:YX8000)5.40gを秤量し、オニウム塩溶液に添加する。
なお、オニウム塩は、エポキシ化合物の合計の質量を100mass%としたときに、1.5mass%に相当する。
その後、実施例33で調製した清浄したAg混合粉末37.80gを、攪拌しながら混合溶液に加える。
つづいて、微粒シリカ(日本アエロジル株式会社製、商品名:R972)0.02gを秤量し、混合溶液に加える。微粒シリカ(ナノシリカ)は、エポキシ組成物全体を100mass%としたときに、0.2mass%に相当する。
さらに、粘度調整剤としてジエチレングリコールジエチルエーテル0.40gを追加する。
これら5種類の物質を投入したねじ口瓶にステンレススチール製のミクロスパーテルを挿入し、タッチミキサー(ヤマト科学株式会社製、商品名:MT−31)上で3〜5分間撹拌し均一の一液型導電性エポキシ組成物とした。
以上により、本例の試料432の導電性のエポキシ組成物が調製された。
同様にして、表27に記載の組成となるように、配合比を変更して本例の各試料が調製された。
本例の各試料のエポキシ組成物は、表27に示したように、シリカの配合比が、エポキシ組成物全体の質量を100mass%としたときに、0mass%(試料431),0.2mass%(試料432),2mass%(試料433),5mass%(試料434),10mass%(試料435),15mass%(試料436),20mass%(試料437)で含有する。
また、本例の各試料のエポキシ組成物は、表27に示したように、粘度調整剤を、エポキシ組成物全体の質量を100mass%としたときに、0mass%(試料431〜433),2mass%(試料434),10mass%(試料435),14mass%(試料436),18mass%(試料437)で含有する。
本例の各試料のエポキシ組成物は、エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の質量比が、0.279以上、139.695以下の範囲に含まれる。
Figure 2019023268
本例の一液型導電性エポキシ組成物を、所定条件で塗布後、所定条件(150℃×60分)で硬化処理した後、物性測定(引張剪断強度及び体積抵抗値の測定)に供した。
表27に示したように、本例の引張剪断強度は、試料431〜436は、5MPa以上と高い引張剪断強度であった。なお、シリカの含有比が多くなるにつれて、引張剪断強度が低下する傾向が見られる。このことは、エポキシ成分の配合比が相対的に減少したことによる。
また、本例の体積抵抗値は、いずれの試料においても、10−4Ωcmレベルの小さな抵抗値となっている。すなわち、本例のエポキシ組成物の硬化物は、優れた導電性を発揮する。
さらに、クロスカット試験の試験結果においても、試料431〜436は、優れた試験結果を示している。
以上のように、本例のエポキシ組成物は、微粒シリカや粘度調整剤を含有しても、その特性を維持できることが確認できる。
[その他の比較]
同様に、エポキシ当量が186(三菱化学株式会社製、商品名:JER828)のエポキシ組成物に20mass%未満の微粒シリカ(日本アエロジル株式会社製、商品名:R972)を配合して調製し、同様に物性測定(引張剪断強度の測定)に供した。その引張剪断強度は、20MPa〜22MPaと同等の高い引張剪断強度であった。
エポキシ当量が2605(三菱化学株式会社製、商品名:JER1009)のエポキシ組成物に20mass%未満の微粒シリカ(日本アエロジル株式会社製、商品名:R972)を配合して調製し、同様に物性測定(引張剪断強度の測定)に供した。その引張剪断強度は、20MPa〜22MPaと同等の高い引張剪断強度であった。
以上のように、エポキシ組成物は、微粒シリカを含有しても、その特性を維持できることが、エポキシ化合物によらずに発揮されることが、確認できる。
以上の評価結果から、各実施例に含まれる各試料のエポキシ組成物は、従来の一液型エポキシ組成物では困難であった低温での硬化が可能なエポキシ組成物となっていることが確認できる。そして、各実施例のエポキシ組成物は、従来のエポキシ組成物が得意とする高硬度・高強度のエポキシ樹脂や、エポキシ組成物が苦手とするフィルムのようにしなやかな超柔軟エポキシ樹脂の両特性を備えた硬化物(エポキシ樹脂)となる。このことから、各実施例のエポキシ組成物は、熱に敏感な各種の電気、電子材料や、各種フィルム等の用途にも使用でき、工業的ライン生産において低温・短時間硬化による生産性の向上、省エネによるコストダウンと作業性の向上の効果を発揮する。
また、導電性粒子を含有するエポキシ組成物(導電性エポキシ樹脂)は、導電性粒子を含有することで、高い導電性を備えた導電性接着剤となっている。
また、各実施例のエポキシ組成物は、エポキシ当量とオニウム塩の最適配合比を選択することにより、従来の一液型エポキシ組成物では困難であった低温(60℃以上、80℃以下)で熱処理することが可能となり、かつ強靱なエポキシ組成物の硬化樹脂を得ることができる。さらに、エポキシ当量とオニウム塩の最適配合比を選択するとともに、オニウム塩と活性調整剤の配合比を選択したり、反応開始温度の異なるオニウム塩を選択することにより、従来の低温型の一液型潜在硬化剤のエポキシ組成物では、困難であった室温での保管が可能となる。また、中・高温型の一液型潜在硬化剤のエポキシ組成物よりも反応開始温度を大幅に低下することができ、簡単かつ低い加熱温度で硬化開始する。
さらに、オニウム塩とエポキシ当量の関係において、エポキシ当量の大きいエポキシ組成物は、耐屈曲試験の試験結果も優れたものとなっている。特に、硬化物を折り曲げても割れることなく、屈曲(湾曲、変形)することが可能となっている。すなわち、各実施例のエポキシ組成物は、屈曲性に優れた硬化物を得られる。
加えて、銀粉末を含有した実施例33以降のエポキシ組成物は、優れた導電性(低い体積抵抗率)を備えている導電性組成物(導電性接着剤)となっている。特に、従来のエポキシ組成物では実現困難な10−5Ωcmオーダーの優れた導電性(従来では考えられない低い体積抵抗率)のものが得られる。このエポキシ組成物を用いて電気回路のパターン印刷を行うと、印刷の幅や厚さを短くすることができるため、コストダウンや高集積化を達成できる。さらに、この電気回路のパターン印刷によると、熱の発生をより少なくすることが可能であるため、蓄熱などによる熱暴走を防止することができる。
特に銀粉末を含有した実施例33以降のエポキシ組成物によると、エポキシ当量とオニウム塩の配合量との特定の関係を最適配合領域内とすることでより優れた効果を発揮できることを見いだした。
特開2001−19742号公報 特開2006−348308号公報

Claims (10)

  1. エポキシ化合物と、オニウム塩と、を含むエポキシ組成物であって、該エポキシ化合物は、単独成分、又は二種以上の複数成分からなり、該オニウム塩は、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂とともに加熱した際の反応開始温度が45℃以上であり、該エポキシ化合物のエポキシ当量(X)と、該エポキシ化合物の質量を100mass%としたときのオニウム塩の配合比(Ymass%)が、該エポキシ化合物の該エポキシ当量が1000未満の場合には、0.5×exp(−0.003X)≦Y≦250×exp(−0.003X)の範囲にあり、該エポキシ化合物の該エポキシ当量が1000以上の場合には、0.02≦Y≦40の範囲にあることを特徴とするエポキシ組成物。
  2. 全体を100mass%としたときに、75〜95mass%で銀粉末を含有し、 25℃における粘度が1〜90Pa・sである請求項1に記載のエポキシ組成物。
  3. 前記エポキシ化合物のエポキシ当量が1000以上であり、かつ体積抵抗率が2×10−4Ωcm以下である請求項1〜2のいずれか1項に記載のエポキシ組成物。
  4. 80℃、60分の熱処理後の引張剪断強度が5MPa以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載のエポキシ組成物。
  5. 前記エポキシ組成物は、強化材を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のエポキシ組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の前記エポキシ組成物を、60℃以上の温度で熱処理することを特徴とするエポキシ組成物の硬化方法。
  7. 60〜80℃の温度で熱処理する請求項6に記載のエポキシ組成物の硬化方法。
  8. 前記熱処理は、加熱時間が5秒以上、5分以下である請求項6〜7のいずれか1項に記載のエポキシ組成物の硬化方法。
  9. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の前記エポキシ組成物を、0℃以上、前記オニウム塩の反応開始温度以下の温度で保存することを特徴とするエポキシ組成物の保存方法。
  10. 前記エポキシ組成物は、未硬化の状態、半硬化の状態のいずれかの状態である請求項9に記載のエポキシ組成物の保存方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111534049A (zh) * 2020-05-08 2020-08-14 杭州幄肯新材料科技有限公司 一种高导热导电碳纤维聚合物基复合材料及其制备方法

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