JP2020180216A - 樹脂組成物および電子部品構造体 - Google Patents

樹脂組成物および電子部品構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】熱伝導性に優れた放熱材を作製するために好適に使用できる樹脂組成物、および当該樹脂組成物の硬化物からなる放熱層を備える電子部品構造体を提供する。【解決手段】熱硬化性樹脂と窒化ホウ素フィラーとを含む樹脂組成物であって、当該樹脂組成物を、基材に塗布し、加熱乾燥し、高圧プレスして、膜厚100μm以上200μm以下の試験膜を作製し、当該試験膜の表面を精密研磨して得られる研磨面を走査電子顕微鏡で観察したとき、前記研磨面に観察される長さ1μm以上、幅0.1μm以上5μm以下のマイクロクラックの数が、500個/mm2以上5000個/mm2以下である、樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物および電子部品構造体に関する。より詳細には、本発明は、放熱性部材を作製するための樹脂組成物、およびその樹脂組成物の硬化物を放熱層として備える電子部品構造体に関する。
近年、多層配線板および半導体パッケージにおける配線密度や電子部品の搭載密度が高まり、また半導体素子の高集積化が進み、そのような発熱体の単位面積あたりの発熱量は大きくなってきている。そのため、発熱体からの熱を放散させるための技術が望まれている。熱放散の一般的な方法として、半導体パッケージのような発熱体とアルミや銅からなる放熱体との間に熱伝導性シートを挟み密着させて、発熱体からの熱を外部に伝達する方法が採用されている。このような熱伝導性シートでは、熱伝導性の無機粒子を樹脂マトリクス材料中に配合することにより熱伝導性が達成されている。しかし、熱伝導性シートにはさらに高いレベルでの熱伝導性や、発熱体および放熱体との密着性の改善が望まれていた。
このような需要に応じ、たとえば特許文献1では、樹脂および熱伝導性無機粒子を含有する樹脂組成物をシート化する工程において、樹脂組成物の粘度を調整してシート内部に発生する空隙を低減させることにより、熱伝導性に優れたシートを得る技術が提案されている。
特開2012−212727号公報
しかし、無機粒子を含有する樹脂組成物は、特許文献1に記載のような製造方法を用いたとしてもなお、無機粒子と樹脂との界面に微小な空隙(マイクロクラック)が発生する場合があった。このようなマイクロクラックの発生は、熱伝導性の低下、絶縁耐力の低下などを生じる場合がある。また、マイクロクラックを完全に排除しようとすると、熱伝導性シート製造時の生産性や生産コスト等の面で不利となる。
本発明者らは、樹脂組成物の硬化物中に存在する長さ1μm以上、幅0.1μm以上5μm以下のマイクロクラックの数が所定の範囲内であれば、熱伝導性や絶縁性に影響がなく、放熱材として好適に使用できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、熱硬化性樹脂と窒化ホウ素フィラーとを含む樹脂組成物であって、当該樹脂組成物を、基材に塗布し、加熱乾燥し、高圧プレスして、膜厚100μm以上200μm以下の試験膜を作製し、当該試験膜の表面を精密研磨して得られる研磨面を走査電子顕微鏡で観察したとき、前記研磨面に観察される長さ1μm以上、幅1μm以上のマイクロクラックの数が、500個/mm以上5000個/mm以下である、樹脂組成物が提供される。
また本発明によれば、電子部品と放熱層とを備える電子部品構造体であって、前記放熱層が、上記樹脂組成物の硬化物からなり、前記放熱層が、500個/mm以上5000個/mm以下の、長さ1μm以上、幅1μm以上のマイクロクラックを有する、電子部品構造体が提供される。
本発明によれば、熱伝導性に優れた放熱材を作製するために好適に使用できる樹脂組成物、および当該樹脂組成物の硬化物からなる放熱層を備える電子部品構造体が提供される。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本実施形態において、樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と窒化ホウ素フィラーとを含む。本実施形態の樹脂組成物は、これを基材に塗布し、加熱乾燥し、高圧プレスして、膜厚100μm以上200μm以下の試験膜を作製し、当該試験膜の表面を精密研磨して得られる研磨面を走査電子顕微鏡で観察したとき、前記研磨面に観察される長さ1μm以上、幅0.1μm以上5μm以下のマイクロクラックの数が、500個/mm以上5000個/mm以下である。
本実施形態において、上述の方法で観察した場合のマイクロクラックの数は、5000個/mm以下であり、好ましくは4500個/mm以下であり、より好ましくは4000個/mm以下である。マイクロクラックの数が上記値以下であることにより、この樹脂組成物の硬化物を電子部品構造体の放熱層として使用した場合に、熱伝導性に優れ、よって得られる電子部品構造体が優れた信頼性を有する。また、マイクロクラックの下限値は、500個/mm以上、好ましくは700個/mm以上、より好ましくは1000個mm以上である。上記範囲の数のマイクロクラックを有する樹脂組成物の硬化物は、耐熱性に優れるとともに、マイクロクラックを低減させるための特別な工程や装置の必要がないため、生産効率の低下をともなうことなく製造することができる。
本実施形態において、樹脂組成物の硬化物中に存在するマイクロクラックの数は、以下の方法により測定される。まず、本実施形態の樹脂組成物を、基材に塗布して、例えば、80℃で加熱することにより乾燥させる。次いで、樹脂組成物の塗布層を、130℃〜230℃の温度、4MPa〜12MPaの圧力で、高圧プレスして、膜厚100μm以上500μm以下の試験膜を作製する。この試験膜を、厚み方向に沿ってクロスセクションポリッシャー(CP)により精密研磨して、これにより現れる研磨面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で、1000倍で観察して像を得、得られた像から、空隙部分と、それ以外の部分とを二値化処理する。次いで、空隙部分であって長さ1μm以上、幅0.1μm以上5μm以下の空隙をマイクロクラックとして計数する。計数したマイクロクラックの数は、単位面積当たりの数として算出する。
樹脂組成物の硬化物におけるマイクロクラックの数は、樹脂組成物に含まれる熱硬化性樹脂の種類とその配合量、窒化ホウ素の形状、用いる添加剤の種類とその配合量等を適宜選択することにより、調整することができる。
本実施形態の樹脂組成物に用いられる熱硬化性樹脂としては、シアネート樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコン樹脂、およびポリウレタン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、単独でかまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
中でも、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、フェノキシ樹脂を用いることが好ましい。
より具体的には、エポキシ樹脂として、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂(例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ダイマー酸変性ビスフェノール型エポキシ樹脂など)、ノボラック型エポキシ樹脂(例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂など)、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂(例えば、ビスアリールフルオレン型エポキシ樹脂など)、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂(例えば、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂など)などの芳香族系エポキシ樹脂、例えば、トリエポキシプロピルイソシアヌレート(トリグリシジルイソシアヌレート)、ヒダントインエポキシ樹脂などの含窒素環エポキシ樹脂、例えば、脂肪族系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂(例えば、ジシクロ環型エポキシ樹脂など)、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂などが挙げられる。このようなエポキシ樹脂を用いることにより、窒化ホウ素フィラーの分散性を向上させることができる。
エポキシ樹脂を用いる場合、その配合量は、樹脂組成物の固形分全体に対して、1質量%以上30質量%以下の範囲が好ましく、5質量%以上28質量%以下の範囲がより好ましい。
フェノキシ樹脂としては、ビスフェノール骨格を有するフェノキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するフェノキシ樹脂、アントラセン骨格を有するフェノキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するフェノキシ樹脂等が挙げられる。また、これらの骨格を複数種有した構造のフェノキシ樹脂を用いることもできる。フェノキシ樹脂を用いることにより、樹脂組成物の粘度が上昇するため流動性が低減し、マイクロクラックの発生を抑制することができる。また、本実施形態の樹脂組成物を熱伝導性シートとして使用する場合、放熱体との密着性を向上できる。
フェノキシ樹脂を用いる場合、その配合量は、樹脂組成物の固形分全体に対して、1質量%以上30質量%以下の範囲が好ましく、5質量%以上20質量%以下の範囲がより好ましい。
シアネート樹脂としては、シアネートエステル樹脂を用いることができる。
シアネートエステル樹脂としては、具体的には、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート(オリゴ(3−メチレン−1,5−フェニレンシアネート)、4,4'−メチレンビス(2,6−ジメチルフェニルシアネート)、4,4'−エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2−ビス(4−シアネート)フェニルプロパン、1,1−ビス(4−シアネートフェニルメタン)、ビス(4−シアネート−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,3−ビス(4−シアネートフェニル−1−(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4−シアネートフェニル)チオエーテル、ビス(4−シアネートフェニル)エーテルなどの2官能シアネート樹脂;フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ジシクロペンタジエン構造含有フェノール樹脂などから誘導される多官能シアネート樹脂;上記例示したシアネートエステル樹脂の一部がトリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。
ここで、シアネートエステル樹脂の市販品としては、例えば、ロンザジャパン社製のPT30、BA230、DT−4000、DT−7000などを用いることができる。
シアネート樹脂を用いる場合、その配合量は、樹脂組成物の固形分全体に対して、1質量%以上30質量%以下の範囲が好ましく、5質量%以上28質量%以下の範囲がより好ましい
本実施形態の樹脂組成物に用いられる窒化ホウ素粒子は、一次粒子が凝集した凝集粒子であることが好ましい。窒化ホウ素粒子の一次粒子は、板状、鱗片状、または球状であり得、好ましくは鱗片状である。本実施形態で用いられる窒化ホウ素粒子は、鱗片状窒化ホウ素の凝集粒子であることが好ましい。
鱗片状(または板状)の窒化ホウ素の一次粒子は、長手方向長さ(鱗片の厚み方向に対する直交方向における最大長さ)の平均が、例えば、1〜100μm、好ましくは、3〜90μmである。また、窒化ホウ素粒子の長手方向長さの平均は、5μm以上、好ましくは、10μm以上、さらに好ましくは、20μm以上、とりわけ好ましくは、30μm以上、最も好ましくは、40μm以上であり、通常、例えば、100μm以下、好ましくは、90μm以下である。
また、鱗片状窒化ホウ素の一次粒子の厚み(鱗片の厚み方向長さ、つまり、粒子の短手方向長さ)の平均は、例えば、0.01〜20μm、好ましくは、0.1〜15μmである。
また、鱗片状窒化ホウ素の一次粒子のアスペクト比(長手方向長さ/厚み)は、例えば、2〜10000、好ましくは、10〜5000である。
なお、光散乱法によって測定される平均1次粒子径は、動的光散乱式粒度分布測定装置にて測定される体積平均粒子径である。窒化ホウ素粒子の光散乱法によって測定される平均1次粒子径が上記範囲に満たないと、得られる樹脂組成物の硬化物が脆くなり、取扱性が低下する場合がある。
窒化ホウ素粒子の市販品として、具体的には、例えば、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製の「PT」シリーズ(例えば、「PT−110」など)、昭和電工社製の「ショービーエヌUHP」シリーズ(例えば、「ショービーエヌUHP−1」など)などが挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物において、窒化ホウ素フィラーは、熱硬化性樹脂に対し、好ましくは、60質量%以上80質量%以下の量であり、より好ましくは、65質量%以上75質量%以下の量である。また本実施形態の樹脂組成物において、窒化ホウ素フィラーの体積基準の含有割合は、樹脂組成物の全固形分の全積に対して、35体積%以上、好ましくは、40体積%以上、好ましくは、50体積%以上、より好ましくは、58体積%以上、通常、例えば、95体積%以下である。
窒化ホウ素粒子の体積基準の含有割合が上記した範囲に満たない場合には、十分な熱伝導性が得られない場合がある。一方、窒化ホウ素粒子の体積基準の含有割合が上記した範囲を超える場合には、得られる樹脂組成物の硬化物の取扱性が低下する場合がある。
樹脂組成物の全固形分に対する熱伝導性無機粒子の質量基準の配合割合は、例えば、40〜95質量部、好ましくは、65〜90質量部である。
本実施形態の樹脂組成物は、さらに、レベリング剤、硬化剤、酸化防止剤等を含むことが好ましい。
特に、エポキシ樹脂を用いる場合、硬化剤を用いることが好ましい。硬化剤としては、硬化触媒またはフェノール系硬化剤を用いることが好ましい。
硬化触媒としては、たとえばナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)等の有機金属塩;トリエチルアミン、トリブチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等の3級アミン類;2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2,4−ジエチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類;トリフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボラン、1,2−ビス−(ジフェニルホスフィノ)エタン等の有機リン化合物;フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノール等のフェノール化合物;酢酸、安息香酸、サリチル酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸;等、またはこの混合物が挙げられる。
硬化触媒を用いる場合、その含有量は、樹脂組成物の固形分全体に対し、0.001質量部以上1質量部以下が好ましい。
また、フェノール系硬化剤としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂、アミノトリアジンノボラック樹脂、ノボラック樹脂、トリスフェニルメタン型のフェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂等の変性フェノール樹脂;フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール化合物;レゾール型フェノール樹脂等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。フェノール系硬化剤の含有量は、樹脂組成物の固形分全体に対し、0.1質量%以上30質量%以下が好ましく、0.3質量%以上15質量%以下がより好ましい。
レベリング剤としては、アクリル系共重合物等が挙げられる。レベリング剤は、樹脂組成物の固形分全体に対し、2質量%以下の量で使用することが好ましく、0.01質量%以上1.0質量%以下の量で使用することがより好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、カップリング剤をさらに含んでもよい。カップリング剤としては、エポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤等が使用できる。カップリング剤の配合量は、窒化ホウ素フィラー100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下が好ましく、特に0.5質量部以上7質量部以下が好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、上述した熱硬化性樹脂、窒化ホウ素フィラー、その他の成分、および溶媒を上述の割合で配合し、公知の方法により撹拌混合することにより調製できる。
溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトンなどケトン、酢酸エチルなどのエステル、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミドなどの有機溶媒が挙げられる。また、溶媒として、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどのアルコールなどの水系溶媒も挙げられる。
溶媒を用いて攪拌混合する場合には、攪拌混合の後、溶媒を除去する。溶媒を除去するには、例えば、室温にて、1〜48時間放置するか、例えば、40〜100℃で、0.5〜3時間加熱するか、または、例えば、0.001〜50kPaの減圧雰囲気下で、20〜60℃で、0.5〜3時間加熱する。
本実施形態の樹脂組成物は、所望の形状に成形して、放熱材として使用することができる。たとえば、樹脂組成物をシート状に成形して熱伝導性シートを作製することができる。一実施形態において、たとえば基材上にワニス状の上記樹脂組成物を塗布した後、これを熱処理して乾燥することにより熱伝導性シートを得ることができる。基材としては、たとえば放熱部材やリードフレーム、剥離可能なキャリア材等を構成する金属箔が挙げられる。また、樹脂組成物を乾燥するための熱処理は、たとえば80〜150℃、5分〜1時間の条件において行われる。熱伝導性シートの膜厚は、たとえば60μm以上500μm以下とすることができる。
このようにして得られる熱伝導性シートは、熱伝導性に優れるとともに、絶縁耐力(絶縁破壊電圧)などの各種電気特性に優れ、例えば、LED放熱基板、電池用放熱材等の放熱用途に用いることができる。一実施形態において、熱伝導性シートは、電子部品と放熱層とを備える電子部品構造体の放熱層を構成する材料として使用することができる。本実施形態の樹脂組成物の硬化物である熱伝導性シートは、500個/mm以上5000個/mm以下のマイクロクラックを有するものであるため、優れた熱伝導性と耐熱性とを有し、よってこれを備える電子部品構造体は優れた信頼性を有する。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらの本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。
以下、本発明を実施例を参照して説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(熱伝導性シートの作製)
実施例1〜3および比較例1〜2について、以下のように熱伝導性シートを作製した。
まず、表1に示す配合に従い、熱硬化性樹脂と、硬化剤と、添加剤とを溶媒であるメチルエチルケトンに添加し、これを撹拌して熱硬化性樹脂組成物の溶液を得た。次いで、この溶液に窒化ホウ素粒子を加えて予備混合した後、三本ロールにて混練し、窒化ホウ素粒子を均一に分散させた熱伝導性シート用樹脂組成物を得た。次いで、得られた熱伝導性シート用樹脂組成物に対し、60℃、15時間の条件によりエージングを行った。次いで、熱伝導性シート用樹脂組成物を、銅箔上にドクターブレード法を用いて塗布した後、これを100℃、30分間の熱処理により乾燥して、膜厚が400μmであるBステージ状態の熱伝導性シートを作製した。
なお、表1中における各成分の詳細は下記のとおりである。
(熱硬化性樹脂)
シアネート樹脂1:フェノールノボラック型シアネート樹脂(PT−30、ロンザジャパン株式会社製)
エポキシ樹脂1:ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂(XD−1000、日本化薬株式会社製)
(硬化剤)
硬化剤1:2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(2PHZ−PW、四国化成株式会社製)
硬化剤2:トリスフェニルメタン型のフェノールノボラック樹脂(MEH−7500、明和化成株式会社製)
(窒化ホウ素粒子)
窒化ホウ素粒子1:以下の方法により作製した凝集窒化ホウ素粒子。
炭化ホウ素を、窒素雰囲気下で、1200〜2500℃、2〜24時間の条件で窒化処理する。次いで、得られた窒化ホウ素に三酸化二ホウ素を加え、これを非酸化性雰囲気中にて1200℃〜2500℃、2〜24時間、焼成して凝集窒化ホウ素粒子を作製した。
窒化ホウ素粒子2:以下の方法により作製した窒化ホウ素粒子。
炭化ホウ素粉末を、窒素雰囲気下で、1600℃〜2200℃で焼成する。次いで、得られた焼成物を、酸素含有ガス雰囲気下、500℃〜1500℃の温度で加熱処理して、脱炭素する。次いで、脱炭処理後の生成物を、窒素ガス雰囲気下、1500℃〜2200の温度で窒化して、六方晶窒化ホウ素粉末を得た。
(添加剤)
添加剤1:レベリング剤(BYK−361N、ビックケミー・ジャパン株式会社製)
(マイクロクラック数の測定)
上記で得られたBステージ状態の熱伝導性シートを180℃、10MPaで40分間熱処理して熱伝導性シートの硬化物を得た。この硬化物を、厚み方向に沿ってクロスセクションポリッシャー(CP)により精密研磨して、これにより現れる研磨面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で、1000倍で観察して像を得、得られた像から、空隙部分と、それ以外の部分とを二値化処理した。次いで、空隙部分であって長さ1μm以上、500個/mm以上5000個/mm以下の空隙をマイクロクラックとして計数した。計数したマイクロクラックの数は、単位面積当たりの数として算出した。結果を表1に示す。
(熱伝導性)
上記で得られたBステージ状態の熱伝導性シートを180℃、10MPaで40分間熱処理して熱伝導性シートの硬化物を得た。次いで、レーザーフラッシュ法を用いて上記熱伝導性シート硬化物の厚み方向の熱伝導率(W/(m・K))を測定した。評価基準は以下のとおりである。結果を表1に示す。
<評価基準>
○:10W/(m・K)以上
△:5W/(m・K)以上、10W/(m・K)未満
×:5W/(m・K)未満
(半田耐熱性)
金属ベース回路基板を50mm×50mmにグラインダーソーでカットした後、エッチングにより銅箔を1/2だけ残した試料を作製し、JIS C 6481に準拠して評価した。評価は、260℃〜300℃の半田槽に30秒間浸漬した後で外観の異常の有無を調べた。評価基準は以下のとおりである。結果を表1に示す。
<評価基準>
○:異常なし
×:異常あり(全体的に膨れの箇所がある)
(吸湿半田耐熱性)
金属ベース回路基板を50mm×50mmにグラインダーソーでカットした後、JIS C 6481に従い半面エッチングを行って試料を作製した。温度40℃、湿度90%の環境下に2日間静置した後、260℃〜300℃のはんだ槽に銅箔面を下にして浮かべ、30秒後の外観異常の有無を調べた。評価基準は以下のとおりである。結果を表1に示す。
<評価基準>
○:異常なし
×:膨れあり(全体的に膨れの箇所がある)
(絶縁破壊電圧)
上記で得た熱伝導性シートの硬化物の絶縁破壊電圧をJIS K6911に準じて、次のように測定した。まず、得られた熱伝導性シートの硬化物を30mm角に切断して試験片を得た。さらに、得られた試験片を円電極に挟んだ状態で絶縁油中に設置した。
次いで、菊水電子社製TOS9201を用いて、両電極に昇圧速度2.5kV/秒の速度で電圧が上昇するように、交流電圧を印加した。試験片が破壊した電圧を、絶縁破壊電圧とした。評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
○:8.0kV以上
△:5.0kV以上8.0kV未満
×:5.0kV未満
Figure 2020180216
実施例の樹脂組成物から作製した熱伝導性シートは、高い熱伝導率であるとともに、絶縁性や耐熱性において優れていた。

Claims (5)

  1. 熱硬化性樹脂と窒化ホウ素フィラーとを含む樹脂組成物であって、
    当該樹脂組成物を、基材に塗布し、加熱乾燥し、高圧プレスして、膜厚100μm以上200μm以下の試験膜を作製し、当該試験膜の表面を精密研磨して得られる研磨面を走査電子顕微鏡で観察したとき、前記研磨面に観察される長さ1μm以上、幅0.1μm以上5μm以下のマイクロクラックの数が、500個/mm以上5000個/mm以下である、樹脂組成物。
  2. 前記熱硬化性樹脂に対し、前記窒化ホウ素フィラーが、60質量%以上80質量%以下の量である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記熱硬化性樹脂が、シアネート樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコン樹脂、およびポリウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記樹脂組成物が、アクリル系共重合体をさらに含む、請求項1乃至3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 電子部品と放熱層とを備える電子部品構造体であって、
    前記放熱層が、請求項1乃至4のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物からなり、
    前記放熱層が、500個/mm以上5000個/mm以下の、長さ1μm以上、幅0.1μm以上5μm以下のマイクロクラックを有する、電子部品構造体。
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