JP2019022971A - 未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】誤差が小さく、より正確な断面形状の未加硫ゴムベルトを容易に形成し、更に、作業時間を短縮して、未加硫ゴムベルトを形成する際の効率を向上させる。【解決手段】軸周りに回転するように構成された回転体22の外周に未加硫スリーブ105が巻き掛けられた状態で回転体22の外周に未加硫スリーブ105が配置される。先端に向かって尖る刃先を有する溝切削刃が、回転体22の回転とともに周方向に走行する未加硫スリーブ105に対して押し付けられ、周方向に沿って未加硫スリーブ105の表面が切削され、未加硫スリーブ105の表面に周方向に沿った溝が形成される。外周に刃が設けられた回転刃が、回転体22の回転とともに周方向に走行する未加硫スリーブ105に対して、回転しながら溝に沿って押し付けられ、未加硫スリーブ105が周方向に切断され、未加硫ゴムベルトが形成される。【選択図】図7

Description

本発明は、未加硫ゴム層と心線とを有する筒状の未加硫スリーブから環状の未加硫ゴムベルトを形成するための未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置に関する。
従来より、動力を伝達する伝動ベルトとして、Vベルト、Vリブドベルト、平ベルトなど、摩擦によって動力を伝達するベルトが広く知られている。Vベルトは、V字状の断面を有する環状の伝動ベルトとして構成されている。そして、Vベルトとしては、ラップドVベルト及びローエッジVベルトが、用いられている。ラップドVベルトは、外被布で周囲が覆われたVベルトとして構成されている。一方、ローエッジVベルトは、摩擦によって動力を伝達する側面のゴム層が露出した状態のVベルトとして構成されている。
ラップドVベルトは、コンプレッサー、発電機、ポンプなどの一般産業用機械、或いは、田植え機、草刈り機などの農業機械、等において、伝動ベルトとして広く用いられている。ラップドVベルトは、ベルト内周側に圧縮ゴム層が設けられ、ベルト外周側に伸張ゴム層が設けられている。更に、ラップドVベルトにおいては、圧縮ゴム層と伸張ゴム層との間において、心線が埋設されている。そして、ラップVベルトは、環状に設けられた無端状のベルト本体の周囲全体がベルト周方向の全長に亘って外被布で被覆されて構成されている。
特許文献1においては、上述したラップドVベルトの製造方法が開示されている。特許文献1に開示された製造方法においては、次の工程A、工程B、及び工程Cの各工程が順次実施されることで、ラップドVベルトが製造される。
上記の工程Aにおいては、まず、円筒状ドラムの外周面に、圧縮ゴム層の素材の未加硫ゴムシート、心線、及び伸張ゴム層の素材の未加硫ゴムシートが、順次積層されて貼着され、筒状に形成される。これにより、未加硫ゴム層と心線とを有する筒状の未加硫スリーブが形成される。そして、工程Aにおいては、作成された上記の未加硫スリーブが、円筒状ドラムの外周に配置された状態で、周方向に切断される。これにより、矩形断面の環状の未加硫ゴムベルトが形成される。
更に、工程Aにおいては、未加硫ゴムベルトがドラムから取り外され、未加硫ゴムベルトの両側面における未加硫ゴムベルト径方向の一方の角部が所定の角度で切削される(スカイブされる)。これにより、未加硫ゴムベルトの断面形状が、V字状断面となるように形成される。そして、V字状断面となった未加硫ゴムベルトに対して、その周囲を外被布で覆うカバー巻き処理が施され、未加硫ベルト成形体が形成される。
上記の工程Aに次ぐ工程Bにおいては、上記の未加硫ベルト成形体が、リングモールドの凹溝に挿入される。そして、リングモールド及び未加硫ベルト成形体の外周面に円筒状のゴムスリーブが嵌め込まれた状態で、それらが加硫缶に収納され、所定の温度等の条件で加硫が行われる。これにより、加硫ベルトが生成される。最終の工程Cにおいては、生成された加硫ベルトが、リングモールドから取り外される。工程Cまで終了することで、ラップドVベルトが製造される。
また、特許文献2においては、矩形断面の未加硫ゴムベルトの両側面の角部を所定の角度で切削し、V字状断面の未加硫ゴムベルトを形成する装置であるスカイブ装置が開示されている。
特公昭63−236630号公報 特開平11−10594号公報
特許文献1に開示されているように、ラップドVベルトが製造される際には、筒状の未加硫スリーブが周方向に切断され、矩形断面の環状の未加硫ゴムベルトが形成される。矩形断面の環状の未加硫ゴムベルトの形成の際には、前述の円筒状ドラム等の回転体の外周に未加硫スリーブが配置された状態で、未加硫スリーブの切断が行われる。
未加硫スリーブが周方向に切断されて矩形断面の未加硫ゴムベルトが形成されると、上記の回転体の外周から、その矩形断面の未加硫ゴムベルトが取り外される。その後、特許文献2に開示されたようなスカイブ装置が用いられ、環状で矩形断面の未加硫ゴムベルトの角部が全周に亘って切除されてV字状断面の未加硫ゴムベルトが形成されるスカイブ工程が行われる。スカイブ工程を経た未加硫ゴムベルトのV字状断面の形状は、矩形状の部分と台形状の部分とが組み合わされた断面の形状となる。尚、特許文献1の図4及び図7においては、V字状断面の未加硫ゴムベルトの周囲が外被布で覆われた未加硫ベルト成形体の断面の形状が開示されている。また、特許文献2の図8においては、V字状断面の未加硫ゴムベルトの断面の形状が開示されている。
特許文献2のスカイブ装置は、一対のロールに巻き掛けた環状で矩形断面の未加硫ゴムベルトを一定の速度で周方向に回転走行させるように構成されている。そして、特許文献2のスカイブ装置は、環状で矩形断面の未加硫ゴムベルトを一対のロールで周方向に回転走行させながら、その回転走行する矩形断面の未加硫ゴムベルトの幅方向の両側の角部を、一対のロール間に配置したブレード刃によって全周に亘って切除し、V字状断面の未加硫ゴムベルトを形成するように構成されている。
特許文献2のスカイブ装置によると、一対のロールに巻き掛けて回転走行させている不安定な状態で、矩形断面の未加硫ゴムベルトの角部の切除が行われる。このため、矩形断面の未加硫ゴムベルトから切除される角部の断面積及び断面形状のばらつきが生じ易い。そして、矩形断面の未加硫ゴムベルトから切除される角部の切除量の誤差が大きく生じ易い。
矩形断面の未加硫ゴムベルトから切除される角部の切除量の誤差が大きく生じる場合として、未加硫ゴムベルトの幅方向の両側における一方に対する他方の角部の切除量の誤差が大きくなり、幅方向両側の角部の切除量のアンバランスが生じる場合がある。幅方向両側の角部の切除量のアンバランスが生じた未加硫ゴムベルトに外被布が被覆されて金型内で加硫されると、金型内での加硫時における断面形状の変化に伴い、心線の並びが乱れてしまう現象が生じることになる。このような心線並びの乱れが生じると、伝動ベルトとして使用される際に、走行時の振れが大きくなり、ベルト幅方向の両側面の摩耗が促進され易くなる。このため、上記のような心線並びの乱れが生じると、伝動ベルトとして使用される際におけるベルト耐久性の低下を招くことになる。
また、矩形断面の未加硫ゴムベルトから切除される角部の切除量の誤差が大きく生じる場合として、角部の切除量が過大となり、未加硫ゴムベルトの断面寸法が所望の断面寸法に比して過度に小さくなる場合がある。未加硫ゴムベルトの断面寸法が過度に小さいと、その未加硫ゴムベルトを素材として製造されるラップドVベルトの断面寸法も過度に小さくなる。断面寸法が過度に小さいラップドVベルトが伝動ベルトとして使用されると、適正な断面寸法のラップドVベルトに比して、プーリのV溝に大きく落ち込んだ状態での走行状態となり、相対的に小プーリ径で走行している状態と同様の走行状態となる。このため、伝動ベルトとして使用される際における屈曲走行条件が相対的に厳しくなり、耐屈曲走行性能が低下する結果となる。
また、矩形断面の未加硫ゴムベルトから切除される角部の切除量の誤差が大きく生じる場合として、角部の切除量が過小となり、未加硫ゴムベルトの断面寸法が所望の断面寸法に比して過度に大きくなる場合がある。未加硫ゴムベルトの断面寸法が過度に大きいと、その未加硫ゴムベルトを素材として製造されるラップドVベルトの断面寸法も過度に大きくなる。断面寸法が過度に大きいラップドVベルトは、適正な断面寸法のラップドVベルトに比して、曲げ難くなる。このため、伝動ベルトとして使用される際における耐屈曲走行性能が低下する結果となる。
上述のように、特許文献2のスカイブ装置を用いたスカイブ工程を行うと、矩形断面の未加硫ゴムベルトから切除される角部の切除量の誤差が大きく生じ易い。そして、角部の切除量の誤差が大きく生じた未加硫ゴムベルトを素材として製造されたラップドVベルトが伝動ベルトとして使用されると、ベルト耐久性及び耐屈曲走行性能の低下を招くことになる。よって、誤差が小さく、より正確な断面形状の未加硫ゴムベルトを容易に形成できる方法及び装置の実現が望ましい。
また、特許文献2のスカイブ装置を用いたスカイブ工程を行う場合、一旦、未加硫スリーブから環状で矩形断面の未加硫ゴムベルトを形成する必要がある。そして、矩形断面の未加硫ゴムベルトの1本ずつに対して、独立して、スカイブ工程を実施する必要がある。更に、そのスカイブ工程においては、矩形断面の未加硫ゴムベルトを一対のロールに巻き掛け、一対のロールで回転走行させながら矩形断面の未加硫ゴムベルトの角部を切除する工程が必要となる。このため、作業時間を多く要し、未加硫ゴムベルトを形成する際の効率の低下を招くことになる。よって、作業時間を短縮して、未加硫ゴムベルトを形成する際の効率を向上させることができる方法及び装置の実現が望ましい。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、誤差が小さく、より正確な断面形状の未加硫ゴムベルトを容易に形成でき、更に、作業時間を短縮して、未加硫ゴムベルトを形成する際の効率を向上させることができる、未加硫ゴムベルト形成方法、及び未加硫ゴムベルト形成装置を提供することである。
(1)上記目的を達成するための本発明のある局面に係る未加硫ゴムベルト形成方法は、未加硫ゴム層と心線とを有する筒状の未加硫スリーブから環状の未加硫ゴムベルトを形成するための未加硫ゴムベルト形成方法に関する。そして、本発明のある局面に係る未加硫ゴムベルト形成方法は、軸周りに回転するように構成された回転体の外周の少なくとも一部に前記未加硫スリーブが巻き掛けられた状態で前記回転体の外周に前記未加硫スリーブが配置される、未加硫スリーブ配置工程と、先端に向かって尖る刃先を有する溝切削刃が、前記回転体に配置されて前記回転体の回転とともに周方向に走行する前記未加硫スリーブに対して、押し付けられることで、前記未加硫スリーブの周方向に沿って当該未加硫スリーブの表面が切削され、前記未加硫スリーブの表面に当該未加硫スリーブの周方向に沿った溝が形成される、溝切削工程と、外周に刃が設けられた回転刃が、前記回転体に配置されて前記回転体の回転とともに周方向に走行する前記未加硫スリーブに対して、回転しながら前記溝に沿って押し付けられることで、又は、回転しながら前記溝に対応した位置に沿って押し付けられることで、前記未加硫スリーブが周方向に切断され、前記未加硫ゴムベルトが形成される、切断工程と、を備えている。
この構成によると、回転体の外周に巻き掛けられた状態で配置されて回転体の回転とともに周方向に走行する未加硫スリーブに対して、先端に向かって尖る刃先を有する溝切削刃が押し付けられ、未加硫スリーブの表面が切削されて周方向に沿った溝が形成される。これにより、従来の矩形断面の未加硫ゴムベルトの角部に対応する部分が、予め、未加硫スリーブから未加硫ゴムベルトが切り出される前の段階で、切除されることになる。即ち、上記の構成によると、従来のように未加硫スリーブから矩形断面の未加硫ゴムベルトが切り出されることが無い。
そして、上記の構成によると、従来のスカイブ工程の場合に矩形断面の未加硫ゴムベルトからスカイブ装置によって切除される部分に対応する部分は、誤差も小さい状態で正確に、且つ、容易に、切除される。即ち、上記の構成によると、回転体の外周に巻き掛けられた状態で配置されて回転体の回転とともに安定した状態で周方向に走行する未加硫スリーブに溝切削刃が押し付けられて未加硫スリーブの表面が切削されることで、未加硫スリーブの周方向に沿って、誤差が非常に小さく正確な形状の溝が容易に形成される。これにより、従来のスカイブ工程での切除対象となる部分に対応する部分が、誤差も非常に小さい状態で正確に且つ容易に切除されることになる。
更に、上記の構成によると、回転体の回転とともに安定した状態で周方向に走行する未加硫スリーブに対して、回転刃が回転しながら溝に沿って押し付けられることで、又は、回転刃が回転しながら溝に対応した位置に沿って押し付けられることで、未加硫スリーブが周方向に切断されて未加硫ゴムベルトが形成される。これにより、矩形状の部分と台形状の部分とが組み合わされたV字状断面の形状の未加硫ゴムベルトが形成される。そして、上記の構成によると、未加硫スリーブには、回転刃による切断時には、既に、誤差が非常に小さく正確な形状の溝が形成されている。更に、回転体の回転とともに安定した状態で周方向に走行する未加硫スリーブが、未加硫スリーブの周方向に延びる正確な断面形状の溝に沿って又はその溝に対応した位置に沿って、正確な切断位置で、容易に、回転刃によって切断される。これにより、誤差が小さく、正確な断面形状の未加硫ゴムベルトが、容易に形成されることになる。
また、上記の構成によると、回転体の回転とともに周方向に走行する未加硫スリーブに対して周方向に溝を切削し、更に、その溝に沿って又はその溝に対応した位置に沿って未加硫スリーブを切断することで、未加硫ゴムベルトが形成される。このため、上記の構成によると、特許文献2に開示されたような従来のスカイブ装置を用いたスカイブ工程を行う必要が無く、未加硫スリーブの状態から、短時間で、非常に容易に、効率よく、未加硫ゴムベルトを形成することができる。よって、上記の構成によると、作業時間を短縮して、未加硫ゴムベルトを形成する際の効率を向上させることができる。
以上説明したように、本発明のある局面に係る上記の構成によると、誤差が小さく、より正確な断面形状の未加硫ゴムベルトを容易に形成でき、更に、作業時間を短縮して、未加硫ゴムベルトを形成する際の効率を向上させることができる、未加硫ゴムベルト形成方法を提供することができる。
尚、本発明のある局面に係る上記の構成によると、上述の通り、正確な断面形状の未加硫ゴムベルトが形成される。このため、従来のスカイブ装置によって矩形断面の未加硫ゴムベルトから角部を切除してV字状断面の未加硫ゴムベルトを形成する方法とは異なり、未加硫ゴムベルトの断面形状のばらつきが発生することが大幅に抑制される。よって、本発明のある局面に係る上記の構成によると、未加硫ゴムベルトの幅方向の断面形状のアンバランスが生じることによって発生するラップドVベルトの状態での心線並びの乱れの発生も大幅に抑制することができる。また、本発明のある局面に係る上記の構成によると、未加硫ゴムベルトの断面寸法が所望の断面寸法に比して過度に大きく或いは過度に小さくなってしまうことを大幅に抑制できる。このため、断面寸法が過度に大きい又は過度に小さいラップドVベルトが製造されてしまうことを大幅に抑制できる。
また、従来のスカイブ装置によって矩形断面の未加硫ゴムベルトから角部を切除してV字状断面の未加硫ゴムベルトを形成する方法によると、切除量の誤差が大きくなり易いため、未加硫ゴム層だけではなく、心線まで、誤って切除されてしまい易い。スカイブ工程において心線まで切除されると、未加硫ゴムの切除屑に心線の屑が混入することになる。このため、未加硫ゴムの切除屑を未加硫ゴム素材として再利用することが困難になるという問題がある。しかしながら、本発明のある局面に係る上記の構成によると、溝切削工程において、未加硫スリーブの周方向に沿って、誤差が非常に小さく正確な形状の溝が形成される。このため、誤って、心線まで切削されてしまうことが大幅に抑制される。このため、本発明のある局面に係る上記の構成によると、未加硫ゴムの切削屑に心線の屑が混入してしまうことが大幅に抑制され、未加硫ゴムの切削屑を未加硫ゴム素材として再利用することが容易になる。
また、本発明のある局面に係る上記の構成によると、上述の通り、正確な断面形状の未加硫ゴムベルトが形成される。このため、従来のスカイブ装置によって矩形断面の未加硫ゴムベルトから角部を切除してV字状断面の未加硫ゴムベルトを形成する方法とは異なり、周方向における結合部分での断面形状のばらつきが発生することも大幅に抑制される。尚、未加硫スリーブは、未加硫ゴムのシートの端部同士が接合されることで筒状に成形されるため、未加硫スリーブには、周方向における一部において結合部分が存在する。このため、従来のように、未加硫スリーブから矩形断面の未加硫ゴムベルトを一旦形成する場合においても、未加硫ゴムベルトの周方向における一部に上記の結合部分が存在することになる。そして、矩形断面の未加硫ゴムベルトにおける上記の結合部分においては、厚みのばらつきが生じ易く、また、反り変形或いは曲げ変形も生じ易い。一方、従来のスカイブ装置によって矩形断面の未加硫ゴムベルトから角部を切除してV字状断面の未加硫ゴムベルトを形成する方法によると、一対のロールに矩形断面の未加硫ゴムベルトを巻き掛けて回転走行させている不安定な状態で角部が切除されることとなる。このため、スカイブ装置での不安定な切除処理の際に、矩形断面の未加硫ゴムベルトにおいて厚みのばらつき等が生じている上記の結合部分を起点として、更に断面形状のばらつきが増幅されて発生してしまい易いという問題がある。しかしながら、本発明のある局面に係る上記の構成によると、正確な断面形状の未加硫ゴムベルトが形成されるため、未加硫ゴムベルトの周方向における結合部分での断面形状のばらつきが発生することも大幅に抑制される。
尚、未加硫ゴムベルトにおける結合部分において断面形状のばらつきがあると、その未加硫ゴムベルトから製造されるラップドVベルトにおいても、断面寸法のはらつきが大きくなる。この場合、プーリのV溝に嵌り込んで走行するラップドVベルトは、プーリに対して振れるように振動しながら走行する状態となり、ラップドVベルトの走行状態が不安定となり易い。しかしながら、本発明のある局面に係る上記の構成によると、未加硫ゴムベルトの周方向における結合部分での断面形状のばらつきが発生することが大幅に抑制されるため、その未加硫ゴムベルトから製造されるラップドVベルトにおいても、断面寸法のはらつきを大幅に小さくすることができる。そして、ラップドVベルトがプーリに対して振れるように振動しながら走行することを抑制でき、プーリにおいてラップドVベルトを安定した状態で走行させることができる。
また、本発明のある局面に係る上記の構成によると、上述の通り、特許文献2に開示されたような従来のスカイブ装置を用いたスカイブ工程を行う必要が無い。このため、スカイブ装置が不要となることに伴って、未加硫ゴムベルトを形成するための生産現場の省スペース化を図ることができ、生産現場のスペースを有効に利用することができる。また、本発明のある局面に係る上記の構成によると、従来のスカイブ工程が不要となるため、工数の削減となり、製造コストを低減することができる。
尚、未加硫ゴムベルトを素材として製造されるラップドVベルトには、耐摩耗性、耐屈曲疲労性、耐熱性、耐寒性などの耐久性、動力伝達性、等の性能が要求される。さらに、近年、ラップドVベルトが使用される際のベルト走行時の条件は、厳しくなる傾向にある。より具体的には、エンジンのコンパクト化に伴うプーリの小径化、動力伝達機構の多機能化に伴う多軸化の傾向があり、逆曲げを含めて屈曲回数が増加し、ラップドVベルトの走行条件が厳しくなる傾向にある。
上記のような厳しい条件下においても効率よく動力伝達を行うためには、ラップドVベルトにおいて、ベルト幅方向の両側面(V字状断面の左右の両側面)が、プーリのV溝の両内壁面に対して均等にバランス良く動力を伝達することができる摩擦伝動面となる必要がある。そのためには、動力伝達の中心部分である心線がその役割を十分に果すことができるように、ゴム中に埋設した心線に均等な張力がかかり、ラップドVベルトのV字状断面がプーリのV溝に均等にバランス良く沈み込むことができる必要がある。この条件が達成されることで、摩擦力を介して動力をプーリのV溝の両内壁面に対して均等にバランスよく伝達でき、効率の良い動力伝達を実現することができる。よって、近年の厳しい条件下においても効率よく動力伝達を行うためには、ラップドVベルトにおいて、ゴム中に埋設した心線に均等な張力がかかるように、心線並びの乱れ(心線群の位置(ライン)の乱れ)が抑制されていることが望ましい。
上記の実情に対し、本発明のある局面に係る上記の構成によると、未加硫ゴムベルトの幅方向の断面形状のアンバランスが生じることによって発生するラップドVベルトの状態での心線並びの乱れの発生も大幅に抑制することができる。よって、本発明のある局面に係る上記の構成の方法によって形成された未加硫ゴムベルトを素材として製造されるラップドVベルトは、心線並びの乱れが大幅に抑制されており、近年の厳しい条件下においても効率よく動力伝達を行うことができる。
(2)前記溝切削工程において、先端に向かって鋭角で尖る形状の前記刃先を有する前記溝切削刃が用いられ、前記未加硫スリーブの表面が切削されてもよい。
この構成によると、先端に向かって鋭角で尖る形状の刃先を有する溝切削刃によって未加硫スリーブの表面が切削され、未加硫スリーブの周方向に溝が形成される。このため、より切削抵抗の少ない刃先形状で、より滑らかに、未加硫スリーブの表面を切削することができる。また、切削によって未加硫スリーブの表面に形成する溝の形状に応じて、適宜、刃先が尖る角度を設定することで、刃先形状を容易に決定することができる。よって、溝切削刃を簡素な構造で実現することができる。
(3)前記溝切削工程において、前記溝切削刃を複数有する溝切削器具が用いられ、複数の前記溝切削刃が同時に前記未加硫スリーブに押し付けられることで、前記未加硫スリーブの複数個所で前記未加硫スリーブの周方向に沿って当該未加硫スリーブの表面が切削され、前記未加硫スリーブの表面に複数の前記溝が同時に形成されてもよい。
この構成によると、複数の溝切削刃によって未加硫スリーブが複数個所で同時に切削され、未加硫スリーブの表面に複数の溝が同時に形成される。このため、未加硫スリーブの表面に溝を形成する際の作業効率を大幅に向上させることができる。これにより、作業時間を更に短縮して、未加硫ゴムベルトを形成する際の効率を更に向上させることができる。
(4)前記溝切削工程において用いられる前記溝切削器具における複数の前記溝切削刃は、一体に設けられていてもよい。
この構成によると、溝切削器具において、複数の溝切削刃が一体に設けられている。このため、複数の溝を同時に形成するために複数の溝切削刃を未加硫スリーブの表面に同時に押し付けて未加硫スリーブの表面を切削する作業を更に容易に行うことができる。これにより、更なる作業の効率化を図ることができる。
(5)前記溝切削工程において、前記未加硫スリーブに対して押し付けられる前記溝切削刃が当該未加硫スリーブの表面から内部に向かって押し込まれる深さである押し込み量が、調整されることで、前記未加硫スリーブの表面に形成される前記溝の深さが調整されてもよい。
この構成によると、未加硫スリーブの表面の溝の深さを容易に調整することができる。また、未加硫スリーブの表面に形成する溝の深さが異なる場合であっても、同じ溝切削刃を用いて柔軟に対応することができる。
(6)前記溝切削工程において、前記押し込み量が調整されることで前記溝の深さが調整され、当該溝切削工程において用いられる前記溝切削刃の前記刃先は、先端に向かって一定の角度の鋭角で尖るように構成されていてもよい。
この構成によると、一定角度の鋭角で尖る溝切削刃の押し込み量を調整するため、未加硫スリーブの表面に形成される相似形状の断面の溝の深さを調整することができる。そして、未加硫スリーブの表面に形成する相似形状の断面の溝の深さを容易に調整することができる。また、未加硫スリーブの表面から切除する未加硫ゴムの量が異なり、未加硫スリーブの表面に形成する相似形状の断面の溝の深さが異なる場合であっても、同じ溝切削刃を用いて柔軟に対応することができる。
(7)前記未加硫スリーブ配置工程において、複数の前記回転体のそれぞれの外周の一部に前記未加硫スリーブが巻き掛けられた状態で複数の前記回転体の外周に前記未加硫スリーブが配置されてもよい。
この構成によると、未加硫スリーブは、複数の回転体に対してそれらの外周に巻き掛けられた状態で配置されるため、未加硫スリーブの周方向の長さが長い場合であっても、また、未加硫スリーブの厚みが厚い場合であっても、回転体の外周に未加硫スリーブを容易に配置することができる。このため、上記の構成によると、未加硫ゴムベルトが切り出される未加硫スリーブの周方向の長さが長い場合或いは厚みが厚い場合であっても、回転体の外周に未加硫スリーブを容易に配置して容易に未加硫ゴムベルトを形成することができる。
また、上記の構成によると、未加硫スリーブの周方向の長さが長い場合或いは厚みが厚い場合であっても、容易に未加硫ゴムベルトを形成でき、従来のスカイブ装置を用いる必要が無い。尚、従来のスカイブ装置を用いる方法であれば、未加硫ゴムベルトの周方向の長さが長い場合或いは厚みが厚い(断面積が大きい)場合は、切断後の矩形断面の未加硫ゴムベルトをスカイブ装置まで搬送してスカイブ装置に装着する作業は、複数の作業者による作業を要する重労働であった。しかし、上記の構成によると、未加硫ゴムベルトの周方向の長さが長い場合或いは厚みが厚い(断面積が大きい)場合であっても、従来のスカイブ装置を用いる必要が無く、複数の作業者による作業を要する重労働も省略することができる。
(8)前記未加硫スリーブ配置工程において、複数の前記回転体として、少なくとも4つの前記回転体が用いられ、複数の前記回転体のうちの少なくとも1つの前記回転体である第1回転体に対しては、前記未加硫スリーブの外周側の面が巻き掛けられ、複数の前記回転体のうちの前記第1回転体以外の前記回転体である第2回転体に対しては、前記未加硫スリーブの内周側の面が巻き掛けられ、前記溝切削工程において、前記溝切削刃が、前記第1回転体及び前記第2回転体のうちの一方に巻き掛けられた前記未加硫スリーブに対して押し付けられ、前記切断工程において、前記回転刃が、回転しながら、前記第1回転体及び前記第2回転体のうちの他方に巻き掛けられた前記未加硫スリーブに対して、前記溝に対応した位置に沿って押し付けられてもよい。
この構成によると、未加硫スリーブは、少なくとも4つの回転体として構成された複数の回転体のうちの第1回転体に対しては、外周側の面で巻き掛けられ、複数の回転体のうちの残りの全ての回転体である第2回転体に対しては、内周側の面で巻き掛けられた状態で、複数の回転体の外周に配置される。この状態では、未加硫スリーブの内側に第2回転体が配置され、未加硫スリーブの外側に第1回転体が配置された状態となる。そして、溝切削工程においては、溝切削刃が、第1回転体及び第2回転体のうちの一方に巻き掛けられた未加硫スリーブに対して押し付けられる。更に、切断工程においては、回転刃が、回転しながら、第1回転体及び第2回転体のうちの他方に巻き掛けられた未加硫スリーブに対して、溝に対応した位置に沿って押し付けられる。
よって、溝切削刃が、第1回転体に巻き掛けられた未加硫スリーブに対して押し付けられる場合は、回転刃は、第2回転体に巻き掛けられた未加硫スリーブに対して、溝に対応した位置に沿って押し付けられる。そして、この場合は、未加硫スリーブにおいて第1回転体に巻き掛けられた外周側の面とは反対側の内周側の面として構成された未加硫スリーブの表面が溝切削刃によって切削され、未加硫スリーブの内周側の面に未加硫スリーブの周方向に沿った溝が形成される。更に、この場合は、回転刃が、未加硫スリーブに対して、第2回転体に巻き掛けられた内周側の面とは反対側の外周側の面から溝に対応した位置に沿って押し付けられる。これにより、未加硫スリーブが溝に沿って周方向に切断され、未加硫ゴムベルトが形成される。
一方、切削刃が、第2回転体に巻き掛けられた未加硫スリーブに対して押し付けられる場合は、回転刃は、第1回転体に巻き掛けられた未加硫スリーブに対して、溝に対応した位置に沿って押し付けられる。そして、この場合は、未加硫スリーブにおいて第2回転体に巻き掛けられた内周側の面とは反対側の外周側の面として構成された未加硫スリーブの表面が溝切削刃によって切削され、未加硫スリーブの外周側の面に未加硫スリーブの周方向に沿った溝が形成される。更に、この場合は、回転刃が、未加硫スリーブに対して、第1回転体に巻き掛けられた外周側の面とは反対側の内周側の面から溝に対応した位置に沿って押し付けられる。これにより、未加硫スリーブが溝に沿って周方向に切断され、未加硫ゴムベルトが形成される。
従って、上記の構成によると、回転刃による未加硫スリーブの切断の際、回転刃は、未加硫スリーブに対して、溝切削刃によって溝が切削された側の面とは反対側の面から押し付けられることになる。このため、回転刃を未加硫スリーブに対して溝に達する位置まで押し付けることで、未加硫スリーブを溝に沿って周方向に切断して未加硫ゴムベルトを形成することができる。そうすると、回転体の外周の表面に回転刃を接触させることなく、未加硫スリーブを溝に沿って周方向に切断して未加硫ゴムベルトを形成することができる。このため、回転体の外周の表面を回転刃で傷つけて損傷させてしまうことを防止することができる。これにより、回転体の長寿命化を図ることができる。
また、回転体の外周の表面が回転刃によって損傷すると、回転体の表面が滑らかでなくなり、回転体の表面に凹凸が生じることになる。表面に凹凸が生じた状態の回転体に未加硫スリーブが巻き掛けられる場合、回転体の回転とともに走行する未加硫スリーブの周方向に作用する張力において未加硫スリーブの幅方向でばらつきが生じ、未加硫スリーブの走行状態が不安定となる。そして、未加硫スリーブが幅方向に振れながら走行し易くなってしまう。この場合、溝切削工程において未加硫スリーブが振れながら走行すると、溝の形状及び未加硫スリーブの幅方向における溝の位置のばらつきを増大させてしまう虞がある。更に、切断工程において未加硫スリーブが振れながら走行すると、未加硫スリーブの幅方向における切断位置のばらつきを増大させてしまう虞がある。しかし、上記の構成によると、回転体の外周の表面を回転刃で傷つけて損傷させてしまうことを防止でき、回転体の長寿命化を図ることができる。このため、回転体を長期間に亘って繰り返し使用した場合であっても、溝の形状及び未加硫スリーブの幅方向における溝の位置のばらつき、及び、未加硫スリーブの幅方向における切断位置のばらつきが生じてしまうことを抑制することができる。
尚、回転体として、金属製の回転ドラムの外周にゴム製の外周スリーブが装着されて構成された回転体を用いることができる。この場合、回転刃が外周スリーブの表面に接触するとゴム製の外周スリーブの損傷が生じ易くなってしまう虞がある。しかし、上記の構成によると、外周スリーブの表面に回転刃を接触させることなく、未加硫スリーブを溝に沿って周方向に切断して未加硫ゴムベルトを形成することができる。このため、外周スリーブの表面を回転刃で傷つけて損傷させてしまうことを防止することができ、外周スリーブの長寿命化を図ることができる。
(9)上記目的を達成するための本発明のある局面に係る未加硫ゴムベルト形成装置は、未加硫ゴム層と心線とを有する筒状の未加硫スリーブから環状の未加硫ゴムベルトを形成するための未加硫ゴムベルト形成装置に関する。そして、本発明のある局面に係る未加硫ゴムベルト形成装置は、軸周りに回転するように構成された回転体を有し、前記回転体の外周の少なくとも一部に前記未加硫スリーブが巻き掛けられた状態で前記回転体の外周に前記未加硫スリーブが配置されるように構成された、回転機構と、先端に向かって尖る刃先を有する溝切削刃を有し、前記回転体に配置されて前記回転体の回転とともに周方向に走行する前記未加硫スリーブに対して、前記溝切削刃を押し付けることで、前記未加硫スリーブの周方向に沿って当該未加硫スリーブの表面を切削し、前記未加硫スリーブの表面に当該未加硫スリーブの周方向に沿った溝を形成する、溝切削機構と、外周に刃が設けられた回転刃を有し、前記回転体に配置されて前記回転体の回転とともに周方向に走行する前記未加硫スリーブに対して、前記回転刃を回転させながら前記溝に沿って押し付けることで、又は、前記回転刃を回転させながら前記溝に対応した位置に沿って押し付けることで、前記未加硫スリーブを周方向に切断し、前記未加硫ゴムベルトを形成する、切断機構と、を備えている。
この構成によると、回転体の外周に巻き掛けられた状態で配置されて回転体の回転とともに周方向に走行する未加硫スリーブに対して、先端に向かって尖る刃先を有する溝切削刃を押し付け、未加硫スリーブの表面を切削して周方向に沿った溝を形成する。このため、上記の構成によると、従来のように未加硫スリーブから矩形断面の未加硫ゴムベルトが切り出されることが無い。そして、上記の構成によると、回転体の外周に巻き掛けられた状態で配置されて回転体の回転とともに安定した状態で周方向に走行する未加硫スリーブに溝切削刃を押し付けて未加硫スリーブの表面を切削することで、未加硫スリーブの周方向に沿って、誤差が非常に小さく正確な形状の溝を容易に形成することができる。
更に、上記の構成によると、回転体の回転とともに安定した状態で周方向に走行する未加硫スリーブに対して、回転刃を回転させながら溝に沿って押し付けることで、又は、回転刃を回転させながら溝に対応した位置に沿って押し付けることで、未加硫スリーブを周方向に切断して未加硫ゴムベルトを形成する。これにより、V字状断面の形状の未加硫ゴムベルトを形成する。そして、上記の構成によると、回転体の回転とともに安定した状態で周方向に走行する未加硫スリーブを、未加硫スリーブの周方向に延びる正確な断面形状の溝に沿って又はその溝に対応した位置に沿って、正確な切断位置で、容易に、回転刃によって切断できる。これにより、誤差が小さく、正確な断面形状の未加硫ゴムベルトを容易に形成することができる。
また、上記の構成によると、回転体の回転とともに周方向に走行する未加硫スリーブに対して周方向に溝を切削し、更に、その溝に沿って又はその溝に対応した位置に沿って未加硫スリーブを切断することで、未加硫ゴムベルトを形成する。このため、上記の構成によると、特許文献2に開示されたような従来のスカイブ装置を用いたスカイブ工程を行う必要が無く、未加硫スリーブの状態から、短時間で、非常に容易に、効率よく、未加硫ゴムベルトを形成することができる。よって、上記の構成によると、作業時間を短縮して、未加硫ゴムベルトを形成する際の効率を向上させることができる。
従って、本発明のある局面に係る上記の構成によると、誤差が小さく、より正確な断面形状の未加硫ゴムベルトを容易に形成でき、更に、作業時間を短縮して、未加硫ゴムベルトを形成する際の効率を向上させることができる、未加硫ゴムベルト形成装置を提供することができる。
(10)前記回転機構は、複数の前記回転体を有し、複数の前記回転体のそれぞれの外周の一部に前記未加硫スリーブが巻き掛けられた状態で、複数の前記回転体のうちの少なくとも1つの前記回転体を回転駆動し、前記未加硫スリーブを周方向に走行させてもよい。
この構成によると、未加硫スリーブは、複数の回転体に対してそれらの外周に巻き掛けられた状態で配置されるため、未加硫スリーブの周方向の長さが長い場合であっても、また、未加硫スリーブの厚みが厚い場合であっても、回転体の外周に未加硫スリーブを容易に配置することができる。このため、上記の構成によると、未加硫ゴムベルトが切り出される未加硫スリーブの周方向の長さが長い場合或いは厚みが厚い場合であっても、回転体の外周に未加硫スリーブを容易に配置して容易に未加硫ゴムベルトを形成することができる。
また、上記の構成によると、未加硫スリーブの周方向の長さが長い場合或いは厚みが厚い場合であっても、容易に未加硫ゴムベルトを形成でき、従来のスカイブ装置を用いる必要が無い。尚、従来のスカイブ装置を用いる方法であれば、未加硫ゴムベルトの周方向の長さが長い場合或いは厚みが厚い(断面積が大きい)場合は、切断後の矩形断面の未加硫ゴムベルトをスカイブ装置まで搬送してスカイブ装置に装着する作業は、複数の作業者による作業を要する重労働であった。しかし、上記の構成によると、未加硫ゴムベルトの周方向の長さが長い場合或いは厚みが厚い(断面積が大きい)場合であっても、従来のスカイブ装置を用いる必要が無く、複数の作業者による作業を要する重労働も省略することができる。
また、上記の構成によると、複数の回転体に未加硫スリーブを巻き掛けた状態で、未加硫スリーブを周回させるように周方向に走行させることができる。このため、未加硫スリーブの周方向の長さが長い場合であっても、筒状の未加硫スリーブの径寸法に比して小径の回転体を複数有する回転機構によって、未加硫スリーブを容易に周方向に走行させることができる。
(11)前記回転機構は、複数の前記回転体として一対の前記回転体を有し、一対の前記回転体のうちの一方が、回転駆動される駆動ロールとして構成され、一対の前記回転体のうちの他方が、前記駆動ロールの回転に伴って周方向に走行する前記未加硫スリーブの走行とともに回転する従動ロールとして構成されていてもよい。
この構成によると、複数の回転体に未加硫スリーブを巻き掛けた状態で未加硫スリーブを周回させるように周方向に走行させる構造を、駆動ロール及び従動ロールで構成される一対の回転体を用いた簡素な構造で実現することができる。
(12)前記回転機構は、複数の前記回転体として、少なくとも4つの前記回転体を有し、複数の前記回転体のうちの少なくとも1つの前記回転体である第1回転体に対しては、前記未加硫スリーブの外周側の面が巻き掛けられ、複数の前記回転体のうちの前記第1回転体以外の前記回転体である第2回転体に対しては、前記未加硫スリーブの内周側の面が巻き掛けられ、前記溝切削機構は、前記第1回転体及び前記第2回転体のうちの一方に巻き掛けられた前記未加硫スリーブに対して、前記溝切削刃を押し付け、前記切断機構は、前記第1回転体及び前記第2回転体のうちの他方に巻き掛けられた前記未加硫スリーブに対して、前記回転刃を回転させながら前記溝に対応した位置に沿って押し付けてもよい。
この構成によると、未加硫スリーブは、少なくとも4つの回転体として構成された複数の回転体のうちの第1回転体に対しては、外周側の面で巻き掛けられ、複数の回転体のうちの残りの全ての回転体である第2回転体に対しては、内周側の面で巻き掛けられた状態で、複数の回転体の外周に配置される。この状態では、未加硫スリーブの内側に第2回転体が配置され、未加硫スリーブの外側に第1回転体が配置された状態となる。そして、溝切削機構は、第1回転体及び第2回転体のうちの一方に巻き掛けられた未加硫スリーブに対して溝切削刃を押し付ける。更に、切断機構は、第1回転体及び第2回転体のうちの他方に巻き掛けられた未加硫スリーブに対して、回転刃を回転させながら溝に対応した位置に沿って押し付ける。
よって、溝切削機構が、第1回転体に巻き掛けられた未加硫スリーブに対して溝切削刃を押し付ける場合は、切断機構は、第2回転体に巻き掛けられた未加硫スリーブに対して、回転刃を回転させながら溝に対応した位置に沿って押し付ける。そして、この場合は、未加硫スリーブにおいて第1回転体に巻き掛けられた外周側の面とは反対側の内周側の面として構成された未加硫スリーブの表面が溝切削刃によって切削され、未加硫スリーブの内周側の面に未加硫スリーブの周方向に沿った溝が形成される。更に、この場合は、回転刃が、未加硫スリーブに対して、第2回転体に巻き掛けられた内周側の面とは反対側の外周側の面から溝に対応した位置に沿って押し付けられる。これにより、未加硫スリーブが溝に沿って周方向に切断され、未加硫ゴムベルトが形成される。
一方、溝切削機構が、第2回転体に巻き掛けられた未加硫スリーブに対して溝切削刃を押し付ける場合は、切断機構は、第1回転体に巻き掛けられた未加硫スリーブに対して、回転刃を回転させながら溝に対応した位置に沿って押し付ける。そして、この場合は、未加硫スリーブにおいて第2回転体に巻き掛けられた内周側の面とは反対側の外周側の面として構成された未加硫スリーブの表面が溝切削刃によって切削され、未加硫スリーブの外周側の面に未加硫スリーブの周方向に沿った溝が形成される。更に、この場合は、回転刃が、未加硫スリーブに対して、第1回転体に巻き掛けられた外周側の面とは反対側の内周側の面から溝に対応した位置に沿って押し付けられる。これにより、未加硫スリーブが溝に沿って周方向に切断され、未加硫ゴムベルトが形成される。
従って、上記の構成によると、回転刃による未加硫スリーブの切断の際、回転刃は、未加硫スリーブに対して、溝切削刃によって溝が切削された側の面とは反対側の面から押し付けられることになる。このため、回転刃を未加硫スリーブに対して溝に達する位置まで押し付けることで、未加硫スリーブを溝に沿って周方向に切断して未加硫ゴムベルトを形成することができる。そうすると、回転体の外周の表面に回転刃を接触させることなく、未加硫スリーブを溝に沿って周方向に切断して未加硫ゴムベルトを形成することができる。このため、回転体の外周の表面を回転刃で傷つけて損傷させてしまうことを防止することができる。これにより、回転体の長寿命化を図ることができる。
また、回転体の外周の表面が回転刃によって損傷すると、回転体の表面が滑らかでなくなり、回転体の表面に凹凸が生じることになる。表面に凹凸が生じた状態の回転体に未加硫スリーブが巻き掛けられる場合、回転体の回転とともに走行する未加硫スリーブの周方向に作用する張力において未加硫スリーブの幅方向でばらつきが生じ、未加硫スリーブの走行状態が不安定となる。そして、未加硫スリーブが幅方向に振れながら走行し易くなってしまう。この場合、溝切削機構によって未加硫スリーブに溝を形成する際に未加硫スリーブが振れながら走行すると、溝の形状及び未加硫スリーブの幅方向における溝の位置のばらつきを増大させてしまう虞がある。更に、切断機構によって未加硫スリーブを切断する際に未加硫スリーブが振れながら走行すると、未加硫スリーブの幅方向における切断位置のばらつきを増大させてしまう虞がある。しかし、上記の構成によると、回転体の外周の表面を回転刃で傷つけて損傷させてしまうことを防止でき、回転体の長寿命化を図ることができる。このため、回転体を長期間に亘って繰り返し使用した場合であっても、溝の形状及び未加硫スリーブの幅方向における溝の位置のばらつき、及び、未加硫スリーブの幅方向における切断位置のばらつきが生じてしまうことを抑制することができる。
尚、回転体として、金属製の回転ドラムの外周にゴム製の外周スリーブが装着されて構成された回転体を用いることができる。この場合、回転刃が外周スリーブの表面に接触するとゴム製の外周スリーブの損傷が生じ易くなってしまう虞がある。しかし、上記の構成によると、外周スリーブの表面に回転刃を接触させることなく、未加硫スリーブを溝に沿って周方向に切断して未加硫ゴムベルトを形成することができる。このため、外周スリーブの表面を回転刃で傷つけて損傷させてしまうことを防止することができ、外周スリーブの長寿命化を図ることができる。
本発明によると、誤差が小さく、より正確な断面形状の未加硫ゴムベルトを容易に形成でき、更に、作業時間を短縮して、未加硫ゴムベルトを形成する際の効率を向上させることができる、未加硫ゴムベルト形成方法、及び未加硫ゴムベルト形成装置を提供することができる。
ラップドVベルトの一部を示す斜視図であって、一部を断面で示す図である。 ラップドVベルトの製造工程を示すチャート図である。 未加硫スリーブを模式的に示す斜視図である。 未加硫ゴムベルトを模式的に示す斜視図である。 未加硫ゴムベルトの一部を模式的に示す斜視図であって、一部を断面で示す図である。 本発明の一実施の形態に係る未加硫ゴムベルト形成装置を模式的に示す正面図である。 未加硫ゴムベルト形成装置を模式的に示す平面図である。 未加硫ゴムベルト形成装置を図7のX1−X1線矢視方向から見た図である。 図6に示す未加硫ゴムベルト形成装置の一部を拡大して示す図であって、溝切削機構を模式的に示す図である。 図7に示す未加硫ゴムベルト形成装置の一部を拡大して示す図であって、溝切削機構を模式的に示す図である。 未加硫ゴムベルト形成装置の溝切削機構の作動を説明するための図である。 図6に示す未加硫ゴムベルト形成装置の一部を拡大して示す図であって、切断機構を模式的に示す図である。 図7に示す未加硫ゴムベルト形成装置の一部を拡大して示す図であって、切断機構を示す図である。 未加硫ゴムベルト形成装置の切断機構の作動を説明するための図である。 本発明の一実施の形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法を示すチャート図である。 未加硫スリーブから未加硫ゴムベルトが形成される工程を説明するための図であって、(a)は、溝が切削される前の状態の未加硫スリーブの一部の断面を模式的に示す図であり、(b)は、溝が切削された後の状態の未加硫スリーブの一部の断面を模式的に示す図である。 未加硫ゴムベルト形成方法の溝切削工程における未加硫スリーブの表面の溝の深さの調整方法を説明するための図であって、未加硫スリーブの一部の断面を模式的に示す図である。 未加硫スリーブから未加硫ゴムベルトが形成される工程を説明するための図であって、(a)は、切断される前の状態の未加硫スリーブの一部の断面を模式的に示す図であり、(b)は、未加硫スリーブが切断されて未加硫ゴムベルトが並んで形成された状態の未加硫ゴムベルトの断面を模式的に示す図であり、(c)は、1つの未加硫ゴムベルトの断面を模式的に示す図である。 変形例に係る溝切削機構を模式的に示す平面図である。 図19に示す溝切削機構の溝切削刃を示す図であって、未加硫スリーブの一部の模式的な断面とともに示す図である。 変形例に係る未加硫ゴムベルト形成装置を模式的に示す正面図である。 変形例に係る未加硫ゴムベルト形成装置を模式的に示す平面図である。 変形例に係る未加硫ゴムベルト形成装置を模式的に示す正面図である。 図23に示す未加硫ゴムベルト形成装置の溝切削機構によって未加硫スリーブに溝が形成される工程を説明するための図であって、未加硫ゴムベルト形成装置の一部を模式的に示す図である。 図23に示す未加硫ゴムベルト形成装置の溝切削機構によって未加硫スリーブに溝が形成される工程を説明するための図であって、未加硫スリーブの一部の断面を模式的に示す図である。 図23に示す未加硫ゴムベルト形成装置の切断機構によって未加硫スリーブから未加硫ゴムベルトが形成される工程を説明するための図であって、未加硫ゴムベルト形成装置の一部を模式的に示す図である。 図23に示す未加硫ゴムベルト形成装置の切断機構によって未加硫スリーブから未加硫ゴムベルトが形成される工程を説明するための図であって、未加硫スリーブの一部の断面を模式的に示す図である。 変形例に係る未加硫ゴムベルト形成装置を模式的に示す正面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。尚、以下の説明においては、まず、ラップドVベルトの概略及びラップドVベルトの製造工程の概略について説明し、次いで、ラップドVベルトの製造に関して適用される本発明の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成装置及び未加硫ゴムベルト形成方法について説明する。
[ラップドVベルトの概略]
図1は、ラップドVベルト100の一部を示す斜視図であって、一部を断面で示す図である。ラップドVベルト100は、コンプレッサーなどの一般産業用機械、或いは、田植え機などの農業機械、等において、動力伝達用の無端状の伝動ベルトとして用いられる。そして、ラップドVベルト100は、V字状の断面を有する環状の伝動ベルトとして構成されている。
尚、図1においては、環状に延びるラップドVベルト100の周方向に対して垂直な断面が図示されている。また、図1においては、ラップドVベルト100の周方向が、両端矢印Aで示されており、周方向に対して直交するベルト幅方向が、両端矢印Bで示されている。
ラップドVベルト100は、外被布101、圧縮ゴム層102、伸張ゴム層103、心線104を備えて構成されている。
環状に設けられたラップドVベルト100のベルト本体は、積層構造を有しており、ベルト内周側からベルト外周側に向かって、圧縮ゴム層102、心線104、伸張ゴム層103が、順次積層されている。よって、ラップドVベルト100においては、圧縮ゴム層102と伸張ゴム層103との間において、心線104が埋設されている。心線104は、ラップドVベルト100の周方向に沿って延びるように配置されている。そして、心線104は、ラップドVベルト100の周方向に垂直な断面において、ベルト幅方向に沿って所定の間隔で配列されている。
また、ラップVベルト100は、環状に設けられた無端状のベルト本体の周囲全体が周方向の全長に亘って外被布101で被覆されて構成されている。そして、ラップドVベルト100は、その周方向に対して垂直な断面の形状が、V字状の断面形状である。より具体的には、ラップドVベルト100の断面形状は、ベルト外周側からベルト内周側に向かってベルト幅が小さくなる台形状に構成されている。
[ラップドVベルトの製造工程の概略]
図2は、ラップドVベルト100の製造工程を示すチャート図である。図2に示すように、ラップドVベルト100の製造工程は、未加硫スリーブ形成工程S101、未加硫ゴムベルト形成工程S102、カバー巻き工程S103、加硫工程S104を備えて構成されている。
図3は、未加硫ゴム層と心線とを有する筒状の未加硫スリーブ105を示す斜視図である。未加硫スリーブ形成工程S101は、未加硫スリーブ105を形成する工程として構成されている。
未加硫スリーブ形成工程S101においては、まず、未加硫ゴム(即ち、加硫が行われていない状態のゴム)のシートが、圧延によって形成される。そして、圧延によって形成された未加硫ゴムのシートが、所定の長さに切断され、円筒状或いは円柱状の回転体に対して、巻き付けられる。回転体の外周に巻き付けられた未加硫ゴムのシートは、その端部同士が接合され、筒状に成形される。
回転体の外周に隣接して配置されて筒状に成形された未加硫ゴムのシートが、ラップドVベルト100における伸張ゴム層103の素材となる。即ち、本実施形態の未加硫スリーブ形成工程S101で形成される未加硫スリーブ105は、その内周側に、ラップドVベルト100においてベルト外周側に配置される伸張ゴム層103の素材となる未加硫ゴムのシートが、配置される。
上記のように、回転体の外周に筒状の未加硫ゴムの成形体が形成されると、次いで、前述の心線104が、周方向に沿って巻き付けられる。心線104は、筒状の未加硫ゴムの成形体に対して、幅方向に沿って所定のピッチでずらされながら、周方向に沿ってスパイラル状に巻き付けられる。尚、筒状の未加硫ゴムの成形体の幅方向は、上記の回転体の軸方向と平行な方向として構成される。心線104は、筒状の未加硫ゴムの成形体に対して、幅方向のほぼ全長に亘って、巻き付けられる。
筒状の未加硫ゴムの成形体の外周への心線104の巻き付けが終了すると、次いで、心線104の上から、圧延によって形成された未加硫ゴムのシートが巻き付けられる。心線104の上から巻き付けられた未加硫ゴムのシートは、その端部同士が接合され、筒状に成形される。
回転体の外周に隣接して配置された筒状の未加硫ゴムの成形体の外周側に巻き付けられた心線104の更に外周側に巻き付けられた筒状の未加硫ゴムのシートが、ラップドVベルト100における圧縮ゴム層102の素材となる。即ち、本実施形態の未加硫スリーブ形成工程S101で形成される未加硫スリーブ105は、その外周側に、ラップドVベルト100においてベルト内周側に配置される圧縮ゴム層102の素材となる未加硫ゴムのシートが、配置される。
上述した未加硫スリーブ形成工程S101によって、未加硫スリーブ105が形成される。尚、図3においては、未加硫スリーブ105が配置される回転体の図示が省略されており、未加硫スリーブ105が回転体から取り外された状態が模式的に図示されている。
尚、上述の通り、本実施形態の未加硫スリーブ形成工程S101で形成される未加硫スリーブ105と、ラップドVベルト100とは、内周側の層と外周側の層との対応関係が、径方向に反転して入れ替わって対応した関係となっている。即ち、未加硫スリーブ105の内周側の層がラップドVベルト100の外周側の層に対応し、未加硫スリーブ105の外周側の層がラップドVベルト100の内周側の層に対応している。
図4は、未加硫ゴムベルト106を示す斜視図である。未加硫ゴムベルト形成工程S102は、未加硫スリーブ105から環状の未加硫ゴムベルト106を形成する工程として構成されている。未加硫ゴムベルト形成工程S102は、本発明の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法として構成され、本発明の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成装置1を用いることで実施される。
図5は、未加硫ゴムベルト106の一部を示す斜視図であって、一部を断面で示す図である。図5においては、環状に延びる未加硫ゴムベルト106の周方向に対して垂直な断面が図示されている。また、図5においては、未加硫ゴムベルト106の周方向が、両端矢印Aで示されており、周方向に対して直交するベルト幅方向が、両端矢印Bで示されている。
図5に示すように、未加硫ゴムベルト106は、内周側未加硫ゴム層107、心線104、外周側未加硫ゴム層108を備えて構成されている。そして、未加硫ゴムベルト106においては、内周側未加硫ゴム層107と外周側未加硫ゴム層108との間において、心線104が配置されている。
内周側未加硫ゴム層107は、ラップドVベルト100における圧縮ゴム層102の素材となる。外周側未加硫ゴム層108は、ラップドVベルト100における伸張ゴム層103の素材となる。内周側未加硫ゴム層107及び外周側未加硫ゴム層108を構成するゴム成分としては、加硫又は架橋可能なゴム、例えば、ジエン系ゴム(天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(ニトリルゴム)、水素化ニトリルゴムなど)、エチレン−α−オレフィンエラストマー、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、アルキル化クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリル系ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴムなどが例示でき、これらのゴム成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましいゴム成分は、エチレン−α−オレフィンエラストマー(エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンモノマー(EPDMなど)などのエチレン−α−オレフィン系ゴム)、クロロプレンゴムである。特に好ましいゴム成分は、クロロプレンゴムである。クロロプレンゴムは、硫黄変性タイプであってもよく、非硫黄変性タイプであってもよい。尚、内周側未加硫ゴム層107のゴム成分、及び、外周側未加硫ゴム層108のゴム成分は、同系統又は同種のゴムを使用する場合が多い。
心線104としては、通常、マルチフィラメント糸を使用した撚りコード(例えば、諸撚り、片撚り、ラング撚りなど)を使用できる。心線104を構成する繊維としては、ポリエステル繊維、アラミド繊維などの合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維などの無機繊維などが使用できる。心線104の表面には、慣用の接着処理(又は表面処理)が施されていてもよい。
また、未加硫ゴムベルト106の両側面における内周側の部分には、未加硫ベルト106の周方向に亘って、未加硫ゴムベルト106の内周面に対して斜めに削られた面が設けられている。より具体的には、内周側未加硫ゴム層107の両側面の内周側の部分に、未加硫ベルト106の周方向に亘って、内周側未加硫ゴム層107の内周面に対して斜めに削られた面が設けられている。このため、未加硫ゴムベルト106の断面形状は、矩形状の部分と台形状の部分とが組み合わされたV字状断面の形状となる。尚、未加硫ゴムベルト106の断面形状における上記の矩形状の部分には、外周側未加硫ゴム層108の部分と、心線104の部分と、内周側未加硫ゴム層107の外周側の部分とが、対応している。そして、未加硫ゴムベルト106の断面形状における上記の台形状の部分には、内周側未加硫ゴム層107の内周側の部分が、対応している。
尚、未加硫ゴムベルト106は、未加硫スリーブ105から切り出された後、内周側の層と外周側の層とが径方向に反転されて入れ替えられる。即ち、未加硫ゴムベルト106は、未加硫スリーブ105から切り出された際、内周側未加硫ゴム層107が外周側に配置され、外周側未加硫ゴム層108が内周側に配置された状態となっている。この状態から、内周側の層と外周側の層とが径方向に反転されて入れ替えられる。これにより、未加硫ゴムベルト106は、内周側未加硫ゴム層107が内周側に配置され、外周側未加硫ゴム層108が外周側に配置された状態となる。
カバー巻き工程S103は、未加硫ゴムベルト形成工程S102の処理が終了した未加硫ゴムベルト106を外被布101で被覆する工程として構成されている。カバー巻き工程S103においては、環状の未加硫ゴムベルト106の周囲全体が周方向の全長に亘って外被布101で被覆される。これにより、未加硫ゴムベルト106が外被布101で被覆されて構成された未加硫ベルト成形体が形成される。
加硫工程S104は、未加硫ベルト成形体における可塑性の未加硫ゴムを加熱して弾性ゴムに変化させる工程として構成されている。加硫工程S104においては、例えば、逆台形状の断面の溝が外周に設けられた円筒状のリングモールドが用いられる。リングモールドに設けられた複数の溝に対して未加硫ベルト成形体がそれぞれ嵌め込まれる。そして、複数の未加硫ベルト成形体が嵌め込まれたリングモールドの周囲に、円筒状のゴムスリーブが更に嵌め込まれる。
加硫工程S105においては、上記のようにリングモールド及び未加硫ベルト成形体の外周面に円筒状のゴムスリーブが嵌め込まれた状態で、それらが加硫缶に収納され、所定の温度等の条件で加硫が行われる。加硫が終了してリングモールド等が解体され、加硫された成形体がラップドVベルト100として取り出される。このように、加硫工程S105まで終了することで、ラップドVベルト100が製造されることになる。
[未加硫ゴムベルト形成装置の概略]
図6は、本発明の一実施の形態に係る未加硫ゴムベルト形成装置1を模式的に示す正面図である。図7は、未加硫ゴムベルト形成装置1を模式的に示す平面図である。未加硫ゴムベルト形成装置1が作動することで、本発明の一実施の形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法が実施され、前述のラップドVベルト100の製造工程における未加硫ゴムベルト形成工程S102が実施されることになる。
図6及び図7に示す未加硫ゴムベルト形成装置1は、未加硫ゴム層と心線104とを有する筒状の未加硫スリーブ105から環状の未加硫ゴムベルト106を形成するための装置として構成されている。そして、未加硫ゴムベルト形成装置1は、回転機構11、切断機構12、溝切削機構13、制御装置14、等を備えて構成されている。
また、本実施形態においては、ベース15が更に備えられている未加硫ゴムベルト形成装置1が、例示されている。尚、図7においては、ベース15の図示が省略されている。回転機構11、切断機構12、溝切削機構13、制御装置14は、ベース15上に設置されている。本実施形態では、ベース15が備えられた未加硫ゴムベルト形成装置1が例示されているが、ベース15が備えられていない形態の未加硫ゴムベルト形成装置1が実施されてもよい。
[回転機構]
図8は、未加硫ゴムベルト形成装置1を図7のX1−X1線矢視方向から見た図である。図6乃至図8に示すように、回転機構11は、主軸16、支持部17、回転ドラム18、外周スリーブ19、モータ20、ベルト駆動機構21、等を備えて構成されている。
主軸16は、金属製の円筒状又は円柱状の軸として構成され、支持部17に対して回転自在に支持されている。また、主軸16は、モータ20からの駆動トルクが入力されることで回転するように構成されている。支持部17は、ベース15上に設置され、主軸16を回転自在に支持するとともにモータ20を収納する筐体として構成されている。
回転ドラム18は、円筒状の部分を有する金属製の筒状体として設けられている。そして、回転ドラム18は、主軸16とともに回転するように、主軸16に対して取り付けられている。例えば、回転ドラム18の円筒軸方向における両端部のそれぞれに蓋部が設けられ、これらの蓋部が主軸16に対して固定される。また、回転ドラム18は、主軸16の回転中心軸線と回転ドラム18の回転中心軸線とが一致するように、主軸16に対して取り付けられている。
外周スリーブ19は、ゴム製の円筒形状のスリーブとして設けられ、回転ドラム18の外周に装着される。外周スリーブ19の内周の直径は、回転ドラム18の外周の直径にほぼ対応する寸法に設定されている。回転ドラム18が回転する際、回転ドラム18に装着された外周スリーブ19は、回転ドラム18とともに同一の回転速度で回転する。尚、外周スリーブ19は、後述する切断機構12によって未加硫スリーブ105が切断される際に回転ドラム18の表面を切断機構12から保護するために設けられている。
回転機構11は、回転ドラム18の外周に外周スリーブ19が装着されて構成された回転体22を有している。そして、回転体22は、主軸16とともに回転するように構成されている。即ち、回転体22は、軸(主軸16)周りに回転するように構成されている。そして、回転体22に対して、未加硫スリーブ105が配置される。即ち、未加硫スリーブ105は、回転ドラム18の外周に装着された外周スリーブ19の外周に対して配置される。また、未加硫スリーブ105は、回転体22の外周の少なくとも一部に巻き掛けられた状態で回転体22の外周に配置される。尚、本実施形態では、未加硫スリーブ105が、回転体22の外周の全周に巻き掛けられた状態で回転体22の外周に配置された形態を例示している。
未加硫スリーブ105は、例えば、回転体22に対して未加硫のゴムシート及び心線104が巻き付けられることで形成され、これにより、未加硫スリーブ105が回転体22の外周に巻き掛けられた状態で回転体22の外周に配置される。即ち、回転ドラム18及び外周スリーブ19を備えて構成された回転体22を用いて前述の未加硫スリーブ形成工程S101が実施されて未加硫スリーブ105が形成され、未加硫スリーブ105が回転体22の外周に巻き掛けられた状態で配置された状態となる。
上記のように、回転機構11は、軸(主軸16)周りに回転するように構成された回転体22を有し、回転体22の外周に未加硫スリーブ105が巻き掛けられた状態で回転体22の外周に未加硫スリーブ105が配置されるように構成されている。
尚、本実施形態では、未加硫スリーブ105が配置される回転体として、回転ドラム18及び外周スリーブ19を備えて構成された回転体22を例示したが、この通りでなくてもよい。例えば、回転ドラム18が、未加硫スリーブ105が配置される回転体として構成され、未加硫スリーブ105が回転ドラム18の外周に直接に配置される形態が実施されてもよい。また、本実施形態では、回転ドラム18及び外周スリーブ19を備えて構成された回転体22を用いて未加硫スリーブ105が形成され、未加硫スリーブ105が回転体22に対してそのまま配置される形態を例示したが、この通りでなくてもよい。回転機構11の回転体22とは異なる別の回転体を用いて未加硫スリーブ105が形成され、その別の回転体から取り外された未加硫スリーブ105が、回転機構11の回転体22に対して巻き掛けられて配置される形態が実施されてもよい。
モータ20は、主軸16を回転駆動するための駆動トルクを発生させる電動モータとして構成されている。本実施形態では、モータ20は、支持部17に収納されている。モータ20は、図示が省略された電源から電気エネルギーが供給され、後述する制御装置14からの制御指令に基づいて作動し、所定の回転速度で回転する。モータ20は、出力軸20aの軸方向が主軸16の軸方向と平行となるように、支持部17に設置されている。
ベルト駆動機構21は、モータ20からの駆動トルクを主軸16に伝達する機構として設けられている。ベルト駆動機構21は、駆動プーリ21a、従動プーリ21b、駆動ベルト21cを備えて構成されている。
駆動プーリ21aは、モータ20の出力軸20aに固定され、出力軸20aとともに回転するように構成されている。従動プーリ21bは、主軸16に対して、支持部17を介して回転ドラム18側とは反対側の端部において、固定されている。駆動ベルト21cは、無端状のベルトとして設けられている。そして、駆動ベルト21cは、駆動プーリ21a及び従動プーリ21bに対して巻き掛けられ、駆動ベルト21aの駆動トルクを従動プーリ21bに伝達するベルトとして構成されている。
後述する制御装置14からの制御指令に基づいてモータ20の運転が行われると、出力軸20aとともに駆動プーリ21aが回転する。駆動プーリ21aが回転することで、駆動プーリ21a及び従動プーリ21bに巻き掛けられた駆動ベルト21cの周回動作が行われる。駆動ベルト21cの周回動作が行われると、従動プーリ21bが回転し、従動プーリ21bとともに主軸16が回転することになる。そして、主軸16とともに、回転ドラム18及び外周スリーブ19が回転する。尚、回転ドラム18及び外周スリーブ19が回転する方向については、図6において、矢印C1で例示されている。
[溝切削機構]
図9は、図6に示す未加硫ゴムベルト形成装置1の一部を拡大して示す図であって、溝切削機構13を模式的に示す図である。図10は、図7に示す未加硫ゴムベルト形成装置1の一部を拡大して示す図であって、溝切削機構13を模式的に示す図である。図6、図7、図9、及び図10に示す溝切削機構13は、幅方向移動機構41、進退移動機構42、溝切削部43、基台部44、等を備えて構成されている。
基台部44は、ベース15上に設置され、幅方向移動機構41、進退移動機構42、及び溝切削部43を支持する台座部として設けられている。幅方向移動機構41、進退移動機構42、及び溝切削部43は、基台部44の上面に設置されている。
幅方向移動機構41は、進退移動機構42及び溝切削部43を、基台部44に対して、回転体22の外周に配置された未加硫スリーブ105の幅方向と平行な方向に沿って移動させる機構として、構成されている。尚、未加硫スリーブ105の幅方向は、未加硫スリーブ105が筒状に延びる方向であり、図7及び図8において、両端矢印Bで示されている。また、未加硫スリーブ105が回転体22の外周に配置された状態においては、未加硫スリーブ105の幅方向は、主軸16の軸方向と平行な方向となる。
幅方向移動機構41は、一対のレール(45a、45b)、ボールネジ機構46、移動プレート47、等を備えて構成されている。一対のレール(45a、45b)は、移動プレート47の移動方向をガイドするレールとして設けられている。一対のレール(45a、45b)は、基台部44の上面に固定されて設置されている。そして、一対のレール(45a、45b)は、主軸16の軸方向、即ち、回転体22に配置された未加硫スリーブ105の幅方向と平行に延びるように設置されている。
ボールネジ機構46は、ネジ軸46a、ボールネジモータ46b、軸受46c、ナット部46d、図示が省略された複数のボール、等を備えて構成されている。
ネジ軸46aは、一方の端部がボールネジモータ46bによって支持され、他方の端部が軸受46cによって回転自在に支持されている。そして、基台部44上において、ネジ軸46aは、その軸方向が一対のレール(45a、45b)と平行に延びるように、配置されている。ボールネジモータ46bは、ネジ軸46aをその軸心を中心として回転駆動する電動モータとして構成されている。そして、ボールネジモータ46bは、図示が省略された電源から電気エネルギーが供給され、後述する制御装置14からの制御指令に基づいて作動し、所定の回数分だけ回転するように、構成されている。
ナット部46dは、ネジ軸46aが貫通しており、ネジ軸46aが回転することでネジ軸46aの軸方向に沿ってネジ軸46aに対して相対移動するブロック状の要素として設けられている。ナット部46dの内部においては、ネジ軸46aのネジ溝に対向するネジ溝が形成されている。そして、ナット部46dのネジ溝とネジ軸46aのネジ溝との間には、両方の溝に対して転動自在に嵌まり込む複数のボールが配置されている。ネジ軸46aが軸心回りに回転することで、ナット部46d及びネジ軸46aの間で複数のボールが循環し、ナット部46dが、ネジ軸46aに対して軸方向に相対移動する。
また、ナット部46dは、その上面側において、移動プレート47の下面に対して固定されている。また、ナット部46dは、一対のレール(45a、45b)の間に嵌りこむように配置されている。そして、ナット部46dは、一対のレール(45a、45b)に対して摺動自在の状態で配置されている。このため、ネジ軸46aが回転すると、ナット部46dが、一対のレール(45a、45b)によってガイドされながら、ネジ軸46aの軸方向に沿って移動する。
移動プレート47は、平板状の部材として設けられ、その下面側においてナット部46dに固定されている。更に、移動プレート47は、その下面側において、一対のレール(45a、45b)の上面に対して、摺動自在の状態で、支持されている。そして、移動プレート47の上面には、進退移動機構42が設置されている。
進退移動機構42は、溝切削部43を、移動プレート47に対して、回転体22の外周に配置された未加硫スリーブ105に対して進出及び退避させる方向に沿って移動させる機構として、構成されている。進退移動機構42は、一対のレール(48a、48b)、ボールねじ機構49、移動ブロック50、等を備えて構成されている。
一対のレール(48a、48b)は、ボールねじ機構49を介して移動ブロック31の移動方向をガイドするレールとして設けられている。一対のレール(48a、48b)は、移動プレート47の上面に固定されて設置されている。そして、一対のレール(48a、48b)は、移動プレート47上において、回転体22に配置された未加硫スリーブ105に向かって接近する方向に沿って延びるように、設置されている。より具体的には、一対のレール(48a、48b)は、回転体22に配置された未加硫スリーブ105に向かって接近する方向であって、且つ、主軸16の軸方向と平行な方向に対して直交する方向に沿って、延びるように、移動プレート47上で設置されている。
ボールネジ機構49は、ネジ軸49a、ボールネジモータ49b、軸受49c、図示が省略されたナット部、図示が省略された複数のボール、等を備えて構成されている。
ネジ軸49aは、一方の端部がボールネジモータ49bによって支持され、他方の端部が軸受49cによって回転自在に支持されている。そして、移動プレート47上において、ネジ軸49aは、その軸方向が一対のレール(48a、48b)と平行に延びるように、配置されている。ボールネジモータ49bは、ネジ軸49aをその軸心を中心として回転駆動する電動モータとして構成されている。そして、ボールネジモータ49bは、図示が省略された電源から電気エネルギーが供給され、後述する制御装置14からの制御指令に基づいて作動し、所定の回数分だけ回転するように、構成されている。
図示が省略されたナット部は、ネジ軸49aが貫通しており、ネジ軸49aが回転することでネジ軸49aの軸方向に沿ってネジ軸49aに対して相対移動するブロック状の要素として設けられている。上記ナット部の内部においては、ネジ軸49aのネジ溝に対向するネジ溝が形成されている。そして、上記ナット部のネジ溝とネジ軸49aのネジ溝との間には、両方の溝に対して転動自在に嵌まり込む複数のボールが配置されている。ネジ軸49aが軸心回りに回転することで、上記ナット部及びネジ軸49aの間で複数のボールが循環し、上記ナット部が、ネジ軸49aに対して軸方向に相対移動する。
また、上記ナット部は、その上面側において、移動ブロック50の下面に対して固定されている。また、上記ナット部は、一対のレール(48a、48b)の間に嵌りこむように配置されている。そして、上記ナット部は、一対のレール(48a、48b)に対して摺動自在の状態で配置されている。このため、ネジ軸49aが回転すると、上記ナット部が、一対のレール(48a、48b)によってガイドされながら、ネジ軸49aの軸方向に沿って移動する。
移動ブロック50は、ブロック状の要素として設けられ、その下面側において、ボールネジ機構49のナット部に固定されている。更に、移動ブロック50は、その下面側において、一対のレール(48a、48b)の上面に対して、摺動自在の状態で、支持されている。そして、移動ブロック50には、溝切削部43が設置されている。
溝切削部43は、先端に向かって尖る刃先を有する溝切削刃51を有し、未加硫スリーブ105の周方向に沿って未加硫スリーブ105の表面を切削し、未加硫スリーブ105の表面に未加硫スリーブ105の周方向に沿った溝を形成する機構として設けられている。溝切削部43は、ホルダ52、上記の溝切削刃51、等を備えて構成されている。
溝切削刃51は、先端に向かって尖る刃先51aを有しており、例えば、楔状に尖る三角刃の形態の刃として構成されている。溝切削刃51の刃先51aは、先端に向かって鋭角で鋭く尖る形状に形成されている。例えば、刃先51aは、頂角が鋭角の二等辺三角形の部分の断面形状を有する形状に形成されている。また、本実施形態では、刃先51aは、先端に向かって一定の角度の鋭角で尖るように構成されている。また、溝切削刃51における先端側の刃先51aと反対側の端部は、ホルダ52に対して保持される部分として設けられている。
ホルダ52は、溝切削刃51を移動ブロック50に対して固定するための冶具として設けられている。ホルダ52は、一方の端部において、溝切削刃51を保持し、他方の端部において、移動ブロック50に対して固定されるように、構成されている。ホルダ52の他方の端部は、例えば、移動ブロック50に設けられた嵌合穴に嵌め込まれ、その嵌合穴に嵌め込まれた状態で、固定ボルト等によって、移動ブロック50に固定される。
ホルダ52における一方の端部には、溝切削刃51を着脱自在に保持する着脱機構(図示省略)が設けられている。上記の着脱機構は、例えば、図示が省略された位置決め部、把持部、及び固定具、等を備えて構成されている。上記位置決め部は、ホルダ52に保持される溝切削刃51の位置を位置決めする部分として設けられている。上記把持部は、溝切削刃51における刃先51a側と反対側の端部を挟み込むようにして把持する部分として設けられている。上記固定具は、上記位置決め部で位置決めされて上記把持部で把持された溝切削刃51をホルダ52に固定する器具として設けられ、例えば、固定用ボルト等として構成されている。
図11は、未加硫ゴムベルト形成装置1の一部の平面図であって、未加硫ゴムベルト形成装置1の溝切削機構13の作動を説明するための図である。未加硫ゴムベルト形成装置1の溝切削機構13は、上述した幅方向移動機構41、進退移動機構42、溝切削部43を備え、後述する制御装置14からの制御指令に基づいて作動する。また、溝切削機構13が作動する際には、制御装置14からの制御指令に基づいて、回転機構11も作動する。そして、回転機構11及び溝切削機構13が作動することで、図11に示すように、未加硫スリーブ105の周方向に沿って未加硫スリーブ105の表面が切削され、未加硫スリーブ105の表面に未加硫スリーブ105の周方向に沿った溝105aが形成される。
溝切削機構13の作動の際には、まず、制御装置14からの制御指令に基づいて、ボールネジモータ46bが所定の回数分だけ回転し、幅方向移動機構41が作動する。これにより、未加硫ゴムベルト106のベルト幅方向の寸法に対応した位置で未加硫スリーブ105の表面に溝105aが形成されるように、未加硫スリーブ105の幅方向と平行な方向における移動プレート47の位置の位置決めが行われる。即ち、未加硫ゴムベルト106のベルト幅方向の寸法に対応した位置で未加硫スリーブ105の表面に溝105aが形成されるように、進退移動機構42及び溝切削部43の位置の位置決めが行われる。
上記のように進退移動機構42及び溝切削部43の位置の位置決めが行われると、次いで、制御装置14からの制御指令に基づいて、モータ20が所定の回転速度で回転する。これにより、回転機構11の作動が開始され、主軸16とともに回転体22が回転し、回転体22の外周に配置された未加硫スリーブ105が回転体22の回転とともに周方向に走行する未加硫スリーブ105の走行動作が開始される。そして、回転機構11の作動が開始されると、進退移動機構42の作動も開始される。
回転機構11が作動した状態で進退移動機構42の作動が開始されると、制御装置14からの制御指令に基づいて、ボールネジモータ49bが所定の回数分だけ回転する。これにより、移動ブロック50及び溝切削部43が、未加硫スリーブ105に向かって、所定の距離寸法だけ進出するように移動する。そして、溝切削部43の進出に伴い、溝切削部43の溝切削刃51が、回転体22の回転とともに周方向に走行する未加硫スリーブ105に対して、押し付けられる。そして、溝切削刃51は、回転体22の回転とともに周方向に走行する未加硫スリーブ105に対して、未加硫スリーブ105の表面から内部に向かって所定の深さ寸法の位置まで押し込まれる。即ち、溝切削刃51の刃先51aの先端が、未加硫スリーブ105の表面から内部に向かって所定の深さ寸法の位置に達した状態で、ボールネジモータ49bの回転が停止し、溝切削部43の未加硫スリーブ105に向かった進出動作が停止される。
上記のように、未加硫スリーブ105の表面から所定の深さ寸法の位置まで溝切削刃51が押し込まれた状態になると、その状態が、未加硫スリーブ105が少なくとも周方向に1周する間に亘って(即ち、回転体22が1回転する間に亘って)、維持される。これにより、未加硫スリーブ105の周方向に沿って未加硫スリーブ105の表面が切削され、未加硫スリーブ105の表面に未加硫スリーブ105の周方向に沿った溝105aが形成される。図11においては、溝切削刃51によって未加硫スリーブ105の表面が切削されて溝105aが形成されている状態が図示されている。
切削刃51が押し付けられた状態で未加硫スリーブ105が回転体22の回転とともに周方向に走行し、未加硫スリーブ105の表面に溝105aが形成されると、制御装置14からの制御指令に基づいて、ボールネジモータ49bが上記の回転動作時とは逆方向に所定の回数分だけ回転する。即ち、ボールネジモータ49bが、移動ブロック50及び溝切削部43の進出動作時の回転時とは逆方向に所定の回数分だけ回転する。これにより、移動ブロック50及び溝切削部43が、未加硫スリーブ105から所定の距離寸法だけ退避するように移動する。
移動ブロック50及び溝切削部43の上記の退避動作が終了すると、制御装置14からの制御指令に基づいて、再び、上記と同様の幅方向移動機構41の作動が行われる。即ち、上記と同様に幅方向移動機構41が作動し、未加硫ゴムベルト106のベルト幅方向の寸法に対応した距離寸法だけ移動プレート47が移動する。移動プレート47が移動すると、再び、回転スリーブ105が回転体22の回転とともに周方向に走行している状態で上記と同様の進退移動機構42の作動が行われる。これにより、未加硫スリーブ105の表面に、未加硫スリーブ105の周方向に沿った新たな溝105aが、形成される。尚、この新たな溝105aは、前回の切削動作時に形成された溝105aの位置に対して、未加硫スリーブ105の幅方向に沿って未加硫ゴムベルト106のベルト幅方向の寸法に対応した距離寸法だけ離れた位置に、形成される。
回転機構11の作動とともに溝切削機構13が上記のように作動する動作が繰り返されることで、未加硫スリーブ105の表面に、未加硫ゴムベルト106のベルト幅方向の寸法に対応した距離寸法の間隔で、溝105aが繰り返し形成される。尚、図11においては、未加硫スリーブ105の幅方向の途中位置まで、溝105aが繰り返し形成された状態が、図示されている。溝105aが、未加硫スリーブ105の幅方向の略全体に亘って形成されると、制御装置14からの制御指令に基づいて、溝切削機構13の作動が停止される。尚、溝切削機構13の作動の停止時には、移動ブロック50及び溝切削部43は、未加硫スリーブ105から退避した位置となる。
上記のように、溝切削機構13は、先端に向かって尖る刃先51aを有する溝切削刃51を有し、回転体22に配置されて回転体22の回転とともに周方向に走行する未加硫スリーブ105に対して、溝切削刃51を押し付けることで、未加硫スリーブ105の周方向に沿って未加硫スリーブ105の表面を切削し、未加硫スリーブ105の表面に未加硫スリーブ105の周方向に沿った溝105aを形成する機構として、構成されている。
[切断機構]
図12は、図6に示す未加硫ゴムベルト形成装置1の一部を拡大して示す図であって、切断機構12を模式的に示す図である。図13は、図7に示す未加硫ゴムベルト形成装置1の一部を拡大して示す図であって、切断機構12を模式的に示す図である。図6、図7、図12、図13に示す切断機構12は、幅方向移動機構23、進退移動機構24、カッター部25、基台部26、等を備えて構成されている。
基台部26は、ベース15上に設置され、幅方向移動機構23、進退移動機構24、及びカッター部25を支持する台座部として設けられている。幅方向移動機構23、進退移動機構24、及びカッター部25は、基台部26の上面に設置されている。
幅方向移動機構23は、進退移動機構24及びカッター部25を、基台部26に対して、回転体22の外周に配置された未加硫スリーブ105の幅方向(図7及び図8において両端矢印Bで示す方向)と平行な方向に沿って移動させる機構として、構成されている。
幅方向移動機構23は、一対のレール(27a、27b)、ボールネジ機構28、移動プレート29、等を備えて構成されている。一対のレール(27a、27b)は、移動プレート29の移動方向をガイドするレールとして設けられている。一対のレール(27a、27b)は、基台部26の上面に固定されて設置されている。そして、一対のレール(27a、27b)は、主軸16の軸方向、即ち、回転体22に配置された未加硫スリーブ105の幅方向と平行に延びるように設置されている。
ボールネジ機構28は、ネジ軸28a、ボールネジモータ28b、軸受28c、ナット部28d、図示が省略された複数のボール、等を備えて構成されている。
ネジ軸28aは、一方の端部がボールネジモータ28bによって支持され、他方の端部が軸受28cによって回転自在に支持されている。そして、基台部26上において、ネジ軸28aは、その軸方向が一対のレール(27a、27b)と平行に延びるように、配置されている。ボールネジモータ28bは、ネジ軸28aをその軸心を中心として回転駆動する電動モータとして構成されている。そして、ボールネジモータ28bは、図示が省略された電源から電気エネルギーが供給され、後述する制御装置14からの制御指令に基づいて作動し、所定の回数分だけ回転するように、構成されている。
ナット部28dは、ネジ軸28aが貫通しており、ネジ軸28aが回転することでネジ軸28aの軸方向に沿ってネジ軸28aに対して相対移動するブロック状の要素として設けられている。ナット部28dの内部においては、ネジ軸28aのネジ溝に対向するネジ溝が形成されている。そして、ナット部28dのネジ溝とネジ軸28aのネジ溝との間には、両方の溝に対して転動自在に嵌まり込む複数のボールが配置されている。ネジ軸28aが軸心回りに回転することで、ナット部28d及びネジ軸28aの間で複数のボールが循環し、ナット部28dが、ネジ軸28aに対して軸方向に相対移動する。
また、ナット部28dは、その上面側において、移動プレート29の下面に対して固定されている。また、ナット部28dは、一対のレール(27a、27b)の間に嵌りこむように配置されている。そして、ナット部28dは、一対のレール(27a、27b)に対して摺動自在の状態で配置されている。このため、ネジ軸28aが回転すると、ナット部28dが、一対のレール(27a、27b)によってガイドされながら、ネジ軸28aの軸方向に沿って移動する。
移動プレート29は、平板状の部材として設けられ、その下面側においてナット部28dに固定されている。更に、移動プレート29は、その下面側において、一対のレール(27a、27b)の上面に対して、摺動自在の状態で、支持されている。そして、移動プレート29の上面には、進退移動機構24が設置されている。
進退移動機構24は、カッター部25を、移動プレート29に対して、回転体22の外周に配置された未加硫スリーブ105に対して進出及び退避させる方向に沿って移動させる機構として、構成されている。進退移動機構24は、一対のレール(30a、30b)、移動ブロック31、シリンダ機構32、等を備えて構成されている。
一対のレール(30a、30b)は、移動ブロック31の移動方向をガイドするレールとして設けられている。一対のレール(30a、30b)は、移動プレート29の上面に固定されて設置されている。そして、一対のレール(30a、30b)は、移動プレート29上において、回転体22に配置された未加硫スリーブ105に向かって接近する方向に沿って延びるように、設置されている。より具体的には、一対のレール(30a、30b)は、回転体22に配置された未加硫スリーブ105に向かって接近する方向であって、且つ、主軸16の軸方向と平行な方向に対して直交する方向に沿って、延びるように、移動プレート29上で設置されている。
移動ブロック31は、移動プレート29上に配置されブロック状の要素として設けられている。また、移動ブロック31は、移動プレート29の上面に対してスライド移動自在に配置される。そして、移動ブロック31の下面側には、一対のレール(30a、30b)に対してスライド移動自在に嵌まり込む一対の溝が設けられている。
シリンダ機構32は、シリンダ体32aとロッド32bとを備えた油圧シリンダ機構として設けられている。シリンダ体32aは、移動プレート29の上面において移動プレート29に対して固定されている。ロッド32bには、シリンダ体32aの内部を一対の油室に区画するピストン(図示省略)が、一方の端部に設けられている。そして、ロッド32bは、シリンダ体32a内の一対の油室への圧油の給排が行われることで、シリンダ体32aから突出し或いはシリンダ体32aに向かって縮退する。尚、上記の一対の油室は、例えば、圧油源(図示省略)及び油回収タンク(図示省略)に対して切換弁(図示省略)を介して接続されている。そして、制御装置14からの制御指令に基づいて、上記の切換弁の状態が切り換えられ、シリンダ体32a内の一対の油室への圧油の給排が制御され、シリンダ機構32の作動が制御される。
また、ロッド32bは、ピストンが設けられた一方の端部と反対側の端部において、移動ブロック31に対して固定されている。これにより、進退移動機構24は、ロッド32bがシリンダ体32aから突出することで、移動ブロック31が一対のレール(30a、30b)に沿って、回転体22に配置された未加硫スリーブ105に向かって進出する方向に移動するように、構成されている。また、進退移動機構24は、ロッド32bがシリンダ体32aに向かって縮退することで、移動ブロック31が一対のレール(30a、30b)に沿って、回転体22に配置された未加硫スリーブ105から退避する方向に移動するように、構成されている。
カッター部25は、外周に刃が設けられた回転刃36を有し、回転する回転刃36によって未加硫スリーブ105を周方向に切断する機構として設けられている。そして、カッター部25は、カッターモータ33、動力伝達部34、回転刃カバー35、上記の回転刃36、ノズル(37a、37b)、等を備えて構成されている。
カッターモータ33は、動力伝達部34を介して回転刃を回転駆動する駆動トルクを発生する電動モータとして構成されている。そして、カッターモータ33は、図示が省略された電源から電気エネルギーが供給され、後述する制御装置14からの制御指令に基づいて作動し、所定の回転速度で回転するように構成されている。
動力伝達部34は、カッターモータ33からの駆動トルクを回転刃36に伝達する機構として設けられている。動力伝達部34は、例えば、駆動プーリ、従動プーリ、駆動ベルトを有する機構として構成され、ベルト駆動機構21と同様の機構として構成されている。尚、図9及び図10においては、駆動プーリ、従動プーリ、駆動ベルトを収納する動力伝達部34のハウジングのみが図示されており、駆動プーリ、従動プーリ、駆動ベルトの図示は省略されている。
動力伝達部34の駆動プーリは、カッターモータ33の出力軸(図示省略)に連結され、動力伝達部34の従動プーリは、回転刃36の回転軸(図示省略)に連結されている。カッターモータ33が回転すると、その駆動トルクが動力伝達部34の駆動プーリに入力されて駆動ベルトが周回動作を行い、従動プーリも回転する。そして、従動プーリの回転とともに、回転刃36が回転する。
回転刃カバー35は、回転刃36の周囲を部分的に覆うカバーとして設けられている。回転刃カバー35には、回転刃36の回転軸の両端部のそれぞれを回転自在に支持する軸受部(図示省略)が設けられている。また、回転刃カバー35は、動力伝達部34のハウジングに固定されている。
回転刃36は、外周に刃が設けられた円形形状の丸刃として構成されている。即ち、回転刃36には、外周側に向かって鋭く切っ先状に尖るように形成された刃が設けられている。そして、回転刃36の外周の刃は、円形の回転刃の外周の全周に亘って設けられている。尚、回転刃36が回転する方向については、図6において、矢印C2で示されている。
ノズル(37a、37b)は、切断機構12の回転刃36によって未加硫スリーブ105が切断される際に、回転刃36に対してミスト状の水(霧状の水)を吹き付ける機構として、構成されている。未加硫スリーブ105の切断時に、ノズル(37a、37b)からミスト状の水が回転刃36に吹き付けられることで、回転刃36と未加硫スリーブ105との間の潤滑が確保され、回転刃36と未加硫スリーブ105との間で生じる摩擦熱の低減が図られる。また、ミスト状の水が回転刃36に吹き付けられることで、発生する摩擦熱の抜熱による冷却も図られる。これらにより、未加硫スリーブ105の切断中における摩擦熱による温度上昇が抑制され、回転刃36に未加硫ゴムが粘着してしまうことによる未加硫ゴムベルト106の寸法品質等の品質の低下が抑制される。
ノズル(37a、37b)は、例えば、二流体ノズルとして構成されている。ノズル(37a、37b)は、例えば、回転刃36の両側で、ノズル支持フレーム(38a、38b)に支持されている。ノズル37aは、ノズル支持フレーム38aに支持され、ノズル37bは、ノズル支持フレーム38bに支持されている。また、ノズル(37a、37b)は、水供給チューブ(39a、39b)を介して水が供給されるように構成されている。また、ノズル(37a、37b)は、エアー供給チューブ(40a、40b)を介して圧縮空気が供給されるように構成されている。水供給チューブ(39a、39b)及びエアー供給チューブ(40a、40b)のそれぞれは、図示が省略された開閉電磁弁を介して、水供給源及び圧縮空気供給源にそれぞれ接続されている。後述する制御装置14からの制御指令に基づいて上記の開閉電磁弁が開くことで、ノズル(37a、37b)から回転刃36の両側面に向かってミスト状の水が吹き付けられる。
図14は、未加硫ゴムベルト形成装置1の平面図であって、未加硫ゴムベルト形成装置1の切断機構12の作動を説明するための図である。未加硫ゴムベルト形成装置1の切断機構12は、上述した幅方向移動機構23、進退移動機構24、カッター部25を備え、後述する制御装置14からの制御指令に基づいて作動する。また、切断機構12が作動する際には、制御装置14からの制御指令に基づいて、回転機構11も作動する。そして、回転機構11及び切断機構12が作動することで、未加硫スリーブ105が周方向に切断され、未加硫ゴムベルト106が形成される。
切断機構12の作動の際には、まず、制御装置14からの制御指令に基づいて、ボールネジモータ28bが所定の回数分だけ回転し、幅方向移動機構23が作動する。これにより、未加硫ゴムベルト106のベルト幅方向の寸法に対応した位置であって溝105aにおける最も溝深さが深い位置に対応した位置で未加硫スリーブ105の切断が行われるように、未加硫スリーブ105の幅方向と平行な方向における移動プレート29の位置の位置決めが行われる。即ち、未加硫ゴムベルト106のベルト幅方向の寸法に対応した位置であって溝105aにおける溝深さが最も深い位置に対応した位置で未加硫スリーブ105の切断が行われるように、進退移動機構24及びカッター部25の位置の位置決めが行われる。
上記のように進退移動機構24及びカッター部25の位置の位置決めが行われると、次いで、制御装置14からの制御指令に基づいて、モータ20が所定の回転速度で回転し、カッターモータ33も所定の回転速度で回転する。これにより、回転機構11の作動が開始され、主軸16とともに回転体22が回転し、回転体22の外周に配置された未加硫スリーブ105が回転体22の回転とともに周方向に走行する未加硫スリーブ105の走行動作が開始される。そして、カッター部25の作動も開始され、回転刃36の回転が開始される。また、回転刃36の回転が開始される際には、ノズル(37a、37b)から回転刃36へのミスト状の水の吹き付けも開始される。
上記のように回転機構11及びカッター部25の作動が開始されると、制御装置14からの制御指令に基づいて、シリンダ機構32が作動する。これにより、シリンダ体32aからロッド32bが突出し、移動ブロック31とともにカッター部25が未加硫スリーブ105に向かって進出する。そして、カッター部25の進出に伴い、回転刃36は、未加硫スリーブ105を溝105aにおける溝深さが最も深い位置で厚み方向に切断して外周スリーブ19に回転刃36の刃先の先端が僅かに接触する位置まで、未加硫スリーブ105に向かって進出する。
上記のように回転刃36を未加硫スリーブ105に向かって進出させることで、切断機構12は、主軸16及び回転体22の回転とともに周方向に走行する未加硫スリーブ105に対して、回転刃36を回転させながら溝105aに沿って押し付けることになる。そして、回転刃36の刃先が外周スリーブ19に僅かに接触する位置まで回転刃36が進出することで、未加硫スリーブ105が回転刃36によって周方向に切断され、未加硫ゴムベルト106が形成される。尚、図14においては、回転刃36によって溝105aに沿って未加硫スリーブ105が切断されて未加硫ゴムベルト106が形成されている状態が図示されている。
未加硫スリーブ105が溝105aに沿って周方向に切断され、未加硫ゴムベルト106が形成されると、制御装置14からの制御指令に基づいて、シリンダ機構32が作動し、ロッド32bがシリンダ体32aに向かって縮退する。これにより、カッター部25が、未加硫スリーブ105から退避するように移動する。
カッター部25の上記の退避動作が終了すると、制御装置14からの制御指令に基づいて、再び、上記と同様の幅方向移動機構23の作動が行われる。即ち、上記と同様に幅方向移動機構23が作動し、未加硫ゴムベルト106のベルト幅方向の寸法に対応した距離寸法だけ移動プレート29が移動する。移動プレート29が移動すると、再び、未加硫スリーブ105が回転体22の回転とともに周方向に走行している状態で上記と同様の進退移動機構24の作動が行われる。これにより、前回切断された溝105aの隣に位置する溝105aに沿って未加硫スリーブ105が周方向に切断され、新たな未加硫ゴムベルト106が形成される。
回転機構11の作動とともに切断機構12が上記のように作動する動作が繰り返されることで、未加硫スリーブ105が、溝105aに沿って周方向に繰り返し切断され、未加硫ゴムベルト106が繰り返し形成される。尚、図14においては、未加硫スリーブ105の幅方向の途中位置まで、溝105aに沿って未加硫スリーブ105が繰り返し切断され、複数の未加硫ゴムベルト106が形成された状態が、図示されている。未加硫スリーブ105の幅方向の全体に亘って、溝105aに沿って未加硫スリーブ105が切断され、所定数の未加硫ゴムベルト106が形成されると、制御装置14からの制御指令に基づいて、回転機構11及び切断機構12の作動が停止される。尚、切断機構12の作動の停止時には、カッター部25は、未加硫スリーブ105から退避した位置となる。
上記のように、切断機構12は、外周に刃が設けられた回転刃36を有し、回転体22に配置されて回転体22の回転とともに周方向に走行する未加硫スリーブ105に対して、回転刃36を回転させながら溝105aに沿って押し付けることで、未加硫スリーブ105を周方向に切断し、未加硫ゴムベルト106を形成する機構として、構成されている。
[制御装置]
図7に示す制御装置14は、未加硫ゴムベルト形成装置1において、回転機構11、溝切削機構13、切断機構12の作動を制御する制御部として設けられている。前述の通り、回転機構11、溝切削機構13、切断機構12は、制御装置14からの制御指令に基づいて作動する。
制御装置14は、CPU等のプロセッサ、メモリ、ユーザによって操作される操作パネル又は操作盤等の操作部、インターフェース回路、等を備えて構成されている。制御装置14のメモリには、回転機構11、溝切削機構13、切断機構12の作動を制御する制御指令を作成するためのプログラムが記憶されている。ユーザによって操作部が操作されることで、メモリから上記のプログラムがプロセッサによって読み出されて実行される。これにより、上記の制御指令が作成され、その制御指令に基づいて、回転機構11、溝切削機構13、切断機構12が作動する。
制御装置14からの制御指令に基づいて、モータ20が回転し、駆動トルクがベルト駆動機構21を介して主軸16に伝達される。そして、主軸16とともに回転体22が回転し、回転体22の回転とともに回転体22に配置された未加硫スリーブ105が周方向に走行する。また、制御装置14からの制御指令に基づいて、ボールネジモータ46bが所定の回数分だけ回転して移動プレート47が基台部44上で所定量移動する。そして、制御装置14からの制御指令に基づいて、ボールネジモータ46bが所定の回数分だけ回転し、移動ブロック50及びホルダ52とともに溝切削刃51が未加硫スリーブ105に向かって所定量だけ進出する。これにより、未加硫スリーブ105の表面が切削され、未加硫スリーブ105の周方向に沿った溝105aが形成される。
また、制御装置14からの制御指令に基づいて、ボールネジモータ28bが所定の回数分だけ回転して移動プレート29が基台部26上で所定量移動する。そして、制御装置14からの制御指令に基づいて、モータ20が回転して未加硫スリーブ105が回転体22の回転とともに周方向に走行し、更に、カッターモータ33が回転して回転刃36が回転する。次いで、制御装置14からの制御指令に基づいて、シリンダ機構32が作動し、移動ブロック31とともに回転刃36が未加硫スリーブ105に向かって進出する。これにより、未加硫スリーブ105が溝105aに沿って周方向に切断され、未加硫ゴムベルト106が形成される。
尚、本実施形態では、制御装置14からの制御指令に基づいて、回転機構11、溝切削機構13、切断機構12が作動する形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。未加硫ゴムベルト形成装置1において、制御装置14が備えられておらず、ユーザによる操作に基づいて、回転機構11、溝切削機構13、切断機構12が作動する形態が実施されてもよい。
[未加硫ゴムベルト形成方法]
次に、本発明の一実施の形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法について説明する。図15は、本発明の一実施の形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法を示すチャート図である。図15に示す未加硫ゴムベルト形成方法は、未加硫ゴム層と心線104とを有する未加硫スリーブ105から環状の未加硫ゴムベルト106を形成するための未加硫ゴムベルト形成方法として構成されている。
図15に示す未加硫ゴムベルト形成方法は、前述の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成装置1が作動することで実施される。
図15に示すように、本実施形態の未加硫ゴムベルト形成方法は、未加硫スリーブ配置工程S201、溝切削工程S202、切断工程S203、未加硫ゴムベルト取り外し工程S204を備えて構成されている。未加硫スリーブ配置工程S201が実施され、次いで、溝切削工程S202が複数回繰り返し実施され、その後、切断工程S203が複数回繰り返し実施され、最後に未加硫ゴムベルト取り外し工程S204が実施される。これらの工程が終了することで、1つの未加硫スリーブ105から複数の未加硫ゴムベルト106が形成されることになる。尚、図15においては、複数回の溝切削工程S202を1つのステップで模式的に示している。また、図15においては、複数回の切断工程S203を1つのステップで模式的に示している。
未加硫スリーブ配置工程S201は、軸(主軸16)周りに回転するように構成された回転体22の外周の少なくとも一部に未加硫スリーブ105が巻き掛けられた状態で回転体22の外周に未加硫スリーブ105が配置される工程として、構成されている。本実施形態では、未加硫スリーブ配置工程S201は、回転体22の外周の全周に未加硫スリーブ105が巻き掛けられた状態で回転体22の外周に未加硫スリーブ105が配置される工程として、構成されている。また、本実施形態では、例えば、回転体22に対して未加硫のゴムシート及び心線104が巻き付けられることで回転体22の周りに未加硫スリーブ105が形成され、これにより、未加硫スリーブ105が回転体22に巻き掛けられた状態で配置されることとなる。即ち、回転体22を用いて前述の未加硫スリーブ形成工程S101が実施されて未加硫スリーブ105が形成され、未加硫スリーブ105が回転体22に巻き掛けられた状態で配置されることとなる。
尚、回転体22の外周に未加硫スリーブ105を配置する方法としては、上述の通りでなくてもよい。例えば、回転機構11の回転体22とは異なる別の回転体を用いて未加硫スリーブ105が形成され、その別の回転体から取り外された未加硫スリーブ105が、回転機構11の回転体22に対して巻き掛けられて配置される形態が実施されてもよい。
図16は、未加硫スリーブ105から未加硫ゴムベルト106が形成される工程を説明するための図である。そして、図16(a)は、溝105aが切削される前の状態の未加硫スリーブ105の一部の断面を模式的に示す図である。即ち、図16(a)は、未加硫スリーブ配置工程S201が実施されて溝切削工程S202が実施される前の状態の未加硫スリーブ105の一部の断面を示している。一方、図16(b)は、溝105aが切削された後の状態の未加硫スリーブ105の一部の断面を模式的に示す図である。即ち、図16(a)は、溝切削工程S202が実施された後の状態の未加硫スリーブ105の一部の断面を示している。
尚、図16(a)及び図16(b)に示す未加硫スリーブ105の状態においては、未加硫ゴムベルト106の内周側未加硫ゴム層107に対応する未加硫ゴム層が、外周側に配置されている。そして、未加硫ゴムベルト106の外周側未加硫ゴム層108に対応する未加硫ゴム層が、回転体22の外周に隣接する側である内周側に配置されている。
溝切削工程S202においては、図16(a)に示す状態の未加硫スリーブ105が、溝切削刃51にて切削される。そして、溝切削工程S202が終了することで、図16(b)に示すように、未加硫スリーブ105の表面に、未加硫スリーブ105の周方向に沿って、V字形状の断面の溝105aが形成される。
溝切削工程S202は、制御装置14からの制御指令に基づいて、回転機構11及び溝切削機構13が作動することで、実施される。まず、制御装置14からの制御指令に基づいて、モータ20が回転し、駆動トルクがベルト駆動機構21を介して主軸16に伝達される。そして、主軸16とともに回転体22が回転し、回転22の回転とともに回転体22に配置された未加硫スリーブ105が周方向に走行する。また、制御装置14からの制御指令に基づいて、ボールネジモータ46bが所定の回数分だけ回転して移動プレート47が基台部44上で所定量移動する。
そして、制御装置14からの制御指令に基づいて、ボールネジモータ49bが所定の回数分だけ回転して移動ブロック50及び溝切削部43が、回転体22の回転とともに周方向に走行している未加硫スリーブ105に向かって進出する。これにより、溝切削刃51が、回転体22の回転とともに周方向に走行する未加硫スリーブ105に押し付けられる。そして、未加硫スリーブ105が、その表面がその周方向に沿って切削され、未加硫スリーブ105の表面にその周方向に沿った溝105aが形成される。
上記のように、溝切削工程S202は、先端に向かって尖る刃先51aを有する溝切削刃51が、回転体22に配置されて回転体22の回転とともに周方向に走行する未加硫スリーブ105に対して、押し付けられることで、未加硫スリーブ105の周方向に沿って未加硫スリーブ105の表面が切削され、未加硫スリーブ105の表面に未加硫スリーブ105の周方向に沿った溝105aが形成される工程として、構成されている。また、溝切削工程S202においては、先端に向かって鋭角で尖る形状の刃先51aを有する溝切削刃51が用いられ、未加硫スリーブ105の表面が切削される。
図17(図17(a)及び図17(b))は、未加硫ゴムベルト形成方法の溝切削工程S202における未加硫スリーブ105の表面の溝105aの深さの調整方法を説明するための図であって、未加硫スリーブ105の一部の断面を模式的に示す図である。溝切削工程S202においては、未加硫スリーブ105に対して押し付けられる溝切削刃51が未加硫スリーブ105の表面から内部に向かって押し込まれる深さである押し込み量が、調整されることで、未加硫スリーブ105の表面に形成される溝105aの深さが調整される。
図17(a)では、押し込み量がD1に設定され、深さD1の溝105aが形成されている形態が例示されている。即ち、未加硫スリーブ105の切削の際に溝切削刃51が未加硫スリーブ105の表面から内部に向かってD1の深さまで押し込まれており、深さD1の溝105aが形成されている形態が例示されている。一方、図17(b)では、押し込み量がD2に設定され、深さD2の溝105aが形成されている形態が例示されている。即ち、未加硫スリーブ105の切削の際に溝切削刃51が未加硫スリーブ105の表面から内部に向かってD2の深さまで押し込まれており、深さD2の溝105aが形成されている形態が例示されている。尚、図17では、溝105aの深さD2が溝105aの深さD1よりも深い形態、即ち、D2>D1の形態を例示している。このように、溝切削工程S202においては、未加硫スリーブ105の切削時における未加硫スリーブ105への溝切削刃51の押し込み量が調整されることで、未加硫スリーブ105の表面に形成される溝105aの深さが調整される。
また、溝切削工程S202においては、上記のように、押し込み量が調整されることで溝105aの深さが調整され、更に、溝切削工程S202において用いられる溝切削刃51の刃先51aは、先端に向かって一定の角度の鋭角で尖るように構成されている。図17では、押し込み量がD1又はD2に調整されることで溝105aの深さがD1又はD2に調整され、更に、溝切削工程S202において用いられる溝切削刃51の刃先51aは、先端に向かって一定の角度θの鋭角で尖るように構成された形態が例示されている。
溝切削工程S202において、未加硫スリーブ105が全周に亘って周方向に切削され、溝105aが形成されると、制御装置14からの制御指令に基づいて、進退移動機構42が作動し、移動ブロック50とともに溝切削部43が未加硫スリーブ105から離間する方向に向かって移動する。即ち、移動ブロック50とともに、溝切削刃51が、未加硫スリーブ105から退避する方向に移動する。これにより、1回の溝切削工程S202が一旦終了する。
1回の溝切削工程S202が一旦終了すると、制御装置14において、未加硫スリーブ105の全幅に亘って溝105aを形成する処理が終了したか否かが判断される。即ち、溝切削工程S202においては、未加硫スリーブ105が周方向に切削されて溝105aが形成される処理が、未加硫スリーブ105の幅方向(図7及び図8で両端矢印Bで示す方向)における全長に亘って所定回数行われ、未加硫スリーブ105に所定の数の溝105aが形成されたか否かが、判断される。尚、制御装置14は、例えば、予め入力されている未加硫スリーブ105の切断前の状態の幅方向の寸法と、ボールネジモータ46bの回転量の積算値とに基づいて、未加硫スリーブ105の全幅に亘って溝105aを形成する処理が終了したか否かを判断する。
未加硫スリーブ105の全幅に亘って溝105aを形成する処理が終了していないと判断されると、まず、制御装置14からの制御指令に基づいて、ボールネジモータ46bが所定の回数分だけ回転し、移動プレート47が、基台部44上で、未加硫ゴムベルト106のベルト幅寸法に対応した所定量だけ移動する。そして、再び、溝切削工程S202が実施される。これにより、回転体22の外周において、次の溝105aが形成されることになる。
上記のように溝切削工程S202が実施され、溝105aが新たに形成されると、再び、制御装置14にて、未加硫スリーブ105の全幅に亘って溝105aを形成する処理が終了したか否かが判断される。未加硫スリーブ105の全幅に亘って溝105aを形成する処理が終了していないと判断されるかぎり、上記の処理が繰り返されることになる。そして、溝切削工程S202が繰り返されることで、回転体22の外周に複数の溝105aが形成されていくことになる。
溝切削工程S202が繰り返され、未加硫スリーブ105の全幅に亘って溝105aが形成されると、制御装置14において、未加硫スリーブ105の全幅に亘って溝105aを形成する処理が終了したと判断される。上記のように判断されると、制御装置14からの制御指令に基づいて、溝切削機構13の作動が停止される。未加硫スリーブ105の全幅に亘って溝105aが形成され、複数の溝105aが形成されると、次いで、切断工程S203が実施される。
図18は、未加硫スリーブ105から未加硫ゴムベルト106が形成される工程を説明するための図である。そして、図18(a)は、切断される前の状態の未加硫スリーブ105の一部の断面を模式的に示す図である。即ち、図18(a)は、溝切削工程S202が実施されて切断工程S203が実施される前の状態の未加硫スリーブ105の一部の断面を示している。また、図18(b)は、未加硫スリーブ105が切断されて未加硫ゴムベルト106が並んで形成された状態の未加硫ゴムベルト106の断面を模式的に示す図である。即ち、図18(b)は、切断工程S203が実施された後の状態の複数の未加硫ベルト106の断面を示している。また、図18(c)は、1つの未加硫ゴムベルト106の断面を模式的に示す図である。
尚、図18(a)に示す未加硫スリーブ105の状態においては、未加硫ゴムベルト106の内周側未加硫ゴム層107に対応する未加硫ゴム層が、外周側に配置されている。そして、未加硫ゴムベルト106の外周側未加硫ゴム層108に対応する未加硫ゴム層が、回転体22の外周に隣接する側である内周側に配置されている。そして、図18(b)に示す未加硫ゴムベルト106の状態においては、内周側未加硫ゴム層107が、外周側に配置され、外周側未加硫ゴム層108が、回転体22の外周に隣接する内周側に配置されている。
切断工程S203においては、図18(a)に示す状態の未加硫スリーブ105が、回転刃36によって切断される。そして、切断工程S203が終了することで、図18(b)及び図18(c)に示すように、未加硫ゴムベルト106が形成される。
切断工程S203は、制御装置14からの制御指令に基づいて、回転機構11及び切断機構12が作動することで、実施される。まず、制御装置14からの制御指令に基づいて、モータ20が回転し、駆動トルクがベルト駆動機構21を介して主軸16に伝達される。そして、主軸16とともに回転体22が回転し、回転体22に配置されていて複数の溝105aが形成されている未加硫スリーブ105が回転体22の回転とともに周方向に走行する。また、制御装置14からの制御指令に基づいて、ボールネジモータ28bが所定の回数分だけ回転して移動プレート29が基台部26上で所定量移動する。
そして、制御装置14からの制御指令に基づいて、カッターモータ33が回転し、駆動トルクが動力伝達部34を介して回転刃36に伝達され、回転刃36が回転する。また、回転刃36の回転中には、回転刃36に対してミスト状の水が吹き付けられる。更に、制御装置14からの制御指令に基づいて、シリンダ機構32が作動し、移動ブロック31とともに回転刃36が未加硫スリーブ105に向かって進出する。これにより、未加硫スリーブ105が溝105aに沿って周方向に切断され、未加硫ゴムベルト106が形成される。
上記のように、切断工程S203は、外周に刃が設けられた回転刃36が、回転体22に配置されて回転体22の回転とともに周方向に走行する未加硫スリーブ105に対して、回転しながら溝105aに沿って押し付けられることで、未加硫スリーブ105が溝105aに沿って周方向に切断され、未加硫ゴムベルト106が形成される工程として、構成されている。
未加硫スリーブ105が全周に亘って溝105aに沿って周方向に切断され、未加硫ゴムベルト106が形成されると、制御装置14からの制御指令に基づいて、シリンダ機構32が作動し、移動ブロック31とともに回転刃36が未加硫スリーブ105から離間する方向に向かって移動する。即ち、ロッド32bがシリンダ体32aに向かって縮退し、移動ブロック31とともに回転刃36が、未加硫スリーブ105から退避する方向に移動する。これにより、1回の切断工程S203が一旦終了する。
1回の切断工程S203が一旦終了すると、制御装置14において、未加硫スリーブ105を全幅に亘って各溝105aに沿って切断する処理が終了したか否かが判断される。即ち、切断工程S203においては、未加硫スリーブ105が溝105aに沿って周方向に切断されて未加硫ゴムベルト106が形成される処理が、未加硫スリーブ105の幅方向における全長に亘って所定回数行われ、未加硫スリーブ105の全体が複数の未加硫ゴムベルト106に切断されたか否かが、判断される。尚、制御装置14は、例えば、予め入力されている未加硫スリーブ105の切断前の状態の幅方向の寸法と、ボールネジモータ28bの回転量の積算値とに基づいて、未加硫スリーブ105を全幅に亘って切断する処理が終了したか否かを判断する。
未加硫スリーブ105を全幅に亘って切断する処理が終了していないと判断されると、まず、制御装置14からの制御指令に基づいて、ボールネジモータ28bが所定の回数分だけ回転し、移動プレート29が、基台部26上で、未加硫ゴムベルト106のベルト幅寸法に対応した所定量だけ移動する。そして、再び、切断工程S203が実施される。これにより、回転体22の外周において、次の未加硫ゴムベルト106が形成されることになる。
上記のように切断工程S203が実施され、未加硫ゴムベルト106が新たに形成されると、再び、制御装置14にて、未加硫スリーブ105を全幅に亘って切断する処理が終了したか否かが判断される。未加硫スリーブ105が全幅に亘って切断する処理が終了していないと判断されるかぎり、上記の処理が繰り返されることになる。そして、切断工程S203が繰り返されることで、回転体22の外周に複数の未加硫ゴムベルト106が形成されていくことになる。
切断工程S203が繰り返され、未加硫スリーブ105が全幅に亘って切断されると、制御装置14において、未加硫スリーブ105を全幅に亘って切断する処理が終了したと判断される。上記のように判断されると、制御装置14からの制御指令に基づいて、回転機構11及び切断機構12の作動が停止される。
未加硫スリーブ105が全幅に亘って切断され、複数の未加硫ゴムベルト106が形成されると、次いで、未加硫ゴムベルト取り外し工程S204が実施される。未加硫ゴムベルト取り外し工程S204では、回転体22の外周に配置された状態の複数の未加硫ゴムベルト106の全てが、回転体22から取り外される。
未加硫ゴムベルト106は、未加硫スリーブ105から切り出されて回転体22から取り出された後、内周側の層と外周側の層とが径方向に反転されて入れ替えられる。即ち、未加硫ゴムベルト106は、回転体22から取り出された直後の状態においては、内周側未加硫ゴム層107が外周側に配置され、外周側未加硫ゴム層108が内周側に配置された状態となっている。この状態から、内周側の層と外周側の層とが径方向に反転されて入れ替えられる反転処理が行われる。これにより、未加硫ゴムベルト106は、内周側未加硫ゴム層107が内周側に配置され、外周側未加硫ゴム層108が外周側に配置された状態となる。回転体22から全ての未加硫ゴムベルト106が取り外されて上記の反転処理が行われることで、図15に示す未加硫ゴムベルト形成方法は終了することになる。
上記のように、本実施形態の未加硫ゴムベルト形成方法では、回転体22から未加硫ゴムベルト106が取り外された後に行われる上記の反転処理は、1回のみとなる。尚、従来においては、内周側未加硫ゴム層に対応する層が内周側に配置され、外周側未加硫ゴム層に対応する層が外周側に配置された状態で、矩形断面の未加硫ゴムベルトが回転体から取り出される。そして、矩形断面の未加硫ゴムベルトに対して、内周側の層と外周側の層とが径方向に反転されて入れ替えられる反転処理が行われ、従来のスカイブ工程が行われる。スカイブ工程の終了後、再度、内周側の層と外周側の層とが径方向に反転されて入れ替えられる反転処理が行われる。このため、従来においては、反転処理が2回行われる。しかし、本実施形態の未加硫ゴムベルト形成方法では、反転処理は1回のみとなる。よって、本実施形態の未加硫ゴムベルト形成方法では、反転処理が少ない点においても、作業時間の短縮が図られる。
[実施形態の作用効果]
本実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置1によると、回転体22の外周に巻き掛けられた状態で配置されて回転体22の回転とともに周方向に走行する未加硫スリーブ105に対して、先端に向かって尖る刃先51aを有する溝切削刃51が押し付けられ、未加硫スリーブ105の表面が切削されて周方向に沿った溝105aが形成される。これにより、従来の矩形断面の未加硫ゴムベルトの角部に対応する部分が、予め、未加硫スリーブ105から未加硫ゴムベルト106が切り出される前の段階で、切除されることになる。即ち、本実施形態によると、従来のように未加硫スリーブから矩形断面の未加硫ゴムベルトが切り出されることが無い。
そして、本実施形態によると、従来のスカイブ工程の場合に矩形断面の未加硫ゴムベルトからスカイブ装置によって切除される部分に対応する部分は、誤差も小さい状態で正確に、且つ、容易に、切除される。即ち、本実施形態によると、回転体22の外周に巻き掛けられた状態で配置されて回転体22の回転とともに安定した状態で周方向に走行する未加硫スリーブ105に溝切削刃51が押し付けられて未加硫スリーブ105の表面が切削されることで、未加硫スリーブ105の周方向に沿って、誤差が非常に小さく正確な形状の溝105aが容易に形成される。これにより、従来のスカイブ工程での切除対象となる部分に対応する部分が、誤差も非常に小さい状態で正確に且つ容易に切除されることになる。
更に、本実施形態によると、回転体22の回転とともに安定した状態で周方向に走行する未加硫スリーブ105に対して、回転刃36が回転しながら溝105aに沿って押し付けられることで、未加硫スリーブ105が周方向に切断されて未加硫ゴムベルト106が形成される。これにより、矩形状の部分と台形状の部分とが組み合わされたV字状断面の形状の未加硫ゴムベルト106が形成される。そして、本実施形態によると、未加硫スリーブ105には、回転刃36による切断時には、既に、誤差が非常に小さく正確な形状の溝105aが形成されている。更に、回転体22の回転とともに安定した状態で周方向に走行する未加硫スリーブ105が、未加硫スリーブ105の周方向に延びる正確な断面形状の溝105aに沿って、正確な切断位置で、容易に、回転刃36によって切断される。これにより、誤差が小さく、正確な断面形状の未加硫ゴムベルト106が、容易に形成されることになる。
また、本実施形態によると、回転体22の回転とともに周方向に走行する未加硫スリーブ105に対して周方向に溝105aを切削し、更に、その溝105aに沿って未加硫スリーブ105を切断することで、未加硫ゴムベルト106が形成される。このため、本実施形態によると、従来のスカイブ装置を用いたスカイブ工程を行う必要が無く、未加硫スリーブ105の状態から、短時間で、非常に容易に、効率よく、未加硫ゴムベルト106を形成することができる。よって、本実施形態によると、作業時間を短縮して、未加硫ゴムベルト106を形成する際の効率を向上させることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置1によると、誤差が小さく、より正確な断面形状の未加硫ゴムベルト106を容易に形成でき、更に、作業時間を短縮して、未加硫ゴムベルト106を形成する際の効率を向上させることができる。
また、本実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置1によると、上述の通り、正確な断面形状の未加硫ゴムベルト106が形成される。このため、従来のスカイブ装置によって矩形断面の未加硫ゴムベルトから角部を切除してV字状断面の未加硫ゴムベルトを形成する方法とは異なり、未加硫ゴムベルト106の断面形状のばらつきが発生することが大幅に抑制される。よって、本実施形態によると、未加硫ゴムベルト106の幅方向の断面形状のアンバランスが生じることによって発生するラップドVベルト100の状態での心線104の並びの乱れの発生も大幅に抑制することができる。また、本実施形態によると、未加硫ゴムベルト106の断面寸法が所望の断面寸法に比して過度に大きく或いは過度に小さくなってしまうことを大幅に抑制できる。このため、断面寸法が過度に大きい又は過度に小さいラップドVベルトが製造されてしまうことを大幅に抑制できる。
また、本実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置1によると、未加硫スリーブ105の周方向に沿って、誤差が非常に小さく正確な形状の溝105aが形成される。このため、誤って、心線104まで切削されてしまうことが大幅に抑制される。このため、本実施形態によると、未加硫ゴムの切削屑に心線104の屑が混入してしまうことが大幅に抑制され、未加硫ゴムの切削屑を未加硫ゴム素材として再利用することが容易になる。
また、本実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置1によると、正確な断面形状の未加硫ゴムベルト106が形成される。このため、従来のスカイブ装置によって矩形断面の未加硫ゴムベルトから角部を切除してV字状断面の未加硫ゴムベルトを形成する方法とは異なり、未加硫ゴムベルト106の周方向における結合部分での断面形状のばらつきが発生することも大幅に抑制される。また、本実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置1によると、未加硫ゴムベルト106の周方向における結合部分での断面形状のばらつきが発生することが大幅に抑制されるため、その未加硫ゴムベルト106から製造されるラップドVベルト100においても、断面寸法のはらつきを大幅に小さくすることができる。そして、ラップドVベルト100がプーリに対して振れるように振動しながら走行することを抑制でき、プーリにおいてラップドVベルト100を安定した状態で走行させることができる。
また、本実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置1によると、従来のスカイブ装置を用いたスカイブ工程を行う必要が無い。このため、スカイブ装置が不要となることに伴って、未加硫ゴムベルト106を形成するための生産現場の省スペース化を図ることができ、生産現場のスペースを有効に利用することができる。また、本実施形態によると、従来のスカイブ工程が不要となるため、工数の削減となり、製造コストを低減することができる。
また、本実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置1によると、先端に向かって鋭角で尖る形状の刃先51aを有する溝切削刃51によって未加硫スリーブ105の表面が切削され、未加硫スリーブ105の周方向に溝105aが形成される。このため、より切削抵抗の少ない刃先形状で、より滑らかに、未加硫スリーブ105の表面を切削することができる。また、切削によって未加硫スリーブ105の表面に形成する溝105aの形状に応じて、適宜、刃先51aが尖る角度を設定することで、刃先形状を容易に決定することができる。よって、溝切削刃51を簡素な構造で実現することができる。
また、本実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置1によると、溝切削刃51が未加硫スリーブ105の表面から内部に向かって押し込まれる深さである押し込み量が、調整されることで、未加硫スリーブ105の表面に形成される溝105aの深さが調整される。このため、本実施形態によると、未加硫スリーブ105の表面の溝105aの深さを容易に調整することができる。また、本実施形態によると、未加硫スリーブ105の表面に形成する溝105aの深さが異なる場合であっても、同じ溝切削刃51を用いて柔軟に対応することができる。
また、本実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置1によると、一定角度の鋭角で尖る溝切削刃51の押し込み量を調整するため、未加硫スリーブ105の表面に形成される相似形状の断面の溝105aの深さを調整することができる。そして、未加硫スリーブ105の表面に形成する相似形状の断面の溝105aの深さを容易に調整することができる。また、未加硫スリーブ105の表面から切除する未加硫ゴムの量が異なり、未加硫スリーブ105の表面に形成する相似形状の断面の溝105aの深さが異なる場合であっても、同じ溝切削刃51を用いて柔軟に対応することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。例えば、次のような変形例が実施されてもよい。
(1)上述した実施形態では、先端に向かって鋭角で尖る形状の刃先を有する溝切削刃の形態を例示したが、この通りでなくてもよい。例えば、先端に向かって直角又は鈍角で尖る形状の刃先を有する溝切削刃の形態が実施されてもよい。
(2)上述した実施形態では、溝切削刃の刃先が、先端に向かって一定の角度の鋭角で尖るように構成された形態を例にとって説明したが、この通りでなくもよい。例えば、溝切削刃の刃先の角度が、先端に向かって徐々に変化するように構成された形態が、実施されてもよい。また、溝切削刃の刃先の角度が、先端に向かって複数段階に変化するように構成された形態が、実施されてもよい。
(3)上述の実施形態では、1回の溝切削工程において1つの溝が未加硫スリーブに形成される形態、及び、溝切削機構が1つの溝切削刃を有する形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。1回の溝切削工程において複数の溝が未加硫スリーブに形成される変形例、及び、溝切削機構が複数の溝切削刃を有する変形例が、実施されてもよい。
図19は、上記の変形例に係る溝切削機構53を模式的に示す平面図である。図20は、図19に示す溝切削機構53の溝切削刃55を示す図であって、未加硫スリーブ105の一部の模式的な断面とともに示す図である。尚、図19に示す溝切削機構53は、上記の変形例に係る溝切削工程において用いられる。
溝切削機構53は、上述の実施形態の溝切削機構13と同様に構成されている。しかし、溝切削機構53は、1つの溝切削刃51を有する溝切削機構13とは異なり、溝切削刃55を複数有する溝切削器具54を備えて構成されている。尚、変形例についての以下の説明において、前述の実施形態と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付すことで、或いは、同一の符号を引用して説明することで、重複する説明を省略する。
溝切削機構53の溝切削器具54は、ホルダ52に対して着脱自在に保持される。そして、溝切削器具54は、溝切削刃55を複数有している。尚、本変形例では、3つの溝切削刃55を有する溝切削器具54の形態を例示している。
溝切削器具54における各溝切削刃55は、前述の実施形態の溝切削刃51と同様の形状に形成されている。即ち、各溝切削刃55は、先端に向かって尖る刃先55aを有しており、例えば、楔状に尖る三角刃の形態の刃として構成されている。各溝切削刃55の刃先55aは、先端に向かって鋭角で鋭く尖る形状に形成されている。例えば、刃先55aは、頂角が鋭角の二等辺三角形の部分の断面形状を有する形状に形成されている。また、本実施形態では、刃先55aは、先端に向かって一定の角度の鋭角で尖るように構成されている。
また、各溝切削刃55における先端側の刃先55aと反対側の部分は、ホルダ52に対して保持される部分と一体に設けられている。このため、溝切削器具54における複数の溝切削刃55は、一体に設けられている。
本変形例に係る溝切削工程においては、溝切削刃55を複数有する溝切削器具54が用いられる。そして、本変形例に係る溝切削工程においては、複数の溝切削刃55が同時に未加硫スリーブ105に押し付けられることで、未加硫スリーブ105の複数個所で未加硫スリーブ105の周方向に沿って未加硫スリーブ105の表面が切削され、未加硫スリーブ105の表面に複数の溝105aが同時に形成される。また、本変形例に係る溝切削工程において用いられる溝切削器具54における複数の溝切削刃55は、一体に設けられている。尚、図20では、3つの溝切削刃55を有する溝切削器具54によって、未加硫スリーブ105の表面に3つの溝105aが同時に形成された後の未加硫スリーブ105の一部の断面が例示されている。
また、本変形例に係る溝切削機構53は、溝切削刃55を複数有する溝切削器具54を備え、複数の溝切削刃55を同時に未加硫スリーブ105に押し付けることで、未加硫スリーブ105の複数個所で未加硫スリーブ105の周方向に沿って未加硫スリーブ105の表面を切削し、未加硫スリーブ105の表面に複数の溝105aを同時に形成するように構成されている。また、本変形例に係る溝切削機構53の溝切削器具54における複数の溝切削刃55は、一体に設けられている。
本変形例によると、複数の溝切削刃55によって未加硫スリーブ105が複数個所で同時に切削され、未加硫スリーブ105の表面に複数の溝105aが同時に形成される。このため、未加硫スリーブ105の表面に溝105aを形成する際の作業効率を大幅に向上させることができる。これにより、作業時間を更に短縮して、未加硫ゴムベルト106を形成する際の効率を更に向上させることができる。
また、本変形例によると、溝切削器具54において、複数の溝切削刃55が一体に設けられている。このため、複数の溝105aを同時に形成するために複数の溝切削刃55を未加硫スリーブ105の表面に同時に押し付けて未加硫スリーブ105の表面を切削する作業を更に容易に行うことができる。これにより、更なる作業の効率化を図ることができる。
(4)前述の実施形態では、未加硫スリーブ配置工程において、1つの回転体の外周に未加硫スリーブが巻き掛けられた状態で1つの未加硫スリーブの外周に未加硫スリーブが配置される形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。また、前述の実施形態では、回転機構が、1つの回転体の外周に未加硫スリーブが巻き掛けられた状態で1つの回転体の外周に未加硫スリーブが配置されるように構成された形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。未加硫スリーブ配置工程において、複数の回転体のそれぞれの外周の一部に未加硫スリーブが巻き掛けられた状態で複数の回転体の外周に未加硫スリーブが配置される未加硫ゴムベルト形成方法の変形例が実施されてもよい。また、回転機構が、複数の回転体を有し、複数の回転体のそれぞれの外周の一部に未加硫スリーブが巻き掛けられた状態で、複数の回転体のうちの少なくとも1つの回転体を回転駆動し、未加硫スリーブを周方向に走行させる未加硫ゴムベルト形成装置の変形例が実施されてもよい。
図21は、変形例に係る未加硫ゴムベルト形成装置2を模式的に示す正面図である。図22は、未加硫ゴムベルト形成装置2を模式的に示す平面図である。尚、図21及び図22に示す未加硫ゴムベルト形成装置2は、上記の変形例に係る未加硫ゴムベルト形成方法において用いられる。変形例に係る未加硫ゴムベルト形成装置2は、前述の実施形態の未加硫ゴムベルト形成装置1と同様に構成されている。しかし、未加硫ゴムベルト形成装置2は、回転機構56の構成において、未加硫ゴムベルト形成装置1と異なっている。尚、変形例についての以下の説明において、前述の実施形態と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付すことで、或いは、同一の符号を引用して説明することで、重複する説明を省略する。
回転機構56は、駆動ロール57、従動ロール58、駆動ユニット59、支持ユニット(60、61、62)、等を備えて構成されている。そして、回転機構56は、駆動ロール57及び従動ロール58として構成された回転体(57、58)のそれぞれの外周の一部に未加硫スリーブ105が巻き掛けられた状態で上記の回転体(57、58)の外周に未加硫スリーブ105が配置されるように構成された機構として構成されている。
駆動ロール57は、回転軸57a、回転ドラム57b、外周スリーブ57c、等を備え、軸周りに(回転軸57a周りに)回転するように構成された回転体57として設けられている。尚、以下の説明においては、駆動ロール57について、回転体57とも称する。
回転軸57aは、金属製の円筒状又は円柱状の軸として構成されている。そして、回転軸57aは、一端側が駆動ユニット59によって回転自在に支持され、他端側が支持ユニット60によって回転自在に支持されている。また、回転軸57aは、その一端側において、駆動ユニット59からの駆動トルクが入力されることで、回転駆動されるように構成されている。
回転ドラム57bは、例えば、円筒状の部分或いは円周方向に沿って配置された複数のスリーブ支持部分を有する筒状体或いは放射状体の構造体として設けられている。そして、回転ドラム57bは、回転軸57aとともに回転するように、回転軸57aに対して取り付けられている。例えば、回転ドラム57bにおける上記の円筒状の部分或いは複数のスリーブ支持部分が、径方向に延びる複数の支柱部分を介して回転軸57aに対して固定されている。また、回転ドラム57bは、回転軸57aの回転中心軸線と回転ドラム57bの回転中心軸線とが一致するように、回転軸57aに対して取り付けられている。尚、上記の支柱部分は、油圧シリンダ機構等の拡縮自在に作動する機構を有し、上記の円筒状の部分或いは複数のスリーブ支持部分を回転ドラム57bにおける径方向に拡縮自在に支持するように構成されていてもよい。
外周スリーブ57cは、ゴム製の円筒形状のスリーブとして設けられ、回転ドラム57bの外周に装着される。外周スリーブ57cの内周の直径は、回転ドラム57bの外周の直径にほぼ対応する寸法に設定されている。回転ドラム57bが回転する際、回転ドラム57bに装着された外周スリーブ57cは、回転ドラム57bとともに同一の回転速度で回転する。
回転軸57aに固定された回転ドラム57bの外周に外周スリーブ57cが装着されて構成された駆動ロール57の外周に対して、未加硫スリーブ105が巻き掛けられる。本変形例では、未加硫スリーブ105は、駆動ロール57の外周の一部に巻き掛けられる。より具体的には、未加硫スリーブ105は、駆動ロール57の外周の約半周に亘って巻き掛けられる。
従動ロール58は、回転軸58a、回転ドラム58b、外周スリーブ58c、等を備え、軸周りに(回転軸58a周りに)回転するように構成された回転体58として設けられている。尚、以下の説明においては、従動ロール58について、回転体58とも称する。
回転軸58aは、金属製の円筒状又は円柱状の軸として構成されている。そして、回転軸58aは、一端側が支持ユニット61によって回転自在に支持され、他端側が支持ユニット62によって回転自在に支持されている。
回転ドラム58bは、例えば、円筒状の部分或いは円周方向に沿って配置された複数のスリーブ支持部分を有する筒状体或いは放射状体の構造体として設けられている。そして、回転ドラム58bは、回転軸58aとともに回転するように、回転軸58aに対して取り付けられている。例えば、回転ドラム58bにおける上記の円筒状の部分或いは複数のスリーブ支持部分が、径方向に延びる複数の支柱部分を介して回転軸58aに対して固定されている。また、回転ドラム58bは、回転軸58aの回転中心軸線と回転ドラム58bの回転中心軸線とが一致するように、回転軸58aに対して取り付けられている。尚、上記の支柱部分は、油圧シリンダ機構等の拡縮自在に作動する機構を有し、上記の円筒状の部分或いは複数のスリーブ支持部分を回転ドラム58bにおける径方向に拡縮自在に支持するように構成されていてもよい。
外周スリーブ58cは、ゴム製の円筒形状のスリーブとして設けられ、回転ドラム58bの外周に装着される。外周スリーブ58cの内周の直径は、回転ドラム58bの外周の直径にほぼ対応する寸法に設定されている。回転ドラム58bが回転する際、回転ドラム58bに装着された外周スリーブ58cは、回転ドラム58bとともに同一の回転速度で回転する。尚、外周スリーブ58cは、切断機構12によって未加硫スリーブ105が切断される際に回転ドラム58bの表面を保護するために設けられている。
回転軸58aに固定された回転ドラム58bの外周に外周スリーブ58cが装着されて構成された従動ロール58の外周に対して、未加硫スリーブ105が巻き掛けられる。本変形例では、未加硫スリーブ105は、従動ロール58の外周の一部に巻き掛けられる。より具体的には、未加硫スリーブ105は、従動ロール58の外周の約半周に亘って巻き掛けられる。
尚、本変形例では、未加硫スリーブ105が巻き掛けられた状態で配置される回転体として、回転ドラム(57b、58b)に外周スリーブ(57c、58c)が装着されて構成された回転体(57、58)を例示したが、この通りでなくてもよい。例えば、外周スリーブ(57c、58c)が設けられておらず、未加硫スリーブ105が回転ドラム(57b、58b)の外周に直接に巻き掛けられて配置される形態の回転体が実施されてもよい。
駆動ユニット59は、ベース15上に設置され、駆動ロール57を回転自在に支持するとともに駆動ロール57を回転駆動する機構として構成されている。駆動ユニット59は、ハウジング63、モータ64、ベルト駆動機構65、等を備えて構成されている。
ハウジング63は、ベース15上に設置され、モータ64を収容するとともに、駆動ロール57の回転軸57aをその回転軸57aにおける一方の端部側において回転自在に支持する筐体として構成されている。モータ64は、回転軸57aを回転駆動するための駆動トルクを発生させる電動モータとして構成されている。モータ64は、図示が省略された電源から電気エネルギーが供給され、制御装置14からの制御指令に基づいて作動し、所定の回転速度で回転する。モータ64は、その出力軸64aの軸方向が回転軸57aの軸方向と平行となるように、ハウジング63に設置されている。
ベルト駆動機構65は、モータ64からの駆動トルクを駆動ロール57の回転軸57aに伝達する機構として設けられている。ベルト駆動機構65は、図示が省略された駆動プーリ、従動プーリ65a、駆動ベルト65b、連結軸65c、を備えて構成されている。
ベルト駆動機構65の駆動プーリ(図示省略)は、モータ64の出力軸64aに固定され、出力軸64aとともに回転するように構成されている。従動プーリ65aは、駆動ロール57の回転軸57aに対して、連結軸65cを介して、連結されている。連結軸65cは、回転軸57aの端部に連結され、回転軸57aとともに同軸で同期して回転するように構成されている。連結軸65cは、回転軸57aに連結される側の端部と反対側の端部において、従動プーリ65aに固定されている。また、連結軸65cは、回転軸57aとともに、ハウジング63において回転自在に支持されている。駆動ベルト65bは、無端状のベルトとして設けられている。そして、駆動ベルト65bは、駆動プーリ及び従動プーリ65aに対して巻き掛けられ、駆動プーリの駆動トルクを従動プーリ65aに伝達するベルトとして構成されている。
制御装置14からの制御指令に基づいてモータ64の運転が行われると、出力軸64aとともにベルト駆動機構65の駆動プーリが回転する。駆動プーリが回転することで、駆動プーリ及び従動プーリ65aに巻き掛けられた駆動ベルト65bの周回動作が行われる。駆動ベルト65bの周回動作が行われると、従動プーリ65aが回転し、従動プーリ65aとともに回転軸57aが回転することになる。そして、回転軸57aとともに、回転ドラム57b及び外周スリーブ57cが回転する。即ち、駆動ロール57が回転する。
上述のように、駆動ユニット59は、ハウジング63、モータ64、ベルト駆動機構65を有することで、駆動ロール57を回転自在に支持するとともに駆動ロール57を回転駆動するように構成されている。
支持ユニット60は、支持ポスト60a、支持アーム60b、支持シリンダ60c、等を備えて構成されている。支持ポスト60aは、ベース15上に設置された柱状体として構成され、支持アーム60b及び支持シリンダ60cのそれぞれを回転自在に支持している。
支持アーム60bは、一方の端部が、支持ポスト60aに回転自在に支持されている。そして、支持アーム60bは、他方の端部が、駆動ロール57の回転軸57aを、駆動ユニット59に支持される側と反対側の端部において、回転自在に支持するように構成されている。支持アーム60bにおける他方の端部には、開閉自在に構成されて、回転軸57aの端部を保持するチャック部60dが設けられている。支持アーム60bの端部のチャック部60dは、開状態においては回転軸57aの端部を受け入れて保持し、閉状態においては回転軸57aの端部を回転自在に保持するように構成されている。
支持シリンダ60cは、一方の端部が、支持ポスト60aに回転自在に支持されている。そして、支持シリンダ60cは、他方の端部が、支持アーム60bをその長手方向における中途位置において回転自在に支持するように構成されている。また、支持シリンダ60cは、シリンダとロッドとを有し、圧油が給排されることで作動する油圧シリンダ機構として構成されている。支持シリンダ60cは、図示が省略された油圧源から圧油が供給されることで、図21及び図22に示すように、シリンダに対してロッドが伸長した状態となる。この状態では、支持アーム60bにおけるチャック部60dが設けられた他方の端部が所定の高さ位置に位置した状態が、支持シリンダ60cによって維持される。一方、支持シリンダ60cから圧油が排出されると、ロッドがシリンダに縮退した状態となり、支持アーム60bは、支持ポスト60aに支持された一方の端部を中心として回動する。そして、支持アーム60bにおけるチャック部60dが設けられた他方の端部が下方に変位した状態となる。
支持ユニット61は、支持ポスト61aを備えて構成されている。支持ポスト61aは、ベース15上に設置された柱状体として構成されている。そして、支持ポスト61aは、従動ロール58の回転軸58aをその回転軸58aにおける一方の端部側において回転自在に支持するように構成されている。
支持ユニット62は、支持ポスト62a、支持アーム62b、支持シリンダ62c、等を備えて構成されている。支持ポスト62aは、ベース15上に設置された柱状体として構成され、支持アーム62b及び支持シリンダ62cのそれぞれを回転自在に支持している。
支持アーム62bは、一方の端部が、支持ポスト62aに回転自在に支持されている。そして、支持アーム62bは、他方の端部が、従動ロール58の回転軸58aを、支持ユニット61に支持される側と反対側の端部において、回転自在に支持するように構成されている。支持アーム62bにおける他方の端部には、開閉自在に構成されて、回転軸58aの端部を保持するチャック部62dが設けられている。支持アーム62bの端部のチャック部62dは、開状態においては回転軸58aの端部を受け入れて保持し、閉状態においては回転軸58aの端部を回転自在に保持するように構成されている。
支持シリンダ62cは、一方の端部が、支持ポスト62aに回転自在に支持されている。そして、支持シリンダ62cは、他方の端部が、支持アーム62bをその長手方向における中途位置において回転自在に支持するように構成されている。また、支持シリンダ62cは、シリンダとロッドとを有し、圧油が給排されることで作動する油圧シリンダ機構として構成されている。支持シリンダ62cは、図示が省略された油圧源から圧油が供給されることで、図21及び図22に示すように、シリンダに対してロッドが伸長した状態となる。この状態では、支持アーム62bにおけるチャック部62dが設けられた他方の端部が所定の高さ位置に位置した状態が、支持シリンダ62cによって維持される。一方、支持シリンダ62cから圧油が排出されると、ロッドがシリンダに縮退した状態となり、支持アーム62bは、支持ポスト62aに支持された一方の端部を中心として回動する。そして、支持アーム62bにおけるチャック部62dが設けられた他方の端部が下方に変位した状態となる。
回転機構56は、駆動ロール57及び従動ロール58として設けられた回転体(57、58)、駆動ユニット59、支持ユニット(60、61、62)を備えている。これにより、回転機構56は、複数の回転体(57、58)のそれぞれの外周の一部に未加硫スリーブ105が巻き掛けられた状態で複数の回転体(57、58)の外周に未加硫スリーブ105が配置されるように構成されている。更に、回転機構56は、複数の回転体(57、58)のそれぞれの外周の一部に未加硫スリーブ105が巻き掛けられた状態で、未加硫スリーブ105を周方向に走行させるように構成されている。尚、複数の回転体(57、58)の外周に未加硫スリーブ105が巻き掛けられた状態では、複数の回転体(57、58)は、筒状の未加硫スリーブ105の内側に配置される。また、複数の回転体(57、58)の外周に未加硫スリーブ105が巻き掛けられた状態で、回転体(駆動ロール)57が回転駆動されることで、回転体57の回転とともに、未加硫スリーブ105が周方向に走行しながら回転体(従動ロール)58も回転する。尚、未加硫スリーブ105は、回転体(57、58)の回転とともに、回転体(57、58)の周囲で周回動作を行うことで、周方向に走行する。
上述したように、回転機構56は、複数の回転体(57、58)を有している。そして、回転機構56は、複数の回転体(57、58)のそれぞれの外周の一部に未加硫スリーブ105が巻き掛けられた状態で、複数の回転体(57、58)のうちの1つの回転体57を回転駆動し、未加硫スリーブ105を周方向に走行させるように構成されている。また、回転機構56は、複数の回転体(57、58)として一対の回転体(57、58)を有している。そして、一対の回転体(57、58)のうちの一方である回転体57が、回転駆動される駆動ロール57として構成されている。更に、一対の回転体(57、58)のうちの他方である回転体58が、駆動ロール57の回転に伴って周方向に走行する未加硫スリーブ105の走行とともに回転する従動ロール58として構成されている。
また、未加硫ゴムベルト形成装置2においては、溝切削機構13は、先端に向かって尖る刃先51aを有する溝切削刃51を有し、回転体(57、58)に配置されて回転体(57、58)の回転とともに周方向に走行する未加硫スリーブ105に対して、溝切削刃51を押し付けることで、未加硫スリーブ105の周方向に沿って未加硫スリーブ105の表面を切削し、未加硫スリーブ105の表面に未加硫スリーブ105の周方向に沿った溝105aを形成する機構として、構成されている。
また、未加硫ゴムベルト形成装置2においては、切断機構12は、外周に刃が設けられた回転刃36を有し、回転体(57、58)に配置されて回転体(57、58)の回転とともに周方向に走行する未加硫スリーブ105に対して、回転刃36を回転させながら溝105aに沿って押し付けることで、未加硫スリーブ105を周方向に切断し、未加硫ゴムベルト106を形成する機構として、構成されている。
上記の変形例のように、未加硫スリーブ105が巻き掛けられる回転体(57、58)を複数有する未加硫ゴムベルト形成装置2の形態が実施されてもよい。また、上記の変形例のように、未加硫スリーブ105が巻き掛けられる回転体(57、58)が複数用いられる未加硫ゴムベルト形成方法の形態が実施されてもよい。即ち、未加硫スリーブ配置工程において、複数の回転体(57、58)のそれぞれの外周の一部に未加硫スリーブ105が巻き掛けられた状態で複数の回転体(57、58)の外周に未加硫スリーブ105が配置される未加硫ゴムベルト形成方法の形態が実施されてもよい。
上記の変形例に係る未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置2によっても、前述の実施形態の未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置1と同様の効果を奏することができる。即ち、上記の変形例に係る未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置2によると、誤差が小さく、より正確な断面形状の未加硫ゴムベルト106を容易に形成でき、更に、作業時間を短縮して、未加硫ゴムベルト106を形成する際の効率を向上させることができる。
また、上記の変形例に係る未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置2によると、未加硫スリーブ105は、複数の回転体(57、58)に対してそれらの外周に巻き掛けられた状態で配置されるため、未加硫スリーブ105の周方向の長さが長い場合であっても、また、未加硫スリーブ105の厚みが厚い場合であっても、回転体(57、58)の外周に未加硫スリーブ105を容易に配置することができる。このため、上記の変形例に係る未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置2によると、未加硫ゴムベルト106が切り出される未加硫スリーブ105の周方向の長さが長い場合或いは厚みが厚い場合であっても、回転体(57、58)の外周に未加硫スリーブ105を容易に配置して容易に未加硫ゴムベルト106を形成することができる。
また、上記の変形例に係る未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置2によると、未加硫スリーブ105の周方向の長さが長い場合或いは厚みが厚い場合であっても、容易に未加硫ゴムベルト106を形成でき、従来のスカイブ装置を用いる必要が無い。尚、従来のスカイブ装置を用いる方法であれば、未加硫ゴムベルト106の周方向の長さが長い場合或いは厚みが厚い(断面積が大きい)場合は、切断後の矩形断面の未加硫ゴムベルトをスカイブ装置まで搬送してスカイブ装置に装着する作業は、複数の作業者による作業を要する重労働であった。しかし、上記の変形例に係る未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置2によると、未加硫ゴムベルト106の周方向の長さが長い場合或いは厚みが厚い(断面積が大きい)場合であっても、従来のスカイブ装置を用いる必要が無く、複数の作業者による作業を要する重労働も省略することができる。
また、上記の変形例に係る未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置2によると、複数の回転体(57、58)に未加硫スリーブ105を巻き掛けた状態で、未加硫スリーブ105を周回させるように周方向に走行させることができる。このため、未加硫スリーブ105の周方向の長さが長い場合であっても、筒状の未加硫スリーブ105の径寸法に比して小径の回転体(57、58)を複数有する回転機構56によって、未加硫スリーブ105を容易に周方向に走行させることができる。
また、上記の変形例に係る未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置2によると、複数の回転体(57、58)に未加硫スリーブ105を巻き掛けた状態で未加硫スリーブ105を周回させるように周方向に走行させる構造を、駆動ロール57及び従動ロール58で構成される一対の回転体(57、58)を用いた簡素な構造で実現することができる。
尚、上記の変形例においては、2つの回転体を有する未加硫ゴムベルト形成装置及び2つの回転体が用いられる未加硫ゴムベルト形成方法の形態を例示したが、この通りでなくてもよい。3つ以上の回転体を有する未加硫ゴムベルト形成装置及び3つ以上の回転体が用いられる未加硫ゴムベルト形成方法の形態が実施されてもよい。
(5)図21及び図22に示す変形例では、未加硫スリーブ配置工程において、複数の回転体の全てに対して、それぞれの外周の一部において、未加硫スリーブの内周側の面が巻き掛けられた状態で、複数の回転体の外周に未加硫スリーブが配置される形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。また、図21及び図22に示す変形例では、回転機構が、複数の回転体の全てに対して、それぞれの外周の一部において、未加硫スリーブの内周側の面が巻き掛けられた状態で、未加硫スリーブを周方向に走行させる形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。未加硫スリーブ配置工程において、複数の回転体の一部に対して、未加硫スリーブの外周側の面が巻き掛けられ、複数の回転体の残りの回転体に対して、未加硫スリーブの内周側の面が巻き掛けられた状態で、複数の回転体の外周に未加硫スリーブが配置される未加硫ゴムベルト形成方法の変形例が実施されてもよい。また、回転機構が、複数の回転体の一部に対して、未加硫スリーブの外周側の面が巻き掛けられ、複数の回転体の残りの回転体に対して、未加硫スリーブの内周側の面が巻き掛けられた状態で、未加硫スリーブを周方向に走行させる未加硫ゴムベルト形成装置の変形例が実施されてもよい。
図23は、変形例に係る未加硫ゴムベルト形成装置3を模式的に示す正面図である。尚、図23に示す未加硫ゴムベルト形成装置3は、上記の変形例に係る未加硫ゴムベルト形成方法において用いられる。変形例に係る未加硫ゴムベルト形成装置3は、前述の実施形態の未加硫ゴムベルト形成装置1、及び、図21及び図22に示す変形例の未加硫ゴムベルト形成装置2、と同様に、回転機構70、切断機構12、溝切削機構13、制御装置14、等を備えて構成されている。しかし、未加硫ゴムベルト形成装置3は、回転機構70の構成と、切断機構12及び溝切削機構13の配置構成とにおいて、未加硫ゴムベルト形成装置1及び未加硫ゴムベルト形成装置2と異なっている。尚、本変形例についての以下の説明において、前述の実施形態と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付すことで、或いは、同一の符号を引用して説明することで、重複する説明を省略する。
回転機構70は、複数の回転体(71、72、73、74)、図示が省略された駆動ユニット及び支持ユニット、等を備えて構成されている。そして、回転機構70は、複数の回転体(71、72、73、74)のそれぞれの外周の一部に未加硫スリーブ105が巻き掛けられた状態で上記の回転体(71〜74)の外周に未加硫スリーブ105が配置されるように構成された機構として構成されている。
また、回転機構70は、複数の回転体(71〜74)のそれぞれの外周の一部に未加硫スリーブ105が巻き掛けられた状態で、複数の回転体(71〜74)のうちの少なくとも1つの回転体を回転駆動し、未加硫スリーブ105を周方向に走行させるように構成されている。尚、本変形例では、例えば、回転体73が、回転駆動される駆動ロールとして構成され、回転体(71、72、74)が、駆動ロールである回転体73の回転に伴って周方向に走行する未加硫スリーブ105の走行とともに回転する従動ロールとして構成されている。
回転体71は、回転軸71a、回転ドラム71b、外周スリーブ71c、等を備え、軸周りに(回転軸71a周りに)回転するように構成されている。回転体72は、回転軸72a、回転ドラム72b、外周スリーブ72c、等を備え、軸周りに(回転軸72a周りに)回転するように構成されている。回転体73は、回転軸73a、回転ドラム73b、外周スリーブ73c、等を備え、軸周りに(回転軸73a周りに)回転するように構成されている。回転体74は、回転軸74a、回転ドラム74b、外周スリーブ74c、等を備え、軸周りに(回転軸74a周りに)回転するように構成されている。
回転体(71、72、74)の回転軸(71a、72a、74a)は、金属製の円筒状又は円柱状の軸として構成されている。そして、回転軸(71a、72a、74a)は、一端側が、図示が省略された支持ユニットによって回転自在に支持され、他端側も、図示が省略された他の支持ユニットによって回転自在に支持されている。尚、回転軸(71a、72a、74a)の一端側を支持する支持ユニットは、例えば、図21及び図22に示す変形例に係る未加硫ゴムベルト形成装置2の支持ユニット61と略同様に構成される。但し、回転軸(71a、72a、74a)の一端側を支持する支持ユニットは、図21及び図22に示す支持ユニット61とは、3つの回転体(71、72、74)の回転軸(71a、72a、74a)を回転自在に支持するように構成されている点において、異なっている。また、回転軸(71a、72a、74a)の他端側を支持する支持ユニットは、例えば、図21及び図22に示す変形例に係る未加硫ゴムベルト形成装置2の支持ユニット62と略同様に構成される。但し、回転軸(71a、72a、74a)の他端側を支持する支持ユニットは、図21及び図22に示す支持ユニット62とは、3つの回転体(71、72、74)の回転軸(71a、72a、74a)を回転自在に支持するように構成されている点において、異なっている。
回転体73の回転軸73aは、金属製の円筒状又は円柱状の軸として構成されている。そして、回転軸73aは、一端側が、図示が省略された駆動ユニットによって回転自在に支持され、他端側が、図示が省略された支持ユニットによって回転自在に支持されている。また、回転軸73aは、その一端側において、図示が省略された駆動ユニットからの駆動トルクが入力されることで、回転駆動されるように構成されている。尚、回転軸73aの一端側を支持する駆動ユニットは、例えば、図21及び図22に示す変形例に係る未加硫ゴムベルト形成装置2の駆動ユニット59と略同様に構成される。また、回転軸73aの他端側を支持する支持ユニットは、例えば、図21及び図22に示す変形例に係る未加硫ゴムベルト形成装置2の支持ユニット60と略同様に構成される。
回転体(71、72、73、74)の回転ドラム(71b、72b、73b、74b)のそれぞれは、例えば、円筒状の部分或いは円周方向に沿って配置された複数のスリーブ支持部分を有する筒状体或いは放射状体の構造体として設けられている。そして、回転ドラム(71b、72b、73b、74b)は、それぞれ、回転軸(71a、72a、73a、74a)とともに回転するように、回転軸(71a〜74a)に対して取り付けられている。例えば、回転ドラム(71b〜74b)における上記の円筒状の部分或いは複数のスリーブ支持部分が、径方向に延びる複数の支柱部分を介して回転軸(71a〜74a)に対して固定されている。また、回転ドラム(71b〜74b)は、回転軸(71a〜74a)の回転中心軸線と回転ドラム(71b〜74b)の回転中心軸線とが一致するように、回転軸(71a〜74a)に対して取り付けられている。尚、上記の支柱部分は、油圧シリンダ機構等の拡縮自在に作動する機構を有し、上記の円筒状の部分或いは複数のスリーブ支持部分を回転ドラム(71b〜74b)における径方向に拡縮自在に支持するように構成されていてもよい。
回転体(71、72、73、74)の外周スリーブ(71c、72c、73c、74c)のそれぞれは、ゴム製の円筒形状のスリーブとして設けられ、回転ドラム(71b、72b、73b、74b)の外周に装着される。外周スリーブ(71c〜74c)の内周の直径は、回転ドラム(71b〜74b)の外周の直径にほぼ対応する寸法に設定されている。回転ドラム(71b〜74b)が回転する際、回転ドラム(71b〜74b)に装着された外周スリーブ(71c〜74c)は、それぞれ、回転ドラム(71b〜74b)とともに同一の回転速度で回転する。
また、回転機構70は、複数の回転体として、少なくとも4つの回転体を有しており、本変形例では、4つの回転体(71〜74)を有している構成を例示している。また、本変形例の未加硫ゴムベルト形成装置3では、4つの回転体(71〜74)のうちの3つの回転体(71、72、74)は、例えば、上下方向に直列に並んで配置されている。そして、4つの回転体(71〜74)のうちの1つの回転体73は、3つの回転体(71、72、74)に対して、水平方向に離れた位置に配置されている。更に、4つの回転体(71〜74)の回転軸(71a〜74a)は、軸方向が互いに平行に延びるように、配置されている。
また、未加硫ゴムベルト形成装置3は、複数の回転体(71〜74)のうちの1つの回転体71である第1回転体71に対しては、未加硫スリーブ105の外周側の面105bが巻き掛けられるように、構成されている。そして、未加硫ゴムベルト形成装置3は、複数の回転体(71〜74)のうちの第1回転体71以外の回転体(72、73、74)である第2回転体(72、73、74)に対しては、未加硫スリーブ105の内周側の面105cが巻き掛けられるように、構成されている。このため、未加硫ゴムベルト形成装置3では、未加硫スリーブ105の内側に第2回転体(72、73、74)が配置され、未加硫スリーブ105の外側に第1回転体73が配置された状態となる。そして、未加硫ゴムベルト形成装置3では、未加硫スリーブ105は、第2回転体(72、73、74)によって内側から屈曲され、第1回転体73によって外側から屈曲された状態となる。
また、未加硫ゴムベルト形成装置3の溝切削機構13は、前述の実施形態の未加硫ゴムベルト形成装置1の溝切削機構13と同様に構成されている。但し、未加硫ゴムベルト形成装置3の溝切削機構13は、複数の回転体(71〜74)に巻き掛けられた未加硫スリーブ105の内側に配置されるように構成されている。更に、溝切削機構13は、複数の回転体(71〜74)に巻き掛けられた未加硫スリーブ105の内側において、第1回転体71に巻き掛けられた未加硫スリーブ105を介して、第1回転体71に対向する位置に配置されている。尚、溝切削機構13は、例えば、複数の回転体(71〜74)に巻き掛けられた未加硫スリーブ105の内側の領域に対して搬入及び搬出が可能な可動台(図示省略)に設置される。
また、未加硫ゴムベルト形成装置3の切断機構12は、前述の実施形態の未加硫ゴムベルト形成装置1の切断機構12と同様に構成されている。そして、未加硫ゴムベルト形成装置3の切断機構12は、複数の回転体(71〜74)に巻き掛けられた未加硫スリーブ105の外側に配置されるように構成されている。更に、切断機構12は、複数の回転体(71〜74)に巻き掛けられた未加硫スリーブ105の外側において、第2回転体(72、73、74)のうちの1つの第2回転体73に巻き掛けられた未加硫スリーブ105を介して、第2回転体73に対向する位置に配置されている。
また、未加硫ゴムベルト形成装置3においては、溝切削機構13は、第1回転体71に巻き掛けられた未加硫スリーブ105に対して、溝切削刃51を押し付けるように構成されている。図24は、未加硫ゴムベルト形成装置3の溝切削機構13によって未加硫スリーブ105に溝105aが形成される工程を説明するための図であって、未加硫ゴムベルト形成装置3の一部を模式的に示す図である。また、図25は、未加硫ゴムベルト形成装置3の溝切削機構13によって未加硫スリーブ105に溝105aが形成される工程を説明するための図であって、未加硫スリーブ105の一部の断面を模式的に示す図である。尚、図24及び図25では、溝切削機構13の溝切削刃51によって、第1回転体71に巻き掛けられた未加硫スリーブ105が周方向に沿って表面が切削されて溝105aが形成されている状態を示している。また、図24では、図23において矢印X2で示した方向から見た状態の未加硫ゴムベルト形成装置3の一部を模式的に示している。
溝切削機構13は、先端に向かって尖る刃先51aを有する溝切削刃51を有している(図25を参照)。そして、溝切削機構13は、第1回転体71の外周スリーブ71cに巻き掛けられて周方向に走行する未加硫スリーブ105に対して、溝切削刃51を押し付けることで、未加硫スリーブ105の周方向に沿って未加硫スリーブ105の表面を切削する(図23乃至図25を参照)。このとき、溝切削機構13は、第1回転体71に巻き掛けられた未加硫スリーブ105の内周側の面105cに対して、溝切削刃51を押し付け、未加硫スリーブ105の内周側の面105cとして構成された未加硫スリーブ105の表面を切削する。これにより、溝切削機構13は、未加硫スリーブ105の内周側の面105cに未加硫スリーブ105の周方向に沿った溝105aを形成するように構成されている。
また、未加硫ゴムベルト形成装置3においては、切断機構12は、第2回転体(72〜74)のうちの1つの第2回転体73に巻き掛けられた未加硫スリーブ105に対して、回転刃36を回転させながら溝105aに対応した位置に沿って押し付けるように構成されている。図26は、未加硫ゴムベルト形成装置3の切断機構12によって未加硫スリーブ105から未加硫ゴムベルト106が形成される工程を説明するための図であって、未加硫ゴムベルト形成装置3の一部を模式的に示す図である。また、図27は、未加硫ゴムベルト形成装置3の切断機構12によって未加硫スリーブ105から未加硫ゴムベルト106が形成される工程を説明するための図であって、未加硫スリーブ105の一部の断面を模式的に示す図である。尚、図26及び図27では、切断機構12の回転刃36によって、第2回転体73に巻き掛けられた未加硫スリーブ105が周方向に切断されて未加硫ゴムベルト106が形成されている状態を示している。また、図26では、図23において矢印X3で示した方向から見た状態の未加硫ゴムベルト形成装置3の一部を模式的に示している。
切断機構12は、外周に刃が設けられた回転刃36を有している。そして、切断機構12は、第2回転体73の外周スリーブ73cに巻き掛けられて周方向に走行する未加硫スリーブ105に対して、回転刃36を回転させながら溝105aに対応した位置に沿って押し付けることで、未加硫スリーブ105を周方向に切断し、未加硫ゴムベルト106を形成する(図23乃至図25を参照)。このとき、切断機構12は、第2回転体73に巻き掛けられた未加硫スリーブ105の外周側の面105bに対して、回転刃36を回転させながら溝105aに対応した位置に沿って押し付け、未加硫スリーブ105の外周側の面105b側から未加硫スリーブ105を周方向に切断する。これにより、切断機構12は、未加硫スリーブ105から未加硫ゴムベルト106を切り出して形成するように構成されている。
尚、未加硫スリーブ105の外周側の面105b側から回転刃36が溝105aに対応した位置に沿って押し付けられて未加硫ゴムベルト106が形成される際には、回転刃36の刃先は、溝105aに達する位置まで押し付けられる。更に、このとき、制御装置14からの制御指令に基づいて、回転刃36の刃先は、第2回転体73の外周スリーブ73cに達する位置までは押し付けられないように、未加硫スリーブ105への押し付け深さが調整される。
上記の変形例のように、回転機構70が、複数の回転体として、少なくとも4つの回転体(71〜74)を有し、第1回転体71に対しては、未加硫スリーブ105の外周側の面105bが巻き掛けられ、第2回転体(72〜74)に対しては、未加硫スリーブ105の内周側の面105cが巻き掛けられる未加硫ゴムベルト形成装置3の形態が実施されてもよい。そして、その未加硫ゴムベルト形成装置3の形態は、溝切削機構13が、第1回転体73に巻き掛けられた未加硫スリーブ105に対して、溝切削刃51を押し付けるように構成され、切断機構12が、第2回転体73に巻き掛けられた未加硫スリーブ105に対して、回転刃36を回転させながら溝105aに対応した位置に沿って押し付けるように構成されていてもよい。
また、上記の変形例のように、未加硫ゴムベルト形成装置3を用いて実施される未加硫ゴムベルト形成方法が実施されてもよい。即ち、未加硫スリーブ配置工程において、複数の回転体として、少なくとも4つの回転体(71〜74)が用いられ、第1回転体71に対しては、未加硫スリーブ105の外周側の面105bが巻き掛けられ、第2回転体(72〜74)に対しては、未加硫スリーブ105の内周側の面105cが巻き掛けられる未加硫ゴムベルト形成方法の形態が実施されてもよい。そして、その未加硫ゴムベルト形成方法の形態は、溝切削工程において、溝切削刃51が、第1回転体71に巻き掛けられた未加硫スリーブ105に対して押し付けられ、切断工程において、回転刃36が、回転しながら、第2回転体73に巻き掛けられた未加硫スリーブ105に対して、溝105aに対応した位置に沿って押し付けられるように構成されていてもよい。
上記の変形例に係る未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置3によっても、前述の実施形態の未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置1と同様の効果を奏することができる。即ち、上記の変形例に係る未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置3によると、誤差が小さく、より正確な断面形状の未加硫ゴムベルト106を容易に形成でき、更に、作業時間を短縮して、未加硫ゴムベルト106を形成する際の効率を向上させることができる。
また、上記の変形例に係る未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置3によると、未加硫スリーブ105は、少なくとも4つの回転体(71〜74)として構成された複数の回転体(71〜74)のうちの第1回転体71に対しては、外周側の面105bで巻き掛けられ、複数の回転体(71〜74)のうちの残りの全ての回転体である第2回転体(72〜74)に対しては、内周側の面105cで巻き掛けられた状態で、複数の回転体(71〜74)の外周に配置される。この状態では、未加硫スリーブ105の内側に第2回転体(72〜74)が配置され、未加硫スリーブ105の外側に第1回転体71が配置された状態となる。そして、溝切削工程においては、溝切削刃51が、第1回転体71に巻き掛けられた未加硫スリーブ105に対して押し付けられ、溝切削機構13は、第1回転体71に巻き掛けられた未加硫スリーブ105に対して溝切削刃51を押し付ける。更に、切断工程においては、回転刃36が、回転しながら、第2回転体73に巻き掛けられた未加硫スリーブ105に対して、溝105aに対応した位置に沿って押し付けられ、切断機構12は、第2回転体73に巻き掛けられた未加硫スリーブ105に対して、回転刃36を回転させながら溝105aに対応した位置に沿って押し付ける。
よって、溝切削刃51が、第1回転体71に巻き掛けられた未加硫スリーブ105に対して押し付けられ、回転刃36は、第2回転体73に巻き掛けられた未加硫スリーブ105に対して、溝105aに対応した位置に沿って押し付けられる。そして、未加硫スリーブ105において第1回転体71に巻き掛けられた外周側の面105bとは反対側の内周側の面105cとして構成された未加硫スリーブ105の表面が溝切削刃51によって切削され、未加硫スリーブ105の内周側の面105cに未加硫スリーブ105の周方向に沿った溝105aが形成される。更に、回転刃36が、未加硫スリーブ105に対して、第2回転体73に巻き掛けられた内周側の面105cとは反対側の外周側の面105bから溝105aに対応した位置に沿って押し付けられる。これにより、未加硫スリーブ105が溝に沿って周方向に切断され、未加硫ゴムベルト106が形成される。
従って、上記の変形例に係る未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置3によると、回転刃36による未加硫スリーブ105の切断の際、回転刃36は、未加硫スリーブ105に対して、溝切削刃51によって溝105aが切削された側の面とは反対側の面から押し付けられることになる。このため、回転刃36を未加硫スリーブ105に対して溝105aに達する位置まで押し付けることで、未加硫スリーブ105を溝105aに沿って周方向に切断して未加硫ゴムベルト106を形成することができる。そうすると、回転体73の外周の表面に回転刃36を接触させることなく、未加硫スリーブ105を溝105aに沿って周方向に切断して未加硫ゴムベルト106を形成することができる。このため、回転体73の外周の表面を回転刃36で傷つけて損傷させてしまうことを防止することができる。これにより、回転体73の長寿命化を図ることができる。
また、回転体の外周の表面が回転刃36によって損傷すると、回転体の表面が滑らかでなくなり、回転体の表面に凹凸が生じることになる。表面に凹凸が生じた状態の回転体に未加硫スリーブ105が巻き掛けられる場合、回転体の回転とともに走行する未加硫スリーブ105の周方向に作用する張力において未加硫スリーブ105の幅方向でばらつきが生じ、未加硫スリーブ105の走行状態が不安定となる。そして、未加硫スリーブ105が幅方向に振れながら走行し易くなってしまう。この場合、溝切削工程において(即ち、溝切削機構によって未加硫スリーブに溝を形成する際に)未加硫スリーブ105が振れながら走行すると、溝105aの形状及び未加硫スリーブ105の幅方向における溝105aの位置のばらつきを増大させてしまう虞がある。更に、切断工程において(即ち、切断機構によって未加硫スリーブを切断する際に)未加硫スリーブが振れながら走行すると、未加硫スリーブの幅方向における切断位置のばらつきを増大させてしまう虞がある。しかし、上記の変形例に係る未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置3によると、回転体73の外周の表面を回転刃36で傷つけて損傷させてしまうことを防止でき、回転体73の長寿命化を図ることができる。このため、回転体73を長期間に亘って繰り返し使用した場合であっても、溝105aの形状及び未加硫スリーブ105の幅方向における溝105aの位置のばらつき、及び、未加硫スリーブ105の幅方向における切断位置のばらつきが生じてしまうことを抑制することができる。
尚、上記の変形例に係る未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置3においては、回転体(71〜74)として、金属製の回転ドラム(71b〜74b)の外周にゴム製の外周スリーブ(71c〜74c)が装着されて構成された回転体(71〜74)が用いられている。この場合、回転刃36が外周スリーブ73cの表面に接触するとゴム製の外周スリーブ73cの損傷が生じ易くなってしまう虞がある。しかし、上記の変形例に係る未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置3によると、外周スリーブ73cの表面に回転刃36を接触させることなく、未加硫スリーブ105を溝105aに沿って周方向に切断して未加硫ゴムベルト106を形成することができる。このため、外周スリーブ105の表面を回転刃36で傷つけて損傷させてしまうことを防止することができ、外周スリーブ105の長寿命化を図ることができる。
(6)図23乃至図27に示す変形例においては、溝切削機構が、複数の回転体に巻き掛けられた未加硫スリーブの内側に配置され、切断機構が、複数の回転体に巻き掛けられた未加硫スリーブの外側に配置された形態を例示したが、この通りでなくてもよい。溝切削機構が、複数の回転体に巻き掛けられた未加硫スリーブの外側に配置され、切断機構が、複数の回転体に巻き掛けられた未加硫スリーブの内側に配置された形態が実施されてもよい。
図28は、変形例に係る未加硫ゴムベルト形成装置4を模式的に示す正面図である。図28に示す未加硫ゴムベルト形成装置4は、図23乃至図27に示す変形例に係る未加硫ゴムベルト形成装置3と同様に構成されている。しかし、未加硫ゴムベルト形成装置4は、切断機構12及び溝切削機構13の配置構成において、未加硫ゴムベルト形成装置3と異なっている。尚、図28に示す変形例についての以下の説明において、図23乃至図27に示す変形例と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付すことで、或いは、同一の符号を引用して説明することで、重複する説明を省略する。
未加硫ゴムベルト形成装置4は、溝切削機構13が、複数の回転体(71〜74)に巻き掛けられた未加硫スリーブ105の外側に配置されるように構成されている。更に、溝切削機構13は、複数の回転体(71〜74)に巻き掛けられた未加硫スリーブ105の外側において、第2回転体73に巻き掛けられた未加硫スリーブ105を介して、第2回転体73に対向する位置に配置されている。
また、未加硫ゴムベルト形成装置4は、切断機構12が、複数の回転体(71〜74)に巻き掛けられた未加硫スリーブ105の内側に配置されるように構成されている。更に、切断機構12は、複数の回転体(71〜74)に巻き掛けられた未加硫スリーブ105の内側において、第1回転体71に巻き掛けられた未加硫スリーブ105を介して、第1回転体71に対向する位置に配置されている。尚、切断機構12は、例えば、複数の回転体(71〜74)に巻き掛けられた未加硫スリーブ105の内側の領域に対して搬入及び搬出が可能な可動台(図示省略)に設置される。
また、未加硫ゴムベルト形成装置4においては、溝切削機構13は、第2回転体73に巻き掛けられた未加硫スリーブ105に対して、溝切削刃51を押し付けるように構成されている。そして、溝切削機構13は、第2回転体73に巻き掛けられた未加硫スリーブ105の外周側の面105bに対して、溝切削刃51を押し付け、未加硫スリーブ105の外周側の面105bとして構成された未加硫スリーブ105の表面を切削する。これにより、溝切削機構13は、未加硫スリーブ105の外周側の面105bに未加硫スリーブ105の周方向に沿った溝105aを形成するように構成されている。
また、未加硫ゴムベルト形成装置4においては、切断機構12は、第1回転体71に巻き掛けられた未加硫スリーブ105に対して、回転刃36を回転させながら溝105aに対応した位置に沿って押し付けるように構成されている。そして、切断機構12は、第1回転体71に巻き掛けられた未加硫スリーブ105の内周側の面105cに対して、回転刃36を回転させながら溝105aに対応した位置に沿って押し付け、未加硫スリーブ105の内周側の面105c側から未加硫スリーブ105を周方向に切断する。これにより、切断機構12は、未加硫スリーブ105から未加硫ゴムベルト106を切り出して形成するように構成されている。
上記の変形例に係る未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置4によっても、前述の実施形態の未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置1と同様の効果を奏することができる。即ち、上記の変形例に係る未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置4によると、誤差が小さく、より正確な断面形状の未加硫ゴムベルト106を容易に形成でき、更に、作業時間を短縮して、未加硫ゴムベルト106を形成する際の効率を向上させることができる。
また、上記の変形例に係る未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置4によっても、図23乃至図27に示す変形例に係る未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置3と同様の効果を奏することができる。即ち、上記の変形例に係る未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置4によると、回転刃36による未加硫スリーブ105の切断の際、回転刃36は、未加硫スリーブ105に対して、溝切削刃51によって溝105aが切削された側の面とは反対側の面から押し付けられることになる。このため、回転刃36を未加硫スリーブ105に対して溝105aに達する位置まで押し付けることで、未加硫スリーブ105を溝105aに沿って周方向に切断して未加硫ゴムベルト106を形成することができる。そうすると、回転体71の外周の表面に回転刃36を接触させることなく、未加硫スリーブ105を溝105aに沿って周方向に切断して未加硫ゴムベルト106を形成することができる。このため、回転体71の外周の表面を回転刃36で傷つけて損傷させてしまうことを防止することができる。これにより、回転体71の長寿命化を図ることができる。そして、回転体71を長期間に亘って繰り返し使用した場合であっても、未加硫スリーブ105が振れながら走行することを防止でき、溝105aの形状及び未加硫スリーブ105の幅方向における溝105aの位置のばらつき、及び、未加硫スリーブ105の幅方向における切断位置のばらつきが生じてしまうことを抑制することができる。
(7)図23乃至図27に示す変形例、及び、図28に示す変形例においては、複数の回転体として、4つの回転体を有する未加硫ゴムベルト形成装置及び4つの回転体が用いられる未加硫ゴムベルト形成方法の形態を例示したが、この通りでなくてもよい。5つ以上の回転体を有する未加硫ゴムベルト形成装置及び5つ以上の回転体が用いられる未加硫ゴムベルト形成方法の形態が実施されてもよい。また、図23乃至図27に示す変形例、及び、図28に示す変形例においては、1つの第1回転体と3つの第2回転体とを有する未加硫ゴムベルト形成装置と、1つの第1回転体と3つの第2回転体とが用いられる未加硫ゴムベルト形成方法の形態とを例示したが、この通りでなくてもよい。2つ以上の第1回転体と3つ以上の第2回転体とを有する未加硫ゴムベルト形成装置、及び、2つ以上の第1回転体と3つ以上の第2回転体とが用いられる未加硫ゴムベルト形成方法の形態が実施されてもよい。また、1つ以上の第1回転体と4つ以上の第2回転体とを有する未加硫ゴムベルト形成装置、及び、1つ以上の第1回転体と4つ以上の第2回転体とが用いられる未加硫ゴムベルト形成方法の形態が実施されてもよい。
本発明は、未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置に関して、広く適用することができる。
1 未加硫ゴムベルト形成装置
11 回転機構
12 切断機構
13 溝切削機構
22 回転体
36 回転刃
51 溝切削刃
51a 刃先
105 未加硫スリーブ
105a 溝
106 未加硫ゴムベルト

Claims (12)

  1. 未加硫ゴム層と心線とを有する筒状の未加硫スリーブから環状の未加硫ゴムベルトを形成するための未加硫ゴムベルト形成方法であって、
    軸周りに回転するように構成された回転体の外周の少なくとも一部に前記未加硫スリーブが巻き掛けられた状態で前記回転体の外周に前記未加硫スリーブが配置される、未加硫スリーブ配置工程と、
    先端に向かって尖る刃先を有する溝切削刃が、前記回転体に配置されて前記回転体の回転とともに周方向に走行する前記未加硫スリーブに対して、押し付けられることで、前記未加硫スリーブの周方向に沿って当該未加硫スリーブの表面が切削され、前記未加硫スリーブの表面に当該未加硫スリーブの周方向に沿った溝が形成される、溝切削工程と、
    外周に刃が設けられた回転刃が、前記回転体に配置されて前記回転体の回転とともに周方向に走行する前記未加硫スリーブに対して、回転しながら前記溝に沿って押し付けられることで、又は、回転しながら前記溝に対応した位置に沿って押し付けられることで、前記未加硫スリーブが周方向に切断され、前記未加硫ゴムベルトが形成される、切断工程と、
    を備えていることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成方法。
  2. 請求項1に記載の未加硫ゴムベルト形成方法であって、
    前記溝切削工程において、先端に向かって鋭角で尖る形状の前記刃先を有する前記溝切削刃が用いられ、前記未加硫スリーブの表面が切削されることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の未加硫ゴムベルト形成方法であって、
    前記溝切削工程において、前記溝切削刃を複数有する溝切削器具が用いられ、複数の前記溝切削刃が同時に前記未加硫スリーブに押し付けられることで、前記未加硫スリーブの複数個所で前記未加硫スリーブの周方向に沿って当該未加硫スリーブの表面が切削され、前記未加硫スリーブの表面に複数の前記溝が同時に形成されることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成方法。
  4. 請求項3に記載の未加硫ゴムベルト形成方法であって、
    前記溝切削工程において用いられる前記溝切削器具における複数の前記溝切削刃は、一体に設けられていることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の未加硫ゴムベルト形成方法であって、
    前記溝切削工程において、前記未加硫スリーブに対して押し付けられる前記溝切削刃が当該未加硫スリーブの表面から内部に向かって押し込まれる深さである押し込み量が、調整されることで、前記未加硫スリーブの表面に形成される前記溝の深さが調整されることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成方法。
  6. 請求項5に記載の未加硫ゴムベルト形成方法であって、
    前記溝切削工程において用いられる前記溝切削刃の前記刃先は、先端に向かって一定の角度の鋭角で尖るように構成されていることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成方法。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の未加硫ゴムベルト形成方法であって、
    前記未加硫スリーブ配置工程において、複数の前記回転体のそれぞれの外周の一部に前記未加硫スリーブが巻き掛けられた状態で複数の前記回転体の外周に前記未加硫スリーブが配置されることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成方法。
  8. 請求項7に記載の未加硫ゴムベルト形成方法であって、
    前記未加硫スリーブ配置工程において、
    複数の前記回転体として、少なくとも4つの前記回転体が用いられ、
    複数の前記回転体のうちの少なくとも1つの前記回転体である第1回転体に対しては、前記未加硫スリーブの外周側の面が巻き掛けられ、
    複数の前記回転体のうちの前記第1回転体以外の前記回転体である第2回転体に対しては、前記未加硫スリーブの内周側の面が巻き掛けられ、
    前記溝切削工程において、前記溝切削刃が、前記第1回転体及び前記第2回転体のうちの一方に巻き掛けられた前記未加硫スリーブに対して押し付けられ、
    前記切断工程において、前記回転刃が、回転しながら、前記第1回転体及び前記第2回転体のうちの他方に巻き掛けられた前記未加硫スリーブに対して、前記溝に対応した位置に沿って押し付けられることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成方法。
  9. 未加硫ゴム層と心線とを有する筒状の未加硫スリーブから環状の未加硫ゴムベルトを形成するための未加硫ゴムベルト形成装置であって、
    軸周りに回転するように構成された回転体を有し、前記回転体の外周の少なくとも一部に前記未加硫スリーブが巻き掛けられた状態で前記回転体の外周に前記未加硫スリーブが配置されるように構成された、回転機構と、
    先端に向かって尖る刃先を有する溝切削刃を有し、前記回転体に配置されて前記回転体の回転とともに周方向に走行する前記未加硫スリーブに対して、前記溝切削刃を押し付けることで、前記未加硫スリーブの周方向に沿って当該未加硫スリーブの表面を切削し、前記未加硫スリーブの表面に当該未加硫スリーブの周方向に沿った溝を形成する、溝切削機構と、
    外周に刃が設けられた回転刃を有し、前記回転体に配置されて前記回転体の回転とともに周方向に走行する前記未加硫スリーブに対して、前記回転刃を回転させながら前記溝に沿って押し付けることで、又は、前記回転刃を回転させながら前記溝に対応した位置に沿って押し付けることで、前記未加硫スリーブを周方向に切断し、前記未加硫ゴムベルトを形成する、切断機構と、
    を備えていることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成装置。
  10. 請求項9に記載の未加硫ゴムベルト形成装置であって、
    前記回転機構は、複数の前記回転体を有し、複数の前記回転体のそれぞれの外周の一部に前記未加硫スリーブが巻き掛けられた状態で、複数の前記回転体のうちの少なくとも1つの前記回転体を回転駆動し、前記未加硫スリーブを周方向に走行させることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成装置。
  11. 請求項10に記載の未加硫ゴムベルト形成装置であって、
    前記回転機構は、複数の前記回転体として一対の前記回転体を有し、
    一対の前記回転体のうちの一方が、回転駆動される駆動ロールとして構成され、一対の前記回転体のうちの他方が、前記駆動ロールの回転に伴って周方向に走行する前記未加硫スリーブの走行とともに回転する従動ロールとして構成されていることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成装置。
  12. 請求項10に記載の未加硫ゴムベルト形成装置であって、
    前記回転機構は、複数の前記回転体として、少なくとも4つの前記回転体を有し、
    複数の前記回転体のうちの少なくとも1つの前記回転体である第1回転体に対しては、前記未加硫スリーブの外周側の面が巻き掛けられ、
    複数の前記回転体のうちの前記第1回転体以外の前記回転体である第2回転体に対しては、前記未加硫スリーブの内周側の面が巻き掛けられ、
    前記溝切削機構は、前記第1回転体及び前記第2回転体のうちの一方に巻き掛けられた前記未加硫スリーブに対して、前記溝切削刃を押し付け、
    前記切断機構は、前記第1回転体及び前記第2回転体のうちの他方に巻き掛けられた前記未加硫スリーブに対して、前記回転刃を回転させながら前記溝に対応した位置に沿って押し付けることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成装置。
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