JP6720098B2 - 未加硫ゴムベルト形成装置 - Google Patents

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本発明は、未加硫ゴムベルト形成装置、及び未加硫ゴムベルト形成方法に関する。
従来より、動力を伝達する伝動ベルトとして、Vベルト、Vリブドベルト、平ベルトなど、摩擦によって動力を伝達するベルトが広く知られている。Vベルトは、V字状の断面を有する環状の伝動ベルトとして構成されている。そして、Vベルトとしては、ラップドVベルト及びローエッジVベルトが、用いられている。ラップドVベルトは、外被布で周囲が覆われたVベルトとして構成されている。一方、ローエッジVベルトは、摩擦によって動力を伝達する側面のゴム層が露出した状態のVベルトとして構成されている。
ラップドVベルトは、コンプレッサー、発電機、ポンプなどの一般産業用機械、或いは、田植え機、草刈り機などの農業機械、等において、伝動ベルトとして広く用いられている。ラップドVベルトは、ベルト内周側に圧縮ゴム層が設けられ、ベルト外周側に伸張ゴム層が設けられている。更に、ラップドVベルトにおいては、圧縮ゴム層と伸張ゴム層との間において、心線が埋設されている。そして、ラップドVベルトは、環状に設けられた無端状のベルト本体の周囲全体がベルト周方向の全長に亘って外被布で被覆されて構成されている。
特許文献1においては、上述したラップドVベルトの製造方法が開示されている。特許文献1に開示された製造方法においては、次の工程A、工程B、及び工程Cの各工程が順次実施されることで、ラップドVベルトが製造される。
上記の工程Aにおいては、まず、円筒状ドラムの外周面に、圧縮ゴム層の素材の未加硫ゴムシート、心線、及び伸張ゴム層の素材の未加硫ゴムシートが、順次積層されて貼着され、筒状に形成される。これにより、未加硫ゴム層と心線とを有する筒状の未加硫スリーブが形成される。そして、工程Aにおいては、作成された上記の未加硫スリーブが、円筒状ドラムの外周に配置された状態で、周方向に切断される。これにより、環状の未加硫ゴムベルトが形成される。
更に、工程Aにおいては、未加硫ゴムベルトがドラムから取り外され、未加硫ゴムベルトの両側面が所定の角度で切削される(スカイブされる)。これにより、未加硫ゴムベルトの断面形状が、V字状断面となるように形成される。そして、V字状断面となった未加硫ゴムベルトに対して、その周囲を外被布で覆うカバー巻き処理が施され、未加硫ベルト成形体が形成される。
上記の工程Aに次ぐ工程Bにおいては、上記の未加硫ベルト成形体が、リングモールドの凹溝に挿入される。そして、リングモールド及び未加硫ベルト成形体の外周面に円筒状のゴムスリーブが嵌め込まれた状態で、それらが加硫缶に収納され、所定の温度等の条件で加硫が行われる。これにより、加硫ベルトが生成される。最終の工程Cにおいては、生成された加硫ベルトが、リングモールドから取り外される。工程Cまで終了することで、ラップドVベルトが製造される。
特開昭63−236630号公報
特許文献1に開示されているように、ラップドVベルトが製造される際には、未加硫ゴム層と心線とを有する筒状の未加硫スリーブが周方向に切断され、環状の未加硫ゴムベルトが形成される。そして、環状の未加硫ゴムベルトの形成の際には、前述の円筒状ドラム等の回転体の外周に未加硫スリーブが配置された状態で、未加硫スリーブの切断が行われる。このとき、回転体とともに回転する未加硫スリーブに対して、外周に刃が設けられた回転刃が回転しながら押し付けられ、未加硫スリーブが周方向に切断される。
ここで、ラップドVベルトに要求される仕様の変化についても説明する。近年においては、ラップドVベルトに要求される仕様が変化する傾向がある。より具体的には、より高度な耐変形性及び耐座屈性、より高い負荷への対応、より大型の機械で伝動ベルトとして用いられることに対応するためのベルト断面積の大型化(特に厚みの大型化)、などが求められる傾向にある。
上記のような、ラップドVベルトに要求される仕様の変化は、未加硫スリーブを周方向に切断して未加硫ゴムベルトを形成する際の加工において次のような影響を生じることになる。
ラップドVベルトの仕様として、より高度な耐変形性及び耐座屈性が求められると、素材のゴムの高硬度化が求められる傾向にある。そして、素材のゴム組成物が高硬度化すると、未加硫スリーブを周方向に切断する際における未加硫スリーブと回転刃との間で生じる摩擦熱がより多く生じ易くなる。また、ラップドVベルトの仕様として、より高い負荷への対応が求められると、径がより大きく太い心線が用いられる傾向にある。そして、より太い心線が用いられると、未加硫スリーブを周方向に切断する際における心線と回転刃との間で生じる摩擦熱がより多く生じ易くなる。また、ラップドVベルトの仕様として、ベルト断面積の大型化が求められると、未加硫スリーブの断面積も大型化することになる。そして、未加硫スリーブの断面積(厚み)が大型化すると、未加硫スリーブを周方向に切断する際における未加硫スリーブと回転刃との間で生じる摩擦熱がより多く生じ易くなる。
上記のように、近年においては、ラップドVベルトに要求される仕様の変化に伴い、未加硫スリーブを周方向に切断して未加硫ゴムベルトを形成する際において、摩擦熱がより多く生じる傾向にある。未加硫スリーブの切断中に摩擦熱がより多く生じると、未加硫スリーブが発煙し、作業性の低下を招く虞がある。
また、未加硫スリーブの切断中に摩擦熱がより多く生じると、未加硫スリーブがより高温となり、未加硫スリーブのゴムの粘性が大きく上昇してしまう虞がある。この場合、回転刃にゴムが粘り付くように付着して粘着し易くなる。そして、所望の寸法通りに未加硫スリーブを切断することが困難となり、一つの未加硫ゴムベルトの周方向において、ベルト幅方向の寸法のばらつきが生じ易くなってしまう。このようなベルト幅方向の寸法のばらつきが生じると、未加硫ゴムベルトに外被布を被覆して加硫した後において、一つのラップドVベルトの周方向におけるベルト断面の寸法のばらつきが生じ易くなる。一つのラップドVベルトにおけるベルト断面の寸法のばらつきが生じると、伝動ベルトとして使用される際におけるベルト寿命の低下を招いてしまうことになる。
また、未加硫スリーブの切断中に摩擦熱がより多く生じてゴムの粘性が大きく上昇し、回転刃にゴムが粘り付くように付着して粘着すると、回転刃の鋭さが鈍ることになる。回転刃の鋭さが鈍ると、未加硫スリーブが押し切られるようにして切断され、未加硫ゴムベルトが形成されることになる。このような切断状態で未加硫ゴムベルトが形成されると、未加硫ゴムベルトの断面形状の変形量がより大きく生じ、とくに、未加硫ゴムベルトの角部分の形状が大きく変形することなる。このような未加硫ゴムベルトに外被布が被覆されて金型内で加硫されると、金型内での加硫時における断面形状の変化に伴い、心線の並びが乱れてしまう現象が生じることになる。このような心線並びの乱れが生じると、伝動ベルトとして使用される際におけるベルト耐久性の低下を招くことになる。
上述のように、未加硫スリーブの切断中に摩擦熱がより多く生じると、未加硫スリーブの切断作業の作業性の低下を招くことになる。このため、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱による温度上昇の抑制が課題となる。そして、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱の抑制の実現にあたっては、未加硫ゴムベルトの形成時に加えラップドVベルトの製造時においても、作業能率の低下を招いてしまうことを抑制できることが必要となる。
また、上述のように、未加硫スリーブの切断中に摩擦熱がより多く生じると、その未加硫スリーブから形成された未加硫ゴムベルトを素材として製造されたラップドVベルトの品質の低下を招くことになる。この点においても、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱による温度上昇の抑制が課題となる。そして、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱の抑制の実現にあたっては、未加硫ゴムベルトの品質の低下を抑制し、未加硫ゴムベルトを素材として製造されるラップドVベルトの品質の低下も抑制できることが必要となる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱による温度上昇を抑制でき、作業能率の低下を招いてしまうことを抑制できるとともに、未加硫ゴムベルトの品質の低下を抑制し、更に、未加硫ゴムベルトを素材として製造されるラップドVベルトの品質の低下も抑制することができる、未加硫ゴムベルト形成装置、及び未加硫ゴムベルト形成方法を提供することである。
(1)上記目的を達成するための本発明のある局面に係る未加硫ゴムベルト形成装置は、未加硫ゴム層と心線とを有する筒状の未加硫スリーブを周方向に切断して環状の未加硫ゴムベルトを形成するための未加硫ゴムベルト形成装置であって、主軸とともに回転するように構成された回転体を有し、前記回転体の外周に前記未加硫スリーブが配置されるように構成された、回転機構と、外周に刃が設けられた回転刃本体を有する回転刃を含み、前記回転体に配置されて前記回転体とともに回転する前記未加硫スリーブに対して、前記回転刃が回転しながら押し付けられることで、前記未加硫スリーブを周方向に切断し、前記未加硫ゴムベルトを形成する、切断機構と、を備え、前記回転刃本体には、該回転刃本体における前記刃よりも径方向内側の部分から径方向外側に向かって延びる溝が形成され、前記溝に水を供給する水供給機構を更に備えている。
この構成によると、回転機構及び切断機構が作動し、未加硫スリーブが周方向に切断されて未加硫ゴムベルトが形成される際に、回転刃本体における少なくとも刃(刃先部分)に形成された溝へ水が供給される。このため、未加硫スリーブの切断中に未加硫スリーブと回転刃との間で発生する摩擦熱が、回転刃の刃先部分の水によって効率よく抜熱されることになる。これにより、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱による温度上昇を抑制することができる。
そして、上記の構成によると、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱による温度上昇を抑制できるため、未加硫スリーブの切断中に発煙して作業性の低下を招いてしまうことを抑制することができる。
更に、上記の構成によると、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱による温度上昇を抑制できるため、未加硫スリーブのゴムの粘性の上昇を抑制でき、回転刃にゴムが粘り付くように付着して粘着し易くなることも抑制できる。そして、所望の寸法通りに未加硫スリーブを切断することが容易となり、一つの未加硫ゴムベルトの周方向において、ベルト幅方向の寸法のばらつきが生じてしまうことを抑制することができる。このため、この未加硫ゴムベルトを素材として製造されるラップドVベルトにおけるベルト断面の寸法のばらつきが生じてしまうことを抑制でき、ベルト寿命の低下を招いてしまうことも抑制することができる。
更に、上記の構成によると、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱による温度上昇を抑制し、回転刃にゴムが粘り付くように付着して粘着し易くなることを抑制できるため、切断中に回転刃の鋭さが鈍ってしまうことも抑制することができる。このため、未加硫スリーブが押し切られるように切断され、未加硫ゴムベルトの角部分の形状が大きく変形してしまうことを抑制することができる。これにより、加硫されてラップドVベルトが製造された際に心線の並びが乱れてしまう現象が生じることも抑制でき、ベルト耐久性の低下を招いてしまうことを抑制することができる。
よって、上記の構成によると、未加硫ゴムベルトの品質の低下を抑制し、更に、未加硫ゴムベルトを素材として製造されるラップドVベルトの品質の低下も抑制することができる。
尚、本願発明者は、鋭意研究を重ねて上記の構成を発明するまでの過程において、流水を切断中の回転刃に対して流しかけながら未加硫スリーブを切断する装置に関する研究も行った。その装置によると、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱による温度上昇を抑制することができることが確認された。
しかしながら、流水を切断中の回転刃に流しかけながら未加硫スリーブを切断する装置を用いて形成した未加硫ゴムベルトに外被布を被覆して加硫を行うと、加硫の際に、ラップドVベルトの品質上の問題が生じることが知見された。具体的には、加硫の際に、未加硫ゴムベルトに対して付着及び浸透した水分が気化し、心線とゴムとの剥離、ゴムとゴムとの剥離、或いは外被布とゴムとの剥離が生じ、ラップドVベルトのベルト耐久性を大きく低下させる品質上の問題が生じることが知見された。
また、本願発明者は、流水を切断中の回転刃にかけながら未加硫スリーブを切断する装置を用いて形成した未加硫ゴムベルトを加硫する前に、未加硫ゴムベルトの乾燥を行うことについても研究を行った。しかしながら、未加硫ゴムベルトに対して付着及び浸透した水分を十分に除去するためには、多くの乾燥時間を要し、とくに、心線とゴムとの間に浸透した水分を十分に除去するためには、非常に多くの乾燥時間を要することが確認された。このため、ミスト状でない水を切断中の回転刃にかけながら未加硫スリーブを切断する装置を用いて形成した未加硫ゴムベルトを加硫する前に、その未加硫ゴムベルトの乾燥を行う手法については、ラップドVベルトの製造時に、非常に多くの乾燥時間を要し、作業能率の低下を招いてしまうことが知見された。
一方、本発明の構成によると、未加硫スリーブが周方向に切断されて未加硫ゴムベルトが形成される際に、溝を介して回転刃の刃先へごく僅かな水が流出する。このため、未加硫ゴムベルトに対して多量の水分が付着及び浸透することを抑制することができる。これにより、本発明の構成によると、流水を切断中の回転刃にかけながら未加硫スリーブを切断して未加硫ゴムベルトを形成する手法とは異なり、乾燥工程がほぼ不要となる。よって、ラップドVベルトの製造時に、多くの乾燥時間を要して作業能率の低下を招いてしまうことも抑制できる。
以上説明したように、本発明の構成によると、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱による温度上昇を抑制でき、作業能率の低下を招いてしまうことを抑制できるとともに、未加硫ゴムベルトの品質の低下を抑制し、更に、未加硫ゴムベルトを素材として製造されるラップドVベルトの品質の低下も抑制することができる、未加硫ゴムベルト形成装置を提供することができる。
(2)好ましくは、前記溝は、前記回転刃本体における径方向内側の部分から径方向外側に向かって延びるように形成され、前記水供給機構は、前記溝における径方向内側の端部に水を供給する。
この構成によると、水供給機構によって溝における径方向内側の端部から供給された水が、回転する回転刃の遠心力によって溝内を流れて、回転刃における刃(刃先部分)へ移動する。これにより、溝における径方向内側の端部に供給された水を、回転刃の回転力を利用して効率的に刃先部分へ移動させることができる。
(3)更に好ましくは、前記溝は、前記回転刃本体における径方向内側から径方向外側へ向かって徐々に浅くなるように形成されている。
この構成によると、溝における径方向内側の端部に供給された水が、回転刃の遠心力によって径方向外側へ向かって流れる際、溝から徐々に溢れ出す。そうすると、刃先部分における溝が形成された部分だけでなく、刃先部分におけるその他の部分にも水が行き渡る。これにより、刃先部分全体を万遍なく冷却できる。
(4)好ましくは、前記溝は、底面部と、該底面部における幅方向両側のそれぞれに設けられた側面部とを有し、前記底面部と、少なくとも一方の前記側面部との間の角度は、鋭角である。
この構成によると、溝の開口部の幅寸法を維持しつつ、溝の延出方向に垂直な方向における溝の断面積を大きくすることができる。これにより、溝の開口部から外方への水の飛散を抑制しつつ、溝内へ多くの水を案内することができる。これにより、刃先部分へ供給される水の量を確保することができる。なお、ここで説明した溝の開口部とは、各溝における回転刃本体の厚さ方向(回転軸が延びる方向)に開口している部分である。
(5)好ましくは、前記回転刃本体には、該回転刃本体における回転中心を含む部分を該回転中心が延びる方向に貫通する貫通孔が形成され、前記回転刃は、水が通過可能な連通気孔を有する多孔質材料で構成されるとともに前記貫通孔に内側から嵌まり込む多孔質部、を更に有し、前記水供給機構は、前記連通気孔に水を供給することにより、該連通気孔を介して前記溝における径方向内側の端部に水を供給する。
この構成によると、多孔質部内に一旦保持された水を刃先部分へ供給することができるため、刃先部分へ供給される水量の安定化を図ることができる。
(6)更に好ましくは、前記回転刃は、前記多孔質部を外側から覆う漏水防止部を更に有している。
この構成によると、多孔質部内にしみ込んだ水が、溝における径方向内側の端部以外の部分から流出することを防止できる。言い換えれば、この構成によると、水を、溝における径方向内側の端部へ集中的に流すことができるため、ひいては、回転刃の刃先部分へ水を集中的に流すことができる。これにより、回転刃及び未加硫スリーブを効率的に冷却できるため、回転刃のうち摩擦熱による温度上昇が起こり易い刃先部分を、少ない水で効率的に冷却することができる。
(7)好ましくは、前記水供給機構は、前記回転刃が回転して前記未加硫スリーブを切断しているときに前記回転刃の前記刃が浸漬される水が貯留される水槽、を有する。
この構成によると、回転刃の回転中に該回転刃の刃先部分が浸漬される水が貯留される水槽を設けるだけで、少なくとも回転刃の刃先部分に設けられた溝に水を供給することができる。言い換えれば、この構成によると、容易な構成で、回転刃の刃先部分へ水を供給することができる。
(8)更に好ましくは、前記溝は、前記回転刃本体における径方向内側の部分から径方向外側に向かって延びるとともに、前記回転刃本体における径方向内側から径方向外側へ向かって徐々に浅くなるように形成されている。
この構成によると、溝に供給された水が、回転刃の遠心力によって径方向外側へ向かって流れる際、溝から徐々に溢れ出す。そうすると、刃先部分における溝が形成された部分だけでなく、刃先部分におけるその他の部分にも水が行き渡る。これにより、刃先部分全体を万遍なく冷却できる。
(9)好ましくは、前記溝は、底面部と、該底面部における幅方向両側のそれぞれに設けられた側面部とを有し、前記底面部と、少なくとも一方の前記側面部との間の角度は、鋭角である。
この構成によると、溝の開口部の幅寸法を維持しつつ、溝の延出方向に垂直な方向における溝の断面積を大きくすることができる。これにより、溝の開口部から外方への水の飛散を抑制しつつ、溝内へ多くの水を案内することができる。これにより、刃先部分へ供給される水の量を確保することができる。なお、ここで説明した溝の開口部とは、各溝における回転刃本体の厚さ方向(回転軸が延びる方向)に開口している部分である。
(10)好ましくは、前記溝は、該溝における径方向外側の端部と前記回転刃の回転中心とを結ぶ直線に対して斜め方向に延びるように形成されている。
この構成によれば、回転刃の回転方向を、回転刃に形成された溝における径方向外側の端部から水槽内の水が浸入するような方向に設定することで、溝内へ水が浸入しやすくなる。これにより、溝内へ効率的に水を含ませることができる。
(11)好ましくは、前記溝は、直線状に形成されている。この構成によると、簡素化された形状の溝を形成することができる。
(12)好ましくは、前記回転刃本体には、複数の前記溝が形成されている。この構成によると、各溝を流れる水によって、刃先部分を均一的に冷却することができる。
(13)上記目的を達成するための本発明のある局面に係る未加硫ゴムベルト形成方法は、未加硫ゴム層と心線とを有する筒状の未加硫スリーブを周方向に切断して環状の未加硫ゴムベルトを形成するための未加硫ゴムベルト形成方法であって、主軸とともに回転するように構成された回転体の外周に前記未加硫スリーブが配置される、未加硫スリーブ配置工程と、外周に刃が設けられた回転刃本体を有する回転刃が、前記回転体に配置されて前記回転体とともに回転する前記未加硫スリーブに対して、回転しながら押し付けられることで、前記未加硫スリーブが周方向に切断され、前記未加硫ゴムベルトが形成される、切断工程と、を含み、前記回転刃本体には、該回転刃本体における前記刃よりも径方向内側の部分から径方向外側に向かって延びる溝が形成され、前記溝に水を供給する水供給工程を更に含む。
この方法によると、未加硫スリーブが周方向に切断されて未加硫ゴムベルトが形成される際に、回転刃本体に形成された溝へ水が供給される。このため、未加硫スリーブの切断中に未加硫スリーブと回転刃との間で発生する摩擦熱が、回転刃の刃先部分の水によって効率よく抜熱されることになる。これにより、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱による温度上昇を抑制することができる。
そして、上記の方法によると、本発明のある局面に係る未加硫ゴムベルト成形装置と同様の効果を奏することができる。即ち、上記の構成によると、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱による温度上昇を抑制でき、作業能率の低下を招いてしまうことを抑制できるとともに、未加硫ゴムベルトの品質の低下を抑制し、更に、未加硫ゴムベルトを素材として製造されるラップドVベルトの品質の低下も抑制することができる、未加硫ゴムベルト形成方法を提供することができる。
本発明によると、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱による温度上昇を抑制でき、作業能率の低下を招いてしまうことを抑制できるとともに、未加硫ゴムベルトの品質の低下を抑制し、更に、未加硫ゴムベルトを素材として製造されるラップドVベルトの品質の低下も抑制することができる、未加硫ゴムベルト形成装置、及び未加硫ゴムベルト形成方法を提供することができる。
ラップドVベルトの一部を示す斜視図であって、一部を断面で示す図である。 ラップドVベルトの製造工程を示すチャート図である。 未加硫スリーブを示す斜視図である。 未加硫ゴムベルトを示す斜視図である。 未加硫ゴムベルトの一部を示す斜視図であって、一部を断面で示す図である。 本発明の一実施の形態に係る未加硫ゴムベルト形成装置を示す正面図である。 未加硫ゴムベルト形成装置の平面図である。 未加硫ゴムベルト形成装置の側面図である。 図6に示す未加硫ゴムベルト形成装置の一部を拡大して示す図である。 図7に示す未加硫ゴムベルト形成装置の一部を拡大して示す図である。 カッター部における回転刃付近の部分断面図であって、水供給機構とともに模式的に示す図である。 回転刃の正面図であって、回転刃における回転刃本体及び多孔質部のみを示す図である。 図12に示す複数の溝の1つを拡大して示す図である。 溝の横断面図であって、図14(A)は、図13のXIVA−XIVA線における断面図、図14(B)は、図13のXIVB−XIVB線における断面図、図14(C)は、図13のXIVC−XIVC線における断面図、図14(D)は、図13のXIVD−XIVD線における断面図、である。 未加硫ゴムベルト形成装置の作動を説明するための図である。 本発明の一実施の形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法を示すチャート図である。 未加硫ゴムベルト形成装置によって、未加硫スリーブが全幅に亘って周方向に切断され、複数の未加硫ゴムベルトが形成された状態を示す図である。 変形例に係る未加硫ゴムベルト形成装置のカッター部における回転刃付近の部分断面図であって、水供給機構とともに模式的に示す図である。 図18に示す回転刃の正面図である。 変形例に係る未加硫ゴムベルト形成装置が有する、回転刃本体で構成された回転刃の正面図である。 変形例に係る未加硫ゴムベルト形成装置が有する、回転刃本体で構成された回転刃の正面図である。 図21に示す回転刃の一部と水槽とを模式的に示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。尚、以下の説明においては、まず、ラップドVベルトの概略及びラップドVベルトの製造工程の概略について説明し、次いで、ラップドVベルトの製造に関して適用される本発明の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成装置及び未加硫ゴムベルト形成方法について説明する。
[ラップドVベルトの概略]
図1は、ラップドVベルト100の一部を示す斜視図であって、一部を断面で示す図である。ラップドVベルト100は、コンプレッサーなどの一般産業用機械、或いは、田植え機などの農業機械、等において、動力伝達用の無端状の伝動ベルトとして用いられる。そして、ラップドVベルト100は、V字状の断面を有する環状の伝動ベルトとして構成されている。
尚、図1においては、環状に延びるラップドVベルト100の周方向に対して垂直な断面が図示されている。また、図1においては、ラップドVベルト100の周方向が、両端矢印Aで示されており、周方向に対して直交するベルト幅方向が、両端矢印Bで示されている。
ラップドVベルト100は、外被布101、圧縮ゴム層102、伸張ゴム層103、心線104を備えて構成されている。
環状に設けられたラップドVベルト100のベルト本体は、積層構造を有しており、ベルト内周側からベルト外周側に向かって、圧縮ゴム層102、心線104、伸張ゴム層103が、順次積層されている。よって、ラップドVベルト100においては、圧縮ゴム層102と伸張ゴム層103との間において、心線104が埋設されている。心線104は、ラップドVベルト100の周方向に沿って延びるように配置されている。そして、心線104は、ラップドVベルト100の周方向に垂直な断面において、ベルト幅方向に沿って所定の間隔で配列されている。
また、ラップドVベルト100は、環状に設けられた無端状のベルト本体の周囲全体が周方向の全長に亘って外被布101で被覆されて構成されている。そして、ラップドVベルト100は、その周方向に対して垂直な断面の形状が、V字状の断面形状である。より具体的には、ラップドVベルト100の断面形状は、ベルト外周側からベルト内周側に向かってベルト幅が小さくなる台形状に構成されている。
[ラップドVベルトの製造工程の概略]
図2は、ラップドVベルト100の製造工程を示すチャート図である。図2に示すように、ラップドVベルト100の製造工程は、未加硫スリーブ形成工程S101、未加硫ゴムベルト形成工程S102、スカイブ工程S103、カバー巻き工程S104、加硫工程S105を備えて構成されている。
図3は、未加硫ゴム層と心線とを有する筒状の未加硫スリーブ105を示す斜視図である。未加硫スリーブ形成工程S101は、未加硫スリーブ105を形成する工程として構成されている。
未加硫スリーブ形成工程S101においては、まず、未加硫ゴム(即ち、加硫が行われていない状態のゴム)のシートが、圧延によって形成される。そして、圧延によって形成された未加硫ゴムのシートが、所定の長さに切断され、円筒状或いは円柱状の回転体に対して、巻き付けられる。回転体の外周に巻き付けられた未加硫ゴムのシートは、その端部同士が接合され、筒状に成形される。筒状に成形された未加硫ゴムのシートが、ラップドVベルト100における圧縮ゴム層102の素材となる。
そして、回転体の外周に筒状の未加硫ゴムの成形体が形成されると、次いで、前述の心線104が、周方向に沿って巻き付けられる。心線104は、筒状の未加硫ゴムの成形体に対して、幅方向に沿って所定のピッチでずらされながら、周方向に沿ってスパイラル状に巻き付けられる。尚、筒状の未加硫ゴムの成形体の幅方向は、上記の回転体の軸方向と平行な方向として構成される。心線104は、筒状の未加硫ゴムの成形体に対して、幅方向のほぼ全長に亘って、巻き付けられる。
筒状の未加硫ゴムの成形体の外周への心線104の巻き付けが終了すると、次いで、心線104の上から、圧延によって形成された未加硫ゴムのシートが巻き付けられる。心線104の上から巻き付けられた未加硫ゴムのシートは、その端部同士が接合され、筒状に成形される。心線104の外周側に巻き付けられた筒状の未加硫ゴムのシートが、ラップドVベルト100における伸張ゴム層103の素材となる。
上述した未加硫スリーブ形成工程S101によって、未加硫スリーブ105が形成される。尚、図3に示す未加硫スリーブ105は、回転体から取り外された状態が示されている。
図4は、未加硫ゴムベルト106を示す斜視図である。未加硫ゴムベルト形成工程S102は、未加硫スリーブ105を周方向に切断して環状の未加硫ゴムベルト106を形成する工程として構成されている。未加硫ゴムベルト形成工程S102は、本発明の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法として構成され、本発明の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成装置を用いることで実施される。
図5は、未加硫ゴムベルト106の一部を示す斜視図であって、一部を断面で示す図である。図5においては、環状に延びる未加硫ゴムベルト106の周方向に対して垂直な断面が図示されている。また、図5においては、未加硫ゴムベルト106の周方向が、両端矢印Aで示されており、周方向に対して直交するベルト幅方向が、両端矢印Bで示されている。
図5に示すように、未加硫ゴムベルト106は、内周側未加硫ゴム層107、心線104、外周側未加硫ゴム層108を備えて構成されている。そして、未加硫ゴムベルト106においては、内周側未加硫ゴム層107と外周側未加硫ゴム層108との間において、心線104が配置されている。
内周側未加硫ゴム層107は、ラップドVベルト100における圧縮ゴム層102の素材となる。外周側未加硫ゴム層108は、ラップドVベルト100における伸張ゴム層103の素材となる。内周側未加硫ゴム層107及び外周側未加硫ゴム層108を構成するゴム成分としては、加硫又は架橋可能なゴム、例えば、ジエン系ゴム(天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(ニトリルゴム)、水素化ニトリルゴムなど)、エチレン−α−オレフィンエラストマー、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、アルキル化クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリル系ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴムなどが例示でき、これらのゴム成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましいゴム成分は、エチレン−α−オレフィンエラストマー(エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンモノマー(EPDMなど)などのエチレン−α−オレフィン系ゴム)、クロロプレンゴムである。特に好ましいゴム成分は、クロロプレンゴムである。クロロプレンゴムは、硫黄変性タイプであってもよく、非硫黄変性タイプであってもよい。尚、内周側未加硫ゴム層107のゴム成分、及び、外周側未加硫ゴム層108のゴム成分は、同系統又は同種のゴムを使用する場合が多い。
心線104としては、通常、マルチフィラメント糸を使用した撚りコード(例えば、諸撚り、片撚り、ラング撚りなど)を使用できる。心線104を構成する繊維としては、ポリエステル繊維、アラミド繊維などの合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維などの無機繊維などが使用できる。心線104の表面には、慣用の接着処理(又は表面処理)が施されていてもよい。
スカイブ工程S103は、未加硫ゴムベルト106の両側面における内周側の両角部分を周方向に亘って削るように切削することでスカイブ(skive)し、未加硫ゴムベルト106の断面形状を変更する工程として構成されている。スカイブ工程S103においては、未加硫ゴムベルト106の内周側未加硫ゴムの内周側の両角部分が周方向に亘って削れるように切削される。これにより、スカイブ工程S103の処理が施される前の状態で矩形状の断面だった未加硫ゴムベルト106の断面の形状は、スカイブ工程S103の処理が施された後の状態においては、矩形状の部分と台形状の部分とが組み合わされた断面の形状となる。
カバー巻き工程S104は、スカイブ工程S103の処理が終了した未加硫ゴムベルト106を外被布101で被覆する工程として構成されている。カバー巻き工程S104においては、環状の未加硫ゴムベルト106の周囲全体が周方向の全長に亘って外被布101で被覆される。これにより、未加硫ゴムベルト106が外被布101で被覆されて構成された未加硫ベルト成形体が形成される。
加硫工程S105は、未加硫ベルト成形体における可塑性の未加硫ゴムを加熱して弾性ゴムに変化させる工程として構成されている。加硫工程S105においては、例えば、逆台形状の断面の溝が外周に設けられた円筒状のリングモールドが用いられる。リングモールドに設けられた複数の溝に対して未加硫ベルト成形体がそれぞれ嵌め込まれる。そして、複数の未加硫ベルト成形体が嵌め込まれたリングモールドの周囲に、円筒状のゴムスリーブが更に嵌め込まれる。
加硫工程S105においては、上記のようにリングモールド及び未加硫ベルト成形体の外周面に円筒状のゴムスリーブが嵌め込まれた状態で、それらが加硫缶に収納され、所定の温度等の条件で加硫が行われる。加硫が終了してリングモールド等が解体され、加硫された成形体がラップドVベルト100として取り出される。このように、加硫工程S105まで終了することで、ラップドVベルト100が製造されることになる。
[未加硫ゴムベルト形成装置の概略]
図6は、本発明の一実施の形態に係る未加硫ゴムベルト形成装置1を示す正面図である。図7は、未加硫ゴムベルト形成装置1の平面図である。図8は、未加硫ゴムベルト形成装置1の側面図である。未加硫ゴムベルト形成装置1が作動することで、本発明の一実施の形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法が実施され、前述のラップドVベルト100の製造工程における未加硫ゴムベルト形成工程S102が実施されることになる。
図6乃至図8に示す未加硫ゴムベルト形成装置1は、未加硫ゴム層と心線104とを有する筒状の未加硫スリーブ105を周方向に切断して環状の未加硫ゴムベルト106を形成するための装置として構成されている。そして、未加硫ゴムベルト形成装置1は、回転機構11、切断機構12、水供給機構13、制御装置14、等を備えて構成されている。
また、本実施形態においては、ベース15が更に備えられている未加硫ゴムベルト形成装置1が、例示されている。尚、図7においては、ベース15の図示が省略されている。回転機構11、切断機構12、水供給機構13、制御装置14は、ベース15上に設置されている。本実施形態では、ベース15が備えられた未加硫ゴムベルト形成装置1が例示されているが、ベース15が備えられていない形態の未加硫ゴムベルト形成装置1が実施されてもよい。
[回転機構]
図6乃至図8に示すように、回転機構11は、主軸16、支持部17、回転ドラム18、外周スリーブ19、モータ20、ベルト駆動機構21、等を備えて構成されている。
主軸16は、金属製の円筒状又は円柱状の軸として構成され、支持部17に対して回転自在に支持されている。また、主軸16は、モータ20からの駆動トルクが入力されることで回転するように構成されている。支持部17は、ベース15上に設置され、主軸16を回転自在に支持するとともにモータ20を収納する筐体として構成されている。
回転ドラム18は、円筒状の部分を有する金属製の筒状体として設けられている。そして、回転ドラム18は、主軸16とともに回転するように、主軸16に対して取り付けられている。例えば、回転ドラム18の円筒軸方向における両端部のそれぞれに蓋部が設けられ、これらの蓋部が主軸16に対して固定される。また、回転ドラム18は、主軸16の回転中心軸線と回転ドラム18の回転中心軸線とが一致するように、主軸16に対して取り付けられている。
外周スリーブ19は、ゴム製の円筒形状のスリーブとして設けられ、回転ドラム18の外周に装着される。外周スリーブ19の内周の直径は、回転ドラム18の外周の直径にほぼ対応する寸法に設定されている。回転ドラム18が回転する際、回転ドラム18に装着された外周スリーブ19は、回転ドラム18とともに同一の回転速度で回転する。尚、外周スリーブ19は、後述する切断機構12によって未加硫スリーブ105が切断される際に回転ドラム18の表面を切断機構12から保護するために設けられている。
回転ドラム18の外周に外周スリーブ19が装着されて構成された回転体22に対して、未加硫スリーブ105が配置される。即ち、未加硫スリーブ105は、回転ドラム18の外周に装着された外周スリーブ19の外周に対して配置される。
未加硫スリーブ105は、例えば、回転体22に対して未加硫のゴムシート及び心線104が巻き付けられることで形成され、これにより、未加硫スリーブ105が回転体22に配置される。即ち、回転ドラム18及び外周スリーブ19を備えて構成された回転体22を用いて前述の未加硫スリーブ形成工程S101が実施されて未加硫スリーブ105が形成され、未加硫スリーブ105が回転体22に配置された状態となる。
上記のように、回転機構11は、主軸16とともに回転するように構成された回転体22を有し、回転体22の外周に未加硫スリーブ105が配置されるように構成されている。
尚、本実施形態では、未加硫スリーブ105が配置される回転体として、回転ドラム18及び外周スリーブ19を備えて構成された回転体22を例示したが、この通りでなくてもよい。例えば、回転ドラム18が、未加硫スリーブ105が配置される回転体として構成され、未加硫スリーブ105が回転ドラム18の外周に直接に配置される形態が実施されてもよい。また、本実施形態では、回転ドラム18及び外周スリーブ19を備えて構成された回転体22を用いて未加硫スリーブ105が形成され、未加硫スリーブ105が回転体22に対してそのまま配置される形態を例示したが、この通りでなくてもよい。回転機構11の回転体22とは異なる別の回転体を用いて未加硫スリーブ105が形成され、その別の回転体から取り外された未加硫スリーブ105が、回転機構11の回転体22に対して装着されて配置される形態が実施されてもよい。
モータ20は、主軸16を回転駆動するための駆動トルクを発生させる電動モータとして構成されている。本実施形態では、モータ20は、支持部17に収納されている。モータ20は、図示が省略された電源から電気エネルギーが供給され、後述する制御装置14からの制御指令に基づいて作動し、所定の回転速度で回転する。モータ20は、出力軸20aの軸方向が主軸16の軸方向と平行となるように、支持部17に設置されている。
ベルト駆動機構21は、モータ20からの駆動トルクを主軸16に伝達する機構として設けられている。ベルト駆動機構21は、駆動プーリ21a、従動プーリ21b、駆動ベルト21cを備えて構成されている。
駆動プーリ21aは、モータ20の出力軸20aに固定され、出力軸20aとともに回転するように構成されている。従動プーリ21bは、主軸16に対して、支持部17を介して回転ドラム18側とは反対側の端部において、固定されている。駆動ベルト21cは、無端状のベルトとして設けられている。そして、駆動ベルト21cは、駆動プーリ21a及び従動プーリ21bに対して巻き掛けられ、駆動プーリ21aの駆動トルクを従動プーリ21bに伝達するベルトとして構成されている。
後述する制御装置14からの制御指令に基づいてモータ20の運転が行われると、出力軸20aとともに駆動プーリ21aが回転する。駆動プーリ21aが回転することで、駆動プーリ21a及び従動プーリ21bに巻き掛けられた駆動ベルト21cの周回動作が行われる。駆動ベルト21cの周回動作が行われると、従動プーリ21bが回転し、従動プーリ21bとともに主軸16が回転することになる。そして、主軸16とともに、回転ドラム18及び外周スリーブ19が回転する。尚、回転ドラム18及び外周スリーブ19が回転する方向については、図6において、矢印C1で示されている。
[切断機構]
図9は、図6に示す未加硫ゴムベルト形成装置1の一部を拡大して示す図である。図10は、図7に示す未加硫ゴムベルト形成装置1の一部を拡大して示す図である。図9及び図10においては、切断機構12が拡大して示されている。図6乃至図10に示す切断機構12は、幅方向移動機構23、進退移動機構24、カッター部25、基台部26、等を備えて構成されている。
基台部26は、ベース15上に設置され、幅方向移動機構23、進退移動機構24、及びカッター部25を支持する台座部として設けられている。幅方向移動機構23、進退移動機構24、及びカッター部25は、基台部26の上面に設置されている。
幅方向移動機構23は、進退移動機構24及びカッター部25を、基台部26に対して、回転体22の外周に配置された未加硫スリーブ105の幅方向と平行な方向に沿って移動させる機構として、構成されている。尚、未加硫スリーブ105の幅方向は、未加硫スリーブ105が筒状に延びる方向であり、図7及び図8において、両端矢印Bで示されている。また、未加硫スリーブ105が回転体22の外周に配置された状態においては、未加硫スリーブ105の幅方向は、主軸16の軸方向と平行な方向となる。
幅方向移動機構23は、一対のレール(27a、27b)、ボールネジ機構28、移動プレート29、等を備えて構成されている。一対のレール(27a、27b)は、移動プレート29の移動方向をガイドするレールとして設けられている。一対のレール(27a、27b)は、基台部26の上面に固定されて設置されている。そして、一対のレール(27a、27b)は、主軸16の軸方向、即ち、回転体22に配置された未加硫スリーブ105の幅方向と平行に延びるように設置されている。
ボールネジ機構28は、ネジ軸28a、ボールネジモータ28b、軸受28c、ナット部28d、図示が省略された複数のボール、等を備えて構成されている。
ネジ軸28aは、一方の端部がボールネジモータ28bによって支持され、他方の端部が軸受28cによって回転自在に支持されている。そして、基台部26上において、ネジ軸28aは、その軸方向が一対のレール(27a、27b)と平行に延びるように、配置されている。ボールネジモータ28bは、ネジ軸28aをその軸心を中心として回転駆動する電動モータとして構成されている。そして、ボールネジモータ28bは、図示が省略された電源から電気エネルギーが供給され、後述する制御装置14からの制御指令に基づいて作動し、所定の回数分だけ回転するように、構成されている。
ナット部28dは、ネジ軸28aが貫通しており、ネジ軸28aが回転することでネジ軸28aの軸方向に沿ってネジ軸28aに対して相対移動するブロック状の要素として設けられている。ナット部28dの内部においては、ネジ軸28aのネジ溝に対向するネジ溝が形成されている。そして、ナット部28dのネジ溝とネジ軸28aのネジ溝との間には、両方の溝に対して転動自在に嵌まり込む複数のボールが配置されている。ネジ軸28aが軸心回りに回転することで、ナット部28d及びネジ軸28aの間で複数のボールが循環し、ナット部28dが、ネジ軸28aに対して軸方向に相対移動する。
また、ナット部28dは、その上面側において、移動プレート29の下面に対して固定されている。また、ナット部28dは、一対のレール(27a、27b)の間に嵌りこむように配置されている。そして、ナット部28dは、一対のレール(27a、27b)に対して摺動自在の状態で配置されている。このため、ネジ軸28aが回転すると、ナット部28dが、一対のレール(27a、27b)によってガイドされながら、ネジ軸28aの軸方向に沿って移動する。
移動プレート29は、平板状の部材として設けられ、その下面側においてナット部28dに固定されている。更に、移動プレート29は、その下面側において、一対のレール(27a、27b)の上面に対して、摺動自在の状態で、支持されている。そして、移動プレート29の上面には、進退移動機構24が設置されている。
進退移動機構24は、カッター部25を、移動プレート29に対して、回転体22の外周に配置された未加硫スリーブ105に対して進出及び退避させる方向に沿って移動させる機構として、構成されている。進退移動機構24は、一対のレール(30a、30b)、移動ブロック31、シリンダ機構32、等を備えて構成されている。
一対のレール(30a、30b)は、移動ブロック31の移動方向をガイドするレールとして設けられている。一対のレール(30a、30b)は、移動プレート29の上面に固定されて設置されている。そして、一対のレール(30a、30b)は、移動プレート29上において、回転体22に配置された未加硫スリーブ105に向かって接近する方向に沿って延びるように、設置されている。より具体的には、一対のレール(30a、30b)は、回転体22に配置された未加硫スリーブ105に向かって接近する方向であって、且つ、主軸16の軸方向と平行な方向に対して直交する方向に沿って、延びるように、移動プレート29上で設置されている。
移動ブロック31は、移動プレート29上に配置されブロック状の要素として設けられている。また、移動ブロック31は、移動プレート29の上面に対してスライド移動自在に配置される。そして、移動ブロック31の下面側には、一対のレール(30a、30b)に対してスライド移動自在に嵌まり込む一対の溝が設けられている。
シリンダ機構32は、シリンダ体32aとロッド32bとを備えた油圧シリンダ機構として設けられている。シリンダ体32aは、移動プレート29の上面において移動プレート29に対して固定されている。ロッド32bには、シリンダ体32aの内部を一対の油室に区画するピストン(図示省略)が、一方の端部に設けられている。そして、ロッド32bは、シリンダ体32a内の一対の油室への圧油の給排が行われることで、シリンダ体32aから突出し或いはシリンダ体32aに向かって縮退する。尚、上記の一対の油室は、例えば、圧油源(図示省略)及び油回収タンク(図示省略)に対して切換弁(図示省略)を介して接続されている。そして、制御装置14からの制御指令に基づいて、上記の切換弁の状態が切り換えられ、シリンダ体32a内の一対の油室への圧油の給排が制御され、シリンダ機構32の作動が制御される。
また、ロッド32bは、ピストンが設けられた一方の端部と反対側の端部において、移動ブロック31に対して固定されている。これにより、進退移動機構24は、ロッド32bがシリンダ体32aから突出することで、移動ブロック31が一対のレール(30a、30b)に沿って、回転体22に配置された未加硫スリーブ105に向かって進出する方向に移動するように、構成されている。また、進退移動機構24は、ロッド32bがシリンダ体32aに向かって縮退することで、移動ブロック31が一対のレール(30a、30b)に沿って、回転体22に配置された未加硫スリーブ105から退避する方向に移動するように、構成されている。
カッター部25は、外周に刃が設けられた回転刃36を有し、回転する回転刃36によって未加硫スリーブ105を周方向に切断する機構として設けられている。そして、カッター部25は、カッターモータ33、動力伝達部34、回転刃カバー35、上記の回転刃36、等を備えて構成されている。
カッターモータ33は、動力伝達部34を介して回転刃を回転駆動する駆動トルクを発生する電動モータとして構成されている。そして、カッターモータ33は、図示が省略された電源から電気エネルギーが供給され、後述する制御装置14からの制御指令に基づいて作動し、所定の回転速度で回転するように構成されている。
動力伝達部34は、カッターモータ33からの駆動トルクを回転刃36に伝達する機構として設けられている。動力伝達部34は、例えば、駆動プーリ、従動プーリ、駆動ベルトを有する機構として構成され、ベルト駆動機構21と同様の機構として構成されている。尚、図9及び図10においては、駆動プーリ、従動プーリ、駆動ベルトを収納する動力伝達部34のハウジングのみが図示されており、駆動プーリ、従動プーリ、駆動ベルトの図示は省略されている。
動力伝達部34の駆動プーリは、カッターモータ33の出力軸(図示省略)に連結され、動力伝達部34の従動プーリは、回転刃36の回転軸40に連結されている。カッターモータ33が回転すると、その駆動トルクが動力伝達部34の駆動プーリに入力されて駆動ベルトが周回動作を行い、従動プーリも回転する。そして、従動プーリの回転とともに、回転刃36が回転する。なお、回転軸40については、後述する図11で図示されていて、図9及び図10では、その図示が省略されている。
回転刃カバー35は、回転刃36の周囲を部分的に覆うカバーとして設けられている。回転刃カバー35には、回転刃36の回転軸40の両端部のそれぞれを回転自在に支持する軸受部(図示省略)が設けられている。また、回転刃カバー35は、動力伝達部34のハウジングに固定されている。
図11は、カッター部25における回転刃36付近の部分断面図であって、後述する水供給機構13とともに模式的に示す図である。また、図12は、回転刃36の正面図であって、回転刃36における回転刃本体37及び多孔質部38のみを示す図である。
回転刃36は、外周に刃が設けられた円形形状の丸刃として構成されている。回転刃36は、回転刃本体37と、多孔質部38と、漏水防止シート39(漏水防止部)とを有している。尚、回転刃36が回転する方向については、図6において、矢印C2で示されている。
回転刃本体37は、外周側に向かって鋭く切っ先状に尖るように形成された刃が設けられている硬質状の部分である。回転刃本体37の外周の刃(刃先部分36a)は、円形の回転刃本体37の外周の全周に亘って設けられている。本実施形態では、回転刃本体37は超鋼材料で構成される。しかし、これに限らず、セラミックで構成されていてもよい。回転刃本体37の外径Dは、例えば一例として200mmである。
回転刃本体37には、回転刃本体貫通孔37a(貫通孔)が形成されている。この回転刃本体貫通孔37aは、回転刃本体37における回転中心を含む部分を該回転中心が延びる方向に貫通している。回転刃本体貫通孔37aの内径dは、例えば一例として、外径Dが200mmに設定された回転刃本体37に対して、60mm〜80mmの範囲内で設定されるのが好ましい。
回転刃本体37には、図12を参照して、複数の溝51が形成されている。各溝51は、回転刃本体37における径方向内側の縁部から径方向外側に向かって、直線状に延びるように形成されている。複数の溝51は、回転刃本体37の径方向に沿って等間隔に形成されている。なお、図12では、各溝51を、模式的に直線状の実線で図示している。
溝51は、回転刃本体37の両面に形成されている。図12では、溝51が、回転刃本体37の厚さ方向における一方側の面に16本、形成されている例を示している。また、図示は省略するが、回転刃本体37の厚さ方向における他方側の面にも、16本の溝51が形成されている。回転刃本体37における一方側の面に形成される溝51の本数は、10本〜30本の範囲内であることが好ましい。
本実施形態では、詳しくは後述する水供給機構13側から搬送されてきた水が、溝51を介して回転刃本体37の刃先部分36aに供給される。溝51における回転刃本体37の径方向内側の端部は、水供給機構13を介して搬送される水が流入する流入端51aとして設けられている。また、溝51における回転刃本体37の径方向外側の端部は、該溝51を流れた水が刃先部分36aへ流出する流出端51bとして設けられている。
図13は、図12に示す複数の溝51の1つを拡大して示す図である。また、図14は、溝51の横断面図であって、図14(A)は、図13のXIVA−XIVA線における断面図、図14(B)は、図13のXIVB−XIVB線における断面図、図14(C)は、図13のXIVC−XIVC線における断面図、図14(D)は、図13のXIVD−XIVD線における断面図、である。
溝51は、上述したように、回転刃本体37における径方向内側の端部から径方向外側に向かって直線状に延びるように形成されている。溝51は、底面部52及び一対の側面部53a,53bを有している。
底面部52は、回転刃本体37の径方向に延びるように設けられている。底面部52の深さH(溝51の深さH)は、図14(A)〜図14(D)に示すように、径方向内側から径方向外側へ向かって、徐々に浅くなるように形成されている。また、底面部52の幅Wa(溝51の幅Wa)は、図14(A)〜図14(D)に示すように、回転刃本体37の径方向内側から径方向外側へ向かって、徐々に狭くなるように形成されている。一方、溝51の開口部54の幅Wbは、図14(A)〜図14(D)に示すように、回転刃本体37の径方向内側から径方向外側に亘って、一定である。
なお、溝51のうち最も径方向内側の部分の深さHは、例えば1mm〜3mmの範囲内で設定されるのが好ましい。溝51のうち最も径方向外側の部分の深さHは、例えば0となるように形成されるのが好ましい。
また、溝51のうち最も径方向内側の部分の幅Waは、例えば2mm〜5mmの範囲内で設定されるのが好ましい。溝51のうち最も径方向外側の部分の幅Waは、例えば0.5mm〜2mmの範囲内で設定されるのが好ましい。
一対の側面部53a,53bは、直角側面部53a及び鋭角側面部53bを有している。
直角側面部53aは、底面部52と同様、回転刃本体37の径方向に延びるように設けられている。直角側面部53aは、底面部52の幅方向における一方側の縁部に対して設けられている。また、直角側面部53aと底面部52との間の角度は、直角となるように設定されている。
鋭角側面部53bは、底面部52と同様、回転刃本体37の径方向に延びるように設けられている。鋭角側面部53bは、底面部52の幅方向における、直角側面部53aが設けられている側と反対側の縁部に対して設けられている。
また、本実施形態では、底面部と、少なくとも一方の側面部との間の角度が、鋭角となっている。具体的には、本実施形態では、底面部52と鋭角側面部53bとの間の角度θが、鋭角となるように設定されている。図14では、鋭角側面部53bと底面部52との角度θが、60度である例を図示している。この角度θは、50度〜70度の範囲内で設定されているのが好ましい。
多孔質部38は、回転刃36における径方向内側の部分として設けられている。多孔質部38は、その外径が回転刃本体37の回転刃本体貫通孔37aの内径とほぼ同じ略円板状に形成され、回転刃本体貫通孔37aに内側から嵌まり込んでいる。多孔質部38には、該多孔質部38の中心部を貫通する多孔質部貫通孔38aが形成されていて、その多孔質部貫通孔38aには、回転軸40が挿入された状態で固定されている。
多孔質部38は、連通気孔41が内部に形成された多孔質材料、例えば一例として多孔質セラミックで構成されている。連通気孔41は、多孔質材料内に形成された各気孔が付近の気孔と互いに連通することにより形成されている。このように、連通気孔41を有する多孔質材料で多孔質部38を構成することにより、水が、連通気孔41を通過することが可能となる。なお、ここでは、多孔質部38を構成する材料として多孔質セラミックを例に挙げたが、これに限らず、水が通過可能な連通気孔41が内部に形成された多孔質材料であれば、どのような材料であってもよい。また、図11では、連通気孔41を模式的に細い実線で網の目状に示しているが、実際の連通気孔41は、複数の気孔が互いに連通することにより形成されている。
漏水防止シート39は、透水性が極めて低いシート状の部材であって、多孔質部38を外側から覆っている。漏水防止シート39は、例えば一例として、極めて薄い樹脂製のシートによって構成されている。漏水防止シート39は、外径が多孔質部38と同じ円形状に形成され、中央部分に丸い開口穴39a,39bを有している。漏水防止シート39は、多孔質部38における両側面のそれぞれに貼り付けられている。多孔質部38における一方側(図11における左側)に設けられている漏水防止シート39の開口穴39aは、回転軸40が多孔質部38に挿通されて固定された状態において、該回転軸40との間に隙間ができない程度の大きさに形成されている。一方、多孔質部38における他方側(図11における右側)に設けられている漏水防止シート39の開口穴39bは、詳しくは後述する円筒部42が多孔質部38に固定された状態において、該円筒部42との間に隙間ができない程度の大きさに形成されている。なお、図11では、漏水防止シート39の厚みについては模式的に示しており、回転刃36の厚みに対する漏水防止シート39の厚みは、図11に示す厚みよりも薄い。
また、回転刃36の多孔質部38には、円筒部42(筒部)が固定されている。円筒部42は、後述する水供給機構13の一部である水流路46を構成している。
円筒部42は、細長い円筒状に形成された部材である。円筒部42は、例えば一例として、ねじ止め等によって多孔質部38に固定されている。円筒部42は、回転刃カバー35の内側に配置されているため、図6から図10ではその図示が省略されている。円筒部42は、その内径が、回転刃36の回転軸40の外径よりも大きくなるように形成されていて、回転刃36の回転軸40と同心状となるように(すなわち、回転刃36と同心状となるように)、回転刃36に固定されている。これにより、回転刃36の回転軸40と円筒部42との間には、隙間が形成される。当該円筒部42の内部には、後述する配水管Pを介して、水が供給される。
図15は、未加硫ゴムベルト形成装置1の平面図であって、未加硫ゴムベルト形成装置1の作動を説明するための図である。未加硫ゴムベルト形成装置1の切断機構12は、上述した幅方向移動機構23、進退移動機構24、カッター部25を備え、後述する制御装置14からの制御指令に基づいて作動する。また、切断機構12が作動する際には、制御装置14からの制御指令に基づいて、回転機構11も作動する。そして、回転機構11及び切断機構12が作動することで、図15に示すように、未加硫スリーブ105が周方向に切断され、未加硫ゴムベルト106が形成される。
切断機構12の作動の際には、まず、制御装置14からの制御指令に基づいて、ボールネジモータ28bが所定の回数分だけ回転し、幅方向移動機構23が作動する。これにより、未加硫ゴムベルト106のベルト幅方向の寸法に対応した位置で未加硫スリーブ105の切断が行われるように、未加硫スリーブ105の幅方向と平行な方向における移動プレート29の位置の位置決めが行われる。即ち、未加硫ゴムベルト106のベルト幅方向の寸法に対応した位置で未加硫スリーブ105の切断が行われるように、進退移動機構24及びカッター部25の位置の位置決めが行われる。
上記のように進退移動機構24及びカッター部25の位置の位置決めが行われると、次いで、制御装置14からの制御指令に基づいて、モータ20が所定の回転速度で回転し、カッターモータ33も所定の回転速度で回転する。これにより、回転機構11の作動が開始され、主軸16とともに回転体22とその回転体22の外周に配置された未加硫スリーブ105の回転が開始される。そして、カッター部25の作動も開始され、回転刃36の回転が開始される。また、回転機構11及びカッター部25の作動が開始されると、制御装置14からの制御指令に基づいて、後述する水供給機構13の作動も開始される。
上記のように制御装置14からの制御指令に基づいて回転機構11及びカッター部25が作動する際におけるモータ20及びカッターモータ33の回転速度は、未加硫スリーブ105及び回転刃36の条件に応じて予め定められたそれぞれの回転速度に設定される。
上記のように回転機構11及びカッター部25の作動が開始されると、制御装置14からの制御指令に基づいて、シリンダ機構32が作動する。これにより、シリンダ体32aからロッド32bが突出し、移動ブロック31とともにカッター部25が未加硫スリーブ105に向かって進出する。そして、カッター部25の進出に伴い、回転刃36は、未加硫スリーブ105を厚み方向に切断して外周スリーブ19に回転刃36の刃先の先端が僅かに接触する位置まで、未加硫スリーブ105に向かって進出する。
上記のように回転刃36が未加硫スリーブ105に向かって進出することで、主軸16及び回転体22とともに回転する未加硫スリーブ105に対して、回転刃36が回転しながら押し付けられることになる。そして、図15に示すように、回転刃36の刃先が外周スリーブ19に僅かに接触する位置まで回転刃36が進出することで、未加硫スリーブ105が回転刃36によって周方向に切断され、未加硫ゴムベルト106が形成される。図15においては、回転刃36によって切断ライン106aにて未加硫スリーブ105から未加硫ゴムベルト106が切断されて形成された状態が図示されている。尚、カッター部25が作動して回転刃36が回転している間は、後述する水供給機構13の作動も維持されている。
上記のように、切断機構12は、外周に刃が設けられた回転刃36を有し、回転体22に配置されて回転体22とともに回転する未加硫スリーブ105に対して、回転刃36が回転しながら押し付けられることで、未加硫スリーブ105を周方向に切断し、未加硫ゴムベルト106を形成する機構として、構成されている。
[水供給機構]
水供給機構13は、水供給源(図示省略)に連通する配水管Pからの水(例えば水道水)を、溝51の流入端51aに供給するためのものである。本実施形態では、水供給機構13は、回転刃36の多孔質部38の連通気孔41へ水を供給することにより、該連通気孔41を介して溝51の流入端51aに水を供給する。
水供給機構13は、図11を参照して、水圧調整弁45と、水流路46とを有している。
水圧調整弁45は、例えば一例として電磁弁によって構成されている。水圧調整弁45は、水流路46よりも上流側の配水管Pに設けられていて、水供給源からの水道水の水圧を調整するために設けられている。この水圧調整弁45により、水供給源側から回転刃36側へ供給される水の流量を調整することができる。水圧調整弁45は、制御装置14からの制御指令に基づいて作動する。制御装置14からの制御指令に基づいて水圧調整弁45の水圧が調整されることで、回転刃36の連通気孔41へ供給される水の流量が調整される。
水供給機構13では、例えば一例として、操作機器(図示省略)を介して、ユーザが予め必要な水圧を入力する。水圧調整弁45は、配水管Pによって水流路46に搬送される水の圧力が、ユーザによって入力された水圧となるように、水圧調整弁45の開度を調整する。ユーザは、水流路46の水圧を変更したい場合には、操作機器を介して、所望の水圧値を入力すればよい。
水流路46は、上述したように、円筒部42によって構成される。水供給機構13では、配水管P側から搬送されてきた水が、水流路46としての円筒部42の内部(より詳しくは、回転軸40の外周面と円筒部42の内周面との間)を介して、回転刃36における回転軸40付近へ搬送される。
[水供給機構から回転刃の刃先部分へ供給される水の流れ]
上述した水流路46から回転刃36における回転軸40付近へ搬送された水は、以下のようにして回転刃36の刃先部分36aへ供給される。なお、図11では、水供給機構13から刃先部分36aへ供給される水の流れを、白抜きの矢印で図示している。
具体的には、水流路46からの水は、図11を参照して、多孔質部38における回転軸40付近の部分へ流れた後、多孔質部38内へしみ込む。このようにして多孔質部38内へしみ込んだ水は、回転刃36の遠心力によって径方向外側へ向かって流れた後、回転刃本体37に形成された溝51の流入端51aに到達する。溝51の流入端51aに到達した水は、回転刃36の遠心力によって、溝51を介して刃先部分36aへ流れる。これにより、回転刃36の刃先部分36aへ水を供給することができる。
ここで、溝51は、図14を参照して、その深さHが、流入端51aから流出端51bへ向かうにつれて(回転刃本体37の径方向内側から径方向外側へ向かうにつれて)浅くなるように形成されている。こうすると、溝51を流れる水が刃先部分36aへ向かって徐々に溝51外へ溢れ出すため、水が、刃先部分36aにおける溝51が形成されていない部分にも行き渡る。これにより、刃先部分36a全体を均一的に冷却できる。
なお、多孔質部38内の連通気孔41を流れる水のうち、多孔質部38の側面(図11における多孔質部38の右側の面及び左側の面)から外方へ流出しようとする水は、漏水防止シート39によってその流出が規制される。これにより、水を、溝51の流入端51aへ集中的に流すことができるため、ひいては回転刃36の刃先部分36aへ集中的に流すことができる。これにより、回転刃36及び未加硫スリーブ105を効率的に冷却できる。
[制御装置]
図7に示す制御装置14は、未加硫ゴムベルト形成装置1において、回転機構11、切断機構12、水供給機構13の作動を制御する制御部として設けられている。前述の通り、回転機構11、切断機構12、水供給機構13は、制御装置14からの制御指令に基づいて作動する。
制御装置14は、CPU等のプロセッサ、メモリ、ユーザによって操作される操作パネル又は操作盤等の操作部、インターフェース回路、等を備えて構成されている。制御装置14のメモリには、回転機構11、切断機構12、水供給機構13の作動を制御する制御指令を作成するためのプログラムが記憶されている。ユーザによって操作部が操作されることで、メモリから上記のプログラムがプロセッサによって読み出されて実行される。これにより、上記の制御指令が作成され、その制御指令に基づいて、回転機構11、切断機構12、水供給機構13が作動する。
制御装置14からの制御指令に基づいて、モータ20が回転し、駆動トルクがベルト駆動機構21を介して主軸16に伝達される。そして、主軸16とともに回転体22が回転し、回転体22とともに回転体22に配置された未加硫スリーブ105が回転する。また、制御装置14からの制御指令に基づいて、ボールネジモータ28bが所定の回数分だけ回転して移動プレート29が基台部26上で所定量移動する。
そして、制御装置14からの制御指令に基づいて、カッターモータ33が回転し、駆動トルクが動力伝達部34を介して回転刃36に伝達され、回転刃36が回転する。また、制御装置14からの制御指令に基づいて水供給機構13が作動するため、水が、水流路46、多孔質部38の連通気孔41、及び回転刃本体37の溝51を順に通じて、回転刃36の刃先部分36aへ供給される。更に、制御装置14からの制御指令に基づいて、シリンダ機構32が作動し、移動ブロック31とともに回転刃36が未加硫スリーブ105に向かって進出する。これにより、回転刃36の刃と未加硫スリーブ105における切断対象部分との間を、刃先部分36aに供給された水によって冷却且つ潤滑しつつ、未加硫スリーブ105を周方向に切断して未加硫ゴムベルト106を形成することができる。尚、本実施形態では、制御装置14からの制御指令に基づいて、回転機構11、切断機構12、水供給機構13が作動する形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。未加硫ゴムベルト形成装置1において、制御装置14が備えられておらず、ユーザによる操作に基づいて、回転機構11、切断機構12、水供給機構13が作動する形態が実施されてもよい。
[未加硫ゴムベルトの形成方法]
次に、本発明の一実施の形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法について説明する。図16は、本発明の一実施の形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法を示すチャート図である。図16に示す未加硫ゴムベルト形成方法は、未加硫ゴム層と心線104とを有する未加硫スリーブ105を周方向に切断して環状の未加硫ゴムベルト106を形成する未加硫ゴムベルト形成方法として構成されている。図16に示す未加硫ゴムベルト形成方法は、前述の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成装置1が作動することで実施される。
図16に示すように、本実施形態の未加硫ゴムベルト形成方法は、未加硫スリーブ配置工程S201、水供給工程S202、切断工程S203、未加硫ゴムベルト取り外し工程S205を備えて構成されている。未加硫スリーブ配置工程S201が実施され、次いで、水供給工程S202及び切断工程S203、が複数回実施され、最後に未加硫ゴムベルト取り外し工程S205が実施される。これらの工程が終了することで、1つの未加硫スリーブ105から複数の未加硫ゴムベルト106が形成されることになる。
未加硫スリーブ配置工程S201は、主軸16とともに回転するように構成された回転体22の外周に未加硫スリーブ105が配置される工程として、構成されている。本実施形態では、例えば、回転体22に対して未加硫のゴムシート及び心線104が巻き付けられることで回転体22の周りに未加硫スリーブ105が形成され、これにより、未加硫スリーブ105が回転体22に配置された状態となる。即ち、回転体22を用いて前述の未加硫スリーブ形成工程S101が実施されて未加硫スリーブ105が形成され、未加硫スリーブ105が回転体22に配置された状態となる。
尚、回転体22の外周に未加硫スリーブ105を配置する方法としては、上述の通りでなくてもよい。例えば、回転機構11の回転体22とは異なる別の回転体を用いて未加硫スリーブ105が形成され、その別の回転体から取り外された未加硫スリーブ105が、回転機構11の回転体22に対して装着されて配置される形態が実施されてもよい。
水供給工程S202は、制御装置14からの指令に基づいて、水圧調整弁45の開度が調整されることで、実施される。具体的には、水供給工程S202では、全閉状態となっている水圧調整弁45の開度が、該水圧調整弁45を介して水流路46へ流入する水の水圧が所望の値となるような開度に調整される。これにより、配水管Pからの水が水流路46へ供給される。
切断工程S203は、制御装置14からの制御指令に基づいて、回転機構11及び切断機構12が作動することで、実施される。まず、制御装置14からの制御指令に基づいて、モータ20が回転し、駆動トルクがベルト駆動機構21を介して主軸16に伝達される。そして、主軸16とともに回転体22が回転し、回転体22とともに回転体22に配置された未加硫スリーブ105が回転する。また、制御装置14からの制御指令に基づいて、ボールネジモータ28bが所定の回数分だけ回転して移動プレート29が基台部26上で所定量移動する。
そして、制御装置14からの制御指令に基づいて、カッターモータ33が回転し、駆動トルクが動力伝達部34を介して回転刃36に伝達され、回転刃36が回転する。更に、制御装置14からの制御指令に基づいて、シリンダ機構32が作動し、移動ブロック31とともに回転刃36が未加硫スリーブ105に向かって進出する。これにより、未加硫スリーブ105が周方向に切断され、未加硫ゴムベルト106が形成される。
そして、上述のように回転刃36が回転すると、水流路46を介して多孔質部38にしみ込んだ水が、遠心力によって溝51の流入端51aに到達した後、該溝51を介して刃先部分36aへ供給される。これにより、回転刃36の刃先部分36aと未加硫スリーブ105における切断対象部分との間を集中的に冷却できるため、未加硫スリーブ105をスムーズに切断できる。
上記のように、切断工程S203は、外周に刃が設けられた回転刃36が、回転体22に配置されて回転体22とともに回転する未加硫スリーブ105に対して、回転しながら押し付けられることで、未加硫スリーブ105が周方向に切断され、未加硫ゴムベルト106が形成される工程として、構成されている。
未加硫スリーブ105が全周に亘って周方向に切断され、未加硫ゴムベルト106が形成されると、制御装置14からの制御指令に基づいて、シリンダ機構32が作動し、移動ブロック31とともに回転刃36が未加硫スリーブ105から離間する方向に向かって移動する。即ち、ロッド32bがシリンダ体32aに向かって縮退し、移動ブロック31とともに回転刃36が、未加硫スリーブ105から退避する方向に移動する。これにより、水供給工程S202及び切断工程S203が一旦終了する。
水供給工程S202及び切断工程S203が一旦終了すると、制御装置14において、未加硫スリーブ105を全幅に亘って切断する処理が終了したか否かが判断される(工程S204)。即ち、工程S204においては、未加硫スリーブ105が周方向に切断されて未加硫ゴムベルト106が形成される処理が、未加硫スリーブ105の幅方向(図7及び図8で両端矢印Bで示す方向)における全長に亘って所定回数行われ、未加硫スリーブ105の全体が複数の未加硫ゴムベルト106に切断されたか否かが、判断される。尚、制御装置14は、例えば、予め入力されている未加硫スリーブ105の切断前の状態の幅方向の寸法と、ボールネジモータ28bの回転量の積算値とに基づいて、未加硫スリーブ105を全幅に亘って切断する処理が終了したか否かを判断する。
工程S204において、未加硫スリーブ105を全幅に亘って切断する処理が終了していないと判断されると(工程S204、No)、まず、制御装置14からの制御指令に基づいて、ボールネジモータ28bが所定の回数分だけ回転し、移動プレート29が、基台部26上で、未加硫ゴムベルト106のベルト幅寸法に対応した所定量だけ移動する。そして、再び、水供給工程S202及び切断工程S203が実施される。これにより、回転体22の外周において、次の未加硫ゴムベルト106が形成されることになる。
上記のように水供給工程S202及び切断工程S203が実施され、未加硫ゴムベルト106が新たに形成されると、再び、制御装置14にて、未加硫スリーブ105を全幅に亘って切断する処理が終了したか否かが判断される(工程S204)。未加硫スリーブ105が全幅に亘って切断する処理が終了していないと判断されるかぎり(工程S204、No)、上記の処理が繰り返されることになる。そして、工程S204と水供給工程S202及び切断工程S203とが繰り返されることで、回転体22の外周に複数の未加硫ゴムベルト106が形成されていくことになる。
図17は、未加硫ゴムベルト形成装置1によって未加硫スリーブ105が全幅に亘って周方向に切断され、複数の未加硫ゴムベルト106が形成された状態を示す図である。工程S204と水供給工程S202及び切断工程S203とが繰り返され、図17に示すように、未加硫スリーブ105が全幅に亘って切断されると、制御装置14において、未加硫スリーブ105を全幅に亘って切断する処理が終了したと判断される(工程S204、Yes)。上記のように判断されると、制御装置14からの制御指令に基づいて、回転機構11、切断機構12、及び水供給機構13の作動が停止される。
図17に示すように、未加硫スリーブ105が全幅に亘って切断され、複数の未加硫ゴムベルト106が形成されると、次いで、未加硫ゴムベルト取り外し工程S205が実施される。未加硫ゴムベルト取り外し工程S205では、回転体22の外周に配置された状態の複数の未加硫ゴムベルト106の全てが、回転体22から取り外される。回転体22から全ての未加硫ゴムベルト106が取り外されることで、図16に示す未加硫ゴムベルト形成方法は終了することになる。
[実施形態の作用効果]
以上のように、本実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成装置1によると、回転機構11及び切断機構12が作動し、未加硫スリーブ105が周方向に切断されて未加硫ゴムベルト106が形成される際に溝51へ水が供給される。このため、未加硫スリーブ105の切断中に未加硫スリーブ105と回転刃36との間で発生する摩擦熱が、刃先部分36aへ供給された水によって効率よく抜熱されることになる。これにより、未加硫スリーブ105の切断中における摩擦熱による温度上昇を抑制することができる。
そして、未加硫ゴムベルト形成装置1及び前述の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法によると、未加硫スリーブ105の切断中における摩擦熱による温度上昇を抑制できるため、未加硫スリーブ105の切断中に発煙して作業性の低下を招いてしまうことを抑制することができる。
更に、未加硫ゴムベルト形成装置1及び前述の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法によると、未加硫スリーブ105の切断中における摩擦熱による温度上昇を抑制できるため、未加硫スリーブ105のゴムの粘性の上昇を抑制でき、回転刃36にゴムが粘り付くように付着して粘着し易くなることも抑制できる。そして、所望の寸法通りに未加硫スリーブ105を切断することが容易となり、一つの未加硫ゴムベルト106の周方向において、ベルト幅方向の寸法のばらつきが生じてしまうことを抑制することができる。このため、この未加硫ゴムベルト106を素材として製造されるラップドVベルト100におけるベルト断面の寸法のばらつきが生じてしまうことを抑制でき、ベルト寿命の低下を招いてしまうことも抑制することができる。
更に、未加硫ゴムベルト形成装置1及び前述の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法によると、未加硫スリーブ105の切断中における摩擦熱による温度上昇を抑制し、回転刃36にゴムが粘り付くように付着して粘着し易くなることを抑制できるため、切断中に回転刃36の鋭さが鈍ってしまうことも抑制することができる。このため、未加硫スリーブ105が押し切られるように切断され、未加硫ゴムベルト106の角部分の形状が大きく変形してしまうことを抑制することができる。これにより、加硫されてラップドVベルト100が製造された際に心線104の並びが乱れてしまう現象が生じることも抑制でき、ベルト耐久性の低下を招いてしまうことを抑制することができる。
よって、未加硫ゴムベルト形成装置1及び前述の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法によると、未加硫ゴムベルト106の品質の低下を抑制し、更に、未加硫ゴムベルト106を素材として製造されるラップドVベルト100の品質の低下も抑制することができる。
また、未加硫ゴムベルト形成装置1及び前述の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法によると、未加硫スリーブ105が周方向に切断されて未加硫ゴムベルト106が形成される際に、溝51を介して回転刃36の外部へごく僅かな水が流出する。このため、未加硫ゴムベルト106に対して水分が付着及び浸透することを抑制することができる。これにより、未加硫ゴムベルト形成装置1及び前述の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法によると、流水を切断中の回転刃にかけながら未加硫スリーブ105を切断して未加硫ゴムベルト106を形成する手法とは異なり、乾燥工程がほぼ不要となる。よって、ラップドVベルト100の製造時に、多くの乾燥時間を要して作業能率の低下を招いてしまうことも抑制できる。
以上説明したように、未加硫ゴムベルト形成装置1及び前述の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法によると、未加硫スリーブ105の切断中における摩擦熱による温度上昇を抑制でき、作業能率の低下を招いてしまうことを抑制できるとともに、未加硫ゴムベルト106の品質の低下を抑制し、更に、未加硫ゴムベルト106を素材として製造されるラップドVベルト100の品質の低下も抑制することができる。
また、未加硫ゴムベルト形成装置1によると、水供給機構13によって溝51における径方向内側の端部から供給された水が、回転する回転刃36の遠心力によって溝51内を流れて、回転刃36の刃先部分36aへ移動する。これにより、溝51における径方向内側の端部に供給された水を、回転刃36の回転力を利用して効率的に刃先部分36aへ移動させることができる。
ところで、例えば、回転刃36を冷却する水が、回転刃36の中心部分からずれた箇所へ供給されると、その水は、遠心力によってその箇所よりも径方向外側の刃先部分36aへ集中的に流れてしまう。そうすると、それ以外の刃先部分36aには水が流れにくくなってしまうため、水が流れにくい刃先部分36aの温度が上昇してしまう虞がある。
この点につき、未加硫ゴムベルト形成装置1によると、回転刃36の中心部分から該回転刃36へ流入した水を、回転刃36の刃先部分36aの全周に亘って万遍なく移動させることができるため、刃先部分36a全周を平均的に冷却及び潤滑することができる。
また、未加硫ゴムベルト形成装置1では、溝51が、回転刃本体37の径方向内側から径方向外側へ向かって徐々に浅くなるように形成されている。こうすると、溝51の流入端51aに供給された水が、回転刃36の遠心力によって径方向外側へ向かって流れる際、溝51から徐々に溢れ出す。そうすると、回転刃36の刃先部分36aのうち溝51が形成された部分だけでなく、刃先部分36aにおけるその他の部分にも水が行き渡る。これにより、刃先部分36a全体を万遍なく冷却できる。
また、未加硫ゴムベルト形成装置1では、底面部52と鋭角側面部53bとの間の角度θが、鋭角となっている。こうすると、溝51の開口部54の幅Wbの寸法を維持しつつ、溝51の延出方向に垂直な方向における溝51の断面積を大きくすることができる。これにより、溝51の開口部54から外方への水の飛散を抑制しつつ、溝51内へ多くの水を案内することができる。これにより、刃先部分36aへ供給される水の量を確保することができる。
また、未加硫ゴムベルト形成装置1によると、多孔質部38内に一旦保持された水を刃先部分36aへ供給することができるため、刃先部分36aへ供給される水量の安定化を図ることができる。
また、未加硫ゴムベルト形成装置1では、多孔質部38の外側が漏水防止シート39によって覆われている。こうすると、多孔質部38内にしみ込んだ水が、溝51の流入端51a以外の部分から流出することを防止できる。言い換えれば、未加硫ゴムベルト形成装置1によると、水を、溝51の流入端51aへ集中的に流すことができるため、ひいては、刃先部分36aへ水を集中的に流すことができる。これにより、回転刃36及び未加硫スリーブ105を効率的に冷却できるため、回転刃36のうち摩擦熱による温度上昇が起こり易い刃先部分36aを、少ない水で効率的に冷却することができる。
また、未加硫ゴムベルト形成装置1のように、透水性の低いシート状の部材(漏水防止シート39)で多孔質部38の外側を覆うことで、多孔質部38からの水漏れを、比較的容易に防止できる。
また、未加硫ゴムベルト形成装置1のように、回転刃本体37に直線状の溝51を形成することで、簡素化された形状の溝を形成することができる。
また、未加硫ゴムベルト形成装置1のように、回転刃本体37に複数の溝51を形成することで、各溝51を流れる水によって、刃先部分36aを均一的に冷却することができる。
また、未加硫ゴムベルト形成装置1によると、水圧調整機構としての水圧調整弁45によって、回転刃36に供給される水の流量を容易に調整することができる。そうすると、例えば一例として、回転刃36を冷却及び潤滑するための必要最小限の水を回転刃36に供給できるため、節水性に優れた装置を提供できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。
(1)上記実施形態では、多孔質部38が連通気孔41を有する多孔質セラミックで形成されている例を挙げて説明したが、これに限らず、連通気孔41を有する多孔質材料であれば、どのような材料が用いられてもよい。例えば、多孔質部38として、連通気孔41を有する多孔質金属が用いられてもよい。
(2)例えば、上述した実施形態において、回転刃36が装置に対して取替可能な未加硫ゴムベルト形成装置を構成してもよい。この場合、例えば、未加硫ゴムベルト形成装置は、回転刃36を当該装置に対して取り付けるためのアタッチメント(図示省略)を備えることができる。
(3)上述した実施形態では、回転刃36に用いられる漏水防止部として漏水防止シート39を用いる例を挙げて説明したが、これに限らない。具体的には、例えば一例として、水を通しにくいコーティングを、多孔質部38の外側に形成してもよい。或いは、漏水防止シート39等の漏水防止部が省略された回転刃を有する装置を構成することもできる。
(4)上述した実施形態では、多孔質部38の連通気孔41へ水を供給する水流路46を円筒部42で構成する例を挙げて説明したが、これに限らず、多孔質部38の連通気孔41へ水を供給可能であれば、水流路46の構成はどのような構成であってもよい。
(5)上述した実施形態では、水圧調整弁45の開閉を制御装置14によって行う例を挙げて説明したが、これに限らない。具体的には、電磁弁で構成された水圧調整弁の代わりに、手動で水圧を調整可能な水圧調整弁を設けてもよい。
(6)上述した実施形態では、円筒部42内を流れる水の圧力を調整する圧力調整機構として水圧調整弁45を用いる例を挙げて説明したが、これに限らない。具体的には、例えば一例として、上流側からの水の圧力を昇圧可能なポンプを圧力調整機構として設けてもよい。
(7)上述した実施形態では、水圧調整弁45を備えた未加硫ゴムベルト形成装置1を例に挙げて説明したが、これに限らず、水圧調整弁45が省略された構成を有する未加硫ゴムベルト形成装置を構成してもよい。
(8)上述した実施形態では、水供給機構13が、水圧調整弁45及び水流路46を有している例を挙げて説明したが、これに限らず、これらに加えて、更に配水管Pを有していてもよい。
(9)上述した実施形態では、溝51が有する一対の側面部のうちの一方のみ(具体的には、鋭角側面部53b)と底面部52との間の角度が鋭角である例を挙げて説明したが、これに限らない、具体的には、底面部と各側面部との間の角度が鋭角であってもよい。
(10)上述した実施形態では、溝51が、回転刃本体37における径方向内側から径方向外側へ向かって徐々に浅くなるように形成されている例を挙げて説明したが、これに限らない。具体的には、溝51の深さが、径方向内側から径方向外側に亘って一定となるように形成されていてもよい。
(11)上述した実施形態では、多孔質部38を有する回転刃36を例に挙げて説明したが、これに限らない。具体的には、多孔質部38が省略された回転刃を構成してもよい。この場合、溝が形成された回転刃本体の中心部分に回転軸が固定されることになる。また、この場合、回転刃本体に形成された溝における径方向内側の端部に、水供給機構13によって水が直接、供給されることになる。
(12)図18は、変形例に係る未加硫ゴムベルト形成装置のカッター部における回転刃60付近の部分断面図であって、水供給機構13aとともに模式的に示す図である。また図19は、図18に示す回転刃60の正面図である。図18は、図11に対応している。変形例に係る未加硫ゴムベルト形成装置は、上述した実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成装置と比べて、回転刃及び水供給機構の構成が異なっている。以下では、上記実施形態と異なる部分について主に説明し、それ以外の部分については説明を省略する。
本変形例では、回転刃60は、外周に刃が設けられた円形形状の丸刃である回転刃本体70で構成されている。回転刃60は、外周側に向かって鋭く切っ先状に尖るように形成された刃が設けられた硬質状の部分である。回転刃60の外周の刃(刃先部分60a)は、回転刃60の外周の全周に亘って設けられている。本実施形態では、回転刃60は超鋼材料で構成される。しかし、これに限らず、セラミックで構成されていてもよい。回転刃60の外径Dは、例えば一例として、上記実施形態の場合と同様、200mmである。回転刃60の中心には回転軸用貫通孔60bが形成されていて、その回転軸用貫通孔60bには、回転軸40が挿入された状態で固定されている。
また、回転刃60には、上記実施形態の回転刃36に形成されているものと概ね同様の形状を有する溝55が形成されている。本変形例の溝55は、上記実施形態の溝51と異なり、溝55における径方向内側の端部51aが回転軸40まで延びている。本変形例における溝55のその他の形状、本数及び位置等は、上記実施形態の溝51と同様であるため、その説明を省略する。
本変形例では、水供給機構13aは、内部に水wを貯留可能な水槽13bである。本変形例に係る未加硫ゴムベルト形成装置では、回転刃60が回転して未加硫スリーブを切断しているときに、回転刃60の刃先部分60aにおける未加硫スリーブを切断している部分とは異なる部分が、水槽13b内の水wに浸漬される。そうすると、回転刃60における水wに浸漬されている部分に形成されている溝55に水wがすくい取られ、その水wが刃先部分60aを冷却及び潤滑する。これにより、上記実施形態の場合と同様、未加硫スリーブ105の切断中における摩擦熱による温度上昇を抑制でき、作業能率の低下を招いてしまうことを抑制できるとともに、未加硫ゴムベルト106の品質の低下を抑制し、更に、未加硫ゴムベルト106を素材として製造されるラップドVベルト100の品質の低下も抑制することができる。
しかも、本変形例によれば、回転刃60の回転中に該回転刃60の刃先部分60aが浸漬される水wが貯留される水槽13bを設けるだけで、少なくとも回転刃60の刃先部分60aに設けられた溝55に水wを供給することができる。言い換えれば、本変形例によれば、容易な構成で、回転刃60の刃先部分60aへ水を供給することができる。
また、本変形例でも、上記実施形態の場合と同様、溝55が、回転刃60の径方向内側から径方向外側へ向かって徐々に浅くなるように形成されている。こうすると、溝55に供給された水wが、回転刃60の遠心力によって径方向外側へ向かって流れる際、溝55から徐々に溢れ出す。そうすると、刃先部分60aにおける溝55が形成された部分だけでなく、刃先部分60aにおけるその他の部分にも水が行き渡る。これにより、刃先部分60a全体を万遍なく冷却できる。
また、本変形例でも、溝55における底面部52と鋭角側面部53bとの間の角度θが、鋭角となっている。こうすると、溝55の開口部54の幅Wbの寸法を維持しつつ、溝55の延出方向に垂直な方向における溝55の断面積を大きくすることができる。これにより、溝55の開口部54から外方への水の飛散を抑制しつつ、溝55内へ多くの水を案内することができる。これにより、刃先部分60aへ供給される水の量を確保することができる。また、溝55における底面部52と鋭角側面部53bとの間の角度θを鋭角とすることにより、水槽13b内の水wをより確実に溝55ですくい取ることができる。
なお、本変形例に係る未加硫ゴムベルト形成装置を用いて行われる未加硫ゴムベルト形成方法では、図2及び図16を参照して、上記実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成装置1を用いた未加硫ゴムベルト形成方法で行われる各工程と同様の工程が行われる。但し、本変形例での水供給工程S202では、未加硫スリーブ切断中の回転刃60が水槽13bに貯留された水wに浸漬される。これにより、回転刃60に形成された溝55に水wが供給される。
(13)図20は、変形例に係る未加硫ゴムベルト形成装置が有する、回転刃本体71で構成された回転刃61の正面図である。図19を用いて説明した変形例では、回転刃60に形成された各溝55が、回転刃60における径方向内側の部分から径方向外側の部分まで延びるように形成されている例を挙げて説明したが、これに限らない。具体的には、図20に示すように、回転刃61に形成された各溝56が、回転刃60における刃先部分61aよりも径方向内側の部分から径方向外側に向かって延びるように形成されていてもよい。この場合であっても、図18及び図19を用いて説明した変形例の場合と同様、未加硫スリーブ105の切断中における摩擦熱による温度上昇を抑制でき、作業能率の低下を招いてしまうことを抑制できるとともに、未加硫ゴムベルト106の品質の低下を抑制し、更に、未加硫ゴムベルト106を素材として製造されるラップドVベルト100の品質の低下も抑制することができる。
(14)図21は、変形例に係る未加硫ゴムベルト形成装置が有する、回転刃本体72で構成された回転刃62の正面図である。図20を用いて説明した変形例では、回転刃61に形成された各溝56が、回転刃61の径方向に延びている例を挙げて説明したが、これに限らない。具体的には、図21に示すように、各溝57を、該溝57における径方向外側の端部51bと回転刃62の回転中心とを結ぶ直線に対して斜め方向に延びるように形成してもよい。
図22は、図21に示す回転刃62の一部と水槽13bとを模式的に示す図である。本変形例では、回転刃62の回転方向d1が、回転刃62に形成された溝57における径方向外側の端部51bから水槽13b内の水wが侵入するような方向に設定されている。こうすると、溝57内へ効率的に水wを含ませることができる。
本発明は、未加硫ゴムベルトの形成装置、及び未加硫ゴムベルトの形成方法に関して、広く適用することができる。
1 未加硫ゴムベルト形成装置
11 回転機構
12 切断機構
13,13a 水供給機構
16 主軸
22 回転体
36,60,61,62 回転刃
37,70,71,72 回転刃本体
51,55,56,57 溝
105 未加硫スリーブ
106 未加硫ゴムベルト

Claims (9)

  1. 未加硫ゴム層と心線とを有する筒状の未加硫スリーブを周方向に切断して環状の未加硫ゴムベルトを形成するための未加硫ゴムベルト形成装置であって、
    主軸とともに回転するように構成された回転体を有し、前記回転体の外周に前記未加硫スリーブが配置されるように構成された、回転機構と、
    外周に刃が設けられた回転刃本体を有する回転刃を含み、前記回転体に配置されて前記回転体とともに回転する前記未加硫スリーブに対して、前記回転刃が回転しながら押し付けられることで、前記未加硫スリーブを周方向に切断し、前記未加硫ゴムベルトを形成する、切断機構と、
    を備え、
    前記回転刃本体には、該回転刃本体における前記刃よりも径方向内側の部分から径方向外側に向かって延びる溝が形成され、
    前記溝に水を供給する水供給機構を更に備え
    前記溝は、前記回転刃本体における径方向内側の部分から径方向外側に向かって延びるとともに、前記回転刃本体における径方向内側から径方向外側へ向かって徐々に浅くなるように形成されており、
    前記水供給機構は、前記溝における径方向内側の端部に水を供給することを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成装置。
  2. 未加硫ゴム層と心線とを有する筒状の未加硫スリーブを周方向に切断して環状の未加硫ゴムベルトを形成するための未加硫ゴムベルト形成装置であって、
    主軸とともに回転するように構成された回転体を有し、前記回転体の外周に前記未加硫スリーブが配置されるように構成された、回転機構と、
    外周に刃が設けられた回転刃本体を有する回転刃を含み、前記回転体に配置されて前記回転体とともに回転する前記未加硫スリーブに対して、前記回転刃が回転しながら押し付けられることで、前記未加硫スリーブを周方向に切断し、前記未加硫ゴムベルトを形成する、切断機構と、
    を備え、
    前記回転刃本体には、該回転刃本体における前記刃よりも径方向内側の部分から径方向外側に向かって延びる溝が形成され、
    前記溝に水を供給する水供給機構を更に備え、
    前記溝は、前記回転刃本体における径方向内側の部分から径方向外側に向かって延びるように形成され、
    前記水供給機構は、前記溝における径方向内側の端部に水を供給し、
    前記溝は、底面部と、該底面部における幅方向両側のそれぞれに設けられた側面部とを有し、
    前記底面部と、少なくとも一方の前記側面部との間の角度は、鋭角であることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成装置。
  3. 未加硫ゴム層と心線とを有する筒状の未加硫スリーブを周方向に切断して環状の未加硫ゴムベルトを形成するための未加硫ゴムベルト形成装置であって、
    主軸とともに回転するように構成された回転体を有し、前記回転体の外周に前記未加硫スリーブが配置されるように構成された、回転機構と、
    外周に刃が設けられた回転刃本体を有する回転刃を含み、前記回転体に配置されて前記回転体とともに回転する前記未加硫スリーブに対して、前記回転刃が回転しながら押し付けられることで、前記未加硫スリーブを周方向に切断し、前記未加硫ゴムベルトを形成する、切断機構と、
    を備え、
    前記回転刃本体には、該回転刃本体における前記刃よりも径方向内側の部分から径方向外側に向かって延びる溝が形成され、
    前記溝に水を供給する水供給機構を更に備え、
    前記溝は、前記回転刃本体における径方向内側の部分から径方向外側に向かって延びるように形成され、
    前記水供給機構は、前記溝における径方向内側の端部に水を供給し、
    前記回転刃本体には、該回転刃本体における回転中心を含む部分を該回転中心が延びる方向に貫通する貫通孔が形成され、
    前記回転刃は、水が通過可能な連通気孔を有する多孔質材料で構成されるとともに前記貫通孔に内側から嵌まり込む多孔質部、を更に有し、
    前記水供給機構は、前記連通気孔に水を供給することにより、該連通気孔を介して前記溝における径方向内側の端部に水を供給することを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成装置。
  4. 請求項に記載の未加硫ゴムベルト形成装置において、
    前記回転刃は、前記多孔質部を外側から覆う漏水防止部を更に有していることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成装置。
  5. 未加硫ゴム層と心線とを有する筒状の未加硫スリーブを周方向に切断して環状の未加硫ゴムベルトを形成するための未加硫ゴムベルト形成装置であって、
    主軸とともに回転するように構成された回転体を有し、前記回転体の外周に前記未加硫スリーブが配置されるように構成された、回転機構と、
    外周に刃が設けられた回転刃本体を有する回転刃を含み、前記回転体に配置されて前記回転体とともに回転する前記未加硫スリーブに対して、前記回転刃が回転しながら押し付けられることで、前記未加硫スリーブを周方向に切断し、前記未加硫ゴムベルトを形成する、切断機構と、
    を備え、
    前記回転刃本体には、該回転刃本体における前記刃よりも径方向内側の部分から径方向外側に向かって延びる溝が形成され、
    前記溝に水を供給する水供給機構を更に備え、
    前記水供給機構は、前記回転刃が回転して前記未加硫スリーブを切断しているときに前記回転刃の前記刃が浸漬される水が貯留される水槽、を有し、
    前記溝は、前記回転刃本体における径方向内側の部分から径方向外側に向かって延びるとともに、前記回転刃本体における径方向内側から径方向外側へ向かって徐々に浅くなるように形成されていることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成装置。
  6. 未加硫ゴム層と心線とを有する筒状の未加硫スリーブを周方向に切断して環状の未加硫ゴムベルトを形成するための未加硫ゴムベルト形成装置であって、
    主軸とともに回転するように構成された回転体を有し、前記回転体の外周に前記未加硫スリーブが配置されるように構成された、回転機構と、
    外周に刃が設けられた回転刃本体を有する回転刃を含み、前記回転体に配置されて前記回転体とともに回転する前記未加硫スリーブに対して、前記回転刃が回転しながら押し付けられることで、前記未加硫スリーブを周方向に切断し、前記未加硫ゴムベルトを形成する、切断機構と、
    を備え、
    前記回転刃本体には、該回転刃本体における前記刃よりも径方向内側の部分から径方向外側に向かって延びる溝が形成され、
    前記溝に水を供給する水供給機構を更に備え、
    前記水供給機構は、前記回転刃が回転して前記未加硫スリーブを切断しているときに前記回転刃の前記刃が浸漬される水が貯留される水槽、を有し、
    前記溝は、底面部と、該底面部における幅方向両側のそれぞれに設けられた側面部とを有し、
    前記底面部と、少なくとも一方の前記側面部との間の角度は、鋭角であることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成装置。
  7. 未加硫ゴム層と心線とを有する筒状の未加硫スリーブを周方向に切断して環状の未加硫ゴムベルトを形成するための未加硫ゴムベルト形成装置であって、
    主軸とともに回転するように構成された回転体を有し、前記回転体の外周に前記未加硫スリーブが配置されるように構成された、回転機構と、
    外周に刃が設けられた回転刃本体を有する回転刃を含み、前記回転体に配置されて前記回転体とともに回転する前記未加硫スリーブに対して、前記回転刃が回転しながら押し付けられることで、前記未加硫スリーブを周方向に切断し、前記未加硫ゴムベルトを形成する、切断機構と、
    を備え、
    前記回転刃本体には、該回転刃本体における前記刃よりも径方向内側の部分から径方向外側に向かって延びる溝が形成され、
    前記溝に水を供給する水供給機構を更に備え、
    前記水供給機構は、前記回転刃が回転して前記未加硫スリーブを切断しているときに前記回転刃の前記刃が浸漬される水が貯留される水槽、を有し、
    前記溝は、該溝における径方向外側の端部と前記回転刃の回転中心とを結ぶ直線に対して斜め方向に延びるように形成されていることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成装置。
  8. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の未加硫ゴムベルト形成装置において、
    前記溝は、直線状に形成されていることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成装置。
  9. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の未加硫ゴムベルト形成装置において、
    前記回転刃本体には、複数の前記溝が形成されていることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成装置。
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