JP6894799B2 - 未加硫ゴムベルト形成装置、及び未加硫ゴムベルト形成方法 - Google Patents

未加硫ゴムベルト形成装置、及び未加硫ゴムベルト形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6894799B2
JP6894799B2 JP2017150386A JP2017150386A JP6894799B2 JP 6894799 B2 JP6894799 B2 JP 6894799B2 JP 2017150386 A JP2017150386 A JP 2017150386A JP 2017150386 A JP2017150386 A JP 2017150386A JP 6894799 B2 JP6894799 B2 JP 6894799B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unvulcanized
rotary blade
unvulcanized rubber
rubber belt
sleeve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017150386A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018034505A (ja
Inventor
崇 西尾
崇 西尾
康一 中川
康一 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsuboshi Belting Ltd filed Critical Mitsuboshi Belting Ltd
Publication of JP2018034505A publication Critical patent/JP2018034505A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6894799B2 publication Critical patent/JP6894799B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Nonmetal Cutting Devices (AREA)

Description

本発明は、未加硫ゴムベルト形成装置、及び未加硫ゴムベルト形成方法に関する。
従来より、動力を伝達する伝動ベルトとして、Vベルト、Vリブドベルト、平ベルトなど、摩擦によって動力を伝達するベルトが広く知られている。Vベルトは、V字状の断面を有する環状の伝動ベルトとして構成されている。そして、Vベルトとしては、ラップドVベルト及びローエッジVベルトが、用いられている。ラップドVベルトは、外被布で周囲が覆われたVベルトとして構成されている。一方、ローエッジVベルトは、摩擦によって動力を伝達する側面のゴム層が露出した状態のVベルトとして構成されている。
ラップドVベルトは、コンプレッサー、発電機、ポンプなどの一般産業用機械、或いは、田植え機、草刈り機などの農業機械、等において、伝動ベルトとして広く用いられている。ラップドVベルトは、ベルト内周側に圧縮ゴム層が設けられ、ベルト外周側に伸張ゴム層が設けられている。更に、ラップドVベルトにおいては、圧縮ゴム層と伸張ゴム層との間において、心線が埋設されている。そして、ラップVベルトは、環状に設けられた無端状のベルト本体の周囲全体がベルト周方向の全長に亘って外被布で被覆されて構成されている。
特許文献1においては、上述したラップドVベルトの製造方法が開示されている。特許文献1に開示された製造方法においては、次の工程A、工程B、及び工程Cの各工程が順次実施されることで、ラップドVベルトが製造される。
上記の工程Aにおいては、まず、円筒状ドラムの外周面に、圧縮ゴム層の素材の未加硫ゴムシート、心線、及び伸張ゴム層の素材の未加硫ゴムシートが、順次積層されて貼着され、筒状に形成される。これにより、未加硫ゴム層と心線とを有する筒状の未加硫スリーブが形成される。そして、工程Aにおいては、作成された上記の未加硫スリーブが、円筒状ドラムの外周に配置された状態で、周方向に切断される。これにより、環状の未加硫ゴムベルトが形成される。
更に、工程Aにおいては、未加硫ゴムベルトがドラムから取り外され、未加硫ゴムベルトの両側面が所定の角度で切削される(スカイブされる)。これにより、未加硫ゴムベルトの断面形状が、V字状断面となるように形成される。そして、V字状断面となった未加硫ゴムベルトに対して、その周囲を外被布で覆うカバー巻き処理が施され、未加硫ベルト成形体が形成される。
上記の工程Aに次ぐ工程Bにおいては、上記の未加硫ベルト成形体が、リングモールドの凹溝に挿入される。そして、リングモールド及び未加硫ベルト成形体の外周面に円筒状のゴムスリーブが嵌め込まれた状態で、それらが加硫缶に収納され、所定の温度等の条件で加硫が行われる。これにより、加硫ベルトが生成される。最終の工程Cにおいては、生成された加硫ベルトが、リングモールドから取り外される。工程Cまで終了することで、ラップドVベルトが製造される。
特公昭63−236630号公報
特許文献1に開示されているように、ラップドVベルトが製造される際には、未加硫ゴム層と心線とを有する筒状の未加硫スリーブが周方向に切断され、環状の未加硫ゴムベルトが形成される。そして、環状の未加硫ゴムベルトの形成の際には、前述の円筒状ドラム等の回転体の外周に未加硫スリーブが配置された状態で、未加硫スリーブの切断が行われる。このとき、回転体とともに回転する未加硫スリーブに対して、外周に刃が設けられた回転刃が回転しながら押し付けられ、未加硫スリーブが周方向に切断される。
ここで、ラップドVベルトに要求される仕様の変化についても説明する。近年においては、ラップドVベルトに要求される仕様が変化する傾向がある。より具体的には、より高度な耐変形性及び耐座屈性、より高い負荷への対応、より大型の機械で伝動ベルトとして用いられることに対応するためのベルト断面積の大型化(特に厚みの大型化)、などが求められる傾向にある。
上記のような、ラップドVベルトに要求される仕様の変化は、未加硫スリーブを周方向に切断して未加硫ゴムベルトを形成する際の加工において次のような影響を生じることになる。
ラップドVベルトの仕様として、より高度な耐変形性及び耐座屈性が求められると、素材のゴムの高硬度化が求められる傾向にある。そして、素材のゴム組成物が高硬度化すると、未加硫スリーブを周方向に切断する際における未加硫スリーブと回転刃との間で生じる摩擦熱がより多く生じ易くなる。また、ラップドVベルトの仕様として、より高い負荷への対応が求められると、径がより大きく太い心線が用いられる傾向にある。そして、より太い心線が用いられると、未加硫スリーブを周方向に切断する際における心線と回転刃との間で生じる摩擦熱がより多く生じ易くなる。また、ラップドVベルトの仕様として、ベルト断面積の大型化が求められると、未加硫スリーブの断面積も大型化することになる。そして、未加硫スリーブの断面積(厚み)が大型化すると、未加硫スリーブを周方向に切断する際における未加硫スリーブと回転刃との間で生じる摩擦熱がより多く生じ易くなる。
上記のように、近年においては、ラップドVベルトに要求される仕様の変化に伴い、未加硫スリーブを周方向に切断して未加硫ゴムベルトを形成する際において、摩擦熱がより多く生じる傾向にある。未加硫スリーブの切断中に摩擦熱がより多く生じると、未加硫スリーブが発煙し、作業性の低下を招く虞がある。
また、未加硫スリーブの切断中に摩擦熱がより多く生じると、未加硫スリーブがより高温となり、未加硫スリーブのゴムの粘性が大きく上昇してしまう虞がある。この場合、回転刃にゴムが粘り付くように付着して粘着し易くなる。そして、所望の寸法通りに未加硫スリーブを切断することが困難となり、一つの未加硫ゴムベルトの周方向において、ベルト幅方向の寸法のばらつきが生じ易くなってしまう。このようなベルト幅方向の寸法のばらつきが生じると、未加硫ゴムベルトに外被布を被覆して加硫した後において、一つのラップドVベルトの周方向におけるベルト断面の寸法のばらつきが生じ易くなる。一つのラップドVベルトにおけるベルト断面の寸法のばらつきが生じると、伝動ベルトとして使用される際におけるベルト寿命の低下を招いてしまうことになる。
また、未加硫スリーブの切断中に摩擦熱がより多く生じてゴムの粘性が大きく上昇し、回転刃にゴムが粘り付くように付着して粘着すると、回転刃の鋭さが鈍ることになる。回転刃の鋭さが鈍ると、未加硫スリーブが押し切られるようにして切断され、未加硫ゴムベルトが形成されることになる。このような切断状態で未加硫ゴムベルトが形成されると、未加硫ゴムベルトの断面形状の変形量がより大きく生じ、とくに、未加硫ゴムベルトの角部分の形状が大きく変形することなる。このような未加硫ゴムベルトに外被布が被覆されて金型内で加硫されると、金型内での加硫時における断面形状の変化に伴い、心線の並びが乱れてしまう現象が生じることになる。このような心線並びの乱れが生じると、伝動ベルトとして使用される際におけるベルト耐久性の低下を招くことになる。
上述のように、未加硫スリーブの切断中に摩擦熱がより多く生じると、未加硫スリーブの切断作業の作業性の低下を招くことになる。このため、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱による温度上昇の抑制が課題となる。そして、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱の抑制の実現にあたっては、未加硫ゴムベルトの形成時に加えラップドVベルトの製造時においても、作業能率の低下を招いてしまうことを抑制できることが必要となる。
また、上述のように、未加硫スリーブの切断中に摩擦熱がより多く生じると、その未加硫スリーブから形成された未加硫ゴムベルトを素材として製造されたラップドVベルトの品質の低下を招くことになる。この点においても、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱による温度上昇の抑制が課題となる。そして、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱の抑制の実現にあたっては、未加硫ゴムベルトの品質の低下を抑制し、未加硫ゴムベルトを素材として製造されるラップドVベルトの品質の低下も抑制できることが必要となる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱による温度上昇を抑制でき、作業能率の低下を招いてしまうことを抑制できるとともに、未加硫ゴムベルトの品質の低下を抑制し、更に、未加硫ゴムベルトを素材として製造されるラップドVベルトの品質の低下も抑制することができる、未加硫ゴムベルト形成装置、及び未加硫ゴムベルト形成方法を提供することである。
(1)上記目的を達成するための本発明のある局面に係る未加硫ゴムベルト形成装置は、未加硫ゴム層と心線とを有する筒状の未加硫スリーブを周方向に切断して環状の未加硫ゴムベルトを形成するための未加硫ゴムベルト形成装置に関する。そして、本発明のある局面に係る未加硫ゴムベルト形成装置は、主軸とともに回転するように構成された回転体を有し、前記回転体の外周に前記未加硫スリーブが配置されるように構成された、回転機構と、多孔質材料で構成されて少なくとも表面に複数の気孔を有する刃が外周に設けられた回転刃を有し、前記回転体に配置されて前記回転体とともに回転する前記未加硫スリーブに対して、前記回転刃が回転しながら押し付けられることで、前記未加硫スリーブを周方向に切断し、前記未加硫ゴムベルトを形成する、切断機構と、前記回転刃の少なくとも一部を水で濡らすことで、前記回転刃の表面の前記気孔に水を供給する水供給機構と、を備えている。
この構成によると、切断機構によって未加硫スリーブを周方向に切断する際に、水供給機構によって、回転刃の少なくとも一部が水で濡らされて回転刃の表面に多数設けられた気孔に水が供給されることで、回転刃の表面に水が一旦保持された状態となる。即ち、回転刃が水で濡らされることで、回転刃の表面で開口する多数の気孔によって水が汲みとられるようにして保持され、回転刃の表面が保水した状態となる。そして、回転刃の表面に一旦保水させた状態で、回転機構及び切断機構を作動させ、未加硫スリーブを周方向に切断して未加硫ゴムベルトを形成することができる。このため、回転刃の回転とともに、回転刃の表面の気孔で汲み取られるようにして回転刃に保水された水の一部が、遠心力によって回転刃の外側に向かって飛ばされ、その水により、回転刃と切断対象の未加硫スリーブとの間の潤滑が確保されることになる。この結果、未加硫スリーブの切断中に未加硫スリーブと回転刃との間で発生する摩擦が低減され、摩擦熱の低減が図られることになる。また、回転刃に保水されている水、及び、回転刃から未加硫スリーブに向かって飛ばされた水によって、未加硫スリーブの切断中に未加硫スリーブと回転刃との間で発生する摩擦熱が、効率よく抜熱されることになる。更に、回転刃の表面は、開口する多数の気孔が設けられ、表面積が大きく放熱効果が大きいため、未加硫スリーブの切断中に生じる摩擦熱が、放熱により、効率よく抜熱されることになる。これらにより、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱による温度上昇を抑制することができる。
そして、上記の構成によると、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱による温度上昇を抑制できるため、未加硫スリーブの切断中に発煙して作業性の低下を招いてしまうことを抑制することができる。
更に、上記の構成によると、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱による温度上昇を抑制できるため、未加硫スリーブのゴムの粘性の上昇を抑制でき、回転刃にゴムが粘り付くように付着して粘着し易くなることも抑制できる。そして、所望の寸法通りに未加硫スリーブを切断することが容易となり、一つの未加硫ゴムベルトの周方向において、ベルト幅方向の寸法のばらつきが生じてしまうことを抑制することができる。このため、この未加硫ゴムベルトを素材として製造されるラップドVベルトにおけるベルト断面の寸法のばらつきが生じてしまうことを抑制でき、ベルト寿命の低下を招いてしまうことも抑制することができる。
更に、上記の構成によると、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱による温度上昇を抑制し、回転刃にゴムが粘り付くように付着して粘着し易くなることを抑制できるため、切断中に回転刃の鋭さが鈍ってしまうことも抑制することができる。このため、未加硫スリーブが押し切られるように切断され、未加硫ゴムベルトの角部分の形状が大きく変形してしまうことを抑制することができる。これにより、加硫されてラップドVベルトが製造された際に心線の並びが乱れてしまう現象が生じることも抑制でき、ベルト耐久性の低下を招いてしまうことを抑制することができる。
よって、上記の構成によると、未加硫ゴムベルトの品質の低下を抑制し、更に、未加硫ゴムベルトを素材として製造されるラップドVベルトの品質の低下も抑制することができる。
尚、本願発明者は、鋭意研究を重ねて上記の構成を発明するまでの過程において、多孔質材料ではない鋼製の回転刃であって切断中の回転刃に対して水を流しかけながら未加硫スリーブを切断する装置に関する研究も行った。その装置によると、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱による温度上昇を抑制することができることが確認された。
しかしながら、多孔質材料ではない鋼製の回転刃での切断中にその回転刃に水を流しかけながら未加硫スリーブを切断する装置を用いて形成した未加硫ゴムベルトに外被布を被覆して加硫を行うと、加硫の際に、ラップドVベルトの品質上の問題が生じることが知見された。具体的には、加硫の際に、未加硫ゴムベルトに対して付着及び浸透した水分が気化し、心線とゴムとの剥離、ゴムとゴムとの剥離、或いは外被布とゴムとの剥離が生じ、ラップドVベルトのベルト耐久性を大きく低下させる品質上の問題が生じることが知見された。
また、本願発明者は、多孔質材料ではない鋼製の回転刃での切断中にその回転刃に水を流しかけながら未加硫スリーブを切断する装置を用いて形成した未加硫ゴムベルトを加硫する前に、未加硫ゴムベルトの乾燥を行うことについても研究を行った。しかしながら、未加硫ゴムベルトに対して付着及び浸透した水分を十分に除去するためには、多くの乾燥時間を要し、とくに、心線とゴムとの間に浸透した水分を十分に除去するためには、非常に多くの乾燥時間を要することが確認された。このため、上記の装置を用いて形成した未加硫ゴムベルトを加硫する前に、その未加硫ゴムベルトの乾燥を行う手法については、ラップドVベルトの製造時に、非常に多くの乾燥時間を要し、作業能率の低下を招いてしまうことが知見された。
一方、本発明の構成によると、回転刃の表面の気孔で少量の水が汲みとられるようにして回転刃の表面に水が保持され、回転刃の回転とともにその水が飛ばされる。この少量の水によって、回転刃と未加硫スリーブとの間の潤滑が効率的に確保された状態となる。この状態で、未加硫スリーブが周方向に切断され、未加硫ゴムベルトが形成される。このため、回転刃と未加硫スリーブとの間の潤滑を効率的に確保しつつ、未加硫ゴムベルトに水分が余分に付着することを抑制でき、更に未加硫ゴムベルトに水分が浸透することを抑制することができる。これにより、本発明の構成によると、多孔質材料ではない鋼製の回転刃での切断中にその回転刃に水を流しかけながら未加硫スリーブを切断して未加硫ゴムベルトを形成する手法とは異なり、乾燥工程がほぼ不要となる。よって、ラップドVベルトの製造時に、多くの乾燥時間を要して作業能率の低下を招いてしまうことも抑制できる。
以上説明したように、本発明の構成によると、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱による温度上昇を抑制でき、作業能率の低下を招いてしまうことを抑制できるとともに、未加硫ゴムベルトの品質の低下を抑制し、更に、未加硫ゴムベルトを素材として製造されるラップドVベルトの品質の低下も抑制することができる、未加硫ゴムベルト形成装置を提供することができる。
(2)前記水供給機構は、前記回転刃の少なくとも一部が浸漬される水を貯留可能に設けられた水槽を含み、前記回転刃を前記水槽内の水に浸漬させることで前記回転刃を濡らすように構成されていてもよい。
この構成によると、回転刃を水槽内の水に浸漬して濡らすことで、容易に、回転刃の表面の気孔に、回転刃と未加硫スリーブとの間の潤滑の確保に必要な水を、効率よく供給することができる。また、必要な水を回転刃の表面の気孔に効率よく供給するための構成を、回転刃が浸漬される水を貯留する水槽を設けた簡素な構造によって、実現することができる。
(3)前記未加硫ゴムベルト形成装置は、前記水槽に貯留された水に前記回転刃の下半側の一部が浸漬された状態で、前記切断機構によって前記未加硫スリーブが切断されるように構成されていてもよい。
この構成によると、水槽に貯留された水に回転刃の下半側の一部が浸漬された状態で未加硫スリーブが切断されるため、未加硫スリーブの切断中において、常時、回転刃の表面の気孔に効率よく水が供給される状態が維持される。このため、未加硫スリーブの切断中に未加硫スリーブと回転刃との間で発生する摩擦が、より効率よく低減されることになる。また、未加硫スリーブの切断中に未加硫スリーブと回転刃との間で発生する摩擦熱が、より効率よく抜熱されることになる。これらにより、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱による温度上昇をより効率よく抑制することができる。
(4)前記水供給機構は、前記水槽と前記回転刃との相対位置を変更する相対位置変更機構を更に含んでいてもよい。
この構成によると、水供給機構の相対位置変更機構によって、水槽と回転刃との相対位置を変更することができる。このため、水槽に貯留された水に回転刃の下半側の一部が浸漬される深さである浸漬深さを所望の深さに容易に調整することができる。
(5)前記未加硫ゴムベルト形成装置は、前記水槽内の水の水位が変更されることで、前記水槽に貯留された水に前記回転刃の下半側の一部が浸漬される深さである浸漬深さが調整されるように構成されていてもよい。
この構成によると、水槽内の水の水位を変更することで、水槽に貯留された水に回転刃の下半側の一部が浸漬される深さである浸漬深さを所望の深さに容易に調整することができる。
(6)前記未加硫ゴムベルト形成装置は、前記水槽に貯留された水に前記回転刃の下半側の一部が浸漬される深さである浸漬深さが、前記回転体の外周に配置された前記未加硫スリーブの厚み以上となるように設定されてもよい。
この構成によると、未加硫スリーブの切断中において、常時、浸漬深さが、回転体の外周に配置された未加硫スリーブの厚み以上となるように設定される。これにより、未加硫スリーブの切断中において、回転刃の表面における回転刃の外周縁から径方向内側にかけての帯状の領域であって回転刃の表面の気孔に水が供給される領域の寸法を、未加硫スリーブの厚み以上の寸法に維持することができる。このため、未加硫スリーブの切断中に未加硫スリーブと回転刃との間で発生する摩擦が、より効率よく低減されることになる。また、未加硫スリーブの切断中に未加硫スリーブと回転刃との間で発生する摩擦熱が、より効率よく抜熱されることになる。そして、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱による温度上昇をより効率よく抑制することができる。
(7)前記未加硫ゴムベルト形成装置は、前記水槽に貯留された水に前記回転刃の下半側の一部が浸漬される深さである浸漬深さが、前記回転体の外周に配置された前記未加硫スリーブの厚みに対して、0mm以上10mm以下の寸法差の範囲で、同じに又は大きくなるように設定されてもよい。
本願発明者が検証した結果、浸漬深さを未加硫スリーブの厚みと同じに又は大きくなるように設定することで、回転刃の表面の外周側の帯状の領域であって回転刃の表面の気孔に水が供給される領域の寸法を、未加硫スリーブの厚みと同じ又は大きい寸法に容易に維持できることが確認された。これにより、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱による温度上昇をより効率よく抑制することができる状態を容易に維持することができる。また、本願発明者が検証した結果、浸漬深さを未加硫スリーブの厚みよりも10mmを超えて大きな値に設定すると、回転刃の表面が過度に保水された状態となり、未加硫スリーブ切断後に形成される未加硫ゴムベルトの表面に水が付着し易くなることが確認された。一方、浸漬深さを未加硫スリーブの厚みよりも10mmを超えて大きくならないように設定することで、回転刃の表面が過度に保水された状態となることを防止でき、未加硫スリーブ切断後に形成される未加硫ゴムベルトの表面への水の付着を効率よく抑制できることが確認された。よって、上記の構成によると、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱による温度上昇をより効率よく抑制することができる状態を容易に維持することができるとともに、未加硫スリーブの切断後に形成される未加硫ゴムベルトの表面への水の付着を効率よく抑制することができる。
(8)前記回転刃は、多孔質セラミックで形成されていてもよい。
多孔質セラミックは、優れた耐熱性を有している。また、多孔質セラミックを回転刃の材料として用いることで、回転刃の表面の平面度を非常に小さくすることができる。即ち、回転刃の表面を容易に非常に平らな状態にすることができる。従って、この構成によると、摩擦熱に対する耐性を十分に有し且つ寸法精度が高い回転刃を形成することができる。
(9)前記切断機構は、多孔質材料で構成された前記刃の気孔率及び気孔径のうちの少なくとも1つが異なる複数の前記回転刃を有し、前記切断機構は、切断対象となる前記未加硫スリーブに応じて選択されたいずれかの前記回転刃が、前記回転体に配置されて前記回転体とともに回転する前記未加硫スリーブに対して、回転しながら押し付けられることで、前記未加硫スリーブを周方向に切断し、前記未加硫ゴムベルトを形成してもよい。
この構成によると、切断対象となる未加硫スリーブの種類(例えば、材質、厚さ等)毎に必要となる水の量に応じて、適切な気孔率或いは気孔径を有する回転刃を選択し、未加硫ゴムベルトを形成することができる。
(10)上記目的を達成するための本発明のある局面に係る未加硫ゴムベルト形成方法は、未加硫ゴム層と心線とを有する筒状の未加硫スリーブを周方向に切断して環状の未加硫ゴムベルトを形成するための未加硫ゴムベルト形成方法に関する。そして、本発明のある局面に係る未加硫ゴムベルト形成方法は、主軸とともに回転するように構成された回転体の外周に前記未加硫スリーブが配置される、未加硫スリーブ配置工程と、多孔質材料で構成されて少なくとも表面に複数の気孔を有する刃が外周に設けられた回転刃が、前記回転体に配置されて前記回転体とともに回転する前記未加硫スリーブに対して、回転しながら押し付けられることで、前記未加硫スリーブが周方向に切断され、前記未加硫ゴムベルトが形成される、切断工程と、前記回転刃の少なくとも一部が水で濡らされることで、前記回転刃の表面の前記気孔に水が供給される水供給工程と、を備えている。
この構成によると、未加硫スリーブを周方向に切断する際に、回転刃の少なくとも一部が水で濡らされて回転刃の表面に多数設けられた気孔に水が供給されることで、回転刃の表面に水が一旦保持された状態となる。即ち、回転刃が水で濡らされることで、回転刃の表面で開口する多数の気孔によって水が汲みとられるようにして保持され、回転刃の表面が保水した状態となる。そして、回転刃の表面に一旦保水させた状態で、未加硫スリーブを周方向に切断して未加硫ゴムベルトを形成することができる。このため、回転刃の回転とともに、回転刃の表面の気孔で汲み取られるようにして回転刃に保水された水の一部が、遠心力によって回転刃の外側に向かって飛ばされ、その水により、回転刃と切断対象の未加硫スリーブとの間の潤滑が確保されることになる。この結果、未加硫スリーブの切断中に未加硫スリーブと回転刃との間で発生する摩擦が低減され、摩擦熱の低減が図られることになる。また、回転刃に保水されている水、及び、回転刃から未加硫スリーブに向かって飛ばされた水によって、未加硫スリーブの切断中に未加硫スリーブと回転刃との間で発生する摩擦熱が、効率よく抜熱されることになる。更に、回転刃の表面は、開口する多数の気孔が設けられ、表面積が大きく放熱効果が大きいため、未加硫スリーブの切断中に生じる摩擦熱が、放熱により、効率よく抜熱されることになる。これらにより、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱による温度上昇を抑制することができる。
そして、上記の構成によると、本発明のある局面に係る未加硫ゴムベルト成形装置と同様の効果を奏することができる。即ち、上記の構成によると、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱による温度上昇を抑制でき、作業能率の低下を招いてしまうことを抑制できるとともに、未加硫ゴムベルトの品質の低下を抑制し、更に、未加硫ゴムベルトを素材として製造されるラップドVベルトの品質の低下も抑制することができる、未加硫ゴムベルト形成方法を提供することができる。
(11)前記水供給工程において、前記回転刃の一部が水槽に貯留された水に浸漬されることで前記回転刃が濡らされてもよい。この構成によると、回転刃を水槽内の水に浸漬して濡らすことで、容易に、回転刃の表面の気孔に、回転刃と未加硫スリーブとの間の潤滑の確保に必要な水を、効率よく供給することができる。また、必要な水を回転刃の表面の気孔に効率よく供給するための構成を、回転刃が浸漬される水を貯留する水槽を設けた簡素な方法によって、実現することができる。
(12)前記未加硫ゴムベルト形成方法は、前記水供給工程が行われている間に、前記切断工程が行われ、前記水槽に貯留された水に前記回転刃の下半側の一部が浸漬された状態で、前記未加硫スリーブが切断されるように構成されてもよい。この構成によると、未加硫スリーブの切断中において、常時、回転刃の表面の気孔に効率よく水が供給される状態が維持される。このため、未加硫スリーブの切断中に未加硫スリーブと回転刃との間で発生する摩擦が、より効率よく低減されることになる。また、未加硫スリーブの切断中に未加硫スリーブと回転刃との間で発生する摩擦熱が、より効率よく抜熱されることになる。これらにより、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱による温度上昇をより効率よく抑制することができる。
(13)前記水供給工程は、前記水槽と前記回転刃との相対位置を変更する相対位置変更工程を含んでいてもよい。この構成によると、水槽と回転刃との相対位置を変更することができる。このため、水槽に貯留された水に回転刃の下半側の一部が浸漬される深さである浸漬深さを所望の深さに容易に調整することができる。
(14)前記未加硫ゴムベルト形成方法は、前記水供給工程において、前記水槽内の水の水位が変更されることで、前記水槽に貯留された水に前記回転刃の下半側の一部が浸漬される深さである浸漬深さが調整されるように構成されてもよい。この構成によると、水槽に貯留された水に回転刃の下半側の一部が浸漬される深さである浸漬深さを所望の深さに容易に調整することができる。
(15)前記未加硫ゴムベルト形成方法は、前記水供給工程において、前記水槽に貯留された水に前記回転刃の下半側の一部が浸漬される深さである浸漬深さが、前記回転体の外周に配置された前記未加硫スリーブの厚み以上となるように設定されてもよい。この構成によると、未加硫スリーブの切断中において、常時、浸漬深さが、回転体の外周に配置された未加硫スリーブの厚み以上となるように設定される。これにより、未加硫スリーブの切断中において、回転刃の表面における回転刃の外周縁から径方向内側にかけての帯状の領域であって回転刃の表面の気孔に水が供給される領域の寸法を、未加硫スリーブの厚み以上の寸法に維持することができる。このため、未加硫スリーブの切断中に未加硫スリーブと回転刃との間で発生する摩擦が、より効率よく低減されることになる。また、未加硫スリーブの切断中に未加硫スリーブと回転刃との間で発生する摩擦熱が、より効率よく抜熱されることになる。そして、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱による温度上昇をより効率よく抑制することができる。
(16)前記未加硫ゴムベルト形成方法は、前記水供給工程において、前記水槽に貯留された水に前記回転刃の下半側の一部が浸漬される深さである浸漬深さが、前記回転体の外周に配置された前記未加硫スリーブの厚みに対して、0mm以上10mm以下の寸法差の範囲で、同じに又は大きくなるように設定されてもよい。この構成によると、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱による温度上昇をより効率よく抑制することができる状態を容易に維持することができるとともに、未加硫スリーブの切断後に形成される未加硫ゴムベルトの表面への水の付着を効率よく抑制することができる。
(17)前記未加硫ゴムベルト形成方法は、前記切断工程において用いられる前記回転刃が、多孔質セラミックで形成されていてもよい。多孔質セラミックは、優れた耐熱性を有している。また、多孔質セラミックを回転刃の材料として用いることで、回転刃の表面の平面度を非常に小さくすることができる。即ち、回転刃の表面を容易に非常に平らな状態にすることができる。従って、この構成によると、摩擦熱に対する耐性を十分に有し且つ寸法精度が高い回転刃を形成することができる。
(18)前記未加硫ゴムベルト形成方法は、前記切断工程において、多孔質材料で構成された前記刃の気孔率及び気孔径のうちの少なくとも1つが異なる複数の前記回転刃のうちから、切断対象となる前記未加硫スリーブに応じていずれかの前記回転刃が選択され、選択された前記回転刃が、前記回転体に配置されて前記回転体とともに回転する前記未加硫スリーブに対して、回転しながら押し付けられることで、前記未加硫スリーブが周方向に切断され、前記未加硫ゴムベルトが形成されるように構成されていてもよい。この構成によると、切断対象となる未加硫スリーブの種類(例えば、材質、厚さ等)毎に必要となる水の量に応じて、適切な気孔率等を有する回転刃を選択し、未加硫ゴムベルトを形成することができる。
本発明によると、未加硫スリーブの切断中における摩擦熱による温度上昇を抑制でき、作業能率の低下を招いてしまうことを抑制できるとともに、未加硫ゴムベルトの品質の低下を抑制し、更に、未加硫ゴムベルトを素材として製造されるラップドVベルトの品質の低下も抑制することができる、未加硫ゴムベルト形成装置、及び未加硫ゴムベルト形成方法を提供することができる。
ラップドVベルトの一部を模式的に示す斜視図であって、一部を断面で示す図である。 ラップドVベルトの製造工程を示すチャート図である。 未加硫スリーブを模式的に示す斜視図である。 未加硫ゴムベルトを模式的に示す斜視図である。 未加硫ゴムベルトの一部を模式的に示す斜視図であって、一部を断面で示す図である。 本発明の一実施の形態に係る未加硫ゴムベルト形成装置を示す正面図である。 未加硫ゴムベルト形成装置の平面図である。 未加硫ゴムベルト形成装置の側面図である。 図6に示す未加硫ゴムベルト形成装置の一部を拡大して示す図である。 図7に示す未加硫ゴムベルト形成装置の一部を拡大して示す図である。 未加硫ゴムベルト形成装置の切断機構における回転刃の断面を模式的に示す図である。 回転刃の表面の近傍における断面の一部を拡大して模式的に示す図である。 未加硫ゴムベルト形成装置の作動を説明するための図である。 未加硫ゴムベルト形成装置の水供給機構を説明するための図である。 図12に示す水供給機構の相対位置変更機構を説明するための図である。 図12に示す水供給機構の相対位置変更機構を説明するための図である。 本発明の一実施の形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法を示すチャート図である。 未加硫ゴムベルト形成装置によって、未加硫スリーブが全幅に亘って周方向に切断され、複数の未加硫ゴムベルトが形成された状態を示す図である。 本発明の実施例及び比較例に関する実施条件と実施結果とを一覧表にして示す図である。 本発明の実施例に関する実施条件と実施結果とを一覧表にして示す図である。 未加硫スリーブから切断されて形成された未加硫ゴムベルトの外観の判断基準について説明するための図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。尚、以下の説明においては、まず、ラップドVベルトの概略及びラップドVベルトの製造工程の概略について説明し、次いで、ラップドVベルトの製造に関して適用される本発明の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成装置及び未加硫ゴムベルト形成方法について説明する。
[ラップドVベルトの概略]
図1は、ラップドVベルト100の一部を模式的に示す斜視図であって、一部を断面で示す図である。ラップドVベルト100は、コンプレッサーなどの一般産業用機械、或いは、田植え機などの農業機械、等において、動力伝達用の無端状の伝動ベルトとして用いられる。そして、ラップドVベルト100は、V字状の断面を有する環状の伝動ベルトとして構成されている。
尚、図1においては、環状に延びるラップドVベルト100の周方向に対して垂直な断面が図示されている。また、図1においては、ラップドVベルト100の周方向が、両端矢印Aで示されており、周方向に対して直交するベルト幅方向が、両端矢印Bで示されている。
ラップドVベルト100は、外被布101、圧縮ゴム層102、伸張ゴム層103、心線104を備えて構成されている。
環状に設けられたラップドVベルト100のベルト本体は、積層構造を有しており、ベルト内周側からベルト外周側に向かって、圧縮ゴム層102、心線104、伸張ゴム層103が、順次積層されている。よって、ラップドVベルト100においては、圧縮ゴム層102と伸張ゴム層103との間において、心線104が埋設されている。心線104は、ラップドVベルト100の周方向に沿って延びるように配置されている。そして、心線104は、ラップドVベルト100の周方向に垂直な断面において、ベルト幅方向に沿って所定の間隔で配列されている。
また、ラップドベルト100は、環状に設けられた無端状のベルト本体の周囲全体が周方向の全長に亘って外被布101で被覆されて構成されている。そして、ラップドVベルト100は、その周方向に対して垂直な断面の形状が、V字状の断面形状である。より具体的には、ラップドVベルト100の断面形状は、ベルト外周側からベルト内周側に向かってベルト幅が小さくなる台形状に構成されている。
[ラップドVベルトの製造工程の概略]
図2は、ラップドVベルト100の製造工程を示すチャート図である。図2に示すように、ラップドVベルト100の製造工程は、未加硫スリーブ形成工程S101、未加硫ゴムベルト形成工程S102、スカイブ工程S103、カバー巻き工程S104、加硫工程S105を備えて構成されている。
図3は、未加硫ゴム層と心線とを有する筒状の未加硫スリーブ105を模式的に示す斜視図である。未加硫スリーブ形成工程S101は、未加硫スリーブ105を形成する工程として構成されている。
未加硫スリーブ形成工程S101においては、まず、未加硫ゴム(即ち、加硫が行われていない状態のゴム)のシートが、圧延によって形成される。そして、圧延によって形成された未加硫ゴムのシートが、所定の長さに切断され、円筒状或いは円柱状の回転体に対して、巻き付けられる。回転体の外周に巻き付けられた未加硫ゴムのシートは、その端部同士が接合され、筒状に成形される。筒状に成形された未加硫ゴムのシートが、ラップドVベルト100における圧縮ゴム層102の素材となる。
そして、回転体の外周に筒状の未加硫ゴムの成形体が形成されると、次いで、前述の心線104が、周方向に沿って巻き付けられる。心線104は、筒状の未加硫ゴムの成形体に対して、幅方向に沿って所定のピッチでずらされながら、周方向に沿ってスパイラル状に巻き付けられる。尚、筒状の未加硫ゴムの成形体の幅方向は、上記の回転体の軸方向と平行な方向として構成される。心線104は、筒状の未加硫ゴムの成形体に対して、幅方向のほぼ全長に亘って、巻き付けられる。
筒状の未加硫ゴムの成形体の外周への心線104の巻き付けが終了すると、次いで、心線104の上から、圧延によって形成された未加硫ゴムのシートが巻き付けられる。心線104の上から巻き付けられた未加硫ゴムのシートは、その端部同士が接合され、筒状に成形される。心線104の外周側に巻き付けられた筒状の未加硫ゴムのシートが、ラップドVベルト100における伸張ゴム層103の素材となる。
上述した未加硫スリーブ形成工程S101によって、未加硫スリーブ105が形成される。尚、図3に示す未加硫スリーブ105は、回転体から取り外された状態が示されている。
図4は、未加硫ゴムベルト106を模式的に示す斜視図である。未加硫ゴムベルト形成工程S102は、未加硫スリーブ105を周方向に切断して環状の未加硫ゴムベルト106を形成する工程として構成されている。未加硫ゴムベルト形成工程S102は、本発明の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法として構成され、本発明の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成装置を用いることで実施される。
図5は、未加硫ゴムベルト106の一部を模式的に示す斜視図であって、一部を断面で示す図である。図5においては、環状に延びる未加硫ゴムベルト106の周方向に対して垂直な断面が図示されている。また、図5においては、未加硫ゴムベルト106の周方向が、両端矢印Aで示されており、周方向に対して直交するベルト幅方向が、両端矢印Bで示されている。
図5に示すように、未加硫ゴムベルト106は、内周側未加硫ゴム層107、心線104、外周側未加硫ゴム層108を備えて構成されている。そして、未加硫ゴムベルト106においては、内周側未加硫ゴム層107と外周側未加硫ゴム層108との間において、心線104が配置されている。
内周側未加硫ゴム層107は、ラップドVベルト100における圧縮ゴム層102の素材となる。外周側未加硫ゴム層108は、ラップドVベルト100における伸張ゴム層103の素材となる。内周側未加硫ゴム層107及び外周側未加硫ゴム層108を構成するゴム成分としては、加硫又は架橋可能なゴム、例えば、ジエン系ゴム(天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(ニトリルゴム)、水素化ニトリルゴムなど)、エチレン−α−オレフィンエラストマー、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、アルキル化クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリル系ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴムなどが例示でき、これらのゴム成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましいゴム成分は、エチレン−α−オレフィンエラストマー(エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンモノマー(EPDMなど)などのエチレン−α−オレフィン系ゴム)、クロロプレンゴムである。特に好ましいゴム成分は、クロロプレンゴムである。クロロプレンゴムは、硫黄変性タイプであってもよく、非硫黄変性タイプであってもよい。尚、内周側未加硫ゴム層107のゴム成分、及び、外周側未加硫ゴム層108のゴム成分は、同系統又は同種のゴムを使用する場合が多い。
心線104としては、通常、マルチフィラメント糸を使用した撚りコード(例えば、諸撚り、片撚り、ラング撚りなど)を使用できる。心線104を構成する繊維としては、ポリエステル繊維、アラミド繊維などの合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維などの無機繊維などが使用できる。心線104の表面には、慣用の接着処理(又は表面処理)が施されていてもよい。
スカイブ工程S103は、未加硫ゴムベルト106の両側面における内周側の両角部分を周方向に亘って削るように切削することでスカイブ(skive)し、未加硫ゴムベルト106の断面形状を変更する工程として構成されている。スカイブ工程S103においては、未加硫ゴムベルト106の内周側未加硫ゴムの内周側の両角部分が周方向に亘って削れるように切削される。これにより、スカイブ工程S103の処理が施される前の状態で矩形状の断面だった未加硫ゴムベルト106の断面の形状は、スカイブ工程S103の処理が施された後の状態においては、矩形状の部分と台形状の部分とが組み合わされた断面の形状となる。
カバー巻き工程S104は、スカイブ工程S103の処理が終了した未加硫ゴムベルト106を外被布101で被覆する工程として構成されている。カバー巻き工程S104においては、環状の未加硫ゴムベルト106の周囲全体が周方向の全長に亘って外被布101で被覆される。これにより、未加硫ゴムベルト106が外被布101で被覆されて構成された未加硫ベルト成形体が形成される。
加硫工程S105は、未加硫ベルト成形体における可塑性の未加硫ゴムを加熱して弾性ゴムに変化させる工程として構成されている。加硫工程S105においては、例えば、逆台形状の断面の溝が外周に設けられた円筒状のリングモールドが用いられる。リングモールドに設けられた複数の溝に対して未加硫ベルト成形体がそれぞれ嵌め込まれる。そして、複数の未加硫ベルト成形体が嵌め込まれたリングモールドの周囲に、円筒状のゴムスリーブが更に嵌め込まれる。
加硫工程S105においては、上記のようにリングモールド及び未加硫ベルト成形体の外周面に円筒状のゴムスリーブが嵌め込まれた状態で、それらが加硫缶に収納され、所定の温度等の条件で加硫が行われる。加硫が終了してリングモールド等が解体され、加硫された成形体がラップドVベルト100として取り出される。このように、加硫工程S105まで終了することで、ラップドVベルト100が製造されることになる。
[未加硫ゴムベルト形成装置の概略]
図6は、本発明の一実施の形態に係る未加硫ゴムベルト形成装置1を示す正面図である。図7は、未加硫ゴムベルト形成装置1の平面図である。図8は、未加硫ゴムベルト形成装置1の側面図である。尚、図6乃至図8においては、未加硫ゴムベルト形成装置1は、模式的に示されている。未加硫ゴムベルト形成装置1が作動することで、本発明の一実施の形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法が実施され、前述のラップドVベルト100の製造工程における未加硫ゴムベルト形成工程S102が実施されることになる。
図6乃至図8に示す未加硫ゴムベルト形成装置1は、未加硫ゴム層と心線104とを有する筒状の未加硫スリーブ105を周方向に切断して環状の未加硫ゴムベルト106を形成するための装置として構成されている。そして、未加硫ゴムベルト形成装置1は、回転機構11、切断機構12、水供給機構13、制御装置14、等を備えて構成されている。
また、本実施形態においては、ベース15が更に備えられている未加硫ゴムベルト形成装置1が、例示されている。尚、図7においては、ベース15の図示が省略されている。回転機構11、切断機構12、水供給機構13、制御装置14は、ベース15上に設置されている。本実施形態では、ベース15が備えられた未加硫ゴムベルト形成装置1が例示されているが、ベース15が備えられていない形態の未加硫ゴムベルト形成装置1が実施されてもよい。
[回転機構]
図6乃至図8に示すように、回転機構11は、主軸16、支持部17、回転ドラム18、外周スリーブ19、モータ20、ベルト駆動機構21、等を備えて構成されている。
主軸16は、金属製の円筒状又は円柱状の軸として構成され、支持部17に対して回転自在に支持されている。また、主軸16は、モータ20からの駆動トルクが入力されることで回転するように構成されている。支持部17は、ベース15上に設置され、主軸16を回転自在に支持するとともにモータ20を収納する筐体として構成されている。
回転ドラム18は、円筒状の部分を有する金属製の筒状体として設けられている。そして、回転ドラム18は、主軸16とともに回転するように、主軸16に対して取り付けられている。例えば、回転ドラム18の円筒軸方向における両端部のそれぞれに蓋部が設けられ、これらの蓋部が主軸16に対して固定される。また、回転ドラム18は、主軸16の回転中心軸線と回転ドラム18の回転中心軸線とが一致するように、主軸16に対して取り付けられている。
外周スリーブ19は、ゴム製の円筒形状のスリーブとして設けられ、回転ドラム18の外周に装着される。外周スリーブ19の内周の直径は、回転ドラム18の外周の直径にほぼ対応する寸法に設定されている。回転ドラム18が回転する際、回転ドラム18に装着された外周スリーブ19は、回転ドラム18とともに同一の回転速度で回転する。尚、外周スリーブ19は、後述する切断機構12によって未加硫スリーブ105が切断される際に回転ドラム18の表面を切断機構12から保護するために設けられている。
回転ドラム18の外周に外周スリーブ19が装着されて構成された回転体22に対して、未加硫スリーブ105が配置される。即ち、未加硫スリーブ105は、回転ドラム18の外周に装着された外周スリーブ19の外周に対して配置される。
未加硫スリーブ105は、例えば、回転体22に対して未加硫のゴムシート及び心線104が巻き付けられることで形成され、これにより、未加硫スリーブ105が回転体22に配置される。即ち、回転ドラム18及び外周スリーブ19を備えて構成された回転体22を用いて前述の未加硫スリーブ形成工程S101が実施されて未加硫スリーブ105が形成され、未加硫スリーブ105が回転体22に配置された状態となる。
上記のように、回転機構11は、主軸16とともに回転するように構成された回転体22を有し、回転体22の外周に未加硫スリーブ105が配置されるように構成されている。
尚、本実施形態では、未加硫スリーブ105が配置される回転体として、回転ドラム18及び外周スリーブ19を備えて構成された回転体22を例示したが、この通りでなくてもよい。例えば、回転ドラム18が、未加硫スリーブ105が配置される回転体として構成され、未加硫スリーブ105が回転ドラム18の外周に直接に配置される形態が実施されてもよい。また、本実施形態では、回転ドラム18及び外周スリーブ19を備えて構成された回転体22を用いて未加硫スリーブ105が形成され、未加硫スリーブ105が回転体22に対してそのまま配置される形態を例示したが、この通りでなくてもよい。回転機構11の回転体22とは異なる別の回転体を用いて未加硫スリーブ105が形成され、その別の回転体から取り外された未加硫スリーブ105が、回転機構11の回転体22に対して装着されて配置される形態が実施されてもよい。
モータ20は、主軸16を回転駆動するための駆動トルクを発生させる電動モータとして構成されている。本実施形態では、モータ20は、支持部17に収納されている。モータ20は、図示が省略された電源から電気エネルギーが供給され、後述する制御装置14からの制御指令に基づいて作動し、所定の回転速度で回転する。モータ20は、出力軸20aの軸方向が主軸16の軸方向と平行となるように、支持部17に設置されている。
ベルト駆動機構21は、モータ20からの駆動トルクを主軸16に伝達する機構として設けられている。ベルト駆動機構21は、駆動プーリ21a、従動プーリ21b、駆動ベルト21cを備えて構成されている。
駆動プーリ21aは、モータ20の出力軸20aに固定され、出力軸20aとともに回転するように構成されている。従動プーリ21bは、主軸16に対して、支持部17を介して回転ドラム18側とは反対側の端部において、固定されている。駆動ベルト21cは、無端状のベルトとして設けられている。そして、駆動ベルト21cは、駆動プーリ21a及び従動プーリ21bに対して巻き掛けられ、駆動ベルト21aの駆動トルクを従動プーリ21bに伝達するベルトとして構成されている。
後述する制御装置14からの制御指令に基づいてモータ20の運転が行われると、出力軸20aとともに駆動プーリ21aが回転する。駆動プーリ21aが回転することで、駆動プーリ21a及び従動プーリ21bに巻き掛けられた駆動ベルト21cの周回動作が行われる。駆動ベルト21cの周回動作が行われると、従動プーリ21bが回転し、従動プーリ21bとともに主軸16が回転することになる。そして、主軸16とともに、回転ドラム18及び外周スリーブ19が回転する。尚、回転ドラム18及び外周スリーブ19が回転する方向については、図6において、矢印C1で示されている。
[切断機構]
図9は、図6に示す未加硫ゴムベルト形成装置1の一部を拡大して示す図である。図10は、図7に示す未加硫ゴムベルト形成装置1の一部を拡大して示す図である。図9及び図10においては、切断機構12が拡大して示されている。図6乃至図10に示す切断機構12は、幅方向移動機構23、進退移動機構24、カッター部25、基台部26、等を備えて構成されている。
基台部26は、ベース15上に設置され、幅方向移動機構23、進退移動機構24、及びカッター部25を支持する台座部として設けられている。幅方向移動機構23、進退移動機構24、及びカッター部25は、基台部26の上面に設置されている。
幅方向移動機構23は、進退移動機構24及びカッター部25を、基台部26に対して、回転体22の外周に配置された未加硫スリーブ105の幅方向と平行な方向に沿って移動させる機構として、構成されている。尚、未加硫スリーブ105の幅方向は、未加硫スリーブ105が筒状に延びる方向であり、図7及び図8において、両端矢印Bで示されている。また、未加硫スリーブ105が回転体22の外周に配置された状態においては、未加硫スリーブ105の幅方向は、主軸16の軸方向と平行な方向となる。
幅方向移動機構23は、一対のレール(27a、27b)、ボールネジ機構28、移動プレート29、等を備えて構成されている。一対のレール(27a、27b)は、移動プレート29の移動方向をガイドするレールとして設けられている。一対のレール(27a、27b)は、基台部26の上面に固定されて設置されている。そして、一対のレール(27a、27b)は、主軸16の軸方向、即ち、回転体22に配置された未加硫スリーブ105の幅方向と平行に延びるように設置されている。
ボールネジ機構28は、ネジ軸28a、ボールネジモータ28b、軸受28c、ナット部28d、図示が省略された複数のボール、等を備えて構成されている。
ネジ軸28aは、一方の端部がボールネジモータ28bによって支持され、他方の端部が軸受28cによって回転自在に支持されている。そして、基台部26上において、ネジ軸28aは、その軸方向が一対のレール(27a、27b)と平行に延びるように、配置されている。ボールネジモータ28bは、ネジ軸28aをその軸心を中心として回転駆動する電動モータとして構成されている。そして、ボールネジモータ28bは、図示が省略された電源から電気エネルギーが供給され、後述する制御装置14からの制御指令に基づいて作動し、所定の回数分だけ回転するように、構成されている。
ナット部28dは、ネジ軸28aが貫通しており、ネジ軸28aが回転することでネジ軸28aの軸方向に沿ってネジ軸28aに対して相対移動するブロック状の要素として設けられている。ナット部28dの内部においては、ネジ軸28aのネジ溝に対向するネジ溝が形成されている。そして、ナット部28dのネジ溝とネジ軸28aのネジ溝との間には、両方の溝に対して転動自在に嵌まり込む複数のボールが配置されている。ネジ軸28aが軸心回りに回転することで、ナット部28d及びネジ軸28aの間で複数のボールが循環し、ナット部28dが、ネジ軸28aに対して軸方向に相対移動する。
また、ナット部28dは、その上面側において、移動プレート29の下面に対して固定されている。また、ナット部28dは、一対のレール(27a、27b)の間に嵌りこむように配置されている。そして、ナット部28dは、一対のレール(27a、27b)に対して摺動自在の状態で配置されている。このため、ネジ軸28aが回転すると、ナット部28dが、一対のレール(27a、27b)によってガイドされながら、ネジ軸28aの軸方向に沿って移動する。
移動プレート29は、平板状の部材として設けられ、その下面側においてナット部28dに固定されている。更に、移動プレート29は、その下面側において、一対のレール(27a、27b)の上面に対して、摺動自在の状態で、支持されている。そして、移動プレート29の上面には、進退移動機構24が設置されている。
進退移動機構24は、カッター部25を、移動プレート29に対して、回転体22の外周に配置された未加硫スリーブ105に対して進出及び退避させる方向に沿って移動させる機構として、構成されている。進退移動機構24は、一対のレール(30a、30b)、移動ブロック31、シリンダ機構32、等を備えて構成されている。
一対のレール(30a、30b)は、移動ブロック31の移動方向をガイドするレールとして設けられている。一対のレール(30a、30b)は、移動プレート29の上面に固定されて設置されている。そして、一対のレール(30a、30b)は、移動プレート29上において、回転体22に配置された未加硫スリーブ105に向かって接近する方向に沿って延びるように、設置されている。より具体的には、一対のレール(30a、30b)は、回転体22に配置された未加硫スリーブ105に向かって接近する方向であって、且つ、主軸16の軸方向と平行な方向に対して直交する方向に沿って、延びるように、移動プレート29上で設置されている。
移動ブロック31は、移動プレート29上に配置されブロック状の要素として設けられている。また、移動ブロック31は、移動プレート29の上面に対してスライド移動自在に配置される。そして、移動ブロック31の下面側には、一対のレール(30a、30b)に対してスライド移動自在に嵌まり込む一対の溝が設けられている。
シリンダ機構32は、シリンダ体32aとロッド32bとを備えた油圧シリンダ機構として設けられている。シリンダ体32aは、移動プレート29の上面において移動プレート29に対して固定されている。ロッド32bには、シリンダ体32aの内部を一対の油室に区画するピストン(図示省略)が、一方の端部に設けられている。そして、ロッド32bは、シリンダ体32a内の一対の油室への圧油の給排が行われることで、シリンダ体32aから突出し或いはシリンダ体32aに向かって縮退する。尚、上記の一対の油室は、例えば、圧油源(図示省略)及び油回収タンク(図示省略)に対して切換弁(図示省略)を介して接続されている。そして、制御装置14からの制御指令に基づいて、上記の切換弁の状態が切り換えられ、シリンダ体32a内の一対の油室への圧油の給排が制御され、シリンダ機構32の作動が制御される。
また、ロッド32bは、ピストンが設けられた一方の端部と反対側の端部において、移動ブロック31に対して固定されている。これにより、進退移動機構24は、ロッド32aがシリンダ体32bから突出することで、移動ブロック31が一対のレール(30a、30b)に沿って、回転体22に配置された未加硫スリーブ105に向かって進出する方向に移動するように、構成されている。また、進退移動機構24は、ロッド32aがシリンダ体32bに向かって縮退することで、移動ブロック31が一対のレール(30a、30b)に沿って、回転体22に配置された未加硫スリーブ105から退避する方向に移動するように、構成されている。
カッター部25は、外周に刃が設けられた回転刃36を有し、回転する回転刃36によって未加硫スリーブ105を周方向に切断する機構として設けられている。そして、カッター部25は、カッターモータ33、動力伝達部34、回転刃カバー35、上記の回転刃36、等を備えて構成されている。
カッターモータ33は、動力伝達部34を介して回転刃36を回転駆動する駆動トルクを発生する電動モータとして構成されている。そして、カッターモータ33は、図示が省略された電源から電気エネルギーが供給され、後述する制御装置14からの制御指令に基づいて作動し、所定の回転速度で回転するように構成されている。
動力伝達部34は、カッターモータ33からの駆動トルクを回転刃36に伝達する機構として設けられている。動力伝達部34は、例えば、駆動プーリ、従動プーリ、駆動ベルトを有する機構として構成され、ベルト駆動機構21と同様の機構として構成されている。尚、図9及び図10においては、駆動プーリ、従動プーリ、駆動ベルトを収納する動力伝達部34のハウジングのみが図示されており、駆動プーリ、従動プーリ、駆動ベルトの図示は省略されている。
動力伝達部34の駆動プーリは、カッターモータ33の出力軸(図示省略)に連結され、動力伝達部34の従動プーリは、回転刃36の回転軸43に連結されている。カッターモータ33が回転すると、その駆動トルクが動力伝達部34の駆動プーリに入力されて駆動ベルトが周回動作を行い、従動プーリも回転する。そして、従動プーリの回転とともに、回転刃36が回転する。尚、回転軸43については、後述する図11で図示されており、図9及び図10では、その図示が省略されている。
回転刃カバー35は、回転刃36の周囲を部分的に覆うカバーとして設けられている。回転刃カバー35には、回転刃36の回転軸43の両端部のそれぞれを回転自在に支持する軸受部(図示省略)が設けられている。また、回転刃カバー35は、動力伝達部34のハウジングに固定されている。また、回転刃カバー35には、後述する水供給機構13が設置されている。
図11は、未加硫ゴムベルト形成装置1の切断機構12における回転刃36の断面を模式的に示す図である。図12は、回転刃36の表面36aの近傍における断面の一部を拡大して模式的に示す図である。回転刃36は、外周に刃が設けられた円形形状の丸刃として構成されている。即ち、回転刃36には、外周側に向かって鋭く切っ先状に尖るように形成された刃が設けられている。そして、回転刃36の外周の刃は、円形の回転刃36の外周の全周に亘って設けられている。尚、回転刃36が回転する方向については、図6において、矢印C2で示されている(後述の図12においても、回転刃36が回転する方向が印C2で示されている)。
また、回転刃36は、多孔質材料で形成されており、本実施形態では、多孔質セラミックで形成されている。例えば、回転刃36は、アルミナ系の多孔質セラミックで形成されている。図12の一部拡大断面図に示すように、回転刃36を構成する多孔質材料は、複数の気孔44を有している。各気孔44は、例えば、5〜40μm程度の気孔径(気孔の直径)の気孔として構成されている。また、回転刃36を構成する多孔質材料の気孔率は、50%に設定されている。
尚、回転刃36における気孔44の気孔径は、気孔44を区画する領域を球形で近似した場合の球形領域の直径寸法である。また、回転刃36の気孔率は、多孔質材料で構成された回転刃36の全体の体積であって気孔44を含む回転刃36の全体の体積に対する、回転刃36における気孔44の部分のみが占める体積、の割合である。
回転刃36には、例えば5〜40μm程度の気孔径の微小な気孔44が、全体に亘って、分散して、非常に多数含まれている。そして、滑らかで平らな面として形成された回転刃36の表面36aには、非常に多数の気孔44が、開口した状態で、配置されている。尚、回転刃36の表面36aに配置された気孔44は、上記のように、回転刃36の表面36aから外部に向かって開口した気孔44である開気孔44aとして構成されている。そして、回転刃36の内部に配置された気孔44は、回転刃36の内部で閉鎖された気孔である閉気孔44bとして構成されている。
上記の通り、回転刃36は、多孔質材料で構成されて少なくとも表面に複数の気孔44を有する刃が外周に設けられた構成を有している。尚、本実施形態では、回転刃36の外周の刃だけではなく、回転刃36の全体が多孔質材料として構成され、回転刃36の全体に亘って多数の気孔44が分散して設けられている。
図13は、未加硫ゴムベルト形成装置1の平面図であって、未加硫ゴムベルト形成装置1の作動を説明するための図である。未加硫ゴムベルト形成装置1の切断機構12は、上述した幅方向移動機構23、進退移動機構24、カッター部25を備え、後述する制御装置14からの制御指令に基づいて作動する。また、切断機構12が作動する際には、制御装置14からの制御指令に基づいて、回転機構11も作動する。そして、回転機構11及び切断機構12が作動することで、図13に示すように、未加硫スリーブ105が周方向に切断され、未加硫ゴムベルト106が形成される。また、切断機構12及び回転機構11が作動する際には、例えば、切断機構12及び回転機構11の作動の開始前の所定のタイミングで、制御装置14からの制御指令に基づいて、後述する水供給機構13の作動も行われる。
切断機構12の作動の際には、まず、制御装置14からの制御指令に基づいて、ボールネジモータ28bが所定の回数分だけ回転し、幅方向移動機構23が作動する。これにより、未加硫ゴムベルト106のベルト幅方向の寸法に対応した位置で未加硫スリーブ105の切断が行われるように、未加硫スリーブ105の幅方向と平行な方向における移動プレート29の位置の位置決めが行われる。即ち、未加硫ゴムベルト106のベルト幅方向の寸法に対応した位置で未加硫スリーブ105の切断が行われるように、進退移動機構24及びカッター部25の位置の位置決めが行われる。
上記のように進退移動機構24及びカッター部25の位置の位置決めが行われると、次いで、制御装置14からの制御指令に基づいて、モータ20が所定の回転速度で回転し、カッターモータ33も所定の回転速度で回転する。これにより、回転機構11の作動が開始され、主軸16とともに回転体22とその回転体22の外周に配置された未加硫スリーブ105の回転が開始される。そして、カッター部25の作動も開始され、回転刃36の回転が開始される。
上記のように制御装置14からの制御指令に基づいて回転機構11及びカッター部25が作動する際におけるモータ20及びカッターモータ33の回転速度は、未加硫スリーブ105及び回転刃36の条件に応じて予め定められたそれぞれの回転速度に設定される。より具体的には、未加硫スリーブ105の外周の周速度に対する回転刃36の外周の周速度の比が、1.1以上16以下の範囲の値に設定されるように、モータ20及びカッターモータ33の回転速度が定められている。
上記のように回転機構11及びカッター部25の作動が開始されると、制御装置14からの制御指令に基づいて、シリンダ機構32が作動する。これにより、シリンダ体32aからロッド32bが突出し、移動ブロック31とともにカッター部25が未加硫スリーブ105に向かって進出する。そして、カッター部25の進出に伴い、回転刃36は、未加硫スリーブ105を厚み方向に切断して外周スリーブ19に回転刃36の刃先の先端が僅かに接触する位置まで、未加硫スリーブ105に向かって進出する。
上記のように回転刃36が未加硫スリーブ105に向かって進出することで、主軸16及び回転体22とともに回転する未加硫スリーブ105に対して、回転刃36が回転しながら押し付けられることになる。そして、図13に示すように、回転刃36の刃先が外周スリーブ19に僅かに接触する位置まで回転刃36が進出することで、未加硫スリーブ105が回転刃36によって周方向に切断され、未加硫ゴムベルト106が形成される。図13においては、回転刃36によって切断ライン106aにて未加硫スリーブ105から未加硫ゴムベルト106が切断されて形成された状態が図示されている。尚、カッター部25が作動して回転刃36が回転している間は、後述する水供給機構13の作動も維持されている。
上記のように、切断機構12は、多孔質材料で構成されて少なくとも表面に複数の気孔44を有する刃が外周に設けられた回転刃36を有し、回転体22に配置されて回転体22とともに回転する未加硫スリーブ105に対して、回転刃36が回転しながら押し付けられることで、未加硫スリーブ105を周方向に切断し、未加硫ゴムベルト106を形成する機構として、構成されている。また、切断機構12は、回転体22とともに回転する未加硫スリーブ105に対して回転刃36が回転しながら押し付けられる際における、未加硫スリーブ105の外周の周速度に対する回転刃36の外周の周速度の比が、1.1以上16以下の値に設定されている。
[水供給機構]
図14は、未加硫ゴムベルト形成装置1の水供給機構13を説明するための図である。尚、図14においては、回転刃カバー35が断面で図示されており、回転刃カバー35に設置された水供給機構13が図面に表れた状態が図示されている。
図6、図7、図9、図10、図13及び図14に示す水供給機構13は、回転刃36の少なくとも一部を水で濡らすことで、回転刃36の表面36aの気孔44に水を供給する機構として構成されている。そして、本実施形態では、水供給気孔13は、回転刃36の少なくとも一部が浸漬される水を貯留可能に設けられた水槽37を含み、回転刃36を水槽37内の水に浸漬させることで回転刃36を濡らすように構成されている。水供給機構13は、上記の水槽37、相対位置変更機構38、等を備えて構成されている。
水槽37は、図14に示すように、回転刃36の下方に配置され、回転刃36の下半側の一部が浸漬される水を貯留可能に設けられている。水槽37は、水密性を有する箱状の構造体として設けられ、例えば、上面が開放された筐体として設けられる。即ち、水槽37は、上面以外の5つの壁面が設けられた筐体として構成されている。水槽37には、例えば、開放された上面側から内側に水が供給される。そして、水槽37の内側に供給された水は、水槽37内に貯留される。尚、図12においては、水槽37内に水39が貯留された状態が図示されている。
水槽37の内壁には、貯留される水の水面の位置の基準となる水位レベルが、表示、刻印、凹凸形状、等の視認可能な手段により、明示されている。そして、水槽37内に水が貯留される際には、その水面が上記の水位レベルに一致するように、水槽37内に水が供給される。回転刃36の下半側の部分における最も下方に位置している部分及びその近傍の部分は、水槽37の内側に配置されている。そして、水槽37内に水39が上記の所定の水位レベルまで貯留された状態では、図14に示すように、水槽37内に貯留された水39に回転刃36の下半側の一部が浸漬された状態となる。
相対位置変更機構38は、水槽37と回転刃36との相対位置を変更する機構として構成されている。図15及び図16は、相対位置変更機構38を説明するための図である。尚、図15においては、水槽37の回転刃36に対する相対位置が、図14に示される状態に対して、下方に変更された状態が図示されている。一方、図16においては、水槽37の回転刃36に対する相対位置が、図14に示される状態に対して、上方に変更された状態が図示されている。
図14乃至図16に示す相対位置変更機構38は、水槽37と回転刃36との上下方向における相対位置を変更する機構として設けられている。そして、本実施形態では、相対位置変更機構38は、水槽37を回転刃36に対して上下方向に移動させることで、水槽37と回転刃36との上下方向における相対位置を変更するように構成されている。
相対位置変更機構38は、ベース部40、上下移動プレート41、ボールネジ機構42、等を備えて構成されている。
ベース部40は、ボールネジ機構42、上下移動プレート41、及び水槽37を支持する台座部として設けられている。ベース部40は、本実施形態では、箱状の構造体として設けられ、上面が開放された筐体として設けられる。即ち、ベース部40は、上面以外の5つの壁面が設けられた筐体として構成されている。
ベース部40は、回転刃カバー35の下端側の内側において、回転刃カバー35に対して固定されて設置されている。より具体的には、ベース部40は、その底面側において、回転刃カバー35の下側壁部35aに対して固定されて設置されている。また、ベース部40の内側には、ボールネジ機構42が設置されている。
また、ベース部40の内側では、水槽37が、上下方向に沿ってスライド移動自在に支持されている。より具体的には、ベース部40の内側では、ベース部40における対向する一対の内壁面(40a、40b)に対して、水槽37における一対の側面が、上下方向に沿って摺動しながら変位可能に配置されている。これにより、水槽37は、ベース部40に対して、上下方向に沿ってスライド移動自在に支持されている。
上下移動プレート41は、平板状の部材として設けられ、その縁部において、後述するボールネジ機構42のナット部42fに固定されている。上下移動プレート41は、その面方向が水平方向に沿って広がった状態で、後述するナット部42fに対して固定されている。更に、上下移動プレート41は、その上面側において、水槽37が固定されて設置されている。
ボールネジ機構42は、ネジ軸42a、ボールネジモータ42b、軸受42c、一対のリニアガイド(42d、42e)、ナット部42f、図示が省略された複数のボール、等を備えて構成されている。
ネジ軸42aは、一方の端部がボールネジモータ42bに連結され、他方の端部が軸受42cによって回転自在に支持されている。本実施形態では、ネジ軸42aは、上端部がボールネジモータ42bに連結され、下端部が軸受42cによって回転自在に支持されている。そして、ベース部40の内側において、ネジ軸42aは、その軸方向が上下方向に沿って延びるように、配置されている。
ボールネジモータ42bは、ネジ軸42aをその軸心を中心として回転駆動する電動モータとして構成されている。そして、ボールネジモータ42bは、図示が省略された電源から電気エネルギーが供給され、後述する制御装置14からの制御指令に基づいて作動し、所定の回数分だけ回転するように、構成されている。
一対のリニアガイド(42d、42e)は、直線状に上下方向に沿って延びる一対の部材として設けられ、上下に移動する後述のナット部42fの移動方向をガイドする部材として設けられている。一対のリニアガイド(42d、42e)は、上端部がボールネジモータ42bのハウジングに固定され、下端部が軸受42cの外輪又はハウジングに固定されている。
ナット部42fは、ネジ軸42aが貫通しており、ネジ軸42aが回転することでネジ軸42aの軸方向に沿ってネジ軸42aに対して相対移動するブロック状の要素として設けられている。ナット部42fの内部においては、ネジ軸42aのネジ溝に対向するネジ溝が形成されている。そして、ナット部42fのネジ溝とネジ軸42aのネジ溝との間には、両方の溝に対して転動自在に嵌まり込む複数のボールが配置されている。ネジ軸42aが軸心回りに回転することで、ナット部42f及びネジ軸42aの間で複数のボールが循環し、ナット部42fが、ネジ軸42aに対して軸方向に相対移動する。
また、ナット部42fは、その1つの側面において、上下移動プレート41の縁部に対して固定されている。また、ナット部42fは、一対のリニアガイド(42d、42e)の間に嵌りこむように配置されている。そして、ナット部42fは、一対のリニアガイド(42d、42e)に対して摺動自在の状態で配置されている。このため、ネジ軸42aが回転すると、ナット部42fが、一対のリニアガイド(42d、42e)によってガイドされながら、ネジ軸42aの軸方向に沿って、即ち、上下方向に沿って移動する。
ネジ軸42aが回転してナット部42fが上下方向に移動すると、上下移動プレート41も、ナット部42fとともに上下方向に移動する。そして、上下移動プレート41が上下方向に移動すると、上下移動プレート41に設置された水槽37も上下方向に移動する。これにより、水槽37が回転刃36に対して上下方向に移動し、水槽37と回転刃36との上下方向における相対位置が変更される。
本実施形態の未加硫ゴムベルト形成装置1においては、後述する制御装置14からの制御指令に基づいて水供給機構13が作動し、水槽37に貯留された水39に回転刃36の下半側の一部が浸漬される深さである浸漬深さが調整されるように構成されている。図15においては、水槽37に貯留された水39に回転刃36の下半側の一部が浸漬される深さである浸漬深さDが、図14に示す状態よりも浅く設定された状態が図示されている。一方、図16においては、浸漬深さDが、図14に示す状態よりも深く設定された状態が図示されている。
水供給機構13の作動の際には、まず、制御装置14からの制御指令に基づいて、ボールネジモータ42bが所定の回数分だけ回転する。そして、ナット部42f、上下移動プレート41、及び水槽37の回転刃36に対する上下方向の相対位置が、所定の位置に調整される。これにより、ナット部42f、上下移動プレート41、及び水槽37の回転刃36に対する上下方向の相対位置が、回転体22の外周に配置された未加硫スリーブ105の厚みとの関係に応じた所定の位置に位置するように、位置決めされる。
上記のように、未加硫ゴムベルト形成装置1においては、制御装置14からの制御指令に基づいて水供給機構13が作動し、水槽37が回転刃36に対して所定の位置まで上下方向に移動する。これにより、未加硫ゴムベルト形成装置1においては、例えば、水槽37に貯留された水39に回転刃36の下半側の一部が浸漬される深さである浸漬深さDが、回転体22の外周に配置された未加硫スリーブ105の厚み以上となるように設定される。より具体的には、未加硫ゴムベルト形成装置1においては、水槽37に貯留された水39に回転刃36の下半側の一部が浸漬される深さである浸漬深さDが、回転体22の外周に配置された未加硫スリーブ105の厚みに対して、0mm以上10mm以下の寸法差の範囲で、同じに又は大きくなるように設定される。即ち、浸漬深さDが、未加硫スリーブ105の厚みと同じ(浸漬深さDと未加硫スリーブ105の厚みとの寸法差が0mm)に設定される、又は、未加硫スリーブ105の厚みよりも10mm以下の寸法差の範囲で大きくなるように設定される。
尚、回転体22の外周に配置される未加硫スリーブ105の厚みが5mm未満の場合は、例えば、上記の浸漬深さDが5mmに設定されてもよい。また、回転体22の外周に配置される未加硫スリーブ105の厚みが5mm以上10mm未満の場合は、例えば、上記の浸漬深さDが10mmに設定されてもよい。また、回転体22の外周に配置される未加硫スリーブ105の厚みが10mm以上20mm未満の場合は、例えば、上記の浸漬深さDが20mmに設定されてもよい。また、回転体22の外周に配置される未加硫スリーブ105の厚みが20mm以上30mm未満の場合は、例えば、上記の浸漬深さDが30mmに設定されてもよい。また、回転体22の外周に配置される未加硫スリーブ105の厚みが30mm以上40mm未満の場合は、例えば、上記の浸漬深さDが40mmに設定されてもよい。尚、上記の形態においては、浸漬深さDが、回転体22の外周に配置された未加硫スリーブ105の厚み以上となるように設定される形態を例示したが、必ずしもこの通りでなくてもよい。浸漬深さDが、回転体22の外周に配置された未加硫スリーブ105の厚み未満となるように設定される形態が実施されてもよい。
また、未加硫ゴムベルト形成装置1は、水槽37に貯留された水39に回転刃36の下半側の一部が浸漬された状態で、切断機構12によって未加硫スリーブ105が切断されるように構成されている。このため、制御装置14からの制御指令に基づいて水供給機構13が作動して上記の浸漬深さDが設定される動作は、例えば、回転機構11及び切断機構12の作動開始前の所定のタイミングで行われる。即ち、制御装置14からの制御指令に基づいて水供給機構13が作動して上記の浸漬深さDが所定の深さに設定された後、制御装置14からの制御指令に基づいて回転機構11及び切断機構12が作動する。
尚、未加硫ゴムベルト形成装置1においては、上記のように、水槽37に貯留された水39に回転刃36の下半側の一部が浸漬された状態で、切断機構12によって未加硫スリーブ105が切断される。そして、未加硫スリーブ105を切断する回転中の回転刃36における水槽37内の水39に浸漬されている部分の表面36aの気孔44には、水が供給される。また、水槽37内の水39に回転刃36が浸漬されることで、回転刃36の表面36aにおいては、気孔44に水が供給されるとともに、余分な水も極僅かに付着する。
回転刃36の表面36aに付着した極僅かの余分な水は、回転刃36の回転中、回転刃カバー35の内側で水滴となって飛散するように遠心力によって飛ばされる。これにより、未加硫ゴムベルト形成装置1においては、回転刃36の回転中に水滴が回転刃カバー35の外に飛散することが防止される。
また、回転刃36の表面36aの気孔44に供給された水の一部は、回転刃カバー35の外側においても、回転刃36の回転とともに回転刃36の外側に向かって遠心力によって飛ばされる。このとき、回転刃36の表面36aの気孔44に供給された水の一部は、回転中の回転刃36において回転刃カバー35から露出して未加硫スリーブ105に対向した状態にある部分の表面36aから、未加硫スリーブ105の表面に向かって飛ばされる。この水により、回転刃36と切断対象の未加硫スリーブ105との間の潤滑が確保されることになる。尚、回転刃36の回転中に回転刃36の表面36aから遠心力によって飛ばされる水の方向について、図14において二点鎖線の矢印で模式的に例示している。
[制御装置]
図7に示す制御装置14は、未加硫ゴムベルト形成装置1において、回転機構11、切断機構12、水供給機構13の作動を制御する制御部として設けられている。前述の通り、回転機構11、切断機構12、水供給機構13は、制御装置14からの制御指令に基づいて作動する。
制御装置14は、CPU等のハードウェア・プロセッサ、メモリ、ユーザによって操作される操作パネル又は操作盤等の操作部、インターフェース回路、等を備えて構成されている。制御装置14のメモリには、回転機構11、切断機構12、水供給機構13の作動を制御する制御指令を作成するためのプログラムが記憶されている。ユーザによって操作部が操作されることで、メモリから上記のプログラムがハードウェア・プロセッサによって読み出されて実行される。これにより、上記の制御指令が作成され、その制御指令に基づいて、回転機構11、切断機構12、水供給機構13が作動する。
まず、制御装置14からの制御指令に基づいて、水供給機構13のボールネジモータ42bが所定の回数分だけ回転して水槽37が上下方向に所定量移動する。これにより、前述の浸漬深さDが所定の深さに設定される。
また、制御装置14からの制御指令に基づいて、モータ20が回転し、駆動トルクがベルト駆動機構21を介して主軸16に伝達される。そして、主軸16とともに回転体22が回転し、回転体22に配置された未加硫スリーブ105が回転体22とともに回転する。また、制御装置14からの制御指令に基づいて、ボールネジモータ28bが所定の回数分だけ回転して移動プレート29が基台部26上で所定量移動する。
そして、制御装置14からの制御指令に基づいて、カッターモータ33が回転し、駆動トルクが動力伝達部34を介して回転刃36に伝達され、回転刃36が回転する。尚、回転刃36の回転中は、回転刃36の下半側の一部は、常時、水槽37中の水39に浸漬されており、濡らされている。このため、回転中の回転刃36の下半側の一部の表面36aの気孔44には、常時、水が供給されている。そして、制御装置14からの制御指令に基づいて、シリンダ機構32が作動し、移動ブロック31とともに回転刃36が未加硫スリーブ105に向かって進出する。これにより、未加硫スリーブ105が周方向に切断され、未加硫ゴムベルト106が形成される。
尚、本実施形態では、制御装置14からの制御指令に基づいて、回転機構11、切断機構12、水供給機構13が作動する形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。未加硫ゴムベルト形成装置1において、制御装置14が備えられておらず、ユーザによる操作に基づいて、回転機構11、切断機構12、水供給機構13が作動する形態が実施されてもよい。
[未加硫ゴムベルト形成方法]
次に、本発明の一実施の形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法について説明する。図17は、本発明の一実施の形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法を示すチャート図である。図17に示す未加硫ゴムベルト形成方法は、未加硫ゴム層と心線104とを有する未加硫スリーブ105を周方向に切断して環状の未加硫ゴムベルト106を形成するための未加硫ゴムベルト形成方法として構成されている。
図17に示す未加硫ゴムベルト形成方法は、前述の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成装置1が作動することで実施される。そして、前述の通り、図2に示すラップドVベルト100の製造工程の未加硫ゴムベルト形成工程S102は、図17に示す未加硫ゴムベルト形成方法として構成されている。
図17に示すように、本実施形態の未加硫ゴムベルト形成方法は、未加硫スリーブ配置工程S201、水供給切断工程S202、未加硫ゴムベルト取り外し工程S203を備えて構成されている。未加硫スリーブ配置工程S201が実施され、次いで、水供給切断工程S202が実施され、最後に未加硫ゴムベルト取り外し工程S203が実施される。これらの工程が終了することで、1つの未加硫スリーブ105から複数の未加硫ゴムベルト106が形成されることになる。
未加硫スリーブ配置工程S201は、主軸16とともに回転するように構成された回転体22の外周に未加硫スリーブ105が配置される工程として、構成されている。本実施形態では、例えば、回転体22に対して未加硫のゴムシート及び心線104が巻き付けられることで回転体22の周りに未加硫スリーブ105が形成され、これにより、未加硫スリーブ105が回転体22に配置された状態となる。即ち、回転体22を用いて前述の未加硫スリーブ形成工程S101が実施されて未加硫スリーブ105が形成され、未加硫スリーブ105が回転体22に配置された状態となる。
尚、回転体22の外周に未加硫スリーブ105を配置する方法としては、上述の通りでなくてもよい。例えば、回転機構11の回転体22とは異なる別の回転体を用いて未加硫スリーブ105が形成され、その別の回転体から取り外された未加硫スリーブ105が、回転機構11の回転体22に対して装着されて配置される形態が実施されてもよい。
水供給切断工程S202は、水供給工程S204と切断工程S205とを備えて構成されている。本実施形態の未加硫ゴムベルト形成方法の水供給切断工程S202においては、水供給工程S204が行われている間に、複数回の切断工程S205が行われる。
水供給工程S204は、回転刃36の少なくとも一部が水で濡らされることで、回転刃36の表面36aの気孔44に水が供給される工程として構成されている。そして、本実施形態では、水供給工程S204において、回転刃36の一部が水槽37に貯留された水39に浸漬されることで回転刃が濡らされる。また、水供給工程S204は、水槽37と回転刃36との相対位置を変更する相対位置変更工程S206を含んで構成されている。
水供給工程S204は、制御装置14からの制御指令に基づいて、切断機構12及び回転機構11の作動の開始前の所定のタイミングで、水供給機構13が作動することで、実施される。水供給工程S204においては、まず、水供給機構13が作動して相対位置変更工程S206が実施され、水槽37と回転刃36との相対位置が調整される。そして、水槽37と回転刃36との相対位置が調整されて水槽37内の水39に回転刃36の下半側の一部が浸漬された状態が維持される。このように水39に回転刃36の一部が浸漬された状態は、切断工程S205が複数回実施されている間に亘って、継続される。即ち、回転刃36の一部を水槽37に貯留された水39に浸漬する水供給工程S204が行われている間に、複数回の切断工程S205が行われることになる。
水供給工程S204が開始される際には、まず、制御装置14からの制御指令に基づいて、水供給機構13のボールネジモータ42bが所定の回数分だけ回転する。これに伴い、ネジ軸42aが所定の回数分だけ軸心回りで回転し、ナット部42f、上下移動プレート41、及び水槽37が上下方向に所定量移動する。これにより、相対位置変更工程S206が完了し、水槽37に貯留された水39に回転刃36の下半側の一部が浸漬される深さである浸漬深さDが、所定の深さに設定される。一旦、浸漬深さDが、所定の深さに設定されると、複数回実施される切断工程S205が全て完了するまで、浸漬深さDがその所定の深さに維持される。
尚、水供給工程S204においては、水槽37に貯留された水に回転刃36の下半側の一部が浸漬される深さである浸漬深さDは、例えば、回転体22の外周に配置された未加硫スリーブ105の厚み以上となるように設定される。また、水供給工程S204においては、水槽37に貯留された水39に回転刃36の下半側の一部が浸漬される深さである浸漬深さDが、回転体22の外周に配置された未加硫スリーブ105の厚みに対して、0mm以上10mm以下の寸法差の範囲で、同じに又は大きくなるように設定される。尚、上記の形態においては、浸漬深さDが、回転体22の外周に配置された未加硫スリーブ105の厚み以上となるように設定される形態を例示したが、必ずしもこの通りでなくてもよい。浸漬深さDが、回転体22の外周に配置された未加硫スリーブ105の厚み未満となるように設定される形態が実施されてもよい。
切断工程S205は、相対位置変更工程S206の完了後に、開始される。そして、切断工程S205は、制御装置14からの制御指令に基づいて、回転機構11及び切断機構12が作動することで、実施される。まず、制御装置14からの制御指令に基づいて、モータ20が回転し、駆動トルクがベルト駆動機構21を介して主軸16に伝達される。そして、主軸16とともに回転体22が回転し、回転22とともに回転体22に配置された未加硫スリーブ105が回転する。また、制御装置14からの制御指令に基づいて、ボールネジモータ28bが所定の回数分だけ回転して移動プレート29が基台部26上で所定量移動する。
そして、制御装置14からの制御指令に基づいて、カッターモータ33が回転し、駆動トルクが動力伝達部34を介して回転刃36に伝達され、回転刃36が回転する。更に、制御装置14からの制御指令に基づいて、シリンダ機構32が作動し、移動ブロック31とともに回転刃36が未加硫スリーブ105に向かって進出する。これにより、未加硫スリーブ105が周方向に切断され、未加硫ゴムベルト106が形成される。
上記のように、切断工程S205は、多孔質材料で構成されて少なくとも表面36a に複数の気孔44を有する刃が外周に設けられた回転刃36が、回転体22に配置されて回転体22とともに回転する未加硫スリーブ105に対して、回転しながら押し付けられることで、未加硫スリーブ105が周方向に切断され、未加硫ゴムベルト106が形成される工程として、構成されている。また、切断工程S205において用いられる回転刃36は、多孔質セラミックで形成されている。
尚、切断工程S205においては、制御装置14からの制御指令に基づいて、回転体22とともに回転する未加硫スリーブ105に対して回転刃36が回転しながら押し付けられる際における、未加硫スリーブ105の外周の周速度に対する回転刃36の外周の周速度の比が、1.1以上16以下の値に設定される。即ち、モータ20及びカッターモータ33が、制御装置14からの制御指令に基づいて、未加硫スリーブ105の外周の周速度に対する回転刃36の外周の周速度の比が1.1以上16以下の範囲の値に設定された状態で、回転する。
また、水供給切断工程S202においては、水供給工程S204が行われている間に、切断工程S205が行われる。このため、本実施形態の未加硫ゴムベルト形成方法は、水槽37に貯留された水39に回転刃36の下半側の一部が浸漬された状態で、未加硫スリーブ105が切断されるように構成されている。
また、水供給切断工程S202の切断工程S205は、未加硫スリーブ105が全周に亘って周方向に切断されるまで継続される。未加硫スリーブ105が全周に亘って周方向に切断され、未加硫ゴムベルト106が形成されると、制御装置14からの制御指令に基づいて、シリンダ機構32が作動する。そして、移動ブロック31とともに回転刃36が未加硫スリーブ105から離間する方向に向かって移動する。即ち、ロッド32aがシリンダ体32bに向かって縮退し、移動ブロック31とともに回転刃36が、未加硫スリーブ105から退避する方向に移動する。これにより、切断工程S205が一旦終了する。
水供給切断工程S202においては、切断工程S205が一旦終了すると、制御装置14において、未加硫スリーブ105を全幅に亘って切断する処理が終了したか否かが判断される。即ち、水供給切断工程S202においては、未加硫スリーブ105が周方向に切断されて未加硫ゴムベルト106が形成される処理が、未加硫スリーブ105の幅方向(図7及び図8で両端矢印Bで示す方向)における全長に亘って所定回数行われ、未加硫スリーブ105の全体が複数の未加硫ゴムベルト106に切断されたか否かが、制御装置14において判断される。尚、制御装置14は、例えば、予め入力されている未加硫スリーブ105の切断前の状態の幅方向の寸法と、ボールネジモータ28bの回転量の積算値とに基づいて、未加硫スリーブ105を全幅に亘って切断する処理が終了したか否かを判断する。
未加硫スリーブ105を全幅に亘って切断する処理が終了していないと制御装置14において判断されると、まず、制御装置14からの制御指令に基づいて、ボールネジモータ28bが所定の回数分だけ回転する。これにより、移動プレート29が、基台部26上で、未加硫ゴムベルト106のベルト幅寸法に対応した所定量だけ移動する。そして、再び、切断工程S205が実施される。これにより、回転体22の外周において、次の未加硫ゴムベルト106が形成されることになる。また、このとき、水槽37中の水39に回転刃36の下半側の一部が所定の深さで浸漬された状態は、維持される。
上記のように切断工程S205が実施され、未加硫ゴムベルト106が新たに形成されると、再び、制御装置14にて、未加硫スリーブ105を全幅に亘って切断する処理が終了したか否かが判断される。未加硫スリーブ105が全幅に亘って切断する処理が終了していないと判断されるかぎり、上記の処理が繰り返されることになる。そして、切断工程S205が繰り返されることで、回転体22の外周に複数の未加硫ゴムベルト106が形成されていくことになる。
図18は、未加硫ゴムベルト形成装置1によって、未加硫スリーブ105が全幅に亘って周方向に切断され、複数の未加硫ゴムベルト106が形成された状態を示す図である。水供給切断工程S202において、水供給工程S204の継続中に切断工程S205が複数回繰り返され、図16に示すように、未加硫スリーブ105が全幅に亘って切断されると、制御装置14において、未加硫スリーブ105を全幅に亘って切断する処理が終了したと判断される。上記のように判断されると、制御装置14からの制御指令に基づいて、回転機構11及び切断機構12の作動が停止される。
図18に示すように、未加硫スリーブ105が全幅に亘って切断され、複数の未加硫ゴムベルト106が形成されると、次いで、未加硫ゴムベルト取り外し工程S203が実施される。未加硫ゴムベルト取り外し工程S203では、回転体22の外周に配置された状態の複数の未加硫ゴムベルト106の全てが、回転体22から取り外される。回転体22から全ての未加硫ゴムベルト106が取り外されることで、図17に示す未加硫ゴムベルト形成方法は終了することになる。
[実施例]
次に、上述した実施形態の未加硫ゴムベルト形成装置1及び未加硫ゴムベルト形成方法によって未加硫ゴムベルト106を形成した本発明の実施例について説明する。図19は、本発明の実施例及び比較例に関する実施条件と実施結果とを一覧表にして示す図である。図20は、本発明の実施例に関する実施条件と実施結果とを一覧表にして示す図である。尚、図19は、本発明の実施例No.1〜No.3に関する実施条件と実施結果とを示しており、図20は、本発明の実施例No.5〜No.7に関する実施条件と実施結果とを示している。
実施例No.1〜No.3、No.5〜No.7は、上述した実施形態によって未加硫ゴムベルト106を形成した実施例である。実施例No.1〜No.3、No.5〜No.7においては、多孔質セラミックで形成された回転刃36を有する切断機構12によって未加硫スリーブ105を切断し、未加硫ゴムベルト106を形成した。よって、図19、図20において、実施例No.1〜No.3、No.5〜No.7については、「回転刃の材質」の欄において、「多孔質セラミック」と記載している。尚、実施例No.1〜No.3においては、切断機構12の回転刃36として、気孔44の気孔径の平均値が10μmに設定された回転刃36を用い、未加硫ゴムベルト106を形成した。一方、実施例No.5〜No.7においては、切断機構12の回転刃36として、気孔44の気孔径の平均値が30μmに設定された回転刃36を用い、未加硫ゴムベルト106を形成した。
また、実施例No.1〜No.3、No.5〜No.7においては、水槽37に貯留された水39に回転刃36の下半側の一部が浸漬された状態で、断機機構12によって未加硫スリーブ105を切断し、未加硫ゴムベルト106を形成した。よって、図19、図20において、実施例No.1〜No.3、No.5〜No.7については、未加硫スリーブ105の切断中に未加硫スリーブ105と回転刃36との間で発生する摩擦熱の発生を低減する冷却手段に関する実施条件として、「冷却手段」の欄において、「浸漬」と記載している。尚、実施例No.1〜No.3においては、厚みが10mmの未加硫スリーブ105を切断して未加硫ゴムベルト106を形成した。一方、実施例No.5〜No.7においては、厚みが20mmの未加硫スリーブ105を切断して未加硫ゴムベルト106を形成した。
また、実施例No.1〜No.3、No.5〜No.7においては、図19、図20の「浸漬深さ(mm)」の欄に記載した浸漬深さDにそれぞれ設定し、未加硫ゴムベルト106を形成した。即ち、水槽37に貯留された水39に回転刃36の下半側の一部が浸漬される深さである浸漬深さDを、実施例No.1については20mmに設定し、実施例No.2については10mmに設定し、実施例No.3については5mmに設定し、実施例No.5については30mmに設定し、実施例No.6については20mmに設定し、実施例No.7については、10mmに設定した。
比較例No.4は、本発明の実施例との比較のための例として実施したものである。比較例No.4においては、超硬鋼で形成された回転刃を有する切断機構によって未加硫スリーブ105を切断し、未加硫ゴムベルト106を形成した。よって、図19において、比較例No.4については、「回転刃の材質」の欄において、「超硬鋼」と記載している。
また、比較例No.4においては、超硬鋼で形成された回転刃に対して水を流し掛けながら、未加硫ゴムベルト106の形成を行った。よって、図19において、比較例No.4については、「冷却手段」の欄に「水掛け」と記載している。また、比較例No.4においては、図19の「水量(L/min)」の欄に記載した水量の水を掛けて、未加硫ゴムベルト106を形成した。尚、比較例No.4において掛ける水の水量は、1分間あたりに掛けられる水を容器に採取することで、測定した。尚、比較例No.4においても、実施例No.1〜No.3と同様に、厚みが10mmの未加硫スリーブ105を切断して未加硫ゴムベルト106を形成した。
また、実施例No.1〜No.3、No.5〜No.7及び比較例No.4においては、図19、図20の「周速比」の欄に記載した周速比にそれぞれ設定し、未加硫ゴムベルト106を形成した。図19、図20に記載した周速比は、回転体22とともに回転する未加硫スリーブ105に対して回転刃36が回転しながら押し付けられる際における、未加硫スリーブ105の外周の周速度と、回転刃36の外周の周速度との比として、記載している。即ち、「未加硫スリーブ105の外周の周速度:回転刃36の外周の周速度」の比として記載している。
また、実施例No.1〜No.3及び比較例No.4においては、図19の「環境温度」の欄に記載した通り、いずれも、温度が25℃に保たれた室内の環境下で、未加硫ゴムベルト106を形成した。
また、実施例No.1〜No.3、No.5〜No.7及び比較例No.4においては、未加硫スリーブ105から切断された後の未加硫ゴムベルト106の表面における水の付着状態について観察を行った。観察結果については、図19、図20の「切断後の未加硫ゴムベルトの表面に付着した水の状態」の欄に記載した通りとなった。即ち、実施例No.1〜No.3、No.5〜No.7については、未加硫ゴムベルト106の表面には、極わずかな水滴しか見られなかった。これに対し、比較例No.4については、未加硫ゴムベルト106の表面がずぶ濡れの状態となった。
また、実施例No.1〜No.3、No.5〜No.7及び比較例No.4においては、未加硫スリーブ105を切断した後の状態における回転刃36に対する未加硫ゴムの粘着状態についても観察を行った。観察結果については、図19、図20の「切断後の回転刃の未加硫ゴムの粘着状態」の欄に記載した。上記の観察においては、未加硫スリーブ105を切断した後の回転刃36の表面を目視で観察し、回転刃36における未加硫ゴムの粘着状態を確認した。その結果、回転刃36の刃先の全周に亘って未加硫ゴムが粘着していると確認された場合は、「×」判定とした。そして、回転刃36の刃先の半周以上に未加硫ゴムが付着していると確認された場合は、「△」判定とした。一方、回転刃36の刃先の全周に亘って未加硫ゴムの粘着が見られなかった場合は、「○」判定とした。その結果、実施例No.1、No.2、No.5〜No.7と、比較例No.4とについては、「○」判定となった。一方、実施例No.3については、「△」判定となった。
よって、浸漬深さDが、未加硫スリーブ105の厚みに対して、0mm以上10mm以下の寸法差の範囲で、同じに又は大きくなるように設定された実施例No.1、No.2、No.5、No.6については、未加硫ゴムベルト106の表面に、極わずかな水滴しか見られず、且つ、回転刃36の刃先の全周に亘って未加硫ゴムの粘着が見られないことも確認された。一方、浸漬深さDが、未加硫スリーブ105の厚みよりも小さく設定された実施例No.3、No.7については、回転刃36における気孔44の気孔径の違いによって、差異が生じた。具体的には、気孔44の気孔径の平均値が10μmに設定された回転刃36を用いて未加硫ゴムベルト106を形成した実施例No.3においては、未加硫ゴムベルト106の表面に、極わずかな水滴しか見られないものの、回転刃36の刃先の半周以上に未加硫ゴムが付着していると確認された。一方、気孔44の気孔径の平均値が30μmに設定された回転刃36を用いて未加硫ゴムベルト106を形成した実施例No.7においては、未加硫ゴムベルト106の表面に、極わずかな水滴しか見られず、且つ、回転刃36の刃先の全周に亘って未加硫ゴムの粘着が見られないことも確認された。よって、実施例No.3に比して回転刃36の気孔44の気孔径が3倍に設定された実施例No.7においては、未加硫スリーブ105の切断の際に、より大きな潤滑効果と抜熱効果とが得られ、未加硫スリーブ105の切断中における摩擦熱による温度上昇をより抑制できることが確認された。尚、実施例No.7の場合は、実施例No.3の場合に比して、回転刃36の気孔44が大きいため、未加硫スリーブ105の切断の際に、水槽37の水39に浸漬した回転刃36においてより多くの水が汲みとられるようにして保持され、回転刃36の表面がより多くの水を保水した状態となる。このため、回転刃36の気孔44の気孔径が大きい実施例No.7の場合は、回転刃36の気孔44の気孔径が小さい実施例No.3の場合に比して、より大きな潤滑効果と抜熱効果とが得られ、未加硫スリーブ105の切断中における摩擦熱による温度上昇をより抑制できる。
尚、「切断後の回転刃の未加硫ゴムの粘着状態」の判定が、「△」判定以上、即ち、「△」判定及び「○」判定であれば、その未加硫ゴムベルト106を用いてラップドVベルト100を製造しても、品質上の問題は生じない水準であることを確認した。
また、実施例No.1〜No.3、No.5〜No.7及び比較例No.4においては、未加硫スリーブ105から切断されて形成された未加硫ゴムベルト106の外観の観察も行った。観察結果については、図19、図20の「未加硫ゴムベルトの外観」の欄に記載した。未加硫ゴムベルト106の外観の観察においては、未加硫スリーブ105から切断されて形成された未加硫ゴムベルト106に生じた変形の状況について目視で確認した。
尚、回転刃36による未加硫スリーブ105の切断時における切断抵抗の状況により、未加硫ゴムベルト106において、外周側未加硫ゴム層108の角部分が変形する。とくに、未加硫スリーブ105が回転刃36によって押し切られるようにして切断される状態では、外周側未加硫ゴム層108の角部分が潰れるように大きく変形する。図21は、未加硫スリーブ105から切断されて形成された未加硫ゴムベルト106の外観の判断基準について説明するための図である。図21では、未加硫ゴムベルト106の外観の判断基準を説明するための未加硫ゴムベルト106の断面形状が模式的に示されている。
図21(a)においては、外周側未加硫ゴム層108の角部分が潰れるように変形した未加硫ゴムベルト106の断面形状が示されている。押し切られるように切断されると、回転刃36による切りこみの初期段階で外周側未加硫ゴム層108が押しつぶされるため、図21(a)に示すように、角部分が変形する。尚、図21(a)においては、外周側未加硫ゴム層108の厚み寸法を寸法Hで表しており、外周側未加硫ゴム層108において押しつぶされた部分の厚み寸法を寸法hで表している。一方、図21(b)においては、押し切られるように切断されることなく、外周側未加硫ゴム層108が押しつぶされていない状態で切断された未加硫ゴムベルト106の断面形状が示されている。
未加硫ゴムベルト106の外観の観察においては、まず、外周側未加硫ゴム層108の角部分の変形の有無を確認した。そして、図21(b)に示すように、外周側未加硫ゴム層108が押しつぶされていない状態で切断されている場合は、「○」判定とした。一方、外周側未加硫ゴム層108の角部分の変形があり、上記の寸法hが上記の寸法Hの2分の1以下の場合、即ち、h≦1/2×Hの場合、「△」判定とした。更に、外周側未加硫ゴム層108の角部分の変形があって、上記の寸法hが上記の寸法Hの2分の1より大きい場合、即ち、h>1/2×Hの場合、「×」判定とした。その結果、実施例No.1〜No.3、No.5〜No.7及び比較例No.3については、いずれも「○」判定となった。
また、実施例No.1〜No.3、No.5〜No.7及び比較例No.4においては、未加硫スリーブ105から切断されて形成された複数の未加硫ゴムベルト106が回転体22から取り外される際における、未加硫ゴムベルト106同士の分割の容易性の確認も行った。確認結果については、図19、図20の「未加硫ゴムベルトの分割の容易性」の欄に記載した。
回転体22において隣り合って配置された未加硫ゴムベルト106同士を分割して回転体22から未加硫ゴムベルト106を取り外す分割作業の容易性は、未加硫ゴムベルト106における未加硫ゴムの状況により、異なる。未加硫ゴムの粘着性が高い状態の場合、上記の分割作業の容易性が低下することになる。未加硫ゴムベルト106の分割の容易性を確認した結果、問題無く容易に分割作業を行えると確認された場合は、「○」判定とした。そして、未加硫ゴムベルト106の未加硫ゴムの粘着性があり、分割作業において僅かに手間を要するが、作業能率に影響を与える程度ではないと判断された場合は、「△」判定とした。一方、未加硫ゴムベルト106の未加硫ゴムの粘着性があり、分割作業に手間を要し、作業能率に影響を与えると判断された場合は、「×」判定とした。その結果、実施例No.1、No.2、No.5〜No.7と、比較例No.4とについては、「○」判定となった。一方、実施例No.3については、「△」判定となった。
よって、浸漬深さDが、未加硫スリーブ105の厚みに対して、0mm以上10mm以下の寸法差の範囲で、同じに又は大きくなるように設定された実施例No.1、No.2、No.5、No.6については、未加硫ゴムベルト106の表面に、極わずかな水滴しか見られず、且つ、未加硫ゴムベルト106の分割作業を問題なく容易に行えることが確認された。一方、浸漬深さDが、未加硫スリーブ105の厚みよりも小さく設定された実施例No.3、No.7については、回転刃36における気孔44の気孔径の違いによって、差異が生じた。具体的には、気孔44の気孔径の平均値が10μmに設定された回転刃36を用いて未加硫ゴムベルト106を形成した実施例No.3においては、未加硫ゴムベルト106の表面に、極わずかな水滴しか見られず、且つ、未加硫ゴムベルト106の分割作業において僅かに手間を要するものの作業能率に影響を与える程度ではないことが確認された。一方、気孔44の気孔径の平均値が30μmに設定された回転刃36を用いて未加硫ゴムベルト106を形成した実施例No.7においては、未加硫ゴムベルト106の表面に、極わずかな水滴しか見られず、且つ、未加硫ゴムベルト106の分割作業を問題なく容易に行えることが確認された。よって、「未加硫ゴムベルトの分割の容易性」の判定が「△」判定以上である実施例No.1〜No.3、No.5〜No.7については、作業能率への影響が生じる程度ではないことが確認された。また、回転刃36の気孔44の気孔径が大きい実施例No.7の場合は、回転刃36の気孔44の気孔径が小さい実施例No.3の場合に比して、より大きな潤滑効果と抜熱効果とが得られ、未加硫スリーブ105の切断中における摩擦熱による温度上昇をより抑制できることも確認された。
また、実施例No.1〜No.3、No.5〜No.7においては、未加硫スリーブ105から未加硫ゴムベルト106が切断された後に、回転刃36の表面36aの気孔44の状態を観察し、気孔44の目詰まりが生じていないか否かの確認も行った。確認結果については、図19、図20の「切断後の回転刃の気孔の目詰まり」の欄に記載した。気孔44の目詰まりが無かった場合は、「無し」判定とし、気孔44の目詰まりが有った場合は、「有り」判定とした。その結果、実施例No.1〜No.3、No.5〜No.7については、いずれも「無し」判定となった。
以上、図19、図20の実施結果に示す通り、「回転刃の材質」が「多孔質セラミック」であって、「冷却手段」が「浸漬」である実施例No.1〜No.3、No.5〜No.7については、未加硫ゴムベルト106の表面に極わずかな水滴しか付着しないことが確認された。よって、実施例No.1〜No.3、No.5〜No.7によると、余分な水分が未加硫ゴムベルト106に付着してしまうことを効率よく抑制することができる。
一方、「回転刃の材質」が「超硬鋼」であって、「冷却手段」が「水掛け」である比較例No.4については、未加硫ゴムベルト106の表面がずぶ濡れとなった。また、比較例No.4で形成した未加硫ゴムベルト106については、表面だけでなく、心線104とゴムとの間にまで水が染み込んだ状態となっていることが確認された。そして、比較例No.4の場合、心線104とゴムとの間に浸透した水分を十分に除去するためには、非常に多くの乾燥時間が必要となることが確認された。
尚、実施例No.1〜No.3、No.5〜No.7については、余分な水分が未加硫ゴムベルト106に付着してしまうことを効率よく抑制することができるため、乾燥工程が不要となることも確認できた。より具体的には、未加硫ゴムベルト形成工程S102にて形成した未加硫ゴムベルト106が、未加硫ゴムベルト形成工程S102の後に行われるスカイブ工程S103、カバー巻き工程S104が始まる前に、十分に乾燥してしまうことが確認できた。即ち、未加硫ゴムベルト形成工程S102にて形成した未加硫ゴムベルト106を、スカイブ工程S103、カバー巻き工程S104を行うために移動させる時間内において、その未加硫ゴムベルト106が、十分に乾燥してしまうことが確認できた。
また、「回転刃の材質」が「多孔質セラミック」であって、「冷却手段」が「浸漬」である実施例No.1〜No.3、No.5〜No.7については、未加硫スリーブ105の切断中の摩擦熱の発生を大幅に低減し、更に、発生した摩擦熱を効率よく抜熱することができた。その結果、図19、図20の実施結果に示す通り、回転刃36への未加硫ゴムの粘着を抑制でき、外周側未加硫ゴム層108の角部分の変形を防止でき、未加硫ゴムベルト106の分割作業の作業能率の低下を防止でき、回転刃36の表面36aの気孔44の目詰まりの発生も防止できることが確認できた。
[実施形態の作用効果]
未加硫ゴムベルト形成装置1によると、切断機構12によって未加硫スリーブ105を周方向に切断する際に、水供給機構13によって、回転刃36の少なくとも一部が水で濡らされて回転刃36の表面36aに多数設けられた気孔44に水が供給されることで、回転刃36の表面36aに水が一旦保持された状態となる。即ち、回転刃36が水で濡らされることで、回転刃36の表面36aで開口する多数の気孔44によって水が汲みとられるようにして保持され、回転刃36の表面36aが保水した状態となる。そして、回転刃36の表面36aに一旦保水させた状態で、回転機構11及び切断機構12を作動させ、未加硫スリーブ105を周方向に切断して未加硫ゴムベルト106を形成することができる。このため、回転刃36の回転とともに、回転刃36の表面36aの気孔44で汲み取られるようにして回転刃36に保水された水の一部が、遠心力によって回転刃36の外側に向かって飛ばされ、その水により、回転刃36と切断対象の未加硫スリーブ105との間の潤滑が確保されることになる。この結果、未加硫スリーブ105の切断中に未加硫スリーブ105と回転刃36との間で発生する摩擦が低減され、摩擦熱の低減が図られることになる。また、回転刃36に保水されている水、及び、回転刃36から未加硫スリーブ105に向かって飛ばされた水によって、未加硫スリーブ105の切断中に未加硫スリーブ105と回転刃36との間で発生する摩擦熱が、効率よく抜熱されることになる。更に、回転刃36の表面36aは、開口する多数の気孔44が設けられ、表面積が大きく放熱効果が大きいため、未加硫スリーブ105の切断中に生じる摩擦熱が、放熱により、効率よく抜熱されることになる。これらにより、未加硫スリーブ105の切断中における摩擦熱による温度上昇を抑制することができる。
そして、未加硫ゴムベルト形成装置1及び前述の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法によると、未加硫スリーブ105の切断中における摩擦熱による温度上昇を抑制できるため、未加硫スリーブ105の切断中に発煙して作業性の低下を招いてしまうことを抑制することができる。
更に、未加硫ゴムベルト形成装置1及び前述の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法によると、未加硫スリーブ105の切断中における摩擦熱による温度上昇を抑制できるため、未加硫スリーブ105のゴムの粘性の上昇を抑制でき、回転刃36にゴムが粘り付くように付着して粘着し易くなることも抑制できる。そして、所望の寸法通りに未加硫スリーブ105を切断することが容易となり、一つの未加硫ゴムベルト106の周方向において、ベルト幅方向の寸法のばらつきが生じてしまうことを抑制することができる。このため、この未加硫ゴムベルト106を素材として製造されるラップドVベルト100におけるベルト断面の寸法のばらつきが生じてしまうことを抑制でき、ベルト寿命の低下を招いてしまうことも抑制することができる。
更に、未加硫ゴムベルト形成装置1及び前述の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法によると、未加硫スリーブ105の切断中における摩擦熱による温度上昇を抑制し、回転刃36にゴムが粘り付くように付着して粘着し易くなることを抑制できるため、切断中に回転刃36の鋭さが鈍ってしまうことも抑制することができる。このため、未加硫スリーブ105が押し切られるように切断され、未加硫ゴムベルト106の角部分の形状が大きく変形してしまうことを抑制することができる。これにより、加硫されてラップドVベルト100が製造された際に心線104の並びが乱れてしまう現象が生じることも抑制でき、ベルト耐久性の低下を招いてしまうことを抑制することができる。
よって、未加硫ゴムベルト形成装置1及び前述の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法によると、未加硫ゴムベルト106の品質の低下を抑制し、更に、未加硫ゴムベルト106を素材として製造されるラップドVベルト100の品質の低下も抑制することができる。
また、未加硫ゴムベルト形成装置1及び前述の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法によると、回転刃36の表面36aの気孔44で少量の水が汲みとられるようにして回転刃36の表面36aに水が保持され、回転刃36の回転とともにその水が飛ばされる。この少量の水によって、回転刃36と未加硫スリーブ105との間の潤滑が効率的に確保された状態となる。この状態で、未加硫スリーブ105が周方向に切断され、未加硫ゴムベルト106が形成される。このため、回転刃36と未加硫スリーブ105との間の潤滑を効率的に確保しつつ、未加硫ゴムベルト106に水分が余分に付着することを抑制でき、更に未加硫ゴムベルト106に水分が浸透することを抑制することができる。これにより、未加硫ゴムベルト形成装置1及び前述の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法によると、多孔質材料ではない鋼製の回転刃での切断中にその回転刃に水を流しかけながら未加硫スリーブ105を切断して未加硫ゴムベルト106を形成する手法とは異なり、乾燥工程がほぼ不要となる。よって、ラップドVベルト100の製造時に、多くの乾燥時間を要して作業能率の低下を招いてしまうことも抑制できる。
以上説明したように、未加硫ゴムベルト形成装置1及び前述の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法によると、未加硫スリーブ105の切断中における摩擦熱による温度上昇を抑制でき、作業能率の低下を招いてしまうことを抑制できるとともに、未加硫ゴムベルト106の品質の低下を抑制し、更に、未加硫ゴムベルト106を素材として製造されるラップドVベルト100の品質の低下も抑制することができる。
また、未加硫ゴムベルト形成装置1及び前述の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法によると、回転刃36を水槽37内の水39に浸漬して濡らすことで、容易に、回転刃36の表面36aの気孔44に、回転刃36と未加硫スリーブ105との間の潤滑の確保に必要な水を、効率よく供給することができる。また、必要な水を回転刃36の表面36aの気孔44に効率よく供給するための構成を、回転刃36が浸漬される水を貯留する水槽37を設けた簡素な形態によって、実現することができる。
また、未加硫ゴムベルト形成装置1及び前述の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法によると、水槽37に貯留された水39に回転刃36の下半側の一部が浸漬された状態で未加硫スリーブ105が切断されるため、未加硫スリーブ105の切断中において、常時、回転刃36の表面36aの気孔44に効率よく水が供給される状態が維持される。このため、未加硫スリーブ105の切断中に未加硫スリーブ105と回転刃36との間で発生する摩擦が、より効率よく低減されることになる。また、未加硫スリーブ105の切断中に未加硫スリーブ105と回転刃36との間で発生する摩擦熱が、より効率よく抜熱されることになる。これらにより、未加硫スリーブ105の切断中における摩擦熱による温度上昇をより効率よく抑制することができる。
また、未加硫ゴムベルト形成装置1及び前述の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法によると、水槽37と回転刃36との相対位置を変更することができる。このため、水槽37に貯留された水39に回転刃36の下半側の一部が浸漬される深さである浸漬深さDを所望の深さに容易に調整することができる。
また、未加硫ゴムベルト形成装置1及び前述の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法によると、未加硫スリーブ105の切断中において、常時、浸漬深さDが、回転体22の外周に配置された未加硫スリーブ105の厚み以上となるように設定される。これにより、未加硫スリーブ105の切断中において、回転刃36の表面36aにおける回転刃36の外周縁から径方向内側にかけての帯状の領域であって回転刃36の表面36aの気孔44に水が供給される領域の寸法を、未加硫スリーブ105の厚み以上の寸法に維持することができる。このため、未加硫スリーブ105の切断中に未加硫スリーブ105と回転刃36との間で発生する摩擦が、より効率よく低減されることになる。また、未加硫スリーブ105の切断中に未加硫スリーブ105と回転刃36との間で発生する摩擦熱が、より効率よく抜熱されることになる。そして、未加硫スリーブ105の切断中における摩擦熱による温度上昇をより効率よく抑制することができる。
また、未加硫ゴムベルト形成装置1及び前述の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法によると、未加硫スリーブ105の切断中において、常時、浸漬深さDが、回転体22の外周に配置された未加硫スリーブ105の厚みに対して、0mm以上10mm以下の寸法差の範囲で、同じに又は大きくなるように設定される。これにより、未加硫スリーブ105の切断中における摩擦熱による温度上昇をより効率よく抑制することができる状態を容易に維持することができるとともに、未加硫スリーブ105の切断後に形成される未加硫ゴムベルト106の表面への水の付着を効率よく抑制することができる。
また、未加硫ゴムベルト形成装置1及び前述の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法によると、回転刃36は、多孔質セラミックで形成される。多孔質セラミックは、優れた耐熱性を有している。また、多孔質セラミックを回転刃36の材料として用いることで、回転刃36の表面36aの平面度を非常に小さくすることができる。即ち、回転刃36の表面36aを容易に非常に平らな状態にすることができる。従って、未加硫ゴムベルト形成装置1及び前述の実施形態に係る未加硫ゴムベルト形成方法によると、摩擦熱に対する耐性を十分に有し且つ寸法精度が高い回転刃36を形成することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。例えば、次のような変形例が実施されてもよい。
(1)前述の実施形態では、水槽に貯留された水に回転刃の下半側の一部が浸漬された状態で、切断機構によって未加硫スリーブが切断される形態を例にとって説明したが、必ずしもこの通りでなくてもよい。水槽に貯留された水に回転刃の少なくとも一部が浸漬されて回転刃が濡らされた後、回転刃の表面の気孔に水が供給された状態で、切断機構によって未加硫スリーブが切断される形態が、実施されてもよい。また、回転刃の下半側の一部に、水をスプレーノズル等で吹き付けながら、切断機構によって未加硫スリーブが切断される形態が、実施されてもよい。
(2)前述の実施形態では、水供給機構が、水槽と回転刃との相対位置を変更する相対位置変更機構を含んでいる形態の未加硫ゴムベルト形成装置を例にとって説明したが、必ずしもこの通りでなくてもよい。水供給機構に相対位置変更機構が設けられていない形態の未加硫ゴムベルト形成装置が実施されてもよい。この場合、未加硫ゴムベルト形成装置は、水槽内の水の水位が変更されることで、水槽に貯留された水に回転刃の下半側の一部が浸漬される深さである浸漬深さが調整されるように構成されていてもよい。この変形例によると、水槽に貯留された水に回転刃の下半側の一部が浸漬される深さである浸漬深さを所望の深さに容易に調整することができる。
(3)前述の実施形態では、水供給工程が、水槽と回転刃との相対位置を変更する相対位置変更工程を含んでいる形態の未加硫ゴムベルト形成方法を例にとって説明したが、必ずしもこの通りでなくてもよい。水供給工程に相対位置変更工程が含まれていない形態の未加硫ゴムベルト形成方法が実施されてもよい。この場合、未加硫ゴムベルト形成方法は、水供給工程において、水槽内の水の水位が変更されることで、水槽に貯留された水に回転刃の下半側の一部が浸漬される深さである浸漬深さが調整されるように構成されていてもよい。この変形例によると、水槽に貯留された水に回転刃の下半側の一部が浸漬される深さである浸漬深さを所望の深さに容易に調整することができる。
(4)前述の実施形態では、水槽が上下方向に沿って移動することで、水槽と回転刃との相対位置が変更される形態を例にとって説明したが、必ずしもこの通りでなくてもよい。例えば、回転刃が上下方向に沿って移動することで、水槽と回転刃との相対位置が変更される形態が実施されてもよい。或いは、回転刃及び水槽の両方が上下方向に沿って移動することで、水槽と回転刃との相対位置が変更される形態が実施されてもよい。
(5)前述の実施形態では、回転刃が多数の気孔を有する多孔質セラミックで形成されている形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。回転刃を構成する材料は、多孔質セラミックに限らず、未加硫スリーブを切断可能な多孔質材料であれば、どのような材料であってもよい。例えば、回転刃が、多数の気孔を有する多孔質金属で形成された形態が、実施されてもよい。
(6)前述の実施形態では、回転刃の全体が多孔質材料で形成された形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。回転刃は、多孔質材料で構成されて少なくとも表面に複数の気孔を有する刃が外周に設けられた構成であればよい。例えば、回転刃において、表面及びその表面から所定の深さの内部の領域までが多孔質材料で形成され、回転刃における表面から所定の深さ以上の深さの内部の領域については、多孔質材料以外の硬質材料で形成された形態が、実施されてもよい。また、回転刃の外周に設けられた刃が、多孔質材料で構成され、少なくとも表面に複数の気孔を有しており、回転刃における外周の刃よりも径方向の内側の部分が、多孔質材料以外の硬質材料で形構成された形態が、実施されてもよい。
(7)前述の実施形態の未加硫ゴムベルト形成装置において、回転刃が取り替え可能な形態が、実施されてもよい。この場合、例えば、未加硫ゴムベルト形成装置は、回転刃を当該装置に対して取り付けるためのアタッチメントを備えることができる。
そして、上記の未加硫ゴムベルト形成装置は、切断機構が、多孔質材料で構成された刃の気孔率及び気孔径のうちの少なくとも1つが異なる複数の回転刃を有している。更に、切断機構は、切断対象となる未加硫スリーブに応じて選択されたいずれかの回転刃が、回転体に配置されて回転体とともに回転する未加硫スリーブに対して、回転しながら押し付けられることで、未加硫スリーブを周方向に切断し、未加硫ゴムベルトを形成するように構成される。この未加硫ゴムベルト形成装置によると、切断対象となる未加硫スリーブの種類(例えば、材質、厚さ等)毎に必要となる水の量に応じて、適切な気孔率或いは気孔径を有する回転刃を選択し、未加硫ゴムベルトを形成することができる。そうすると、例えば、切断するために必要な水量が少なくて済む未加硫スリーブを切断する場合、気孔率が小さい回転刃を選択することにより、回転刃の表面に保水される水の量を少なくすることができる。これにより、節水性に優れた装置を提供できる。
(8)前述の実施形態の未加硫ゴムベルト形成方法において、切断工程において用いられる回転刃が取り替え可能な形態が、実施されてもよい。そして、この未加硫ゴムベルト形成方法においては、切断工程において、多孔質材料で構成された刃の気孔率及び気孔径のうちの少なくとも1つが異なる複数の回転刃のうちから、切断対象となる未加硫スリーブに応じていずれかの回転刃が選択される。更に、この未加硫ゴムベルト形成方法においては、選択された回転刃が、回転体に配置されて回転体とともに回転する未加硫スリーブに対して、回転しながら押し付けられることで、未加硫スリーブが周方向に切断され、未加硫ゴムベルトが形成されるる。この未加硫ゴムベルト形成方法によると、切断対象となる未加硫スリーブの種類(例えば、材質、厚さ等)毎に必要となる水の量に応じて、適切な気孔率等を有する回転刃を選択し、未加硫ゴムベルトを形成することができる。そうすると、例えば、切断するために必要な水量が少なくて済む未加硫スリーブを切断する場合、気孔率が小さい回転刃を選択することにより、回転刃の表面に保水される水の量を少なくすることができる。これにより、節水性に優れた方法を提供できる。
本発明は、未加硫ゴムベルト形成装置、及び未加硫ゴムベルト形成方法に関して、広く適用することができる。
1 未加硫ゴムベルト形成装置
11 回転機構
12 切断機構
13 水供給機構
16 主軸
22 回転体
36 回転刃
36a 表面
44 気孔
105 未加硫スリーブ
106 未加硫ゴムベルト

Claims (16)

  1. 未加硫ゴム層と心線とを有する筒状の未加硫スリーブを周方向に切断して環状の未加硫ゴムベルトを形成するための未加硫ゴムベルト形成装置であって、
    主軸とともに回転するように構成された回転体を有し、前記回転体の外周に前記未加硫スリーブが配置されるように構成された、回転機構と、
    多孔質材料で構成されて少なくとも表面に複数の気孔を有する刃が外周に設けられた回転刃を有し、前記回転体に配置されて前記回転体とともに回転する前記未加硫スリーブに対して、前記回転刃が回転しながら押し付けられることで、前記未加硫スリーブを周方向に切断し、前記未加硫ゴムベルトを形成する、切断機構と、
    前記回転刃の少なくとも一部を水で濡らすことで、前記回転刃の表面の前記気孔に水を供給する水供給機構と、
    を備え
    前記水供給機構は、前記回転刃の少なくとも一部が浸漬される水を貯留可能に設けられた水槽を含み、前記回転刃を前記水槽内の水に浸漬させることで前記回転刃を濡らすように構成されていることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成装置。
  2. 請求項に記載の未加硫ゴムベルト形成装置であって、
    前記水槽に貯留された水に前記回転刃の下半側の一部が浸漬された状態で、前記切断機構によって前記未加硫スリーブが切断されるように構成されていることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成装置。
  3. 請求項に記載の未加硫ゴムベルト形成装置であって、
    前記水供給機構は、前記水槽と前記回転刃との相対位置を変更する相対位置変更機構を更に含んでいることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成装置。
  4. 請求項に記載の未加硫ゴムベルト形成装置であって、
    前記水槽内の水の水位が変更されることで、前記水槽に貯留された水に前記回転刃の下半側の一部が浸漬される深さである浸漬深さが調整されるように構成されていることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成装置。
  5. 請求項乃至請求項のいずれか1項に記載の未加硫ゴムベルト形成装置であって、
    前記水槽に貯留された水に前記回転刃の下半側の一部が浸漬される深さである浸漬深さが、前記回転体の外周に配置された前記未加硫スリーブの厚み以上となるように設定されることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成装置。
  6. 請求項に記載の未加硫ゴムベルト形成装置であって、
    前記水槽に貯留された水に前記回転刃の下半側の一部が浸漬される深さである浸漬深さが、前記回転体の外周に配置された前記未加硫スリーブの厚みに対して、0mm以上10mm以下の寸法差の範囲で、同じに又は大きくなるように設定されることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成装置。
  7. 請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の未加硫ゴムベルト形成装置であって、
    前記回転刃は、多孔質セラミックで形成されていることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成装置。
  8. 請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の未加硫ゴムベルト形成装置であって、
    前記切断機構は、多孔質材料で構成された前記刃の気孔率及び気孔径のうちの少なくとも1つが異なる複数の前記回転刃を有し、
    前記切断機構は、切断対象となる前記未加硫スリーブに応じて選択されたいずれかの前記回転刃が、前記回転体に配置されて前記回転体とともに回転する前記未加硫スリーブに対して、回転しながら押し付けられることで、前記未加硫スリーブを周方向に切断し、前記未加硫ゴムベルトを形成することを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成装置。
  9. 未加硫ゴム層と心線とを有する筒状の未加硫スリーブを周方向に切断して環状の未加硫ゴムベルトを形成するための未加硫ゴムベルト形成方法であって、
    主軸とともに回転するように構成された回転体の外周に前記未加硫スリーブが配置される、未加硫スリーブ配置工程と、
    多孔質材料で構成されて少なくとも表面に複数の気孔を有する刃が外周に設けられた回転刃が、前記回転体に配置されて前記回転体とともに回転する前記未加硫スリーブに対して、回転しながら押し付けられることで、前記未加硫スリーブが周方向に切断され、前記未加硫ゴムベルトが形成される、切断工程と、
    前記回転刃の少なくとも一部が水で濡らされることで、前記回転刃の表面の前記気孔に水が供給される水供給工程と、
    を備え
    前記水供給工程において、前記回転刃の一部が水槽に貯留された水に浸漬されることで前記回転刃が濡らされることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成方法。
  10. 請求項に記載の未加硫ゴムベルト形成方法であって、
    前記水供給工程が行われている間に、前記切断工程が行われ、
    前記水槽に貯留された水に前記回転刃の下半側の一部が浸漬された状態で、前記未加硫スリーブが切断されることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成方法。
  11. 請求項10に記載の未加硫ゴムベルト形成方法であって、
    前記水供給工程は、前記水槽と前記回転刃との相対位置を変更する相対位置変更工程を含んでいることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成方法。
  12. 請求項10に記載の未加硫ゴムベルト形成方法であって、
    前記水供給工程において、前記水槽内の水の水位が変更されることで、前記水槽に貯留された水に前記回転刃の下半側の一部が浸漬される深さである浸漬深さが調整されることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成方法。
  13. 請求項10乃至請求項12のいずれか1項に記載の未加硫ゴムベルト形成方法であって、
    前記水供給工程において、前記水槽に貯留された水に前記回転刃の下半側の一部が浸漬される深さである浸漬深さが、前記回転体の外周に配置された前記未加硫スリーブの厚み以上となるように設定されることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成方法。
  14. 請求項13に記載の未加硫ゴムベルト形成方法であって、
    前記水供給工程において、前記水槽に貯留された水に前記回転刃の下半側の一部が浸漬される深さである浸漬深さが、前記回転体の外周に配置された前記未加硫スリーブの厚みに対して、0mm以上10mm以下の寸法差の範囲で、同じに又は大きくなるように設定されることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成方法。
  15. 請求項乃至請求項14のいずれか1項に記載の未加硫ゴムベルト形成方法であって、
    前記切断工程において用いられる前記回転刃は、多孔質セラミックで形成されていることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成方法。
  16. 請求項乃至請求項15のいずれか1項に記載の未加硫ゴムベルト形成方法であって、
    前記切断工程において、多孔質材料で構成された前記刃の気孔率及び気孔径のうちの少なくとも1つが異なる複数の前記回転刃のうちから、切断対象となる前記未加硫スリーブに応じていずれかの前記回転刃が選択され、選択された前記回転刃が、前記回転体に配置されて前記回転体とともに回転する前記未加硫スリーブに対して、回転しながら押し付けられることで、前記未加硫スリーブが周方向に切断され、前記未加硫ゴムベルトが形成されることを特徴とする、未加硫ゴムベルト形成方法。
JP2017150386A 2016-08-30 2017-08-03 未加硫ゴムベルト形成装置、及び未加硫ゴムベルト形成方法 Active JP6894799B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016167533 2016-08-30
JP2016167533 2016-08-30

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018034505A JP2018034505A (ja) 2018-03-08
JP6894799B2 true JP6894799B2 (ja) 2021-06-30

Family

ID=61565073

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017150386A Active JP6894799B2 (ja) 2016-08-30 2017-08-03 未加硫ゴムベルト形成装置、及び未加硫ゴムベルト形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6894799B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110815364B (zh) * 2019-11-15 2023-06-09 马鞍山锐生工贸有限公司 一种v带分切倒角装置及v带加工方法
CN111531603A (zh) * 2020-05-07 2020-08-14 安徽瑞驰复合材料有限公司 一种具备拉伸性的车贴生产装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS537449U (ja) * 1976-07-07 1978-01-23
JPH0753590B2 (ja) * 1990-12-26 1995-06-07 日本電気硝子株式会社 ガラス管切断装置
JP4533509B2 (ja) * 2000-06-14 2010-09-01 津根精機株式会社 丸鋸切断機における丸鋸の冷却方法
JP2004114278A (ja) * 2002-09-30 2004-04-15 Mitsuboshi Belting Ltd Vベルト未加硫スリーブのカット装置
CN201030620Y (zh) * 2006-09-26 2008-03-05 广西大学 多孔基体与窄节块复合结构的减振降噪金刚石圆锯片

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018034505A (ja) 2018-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6894799B2 (ja) 未加硫ゴムベルト形成装置、及び未加硫ゴムベルト形成方法
CN104626344B (zh) 切坯机自动换钢丝装置
CN104183338A (zh) 一种漆包线涂油方法
JP6847784B2 (ja) 未加硫ゴムベルト形成装置、及び未加硫ゴムベルト形成方法
JP6720064B2 (ja) 未加硫ゴムベルト形成装置、及び未加硫ゴムベルト形成方法
JP2016509545A (ja) スライシング・テンション下で、クリンプの特性が維持される構造化されたソーワイヤ
JP6720098B2 (ja) 未加硫ゴムベルト形成装置
JP6723873B2 (ja) 未加硫ゴムベルトの形成装置、及び未加硫ゴムベルトの形成方法
JP6854218B2 (ja) 未加硫ゴムベルト形成方法及び未加硫ゴムベルト形成装置
CN104626345B (zh) 切坯机自动换钢丝方法
CN104611878A (zh) 一种气囊式洗衣机
JP7057233B2 (ja) 未加硫ゴムベルト形成装置、及び未加硫ゴムベルト形成方法
KR101448072B1 (ko) 필거 압연공정 시 중공소재 내부 오일 제거장치
CN207858966U (zh) 一种羽毛球拍握把皮加工用高效打孔机
JP2017094223A (ja) 洗浄用ブラシロール
JP2019123231A (ja) 未加硫ゴムベルト形成装置、及び未加硫ゴムベルト形成方法
CN204035153U (zh) 一种木桶翻新机
JP2015183325A (ja) 製紙用コーターバッキングロール
CN211388064U (zh) 一种管道加工用切口毛边打磨装置
JP6237167B2 (ja) ゴム被覆繊維シート部材の切断装置および方法
JP6371681B2 (ja) ワイヤソ−用ガイドローラの樹脂層再生方法
CN217244578U (zh) 一种天然缝合线非规则外观整理装置
KR20010110876A (ko) 3롤 코터의 용액비산 방지장치
CN110982964B (zh) 一种低阻力皮革转鼓
CN105666898A (zh) 电缆表面去油污装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20191107

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191115

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201111

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201215

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210601

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210604

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6894799

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250