JP2019022957A - 熱転写シート、及び印画物の製造方法 - Google Patents

熱転写シート、及び印画物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】保護層を含む転写層を転写するときの箔切れ性を良好なものとしつつも、保護層の耐久性を良好なものとすることができ、さらに、熱転写シートの保存中にブロッキングが発生することを抑制することができる熱転写シート、及びこの熱転写シートを用いた印画物の製造方法を提供する。【解決手段】基材1の一方の面上に、転写層10が設けられた熱転写シート100であって、転写層10は、基材1側から、保護層2、バリア層3がこの順で積層されてなる積層構成を呈しており、保護層2が、活性光線硬化性モノマーを含有しており、バリア層3が、アセチル基の含有量が15質量%以上のセルロース系樹脂を含有している。【選択図】図1

Description

本発明は、熱転写シート、及び印画物の製造方法に関する。
近時、画像が形成された印画物に耐久性を付与することを目的として、基材上に、当該基材から剥離可能に保護層を含む転写層が設けられた熱転写シートを用い、画像が形成された印画物上に、保護層を含む転写層を転写する試みが広くなされている(例えば、特許文献1)。また、画像の形成と、当該形成された画像の保護を一括して行うことができる熱転写シートとして、基材上に、当該基材側から、保護層、着色層がこの順で積層されてなる転写層が設けられた熱転写シート等も提案されている。
保護層の耐久性については種々の検討がなされており、耐久性を高めた保護層の1つとして、活性光線硬化樹脂を含有する保護層が提案されている。このような保護層は、通常、基材上に、活性光線によって硬化し得る樹脂(ポリマー、プレポリマー、オリゴマー、モノマーを含む)を含有する保護層用塗工液を塗工し、塗工された塗膜に活性光線を照射することで形成される。このような方法で形成された保護層によれば、当該保護層に硬化された活性光線硬化樹脂を含有せしめることで、保護層の向上が図られている。
ところで、保護層を含む転写層には、保護層の耐久性が良好であることに加え、保護層を含む転写層を転写するときの箔切れ性が良好であることが求められている。しかしながら、上記のような方法で形成された活性光線硬化樹脂を含有する保護層は、その耐久性は良好であるものの、保護層の膜強度が高くなりすぎてしまい、換言すれば、保護層が硬くなりすぎてしまい、保護層を含む転写層を転写するときの箔切れ性が低下してしまうといった問題が内在している。
箔切れ性の向上は、(i)塗膜に照射する活性光線のエネルギーを低くし、その硬化の度合いを低くする、或いは(ii)活性光線を照射することなく、保護層中に活性光線によって硬化し得る樹脂を、未硬化の状態で存在させておく等の方法によって、保護層を含む転写層の箔切れ性を担保することができる。しかしながら、前者(i)の方法では、保護層に十分な耐久性を付与することができない。一方、後者(ii)の方法では、転写層を転写するときの箔切れ性を向上させつつも、転写後の保護層に活性光線を照射することで、最終的に得られる保護層の耐久性を向上させることができる。しかしながら、この方法では、転写層を転写する前の熱転写シートにおいて、未硬化の樹脂成分が、保護層の上方に位置する層の表面にブリードしやすくなり、当該ブリードした未硬化の樹脂成分により、熱転写シートを巻き状に保存したときに、ブロッキングが生じやすくなるといった別の問題が発生することとなる。例えば、基材上に、保護層、着色層がこの順で積層されてなる転写層が設けられた熱転写シートにおいて、未硬化の樹脂成分を含有する保護層とした場合には、当該未硬化の樹脂成分が、着色層の表面にブリードし、着色層側の面と、基材の他方の面側とがブロッキングするといった問題が生ずることとなる。
特開平11−263079号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、保護層を含む転写層を転写するときの箔切れ性を良好なものとしつつも、保護層の耐久性を良好なものとすることができ、さらに、熱転写シートを巻き状に保存したときにブロッキングが発生することを抑制することができる熱転写シートや、この熱転写シートを用いた印画物の製造方法を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、基材の一方の面上に、転写層が設けられた熱転写シートであって、前記転写層は、前記基材側から、保護層、バリア層がこの順で積層されてなる積層構成を呈しており、前記保護層が、活性光線硬化性モノマー、及び活性光線硬化性オリゴマーの何れか一方又は双方を含有しており、前記バリア層が、アセチル基の含有量が15質量%以上のセルロース系樹脂を含有していることを特徴とする。
上記の熱転写シートにおいて、前記保護層が、シリカを含有していてもよい。また、前記活性光線硬化性モノマー、及び活性光線硬化性オリゴマーの含有量を、前記シリカの含有量で除した値が1.7以下であってもよい。また、前記活性光線硬化性モノマー、又は前記活性光線硬化性オリゴマーが、エポキシ(メタ)アクリレート、又はイソシアヌル酸(メタ)アクリレートであってもよい。
また、上記課題を解決するための本発明は、印画物の製造方法であって、転写層を備える熱転写シートと、被転写体とを組み合わせ、前記被転写体上に、前記熱転写シートの前記転写層を転写する工程を含み、前記熱転写シートが、基材の一方の面上に転写層が設けられ、前記転写層が、前記基材側から、保護層、バリア層がこの順で積層されてなる積層構成を呈し、前記保護層が、活性光線硬化性モノマー、及び活性光線硬化性オリゴマーの何れか一方又は双方を含有しており、前記バリア層が、アセチル基の含有量が15質量%以上のセルロース系樹脂を含有している熱転写シートであり、前記被転写体上に前記熱転写シートの転写層を転写したのちに、当該転写層に活性光線を照射する工程をさらに含む、ことを特徴とする。
上記の印画物の製造方法において、前記転写層を転写する工程、及び前記活性光線を照射する工程を、同一のプリンタ内で行ってもよい。
本発明の熱転写シートによれば、保護層を含む転写層を転写するときの箔切れ性を良好なものとしつつも、保護層の耐久性を良好なものとすることができ、さらに、熱転写シートの保存中にブロッキングが発生することを抑制することができる。また、本発明の印画物の製造方法によれば、印画物の製造時に、被転写体上に保護層を含む転写層を転写するときの箔切れ性を良好なものとしつつも、耐久性の高い印画物を形成することができる。
一実施形態の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 一実施形態の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。
<<熱転写シート>>
以下に、本発明の一実施形態の熱転写シート100(以下、一実施形態の熱転写シートと言う)について図面を用いて具体的に説明する。
図1、図2に示すように、一実施形態の熱転写シート100は、基材1の一方の面上に、転写層10が設けられ、転写層10は、基材1側から保護層2、バリア層3がこの順で積層されてなる積層構成を呈している。保護層2、バリア層3は、一実施形態の熱転写シート100における必須の構成である。なお、転写層10は、保護層2、バリア層3以外の層を含んでいてもよく、図2に示す形態の転写層10は、基材1側から保護層2、バリア層3、着色層4がこの順で積層されてなる積層構成を呈している。
(基材)
基材1は、一実施形態の熱転写シート100における必須の構成であり、基材1の一方の面上に位置する転写層10を保持している。基材1の材料について特に限定はないが、転写層10を転写する際に加えられる熱に耐え、取り扱い上支障のない機械的特性を有するものが好ましい。このような基材1としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン等の各種プラスチックフィルムまたはシートを挙げることができる。基材1の厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜設定することができ、通常2.5μm以上50μm以下の範囲内である。
(転写層)
図1、図2に示すように、基材1の一方の面上(図示する形態では、基材1の上面)には、転写層10が設けられている。転写層10は、基材1側から保護層2、バリア層3がこの順で積層されてなる積層構成を呈している。転写層10は、基材1から剥離可能に設けられており、熱溶融型熱転写方式により、被転写体(例えば、印画物)側に転写される層である。なお、熱溶融型熱転写方式とは、サーマルヘッド等の加熱デバイスから画像情報に応じたエネルギーを印加することで溶融軟化した転写層を、被転写体上に転写して画像を形成する方式である。
(保護層)
一実施形態の熱転写シート100は、転写層10を構成する保護層2が、活性光線硬化性モノマー、及び活性光線硬化性オリゴマーの何れか一方又は双方を含有している。
一実施形態の熱転写シート100では、保護層2に、活性光線硬化性モノマー、及び活性光線硬化性オリゴマーの何れか一方又は双方を含有せしめることで、当該保護層2を含む転写層10を転写するときの箔切れ性の向上が図られている。具体的には、保護層2に、活性光線硬化性モノマー、及び活性光線硬化性オリゴマーの何れか一方又は双方を含有せしめることで、活性光線を照射する前の保護層2の膜強度の増大を抑え、その膜強度を箔切れ性の向上を図ることができる適切な膜強度とすることができる。なお、活性光線硬化性モノマー、及び活性光線硬化性オリゴマーの何れか一方又は双方を含有する保護層(活性光線を照射する前の保護層)にかえて、活性光線硬化性樹脂(モノマー、オリゴマーではない)のみを含有する保護層とした場合や、活性光線硬化性モノマー、及び活性光線硬化性オリゴマーの何れか一方又は双方を含有する塗工液を塗布・乾燥して形成される塗膜に活性光線を照射することで得られる保護層とした場合には、当該保護層の膜強度が高くなりすぎてしまい、当該保護層を含む転写層の箔切れ性は、活性光線硬化性モノマー、及び活性光線硬化性オリゴマーの何れか一方又は双方を含有する保護層2を含む転写層の箔切れ性よりも低いものとなる。
なお、一実施形態の熱転写シート100は、活性光線を照射する前の段階では、保護層2に十分な耐久性が付与されていないものの、保護層2を含む転写層10を転写したのちに、当該転写層10に活性光線を照射することで、保護層2中に含まれる、活性光線硬化性モノマーの重合、或いは架橋反応が開始され、これにより、結果的に保護層2に十分な耐久性を付与することができる。
なお、本願明細書で言う活性光線硬化性モノマーとは、活性光線の照射により架橋、或いは重合する(硬化と称される場合もある)モノマーを意味する。また、本願明細書で言う活性光線とは、活性光線硬化性モノマーに対して化学的に作用し、活性光線硬化性モノマーの架橋、或いは重合を促進せしめる光線を意味し、具体的には、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等を挙げることができる。また、本願明細書で言う活性光線硬化性オリゴマーとは、繰り返しユニットの重合度が10以下のものを意味する。
以下、保護層2が、活性光線硬化性モノマーを含有している形態を中心に説明するが、活性光線硬化性モノマーにかえて、或いは、これとともに、活性光線硬化性オリゴマーを含有する保護層2としてもよい。この場合、「活性光線硬化性モノマー」とある記載を、「活性光線硬化性モノマー、及び活性光線硬化性オリゴマー」、或いは、「活性光線硬化性オリゴマー」と読み替えればよい。
活性光線硬化性モノマーとしては、活性光線の照射によって架橋、或いは重合反応が開始し、硬化されるモノマーであればよい。活性光線硬化性モノマーとしては、例えば、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート等のイソシアヌル酸アクリレート、ビスフェノールA型エポキシアクリレート等のエポキシアクリレート、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等の重合性不飽和結合を有するモノマー等を挙げることができる。また、活性光線硬化性オリゴマーとしては、これら活性光線硬化性モノマーの重合度を10以下としたオリゴマー等を挙げることができる。
また、活性光線硬化性モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、グリセロールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシヘキサノリドアクリレート、1,3−ジオキサンアルコールのε−カプロラクトン付加物のアクリレート、1,3−ジオキソランアクリレート等の単官能アクリル酸エステル類、あるいはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル、例えば、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングルコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ハイドロキノンジアクリレート、レゾルシンジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのジアクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートのジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物のジアクリレート、2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−ヒドロキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサンジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールアクリレート、トリシクロデカンジメチロールアクリレートのε−カプロラクトン付加物、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテルのジアクリレート等の2官能アクリル酸エステル類、あるいはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのε−カプロラクトン付加物、ピロガロールトリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールトリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ヒドロキシピバリルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリアクリレート等の多官能アクリル酸エステル酸、あるいはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル、ホスファゼンモノマー、トリエチレングリコール、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリメチロールプロパンアクリル酸安息香酸エステル、アルキレングリコールタイプアクリル酸変性、ウレタン変性アクリレート等を用いることもできる。
保護層2は、活性光線硬化性モノマーとして、1種を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
また、保護層2は、活性光線硬化性モノマー、或いは活性光線硬化性オリゴマーとして、エポキシ(メタ)アクレート、及びイソシアヌル酸(メタ)アクリレートの何れか一方、又は双方を含有していることが好ましい。エポキシ(メタ)アクレート、及びイソシアヌル酸(メタ)アクリレートを含有する保護層2によれば、当該保護層2に活性光線を照射することで、保護層2の耐久性をさらに向上させることができる。
活性光線硬化性モノマーの含有量について特に限定はなく、活性光線硬化性モノマーを含有する保護層2によれば、活性光線硬化性モノマーを含有している分だけ、活性光線硬化性モノマーを含有していない保護層と比較して、その膜強度を小さくすることができる。つまりは、箔切れ性の向上を図ることができる。好ましい形態の保護層2は、当該保護層2の総質量に対し、活性光線硬化性モノマーを5質量%以上100質量%以下の範囲で含有しており、より好ましい形態の保護層2は、活性光線硬化性モノマーを10質量%より多く60質量%以下の範囲で含有している。好ましい形態の保護層2によれば、転写層10を転写するときの箔切れ性と、熱転写シートの保存性のさらなる向上を図ることができる。また、保護層2の造膜性を良好なものとすることができる。
また、保護層2は、上記活性光線硬化性モノマーとともに、シリカを含有していることが好ましい。活性光線硬化性モノマーとともに、シリカを含有する保護層2によれば、活性光線を照射することで当該保護層2の耐久性をさらに向上させることができる。
シリカの粒子径について特に限定はないが、体積平均粒子径が10nm以上2μm以下のシリカが好ましい。詳細なメカニズムは現在のところ明らかとはなっていないが、体積平均粒子径が上記範囲のシリカが、保護層2中に存在している活性光線硬化性モノマーを吸着し、活性光線硬化性モノマーのブリードを抑制する補助的な役割を果たし、これにより、熱転写シートの保存性のさらなる向上を図ることができるものと推察される。また、体積平均粒子径が上記範囲のシリカを含有する保護層2とすることで、保護層2の耐久性のさらなる向上を図ることができる。なお、「体積平均粒子径」とは、JIS−Z−8819−2(2001)に準拠して測定される粒子径を意味し、粒度分布・粒径分布測定装置(ナノトラック粒度分布測定装置 日機装(株))を用いて測定したときの値である。
また、保護層2が、シリカを含有する場合には、保護層2は、活性光線硬化性モノマーの質量を、組成物中のシリカの質量で除した値が1.7以下となるように、活性光線硬化性モノマー、及びシリカを含有していることが好ましい。
また、保護層2は、上記活性光線硬化性モノマーとともに、他の成分を含有していてもよい。例えば、活性光線硬化性樹脂などを含有していてもよい。また、活性光線硬化性樹脂とは異なる樹脂成分を、活性光線硬化性樹脂とともに、或いは、これにかえて、含有していてもよい。また、各種のフィラーや、重合開始剤等を含有していてもよい。なお、活性光線硬化性モノマーとともに、活性光線硬化性樹脂を含有する保護層2とすることで、保護層2を形成するための保護層用塗工液の印刷適性の向上や、活性光線を照射後の保護層2の耐久性のさらなる向上を図ることができる。
保護層2の厚みについて特に限定はないが、1μm以上10μm以下の範囲が好ましく、2μm以上6μm以下の範囲がより好ましい。
保護層2の形成方法については特に制限はなく、活性光線硬化性モノマー、必要に応じて添加される各種の添加材を適当な溶剤に溶解または分散させた保護層用塗工液を調製し、この塗工液を、基材1、又は基材1上に任意に設けられる層(例えば、離型層)上に、塗布・乾燥して形成することができる。塗工液の塗布方法としては、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の塗布方法を挙げることができる。
(バリア層)
上記で説明したように、一実施形態の熱転写シート100は、転写層10を構成する保護層2が、活性光線硬化性モノマーを含有しており、この活性光線硬化性モノマーの存在によって、転写層10を転写するときの箔切れ性の向上が図られている。ところで、保護層2に活性光線硬化性モノマーを含有せしめた保護層2を必須の構成として備える一実施形態の熱転写シートにおいては、保護層2中に含まれる活性光線硬化性モノマーが、その表面にブリードし、保護層2の表面に局在化した状態で存在しやすくなる。また、当該保護層2上に、他の層を設けた場合には、保護層2の表面に局在化した状態で存在している活性光線硬化性モノマーが、さらに、当該他の層の表面までブリードし、最終的には、転写層の最表面までブリードする現象が生じやすくなる。そして、転写層の最表面まで、活性光線硬化性モノマーがブリードした場合には、当該転写層を備える熱転写シートを巻き状に保存等したときに、転写層の最表面と、基材の背面側とがブロッキングを起こす問題が生ずることとなる。
そこで、一実施形態の熱転写シート100では、活性光線硬化性モノマーを含有する保護層2とするが故に生じうるブロッキングの発生を抑制すべく、転写層10を、基材1側から、活性光線硬化性モノマーを含有する保護層2、バリア層3がこの順で積層されてなる構成とし、当該バリア層3に、アセチル基の含有量が15質量%以上のセルロース系樹脂を含有せしめている。なお、バリア層3は、アセチル基の含有量が15質量%以上のセルロース系樹脂として、1種を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
保護層2上に、アセチル基の含有量が15質量%以上のセルロース系樹脂を含有するバリア層3を設けることで、当該バリア層3が、活性光線硬化性モノマーのブリードを防ぐ役割を果たし、活性光線硬化性モノマーが、転写層10の最表面にブリードすることで生じうるブロッキングの発生を抑制することができる。なお、図1、図2に示す形態では、保護層2上に、直接的にバリア層3が設けられているが、バリア層3は、保護層2に含有されている活性光線硬化性モノマーが、転写層10の最表面にブリードすることを防止する役割を果たす層であり、保護層2と、バリア層3との間に他の層が設けられていてもよい。
なお、バリア層3が含有しているセルロース系樹脂を、アセチル基の含有量が15質量%以上のセルロース系樹脂としているのは、アセチル基の含有量が15質量%未満のセルロース系樹脂のみを含有するバリア層とした場合には、活性光線硬化性モノマーのブリードを十分に防止することができないことによる。つまりは、熱転写シートの保存性を十分に満足させることができないことによる。
好ましい形態のバリア層3は、セルロース系樹脂として、アセチル基の含有量が20質量%以上のセルロース系樹脂を含有している。好ましい形態のバリア層3とすることで、活性光線硬化性モノマーのブリードの防止性能をさらに向上させることができ、熱転写シートの保存性のさらなる向上を図ることができる。
アセチル基を15質量%以上含有するセルロース系樹脂としては、アセチルセルロース樹脂、例えば、酢酸セルロース(CA)樹脂、セルロースアセテートブチレート(CAB)樹脂、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)樹脂の中から、アセチル基の含有量が15質量%以上のアセチルセルロース樹脂を適宜選択すればよい。
アセチル基の含有量が15質量%以上のセルロース系樹脂の含有量について特に限定はなく、アセチル基の含有量が15質量%以上のセルロース系樹脂を含有しないバリア層、アセチル基の含有量が15質量%未満のセルロース系樹脂のみを含有するバリア層と比較して、活性光線硬化性モノマーのブリードの抑制効果を高めることができる。好ましい形態のバリア層3は、バリア層3の総質量に対し、アセチル基の含有量が15質量%以上のセルロース系樹脂を、40質量%以上含有しており、より好ましくは75質量%以上含有している。上限値について特に限定はなく、100質量%である。
バリア層3は、上記アセチル基の含有量が15質量%以上のセルロース系樹脂とともに、他の成分を含有していてもよい。例えば、アセチル基の含有量が15質量%未満のセルロース系樹脂や、これ以外の樹脂成分を含有していてもよい。例えば、図1に示すように、転写層10の最表面に位置する層をバリア層3とする場合には、バリア層3は、被転写体と、転写層10との密着性を向上させるための、接着成分を含有していてもよい。
バリア層3の厚みについて特に限定はないが、0.1μm以上10μm以下の範囲が好ましく、1μm以上5μm以下の範囲がより好ましい。
バリア層の形成方法については特に制限はなく、アセチル基の含有量が15質量%以上のセルロース系樹脂、必要に応じて添加される各種の添加材を適当な溶剤に溶解または分散させたバリア層用塗工液を調製し、この塗工液を、保護層2、又は保護層2上に任意に設けられる層上に、塗布・乾燥して形成することができる。
(着色層)
図2に示すように、転写層10は、保護層2、バリア層3以外の他の層を含んでいてもよい。図2に示す形態の転写層10は、基材1側から、保護層2、バリア層3、着色層4がこの順で積層されてなる構成を呈している。図2に示す形態の転写層10を備える熱転写シートによれば、1つの熱転写シート100を用いて、着色層4による熱転写画像の形成と、当該熱転写画像上への保護層2の転写を同時に行うことができる。
一例としての着色層4は、バインダー、及び着色剤を含有している。バインダーとしては、樹脂成分、或いはワックス成分等を挙げることができ、樹脂成分としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリブデン、石油樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、塩化ビニリデン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、フッ素樹脂、ポリビニルフォルマール、ポリビニルブチラール、アセチルセルロース、ニトロセルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリイソブチレン、エチルセルロース又はポリアセタール等を挙げることができる。また、ワックス成分としては、例えば、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、パラフィンワックス等がある。更に、フィッシャートロプシュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、ポリエステルワックス、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等、種々のワックス等を挙げることができる。
着色剤としては、従来公知の有機または無機の顔料、あるいは染料の中から適宜選択することができ、例えば、十分な着色濃度を有し、光、熱等により変色、退色しないものが好ましい。また、加熱により発色する物質や、被転写体の表面に塗布されている成分と接触することにより発色するような物質であってもよい。着色剤の色としては、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックに限定されるものではなく、種々の色の着色剤を使用することができる。例えば、蛍光顔料等を用いることもできる。
(接着層)
また、転写層10の最表面に位置する層、つまりは、転写層10を転写したときに、被転写体と接する層を接着層(図示しない)としてもよい。接着層は、被転写体が、転写層10との密着性を有していない場合に好適な形態である。例えば、転写層10を、基材1側から、保護層2、バリア層3、着色層、接着層がこの順で積層されてなる積層構成としてもよい。また、これ以外の組合せとしてもよい。
接着層5の成分としては、例えば、アイオノマー樹脂、酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系・メタクリル系などの(メタ)アクリル系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、マレイン酸樹脂、ブチラール系樹脂、アルキッド樹脂、ポリエチレンオキサイド樹脂、フェノール系樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、メラミン−アルキッド樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系樹脂などを挙げることができる。
(剥離層)
図1、図2に示す形態では、転写層10を構成する層のうち、基材1から最も近くに、保護層2が位置しているが、転写層10を構成する層のうち、基材1から最も近くに、剥離層(図示しない)を設けることもできる。剥離層を設けることで、転写層10の転写性(剥離性と称される場合もある)を向上させることができる。
剥離層を構成する成分としては、例えば、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂及び熱架橋性アルキッド−アミノ樹脂等を挙げることができる。
(離型層)
また、基材1と転写層10との間に離型層(図示しない)を設けてもよい。なお、離型層は、転写層10を構成しない層である。つまりは、転写層10を転写したときに、基材1側に残存する層である。基材1と転写層10との間に離型層を設けることで、転写層10の転写性の向上を図ることができる。
離型層の成分としては、例えば、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂及び熱架橋性アルキッド−アミノ樹脂等を挙げることができる。
(背面層)
また、基材1の他方の面に、背面層(図示しない)を設けてもよい。なお、背面層は一実施形態の熱転写シートにおける任意の構成である。
背面層は、従来公知の熱可塑性樹脂等を適宜選択して形成することができる。このような、熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂、これらのシリコーン変性物等が挙げられる。中でも、耐熱性等の点から、ポリアミドイミド系樹脂又はそのシリコーン変性物等を好ましく用いることができる。また、これらの樹脂は、硬化剤によって硬化されたものであってもよい。硬化剤としては、例えば、イソシアネート系硬化剤などを挙げることができる。
また、背面層には、上記熱可塑性樹脂に加え、スリップ性を向上させる目的で、ワックス、高級脂肪酸アミド、リン酸エステル化合物、金属石鹸、シリコーンオイル、界面活性剤等の離型剤、フッ素樹脂等の有機粉末、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム等の無機粒子等の各種添加材が含有されていることが好ましく、リン酸エステル又は金属石鹸の少なくとも1種が含有されていることが特に好ましい。
背面層は、例えば、上記熱可塑性樹脂、必要に応じて添加される各種添加材を適当な溶媒に分散又は溶解させた背面層用塗工液を、基材1の他方の面上に、塗布・乾燥することにより形成することができる。背面層の厚みは、耐熱性等の向上等の点から、0.1μm以上5μm以下の範囲が好ましく、0.3μm以上2μm以下の範囲がより好ましい。
(印画物の製造方法)
次に、本発明の一実施形態の印画物の製造方法(以下、一実施形態の印画物の製造方法と言う)について説明する。
一実施形態の印画物の製造方法は、転写層を備える熱転写シートと、被転写体とを組み合わせ、被転写体上に、熱転写シートの転写層を転写する工程を含み、熱転写シートが、基材の一方の面上に転写層が設けられ、転写層が、基材側から、保護層、バリア層がこの順で積層されてなる積層構成を呈し、保護層が、活性光線硬化性モノマー、及び活性光線硬化性オリゴマーの何れか一方又は双方を含有しており、バリア層が、アセチル基の含有量が15質量%以上のセルロース系樹脂を含有している熱転写シートであり、被転写体上に熱転写シートの転写層を転写したのちに、当該転写層に活性光線を照射する工程を、さらに含む、ことを特徴としている。
この特徴を有する一実施形態の熱転写シートによれば、被転写体上に、熱転写シートの転写層を箔切れ性よく転写することができ、且つ、画像の耐久性を良好なものとすることができる。
(被転写体)
一実施形態の印画物の製造方法に用いられる被転写体について特に限定はなく、例えば、普通紙、上質紙、トレーシングペーパー、プラスチックフィルム、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネートを主体として構成されるプラスチックカード等を挙げることができる。被転写体として所定の画像を有するものを用いることもできる。
(熱転写シート)
一実施形態の印画物の製造方法に用いられる熱転写シートは、上記で説明した一実施形態の熱転写シート100を適宜選択して用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。
<転写層を転写する工程>
本工程は、被転写体と、熱転写シート100の転写層10とが対向するように重ね合わせ、サーマルヘッド等の加熱デバイスを用いて、被転写体上に、転写層10を転写する工程である。転写層10を転写する方法について特に限定はなく、サーマルヘッド等による加熱デバイスを用いる方法の他、例えば、ホットスタンプ方式や、ヒートロール方式等を用いることができる。また、これ以外の方式により転写層10を転写することもできる。
本工程において、熱転写シートとして、図2に示すような着色層を有する熱転写シートを用いた場合には、被転写体上に、熱転写画像の形成と、当該熱転写画像上への保護層の転写を一括して行うことができる。なお、着色層を有する別途の熱転写シートを用いて、被転写体上に熱転写画像を形成し、次いで、保護層を含む転写層を、熱転写画像上に転写して、保護層による熱転写画像の保護を行ってもよい。また、予め、熱転写多像が形成された被転写体を用いてもよい。
<活性光線を照射する工程>
本工程は、被転写体上に転写された転写層に、活性光線を照射する工程である。本工程を経ることで、転写層を構成する保護層に含まれる、活性光線硬化性モノマーの硬化反応が開始され、活性光線硬化性モノマー、或いは活性光線硬化性オリゴマーが重合、或いは架橋されてなる活性光線硬化樹脂を含有する保護層となる。
一実施形態の印画物の製造方法では、転写層を転写する前の段階では、転写層に活性光線を照射せず、つまりは、保護層に含まれる活性光線硬化性モノマー、或いは活性光線硬化性オリゴマーを硬化させていないことから、被転写体上に転写層を転写するときの、転写層の箔切れ性を良好なものとすることができる。また、被転写体上に転写層を転写したのちに、保護層に含まれる活性光線硬化性モノマー、或いは活性光線硬化性オリゴマーを硬化させることで、保護層の耐久性を良好なものとすることができる。
活性光線として、紫外線を照射する場合には、従来公知の紫外線照射装置を用いることができ、例えば、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ、無電極紫外線ランプ、LED等、種々のものを使用することができる。また、また、活性光線の照射として、電子線を照射する場合には、100keV以上300keV以下のエネルギーで電子線を照射する高エネルギー型電子線照射装置や100keV以下のエネルギーで電子線を照射する低エネルギー型電子線照射装置等を用いることができる。また、照射方式も、走査型やカーテン型いずれの方式の照射装置であってもよい。
転写層の転写、及び活性光線の照射は、異なる装置を用いて行ってもよく、転写層を転写するための転写機構、及び活性光線を照射するための照射機構を備える装置を用いて行ってもよい。例えば、転写層を転写するための転写機構、及び活性光線を照射するための照射機構を備えるプリンタを用い、当該プリンタ内において、転写層を転写する工程、及び活性光線を照射する工程を一括して行ってもよい。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部または%は質量基準である。
(実施例1)
基材として厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、この基材の一方の面に下記組成の保護層用塗工液1を、乾燥時の厚みが3μmとなるように塗布・乾燥して保護層を形成した。次いで、保護層上に下記組成のバリア層用塗工液1を、乾燥時の厚みが1μmとなるように塗布・乾燥して接着層を形成した。次いで、バリア層上に下記組成の着色層用塗工液を、乾燥時の厚みが1μmとなるように塗布・乾燥して接着層を形成した。また、基材の他方の面に下記組成の背面層用塗工液を、乾燥時の厚みが0.8μmとなるように塗布・乾燥して背面層を形成することで、基材の一方の面に、保護層、バリア層、着色層がこの順で積層されてなる転写層が設けられ、基材の他方の面に背面層が設けられた実施例1の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液1>
・光硬化性アクリル酸エステル共重合体 56部
・エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート 9部
(A9300 新中村化学工業(株))
・シリカ(体積平均粒子径 12nm) 30部
(AC−2140Z 日産化学工業(株))
・レベリング剤 1部
(LF−1984 楠本化学(株))
・ラジカルトラップ剤 0.5部
(スミライザーGS 住友化学(株))
・光重合開始剤 3.5部
(イルガキュア184 BASFジャパン社)
・メチルエチルケトン 50部
・トルエン 50部
<バリア層用塗工液1>
・セルロース系樹脂(アセチル基含有量17.5質量%) 20部
(CAB−321−0.1 イーストマンケミカルジャパン(株))
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
<着色層用塗工液>
・カーボンブラック分散体 100部
(固形分46%、カーボンブラック40部、分散剤6部、メチルエチルケトン27部、トルエン27部)
・アクリル系樹脂 32部
(ダイヤナール(登録商標)BR−83 三菱ケミカル(株))
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 8部
(ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株))
・メチルエチルケトン 25部
・トルエン 25部
<背面層用塗工液>
・ポリビニルブチラール樹脂 2部
(エスレック(登録商標)BX−1 積水化学工業(株))
・リン酸エステル系界面活性剤 1.3部
(プライサーフ(登録商標)A208N 第一工業製薬(株))
・タルク 0.3部
(ミクロエース(登録商標)P−3 日本タルク工業(株))
・ポリイソシアネート(固形分75%) 9.2部
(バーノック(登録商標)D750 DIC(株))
・メチルエチルケトン 43.6部
・トルエン 43.6部
(実施例2)
保護層用塗工液1を、下記組成の保護層用塗工液2に変更して保護層を形成し、バリア層用塗工液1を下記組成のバリア層用塗工液2に変更してバリア層を形成した以外は、すべて実施例1と同様にして、実施例2の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液2>
・光硬化性アクリル酸エステル共重合体 65部
・エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート 10部
(A9300 新中村化学工業(株))
・シリカ(体積平均粒子径 12nm) 20部
(AC−2140Z 日産化学工業(株))
・レベリング剤 1部
(LF−1984 楠本化学(株))
・ラジカルトラップ剤 0.5部
(スミライザーGS 住友化学(株))
・光重合開始剤 3.5部
(イルガキュア184 BASFジャパン社)
・メチルエチルケトン 50部
・トルエン 50部
<バリア層用塗工液2>
・セルロース系樹脂(アセチル基含有量29.5質量%) 10部
(CAB−171−15 イーストマンケミカルジャパン(株))
・メチルエチルケトン 45部
・トルエン 45部
(実施例3)
保護層用塗工液1を、下記組成の保護層用塗工液3に変更して保護層を形成した以外は、すべて実施例1と同様にして、実施例3の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液3>
・光硬化性アクリル酸エステル共重合体 65部
・エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート 10部
(A9300 新中村化学工業(株))
・シリカ(体積平均粒子径 12nm) 20部
(アエロジル(登録商標)R974 日本アエロジル(株))
・レベリング剤 1部
(LF−1984 楠本化学(株))
・ラジカルトラップ剤 0.5部
(スミライザーGS 住友化学(株))
・光重合開始剤 3.5部
(イルガキュア184 BASFジャパン社)
・メチルエチルケトン 50部
・トルエン 50部
(実施例4)
保護層用塗工液1を、下記組成の保護層用塗工液4に変更して保護層を形成した以外は、すべて実施例1と同様にして、実施例4の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液4>
・光硬化性アクリル酸エステル共重合体 65部
・エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート 10部
(A9300 新中村化学工業(株))
・シリカ(体積平均粒子径 4.0μm) 20部
(トスパール240 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)
・レベリング剤 1部
(LF−1984 楠本化学(株))
・ラジカルトラップ剤 0.5部
(スミライザーGS 住友化学(株))
・光重合開始剤 3.5部
(イルガキュア184 BASFジャパン社)
・メチルエチルケトン 50部
・トルエン 50部
(実施例5)
バリア層用塗工液1を、上記組成のバリア層用塗工液2に変更してバリア層を形成した以外は、すべて実施例1と同様にして、実施例5の熱転写シートを得た。
(実施例6)
保護層用塗工液1を、下記組成の保護層用塗工液5に変更して保護層を形成した以外は、すべて実施例1と同様にして、実施例6の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液5>
・光硬化性アクリル酸エステル共重合体 58部
・エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート 17部
(A9300 新中村化学工業(株))
・シリカ(体積平均粒子径 12nm) 20部
(AC−2140Z 日産化学工業(株))
・レベリング剤 1部
(LF−1984 楠本化学(株))
・ラジカルトラップ剤 0.5部
(スミライザーGS 住友化学(株))
・光重合開始剤 3.5部
(イルガキュア184 BASFジャパン社)
・メチルエチルケトン 50部
・トルエン 50部
(実施例7)
保護層用塗工液1を、下記組成の保護層用塗工液6に変更して保護層を形成した以外は、すべて実施例1と同様にして、実施例7の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液6>
・光硬化性アクリル酸エステル共重合体 73部
・エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート 12部
(A9300 新中村化学工業(株))
・シリカ(体積平均粒子径 12nm) 10部
(AC−2140Z 日産化学工業(株))
・レベリング剤 1部
(LF−1984 楠本化学(株))
・ラジカルトラップ剤 0.5部
(スミライザーGS 住友化学(株))
・光重合開始剤 3.5部
(イルガキュア184 BASFジャパン社)
・メチルエチルケトン 50部
・トルエン 50部
(実施例8)
保護層用塗工液1を、下記組成の保護層用塗工液7に変更して保護層を形成した以外は、すべて実施例1と同様にして、実施例8の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液7>
・光硬化性アクリル酸エステル共重合体 41部
・エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート 34部
(A9300 新中村化学工業(株))
・シリカ(体積平均粒子径 12nm) 20部
(AC−2140Z 日産化学工業(株))
・レベリング剤 1部
(LF−1984 楠本化学(株))
・ラジカルトラップ剤 0.5部
(スミライザーGS 住友化学(株))
・光重合開始剤 3.5部
(イルガキュア184 BASFジャパン社)
・メチルエチルケトン 50部
・トルエン 50部
(実施例9)
保護層用塗工液1を、下記組成の保護層用塗工液8に変更して保護層を形成した以外は、すべて実施例1と同様にして、実施例9の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液8>
・光硬化性アクリル酸エステル共重合体 24部
・エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート 51部
(A9300 新中村化学工業(株))
・シリカ(体積平均粒子径 12nm) 20部
(AC−2140Z 日産化学工業(株))
・レベリング剤 1部
(LF−1984 楠本化学(株))
・ラジカルトラップ剤 0.5部
(スミライザーGS 住友化学(株))
・光重合開始剤 3.5部
(イルガキュア184 BASFジャパン社)
・メチルエチルケトン 50部
・トルエン 50部
(実施例10)
保護層用塗工液1を、下記組成の保護層用塗工液9に変更して保護層を形成した以外は、すべて実施例1と同様にして、実施例10の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液9>
・光硬化性アクリル酸エステル共重合体 86部
・エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート 9部
(A9300 新中村化学工業(株))
・レベリング剤 1部
(LF−1984 楠本化学(株))
・ラジカルトラップ剤 0.5部
(スミライザーGS 住友化学(株))
・光重合開始剤 3.5部
(イルガキュア184 BASFジャパン社)
・メチルエチルケトン 50部
・トルエン 50部
(実施例11)
バリア層用塗工液1を下記組成のバリア層用塗工液3に変更してバリア層を形成した以外は、すべて実施例1と同様にして、実施例11の熱転写シートを得た。
<バリア層用塗工液3>
・セルロース系樹脂(アセチル基含有量39.8質量%) 10部
(CA−398−3 イーストマンケミカルジャパン(株))
・メチルエチルケトン 45部
・トルエン 45部
(実施例12)
バリア層用塗工液1を下記組成のバリア層用塗工液4に変更してバリア層を形成した以外は、すべて実施例1と同様にして、実施例12の熱転写シートを得た。
<バリア層用塗工液4>
・セルロース系樹脂(アセチル基含有量39.5質量%) 10部
(CA−398−30 イーストマンケミカルジャパン(株))
・メチルエチルケトン 45部
・トルエン 45部
(実施例13)
保護層用塗工液1を、下記組成の保護層用塗工液10に変更して保護層を形成し、バリア層用塗工液1を上記組成のバリア層用塗工液2に変更してバリア層を形成した以外は、すべて実施例1と同様にして、実施例13の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液10>
・光硬化性アクリル酸エステル共重合体 56部
・エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート 5部
(A9300 新中村化学工業(株))
・ビスフェノールA型エポキシアクリレート 4部
(EA−1020 新中村化学工業(株))
・シリカ(体積平均粒子径 12nm) 30部
(AC−2140Z 日産化学工業(株))
・レベリング剤 1部
(LF−1984 楠本化学(株))
・ラジカルトラップ剤 0.5部
(スミライザーGS 住友化学(株))
・光重合開始剤 3.5部
(イルガキュア184 BASFジャパン社)
・メチルエチルケトン 50部
・トルエン 50部
(実施例14)
保護層用塗工液1を、下記組成の保護層用塗工液11に変更して保護層を形成し、バリア層用塗工液1を上記組成のバリア層用塗工液2に変更してバリア層を形成した以外は、すべて実施例1と同様にして、実施例14の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液11>
・光硬化性アクリル酸エステル共重合体 56部
・ビスフェノールA型エポキシアクリレート 9部
(EA−1020 新中村化学工業(株))
・シリカ(体積平均粒子径 12nm) 30部
(AC−2140Z 日産化学工業(株))
・レベリング剤 1部
(LF−1984 楠本化学(株))
・ラジカルトラップ剤 0.5部
(スミライザーGS 住友化学(株))
・光重合開始剤 3.5部
(イルガキュア184 BASFジャパン社)
・メチルエチルケトン 50部
・トルエン 50部
(実施例15)
バリア層用塗工液1を下記組成のバリア層用塗工液5に変更してバリア層を形成した以外は、すべて実施例1と同様にして、実施例15の熱転写シートを得た。
<バリア層用塗工液5>
・セルロース系樹脂(アセチル基含有量29.5質量%) 3部
(CAB−171−15 イーストマンケミカルジャパン(株))
・セルロース系樹脂(アセチル基含有量13.5%) 7部
(CAB−381−0.1 イーストマンケミカルジャパン(株))
・メチルエチルケトン 45部
・トルエン 45部
(実施例16)
バリア層用塗工液1を下記組成のバリア層用塗工液6に変更してバリア層を形成した以外は、すべて実施例1と同様にして、実施例16の熱転写シートを得た。
<バリア層用塗工液6>
・セルロース系樹脂(アセチル基含有量29.5質量%) 5部
(CAB−171−15 イーストマンケミカルジャパン(株))
・セルロース系樹脂(アセチル基含有量13.5質量%) 5部
(CAB−381−0.1 イーストマンケミカルジャパン(株))
・メチルエチルケトン 45部
・トルエン 45部
(実施例17)
バリア層用塗工液1を下記組成のバリア層用塗工液7に変更してバリア層を形成した以外は、すべて実施例1と同様にして、実施例17の熱転写シートを得た。
<バリア層用塗工液7>
・セルロース系樹脂(アセチル基含有量29.5質量%) 7部
(CAB−171−15 イーストマンケミカルジャパン(株))
・セルロース系樹脂(アセチル基含有量13.5質量%) 3部
(CAB−381−0.1 イーストマンケミカルジャパン(株))
・メチルエチルケトン 45部
・トルエン 45部
(実施例18)
バリア層用塗工液1を下記組成のバリア層用塗工液8に変更してバリア層を形成した以外は、すべて実施例1と同様にして、実施例18の熱転写シートを得た。
<バリア層用塗工液8>
・セルロース系樹脂(アセチル基含有量29.5質量%) 8部
(CAB−171−15 イーストマンケミカルジャパン(株))
・セルロース系樹脂(アセチル基含有量13.5質量%) 2部
(CAB−381−0.1 イーストマンケミカルジャパン(株))
・メチルエチルケトン 45部
・トルエン 45部
(実施例19)
バリア層用塗工液1を下記組成のバリア層用塗工液9に変更してバリア層を形成した以外は、すべて実施例1と同様にして、実施例19の熱転写シートを得た。
<バリア層用塗工液9>
・セルロース系樹脂(アセチル基含有量29.5質量%) 5部
(CAB−171−15 イーストマンケミカルジャパン(株))
・アクリル系樹脂 5部
(ダイヤナール(登録商標)BR−87 三菱ケミカル(株))
・メチルエチルケトン 45部
・トルエン 45部
(実施例20)
バリア層用塗工液1を下記組成のバリア層用塗工液10に変更してバリア層を形成した以外は、すべて実施例1と同様にして、実施例20の熱転写シートを得た。
<バリア層用塗工液10>
・セルロース系樹脂(アセチル基含有量29.5質量%) 8部
(CAB−171−15 イーストマンケミカルジャパン(株))
・アクリル系樹脂 2部
(ダイヤナール(登録商標)BR−87 三菱ケミカル(株))
・メチルエチルケトン 45部
・トルエン 45部
(比較例1)
バリア層用塗工液1を下記組成のバリア層用塗工液Aに変更してバリア層を形成した以外は、すべて実施例1と同様にして、比較例1の熱転写シートを得た。
<バリア層用塗工液A>
・セルロース系樹脂(アセチル基含有量2質量%) 10部
(CAB−551−0.2 イーストマンケミカルジャパン(株))
・メチルエチルケトン 45部
・トルエン 45部
(比較例2)
バリア層用塗工液1を下記組成のバリア層用塗工液Bに変更してバリア層を形成した以外は、すべて実施例1と同様にして、比較例2の熱転写シートを得た。
<バリア層用塗工液B>
・セルロース系樹脂(アセチル基含有量13.5質量%) 10部
(CAB−381−0.1 イーストマンケミカルジャパン(株))
・メチルエチルケトン 45部
・トルエン 45部
(比較例3)
バリア層用塗工液1を下記組成のバリア層用塗工液Cに変更してバリア層を形成した以外は、すべて実施例1と同様にして、比較例3の熱転写シートを得た。
<バリア層用塗工液C>
・セルロース系樹脂(アセチル基含有量13.5質量%) 10部
(CAB−381−0.5 イーストマンケミカルジャパン(株))
・メチルエチルケトン 45部
・トルエン 45部
(比較例4)
バリア層用塗工液1を下記組成のバリア層用塗工液Dに変更してバリア層を形成した以外は、すべて実施例1と同様にして、比較例4の熱転写シートを得た。
<バリア層用塗工液D>
・セルロース系樹脂(アセチル基含有量13.5質量%) 10部
(CAB−381−2 イーストマンケミカルジャパン(株))
・メチルエチルケトン 45部
・トルエン 45部
(比較例5)
バリア層用塗工液1を下記組成のバリア層用塗工液Eに変更してバリア層を形成した以外は、すべて実施例1と同様にして、比較例5の熱転写シートを得た。
<バリア層用塗工液E>
・セルロース系樹脂(アセチル基含有量2.5質量%) 10部
(CAP−482−0.5 イーストマンケミカルジャパン(株))
・メチルエチルケトン 45部
・トルエン 45部
(比較例6)
バリア層用塗工液1を下記組成のバリア層用塗工液Fに変更してバリア層を形成した以外は、すべて実施例1と同様にして、比較例6の熱転写シートを得た。
<バリア層用塗工液F>
・セルロース系樹脂(アセチル基含有量2.5質量%) 10部
(CAP−482−20 イーストマンケミカルジャパン(株))
・メチルエチルケトン 45部
・トルエン 45部
(比較例7)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Aに変更して保護層を形成し、バリア層用塗工液1を上記組成のバリア層用塗工液2に変更してバリア層を形成した以外は、すべて実施例1と同様にして、比較例7の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液A>
・光硬化性アクリル酸エステル共重合体 65部
・シリカ(体積平均粒子径 12nm) 30部
(AC−2140Z 日産化学工業(株))
・レベリング剤 1部
(LF−1984 楠本化学(株))
・ラジカルトラップ剤 0.5部
(スミライザーGS 住友化学(株))
・光重合開始剤 3.5部
(イルガキュア184 BASFジャパン社)
・メチルエチルケトン 50部
・トルエン 50部
(比較例8)
バリア層用塗工液1を下記組成のバリア層用塗工液Gに変更してバリア層を形成した以外は、すべて実施例1と同様にして、比較例8の熱転写シートを得た。
<バリア層用塗工液G>
・アクリル系樹脂(分子量95000) 10部
(ダイヤナール(登録商標)BR−80 三菱ケミカル(株))
・メチルエチルケトン 45部
・トルエン 45部
(比較例9)
バリア層用塗工液1を下記組成のバリア層用塗工液Hに変更してバリア層を形成した以外は、すべて実施例1と同様にして、比較例9の熱転写シートを得た。
<バリア層用塗工液H>
・アクリル系樹脂(分子量40000) 10部
(ダイヤナール(登録商標)BR−83 三菱ケミカル(株))
・メチルエチルケトン 45部
・トルエン 45部
(比較例10)
バリア層用塗工液1を下記組成のバリア層用塗工液Iに変更してバリア層を形成した以外は、すべて実施例1と同様にして、比較例10の熱転写シートを得た。
<バリア層用塗工液I>
・アクリル系樹脂(分子量25000) 10部
(ダイヤナール(登録商標)BR−87 三菱ケミカル(株))
・メチルエチルケトン 45部
・トルエン 45部
(比較例11)
実施例2の熱転写シートに、UV照射装置(TEXEL UV−015)を用いて、積算光量:0.6J/cm2の条件で、UV照射を行ったものを、比較例11の熱転写シートとした。
(保存性評価)
各実施例、及び比較例の熱転写シートを5cm×5cmの大きさにカットしたサンプルを2枚ずつ作製した。次いで、この2枚のサンプルを、一方の着色層と、他方の背面層とが接するように重ね合せた。次いで、重ね合せたサンプルに、ブロッキングテスター(定荷重圧縮試験機 東洋製作所(株))で、29kgf/cm2(1.47MPa)の荷重をかけ、50℃ 14% 65h、40℃ 90% 65hで保存したのち、2枚のサンプルを手で剥がし、下記評価基準に基づいて、保存性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
「評価基準」
A:50℃ 14% 65h、40℃ 90% 65hの両条件で貼りつき無く軽くはがれ、剥がした際に背面層に着色層が付着していない。
B:50℃ 14% 65h、40℃ 90% 65hの一方、或いは双方で少し貼りつきがあるものの、剥がした際に背面層に着色層が付着していない。
C:50℃ 14% 65h、40℃ 90% 65hの一方、或いは双方で、剥がした際に背面層に着色層が付着しているが、使用上問題ないレベルである。
NG:50℃ 14% 65h、40℃ 90% 65hの一方、或いは双方で、剥がした際に背面層に着色層が、使用上問題となるレベルまで付着している。
(印画物の形成)
被転写体として、厚みが0.8μmの塩化ビニル製のカードを用い、被転写体と各実施例、及び比較例の熱転写シートを組み合わせ、下記条件で、被転写体上の全面に、転写層の転写を行った。次いで、被転写体上に転写された転写層に、UV照射装置(TEXEL UV−015)を用いて、積算光量:0.6J/cm2の条件で、UV照射を行うことで、各実施例、及び比較例の印画物を得た。なお、比較例11については、UV照射を行っていない。
「転写層の転写条件」
・発熱体抵抗値:5241(Ω)
・主走査方向印字密度:300(dpi)
・副走査方向印字密度:300(dpi)
・印画電圧:18(V)
・ライン周期:2(msec./line)
・パルスDuty:85(%)
・印画速度:42.3(mm/sec)
(耐久性評価)
上記で作成した各実施例の印画物の表面の耐久性を、ANSI−INCITS322−2002、5.9 Surface Abrasionに準拠して、テーバー式摩耗試験機(No.410 (株)東洋精機製作所)で実施した。100サイクル毎に、摩耗部の反射濃度をRD918(X−Rite社)で測定し、摩耗前の濃度に対して、50%未満となった時点で、摩耗を終了し、下記評価基準に基づいて、耐久性の評価を行った。評価結果を表1に示す。なお、耐久性の評価は、実施例の熱転写シートについてのみ行った。
「評価基準」
A:テーバー400サイクル以上
B:テーバー300サイクル以上400サイクル未満
C:テーバー200サイクル以上300サイクル未満
D:テーバー100サイクル以上200サイクル未満
NG:テーバー100サイクル未満
(箔切れ性評価)
被転写体上に転写層を、バーコードパターンで転写した以外は、すべて上記印画物の形成と同じ条件で、転写層をバーコードパターンとした各実施例、及び比較例の印画物を得た。各実施例、比較例の印画物のバーコードパターンを、スキャナーで取り込み、元画像(基準となるバーコードパターン)と比較し、下記評価基準に基づいて、箔切れ性の評価を行った。なお、元画像の再現率が高いほど、転写層が正確に転写されており、箔切れ性が良好であることを示している。評価結果を表1に併せて示す。
「評価基準」
A:元画像に対する再現率が95%以上
B:元画像に対する再現率が85%以上95%未満
NG:元画像に対する再現率が85%未満
Figure 2019022957
1…基材
2…保護層
3…バリア層
10…転写層
100…熱転写シート

Claims (6)

  1. 基材の一方の面上に、転写層が設けられた熱転写シートであって、
    前記転写層は、前記基材側から、保護層、バリア層がこの順で積層されてなる積層構成を呈しており、
    前記保護層が、活性光線硬化性モノマー、及び活性光線硬化性オリゴマーの何れか一方又は双方を含有しており、
    前記バリア層が、アセチル基の含有量が15質量%以上のセルロース系樹脂を含有していることを特徴とする熱転写シート。
  2. 前記保護層が、シリカを含有していることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
  3. 前記活性光線硬化性モノマー、及び活性光線硬化性オリゴマーの含有量を、前記シリカの含有量で除した値が1.7以下であることを特徴とする請求項2に記載の熱転写シート。
  4. 前記活性光線硬化性モノマー、又は活性光線硬化性オリゴマーが、イソシアヌル酸(メタ)アクリレート、又はエポキシ(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の熱転写シート。
  5. 印画物の製造方法であって、
    転写層を備える熱転写シートと、被転写体とを組み合わせ、
    前記被転写体上に、前記熱転写シートの前記転写層を転写する工程を含み、
    前記熱転写シートが、基材の一方の面上に転写層が設けられ、前記転写層が、前記基材側から、保護層、バリア層がこの順で積層されてなる積層構成を呈し、前記保護層が、活性光線硬化性モノマー、及び活性光線硬化性オリゴマーの何れか一方又は双方を含有しており、前記バリア層が、アセチル基の含有量が15質量%以上のセルロース系樹脂を含有している熱転写シートであり、
    前記被転写体上に前記熱転写シートの転写層を転写したのちに、当該転写層に活性光線を照射する工程を、さらに含む、
    ことを特徴とする印画物の製造方法。
  6. 前記転写層を転写する工程、及び活性光線を照射する工程を、同一のプリンタ内で行うことを特徴とする請求項5に記載の印画物の製造方法。
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