JP2019022913A - ロボットアーム機構及び回転関節機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構造にして、安全信頼性の高いロボットアーム機構及び回転関節機構を提供すること。
【解決手段】ロボットアーム機構は、回転台座201に回転自在に回転体202が支持されてなる少なくとも一つの回転関節部を装備する回転台座201と回転体202との一方にはストッパロッド206が取り付けられる。回転台座201と回転体202との他方には少なくとも一つの第1ストッパブロック204が取り付けられる。回転台座201と回転体202との他方には少なくとも一つの第2ストッパブロック207が取り付けられる。ストッパロッド206が第1、第2ストッパブロック204,207に当接することにより回転体202の回転が係止される。第1ストッパブロック204は回転関節部の機構上の作動範囲に対応した位置に取り付けられ、第2ストッパブロック207はロボットアーム機構の安全上の可動範囲に対応した位置に取り付けられる。
【選択図】 図4
【解決手段】ロボットアーム機構は、回転台座201に回転自在に回転体202が支持されてなる少なくとも一つの回転関節部を装備する回転台座201と回転体202との一方にはストッパロッド206が取り付けられる。回転台座201と回転体202との他方には少なくとも一つの第1ストッパブロック204が取り付けられる。回転台座201と回転体202との他方には少なくとも一つの第2ストッパブロック207が取り付けられる。ストッパロッド206が第1、第2ストッパブロック204,207に当接することにより回転体202の回転が係止される。第1ストッパブロック204は回転関節部の機構上の作動範囲に対応した位置に取り付けられ、第2ストッパブロック207はロボットアーム機構の安全上の可動範囲に対応した位置に取り付けられる。
【選択図】 図4
Description
本発明の実施形態はロボットアーム機構及び回転関節機構に関する。
近年ロボットがユーザと同一空間にいる環境が多くなってきている。介護用ロボットはもちろん産業用ロボットでも作業者の近傍で作業を行なう状況の可能性が検討されている。この状況が実現すれば例えば健常者と同様に障害者が作業をすることができる。
発明者らが実用化を実現した直動伸縮関節部を備えた垂直多関節アーム機構は肘関節がなく、特異点もないことから、ロボット装置が作業者と協働して作業できる環境を実現している。このような作業員の近傍に設置され、作業員と協働することを目的としたロボットでは当然にしてより信頼性の高い安全レベルが必要とされる。
ソフトリミットで可動範囲を制限することが一般的に行なわれているが、作業者の設定ミス、さらにシステム暴走や原点の位置ずれ等の非常事態に備えるためにロボットを安全柵で囲むことが安全信頼性の確保の観点から必要とされる。
しかしロボットを安全柵で囲むことは作業員と協働するロボットでは作業性が低下する恐れがある。またロボットを移動させて、異なる協働タスクを実行させる状況ではその都度安全柵を再設置する必要もあり、ダウンタイムが長時間化するだけでなく作業負担が増加し非常に煩わしい。
目的は、簡易な構造にして、安全信頼性の高いロボットアーム機構及び回転関節機構を提供することにある。
本実施形態に係るロボットアーム機構は、回転台座に回転自在に回転体が支持されてなる少なくとも一つの回転関節部を装備する。前記回転台座と前記回転体との一方にはストッパロッドが取り付けられる。前記回転台座と前記回転体との他方には少なくとも一つの第1ストッパブロックが取り付けられる。前記回転台座と前記回転体との他方には少なくとも一つの第2ストッパブロックが取り付けられる。前記ストッパロッドが前記第1、第2ストッパブロックに当接することにより前記回転体の回転が係止される。前記第1ストッパブロックは前記回転関節部の機構上の作動範囲に対応した位置に取り付けられ、前記第2ストッパブロックは前記ロボットアーム機構の安全上の可動範囲に対応した位置に取り付けられる。
以下、図面を参照しながら本実施形態に係るロボットアーム機構を説明する。以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
図1は、本実施形態に係るロボットアーム機構の外観斜視図である。このロボットアーム機構は垂直多関節型である。基台1には円筒体をなす支柱部2が設置される。支柱部2は第1関節部J1を収容する。第1関節部J1はねじり回転軸RA1を備える。回転軸RA1は鉛直方向に平行である。第1関節部J1の回転によりアーム部5は水平に旋回する。支柱部2は下部2−1と上部2−2とからなる。下部2−1は第1関節部J1の固定部に接続される。上部2−2は第1関節部J1の回転部に接続される。円筒体をなす支柱部2の内部中空には後述する第3関節部J3の第1、第2コマ列51,52が収納される。支柱部2の上部2−2には第2関節部J2を収容する起伏部4が設置される。第2関節部J2は曲げ関節である。第2関節部J2の回転軸RA2は水平である。第2関節部J2はその回転軸RA2が、第1関節部J1の回転軸RA1に対して交差しないよう、支柱部2の上部2−2に設置される。第2関節部J2の回転によりアーム部5は上下に起伏する。第3関節部J3は直動伸縮機構により提供される。詳細は後述するが、直動伸縮機構は発明者らが新規に開発した構造を備えており、いわゆる直動関節とは明確に区別される。第3関節部J3によりアーム部5がその中心軸(移動軸RA3)に沿って直線的剛性を維持した状態で前後に伸縮する。
アーム部5の先端には手首部6が取り付けられる。手首部6は第4〜第6関節部J4〜J6を装備する。第4〜第6関節部J4〜J6はそれぞれ直交3軸の回転軸RA4〜RA6を備える。第4関節部J4は第3移動軸RA3と略一致する第4回転軸RA4を中心としたねじり関節である。第5関節部J5は第4回転軸RA4に対して垂直に配置される第5回転軸RA5を中心とした曲げ関節である。第6関節部J6は第4回転軸RA4と第5回転軸RA5とに対して垂直に配置される第6回転軸RA6を中心とした曲げ関節である。
ハンド装置は、手首部6の第6関節部J6の可動部に設けられたアダプタに取り付けられる。このハンド装置は、第1、第2、第3関節部J1,J2,J3により任意位置に移動され、第4、第5、第6関節部J4,J5,J6により任意姿勢に配置される。特に第3関節部J3のアーム部5の伸縮距離の長さは、基台1の近接位置から遠隔位置までの広範囲の対象にハンド装置を到達させることを可能にする。第3関節部J3はそれを構成する直動伸縮機構により実現される直線的な伸縮動作とその伸縮距離の長さとが特徴的である。
第1関節部J1は支柱部2に収容される。支柱部2は円筒形状をなす。支柱部2は下部2−1と上部2−2とに分割されている。下部2−1は円筒形状の下部カバー12に覆われ、上部2−2は円筒形状の上部カバー13に覆われている。起伏部4のカバー14は、鞍形形状の4つのカバー21,22,23,24を備える。4つのカバー21,22,23,24は入れ子構造に構成される。起立動作に伴って、4つのカバー21,22,23,24は順次隣のカバーに収容され、伏せる動作に伴って、4つのカバー21,22,23,24は順次隣のカバーから引き出される。
図2は、図1のロボットアーム機構の内部構造を示す斜視図である。第3関節部J3のアーム部5は第1連結コマ列51と第2連結コマ列52とを有する。第1連結コマ列51は屈曲自在に連結された複数の第1連結コマ53からなる。第1連結コマ53は略平板形に構成される。第2連結コマ列52は屈曲自在に連結された複数の第2連結コマ54からなる。第2連結コマ54は横断面U字形状又はコ字形状の溝状体をなす。第2連結コマ54は底板どうしで屈曲自在に連結される。第2連結コマ列52の屈曲は、第2連結コマ54の側板の端面どうしが当接する位置で制限される。その位置では第2連結コマ列52は直線的に配列する。第1連結コマ列51のうち先頭の第1連結コマ53と、第2連結コマ列52のうち先頭の第2連結コマ54とは結合コマ55により接続される。例えば、結合コマ55は第2連結コマ54と第1連結コマ53とを合成した形状を有している。
射出部58は、第1、第2連結コマ列51,52を接合して柱状のアーム部5を構成させるとともに、そのアーム部5を上下左右に支持する。射出部58は、複数のローラ59が角筒形状のフレーム60に支持されてなる。複数のローラ59は、フレーム60により、アーム部5を挟んで上下左右に分散されている。例えば、アーム部5を上方から支持する複数のローラ59はアーム部5を下方から支持する複数のローラ59からアーム部5の厚みと略等価又はアーム部5の厚みよりも若干短い距離を隔てられている。アーム部5を上方から支持する複数のローラ59は、第1連結コマ53の長さと略等価な間隔を隔ててアーム中心軸に沿って配列される。同様に、アーム部5を下面から支持する複数のローラ59は第2連結コマ54の長さと略等価な間隔を隔ててアーム中心軸に沿って配列される。射出部58の後方には、ガイドローラ57とドライブギア56とが第1連結コマ列51を挟んで対向するように設けられる。ドライブギア56は減速器を介してステッピングモータ(図示しない)に接続される。第1連結コマ53の背面の幅中央には連結方向に沿ってリニアギアが形成されている。複数の第1連結コマ53が直線状に整列されたときに隣合うリニアギアは直線状につながって、長いリニアギアを構成する。ドライブギア56は、直線状のリニアギアにかみ合わされる。直線状につながったリニアギアはドライブギア56とともにラックアンドピニオン機構を構成する。
アーム部5が伸長するとき、ドライブギア56が順回転し、第1連結コマ列51はガイドローラ57により、アーム中心軸と平行な姿勢となって、射出部58の内部に誘導される。第1連結コマ列51の移動に伴い、第2連結コマ列52は射出部58の後方に配置されたガイドレール(図示しない)により射出部58に誘導される。射出部58に誘導された第1、第2連結コマ列51,52は、上下に配設された複数のローラ59により互いに押圧(狭圧)される。これにより、第2連結コマ列52に第1連結コマ列51が接合し、第1、第2連結コマ列51,52は柱状の棒体(以下、柱状体又はアーム部5という)を構成する。第1、第2連結コマ列51,52の接合による柱状体が射出部58により堅持されることで、第1、第2連結コマ列51,52の接合状態が維持される。第1、第2連結コマ列51,52の接合状態が維持されているとき、第1、第2連結コマ列51,52の屈曲は互いに拘束される。それにより第1、第2連結コマ列51,52の接合による柱状体は、一定の剛性を備える。この柱状体は第2連結コマ54が第1連結コマ53とともに全体として様々な断面形状の筒状体に構成される。筒状体とは上下左右が天板、底板及び両側板で囲まれ、前端部と後端部とが開放された形状として定義される。第1、第2連結コマ列51,52の接合による柱状体は、結合コマ55が始端となって、第3移動軸RA3に沿って直線的に起伏カバー14の開口から外に向かって送り出される。
アーム部5が収縮するとき、ドライブギア56が逆回転し、ドライブギア56と係合している第1連結コマ列51がカバー13と起伏カバー14とにより形成された中空部分に引き戻される。第1連結コマ列51の移動に伴って、柱状体がカバー14の開口から内に向かって引き戻される。引き戻された柱状体は射出部58後方で分離される。例えば、柱状体を構成する第1連結コマ列51はガイドローラ57とドライブギア56とにより水平姿勢を維持し、柱状体を構成する第2連結コマ列52は重力により下方に引かれ、それにより第2連結コマ列52と第1連結コマ列51とは互いに離反される。離反された第1、第2連結コマ列51,52はそれぞれ屈曲可能な状態に復帰する。屈曲可能な状態に復帰した第1、第2連結コマ列51,52は、ともに同じ方向(内側)に屈曲しながら、下部カバー12の内部の収納部に収納される。このとき、第1連結コマ列51は第2連結コマ列52に略平行な状態で収納される。
図3は、図1のロボットアーム機構を図記号表現により示す図である。ロボットアーム機構において、根元3軸を構成する第1関節部J1と第2関節部J2と第3関節部J3とにより3つの位置自由度が実現される。また、手首3軸を構成する第4関節部J4と第5関節部J5と第6関節部J6とにより3つの姿勢自由度が実現される。ロボット座標系Σbは第1関節部J1の第1回転軸RA1上の任意位置を原点とした座標系である。ロボット座標系Σbにおいて、直交3軸(Xb、Yb,Zb)が規定されている。Zb軸は第1回転軸RA1に平行な軸である。Xb軸とYb軸とは互いに直交し、且つZb軸に直交する軸である。手先座標系Σhは、手首部6に取り付けられたハンド装置の任意位置(手先基準点)を原点とした座標系である。例えば、ハンド装置が2指ハンドのとき、手先基準点(以下、単に手先という。)の位置は2指先間中央位置に規定される。手先座標系Σhにおいて、直交3軸(Xh、Yh,Zh)が規定されている。Xh軸は第6回転軸RA6に平行な軸である。Xh軸は、手先の前後軸として与えられる。Yh軸とZh軸とは互いに直交し、且つXh軸に直交する軸である。Yh軸は、手先の左右軸として与えられる。手先姿勢とは、手先座標系Σhのロボット座標系Σbに対する直交3軸各々周りの回転角(Xh軸周りの回転角(ロール角)αh、Yh軸周りの回転角(ピッチ角)βh、Zh軸周りの回転角(ヨー角)γhとして与えられる。
第1関節部J1の回転軸RA1は鉛直方向に設けられる。第2関節部J2の回転軸RA2は水平方向に設けられる。第2関節部J2は第1関節部J1に対してXb軸とZb軸との2方向に関してオフセットされる。第2関節部J2の回転軸RA2は、第1関節部J1の回転軸RA1には交差しない。第3関節部J3の移動軸RA3は回転軸RA2に対して垂直な向きに設けられる。第3関節部J2は第2関節部J2に対してXb軸とZb軸との2方向に関してオフセットされる。第3関節部J3の回転軸RA3は、第2関節部J2の回転軸RA2には交差しない。
複数の関節部J1−J6の根元3軸のうちの一つの曲げ関節部を直動伸縮関節部に換装し、第1関節部J1に対して第2関節部J2を2方向にオフセットさせ、第2関節部J2に対して第3関節部J3を2方向にオフセットさせることにより、本実施形態に係るロボット装置のロボットアーム機構は、特異点姿勢を構造上解消している。
図4は、支柱部2の上部2−2のカバー13を取り外した状態で第1関節部J1の内部構造を示す斜視図である。図5は、図1の第1関節部J1の機構上の作動範囲とロボットアーム機構の安全上の可動範囲とを示す平面図である。図6は、図4の第1関節部J1の回転制限機構を示す平面図である。第1関節部J1は円筒形状又は円環形状の回転台座201を有する。回転台座201は、支柱部2の下部2−1に接続される。支柱部2の下部2−1は基台1に接続されるので、回転台座201は固定部である。回転体202は円筒形状又は円環形状をなす。回転体202はその外径が回転台座201の内径よりも若干短く、回転台座201の内側に回転自在に嵌め込まれる。典型的には回転台座201と回転体202との間にはベアリングが介在される。回転体202の上部には円筒形状のフレーム3が接続される。フレーム3の内部中空には、分離されて屈曲自在の第1、第2連結コマ列51,52が収納される。回転体202の回転に伴ってフレーム3がそのカバー13とともに回転する。回転体202には、図示しないモータの回転軸が直接又は動力伝達機構を介して間接的に接続される。
回転体202の上面は、回転台座201の上面と同一の高さに揃えられ、又は回転台座201の上面よりも若干高い。これら回転体202の上面と、回転台座201の上面とには、回転体202の回転を制限するためのストッパ構造が設けられている。本実施形態では2種類の機械的なストッパ構造が装備される。2種類のストッパ構造は一部の構造を共通化している。
図5に示すように、一方のストッパ構造は、回転体202の回転を、第1関節部J1の機構上の作動範囲内に制限するために装備される。機構上の作動範囲は、回転体202の回転に起因する「支柱部2の内部を引き回されている多数のケーブルの断線」、及び「支柱部2の内部に収容される第1、第2コマ列51,52等の部品同士の接触による部品破損」等を回避するためのロボット設計上想定している最大回転範囲である。
他方のストッパ構造は、本実施形態に係るロボットアーム機構が設置された周辺環境に応じて変化する安全上の可動範囲内に回転体202の回転を制限するために装備される。この安全上の可動範囲は、機構上の作動範囲の範囲内でユーザにより任意範囲に設定される。当該「安全上の可動範囲」は、一般的用語としての「可動領域」とは区別されるべきであり、この「可動領域」とはロボットの可動部により掃引される立体的な領域とし定義され、この「可動領域」から、ロボットアーム機構が設置された位置の周囲の環境における他の構造物及び作業員等の干渉物にアーム部5や手首部6、さらにはハンド装置が接触する領域を除外し、その結果与えられる領域(安全領域)を確保するために第1関節部J1に対して許可される回転範囲がここでは「安全上の可動範囲」として定義される。
図6に示すように、一方のストッパ構造は、回転台座201の上面に、上方に突起する状態で設置される一対のストッパブロック204,205と、回転体202の上面に半径方向外側に突起する状態で設置されるストッパロッド206とから構成される。ストッパロッド206は回転体202のロボット正面位置に取り付けられる。一対のストッパブロック204,205は、ストッパロッド206の周回軌道上であって、機構上の作動範囲の両限界位置に設置される。ストッパロッド206がストッパブロック204,205に当接する位置で回転体202の回転が係止される。
他方のストッパ構造は、回転台座201の上面に、上方に突起する状態で設置される一対のストッパブロック207,208と、回転体202の上面に半径方向外側に突起する状態で設置されるストッパロッド206とから構成される。一対のストッパブロック207,208は、ストッパロッド206の周回軌道上であって、安全上の可動範囲の両限界位置に設置される。この他方のストッパ構造のストッパブロック207,208は、上記一方のストッパ構造のストッパブロック204,205と同じ円周上に設置される。ストッパロッド206は2種類のストッパ構造で共用されている。ストッパロッド206がストッパブロック207,208に当接する位置で回転体202の回転が係止される。
ストッパブロック207,208は、回転台座201の上面に設けられたブロック装着部209に着脱自在である。ストッパブロック207,208は典型的には六角穴付ボルトであり、ブロック装着部209はネジ穴として提供される。複数のブロック装着部209が回転台座201の上面であって、ストッパロッド206の周回軌道上に例えば5度間隔で均等に分散配置されている。好ましくは正面位置のブロック装着部209の隣には「0度」が記され、同様に他のブロック装着部209各々の隣にも「+5度」、「+10度」、・・・、「−5度」、「―10度」、・・・が記されている。複数のブロック装着部209から選択された一対のブロック装着部209にストッパブロック207,208が装着される。一対のブロック装着部209の選択により、ロボットアーム機構の設置位置に応じて変化する安全上の可動範囲に柔軟に対応する事ができる。
このように機構上の作動範囲だけでなく、安全上の可動範囲を機械的なストッパ構造で制限することにより安全信頼性の向上が期待できる。またストッパブロック207,208の装着及びその位置を目視確認できることから、安全上の可動範囲の設定ミスも回避できる。さらにストッパブロック207,208の装着位置を変更するだけで、安全上の可動範囲を簡易に変更することができる。
なお、上述では回転台座にストッパブロックを設置し、回転体にストッパロッドを設置したが、回転台座にストッパロッドを設置し、回転体にストッパブロックを設置するようにしてもよい。
また上述では2個のストッパブロック204,205と、2個のストッパブロック207,208を装備することを説明したが、機構上の作動範囲が360度又はその近傍であるときは1個のストッパブロック204でよく、また安全上の可動範囲が一方向のみに必要とされるときには1個のストッパブロック207であってもよい。
また上述ではストッパブロックを装着するための複数のブロック装着部をストッパロッドの周回軌道上に分散配置することを説明したが、図7に示すように、複数のブロック装着部に代えて、回転台座201に、ストッパロッド206の周回軌道に沿って、ストッパブロック204からストッパブロック205に至る円弧状のスリット210を設けるようにしてもよい。この場合、ブロック装着部の位置に制限されることなく、スリット210の任意の位置にストッパブロック207,208を装着することができる。
さらに上述では回転体202の回転を回転関節部の機構上の作動範囲に制限するための機械的なストッパ構造と回転体202の回転をロボットアーム機構の安全上の可動範囲に制限するための機械的なストッパ構造とを同じ位置に装備させて、回転体202に固定したストッパロッド206をこれら2種類のストッパ構造で共用させる構造を説明した。しかし、本質的には、回転体202の回転を回転関節部の機構上の作動範囲に制限するためのストッパ構造とは別に、回転体202の回転をロボットアーム機構の安全上の可動範囲に制限するためのストッパ構造を装備させることにある。この2種類のストッパ構造を互いに別の位置に装備させるようにしてもよい。
つまり、第1関節部J1の回転部に第1ストッパロッドが取り付けられ、固定部であって、第1ストッパロッドの周回軌道上の適当な位置に第1ストッパブロックが取り付けられる。第1ストッパブロックは、第1関節部J1の機構上の作動範囲に対応する位置に取り付けられる。また、第1関節部J1の回転部に第2ストッパロッドが取り付けられる。この第2ストッパロッドは、第1ストッパロッドとは異なる位置に取り付けられる。それにより第2ストッパロッドは、第1ストッパロッドの周回軌道とは異なる軌道を周回する。第2ストッパロッドの周回軌道上の固定部の位置に第2ストッパブロックが取り付けられる。第2ストッパブロックは、ロボットアーム機構の安全上の可動範囲に対応する位置に取り付けられる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
J1…第1回転関節部、201…回転台座、202…回転体、204、205…ストッパブロック、206…ストッパロッド、207,208…ストッパブロック、209…ブロック装着部。
Claims (11)
- 回転台座に回転自在に回転体が支持されてなる少なくとも一つの回転関節部を装備するロボットアーム機構において、
前記回転台座と前記回転体との一方にはストッパロッドが取り付けられ、
前記回転台座と前記回転体との他方には少なくとも一つの第1ストッパブロックが取り付けられ、
前記回転台座と前記回転体との他方には少なくとも一つの第2ストッパブロックが取り付けられ、
前記ストッパロッドが前記第1、第2ストッパブロックに当接することにより前記回転体の回転が係止され、前記第1ストッパブロックは前記回転関節部の機構上の作動範囲に対応した位置に取り付けられ、前記第2ストッパブロックは前記ロボットアーム機構の安全上の可動範囲に対応した位置に取り付けられることを特徴とするロボットアーム機構。 - 前記第1ストッパブロックは前記回転台座と前記回転体との他方に固定され、前記第2ストッパブロックは前記回転台座と前記回転体との他方に着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項1記載のロボットアーム機構。
- 前記回転台座と前記回転体との他方には前記第2ストッパブロックを着脱自在に取り付けるための複数の着脱部が設けられることを特徴とする請求項2記載のロボットアーム機構。
- 前記複数の着脱部は等間隔で配設されることを特徴とする請求項3記載のロボットアーム機構。
- 前記ストッパロッドは前記回転体に取り付けられ、前記第1、第2ストッパブロックは前記回転台座に取り付けられることを特徴とする請求項1記載のロボットアーム機構。
- 前記第1、第2ストッパブロックは前記ストッパロッドの周回軌道上に配設されることを特徴とする請求項5記載のロボットアーム機構。
- 前記回転体は円環体又は円筒体であり、前記ストッパロッドは前記円環体又は前記円筒体から外側に突出する状態で取り付けられ、前記第1、第2ストッパブロックは前記円環体の外周に沿って配設されることを特徴とする請求項6記載のロボットアーム機構。
- 前記ロボットアーム機構は垂直多関節型であり、前記ストッパロッド及び前記第1、第2ストッパブロックで回転制限がかけられる前記回転関節部は鉛直回転軸を備えたアーム水平旋回用のものであることを特徴とする請求項1記載のロボットアーム機構。
- 回転台座に回転自在に回転体が支持されてなる少なくとも一つの回転関節部を装備するロボットアーム機構において、
前記回転台座と前記回転体との一方には第1ストッパロッドが取り付けられ、
前記回転台座と前記回転体との他方には少なくとも一つの第1ストッパブロックが取り付けられ、
前記第1ストッパロッドが前記第1ストッパブロックに当接することにより前記回転体の回転が係止され、前記第1ストッパブロックは前記回転関節部の機構上の作動範囲に対応した位置に取り付けられ、
前記回転台座と前記回転体との一方には第2ストッパロッドが取り付けられ、
前記回転台座と前記回転体との他方には少なくとも一つの第2ストッパブロックが取り付けられ、
前記第2ストッパロッドが前記第2ストッパブロックに当接することにより前記回転体の回転が係止され、前記第2ストッパブロックは前記ロボットアーム機構の安全上の可動範囲に対応した位置に取り付けられることを特徴とするロボットアーム機構。 - 回転台座に回転自在に回転体が支持されてなる少なくとも一つの回転関節部を装備するロボットアーム機構において、
前記回転台座と前記回転体との一方にはストッパロッドが取り付けられ、
前記回転台座と前記回転体との他方には少なくとも一つのストッパブロックが取り付けられ、
前記ストッパロッドが前記ストッパブロックに当接することにより前記回転体の回転が係止され、前記ストッパブロックは前記ロボットアーム機構の安全上の可動範囲に対応した位置に取り付けられることを特徴とするロボットアーム機構。 - 回転台座に回転自在に回転体が支持されてなる回転関節機構において、
前記回転台座と前記回転体との一方にはストッパロッドが取り付けられ、
前記回転台座と前記回転体との他方には少なくとも一つの第1ストッパブロックが取り付けられ、
前記回転台座と前記回転体との他方には少なくとも一つの第2ストッパブロックが取り付けられ、
前記ストッパロッドが前記第1、第2ストッパブロックに当接することにより前記回転体の回転が係止され、前記第1ストッパブロックは前記回転関節部の機構上の作動範囲に対応した位置に取り付けられ、前記第2ストッパブロックは前記機構上の作動範囲より狭い安全上の可動範囲に対応した位置に取り付けられることを特徴とする回転関節機構。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015233581A JP2019022913A (ja) | 2015-11-30 | 2015-11-30 | ロボットアーム機構及び回転関節機構 |
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