JP2019022306A - 異常診断装置、異常診断方法およびコンピュータプログラム - Google Patents

異常診断装置、異常診断方法およびコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】精度の高い診断を実現する。【解決手段】本発明の実施形態としての異常診断装置は、異常検知部と、診断部とを備える。前記異常検知部は、ブレーキ装置に対する制御指令値と、車両の減速度の予測モデルとに基づき、前記車両の減速性能の異常検知を行い、前記制御指令値と、前記ブレーキ装置のブレーキ力の予測モデルとに基づき、前記ブレーキ装置の異常検知を行う。前記診断部は、前記減速性能の異常検知結果と、前記ブレーキ装置の異常検知結果に基づき、前記車両を診断する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、異常診断装置、異常診断方法およびコンピュータプログラムに関する。
鉄道の安全・安定な運行を維持するため、鉄道車両の保守管理や点検を日常的に実施する必要がある。例えば、鉄道車両のブレーキ装置が故障した際は、得られる制動力が少なくなり、車両が目的位置に停車できず利便性を損なうことや、最悪の場合事故につながる恐れがある。そのため、鉄道事業者にとって車両の保守管理は非常に重要な位置付けとなっている。
従来は鉄道車両の定期的な検査を中心とした保守管理が行われてきたが、近年は鉄道車両から取得されるセンサの値や制御値といった車両情報を収集および活用して、ブレーキの異常を早期に発見する技術の開発が進められている。
しかし、路線勾配や天気の変化、乗客の乗降、運転士の操作などで時系列に走行条件がダイナミックに変化する鉄道車両において、正確な診断をするのは難しい。
特開2013―100111号公報 特開2012―205332号公報
本発明の実施形態は、精度の高い診断を実現する異常診断装置、異常診断方法およびコンピュータプログラムを提供する。
本発明の実施形態としての異常診断装置は、異常検知部と、診断部とを備える。前記異常検知部は、ブレーキ装置に対する制御指令値と、車両の減速度の予測モデルとに基づき、前記車両の減速性能の異常検知を行い、前記制御指令値と、前記ブレーキ装置のブレーキ力の予測モデルとに基づき、前記ブレーキ装置の異常検知を行う。前記診断部は、前記減速性能の異常検知結果と、前記ブレーキ装置の異常検知結果に基づき、前記車両を診断する。
本発明の実施形態に係る異常診断システムのブロック図。 鉄道車両のブレーキノッチ、ブレーキ、エアスプリングの構成例を表す図。 鉄道車両の発電ブレーキ及び回生ブレーキの構成例を表す図。 計測情報と環境情報に関するテーブルの例を示す図。 計測情報に関するテーブルの例を示す図。 変換テーブルの例を示す図。 モデルデータベースの例を示す図。 正規分布を用いた閾値の決定方法の例を示す図。 異常検知部の動作例を示す図。 検知結果データベースの例を示す図。 診断ルールデータベースの例を示す図。 診断出力情報の表示画面例を示す図。 診断ルールデータベースの他の例を示す図。 診断ルールデータベースのさらに他の例を示す図。 本発明の本実施形態に係る異常診断装置のハードウェア構成を示す図。 本発明の実施形態に係る診断処理のフローチャート。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図面において同一の構成要素は、同じ番号を付し、説明は、適宜省略する。
図1は本発明の実施形態に係る異常診断システムの一例を示すブロック図である。
図1の異常診断システムは、異常診断装置100と、車両システム200と、環境情報システム300と、端末400と、入力装置500と、画面表示装置600と、を備えている。本異常診断システムの概要について説明する。
異常診断装置100は、学習モードと、運用モードとを備えている。モデル生成部140は、学習モードで、車両システム200から取得される鉄道車両(以下、車両)の計測情報、および環境情報システム300から取得される車両の環境情報の少なくとも一方に基づき、車両の減速性能の異常検知モデルを生成する。車両の計測情報と、車両の環境情報との少なくとも一方を含む情報を、走行情報と呼ぶ。車両は、複数の車両を連結した車両編成でもよい。
また、モデル生成部140は、走行情報に基づき、車両のブレーキ装置の異常検知モデルを生成する。本実施系形態ではブレーキ装置として空気ブレーキを想定し、空気ブレーキの異常検知モデルを生成する。車両編成の場合、ブレーキ装置が設けられた車両ごとにブレーキ装置の異常検知モデルを生成してもよい。個々のブレーキ装置ごとに異常検知モデルを生成するのではなく、複数のブレーキ装置に共通に適用される異常検知モデルを生成することも可能である。
また、モデル生成部140は、ブレーキシステム(以下、編成ブレーキと呼ぶ)の異常検知モデルを生成する。編成ブレーキは、複数の車両に設けられたブレーキ装置を含み、編成ブレーキの異常検知モデルは、これらのブレーキ装置の全体の異常検知モデルである。
モデル生成部140で生成した各種の異常検知モデルは、モデルデータベース102に格納する。
異常検知部150は、運用モードで、減速性能の異常検知モデルを用いて、減速性能の異常検知を行う。また、空気ブレーキの異常検知モデルを用いて、空気ブレーキの異常検知を行う。また、編成ブレーキの異常検知モデルを用いて、編成ブレーキの異常検知を行う。異常検知とは、異常の有無を判断することである。異常検知は異常判定とも呼ばれる。減速性能、空気ブレーキ、および編成ブレーキの異常検知結果は、検知結果データベース103に格納する。
診断部160は、減速性能の異常検知結果と、空気ブレーキの異常検知結果と、編成ブレーキの異常検知結果とに基づき、車両の診断を行う。一例として、減速性能が正常で、空気ブレーキが異常、編成ブレーキが異常である場合は、空気ブレーキの全体の劣化予兆があると診断する。また、減速性能が異常で、編成ブレーキが正常、空気ブレーキのちの1つが異常であれば、当該1つのブレーキ装置の劣化に起因する減速性能の異常があると診断する。このような診断には、診断ルールデータベース104に格納された各種診断ルールを用いる。
診断部160は、診断結果に応じた診断出力情報を生成し、生成した診断出力情報を画面表示装置600に表示させる。これにより、鉄道の保守員または運転者等による監視を支援する。
学習モードと運用モードは、自動的または保守員等の指示により切り換えるようにしてもよいし、それぞれ並列に実行してもよい。
ここで、本実施形態に係る車両の空気ブレーキおよびその周辺構成、ならびにブレーキノッチについて説明する。図2は、ブレーキノッチと、車両におけるある特定の車輪に対する空気ブレーキおよびエアスプリングの構成例を示す。なお、ブレーキノッチは、実際には、電車の運転室にある。
コントローラの一例であるブレーキレバー10は、運転士に、ブレーキ操作をする手段を提供する。運転士はブレーキレバーを下から上方向に動かすことにより、車両にブレーキをかけることができる。ブレーキレバー10に表示されている1から8までの数値はブレーキノッチ(ブレーキ段)であり、この数値が大きいほど車両に強い制動力が働く。ここでのノッチ数は例であり、これより多いノッチ数または少ないノッチ数を用いることを排除するものではない。ブレーキノッチは、車両または空気ブレーキに対する制御指令値の一例に対応する。
なお、車両へのブレーキ操作は運転士が行うものに限られない。例えば、自動列車停車装置(Automatic Train Stop:ATS)、自動列車制御装置(Automatic Train Control:ATC)、自動列車運転装置(Automatic Train Operation:ATO)が搭載されている車両においては、運転士に代わりこれらの装置がブレーキ操作を行う場合がある。この場合、これらの装置から出力されるブレーキ制動に関する指令が、一例として、制御指令値に対応する。
図2には、レール20の上を走行する車両の車輪30が示されている。この車両へブレーキによる制動を行う手段のひとつとして、空気ブレーキの一種である踏面ブレーキ42がある。ここでは説明のため車輪を1つのみ示しているが、実際には、左右一対の車輪が複数組設けられている。なお空気ブレーキは、一例として、車両毎に1つ設けられる。ただし、空気ブレーキが設けられない車両が存在してもよい。
踏面ブレーキ42はエアシリンダを動力としている。エアシリンダ43内の圧力であるブレーキシリンダ圧を高めることによって、制輪子41が車輪30の、レールに接する面である踏面に押し付けられる。車輪30と制輪子41との間の摩擦力が、踏面ブレーキ42の制動力となる。
このように、踏面ブレーキは制輪子の摩擦力を利用しているため、継続した使用により制輪子が摩耗し、制動力が低下する可能性がある。踏面ブレーキは、車両に用いられる機械式ブレーキの一例であり、他に車輪軸に固定した円盤を、パッドなどで車輪に押し付け、制動力を得るディスクブレーキなどの方式もある。ブレーキの制動力は、制輪子またはパッドなどの摩耗状態によって変動する。本異常診断装置により空気ブレーキに異常が検知された場合に、作業員等が空気ブレーキの制輪子または円盤等を確認して、実際に異常が無いかを確認してもよい。
空気ブレーキの制動力は、部品の摩耗の他に車両への荷重によっても変動する。図2の車両には、応荷重装置50が搭載されている。応荷重装置50は空気ばね51を備えており、空気ばね51のエアスプリング圧を検知することにより、車両にかかっている荷重を測定することができる。車両のブレーキ制御として、ブレーキレバー10の操作に加え、応荷重装置50で検出されたエアスプリング圧に応じて、ブレーキの制動力を調整してもよい。これにより、車両にかかる荷重の増減に関わらず、所望の減速度を達成することができる。
機械式ブレーキの制動力を補うために、電気ブレーキを併用してもよい。あるいは電気ブレーキの制動力を補うために、機械式ブレーキを用いる場合もある。ここで、図3を用いて電気ブレーキについて説明する。図3は、ある車両の発電ブレーキ及び回生ブレーキの構成例を示す。なお、当該車両は編成における1つの車両であり、当該車両の前後には別の車両が連結されている。
図3の車両には主電動機60a、60bが搭載されている。発電ブレーキを用いる場合には、主電動機60a、60bは抵抗器70と閉回路を構成し、主電動機の電力を更に熱エネルギーに変換する。
一方、回生ブレーキを用いる場合には、主電動機60a、60bで発電された電力をパンタグラフ80より、架線90に送電する。または、車両に蓄電池が搭載されている場合に、発電された電力を用いて蓄電池を充電してもよい。このように、回生ブレーキでは、主電動機60a、60bを発電機として使い、運動エネルギーを電力に変換することにより、制動力を確保する。
機械式ブレーキや発電ブレーキは一例であり、その他の方式のブレーキを用いた場合も、異常診断装置100で異常検知および診断の対象にできる。
ここで、車両のブレーキについて正確な異常検知を行うのは、ブレーキの構成が比較的複雑であることと、複数の要因や条件によりブレーキの特性が変動しうることから難しい。
例えば、車両においては、上述のように、特性が異なる複数の方式のブレーキが併用されている。また、上述のように車両のブレーキの制動力は荷重により変化する。例えば、旅客用の車両については、乗客数が時間帯や運行区間によって大きく変動するため、ブレーキの制動力は短期間で大きく変動する。貨物用の車両についても、貨物積載量に応じ荷重は大きく変化する。この他に車両が走行する路線や区間によって、勾配やカントの傾向が異なり、ブレーキ操作を行ったときの減速度が変動する可能性がある。さらに降水の有無、気温の高低など気象条件の違いが、ブレーキを構成する部品の物理的な性質を変化させ、ブレーキの特性に影響することがある。その他、運転士によりブレーキ操作の特徴が異なる上に、車両ごとの個体差によりブレーキの特性に違いが生ずることもある。
そこで本実施形態では、空気ブレーキの異常検知モデルだけでなく、減速性能の異常検知モデル(ブレーキ性能の異常検知モデル)および編成ブレーキの異常検知モデルを併用することで、誤診断のリスクを減らし、異常の早期発見と鉄道の安全・安定な運行を維持する。
以下、図1の異常診断装置100について、さらに詳細に説明する。以下の説明で異常診断の対象とする車両は、鉄道車両を想定するが、これに限定されず、自動車、建設機械、航空機など、車輪を備えた任意の車両でもよい。
図1の異常診断装置100は、車両情報収集部110と、環境情報収集部120と、データ加工部130と、モデル生成部140と、異常検知部150と、診断部160と、発報部170と、を備えている。
車両情報収集部110は、車両内の車両システム200の各種センサから車両に関する計測情報(計測データと呼んでも良い)を取得する。センサの例として、車両のブレーキ操作等を制御指令値として検出するセンサ、車両の減速度を検出するセンサ、運転速度を検出するセンサ、車両にかかっている荷重を計測するセンサなどがある。他にも様々なセンサが考えられる。計測情報は、センサの検出値(制御指令値等)、センサの計測値(運転速度、荷重、減速度など)などを含む。その他、車両システム200で速度センサの値から減速度を計算する場合、当該計算された減速度を、減速度の計測値として取得してもよい。
取得対象となる計測情報の種類(センサの種類や制御指令値の種類)は任意に設定することができる。計測情報を取得する周期は任意に設定できる。例えば、車両の運転速度に関連する計測情報についてはミリ秒単位の短いサンプリング周期で値を取得する。車両にかかっている荷重を計測するセンサについては、分単位のサンプリング周期で値を取得する。
環境情報収集部120は、環境情報システム300から車両の環境情報を取得する。環境情報の例として、運行路線に関する情報、または気象に関する情報などがある。運行路線に関する情報の例として、区間毎の勾配やカント(鉄道の内側および外側のレールの高低差)など運行路線に関する情報がある。気象に関する情報の例として、天気、気温、降水量、風速、気圧など気象に関する情報がある。環境情報の取得は、地上システム内のデータベースからそこに蓄積されている情報を取得することで行ってもよいし、外部のサーバから配信される情報を取得することで行ってもよい。取得対象とする環境情報の種類と、取得を行う頻度は任意に設定することができる。
異常診断装置100は、地上装置として鉄道の運行管理会社の施設や運転指令所内など、車両外に設置されていてもよいし、車上装置として車両上に設置されていてもよい。異常診断装置100の設置形態は特に限定されない。
異常診断装置100が地上装置として車両外に設置されている場合、車両内の車両システム200の計測情報等を、一例として、車上子、トランスポンダ地上子、および地上の情報ネットワークを介して受信する。つまり、車両システム200が、地上子等を介して地上の情報ネットワークにデータを送信し、異常診断装置100が、データを地上の情報ネットワークを介して受信する。地上の情報ネットワークには、メタリックケーブル、同軸ケーブル、光ケーブル、電話回線、無線、Ethernet(登録商標)などを用いることができるが、特に方式は問わない。また、異常診断装置100は、地上の情報ネットワークを経由して環境情報システム300からデータを受信する。
異常診断装置100が車上装置である場合、異常診断装置100は車両内の情報ネットワークを介して車両システム200からデータを取得する。車両内の情報ネットワークにはEthernetや無線LAN(Local Area Network)などがあるが、その他の方式によるものであってもよい。異常診断装置100は、車上子やトランスポンダ地上子を用いて、地上の情報ネットワークに接続されている環境情報システム300のデータを取得してもよい。
入力装置500は、保守員による操作用のインターフェースを提供する。入力装置500は、マウス、キーボード、音声認識システム、画像認識システム、タッチパネルまたはこれらの組み合わせなどを含む。保守員は入力装置500より異常診断装置100へ各種の指令またはデータを入力し、操作を行うことができる。
画面表示装置600は、異常診断装置100が出力したデータまたは情報を、静止画像または動画像として表示する。画面表示装置600は一例として、液晶ディスプレイ(LCD)、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、蛍光表示管(VFD)などであるが、その他の方式による表示装置であってもよい。
入力装置500及び画面表示装置600はそれぞれ複数台設置されていてもよい。例えば、運転指令所と車両の運転台とのそれぞれに、入力装置500と画面表示装置600が設置されていてもよい。
また、入力装置500と画面表示装置600は一体化したひとつの装置であってもよい。例えばタッチパネル機能付ディスプレイをいる場合、同じ装置が入力装置500と画面表示装置600を兼ねることができる。
異常診断装置100は、データベースとして、情報データベース101と、モデルデータベース102と、検知結果データベース103と、診断ルールデータベース104とを含む。
データベース101、102、103、104は、すべて図1では異常診断装置100の内部に配置されている。しかし、データベースの配置方法については、特に問わない。例えば、一部のデータベースを、外部のサーバやストレージ装置などに配置させてもよい。データベースはリレーショナルデータベースマネジメントシステムや各種NoSQLシステムにより実装することができるが、その他の方式を用いることもできる。データベースの保存フォーマットとしてはXML、JSON、CSVなどでもよいし、バイナリ形式などその他の形式でもよい。異常診断装置100内のすべてのデータベースが同一のデータベースシステム及び保存フォーマットで実現されている必要はなく、複数の方式によるものが混在していてもよい。
情報データベース101は、車両情報収集部110が取得した計測情報と、環境情報収集部120が取得した環境情報を内部に格納する。本実施形態に係る走行情報は、計測情報と環境情報の少なくとも一方を含む。走行情報が格納されたメモリデバイスなどの記憶媒体を異常診断装置100に挿入し、当該記憶媒体を情報データベース101として用いてもよい。
情報データベース101の例を、図4および図5に示す。走行情報(計測情報および環境情報)は、一例として、図4に示すテーブル101aと図5に示すテーブル101bの形態で保存される。ここではサンプリングの頻度の高低に応じて2つのテーブルに分けて保存している。
図4のテーブル101aの「時刻」列は、エントリの生成時刻が格納される。エントリは、この例では、一定のサンプリング時間ごとに生成されている。ただし、エントリは、線路に予め設定した区間単位で生成するなど、別の基準で生成することも可能である。
テーブル101aの「編成/車両」列には、編成と車両を識別する値が格納されている。本実施形態では車両ごとに1つのブレーキ装置が配置されている場合を想定する。ただし、ブレーキ装置が配置されない車両が存在してもよい。また、1つの車両に複数のブレーキ装置が配置されることも排除されない。
テーブル101aの「天気」列には、環境情報システム300から取得された天気に関する情報が格納されている。
テーブル101aの「気温」列には、環境情報システム300から取得された気温に関する情報が格納されている。気温に関する情報は、測定した実測値でもよいし、実測値をクラス分けしたラベルでもよい。図示の例では、図6の変換テーブル101cを用いて、実数値の気温から変換したT1、T2、T3、T4、T5、T6、T7のいずれかのクラスのラベルを格納している。例えば、気温が−11℃である場合には、クラスT1に、気温が15℃である場合には、クラスT4に、気温が33℃である場合には、クラスT6にそれぞれ変換される。
「気温」列以外の列も、計測情報または環境情報に対して演算または変換を行った加工後の情報を格納してもよい。
テーブル101aの「乗車率」列には、車両にかかる荷重の指標としてパーセント形式の乗車率が格納されている。荷重を表すために他の指標を用いてもよい。乗車率は、一例として、車両の定員と車両の乗客数の比率で定義される。乗車率は応荷重装置のエアスプリング圧から推定されることが多いため、直接、エアスプリング圧を指標に用いることもできる。
エアスプリング圧はセンサの実測値であり、乗車率のように変換表や式などを用いて間接的に推定された値ではないため、モデル生成時の誤差を軽減できる可能性がある。だが、エアスプリング圧は車両に搭載された応荷重装置のメーカーや型番に依存した値をとり、汎用性に欠ける面もある。従って、乗車率のような一般的に用いられる指標を使った方が車両ごとの応荷重装置の違いの差を吸収できる場合もあると考えられる。
テーブル101aの「勾配」列には、路線の勾配がパーミル単位で表した値が格納されている。パーミルとは、水平距離1000m当たりの高低差をメートル単位で表した値である。パーミルは例示であり、他の単位による値を格納してもよい。
テーブル101aの「カント」列にはミリメートル単位のカントが格納されているが、他の単位による値を格納してもよい。
テーブル101aには、他に「風速」列と、「気圧」列が示されている。現在位置、線路における現在の区間など、他の情報を格納した列が存在していてもよい。
図5のテーブル101bは、時刻情報とともに、ブレーキノッチと、車両の減速度の実測値と、複数の車両に設けられた空気ブレーキ1〜Nの空気ブレーキ圧の実測値とを格納する。テーブル101bのエントリは、テーブル101aよりも短い時間間隔で生成されている。テーブル101bのエントリの生成間隔(サンプリング間隔)は、テーブル101aと同じでもよい。また、テーブル101bとテーブル101aを一体化したテーブルを用いてもよい。減速度は、加速度センサの値でもよいし、速度センサの値から計算されたものでもよい。
情報データベース101に格納されたデータの加工を行ってもよい。例えば、データ加工部130は、情報データベース101に格納された各テーブルの内容を画面表示装置600に表示させる。保守員や運転士は、入力装置500を用いて、データに対する加工操作を行う。データ加工部130は、加工操作に従って、データ加工を行う。
また、車両情報収集部110または環境情報収集部120による情報またはデータの取得間隔を調整してもよい。例えばデータ加工部130が、入力装置500を介して、保守員や運転士から取得間隔の指定操作を受け付け、操作の内容に従って、取得間隔を調整する。
モデル生成部140は、情報データベース101に格納されたデータを用いて、減速性能の異常検知モデル、ブレーキ装置(空気ブレーキ)の異常検知モデル、編成ブレーキの異常検知モデルを生成する。
減速性能の異常検知モデルは、減速度の予測モデル(以下、減速度モデル)と、減速度モデルの予測値からの乖離に関する閾値(以下、減速度閾値)とを含む。減速度閾値は、異常検知部150による車両の減速度の異常検知で用いられる。具体的に、減速度閾値は、減速度モデルの予測値と、減速度の実測値との差分である乖離と比較するために用いられる。
ブレーキ装置の異常検知モデルは、ブレーキ力の予測モデルと、予測モデルの予測値からの乖離に関する閾値(以下、個別ブレーキ閾値)とを含む。空気ブレーキの場合、ブレーキ力は空気ブレーキ圧に相当する。本実施形態では、ブレーキ力の予測モデルとして、空気ブレーキ圧の予測モデル(以下、空気ブレーキ圧モデル)を想定する。個別ブレーキ閾値は、異常検知部150でブレーキ装置の異常検知で用いられる。具体的に、個別ブレーキ閾値は、空気ブレーキ圧モデルの予測値と、空気ブレーキ圧の実測値との差分である乖離と比較するために用いられる。
編成ブレーキの異常検知モデルは、複数のブレーキ装置のブレーキ力に基づく値の予測モデル(以下、編成ブレーキモデル)と、予測モデルの予測値からの乖離に関する閾値(以下、編成ブレーキ閾値)とを含む。本実施形態ではブレーキ装置として空気ブレーキを想定し、空気ブレーキ圧の合計の予測モデルを想定する。複数のブレーキ装置のブレーキ力に基づく値であれば、ブレーキ力の合計でなく、平均値や中央値のような統計値など、別の値を用いることも可能である。具体的に、編成ブレーキ閾値は、編成ブレーキモデルの予測値と、空気ブレーキ圧の実測値の合計との差分である乖離と比較するために用いられる。
モデル生成部140により生成されたこれらの異常検知モデルは、モデルデータベース102に保存される。
図7は、モデルデータベース102の例である。各異常検知モデルは、モデルIDで識別される。予測モデルの列には、予測モデルを表すデータ、または予測モデルが格納されたメモリのアドレス(ポインタ)が格納される。閾値の列には、予測モデルに対して設定された閾値が格納される。
異常検知モデルの生成は、一例として、異常診断装置100の立ち上げ時や新たに診断対象となる車両を追加したときに学習モードで行われる。診断対象が複数ある場合、診断対象ごとに、異常検知モデルが生成される。モデル生成部140は、定期的、または保守員等の指示に応じて異常検知モデルを再作成し、再作成した異常検知モデルによって直前の異常検知モデルを更新してもよい。
以下、異常検知モデルの生成方法について詳細に説明する。異常検知モデルは、情報データベース101から抽出されるデータサンプル(特徴ベクトル)を用いて生成される。以下では、減速度の異常検知モデルを生成する例を示すが、空気ブレーキの異常検知モデル、および編成ブレーキの異常検知モデルも同様にして生成できる。
データサンプル(特徴ベクトル)は、1つ以上の説明変数を含む。説明変数の一例として、テーブル101bのブレーキノッチの値(制御指令値)を用いる。これに加えて、走行情報におけるその他の種類の値(速度など)や車両のスペック(車両のサイズまたは重量など)を、説明変数として用いてもよい。走行情報に含まれる複数の項目を演算して説明変数を生成してもよい。また、予測モデルの目的変数は、ここでは、減速度である。データサンプルは、ブレーキ情報テーブル101bのエントリ単位で生成してもよいし、時間の粒度を低くして、連続する複数のエントリを1つにまとめて、これらから1つのデータサンプルを生成してもよい。
以下、予測モデル(ここでは減速度モデル)の生成方法について説明する。予測モデルとして回帰モデルを用いる場合を想定する。モデル生成部140は、情報データベース101を用いて、説明変数を要素とする特徴ベクトルX=(x,x,x,・・・,x)を得る。
次にモデル生成部140は、重回帰分析を行い、目的変数である減速度を予測する式(1)を求める。
Figure 2019022306
ここで、yは目的変数、xは説明変数、bは偏回帰係数(パラメータ)である。パラメータは、最尤推定などによって求めればよい。なお、各説明変数の測定単位の差を吸収するために、目的変数とすべての説明変数を平均値0、分散1に正規化することにより、偏回帰係数bとして標準偏回帰係数を用いてよい。説明変数は1つでも、複数でもよい。
重回帰分析によるモデル生成は例であり、他にサポートベクトル回帰(Support Vector Regression)、自己回帰などその他の手法を用いて目的変数の予測モデルを生成してもよい。
予測モデルを生成する際に、交差検証を用いてもよい。例えばデータサンプルを複数個の集合に分割し、そのうち少なくとも1つの集合を検証用にテストデータとし、他の集合をモデルの生成に用いることができる。これにより生成したモデルの性能を確認できる。
説明変数として制御指令値のみを用いた場合など、単純な関係式では充分な推定精度が得られない場合もある。その理由は、減速度の過渡応答性や、路線勾配などの外部要因などが挙げられる。従って、より精度のよい予測モデルを構築するために、過渡応答中・定常状態中や、ブレーキノッチの切り替えパターン、さらに路線勾配の影響を考慮して、パラメータ推定を行ってもよい。
ここでは減速度の異常検知モデルの生成例を示した。空気ブレーキの異常検知モデルを生成する場合は、一例として、説明変数として、制御指令値(ブレーキノッチ)を用い、目的変数として空気ブレーキ圧を用いればよい。編成ブレーキの異常検知モデルを生成する場合は、一例として、説明変数として、制御指令値(ブレーキノッチ)を用い、目的変数として複数の空気ブレーキの空気ブレーキ圧の合計を用いればよい。制御指令値以外の説明変数を追加してもよい。
ここで、学習モードの際、情報データベース101には、ブレーキ装置(空気ブレーキ)群が正常な状態の元で取得された情報が格納されているとする。したがって、学習モードで生成する各種予測モデル(減速度モデル、空気ブレーキ圧モデル、編成ブレーキモデル)は、これらの空気ブレーキが正常状態であることを前提としてモデル化したものであるといえる。ただし、一部の空気ブレーキが故障しており、当該空気ブレーキの計測情報が情報データベース101に格納される状況を許容してもよい。
次に、予測モデルに対して設定する閾値の決定方法について説明する。なお、以下の説明で、予測モデルと記述するときは、減速度モデル、空気ブレーキ圧モデル、および編成ブレーキモデルのいずれを指してもよいものとする。閾値についても同様に、減速度閾値、個別ブレーキ閾値、編成ブレーキ閾値のいずれを指してもよいものとする。
ここで閾値の使われ方として、予測モデルにより計算される目的変数の予測値(例えば減速度の予測値)と、減速度の計測値(実測値)との差分が閾値を超えていた場合に異常有りの決定をする。異常有りの決定をすることを、異常を検知するとも呼ぶ。予測値と実測値との差分を乖離とよぶ。実測値が予測値より大きい場合と、実測値が予測値より小さくなる場合の両方がありうるため、乖離の値は正負いずれの符号をとりうる。予測値からの距離の絶対値に着目し、符号が問題にならない場合には、差分の絶対値を乖離と定義してもよい。
図8は、正規分布を用いた閾値の決定方法の例を示している。図8のグラフは、乖離の正規分布401を表しており、横軸は乖離、縦軸は確率密度である。予測モデルの予測値と実測値との乖離を複数取得し、これら複数の乖離が正規分布に従うと仮定して、正規分布401を作成する。複数の乖離を取得するために使用するデータは、予測モデルの生成に用いたデータサンプルでもよいし、テストデータでもよいし、予測モデルの生成に関連していない別の走行情報でもよいし、これらの任意の組み合わせでもよい。乖離のばらつきがより大きい場合には、破線で表された正規分布402、403のように、より裾が広がった分布となる。
正規分布401を利用して、予測モデルに対する閾値を設定する。一例として、標準偏差をσとすると、2σまたは3σなど標準偏差の定数倍の値を、閾値に設定する。2σを閾値に設定する場合、乖離が2σを超えると、異常検知で異常が検知される。このような閾値を設定すると、実測値の約95%が、異常無し(正常である)と判断される。閾値の別の設定例として、所定の確率(例えば上位Xパーセント点または下位Xパーセント点)に対応する乖離の値またはその絶対値を、閾値に設定してもよい。ここで述べた閾値の決定方法は一例であり、その他の方法を用いることを排除するものではない。例えば、正規分布以外の分布を仮定して閾値を決めてもよいし、保守員、運転士などの人が経験に基づき閾値を設定してもよい。
減速度閾値、個別ブレーキ閾値、編成ブレーキ閾値のいずれのも、上述した方法により決定することができる。
異常検知部150は、運用モードにおいて、モデルデータベース102に格納された各種異常検知モデルと、情報データベース101に格納された走行情報とを用いて異常検知を行う。異常検知は、例えば図5のテーブル101bまたはテーブル101aのエントリごとに特徴ベクトルを作成して行ってもよいし、一定時間間隔のエントリを選択し、選択したエントリから特徴ベクトルを作成して行っても良いし、一定期間分のエントリ群から特徴ベクトルを作成して行ってもよい。あるいは、保守員等が指定した時刻のエントリ、または保守員が指定した期間内のエントリ群から特徴ベクトルを作成して行ってもよい。
異常検知部150は、減速性能の異常検知と、空気ブレーキの異常検知と、編成ブレーキの異常検知とを行う。
減速性能の異常検知では、異常検知に使用する走行情報から特徴ベクトル(制御指令値等)を生成し、生成した特徴ベクトルと、減速度モデルとを用いて、減速度を予測する。予測した減速度と、実測の減速度(例えばテーブル101bから取得する)との乖離を、減速度閾値と比較する。減速度閾値以下であれば、減速性能は正常と判定し、減速度閾値より大きければ、減速性能は異常と判定する。
空気ブレーキの異常検知では、異常検知に使用する走行情報から特徴ベクトル(制御指令値等)を生成し、生成した特徴ベクトルと、空気ブレーキ圧モデルとを用いて、空気ブレーキ圧を予測する。予測した空気ブレーキ圧と、実測の空気ブレーキ圧(例えばテーブル101bから取得する)との乖離を、個別ブレーキ閾値と比較する。個別ブレーキ閾値以下であれば、空気ブレーキは正常と判定し、個別ブレーキ閾値より大きければ、空気ブレーキは異常と判定する。
編成ブレーキの異常検知では、異常検知に使用する走行情報から特徴ベクトル(制御指令値等)を生成し、生成した特徴ベクトルと、編成ブレーキモデルとを用いて、複数の空気ブレーキの空気ブレーキ圧の合計を予測する。予測した空気ブレーキ圧の合計と、実測の空気ブレーキ圧の合計との乖離を、編成ブレーキ閾値と比較する。編成ブレーキ閾値以下であれば、編成ブレーキは正常と判定し、編成ブレーキ閾値より大きければ、編成ブレーキは異常と判定する。
ここで、異常検知部150による減速性能の異常検知の動作の具体例を示す。
図9は、異常検知部150の動作例を説明する図である。図9の上段はブレーキノッチを示している。中段はブレーキの減速度を示している。下段は実測値と予測モデルによる予測値との乖離を示している。減速度モデルにおいて、ブレーキノッチは説明変数、減速度は目的変数に対応する。
時刻t1において、ブレーキノッチを4ノッチに入れる操作が行われている。各空気ブレーキはこの操作を受け、車両に制動力を加えるため、車両の減速度は上昇し、その後、しばらくは、一定の値付近で安定する。減速度の予測値と計測値(実測値)には若干のずれが生じているものの、ほぼ同様に推移しており、予測値と実測値との乖離は、減速度閾値未満の範囲となっている。
その後、乖離が減速度閾値を超えるタイミングが時刻t2、t3、t4の3回発生しており、異常検知部150はそれぞれのタイミングにおいて異常を検知する。
時刻t5において、ブレーキノッチを4ノッチから2ノッチに変更する操作が行われている。各空気ブレーキはこの操作を受け、車両に加えられる制動力を減らすため、車両の減速度は減少する。
時刻t6において、ブレーキを解除する操作が行われている。各空気ブレーキはこの操作を受け、車両に加えられる制動力を更に減らすため、車両の減速度は一層減少する。
上述した時刻t4で異常が検知された後は、乖離は減速度閾値の範囲内であるため、異常は検知されない。
ここでは減速性能の異常検知の動作例を示したが、車両毎の空気ブレーキの異常検知、および編成ブレーキの異常検知も同様にして行うことができる。
異常検知部150は、減速性能の異常検知結果、空気ブレーキの異常検知結果、および編成ブレーキの異常検知結果に基づき、検知結果データベース103に情報を格納する。
図10は検知結果データベース103の例を示している。ある編成について、ブレーキノッチと、減速性能の異常検知結果と、車両毎の空気ブレーキの異常検知結果と、編成ブレーキの異常検知結果とが時系列に格納されている。この例では、1〜6番目のエントリではいずれも異常検知結果も異常無しであるが、7、8番目のエントリでは、空気ブレーキ1に異常が検知されている。
発報部170は、鉄道の運用者、運転士や保守員が使用する端末400へ、予め定めた異常が検知された場合に、異常通知のメッセージを送信する。予め定めた異常は、減速性能の異常が検知された場合、空気ブレーキのうち一定個数以上の空気ブレーキの異常が検知された場合、編成ブレーキの異常が検知された場合など、任意に定義できる。
メッセージ通知は電子メールの送信、端末400の操作画面上へのポップアップメッセージの表示、所定の機器管理プロトコルによる通知などによって行われてもよいし、その他の手段によるものであってもよい。通知には、異常の詳細情報(例えば異常が発生した地図上の箇所(現在値)、異常の発生した車両の識別子など)を含めてもよい。運用者や保守員はこの通知を受けとることにより、異常が検知された旨およびその詳細を知ることができる。
診断部160は、検知結果データベース103と、診断ルールデータベース104とに基づき、車両の診断を行う。
診断ルールデータベース104は、各空気ブレーキ(ブレーキ装置)の異常の検知有無、減速性能の異常の検知有無と、編成ブレーキの異常の検知有無との組み合わせについて、診断結果を定めた診断ルールデータを保持している。
図11は、診断ルールデータベース104の例を示す。この例では、それぞれ診断ルール番号1〜8を有する8個の診断ルールが存在する。図の「○」は、異常検知結果が異常無しであったことを示す。図の「×」は、異常検知結果が異常有りであったことを示す。
診断ルール1は、空気ブレーキ1〜Nの異常検知結果がすべて異常無し、編成ブレーキの異常検知結果も異常無し、減速性能の異常検知結果も異常無しであった場合の診断結果を定める。具体的には、診断ルール1の診断結果は、正常であることを示す。
診断ルール2は、空気ブレーキ1〜Nの異常検知結果がすべて異常無し、編成ブレーキの異常検知結果も異常無しであるが、減速性能の異常検知結果が異常有りであった場合の診断結果を定める。具体的には、診断ルール2の診断結果は、制輪子、車輪または路面状態に異常があることを示す。
診断ルール3は、空気ブレーキ1〜Nの異常検知結果はすべて異常無しであるが、編成ブレーキの異常検知結果が異常有りであり、一方、減速性能の異常検知結果が異常無しであった場合の診断結果を定める。具体的には、診断ルール3の診断結果は、空気ブレーキ全体の劣化の予兆があることを示す。
診断ルール4は、空気ブレーキ1〜Nの異常検知結果はすべて異常無しであるが、編成ブレーキの異常検知結果は異常有りであり、減速性能の異常検知結果も異常有りであった場合の診断結果を定める。具体的には、診断ルール4の診断結果は、空気ブレーキ全体の劣化による減速度性能の異常があることを示す。
診断ルール5は、空気ブレーキ1〜Nの異常検知結果のうちの少なくとも1つが異常有りであるが、編成ブレーキの異常検知結果は異常無しであり、減速性能の異常検知結果も異常無しであった場合の診断結果を定める。具体的には、診断ルール5の診断結果は、異常有りの空気ブレーキに劣化の予兆がある、もしくは、異常有りの空気ブレーキが劣化していることを示す。
診断ルール6は、空気ブレーキ1〜Nの異常検知結果のうちの少なくとも1つ以上が異常有りであるが、編成ブレーキの異常検知結果は異常無しであり、一方、減速性能の異常検知結果は異常有りであった場合の診断結果を定める。具体的には、診断ルール6の診断結果は、異常有りの空気ブレーキに起因する減速性能の異常があることを示す。
診断ルール7は、空気ブレーキ1〜Nの異常検知結果のうちのすべてが異常有りであり、編成ブレーキの異常検知結果も異常有りであるが、減速性能の異常検知結果は異常無しであった場合の診断結果を定める。具体的には、診断ルール7の診断結果は、空気ブレーキ全体の劣化により減速性能の異常兆候があることを示す。
診断ルール8は、空気ブレーキ1〜Nの異常検知結果のうちのすべてが異常有りであり、編成ブレーキの異常検知結果も異常有りであり、さらに、減速性能の異常検知結果も異常有りであった場合の診断結果を定める。具体的には、診断ルール8の診断結果は、空気ブレーキ全体の劣化により減速性能の異常があることを示す。
診断ルール1〜8以外の診断ルールが定義されてもよい。例えば診断ルール7の変形例として、所定個数以上の個数の空気ブレーキの異常検知結果が異常有りであった場合に、当該異常有りであった空気ブレーキの劣化に起因する減速性能の異常兆候を示す診断結果を定義してもよい。また、診断ルール8の変形例として、所定個数以上の個数の空気ブレーキの異常検知結果が異常有りであった場合に、当該異常有りであった空気ブレーキの劣化に起因する減速性能の異常を示す診断結果を定義してもよい。その他の診断ルールを定義してもよい。
診断部160は、検知結果データベース103に格納された各エントリについて、診断ルール1〜8のいずれに合致するかを判断し、合致する診断ルールが示す診断結果に応じた診断出力情報を生成する。複数の診断ルールに合致する場合もある。診断部160は、生成した診断出力情報を、画面表示装置600に表示させる。正常の診断結果を示す診断ルール1に合致する場合は、診断出力情報の生成および表示を行わない構成も可能である。
また、診断部160は、減速性能の異常が検知された場合に、減速度モデルの予測値と、減速度の計測値との差分に応じた誤差情報を算出し、これを診断出力情報として出力してもよい。誤差情報の算出例として、当該予測値の減速度の場合の制動距離と、当該計測値の減速度に場合の制動距離との差分を算出してもよい。制動距離とは、ブレーキを開始してから停止するまで、または所望の減速度または速度に達するまでの距離である。これにより、空気ブレーキの劣化、または編成ブレーキの劣化が、正常時と比べて、どの程度、減速度に影響を及ぼしているかを把握できる。つまり、上記の制動距離の差分は、異常影響度情報を表している。
図12は、画面表示装置600で表示される診断出力情報の表示画面(診断結果画面)の例を示している。この画面では、編成Aについて行った診断の結果が表示されている。ここでは、画面表示装置600が、編成の管理・監視を行う指令室にある場合を想定している。
診断結果画面の最上段には、診断対象となった編成が編成Aであることが表示されている。2段目には、複数の診断ルールうち合致した診断ルールの番号が表示されている。3段目には、合致した診断ルールが示す診断結果が表示されている。ここでは、診断ルール6が合致したため、個別の空気ブレーキ劣化に起因する減速性能の異常があることが表示されている。4段目には、減速性能が異常と判断される起因となった空気ブレーキを特定する情報が表示されている。どの空気ブレーキが起因となったかは、例えば検知結果データベースにおいて異常検知結果が異常有りであった空気ブレーキを特定すればよい。5段目には、異常影響度として、正常時と比べたときの制動距離の差分が表示されている。
ここで示した診断出力情報は一例であり、用途に応じて様々な表示形態が可能である。診断出力情報を別途用意したデータベースに逐次記録してもよい。この場合、保守員等が当該データベースからレコードを選択して表示指示操作を行うことで、画面表示装置600に表示してもよい。
前述した図11の診断ルールは、空気ブレーキ、減速度、および編成ブレーキの3種類の異常検知結果を用いて定義されたが、これらのうちの2種類を用いて定義してもよい。例えば減速度の異常検知結果と、空気ブレーキの異常検知結果とを用いて診断ルールを定義してもよい。
例えば、空気ブレーキの異常検知結果と、減速度の異常検知結果を組み合わせて、図13のような診断ルールを定義してもよい。あるいは、編成ブレーキの異常検知結果と、減速度の異常検知結果とを組み合わせて、図14のような診断ルールを定義してもよい。
本実施形態の異常診断装置によれば、空気ブレーキ、減速度、編成ブレーキの3種類の異常検知結果またはこれらのうちの2種類を組み合わせて車両を診断することにより、精度の高い車両の診断が可能となる。例えば、診断ルール3、診断ルール5、または診断ルール7により、空気ブレーキの異常予兆の検知も可能となる。また、診断ルール2により所望の減速性能(ブレーキ性能)が得られない場合の要因として、車両外の環境を特定できる。
図15に、本実施形態に係る異常診断装置のハードウェア構成を示す。本実施形態に係る異常診断装置は、コンピュータ装置100により構成される。コンピュータ装置100は、CPU151と、入力インターフェース152と、表示装置153と、通信装置154と、主記憶装置155と、外部記憶装置156とを備え、これらはバス157により相互に接続されている。
CPU(中央演算装置)151は、主記憶装置155上で、コンピュータプログラムである異常診断プログラムを実行する。異常診断プログラムは、異常診断装置の上述の各機能構成を実現するプログラムのことである。CPU151が、異常診断プログラムを実行することにより、各機能構成は実現される。
入力インターフェース152は、キーボード、マウス、及びタッチパネルなどの入力装置からの操作信号を、異常診断装置に入力するための回路である。
表示装置153は、異常診断装置から出力されるデータまたは情報を表示する。表示装置153は、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)、CRT(ブラウン管)、及びPDP(プラズマディスプレイ)であるが、これに限られない。コンピュータ装置100から出力されたデータまたは情報は、この表示装置153により表示することができる。
通信装置154は、異常診断装置が外部装置と無線または有線で通信するための回路である。計測情報は、通信装置154を介して外部装置から入力することができる。外部装置から入力した計測情報を、情報データベース101に格納することができる。
主記憶装置155は、異常診断プログラム、異常診断プログラムの実行に必要なデータ、及び異常診断プログラムの実行により生成されたデータなどを記憶する。異常診断プログラムは、主記憶装置155上で展開され、実行される。主記憶装置155は、例えば、RAM、DRAM、SRAMであるが、これに限られない。情報データベース101、モデルデータベース102、検知結果データベース103、診断ルールデータベース104は、主記憶装置155上に構築されてもよい。
外部記憶装置156は、異常診断プログラム、異常診断プログラムの実行に必要なデータ、及び異常診断プログラムの実行により生成されたデータなどを記憶する。これらのプログラムやデータは、異常診断プログラムの実行の際に、主記憶装置155に読み出される。外部記憶装置156は、例えば、ハードディスク、光ディスク、フラッシュメモリ、及び磁気テープであるが、これに限られない。情報データベース101、モデルデータベース102、検知結果データベース103、診断ルールデータベース104は、外部記憶装置156上に構築されてもよい。
なお、異常診断プログラムは、コンピュータ装置100に予めインストールされていてもよいし、CD−ROMなどの記憶媒体に記憶されていてもよい。また、異常診断プログラムは、インターネット上にアップロードされていてもよい。
なお、コンピュータ装置100は、プロセッサ151、入力インターフェース152、表示装置153、通信装置154、及び主記憶装置155を、それぞれ1つ又は複数備えてもよいし、プリンタやスキャナなどの周辺機器を接続されていてもよい。
また、異常診断装置は、単一のコンピュータ装置100により構成されてもよいし、相互に接続された複数のコンピュータ装置100からなるシステムとして構成されてもよい。
図16は、本発明の実施形態に係る運用モードで行う診断処理のフローチャートである。図16のフローチャートに係る処理は、診断対象となる車両のある動作を契機に実行されてもよいし、一定周期で実行されてもよいし、保守員等のユーザから指示を受けたタイミングで実行されてもよいし、その他のタイミングで実行されてもよい。ここでは診断対象となる車両として、車両編成を想定する。
ステップS101では、異常検知部150が、情報データベース101から診断対象となる車両編成に関する走行情報(図5、図4参照)を取得する。
ステップS102では、異常検知部150が、モデルデータベース102から、診断対象となる車両編成に関する異常検知モデルを取得する。具体的には、減速度の異常検知モデル、各車両に搭載されている空気ブレーキの異常検知モデル、編成ブレーキの異常検知モデルを取得する。空気ブレーキの異常検知モデルは、空気ブレーキごとに存在してもよいが、ここでは複数の空気ブレーキに共通の異常検知モデルがある場合を想定する。
減速度の異常検知モデルは、減速度モデルと、減速度閾値とを含む。空気ブレーキの異常検知モデルは、空気ブレーキ圧モデルと、個別ブレーキ閾値とを含む。編成ブレーキの異常検知モデルは、編成ブレーキモデルと、編成ブレーキ閾値とを含む。
ステップS103では、異常検知部150は、モデルデータベース102に格納された各種の異常検知モデルと、情報データベース101とを用いて異常検知を行う。具体的には、走行情報から、減速度の異常検知用の特徴ベクトル(制御指令値等)を生成し、生成した特徴ベクトルと、減速度モデルを用いて、減速度を予測する。予測した減速度と、実測の減速度との乖離を、減速度閾値と比較する。減速度閾値以下であれば、正常と判定し、減速度閾値より大きければ異常と判定する。
同様に、走行情報から空気ブレーキの異常検知用の特徴ベクトル(制御指令値等)を生成し、生成した特徴ベクトルと、空気ブレーキ圧モデルを用いて、空気ブレーキ圧を予測する。予測した空気ブレーキ圧と、実測の空気ブレーキ圧との乖離を、個別ブレーキ閾値と比較する。個別ブレーキ閾値以下であれば、正常と判定し、個別ブレーキ閾値より大きければ異常と判定する。
また、走行情報から編成ブレーキの異常検知用の特徴ベクトル(制御指令値等)を生成し、生成した特徴ベクトルと、編成ブレーキモデルを用いて、複数の空気ブレーキの空気ブレーキ圧の合計を予測する。予測した空気ブレーキ圧の合計と、実測の空気ブレーキ圧の合計との乖離を、編成ブレーキ閾値と比較する。編成ブレーキ閾値以下であれば、正常と判定し、編成ブレーキ閾値より大きければ異常と判定する。
ステップS104では、診断部160が、減速度の異常検知結果、空気ブレーキの異常検知結果、および編成ブレーキの異常検知結果と、診断ルールデータベースに格納された複数の診断ルールとを用いて、診断対象となる車両編成の診断を行う。診断部160は、これらの異常検知結果に合致する診断ルールを特定し、診断ルールが示す診断結果を決定する。
ステップS105では、診断部160が、診断結果に応じた診断出力情報を生成し、診断出力情報を画面表示装置600の画面に表示する。
本フローチャートの処理では、空気ブレーキ、減速度、および編成ブレーキの3種類の異常検知結果を用いて診断を行ったが、これらのうちの2種類を用いて診断を行ってもよい。
なお、本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって種々の発明を形成できる。また例えば、各実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除した構成も考えられる。さらに、異なる実施形態に記載した構成要素を適宜組み合わせてもよい。
10 ブレーキレバー
20 レール
30 車輪
41 制輪子
42 踏面ブレーキ
43 エアシリンダ
50 応荷重装置
51 空気ばね
60a、60b 主電動機
70 抵抗器
80 パンタグラフ
90 架線
100 異常診断装置/コンピュータ装置
101 情報データベース
101a、101b、101c テーブル
102 モデルデータベース
103 検知結果データベース
110 車両情報収集部
120 環境情報収集部
130 データ加工部
140 モデル生成部
150 異常検知部
160 診断部
170 発報部
151 CPU
152 入力インターフェース
153 表示装置
154 通信装置
155 主記憶装置
156 外部記憶装置
157 バス
200 車両システム
300 環境情報システム
400 端末
401、402、403 正規分布
500 入力装置
600 画面表示装置

Claims (14)

  1. ブレーキ装置に対する制御指令値と、車両の減速度の予測モデルとに基づき、前記車両の減速性能の異常検知を行い、
    前記制御指令値と、前記ブレーキ装置のブレーキ力の予測モデルとに基づき、前記ブレーキ装置の異常検知を行う、異常検知部と、
    前記減速性能の異常検知結果と、前記ブレーキ装置の異常検知結果に基づき、前記車両を診断する診断部と
    を備えた異常診断装置。
  2. 前記制御指令値は、連結された複数の車両に具備された複数のブレーキ装置に対するものであり、
    前記異常検知部は、前記複数のブレーキ装置の異常検知を行い、
    前記診断部は、前記減速性能の異常検知結果と、前記複数のブレーキ装置の異常検知結果とに基づき、前記車両を診断する
    請求項1に記載の異常診断装置。
  3. 前記診断部は、前記減速性能の異常の検知有無と、前記ブレーキ装置の異常の検知有無との組み合わせについて診断結果を定めた診断ルールデータに基づき、前記車両を診断する
    請求項2に記載の異常診断装置。
  4. 前記異常検知部は、前記複数のブレーキ装置のブレーキ力に基づく値の予測モデルに基づき、前記複数のブレーキ装置を含むブレーキシステムの異常検知を行い
    前記診断部は、前記ブレーキシステムの異常検知結果を用いて前記車両を診断する
    請求項2または3に記載の異常診断装置。
  5. 前記複数のブレーキ装置のブレーキ力に基づく前記値は、前記複数のブレーキ装置のブレーキ力の合計である
    請求項4に記載の異常診断装置。
  6. 前記診断部は、前記減速性能の異常の検知有無と、前記ブレーキ装置の異常の検知有無と、前記ブレーキシステムの異常の検知有無との組み合わせについて診断結果を定めた診断ルールデータに基づき、前記車両を診断する
    請求項4または5に記載の異常診断装置。
  7. 前記異常検知部は、前記減速度の予測モデルの予測値と、前記減速度の計測値との差分とに基づき、前記減速性能の異常検知を行う
    請求項1ないし6のいずれか一項に記載の異常診断装置。
  8. 前記異常検知部は、前記ブレーキ力の予測モデルの予測値と、前記ブレーキ力の計測値との差分に基づき、前記ブレーキ装置の異常検知を行う
    請求項1ないし7のいずれか一項に記載の異常診断装置。
  9. 前記診断部は、前記ブレーキ装置の異常が検知された場合、前記減速度の予測モデルの予測値と、前記減速度の計測値との差分に応じた異常影響度情報を算出する
    を備えた請求項8に記載の異常診断装置。
  10. 前記診断部は、前記異常影響度情報として、前記予測値の減速度による制動距離と、前記計測値の減速度による制動距離との差分を算出する
    請求項9に記載の異常診断装置。
  11. 前記制御指令値は、前記ブレーキ力に関する指令値である
    請求項1ないし10のいずれか一項に記載の異常診断装置。
  12. 前記ブレーキ装置は、空気ブレーキであり、
    前記ブレーキ力は、空気ブレーキ圧である
    請求項1ないし11のいずれか一項に記載の異常診断装置。
  13. ブレーキ装置に対する制御指令値と、車両の減速度の予測モデルとに基づき、前記車両の減速性能の異常検知を行い、
    前記制御指令値と、前記ブレーキ装置のブレーキ力の予測モデルとに基づき、前記ブレーキ装置の異常検知を行い、
    前記減速性能の異常検知結果と、前記ブレーキ装置の異常検知結果に基づき、前記車両を診断する
    を備えた異常診断方法。
  14. ブレーキ装置に対する制御指令値と、車両の減速度の予測モデルとに基づき、前記車両の減速性能の異常検知を行うステップと、
    前記制御指令値と、前記ブレーキ装置のブレーキ力の予測モデルとに基づき、前記ブレーキ装置の異常検知を行うステップと、
    前記減速性能の異常検知結果と、前記ブレーキ装置の異常検知結果に基づき、前記車両を診断するステップと、
    をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
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