JP7273755B2 - 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
一般に、例えば複数の車体が連なって移動する移動体(例えば、列車等)においては、車体の荷重に応じて空気圧を制御する機器(以下、対象機器と表記)が当該車体毎に搭載されている。なお、上記した移動体が列車の場合における対象機器には、例えばブレーキ装置やモータ(主電動機)等が含まれる。
ここで、複数の車体の各々に同種の対象機器(例えば、ブレーキ装置)が搭載されていたとしても、当該対象機器に対しては車体毎の荷重に応じて異なる制御が行われることが一般的であり、当該対象機器の使用負荷は車体(つまり、機器)毎に異なる。
この場合、複数の車体の各々に搭載されている対象機器の状態は同一ではないため、同種の対象機器であっても優先して保守作業(点検作業)を行うべき対象機器が存在するはずであるが、当該対象機器を判別することは困難であり、円滑な保守作業の妨げとなる。
特開2002-322948号公報
そこで、本発明が解決しようとする課題は、機器の状態を検知することが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することにある。
実施形態に係る情報処理装置は、第1期間内に取得された機器に関する第1機器情報を、第2期間内に取得された前記機器に関する第2機器情報及び前記機器を搭載する移動体の特性を示す特性情報に基づいて生成された状態検知モデルに適用することによって、前記機器の状態を検知する検知手段と、前記検知及び前記機器に生じた不具合事例を示す不具合事例情報に基づいて、前記状態検知モデルの信頼度を算出する算出手段とを具備する。
実施形態に係る状態検知装置の機能構成を示すブロック図。 状態検知装置のハードウェア構成の一例を示す図。 車両情報蓄積部に蓄積されている車両情報のデータ構造の一例を示す図。 列車基本情報のデータ構造の一例を示す図。 列車周辺情報のデータ構造の一例を示す図。 対象機器の状態を検知する際の状態検知装置の処理手順の一例を示すフローチャート。 モデル情報蓄積部に蓄積されているモデル情報のデータ構造の一例を示す図。 検知結果蓄積部に蓄積されている検知結果の一例を示す図。 状態検知装置に表示される画面の一例を示す図。 状態検知装置に表示される画面の一例を示す図。 不具合事例蓄積部に蓄積されている不具合事例情報のデータ構造の一例を示す図。 状態検知モデルの信頼度を算出する際の状態検知装置の処理手順の一例を示すフローチャート。
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る状態検知装置(情報処理装置)の機能構成を示すブロック図である。本実施形態に係る状態検知装置は、例えば移動体を構成する複数の車体の各々に同種の機器(以下、対象機器と表記)が搭載されている場合において、当該対象機器の状態を検知するために用いられる。
本実施形態においては、移動体として、例えば複数の車両が連なって移動する列車(または電車)等を想定している。また、このような列車を構成する各車両には、例えば荷重に応じて空気圧を制御することによって列車(各車両)を減速させる(つまり、ブレーキをかける)ブレーキ装置が搭載されている。
このような各車両に搭載されているブレーキ装置は、当該車両の乗車率等によって変動する荷重に応じて異なる制御が行われるため、同一の列車に搭載されている場合であっても使用負荷(すなわち、状態)が異なる。このため、各車両に搭載されているブレーキ装置の状態を検知することは、優先的に保守作業等を行うべきブレーキ装置を判別するために有用である。本実施形態においては、上記したブレーキ装置が上記した対象機器であるものとして主に説明する。
図1に示すように、状態検知装置100は、受信部101、車両情報蓄積部102、特性情報蓄積部103、入力受付部104、前処理部105、モデル生成部106、モデル情報蓄積部107、検知部108、検知結果蓄積部109、優先度付与部110、表示処理部111、不具合事例蓄積部112及び信頼度算出部113を含む。
受信部101は、列車に搭載されている複数の対象機器(ブレーキ装置)に関する機器情報を受信する。ここでは、例えば列車上に車上システムが設けられており、受信部101は、当該車上システムから送信される車両情報を、複数の対象機器に関する機器情報として受信するものとする。受信部101によって受信された車両情報は、車両情報蓄積部102に蓄積(格納)される。なお、車両情報の詳細については、後述する。
特性情報蓄積部103には、複数の対象機器を搭載する列車の特性を示す特性情報が蓄積される。特性情報蓄積部103に蓄積されている特性情報には、列車の設計値を含む情報(列車基本情報)及び当該列車が走行(移動)する経路に関する情報(列車周辺情報)等が含まれる。なお、特性情報は、例えば状態検知装置100の外部に設けられているサーバ装置等から取得され、特性情報蓄積部103に蓄積される。
入力受付部104は、状態検知装置100を使用するユーザからの対象機器の状態検知に関する指示を受け付ける。入力受付部104によって受け付けられるユーザからの指示には、例えば状態検知装置100において状態を検知する対象機器を識別するための識別情報(以下、機器IDと表記)等が含まれる。
前処理部105は、上記したユーザからの指示に基づいて車両情報蓄積部102から車両情報を抽出し、当該車両情報に対して標準化または信号変換等の前処理を行う。前処理部105によって前処理が行われた車両情報は、車両情報蓄積部102に格納される。
なお、上記した前処理は、例えば受信部101によって車両情報が受信された時点で行われてもよい。すなわち、車両情報蓄積部102には、車上システムから受信された車両情報(生データ)が蓄積されていてもよいし、前処理部105によって前処理が行われた後の車両情報が蓄積されていてもよい。
モデル生成部106は、対象機器の状態を検知するために用いられる状態検知モデルに関する処理を実行する機能部である。具体的には、モデル生成部106は、前処理部105によって前処理が行われた過去の車両情報及び特性情報蓄積部103に蓄積されている特性情報に基づいて、当該特性情報が考慮された少なくとも1つ以上の状態検知モデルを生成する。モデル生成部106によって生成される状態検知モデルは、例えば物理モデルであってもよいし、統計的手法に基づく統計モデルであってもよい。また、状態検知モデルは、物理モデルと統計モデルとを組み合わせたものであってもよい。
ここでモデル生成部106によって生成された状態検知モデルに関する情報(当該状態検知モデルに設定されているパラメータ等)は、モデル情報蓄積部107に蓄積される。このようにモデル情報蓄積部107には、例えばモデル生成部106によって過去に生成された状態検知モデルに関する情報(以下、モデル情報と表記)が蓄積されている。
ここで、例えば対象機器の状態を検知するために利用可能な状態検知モデルが過去に生成されている場合には、モデル生成部106は、当該状態検知モデルに設定されているパラメータをモデル情報蓄積部107から取得して、当該パラメータが設定された状態検知モデルを生成してもよい。
また、モデル生成部106は、過去に生成された状態検知モデルに設定されているパラメータが設定された状態検知モデルを、前処理部105によって前処理が行われた車両情報及び特性情報に基づいて更新するような処理を実行してもよい。
なお、状態検知モデルは、物理モデルから統計モデルに更新される、または統計モデルから物理モデルに更新されるようなものであってもよい。
検知部108は、モデル生成部106によって生成された状態検知モデルを利用して、複数の対象機器(各車両に搭載されている同種の対象機器)の状態を検知する。なお、対象機器の状態は、例えばユーザによって指定された期間中に車上システムにおいて取得された車両情報を状態検知モデルに適用することによって検知される。なお、検知部108による検知結果は、検知結果蓄積部109に蓄積される。
優先度付与部110は、検知部108によって検知された複数の対象機器の状態に基づいて、当該対象機器の各々に優先度を付与する。
表示処理部111は、検知部108による検知結果及び対象機器の各々に付与された優先度を表示する処理を実行する。
不具合事例蓄積部112には、列車を構成する各車両に搭載されている対象機器において実際に生じた不具合事例を示す情報(以下、不具合事例情報と表記)が蓄積されている。なお、不具合事例は例えば列車の乗務員や保守作業員等により報告されるものであり、当該不具合事例を示す不具合事例情報は、例えば外部のサーバ装置等から取得されるものとする。
信頼度算出部113は、検知結果蓄積部109に蓄積されている検知結果と不具合事例蓄積部112に蓄積されている不具合事例情報とを照合することによって、モデル生成部106によって生成された状態検知モデルの信頼度を算出する。信頼度算出部113によって算出された状態検知モデルの信頼度は、モデル情報蓄積部107に格納される。
図2は、図1に示す状態検知装置100のハードウェア構成の一例を示す。状態検知装置100は、CPU100a、不揮発性メモリ100b、RAM100c、通信デバイス100d、入力デバイス100e及び表示デバイス100f等を備える。
CPU100aは、状態検知装置100内の様々なコンポーネントの動作を制御するためのプロセッサである。CPU100aは、単一のプロセッサであってもよいし、複数のプロセッサで構成されていてもよい。CPU100aは、不揮発性メモリ100bからRAM100cにロードされる様々なプログラムを実行する。本実施形態において、CPU100aによって実行されるプログラムには、状態検知プログラムが含まれる。
不揮発性メモリ100bは、補助記憶装置として用いられる記憶媒体である。RAM100cは、主記憶装置として用いられる記憶媒体である。図2においては、不揮発性メモリ100b及びRAM100cのみが示されているが、状態検知装置100は、例えばHDD(Hard Disk Drive)及びSSD(Solid State Drive)等の他の記憶装置を備えていてもよい。
なお、上記した図1に示す各部101、104~106、108、110、111及び113の一部または全ては、例えばCPU100a(つまり、状態検知装置100のコンピュータ)に状態検知プログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアによって実現されるものとする。この状態検知プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納して頒布されてもよいし、ネットワークを通じて状態検知装置100にダウンロードされてもよい。上記した各部101、104~106、108、110、111及び113の一部または全ては、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェア及びハードウェアの組み合わせ構成によって実現されてもよい。
また、本実施形態において、車両情報蓄積部102、特性情報蓄積部103、モデル情報蓄積部107、検知結果蓄積部109及び不具合事例蓄積部112は、例えば不揮発性メモリ100bまたは他の記憶装置等によって実現される。
通信デバイス100dは、外部装置(例えば、上記した車上システム及び外部のサーバ装置等)との無線通信または有線通信を実行するように構成されたデバイスである。
入力デバイス100eは、例えばマウス及びキーボード等を含む。表示デバイス100fは、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等を含む。なお、入力デバイス100e及び表示デバイス100fは、ここで説明した以外のものであってもよい。
図3は、図1に示す車両情報蓄積部102に蓄積されている車両情報のデータ構造の一例を示す。本実施形態において、車両情報は、上記したように列車(に設けられている車上システム)において取得され、当該車上システムから状態検知装置10に送信(伝送)される情報であって、モニタ情報、列車の運転記録に関する情報、及び列車または当該列車に搭載されている対象機器に取り付けられたセンサ等から得られる情報の少なくとも1つを含む。なお、図3に示す車両情報は、前処理部105によって前処理が行われた後の車両情報を示している。
図3に示すように、車両情報には、ID、日時、車系、編成、出発駅コード、停車駅コード、出発駅からのキロ程、進行方向、力行ノッチ、ブレーキノッチ、乗車率(1号車)、乗車率(2号車)、BC圧指令値(1号車)、BC圧指令値(2号車)、BC圧(1号車)及びBC圧(2号車)が含まれている。
IDは、車両情報に割り当てられた識別子である。日時は、対応づけられているIDによって識別される車両情報が列車(車上システム)において取得された日時を示す。
車系は列車の種別に相当し、編成は当該列車の編成を表している。なお、車両情報に含まれる車系及び編成によって当該車両情報を取得した列車を一意に特定することができる。
出発駅コードは、列車の出発駅に割り当てられている駅コードである。停車駅コードは、列車の停車駅に割り当てられている駅コードである。すなわち、車両情報は、出発駅コードが割り当てられている出発駅から停車駅コードが割り当てられている停車駅までの間を走行中の列車において取得された情報である。
出発駅からのキロ程は、車両情報が取得された時点における出発駅から列車の位置までの距離を示す。
進行方向は、列車の進行方向を示す。例えば列車が1号車から6号車までの車両から構成されている場合、進行方向「0」は1号車を先頭とする向きを示し、進行方向「1」は6号車を先頭とする向きを示す。
力行ノッチは、列車の加速に関する運転手の操作を表し、力行ノッチのノッチ数(位置)を示す。ブレーキノッチは、列車の減速(ブレーキ)に関する運転手の操作を表し、ブレーキノッチのノッチ数(位置)を示す。列車の運転においては、力行ノッチのノッチ数を大きくすることにより当該列車を加速させ、ブレーキノッチのノッチ数を大きくすることによって当該列車を減速(停車)させることができる。
乗車率(1号車)は、列車を構成する複数の車両のうちの1号車における乗車率を示す。乗車率(2号車)は、列車を構成する複数の車両のうちの2号車における乗車率を示す。図3においては1号車及び2号車の乗車率のみが示されているが、車両情報には、列車を構成する他の号車の乗車率についても同様に含まれている。
ここで、対象機器であるブレーキ装置は空気圧を制御する機器であるところ、当該ブレーキ装置においては、圧縮空気をブレーキシリンダ(BC)に送ることでブレーキを作用させる。
BC圧指令値(1号車)は、このようにブレーキを作用させる際に1号車に搭載されているブレーキ装置に出力されるBC圧(ブレーキシリンダ圧力)指令値(つまり、当該ブレーキ装置に対する制御値)を示す。BC圧指令値(2号車)は、ブレーキを作用させる際に2号車に搭載されているブレーキ装置に出力されるBC圧指令値(つまり、当該ブレーキ装置に対する制御値)を示す。図3においては1号車及び2号車のBC圧指令値のみが示されているが、車両情報には、列車を構成する他の号車のBC圧指令値についても同様に含まれている。
一方、BC圧(1号車)は、上記したBC圧指令値(1号車)に基づいて動作した1号車に搭載されているブレーキ装置において実際に測定されたBC圧(当該ブレーキ装置の動作に関する実績値)である。BC圧(2号車)は、上記したBC圧指令値(2号車)に基づいて動作した2号車に搭載されているブレーキ装置において実際に測定されたBC圧(当該ブレーキ装置の動作に関する実績値)である。図3においては1号車及び2号車のBC圧のみが示されているが、車両情報には、列車を構成する他の号車のBC圧についても同様に含まれている。
図3に示す例では、車両情報蓄積部102には、車両情報102a~102dを含む複数の車両情報が蓄積されている。
例えば車両情報102aは、ID「1」、日時「2019/11/03 11:23:34」、車系「A」、編成「001」、出発駅コード「5」、停車駅コード「7」、出発駅からのキロ程「1923」、進行方向「0」、力行ノッチ「0」、ブレーキノッチ「4」、乗車率(1号車)「1.10」、乗車率(2号車)「0.93」、BC圧指令値(1号車)「360」、BC圧指令値(2号車)「340」、BC圧(1号車)「350」及びBC圧(2号車)「350」を含む。
これによれば、ID「1」が割り当てられている車両情報102aが2019年11月3日の11時23分34秒に列車(車系「A」及び編成「001」によって特定される列車)において取得されたことが示されている。また、車両情報102aによれば、当該車両情報102aが列車において取得された際に、当該列車が出発駅コード「5」が割り当てられている出発駅から停車駅コード「7」が割り当てられている停車駅までの間を走行中であり、かつ、当該出発駅から1923mの地点にいたことが示されている。また、車両情報102aは、当該車両情報102aが取得された際の列車の進行方向が1号車を先頭とした向きであることを示しており、力行ノッチが0であり、ブレーキノッチが4である(つまり、減速中である)ことを示している。
更に、車両情報102aによれば、列車を構成する1号車の乗車率が1.10であり、2号車の乗車率が0.93であることを示している。
また、車両情報102aによれば、列車を構成する1号車に搭載されているブレーキ装置に対して出力されたBC圧指令値が360kPaであるのに対し、当該ブレーキ装置において測定された実際のBC圧が350kPaであることが示されている。
同様に、車両情報102aによれば、列車を構成する2号車に搭載されているブレーキ装置に対して出力されたBC圧指令値が340kPaであるのに対し、当該ブレーキ装置において測定された実際のBC圧が350kPaであることが示されている。
ここでは車両情報102aについて説明したが、車両情報102b~102dを含む他の車両情報についても同様である。
なお、図3に示す例では、車両情報102a~102dは、1秒毎に取得されており、かつ、車系、編成、出発駅コード及び停車駅コードが共通している。すなわち、車両情報102a~102dは、車系「A」及び編成「001」によって特定される同一の列車の走行中に、当該列車において1秒おきに取得された車両情報である。
また、図3においては、ID、日時、車系、編成、出発駅コード、停車駅コード、出発駅からのキロ程、進行方向、力行ノッチ、ブレーキノッチ、乗車率、BC圧指令値、BC圧が車両情報に含まれているものとして説明したが、当該車両情報においては、これらのうちの一部の情報が省略されていてもよいし、これら以外の他の情報が更に含まれていてもよい。
更に、図3においては車両情報が時系列情報である場合を示しているが、当該車両情報は、例えば運転手によって所定の操作が行われる等の条件を満たした際に取得されるイベント情報であってもよい。また、車両情報は、時系列情報とイベント情報とが混在した情報であってもよい。また、車両情報は、離散的な情報であってもよいし、連続的な情報であってもよい。
次に、図1に示す特性情報蓄積部103に蓄積されている特性情報について説明する。上記したように特性情報蓄積部103に蓄積されている特性情報は、上記したように列車基本情報及び列車周辺情報を含む。
図4は、列車基本情報のデータ構造の一例を示す。列車基本情報は、例えば編成、連結車両数、軌間、電気方式、最高運転速度、設計最高速度、起動加速度、原則度、編成定員、空車時編成重量、車両全長、車体長、全幅、全高、歯車比、搭載機器や部品の情報、車両が走行する区間情報等、列車に関する基本的な情報である。
図4に示す例では、列車基本情報は、対象ID、運用者、車系、編成、号車数、最高運転速度、設計最高速度、起動加速度、運用開始時期、編成定員、M車数、T車数、走行区間ID及び機器IDが含まれている。なお、列車基本情報に含まれる車系及び編成は上記した車両情報において説明した通りであるため、ここではその詳しい説明を省略する。
対象IDは、車系及び編成によって特定される列車を識別するための識別子である。運用者は、対象IDによって識別される列車を運用する鉄道会社等に相当する。号車数は、対象IDによって識別される列車を構成する車両の数を示す。
最高運転速度は対象IDによって識別される列車の現実の最高運転速度を示し、設計最高速度は当該列車の設計上(理論上)の最高運転速度を示す。起動加速度は、対象IDによって識別される列車が停止している状態から当該対象列車が動き出す際の加速度を示す。
運用開始時期は、対象IDによって識別される列車の運用が開始された時期(ここでは、年月)を示す。なお、運用開始時期は、対象IDによって識別される列車の運用が開始された年月日等であってもよい。
編成定員は、対象IDによって識別される列車に乗車することができる乗客の数を示す。
ここで、列車は複数の車両から構成されるが、当該複数の車両には、M車と称される動力車(車両を走行させるためのモータが搭載されている車両)及びT車と称される付随車(車両を走行させるためのモータが搭載されていない車両)が含まれる。列車基本情報に含まれるM車数は、対象IDによって識別される列車を構成する複数の車両の中のM車の数を示す。一方、列車基本情報に含まれるT車数は、対象IDによって識別される列車を構成する複数の車両の中のT車の数を示す。なお、M車数及びT車数の合計値は、列車基本情報に含まれる号車数(つまり、車両の数)と一致する。
走行区間IDは、対象IDによって識別される列車が走行する区間(経路)を識別するための識別子である。
機器IDは、対象IDによって識別される列車(を構成する各車両)に搭載されている対象機器(の種別)を識別するための識別子である。
図4に示す例では、特性情報蓄積部103には、列車基本情報103a~103dを含む複数の列車基本情報が特性情報として蓄積されている。
例えば列車基本情報103aは、対象ID「A001」、運用者「X」、車系「A」、編成「001」、号車数「6」、最高運転速度「90」、設計最高速度「110」、起動加速度「3.0」、運用開始時期「2004/8」、編成定員「900」、M車数「2」、T車数「4」、走行区間ID「区間1」及び機器ID「ブレーキ装置1」を含む。
この列車基本情報103aによれば、対象ID「A001」によって識別される列車(運用者「X」によって運用される列車)の最高運転速度が90km/hであり、設計最高速度が110km/hであり、起動加速度が3.0km/h/sであることが示されている。
また、列車基本情報103aによれば、対象ID「A001」によって識別される列車の運用開始時期が2004年8月であり、当該列車に乗車することが可能な乗客の数が900人であることが示されている。
更に、列車基本情報103aによれば、対象ID「A001」によって識別される列車を構成する6つの車両のうちM車の数が2であり、T車の数が4であることが示されている。
また、列車基本情報103aによれば、対象ID「A001」によって識別される列車が走行区間ID「区間1」によって識別される区間を走行し、当該列車(を構成する核車両)に機器ID「ブレーキ装置1」によって識別される対象機器(ブレーキ装置)が搭載されていることが示されている。
ここでは列車基本情報103aについて説明したが、列車基本情報103b~103dを含む他の列車基本情報についても同様である。
なお、図4においては、対象ID、運用者、車系、編成、号車数、最高運転速度、設計最高速度、起動加速度、運用開始時期、編成定員、M車数、T車数、走行区間ID及び機器IDが列車基本情報に含まれているものとして説明したが、当該基本列車情報においては、これらのうちの一部の情報が省略されていてもよいし、これら以外の他の情報が更に含まれていてもよい。
図5は、列車周辺情報のデータ構造の一例を示す。列車周辺情報は、例えば列車が走行する区間等の列車が移動(走行)する経路に関する情報である。
図5に示すように、列車周辺情報は、走行区間ID、運用者、勾配、トンネル及び制限速度を含む。
走行区間IDは、上記した列車基本情報に含まれる走行区間IDと同様であり、列車の走行区間を識別するための識別子である。運用者は、走行区間IDによって識別される区間を運用する鉄道会社等に相当する。
勾配は、走行区間IDによって識別される区間内に存在する勾配(傾き)及び当該勾配が存在する区間を示す。具体的には、列車周辺情報に含まれる勾配は、走行区間の開始地点を基準としたときの勾配の開始地点(開始キロ程)、終了地点(終了キロ程)及び勾配(傾き)によって表される。
トンネルは、走行区間IDによって識別される区間内におけるトンネルの有無(及びトンネルの区間)を示す。
制限速度は、走行区間IDによって識別される区間内における制限速度及び当該制限速度が適用されている区間を示す。具体的には、列車周辺情報に含まれる制限速度は、走行区間の開始地点を基準としたときの当該制限速度が適用される区間の開始地点(開始キロ程)、終了地点(終了キロ程)及び制限速度によって表される。
図5に示す例では、特性情報蓄積部103には、列車周辺情報103A及び103Bを含む複数の列車周辺情報が特性情報として蓄積されている。
例えば列車周辺情報103Aは、走行区間ID「区間1」、運用者「X」、勾配「(0.26,0.68,2.0)(3.6,5.0,1.0)」、トンネル「-」及び制限速度「(0.70,2.0,70)(8.5,10.0,85)」を含む。
この列車周辺情報103Aによれば、走行区間ID「区間1」によって識別される走行区間が運用者「X」によって運用されていることが示されている。
また、列車周辺情報103Aに含まれている勾配の(0.26,0.68,2.0)は、走行区間ID「区間1」によって識別される走行区間の開始地点を基準としたときの0.26kmの地点から当該走行区間の開始地点を基準としたときの0.68kmの地点までの区間における傾きが2.0‰(パーミル)であることを示している。同様に、列車周辺情報103Aに含まれている勾配の(3.6,5.0,1.0)は、走行区間ID「区間1」によって識別される走行区間の開始地点を基準としたときの3.6kmの地点から当該走行区間の開始地点を基準としたときの5.0kmの地点までの区間における傾きが1.0‰であることを示している。
また、列車周辺情報103Aによれば、走行区間ID「区間1」によって識別される走行区間内にトンネルがないことが示されている。
更に、列車周辺情報103Aに含まれている制限速度の(0.70,2.0,70)は、走行区間ID「区間1」によって識別される走行区間の開始地点を基準としたときの0.70kmの地点から当該走行区間の開始地点を基準としたときの2.0kmの地点までの区間における制限速度が70km/hであることを示している。同様に、列車周辺情報103Aに含まれている制限速度の(8.5,10.0,85)は、走行区間ID「区間1」によって識別される走行区間の開始地点を基準としたときの8.5kmの地点から当該走行区間の開始地点を基準としたときの10.0kmの地点までの区間における制限速度が85km/hであることを示している。
ここでは列車周辺情報103Aについて説明したが、列車周辺情報103Bを含む他の列車周辺情報についても同様である。
なお、図5においては、走行区間ID、運用者、勾配、トンネル及び制限速度が列車周辺情報に含まれているものとして説明したが、当該列車周辺情報においては、これらのうちの一部の情報が省略されていてもよいし、これら以外の他の情報が更に含まれていてもよい。
ここでは特性情報に列車基本情報及び列車周辺情報が含まれるものとして説明したが、当該特性情報には、例えば列車または当該列車を構成する複数の車両に搭載されている対象機器(ブレーキ装置等)の設計情報(当該対象機器の設計時の想定性能)等の他の情報が更に含まれていてもよい。
次に、図6のフローチャートを参照して、対象機器の状態を検知する際の状態検知装置100の処理手順の一例について説明する。なお、車両情報蓄積部102には図3に示すような車両情報が既に蓄積されており、特性情報蓄積部103には図4に示すような列車基本情報及び図5に示すような列車周辺情報等を含む特性情報が既に蓄積されているものとする。
状態検知装置100において対象機器の状態を検知する場合、ユーザは、当該状態検知装置100(に備えられる入力デバイス100e)を操作することによって、当該対象機器の状態の検知を当該状態検知装置100に対して指示することができる。この場合、入力受付部104は、状態検知装置100に対するユーザの操作に応じて、当該ユーザからの指示を受け付ける(ステップS1)。
なお、ステップS1において受け付けられるユーザからの指示には、例えば対象機器を識別するための機器ID、当該対象機器が搭載されている列車の車系(編成)、当該対象機器の状態を検知する期間(以下、状態検知期間と表記)及び対象機器の状態を検知するために用いられる状態検知モデルを学習させる期間(以下、学習期間と表記)が含まれる。
ここで、上記したようにモデル情報蓄積部107には、過去に生成された状態検知モデルに関するモデル情報が蓄積(格納)されている。
図7は、モデル情報蓄積部107に蓄積されているモデル情報のデータ構造の一例を示す。図7に示すように、モデル情報蓄積部107に蓄積されているモデル情報には、モデルID、学習期間、機器ID、目的変数、第1説明変数、第1重み、第2説明変数、第2重み、正解率、学習妥当性及び信頼度が含まれる。
モデルIDは、過去に生成された状態検知モデルを識別するための識別子である。機器IDは、対応づけられているモデルIDによって識別される状態検知モデルを利用して状態を検知することができる機器(対象機器)を識別するための識別子である。
目的変数は、モデルIDによって識別される状態検知モデルにおける目的変数を表し、当該状態検知モデルの出力値に相当する。
第1説明変数は、モデルIDによって識別される状態検知モデルにおける説明変数を表し、当該状態検知モデルの入力値に相当する。第1重みは、対象モデルに設定される第1説明変数に対する重みを表す。
第2説明変数は、モデルIDによって識別される状態検知モデルにおける説明変数を表し、当該状態検知モデルの入力値に相当する。第2重みは、モデルIDによって識別される状態検知モデルに設定される第2説明変数に対する重みを表す。
なお、図7に示すモデル情報に含まれる第1及び第2重みは、モデルIDによって識別される状態検知モデルに設定されるパラメータに相当する。モデル情報に含まれる正解率、学習妥当性及び信頼度については後述する。
図7に示す例では、モデル情報蓄積部107には、モデル情報107a及び107bを含む複数のモデル情報が蓄積されている。
例えばモデル情報107aは、モデルID「モデル1」、学習期間「20171011~20180101」、機器ID「ブレーキ装置1」、目的変数「BC圧」、第1説明変数「BC圧指令値」、第1重み「0.85」、第2説明変数「乗車率」、第2重み「0.7」、正解率「0.42」、学習妥当性「0」及び信頼度「0」を含む。
このモデル情報107aによれば、モデルID「モデル1」によって識別される状態検知モデルが、2017年10月11日から2018年1月1日までの間に列車において取得された車両情報を学習することによって生成された状態検知モデルであって、機器ID「ブレーキ装置1」によって識別される対象機器(ブレーキ装置)の状態を検知するための状態検知モデルであることが示されている。
更に、モデル情報107aによれば、モデルID「モデル1」によって識別される状態検知モデルに第1及び第2説明変数であるBC圧指令値及び乗車率を適用(入力)することによって、目的変数であるBC圧が予測値として当該状態検知モデルから出力されることが示されている。
また、モデル情報107aによれば、第1説明変数の重み(第1重み)として0.85、第2説明変数の重み(第2重み)として0.7がモデルID「モデル1」によって識別される状態検知モデルに設定されることが示されている。
なお、モデル情報107aによれば、モデルID「モデル1」によって識別される状態検知モデルの正解率は0.42、学習妥当性は0、信頼度は0となっている。
ここではモデル情報107aについて説明したが、モデル情報107bを含む他のモデル情報についても同様である。
また、図7においては、モデルID、学習期間、機器ID、目的変数、第1説明変数、第1重み、第2説明変数、第2重み、正解率、学習妥当性及び信頼度がモデル情報に含まれるものとして説明したが、当該モデル情報においては、これらのうちの一部の情報が省略されていてもよいし、これら以外の他の情報が更に含まれていてもよい。
更に、図7に示す例では、例えば第1説明変数がBC圧指令値であり、第2説明変数が乗車率であるモデル情報を示しているが、第1及び第2説明変数は他の値であってもよく、例えば上記した車両情報または特性情報に含まれる値を利用することができる。
再び図6に戻って説明するが、以下の説明においては、ユーザからの指示に含まれる機器IDによって識別される対象機器を単に対象機器と称し、当該ユーザからの指示に含まれる車系(編成)から特定される列車を対象列車と称する。
モデル生成部106は、モデル情報蓄積部107に蓄積されているモデル情報を参照して、ステップS1において受け付けられたユーザからの指示に含まれる機器ID、車系及び学習期間を満たす状態検知モデルが既に存在する(生成されている)か否かを判定する(ステップS2)。
この場合、モデル生成部106は、ユーザからの指示に含まれる学習期間のモデル情報(当該学習期間を包含する学習期間を含むモデル情報)であって、対象列車に搭載されている対象機器を識別するための機器IDを含むモデル情報がモデル情報蓄積部107に格納されている場合には、ユーザ指示に含まれる機器ID、車系及び学習期間を満たす状態検知モデルが既に存在すると判定される。なお、対象列車に搭載されている対象機器(を識別するための機器ID)は、図4に示す列車基本情報に含まれる対象ID(対象列車を識別するための対象ID)及び機器ID(対象機器を識別するための機器ID)から特定可能である。
ユーザからの指示に含まれる機器ID、車系及び学習期間を満たす状態検知モデルが存在しないと判定された場合(ステップS2のNO)、モデル生成部106は、車両特性情報を考慮し、例えば、走行区間毎に新たに状態検知モデルを生成する(ステップS3)。
ステップS3において、状態検知モデルは、車両情報蓄積部102に蓄積されている車両情報のうちユーザからの指示に含まれる学習期間内に対象列車において取得された車両情報(以下、学習用車両情報と表記)及び特性情報蓄積部103に蓄積されている特性情報のうち対象列車の特性を示す特性情報(列車基本情報及び列車周辺情報)に基づいて生成される。なお、学習用車両情報は、前処理部105による前処理が行われた車両情報であって、車両情報蓄積部102に蓄積されている車両情報の各々に含まれる日時、車系及び編成等から特定することが可能である。
ステップS3の処理を具体的に説明すると、状態検知モデルは、上記した学習用車両情報に含まれる例えば乗車率、BC圧及びBC圧指令値等(のデータ波形)を対象機器(ブレーキ装置)の正常状態の情報として学習することによって生成される。この場合、例えば学習用車両情報に基づいて対象機器(例えば、ブレーキ装置)の動作の開始時間からの単位時間経過毎の平均値を算出することによって得られる移動平均を用いて学習するような学習方法を採用することができる。なお、例えばモデル情報蓄積部107に予め対象機器と関連する情報を目的変数と説明変数とに分けて登録しておき、重回帰分析の考え方を適用して偏回帰係数を学習するようにしてもよい。
なお、状態検知モデルは、例えばサポートベクターマシンン、線形回帰、ロジスティック回帰、決定木、回帰木、ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク、ベイズ推論、状態空間モデル、k近傍法、アンサンブル学習、アソシエーション分析、クラスタリング、自己組織化マップ等の手法を使用して生成することができる。
ステップS3において生成された状態検知モデルに関するモデル情報は、モデル情報蓄積部107に蓄積される。
ステップS3の処理が実行されると、検知部108は、ステップS3において生成された状態検知モデルを用いて、当該状態検知モデルの生成時と同様の車両特性情報の条件に基づき、対象機器の状態を検知する(ステップS4)。上記したように状態検知モデルが走行区間毎に生成されている場合には、検知部108は、当該走行区間(以下、対象走行区間と表記)を走行する対象列車に搭載されている対象機器の状態を検知する。
ここで、ステップS4の処理について具体的に説明する。ここでは、上記したように対象機器がブレーキ装置であり、目的変数をBC値とし、説明変数(第1及び第2説明変数)をBC圧指令値及び乗車率とする状態検知モデルがステップS3において生成された場合を想定する。
この場合、検知部108は、車両情報蓄積部102に蓄積されている車両情報のうちユーザ指示に含まれる状態検知期間内に上記した対象走行区間を走行する対象列車において取得された車両情報(以下、状態検知用車両情報と表記)を取得する。なお、この状態検知用車両情報は、前処理部105による前処理が行われた車両情報であって、車両情報蓄積部102に蓄積されている車両情報の各々に含まれる日時、車系及び編成等から特定することが可能である。
次に、検知部108は、ステップS3において生成された状態検知モデルに状態検知用車両情報に含まれる乗車率及びBC圧指令値を適用(入力)することによって、当該状態検知モデルから出力されるBC圧(の予測値)を取得する。
この場合、検知部108は、取得されたBC圧(予測値)及び状態検知用車両情報に含まれるBC圧(実績値)に基づいて対象機器の状態の変化量(以下、単に状態変化量と表記)を算出する。具体的には、検知部108は、状態検知モデルから出力されたBC圧の予測値と車両情報(に含まれるBC圧)の実績値との乖離値(つまり、差分)を状態変化量として算出する。状態変化量は、上記したように算出される乖離値に対して統計処理を施した値等であってもよい。なお、状態変化量は、例えばBC圧(予測値)の車両情報に含まれるBC圧(実績値)に対する割合(つまり、状態変化度)等であってもよい。
上記したように検知部108によって算出された状態変化量は、ステップS4における処理結果(検知部108による検知結果)として、優先度付与部110に出力されるとともに、検知結果蓄積部109に蓄積(格納)される。
なお、上記したように対象列車においては車両毎に対象機器(ブレーキ装置)が搭載されているところ、ステップS4の処理は、対象列車を構成する各車両に搭載されている対象機器毎に実行される。すなわち、検知部108による検知結果には、対象機器毎(対象機器別)の状態変化量が含まれる。
ここで、図8は、検知結果蓄積部109に蓄積されている検知結果の一例を示す。図8に示すように、検知結果には、対象ID、機器ID、搭載エリアID、状態検知期間、モデルID及び状態変化量が含まれる。
対象IDは、上記した図4に示す列車基本情報に含まれる対象IDと同一であるが、具体的にはユーザからの指示に含まれる車系(編成)から特定される列車(つまり、対象列車)を識別するための識別子である。
機器IDは対象機器を識別するための識別子であり、搭載エリアIDは対象IDによって識別される列車を構成する複数の車両のうちの当該対象機器が搭載されている車両(号車)を識別するための識別子である。
期間は、ユーザからの指示に含まれる状態検知期間に相当する期間である。モデルIDは、機器IDによって識別される対象機器の状態を検知するために利用された状態検知モデルを識別するための識別子である。状態変化量は、モデルIDによって識別される状態検知モデルを利用して検知部108によって算出された状態変化量(つまり、検知結果)であって、搭載エリアIDによって識別される車両に搭載されている対象機器の状態変化量を示す。
図8に示す例では、検知結果蓄積部109には、検知結果109a及び109bを含む複数の検知結果が蓄積されている。
例えば検知結果109aは、対象ID「A001」、機器ID「ブレーキ装置1」、搭載エリアID「1号車」、期間「20180201~20180430」、モデルID「モデル1」及び状態変化量「0.86」を含む。
この検知結果109aによれば、対象ID「A001」が割り当てられている列車を構成する複数の車両のうちの1号車(搭載エリアID「1号車」によって識別される車両)に搭載されている対象機器(機器ID「ブレーキ装置1」によって識別されるブレーキ装置)の2018年2月1日から2018年4月30日までの期間(状態検知期間)中の状態変化量が0.86であることが示されている。
また、検知結果109aによれば、上記した対象機器の状態変化量を得るためにモデルID「モデル1」によって識別される状態検知モデルが利用されたことが示されている。
ここでは検知結果109aについて説明したが、検知結果109bを含む他の検知結果についても同様である。
また、図8においては、対象ID、機器ID、搭載エリアID、期間、モデルID及び状態変化量が検知結果に含まれるものとして説明したが、当該検知結果においては、これらのうちの一部の情報が省略されていてもよいし、これら以外の他の情報が更に含まれていてもよい。
再び図6に戻ると、優先度付与部110は、上記した対象機器毎の状態変化量に基づいて、当該対象機器の各々に対して優先度を付与する(ステップS5)。なお、ステップS5において対象機器の各々に付与される優先度は、当該対象機器に対して行うべき保守作業等の重要度に相当する。
ステップS5においては、状態変化量(乖離値)が大きい対象機器に付与される優先度が大きく(高く)、状態変化量(乖離値)が小さい対象機器に付与される優先度が小さく(低く)なるように対象機器の各々に付与される優先度が決定される。
ステップS5の処理が実行されると、表示処理部111は、当該ステップS5において対象機器の各々に対して付された優先度を例えば表示デバイス100f等に表示する処理を実行する(ステップS6)。
一方、ユーザからの指示に含まれる機器ID、車系及び学習期間を満たす状態検知モデルが既に存在すると判定された場合(ステップS2のYES)、モデル生成部106は、当該状態検知モデルに関するモデル情報をモデル情報蓄積部107から取得し、当該取得されたモデル情報に含まれる第1及び第2重み(パラメータ)を当該モデル情報に含まれるモデルIDによって識別される状態検知モデルに設定する(ステップS7)。
ステップS7の処理が実行された場合、当該ステップS7においてパラメータが設定された状態検知モデルを用いて、ステップS4以降の処理が実行される。
なお、例えばユーザからの指示に含まれる機器ID、車系及び学習期間を満たす複数の状態検知モデル(モデル情報)が存在する場合には、当該複数の状態検知モデルの中から適切な状態検知モデルを選択するが、当該適切な状態検知モデルを選択する際には、例えばモデル情報に含まれる信頼度等を用いることができる。
以下、図6に示す処理が実行される場合に状態検知装置100(に備えられる表示デバイス100f)に表示される画面の一例について説明する。
まず、図6に示す処理が実行される場合、状態検知装置100には、図9に示す画面200(ユーザインタフェース)が表示される。
画面200には、状態検知期間入力欄201、学習期間入力欄202、車系入力欄203及び対象機器入力欄204が設けられている。
ユーザは、状態検知装置100(に備えられる入力デバイス100e)を操作することによって、上記した各欄201~204に状態検知期間、学習期間、車系及び対象機器をユーザからの指示として入力することができる。
また、画面200には、結果表示ボタン205が更に設けられている。ユーザは、この結果表示ボタン205が押下(指定)することによって、対象機器の状態を検知する処理を実行するように状態検知装置100に指示することができる。すなわち、結果表示ボタン205がユーザによって押下された場合には、ユーザからの指示として入力された状態検知期間、学習期間、車系及び対象機器に基づいて図6に示す処理が実行される。
なお、画面200には、図6に示す処理が実行された後に優先度及び状態変化量が表示される優先度表示領域206及び状態変化量表示領域207が更に設けられている。
ここで、上記した画面200において結果表示ボタン205がユーザによって押下されたことによって図6に示す処理が実行された場合、当該画面200は、図10に示す画面210に遷移する。なお、図10においては、図9と同様の部分に同一参照符号が付されている。
図10に示すように、優先度表示領域206には、対象列車(車系及び編成から特定される列車)を構成する各車両に搭載されている対象機器の各々に付与された優先度が表示される。なお、優先度は数値が小さいほど優先度が高いことを表している。
図10に示す例によれば、ユーザは、優先度表示領域206を参照することにより、車系が「A」であり、編成が「001」である列車を構成する複数の車両のうちの2号車に搭載されたブレーキ装置(対象機器)の優先度が、1号車に搭載されたブレーキ装置の優先度よりも高いことを容易に把握することができる。
一方、状態変化量表示領域207には、優先度表示領域206に表示されている優先度の根拠となる状態変化量が表示される。
具体的には、図10に示す状態変化量表示領域207の左側においては、BC圧の実測値とBC圧の予測値との乖離値が状態変化量として状態検知期間の推移とともに表示されている。
なお、図10においては、状態検知期間内の1日分の車両情報毎(つまり、1日毎)に算出された対象機器の状態変化量の推移が表示されている。
ここで、状態変化量表示領域207の左側においては、予め設定されている状態変化量に対する閾値が表示されており、当該状態変化量(つまり、乖離度)が閾値を超えた場合には、対象機器に対する保守作業が必要である度合い(つまり、優先度)が高いことを把握することができる。
更に、図10に示す状態変化量表示領域207の右側においては、上記した状態変化量が多い期間におけるBC圧の予測値及び実績値を対比可能な態様で表示している。
なお、状態変化量表示領域207には最も優先度が高い対象機器の状態変化量が表示される場合を想定しているが、当該状態変化量表示領域207には他の対象機器の状態変化量が表示されても構わないし、状態変化量を表示する対象機器をユーザが選択(切り替え)可能としてもよい。
また、図10において説明した優先度及び状態変化量の表示態様は一例であり、優先度及び状態変化量は他の態様で表示されても構わない。具体的には、対象列車を構成する各車両に搭載されている対象機器の各々に付与された優先度及び状態変化量を、色等を用いた区別可能な態様で同時に表示するようにしてもよい。また、優先度表示領域206においては、優先度の高さ(レベル)に応じて対象機器を分類し、当該分類に応じた色を使用して表示するようにすることで、当該優先度(つまり、優先的に保守作業を行うべき対象機器)を視覚的に認識しやすくしてもよい。
また、図9及び図10においては、各入力欄201~204及び結果表示ボタン205と、優先度表示領域206及び状態変化量表示領域207とを1つの画面で表示する場合について説明したが、当該各入力欄201~204及び結果表示ボタン205と、優先度表示領域206及び状態変化量表示領域207とは異なる画面に表示されてもよい。更に、優先度表示領域206と状態変化量表示領域207とを切り替えて表示するようにしてもよい。
なお、例えば状態変化量表示領域207に表示される状態変化量は状態検知装置100によって検知された対象機器の状態に相当するため、ユーザは、当該状態変化量から対象機器に対する保守作業の必要性を判断することも可能である。このため、本実施形態においては、優先度表示領域206を表示せず、状態変化量表示領域207のみを表示する構成としても構わない。一方、状態変化量表示領域207を表示せず、優先度表示領域206のみを表示する構成としても構わない。
また、上記した優先度及び状態変化量は、例えば表形式等で表示されてもよいし、対象列車を構成する各車両を表現するグラフィック等に対応させて表示させてもよい。
ここで、上記したようにモデル情報蓄積部107には過去に生成された状態検知モデルに関するモデル情報が蓄積されているが、本実施形態においては、当該状態検知モデルの信頼度を算出する構成を有する。なお、状態検知モデルの信頼度の算出には、不具合事例蓄積部112に蓄積されている不具合事例情報が用いられる。
図11は、不具合事例蓄積部112に蓄積されている不具合事例情報のデータ構造の一例を示す。図11に示すように、不具合事例情報は、発生日、対象ID、機器ID、搭載エリアID、走行距離、不具合事例コード及び処置コードを含む。
不具合事例情報は不具合事例を示す情報であるところ、不具合事例情報に含まれる発生日は、当該不具合事例が発生した日付を示す。
対象IDは、上記したように車系及び編成によって特定される列車を識別するための識別子である。
機器IDは不具合事例が発生した対象機器を識別するための識別子であり、搭載エリアIDは対象IDによって識別される列車を構成する複数の車両のうちの当該対象機器が搭載されている車両(号車)を識別するための識別子である。
走行距離は、不具合事例が発生した時点での対象IDによって識別される列車の走行距離を示す。
不具合事例コードは発生した不具合事例に割り当てられたコードであり、処置コードは当該不具合事例に対して行われたた処置に割り当てられたコードである。
図11に示す例では、不具合事例蓄積部112には、不具合事例情報112a及び112bを含む複数の不具合事例情報が蓄積されている。
例えば不具合事例情報112aは、発生日「20180330」、対象ID「列車1」、機器ID「ブレーキ装置1」、搭載エリアID「2号車」、走行距離「15523」、不具合事例コード「不具合事例コード1」及び処置コード「処置コード1」を含む。
この不具合事例情報112aによれば、対象ID「A001」によって識別される列車を構成する複数の車両のうちの2号車(搭載エリアID「2号車」によって識別される車両)に搭載されている機器ID「ブレーキ装置1」によって識別される対象機器(ブレーキ装置)において、2018年3月30日に不具合事例コード「不具合事例コード1」が割り当てられている不具合事例が発生したことが示されている。
また、不具合事例情報112aによれば、対象IDによって識別される列車の走行距離が15523kmであることが示されている。また、不具合事例情報112aによれば、不具合事例コード「不具合事例コード1」が割り当てられている不具合事例に対して処置コード「処置コード1」が割り当てられている処置が行われたことが示されている。
ここでは不具合事例情報112aについて説明したが、不具合事例情報112bを含む他の不具合事例情報についても同様である。
また、図11においては、発生日、対象ID、機器ID、搭載エリアID、走行距離、不具合事例コード及び処置コードが不具合事例情報に含まれるものとして説明したが、当該不具合事例情報においては、これらのうちの一部の情報が省略されていてもよいし、これら以外の他の情報が更に含まれていてもよい。
以下、図12のフローチャートを参照して、状態検知モデルの信頼度を算出する際の状態検知装置100の処理手順の一例について説明する。図12に示す処理は信頼度算出部113によって実行される。
ここでは、モデル情報蓄積部107には過去に生成された状態検知モデルに関するモデル情報が蓄積されているものとし、以下に説明するステップS11~S13の処理は、当該状態検知モデル毎に実行されるものとする。以下の説明においては、信頼度が生成される状態検知モデルを対象モデルと称する。
なお、対象モデルの信頼度は、検知結果蓄積部109に蓄積されている検知結果と不具合事例蓄積部112に蓄積されている不具合事例情報とを照合することによって算出される。
まず、信頼度算出部113は、検知結果蓄積部109を参照し、対象モデルを識別するためのモデルIDを含む検知結果(つまり、対象モデルを利用して得られた検知結果)を取得する。
次に、信頼度算出部113は、不具合事例蓄積部112を参照して、ステップS11において取得された検知結果に含まれる期間(状態検知期間)内に該当する発生日を含み、かつ、当該検知結果と対象ID、機器ID及び搭載エリアIDが共通する不具合事例情報のうち、当該発生日付近で状態変化量(乖離値)が上記した閾値を超えた不具合事例情報の数(以下、第1不具合事例数と表記)を特定する。
ここで、ステップS11において取得された検知結果に含まれる期間内に該当する発生日を含み、かつ、当該検知結果と対象ID、機器ID及び搭載エリアIDが共通する不具合事例情報の総数を第2不具合事例数とすると、信頼度算出部113は、当該検知結果に含まれる状態変化量(予測値-実測値)、第1不具合事例数及び第2不具合事例数に基づいて対象モデルの正解率を算出する(ステップS11)。
この場合、対象モデルの正解率は、例えば「状態変化量×第1不具合事例数/第2不具合事例数」により算出される。
ステップS1の処理が実行されると、信頼度算出部113は、対象モデルの学習妥当性を決定する(ステップS12)。
ステップS12において決定される対象モデルの学習妥当性は、例えば0または1の値とする。具体的には、信頼度算出部113は、対象モデルの学習期間中に不具合事例が発生していた場合には対象モデルの学習妥当性を0に決定し、対象モデルの学習期間中に不具合事例が発生していない場合には対象モデルの学習妥当性を1に決定する。なお、「対象モデルの学習期間中に不具合事例が発生していた」ことは、対象モデルを識別するためのモデルIDを含むモデル情報に含まれる学習期間に該当する発生日を含み、かつ、当該モデル情報と機器IDが共通する不具合事例情報が不具合事例蓄積部112内に存在することにより把握することができる。
次に、信頼度算出部113は、上記した正解率に学習妥当性を乗算すること(つまり、正解率×学習妥当性)によって対象モデルの信頼度を算出する(ステップS13)。
ステップS13において算出された信頼度は、ステップS11において算出された正解率及びステップS12において決定された学習妥当性とともに、対象モデルを識別するためのモデルIDを含むモデル情報に追加される(つまり、モデル情報蓄積部107に蓄積される)。
なお、上記した対象モデルの学習妥当性として0が決定された場合には当該対象モデルの信頼度は0となるが、この場合には、対象モデルの学習期間から不具合事例が発生した期間を除外した期間を新たな学習期間として学習を行うことで、当該対象モデルを更新するようにしてもよい。このように更新された対象モデルに関するモデル情報は、モデル情報蓄積部107に蓄積される。
また、ここで説明した信頼度は一例であり、例えば不具合事例蓄積部112に蓄積されている不具合事例情報を正解情報として検知結果蓄積部109に蓄積されている検知結果の正誤を判定した結果(正解率)等を用いて信頼度を算出する構成としてもよい。
図12に示す処理が実行されることによって算出される信頼度は、上記した対象機器の状態を検知する処理(図6に示す処理)においてモデル情報蓄積部107を参照して適切な状態検知モデルを選択する際に利用することができる。具体的には、上記対象にユーザからの指示に含まれる機器ID、車系及び学習期間を満たす複数の状態検知モデルが存在する場合には、信頼度が最も高い状態検知モデル(つまり、最も高い信頼度を含むモデル情報に含まれる第1及び第2重みが設定された状態検知モデル)を選択し、当該状態検知モデルを対象機器の状態を検知するために利用することができる。
上記したように本実施形態においては、複数の対象機器(例えば、ブレーキ装置)に関する車両情報(機器情報)を受信し、当該受信された車両情報を、当該複数の対象機器に関する過去の車両情報(過去の機器情報)及び当該複数の対象機器を搭載する列車(移動体)の特性を示す特性情報に基づいて生成された状態検知モデルに適用することによって、当該複数の対象機器の状態を検知し、当該検知結果を表示する。なお、本実施形態において、複数の対象機器は、列車を構成する複数の車両(車体)に搭載される。
本実施形態においては、このような構成により、例えば列車の異なる車両に搭載される複数の対象機器の各々の状態をユーザに対して提供(表示)することができるため、円滑な保守作業を行うために有用な状態検知装置100(情報処理装置)を実現することができる。
なお、本実施形態において、特性情報に上記した図5に示すような列車周辺情報が含まれる場合、当該特性情報を考慮して例えば走行区間毎の状態検知モデルを生成することができる。走行区間が異なる場合には対象機器の運用状況も変化するため、本実施形態においては、走行区間毎に状態検知モデルを生成することによって、当該対象機器が搭載される車両(列車)が走行する区間等の特性をも考慮した状態検知を行うことができる。
また、本実施形態においては、上記した検知結果に基づいて、複数の対象機器に優先度を付与し、当該優先度を表示する構成としてもよい。このような構成によれば、ユーザは、複数の対象機器のうち、優先的に保守作業を行う必要がある機器を容易に判断することが可能となる。すなわち、本実施形態においては、異なる車両に搭載された同種の対象機器に関して、当該対象機器(搭載エリア)別の優先順位を提示することで、保守作業の効率化を図ることができる。
なお、本実施形態において、車両情報は、複数の車両の乗車率、複数の対象機器に対する制御値(例えば、ブレーキ装置に対するBC圧指令値)及び当該制御値に基づく複数の対象機器の動作に関する実績値(例えば、ブレーキ装置を動作させるためのBC圧)を含む。また、本実施形態において、特性情報は、列車の設計値を含む情報または当該列車が移動する経路に関する情報を含む。本実施形態においては、このような構成により、乗車率及びBC圧指令値を説明関数、BC圧を目的関数とする状態検知モデルであって、更に列車の設計値または当該列車が移動する経路(つまり、列車の特性)を考慮した状態検知モデルを利用して対象機器の状態を検知することができるため、複数の対象機器の状態検知の精度を向上させることが可能となる。
更に、本実施形態においては、複数の対象機器の状態の検知結果及び複数の対象機器に生じた不具合事例を示す不具合事例情報に基づいて、当該複数の対象機器の状態を検知する際に利用された状態検知モデルの信頼度を算出する構成により、当該状態検知モデルを再度利用する際に適切な状態検知モデルを選択することが可能となる。
また、本実施形態においては列車を構成する車両の各々に1つの対象機器(ブレーキ装置)が搭載されているものとして説明したが、1つの車両に同種の複数の対象機器が搭載されているような場合には、当該車両(搭載エリア)毎に状態を検知し、保守作業の優先度を表示するような構成とすることも可能である。
更に、本実施形態においては、状態検知装置100(表示デバイス100f)に表示された画面上でユーザによって指定された状態検知期間(第1期間)及び学習期間(第2期間)を入力し、当該状態検知期間中の複数の対象機器に関する車両情報(機器情報)を、当該学習期間中の複数の対象機器に関する車両情報(機器情報)に基づいて生成された状態検知モデルに適用することによって検知された複数の対象機器の状態を表示するユーザインタフェース(UI)を提供する。本実施形態においては、このような構成により、ユーザの意図する検知結果(複数の対象機器の状態)を得ることが可能となり、当該ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
なお、本実施形態においては、列車(移動体)を構成する複数の車両(車体)に搭載される複数の対象機器(荷重に応じて空気圧を制御する機器)がブレーキ装置であるものとして説明したが、当該対象機器は、例えば列車を構成する複数の車両に搭載されるVVVFインバータ等の制御装置によって駆動が制御されるモータ等であってもよい。この場合には、例えば車両情報に含まれるモータの回転速度や当該モータに流れる電流値等に基づいて当該モータの状態を検知することができる。更に、対象機器は、荷重に応じて空気圧を制御する機器だけではなく、例えば荷重に応じて径が変化する車輪等であっても構わない。更に、本実施形態においては移動体の一例として列車について主に説明したが、当該移動体は、使用負荷の異なる同種の対象機器を搭載して移動するものであれば列車以外であってもよい。また、本実施形態は、使用負荷の異なる同種の対象機器の状態を検知するのであれば、移動体以外に適用されても構わない。
また、本実施形態においては状態検知装置100が各部101~113を備えるものとして説明したが、当該各部101~113のうちの少なくとも一部は状態検知装置100の外部に配置されても構わない。具体的には、例えば前処理部105が状態検知装置100の外部に配置されるサーバ装置に配置されることにより、車両情報に対する前処理が当該サーバ装置側で実行されてもよい。また、例えば車両情報蓄積部102、特性情報蓄積部103、モデル情報蓄積部107、検知結果蓄積部109及び不具合事例蓄積部112のうちの少なくとも一部は、例えば状態検知装置100の外部に配置されるサーバ装置(例えば、クラウドサーバ)等に配置されていてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
100…状態検知装置(情報処理装置)、100a…CPU、100b…不揮発性メモリ、100c…RAM、100d…通信デバイス、100e…入力デバイス、100f…表示デバイス、101…受信部、102…車両情報蓄積部、103…特性情報蓄積部、104…入力受付部、105…前処理部、106…モデル生成部、107…モデル情報蓄積部、108…検知部、109…検知結果蓄積部、110…優先度付与部、111…表示処理部、112…不具合事例蓄積部、113…信頼度算出部。

Claims (9)

  1. 第1期間内に取得された機器に関する第1機器情報を、第2期間内に取得された前記機器に関する第2機器情報及び前記機器を搭載する移動体の特性を示す特性情報に基づいて生成された状態検知モデルに適用することによって、前記機器の状態を検知する検知手段と、
    前記検知及び前記機器に生じた不具合事例を示す不具合事例情報に基づいて、前記状態検知モデルの信頼度を算出する算出手段と
    を具備する情報処理装置。
  2. 前記第1機器情報を受信する受信手段を更に具備する請求項1記載の情報処理装置。
  3. 前記検知を表示する表示処理手段を更に具備する請求項1または2記載の情報処理装置。
  4. 付与手段を更に具備し、
    前記検知手段は、複数の機器の状態を検知し、
    前記付与手段は、前記検知に基づいて、前記複数の機器に優先度を付与し、
    前記表示処理手段は、前記複数の機器に付与された優先度を表示する
    請求項3記載の情報処理装置。
  5. 前記複数の機器は、前記移動体を構成する複数の車体に搭載される請求項4記載の情報処理装置。
  6. 前記第1及び第2機器情報は、それぞれが、前記複数の車体の乗車率、前記複数の機器に対する制御値及び当該制御値に基づく前記複数の機器の動作に関する実績値を含む請求項5記載の情報処理装置。
  7. 前記特性情報は、前記移動体の設計値を含む情報または前記移動体が移動する経路に関する情報を含む請求項1~6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  8. 第1期間内に取得された機器に関する第1機器情報を、第2期間内に取得された前記機器に関する第2機器情報及び前記機器を搭載する移動体の特性を示す特性情報に基づいて生成された状態検知モデルに適用することによって、前記機器の状態を検知するステップと、
    前記検知及び前記機器に生じた不具合事例を示す不具合事例情報に基づいて、前記状態検知モデルの信頼度を算出するステップと
    を具備する情報処理方法。
  9. 第1期間内に取得された機器に関する第1機器情報を、第2期間内に取得された前記機器に関する第2機器情報及び前記機器を搭載する移動体の特性を示す特性情報に基づいて生成された状態検知モデルに適用することによって、前記機器の状態を検知するステップと、
    前記検知及び前記機器に生じた不具合事例を示す不具合事例情報に基づいて、前記状態検知モデルの信頼度を算出するステップと
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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