JP2014186702A - 物理故障解析プログラム、物理故障解析方法および物理故障解析装置 - Google Patents

物理故障解析プログラム、物理故障解析方法および物理故障解析装置 Download PDF

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Abstract

【課題】物理故障解析の精度を向上させる。
【解決手段】物理故障が生じた各チップの複数個の故障候補ネットを抽出し、各故障チップ毎に1本の故障ネットがあると仮定して故障ネットを組み合わせた故障率算出モデルを複数構築し(ステップS204)、構築された故障率算出モデルにより算出した故障率の見積もり値と、物理故障が生じたチップの実故障データの故障率とに基づいて、故障ネットの組合せによる最適な故障率算出モデルを求める(ステップS207)。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体装置の物理故障解析プログラム、物理故障解析方法および物理故障解析装置に関する。
大規模集積(LSI:Large Scale Integrated)回路等の半導体装置は、設計および製造後に出荷試験が行われる。出荷試験で故障が検出されると、論理シミュレーション又は故障辞書等を用いた故障解析が行われ、故障候補が抽出される。故障候補に基づいて、統計的解析を行う大量故障診断(Volume Diagnosis)により故障要因が絞り込まれる。絞り込まれた故障要因に関連する故障候補を選択して、電子顕微鏡等を用いた物理解析により実際の半導体装置上の故障であるか否かが調べられ、故障原因が特定される。特定された故障原因は、半導体装置の設計および/又は製造工程にフィードバックされ、出荷試験で検出される故障を減少させるための変更が加えられる。
故障診断は、製造後の出荷試験で故障が検出された半導体装置について、半導体装置内部の故障箇所を推定する技術である。近年は、大量故障診断において統計的解析を用いることで、さらに故障要因を絞り込む手法や、故障箇所を推定する手法が提案されている。
テクノロジの微細化、回路の大規模化に伴い、物理解析のコストが増大している。物理解析のコストを減らし、故障原因を早期に特定するためには、大量故障診断において、物理解析対象となる故障候補を的確に絞り込む必要がある。
故障候補となるネット又は入出力ピンの情報を含む故障レポートと故障要因となる特徴とに基づいて統計的解析を行い故障診断する故障診断装置が提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。この故障診断装置は、故障要因となる特徴を指標として半導体装置の回路情報をグループに分割し、各グループに属する部分回路の特徴量の総和を計算した学習サンプルのリストを出力する。そして、学習サンプルのリストに基づいて学習処理を行うことで各特徴の故障への寄与度を計算すると共に、寄与度が一定値以上の特徴のランキングを計算して、故障要因を含む特徴のランキングを示す故障要因情報を出力する。これにより、故障レポートから得られる故障候補数が少ない場合における統計的解析の精度の低下を抑制する。
また、大量故障診断(Volume Diagnosis)を行う故障診断システムが提案されている(例えば、下記特許文献2参照。)。この故障診断システムでは、診断アルゴリズムが観測データと診断対象モデルとから診断対象の故障の仮説を生成し、これをシミュレーションする。そして、故障を特定し、故障シミュレーションした結果と観測データとが一致するかを調べる。この際、観測データに観測誤差が含まれることを考慮し、故障シミュレーション結果と合うように、観測データに観測誤差を加える。
例えば、半導体装置の故障候補ネットを診断する場合、大量故障診断により故障率算出等のモデルを構築した後、最適化したモデルを評価する。この際、決定係数(R2)やカイ二乗値(Chi−square)を最適化して故障ネットの組合せを得る。
特開2012−018012号公報 特開2003−288231号公報
しかしながら、従来技術では、モデルの適合度を評価指標とすると、真の故障を特定できない場合が生じた。適合度を上げる最適化を行うと、余計な特徴により故障率を合わせることが生じ、真の故障要因ではない特徴が求まる場合があった。適合度(決定係数)は、特徴数(説明変数)が多いほど、適合度が良くなる性質を有する。このため、ある故障チップから選択する故障ネットによって各グループに含まれる故障ネットの割合が変わる。これにより、適合度だけを最適化する指標として用いると、真の故障要因ではない特徴が求まることがあり、ただ適合度が高いモデルが故障要因として選択される等、解析精度を向上できなかった。
一つの側面では、本発明は、物理故障解析の精度を向上できることを目的とする。
一つの案では、物理故障が生じた各チップの複数個の故障候補ネットを抽出し、各故障チップ毎に1本の故障ネットがあると仮定して故障ネットを組み合わせた故障率算出モデルを複数構築させ、前記構築された故障率算出モデルにより算出した故障率の見積もり値と、前記物理故障が生じたチップの実故障データの故障率とに基づいて、故障ネットの組合せによる最適な故障率算出モデルを求めることにより、物理故障を解析する。
一つの実施形態によれば、物理故障解析の精度を向上できる。
図1は、実施の形態にかかる故障解析方法の説明図である。 図2は、実施の形態にかかる物理故障解析の処理手順を示すフローチャートである。 図3は、物理故障解析装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 図4は、実施例1にかかるスキャンパスの故障率に基づくモデル評価の処理内容を説明する図である。 図5は、実施例1にかかるスキャンパスの故障率に基づくモデル評価の処理内容を示すフローチャートである。 図6は、実施例1にかかるスキャンパスの故障率のずれを説明する図である。 図7は、実施例2にかかるFFのフェイル率のずれに基づくモデル評価の処理内容を説明する図である。 図8は、実施例2にかかるFFのフェイル率のずれに基づくモデル評価の処理内容を示すフローチャートである。 図9は、FFの種別を考慮したフェイル率のずれの算出を説明する図である。
(実施の形態)
以下に添付図面を参照して、開示技術の好適な実施の形態を詳細に説明する。実施の形態では、半導体装置のチップ上に形成される配線パターンの形成状態に伴う配線故障(物理故障)を解析する例について説明する。
図1は、実施の形態にかかる故障解析方法の説明図である。実施の形態では、半導体装置(各チップ)のフェイルログ100に基づき、複数の故障ネット組合せ1(101)、2(102)を生成する。また、大量故障診断(Volume Diagnosis)により故障率算出の複数のモデル1(111)、2(112)を構築する。
そして、複数のモデル1,2を半導体装置の実故障データ120を用いて評価する。この際、スキャンパスの故障率の実測値と、モデル1,2の見積もり値とを対比してずれ(差分値)を評価する(実施例1)。このほか、半導体装置の各フリップ・フロップ(FF)のフェイル率の実測値と、モデル1,2の見積もり値とのずれを評価する。
図1に示す実施の形態では、従来手法では用いない実故障データを最適化する評価の指標として用いる。なお、図1でみて、従来は、故障ネット組合せ1−モデル1と、故障ネット組合せ2−モデル2とを適合度(決定係数)により評価していたが、実施の形態では、この適合度を用いない。
(物理故障解析の全体処理内容)
図2は、実施の形態にかかる物理故障解析の処理手順を示すフローチャートである。この物理故障解析は、後述する物理故障解析装置300のCPU301が実行処理する。はじめに、故障チップ群の故障候補ネットを抽出する(ステップS201)。次に、各故障チップ毎に1本の故障ネットを選択する(ステップS202)。ここで、故障ネットの組合せを求める(ステップS203)。ここで、各故障チップの複数本の故障候補ネットから故障候補ネットを1本に絞って解析する。すなわち、ある1ネットの故障が原因でチップがフェイルしていると推測する。
そして、大量故障診断(Volume Diagnosis)により、チップのレイアウト情報からネットリストを取得し、故障率算出モデルの構築を行う(ステップS204)。大量故障診断の処理概要の一例を説明する。はじめに、故障候補ネットを特徴によりベクトル化する。特徴とは、ユーザが定義する故障要因候補であり、チップ上の配線の各種レイアウトパターン(例えば、両側隣接配線、配線疎パターン、多角形パターン等)である。これらレイアウトパターン毎の故障要因候補が仮定できる。例えば、両側隣接配線間のショート、配線疎パターンにおけるパターンの潰れ、多角形パターンにおけるブリッジ等がある。その後、全ネットをグループ化し、各グループの故障率とベクトルを算出する。故障率とは、グループに含まれる故障候補ネットの割合であり、ベクトルとはグループに含まれるネットのベクトル和である。次に、グループの故障率を算出する故障率算出モデルを構築する。例えば、故障率算出モデルは、下記式(1)で表される。
Figure 2014186702
この故障率算出モデルから、各特徴の故障率への影響度(wi,C)を計算し、各特徴のランキングを算出する(xj:故障率、fi:故障要因候補、j:グループ数(1≦j≦m、fij:各グループの特徴のベクトル)。そして、ランキング上位の特徴を故障要因として出力する。
この後、故障要因の最適化が必要か判断する(ステップS205)。故障率算出モデルによりランキング上位の特徴が特定できれば最適化が不要であり(ステップS205:No)、故障要因を特定し(ステップS206)、処理を終了する。一方、故障要因の特定のための最適化が必要であれば(ステップS205:Yes)、モデル評価を行う(ステップS207)。
実施の形態では、所定の指標として実故障データ120を用いてモデル評価を行う(ステップS207)。実故障データ120としては、例えば、スキャンパスの故障情報231(実施例1)、あるいはテストパターンとネットリストFFのフェイルログ232(実施例2)等を用いる。この実故障データ120は、外部からデータ取得する。このモデル評価の処理詳細については、後述する。
モデル評価の結果、今回のモデルが前回のモデルより良い評価であるか判断する(ステップS208)。今回のモデルが前回のモデルより良い評価であれば(ステップS208:Yes)、故障ネットを更新し(ステップS209)、ステップS210に移行する。一方、今回のモデルが前回のモデルより良い評価でなければ(ステップS208:No)、ステップS209の処理を行わずステップS210に移行する。
ステップS210では、あるチップの故障ネットを変更し(ステップS210)、ステップS203に戻る。これにより、故障ネットの組合せを変更することになる。そして、以上の処理は、焼きなまし法、山登り法等の手法により、ループ処理される。
(物理故障解析装置のハードウェア構成)
図3は、物理故障解析装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3において、物理故障解析装置300は、CPU301と、Read‐Only Memory(ROM)302と、Random Access Memory(RAM)303と、を含む。また、半導体メモリやディスクドライブ等の記憶部304と、ディスプレイ308と、通信インターフェース(I/F)309と、キーボード310と、マウス311と、スキャナ312と、プリンタ313とを備えても良い。これらCPU301〜プリンタ313はバス314によってそれぞれ接続されている。
CPU301は、物理故障解析装置300の全体の制御を司る演算処理装置である。ROM302は、物理故障解析装置300の解析プログラムを記憶する不揮発性メモリである。RAM303は、CPU301による演算処理実行時のワークエリアとして使用される揮発性メモリである。
通信インターフェース309は、ネットワーク315と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。具体的に、通信インターフェース309は、通信回線を通じてネットワーク315となるLocal Area Network(LAN)、Wide Area Network(WAN)、インターネットなどに接続され、ネットワーク315を介して他の装置に接続される。通信インターフェース309には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
ディスプレイ308は、解析処理のための設定画面や解析結果について、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などデータ表示する装置である。ディスプレイ308には、例えば、Thin Film Transistor(TFT)液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどを採用することができる。
上述した図1および図2に記載した物理故障解析の機能は、図3に記載のCPU301がROM302に格納された物理故障解析プログラムを実行処理することにより得ることができる。より詳細には、CPU301は、チップのネットリストおよび実故障データを外部から取得する取得部の機能と、故障チップ毎に故障ネットを選択し、故障ネットを変更する組合せ部の機能とを含む。また、故障ネットの組合せにより故障率算出モデルを構築する大量故障診断部の機能と、故障率算出モデルを実故障データと比較して最適化する評価部の機能と、最適化された故障率算出モデルに基づいて故障要因を特定する特定部の機能、等を含む。
実施例1では、故障率算出モデルのモデル評価をスキャンパスの故障情報に基づき行う処理例を説明する。図4は、実施例1にかかるスキャンパスの故障率に基づくモデル評価の処理内容を説明する図である。図4に示すように、チップ上の各FF401間は、スキャンパス203によって縦列接続される。このスキャンパス203は、各FF401に対して信号値0/1をセットし、信号値を取り出すためのパスである。スキャンパス203は、FF401のテストのために用いられる。
そして、このスキャンパス203中に故障がある確率をモデルから求める。故障率算出モデルの計算によりスキャンパス203を構成する各配線(203a〜203n)の故障率を計算する。
ここで実測値と、モデル見積もり値とをそれぞれ求める。実測値は、スキャンパスが通らなかったチップの割合の実測値である。モデル見積もり値は、故障率算出モデルにより各スキャンパスの故障率を求め、入力ピン203A〜出力ピン203Nまでのスキャンパスに故障がある確率を計算により求める。図4の例では、実測値がチップ100枚中11枚の故障のため、故障率は、0.11であり、モデル見積もり値は、各FF401間の故障率0.01,0.05,…0.02に基づき、1−(0.99×0.95×0.98×0.97×0.98)=0.124となる。これにより、実測値とモデル見積もり値の故障率のずれ(モデルの評価値に相当)は0.014となる。
図5は、実施例1にかかるスキャンパスの故障率に基づくモデル評価の処理内容を示すフローチャートである。物理故障解析装置300が行う図2のステップS207の処理内容を詳細に説明する。はじめに、故障率算出モデルとして複数(図の例では2つ)の故障率算出モデル1(111)、故障率算出モデル2(112)について、それぞれスキャンパスの故障率の計算を行う(ステップS501)。この際、チップのスキャンパスのネットリストとレイアウト情報510を取得して、スキャンパスの故障率を計算する。
ステップS501の実行により、故障率算出モデル1(111)についてスキャンパスの故障率見積もり値1(511)が得られ、故障率算出モデル2(112)についても、スキャンパスの故障率見積もり値2(512)が得られる。
この後、実故障データであるスキャンパスの故障情報231が示すスキャンパスが故障したチップの割合(実測値)の情報に基づき、故障率算出モデル1(111)について、スキャンパスの見積もり値1(511)と実測値(231)とのずれ1を算出する(ステップS502a)。また、故障率算出モデル2(112)についても、スキャンパスの故障見積もり値2(512)と実測値(231)とのずれ2を算出する(ステップS502b)。この後、これら故障率算出モデル1(111)のずれ1と、故障率算出モデル2(112)のずれ2とを比較することにより、評価を行う(ステップS503)。
この後、ステップS208(図2参照)では、上記の指標値であるスキャンパスの故障率のずれを用いて、指標値を最小化する故障率算出モデルを構成する故障ネットの組合せを求める。
図6は、実施例1にかかるスキャンパスの故障率のずれを説明する図である。スキャンパスの故障率の計算例について説明する。スキャンパス203の故障率は、スキャンパス203を構成する各ネットniに対し、故障率算出モデルを用いて、各ネットの故障率erriを求める。これにより、各ネットが故障しない確率は1−erriとなる。そして、スキャンパス203が故障せずに貫通する確率(下記式(2))を見積もる。これにより、スキャンパスの故障率を見積もることができる(下記式(3))。
Figure 2014186702
以上説明した実施例1によれば、故障率算出モデルを、スキャンパスに関する実測値とモデルの見積もり値とのずれに基づき評価することにより、実データで起きている現象を再現できるモデルを選択することができるようになる。この際、従来の如く適合度が単に高いだけのモデルが選択されることを回避できる。これらにより、実故障とのずれの小さいモデルを選択して、真の故障要因を特定できるようになり、物理故障の解析精度を向上できるようになる。
実施例2では、故障率算出モデルのモデル評価をチップ上のFFのフェイル率に基づき行う処理例を説明する。図7は、実施例2にかかるFFのフェイル率のずれに基づくモデル評価の処理内容を説明する図である。図7に示すように、チップ上の各FF401は配線(ネット)402により接続されている。
そして、各FF401のフェイル率の実測値とモデル見積もり値のずれを求める。実測値は、テストでFF401がフェイルしたチップの割合である。モデル見積もり値は、故障率算出モデルにより各ネット402の故障率を求め、この故障率と、ネットリストとテストパターンに基づいて、各FF401のフェイル率を求める。
図7の例では、実測値がチップ100枚中34枚でフェイルが発生したため、実測値(実際のフェイル率)は、0.34である。これに対し、モデル見積もり値は、各ネット402の故障率0.05,0.03,0.1,…0.02に基づき、各ネット402の故障率は独立していると仮定して、下記FF401単位で求める。図7の場合、1−(max(0.97,0.95)×0.9)×(0.97×0.93)×0.98=0.328となる。これにより、実測値とモデル見積もり値の故障率のずれ(モデルの評価値に相当)は0.012となる。
図8は、実施例2にかかるFFのフェイル率のずれに基づくモデル評価の処理内容を示すフローチャートである。物理故障解析装置300が行う図2のステップS207の処理内容を詳細に説明する。はじめに、故障率算出モデルとして複数(図の例では2つ)の故障率算出モデル1(111)、故障率算出モデル2(112)について、それぞれFF401のフェイル率の計算を行う(ステップS801)。この際、チップのネットリストとレイアウト情報とテストパターンの情報810を取得して、各FF401のフェイル率を計算する。
ステップS801の実行により、故障率算出モデル1(111)についてFFのフェイル率見積もり値1(811)が得られ、故障率算出モデル2(112)についても、FFのフェイル率見積もり値2(812)が得られる。
この後、各故障チップに対するフェイルしたFFのリスト(フェイルログ)の情報(実測値)232に基づき、故障率算出モデル1(111)について、FFのフェイル率見積もり値1(811)と実測値(232)とのずれ1を算出する(ステップS802a)。また、故障率算出モデル2(112)についても、FFのフェイル率見積もり値2(812)と実測値(232)とのずれ2を算出する(ステップS802b)。この後、これら故障率算出モデル1(111)のずれ1と、故障率算出モデル2(112)のずれ2とを比較することにより、評価を行う(ステップS803)。
この後、ステップS208(図2参照)では、上記の指標値であるFFのフェイル率のずれを用いて、指標値を最小化する故障率算出モデルを構成する故障ネットの組合せを求める。
次に、上述したFFのフェイル率のずれの算出例について説明する。はじめに、1.故障率算出モデルを用いて全ネットの故障率を求める。次に、2.テストパターンとネットリストから、あるFFaまで故障がなく信号が伝わる確率Paを求める。この際、FFの種別(ANDゲート、ORゲート等)と信号値に基づき、MaxあるいはMin演算を行う。そして、3.FFaの見積もりフェイル率failestimated(a)を1−Paにより求める。この後、4.FFaの実測値(実測フェイル率)failobserved(a)を実測テストでaがフェイルしたチップの割合から求める。5.最後に、上記2.〜4.を下記式(4)に示すように、全てのFF(あるいはユーザが指定したFF)に対して求め、ずれを算出する。
Figure 2014186702
図9は、FFの種別を考慮したフェイル率のずれの算出を説明する図である。FFのフェイル率の計算にあたり、はじめにネットリストとテストパターンから、活性化パス(ネット)402を求める。次に、故障率算出モデルを用いて、活性化パス中の各ネットniの故障率erriを求める。そして、各ネットの信号値とゲート種別にしたがってパスの故障率を求める。図9に示す数値は、故障率算出モデルにより求めた各ネットの故障していない確率である。
ここで、各ネットの信号値とゲート種別にしたがった演算内容は、下記の通りである。
1.ANDゲートの入力が立ち上がりriseの時、入力の故障しない確率の掛け算
2.ANDゲートの入力が立ち下がりfallの時、入力の故障しない確率のMax演算
3.ORゲートの入力が立ち上がりriseの時、入力の故障しない確率のMax掛け算
4.ORゲートの入力が立ち下がりfallの時、入力の故障しない確率の掛け算
この後、FFのフェイル率の見積もりを計算する。図9の例では、FFの見積もりフェイル率は、0.235と算出される。
以上説明した実施例2によれば、故障率算出モデルを、FFのフェイル率に関する実測値とモデルの見積もり値とのずれに基づき評価することにより、実データで起きている現象を再現できるモデルを選択することができるようになる。この際、従来の如く適合度が単に高いだけのモデルが選択されることを回避できる。これらにより、実故障とのずれの小さいモデルを選択して、真の故障要因を特定できるようになり、物理故障の解析精度を向上できるようになる。
上述した実施の形態によれば、半導体装置の物理故障を解析する際に、大量故障解析により構築された複数の故障率算出モデルについて、半導体装置の実故障データを用いて評価する。特に、実故障データとモデルの見積もり値のずれに基づき最適な故障ネットの組合せからなる最適な故障率算出モデルを求めることができるようになる。そして、実故障とのずれの小さい故障率算出モデルを選ぶことができ、真の故障要因を特定できるようになる。これにより、故障率算出モデルに対する評価精度を向上し、評価を効率的におこなえ、物理故障解析の精度を向上できるようになる。
なお、本実施の形態で説明した物理故障解析プログラムは、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータで実行することにより実現することができる。また、このプログラムは、半導体メモリ、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)コンピュータに、
物理故障が生じた各チップの複数個の故障候補ネットを抽出し、各故障チップ毎に1本の故障ネットがあると仮定して故障ネットを組み合わせた故障率算出モデルを複数構築させ、
前記構築された故障率算出モデルにより算出した故障率の見積もり値と、前記物理故障が生じたチップの実故障データの故障率とに基づいて、故障ネットの組合せによる最適な故障率算出モデルを求める、
処理を実行させることを特徴とする物理故障解析プログラム。
(付記2)前記最適な故障率算出モデルを求める処理は、
前記構築された故障率算出モデルにより算出したスキャンパスの故障率の見積もり値と、前記物理故障が生じたチップのスキャンパスの故障チップ数の割合とを対比してずれを求め、
前記ずれが小さい故障率算出モデルを求めることを特徴とする付記1に記載の物理故障解析プログラム。
(付記3)前記最適な故障率算出モデルを求める処理は、
前記構築された故障率算出モデルにより算出したフリップフロップのフェイル率の見積もり値と、前記物理故障が生じたチップのフリップフロップがフェイルした故障チップ数の割合とを対比してずれを求め、
前記ずれが小さい故障率算出モデルを求めることを特徴とする付記1に記載の物理故障解析プログラム。
(付記4)前記最適な故障率算出モデルを求める処理は、
構築された複数の前記故障率算出モデルについて、故障ネットの組合せを変更して新たに構築した故障率算出モデル毎に、前記故障率の見積もり値と、実故障データの故障率とに基づいて、最適な故障率算出モデルを求める処理を繰り返すことを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の物理故障解析プログラム。
(付記5)前記最適な故障率算出モデルを求める処理により選択された故障率算出モデルに基づき、前記チップの故障要因を特定することを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の物理故障解析プログラム。
(付記6)コンピュータが、
物理故障が生じた各チップの複数個の故障候補ネットを抽出し、各故障チップ毎に1本の故障ネットがあると仮定して故障ネットを組み合わせた故障率算出モデルを複数構築し、
前記構築された故障率算出モデルにより算出した故障率の見積もり値と、前記物理故障が生じたチップの実故障データの故障率とに基づいて、故障ネットの組合せによる最適な故障率算出モデルを求める、
処理を実行することを特徴とする物理故障解析方法。
(付記7)物理故障が生じた各チップの複数個の故障候補ネットの抽出により、各故障チップ毎に1本の故障ネットがあると仮定して故障ネットを組み合わせた故障率算出モデルを複数構築する大量故障解析部と、
前記構築された故障率算出モデルにより算出した故障率の見積もり値と、前記物理故障が生じたチップの実故障データの故障率とに基づいて、故障ネットの組合せによる最適な故障率算出モデルを求める評価部と、
を有することを特徴とする物理故障解析装置。
(付記8)前記評価部は、前記物理故障が生じたチップの実故障データを外部からデータ取得することを特徴とする付記7に記載の物理故障解析装置。
111 故障率算出モデル1
112 故障率算出モデル2
120 実故障データ
203 スキャンパス
231 スキャンパスの故障情報
232 FFのフェイルログ
300 物理故障解析装置
301 CPU
302 ROM
303 RAM
304 記憶部
401 FF

Claims (7)

  1. コンピュータに、
    物理故障が生じた各チップの複数個の故障候補ネットを抽出し、各故障チップ毎に1本の故障ネットがあると仮定して故障ネットを組み合わせた故障率算出モデルを複数構築させ、
    前記構築された故障率算出モデルにより算出した故障率の見積もり値と、前記物理故障が生じたチップの実故障データの故障率とに基づいて、故障ネットの組合せによる最適な故障率算出モデルを求める、
    処理を実行させることを特徴とする物理故障解析プログラム。
  2. 前記最適な故障率算出モデルを求める処理は、
    前記構築された故障率算出モデルにより算出したスキャンパスの故障率の見積もり値と、前記物理故障が生じたチップのスキャンパスの故障チップ数の割合とを対比してずれを求め、
    前記ずれが小さい故障率算出モデルを求めることを特徴とする請求項1に記載の物理故障解析プログラム。
  3. 前記最適な故障率算出モデルを求める処理は、
    前記構築された故障率算出モデルにより算出したフリップフロップのフェイル率の見積もり値と、前記物理故障が生じたチップのフリップフロップがフェイルした故障チップ数の割合とを対比してずれを求め、
    前記ずれが小さい故障率算出モデルを求めることを特徴とする請求項1に記載の物理故障解析プログラム。
  4. 前記最適な故障率算出モデルを求める処理は、
    構築された複数の前記故障率算出モデルについて、故障ネットの組合せを変更して新たに構築した故障率算出モデル毎に、前記故障率の見積もり値と、実故障データの故障率とに基づいて、最適な故障率算出モデルを求める処理を繰り返すことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の物理故障解析プログラム。
  5. 前記最適な故障率算出モデルを求める処理により選択された故障率算出モデルに基づき、前記チップの故障要因を特定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の物理故障解析プログラム。
  6. コンピュータが、
    物理故障が生じた各チップの複数個の故障候補ネットを抽出し、各故障チップ毎に1本の故障ネットがあると仮定して故障ネットを組み合わせた故障率算出モデルを複数構築し、
    前記構築された故障率算出モデルにより算出した故障率の見積もり値と、前記物理故障が生じたチップの実故障データの故障率とに基づいて、故障ネットの組合せによる最適な故障率算出モデルを求める、
    処理を実行することを特徴とする物理故障解析方法。
  7. 物理故障が生じた各チップの複数個の故障候補ネットの抽出により、各故障チップ毎に1本の故障ネットがあると仮定して故障ネットを組み合わせた故障率算出モデルを複数構築する大量故障解析部と、
    前記構築された故障率算出モデルにより算出した故障率の見積もり値と、前記物理故障が生じたチップの実故障データの故障率とに基づいて、故障ネットの組合せによる最適な故障率算出モデルを求める評価部と、
    を有することを特徴とする物理故障解析装置。
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