JP2017118617A - 鉄道車両の検査システム - Google Patents

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Abstract

【課題】鉄道車両を輸送の運用から外さずに検査を行うことができ、さらに、様々な条件によって動作に差異が生じる機器についても検査対象とすることのできる鉄道車両の検査システムを提供する。【解決手段】鉄道車両の複数の機器と制御伝送装置との間で鉄道車両を制御するための複数のデータが送られて走行を行う鉄道車両の検査システムである。この検査システムは、制御伝送装置と複数の機器との間で送られるデータを記録するデータ記録処理部(111)と、所定の検査を実行する検査条件が格納された検査条件格納部(113)と、検査結果を判定するための基準値が格納された検査基準値格納部(114)と、記録されたデータの中から検査条件に合致するときのデータを抽出する検査データ抽出部(116)と、抽出されたデータから得られる値と基準値とを比較して検査結果を判定する検査判定部(117)とを備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、鉄道車両に搭載される様々な機器の検査を行う検査システムに関する。
従来、鉄道車両の運行会社では、輸送の支障を来さないよう定期的に鉄道車両の検査が実施されている。検査工程では、鉄道車両の機器に動作試験を行わせて機器の動作を確認することで、機器に異常又は異常の予兆がないか判定を行っている。近年では、機器に自己診断機能を搭載し、検査工程で、機器に自己診断を行わせて各機器の検査を行う方法が採用されることもある。
また、特許文献1には、鉄道車両に搭載された機器の検査技術として、鉄道車両の運行時に機器検査用のモニタリンクデータを取得し、モニタリングデータの値と期待値との差が許容範囲を超えた回数をカウントして、機器の故障の予兆を発見する技術が開示されている。
特開2009−18770号公報
従来の定期的に実施される機器の検査方法では、検査のために鉄道車両を輸送の運用から外さなければならないという課題があった。さらに、検査工程では鉄道車両を運行時と同じように走行させることが難しく、機器の動作試験を行う場合でも模擬的な動作試験しか行えないという課題があった。
一方、特許文献1の検査技術では、運行時のモニタリングデータを用いることで鉄道車両を輸送の運用から外さずに所定の機器の検査を行うことができる。しかしながら、特許文献1の検査技術では、モニタリングデータと期待値との差を計算し、この差が許容範囲を超えた回数をカウントするという処理を必要している。このため、検査対象が期待値の定まりやすいものに制限され、走行モータのトルクなど、運転操作、架線電圧、および走行速度などの様々な条件に応じて差異が生じるものを検査対象にすることが困難である。
鉄道車両においては、車両に搭載されている機器の動作が別の機器の状態に依存して変化することがある。特許文献1の検査技術では、上記のような理由から、複数の機器の状態に依存して動作に差異が生じる機器について検査することが難しいという課題があった。このような課題は、機器の自己診断機能を利用した検査技術でも同様に生じる。
近年、鉄道車両の各機器と車上の管理システムとを伝送網で接続し、各機器の動作を一元的に管理する高情報化技術を採用した鉄道車両の開発が進められている。このような鉄道車両では、各機器の動作指令および動作状態の情報が管理システムに集約される。
本発明者らは、このように鉄道車両の制御のために集約される情報を用いて鉄道車両の各機器の検査を行うことを検討した。しかしながら、制御のために集約される情報は種類も量も膨大であり、何ら工夫がないと、このような膨大な情報と機器の検査とを結び付けることは容易でなかった。
本発明の目的は、制御のために集約される情報を利用することで鉄道車両を輸送の運用から外さずに検査を行うことができ、さらに、様々な条件によって動作に差異が生じる機器についても検査対象とすることのできる鉄道車両の検査システムを提供することである。
本発明は、上記目的を達成するため、
鉄道車両に搭載された操作機器および動作機器を含む複数の機器と制御伝送装置との間で鉄道車両を制御するための複数のデータが送られて走行を行う鉄道車両の検査システムにおいて、
前記鉄道車両の運行中に前記制御伝送装置と前記複数の機器との間で送られるデータを記録するデータ記録処理部と、
所定の検査を実行する条件が格納された検査条件格納部と、
検査結果を判定するための基準値が格納された検査基準値格納部と、
前記データ記録処理部により記録されたデータの中から、前記検査条件格納部に格納された前記条件に合致するデータを抽出する検査データ抽出部と、
前記検査データ抽出部により抽出されたデータから得られる値と前記検査基準値格納部に格納された基準値とを比較して検査結果を判定する検査判定部と、
を備えていることを特徴としている。
この構成によれば、鉄道車両を制御するために制御伝送装置と複数の機器との間で送られるデータの中から、検査データ抽出部が条件に合致するデータを抽出し、検査判定部がこのデータに基づく値と基準値とを比較して検査結果を判定する。このため、鉄道車両を制御するために制御伝送装置と複数の機器との間で膨大なデータが送られていても、この中から検査の条件で絞られた一部のデータを用いて機器の検査を行うことができる。検査条件格納部に格納する条件を適宜選定することで、様々な条件によって動作に差異が生じる機器でも条件を絞ることで適切な検査を行うことができる。さらに、鉄道車両の運行中のデータを用いて機器の検査を行っているので、この検査のために鉄道車両を輸送の運用から外す必要がなくなる。
ここで、前記検査条件格納部に格納された前記条件には、検査対象の機器とは異なる別の機器と前記制御伝送装置との間で送られるデータに関する条件値又は条件範囲が含まれるように構成してもよい。
この構成によれば、検査対象の機器の動作又は状態が別の機器の動作又は状態に依存して変化する場合でも、別の機器の動作又は状態が所定の条件に合致するデータに絞って機器の検査を行うことができる。例えば、走行用の駆動電流を出力するVVVF(可変電圧可変周波数)インバータを検査対象とし、マスコンを上記の別の機器として上記構成を適用することができる。この場合、例えばマスコンが所定ノッチの指令を伝送しているときのVVVFインバータの伝送データを抽出し、所定ノッチの指令が出されているという条件に絞ってVVVFインバータの検査を行うことができる。このように、別の機器に依存して動作又は状態が変化する機器であっても検査対象とすることができる。
また、前記検査基準値格納部には、前記制御伝送装置に接続されていない非接続機器の信号に基づいて動作する動作機器と前記制御伝送装置との間で送られるデータに関する基準値が格納され、
前記検査判定部は、前記基準値を用いた比較により、前記非接続機器の検査結果を判定するように構成してもよい。
この構成によれば、制御伝送装置に接続されている動作機器のデータを用いて制御伝送装置に接続されていない非接続機器の検査を実施することができる。
さらに、前記データ記録処理部により記録されるデータを送信するデータ送信部を有し、前記鉄道車両に搭載される車上装置と、
前記データ送信部が送信したデータを受信するデータ受信部を有し、地上に配置される地上装置とを備え、
少なくとも前記検査データ抽出部と前記検査判定部とが前記地上装置に含まれているように構成してもよい。
この構成によれば、検査項目および検査回数が多くなってデータ抽出処理と判定処理の負荷が増大しても、地上装置によりこの負荷の増大に対応することができる。
また、前記検査データ抽出部と前記検査判定部とが前記車上装置にも含まれ、
前記車上装置の前記検査判定部と前記地上装置の前記検査判定部とは、互いに異なる基準値を用いて前記検査結果を判定するように構成してもよい。
この構成によれば、例えば、地上装置では複数段階に異常レベルを分けて検査の判定を行い、車上装置では早急な対応の必要性を発見するような検査の判定を行うなど、車上装置の検査と地上装置の検査とを使い分けることができる。
本発明によれば、鉄道車両を制御するための情報を利用することで鉄道車両を輸送の運用から外さずに機器の検査を行うことができ、さらに、様々な条件によって動作に差異が生じる機器についても適切に検査することができる。
制御伝送システムと検査システムとの概要を示す構成図である。 第1実施の形態の検査システムの車上装置および地上装置の内部構成を示す機能ブロック図である。 検査システムによる主幹制御器の制御機能の検査処理を説明する図である。 検査システムによるパンタグラフの昇降動作の検査処理を説明する図である。 検査システムによるブレーキの検査処理を説明する図である。 検査システムによる空気圧縮機の蓄積時間の検査処理を説明する図である。 検査システムによる調圧器の検査処理を説明する図である。 検査システムによる戸閉保安装置の検査処理を説明する図である。 検査システムによる保安装置のエラー履歴の検査処理を説明する図である。 検査システムによる蓄電池機能の検査処理を説明する図である。 検査システムによる表示灯の検査処理を説明する図である。 第2実施の形態の検査システムの車上装置および地上装置の内部構成を示す機能ブロック図である。 第3実施の形態の検査システムの車上装置および地上装置の内部構成を示す機能ブロック図である。
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施の形態)
本発明の第1実施の形態の検査システム100は、鉄道車両の制御伝送システム10の情報を利用して鉄道車両に搭載された様々な機器21、22、23の機能検査を行うものである。
図1は、制御伝送システムと検査システムとの概要を示す構成図である。
制御伝送システム10は、先頭車両2に搭載される制御伝送中央装置11と、後続車両2、2に搭載される制御伝送端末装置12、12とが、互いにデータ伝送可能に伝送網に接続されて構成される。制御伝送中央装置11および制御伝送端末装置12、12には、鉄道車両の様々な機器21、22が接続されている。
図1では、鉄道車両の機器として3つの機器21、22、23を示しているが、各車両2には多くの機器が設けられている。これらの機器の中には、制御伝送システム10に接続される機器21、22と、制御伝送システム10に接続されない非接続機器23とが含まれる。制御伝送システム10に接続される機器22は、非接続機器23と接続されている場合もある。図1では、別車両の機器22に非接続機器23が接続された例を示しているが、同一車両内で接続されていてもよい。
制御伝送システム10に接続される機器21、22には、伝送網を介して接続される機器として、例えば、先頭車両2に搭載されて運転士が操作する運転台機器(操作機器に相当)201、走行用のモータ主回路に駆動電流を流すVVVF(可変電圧可変周波数)インバータ202(図3)、SIV(Static InVerter: 補助電源装置)209(図4)、ブレーキ制御装置211(図5)、空気圧縮機用の調圧器214(図6)、ドア制御装置220(図8)、保安装置221(図9)などが含まれる。また、制御伝送システム10に接続される機器21、22には、信号線を介して接続される機器として、例えば、パンタグラフ205(図4)、接触器&空気圧縮機216(図6)、蓄電池接触器223(図10)、運転台選択スイッチ225(図11)、前部標識灯226の断芯検知装置228(図11)、後部標識灯227の断芯検知装置229(図11)などが含まれる。
制御伝送システム10に接続されない非接続機器23には、戸閉保安装置219(図8)などが含まれる。
ここで、伝送網とは、特定の信号のみを伝える信号線などと異なり、1つの伝送ラインで複数種類のデータを伝えることのできる構成を意味する。なお、本明細書においては、制御伝送システム10と機器との間で送られるデータと総括的に記した場合には、伝送網を介して伝送されるデータのみでなく、信号線を介して入出される信号も含むものとする。
制御伝送中央装置11は、運転台機器21の操作情報を受信し、操作情報に応じて各機器の動作指令を生成し、各機器へ送信する。制御伝送中央装置11は、後続車両2、2の機器を動作させるために、後続車両2、2の制御伝送端末装置12、12に操作情報または指令を送信する場合がある。また、制御伝送中央装置11は、各機器のセンサから各機器の状態を表わすステータスデータを受信し、操作情報とステータスデータとに応じて動作指令または指令に含まれるパラメータ値を演算する場合もある。
制御伝送端末装置12は、制御伝送中央装置11からの操作情報または指令に応じて、後続車両2、2の各機器の動作指令を生成し、各機器へ送信する。制御伝送端末装置12は、後続車両2、2の各機器のセンサから各機器の状態を表わすステータスデータを受信し、操作情報又は指令とステータスデータとに応じて動作指令に含まれるパラメータ値を演算する場合もある。
このような制御伝送中央装置11と制御伝送端末装置12の制御により鉄道車両の運行が実現される。
なお、図1では、後続車両2ごとに制御伝送端末装置12を備えているが、制御伝送端末装置12の代わりにデータ転送機器(例えばネットワークハブ)を配置し、先頭車両の制御伝送中央装置11が、直接、後続車両2の機器を制御するように構成してもよい。
検査システム100は、鉄道車両に搭載される車上装置110と、地上に配置される地上装置120とを備えている。検査システム100には、検査員が携帯可能な端末装置130を含めてもよい。
図2は、第1実施の形態の検査システムの車上装置と地上装置との内部構成を示す機能ブロック図である。
車上装置110は、データ記録処理部111、データ格納部112、検査条件格納部113、検査基準値格納部114、検査結果格納部115、検査データ抽出部116、検査判定部117、およびデータ送信部118を備えている。
地上装置120は、通信処理部121、検査結果格納部122、およびデータ受信部123を備えている。
車上装置110の各機能ブロック、並びに、地上装置120の各機能ブロックは、典型的には、メモリおよび通信処理装置などのハードウェアとCPU(中央演算処理装置)、が実行するソフトウェアとの協働により実現される。しかしながら、上記の各機能ブロックはハードウェア単体により構成されてもよい。
データ記録処理部111は、制御伝送システム10と機器21、22との間で送られるデータを読み取って、データ項目ごとにデータ格納部112へ記録する。データを記録する際には、データが出力された時刻データ、データの出力元を識別可能な情報を併せて記録してもよい。記録されるデータには、少なくとも制御伝送中央装置11からの動作指令、制御伝送端末装置12からの動作指令、および各機器のステータスデータ等が含まれる。
検査条件格納部113には、検査対象の検査を実行する条件(以下、「検査条件」と呼ぶ)が予め格納されている。各検査対象の検査条件は、データ記録処理部111が読み取る複数のデータ項目のうち、予め定められた1つ又は複数のデータ項目の値によって表わされている。検査条件格納部113には、複数の検査対象にそれぞれ対応する複数の検査条件が格納されている。検査条件の具体例は後に示す。
検査データ抽出部116は、データ格納部112に記録されたデータの中から、検査条件格納部113に格納された検査条件に合致するデータを抽出する。ここで抽出されるデータは、検査条件に含まれるデータ項目のデータと、検査結果を判定するために基準値と比較するデータ項目のデータとをセットにしたデータ群である。つまり、このデータ抽出により、検査条件に合致したときの比較対象のデータを抽出することができる。検査データ抽出部116は、検査条件格納部113に格納された複数の検査条件の各々に対応したデータ抽出を行う。
検査基準値格納部114には、検査対象の検査結果を判別するための基準値が予め格納されている。基準値としては、例えば比較対象のデータ項目が2値データとなる場合には、何れかの値となるし、検査対象のデータ項目が連続的に変化する数値となる場合には、値の範囲(上限閾値、下限閾値、又はこれら両方)を示す値となる。1つの検査対象の検査結果に複数のデータ項目のデータが関係する場合には、1つの検査対象用に複数のデータ項目の基準値が用意される場合もある。また、基準値が閾値で表わされる場合には、検査対象の異常又はその予兆の度合に応じて複数段階の閾値を検査基準値格納部114に格納してもよい。検査基準値格納部114には、複数の検査対象にそれぞれ対応する複数組の基準値が格納されている。
検査判定部117は、検査データ抽出部116により抽出されたデータと、検査基準値格納部114に格納されている基準値を比較して、検査対象の検査結果を判定する。判定結果は、検査結果格納部115に送られる。
検査結果格納部115は、複数の検査対象の検査結果を格納する。検査結果は、例えば検査対象に関するデータの取得日時と併せて格納される。
データ送信部118は、地上装置120に検査結果を送信する。データ送信部118は、無線通信、或いは、鉄道車両用に設けられた専用の通信ネットワークを介してデータの送信を行う。データ送信部118は、検査判定部117の判定後に速やかに検査結果を送信してもよいし、検査結果格納部115に格納されたデータをまとめて送信してもよい。
データ受信部123は、車上装置110のデータ送信部118から検査結果を受信する。
地上装置120の検査結果格納部122は、データ受信部123により受信された検査結果を格納し蓄積する。
通信処理部121は、検査員が所持する端末装置130と通信を行って、端末装置130の要求に基づき、検査結果格納部122に格納された検査結果を端末装置130へ送信する。
その他、地上装置120には、検査結果格納部122のデータを解析するデータ解析部、検査結果を表示するための表示処理部などを設けてもよい。データ解析部は、検査結果に異常がないか解析し、異常があった場合に、これを端末装置130や表示処理部に通知してアラートを出力させるなどの処理を行ってもよい。
続いて、制御伝送システムおよび検査システムによる鉄道車両の各機器の検査処理について、幾つかの検査対象の検査処理を例にとって説明する。
<主幹制御器の制御機能の検査>
図3は、検査システムによるマスコン(主幹制御器とも呼ぶ)の制御機能の検査処理を説明する図である。
マスコン201は、運転台機器21(図1を参照)に含まれる機器であり、運転士が操作した場合に、鉄道車両を走行させるノッチ指令を制御伝送システム10へ伝送する。ノッチ指令を伝送する際には、二重系の健全性を保つためにマスコン201の自己診断結果も制御伝送システム10へ伝送される。制御伝送システム10は、ノッチ指令に応じた必要トルクの演算を行って、トルク指令をVVVFインバータ202に伝送する。VVVFインバータ202は、架線電圧に基づき鉄道車両を走行するモータのモータ主回路203を加圧して駆動させる電力回路である。加圧とは電圧の出力を意味する。VVVFインバータ202は、トルク指令を実現するための電圧と周波数との変化パターン(トルクパターンと呼ぶ)を演算により求め、このパターンでモータ主回路203を加圧する。また、VVVFインバータ202は、モータに生じたトルクを検出又は計算し、制御伝送システム10に伝送線を介してフィードバックする。
さらに、制御伝送システム10には、図3において図示を省略するが、常時、鉄道車両の速度発電機から速度情報が入力され、SIV209(図4を参照)から架線電圧情報が伝送され、VVVFインバータ202から様々な制御情報が伝送されている。
検査システム100においては、検査条件格納部113と検査基準値格納部114とに、VVVFインバータ202の機能を検査対象とした、検査条件および基準値が格納されている。
この検査条件は、例えば、マスコン201の操作情報が力行所定ノッチであること、鉄道車両の速度が所定範囲内であること、VVVFインバータ202の空転制御情報がOFFであること、および、架線電圧が所定電圧以上であることという条件である。この検査条件は、複数の機器の状態が複合された条件である。
この検査条件に対応する基準値には、マスコン201の自己診断結果が正常であることを示す値と、トルクフィードバック値の許容誤差を表わす閾値とが含まれている。
検査データ抽出部116は、鉄道車両の運行中、制御伝送システム10から読み出された記録データの中から、検査条件に合致するデータを抽出し、検査判定部117がデータに含まれるトルク指令値とトルクフィードバック値との誤差が閾値を超えていないか判定する。また、検査判定部117はマスコン201の自己診断結果が正常値となっているか判定する。これにより、VVVFインバータ202の機能の検査結果が得られる。
このような検査処理により、マスコン201の条件とVVVFインバータ202の条件とを複合した条件下で、VVVFインバータ202の機能に異常又は異常の予兆がないか検査することができる。
<集電装置の昇降動作の検査>
図4は、検査システムによるパンタグラフの昇降動作の検査処理を説明する図である。
パンタグラフ上昇/降下スイッチ204は、運転台機器21(図1を参照)に含まれる機器である。パンタグラフ上昇/降下スイッチ204が操作されると、パンタグラフ205の上昇制御線または降下制御線が加圧される。これらの制御線の加圧情報は、制御伝送システム10にも送られる。
パンタグラフ205は、集電装置を昇降する装置であり、鉄道車両の運行時には集電装置を上昇させて架線に集電装置を接触させて集電を行わせているが、車両基地に収容されているときなど、長い期間走行しない場合には、集電装置を降下させている。或いは、路線に架線のない区間があればこの区間において集電装置を降下させる。
パンタグラフ205は、バネの作用により上昇するように構成されている。パンタグラフ205には、降下してロックされた状態を電気的に解除する電磁カギ外し206と、圧縮空気を用いてバネに抗して降下させるための下げ電磁弁207と、上昇を検知する上昇検知センサ208とを有している。上昇制御線が加圧されることで電磁カギ外し206が動作し、降下制御線が加圧されることで下げ電磁弁207が動作する。パンタグラフ205から制御伝送システム10へは上昇検知センサ208の出力状態の情報が入力される。
SIV(Static InVerter:補助電源装置)209は、架線電圧を受けて鉄道車両内の低電圧機器の電源を生成する機器であり、架線電圧センサ210を有している。SIV209から制御伝送システム10へは検出された架線電圧情報が伝送される。
検査システム100においては、検査条件格納部113と検査基準値格納部114とに、パンタグラフ205を検査対象とした検査条件と基準値とが格納されている。
この検査条件は2種類あり、一つは、上昇加圧線が非加圧から加圧へと切り替わるという条件であり、一つは、降下制御線が非加圧から加圧へと切り替わるという条件である。
これらの検査条件に対応する基準値は、上昇検知センサの基準値と、架線電圧センサ210の検出電圧の基準範囲である。
検査データ抽出部116は、鉄道車両の運行中に制御伝送システム10から読み出された記録データの中から、検査条件に合致するデータを抽出する。検査判定部117は、抽出されたデータに含まれる上昇検知センサの値および検出電圧の値を基準値および基準範囲とそれぞれ比較する。これにより、パンタグラフ205の検査結果が得られる。
このような検査処理は、鉄道車両の実際の運行中或いは運行のために車両基地に入出区する際に行われる。このような処理により、パンタグラフ205の上昇又は降下の操作が行われた際に、正しく動作して正常に集電がなされるか或いは異常の予兆がないか検査することができる。
<ブレーキ検査>
図5は、検査システムによるブレーキの検査処理を説明する図である。
マスコン201は、運転士のブレーキ操作により鉄道車両の走行を制動するブレーキノッチ指令を制御伝送システム10へ伝送する。ブレーキノッチ指令を伝送する際には、二重系の健全性を保つためにマスコン201の自己診断結果も制御伝送システム10へ伝送される。制御伝送システム10は、ブレーキノッチ指令とAS圧情報とに基づき必要ブレーキ力を演算し、必要ブレーキ力の情報をブレーキ制御装置211へ伝送する。AS圧情報は、鉄道車両のエアサスペンションの空気圧を示す情報である。制御伝送システム10は、AS圧情報から乗客の総重量を算出して応荷重ブレーキ制御を行う。総重量が大きくなるほど必要ブレーキ力は大きくなる。
ブレーキ制御装置211は、鉄道車両のブレーキシリンダに圧縮空気を送るBC電磁弁212と、ブレーキシリンダの圧力を検出するBC圧センサ213とを有している。ブレーキ制御装置211は、必要ブレーキ力の情報を受けると、BC電磁弁212を動作させてブレーキシリンダを加圧させる。これにより鉄道車両が制動される。さらに、ブレーキ制御装置211は、BC圧センサ213の圧力情報から実ブレーキ力を演算し、実ブレーキ力が必要ブレーキ力になるようにフィードバック制御を行いながら、BC電磁弁212を動作させる。ブレーキ制御装置211で演算された実ブレーキ力フィードバック値の情報は制御伝送システム10へ伝送される。
検査システム100においては、検査条件格納部113と検査基準値格納部114とに、ブレーキ制御装置211を検査対象とした検査条件と基準値とが格納されている。
この検査条件は、他のブレーキ指令出力がOFFであり、B1〜B8のブレーキノッチ指令が出力され、且つ、ブレーキ制御装置211の滑走防止制御がOFFであるという条件である。「B1〜B8」とは、運転士のブレーキ用の操作レベルを表わしている。この検査条件は、複数の機器の状態が複合された条件である。
この検査条件に対応する基準値は、マスコン201の自己診断結果が正常であることを示す値と、実ブレーキ力フィードバック値の許容誤差を示す閾値とである。
検査データ抽出部116は、鉄道車両の運行中、制御伝送システム10から読み出した記録データの中から、検査条件に合致するデータを抽出する。検査判定部117は、抽出されたデータに含まれる必要ブレーキ力と実ブレーキ力フィードバック値との誤差が閾値を超えていないか判定する。また、検査判定部117はマスコン201の自己診断結果が正常値となっているか判定する。これにより、ブレーキ制御装置211検査結果が得られる。
このような検査処理により、マスコン201の条件とブレーキ制御装置211の条件とを複合した条件下で、ブレーキ制御装置211のブレーキ制御に異常或いは異常の予兆が生じていないか検査することができる。
<空気圧縮機の蓄積時間の検査>
図6は、検査システムによる空気圧縮機の蓄積時間の検査処理を説明する図である。図6において、制御伝送システム10は、制御を行う制御伝送システム10aと状態監視を行う制御伝送システム10bとに分離して表わされている。
鉄道車両の圧縮空気を利用したブレーキは、空気タンクに蓄積された圧縮空気をブレーキシリンダに供給して制動動作するので、ブレーキ操作が行われるごとに圧縮空気が消費されて空気タンクの圧力が低下していく。このため、鉄道車両の運行中には、空気タンクの圧力を所定の範囲に調整する制御が行われる。
調圧器214は、上記の空気タンクの圧力を調整する機器である。接触器&空気圧縮機216は、空気タンクに圧縮空気を供給する機器であり、外部から接触器がオンにされることで空気圧縮を行い、接触器がオフにされることで空気圧縮を停止する。
調圧器214には空気タンクの圧力を検出する圧力センサ215が設けられ、調圧器214から制御伝送システム10bに圧力値の情報が伝送される。また、調圧器214は、圧縮空気を補充する条件(入り条件と呼ぶ)および圧縮空気の補充を停止する条件(切り条件と呼ぶ)を判別し、これらの条件判別結果を制御伝送システム10aに伝送する。
制御伝送システム10aは、調圧器214から入り条件の判別結果が送られると、接触器&空気圧縮機216に入り指令を出力する。逆に、制御伝送システム10aは、調圧器214から切り条件の判別結果が入力されると、接触器&空気圧縮機216に切り指令を出力する。入り指令により接触器がオフからオンに切り替えられ、切り指令により接触器がオンからオフに切り替えられる。
接触器&空気圧縮機216は、制御伝送システム10bに接触器の動作情報を入力する。
検査システム100においては、検査条件格納部113と検査基準値格納部114とに、圧縮空気の蓄積時間を検査対象とした検査条件と基準値とが格納されている。
この検査条件は、接触器動作情報が停止から動作となりその後に再び停止となるという条件である。
この検査条件に対応する基準値は、圧縮空気を蓄積する時間の基準範囲である。
検査データ抽出部116は、鉄道車両の運行中に制御伝送システム10から読み出された記録データの中から、検査条件に合致するデータを抽出する。この場合、接触器動作情報が停止から動作となったときの時刻と、接触器動作情報が動作から停止となったときの時刻を含んだデータが抽出されればよい。検査判定部117は、抽出されたデータから求められる接触器&空気圧縮機216の動作から停止までの時間間隔を蓄積時間として基準範囲と比較する。これにより、圧縮空気の蓄積時間の検査結果が得られる。
このような検査処理により、接触器&空気圧縮機216が動作したときに、圧縮空気の補充動作に異常或いは異常の予兆がないか検査することができる。
<調圧器の機能検査>
図7は、検査システムによる調圧器の検査処理を説明する図である。
検査システム100の検査条件格納部113と検査基準値格納部114とには、さらに、調圧器214の機能を検査対象とした検査条件と基準値とが格納されている。
この検査条件は2種類あり、一つは調圧器214から送られる圧力値が下限範囲にあるという条件であり、一つは調圧器214から送られる圧力値が上限範囲にあるという条件である。
これらの検査条件に対応する基準値は、接触器動作情報の「切り→入り」の変化と、「入り→切り」の変化である。
検査データ抽出部116は、鉄道車両の運行中に制御伝送システム10から読み出された記録データの中から、検査条件に合致するデータを抽出する。検査判定部117は、抽出されたデータに含まれる接触器動作情報に基準値として示された変化があるか判定する。これにより、調圧器214の検査結果が得られる。
このような検査処理により、空気タンクの圧縮空気の一定の消費又は供給がなされた際に、調圧器214による制御ロジックに異常或いは異常の予兆がないか検査することができる。
<戸閉保安装置の機能検査>
図8は、検査システムによる戸閉保安装置の検査処理を説明する図である。
戸閉保安装置219は、フェイルセーフな戸閉制御を実現するために、鉄道車両の走行中に車両ドアの開指令を無効にするように、第2速度発電機218の出力に連動させてリレー219aにより開不許可線の加圧を行う機器である。開不許可線とはドア制御装置220に車両ドアを閉動作させるための制御線であり、走行状態検知線と呼んでもよい。戸閉保安装置219は、制御伝送システム10が仮に機能停止した場合でも動作するように、制御伝送システム10の制御を介さない動作機器であり、それ故、制御伝送システム10の伝送線にも接続されていない。戸閉保安装置219は、本発明に係る非接続機器の一例に相当する。
ドア制御装置220は、車両ドアの開閉制御を行う機器であり、制御伝送システム10へ開不許可線の信号検知情報を伝送する。
第1速度発電機217と第2速度発電機218とは、鉄道車用の車軸の回転を検出する機器であり、制御伝送システム10へ信号線を介して速度情報を送っている。
制御伝送システム10の内部には、リアルタイムの速度情報を保持する情報保持部10cと、鉄道車両の走行開始時の速度(例えば5km/h)の信号を検知したことを示すビット情報を保持する情報保持部10dとが設けられている。情報保持部10dの値は、ドア制御装置220の開不許可線の信号検知情報に連動して値が切り替わるように構成されている。これらの情報保持部10c、10dの値は、伝送線を介して検査システム100により読出し可能にされている。
検査システム100においては、検査条件格納部113と検査基準値格納部114とに、戸閉保安装置219を検査対象とした検査条件と基準値とが格納されている。
この検査条件は、開不許可線の信号検知が無しから有りへ変化したという条件である。
この検査条件に対応する基準値は、開不許可線が加圧へ切り替わるべき鉄道車両の走行速度の基準範囲である。
検査データ抽出部116は、鉄道車両の運行中に制御伝送システム10から読み出された記録データの中から、検査条件に合致するデータを抽出する。検査判定部117は、抽出されたデータに含まれる速度情報と基準範囲とを比較する。これにより、戸閉保安装置219の検査結果が得られる。
このような検査処理により、制御伝送システム10に直接に接続されていない戸閉保安装置219の制御に異常或いは異常の予兆がないか検査することができる。
<保安装置のエラー履歴検査>
図9は、検査システムによる保安装置のエラー履歴の検査処理を説明する図である。
保安装置221は、D−ATC(デジタル自動列車停止装置)の車上機器の自動検査を行って検査結果の記録保持を行う装置である。保安装置221は、制御伝送システム10に検査結果の記録データを伝送する。
制御伝送システム10は、保安装置221の記録データのうち故障情報を示すビットを常時監視し、故障情報があるときにこの情報を状態監視系ステータスデータの一部として情報保持部10eに保持する。情報保持部10eの値は、伝送線を介して検査システム100により読出し可能にされている。
検査システム100は、検査条件格納部113および検査基準値格納部114に基づく検査処理とは別に、情報保持部10eの状態監視系ステータスデータの常時監視を行う。そして、保安装置221の故障情報ビットが「1」となった場合には、検査結果格納部115に、保安装置221の故障情報を格納する。
このような検査処理により、検査システム100にもD−ATCの検査結果を管理させることが可能となる。
<蓄電池機能検査>
図10は、検査システムによる蓄電池機能の検査処理を説明する図である。
蓄電池投入ボタン222は、運転台機器21(図1を参照)に備わる機器であり、架線の無い区間で低電圧機器を駆動する際に押下されるボタンである。このボタン押下情報は運転台機器21から制御伝送システム10へ入力される。制御伝送システム10は、ボタン押下情報を入力したら蓄電池接触器223に入り指令を出力する。蓄電池接触器223は、蓄電池224とSIV209との間の電力線を開閉する装置である。蓄電池接触器223は、入り指令を入力すると電力線を閉として蓄電池の直流低圧(例えば100V電圧)をSIV209に供給する。SIV209等の車両機器は、内部のセンサで供給電圧を測定し、低圧電圧の測定結果を制御伝送システム10へ伝送する。
検査システム100においては、検査条件格納部113と検査基準値格納部114とに、蓄電池機能を検査対象とした検査条件と基準値とが格納されている。
この検査条件は、蓄電池投入ボタン222のボタン押下情報有りという条件である。
この検査条件に対応する基準値は、制御伝送システム10の入り指令の基準値と、SIV209で測定される低圧電圧の基準範囲(例えば70V以上)である。
検査データ抽出部116は、鉄道車両の運行中に制御伝送システム10から読み出された記録データの中から、検査条件に合致するデータを抽出する。検査判定部117は、抽出されたデータに含まれる蓄電池接触器223への入り指令および低圧電圧測定結果と、基準値および基準範囲とを比較する。これにより、蓄電池224の機能の検査結果が得られる。このような検査処理により、蓄電池224の電力に切り替える制御部に異常又は異常の予兆がないか検査することができる。
<表示灯の機能検査>
図11は、検査システムによる表示灯の検査処理を説明する図である。
運転台選択スイッチ225は、運転台機器21(図1を参照)に備わる機器であり、鉄道車両が列車の先頭にあるか後尾にあるかを選択するためのスイッチである。スイッチの選択位置情報は制御伝送システム10にも出力される。
前部標識灯226は、先頭車両が点灯する標識灯であり、例えば前方を照らす前照灯を含む。前部標識灯226は、運転台選択スイッチ225から前選択信号が出力された場合に点灯する。
後部標識灯227は、後尾車両が点灯する標識灯であり、例えば列車の後尾灯を含む。後部標識灯227は、運転台選択スイッチ225から後選択信号が出力された場合に点灯する。
断芯検知装置228、229は、例えば前部標識灯226または後部標識灯227の電流を測定して断芯の有無を検知する装置であり、制御伝送システム10に断芯検知情報を出力する。
検査システム100においては、検査条件格納部113と検査基準値格納部114とに、表示灯を検査対象とした検査条件と基準値とが格納されている。
この検査条件は2種類あり、一つは前選択信号有りという条件であり、一つは後選択信号有りという条件である。
これらの検査条件に対応する基準値は、断芯検知無しを示す値である。
検査データ抽出部116は、鉄道車両の運行中に制御伝送システム10から読み出された記録データの中から、検査条件に合致するデータを抽出する。検査判定部117は、抽出されたデータに含まれる断芯検知情報と基準値とを比較する。これにより、前部標識灯226または後部標識灯227の検査結果が得られる。このような検査処理により、前部標識灯226または後部標識灯227に異常或いは異常の予兆がないか検査することができる。
以上のように、この実施の形態の検査システム100によれば、鉄道車両2を制御するための情報を利用することで鉄道車両2を輸送の運用から外さずに機器の検査を行うことができ、さらに、様々な条件によって動作に差異が生じる機器についても検査を行う条件が絞られることで適切な検査を行うことができる。さらに、制御伝送システム10に直接接続されない非接続機器であっても、この機器の信号を受けて制御伝送システム10に情報を伝送する機器のデータを利用することで、検査対象とすることができる。
(第2実施の形態)
図12は、第2実施の形態の検査システムの車上装置と地上装置との内部構成を示す機能ブロック図である。
第2実施の形態の検査システム100Aは、制御伝送システム10の記録データの中から所定の検査条件に合致するデータを抽出する機能と、検査結果の判定を行う機能とを、地上装置120Aに持たせたものである。第2実施の形態の幾つかの機能ブロックは、第1実施の形態の機能ブロックと同様のものであり、これらについては第1実施の形態と同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
車上装置110Aは、データ記録処理部111、データ格納部112、およびデータ送信部118Aを備えている。
地上装置120Aは、データ受信部123A、データ格納部112A、検査条件格納部113、検査基準値格納部114、検査結果格納部115、検査データ抽出部116、検査判定部117、および通信処理部121を備えている。
車上装置110Aのデータ送信部118Aは、データ格納部112に記録された制御伝送システム10の記録データを地上装置120Aへ送信する。
地上装置120Aのデータ受信部123Aは、車上装置110Aから受信した制御伝送システム10の記録データをデータ格納部112Aに格納する。
第2実施の形態の検査システム100Aでは、地上装置120Aの検査データ抽出部116および検査判定部117によって、検査条件格納部113に格納された検査条件と検査基準値格納部114に格納された基準値を用いて、鉄道車両の各機器の検査が行われる。
第2実施の形態の検査システム100Aによれば、検査内容および検査頻度が増えて検査処理の負荷が増大しても地上装置120Aによって対応することが可能となる。
(第3実施の形態)
図13は、第3実施の形態の検査システムの車上装置と地上装置との内部構成を示す機能ブロック図である。
第3実施の形態の検査システム100Bは、制御伝送システム10の記録データの中から所定の検査条件に合致するデータを抽出する機能と、検査結果の判定を行う機能とを、車上装置110Bと地上装置120Bとの両方に持たせ、両者で異なる基準の判定を行わせるようにしたものである。
第3実施の形態の幾つかの機能ブロックは、第1実施の形態または第2実施の形態の機能ブロックと同様のものであり、これらについては第1実施の形態又は第2実施の形態と同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
車上装置110Bは、データ記録処理部111、データ格納部112、緊急用検査条件格納部113B、緊急用検査基準値格納部114B、検査結果格納部115、検査データ抽出部116、検査判定部117、およびデータ送信部118Aを備えている。
地上装置120Bは、データ受信部123A、データ格納部112A、検査条件格納部113、検査基準値格納部114、検査結果格納部115、検査データ抽出部116、および検査判定部117を備えている。
車上装置110Bの緊急用検査条件格納部113Bには、緊急性のある検査対象についての検査条件が格納されている。
車上装置110Bの緊急用検査基準値格納部114Bには、緊急性のある異常又は異常の予兆を判別する基準値が格納されている。
このような構成により、地上装置120Bでは、第1実施の形態で示した鉄道車両の通常の検査が行われ、車上装置110Bでは緊急性のある検査対象についてのみ検査が行われる。よって、例えば、地上装置120Bには、複数段階に異常レベルを確認するなどの詳細な検査の判定を、即時性なく行わせ、車上装置110Bには、早急な対応の必要性を発見するような検査の判定を即時に行わせるなど、車上装置110Bの検査と地上装置120Bの検査とを使い分けることができる。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限られるものではない。実施の形態に示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
2 車両
10 制御伝送システム
11 制御伝送中央装置
12 制御伝送端末装置
21 運転台機器
22、23 機器
100、100A、100B 検査システム
110、110A、110B 車上装置
111 データ記録処理部
112 データ格納部
113 検査条件格納部
113B 緊急用検査条件格納部
114 検査基準値格納部
114B 緊急用検査基準値格納部
115 検査結果格納部
116 検査データ抽出部
117 検査判定部
118、118A データ送信部
120、120A、120B 地上装置
121 通信処理部
122 検査結果格納部
123、123A データ受信部
201 マスコン
202 VVVFインバータ
203 モータ主回路
204 パンタグラフ上昇/下降スイッチ
205 パンタグラフ
209 SIV
211 ブレーキ制御装置
214 調圧器
216 接触器&空気圧縮機
217 第1速度発電機
218 第2速度発電機
219 戸閉保安装置
220 ドア制御装置
221 保安装置
223 蓄電池接触器
224 蓄電池
225 運転台選択スイッチ
226 前部標識灯
227 後部標識灯
228、229 断芯検知装置

Claims (5)

  1. 鉄道車両に搭載された操作機器および動作機器を含む複数の機器と制御伝送装置との間で鉄道車両を制御するための複数のデータが送られて走行を行う鉄道車両の検査システムにおいて、
    前記鉄道車両の運行中に前記制御伝送装置と前記複数の機器との間で送られるデータを記録するデータ記録処理部と、
    所定の検査を実行する条件が格納された検査条件格納部と、
    検査結果を判定するための基準値が格納された検査基準値格納部と、
    前記データ記録処理部により記録されたデータの中から、前記検査条件格納部に格納された前記条件に合致するデータを抽出する検査データ抽出部と、
    前記検査データ抽出部により抽出されたデータから得られる値と前記検査基準値格納部に格納された基準値とを比較して検査結果を判定する検査判定部と、
    を備えていることを特徴とする鉄道車両の検査システム。
  2. 前記検査条件格納部に格納された前記条件には、検査対象の機器とは異なる別の機器と前記制御伝送装置との間で送られるデータに関する条件値又は条件範囲が含まれることを特徴とする請求項1記載の検査システム。
  3. 前記検査基準値格納部には、前記制御伝送装置に接続されていない非接続機器の信号に基づいて動作する動作機器と前記制御伝送装置との間で送られるデータに関する基準値が格納され、
    前記検査判定部は、前記基準値を用いた比較により、前記非接続機器の検査結果を判定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の検査システム。
  4. 前記データ記録処理部により記録されるデータを送信するデータ送信部を有し、前記鉄道車両に搭載される車上装置と、
    前記データ送信部が送信したデータを受信するデータ受信部を有し、地上に配置される地上装置とを備え、
    少なくとも前記検査データ抽出部と前記検査判定部とが前記地上装置に含まれていることを特徴とする請求項1記載の鉄道車両の検査システム。
  5. 前記検査データ抽出部と前記検査判定部とが前記車上装置にも含まれ、
    前記車上装置の前記検査判定部と前記地上装置の前記検査判定部とは、互いに異なる基準値を用いて前記検査結果を判定することを特徴とする請求項4記載の検査システム。
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