以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る電極積層装置を適用して製造される積層体を含む蓄電装置の内部を示す断面図である。図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。図1及び図2において、蓄電装置1は、積層型の電極組立体を有するリチウムイオン二次電池である。
蓄電装置1は、例えば略直方体形状のケース2と、このケース2内に収容された電極組立体3とを備えている。ケース2は、例えばアルミニウム等の金属により形成されている。ケース2の内部には、図示はしないが、例えば非水系(有機溶媒系)の電解液が注液されている。ケース2上には、正極端子4及び負極端子5が互いに離間して配置されている。正極端子4は、絶縁リング6を介してケース2に固定され、負極端子5は、絶縁リング7を介してケース2に固定されている。また、電極組立体3とケース2の内側の側面及び底面との間には絶縁フィルムが配置されており、絶縁フィルムによってケース2と電極組立体3との間が絶縁されている。図1では便宜上、電極組立体3の下端とケース2の底面との間には僅かな隙間が設けられているが、実際には電極組立体3の下端が絶縁フィルムを介してケース2の内側の底面に接触している。また、電極組立体3の積層方向において、電極組立体3のガタツキを低減するために、電極組立体3とケース2との間の隙間に、数枚のスペーサが配置されている。スペーサの枚数は、電極組立体3の厚みに応じて適宜調整される。
電極組立体3は、複数の正極8と複数の負極9とが袋状のセパレータ10を介して交互に積層された構造を有している。正極8は、袋状のセパレータ10に包まれている。袋状のセパレータ10に包まれた状態の正極8は、セパレータ付き正極11として構成されている。従って、電極組立体3は、複数のセパレータ付き正極11と複数の負極9とが交互に積層された構造を有している。なお、電極組立体3の両端に位置する電極は、負極9である。
正極8は、例えばアルミニウム箔からなる正極集電体である金属箔14と、この金属箔14の両面に形成された正極活物質層15とを有している。金属箔14は、平面視矩形状の箔本体部14aと、この箔本体部14aと一体化されたタブ14bとを有している。タブ14bは、箔本体部14aの長手方向の一端部近傍の縁から突出している。そして、タブ14bは、セパレータ10を突き抜けている。複数の正極8より延びる複数のタブ14bは、集箔された状態で導電部材12に接続(溶接)され、導電部材12を介して正極端子4に接続されている。なお、図2では、便宜上タブ14bを省略している。
正極活物質層15は、箔本体部14aの表裏両面に形成されている。正極活物質層15は、正極活物質とバインダとを含んで形成された多孔質の層である。正極活物質としては、例えば複合酸化物、金属リチウムまたは硫黄等が挙げられる。複合酸化物には、例えばマンガン、ニッケル、コバルト及びアルミニウムの少なくとも1つとリチウムとが含まれる。
負極9は、例えば銅箔からなる負極集電体である金属箔16と、この金属箔16の両面に形成された負極活物質層17とを有している。金属箔16は、平面視矩形状の箔本体部16aと、この箔本体部16aと一体化されたタブ16bとを有している。タブ16bは、箔本体部16aの長手方向の一端部近傍の縁から突出している。タブ16bは、導電部材13を介して負極端子5に接続されている。なお、図2では、便宜上タブ16bを省略している。
負極活物質層17は、箔本体部16aの表裏両面に形成されている。負極活物質層17は、負極活物質とバインダとを含んで形成された多孔質の層である。負極活物質としては、例えば黒鉛、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ、ハードカーボン、ソフトカーボン等のカーボン、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、金属化合物、SiOx(0.5≦x≦1.5)等の金属酸化物またはホウ素添加炭素等が挙げられる。
セパレータ10は、平面視矩形状を呈している。セパレータ10の形成材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、或いはポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、メチルセルロース等からなる織布または不織布等が例示される。
以上のように構成された蓄電装置1を製造する場合は、まずセパレータ付き正極11及び負極9を製作した後、セパレータ付き正極11と負極9とを交互に積層し、積層体を形成する。この積層体を加圧することでセパレータ付き正極11及び負極9を密着させた後、セパレータ付き正極11及び負極9を固定することで電極組立体3を得る。そして、導電部材12を介してセパレータ付き正極11のタブ14bを正極端子4に接続すると共に、導電部材13を介して負極9のタブ14bを負極端子5に接続した後、電極組立体3をケース2内に収容する。
次に、本実施形態に係る電極積層装置100について説明する。図3は、電極積層装置を概略的に示す平面図である。電極積層装置100は、上流工程から供給されたセパレータ付き正極11と負極9とを交互に積層し、この積層体を搬送路に移載して下流工程に送り出す装置である。電極積層装置100は、電極供給部200と、循環積層部300A,300Bと、搬送路400と、旋回アーム500A,500Bとを有している。
電極供給部200は、タブの突出方向が電極の搬送方向に交差する方向に沿うように、電極を二列で搬送及び供給する。本実施形態では、負極9を2列で供給する負極供給部200Aと、セパレータ付き正極11を2列で供給する正極供給部200Bとによって電極供給部200が構成されている。負極供給部200Aは、上流工程210Aから供給される負極9を循環積層部300A,300Bに供給する。負極供給部200Aの上流工程210Aでは、幅広の帯状電極材料から、2個の負極9が一度に切り出される、いわゆる二条取りが行われ、2個の負極9が同時に製造されるものとする。図示するように、負極供給部200Aは、上流工程210Aから2列で供給された負極のうちの一方の列の負極9を循環積層部300Aに供給し、他方の列の負極9を循環積層部300Bに供給する。
正極供給部200Bは、上流工程210Bから供給されるセパレータ付き正極11を循環積層部300A,300Bに供給する。正極供給部200Bの上流工程210Bでは、幅広の帯状電極材料から、2個のセパレータ付き正極11が一度に切り出される、二条取りが行われ、2個のセパレータ付き正極11が同時に供給されるものとする。図示するように、正極供給部200Bは、上流工程から2列で供給されたセパレータ付き正極11のうちの一方の列のセパレータ付き正極11を循環積層部300Aに供給し、他方の列のセパレータ付き正極11を循環積層部300Bに供給する。
本実施形態では、2列で供給される負極9のタブ14bは、搬送方向に交差(図示例では直交)する方向において、互いに外側を向いて突出している。また、2列で供給される負極9のタブ14bは、いずれも、搬送方向の上流側に配置されている。また、2列で供給されるセパレータ付き正極11のタブ14bは、搬送方向に交差(図示例では直交)する方向において、互いに外側を向いて突出している。また、2列で供給されるセパレータ付き正極11のタブ14bは、いずれも、搬送方向の上流側に配置されている。
循環積層部(第1循環積層部)300Aは、電極供給部200から供給された電極のうち一方の列の電極を積層し、積層体(第1積層体)50Aを形成する。循環積層部(第2循環積層部)300Bは、電極供給部200から供給された電極のうち他方の列の電極を積層し、積層体(第2積層体)50Bを形成する。循環積層部300Aと循環積層部300Bとは、同様の構成を備えている。循環積層部300Aと循環積層部300Bとは、搬送路400に沿って互いに対面して配置されている。以下、図4〜図6を参照して、循環積層部300A及び循環積層部300Bと共通する構成を有する循環積層部300について説明する。図4は、循環積層部300を示す側面図である。図5は、循環積層部300の平面図である。図6は、循環積層部300の積層ユニット22周辺の構成を示す拡大図である。
循環積層部300は、正極搬送ユニット20Aと、負極搬送ユニット20Bと、積層ユニット22と、を備えている。循環積層部300は、搬送経路上において、電極供給部200の下流端に位置する正極供給用コンベア21Aと負極供給用コンベア21Bとに接続されている。なお、循環積層部300に対してXYZ座標系を設定する。X軸方向は、水平方向における一の方向を示す。Y軸方向は、水平方向においてX軸方向と直交する方向を示す。Z軸方向は、上下方向を示す。また、X軸方向における一方(図4においては紙面右側)を「正」とし、他方を「負」とする。Y軸方向における一方(図4においては紙面表側)を「正」とし、他方を「負」とする。Z軸方向における上側を「正」とし、下側を「負」とする。以降の説明においては、適宜XYZ座標系を用いて説明を行う場合がある。
正極搬送ユニット20Aは、セパレータ付き正極11を貯めながら順次搬送するユニットである。正極搬送ユニット20Aは、循環部材23Aと、複数の支持部24Aと、駆動部26Aと、押出ユニット27Aと、位置決めユニット29Aと、を有している。
循環部材23Aは、上下方向に延びるループ状の部材であり、上昇した後に下降する循環経路を形成するように循環する外周面を有する。循環部材23Aの外周側には、一定間隔で複数の支持部24Aが循環部材23Aの全周にわたって設けられている。循環部材23Aは、上下に配置されたローラ28A,28A間に架け渡されている。ローラ28A,28Aは、Y軸方向に延びる回転軸を有し、Y軸方向の正側から負側を見て時計回りに回転する。すなわち、循環部材23Aの循環方向は、Y軸方向の正側から負側を見て時計回りとなる。従って、循環部材23Aのうち、ローラ28A,28AのX軸方向の負側において上下方向に延びる部分は、支持部24Aを上昇させる上昇区間として構成される。循環部材23Aのうち、ローラ28A,28AのX軸方向の正側において上下方向に延びる部分は、支持部24Aを下降させる下降区間として構成される。
支持部24Aは、セパレータ付き正極11を支持する部材である。支持部24Aは、循環部材23Aと共に循環経路を循環する。支持部24Aは、循環部材23AのX軸方向の負側の上昇区間にて、正極供給用コンベア21Aからセパレータ付き正極11を受け取る。正極供給用コンベア21Aには、正極供給部200Bから供給されるセパレータ付き正極11のうち一方の列のセパレータ付き正極11が供給される。支持部24Aは、循環部材23AのX軸方向の正側の下降区間にて、積層ユニット22へセパレータ付き正極11を排出する。支持部24Aは、循環部材23Aに設けられたブラケット部31Aと、ブラケット部31Aを挟むように設けられた一対の板部32A,32Aと、によって構成される(特に図6参照)。支持部24Aが循環部材23Aの上昇区間または下降区間に配置されている状態では、板部32A,32Aは、循環部材23Aの外周面からX軸方向に延び、上下方向に互いに離間して対向している。セパレータ付き正極11は、板部32A,32A間に、タブ14bがY軸方向の負側に突出するように配置された状態で支持部24Aに支持される。板部32A,32Aの幅方向(Y軸方向)における寸法は、セパレータ付き正極11よりも小さい。従って、セパレータ付き正極11が支持部24Aに支持された状態では、セパレータ付き正極11のY軸方向に対向する縁部11a,11bは、板部32A,32AのY軸方向に対向する側縁部32Aa,32Abからはみ出る。板部32A,32A間の隙間のうち、循環部材23A側の端部には、ブラケット部31Aの先端部を覆う緩衝部材33Aが設けられている。
駆動部26Aは、循環部材23Aを回転させると共に、循環部材23Aを上下方向に移動させる。駆動部26Aは、循環部材23Aの上昇区間においては支持部24Aを上昇させ、循環部材23Aの下降区間においては支持部24Aを下降させる。
押出ユニット27Aは、セパレータ付き正極11を積層する積層エリアにおいて、複数(ここでは5つ)のセパレータ付き正極11を積層ユニット22に向けて同時に押し出すユニットである。押出ユニット27Aは、支持部24Aから積層ユニット22へセパレータ付き正極11を排出する。ここでは、押出ユニット27Aは、循環部材23Aの下降区間に対応する位置に設けられ、X軸方向の正側へ向けてセパレータ付き正極11を排出する。押出ユニット27Aは、各支持部24Aで支持された複数のセパレータ付き正極11を一緒に押す一対の押出部材34A,36Aと、この押出部材34A,36AをX軸方向へ往復動させる駆動部(不図示)と、を有している。押出部材34Aは支持部24Aに対してY軸方向の負側に設けられる。押出部材36Aは、支持部24Aに対してY軸方向の正側に設けられる。押出部材34A,36Aは、上下方向に延びる基体部34Aa,36Aaと、基体部34Aa,36Aaに対して上下方向に所定のピッチで設けられる櫛歯型の押出部34Ab,36Abと、を有している。押出部34Ab,36Abは、支持部24AのX軸方向へ延びる側縁部32Aa,32Abに沿って、X軸方向の正側に延びる部分を有する。押出部34Ab,36Abは、セパレータ付き正極11のX軸方向の負側の縁部11cのうち、支持部24Aの側縁部32Aa,32Abからはみ出た部分と当接する。押出部34Ab,36Abは、n段当たりの支持部24Aに対して一つの間隔にて合計m個、基体部34Aa,36Baに設けられる。本実施形態では、n=4、m=5であるが、特に個数は限定されない。
位置決めユニット29Aは、支持部24Aに支持されているセパレータ付き正極11の位置決めを行うためのユニットである。位置決めユニット29Aは、セパレータ付き正極11を積層ユニット22に排出する前段階で、支持部24Aに対してセパレータ付き正極11の位置決めを行う。位置決めユニット29Aは、循環部材23Aの下降区間に配置された支持部24Aに対して、Y軸方向の負側に配置された位置決め部材40Aと、Y軸方向の正側に配置された位置決め部材41Aと、を備える。位置決め部材40Aは、セパレータ付き正極11のY軸方向の位置決めを行う位置決め部42Aと、セパレータ付き正極11のX軸方向の位置決めを行う位置決め部43Aと、位置決め時にタブ14bとの干渉を避ける回避部44Aと、位置決め部42A,43A及び回避部44Aを支持する基体部48Aと、を有している。位置決め部材41Aは、セパレータ付き正極11のY軸方向の位置決めを行う位置決め部46Aと、セパレータ付き正極11のX軸方向の位置決めを行う位置決め部47Aと、位置決め部46A,47Aを支持する基体部49Aと、を有している。
位置決め部42A,46Aは、Y軸方向の両側からセパレータ付き正極11を挟み込むことにより、当該セパレータ付き正極11のY軸方向の位置決めを行う。位置決め部43A,47Aは、セパレータ付き正極11をX軸方向の負側へ向かって移動させ、支持部24Aの緩衝部材33Aへ押し付けることで、セパレータ付き正極11のX軸方向の位置決めを行う。なお、位置決め部42A,43A,46A,47A、回避部44A及び基体部48A,49Aは、下降区間の複数の支持部24Aに支持された複数のセパレータ付き正極11を一度に位置決めできるように、積層ユニット22に対向する複数の支持部24Aにわたって上下方向に延びている。
負極搬送ユニット20Bは、負極9を貯めながら順次搬送するユニットである。負極搬送ユニット20Bは、正極搬送ユニット20AからX軸方向の正側に離間した位置にて、正極搬送ユニット20Aと隣り合うように設けられている。負極搬送ユニット20Bは、循環部材23Bと、複数の支持部24Bと、駆動部26Bと、押出ユニット27Bと、位置決めユニット29Bと、を有している。負極搬送ユニット20Bの支持部24Bは、ブラケット部31Bと、板部32B,32Bと、緩衝部材33Bと、を有している。負極搬送ユニット20Bの押出ユニット27Bは、支持部24Bで支持された負極9を押し出す押出部材34B,36Bと、押出部材34B,36Bを往復動させる駆動部(不図示)を有している。また、押出部材34B,36Bは、基体部34Ba,36Baと、押出部34Bb,36Bbと、を有している。位置決めユニット29Bは、位置決め部材40Bと、位置決め部材41Bと、を有している。位置決め部材40Bは、負極9のY軸方向の位置決めを行う位置決め部42Bと、負極9のY軸方向の位置決めを行う位置決め部43Bと、タブ16bを回避する回避部44Bと、基体部48Bと、を有している。位置決め部材41Bは、負極9のY軸方向の位置決めを行う位置決め部46Bと、負極9のX軸方向の位置決めを行う位置決め部47Bと、基体部49Bと、を有している。負極搬送ユニット20Bでは、循環部材23Aの循環方向が、Y軸方向の正側から負側を見て反時計回りとなる。従って、循環部材23Aのうち、X軸方向の負側が下降区間となり、X軸方向の正側が上昇区間となる。また、負極搬送ユニット20Bでは、押出ユニット27Bが、X軸方向の負側へ向けて負極9を排出する。また、位置決めユニット29Bの位置決め部43B,47Bは、負極9をX軸方向の正側へ移動させて、支持部24の緩衝部材33Bに押し付ける。負極搬送ユニット20Bのその他の構成については正極搬送ユニット20Aと同趣旨の構成を有するため、説明を省略する。
正極供給用コンベア21Aは、セパレータ付き正極11を正極搬送ユニット20Aに向けて水平方向に搬送し、正極搬送ユニット20Aの支持部24Aにセパレータ付き正極11を供給する。正極供給用コンベア21Aは、正極搬送ユニット20Aに対してセパレータ付き正極11を一定の間隔で供給する。正極供給用コンベア21Aは、正極搬送ユニット20Aに対して、X軸方向の負側に設けられる。正極供給用コンベア21Aは、正極搬送ユニット20Aの循環部材23Aの上昇区間に対応する位置にて、支持部24Aへセパレータ付き正極11を供給する。
負極供給用コンベア21Bは、負極9を負極搬送ユニット20Bに向けて水平方向に搬送し、負極搬送ユニット20Bの支持部24Bに負極9を供給する。負極供給用コンベア21Bは、負極搬送ユニット20Bに対して負極9を一定の間隔で供給する。負極供給用コンベア21Bには、負極供給部200Aから供給される負極9のうち一方又は他方の列の負極9が供給される。負極供給用コンベア21Bは、負極搬送ユニット20Bに対して、X軸方向の正側に設けられる。負極供給用コンベア21Bは、負極搬送ユニット20Bの循環部材23の上昇区間に対応する位置にて、支持部24Bへ負極9を供給する。
積層ユニット22は、正極搬送ユニット20Aと負極搬送ユニット20Bとの間に配置されている。積層ユニット22は、正極搬送ユニット20Aから排出されたセパレータ付き正極11及び負極搬送ユニット20Bから排出された負極9を受け取って、積層するユニットである。積層ユニット22は、積層部51と、壁部52A,52Bと、仕切板53A,53Bと、位置決め部材54A,54Bと、受け部材56A,56Bと、を備える。
積層部51は、正極搬送ユニット20Aから排出されたセパレータ付き正極11及び負極搬送ユニット20Bから排出された負極9を積層させる部分である。積層部51は、XY平面と平行に拡がる板部材によって構成されている。図示例では、積層部51にY軸方向の正側から負側に向かうU字状の切欠状部が形成されている。積層部51は、押出ユニット27A,27Bの複数の押出部34Ab,36Ab,34Bb,36Bbに対応する位置に複数設けられている。また、押出部34Ab,36Ab,34Bb,36Bbはn段当たりの支持部24A,24Bに対して一つの間隔で、合計m個設けられている。よって、積層部51もn段当たりの支持部24A,24Bに対して一つの間隔で、合計m個設けられている。なお、積層部51は図示されない支持構造によって支持されている。支持構造は、積層部51のY軸方向の正側の縁部のうち、受け部材56A,56B付近の部分を、当該受け部材56A,56Bと干渉しないように、それぞれ支持する。支持構造は、上下方向に延びる一対の基体部と、基体部から積層部51の支持位置に向けてそれぞれ延びる支持部を備える。
壁部52Aは、正極搬送ユニット20Aと積層部51との間に設けられる。壁部52Aは、YZ平面と平行をなし、上下方向に延びている。壁部52Bは、負極搬送ユニット20Bと積層部51との間に設けられる。壁部52Bは、YZ平面と平行をなし、上下方向に延びている。壁部52Aには、セパレータ付き正極11を積層部51側へ排出するためのスリット55Aが形成されている(図6参照)。スリット55Aは、上下方向において、正極搬送ユニット20Aの複数の押出部34Ab,36Abと対応する位置に複数形成されている。壁部52Bには、負極9を積層部51側へ排出するためのスリット55Bが形成されている(図6参照)。スリット55Bは、上下方向において、負極搬送ユニット20Bの複数の押出部34Bb,36Bbと対応する位置に複数形成されている。なお、スリット55Aは、スリット55Bよりも上下方向において、支持部24A,24Bの一段分だけ高い位置に形成されている。なお、壁部52A,52Bは、図示されない支持構造によってそれぞれ支持されている。各支持構造は、上下方向に延びる基体部と、基体部から壁部52A,52Bに向けてそれぞれ延びる支持部と、を備えている。なお、当該支持構造は、位置決め部材54A,54Bと干渉しないように、当該位置決め部材54A,54B付近に設けられる。
仕切板53Aは、スリット55Aから積層部51側へ排出されたセパレータ付き正極11を積層部51の上方で一時的に保持する部材である。仕切板53Bは、スリット55Bから積層部51側へ排出された負極9を積層部51の上方で一時的に保持する部材である。仕切板53A,53Bに電極11,9が載せられたら、仕切板53A,53Bは、積層部51と対向する位置からY軸方向の負側へ引き抜かれるように移動する(図5に示す状態)。このとき、位置決め部材54A,54Bは、仕切板53A,53B上に載置された電極11,9を引き抜き方向に支持する。これによって、仕切板53A,53Bを引き抜く際に、電極11,9が仕切板53A,53Bと共に移動することを防止できる。仕切板53A,53Bが引き抜かれた後、電極11,9は下方へ向けて落下し、積層部51上に積層される。
位置決め部材54A,54Bは、積層部51上に積層される電極11,9の位置決めを行う部材である。位置決め部材54A,54Bは、積層部51に対してY軸方向の負側に配置される。また、位置決め部材54A,54Bは、前述のように、仕切板53A,53Bを引き抜く際に電極11,9の位置決めも行う。位置決め部材54A,54Bは、上下方向に延びる基体部54Aa,54Baと、基体部54Aa,54Baに上下方向に所定のピッチで設けられた押し部54Ab,54Bbと、を備える。位置決め部材54Aの押し部54Abは、電極11,9のY軸方向の負側の縁部11a,9aのうち、壁部52A寄りの部分を押さえる。位置決め部材54Bの押し部54Bbは、電極11,9のY軸方向の負側の縁部11a,9aのうち、壁部52B寄りの部分を押さえる。位置決め部材54A,54Bは、基体部54Aa,54Ba及び押し部54Ab,54Bbを位置決め方向(Y軸方向)へ往復動させる駆動部(不図示)を備えている。押し部54Ab,54Bbが積層部51に積層された電極11,9の縁部11a,9aを押さえる時、受け部材56A,56Bが電極11,9の反対側(Y軸方向の正側)の縁部11b,9bを受ける。
受け部材56A,56Bは、位置決め部材54A,54Bが積層部51上に積層される電極11,9の位置決めを行う時に、押し部54Ab,54Bbに押される電極11,9を受ける部材である。受け部材56A,56Bは、積層部51に対してY軸方向の正側に配置される。受け部材56A,56Bは、複数の積層部51にわたって上下方向に延びる柱状の部材によって構成される。受け部材56Aは、電極11,9のY軸方向の正側の縁部11b,9bのうち、壁部52A寄りの部分を受ける。受け部材56Bは、電極11,9のY軸方向の正側の縁部11b,9bのうち、壁部52B寄りの部分を受ける。受け部材56A,56Bは、図示されない駆動部に接続されており、X軸方向の往復動が可能である。ここで、積層部51のY軸方向の正側には、後述する旋回アーム500の把持部540が設けられている。把持部540は、積層部51上の積層体をY軸方向の正側に引き出す。従って、把持部540が積層体を引き出すとき、受け部材56A,56Bは、電極11,9に対してX軸方向における外側へ移動することで、積層体との干渉を回避する。
循環積層部300は、コントローラ310を備えている。コントローラ310は、CPU、RAM、ROM及び入出力インターフェース等から構成されている。コントローラ310は、上述した駆動部26A,26Bを制御する搬送制御部と、積層ユニット22駆動部を制御する積層制御部と、押出ユニット27A,27Bの駆動部を制御する押出制御部と、位置決めユニット29A,29Bの駆動部を制御する位置決め制御部と、を有している。コントローラ310は、装置内の各センサからの検知信号、及びROMに保存されたプログラムに基づき制御内容を決定し、各制御部を介して、各駆動部を駆動制御する。なお、コントローラ310は、一つの処理装置によって構成されていなくともよく、複数の処理装置によって構成されてよい。例えば、循環積層部300の構成要素に対して独立した処理装置が設けられており、各処理装置は、各種センサの検出信号に基づいて、他の構成要素との動作タイミングを合わせてよい。
このような循環積層部300では、電極11,9を支持した支持部24A,24Bが下端のスリット55A,55Bの位置まで移動すると、正極搬送ユニット20Aの位置決めユニット29Aは支持部24Aに支持されたセパレータ付き正極11のX軸方向及びY軸方向の位置決めを行い、負極搬送ユニット20Bの位置決めユニット29Bは支持部24Bに支持された負極9のX軸方向及びY軸方向の位置決めを行う。次に、正極搬送ユニット20Aの押出ユニット27Aと、負極搬送ユニット20Bの押出ユニット27Bは、同時に電極11,9を押し出す。これにより、各電極11,9は、仕切板53A,53B上へ同時に排出される。次に、位置決め部材54A,54Bが、電極11,9を支持した状態の仕切板53A,53Bを引き抜く。これによって、電極11,9は同時に積層部51上に積層される。積層部51上に電極11,9が積層されたら、位置決め部材54A,54B、及び受け部材56A,56Bは、積層部51上で電極11,9のY軸方向の位置決めを行う。その後、循環部材23A,23Bと共に支持部24A,24Bが移動し、同様の動作が繰り返される。
搬送路400は例えばローラコンベアであり、循環積層部300A,300Bによってそれぞれ積層された積層体を下流工程に搬送する。図3に示す例では、搬送路400は、負極供給部200Aにおける負極9の搬送経路と立体的に交差(例えば直交)している。なお、搬送路400は、正極供給部200B側に配置されていてもよい。本実施形態の搬送路400では、積層体が載置されるパレット410が搬送されている。パレット410は、所定の位置まで搬送されると、例えば搬送路400に設けられた挟持部(図示省略)によって幅方向から挟持されて、停止される。例えば、パレット410は、旋回アーム500から積層体を受け取り可能な位置で停止される。図示例では、搬送路400と、搬送路400の搬送方向に直交する方向に伸張した旋回アーム500とが交差する位置で、パレット410が停止される。
旋回アーム(第1旋回部)500Aは、循環積層部300Aから積層体を搬出し、積層体を水平方向に旋回して、搬送路400上に移載する。旋回アーム(第2旋回部)500Bは、循環積層部300Bから積層体を搬出し、積層体を水平方向に旋回して、搬送路400に移載する。旋回アーム500Aと旋回アーム500Bとは、同様の構成を備えている。以下、旋回アーム500A及び旋回アーム500Bと共通する構成を有する旋回アーム500について説明する。
図7は、旋回アーム500を示す平面図である。図8は、旋回アーム500を示す側面図である。旋回アーム500は、基台510と、旋回台520と、腕部530と、把持部540とを有している。基台510は、例えば円柱状をなしており、最も高い位置に配置された積層部51と略同じ高さを有している。旋回台520は、例えば円筒状をなしており、基台510の側面の一部を覆うように設けられている。旋回台520は、基台510に対して、上下動可能に構成されている。また、旋回台520は、基台510を中心として周方向に旋回可能に構成されている。腕部530は、旋回台520の周方向の一部に取り付けられており、旋回台520と共に旋回する。腕部530は、多段状に構成されており、伸縮可能となっている。図示例の腕部530は、旋回台520に固定された筒状の第1腕部531と、第1腕部531内に出入り可能に配置された第2腕部532と、第2腕部532内に出入り可能に配置された第3腕部533とを有している。
第3腕部533の先端には、積層体を把持する把持部540が設けられている。把持部540は、第3腕部533の先端に設けられた支持部541と、支持部541に支持された一対のチャック542とを有している。本実施形態では、一対のチャック542が互いに近づくことによって、把持部540によって積層体が挟持され得る。チャック542は、平面視において積層部51の切欠状部に沿った形状を有しており、本実施形態では、U字状をなしている。これにより、一対のチャック542は、積層部51に積層された積層体を上下方向から把持することができる。支持部541は、水平方向に沿った腕部の軸線530Lを中心として第3腕部533に対して回転可能に設けられている。そのため、把持部540は、腕部530の軸線方向を中心として回転可能となっている。
旋回台520、腕部530及び把持部540の動作は、図示しない制御部によって制御され得る。例えば、旋回アーム500は、把持部540が積層部51に向けられた状態で待機している。積層部51に電極が積層されると、腕部530が伸長されて、把持部540によって積層体が把持される。次いで、腕部530が収縮した後、旋回台520が旋回される。これにより、把持部540に把持された積層体が旋回される。図示例では、旋回台520が約90°旋回することによって、積層体におけるタブの突出方向が、搬送路400の搬送方向に直交する方向に一致する。この状態で、搬送路400上に載置されたパレット410の上方に積層体が移動するまで、腕部530が伸長される。そして、旋回台520が下降することによって、パレット410上に積層体が載置される。本実施形態では、上記の動作を繰り返すことにより、複数の積層部51に積層されたそれぞれの積層体が別々のパレット410上に順次載置される。
図3に示すように、旋回アーム500A及び旋回アーム500Bは、循環積層部300Aと循環積層部300Bとの間に配置されている。旋回アーム500Aは、循環積層部300Aによって積層された積層体を搬送路まで移載する。そのため、旋回アーム500Aは、循環積層部300Aにおける積層部51に積層された積層体を把持可能な位置に配置される。図示例では、旋回アーム500Aは、循環積層部300Aにおける積層部51の正面(図5の例ではY軸方向に沿った位置)の位置に配置されている。また、旋回アーム500Bは、循環積層部300Bにおける積層部51に積層された積層体を把持可能な位置に配置される。図示例では、旋回アーム500Bは、循環積層部300Bにおける積層部51の正面(図5の例ではY軸方向に沿った位置)の位置に配置されている。
以上説明した電極積層装置100では、上流工程210Aにおいて二条取りによって形成された負極9が、負極供給部200Aによって2列で搬送される。また、上流工程210Bにおいて二条取りによって形成されたセパレータ付き正極11が、正極供給部200Bによって2列で搬送される。2列で搬送される負極9のうちの一方の列の負極9と、2列で搬送されるセパレータ付き正極11のうちの一方の列のセパレータ付き正極11とは循環積層部300Aに供給される。2列で搬送される負極9のうちの他方の列の負極9と、2列で搬送されるセパレータ付き正極11のうちの他方の列のセパレータ付き正極11とは循環積層部300Bに供給される。循環積層部300A及び循環積層部300Bでは、それぞれ負極9とセパレータ付き正極11とが積層された積層体50A及び積層体50Bが形成される。
循環積層部300Aによって形成された積層体50Aは、旋回アーム500Aによって積層部51から取り出され、平面視において反時計回りに約90°旋回される。循環積層部300Bによって形成された積層体50Bは、旋回アーム500Bによって積層部51から取り出され、平面視において時計回りに約90°旋回される。本実施形態では、電極供給部200によって2列で搬送される電極のタブの向きが搬送方向に直交する方向において、互いに逆向きとなっている。そのため、旋回アーム500によって旋回された積層体50Aと積層体50Bとでは、搬送路400の搬送方向に交差する向きにおけるタブの向きが互いに揃っている。図示例では、いずれも搬送方向に向かって左側にタブが突出している。
一方で、搬送路400の搬送方向に対する負極9のタブ14bの配置(又はセパレータ付き正極11のタブ16bの配置)は、旋回アーム500によって旋回された積層体50Aと積層体50Bとの間で相違している。すなわち、旋回アーム500Aによって旋回された積層体50Aでは、負極9のタブ14bが搬送路400の搬送方向の下流側に配置されている。一方、旋回アーム500Bによって旋回された積層体50Bでは、負極9のタブ14bが搬送路400の搬送方向の上流側に配置されている。そこで旋回アーム500Bでは、例えば旋回アーム500Bが旋回した後に、支持部541が180°回転することによって、積層体50Bの天地が反転する。これにより、旋回アーム500Bによって旋回された積層体50Bにおいても、負極9のタブ14bが搬送路400の搬送方向の下流側に配置される。
この状態で、旋回アーム500A及び旋回アーム500Bのそれぞれの腕部が伸張することによって、積層体50A,50Bが搬送路400の位置まで移動する。旋回台520が下降することによって、積層体50A,50Bは、搬送路400上に待機しているパレット410上に載置される。これにより、循環積層部300A及び循環積層部300Bによって積層された積層体50A,50Bのタブの位置が、搬送路400上で揃うことになる。本実施形態では、タブの方向合わせのための特別な機構を搬送路に設ける必要がない。したがって、二条取りによって形成された電極を二列で供給することによって、積層体を効率よく製造できる。
また、旋回アーム500A及び旋回アーム500Bは、循環積層部300Aと循環積層部300Bとの間に配置されているので、循環積層部300Aと循環積層部300Bとの間のスペースを有効利用でき、電極積層装置をコンパクトに構成することができる。
以上、実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られない。例えば、上流工程における二条取りの形態に応じて、旋回アームの動作、レイアウト等を変更することができる。以下、そのような変形例について説明する。
図9は、電極積層装置の変形例を示す平面図である。図9の電極積層装置100は、電極供給部200、循環積層部300A,300B、搬送路400及び旋回アーム500A,500Bを備えている。2列で供給される負極9のタブ14bは、搬送方向に交差(図示例では直交)する方向において、互いに外側を向いて突出している。また、2列で供給される負極9のタブ14bは、いずれも、搬送方向の下流側に配置されている。また、2列で供給されるセパレータ付き正極11のタブ16bは、搬送方向に交差(図示例では直交)する方向において、互いに外側を向いて突出している。また、2列で供給されるセパレータ付き正極11のタブ16bは、いずれも、搬送方向の下流側に配置されている。
本変形例において、旋回アーム500Aによって旋回された積層体50Aでは、負極9のタブ14bが搬送路400の搬送方向の上流側に配置されている。一方、旋回アーム500Bによって旋回された積層体50Bでは、負極9のタブ14bが搬送路400の搬送方向の下流側に配置されている。本変形例では、旋回アーム500Aにおいて、例えば旋回アーム500Aが旋回した後に、支持部541が180°回転することによって、積層体50Aの天地を反転させている。これにより、上記実施形態と同様に、旋回アーム500Aによって旋回された積層体50Aにおいても、負極9のタブ14bが搬送路400の搬送方向の下流側に配置される。
図10は、電極積層装置の変形例を示す平面図である。図10の電極積層装置100は、電極供給部200、循環積層部300A,300B、搬送路400及び旋回アーム500A,500Bを備えている。2列で供給される負極9のタブ14bは、搬送方向に交差(図示例では直交)する方向において、互いに外側を向いて突出している。また、2列で供給される負極9のうち循環積層部300Aに供給される負極9では、タブ14bが搬送方向の上流側に配置されている。2列で供給される負極9のうち循環積層部300Bに供給される負極9では、タブ14bが搬送方向の下流側に配置されている。また、2列で供給されるセパレータ付き正極11のタブは、搬送方向に交差(図示例では直交)する方向において、互いに外側を向いて突出している。また、2列で供給されるセパレータ付き正極11のうち循環積層部300Aに供給されるセパレータ付き正極11では、タブ16bが搬送方向の上流側に配置されている。2列で供給されるセパレータ付き正極11のうち循環積層部300Bに供給されるセパレータ付き正極11では、タブ16bが搬送方向の下流側に配置されている。
本変形例では、旋回アーム500Aによって旋回された積層体50Aと、旋回アーム500Bによって旋回された積層体50Bとのいずれにおいても、負極9のタブ14bが搬送路400の搬送方向の下流側に配置されている。そこで、本変形例では、旋回アーム500A及び旋回アーム500Bのいずれにおいても、支持部を180°回転させることなく、搬送路400に積層体50A,50Bを移載している。
図11は、電極積層装置の変形例を示す平面図である。図11の電極積層装置100は、電極供給部200、循環積層部300A,300B、搬送路400及び旋回アーム500A,500Bを備えている。2列で供給される負極9のタブ14bは、搬送方向に交差(図示例では直交)する方向において、互いに外側を向いて突出している。また、2列で供給される負極9のうち循環積層部300Aに供給される負極9では、タブ14bが搬送方向の下流側に配置されている。2列で供給される負極9のうち循環積層部300Bに供給される負極9では、タブ14bが搬送方向の上流側に配置されている。また、2列で供給されるセパレータ付き正極11のタブは、搬送方向に交差(図示例では直交)する方向において、互いに外側を向いて突出している。また、2列で供給されるセパレータ付き正極11のうち循環積層部300Aに供給されるセパレータ付き正極11では、タブ16bが搬送方向の下流側に配置されている。2列で供給されるセパレータ付き正極11のうち循環積層部300Bに供給されるセパレータ付き正極11では、タブ16bが搬送方向の上流側に配置されている。
本変形例では、旋回アーム500Aによって旋回された積層体50Aと、旋回アーム500Bによって旋回された積層体50Bとのいずれにおいても、負極9のタブ14bが搬送路400の搬送方向の上流側に配置されている。そのため、旋回アーム500A及び旋回アーム500Bのいずれにおいても、支持部541を180°回転させることなく、搬送路に積層体50を移載してもよい。
なお、本変形例においては、旋回アーム500A及び旋回アーム500Bの両方において、例えば旋回アーム500が旋回した後に、支持部541が180°回転することによって、積層体50A,50Bの天地を反転させている。これにより、上記実施形態と同様に、負極9のタブ14bが搬送路400の搬送方向の下流側に配置される。
図12は、電極積層装置の変形例を示す平面図である。図12の電極積層装置100は、電極供給部200、循環積層部300A,300B、搬送路400及び旋回アーム500A,500Bを備えている。2列で供給される負極9のタブ14bは、搬送方向に交差(図示例では直交)する方向において、互いに内側を向いて突出している。また、2列で供給される負極9のうち循環積層部300Aに供給される負極9では、タブ14bが搬送方向の上流側に配置されている。2列で供給される負極9のうち循環積層部300Bに供給される負極9では、タブ14bが搬送方向の下流側に配置されている。また、2列で供給されるセパレータ付き正極11のタブは、搬送方向に交差(図示例では直交)する方向において、互いに内側を向いて突出している。また、2列で供給されるセパレータ付き正極11のうち循環積層部300Aに供給されるセパレータ付き正極11では、タブ16bが搬送方向の上流側に配置されている。2列で供給されるセパレータ付き正極11のうち循環積層部300Bに供給されるセパレータ付き正極11では、タブ16bが搬送方向の下流側に配置されている。
本変形例では、上記実施形態と同様に、循環積層部300Aと循環積層部300Bとの間に旋回アーム500A,500Bが配置されている。そのため、積層部51に積層された積層体は、タブの突出側から旋回アーム500によって取り出される。旋回アーム500A,500Bが旋回された状態では、旋回アーム500Aと旋回アーム500Bとのいずれにおいても、把持されている積層体のタブは、搬送路400の搬送方向に向かって右側に突出している。
本変形例では、旋回アーム500Aによって旋回された積層体50Aと、旋回アーム500Bによって旋回された積層体50Bとのいずれにおいても、負極9のタブ14bが搬送路400の搬送方向の下流側に配置されている。そのため、旋回アーム500A及び旋回アーム500Bのいずれにおいても、支持部541を180°回転させることなく、搬送路に積層体50を移載してもよい。
図13は、電極積層装置の変形例を示す平面図である。図13の電極積層装置100は、電極供給部200、循環積層部300A,300B、搬送路400及び旋回アーム500A,500Bを備えている。2列で供給される負極9のタブ14bは、搬送方向に交差(図示例では直交)する方向において、互いに内側を向いて突出している。また、2列で供給される負極9のうち循環積層部300Aに供給される負極9では、タブ14bが搬送方向の下流側に配置されている。2列で供給される負極9のうち循環積層部300Bに供給される負極9では、タブ14bが搬送方向の上流側に配置されている。また、2列で供給されるセパレータ付き正極11のタブ16bは、搬送方向に交差(図示例では直交)する方向において、互いに内側を向いて突出している。また、2列で供給されるセパレータ付き正極11のうち循環積層部300Aに供給されるセパレータ付き正極11では、タブ16bが搬送方向の下流側に配置されている。2列で供給されるセパレータ付き正極11のうち循環積層部300Bに供給されるセパレータ付き正極11では、タブ16bが搬送方向の上流側に配置されている。
本変形例では、旋回アーム500A及び旋回アーム500Bのレイアウトが上記実施形態と相違する。すなわち、本変形例では、旋回アーム500A及び旋回アーム500Bが、循環積層部300Aと循環積層部300Bとの間(内側)ではなく、外側に配置されている。そのため、循環積層部300Aによって形成された積層体は、旋回アーム500Aによって取り出され、平面視において時計回りに約90°旋回される。循環積層部300Bによって形成された積層体は、旋回アーム500Bによって取り出され、平面視において反時計回りに約90°旋回される。
旋回アームが旋回された状態では、旋回アーム500A,500Bのいずれにおいても、把持されている積層体50のタブは、搬送路400の搬送方向に向かって左側に突出している。また、旋回アーム500Aによって旋回された積層体50Aと、旋回アーム500Bによって旋回された積層体50Bとのいずれにおいても、負極9のタブ14bが搬送路400の搬送方向の下流側に配置されている。そこで、本変形例では、旋回アーム500A及び旋回アーム500Bのいずれにおいても、支持部を180°回転させることなく、搬送路に積層体を移載している。
図14は、電極積層装置の変形例を示す平面図である。図14の電極積層装置100は、電極供給部200、循環積層部300A,300B、搬送路400及び旋回アーム500A,500Bを備えている。2列で供給される負極9のタブ14bは、搬送方向に交差(図示例では直交)する方向において、互いに内側を向いて突出している。また、2列で供給される負極9のうち循環積層部300Aに供給される負極9では、タブ14bが搬送方向の上流側に配置されている。2列で供給される負極9のうち循環積層部300Bに供給される負極9では、タブ14bが搬送方向の下流側に配置されている。また、2列で供給されるセパレータ付き正極11のタブ16bは、搬送方向に交差(図示例では直交)する方向において、互いに内側を向いて突出している。また、2列で供給されるセパレータ付き正極11のうち循環積層部300Aに供給されるセパレータ付き正極11では、タブ16bが搬送方向の上流側に配置されている。2列で供給されるセパレータ付き正極11のうち循環積層部300Bに供給されるセパレータ付き正極11では、タブ16bが搬送方向の下流側に配置されている。
本変形例では、図13の例と同様に、旋回アーム500A及び旋回アーム500Bが、循環積層部300Aと循環積層部300Bとの間(内側)ではなく、外側に配置されている。旋回アームが旋回された状態では、旋回アーム500A,500Bのいずれにおいても、把持されている積層体50のタブは、搬送路400の搬送方向に向かって右側に突出している。また、旋回アーム500Aによって旋回された積層体50Aと、旋回アーム500Bによって旋回された積層体50Bとのいずれにおいても、負極9のタブ14bが搬送路400の搬送方向の上流側に配置されている。そこで、本変形例では、旋回アーム500A及び旋回アーム500Bのいずれにおいても、支持部を180°回転させることなく、搬送路400に積層体50を移載してもよい。
なお、本変形例においては、旋回アーム500A及び旋回アーム500Bの両方において、例えば旋回アームが旋回した後に、支持部541が180°回転することによって、積層体50の天地を反転させている。これにより、上記実施形態と同様に、負極9のタブ14bが搬送路400の搬送方向の下流側に配置される。
また、上記実施形態では、上下方向に移動可能な腕部530を有する旋回アーム500を例示したが、これに限定されない。例えば、図15に示すように、旋回アームは、複数の腕部を有してもよい。図15に示す旋回アーム600は、基台610と、旋回台620と、腕部630と、把持部640とを有している。基台610は、例えば円柱状をなしており、最も高い位置に配置された積層部51と略同じ高さを有している。旋回台620は、例えば円筒状をなしており、基台610の側面の一部を覆うように設けられている。本変形例では、複数の旋回台620が設けられている。複数の旋回台620は上下方向に並設されている。例えば、旋回台620の数は、循環積層部300に設けられた積層部51の数と同じであってよい。旋回台620は、基台610を中心として周方向に旋回可能に構成されている。腕部630は、複数の旋回台620のそれぞれに対して、旋回台620の周方向の一部に取り付けられている。それぞれの腕部630の構成は、上記実施形態の腕部530の構成と同じである。すなわち、腕部630は、第1腕部631と、第2腕部632と、第3腕部633とを有している。また、第3腕部633の先端には、積層体を把持する把持部640が設けられている。把持部640の構成は、上記実施形態の把持部540の構成と同じであってよい。
図示するように、本変形例の電極積層装置は、移載装置としてのロボットアーム700をさらに有している。ロボットアーム700は、旋回アーム600によって取り出されて、旋回された積層体を旋回アーム600から受け取り、搬送路400に移載する。ロボットアーム700は、台座710と、第1アーム720と、第2アーム730と、ハンド740とによって構成される。第1アーム720は、台座710に設けられている。水平面に対する第1アーム720の角度は、任意に制御される。第2アーム730は、第1アーム720の先端に設けられている。第1アーム720と第2アーム730とのなす角度は、任意に制御される。ハンド740は、第2アーム730の先端に設けられている。第2アーム730とハンド740とのなす角度は、任意に制御される。ハンド740の先端には、積層体を把持するための一対のチャック741が設けられている。
本変形例では、積層部51の数と同じ数の把持部640を有することにより、複数の積層部51に積層されたそれぞれの積層体50を同時に取り出すことができる。取り出された複数の積層体50は、ロボットアーム700によって搬送路400に順次移載される。循環積層部300から積層体50を取り出す時間が短縮されることによって、循環積層部300を効率よく駆動させることができる。