JP2019149240A - 積層装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】積層装置における積層動作の停止時間を減らし、サイクルタイムを改善することができる積層装置を提供する。【解決手段】第1の部分120A及び第2の部分120Bのうち一方の部分が積層領域Eに配置されているときは、他方の部分が積層領域Eとは異なる位置に配置される。これにより、第1の部分120A及び第2の部分120Bのうち一方の部分の積層領域Eでの積層が完了した後に、他方の部分を積層領域Eへ移動させたら、積層が完了した一方の部分は、積層領域Eとは異なる位置へ移動する。一方、取出ユニット90は、積層領域Eとは異なる位置にて、第1の部分120A及び第2の部分120Bのうち、積層が完了した方から、積層体LBを取り出す。押出ユニット27A,27Bは、新たに積層領域Eに配置された空の部分に対して速やかに電極11,9の積層を行うことができる。【選択図】図9
Description
本発明は、積層装置に関する。
従来、電極などの対象物を積層する積層装置として、特許文献1に記載されたものが知られている。この積層装置は、搬送コンベアで対象物を搬送し、循環部材に設けられた支持部で対象物を支持する。積層装置は、循環部材の循環に伴って対象物を搬送し、支持部から積層部へ向けて対象物を送出している。
上述のような積層装置では、積層部上に対象物を積層することで積層体が形成される。この積層体は、積層部から取出ユニットによって取り出される必要がある。ここで、積層装置においては、取出ユニットは、積層部での対象物の積層が完了してから、すなわち、積層部に対する積層工程が完了することで積層体が完成してから、当該積層部から積層体を取り出す。しかしながら、このような構成によれば、取出ユニットが積層体の取り出しを行っている間、積層部に対する積層動作を停止する必要が生じる。このような停止時間は、サイクルタイムの悪化の一因となっており、改善の余地が有った。
本発明は、積層装置における積層動作の停止時間を減らし、サイクルタイムを改善することができる積層装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る積層装置は、搬送装置により供給される対象物を積層し、積層体を形成する積層装置であって、搬送装置により供給される対象物を受け取り、対象物を支持する支持部と、上下方向に延びるループ状をなし、その外周側に複数の支持部が取り付けられた循環部材と、対象物が積層される積層部を有する積層ユニットと、支持部に支持された対象物を積層部に向けて送出する送出部と、積層部に積層された積層体を積層部から取り出す取出ユニットと、を備え、積層ユニットは、少なくとも1つの積層部を有する第1の部分と、少なくとも1つの積層部を有する第2の部分と、を備え、送出部は、第1の部分及び第2の部分のうち、送出部と対向する位置に設定された積層領域に配置されたものに対して、対象物の積層を行い、第1の部分及び第2の部分のうち一方の部分が積層領域に配置されているときは、他方の部分が積層領域とは異なる位置に配置され、取出ユニットは、積層領域とは異なる位置にて、第1の部分及び第2の部分のうち、積層が完了したものから、積層体を取り出す。
この積層装置は、支持部に支持された対象物を積層部に向けて送出する送出部と、積層部に積層された積層体を積層部から取り出す取出ユニットと、を備えている。ここで、積層ユニットは、少なくとも1つの積層部を有する第1の部分と、少なくとも1つの積層部を有する第2の部分と、を備えている。送出部は、第1の部分及び第2の部分のうち、送出部と対向する位置に設定された積層領域に配置されたものに対して、対象物の積層を行う。これにより、第1の部分及び第2の部分のうち、積層領域に配置された方の積層部に積層体が形成される。また、第1の部分及び第2の部分のうち一方の部分が積層領域に配置されているときは、他方の部分が積層領域とは異なる位置に配置される。これにより、第1の部分及び第2の部分のうち一方の部分の積層領域での積層が完了した後に、すなわち、積層工程が完了することで積層体が完成した後に、他方の部分を積層領域へ移動させたら、積層が完了した一方の部分は、積層領域とは異なる位置へ移動する。すなわち、積層体が形成された状態の部分は、積層が行われない位置へ退避し、空の部分が新たに積層領域へ配置される。一方、取出ユニットは、積層領域とは異なる位置にて、第1の部分及び第2の部分のうち、積層が完了した方から、すなわち、積層工程が完了して積層体が完成した方から、積層体を取り出す。これにより、取出ユニットは、積層領域での積層動作を阻害することなく、積層体を取り出すことができる。従って、送出部は、取出ユニットに阻害されることなく、新たに積層領域に配置された空の部分に対して、積層工程の実行に伴う積層動作を速やかに開始することができる。以上より、積層装置における積層動作の停止時間を減らし、サイクルタイムを改善することができる。
積層装置において、第1の部分及び第2の部分は、上下方向に往復移動することによって、互いの位置を切り替え、取出ユニットは、積層領域の上側又は下側にて、第1の部分及び第2の部分のうち、積層が完了した方から、積層体を取り出してよい。この場合、第1の部分及び第2の部分が上下方向へ往復移動するだけのシンプルな動作にて、積層が完了した部分を積層領域から上側又は下側へ退避させ、空の部分を積層領域へ配置させることができる。また、取出ユニットは、積層領域の上側又は下側の位置にて、速やかに積層体を取り出すことができる。
積層装置において、第1の部分及び第2の部分は、送出部が対象物を送出する送出方向から見て、少なくとも積層領域を含む循環経路に沿って循環移動し、取出ユニットは、循環経路のうち積層領域とは異なる位置にて、第1の部分及び第2の部分のうち、積層が完了した方から、積層体を取り出してよい。
積層装置において、積層ユニットは、送出部と積層部との間に設けられた壁部を備え、壁部は、送出部が対象物を送出する送出方向において、移動してよい。この場合、壁部は、積層部側へ移動して、積層された対象物と接触することで、当該対象物の送出方向への位置決めを行うことが可能となる。一方、取出ユニットが積層体を取り出すときは、壁部は積層部から離間するように移動することで、積層体が壁部に擦れることを抑制できる。
積層装置において、第1の部分及び第2の部分は、積層部に配置された積層体を上方から支持する積層体支持部を備えてよい。この場合、積層完了後に第1の部分及び第2の部分が移動するとき、積層体支持部が積層体を支持することで、積層体の積層ずれを抑制できる。
本発明によれば、積層装置における積層動作の停止時間を減らし、サイクルタイムを改善することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る電極積層装置を適用して製造される蓄電装置の内部を示す断面図である。図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。図1及び図2において、蓄電装置1は、積層型の電極組立体を有するリチウムイオン二次電池である。
蓄電装置1は、例えば略直方体形状のケース2と、このケース2内に収容された電極組立体3とを備えている。ケース2は、例えばアルミニウム等の金属により形成されている。ケース2の内部には、図示はしないが、例えば非水系(有機溶媒系)の電解液が注液されている。ケース2上には、正極端子4及び負極端子5が互いに離間して配置されている。正極端子4は、絶縁リング6を介してケース2に固定され、負極端子5は、絶縁リング7を介してケース2に固定されている。また、電極組立体3とケース2の内側の側面及び底面との間には絶縁フィルムが配置されており、絶縁フィルムによってケース2と電極組立体3との間が絶縁されている。図1では便宜上、電極組立体3の下端とケース2の底面との間には僅かな隙間が設けられているが、実際には電極組立体3の下端が絶縁フィルムを介してケース2の内側の底面に接触している。また、電極組立体3の積層方向において、電極組立体3のガタツキを低減するために、電極組立体3とケース2との間の隙間に、数枚のスペーサが配置されている。スペーサの枚数は、電極組立体3の厚みに応じて適宜調整される。
電極組立体3は、複数の正極8と複数の負極9とが袋状のセパレータ10を介して交互に積層された構造を有している。正極8は、袋状のセパレータ10に包まれている。袋状のセパレータ10に包まれた状態の正極8は、セパレータ付き正極11として構成されている。従って、電極組立体3は、複数のセパレータ付き正極11と複数の負極9とが交互に積層された構造を有している。なお、電極組立体3の両端に位置する電極は、負極9である。
正極8は、例えばアルミニウム箔からなる正極集電体である金属箔14と、この金属箔14の両面に形成された正極活物質層15とを有している。金属箔14は、平面視矩形状の箔本体部14aと、この箔本体部14aと一体化されたタブ14bとを有している。タブ14bは、箔本体部14aの長手方向の一端部近傍の縁から突出している。そして、タブ14bは、セパレータ10を突き抜けている。複数の正極8より延びる複数のタブ14bは、集箔された状態で導電部材12に接続(溶接)され、導電部材12を介して正極端子4に接続されている。なお、図2では、便宜上タブ14bを省略している。
正極活物質層15は、箔本体部14aの表裏両面に形成されている。正極活物質層15は、正極活物質とバインダとを含んで形成された多孔質の層である。正極活物質としては、例えば複合酸化物、金属リチウムまたは硫黄等が挙げられる。複合酸化物には、例えばマンガン、ニッケル、コバルト及びアルミニウムの少なくとも1つとリチウムとが含まれる。
負極9は、例えば銅箔からなる負極集電体である金属箔16と、この金属箔16の両面に形成された負極活物質層17とを有している。金属箔16は、平面視矩形状の箔本体部16aと、この箔本体部16aと一体化されたタブ16bとを有している。タブ16bは、箔本体部16aの長手方向の一端部近傍の縁から突出している。タブ16bは、導電部材13を介して負極端子5に接続されている。なお、図2では、便宜上タブ16bを省略している。
負極活物質層17は、箔本体部16aの表裏両面に形成されている。負極活物質層17は、負極活物質とバインダとを含んで形成された多孔質の層である。負極活物質としては、例えば黒鉛、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ、ハードカーボン、ソフトカーボン等のカーボン、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、金属化合物、SiOx(0.5≦x≦1.5)等の金属酸化物またはホウ素添加炭素等が挙げられる。
セパレータ10は、平面視矩形状を呈している。セパレータ10の形成材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、或いはポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、メチルセルロース等からなる織布または不織布等が例示される。
正極8の金属箔14、及び負極9の金属箔16の厚みは、例えば、20μm以下である。金属箔14,16の厚みを薄くするほど、同じ容積内で、正極活物質層15又は負極活物質層17の厚みを大きくすることが出来、電池として容量を上げることができる。したがって、製造上、支障の無い範囲で、金属箔14,16の厚みは、薄く設定される。
以上のように構成された蓄電装置1を製造する場合は、まずセパレータ付き正極11及び負極9を製作した後、セパレータ付き正極11と負極9とを交互に積層し、積層体を形成する。この積層体を加圧することでセパレータ付き正極11及び負極9を密着させた後、セパレータ付き正極11及び負極9を固定することで電極組立体3を得る。そして、セパレータ付き正極11のタブ14bを導電部材12を介して正極端子4に接続すると共に、負極9のタブ16bを導電部材13を介して負極端子5に接続した後、電極組立体3をケース2内に収容する。
次に、図3〜図8を参照して、本発明の実施形態に係る電極積層装置100について説明する。図3は、電極積層装置100を示す側面図である。図4は、電極積層装置100の平面図である。図5は、電極積層装置100の積層ユニット22周辺の構成を示す拡大図である。図6は、積層ユニット22へ電極を積層する様子を示す拡大図である。図7は、正極搬送ユニット20Aの駆動機構を説明するための図である。図8は、取出ユニット90の構成及び動作を説明するための概略側面図である。
図3〜図5に示すように、電極積層装置100は、正極搬送ユニット20Aと、負極搬送ユニット20Bと、正極供給用コンベア21Aと、負極供給用コンベア21Bと、積層ユニット22と、取出ユニット90(図4参照)と、を備えている。なお、電極積層装置100に対してXYZ座標系を設定する。X軸方向は、水平方向における一の方向を示す。Y軸方向は、水平方向においてX軸方向と直交する方向を示す。Z軸方向は、上下方向を示す。また、X軸方向における一方(図3においては紙面右側)を「正」とし、他方を「負」とする。Y軸方向における一方(図3においては紙面表側)を「正」とし、他方を「負」とする。Z軸方向における上側を「正」とし、下側を「負」とする。以降の説明においては、適宜XYZ座標系を用いて説明を行う場合がある。
正極搬送ユニット20Aは、セパレータ付き正極11を貯めながら順次搬送するユニットである。正極搬送ユニット20Aは、循環部材23Aと、複数の支持部24Aと、駆動部26Aと、押出ユニット(送出部)27Aと、位置決めユニット29Aと、を有している。
循環部材23Aは、上下方向に延びるループ状の部材であり、上昇した後に下降する循環経路を形成するように循環する外周面を有する。循環部材23Aの外周側には、一定間隔で複数の支持部24Aが循環部材23Aの全周にわたって設けられている。循環部材23Aは、上下に配置されたローラ28A,28A間に架け渡されている。ローラ28A,28Aは、Y軸方向に延びる回転軸を有し、Y軸方向の正側から負側を見て時計回りに回転する。すなわち、循環部材23Aの循環方向は、Y軸方向の正側から負側を見て時計回りとなる。従って、循環部材23Aのうち、ローラ28A,28AのX軸方向の負側において上下方向に延びる部分は、支持部24Aを上昇させる上昇区間として構成される。循環部材23Aのうち、ローラ28A,28AのX軸方向の正側において上下方向に延びる部分は、支持部24Aを下降させる下降区間として構成される。
支持部24Aは、セパレータ付き正極11を支持する部材である。支持部24Aは、循環部材23Aと共に循環経路を循環する。支持部24Aは、循環部材23AのX軸方向の負側の上昇区間にて、正極供給用コンベア21Aからセパレータ付き正極11を受け取る。支持部24Aに支持されたセパレータ付き正極11は、循環部材23AのX軸方向の正側の下降区間にて、積層ユニット22へ送出される。支持部24Aは、循環部材23Aに設けられたブラケット部31Aと、ブラケット部31Aを挟むように設けられた一対の板部32A,32Aと、によって構成される(特に図5参照)。支持部24Aが循環部材23Aの上昇区間または下降区間に配置されている状態では、板部32A,32Aは、循環部材23Aの外周面からX軸方向に延び、上下方向に互いに離間して対向している。セパレータ付き正極11は、板部32A,32A間に、タブ14bがY軸方向の負側に突出するように配置された状態で支持部24Aに支持される。板部32A,32Aの幅方向(Y軸方向)における寸法は、セパレータ付き正極11よりも小さい。従って、セパレータ付き正極11が支持部24Aに支持された状態では、セパレータ付き正極11のY軸方向に対向する縁部11a,11bは、板部32A,32AのY軸方向に対向する側縁部32Aa,32Abからはみ出る。板部32A,32A間の隙間のうち、循環部材23A側の端部には、ブラケット部31Aの先端部を覆う緩衝部材33Aが設けられている。
駆動部26Aは、循環部材23Aを回転させると共に、循環部材23Aを上下方向に移動させる。駆動部26Aは、循環部材23Aの上昇区間においては支持部24Aを上昇させ、循環部材23Aの下降区間においては支持部24Aを下降させる。
ここで、循環部材23Aを駆動する駆動機構60について、図7を参照して説明する。駆動機構60は、正極搬送ユニット20Aから、Y軸方向の負側へ離間した位置に設けられる。駆動機構60は、正極搬送ユニット20Aの上側のローラ28Aと回転軸を介して接続される駆動ギア61と、正極搬送ユニット20Aの下側のローラ28Aと回転軸を介して接続される駆動ギア62と、上下方向において駆動ギア61と駆動ギア62との間に配置される駆動ギア63,64と、駆動ギア61,62,63,64に架け渡されたタイミングベルト68と、を備える。駆動ギア63は、上下方向に配置された駆動ギア61,62よりもX軸方向の負側に配置されている。駆動ギア63は、駆動部26Aのモータ(不図示)の駆動軸と接続されており、当該モータの回転に伴い、独立して回転する。駆動ギア64は、上下方向に配置された駆動ギア61,62よりもX軸方向の正側に配置されている。駆動ギア64は、駆動部26Aのモータ(不図示)の駆動軸と接続されており、当該モータの回転に伴い、独立して回転する。駆動ギア63,64は、支持フレーム(不図示)に支持されており、上下方向の位置は変動することなく固定されている。駆動ギア61,62は、モータとは接続されておらず、タイミングベルト68を介した駆動ギア63,64の回転に伴い、上下方向へ移動するように、支持フレーム(不図示)に移動可能に支持されている。なお、駆動ギア61と駆動ギア62とは図示されないスライドフレームに回動可能に支持されており、駆動ギア61と駆動ギア62との間の上下方向の間隔は変動することなく固定されている。タイミングベルト68は、上下方向及びX軸方向の四方に配置された駆動ギア61,62,63,64に架け渡され、且つ、複数の(ここでは4つ)のガイドローラ66にガイドされることで、上下方向及びX軸方向に延びる略十文字状をなしている。
積層ユニット22にセパレータ付き正極11を積層するために、循環部材23Aの下降区間における支持部24Aを下降させる場合、駆動ギア64が時計回りの回転方向RD1へ回転する。正極供給用コンベア21Aからセパレータ付き正極11を順次受け取るために、循環部材23Aの上昇区間における支持部24Aを停止状態から上昇させる場合、駆動ギア63が時計回りの回転方向RD2へ回転する。ここで、駆動ギア63,64の位置は固定されており、駆動ギア61,62の上下方向の間隔を一定とした状態で上下方向に移動可能であり、タイミングベルト68の全長は不変である。従って、駆動ギア64の回転方向RD1への回転速度が、駆動ギア63の回転方向RD2への回転速度よりも速い場合(あるいは駆動ギア63が停止している場合)、タイミングベルト68を下側へ送り出す量が多くなることで、駆動ギア61,62は下側(方向BD1)へ移動する。このとき、駆動ギア61,62に連結されたローラ28A,28Aも循環部材23Aを回転させながら下側へ移動する。駆動ギア63の回転方向RD2への回転速度が、駆動ギア64の回転方向RD1への回転速度よりも速い場合(あるいは駆動ギア64が停止している場合)、タイミングベルト68を上側へ送り出す量が多くなることで、駆動ギア61,62は上側(方向BD2へ移動する。このとき、駆動ギア61,62に連結されたローラ28A,28Aも循環部材23Aを回転させながら上側へ移動する。なお、駆動ギア61と駆動ギア62の回転速度が同じときは、駆動ギア61,62は上下方向に動くことなく循環部材23Aを循環させる。
図3〜図5に示すように、押出ユニット27Aは、セパレータ付き正極11を積層する積層領域Eにおいて、複数(ここでは3つ)のセパレータ付き正極11を積層ユニット22に向けて同時に押し出すユニットである。なお、積層領域Eは、積層ユニット22が配置される領域のうち、押出ユニット27A,27Bと対向する位置に設定された領域である。押出ユニット27Aは、支持部24Aから積層ユニット22へセパレータ付き正極11を送出する。ここでは、押出ユニット27Aは、循環部材23Aの下降区間に対応する位置に設けられ、X軸方向の正側へ向けてセパレータ付き正極11を送出する。押出ユニット27Aは、各支持部24Aで支持された複数のセパレータ付き正極11を一緒に押す一対の押出部材34A,36Aと、この押出部材34A,36AをX軸方向へ往復動させる駆動部(不図示)と、を有している。押出部材34Aは支持部24Aに対してY軸方向の負側に設けられる。押出部材36Aは、支持部24Aに対してY軸方向の正側に設けられる。押出部材34A,36Aは、上下方向に延びる基体部34Aa,36Aaと、基体部34Aa,36Aaに対して上下方向に所定のピッチで設けられる櫛歯型の押出部34Ab,36Abと、を有している。押出部34Ab,36Abは、支持部24AのX軸方向へ延びる側縁部32Aa,32Abに沿って、X軸方向の正側に延びる部分を有する。押出部34Ab,36Abは、セパレータ付き正極11のX軸方向の負側の縁部11cのうち、支持部24Aの側縁部32Aa,32Abからはみ出た部分と当接する。押出部34Ab,36Abは、n段当たりの支持部24Aに対して一つの間隔にて合計m個、基体部34Aa,36Baに設けられる。本実施形態では、n=4、m=3であるが、特に個数は限定されない。
位置決めユニット29Aは、支持部24Aに支持されているセパレータ付き正極11の位置決めを行うためのユニットである。位置決めユニット29Aは、セパレータ付き正極11を積層ユニット22に送出する前段階で、支持部24Aに対してセパレータ付き正極11の位置決めを行う。位置決めユニット29Aは、循環部材23Aの下降区間に配置された支持部24Aに対して、Y軸方向の負側に配置された位置決め部材40Aと、Y軸方向の正側に配置された位置決め部材41Aと、を備える。位置決め部材40Aは、セパレータ付き正極11のY軸方向の位置決めを行う位置決め部42Aと、セパレータ付き正極11のX軸方向の位置決めを行う位置決め部43Aと、位置決め時にタブ14bとの干渉を避ける回避部44Aと、位置決め部42A,43A及び回避部44Aを支持する基体部48Aと、を有している。位置決め部材41Aは、セパレータ付き正極11のY軸方向の位置決めを行う位置決め部46Aと、セパレータ付き正極11のX軸方向の位置決めを行う位置決め部47Aと、位置決め部46A,47Aを支持する基体部49Aと、を有している。
位置決め部42A,46Aは、Y軸方向の両側からセパレータ付き正極11を挟み込むことにより、当該セパレータ付き正極11のY軸方向の位置決めを行う。位置決め部43A,47Aは、セパレータ付き正極11をX軸方向の負側へ向かって移動させ、支持部24Aの緩衝部材33Aへ押し付けることで、セパレータ付き正極11のX軸方向の位置決めを行う。なお、位置決め部42A,43A,46A,47A、回避部44A及び基体部48A,49Aは、下降区間の複数の支持部24Aに支持された複数のセパレータ付き正極11を一度に位置決めできるように、積層ユニット22に対向する複数の支持部24Aにわたって上下方向に延びている(図4の仮想線を参照)。なお、後述する如く、正極搬送ユニット20Aにおいて、循環部材23A及び複数の支持部24Aは、上下方向にスライドするが、駆動部26Aと押出ユニット27Aと位置決めユニット29Aの高さは変わらない。
負極搬送ユニット20Bは、負極9を貯めながら順次搬送するユニットである。負極搬送ユニット20Bは、正極搬送ユニット20AからX軸方向の正側に離間した位置にて、正極搬送ユニット20Aと隣り合うように設けられている。負極搬送ユニット20Bは、循環部材23Bと、複数の支持部24Bと、駆動部26Bと、押出ユニット(送出部)27Bと、位置決めユニット29Bと、を有している。負極搬送ユニット20Bの支持部24Bは、ブラケット部31Bと、板部32B,32Bと、緩衝部材33Bと、を有している。負極搬送ユニット20Bの押出ユニット27Bは、支持部24Bで支持された負極9を押し出す押出部材34B,36Bと、押出部材34B,36Bを往復動させる駆動部(不図示)を有している。また、押出部材34B,36Bは、基体部34Ba,36Baと、押出部34Bb,36Bbと、を有している。位置決めユニット29Bは、位置決め部材40Bと、位置決め部材41Bと、を有している。位置決め部材40Bは、負極9のY軸方向の位置決めを行う位置決め部42Bと、負極9のY軸方向の位置決めを行う位置決め部43Bと、タブ16bを回避する回避部44Bと、基体部48Bと、を有している。位置決め部材41Bは、負極9のY軸方向の位置決めを行う位置決め部46Bと、負極9のX軸方向の位置決めを行う位置決め部47Bと、基体部49Bと、を有している。負極搬送ユニット20Bでは、循環部材23Aの循環方向が、Y軸方向の正側から負側を見て反時計回りとなる。従って、循環部材23Aのうち、X軸方向の負側が下降区間となり、X軸方向の正側が上昇区間となる。また、負極搬送ユニット20Bでは、押出ユニット27Bが、X軸方向の負側へ向けて負極9を送出する。また、位置決めユニット29Bの位置決め部43B,47Bは、負極9をX軸方向の正側へ移動させて、支持部24の緩衝部材33Bに押し付ける。負極搬送ユニット20Bのその他の構成については正極搬送ユニット20Aと同趣旨の構成を有するため、説明を省略する。
正極供給用コンベア21Aは、セパレータ付き正極11を正極搬送ユニット20Aに向けて水平方向に搬送し、正極搬送ユニット20Aの支持部24Aにセパレータ付き正極11を供給する。正極供給用コンベア21Aは、正極搬送ユニット20Aに対してセパレータ付き正極11を一定の間隔で供給する。正極供給用コンベア21Aは、正極搬送ユニット20Aに対して、X軸方向の負側に設けられる。正極供給用コンベア21Aは、正極搬送ユニット20Aの循環部材23Aの上昇区間に対応する位置にて、支持部24Aへセパレータ付き正極11を供給する。
負極供給用コンベア21Bは、負極9を負極搬送ユニット20Bに向けて水平方向に搬送し、負極搬送ユニット20Bの支持部24Bに負極9を供給する。負極供給用コンベア21Bは、負極搬送ユニット20Bに対して負極9を一定の間隔で供給する。負極供給用コンベア21Bは、負極搬送ユニット20Bに対して、X軸方向の正側に設けられる。負極供給用コンベア21Bは、負極搬送ユニット20Bの循環部材23の上昇区間に対応する位置にて、支持部24Bへ負極9を供給する。
積層ユニット22は、正極搬送ユニット20Aと負極搬送ユニット20Bとの間に配置されている。積層ユニット22は、正極搬送ユニット20Aから送出されたセパレータ付き正極11及び負極搬送ユニット20Bから送出された負極9を受け取って、積層するユニットである。積層ユニット22は、積層部51と、壁部52A,52Bと、仕切板53A,53Bと、位置決め部材54A,54Bと、規定部56A,56Bと、を備える。
積層ユニット22は、少なくとも一つの積層部51を有する第1の部分120Aと、少なくとも一つの積層部51を有する第2の部分120Bと、を備える。第1の部分120Aは、第2の部分120Bの上側に配置されている。また、第1の部分120A及び第2の部分120Bは、上下方向に移動可能である。第1の部分120Aが積層領域Eに配置されているときは、第2の部分120Bは、積層領域Eの外側(下側)に配置される。第2の部分120Bが積層領域Eに配置されているときは、第1の部分120Aは、積層領域Eの外側(上側)に配置される。なお、第1の部分120Aと第2の部分120Bとは、上下が逆であってよい。第1の部分120A及び第2の部分120Bの動作や構成についての更に詳細な説明は、後述する。
また、図3では、部分120A,120Bが概略的に記載されている。部分120A,120Bはそれぞれ三つの積層モジュールMを有しており、一つあたりの積層モジュールMは、一つの長方形で示されている。一つあたりの積層モジュールMは、一つの積層部51を有している。本実施形態では、第1の部分120Aは三つの積層モジュールMを有し、第2の部分120Bは三つの積層モジュールMを有している。ただし、各部分120A,120Bの積層モジュールMの数量は特に限定されない。第1の部分120Aでは、積層モジュールM(すなわち積層部51)が当ピッチで設けられている。第2の部分120Bでは、積層モジュールM(すなわち積層部51)が当ピッチで設けられている。第1の部分120Aと第2の部分120Bとの間には中継部材122が設けられている。これにより、第1の部分120Aの最下部の積層モジュールMと第2の部分120Bの最上部の積層モジュールMとは、上下方向に互いに離間している。なお、中継部材122は設けられていなくともよい。すなわち、六つの積層モジュールMが当ピッチで設けられ、上側の三つの積層モジュールMが第1の部分120Aに該当し、下側の三つの積層モジュールMが第2の部分120Bに該当してもよい。
なお、壁部52A,52B、仕切板53,53B、位置決め部材54A,54B、及び規定部56A,56Bの各構成要素は、第1の部分120A及び第2の部分120Bに含まれず、積層領域Eに対応する位置に設けられてよい。これにより、各構成要素は、第1の部分120A及び第2の部分120Bに対する共有部品として用いられる。また、各構成要素の少なくとも何れかは、第1の部分120A及び第2の部分120Bに組み込まれており、第1の部分120Aの積層部51及び第2の部分120Bの積層部51と共に移動可能に構成されてもよい。なお、積層部51等の各構成要素に関し、第1の部分120Aと第2の部分120Bとを区別する事無く説明を行う場合は、第1の部分120A,第2の部分120Bの両方に共通する説明であるものとする。
積層部51は、正極搬送ユニット20Aから送出されたセパレータ付き正極11及び負極搬送ユニット20Bから送出された負極9を積層させる部分である。積層部51は、XY平面と平行に拡がる矩形状の板部材によって構成されている。積層部51のY軸方向における寸法は、電極11,9よりも小さい。積層部51は、押出ユニット27A,27Bの複数の押出部34Ab,36Ab,34Bb,36Bbに対応する位置に複数設けられている。また、押出部34Ab,36Ab,34Bb,36Bbはn段当たりの支持部24A,24Bに対して一つの間隔で、合計m個設けられている。よって、積層部51もn段当たりの支持部24A,24Bに対して一つの間隔で、合計m個設けられている。
壁部52Aは、正極搬送ユニット20Aと積層部51との間に設けられる。壁部52Aは、YZ平面と平行をなし、上下方向に延びている。壁部52Bは、負極搬送ユニット20Bと積層部51との間に設けられる。壁部52Bは、YZ平面と平行をなし、上下方向に延びている。壁部52Aには、セパレータ付き正極11を積層部51側へ送出するためのスリット55Aが形成されている(図5参照)。スリット55Aは、上下方向において、正極搬送ユニット20Aの複数の押出部34Ab,36Abと対応する位置に複数形成されている。壁部52Bには、負極9を積層部51側へ送出するためのスリット55Bが形成されている(図5参照)。スリット55Bは、上下方向において、負極搬送ユニット20Bの複数の押出部34Bb,36Bbと対応する位置に複数形成されている。なお、スリット55Aは、スリット55Bよりも上下方向において、支持部24A,24Bの一段分だけ高い位置に形成されている。なお、壁部52A,52Bは、図示されない支持構造によってそれぞれ支持されている。各支持構造は、上下方向に延びる基体部と、基体部から壁部52A,52Bに向けてそれぞれ延びる支持部と、を備えている。なお、当該支持構造は、位置決め部材54A,54Bと干渉しないように、当該位置決め部材54A,54B付近に設けられる。
仕切板53Aは、スリット55Aから積層部51側へ送出されたセパレータ付き正極11を積層部51の上方で一時的に保持する部材である。仕切板53Bは、スリット55Bから積層部51側へ送出された負極9を積層部51の上方で一時的に保持する部材である。仕切板53A,53Bに電極11,9が載せられたら、仕切板53A,53Bは、積層部51と対向する位置からY軸方向の負側へ引き抜かれるように移動する(図4に示す状態)。このとき、位置決め部材54A,54Bは、仕切板53A,53B上に載置された電極11,9を引き抜き方向に支持する。これによって、仕切板53A,53Bを引き抜く際に、電極11,9が仕切板53A,53Bと共に移動することを防止できる。仕切板53A,53Bが引き抜かれた後、電極11,9は下方へ向けて落下し、積層部51上に積層される。
位置決め部材54A,54Bは、積層部51上に積層される電極11,9の位置決めを行う部材である。位置決め部材54A,54Bは、積層部51に対してY軸方向の負側に配置される。また、位置決め部材54A,54Bは、前述のように、仕切板53A,53Bを引き抜く際に電極11,9の位置決めも行う。位置決め部材54A,54Bは、上下方向に延びる基体部54Aa,54Baと、基体部54Aa,54Baに上下方向に所定のピッチで設けられた押し部54Ab,54Bbと、を備える。位置決め部材54Aの押し部54Abは、電極11,9のY軸方向の負側の縁部11a,9aのうち、壁部52A寄りの部分を押さえる。位置決め部材54Bの押し部54Bbは、電極11,9のY軸方向の負側の縁部11a,9aのうち、壁部52B寄りの部分を押さえる。位置決め部材54A,54Bは、基体部54Aa,54Ba及び押し部54Ab,54Bbを位置決め方向(Y軸方向)へ往復動させる駆動部(不図示)を備えている。押し部54Ab,54Bbが積層部51に積層された電極11,9の縁部11a,9aを押さえる時、規定部56A,56Bが電極11,9の反対側(Y軸方向の正側)の縁部11b,9bを受ける。なお、仕切板53A,53Bが電極11,9を載置させる状態(図6の状態)では、仕切板53A,53BのX軸方向の寸法は、押し部54Ab,54Bb間のX軸方向の寸法よりも大きい。ただし、引き抜かれる際、仕切板53A,53BはX軸方向に縮むことで、押し部54Ab,54Bb間の隙間の寸法よりも小さくなる(図4の状態)。このような伸縮機構は、仕切板53A,53BをそれぞれX軸方向へ互いにスライド可能な二枚板の構成とすることで実現できる。
規定部56A,56Bは、位置決め部材54A,54Bが積層部51上に積層される電極11,9の位置決めを行う時に、押し部54Ab,54Bbに押される電極11,9を受ける部材である。これにより、規定部56A,56Bは、Y軸方向において、積層部51に積層された電極11,9の基準位置を規定する。規定部56A,56Bは、積層部51に対してY軸方向の正側に配置される。規定部56A,56Bは、複数の積層部51にわたって上下方向に延びる柱状の部材によって構成される。規定部56Aは、電極11,9のY軸方向の正側の縁部11b,9bのうち、壁部52A寄りの部分を受ける。規定部56Bは、電極11,9のY軸方向の正側の縁部11b,9bのうち、壁部52B寄りの部分を受ける。規定部56A,56Bは、図示されない駆動部に接続されており、X軸方向の往復動が可能である。規定部56A,56Bは、取出ユニット90が積層体を引き出すとき、積層体との干渉を回避する位置へ移動する。
電極積層装置100は、コントローラ110を備えている。コントローラ110は、CPU、RAM、ROM及び入出力インターフェース等から構成されている。コントローラ110は、上述した駆動部26A,26Bを制御する搬送制御部と、積層ユニット22駆動部を制御する積層制御部と、押出ユニット27A,27Bの駆動部を制御する押出制御部と、位置決めユニット29A,29Bの駆動部を制御する位置決め制御部と、取出ユニット90の駆動部を制御する取出制御部と、第1の部分120A及び第2の部分120Bの駆動部を制御する移動制御部と、を有している。コントローラ110は、装置内の各センサからの検知信号、及びROMに保存されたプログラムに基づき制御内容を決定し、各制御部を介して、各駆動部を駆動制御する。なお、コントローラ110は、一つの処理装置によって構成されていなくともよく、複数の処理装置によって構成されてよい。例えば、電極積層装置100の構成要素に対して独立した処理装置が設けられており、各処理装置は、各種センサの検出信号に基づいて、他の構成要素との動作タイミングを合わせてよい。
次に、電極積層装置100の積層部51に電極11,9を積層する際の動作の概略について説明する。なお、第1の部分120A、第2の部分120B及び取出ユニット90の更に詳細な動作については、後述する。電極11,9が支持された支持部24A,24Bが最下端のスリット55A,55Bの位置まで移動すると、積層ユニット22側の支持部24A、24Bは停止し、正極搬送ユニット20Aの位置決めユニット29Aは支持部24Aに支持されたセパレータ付き正極11のX軸方向及びY軸方向の位置決めを行い、負極搬送ユニット20Bの位置決めユニット29Bは支持部24Bに支持された負極9のX軸方向及びY軸方向の位置決めを行う。次に、正極搬送ユニット20Aの押出ユニット27Aと、負極搬送ユニット20Bの押出ユニット27Bは、同時に電極11,9を押し出す。これにより、各電極11,9は、仕切板53A,53B上へ同時に送出される(図6参照)。次に、位置決め部材54A,54Bが電極11,9を支持した状態で、仕切板53A,53Bの引き抜きが行われる。これによって、電極11,9は同時に積層部51上に積層される。積層部51上に電極11,9が積層されたら、位置決め部材54A,54B、及び規定部56A,56Bは、積層部51上で電極11,9のY軸方向の位置決めを行う。その後、循環部材23A,23Bと共に支持部24A,24Bが移動し、同様の動作が繰り返される。積層部51上に電極11,9が所定枚数積層されたら、積層体が取出ユニット90によって取り出される。
押出ユニット27A,27B、正極搬送ユニット20A及び負極搬送ユニット20Bの動作について説明する。まず、積層ユニット22と対向する全ての支持部24A,24Bに電極11,9が存在する状態(図5に示す状態)から順に説明を行う。上述のように、押出ユニット27A,27Bは、n段当たりの支持部24A,24Bに対して一つの間隔にて、合計m個の押出部36Ab,36Bbを有する。押出ユニット27A,27Bは、支持部24A,24Bに支持された電極11,9のうち、m個の電極11,9を押出部36Ab,36Bbで押し出す押出動作を実行する。次に、駆動部26A,26Bは、押出部36Ab,36Bbに対して循環部材23A,23Bを支持部24A,24Bの1段分、循環方向へ移動させる第1の移動動作を実行する。当該第1の移動動作が完了したら、支持部24A,24B及び循環部材23A,23Bは停止する。次に、押出ユニット27A,27Bは、第1の移動動作の後、m個の電極11,9を押出部36Ab,36Bbで押し出す押出動作を実行する。駆動部26A,26B及び押出ユニット27A,27Bは、このような第1の移動動作及び(二回目以降の)押出動作を(n−1)回実行する。なお、これらの動作の繰り返しにより、支持部24A,24B及び循環部材23A,23Bの移動と停止が複数回繰り返される。(n−1)回目の押出動作(図6に示す押出動作)が完了すると、積層ユニット22と対向する全ての支持部24A,24Bの電極11,9の送出が完了する。その後、駆動部26A,26Bは、押出部36Ab,36Bbに対して循環部材23A,23Bを支持部24A,24Bの{m×n−(n−1)}段分、循環方向へ移動させる第2の移動動作を実行する。その後、押出ユニット27A,27B、正極搬送ユニット20A及び負極搬送ユニット20Bは、同趣旨の動作を繰り返す。なお、積層部51は、新たな電極11,9が追加される度に、これらの電極11,9の厚み分だけ下方へ僅かに移動する。また、正極搬送ユニット20Aの押出ユニット27Aと、負極搬送ユニット20Bの押出ユニット27Bとは、同時に電極11,9の送出を行ったが、タイミングをずらしてもよい。
次に、図8を参照して、取出ユニット90の構成の詳細について説明する。図8は、取出ユニットの側面図である。図8では、積層ユニット22のうち、積層部51のみを示し、他の構成要素は省略している。
図8に示すように、取出ユニット90は、積層部51に積層された積層体LBを積層部51から取り出すユニットである。取出ユニット90は、積層部51に対してY軸方向の正側に配置されている。従って、取出ユニット90は、Y軸方向における正側から積層体LBを取り出す。
取出ユニット90は、チャック部59と、アーム部88と、を備える。チャック部59及びアーム部88は、各段の積層部51に対して一つずつ設けられている。取出ユニット90は、一つの積層部51に対して一つのチャック部59及びアーム部88を備えている。本実施形態では、取出ユニット90は、第1の部分120A及び第2の部分120B内に配置された積層体LBを一括で取り出すように構成されている。第1の部分120A及び第2の部分120Bは、それぞれ三つの積層部51を有しているので、取出ユニット90は、三つのチャック部59及びアーム部88を備える。なお、取出ユニット90の構成を説明する場合は、チャック部59が図8に示すように、積層部51に対してY軸方向の正側に配置されている状態を基準として説明をおこなう。
チャック部59は、積層部51の積層体LBを挟む部分である。図8に示すように、チャック部59は、上下方向に互いに対向する保持部材86,87と、保持部材86,87同士を連結する連結部材85と、を備える。保持部材86は上側に配置され、保持部材87は保持部材86から下方へ離間するように下側に配置される。連結部材85は、保持部材86,87のY軸方向の正側の端部にて、保持部材86と保持部材87とを連結する。連結部材85は、保持部材86及び保持部材87を開閉する機能も有している。連結部材85は、例えば上下方向に伸縮するアクチュエータ(不図示)を備えており、当該アクチュエータを駆動させることにより、保持部材86,87を開閉する。チャック部59は、上方から見た時に、略矩形状の形状を有している(図4参照)。チャック部59は、X軸方向における中心位置が、積層部51の中心位置と一致するように配置されている。
積層部51には、Y軸方向の正側に切欠部91が形成されている(図4参照)。これにより、チャック部59が積層体LBを取り出す時、チャック部59は、積層部51と干渉することなく、切欠部91内に入り込むことができる。チャック部59の保持部材87は、積層部51から積層体LBを取り出すとき、切欠部91を下側から通過して、積層体LBを挟むことができる。すなわち、保持部材87は、図8(a)で示す位置から上方へ移動するとき、切欠部91を下側から上側へ向かって入り込み、積層体LBの下面と接触する。これにより、保持部材86,87は、積層体LBを上下方向から挟み込む。
アーム部88は、チャック部59の連結部材85に取り付けられており(図8参照)、Y軸方向の正側へ延びている。アーム部88は、長手方向へ伸縮可能な構成を有している。アーム部88が伸縮することで、チャック部59を積層部51に対して進退させることができる。取出ユニット90が積層部51から積層体LBを取り出す時、アーム部88が延びることで、積層体LBを挟持可能な位置までチャック部59を移動させる(図8(a)参照)。チャック部59が積層体LBを挟んだ後、アーム部88が縮むことで、チャック部59を積層体LBと共に積層部51からY軸方向へ離間するように移動させる(図8(b)参照)。また、アーム部88は、Z軸を中心としてチャック部59を旋回させることもできる。これにより、取出ユニット90は、コントローラ110の制御信号に基づいて動作する。
図9及び図10を参照して、取出ユニット90及び積層ユニット22の上下の移動機構について説明する。図9(a)及び図10(a)は、電極積層装置の動作を説明するための正面図である。図9(b)及び図10(b)は、電極積層装置の動作を説明するための側面図である。図9(b)及び図10(b)に示すように、取出ユニット90は、チャック部59及びアーム部88を上下方向へ移動させる移動機構92を備える。移動機構92は、連結部93と、駆動部94と、を備える。連結部93は、上下方向に延びて、それぞれのアーム部88と連結される部材である。駆動部94は、連結部93を介して、それぞれのアーム部88及びチャック部59に対し、上下方向へ移動するための駆動力を付与する。駆動部94は、アーム部88及びチャック部59を旋回させるための駆動力を付与してもよい。なお、連結部93は、上下に伸縮することによって、それぞれのアーム部88及びチャック部59を上下方向へ移動させてもよい。あるいは、それぞれのアーム部88及びチャック部59が、連結部93に沿って上下方向へ移動してもよい。
図9及び図10に示すように、積層ユニット22は、第1の部分120A及び第2の部分120Bを上下方向へ移動させる移動機構126を備える。移動機構126は、連結部127と、駆動部128と、を備える。連結部127は、上下方向に延びて、第2の部分120Bに連結される。駆動部128は、連結部127を介して、第1の部分120A及び第2の部分120Bに対し、上下方向へ移動するための駆動力を付与する。なお、連結部127は、上下に伸縮することによって、第1の部分120A及び第2の部分120Bを上下方向へ移動させてもよい。あるいは、第1の部分120A及び第2の部分120Bが、連結部127に沿って上下方向へ移動してもよい。なお、積層部51は、新たな電極11,9が追加される度に、これらの電極11,9の厚み分だけ下方へ僅かに移動するものであった(図5及び図6参照)。積層部51を厚み分だけ移動させる機構は、移動機構126と共用されてもよく、当該移動機構126とは別途の機構として設けられてもよい。なお、積層部51を厚み分だけ上下方向に移動させる場合、取出ユニット90のチャック部59も同期して上下方向に移動する。
ここで、第1の部分120A及び第2の部分120Bにおいて、複数の積層部51は、図4に示すように、支持部材131によって支持されている。支持部材131は、取り出し時における取出ユニット90と干渉しない位置にて、上下方向に延びるように一対設けられる。各積層部51は、接続部132を介して支持部材131に接続される。接続部132は、取出ユニット90と干渉しない位置にて、積層部51からY軸方向に延びて、支持部材131に接続される。なお、支持部材131は、第1の部分120A及び第2の部分120Bの全ての積層部51を一括で支持してよい。更に、支持部材131は、そのまま第2の部分120Bより下方まで延びることによって、移動機構126の連結部127として機能してもよい。ただし、支持部材131とは異なる部材として、連結部127が設けられてもよい。
次に、図9及び図10を参照して、積層ユニット22の第1の部分120A及び第2の部分120Bと、取出ユニット90との動作について説明する。第1の部分120A及び第2の部分120Bは、上下方向に往復移動することによって、互いの位置を切り替えることができる。すなわち、第1の部分120A及び第2の部分120Bが、図9に示す状態から下側へ移動することで、図10に示す状態となったとき、積層領域Eに配置される部分が、第2の部分120Bから第1の部分120Aへ切り替わる。また、第1の部分120A及び第2の部分120Bが、図10に示す状態から上側へ移動することで、図9に示す状態となったとき、積層領域Eに配置される部分が、第1の部分120Aから第2の部分120Bへ切り替わる。
押出ユニット27A,27Bは、第1の部分120A及び第2の部分120Bのうち、積層領域Eに配置された方に対して積層を行う。すなわち、押出ユニット27A,27Bは、積層領域Eに配置された一方の部分に対して、積層工程を実行する。積層工程とは、積層領域Eに配置された一方の部分に対して電極11,9の積層動作を繰り返し行うことで、積層体LBを形成する工程である。そして、第1の部分120A及び第2の部分120Bのうち一方の部分の積層領域Eでの積層が完了したら、当該一方の部分が積層領域Eの外へ移動し、他方の部分が積層領域Eへ移動する。積層領域Eに配置された一方の部分に対する積層が完了することとは、積層領域Eに配置された一方の部分に対する積層工程が完了することにより、積層体が完成することである。第1の部分120Aの積層領域Eでの積層が完了したら、第1の部分120A及び第2の部分120Bが上側へ移動することで、第1の部分120Aが積層領域Eの外へ移動し、第2の部分120Bが積層領域Eへ移動する(図9参照)。第2の部分120Bの積層領域Eでの積層が完了したら、第2の部分120B及び第1の部分120Aが上側へ移動することで、第2の部分120Bが積層領域Eの外へ移動し、第1の部分120Aが積層領域Eへ移動する(図10参照)。
取出ユニット90は、積層領域Eとは異なる位置にて、積層が完了した第1の部分120A及び第2の部分120Bから、積層体LBを取り出す。取出ユニット90は、積層領域Eの上側にて第1の部分120Aから積層体LBを取り出し(図9参照)、積層領域Eの下側にて第2の部分120Bから積層体LBを取り出す(図10参照)。取出ユニット90は、第1の部分120Aにて積層が行われているのと同時に、第2の部分120Bから積層体LBを取り出す。また、取出ユニット90は、第2の部分120Bにて積層が行われているのと同時に、第1の部分120Aから積層体LBを取り出す。
具体的には、図9に示すように、第2の部分120Bが積層領域Eに配置されている場合、押出ユニット27A,27Bは、第2の部分120Bに対して積層を行う。そして、第2の部分120Bの積層領域Eでの積層が完了したら、第1の部分120A及び第2の部分120Bが下側へ移動する。これにより、図10に示すように、当該第2の部分120Bが積層領域Eの外(下側)へ移動し、第1の部分120Aが積層領域Eへ移動する。従って、押出ユニット27A,27Bは、第1の部分120Aに対する積層を開始する。すなわち、押出ユニット27A,27Bは、第2の部分120Bに対する積層工程が完了して積層体LBが完成した後に、積層領域Eに移動してきた第1の部分120Aに対する積層工程の実行に伴う積層動作を開始する。このとき、第1の部分120Aでの積層が行われている一方、図10(b)に示すように、取出ユニット90は、積層領域Eの下側にて、第2の部分120Bからの積層体LBの取り出し動作を行う。これにより、第1の部分120Aでの積層動作と、第2の部分120Bでの取り出し動作とが同時に行われる。なお、取出ユニット90のチャック部59の下側への移動は、第1の部分120A及び第2の部分120Bの下側への移動と同時に行われてよい。
第1の部分120Aでの積層動作及び第2の部分120Bでの取り出し動作が完了したら、第1の部分120A及び第2の部分120Bが上側へ移動する。これにより、図9に示すように、当該第1の部分120Aが積層領域Eの外(上側)へ移動し、第2の部分120Bが積層領域Eへ移動する。従って、押出ユニット27A,27Bは、第2の部分120Bに対する積層を開始する。すなわち、押出ユニット27A,27Bは、第1の部分120Aに対する積層工程が完了して積層体LBが完成した後に、積層領域Eに移動してきた第2の部分120Bに対する積層工程の実行に伴う積層動作を開始する。このとき、第2の部分120Bでの積層が行われている一方、図9(b)に示すように、取出ユニット90は、積層領域Eの上側にて、第1の部分120Aからの積層体LBの取り出し動作を行う。これにより、第2の部分120Bでの積層動作と、第1の部分120Aでの取り出し動作とが同時に行われる。なお、取出ユニット90のチャック部59の上側への移動は、第1の部分120A及び第2の部分120Bの上側への移動と同時に行われてよい。以降は、同様の動作と切り替えが繰り返し行われる。
次に、本実施形態に係る電極積層装置100の作用・効果について説明する。
本実施形態に係る電極積層装置100は、支持部24A,24Bに支持された電極11,9を積層部51に向けて送出する押出ユニット27A,27Bと、積層部51に積層された積層体LBを積層部51から取り出す取出ユニット90と、を備えている。ここで、積層ユニット22は、少なくとも1つの積層部51を有する第1の部分120Aと、少なくとも1つの積層部を有する第2の部分120Bと、を備えている。押出ユニット27A,27Bは、第1の部分120A及び第2の部分120Bのうち、押出ユニット27A,27Bと対向する位置に設定された積層領域Eに配置されたものに対して、電極11,9の積層を行う。これにより、第1の部分120A及び第2の部分120Bのうち、積層領域Eに配置された方の積層部51に積層体LBが形成される。また、第1の部分120A及び第2の部分120Bのうち一方の部分が積層領域Eに配置されているときは、他方の部分が積層領域Eとは異なる位置に配置される。これにより、第1の部分120A及び第2の部分120Bのうち一方の部分の積層領域Eでの積層が完了した後に、すなわち、積層工程が完了することで積層体LBが完成した後、他方の部分を積層領域Eへ移動させたら、積層が完了した一方の部分は、積層領域Eとは異なる位置へ移動する。すなわち、積層体LBが形成された状態の部分は、積層が行われない位置へ退避し、空の部分が新たに積層領域Eへ配置される。例えば、図9で積層が完了した第2の部分120Bが、図10に示すように積層領域Eの下側へ退避し、空の第1の部分120Aが新たに積層領域Eへ配置される。一方、取出ユニット90は、積層領域Eとは異なる位置にて、第1の部分120A及び第2の部分120Bのうち、積層が完了した方から、すなわち、積層工程が完了して積層体LBが完成した方から、積層体LBを取り出す。これにより、取出ユニット90は、積層領域Eでの積層動作を阻害することなく、積層体LBを取り出すことができる。従って、押出ユニット27A,27Bは、取出ユニット90に阻害されることなく、新たに積層領域Eに配置された空の部分に対して、積層工程の実行に伴う積層動作を速やかに開始することができる。以上より、電極積層装置100における積層動作の停止時間を減らし、サイクルタイムを改善することができる。なお、本実施形態におけるサイクルタイムは、電極積層装置100にて作業の完了から次の作業の完了までの時間で定義される。具体的には、例えば、第1の部分120A及び第2の部分120Bの一方における積層体LBの取出し開始時より、次の、第1の部分120A及び第2の部分120Bの他方における積層体の取出し開始時までの時間(間隔)である。
電極積層装置100において、第1の部分120A及び第2の部分120Bは、上下方向に往復移動することによって、互いの位置を切り替え、取出ユニット90は、積層領域Eの上側にて、積層が完了した第1の部分120Aから積層体LBを取り出し、又は、積層領域Eの下側にて、積層が完了した第2の部分120Bから積層体LBを取り出してよい。この場合、第1の部分120A及び第2の部分120Bが上下方向へ往復移動するだけのシンプルな動作にて、積層が完了した部分を積層領域Eから上側又は下側へ退避させ、空の部分を積層領域Eへ配置させることができる。また、取出ユニット90は、積層領域Eの上側又は下側の位置にて、速やかに積層体LBを取り出すことができる。
以上、本発明の実施形態及びその変形例について説明したが、本発明は上記実施形態又は上記変形例に限定されない。
例えば、上述の実施形態に係る電極積層装置100は、第1の部分120A及び第2の部分120Bの二つの部分を有していたが、例えば第1の部分の上側に第3の部分を有してもよい。この場合、各部分が上側へ移動するときは、積層領域Eには、第3の部分、第1の部分120A、第2の部分120Bの順で配置される。また、各部分が下側へ移動するときは、積層領域Eには、第2の部分120B、第1の部分120A、第3の部分の順で配置される。また、積層ユニット22は四つ以上の部分を上下方向に備えてよい。
例えば、図11〜図13に示すように、第1の部分120A及び第2の部分120Bは、積層部51に配置された積層体LBを上方から支持する積層体支持部150を備えてよい。積層体支持部150は、積層部51に対して、取出ユニット90とは反対側(Y軸方向の負側)に設けられている。積層体支持部150は、上下方向に一定のピッチで離間する複数の支持板151と、上下方向に延びて各支持板151を連結する連結部152と、を備える。積層部51には支持板151の形状に対応する切欠部51aが形成されており、支持板151は当該切欠部51aを上下方向に通過可能である(図13(a)を参照)。なお、取出ユニット90の保持部材86,87、及び保持部材87を通過させるための切欠部51bは、切欠部51aを回避するように当該切欠部51aの両側に設けられる。
図11(a)に示すように、積層部51に電極の積層が行われているときは、支持板151の上面と積層部51の上面とが同一の高さに配置される。これにより、支持板151は、積層部51の一部として機能する。なお、最上段の支持板151は、最上段の積層部51の上方に配置される。このとき、取出ユニット90は、積層部51から離間した位置にて待機する(図13(a)も参照)。
図11(b)に示すように、積層体支持部150が積層体LBを支持するとき、積層体支持部150全体が下側へ移動することで、各支持板151は、一段下側の積層部51に支持されている積層体LBと上側から当接する。これにより、積層体LBは、積層部51と支持板151とに挟まれた状態となる。当該状態にて、第1の部分120A及び第2の部分120Bが上下方向へ移動する。このとき、積層体LBは積層部51と支持板151とに挟まれているため、積層ずれが抑制される。
第1の部分120A及び第2の部分120Bの移動が完了したら、図12(a)に示すように、積層体支持部150全体が上側へ移動することで、元の位置に戻る。これにより、積層体LBの上面から支持板151が離間して、取り出し可能な状態となる。当該状態にて、取出ユニット90は、積層部51側へ移動して、積層体LBを挟み込む(図13(b)も参照)。その後、図12(b)に示すように、取出ユニット90は、積層体LBを保持した状態で、積層部51から離れるように移動する。以上により、積層完了後に第1の部分120A及び第2の部分120Bが移動するとき、積層体支持部150が積層体LBを支持することで、積層体LBの積層ずれを抑制できる。
また、図14に示すように、壁部52A,52Bは、X軸方向(押出ユニットが対象物を送出する送出方向)において、移動してよい。壁部52A,52Bには、当該壁部52A,52BをX軸方向へ往復移動させる移動機構160が設けられている。移動機構160は、壁部52A,52Bに連結される連結部161と、連結部161を介して壁部52A,52Bに駆動力を付与する駆動部162と、を備える。例えば、図14(a)に示すように、積層時においては、壁部52A,52Bと積層体LBが接触する状態である。これに対し、取出ユニット90が積層体LBを取り出すときは、壁部52A,52Bは、積層体LBから離間するようにX軸方向の外側へ移動する。これにより、積層体LBが上下方向へ移動する際に、当該積層体LBが壁部52A,52Bに擦れることを抑制できる。
また、図15〜図19に示すような変形例に係る電極積層装置を採用してもよい。変形例に係る電極積層装置では、複数の部分220A,220B,220C,220Dは、押出ユニット27A,27Bが電極11,9を送出する送出方向(X軸方向)から見て、少なくとも積層領域Eを含む循環経路SLに沿って循環移動する。また、取出ユニット90は、循環経路SLのうち積層領域Eとは異なる位置にて、複数の部分220A,220B,220C,220Dのうち、積層が完了したものから、積層体LDを取り出してよい。なお、部分220A,220B,220C,220Dのうちの、何れか一つが請求項における「第1の部分」に該当し、他の一つが請求項における「第2の部分」に該当する。
図15に示すように、部分220A,220B,220C,220Dの循環経路SLは、X軸方向から見て矩形環状の形状を有しており、Y軸方向において積層領域Eと重なる経路SL1と、経路SL1からY軸方向の負側へ離間した経路SL2と、経路SL1,SL2の上端同士を接続する経路SL3と、経路SL1,SL2の下端同士を接続する経路SL4と、を備える。部分220A,220B,220C,220Dは、経路SL1では下方へ移動し、経路SL2では上方へ移動し、経路SL3ではY軸方向の正側へ移動し、経路SL4ではY軸方向の負側へ移動する。当該循環経路SL内では、循環方向に部分220A,220B,220C,220Dの順で配置されている。また、部分220A,220B,220C,220Dは、経路SL1では上から順に三箇所の停止位置P1,P2,P3にて停止し、経路SL2では下から順に三箇所の停止位置P4,P5,P6にて停止する。停止位置P2が積層領域Eと重なる位置であり、停止位置P3が取出ユニット90での取り出しが行われる位置である。このような電極積層装置では、停止位置P2に停止した部分に対して積層が行われる。積層が完了した部分は、停止位置P3へ移動し、取出ユニット90により積層体LBの取り出しが行われる。このとき、停止位置P2に空の部分が新たに移動してくる。
図16〜図19を参照して、変形例に係る電極積層装置の循環機構の一例について説明する。まず、図16に示すように、部分220Aは、積層部51が複数段設けられたボックスタイプの構成を有している。このようなボックスタイプの部分220Aは、上下方向への移動をガイドするためのガイド部材250と連結可能に構成されている。部分220Aは、経路SL1,SL2を移動するときは、ガイド部材250に沿って上下方向へ移動する。なお、経路SL3,SL4を横方向へスライドする際も、ガイド部材にガイドされる。部分220Aの下面側には、各停止位置で停止するための位置決め部260が形成されている。位置決め部260は、図17に示す移動機構270及び位置決め機構280の突起部を受容することができる。なお、他の部分220B,220C,220Dも、部分220Aと同様の構成を有する。
まず、図17(a)に示すように、停止位置P1に部分220Aが配置され、停止位置P2に部分220Bが配置され、停止位置P4に部分220Cが配置され、停止位置P6に部分220Dが配置されている。位置決め機構280は、停止位置P1〜P3に配置された部分を位置決めする部材である。移動機構270は、位置決め機構280と反対側の位置にて、停止位置P1〜P3に対して設けられる。ここでは、位置決め機構280の突起部281が停止位置P1の部分220Aを位置決めし、突起部282が停止位置P2の部分220Bを位置決めする。移動機構270は、停止位置P1,P2に対応する位置にて、部分220A,220Bから離間した位置にて待機している。図17(a)に示す状態では、停止位置P2の部分220Bに対する積層が完了している。
次に、図17(b)に示すように、位置決め機構280の位置決めが解除される。また、移動機構270の突起部271が停止位置P1の部分220Aと連結し、突起部272が停止位置P2の部分220Bと連結する。次に、図18(a)に示すように、移動機構270が下方へ移動する。これにより、部分220Aが停止位置P2に移動し、部分220Bが停止位置P3に移動する。また、部分220Dがスライドして停止位置P1へ移動する。この状態の部分220A、220B,220Cに対して、図18(b)に示すように、位置決め機構280が位置決めを行う。
次に、図19(a)に示すように、移動機構270が部分220A,220Bから離間する。また、図19(b)に示すように、移動機構270が上方へ移動する。この状態にて、停止位置P2では部分220Aに対して積層が行われ、停止位置P3では部分220Bから積層体LBの取り出しが行われる。積層体LBの取り出し完了後、部分220Bはスライドして停止位置P4へ移動する。次に、図17(a)に示す配置に戻り、それ以降、同趣旨の動作が繰り返される。
また、例えば、上述の実施形態に係る電極積層装置100は、第1の部分120A及び第2の部分120Bの二つの部分を、一つの駆動部128で駆動するものであったが、第1の部分120A及び第2の部分120Bに対応する駆動部を、各々一つずつ、別個に設けてもよい。この場合、仮に、第1の部分120Aに対し、積層動作時に積層部51を厚み分だけ移動させた場合も、第2の部分120Bは厚み分だけの移動をさせる必要は無く、従って、チャック部を上下動させることなく取出しを行うことが出来る。
なお、上述の実施形態及び変形例の説明では、取出ユニット90は、積層領域Eに隣り合う停止位置にて、直ちに積層体LBの取り出しを行っていた。この場合、移動中の積層体LBの積層ずれを抑制できる点で好ましいが、取出ユニット90は、必ずしも積層領域Eに隣り合う停止位置で取り出しを行わなくともよい。例えば、図15に示す変形例において、取出ユニット90が経路SL2の何れかの位置で取り出しを行ってもよい。また、上述の実施形態及び変形例では、電極積層装置は、積層ユニットの一つの部分に対してのみ積層可能であり、一つの部分に対してのみ取り出しが可能であった。例えば、積層ユニットが多数の部分を有している場合、送出部は一度に複数の部分に対して積層を行ってもよく、取出ユニットは一度に複数の部分から積層体の取り出しを行ってもよい。また、積層動作に比して取り出し動作が早い場合などは、積層ユニットの一つの部分に対して積層が行われているときに、取出ユニットが、複数の部分から積層体の取り出しを行ってもよい。例えば、積層動作が順次行われている一方で、積層完了後の部分を複数個貯めておき、所定のタイミングで、取出ユニットが複数個の部分から積層体を取り出してもよい。あるいは、送出部がまとめて複数個の部分に対して積層を行っている間に、一つの取出ユニットが前回の積層動作で積層された積層体を複数の部分から速やかに取り出してよい。
例えば、上記実施形態では、シート状のワークの具体例として電極(負極9又はセパレータ付き正極11)について説明したが、電極以外の物品が対象物とされてもよい。例えば、前工程で数枚の電極を重ねたユニット、例えばセパレータ付き正極・負極・セパレータ付き正極と負極・セパレータ付き正極・負極の2種類を作成し、前記ユニットを対象物として採用してもよい。
また、図3〜図7に示す電極積層装置の構成は一例に過ぎず、各構成要素の構成はこれらに限定されるものではない。従って、各構成要素の構成を適宜変更してもよく、一部の構成要素を省略してもよい。
なお、上述の実施形態では、支持部及び循環部材を有するサーボループ構造に本発明に係る積層装置が適用されていた。ただし、積層装置の構造は、対象物を送出して積層部上にて積層する装置であれば、どのような装置に適用されてもよい。
9…負極(対象物)、11…セパレータ付き正極(対象物)、21A…正極供給用コンベア(搬送装置)、21B…負極供給用コンベア(搬送装置)、22…積層ユニット、23A,23B…循環部材、24A,24B…支持部、27A,27B…押出ユニット(送出部)、51…積層部、52A,52B…壁部、90…取出ユニット、100…電極積層装置(積層装置)、120A…第1の部分、120B…第2の部分、150…積層体支持部、220A,220B,220C,220D…部分(第1の部分、第2の部分)、E…積層領域。
Claims (5)
- 搬送装置により供給される対象物を積層し、積層体を形成する積層装置であって、
前記搬送装置により供給される前記対象物を受け取り、前記対象物を支持する支持部と、
上下方向に延びるループ状をなし、その外周側に複数の前記支持部が取り付けられた循環部材と、
前記対象物が積層される積層部を有する積層ユニットと、
前記支持部に支持された前記対象物を前記積層部に向けて送出する送出部と、
前記積層部に積層された前記積層体を前記積層部から取り出す取出ユニットと、を備え、
前記積層ユニットは、少なくとも1つの前記積層部を有する第1の部分と、少なくとも1つの前記積層部を有する第2の部分と、を備え、
前記送出部は、前記第1の部分及び前記第2の部分のうち、前記送出部と対向する位置に設定された積層領域に配置されたものに対して、前記対象物の積層を行い、
前記第1の部分及び前記第2の部分のうち一方の部分が前記積層領域に配置されているときは、他方の部分が前記積層領域とは異なる位置に配置され、
前記取出ユニットは、前記積層領域とは異なる位置にて、前記第1の部分及び前記第2の部分のうち、積層が完了したものから、前記積層体を取り出す、積層装置。 - 前記第1の部分及び前記第2の部分は、上下方向に往復移動することによって、互いの位置を切り替え、
前記取出ユニットは、前記積層領域の上側又は下側にて、前記第1の部分及び前記第2の部分のうち、積層が完了した方から、前記積層体を取り出す、請求項1に記載の積層装置。 - 前記第1の部分及び前記第2の部分は、前記送出部が前記対象物を送出する送出方向から見て、少なくとも前記積層領域を含む循環経路に沿って循環移動し、
前記取出ユニットは、前記循環経路のうち前記積層領域とは異なる位置にて、前記第1の部分及び前記第2の部分のうち、積層が完了した方から、前記積層体を取り出す、請求項1に記載の積層装置。 - 前記積層ユニットは、前記送出部と前記積層部との間に設けられた壁部を備え、
前記壁部は、前記送出部が前記対象物を送出する送出方向において、移動する、請求項1〜3の何れか一項に記載の積層装置。 - 前記第1の部分及び前記第2の部分は、前記積層部に配置された前記積層体を上方から支持する積層体支持部を備える、請求項1〜4の何れか一項に記載の積層装置。
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