JP2019021036A - 移動軌跡成形装置、異常診断システム、移動軌跡成形方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
また、特許文献2では、取り付け時の測定、力測定器測定による力と変位の関係の測定結果から、各モデルパラメータを求め、ロストモーション補正のタイミングに使用する方法が開示されている。
以下、第1の実施形態に係るモータ制御システムについて、図1〜図14を参照しながら詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態に係るモータ制御システムが制御対象とする機械系の概要を示す図である。
図1に示すように、第1の実施形態に係るモータ制御システム1は、モータ20と、負荷21と、モータ20及び負荷21を機械的に連結する軸22(連結部材)と、を有してなる機械系2の動作を制御するシステムである。ここで、本実施形態において、モータ20は、内部に回転角度、回転速度を検出可能な回転検出器(エンコーダ)を有し、精密な位置決めを実現可能なサーボモータである。また、本実施形態において、軸22は、例えば、ボールねじ、ギア等の剛性要素、ガタ要素を有する部材である。
なお、以下の説明において、モータ20の回転速度(角速度)を「モータ角速度ωM」とも記載し、モータ20の回転角度を「モータ角度θM」とも記載する。また、負荷21の回転速度(角速度)を「負荷角速度ωL」とも記載し、負荷21の回転角度を「負荷角度θL」とも記載する。
また、モータ制御システム1は、更に、機械系2を2慣性系と見なして模した2慣性系モデル(後述)を予め有しており、当該2慣性系モデルに基づくフィードフォワード制御を行う。
なお、機械系2における負荷21が、回転系ではなく直動系の負荷(テーブル負荷等)の場合、負荷21に対する制御対象パラメータは、厳密には“角度”、“角速度”ではなく、“位置”、“速度”となる。しかし、この場合、モータ制御システム1は、2慣性系として、モータ20の“角度”、“角速度”と同じ次元で取り扱うために、負荷の“位置”、“速度”を、モータ軸換算値としての“角度”、“角速度”に逐次変換して各種制御を行うものとする。
図2は、第1の実施形態に係る機械系のブロック線図を示す図である。
本実施形態に係る機械系2(図1参照)をモータ20、負荷21及び軸22からなる2慣性系と見なすことで、当該機械系2における入力と出力の関係を、図2に示すような伝達関数を用いたブロック線図で表すことができる。
ここで、モータ側摩擦係数τfMは、モータ20の速度反転時(モータ角速度ωMの符号反転時)に符号のみが反転するクーロン摩擦成分だけでなく、モータ20の速度反転後の変位(モータ角速度ωMのゼロからの積分値)に依存して非線形に変化する非線形摩擦成分を含んでいる。モータ側摩擦係数τfMは、この非線形摩擦成分をモデル化して規定し、モータ角速度ωMを入力変数とするモータ側摩擦関数GMを通じて得られる。モータ側摩擦関数GMの詳細については後述する。
ここで、負荷側摩擦係数τfLも同様に、負荷21の速度反転後の変位(負荷角速度ωLのゼロからの積分値)に依存して非線形に変化する非線形摩擦成分を含んでいる。負荷側摩擦係数τfLは、この非線形摩擦成分をモデル化して規定し、負荷角速度ωLを入力変数とする負荷側摩擦関数GLを通じて得られる。負荷側摩擦関数GLの詳細については後述する。
ここで、不感帯特性関数F1とは、軸22のねじれ角度(θM−θL)を入力変数とし、当該ねじれ角度(θM−θL)からガタ変位BKLSを差し引いたものを出力する非線形関数である。不感帯特性関数F1の詳細については後述する。
また、ねじれ剛性係数KRとは、軸22のねじれ方向についての剛性の度合いを示すパラメータであって、軸22のばね定数に相当する。即ち、ねじれ剛性係数KRは、負荷21に印加されるトルクτ’のうち、軸22のねじれ角度(θM−θL)に比例する成分を与える。
また、ねじれ粘性係数DRとは、軸22のねばりの度合いを示すパラメータであって、負荷21に印加されるトルクτ’のうち、軸22におけるモータ角速度ωMと負荷角速度ωLとの偏差(以下、「ねじれ速度(ωM−ωL)」とも記載する。)に比例する成分を与える。
一方、機械系2についての入力であるトルクτ、及び、出力であるモータ角速度ωM、モータ角度θM、負荷角速度ωL及び負荷角度θLは、上述の回転検出器を通じて観測可能なパラメータである。
図3(a)は、モータ側摩擦係数τfM及び負荷側摩擦係数τfLの各々に生じる非線形摩擦特性を示すグラフである。
良く知られているクーロン摩擦は、物体の速度(モータ角速度ωM、負荷角速度ωL)の方向(正、負の符号)に依存してその方向(正、負の符号)のみが変化し、その量は、速度(ω)、変位(θ)に対しては変動しないものとして知られている。しかしながら、軸22において、例えば、ボールねじ、ボールベアリング等の転がり要素が含まれる場合には、通常のクーロン摩擦とは特性が異なる“転がり摩擦”を考慮する必要がある。
ここで、転がり摩擦は、速度反転直後の転がり要素が転動しない“微動領域”においては、速度反転後の変位(モータ角速度ωM、負荷角速度ωLのゼロからの積分値)によって見かけのばね定数が動的に変化する非線形ばね特性を有しており、図3(a)に示すようなヒステリシスカーブを描く。これは、転がり要素と軌道面の接触部における弾性変形やすべりによるものと考えられている。
また、転がり要素が有効に転動する“粗動領域”においては、クーロン摩擦により摩擦の速度に対する静的特性を示す。即ち、図3(a)に示すように、モータ20の摩擦(モータ側摩擦係数τfM)は、速度反転後の変位が所定以上となった時点で、モータ側クーロン摩擦係数τfMcで飽和する。また、負荷21の摩擦(負荷側摩擦係数τfL)は、速度反転後の変位が所定以上となった時点で、負荷側クーロン摩擦係数τfLcで飽和する。
図3(b)に示すように、モータ側摩擦特性関数GMは、変位0〜θ1、θ1〜θ2、θ2〜θ3、θ3〜θ4の各々において採用すべき折れ線を規定する傾きK1、K2、K3、K4、及び、オフセット(変位0における切片)τfM1(=−τfMc)、τfM2、τfM3、τfM4、τfM5(=τfMc)によって規定される。
なお、図示を省略するが、負荷側摩擦特性関数GLも、図3(b)に示すモータ側摩擦特性関数GMと同様に規定される。
不感帯特性関数F1は、不感帯幅BLに依存する非線形特性であって、軸22のねじれ角度(θM−θL)を入力変数とする。図4(a)に示すように、軸22のねじれ角度(θM−θL)の絶対値が不感帯幅BL以下の場合(−BL≦θM−θL≦+BL)、ガタ出力はゼロとなる。即ち、この場合、モータ20から負荷21へトルクが伝達されない。
他方、軸22のねじれ角度(θM−θL)の絶対値が不感帯幅BLよりも大きい場合(θM−θL<−BL,θM−θL>+BL)、ガタ出力は、ねじれ角度(θM−θL)から不感帯幅BLだけ小さい値(θM−θL+BL(θM−θL<−BL)、又は、θM−θL−BL(θM−θL>+BL))となる。
ガタ変位BKLSは、不感帯幅BL(−BL〜+BL)の幅を有する不感帯における変位量を示すパラメータであって、ねじれ角度(θM−θL)に対し、図4(b)に示すような特性を有している。即ち、図4(a)に示すガタ出力は、ガタ変位BKLSを用いて“θM−θL―BKLS”と表すことができる。
図4(b)に示すように、ガタ変位BKLSは、ねじれ角度(θM−θL)が不感帯の最小値(−BL)よりも小さい範囲では、ガタ変位BKLSは最小値(−BL)をとり、ねじれ角度(θM−θL)が不感帯の最大値(+BL)よりも大きい範囲では、ガタ変位BKLSは最大値(+BL)をとる。また、ねじれ角度(θM−θL)が不感帯の最小値(−BL)以上かつ最大値(+BL)以下の範囲においては、ガタ変位BKLSは、ねじれ角度(θM−θL)と同一の値を有する特性となる。
図5は、第1の実施形態に係るモータ制御システムの機能構成を示す図である。
図5に示すように、第1の実施形態に係るモータ制御システム1は、フィードバック制御部10と、フィードフォワード制御部11と、パラメータ同定装置12と、を備えている。
具体的には、フィードバック制御部10は、目標角度θtと負荷角度θLとの偏差(θt−θL)をゼロとするためのトルクを算出し、その算出結果を示すトルク指令値を出力する。その際、フィードバック制御部10は、回転検出器を通じて観測されたモータ角速度ωMを参照して、適切かつ迅速なフィードバック制御がなされるようなトルクを算出する。
具体的には、複数のモデルパラメータ群とは、モデルモータ側慣性モーメントJM0、モデルモータ側粘性係数DM0、モデルモータ側摩擦係数τfM0、モデル負荷側慣性モーメントJL0、モデル負荷側粘性係数DL0、モデル負荷側摩擦係数τfL0、モデル不感帯幅BL0、及び、モデルねじれ剛性係数KR0である。
そこで、本実施形態に係るモータ制御システム1は、上述の複数のモデルパラメータ群のうち、特に、モデルモータ側摩擦係数τfM0、モデル負荷側摩擦係数τfL0、モデル不感帯幅BL0及びモデルねじれ剛性係数KR0を別個独立に、精度良く同定可能なパラメータ同定装置12を備えている。
以下、パラメータ同定装置12の機能について詳細に説明する。
図6に示すように、パラメータ同定装置12は、データ取得部120と、位相面図生成部121と、パラメータ同定部122と、を備えている。
ここで、図6に示すように、位相面図生成部121は、連結部材(軸22)のねじれ角度(θM−θL)とトルク指令値(トルクτ)との関係を示す「ねじれ角度−トルク位相面図P1」を生成する。
また、位相面図生成部121は、トルク指令値(トルクτ)とモータ20の角速度(モータ角速度ωM)及び負荷21の角速度(負荷角速度ωL)との関係を示す「トルク−機械角速度位相面図P2」を生成する。
また、位相面図生成部121は、軸22のねじれ角度(θM−θL)とモータ20の角速度(モータ角速度ωM)及び負荷21の角速度(負荷角速度ωL)との関係を示す「ねじれ角度−機械角速度位相面図P3」を生成する。
また、位相面図生成部121は、トルク指令値(トルクτ)と軸22のねじれ速度(モータ角速度ωMと負荷角速度ωLとの差。以下、“ωM−ωL”と記載する。)との関係を示す「トルク−ねじれ速度位相面図P4」を生成する。
また、位相面図生成部121は、軸22のねじれ角度(θM−θL)と軸22のねじれ速度(ωM−ωL)との関係を示す「ねじれ角度−ねじれ速度位相面図P5」を生成する。
また、位相面図生成部121は、負荷21の角度(負荷角度θL)とトルク指令値(トルクτ)との関係を示す「負荷角度−トルク位相面図P6」を生成する。
図7は、第1の実施形態に係るパラメータ同定装置の処理フローを示す図である。
また、図8は、第1の実施形態に係るパラメータ同定装置の処理を説明する図である。
また、図9〜図14は、第1の実施形態に係る複数の位相面図を説明する第1から第6の図である。
図7に示す処理フローは、例えば、機械系2の実運転の開始前等において、パラメータ同定装置12(図6)が機械系2についてのパラメータ同定を行う際に実行される。
なお、位相面図生成部121は、負荷角度θLの正方向から負方向への反転前後に取得される実測データと、負方向から正方向への反転前後に取得される実測データと、の各々について上記実測値の紐付けを行う。このようにして生成されたねじれ角度−トルク位相面図P1には、主に、機械系2の非線形摩擦特性(図3(a)参照)と不感帯特性関数F1に起因するヒステリシス曲線が表れる。
同様に、位相面図生成部121は、負荷角度θLの方向反転前後におけるねじれ角度(θM−θL)の実測データ、及び、モータ角速度ωM、負荷角速度ωLの実測データから同一時刻にサンプリングされた実測値どうしを紐付けて抽出する。そして、位相面図生成部121は、抽出した実測値に基づいて、図11に示すような、ねじれ角度(θM−θL)を横軸にとり、モータ角速度ωM及び負荷角速度ωLを縦軸にとる位相面図である「ねじれ角度−機械角速度位相面図P3」を生成する。
更に、位相面図生成部121は、負荷角度θLの方向反転前後におけるトルクτの実測データ、及び、ねじれ速度(ωM−ωL)の実測データから同一時刻にサンプリングされた実測値どうしを紐付けて抽出する。ここで、「ねじれ速度(ωM−ωL)の実測データ」は、モータ角速度ωMの実測データから負荷角速度ωLの実測データを差し引いて得られる。そして、位相面図生成部121は、抽出した実測値に基づいて、図12に示すような、トルクτを横軸にとり、ねじれ速度(ωM−ωL)を縦軸にとる位相面図である「トルク−ねじれ速度位相面図P4」を生成する。
更に、位相面図生成部121は、負荷角度θLの方向反転前後におけるねじれ角度(θM−θL)の実測データ、及び、ねじれ速度(ωM−ωL)の実測データから同一時刻にサンプリングされた実測値どうしを紐付けて抽出する。そして、位相面図生成部121は、抽出した実測値に基づいて、図13に示すような、ねじれ角度(θM−θL)を横軸にとり、ねじれ速度(ωM−ωL)を縦軸にとる位相面図である「ねじれ角度−ねじれ速度位相面図P5」を生成する。
更に、位相面図生成部121は、負荷角度θLの方向反転前後における負荷角度θLの実測データ、及び、トルクτの実測データから同一時刻にサンプリングされた実測値どうしを紐付けて抽出する。そして、位相面図生成部121は、抽出した実測値に基づいて、図14に示すような、負荷角度θLを横軸にとり、トルクτを縦軸にとる位相面図である「負荷角度−トルク位相面図P6」を生成する。
また、“BKLS[θM−θL]”は、ガタ変位関数F1’(図4(b))に基づいてねじれ角度(θM−θL)の変数として規定されるガタ変位BKLSを示している。
また、上記運動方程式(式(1)、式(2))において、機械系2の反復動作を小振幅かつ低周波数にすると、モータ20の慣性トルクJMs2θM、負荷21の慣性トルクJLs2θL、モータ20の粘性トルクDMsθM、及び、負荷21の粘性トルクDLsθLの影響も小さくなる。そこで、上記運動方程式におけるこれらの項を削除することで、以下に示す式(3)、式(4)が導出される。
また、式(4)より、機械系2の反復動作が小振幅かつ低周波数の条件下において、負荷側摩擦係数τfLをねじれ剛性係数KRで除した値とガタ変位BKLSとの和がねじれ角度(θM−θL)となることが示される。即ち、軸22におけるねじれ角度(θM−θL)からガタ変位BKLSを差し引いた角度(変位)に、軸22のばね定数(ねじれ剛性係数KR)を乗じた値が、負荷側摩擦係数τfLに一致する。
また、折れ点T14に至った時点におけるねじれ角度(θM−θL)は、式(4)より、“τfLc/KR+BL”に一致する。
具体的には、パラメータ同定部122は、ねじれ角度−トルク位相面図P1における折れ点T12(又は折れ点T13)の縦軸の値を参照してモデルモータ側クーロン摩擦係数τfMc0を同定する。また、パラメータ同定部122は、折れ点T14における縦軸の値から、先に同定したモデルモータ側クーロン摩擦係数τfMc0の値を差し引いてモデル負荷側クーロン摩擦係数τfLc0を同定する。更に、パラメータ同定部122は、折れ点T13(又は折れ点T12)の横軸の値を参照してモデル不感帯幅BL0を同定する。更に、パラメータ同定部122は、折れ点T14における横軸の値と、先に同定したモデル不感帯幅BL0及びモデル負荷側クーロン摩擦係数τfLc0とに基づいて式(4)を解くことで、モデルねじれ剛性係数KR0を同定する。
トルク−機械角速度位相面図P2における折れ点T21〜折れ点T22は、負方向に飽和していたトルクτが正方向に向けて反転し、これに応じて、トルクτが最小値(負の飽和状態)からほとんど変化しないまま、モータ20及び負荷21の角速度がゼロとなるまでの軌跡を示している。
また、折れ点T22〜折れ点T23は、モータ20及び負荷21の角速度がゼロの状態から徐々に正方向にトルクτが上昇して行く中で、不感帯(−BL〜+BL)の存在により、モータ角速度ωMのみが上昇する軌跡を示している。
また、折れ点T23〜折れ点T24は、トルクτが、モータ20のみの駆動に要するトルク(モータ側クーロン摩擦係数τfMc)を上回ることで負荷21にトルクτ’が印加され、モータ角速度ωMと負荷角速度ωLとが等しく上昇する軌跡を示している。
また、折れ点T23の横軸の値は、負荷21の角速度が上昇を開始する時点(モータ20のみが回転駆動している時点)におけるトルクである。したがって、式(3)より、折れ点T23の横軸の値は、モータ側クーロン摩擦係数τfMcに一致する。
ここで、ねじれ角度−トルク位相面図P1の折れ点T14では、トルクτ、ねじれ角度(θM−θL)が完全には飽和せず、モータ側粘性係数DM及び負荷側粘性係数DLに基づく誤差成分が生じることが分かっている。そうすると、ねじれ角度−トルク位相面図P1の折れ点T14の位置に基づいてモデル負荷側クーロン摩擦係数τfLc0を同定しようとすると、当該誤差成分に起因して精度が低下することが考えられる。
他方、トルク−機械角速度位相面図P2の折れ点T22では、モータ角速度ωM、負荷角速度ωLがゼロとなっている。したがって、折れ点T22では、モータ角速度ωM、負荷角速度ωLに比例する成分を与えるモータ側粘性係数DM及び負荷側粘性係数DLの影響を受けていない。そのため、折れ点T22の横軸の値から、より精度の高いモデル負荷側クーロン摩擦係数τfLc0を同定することができる。
ねじれ角度−機械角速度位相面図P3における折れ点T31〜折れ点T32は、負方向に飽和していたトルクτが正方向に向けて反転し、これに応じて、ねじれ角度(θM−θL)が最小値(負の飽和状態)からほとんど変化しないまま、モータ20及び負荷21の角速度がゼロとなるまでの軌跡を示している。
また、折れ点T32〜折れ点T33は、不感帯(−BL〜+BL)の存在により負荷角速度ωLがゼロのままモータ角速度ωMのみが上昇することで、ねじれ角度(θM−θL)が徐々に増大していく軌跡を示している。
また、折れ点T33〜折れ点T34は、ねじれ角度(θM−θL)が不感帯の最大値(+BL)を上回ることで負荷21にトルクτ’が印加され、モータ角速度ωMと負荷角速度ωLとが等しく上昇する軌跡を示している。
また、折れ点T33の横軸の値は、負荷21の角速度が上昇を開始する時点(負荷角速度ωLがゼロの時点)におけるねじれ角度(θM−θL)である。したがって、折れ点T33の横軸の値は、式(4)より、不感帯の最大値(+BL)に一致する。
また、パラメータ同定部122は、ねじれ角度−機械角速度位相面図P3における折れ点T33の横軸の値を参照してモデル不感帯幅BL0を同定する。
図12に示すトルク−ねじれ速度位相面図P4は、トルク−機械角速度位相面図P2(図10)に示されるモータ角速度ωMと負荷角速度ωLとの差を示す位相面図である。したがって、トルク−ねじれ速度位相面図P4における折れ点T41の位置は、トルク−機械角速度位相面図P2における折れ点T21の位置に対応する。また、トルク−ねじれ速度位相面図P4における折れ点T42の位置は、トルク−機械角速度位相面図P2における折れ点T23の位置に対応する。更に、トルク−ねじれ速度位相面図P4における折れ点T43の位置は、トルク−機械角速度位相面図P2における折れ点T24の位置に対応する。
ここで、図12に示す通り、トルク−ねじれ速度位相面図P4における折れ点T42は、トルク−機械角速度位相面図P2(図10)における折れ点T23よりも明確に示されている。したがって、より精度よくモデルモータ側クーロン摩擦係数τfMc0を同定することができる。
図13に示すねじれ角度−ねじれ速度位相面図P5は、ねじれ角度−機械角速度位相面図P3(図11)に示されるモータ角速度ωMと負荷角速度ωLとの差を示す位相面図である。したがって、ねじれ角度−ねじれ速度位相面図P5における折れ点T51の位置は、ねじれ角度−機械角速度位相面図P3における折れ点T31の位置に対応する。また、ねじれ角度−ねじれ速度位相面図P5における折れ点T52の位置は、ねじれ角度−機械角速度位相面図P3における折れ点T32の位置に対応する。また、ねじれ角度−ねじれ速度位相面図P5における折れ点T53の位置は、ねじれ角度−機械角速度位相面図P3における折れ点T33の位置に対応する。更に、ねじれ角度−ねじれ速度位相面図P5における折れ点T54の位置は、ねじれ角度−機械角速度位相面図P3における折れ点T34の位置に対応する。
また、パラメータ同定部122は、ねじれ角度−ねじれ速度位相面図P5における折れ点T52の横軸の値と、先に同定したモデル不感帯幅BL0及びモデル負荷側クーロン摩擦係数τfLc0とに基づいて式(4)を解くことで、モデルねじれ剛性係数KR0を同定する。
ここで、図13に示す通り、ねじれ角度−ねじれ速度位相面図P5における折れ点T52及び折れ点T53は、ねじれ角度−機械角速度位相面図P3(図11)における折れ点T32、T33よりも明確に示されている。したがって、より精度よくモデル不感帯幅BL0及びモデルねじれ剛性係数KR0を同定することができる。
折れ点T61及び折れ点T63の時点においては、モータ側摩擦係数τfM及び負荷側摩擦係数τfLの両方が飽和状態である。したがって、式(3)より、折れ点T61の縦軸の値は、“−τfMc−τfLc”、折れ点T63の縦軸の値は、“τfMc+τfLc”と求めることができる。
ここで、図14に示す通り、負荷角度−トルク位相面図P6における折れ点T63は、ねじれ角度−トルク位相面図P1(図9)における折れ点T14よりも明確に示されている。したがって、より精度よくモデル負荷側クーロン摩擦係数τfLc0を同定することができる。
また、パラメータ同定部122は、例えば、ねじれ角度−ねじれ速度位相面図P5の折れ点T52及び折れ点T53の各々から同定されたモデル不感帯幅BL0及びモデルねじれ剛性係数KR0を採用する。
これにより、いずれのモデルパラメータについても高い精度で同定することができる。
同様に、パラメータ同定部122は、同定されたモデル負荷側クーロン摩擦係数τfLc0を付加側摩擦特性関数GLに代入する。そして、パラメータ同定部122は、モデル負荷側クーロン摩擦係数τfLc0に対し予め定められた係数を乗じることで、負荷側摩擦特性関数GLを構成する各種定数(傾き、オフセット)を同定する。これにより、パラメータ同定部122は、モデル負荷側摩擦係数τfL0を同定する。
以上、第1の実施形態に係るパラメータ同定装置12は、上述のデータ取得部120と、位相面図生成部121と、パラメータ同定部122と、を備える態様とする。
このようにすることで、複数の位相面図に表された複数の折れ点等から、機械系2のモータ側摩擦係数τfM、負荷側摩擦係数τfL、不感帯幅BL及びねじれ剛性係数KRを別個独立に評価して、上記各種パラメータに対応するモデルパラメータを精度良く同定することができる。
したがって、モータ20及び負荷21を有する機械系2を精度よく模した2慣性系モデルMODを得ることができる。
このようにすることで、モデルモータ側摩擦係数τfM0を一層精度よく同定することができる。
このようにすることで、モデルねじれ剛性係数KR0、モデル不感帯幅BL0を一層精度よく同定することができる。
このようにすることで、モデル負荷側摩擦係数τfL0を一層精度よく同定することができる。
このようにすることで、モデル負荷側摩擦係数τfL0を一層精度よく同定することができる。
このようにすることで、一つの位相面図から、モデルモータ側摩擦係数τfM0、モデル負荷側摩擦係数τfL0、モデルねじれ剛性係数KR0及びモデル不感帯幅BL0を同定することができる。
このようにすることで、各モデルパラメータの同定処理を簡素化することができる。
このようにすることで、実測データのばらつき誤差が低減されるため、モデルパラメータの同定精度を更に高めることができる。
例えば、他の実施形態に係るパラメータ同定装置12は、“トルク指令値”ではなく、モータ20に流れる検出電流値から求まる“実測トルク”を「トルクτ」として用いて、上述の各種処理を行う態様であってもよい。
機械制御において、第1の実施形態で説明した位相面図(P1〜P6)によれば、機械系2の特性を示す複数の信号間の関係を可視化することができ、時間応答だけでは見つけにくい機械特性を詳細に把握することができる。このような位相面図を、基準となる位相面図と比較することで、機械系2の異常検知やヘルスモニタリングのための機械診断を行うことができる。
また、ガタや非線形摩擦の影響を把握可能な微小応答を位相面図に表すと、位相面図上においてサンプルポイントが著しく偏在し、そのままではDTWを適用できない。
更に、移動軌跡データのデータ数が大きい場合、DTWは計算量が過大となる。
図15は、第2の実施形態に係るモータ制御システム、機械系、及び、異常診断システムの全体構成を示す図である。
異常診断システム3は、機械系2の異常診断、ヘルスモニタリングを行うシステムである。異常診断システム3は、一般に用いられる汎用のコンピュータ等であってよい。
異常診断システム3は、モータ制御システム1の位相面図生成部121(図6参照)を通じて、移動軌跡データを取得する。ここで、「移動軌跡データ」とは、多次元のパラメータセット(多次元ベクトル)の時系列データであって、本実施形態においては、ねじれ角度−トルク位相面図P1上のプロットで示される、トルクτとねじれ角度(θM−θL)との組み合わせの時系列データ(実測データ)である(図8、図9等を参照)。
なお、「移動軌跡データ」は、「トルクτとねじれ角度(θM−θL)との組み合わせの時系列データ」に限定されない。他の実施形態においては、移動軌跡データは、他の位相面図(P2〜P6)上に示されるパラメータセット(例えば、トルクτとねじれ速度(ωM−ωL)との組み合わせ、負荷角度θLとトルクτとの組み合わせ等)の時系列データであってもよい。
図16は、第2の実施形態に係る異常診断システムの機能構成を示す図である。
図16に示すように、異常診断システム3は、CPU30Aと、メモリ31と、表示部32と、操作部33と、接続インターフェイス34と、記録媒体35と、を備えている。
CPU30Aは、異常診断システム3の動作全体を司るプロセッサである。CPU30Aは、記録媒体等に格納されたプログラムやデータをメモリ31上に読み出し、当該プログラムに規定される処理を実行することで、後述の各機能を実現する。
メモリ31は、CPU30Aのワークエリア等として用いられる揮発性のメモリ(RAM)である。
表示部32は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等により実現され、CPU30Aによる処理結果を表示する。
操作部33は、例えば、マウス、タッチパネル及びキーボード等で構成され、操作者(ユーザ)の指示を受けてCPU30Aに各種操作等を入力する。
接続インターフェイス34は、外部装置とのインターフェイスである。特に、本実施形態においては、接続インターフェイス34は、モータ制御システム1と接続される。
記録媒体35は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の大容量記録デバイスにより実現され、OS(Operation System)、アプリケーションプログラム、及び、各種データ等を記憶する。本実施形態に係る記録媒体35は、例えば、後述する「基準移動軌跡データ」などを予め記録保存している。
図17は、第2の実施形態に係る異常診断システムの処理フローを示す図である。
図18〜図22は、それぞれ、第2の実施形態に係る異常診断システムの各処理を詳細に説明するための第1の図〜第5の図である。
図17に示す一連の処理フローは、例えば、機械系2に対して定期的に行われるヘルスチェック(異常診断)を行う際に実施される。
この場合、図18に示すように、各時系列データは、負荷角度θLの方向反転時付近の時間領域(領域R1、R2)に属するサンプルポイントの数よりも、負荷角度θLが同一方向への移動を続ける時間領域(トルクτ、ねじれ角度(θM−θL)が安定する時間領域)(領域Q1、Q2)に属するサンプルポイントの数の方が大きくなる。
また、図19に示すように、ねじれ角度−トルク位相面図P1上に描かれる移動軌跡の大部分は、領域R1、R2に属するサンプルポイントによって形成され、領域Q1、Q2に属する多数のサンプルポイントは、移動軌跡の形成にほとんど寄与しない。即ち、微小応答時に取得された移動軌跡データE1の各サンプルポイントは、ねじれ角度−トルク位相面図P1上に描かれる移動軌跡の一部の領域に著しく偏在する。
この「エッジ保存の平滑化処理」の詳細については、図20を参照しながら説明する。
バイラテラル軌跡フィルタfは、2つの重み付け関数(第1の重み付け関数W1、第2の重み付け関数W2)の積によって規定される。
第1の重み付け関数W1は、サンプルポイントどうしの時間の差が大きくなるにつれて平滑化の影響度が小さくなる重み付けを規定する。具体的には、第1の重み付け関数W1は、横軸を“サンプリングされた時間の差”とする、平均μ=0、標準偏差σgのガウス分布関数である。
第2の重み付け関数W2は、サンプルポイントどうしの位相面(ねじれ角度−トルク位相面図P1)上の位置が離れるにつれて平滑化の影響度が小さくなる重み付けを規定する。具体的には、第2の重み付け関数W2は、横軸を“位相面上の位置の差”とする、平均μ=0、標準偏差σcのガウス分布関数である。
まず、第1の重み付け関数W1により、主に、サンプリングされた時間の差が小さいサンプルポイントどうしで平滑化(平均化)がなされる。これにより、短い時間間隔で細かく変動するノイズ成分を除去(平滑化)することができる。
他方、第2の重み付け関数W2によれば、隣り合うサンプルポイント間の距離(位相面上の位置の差)が大きいほど、それらのサンプルポイントの平滑化への寄与度(重み)は小さくなる。したがって、時間間隔が小さいサンプルポイントどうしであっても、当該時間間隔で大きな移動軌跡の変化があった場合には、それらのサンプルポイントどうしでの平滑化はなされなくなる。これにより、エッジ保存の効果が得られる。
以上より、移動軌跡データE1にバイラテラル軌跡フィルタfを適用することで、領域Q1、Q2に属するサンプルポイントのみが選択的に平滑化され、小さい時間間隔で大きな変化が生じたエッジ部分(領域R1、R2)に属するサンプルポイントは平滑化されず、そのまま保存されることとなる。
以下、バイラテラル軌跡フィルタfにより「エッジ保存の平滑化」がなされた移動軌跡データを、「平滑化移動軌跡データE2」と表記して説明する。
この「等間隔化処理」の詳細については、図21を参照しながら説明する。
具体的には、図21のステップS141に示すように、等間隔化処理部303は、平滑化移動軌跡データE2を構成する各サンプルポイントe1、e2、・・・、eM(“M”は、平滑化移動軌跡データE2の総サンプルポイント数)のうち、隣り合うものどうしの各距離d1、d2、・・d(M−1)を演算する。ここで、i番目のサンプルポイントeiは、ねじれ角度−トルク位相面図P1上の座標(xi、yi)にプロットされるものとする。この場合、i−1番目のサンプルポイントe(i−1)からi番目のサンプルポイントeiまでの距離di、及び、1番目のサンプルポイントe1からi番目のサンプルポイントeiまでの距離の総和siは、式(6)によって求められる。
以下、移動軌跡曲線Hが等間隔で刻まれて規定される新たなサンプルポイントe1’、e2’、・・のデータ系列を、「評価対象移動軌跡データE2’」と表記して説明する。
以下、図22を参照しながら、DTW距離の求め方について説明する。
異常判定部304は、データ系列Xのサンプルポイントごとに、データ系列Yの各サンプルポイントのうち最も距離が短いサンプルポイントを特定する。例えば、データ系列Xのうちのi番目のサンプルポイントx(i)と最も距離が短いデータ系列Yのサンプルポイントは、j番目のサンプルポイントy(j)となる。また、データ系列Xのうちの(i+1)番目のサンプルポイントx(i+1)と最も距離が短いデータ系列Yのサンプルポイントも、j番目のサンプルポイントy(j)となる。
なお、DTW距離の具体的な算出式は、式(7)に示す通りである。
以上の通り、第2の実施形態に係る異常診断システム3(移動軌跡成形装置30)は、多次元のパラメータセット(トルクτとねじれ角度(θM−θL)との組み合わせ)の時系列データである移動軌跡データを取得する。また、異常診断システム3は、予め規定された平滑化フィルタ(バイラテラル軌跡フィルタf)を適用して、取得した移動軌跡データを平滑化する。そして、上述のバイラテラル軌跡フィルタfは、パラメータセットどうしの時間の差が大きくなるにつれて平滑化の影響度が小さくなる重み付けを規定する第1の重み付け関数W1と、パラメータセットどうしの多次元空間(位相面図)内の位置が離れるにつれて平滑化の影響度が小さくなる重み付けを規定する第2の重み付け関数W2と、の積からなる。
このようにすることで、移動軌跡の特徴が強く現れる“エッジ”(短時間内に位置が大きく変化する領域)を平滑化させることなく保存し、ノイズ成分のみを平滑化(除去)することができる。即ち、異常診断システム3によれば、移動軌跡データのノイズを適切に除去することができる。
なお、DTWはノイズの影響を受けて類否判断を誤りやすい特徴を有している。しかし、上述のとおり、エッジ保存の平滑化により移動軌跡データのノイズを適切に除去することで、DTWに基づく移動軌跡の類否判断の信頼性を高めることができる。
このようにすることで、異なる単位、異なるスケールのパラメータの組み合わせを同系列のパラメータとして扱うことができるので、DTWに基づく移動軌跡の類否判断(異常診断)をより適切に行うことができる。
このようにすることで、移動軌跡上におけるサンプルポイントの偏在を解消することができる。これにより、DTWに基づく移動軌跡の類否判断(異常診断)をより適切に行うことができる。
また、移動軌跡データのサンプルポイント数を適切に(例えば100ポイント程度)に削減することができるので、DTWの計算量を大幅に削減することができる。
また、異常診断システム3は、評価対象移動軌跡データE2’と基準移動軌跡データとの間のDTW距離を演算する。そして、異常診断システム3は、算出されたDTW距離が所定の判定閾値を上回ったか否かに基づいて、移動軌跡データに異常があるか否かを判定する。
これにより、位相面図に描かれる移動軌跡の類否判断を、DTW距離に基づいて精度良く行うことができる。したがって、位相面図を用いた機械系2の異常診断を実現することができる。
他の実施形態においては、移動軌跡データは、三次元のパラメータセット(例えば、トルクτ、ねじれ角度(θM−θL)及びねじれ速度(ωM−ωL)の組み合わせ等)であってもよい。この場合、異常診断システム3による各処理(正規化処理、エッジ保存の平滑化処理、等間隔化処理、及び、DTW距離の演算処理)は、三次元空間内にプロットされる移動軌跡データについて実行される。
更に、移動軌跡データは、四次元以上のパラメータセットの時系列データであってもよい。
また、他の実施形態に係る移動軌跡成形装置30は、アウトレットモール、百貨店、コンビニエンスストア等を徒歩移動する利用客の移動軌跡データに対し、ノイズ除去、等間隔化処理等を実行し、移動軌跡を成形する用途に用いられてもよい。
以上のような用途に用いることで、移動軌跡の類否判断、統計的分析を高確度、かつ、低負荷で実施することができる。
また、異常診断システム3及び移動軌跡成形装置30の各機能が、ネットワークで接続される複数の装置に渡って具備される態様であってもよい。
10 フィードバック制御部
11 フィードフォワード制御部
12 パラメータ同定装置
120 データ取得部
121 位相面図生成部
122 パラメータ同定部
2 機械系
20 モータ
21 負荷
22 軸
3 異常診断システム
30 移動軌跡成形装置
30A CPU
300 移動軌跡データ取得部
301 平滑化処理部
302 正規化処理部
303 等間隔化処理部
304 異常判定部
31 メモリ
32 表示部
33 操作部
34 接続インターフェイス
35 記録媒体
θt 目標角度(目標回転角度)
τ、τ’ トルク
θM モータ角度(モータの角度)
ωM モータ角速度(モータの角速度)
JM モータ側慣性モーメント
DM モータ側粘性係数
τfM モータ側摩擦係数
τfMc モータ側クーロン摩擦係数
θL 負荷角度(負荷の角度)
ωL 負荷角速度(負荷の角速度)
JL 負荷側慣性モーメント
DL 負荷側粘性係数
τfL 負荷側摩擦係数
τfLc 負荷側クーロン摩擦係数
KR ねじれ剛性係数
DR ねじれ粘性係数
BL 不感帯幅
MOD 2慣性系モデル
JM0 モデルモータ側慣性モーメント
DM0 モデルモータ側粘性係数
τfM0 モデルモータ側摩擦係数
τfMc0 モデルモータ側クーロン摩擦係数
JL0 モデル負荷側慣性モーメント
DL0 モデル負荷側粘性係数
τfL0 モデル負荷側摩擦係数
τfLc0 モデル負荷側クーロン摩擦係数
BL0 モデル不感帯幅
KR0 モデルねじれ剛性係数
F1 不感帯特性関数
F1’ ガタ変位関数
GM モータ側摩擦特性関数
GL 負荷側摩擦特性関数
P1 ねじれ角度−トルク位相面図
P2 トルク−機械角速度位相面図
P3 ねじれ角度−機械角速度位相面図
P4 トルク−ねじれ速度位相面図
P5 ねじれ角度−ねじれ速度位相面図
P6 負荷角度−トルク位相面図
f バイラテラル軌跡フィルタ
W1 第1の重み付け関数
W2 第2の重み付け関数
H 移動軌跡曲線
Claims (9)
- 多次元のパラメータセットの時系列データである移動軌跡データを取得する移動軌跡データ取得部と、
予め規定された平滑化フィルタを適用して前記移動軌跡データを平滑化する平滑化処理部と、
を備え、
前記平滑化フィルタは、
前記パラメータセットどうしの時間の差が大きくなるにつれて平滑化の影響度が小さくなる重み付けを規定する第1の重み付け関数と、前記パラメータセットどうしの多次元空間内の位置が離れるにつれて平滑化の影響度が小さくなる重み付けを規定する第2の重み付け関数と、の積からなる
移動軌跡成形装置。 - 前記第1の重み付け関数及び前記第2の重み付け関数は、ガウス分布関数である
請求項1に記載の移動軌跡成形装置。 - 前記多次元のパラメータセットを、次元別に正規化する正規化処理部を更に備える
請求項1又は請求項2に記載の移動軌跡成形装置。 - 平滑化された前記移動軌跡データによって特定される移動軌跡曲線を、多次元空間内において等間隔で刻むとともに、当該等間隔で刻まれた前記移動軌跡曲線上の各点の座標のデータ系列を取得する等間隔化処理部
を更に備える請求項1から請求項3の何れか一項に記載の移動軌跡成形装置。 - 前記多次元のパラメータセットは、
モータと、負荷と、前記モータ及び前記負荷を連結する連結部材と、を具備する機械系における、前記モータのトルク、前記モータの角速度、前記負荷の角度、前記負荷の角速度、前記連結部材のねじれ角度、及び、前記連結部材のねじれ角速度のうちの少なくとも何れか一つを含む
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の移動軌跡成形装置。 - 請求項1から請求項5の何れか一項に記載の移動軌跡成形装置と、
当該移動軌跡成形装置によって成形された移動軌跡データである評価対象移動軌跡データと予め用意された基準移動軌跡データとの対比に基づいて、前記移動軌跡データに異常があるか否かを判定する異常判定部と、
を備える異常診断システム。 - 前記異常判定部は、
前記評価対象移動軌跡データと前記基準移動軌跡データとの間のDTW距離を演算し、算出された前記DTW距離が所定の判定閾値を上回ったか否かに基づいて、前記移動軌跡データに異常があるか否かを判定する
請求項6に記載の異常診断システム。 - 多次元のパラメータセットの時系列データである移動軌跡データを取得する移動軌跡データ取得ステップと、
予め規定された平滑化フィルタを適用して前記移動軌跡データを平滑化する平滑処理ステップと、
を有し、
前記平滑化フィルタは、
前記パラメータセットどうしの時間の差が大きくなるにつれて平滑化の影響度が小さくなる重み付けを規定する第1の重み付け関数と、前記パラメータセットどうしの多次元空間内の位置が離れるにつれて平滑化の影響度が小さくなる重み付けを規定する第2の重み付け関数と、の積からなる
移動軌跡成形方法。 - コンピュータに、
多次元のパラメータセットの時系列データである移動軌跡データを取得する移動軌跡データ取得ステップと、
予め規定された平滑化フィルタを適用して前記移動軌跡データを平滑化する平滑処理ステップと、
を実行させるプログラムであって、
前記平滑化フィルタは、
前記パラメータセットどうしの時間の差が大きくなるにつれて平滑化の影響度が小さくなる重み付けを規定する第1の重み付け関数と、前記パラメータセットどうしの多次元空間内の位置が離れるにつれて平滑化の影響度が小さくなる重み付けを規定する第2の重み付け関数と、の積からなる
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