JP6992923B1 - 推定装置、推定方法、判定装置および判定方法 - Google Patents

推定装置、推定方法、判定装置および判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】制御対象の特性を示すパラメータを逐次推定すること。【解決手段】制御対象から複数の観測データを取得する取得部と、前記取得部により取得された前記複数の観測データの主成分分析をする分析部と、前記分析部による前記主成分分析の結果に基づいて、前記制御対象の特性を示すパラメータを推定し、推定した前記パラメータを前記制御対象に反映することで前記パラメータを逐次推定する推定部と、を備える、推定装置。【選択図】図1

Description

本開示は、推定装置、推定方法、判定装置および判定装置に関する。
従来、制御対象プロセスに入力された操作量と、その操作量の入力に応じて出力された制御量とに基づいて、制御対象プロセスのむだ時間を推定するプロセス診断装置が知られている。このプロセス診断装置は、操作量の変化を示す第1系列の波形および制御量の変化を示す第2系列の波形を分析し、各波形のずれを取得することで、制御対象プロセスのむだ時間を推定する(例えば、特許文献1参照)。
また、クロップシャに設けられた振動加速度検出器からの振動加速度に応じて、クロップシャによる圧延材の切断かクロップシャの空振りかを判定する切断制御装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2017-167663号公報 特開平9-216118号公報
しかしながら、従来の技術では、収集した時系列データから、むだ時間などのパラメータを推定するためには、非常に多くの計算量が必要となり、データを取得するたびにパラメータを逐次推定ことが難しい場合がある。
本開示の技術は、制御対象の特性を示すパラメータを逐次推定できることを提供する。また、本開示の技術は、推定したパラメータを用いてクロップシャの動作状態を判定できることを提供する。
本開示の技術の一態様では、
制御対象から複数の観測データを取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記複数の観測データの主成分分析をする分析部と、
前記分析部による前記主成分分析の結果に基づいて、前記制御対象の特性を示すパラメータを推定し、推定した前記パラメータを前記制御対象に反映することで前記パラメータを逐次推定する推定部と、を備え
前記分析部は、前記取得部により取得された前記複数の観測データの分散共分散行列の最小固有値に対応する固有ベクトルを導出し、
前記推定部は、前記パラメータの推定に、前記分析部により導出された前記固有ベクトルの要素を使用する、推定装置が提供される。
本開示の技術の一態様では、
制御対象から複数の観測データを取得し、
取得された前記複数の観測データの主成分分析をし、
前記主成分分析の結果に基づいて、前記制御対象の特性を示すパラメータを推定し、推定した前記パラメータを前記制御対象に反映することで前記パラメータを逐次推定する、推定方法であって、
取得された前記複数の観測データの分散共分散行列の最小固有値に対応する固有ベクトルを導出し、
前記パラメータの推定に、導出された前記固有ベクトルの要素を使用する、推定方法が提供される。
本開示の技術の一態様では、
電動機と前記電動機によって駆動されるクロップシャとを含む制御対象から複数の観測データを取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記複数の観測データの主成分分析をする分析部と、
前記分析部による前記主成分分析の結果に基づいて、前記制御対象の特性を示すパラメータを推定し、推定した前記パラメータを前記制御対象に反映することで前記パラメータを逐次推定する推定部と、
前記推定部により推定された前記パラメータを用いて、前記電動機が受ける負荷トルクを推定するトルク推定部と、
前記トルク推定部により推定された前記負荷トルクの大きさに基づいて、前記クロップシャの動作状態を判定する判定部と、を備え
前記分析部は、前記取得部により取得された前記複数の観測データの分散共分散行列の最小固有値に対応する固有ベクトルを導出し、
前記推定部は、前記パラメータの推定に、前記分析部により導出された前記固有ベクトルの要素を使用する、判定装置が提供される。
本開示の技術の一態様では、
電動機と前記電動機によって駆動されるクロップシャとを含む制御対象から複数の観測データを取得し、
取得された前記複数の観測データの主成分分析をし、
前記主成分分析の結果に基づいて、前記制御対象の特性を示すパラメータを推定し、推定した前記パラメータを前記制御対象に反映することで前記パラメータを逐次推定し、
推定された前記パラメータを用いて、前記電動機が受ける負荷トルクを推定し、
推定された前記負荷トルクの大きさに基づいて、前記クロップシャの動作状態を判定する、判定方法であって、
取得された前記複数の観測データの分散共分散行列の最小固有値に対応する固有ベクトルを導出し、
前記パラメータの推定に、導出された前記固有ベクトルの要素を使用する、判定方法が提供される。
本開示の技術によれば、制御対象の特性を示すパラメータを逐次推定できる。また、推定したパラメータを用いてクロップシャの動作状態を判定できる。
一実施形態に係る推定装置を備える制御システムの構成例を示す図である。 むだ時間と一次遅れを含む伝達特性を持つ制御対象の伝達要素を示すブロック図である。 制御対象が、電動機と機械系との組み合わせの場合を例示する図である。 推定装置の構成例を示す図である。 観測データ取得部の構成例を示す図である。 パラメータ推定部の構成例を示す図である。 関数σの特性を示す図である。 パラメータを逐次推定する方法を実現するための逐次計算アルゴリズムの一例を示す図である。 一実施形態に係る推定装置を備える制御システムの具体例を示す図である。 電動機の角速度及びトルク、ならびにクロップシャのブレードの角度の変化を例示する波形図である。 クロップシャによる圧延材の切断の流れを例示する図である。 クロップシャによる圧延材の切断の流れを例示する図である。 クロップシャによる圧延材の切断の流れを例示する図である。 クロップシャによる圧延材の切断の流れを例示する図である。 クロップシャによる圧延材の切断の流れを例示する図である。 クロップシャによる圧延材の切断の流れを例示する図である。 クロップシャによる圧延材の切断の流れを例示する図である。 負荷トルクの入力が考慮された場合の制御対象の伝達特性を例示するブロック図である。 不完全微分器の周波数特性を例示する図である。 負荷トルクの推定のためのブロック図である。 上下のブレードと圧延材との位置関係を示す図である。 推定負荷トルクの最大値が正規分布に従う場合を示す図である。 状態判定装置の構成例を示す図である。 一実施形態に係る判定装置(推定装置と状態判定装置の一方又は両方)のハードウェア構成の一例を示す図である。
以下、本開示の実施形態を説明する。
<全体構成>
図1は、一実施形態に係る推定装置を備える制御システムの構成例を示す図である。図1に示す制御システム100は、制御量の目標値と制御対象2から出力フィードバックされた制御量との制御偏差に応じて決定された操作量を、制御対象2に入力することによって、制御対象2から出力される制御量をその目標値に近づけるシステムである。
制御システム100は、制御対象2、制御部3及び判定装置10を備える。制御対象2は、フィードバック制御により制御可能なプロセスである。制御部3は、制御対象2の出力からフィードバックされる制御量と、外部から供給される目標値とに基づいて、制御対象2に入力される操作量を決定する。
判定装置10は、制御対象2の動作状態を判定し、その判定結果を出力する装置である。判定装置10は、推定装置4及び状態判定装置1を備える。推定装置4は、制御対象2の特性を表すパラメータ(特性パラメータ)を推定する装置である。制御対象2の特性パラメータには、例えば、ゲイン、むだ時間、時定数、粘性抵抗などがある。推定装置4は、推定した特性パラメータを制御部3に反映する。状態判定装置1は、推定装置4により得られた特性パラメータの推定結果を用いて、制御対象2の動作状態を判定し、その判定結果を出力する装置である。
なお、図1に示す制御システム100の構成は、一例であり、制御システム100が備える各機能部や装置の構成は、図1に示す構成に限られない。例えば、推定装置4が有する推定機能が制御部3に備えられてもよいし、状態判定装置1が有する判定機能が制御部3に備えられてもよいし、推定装置4と状態判定装置1とが一体化されてもよいし、推定装置4と状態判定装置1と制御部3とが一体化されてもよい。
<制御対象>
本実施形態では、制御対象2を、むだ時間と一次遅れを含む伝達特性を持つプロセスとする。
図2は、むだ時間と一次遅れを含む伝達特性を持つ制御対象2の伝達要素を示すブロック図である。制御対象2は、むだ時間要素5と一次遅れ要素6とを組み合わせた伝達特性を有する。むだ時間要素5及び一次遅れ要素6の各伝達特性は、図2に示す伝達関数で表される。Td,J及びDは、制御対象2の特性パラメータである。Tdは、むだ時間、Jは、起動時定数、Dは、粘性抵抗を表す。sは、ラプラス演算子を表す。
本実施形態に係る推定装置4は、制御対象2から観測された複数の観測データを用いて制御対象2の運動モデルを同定することで、特性パラメータ(Td,J及びD)を推定する。例えば、推定装置4は、無負荷運転中において、制御対象2に入力される操作量及び制御対象2から出力される制御量に基づき得られた複数の観測データを用いて制御対象2の運動モデルを同定することで、特性パラメータ(Td,J及びD)を推定する。
<むだ時間Tdの定義>
むだ時間(dead time)とは、操作量が制御対象2に入力されてから、その操作量の入力に対する応答が制御対象2から制御量として出力されるまでの時間的な遅れを示す特性パラメータである。具体的には、観測者から見て、制御対象2に入力される操作量がTdだけ時間的にシフトするとき、操作量と制御量との関係が、むだ時間要素5と一次遅れ要素6とを組み合わせた伝達特性として同定される場合、その時間Tdは、むだ時間と定義される。観測者とは、推定装置4の推定機能を実現するためのプログラムなどである。
<起動時定数Jの定義>
起動時定数とは、操作量が制御対象2に継続的に入力されるとき、操作量が制御対象2に入力され始めてから、制御対象2から出力される制御量が最終値(100%)に達するまでの時間を示す特性パラメータである。
<電動機+機械系の物理モデル>
図3は、制御対象2が、電動機7と機械系8との組み合わせの場合を例示する図である。機械系8は、電動機7によって駆動される。電動機は、モータとも称される。起動時定数は、電動機7の定格トルク(100%トルク)が継続的に機械系8に入力されるとき、定格トルクが入力され始めてから電動機7の回転数が定格回転数(100%回転数)に達するまでの時間と定義されてもよい。電動機7のトルクは、操作量の一例であり、電動機7の回転数は、制御量の一例である。回転数は、角速度と同義である。
電動機7の容量をPow [W]、電動機7の基底角速度をωbase [rad/s]とするとき、電動機7の定格トルクτmaxは、
Figure 0006992923000002

で表される。
電動機7の慣性モーメントをImotor、機械系8の慣性モーメント(電動機7の軸換算での慣性モーメント)をImechとするとき、電動機7の軸換算の総合慣性モーメントIは、
Figure 0006992923000003

で表される。
この場合、電動機7の最大角速度をωmax [rad/s]とするとき、起動時定数Jは、
Figure 0006992923000004

で表される。
電動機7と機械系8を組み合わせた運動モデル(図3)を表す運動方程式は、
Figure 0006992923000005

で表される。
式(1)の運動方程式は、起動時定数Jを用いた形で、
Figure 0006992923000006

と変形可能である。
式(2)をラプラス変換することで、電動機のトルクτ(s)から角速度ω(s)までの伝達関数P(s)が得られる。
Figure 0006992923000007

ただし、sはラプラス演算子である。
式(3)に含まれるむだ時間要素e-Tdsを一次のPade近似することで、式(3)は、
Figure 0006992923000008

に置き換えられる。
式(4)を時間領域に変換して、トルクτ(t)について整理すると、
Figure 0006992923000009

が得られる。このように、電動機7と機械系8を組み合わせた運動モデル(図3)は、式(5)で表すことができる。
<推定装置の構成>
図4は、推定装置の構成例を示すブロック図である。図4に示す推定装置4は、制御対象2から観測される操作量及び制御量に基づいて、制御対象2の制御状態を表す複数の観測データを取得し、取得した複数の観測データに基づいて、制御対象2の特性パラメータ(Td,J及びD)を推定する。推定装置4は、観測データ取得部9及びパラメータ推定部11を有する。
<観測データ取得部の構成>
観測データ取得部9は、制御対象2から複数の観測データを取得する取得部である。観測データ取得部9は、制御対象2から得られる操作量及び制御量に基づいて、制御対象2の制御状態を表す複数の観測データを取得し、取得した複数の観測データをパラメータ推定部11に提供する。
図5は、観測データ取得部の構成例を示す図である。図5に示す観測データ取得部9は、所定の制御周期(サンプリング周期T)ごとに、操作量の一例であるトルクτ(t)と制御量の一例である角速度ω(t)とをサンプリングすることで、サンプリング周期Tごとの複数の観測データを取得する。観測データ取得部9は、ホールド回路、ローパスフィルタ及び微分回路を有する。ホールド回路は、例えば、次のサンプリング点まで前のサンプリング点の値を保持する零次ホールド回路である。
観測データ取得部9は、トルクτ(t)をサンプリングし、トルクτ(t)のサンプリング値をローパスフィルタに通すことで、サンプリング周期Tごとのトルクτk (0)を取得する。観測データ取得部9は、トルクτ(t)をサンプリングし、トルクτ(t)のサンプリング値をローパスフィルタに通し、フィルタ後の値を微分することで、サンプリング周期Tごとのトルク微分値τk (1)を取得する。観測データ取得部9は、角速度ω(t)とサンプリングし、角速度ω(t)のサンプリング値をローパスフィルタに通すことで、サンプリング周期Tごとの角速度ωk (0)を取得する。観測データ取得部9は、角速度ω(t)をサンプリングし、角速度ω(t)のサンプリング値をローパスフィルタに通し、フィルタ後の値を一回微分することで、サンプリング周期Tごとの角加速度ωk (1)を取得する。観測データ取得部9は、角速度ω(t)をサンプリングし、角速度ω(t)のサンプリング値をローパスフィルタに通し、フィルタ後の値を二階微分することで、サンプリング周期Tごとの角躍度ωk (2)を取得する。観測データ取得部9は、これらの複数の観測データ(τk (0), τk (1), ωk (0), ωk (1), ωk (2))を取得する。ただし、各符号の上付きの(-)は、不完全微分階数を表す。
観測データ取得部9は、トルクτ(t)の指令値をサンプリングしても、トルクτ(t)の検出値をサンプリングしてもよい。観測データ取得部9は、角速度ω(t)の検出値をサンプリングしても、角速度ω(t)の演算値をサンプリングしてもよい。
<パラメータ推定部の構成>
観測データ取得部9のサンプリング動作におけるサンプリング点をkとするとき、離散時間系の運動モデルは、式(5)に示す連続時間系の運動方程式(運動モデル)に基づき、
Figure 0006992923000010

と表される。
パラメータ推定部11(図4参照)は、観測データ取得部9により取得された複数の観測データ(τk (0), τk (1), ωk (0), ωk (1), ωk (2))が分布する超平面Sを主成分分析により定め、式(6)の少なくとも一つの係数に含まれる特性パラメータ(Td,J及びD)を推定する。なお、L = Td/2である。
図6は、パラメータ推定部の構成例を示す図である。図6に示すパラメータ推定部11は、分析部12及び推定部13を有する。分析部12は、上記の観測データ取得部9により取得された複数の観測データ(τk (0), τk (1), ωk (0), ωk (1), ωk (2))の主成分分析をする。推定部13は、分析部12による主成分分析の結果に基づいて、制御対象2の特性パラメータ(Td,J及びD)を推定する。推定部13は、それらの推定した特性パラメータ(Td,J及びD)を制御対象2に反映することで特性パラメータ(Td,J及びD)を逐次推定する。パラメータ推定部11は、このような構成を有することで、上記の観測データ取得部9が複数の観測データ(τk (0), τk (1), ωk (0), ωk (1), ωk (2))を取得するたびに、特性パラメータ(Td,J及びD)を推定部13により逐次推定できる。
<主成分分析を用いた特性パラメータの推定>
次に、主成分分析を用いた特性パラメータ(Td,J及びD)の推定方法について、より詳細に説明する。
サンプリングkにおける観測データのベクトル(データベクトルνk)は、
Figure 0006992923000011

で表される。
パラメータ推定部11の分析部12は、観測データ取得部9により取得された式(7)に示すデータベクトルνkを正規化して、以下の式(8)に示す正規化データベクトルを算出してもよい。
Figure 0006992923000012

なお、データベクトルνkの正規化については後述する。
分析部12は、観測データ取得部9により取得された式(7)に示すデータベクトルνk(式(8)に示す正規化データベクトル)の分散共分散行列C( = E[(ν-E[ν]) (ν-E[ν])T] )を算出する。E[x]は、変数xの確率的期待値を表す。(ν-E[ν])Tは、(ν-E[ν])の転置行列を表す。分散共分散行列Cの固有値λiと固有ベクトルeiが求められることで(この実施形態では、i=1~5)、データベクトルνkの分布に対して支配的な分散の大きさと方向が得られる。
分散共分散行列Cの固有値を大きい順に、λ1, λ2, λ3, λ4, λ5とする。最大固有値λ1に対応する固有ベクトルは、第一主成分ベクトルe1と呼ばれる。二番目に大きな固有値λ2に対応する固有ベクトルは、第二主成分ベクトルe2と呼ばれる。三番目に大きな固有値λ3に対応する固有ベクトルは、第三主成分ベクトルe3と呼ばれる。四番目に大きな固有値λ4に対応する固有ベクトルは、第四主成分ベクトルe4と呼ばれる。五番目に大きな固有値(最小固有値λ5)に対応する固有ベクトルは、第五主成分ベクトルe5と呼ばれる。
固有値λiと固有ベクトルeiは、「C・ei = λi・ei」を満たす。固有値計算によって得られる5つの固有ベクトルは、互いに直交する。
ここで、式(6)により、トルクτk (0)は、
Figure 0006992923000013

と表される。
式(7)のデータベクトルνkは、定義上、4つの主成分ベクトルe1,k, e2,k, e3,k, e4,kが張る超平面S上に存在することから、νkは、最小の分散方向の第5主成分ベクトルe5,k=[ e51,k, e52,k, e53,k, e54,k, e55,k]Tと直交する。つまり、「e5,k T・νk = 0」が成立するので、式(7),(11)から、
Figure 0006992923000014

が成立する。
式(7)に示すデータベクトルνkは、超平面S上のベクトルであるので、データベクトルνkの単位ベクトルも、超平面S上のベクトルである。よって、式(12)に以下の※で表される単位ベクトルを代入することで、以下の式(13)(14)(15)(16)が得られる。
Figure 0006992923000015

式(13)(14)(15)(16)は、特性パラメータ(Td,J及びD)の推定値を導出するための演算式である。
式(13)(14)(15)(16)が示すように、特性パラメータ(Td,J及びD)の推定値は、分散共分散行列Cの第五主成分ベクトルe5の各要素が式(13)(14)(15)(16)に代入されることで、得られる。分散共分散行列Cの第五主成分ベクトルe5を導出するためには、固有ベクトルの数値計算が必要となる。容易に実装可能な固有ベクトルの数値計算アルゴリズムとして、「べき乗法」が挙げられる。しかしながら、べき乗法で導出されるのは、分散共分散行列Cの最大固有値に対応する固有ベクトル、つまり、第一主成分ベクトルe1である。そこで、分析部12は、分散共分散行列Cの逆行列Pに、べき乗法を適用することで、分散共分散行列Cの最小固有値に対応する第五主成分ベクトルe5を導出する。分析部12は、分散共分散行列Cの逆行列Pに、べき乗法を適用することで、逆行列Pの最大固有値に対応する固有ベクトル(主固有ベクトル)を導出する。分散共分散行列Cの最小固有値に対応する固有ベクトルは、分散共分散行列Cの逆行列Pの最大固有値に対応する主固有ベクトルと同一である。したがって、分析部12は、分散共分散行列Cの逆行列Pに、べき乗法を適用することで導出された主固有ベクトルを、分散共分散行列Cの最小固有値に対応する第五主成分ベクトルe5として導出できる。
分析部12は、例えば、パラメータ推定に用いるN個のデータをすべて取得してから、分散共分散行列Cの逆行列Pをバッチ処理計算により導出してもよい。しかしながら、行列の次元が高くなるほど、逆行列の計算負荷が高くなる。バッチ処理は、オンラインでのパラメータの推定に不向きの場合があるので、分析部12は、データベクトルνkをサンプリング周期Tで取得するたびに、逆行列Pを逐次計算で導出してもよい。逆行列Pを逐次計算で導出することで、逆行列Pの導出のための計算負荷を低減できる。
次に、逆行列Pを逐次計算で導出する方法の一例について説明する。
式(8)の正規化データベクトルと、その正規化データベクトルの平均μkとを用いて、
Figure 0006992923000016

と定義する。サンプリングkにおける分散共分散行列をCkとする。
分散共分散行列Ckは、忘却係数fを使うと(0<f≦1)、
Figure 0006992923000017

と表される。
分散共分散行列Ckの逆行列をPkとすると、逆行列Pkは、式(17)により、
Figure 0006992923000018

という関係が成立する。
式(18)の右辺に対して逆行列補題(Matrix Inversion Lemma)が適用されることで、逆行列Pkは、
Figure 0006992923000019

で表される逐次計算式が得られる。したがって、分析部12は、逐次計算式(19)(20)を用いて、サンプリングkにおける逆行列Pkを逐次計算できる。
<データベクトルνの正規化>
分析部12は、上記の通り、データベクトルνの分散共分散行列Cの逆行列Pを導出し、逆行列Pの最大固有値(Cの最小固有値)に対応する固有ベクトルeを導出する。ここで、データベクトルνのノルム(||ν||)が大きいほど、上記のように逐次的に導出される逆行列Pは、零行列へ漸近する。逆行列Pが零行列へ漸近するほど、固有ベクトルeの各要素も零に漸近するので、固有ベクトルeの計算精度が著しく劣化するおそれがある。分析部12は、逆行列Pのノルムが所定値以上(例えば、所定値以上の一定値)に維持されるように逆行列Pを逐次計算で導出することで、逆行列Pの零行列へ漸近を抑制でき、固有ベクトルeの計算精度の劣化を抑制できる。分析部12は、観測データ取得部9により取得されたデータベクトルνを正規化することで、逆行列Pの急激な縮小を抑える。例えば、分析部12は、サンプリングkの計算ステップごとに逆行列Pのノルムを1以上の値(例えば、1)に補正することで、逆行列Pの零行列へ漸近を抑制でき、固有ベクトルeの計算精度の劣化を抑制できる。
分析部12は、式(7)に示すデータベクトルνkを正規化することで、上記の式(8)に示す正規化ベクトルを導出する。なお、σは、取得データ(操作量及び制御量)が比較的小さい場合に、データの分布を示す超平面Sの決定への影響度を下げるための関数である(図7参照)。
<特性パラメータの推定値の逐次計算アルゴリズム>
図8は、特性パラメータを逐次推定する方法を実現するための逐次計算アルゴリズムの一例を示す図である。
[step0]
分析部12は、サンプリングk=0における各変数の初期値を設定する。分析部12は、逆行列Pの初期値P0を単位行列Iに設定し、平均μの初期値μ0を零ベクトルに設定し、第五主成分ベクトルe5の初期値e5,0を[1,0,0,0,0]Tに設定する。
[step1]
分析部12は、分散共分散行列Cの逆行列Pを逐次計算で算出する。分析部12は、[1-1][1-2][1-3][1-4]に示す演算式に従って、サンプリングkにおける逆行列Pkを逐次計算で算出する。
[step2]
分析部12は、[2-1][2-2]に示す演算式による"べき乗法"を逆行列Pに適用することで(又は、逆べき乗法を分散共分散行列Cに適用することで)、サンプリングkにおける第五主成分ベクトルe5,kを算出する。推定部13は、[2-3]に示す各演算式に、[2-2]で得られた第五主成分ベクトルe5,kの各要素の比を代入することで、サンプリングkにおける特性パラメータ(Td,J及びD)の推定値を算出する。
[step3]
分析部12は、分散共分散行列Cの逆行列Pの正規化のため、[3-1]に示す演算式によって、サンプリングkにおける忘却係数fkを算出する。
<制御システムの具体例>
図9は、一実施形態に係る推定装置を備える制御システムの具体例を示す図である。図9に示す制御システム100Aは、制御システム100(図1)の一例である。図1に示す判定装置10は、例えば、コンピュータ等の計算機16により実現される。図9において、制御システム100Aは、制御対象2、検出器14及び計算機16を備える。
制御対象2は、電動機7と、電動機7によってギアを介して駆動されるクロップシャ15とを含む。
検出器14は、電動機7を駆動する交流電流(例えば、三相の駆動電流)を検出するとともに、パルスジェネレータ(PG)から電動機7の回転角度に応じて出力されるパルスを検出することで、電動機7の回転角度を検出する。検出器14は、回転角度を微分することで得られる回転角速度を計算機16に提供する。検出器14は、電動機7の回転角度と電動機7を駆動する交流電流とに基づいて算出される電動機7のトルクを計算機16に提供する。
計算機16は、推定装置4及び状態判定装置1を備える。推定装置4は、主成分分析を用いた上述の推定方法に従って、制御対象2の特性パラメータ(むだ時間Td、起動時定数J及び粘性抵抗D)を推定する。状態判定装置1は、推定装置4により得られた特性パラメータの推定結果を用いて、制御対象2の動作状態を判定し、その判定結果を出力する装置である。例えば、状態判定装置1は、クロップシャの切断動作もしくは空振り動作を判定し、その判定結果をユーザ等に通知可能な方式(例えば、光、表示、音、通信信号など)で出力する。
クロップシャ15の運動方程式は、上記の式(1)に準ずるとする。推定装置4は、例えば、クロップシャ15の無負荷運転時の複数の観測データから、上記の式(6)の運動モデルを同定することで、制御対象2の特性パラメータ(むだ時間Td、起動時定数J及び粘性抵抗D)の推定値を導出する。状態判定装置1は、それらの推定値を反映した運動モデルを用いて電動機7が受ける負荷トルクを推定し、推定された負荷トルクの大きさに応じて、クロップシャ15によって圧延材が切断されたか否かを判定する。
図10は、電動機の角速度及びトルク、ならびにクロップシャのブレードの角度の変化を例示する波形図である。クロップシャ15のブレードによる切断動作では、ブレードが下死点付近にあるとき、電動機7のトルク変動が現れる(図10参照)。ただし、運転中に観測されるトルクには、加速トルク、粘性抵抗を補償するトルク、切断抵抗による速度降下を補償するトルクが含まれている。そのため、一概に、検出器14により観測(検出)されるトルクの変動の大きさから、クロップシャ15のブレードによる切断動作を推定することは難しい。
本実施形態に係る状態判定装置1は、電動機7が運転中に受ける負荷トルク(切断抵抗)を推定し、クロップシャ15のブレードが下死点を含む所定の回転角度範囲にあるときの推定負荷トルクの大きさに基づいて、クロップシャ15の切断状態を判定する。
<クロップシャによる圧延材の切断の流れ>
図11~図17は、クロップシャによる圧延材の切断の流れを例示する図である。クロップシャ15は、圧延材を上下に挟むように配置された一対の回転ドラムを有する。一対の回転ドラムは、電動機7によって回転駆動される。クロップシャ15は、一対の回転ドラムの回転に連動して回転する一対のブレード17を有する。水平方向に搬送される圧延材は、一対のブレード17によって切断される。
図18は、負荷トルクの入力が考慮された場合の制御対象の伝達特性を例示するブロック図である。
電動機7が受ける負荷トルクτL(s)が制御対象2(電動機+機械系)に印加される場合、制御対象2の入出力関係は、
Figure 0006992923000020

で表される。
上式により、負荷トルクτL(s)は、角速度ω(s)及び制御トルクτ(s)を用いて、
Figure 0006992923000021

で表される。
次に、式(6)のモデルを用いて、状態判定装置1が負荷トルクを推定する方法について説明する。
式(6)のモデル及び関係式(22)により、負荷トルクτL(s)の推定値は、
Figure 0006992923000022

で表される。式(23)では、むだ時間要素5の伝達関数は、一次のPade近似されている。
式(23)において数値微分が行われる場合、高周波域での雑音の影響を抑えるため、数値微分は、
Figure 0006992923000023

で表される不完全微分器F(s)が用いられてもよい。
図19は、不完全微分器の周波数特性を例示する図である。不完全微分器は、入力信号の角周波数がωnよりも低い領域では微分値を出力し、入力信号の角周波数がωnよりも高い領域では微分値の出力を遮断する周波数特性を有する。
図20は、負荷トルクの推定のためのブロック図である。状態判定装置1は、上記の推定装置4の推定部13により推定された特性パラメータを用いて、電動機7が受ける負荷トルクτL(s)を推定するトルク推定部18を有する。トルク推定部18は、上記の式(23)(24)によって表される伝達特性を有する。
次に、図20に示すブロック図により、トルク推定部18が時間領域で負荷トルクの推定値(推定負荷トルク)を算出する方法について説明する。
角速度ω(s)から出力yω(s)までの伝達関数は、式(25)(26)に変換可能である。
Figure 0006992923000024

式(25)は、状態方程式であり、式(26)は、出力方程式である。
同様に、制御トルクτ(s)から出力yτ(s)までの伝達関数は、式(27)(28)に変換可能である。
Figure 0006992923000025

式(27)は、状態方程式であり、式(28)は、出力方程式である。
上記より、推定負荷トルクは、
Figure 0006992923000026

で求められる。トルク推定部18は、式(26)(27)(28)(29)に基づいて、推定負荷トルクを算出する。
<推定負荷トルクを観察するブレード角度について>
状態判定装置1は、クロップシャ15の運転中にブレード17が下死点を含む回転角度範囲内にあるとき、切断中か否かを判定する(あるいは、空振りか否かを判定する)。次に、推定した負荷トルクを観察すべきブレード17の回転角度範囲(切断範囲)について説明する。
図21は、上下のブレードと圧延材との位置関係を示す図である。圧延材の厚みをH[mm]、ブレード17の軌道半径をR[mm]、下死点における上下のブレード17のラップ量をrw[mm]とする。ブレード17の軌道が圧延材と交差する角度θc[rad]は、次式で表される。
Figure 0006992923000027

角度θcは、圧延材へのブレード17の噛み込み角度を表す。ブレード17の回転角度をθ[rad]とし、ブレード17の下死点を0[rad]と定義すると、切断範囲は、-θ≦θ≦θと定義可能である。
<切断と空振りを分ける判定閾値について>
クロップシャ15を無負荷で運転させたときの挙動は、「空振り」の挙動と同じと考えられる。クロップシャ15を無負荷で運転中に、切断範囲における推定負荷トルクの最大値をサンプリングすることで、空振り時の推定負荷トルクの分布を調べることが可能である。クロップシャ15の無負荷運転中での切断範囲における推定負荷トルクの最大値は、図22に示すように、正規分布に従うとする。このときの正規分布pは、
Figure 0006992923000028

で表される。
最尤法によれば、サンプリング数Mのときの平均μと分散σ2は、
Figure 0006992923000029

で表される。
上記のパラメータを用いて定義された下記の式(34)(35)は、ブレード17が下死点を通過したときの動作区分を定める。nは、調整値である。
Figure 0006992923000030

状態判定装置1は、例えば、式(34)を満たす場合、クロップシャ15の空振りと判定し、式(35)を満たす場合、クロップシャ15の切断中と判定する判定部を有する。
式(34)による判定方法は、クロップシャ15のブレード17が下死点を含む所定の回転角度範囲にある場合において、トルク推定部18により推定された負荷トルクの大きさが所定の閾値よりも小さいとき、クロップシャ15の空振りと判定する方法の一例である。式(34)による判定方法は、ブレード17が所定の回転角度範囲にある場合において、トルク推定部18により推定された負荷トルクの大きさが所定の閾値よりも大きいとき、クロップシャ15の切断中と判定する方法の一例である。
図23は、状態判定装置の構成例を示す図である。図23に示す状態判定装置1は、トルク推定部18及び判定部19を有する。トルク推定部18は、上記の推定装置4の推定部13により推定された特性パラメータを用いて、電動機7が受ける負荷トルクの推定値(推定負荷トルク)を導出する。判定部19は、トルク推定部18により導出された推定負荷トルクの大きさに基づいて、クロップシャ15の動作状態を判定する。
トルク推定部18は、ブレード17の検出角度が上記の式(30)で定まる切断範囲にあるときの推定負荷トルクを、判定部19の最大値計算部に提供する。判定部19の最大値計算部は、切断範囲における推定負荷トルクの最大値を算出し、(最大値-μ)を絶対値計算部に提供する。判定部19の絶対値算出部は、式(34)(35)の左辺を算出する。判定部19は、式(34)(35)に基づいて、クロップシャ15の空振り動作又は切断動作を判定し、その判定結果を外部に出力する。
このように、本開示は、むだ時間を含む制御対象(例えば、電動機と機械系を備える駆動制御システム)の運動モデルを、主成分分析を用いて同定する方法を提供する。この同定方法により、駆動制御システムのオートチューニングに必要な制御定数を容易に導出することが可能となる。本開示は、この同定方法の適用例として、負荷トルクの推定結果に基づいてクロップシャによる圧延材の切断状態(例えば、空振り)を検出する切断判定装置を提供する。
<ハードウェア構成>
次に、本実施形態に係る判定装置10(推定装置4と状態判定装置1の一方又は両方)のハードウェア構成について、図24を参照しながら説明する。図24は、本実施形態に係る判定装置10(推定装置4と状態判定装置1の一方又は両方)のハードウェア構成の一例を示す図である。
図24に示すように、本実施形態に係る判定装置10は、コンピュータ又はコンピュータシステムで実現され、入力装置201と、表示装置202と、外部I/F203と、通信I/F204と、プロセッサ205と、メモリ装置206とを有する。これら各ハードウェアは、それぞれがバス207を介して通信可能に接続されている。
入力装置201は、例えば、キーボードやマウス、タッチパネル、各種ボタン等である。表示装置202は、例えば、ディスプレイや表示パネル等であり、判定装置10の処理結果等を表示する。なお、判定装置10は、入力装置201及び表示装置202のうちの少なくとも一方を有してなくてもよい。
外部I/F203は、記録媒体203a等の外部装置とのインタフェースである。判定装置10は、外部I/F203を介して、記録媒体203aの読み取りや書き込み等を行うことができる。記録媒体203aには、例えば、判定装置10が有する各機能部(パラメータ推定部11等)を実現する1以上のプログラムが格納されてもよい。なお、記録媒体203aには、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)、SDメモリカード(Secure Digital memory card)、USB(Universal Serial Bus)メモリカード等がある。
通信I/F204は、判定装置10を通信ネットワークに接続するためのインタフェースである。なお、判定装置10が有する各機能部を実現する1以上のプログラムは、通信I/F204を介して、所定のサーバ装置等から取得(ダウンロード)されてもよい。
プロセッサ205は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等の各種演算装置である。判定装置10が有する各機能部は、例えば、メモリ装置206に格納されている1以上のプログラムがプロセッサ205に実行させる処理により実現される。
メモリ装置206は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の各種記憶装置である。
本実施形態に係る判定装置10は、図24に示すハードウェア構成を有することにより、上述した各種処理を実現することができる。なお、図24に示すハードウェア構成は一例であって、判定装置10は、他のハードウェア構成を有してもよい。例えば、判定装置10は、複数のプロセッサ205を有してもよいし、複数のメモリ装置206を有してもよい。
以上、実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。他の実施形態の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が可能である。
1 状態判定装置
2 制御対象
3 制御部
4 推定装置
5 むだ時間要素
6 一次遅れ要素
7 電動機
8 機械系
9 観測データ取得部
10 判定装置
11 パラメータ推定部
12 分析部
13 推定部
14 検出器
15 クロップシャ
16 計算機
17 ブレード
18 トルク推定部
19 判定部
100,100A 制御システム

Claims (15)

  1. 制御対象から複数の観測データを取得する取得部と、
    前記取得部により取得された前記複数の観測データの主成分分析をする分析部と、
    前記分析部による前記主成分分析の結果に基づいて、前記制御対象の特性を示すパラメータを推定し、推定した前記パラメータを前記制御対象に反映することで前記パラメータを逐次推定する推定部と、を備え
    前記分析部は、前記取得部により取得された前記複数の観測データの分散共分散行列の最小固有値に対応する固有ベクトルを導出し、
    前記推定部は、前記パラメータの推定に、前記分析部により導出された前記固有ベクトルの要素を使用する、推定装置。
  2. 前記推定部は、前記パラメータの推定に、前記要素の比を使用する、請求項に記載の推定装置。
  3. 前記推定部は、前記要素を所定の演算式に代入することで、前記パラメータを推定する、請求項1又は2に記載の推定装置。
  4. 前記分析部は、前記取得部により取得された前記複数の観測データの分散共分散行列の逆行列の最大固有値に対応する主固有ベクトルを前記固有ベクトルとして導出する、請求項1から3のいずれか一項に記載の推定装置。
  5. 前記分析部は、べき乗法を前記逆行列に適用することで、前記主固有ベクトルを導出する、請求項に記載の推定装置。
  6. 前記分析部は、前記逆行列を逐次計算で導出する、請求項4又は5に記載の推定装置。
  7. 前記分析部は、前記取得部により取得された前記複数の観測データを正規化して、前記逆行列を導出する、請求項に記載の推定装置。
  8. 前記分析部は、前記逆行列のノルムが所定値以上に維持されるように前記逆行列を導出する、請求項6又は7に記載の推定装置。
  9. 前記パラメータは、むだ時間、起動時定数および粘性抵抗のうちの少なくとも一つを含む、請求項1からのいずれか一項に記載の推定装置。
  10. 制御対象から複数の観測データを取得し、
    取得された前記複数の観測データの主成分分析をし、
    前記主成分分析の結果に基づいて、前記制御対象の特性を示すパラメータを推定し、推定した前記パラメータを前記制御対象に反映することで前記パラメータを逐次推定する、推定方法であって、
    取得された前記複数の観測データの分散共分散行列の最小固有値に対応する固有ベクトルを導出し、
    前記パラメータの推定に、導出された前記固有ベクトルの要素を使用する、推定方法。
  11. 電動機と前記電動機によって駆動されるクロップシャとを含む制御対象から複数の観測データを取得する取得部と、
    前記取得部により取得された前記複数の観測データの主成分分析をする分析部と、
    前記分析部による前記主成分分析の結果に基づいて、前記制御対象の特性を示すパラメータを推定し、推定した前記パラメータを前記制御対象に反映することで前記パラメータを逐次推定する推定部と、
    前記推定部により推定された前記パラメータを用いて、前記電動機が受ける負荷トルクを推定するトルク推定部と、
    前記トルク推定部により推定された前記負荷トルクの大きさに基づいて、前記クロップシャの動作状態を判定する判定部と、を備え
    前記分析部は、前記取得部により取得された前記複数の観測データの分散共分散行列の最小固有値に対応する固有ベクトルを導出し、
    前記推定部は、前記パラメータの推定に、前記分析部により導出された前記固有ベクトルの要素を使用する、判定装置。
  12. 前記判定部は、前記クロップシャのブレードが下死点を含む所定の回転角度範囲にある場合において、前記トルク推定部により推定された前記負荷トルクの大きさが所定の閾値よりも小さいとき、前記クロップシャの空振りと判定する、請求項11に記載の判定装置。
  13. 前記判定部は、前記ブレードが前記回転角度範囲にある場合において、前記トルク推定部により推定された前記負荷トルクの大きさが所定の閾値よりも大きいとき、前記クロップシャの切断中と判定する、請求項12に記載の判定装置。
  14. 前記パラメータは、むだ時間、起動時定数および粘性抵抗を含む、請求項11から13のいずれか一項に記載の判定装置。
  15. 電動機と前記電動機によって駆動されるクロップシャとを含む制御対象から複数の観測データを取得し、
    取得された前記複数の観測データの主成分分析をし、
    前記主成分分析の結果に基づいて、前記制御対象の特性を示すパラメータを推定し、推定した前記パラメータを前記制御対象に反映することで前記パラメータを逐次推定し、
    推定された前記パラメータを用いて、前記電動機が受ける負荷トルクを推定し、
    推定された前記負荷トルクの大きさに基づいて、前記クロップシャの動作状態を判定する、判定方法であって、
    取得された前記複数の観測データの分散共分散行列の最小固有値に対応する固有ベクトルを導出し、
    前記パラメータの推定に、導出された前記固有ベクトルの要素を使用する、判定方法。
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