JP2019019416A - 空気紡績装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】中空ガイド軸体を容易に軸線周りに回動させることのできる空気紡績装置を提供する。【解決手段】紡績室に生じる旋回空気流によって繊維束を撚って糸を生成する空気紡績装置であって、紡績室に先端部が配置され、且つ、軸線C上に繊維通路が形成された中空ガイド軸体、を有する中空ガイド軸体ユニット60と、中空ガイド軸体ユニット60を軸線C周りに所定範囲で正逆回動させるための回動手段80と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、旋回空気流を利用して紡績を行う空気紡績装置に関する。
例えば特許文献1に記載の空気紡績装置は、紡績室の周囲に配置された複数のノズルから空気を噴射することで、紡績室内に旋回空気流を発生させるように構成されている。紡績室には、中空ガイド軸体の先端部が配置されており、旋回空気流によって繊維束の繊維端が中空ガイド軸体の先端部の周囲で反転して旋回させられることにより、繊維束に撚りが掛けられる。そして、繊維束に撚りが掛けられて生成された糸は、中空ガイド軸体の軸線上に形成された繊維通路を経由して、下流側へと送られる。
このように構成された空気紡績装置では、中空ガイド軸体の先端部に繊維が接触することで、中空ガイド軸体の先端部が摩耗する。中空ガイド軸体が固定されていると、中空ガイド軸体の先端部のうち、複数のノズルの位置に応じた複数の特定箇所で集中的に摩耗が進行し、溝が形成されることがある。このような溝は、生成される糸の品質に悪影響を及ぼすおそれがあるので、特定箇所に対する集中的な摩耗を回避することが望まれる。そこで、特許文献1には、中空ガイド軸体を軸線周りに定期的に回動させることで、摩耗する箇所を分散させることが記載されている。
特開2016−125149号公報
特許文献1に記載の空気紡績装置では、中空ガイド軸体を軸線周りに回動させるために、中空ガイド軸体や中空ガイド軸体を固定している固定部材等を含む中空ガイド軸体ユニットを一旦ばらし、中空ガイド軸体を回動させてから、中空ガイド軸体ユニットを再度組み立てる必要があった。ところが、このような作業は非常に手間がかかるため、オペレータの負担になるとともに、空気紡績装置の稼動率を低下させる要因となっていた。
本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、中空ガイド軸体を容易に軸線周りに回動させることのできる空気紡績装置を提供することを目的とする。
本発明に係る空気紡績装置は、紡績室に生じる旋回空気流によって繊維束を撚って糸を生成する空気紡績装置であって、前記紡績室に先端部が配置され、且つ、軸線上に繊維通路が形成された中空ガイド軸体、を有する中空ガイド軸体ユニットと、前記中空ガイド軸体ユニットを前記軸線周りに所定範囲で正逆回動させるための回動手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、中空ガイド軸体を含む中空ガイド軸体ユニット全体を回動手段によって軸線周りに正逆回動させることで、中空ガイド軸体を軸線周りに正逆回動させることができる。したがって、中空ガイド軸体を回動させる際に、中空ガイド軸体ユニットをばらしたり再度組み立てたりする必要がなく、オペレータの負担を抑えて、中空ガイド軸体を容易に軸線周りに回動させることができる。
本発明において、前記回動手段は、前記中空ガイド軸体ユニットを前記軸線周りに正逆回動させるための操作部と、前記中空ガイド軸体ユニットを前記軸線周りの周方向において位置決めするための位置決め機構と、を有するとよい。
このような構成によれば、オペレータが操作部を操作することにより中空ガイド軸体ユニットを回動させた後、位置決め機構によって中空ガイド軸体ユニットを周方向において位置決めすることができる。したがって、モータ等の駆動手段が不要となり、回動手段のコストを抑えることができる。
本発明において、前記操作部は、前記軸線に直交する方向において前記中空ガイド軸体ユニットから外側に延設された操作レバーであるとよい。
このような構成によれば、オペレータによる操作位置を軸線から遠ざけることができるので、比較的小さな操作力でも大きな回動トルクを作用させることができる。したがって、容易に中空ガイド軸体ユニットを回動させることができる。
本発明において、前記中空ガイド軸体ユニットを支持する支持部材をさらに備え、前記位置決め機構は、前記操作レバーに形成された第1係合部と、前記支持部材に形成された、前記第1係合部と係合可能な第2係合部と、を有しており、前記第1係合部及び前記第2係合部の少なくとも何れか一方が、周方向に複数形成されているとよい。
このような構成によれば、第1係合部と第2係合部とを係合させる箇所を変更することにより、中空ガイド軸体ユニットの周方向の位置変更を容易に行うことができる。
本発明において、前記支持部材に形成された前記第2係合部が、周方向に複数形成されているとよい。
このような構成によれば、操作レバーに形成される第1係合部を1つで済ませることができるので、操作レバーが周方向に大型化することを抑制できる。したがって、オペレータが握りやすい操作レバーにすることができ、操作性を向上させることができる。
本発明において、前記第1係合部は凸部及び凹部の何れか一方であり、前記第2係合部は凸部及び凹部の何れか他方であるとよい。
これによって、位置決め機構の構成を簡易にすることができる。
本発明において、前記回動手段は、前記中空ガイド軸体ユニットを駆動して前記軸線周りに正逆回動させる駆動機構であるとよい。
このような構成によれば、駆動機構を作動させれば中空ガイド軸体ユニットを回動させることができ、オペレータの負担をより効果的に軽減することができる。
本発明において、前記駆動機構は、モータと、前記モータによって駆動され、前記中空ガイド軸体ユニットを前記軸線周りに正逆回動させるカム機構と、を有するとよい。
このように、モータとカム機構の組み合わせによって駆動機構を構成することで、駆動機構の構成を簡易にすることができる。
本発明において、前記カム機構は、前記中空ガイド軸体ユニットに固定されたレバーと、前記レバーと連結されており、前記モータによって正逆回動されることで、前記レバーを前記軸線周りに正逆回動させる回動部材と、を有するとよい。
このような構成によれば、モータを正逆回転させることで、回動部材及びレバーを介して中空ガイド軸体ユニットを容易に軸線周りに正逆回動させることができる。
本発明において、前記回動部材は、前記回動部材の回転軸の軸方向に突出するピンを有しており、前記レバーに、前記ピンが係合した状態で前記ピンの移動を許容する長穴が形成されているとよい。
こうすれば、簡易且つ安価な構成でありながら、回動部材とレバーとの間でのがたつきを抑えることができ、円滑に中空ガイド軸体ユニットを回動させることができる。
本発明において、前記モータは、ステッピングモータであるとよい。
このような構成によれば、中空ガイド軸体ユニットを周方向においてより正確に位置決めすることができる。したがって、中空ガイド軸体の先端部の特定箇所に摩耗が集中することをより確実に防止することができる。
本発明において、前記駆動機構を制御する制御部をさらに備え、前記制御部は、紡績動作中に前記駆動機構を断続的に作動させるとよい。
このような構成によれば、駆動機構を紡績動作中に常時作動させておく必要がないので、消費電力を抑えることができる。
本発明において、前記駆動機構を制御する制御部をさらに備え、前記制御部は、紡績動作中に前記駆動機構を継続的に作動させるとよい。
このような構成によれば、紡績動作中に中空ガイド軸体ユニットを継続的に回動させることができるので、繊維が中空ガイド軸体の先端部に接触する箇所をより効果的に分散でき、摩耗抑制効果を向上させることができる。
本発明において、前記駆動機構を制御する制御部をさらに備え、前記制御部は、紡績動作の停止中に前記駆動機構を作動させるとよい。
紡績動作中に中空ガイド軸体ユニットを回動させると、中空ガイド軸体の先端部に接触している繊維に何らかの影響を及ぼすこともあり得る。そこで、紡績動作の停止中に中空ガイド軸体ユニットを回動させることで、中空ガイド軸体ユニットを回動させる際に生じ得る紡績への影響を確実に回避することができる。
本発明において、前記駆動機構を作動させるためのスイッチをさらに備えるとよい。
このような構成によれば、オペレータが所望のタイミングで容易に駆動機構を作動させることができる。
本発明において、前記中空ガイド軸体ユニットは、前記繊維通路に噴射される空気を供給するための空気供給管が接続される接続部を有するとよい。
このように、中空ガイド軸体ユニットの接続部に空気供給管が接続されている場合、空気供給管によって中空ガイド軸体ユニットが回動できる範囲が制限される。したがって、本発明のように、中空ガイド軸体ユニットを一方向に回転させ続けるのではなく、正逆回動させる構成が特に有効となる。
本発明において、前記中空ガイド軸体ユニットが回動可能な前記所定範囲は、5度以上50度以下であるとよい。
回動範囲が狭すぎる場合、繊維が中空ガイド軸体の先端部に接触する箇所をそれほど分散できず、摩耗抑制効果が期待できなくなる。一方、回動範囲が広すぎると、中空ガイド軸体ユニットに空気供給管等が接続されている場合に、取り回しが困難となる。したがって、中空ガイド軸体ユニットの回動範囲を、5度以上50度以下程度とするのが好適である。
本発明において、前記紡績室に空気を噴射するためのノズルが、前記紡績室の周りに等間隔にn個形成されている場合、前記中空ガイド軸体ユニットが回動可能な前記所定範囲は、5度以上(360/n)度未満であるとよい。
中空ガイド軸体の先端部において繊維が接触する箇所は、ノズルの位置に応じて決まる。例えば、ノズルが等間隔に4つ形成されている場合には、中空ガイド軸体の先端部のうち、4つのノズルに対応する周方向の4箇所において繊維が接触する。このとき、中空ガイド軸体ユニットを90(=360/4)度以上回動させると、繊維の接触箇所が重複することで、摩耗抑制効果が低減するおそれがある。したがって、中空ガイド軸体ユニットの回動範囲を、(360/n)度未満とするのが好適である。
本実施形態に係る空気精紡機の全体的な構成を示す正面図である。 紡績ユニット及び糸継台車の側面図である。 空気精紡機の電気的構成を示すブロック図である。 空気紡績装置の断面図である。 中空ガイド軸体ユニット及び回動手段を示す斜視図である。 中空ガイド軸体ユニット及び回動手段の変形例を示す斜視図である。
(精紡機の全体構成)
本発明に係る空気紡績装置を備えた空気紡績機の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1に示す空気精紡機1は、所定の配列方向(図1の左右方向)に並べられた複数の紡績ユニット2と、配列方向に移動可能な糸継台車3と、配列方向の一端部に配置されたブロアボックス4と、配列方向の他端部に配置された原動機ボックス5と、を備えている。
紡績ユニット2は、ドラフト装置11から送られてくる繊維束Tを空気紡績装置12で紡績して糸Yを生成し、この糸Yを巻取装置13でボビンBに巻き取ってパッケージPを形成する。糸継台車3は、何れかの紡績ユニット2において糸切れ又は糸切断が生じた場合に、その紡績ユニット2に移動して糸継ぎを行う。ブロアボックス4には、紡績ユニット2及び糸継台車3に負圧を供給するための吸引装置(図示省略)等が収容されている。原動機ボックス5には、機台制御装置6及び各紡績ユニット2に共通の駆動源(図示省略)等が収容されている。各紡績ユニット2は、専用の駆動源を備えていてもよい。
(紡績ユニット)
図2に示すように、紡績ユニット2は、繊維束T又は糸Yの走行方向(糸走行方向)の上流側から下流側(図2の上側から下側)へ向かって順に配置された、ドラフト装置11と、空気紡績装置12と、糸貯留装置14と、巻取装置13と、を主要な構成として備える。なお、以下では、糸走行方向の上流側及び下流側を、単に上流側及び下流側と言う。
ドラフト装置11は、空気精紡機1のフレーム15の上端近傍に設けられている。ドラフト装置11は、上流側から順に、バックローラ対16、サードローラ対17、ミドルローラ対18、及び、フロントローラ対19の、4つのドラフトローラ対16〜19を有する。ミドルローラ対18には、ゴム製のエプロンベルト20が巻き架けられている。4つのドラフトローラ対16〜19は、それぞれ、駆動ローラであるボトムローラ16a〜19aと、従動ローラであるトップローラ16b〜19bと、で構成される。ドラフトローラ対16〜19の回転速度は、下流側のローラ対ほど回転速度が速くなるように設定されている。これによって、ドラフト装置11は、繊維束Tの原料であるスライバSを、ドラフトローラ対16〜19で挟み込んで搬送し、所定の太さとなるまで引き伸ばして(ドラフトして)繊維束Tを形成する。
空気紡績装置12は、フロントローラ対19のすぐ下流側に配置されている。空気紡績装置12は、ドラフト装置11でドラフトされた繊維束Tに撚りを加えることによって、糸Yを生成する。空気紡績装置12の詳細については、後で説明する。
図2に示すように、糸貯留装置14は、糸走行方向において空気紡績装置12と巻取装置13との間に配置されている。糸貯留装置14は、貯留ローラ21と、糸掛け部材22と、モータ23と、を有する。貯留ローラ21は、その外周面に一定量の糸Yを巻き付けて一時的に貯留できるように構成されており、モータ23によって回転駆動される。このとき、糸掛け部材22が糸Yを引っ掛けた状態で貯留ローラ21と一体回転することにより、貯留ローラ21に糸Yが貯留される。糸貯留装置14は、糸Yに張力を付与することによって、空気紡績装置12から糸Yを引き出す。ただし、空気紡績装置12と糸貯留装置14の間に、デリベリローラ等の引出ローラ対を設けて、引出ローラ対により空気紡績装置12から糸Yを引き出してもよい。この場合、糸貯留装置14は省略してもよい。
糸走行方向において空気紡績装置12と糸貯留装置14との間には、糸Yの状態を監視する糸監視装置24が設けられている。糸監視装置24は、走行する糸Yの太さ及び/又は異物の有無を不図示の光学式のセンサによって監視するように構成されている。これにより、糸監視装置24は、糸Yの太さに異常があること、及び/又は、糸Yに異物が含まれること等の糸欠陥を検出することができる。糸監視装置24は、光学式のセンサに限らず、例えば静電容量式のセンサであってもよい。糸監視装置24で糸Yの糸欠陥が検出された場合、紡績ユニット2は、空気紡績装置12への空気の供給を停止して、糸Yの生成を中断することにより糸Yを切断する。これに代わって、糸監視装置24の近傍にカッターを配置し、当該カッターにより糸Yを切断するようにしてもよい。あるいは、ドラフト装置11のバックローラ対16の回転を停止することにより、糸Yが切断されるようにしてもよい。
巻取装置13は、糸貯留装置14の下流側に配置されており、糸Yを綾振りしながらボビンBに巻き取ってパッケージPを形成する。巻取装置13は、クレードルアーム25と、巻取ドラム26と、トラバース装置27と、を有する。
クレードルアーム25は、支軸25aを軸にして回動可能に支持されている。クレードルアーム25は、糸Yを巻き取るためのボビンB(パッケージP)を回転可能に支持することができる。巻取ドラム26は、所定の方向に一定の回転速度で回転駆動されている。クレードルアーム25は、支軸25aを軸にして回動することにより、ボビンB(パッケージP)の外周面を巻取ドラム26に対して接触又は離間させることができる。ボビンB(パッケージP)の外周面を、回転駆動される巻取ドラム26に接触させることにより、ボビンB(パッケージP)を巻取方向に従動回転させ、糸YをボビンB(パッケージP)の外周面に巻き取ることができる。
トラバース装置27は、糸Yを案内可能なトラバースガイド28を有する。トラバースガイド28は、不図示の駆動源によって、巻取ドラム26の回転軸と平行な方向に往復駆動される。これにより、糸Yが、トラバースガイド28によって所定幅でトラバースされながら、回転するボビンB(パッケージP)に巻き取られる。なお、トラバース溝が形成された巻取ドラムによって、糸Yをトラバースするようにしてもよい。
(糸継台車)
次に、糸継台車3について説明する。糸継台車3は、ある紡績ユニット2において糸切れ又は糸切断が発生した場合に、その紡績ユニット2まで移動し、分断している糸Yの糸継ぎを行う。図2に示すように、糸継台車3は、糸継装置30と、サクションパイプ31と、サクションマウス32と、を有する。
サクションパイプ31は、軸31aを中心に上下方向に回動可能に構成されている。サクションパイプ31は、上方に回動することによって、サクションパイプ31の先端が空気紡績装置12の下流側近傍に位置し、空気紡績装置12から紡出される糸(上糸)Yを吸い込んで吸引保持することができる。さらに、サクションパイプ31は、空気紡績装置12から紡出される上糸Yを吸引保持した状態で下方に回動することで、上糸Yを糸継装置30に案内することができる。
サクションマウス32は、軸32aを中心に上下方向に回動可能に構成されている。サクションマウス32は、下方に回動することによって、サクションマウス32の先端がパッケージPの外周面近傍に位置し、パッケージPから引き出される糸(下糸)Yを吸い込んで吸引保持することができる。さらに、サクションマウス32は、パッケージPから引き出される下糸Yを吸引保持した状態で上方に回動することで、下糸Yを糸継装置30に案内することができる。
糸継装置30は、サクションパイプ31によって案内される空気紡績装置12からの上糸Yと、サクションマウス32によって案内される巻取装置13からの下糸Yと、を糸継ぎする。本実施形態では、糸継装置30として、旋回空気流によって上糸Yと下糸Yの糸端同士に撚りを加えて継ぎ目を形成するスプライサーが用いられている。ただし、糸継装置30は、例えば、上糸Yと下糸Yとを結ぶノッター、又は、下糸Yを空気紡績装置12に案内し、空気紡績装置12の紡績を再開することにより上糸Yと下糸Yとをつなぐピーサーでもよい。
(電気的構成)
図3に示すように、各紡績ユニット2には、紡績ユニット2の各部の動作を制御するユニット制御部29が設けられている。また、糸継台車3には、糸継台車3の各部の動作を制御する台車制御部33が設けられている。ユニット制御部29及び台車制御部33は、機台制御装置6と電気的に接続されており、双方向に電気信号を送信できるよう構成されている。なお、ユニット制御部29は、所定数の紡績ユニット2ごとに1つずつ設けるようにしてもよい。
(空気紡績装置)
図4を参照しつつ、空気紡績装置12の詳細について説明する。空気紡績装置12は、ドラフト装置11から供給された繊維束Tに撚りを加えて、紡績糸Yを生成する紡績動作を行う。空気紡績装置12は、ノズルブロック40と、繊維ガイド50と、中空ガイド軸体ユニット60と、支持ブロック70と、紡績室49と、を備える。
ノズルブロック40は、不図示の圧縮空気供給源から送られる圧縮空気を紡績室49へ導く。ノズルブロック40は、紡績室49の周りに形成された複数のノズル41を有する。本実施形態では、複数のノズル41は、周方向に等間隔に4つ、すなわち、90度ごとに1つずつ配置されているものとするが、ノズル41の数や配置はこれに限定されない。複数のノズル41から紡績室49に圧縮空気が噴射されることにより、紡績室49に旋回空気流が発生する。紡績室49では、この旋回空気流によって繊維束Tに撚りが加えられる。
ノズルブロック40には、略円錐形状の収容空間42が形成されている。収容空間42の上流側には繊維ガイド50が配置されており、収容空間42の下流側から略円錐形状の中空ガイド軸体ユニット60の先端部が挿入される。収容空間42のうち、主に中空ガイド軸体ユニット60の先端部が配置されている部分が、紡績室49として機能する。また、ノズルブロック40は、後述する固定部材66のフランジ66aに上方から当接する当接部43を有する。
繊維ガイド50は、ドラフト装置11でドラフトされた繊維束Tを紡績室49へ導く。繊維ガイド50には、糸走行方向に沿って繊維導入路51が形成されるとともに、紡績室49に突出するガイドニードル52が設けられている。ドラフト装置11でドラフトされた繊維束Tは、繊維導入路51から導入され、ガイドニードル52に巻き掛かるようにして紡績室49へと案内される。
中空ガイド軸体ユニット60は、紡績室49で撚りを加えられた繊維束Tにさらに撚りを加えて紡績糸Yを生成し、糸Yを下流側へ案内する。中空ガイド軸体ユニット60は、第1中空ガイド軸体61と、第2中空ガイド軸体62と、第3中空ガイド軸体63と、収容部材64と、係止部材65と、固定部材66と、外筒部材67と、を有する。
第1中空ガイド軸体61は、上流側から下流側に向かって順番に、円錐状の先端部61aと、円錐台状の中間部61bと、円筒状の基端部61cと、がつながって構成されている。先端部61aは、紡績室49に配置されている。先端部61aには、軸線Cに沿って貫通する第1繊維通路61dが形成されている。第1繊維通路61dの上流側の開口が、繊維導入口61eである。中間部61b及び基端部61cには、第2中空ガイド軸体62の上流側の一部を収容するための収容空間61fが形成されている。
第2中空ガイド軸体62は、円筒状の部材である。第2中空ガイド軸体62には、軸線Cに沿って貫通する第2繊維通路62aが形成されている。第2中空ガイド軸体62の上流側の端部には、軸線C周りに等間隔に複数のノズル62bが形成されている。第2中空ガイド軸体62の上流側の端部は、第1中空ガイド軸体61の先端部61aの下流側の端部に当接している。これによって、第1繊維通路61dと第2繊維通路62aとが連通する。
第3中空ガイド軸体63は、円筒状の部材である。第3中空ガイド軸体63には、軸線Cに沿って貫通する第3繊維通路63aが形成されている。第3中空ガイド軸体63の上流側の端部は、第2中空ガイド軸体62の下流側の端部に当接している。これによって、第2繊維通路62aと第3繊維通路63aとが連通する。
収容部材64は、円筒状の部材である。収容部材64には、第2中空ガイド軸体62の下流側の一部を収容し、且つ、第3中空ガイド軸体63の上流側の一部を収容する収容空間64aが形成されている。収容部材64の外周部には、空気供給管100が接続される接続部64bが設けられる。接続部64bには、収容空間64aに連通する空気導入路64cが形成されている。空気供給管100は、不図示の圧縮空気供給源に接続されており、空気供給管100から接続部64bを介して、中空ガイド軸体ユニット60に圧縮空気が供給される。空気供給管100は、例えば可撓性のホース等からなる。
係止部材65は、円筒状の部材であり、収容部材64の下流側の端部及び第3中空ガイド軸体63の下流側の端部に係合可能な段付き形状を有する。係止部材65の軸線C上には、開口65aが形成されている。第3中空ガイド軸体63の下流側の端部は、開口65aに挿入される。
固定部材66は、円錐台状に形成されたナットであり、収容部材64の上流側の端部に螺合可能である。固定部材66の下流側の端部には、フランジ66aが形成されている。
外筒部材67は、円筒状の部材であり、収容部材64の外周面に取り付けられる。外筒部材67の外径は、支持ブロック70に形成された円筒空間71の内径と略同じとされている。中空ガイド軸体ユニット60は、外筒部材67が円筒空間71に収まった状態で、支持ブロック70によって支持される。
中空ガイド軸体ユニット60は、上流側から順番に、第1中空ガイド軸体61と、第2中空ガイド軸体62と、第3中空ガイド軸体63とが、互いに当接した状態で組み付けられる。これによって、第1繊維通路61dと、第2繊維通路62aと、第3繊維通路63aとが連通する。また、第2中空ガイド軸体62は、収容空間61f及び収容空間64aの内周面との間に、空気通路68が確保されるように組み付けられる。これによって、空気導入路64cと、空気通路68と、複数のノズル62bとが連通し、複数のノズル62bから第2繊維通路62aに圧縮空気を噴射することができる。このように、中空ガイド軸体61〜63、収容部材64及び係止部材65を組み付けた状態で、固定部材66を収容部材64に螺合させることにより、中空ガイド軸体ユニット60が構成される。
支持ブロック70は、中空ガイド軸体ユニット60を支持する。支持ブロック70は、円筒部72及び延設部73を有する。円筒部72には、中空ガイド軸体ユニット60の一部を収容するための円筒空間71が形成されている。円筒部72のうち延設部73が接続される部分には、空気供給管100を通すために切欠き72aが形成されている(図5参照)。延設部73は、図4の左右方向に延設されており、その左端部が円筒部72に接続され、その右端部が空気精紡機1のフレーム15(図1参照)に支持されている。
支持ブロック70は、フレーム15に上下に揺動可能に取り付けられている。エアーシリンダ等のアクチュエータ(図示省略)によって支持ブロック70を下方に揺動させると、固定部材66のフランジ66aがノズルブロック40の当接部43から離間する。これによって、空気精紡機1の前側(図4の左側)から、オペレータが中空ガイド軸体ユニット60をメンテナンス等することが可能となる。
空気紡績装置12の紡績動作中は、中空ガイド軸体ユニット60を支持する支持ブロック70が上方に位置しており、ノズルブロック40の当接部43が固定部材66のフランジ66aに当接している。このとき、ノズルブロック40の収容空間42の内周面と第1中空ガイド軸体61の外周面との間に隙間が形成される。紡績動作中に複数のノズル41から紡績室49に噴射された空気は、この隙間を介して、ノズルブロック40に形成された減圧室44に流入し、糸Yにならなかった繊維とともに排出される。
このように構成された空気紡績装置12の紡績動作について説明する。紡績動作の開始時には、複数のノズル41から紡績室49に圧縮空気が噴射されるととともに、複数のノズル62bから第2繊維通路62aに圧縮空気が噴射される。これによって、ドラフト装置11から繊維ガイド50を通って紡績室49に導入された繊維束Tは、第1繊維通路61d、第2繊維通路62a及び第3繊維通路63aを通って、下流側に導出される。
糸Yが空気紡績装置12から紡出され始めると、複数のノズル62bから第2繊維通路62aへの空気の噴射が停止され、複数のノズル41から紡績室49への空気の噴射のみが継続される。これによって、紡績室49に旋回空気流が生成され、この旋回空気流によって繊維束Tの繊維端が、第1中空ガイド軸体61の繊維導入口61eの周囲で反転されて旋回させられ、紡績室49において繊維束Tに撚りが加えられる。繊維束Tに撚りが加えられて生成された糸Yは、第1繊維通路61d、第2繊維通路62a及び第3繊維通路63aを通って、下流側に導出される。
(第1中空ガイド軸体の摩耗)
上述のように、空気紡績装置12の紡績動作中には、第1中空ガイド軸体61の先端部61aに、繊維導入口61eの周囲で反転された繊維束Tの繊維端が接触する。繊維が接触する箇所は、ノズル41の位置に応じて決まる。つまり、本実施形態の場合は、第1中空ガイド軸体61の先端部61aのうち、4つのノズル41に対応する周方向の4箇所において繊維が接触する。このように、繊維が継続的に接触し続ける箇所においては摩耗が進行し、第1中空ガイド軸体61の先端部61aに溝が形成されることがある。このような溝は、紡績品質に悪影響を及ぼすおそれがあるので、摩耗をできるだけ抑えることが重要である。そこで、本実施形態では、中空ガイド軸体ユニット60を軸線C周りに所定範囲で正逆回動させる回動手段を設け、当該回動手段によって中空ガイド軸体ユニット60を適宜回動させることで、特定箇所に摩耗が集中することを回避している。以下、回動手段の詳細について説明する。
(回動手段)
図5を参照しつつ、回動手段の一例について説明する。図5では、説明を分かりやすくするため、中空ガイド軸体ユニット60と支持ブロック70とを離して図示している。図5に示す回動手段80は、操作レバー81と、位置決め機構82と、を備える。操作レバー81は、中空ガイド軸体ユニット60の収容部材64に固定されている。操作レバー81は、軸線Cに直交する径方向において中空ガイド軸体ユニット60から外側に向かって延設されている。本実施形態では、オペレータの操作性を考慮して、図4に示すように、操作レバー81は支持ブロック70よりも空気精紡機1の前側(図4の左側)に突出するように延設されている。
位置決め機構82は、操作レバー81に形成された凸部83と、支持ブロック70に形成された複数の凹部84と、によって構成されている。凸部83と凹部84とは互いに係合可能な形状とされている。凸部83は、操作レバー81の支持ブロック70に対向する面に1つだけ形成されている。一方、凹部84は、支持ブロック70の円筒部72の端面(操作レバー81と対向する面)に、周方向に複数(本実施形態では4つ)形成されている。複数の凹部84が形成されている範囲は、周方向において5度以上50度以下の範囲が好ましく、さらには5度以上45度未満の範囲が好ましい。
このような構成の回動手段80によれば、オペレータが操作レバー81を操作し、凸部83が係合している凹部84を変更することで、中空ガイド軸体ユニット60を軸線C周りに回動させ、周方向において異なる位置で位置決めすることができる。なお、凸部83と凹部84との脱着を行いやすくするため、操作レバー81は弾性を有する樹脂材やステンレス材等で構成されていることが好ましい。また、円筒部72の上面又は側面の各凹部84に対応する位置に、各凹部84の位置を示すマーク又は記号が付されていてもよい。
中空ガイド軸体ユニット60の周方向の位置変更を行う際には、オペレータは、空気紡績装置12の紡績動作を停止させ、不図示のアクチュエータによって支持ブロック70を下方に揺動させる。これにより、オペレータが空気精紡機1の前方から操作レバー81を容易に操作することができる。中空ガイド軸体ユニット60の周方向の位置変更は、例えば、空気紡績装置12をメンテナンスする際に行ったり、紡績動作を所定時間実行するごとに行ったりすればよい。
(回動手段の変形例)
次に、図6を参照しつつ、回動手段の変形例について説明する。図6に示す回動手段90は、中空ガイド軸体ユニット60を駆動して軸線C周りに正逆回動させる駆動機構として構成されている。以下では、適宜、回動手段90又は駆動機構90と表記する。駆動機構90は、モータ91と、カム機構92と、を備える。モータ91は、カム機構92の駆動源であり、正逆回転可能なステッピングモータからなる。モータ91は、支持ブロック70の延設部73に固定されている。
カム機構92は、レバー93と、回動部材94と、を有する。レバー93は、中空ガイド軸体ユニット60の収容部材64に固定されている。レバー93は、軸線Cに直交する径方向において中空ガイド軸体ユニット60から外側(詳細には空気精紡機1の後側、図6の右側)に向かって延設されている。レバー93の後端部には、レバー93の延設方向に沿って長穴93aが形成されている。回動部材94は、円盤状の部材であり、回転軸94aがモータ91の出力軸と連結されている。回動部材94の上面の周縁部には、回転軸94aの軸方向に突出した円筒状のピン94bが形成されている。ピン94bは、レバー93の長穴93aと係合可能な形状を有しており、ピン94bが長穴93aに係合することで、レバー93と回動部材94とが連結状態となる。レバー93と回動部材94とが連結状態のとき、ピン94bは、長穴93a内で上記延設方向に移動可能である。
モータ91は、ユニット制御部29によって制御される。また、紡績ユニット2には、モータ91を作動させるためのスイッチ9が設けられており、オペレータがスイッチ9を操作することによって、ユニット制御部29を介してモータ91を作動させることも可能である。ユニット制御部29がモータ91を正逆回転させると、回動部材94が回転軸94a周りに正逆回動し、レバー93がピン94bによって動かされることにより、中空ガイド軸体ユニット60が軸線C周りに正逆回動する。本変形例では、中空ガイド軸体ユニット60が、周方向において5度以上50度以下の範囲、さらに好ましくは5度以上45度未満の範囲で正逆回動するように、モータ91の回転範囲が制御される。
ユニット制御部29は、紡績動作中にモータ91を断続的に駆動することで、駆動機構90を断続的に作動させてもよいし、紡績動作中にモータ91を継続的に駆動することで、駆動機構90を継続的に作動させてもよい。あるいは、ユニット制御部29は、紡績動作の停止中にモータ91を駆動することで、紡績動作の停止中に駆動機構90を作動させてもよい。
(効果)
本実施形態によれば、第1中空ガイド軸体61を含む中空ガイド軸体ユニット60全体を回動手段80、90によって軸線C周りに正逆回動させることで、第1中空ガイド軸体61を軸線C周りに正逆回動させることができる。したがって、第1中空ガイド軸体61を回動させる際に、中空ガイド軸体ユニット60をばらしたり再度組み立てたりする必要がなく、オペレータの負担を抑えて、第1中空ガイド軸体61を容易に軸線C周りに回動させることができる。そして、第1中空ガイド軸体61の先端部61aの特定箇所に、繊維との接触による摩耗が集中することを回避することができる。
本実施形態の図5に示す例では、回動手段80は、中空ガイド軸体ユニット60を軸線C周りに正逆回動させるための操作レバー81(本発明の操作部)と、中空ガイド軸体ユニット60を軸線C周りの周方向において位置決めするための位置決め機構82と、を有する。このような構成によれば、オペレータが操作レバー81を操作することにより中空ガイド軸体ユニット60を回動させた後、位置決め機構82によって中空ガイド軸体ユニット60を周方向において位置決めすることができる。したがって、モータ等の駆動手段が不要となり、回動手段80のコストを抑えることができる。
本実施形態では、本発明における操作部が、軸線Cに直交する方向において中空ガイド軸体ユニット60から外側に延設された操作レバー81とされている。このような構成によれば、オペレータによる操作位置を軸線Cから遠ざけることができるので、比較的小さな操作力でも大きな回動トルクを作用させることができる。したがって、容易に中空ガイド軸体ユニット60を回動させることができる。
本実施形態では、中空ガイド軸体ユニット60を支持する支持ブロック70(本発明の支持部材)をさらに備え、位置決め機構82は、操作レバー81に形成された凸部83(本発明の第1係合部)と、支持ブロック70に形成された、凸部83と係合可能な凹部84(本発明の第2係合部)と、を有しており、凹部84が、周方向に複数形成されている。このような構成によれば、凸部83と凹部84とを係合させる箇所を変更することにより、中空ガイド軸体ユニット60の周方向の位置変更を容易に行うことができる。
本実施形態では、支持ブロック70に形成された凹部84が、周方向に複数形成されている。このような構成によれば、操作レバー81に形成される凸部83を1つで済ませることができるので、操作レバー81が周方向に大型化することを抑制できる。したがって、オペレータが握りやすい操作レバー81にすることができ、操作性を向上させることができる。
本実施形態では、本発明の第1係合部が凸部83とされ、本発明の第2係合部が凹部84とされているので、位置決め機構82の構成を簡易にすることができる。
本実施形態の図6に示す変形例では、回動手段90は、中空ガイド軸体ユニット60を駆動して軸線C周りに正逆回動させる駆動機構とされている。このような構成によれば、駆動機構90を作動させれば中空ガイド軸体ユニット60を回動させることができ、オペレータの負担をより効果的に軽減することができる。
本実施形態では、駆動機構90は、モータ91と、モータ91によって駆動され、中空ガイド軸体ユニット60を軸線C周りに正逆回動させるカム機構92と、を有する。このように、モータ91とカム機構92の組み合わせによって駆動機構90を構成することで、駆動機構90の構成を簡易にすることができる。
本実施形態では、カム機構92は、中空ガイド軸体ユニット60に固定されたレバー93と、レバー93と連結されており、モータ91によって正逆回動されることで、レバー93を軸線C周りに正逆回動させる回動部材94と、を有する。このような構成によれば、モータ91を正逆回転させることで、回動部材94及びレバー93を介して中空ガイド軸体ユニット60を容易に軸線C周りに正逆回動させることができる。
本実施形態では、回動部材94は、回動部材94の回転軸94aの軸方向に突出するピン94bを有しており、レバー93に、ピン94bが係合した状態でピン94bの移動を許容する長穴93aが形成されている。こうすれば、簡易且つ安価な構成でありながら、回動部材94とレバー93との間でのがたつきを抑えることができ、円滑に中空ガイド軸体ユニット60を回動させることができる。
本実施形態では、モータ91は、ステッピングモータとされているので、中空ガイド軸体ユニット60を周方向においてより正確に位置決めすることができる。したがって、第1中空ガイド軸体61の先端部61aの特定箇所に摩耗が集中することをより確実に防止することができる。
本実施形態において、ユニット制御部29(本発明の制御部)が、紡績動作中に駆動機構90を断続的に作動させるとよい。この場合、駆動機構90を紡績動作中に常時作動させておく必要がないので、消費電力を抑えることができる。駆動機構90を作動させない間、中空ガイド軸体ユニット60の周方向の位置を保持するため、最低限の電流を流すようにしてもよい。
本実施形態において、ユニット制御部29が、紡績動作中に駆動機構90を継続的に作動させるようにしてもよい。この場合、紡績動作中に中空ガイド軸体ユニット60を継続的に回動させることができるので、繊維が第1中空ガイド軸体61の先端部61aに接触する箇所をより効果的に分散でき、摩耗抑制効果を向上させることができる。
本実施形態において、ユニット制御部29が、紡績動作の停止中に駆動機構90を作動させるようにしてもよい。紡績動作中に中空ガイド軸体ユニット60を回動させると、第1中空ガイド軸体61の先端部61aに接触している繊維に何らかの影響を及ぼすこともあり得る。そこで、紡績動作の停止中に中空ガイド軸体ユニット60を回動させることで、中空ガイド軸体ユニット60を回動させる際に生じ得る紡績への影響を確実に回避することができる。
本実施形態では、駆動機構90を作動させるためのスイッチ9がさらに設けられているので、オペレータが所望のタイミングで容易に駆動機構90を作動させることができる。
本実施形態では、中空ガイド軸体ユニット60は、第2繊維通路62aに噴射される空気を供給するための空気供給管100が接続される接続部64bを有する。このように、中空ガイド軸体ユニット60の接続部64bに空気供給管100が接続されている場合、空気供給管100によって中空ガイド軸体ユニット60が回動できる範囲が制限される。この場合、中空ガイド軸体ユニット60を一方向に回転させ続けるのではなく、正逆回動させる本実施形態の構成が特に有効となる。
本実施形態では、中空ガイド軸体ユニット60が回動可能な所定範囲を、5度以上50度以下にするとよい。回動範囲が狭すぎる場合、繊維が第1中空ガイド軸体61の先端部61aに接触する箇所をそれほど分散できず、摩耗抑制効果が期待できなくなる。一方、回動範囲が広すぎると、中空ガイド軸体ユニット60に空気供給管100等が接続されている場合に、取り回しが困難となる。したがって、中空ガイド軸体ユニット60の回動範囲を、5度以上50度以下程度とするのが好適である。
本実施形態では、紡績室49に空気を噴射するためのノズル41が、紡績室49の周りに等間隔に4個形成されており、中空ガイド軸体ユニット60が回動可能な所定範囲が、5度以上90(=360/4)度未満であるとよい。第1中空ガイド軸体61の先端部61aにおいて繊維が接触する箇所は、ノズル41の位置に応じて決まる。本実施形態のように、ノズル41が等間隔に4つ形成されている場合には、第1中空ガイド軸体61の先端部61aのうち、4つのノズル41に対応する周方向の4箇所において繊維が接触する。このとき、中空ガイド軸体ユニット60を90度以上回動させると、繊維の接触箇所が重複することで、摩耗抑制効果が低減するおそれがある。したがって、中空ガイド軸体ユニット60の回動範囲を、90度未満とするのが好適である。
(他の実施形態)
上記実施形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。
上記実施形態では、本発明の操作部として、操作レバー81が設けられるものとした。しかしながら、操作部の具体例はこれに限定されない。例えば、オペレータが固定部材66のフランジ66aの外周面を把持して操作することで、直接中空ガイド軸体ユニット60を軸線C周りに回動させるようにしてもよい。この場合は、固定部材66の外周面が操作部として機能する。
上記実施形態では、本発明の第1係合部として操作レバー81に凸部83が設けられ、本発明の第2係合部として支持ブロック70に複数の凹部84が設けられるものとした。しかしながら、第1係合部として操作レバー81に凹部を設け、第2係合部として支持ブロック70に凸部を設けるようにしてもよい。また、操作レバー81に形成される第1係合部が周方向に複数設けられていてもよい。また、位置決め機構82の具体的構成は、凸部83と凹部84とからなるものに限定されず、例えば、ラチェット機構等を利用してもよい。
上記実施形態では、駆動機構90がモータ91とカム機構92とによって構成されるものとしたが、駆動機構90の構成はこれに限定されない。例えば、モータ91以外の駆動源を利用してもよいし、カム機構92の具体的構成は上記実施形態以外のものでもよい。モータ91以外の駆動源の具体例としては、シリンダ(例えばエアシリンダ)が挙げられる。シリンダを用いる場合には、中空ガイド軸体ユニット60の正逆回動範囲の端部に対応する位置にストッパーを設けてもよい。また、モータ91として、ステッピングモータ以外のモータを利用してもよい。
上記実施形態では、ノズル62bを介して第2繊維通路62aに噴射される圧縮空気により、紡績動作の開始時に糸Yを下流側に送るものとした。しかしながら、第2繊維通路62aに噴射される圧縮空気によって、糸Yを下流側から紡績室49に案内するように構成することも可能である。
上記実施形態では、中空ガイド軸体ユニット60に3つの中空ガイド軸体61〜63が設けられるものとした。しかしながら、中空ガイド軸体の数は3つに限定されず、1つ又は2つでもよいし、4つ以上でもよい。ノズル62bが形成される箇所も第2中空ガイド軸体62に限定されず、第1中空ガイド軸体61又は第3中空ガイド軸体63に形成されてもよい。
9:スイッチ
12:空気紡績装置
29:ユニット制御部(制御部)
41:ノズル
49:紡績室
60:中空ガイド軸体ユニット
61:第1中空ガイド軸体
61a:先端部
61d:第1繊維通路
62:第2中空ガイド軸体
62a:第2繊維通路
63:第3中空ガイド軸体
63a:第3繊維通路
64b:接続部
70:支持ブロック(支持部材)
80:回動手段
81:操作レバー(操作部)
82:位置決め機構
83:凸部(第1係合部)
84:凹部(第2係合部)
90:回動手段(駆動機構)
91:モータ
92:カム機構
93:レバー
93a:長穴
94:回動部材
94a:回転軸
94b:ピン
100:空気供給管
T:繊維束
Y:糸

Claims (18)

  1. 紡績室に生じる旋回空気流によって繊維束を撚って糸を生成する空気紡績装置であって、
    前記紡績室に先端部が配置され、且つ、軸線上に繊維通路が形成された中空ガイド軸体、を有する中空ガイド軸体ユニットと、
    前記中空ガイド軸体ユニットを前記軸線周りに所定範囲で正逆回動させるための回動手段と、
    を備えることを特徴とする空気紡績装置。
  2. 前記回動手段は、
    前記中空ガイド軸体ユニットを前記軸線周りに正逆回動させるための操作部と、
    前記中空ガイド軸体ユニットを前記軸線周りの周方向において位置決めするための位置決め機構と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の空気紡績装置。
  3. 前記操作部は、前記軸線に直交する方向において前記中空ガイド軸体ユニットから外側に延設された操作レバーであることを特徴とする請求項2に記載の空気紡績装置。
  4. 前記中空ガイド軸体ユニットを支持する支持部材をさらに備え、
    前記位置決め機構は、
    前記操作レバーに形成された第1係合部と、
    前記支持部材に形成された、前記第1係合部と係合可能な第2係合部と、
    を有しており、
    前記第1係合部及び前記第2係合部の少なくとも何れか一方が、周方向に複数形成されていることを特徴とする請求項3に記載の空気紡績装置。
  5. 前記支持部材に形成された前記第2係合部が、周方向に複数形成されていることを特徴とする請求項4に記載の空気紡績装置。
  6. 前記第1係合部は凸部及び凹部の何れか一方であり、前記第2係合部は凸部及び凹部の何れか他方であることを特徴とする請求項4又は5に記載の空気紡績装置。
  7. 前記回動手段は、前記中空ガイド軸体ユニットを駆動して前記軸線周りに正逆回動させる駆動機構であることを特徴とする請求項1に記載の空気紡績装置。
  8. 前記駆動機構は、
    モータと、
    前記モータによって駆動され、前記中空ガイド軸体ユニットを前記軸線周りに正逆回動させるカム機構と、
    を有することを特徴とする請求項7に記載の空気紡績装置。
  9. 前記カム機構は、
    前記中空ガイド軸体ユニットに固定されたレバーと、
    前記レバーと連結されており、前記モータによって正逆回動されることで、前記レバーを前記軸線周りに正逆回動させる回動部材と、
    を有することを特徴とする請求項8に記載の空気紡績装置。
  10. 前記回動部材は、前記回動部材の回転軸の軸方向に突出するピンを有しており、
    前記レバーに、前記ピンが係合した状態で前記ピンの移動を許容する長穴が形成されていることを特徴とする請求項9に記載の空気紡績装置。
  11. 前記モータは、ステッピングモータであることを特徴とする請求項8〜10の何れか1項に記載の空気紡績装置。
  12. 前記駆動機構を制御する制御部をさらに備え、
    前記制御部は、紡績動作中に前記駆動機構を断続的に作動させることを特徴とする請求項7〜11の何れか1項に記載の空気紡績装置。
  13. 前記駆動機構を制御する制御部をさらに備え、
    前記制御部は、紡績動作中に前記駆動機構を継続的に作動させることを特徴とする請求項7〜11の何れか1項に記載の空気紡績装置。
  14. 前記駆動機構を制御する制御部をさらに備え、
    前記制御部は、紡績動作の停止中に前記駆動機構を作動させることを特徴とする請求項7〜11の何れか1項に記載の空気紡績装置。
  15. 前記駆動機構を作動させるためのスイッチをさらに備えることを特徴とする請求項7〜14の何れか1項に記載の空気紡績装置。
  16. 前記中空ガイド軸体ユニットは、前記繊維通路に噴射される空気を供給するための空気供給管が接続される接続部を有することを特徴とする請求項1〜15の何れか1項に記載の空気紡績装置。
  17. 前記中空ガイド軸体ユニットが回動可能な前記所定範囲は、5度以上50度以下であることを特徴とする請求項1〜16の何れか1項に記載の空気紡績装置。
  18. 前記紡績室に空気を噴射するためのノズルが、前記紡績室の周りに等間隔にn個形成されている場合、
    前記中空ガイド軸体ユニットが回動可能な前記所定範囲は、5度以上(360/n)度未満であることを特徴とする請求項1〜16の何れか1項に記載の空気紡績装置。
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