JP2019019284A - 油性インクジェットインク - Google Patents

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智洋 松沢
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祥史 渡辺
麻奈美 ▲清▼水
麻奈美 ▲清▼水
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Abstract

【課題】ノズルプレートに対するインクの濡れ性を低下させ、ノズルプレートのワイプ耐久性を改善するとともに、印刷物の耐擦過性を高めることができる。
【解決手段】顔料と前記顔料の表面を被覆するウレタン変性ポリエステル樹脂とを含むカプセル化顔料、及び非水系溶剤を含む、油性インクジェットインクである。例えば、このウレタン変性ポリエステル樹脂は、水酸基価が10mgKOH/g以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は、油性インクジェットインクに関する。
インクジェット記録方式は、流動性の高いインクジェットインクを微細なノズルから液滴として噴射し、ノズルに対向して置かれた記録媒体に画像を記録するものであり、低騒音で高速印字が可能であることから、近年急速に普及している。このようなインクジェット記録方式に用いられるインクとして、水を主溶媒として含有する水性インク、重合性モノマーを主成分として高い含有量で含有する紫外線硬化型インク(UVインク)、ワックスを主成分として高い含有量で含有するホットメルトインク(固体インク)とともに、非水系溶剤を主溶媒として含有する、いわゆる非水系インクが知られている。非水系インクは、主溶媒が揮発性有機溶剤であるソルベントインク(溶剤系インク)と、主溶媒が低揮発性あるいは不揮発性の有機溶剤である油性インク(オイル系インク)に分類できる。ソルベントインクは主に有機溶剤の蒸発によって記録媒体上で乾燥するのに対して、油性インクは記録媒体への浸透が主となって乾燥する。
高顔料濃度でも低粘度の油性インクジェットインクとして、酸価30〜60の(メタ)アクリル酸系共重合物によって表面処理されたカプセル型顔料を用いる技術がある(特許文献1(特開2007−314651号公報)参照)。
しかし、このようなインクは、インクジェット印刷装置のヘッドのノズルプレート表面に対する濡れ性が良く、ノズルプレート表面に付着しやすい。そのため、ノズルプレート表面に付着したインクが用紙に垂れて画像を汚したり、ノズルプレート表面に付着したインクがインクの吐出を妨げたりするという問題がある。
また、インクジェット印刷装置は、定期的にヘッドクリーニング動作が行われるように設計されている。このヘッドクリーニング動作は、一般的に、ノズルからインクを吐出させる加圧パージと、ノズルプレートのワイピングから構成される。
ノズルプレート表面に付着しやすいインクを用いた場合、ノズルプレートのワイピングを行うと、インク中の顔料が研磨剤となり、ノズルプレート表面のフッ素樹脂等の被膜を削り取り、ノズルプレートの撥インク性を低下させることがある。
上記問題に対し、特許文献2(特開2011−57812号公報)では、油性インクジェットインクにおいて、α値5〜60の化合物が側鎖として付加され、かつ、溶剤に混和性の櫛形ポリウレタン化合物によって表面処理されたカプセル型顔料を用いることで、ノズルプレートに対するはじき性に優れ、ノズルプレートの劣化を抑制できることが開示されている。
また、特許文献3(特開2008−19333号公報)では、顔料と、分散剤と、この分散剤の反応性官能基と反応して分散剤に化学結合した高分子化合物との3者の複合体となった着色剤を使用する非水系顔料インクによって、高い保存安定性と顔料分散性、ならびにノズル部での目詰まりが起きない吐出安定性を備え、かつ、印刷物濃度及び耐擦過性を確保することができることが提案されている。特許文献3では、分散剤としてアクリル系共重合体と、高分子化合物としてポリエチレンイミンとの組み合わせが具体的に用いられている。
特開2007−314651号公報 特開2011−57812号公報 特開2008−19333号公報
油性インクジェットインクでは、インクが用紙に着弾後、インク中の溶剤が用紙に浸透しながら顔料が用紙表面に残るようにして、高濃度の印刷画像を得ることができる。この際に、印刷面を擦っても画像が擦れ落ちたりしないように、印刷物の耐擦過性が重要になる。
特許文献2では、カプセル型顔料に櫛形ポリウレタン化合物を用いているが、印刷画像の塗膜強度を十分に高めることができないため、印刷物の耐擦過性をさらに改善することが望まれる。
また、特許文献3で提案されるアクリル系共重合体とポリエチレンイミンと顔料との複合体は、印刷画像の塗膜の強度とともに靭性を十分に得ることができず、印刷面を擦ると画像が剥がれたりにじんだりする問題がある。また、特許文献3では、複合体を形成する樹脂成分がポリエチレンイミンであることから、ノズルプレートに対してインクが付着しやすい問題がある。
本発明の一目的としては、ノズルプレートに対するインクの濡れ性を低下させ、ノズルプレートのワイプ耐久性を改善するとともに、印刷物の耐擦過性を高めることである。また、他の目的としては、画像濃度を高め、画像裏抜けを低減し、さらにインクを低粘度化することである。
一実施形態としては、顔料と前記顔料の表面を被覆するウレタン変性ポリエステル樹脂とを含むカプセル化顔料、及び非水系溶剤を含む、油性インクジェットインクである。
一実施形態によれば、ノズルプレートに対するインクの濡れ性を低下させ、ノズルプレートのワイプ耐久性を改善するとともに、印刷物の耐擦過性を高めることができる。
以下、本発明を一実施形態を用いて説明する。以下の実施形態における例示が本発明を限定することはない。
一実施形態による油性インクジェットインク(以下、単に「インク」と称することがある。)としては、顔料と前記顔料の表面を被覆するウレタン変性ポリエステル樹脂とを含むカプセル化顔料、及び非水系溶剤を含むことを特徴とする。
このインクは、ノズルプレートに対するインクの濡れ性を低下させ、ノズルプレートのワイプ耐久性を改善するとともに、印刷物の耐擦過性を高めることができる。また、このインクは、画像濃度を高め、画像裏抜けを低減することができ、さらにインク粘度を低化させることができる。
このインクは、普通紙とともに、コート紙への耐擦過性も改善することができる。
油性インクジェットインクでは、樹脂でカプセル化されていない顔料を用いる場合、顔料が研磨剤となって、印刷装置のノズルプレート表面が削られることがあり、ノズルプレートの撥インク性を低下させる問題がある。そうすると、ノズルプレート表面にインク滴が付着して、ノズルプレートからインク滴が垂れて印刷物を汚すことがあり、また、ノズルが目詰まりして吐出不良につながることがある。
一実施形態では、ウレタン変性ポリエステル樹脂によって顔料が被覆されることで、ノズルプレート表面が削られないようにして、ノズルプレートに対する濡れ性及びワイプ耐久性を改善することができる。
ウレタン変性ポリエステル樹脂は、ウレタン部分とともにポリエステル樹脂部分を含むことで、ポリエステル樹脂の強靭性とともにウレタン部分の密着性の両方の特性を併せ持つようになる。このウレタン変性ポリエステル樹脂によって顔料が被覆されることで、印刷後に、記録媒体表面にカプセル化顔料を強く密着して付着させることができ、また、印刷画像の塗膜の靭性に優れるため、印刷面の擦れに対し画像が剥がれたりにじんだりすることを防止することができる。これは、普通紙やコート紙等の記録媒体の種類によらないで、耐擦過性を高めることができる。普通紙に比べてインクの浸透性が低いコート紙においても、ウレタン変性ポリエステル樹脂を用いたカプセル化顔料を用いることで、耐擦過性を十分に得ることができる。
また、ウレタン変性ポリエステル樹脂は、ウレタン部分が顔料親和性を示す傾向があり、顔料への吸着性に優れるため、顔料の被覆効率を向上することができる。顔料の被覆効率が高いことで、インク中において、インク用溶剤が被膜のウレタン変性ポリエステル樹脂にはばまれ顔料にまで浸透することを防止することができる。結果として、顔料と溶剤との離脱性を改善し、印刷画像の裏抜けを防止し、印刷画像の画像濃度を高めることができる。
また、ウレタン変性ポリエステル樹脂によって顔料の被覆効率が向上することで、顔料表面が直接ノズルプレートに接触して研磨することを防止して、ワイプ耐久性をさらに改善することができる。
一実施形態のインクはカプセル化顔料を含み、カプセル化顔料は、顔料と顔料の表面を被覆するウレタン変性ポリエステル樹脂とを含む。
このウレタン変性ポリエステル樹脂は、水酸基価が10mgKOH/g以上であることが好ましい。
顔料としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、多環式顔料、染付レーキ顔料等の有機顔料、及び、カーボンブラック、金属酸化物等の無機顔料を用いることができる。
アゾ顔料としては、溶性アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料及び縮合アゾ顔料等が挙げられる。フタロシアニン顔料としては、金属フタロシアニン顔料及び無金属フタロシアニン顔料等が挙げられる。多環式顔料としては、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、チオインジゴ系顔料、アンスラキノン系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料及びジケトピロロピロール(DPP)等が挙げられる。カーボンブラックとしては、ファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。金属酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
顔料の平均粒子径としては、吐出安定性と貯蔵安定性の観点から、300nm以下であることが好ましく、より好ましくは200nm以下である。
顔料は、インク全量に対し、通常0.01〜20質量%であり、印刷濃度とインク粘度の観点から、1〜15質量%であることが好ましい。
カプセル化顔料において、顔料の表面の部分的または全部の領域は、ウレタン変性ポリエステル樹脂によって被覆される。
ウレタン変性ポリエステル樹脂は、インクに使用される非水系溶剤に対して不溶性であることが好ましい。
具体的には、ウレタン変性ポリウレタン樹脂は、インクに使用される非水系溶剤100gに対して、23℃で、5g以下で溶解することが好ましく、より好ましくは3g以下であり、さらに好ましくは1g以下である。一層好ましくは、ウレタン変性ポリエステル樹脂は、インクに使用される非水系溶剤に、23℃で実質的に溶解しないことが好ましい。
インクに使用される非水系溶剤に対する溶解度は、インクに2種以上の溶剤が配合される場合は、2種以上の溶剤をインクと同じ配合割合で混合した混合物に対する溶解度になる。
ウレタン変性ポリエステル樹脂がインク用溶剤と溶解性が低くなると、このウレタン変性ポリエステル樹脂でカプセル化した顔料は、記録媒体上で、溶剤離脱性が高くなる。そうすると、記録媒体表面で、顔料が溶剤から離脱して、記録媒体内部に溶剤が浸透する際に、記録媒体表面に顔料が残存しやすくなる。結果として、画像裏抜けを低減することができ、画像濃度も高くすることができる。
ウレタン変性ポリエステル樹脂は、ウレタン部分と、ポリエステル樹脂部分とを有する樹脂である。なかでも、ポリエステル樹脂をウレタン樹脂によって変性した樹脂であることが好ましい。
ウレタン樹脂は、多価イソシアネートとポリオールとから製造される化合物を用いることができる。
多価イソシアネートとしては、2以上のイソシアネート基を有する化合物であり、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート等のいずれであってもよい。
多価イソシアネートの具体例としては、例えば、1、6−ジイソシアネートヘキサン、1、3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メタキシレンジイソシアネート等のジイソシアネート;1−メチルベンゼン−2,4,6−トリイルトリイソシアナート、1,6,11−トリイソシアナトウンデカン等のトリイソシアネート;ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等のポリイソシアネート等を挙げることができる。
また、多価イソシアネート化合物としては、3以上のイソシアネート基を有するものとして、例えば、イソシアヌレート環を含む多価イソシアネート化合物、アダクト構造を含む多価イソアネート化合物、ビュレット構造を含む多価イソシアネート化合物、ウレトジオン構造を含む多価イソシアネート化合物を使用することができる。
イソシアヌレート環を含む多価イソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートイソシアヌレート、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアナートイソシアヌレート等を挙げることができる。また、アダクト構造を含む多価イソシアネート化合物としては、アダクト構造を含むヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
ポリオールとしては、例えば、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3プロパンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等を挙げることができる。
多価イソシアネートとポリオールとは、それぞれ1種又は2種以上を組み合わせて用いて、ウレタン部分を製造することができる。
ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分と、ジオール成分とを重縮合して製造される化合物を用いることができる。
ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、コハク酸、セバシン酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸等のジカルボン酸、これらの無水物等を挙げることができる。
ジオール成分としては、エチレングリコール、プロパン−1,2−ジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタメチレンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ナフタレンジカルボン酸等のジオール化合物;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のエーテル基含有ジオール等を挙げることができる。
ポリエステル樹脂の基本骨格としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステルが好ましい。
ウレタン変性ポリエステル樹脂としては、下記の物性を備えることが好ましい。下記の物性を備えるならば、上記した原材料から製造されるウレタン変性ポリエステル樹脂に限定されないものであっても、ウレタン変性ポリエステル樹脂として好ましく用いることができる。
ウレタン変性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、5000〜60000であることが好ましい。この重量平均分子量が5000より低い場合は、ウレタン変性ポリエステル樹脂がインク溶剤中に浮遊してカプセル化顔料の形態を維持できないおそれがある。ウレタン変性ポリエステル樹脂の重量平均分子量が60000よりも高い場合は、粗大なカプセル粒子が発生し、安定性の低下、吐出性の悪化を招く恐れがある。より好ましくは、ウレタン変性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、10000〜40000であり、さらに好ましくは14000〜22000である。
ウレタン変性ポリエステル樹脂の水酸基価は、1mgKOH/g以上であることが好ましく、より好ましくは10mgKOH/g以上であり、さらに好ましくは15mgKOH/g以上である。ウレタン変性ポリエステル樹脂の水酸基価が高くなると、記録媒体、特にコート紙に用いられる填料(炭酸カルシウム等)との接着性が高くなり、結果として印刷物の耐擦過性を向上することができる。
ここで、水酸基価は、試料1gをアセチル化させたとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数で表される。水酸基価は、JISK0070−1992「化学製品の酸価,けん化価,エステル価,よう素価,水酸基価及び不けん化物の試験方法」に従って求めることができる。
ウレタン変性ポリエステル樹脂の酸価は、特に制限されず、例えば0〜100mgKOH/gであってよい。
ここで、酸価は、試料1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム(mg)数で表される。酸価は、JISK0070−1992「化学製品の酸価,けん化価,エステル価,よう素価,水酸基価及び不けん化物の試験方法」に従って求めることができる。
ウレタン変性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、特に制限されず、例えば0〜200℃であってよい。
ウレタン変性ポリエステル樹脂の市販品としては、例えば、東洋紡株式会社製の「バイロンUR1700」、「バイロンUR4410」、「バイロンUR3500」、「バイロンUR4125」、「バイロンUR5537」、「バイロンUR8200」等を挙げることができる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記したウレタン変性ポリエステル樹脂は、顔料と組み合わせてカプセル化顔料として油性インクに好ましく用いることができる。
ウレタン変性ポリエステル樹脂は、顔料1質量部に対し、0.01質量部以上であることが好ましく、より好ましくは0.1質量部以上であり、さらに好ましくは0.15質量部以上である。これによって、顔料表面の被覆性を高めることができる。
一方、ウレタン変性ポリエステル樹脂は、顔料1質量部に対し、5.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは1.0質量部以下であり、さらに好ましくは0.5質量部以下である。これによって、顔料表面に余剰の樹脂が被覆されることを防止し、また、余剰の樹脂が溶剤中に混在することを防止することができる。
ウレタン変性ポリエステル樹脂は、インク全量に対し、0.01〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜20質量%であることが好ましい。
カプセル化顔料は、ウレタン変性ポリエステル樹脂と顔料の合計量で、インク全量に対し、1〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜30質量%である。
インクは、カプセル化顔料の分散性を安定化させるために、顔料分散剤を含んでもよい。
顔料分散剤としては、例えば、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、ビニルピロリドンと長鎖アルケンとの共重合体、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリエステルポリアミン等が好ましく用いられる。
顔料分散剤の市販品例としては、アイ・エス・ピー・ジャパン株式会社製「アンタロンV216(ビニルピロリドン・ヘキサデセン共重合体)」(商品名)、日本ルーブリゾール株式会社製「ソルスパース13940(ポリエステルアミン系)、17000、18000(脂肪酸アミン系)、11200、24000、28000」(いずれも商品名)、BASFジャパン株式会社製「エフカ400、401、402、403、450、451、453(変性ポリアクリレート)、46、47、48、49、4010、4055(変性ポリウレタン)」(いずれも商品名)、楠本化成株式会社製「ディスパロンKS−860、KS−873N4(ポリエステルのアミン塩)」(いずれも商品名)、第一工業製薬株式会社製「ディスコール202、206、OA−202、OA−600(多鎖型高分子非イオン系)」(いずれも商品名)、ビックケミー・ジャパン株式会社製「DISPERBYK2155、9077」(いずれも商品名)、クローダジャパン株式会社製「HypermerKD2、KD3、KD11、KD12」(いずれも商品名)等が挙げられる。
上記分散剤の含有量は、上記顔料を十分にインク中に分散可能な量であれば足り、適宜設定できる。例えば、質量比で、顔料1に対し顔料分散剤を0.1〜5で配合することができる。
非水系溶剤としては、非極性有機溶剤及び極性有機溶剤のいずれも使用できる。これらは、単独で使用してもよく、組み合わせて使用することもできる。なお、一実施形態において、非水系溶剤には、1気圧20℃において同容量の水と均一に混合しない非水溶性有機溶剤を用いることが好ましい。
非極性有機溶剤としては、脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素溶剤、芳香族炭化水素溶剤等の石油系炭化水素溶剤を好ましく挙げることができる。
脂肪族炭化水素溶剤及び脂環式炭化水素溶剤としては、パラフィン系、イソパラフィン系、ナフテン系等の非水系溶剤を挙げることができ、市販品としては、0号ソルベントL、0号ソルベントM、0号ソルベントH、カクタスノルマルパラフィンN−10、カクタスノルマルパラフィンN−11、カクタスノルマルパラフィンN−12、カクタスノルマルパラフィンN−13、カクタスノルマルパラフィンN−14、カクタスノルマルパラフィンN−15H、カクタスノルマルパラフィンYHNP、カクタスノルマルパラフィンSHNP、アイソゾール300、アイソゾール400、テクリーンN−16、テクリーンN−20、テクリーンN−22、AFソルベント4号、AFソルベント5号、AFソルベント6号、AFソルベント7号、ナフテゾール160、ナフテゾール200、ナフテゾール220(いずれもJXTGエネルギー株式会社製);アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、エクソールD40、エクソールD60、エクソールD80、エクソールD95、エクソールD110、エクソールD130(いずれもエクソンモビール社製)等を好ましく挙げることができる。
芳香族炭化水素溶剤としては、グレードアルケンL、グレードアルケン200P(いずれもJXTGエネルギー株式会社製)、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ソルベッソ200、ソルベッソ200ND(いずれもエクソンモビール社製)等を好ましく挙げることができる。
石油系炭化水素溶剤の蒸留初留点は、100℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることがいっそう好ましい。蒸留初留点はJIS K0066「化学製品の蒸留試験方法」に従って測定することができる。
極性有機溶剤としては、脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤等を好ましく挙げることができる。
例えば、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ヘキシル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン酸イソステアリル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸ヘキシル、リノール酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸イソブチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソオクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ピバリン酸2−オクチルデシル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル等の1分子中の炭素数が13以上、好ましくは16〜30の脂肪酸エステル系溶剤;イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソエイコシルアルコール、デシルテトラデカノール等の1分子中の炭素数が6以上、好ましくは12〜20の高級アルコール系溶剤;ラウリン酸、イソミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、α−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸、イソステアリン酸等の1分子中の炭素数が12以上、好ましくは14〜20の高級脂肪酸系溶剤等が挙げられる。
脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤等の極性有機溶剤の沸点は、150℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましく、250℃以上であることがさらに好ましい。なお、沸点が250℃以上の非水系溶剤には、沸点を示さない非水系溶剤も含まれる。
一実施形態によるカプセル化顔料の製造方法においては、上記したウレタン変性ポリエステル樹脂を低沸点の非プロトン性溶剤に溶解したウレタン変性ポリエステル樹脂溶液を用いることが好ましい。
低沸点の非プロトン性溶剤としては、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒等を挙げることができる。
そして、カプセル化顔料は、ウレタン変性ポリエステル樹脂溶液を、インク用の高沸点溶剤、顔料、及び顔料分散剤等の任意成分とともに混合し、ビーズミルなどの分散機で分散させた後、顔料分散体から低沸点溶剤を除去することにより製造することができる。低沸点溶剤の除去には、加圧、加熱、蒸留等を用いることができる。所望により、メンブレンフィルター等のろ過機を通して作製してもよい。
得られたカプセル化顔料分散体は、必要であれば希釈溶剤等を加えて、そのままインクとして用いることができる。
インクは、不揮発分量が1〜40質量%であることが好ましい。この不揮発分量となるように、インク用溶剤の配合量を調整するとよい。
また、カプセル化顔料の製造工程において、低沸点の非プロトン性溶剤は、ウレタン変性ポリエステル樹脂がインク用溶剤と混合される際に凝集などが起こらないように、十分な量で配合することが好ましい。好ましい低沸点の非プロトン性溶剤の配合量は、質量比で、ウレタン変性ポリエステル樹脂1に対し0.5〜15である。
上記各成分に加えて、インクには、本発明の効果を損なわない限り、各種添加剤が含まれていてよい。添加剤としては、ノズルの目詰まり防止剤、酸化防止剤、導電率調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、酸素吸収剤等を適宜添加することができる。また、発色性の観点から、カプセル化顔料とともに染料を併用してもよい。これらの種類は、特に限定されることはなく、当該分野で使用されているものを用いることができる。
油性インクジェットインクとしての粘度は、インクジェット記録システムの吐出ヘッドのノズル径や吐出環境等によってその適性範囲は異なるが、一般に、23℃において5〜30mPa・sであることが好ましく、5〜15mPa・sであることがより好ましく、5〜10mPa・sであることが、一層好ましい。
油性インクジェットインクを用いた印刷方法としては、特に限定されず、ピエゾ方式、静電方式、サーマル方式など、いずれの方式のものであってもよい。インクジェット記録装置を用いる場合は、デジタル信号に基づいてインクジェットヘッドから一実施形態によるインクを吐出させ、吐出されたインク液滴を記録媒体に付着させるようにすることが好ましい。
一実施形態において、記録媒体は、特に限定されるものではなく、普通紙、コート紙、特殊紙等の印刷用紙、布、無機質シート、フィルム、OHPシート等、これらを基材として裏面に粘着層を設けた粘着シート等を用いることができる。これらの中でも、インクの浸透性の観点から、普通紙、コート紙等の印刷用紙を好ましく用いることができる。
ここで、普通紙とは、通常の紙の上にインクの受容層やフィルム層等が形成されていない紙である。普通紙の一例としては、上質紙、中質紙、PPC用紙、更紙、再生紙等を挙げることができる。普通紙は、数μm〜数十μmの太さの紙繊維が数十から数百μmの空隙を形成しているため、インクが浸透しやすい紙となっている。
また、コート紙としては、マット紙、光沢紙、半光沢紙等のインクジェット用コート紙や、いわゆる塗工印刷用紙を好ましく用いることができる。ここで、塗工印刷用紙とは、従来から凸版印刷、オフセット印刷、グラビア印刷等で使用されている印刷用紙であって、上質紙や中質紙の表面にクレーや炭酸カルシウム等の無機顔料と、澱粉等のバインダーを含む塗料により塗工層を設けた印刷用紙である。塗工印刷用紙は、塗料の塗工量や塗工方法により、微塗工紙、上質軽量コート紙、中質軽量コート紙、上質コート紙、中質コート紙、アート紙、キャストコート紙等に分類される。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。本発明は以下の実施例に限定されない。
<ウレタン変性ポリエステル樹脂の種類>
表1にウレタン変性ポリエステル樹脂溶液(Ur・PE樹脂溶液)a〜fの種類を示す。表1に示すウレタン変性ポリエステル樹脂溶液a〜fは、いずれも東洋紡株式会社から入手した。
Figure 2019019284
<比較樹脂溶液の合成>
比較樹脂溶液として、溶剤非混和性の比較Ur樹脂a、及び溶剤混和性の比較Ur樹脂bを合成した。
(ジオールの合成)
表2に、ウレタン樹脂の側鎖を構成するジエタノールアミン誘導体(ジオール)の処方を示す。
表に示す割合でジエタノールアミンを仕込み、110℃まで昇温した。これに、表に示すモノマーをそれぞれの配合量で滴下し、マイケル付加反応を完結させ、ジオールを得た。
Figure 2019019284
(ウレタン樹脂の合成)
表3に、ウレタン樹脂の処方を示す。
表に示す配合量にしたがって、上記で得られたジオール溶液と、他のジオール成分としてプロピレングリコールとMEK(メチルエチルケトン)とを仕込み、スズ系触媒を添加し、78℃まで昇温した。そして、ヘキサメチレンジイソシアネートを滴下し、固形分50.0質量%の樹脂溶液を得た。重量平均分子量(Mw;GPC法、標準ポリスチレン換算)を表に示す。
Figure 2019019284
各表に示す成分は、以下の通りである。
ジエタノールアミン:NH(COH)、MW105.1、株式会社日本触媒製「DEA」。
MEK:メチルエチルケトン、和光純薬工業株式会社製。
ジエチルアクリルアミド:KJケミカルズ株式会社製「DEAA」、MW127.2。
メトキシポリエチレングリコール(PEG9)アクリレート:比較モノマー、CH=CH−CO−(OCH−CH−OCH、日油株式会社製「AME−400」、MW482.0。
ヘキサメチレンジイソシアネート:OCN−(CH−NCO、MW168.2、和光純薬工業株式会社製。
プロピレングリコール:和光純薬工業株式会社製。
スズ系触媒:ジブチル錫ジラウレート、東京ファインケミカル株式会社製「L−101」。
上記MWは分子量である。
<インク作製>
表4にインク処方を示す。
表に示す配合量にしたがって、ウレタン変性ポリエステル樹脂溶液(Ur・PE樹脂溶液)、顔料「MOGUL L」、顔料分散剤「HYPERMER KD11」、オレイン酸メチル、及びエクソールD110を混合し、ジルコニアビーズ入れて分散した。分散後ジルコニアビーズを除去し、Ur・PE樹脂溶液に含まれる低沸点溶剤(メチルエチルケトン、トルエン)の脱溶剤処理を行った。続いて、超音波ホモジナイザー(SONIC&MATERIALS、INC.製「VC750」)を用いて超音波を照射した。このようにして、ウレタン変性ポリエステル樹脂によって顔料をカプセル化し、カプセル化顔料を含むインクを得た。
以下の点を除いては、上記方法にしたがって、各実施例及び比較例のインクを作製した。
実施例7では、顔料、顔料分散剤、非水系溶剤を変更した。
比較例1では、樹脂溶液を用いず、顔料分散剤によって分散を行った油性インクである。よって、低沸点溶剤の脱溶剤工程は行わなかった。
比較例2は、溶剤非混和性の比較Ur樹脂aを用いて顔料のカプセル化を行った。
比較例3は、溶剤混和性の比較Ur樹脂bを用いて顔料のカプセル化を行った。
表に示す成分は、以下の通りである。
顔料「MA8」:カーボンブラック、三菱ケミカル株式会社製「MA8」。
顔料「MOGUL L」:カーボンブラック、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク社製「MOGUL L」。
顔料分散剤「S13940」:日本ルーブリゾール株式会社製「ソルスパース13940」。
顔料分散剤「HYPERMER KD11」:クローダジャパン株式会社製「HypermerKD11」。
オレイン酸メチル:脂肪酸エステル系溶剤、CH(CHCH=CH(CHCOOCH、東京化成工業株式会社。
ミリスチン酸イソプロピル:脂肪酸エステル系溶剤、CH(CH12COOCH(CH、和光純薬工業株式会社製。
エクソールD110:石油系炭化水素溶剤、エクソンモビール社製「エクソールD110」。
AF−5:石油系炭化水素溶剤、JXTGエネルギー株式会社製「AFソルベント5号」。
各実施例及び比較例で用いた非水系溶剤(2種以上の非水系溶剤を用いている場合は混合物)100gに対し、各実施例及び比較例で用いたウレタン変性ポリウレタン樹脂及び比較樹脂が完全に溶解する質量(g/100g)を測定し、ウレタン変性ポリウレタン樹脂及び比較樹脂の溶解性を求めた。
各実施例及び比較例で用いたウレタン変性ポリウレタン樹脂及び比較樹脂に含まれる低沸点溶剤を高温条件で除去してから、各樹脂の固形分について各非水系溶剤に対する溶解性を求めた。
その結果、各実施例及び比較例2では、非水系溶剤100gに対し各樹脂の溶解度は1g/100g未満であった。
比較例3では、非水系溶剤100gに対し樹脂の溶解度は5g/100g超過であった。比較Ur樹脂bは非水系溶剤に混和性を示した。
Figure 2019019284
<評価>
上記実施例及び比較例のインクについて、以下の方法により評価を行った。これらの評価結果を表4に併せて示す。
(インク粘度(mPa・s))
インク粘度は、23℃において、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製「レオメータAR−G2」(コーン角度2°、直径40mm)を用いて測定し、以下の基準で評価した。
AA:インク粘度が10mPa・s未満。
A:インク粘度が10mPa・s以上12mPa・s未満。
B:インク粘度が12mPa・s以上。
(画像濃度(表OD)及び画像裏抜け(裏OD))
インクジェットプリンター「オルフィスEX9050」(理想科学工業株式会社製)に搭載されているインクジェットヘッドを用いて、普通紙(理想科学工業株式会社製「理想用紙マルチ」)に、解像度600dpiC600dpiで1画素当たり、12plのベタ画像を印刷した。印刷から1日経過後に、光学濃度系(マクベス社製「RD920」)を用いて、印刷物表面のOD値(表OD値)、及び印刷物裏面のOD値(裏OD値)を測定した。
表OD値から画像濃度を以下の基準で評価した。裏OD値から画像裏抜けを以下の基準で評価した。
画像濃度(表OD):
AA:1.30以上
A:1.00以上〜1.30未満
B:1.00未満
画像裏抜け(裏OD):
AA:0.3未満
A:0.3以上〜0.4未満
B:0.4以上
(耐擦過性(普通紙))
上記画像濃度及び画像裏抜けの評価方法と同様にして普通紙にベタ画像を印刷し印刷物を作製した。印刷から1日経過後に印刷面(表面)をクロックメーター(アトラスエレクトリック デバイス社製「CM−1」)で5回擦って、印刷部のインクの剥がれ方を以下の基準で評価した。
AA:画像周辺の汚染がほとんど見られない。
A:画像周辺の汚染がわずかに見られる。
B:画像周辺の汚染が見られる。
C:画像周辺の汚染が顕著である。
(耐擦過性(コート紙))
普通紙を上質コート紙「オーロラコート」(日本製紙株式会社製)に変更した以外は上記画像濃度及び画像裏抜けの評価方法と同様にして、上質コート紙にベタ画像を印刷し印刷物を得た。印刷後100℃で5時間放置後、印刷面(表面)をクロックメーター(アトラスエレクトリック デバイス社製「CM−1」)で5回擦って、印刷部のインクの剥がれ方を以下の基準で評価した。
AA:画像の剥がれがほとんど見られない。
A:画像の剥がれがわずかに見られる。
B:画像の剥がれが見られる。
C:画像の剥がれが濃くはっきり見られる。
(ノズルプレートに対する濡れ性)
得られたインクを30mlのガラス容器に入れ、インクジェットプリンター「オルフィスEX9050」に使用されるノズルプレート(長さ5mm、幅5mm)の片端をピンセットでつまみ、もう1方の片端2cmをインクに浸漬させた。浸漬から約3秒後に、ノズルプレートを素早く引き上げ、ノズルプレート上に残ったインク膜がインク滴になるまでの時間を10回測定し、その平均値を算出し、この平均値を撥インク時間とし、下記の基準で評価した。
AA:撥インク時間が1秒未満。
A:撥インク時間が1秒以上、3秒未満。
B:撥インク時間が3秒以上、4秒未満。
C:撥インク時間が4秒以上。
(ワイプ耐久性)
インクジェットプリンター「オルフィスEX9050」を用い、ヘッドメンテナンスのノーマルクリーニングによりヘッドクリーニングを1000回実施し、ワイプブレードが接した部分の撥インク性を目視で観察し、下記の基準で評価した。
AA:ワイプブレードが接した全ての部分の撥インク性が保たれている。試験後、即座にインクが完全にはじかれる。
A:ワイプブレードが接した全ての部分の撥インク性が保たれている。試験後、インクが完全にはじかれるまでに数秒かかる。
B:ワイプブレードが接した一部分の撥インク性が低下している。
C:ワイプブレードが接した全ての部分の撥インク性が低下している。
各表に示す通り、各実施例のインクでは、
耐擦過性に優れるとともに、ノズルプレートに対する濡れ性及びワイプ耐久性が良好であった。また、各実施例のインクは、画像濃度が高く、裏抜けが低減され、低粘度であった。
比較例1では、顔料を樹脂でカプセル化しないで顔料分散剤を用いて分散させたものであり、耐擦過性とともに、ノズルプレートに対する濡れ性及びワイプ耐久性の評価結果が悪かった。
実施例1、5、7では、Ur・PE樹脂の水酸基価がより高く、コート紙に対する耐擦過性がより高くなった。
比較例2では、溶剤非混和性の比較Ur樹脂aを用いており、耐擦過性が低下し、インク粘度が上昇した。
比較例3では、溶剤混和性の比較Ur樹脂bを用いており、比較例2に比べて、ノズルプレートに対する濡れ性及びワイプ耐久性の評価結果がさらに悪くなった。

Claims (2)

  1. 顔料と前記顔料の表面を被覆するウレタン変性ポリエステル樹脂とを含むカプセル化顔料、及び非水系溶剤を含む、油性インクジェットインク。
  2. 前記ウレタン変性ポリエステル樹脂は、水酸基価が10mgKOH/g以上である、請求項1に記載の油性インクジェットインク。
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