JP2019018139A - 洗浄装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 様々な形状を有する被洗浄物に対して吹付けノズルから洗浄液などを適切に吹付けて、被洗浄物を簡単かつ十分に洗浄できるようにする。【解決手段】 洗浄液xを収容させた密閉可能な洗浄室10内を不活性雰囲気にした状態で、被洗浄物Wを洗浄液中に浸漬させて、被洗浄物を洗浄させる洗浄装置において、洗浄室内における洗浄液を、循環用パイプ61により循環させて吹付けノズル64に導くと共に、この吹付けノズル64に不活性ガスを供給し、この吹付けノズルから循環される前記の洗浄液と不活性ガスとを被洗浄物に向けて吹付けるようにすると共に、洗浄室内のガス圧力を圧力調整手段30によって調整するようにした。【選択図】 図6

Description

本発明は、密閉可能な洗浄室内に洗浄液を収容させ、この洗浄室内を不活性雰囲気にした状態で前記の洗浄液中に被洗浄物を浸漬させて、被洗浄物を洗浄させる洗浄装置に関するものである。特に、凹凸等を有する複雑な形状になった被処理物に対しても十分な洗浄が行えるようにすると共に、炭化水素系洗浄液等の低引火点の洗浄液を用いた場合においても、被洗浄物を安全に洗浄できるようにした点に特徴を有するものである。
洗浄室内に収容させた洗浄液中に被洗浄物を浸漬させて、前記の被洗浄物を洗浄させる洗浄装置としては、従来から様々な洗浄装置が使用されている。
そして、近年においては、特許文献1に示されるように、洗浄液を収容させた浸漬洗浄槽内に被洗浄物を浸漬させた状態で、洗浄液や圧縮空気及びこれらの混合流体を噴射させる複数の液体噴射ノズルを設け、これらの液体噴射ノズルから前記の洗浄液や圧縮空気等を前記の被洗浄物に吹付けて洗浄するようにしたものが示されている。
しかし、特許文献1に示されるものにおいては、前記の浸漬洗浄槽の上面が開放された状態になっているため、例えば、炭化水素系洗浄液等の引火点の低い洗浄液を用いた場合、この洗浄液の低引火点の炭化水素成分が浸漬洗浄槽の上面から放出され、環境や安全性の点で問題があった。
また、特許文献2においては、密閉させた洗浄室内に被洗浄物を収容させ、この被洗浄物に対して、炭化水素系の洗浄液を用いてシャワー洗浄や浸漬洗浄や高温噴射洗浄させるようにしたものが示されており、また被洗浄物を浸漬洗浄させるにあたり、被処理物の下に設けたバブリングノズルからNガスを噴射させて、被洗浄物を洗浄液中で洗浄させるようにしたものが示されている。
しかし、特許文献2に示されるものにおいては、被洗浄物を洗浄液中に浸漬させた状態で、被処理物の下に設けたバブリングノズルからNガスを噴射させて洗浄させるだけであるため、特に上面に凹凸等の様々な形状を有する被洗浄物に対して十分な洗浄を行うことが困難であり、またNガスの噴射量を洗浄室内の圧力等に適応するようにして適切に調整することが面倒になる等の問題があった。
また、特許文献3においては、炭化水素系の洗浄液を噴射させる複数のノズルが設けられた噴霧器を洗浄室内の様々な位置に設け、これらの噴霧器を移動させたりして、洗浄室内に収容させた被洗浄物に対して炭化水素系の洗浄液を噴射させて、被洗浄物を洗浄させるようにしたものが示されている。
しかし、特許文献3に示されるように、複数のノズルが設けられた噴霧器を洗浄室内の様々な位置に設け、これらの噴霧器を移動させて、洗浄室内に収容させた被洗浄物に対して炭化水素系の洗浄液を噴射させるためには、装置の構造が複雑になると共に、各噴霧器を移動させる操作の制御も面倒であり、コストが高くつくと共に、被洗浄物に対して各噴霧器を移動させて炭化水素系の洗浄液を適切に噴射させて洗浄させる操作も困難になるという問題があった。
特開平7−328567号公報 特開2006−231272号公報 特開2013−198904号公報
本発明は、特許文献2等に示されるように、密閉可能な洗浄室内に洗浄液を収容させ、この洗浄室内を不活性雰囲気にした状態で前記の洗浄液中に被洗浄物を浸漬させて、被洗浄物を洗浄させるようにした洗浄装置に関するものである。
特に、本発明は、前記のような洗浄装置において、凹凸等の様々な形状を有する被洗浄物に対して吹付けノズルから洗浄液などを適切に吹付けて、前記のような被洗浄物を簡単かつ十分に洗浄できるようにすると共に、炭化水素系洗浄液等の低引火点の洗浄液を用いた場合においても、被洗浄物を安全に適切に洗浄できると共に、吹付けノズルから洗浄液などを被洗浄物に向けて吹付ける吹付け速度を簡単に制御できるようにすることを課題とするものである。
本発明に係る洗浄装置においては、前記のような課題を解決するため、密閉可能な洗浄室内に洗浄液を収容させ、この洗浄室内を不活性雰囲気にした状態で前記の洗浄液中に被洗浄物を浸漬させて、被洗浄物を洗浄させる洗浄装置において、被洗浄物を浸漬させた洗浄室内における洗浄液を、循環経路により循環させて吹付けノズルに供給すると共に、この吹付けノズルに不活性ガスを供給し、前記の吹付けノズルから前記の洗浄液と不活性ガスとを洗浄室内における被洗浄物に向けて吹付けると共に、前記の洗浄室内のガス圧力を調整する圧力調整手段を設けた。
そして、本発明に係る洗浄装置において、前記のように洗浄室内に収容させた洗浄液を循環経路により循環させて吹付けノズルに供給すると共に、この吹付けノズルに洗浄用の不活性ガスを供給し、前記の吹付けノズルから前記の洗浄液と不活性ガスとを被洗浄物に向けて吹付けるようにすると、前記のように循環される洗浄液と不活性ガスとが一緒になって被洗浄物における凹凸の、凹んだ部分や狭い隙間や穴にも適切に吹付けられるようになり、様々な形状を有する被洗浄物が、前記の吹付けノズルから吹き付けられる循環経路により循環される洗浄液と不活性ガスとによって強力に洗浄されるようになる。
また、本発明に係る洗浄装置においては、前記の圧力調整手段により洗浄室内のガス圧力を調整して、洗浄液中に浸漬させた前記の被洗浄物に対して、前記の吹付けノズルから前記の洗浄液と不活性ガスとを被洗浄物に向けて吹付ける吹付け速度を変更させるようにすることができる。このようにすると、循環経路により循環される洗浄液と不活性ガスとを、洗浄室内における被洗浄物に対して吹付ける吹付け力に適切に調整できると共に、この吹付け力に変化をもたせて、被洗浄物に対する洗浄効果を高めるようにすることもできる。
ここで、本発明に係る洗浄装置において、前記の洗浄液としては、様々な洗浄液を用いることができるが、被洗浄物から加工油や塵等を十分に除去して、被洗浄物を洗浄させるためには、炭化水素系の洗浄液を用いることが好ましい。
また、本発明に係る洗浄装置においては、前記の不活性雰囲気の洗浄室内を減圧状態にして、被洗浄物を洗浄させるようにすることが好ましい。このようにすると、洗浄液として、前記のように炭化水素系洗浄液等の低引火点の洗浄液を用いた場合においても、洗浄室内において低引火点の洗浄液が気化した場合でも燃焼反応が起きることなく、安全性に問題が生じたりするのが抑制される。
また、本発明に係る洗浄装置においては、前記の不活性ガスに窒素(N)ガスを用いることが好ましい。このように、不活性ガスにNガスを用いるとコストが低減されると共に、低引火点の洗浄液を用いた場合に、この洗浄液から気化したガスと燃焼反応するのが防止され、安価に安全性を確保することができる。
本発明における洗浄装置においては、前記のように洗浄室内に収容させた洗浄液を循環経路により循環させて前記の被洗浄物に向けて吹付ける吹付けノズルに洗浄用の不活性ガスを供給し、前記の吹付けノズルから前記の洗浄液と不活性ガスとを被洗浄物に向けて吹付けるようにしたため、前記のように循環される洗浄液と不活性ガスが一緒になって被洗浄物における凹凸等の部分に適切に吹付けられて、様々な形状を有する被洗浄物が、循環経路により循環される洗浄室内における洗浄液と不活性ガスとによって強力に洗浄されるようになる。
本発明の一実施形態に係る洗浄装置において、被洗浄物を洗浄室内にセットさせた状態を示した概略断面説明図である。 前記の実施形態に係る洗浄装置において、洗浄室内にセットさせた被洗浄物に対して、被洗浄物の上に設けたシャワーノズルから洗浄液を供給して、被洗浄物を粗洗浄する状態を示した概略断面説明図である。 前記の実施形態に係る洗浄装置において、被洗浄物を粗洗浄した後の洗浄室内における汚れた洗浄液を、洗浄室の底部に設けられた洗浄液排出パイプから排出させる状態を示した概略断面説明図である。 前記の実施形態に係る洗浄装置において、被洗浄物を粗洗浄した後の洗浄室内に前記のシャワーノズルから洗浄液を供給し、洗浄室内における被洗浄物を洗浄液に浸漬させた状態を示した概略断面説明図である。 前記の実施形態に係る洗浄装置において、前記の被洗浄物を洗浄液に浸漬させた洗浄室内の圧力を調整しながら、吹付けノズルから洗浄液と不活性ガスとを被洗浄物に向けて吹付ける状態を示した概略断面説明図である。 前記の実施形態に係る洗浄装置において、前記の洗浄室内の圧力を調整しながら、吹付けノズルから洗浄液と不活性ガスとを被洗浄物に向けて吹付ける状態を示し、(A)は洗浄室内の圧力を低くして吹付けノズルから噴出される洗浄液と不活性ガスの量を少なくした状態を示した概略断面説明図、(B)は洗浄室内の圧力を高くして吹付けノズルから噴出される洗浄液と不活性ガスの量を多くした状態を示した概略断面説明図である。 前記の実施形態に係る洗浄装置において、洗浄室内の洗浄液に浸漬させた被洗浄物に対して、吹付けノズルから洗浄液と不活性ガスとを吹き付けて被洗浄物を洗浄させた後、洗浄室内における洗浄液を洗浄室の底部に設けられた洗浄液排出パイプから排出させる状態を示した概略断面説明図である。 前記の実施形態に係る洗浄装置において、前記の吹付けノズルを洗浄室の両側の壁部に対向するようにして設けるようにした変更例を示した概略断面説明図である。
以下、本発明の実施形態に係る洗浄装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係る洗浄装置は、下記の実施形態に示したものに限定されず、発明の要旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施できるものである。
ここで、この実施形態における洗浄装置においては、図1等に示すように、被洗浄物Wを洗浄させる洗浄室10内に洗浄室10に設けた出入り口(図示せず)を通して導入させ、この洗浄室10内に設けた載置台11の上に被洗浄物Wをセットするようにしている。
また、この実施形態における洗浄装置においては、洗浄液供給装置20から洗浄室10内に洗浄液xを供給する洗浄液供給パイプ21に、洗浄液xの供給と停止とを切り換える洗浄液供給用バルブ22を設けると共に、この洗浄液供給パイプ21を洗浄室10の上部10aを貫通させて洗浄室10内に導き、この洗浄液供給パイプ21の先端部に洗浄液xを噴出させるシャワーノズル23を設けている。
なお、図ではシャワーノズル23は被洗浄物Wの上部に水平方向に延伸しているが、それを上下方向に複数設置したり、垂直方向に延伸させて被洗浄物Wの側面に洗浄液xを当てるようにしてもよい。
また、洗浄室10内のガス圧力を調整する圧力調整手段30として、洗浄室10の上部10aにガス吸引パイプ31を設けると共に、このガス吸引パイプ31と洗浄室10内のガスを吸引する真空ポンプ32との間に圧力調整バルブ33を設け、この圧力調整バルブ33により、前記の真空ポンプ32によってガス吸引パイプ31を通して洗浄室10内から吸引するガスの圧力を調整するようにしている。
また、洗浄室10の上部10aに洗浄室10内に不活性ガスとしてNガスを供給する不活性ガス供給パイプ41を設け、この不活性ガス供給パイプ41に洗浄室10内への不活性供給ガスの供給と停止とを切り換える不活性ガス供給用バルブ42を設けている。
また、前記の洗浄室10の底部10bに、洗浄室10内における洗浄液xを排出させる洗浄液排出パイプ51を設け、この洗浄液排出パイプ51の途中の位置に、洗浄液xの排出と停止とを切り換える第1排出バルブ52と第2排出バルブ53とを所要間隔を介して設け、洗浄室10内から洗浄液排出パイプ51に導かれた洗浄液xを、前記の第1排出バルブ52と第2排出バルブ53とを開けて、下に位置する第2排出バルブ53から排出させるようにしている。
また、前記の第1排出バルブ52を開けた状態にする一方、前記の第2排出バルブ53を閉じた状態にし、前記の洗浄室10から洗浄液排出パイプ51を通して前記の第1排出バルブ52と第2排出バルブ53との間に導かれた洗浄液xを洗浄液排出パイプ51から洗浄室10に戻す循環経路として、第1排出バルブ52と第2排出バルブ53との間における洗浄液排出パイプ51から洗浄室10に向かう循環用パイプ61を設け、この循環用パイプ61に洗浄液xを洗浄室10に戻すための循環用ポンプ62と、この循環用パイプ61による洗浄液xの循環と停止とを切り換える循環用バルブ63とを設けると共に、この循環用パイプ61の先端部に前記のように循環させる洗浄液xを洗浄室10内に噴射させる吹付けノズル64を、洗浄室10の片側の壁部10cに設けている。
また、前記の吹付けノズル64に対して、不活性ガス供給装置71から不活性ガスを案内する不活性ガス案内管72を設けると共に、この不活性ガス案内管72の途中の位置に不活性ガスの案内と停止とを切り換える不活性ガス供給用バルブ73を設けている。
そして、前記の不活性ガス案内管72における不活性ガス供給用バルブ73を開け、不活性ガスを不活性ガス案内管72から前記の吹付けノズル64に供給し、この吹付けノズル64から前記のように循環される洗浄液xと一緒に不活性ガスを噴射させるようにしている。なお、図示していないが、前記の不活性ガス供給装置71から不活性ガスを前記の不活性ガス案内管72に供給させる他に、この不活性ガス供給装置71から不活性ガスを洗浄室10内の上部10aに不活性ガスを供給する前記の不活性ガス供給パイプ41に供給させるようにすることもできる。
ここで、この実施形態における洗浄装置においては、図1に示すように、前記の洗浄室10内に設けた載置台11の上に被洗浄物Wをセットした後、図2に示すように、前記の洗浄液供給パイプ21に設けた洗浄液供給用バルブ22を開けて、前記の洗浄液供給装置20から洗浄液xを洗浄液供給パイプ21の先端部に設けたシャワーノズル23に導くようにする共に、前記の洗浄室10内のガスを吸引するガス吸引パイプ31に設けた圧力調整バルブ33を開けて、洗浄室10内におけるガスを真空ポンプ32によりガス吸引パイプ31を通して吸引し、洗浄室10内を減圧させた状態で、前記のシャワーノズル23から洗浄液xを被洗浄物Wに噴出させて被洗浄物Wを粗洗浄し、粗洗浄させた後の洗浄液xを洗浄室10の底部10bに貯留させるようにする。
そして、このように被洗浄物Wを粗洗浄させた後、図3に示すように、前記の洗浄液供給用バルブ22と圧力調整バルブ33とを閉じで、シャワーノズル23から洗浄液xを噴出させないようにすると共に、洗浄室10内を減圧させないようにする。また、この状態で、不活性ガス供給パイプ41に設けた前記の不活性ガス供給用バルブ42を開けて、不活性ガス供給パイプ41を通して洗浄室10の上部10aから洗浄室10内に不活性ガスを供給すると共に、前記の洗浄液排出パイプ51に設けた第1排出バルブ52と第2排出バルブ53とを開けて、洗浄室10の底部10bに溜まった粗洗浄後の洗浄液xを、前記の洗浄液排出パイプ51を通して下に位置する第2排出バルブ53から排出させるようにする。
その後、図4に示すように、前記の不活性ガス供給用バルブ42を閉じると共に、前記の洗浄液排出パイプ51に設けた第1排出バルブ52と第2排出バルブ53とを閉じた状態で、前記の洗浄液供給パイプ21に設けた洗浄液供給用バルブ22を開けて、前記の洗浄液供給装置20から洗浄液xを洗浄液供給パイプ21の先端部に設けたシャワーノズル23に導く共に、前記の洗浄室10内のガスを吸引するガス吸引パイプ31に設けた圧力調整バルブ33を開けて、洗浄室10内におけるガスを真空ポンプ32によりガス吸引パイプ31を通して吸引し、洗浄室10内を減圧させた状態で、前記のシャワーノズル23から洗浄液xを洗浄室10内に供給する。そして、このように洗浄室10内に供給された洗浄液xの中に、載置台11の上にセットされた被洗浄物Wを浸漬させると共に、前記のように循環される洗浄液xと不活性ガスとを噴射させる洗浄室10の片側の壁部10cに設けた吹付けノズル64の先端部を浸漬させるようにする。
次いで、図5に示すように、前記の洗浄液供給パイプ21に設けた洗浄液供給用バルブ22を閉じて、洗浄室10内に前記のシャワーノズル23から洗浄液xを供給させないようにする一方、真空ポンプ32によりガス吸引パイプ31を通して洗浄室10内から吸引するガス量を前記の圧力調整バルブ33により調整して、洗浄室10内におけるガス圧力を調整させるようにする。そして、この状態で、前記の洗浄液排出パイプ51に設けた第1排出バルブ52と第2排出バルブ53とにおける第1排出バルブ52だけを開け、洗浄室10内における洗浄液xを洗浄液排出パイプ51から洗浄室10に戻す循環用パイプ61に導くと共に、この循環用パイプ61に設けられた前記の循環用バルブ63を開け、循環用ポンプ62を作動させて、洗浄液排出パイプ51から循環用パイプ61に導かれた洗浄液xを、この循環用パイプ61の先端部に設けた前記の吹付けノズル64に導くようにする。
また、同図に示すように、前記の不活性ガス供給装置71から不活性ガスを案内する不活性ガス案内管72に設けた不活性ガス供給用バルブ73を開け、不活性ガスを不活性ガス案内管72から前記の吹付けノズル64に導くようにし、この吹付けノズル64において前記のように循環される洗浄液xと不活性ガスとを一緒にして、この吹付けノズル64から、洗浄室10内において洗浄液xに浸漬された前記の被洗浄物Wに向けて前記の洗浄液xと不活性ガスのバブルGbとを適当な圧力で吹付け、このように被洗浄物Wに吹付けた前記の洗浄液xと不活性ガスのバブルGbとによって被洗浄物Wを洗浄させるようにする。このようにすると、前記のように循環される洗浄液xと不活性ガスのバブルGbとが一緒になって被洗浄物Wにおける凹凸の凹んだ部分や狭い隙間や穴にも適切に吹付けられ、様々な形状を有する被洗浄物Wが、循環用パイプ61を通して循環される洗浄室10内における洗浄液xと不活性ガスのバブルGbとによって強力に洗浄されるようになる。
なお、洗浄室10内においては、このバブルGbが洗浄液xの液面ではじけて出てくる不活性ガスを真空ポンプ32で吸引しながら圧力調整バルブ33を調整することで吸引量を調整している。そうすることによって、洗浄液xの液面上の空間のガスの圧力が一定になる。
ここで、前記のように吹付けノズル64から、洗浄室10内において洗浄液xに浸漬された被洗浄物Wに向けて前記の洗浄液xと不活性ガスのバブルGbとを吹付ける場合において、前記の圧力調整バルブ33によって洗浄室10内におけるガス圧力を調整するにあたり、洗浄室10内におけるガスの圧力を低くすると、図6(A)に示すように、洗浄室10内における洗浄液xを押し付ける圧力が低くなって、前記の循環用パイプ61を通して吹付けノズル64に導かれる洗浄液xの量や不活性ガス案内管72を通して吹付けノズル64に導かれる不活性ガスの量が少なくなり、吹付けノズル64から前記の洗浄液xと不活性ガスのバブルGbとを被洗浄物Wに向けて吹付ける力が小さくなる。一方、洗浄室10内におけるガスの圧力を高くすると、図6(B)に示すように、洗浄室10内における洗浄液xを押し付ける圧力が高くなって、前記の循環用パイプ61を通して吹付けノズル64に導かれる洗浄液xの量や不活性ガス案内管72を通して吹付けノズル64に導かれる不活性ガスの量が多くなり、吹付けノズル64から前記の洗浄液xと不活性ガスのバブルGbとを被洗浄物Wに向けて吹付ける力が大きくなる。
なお、この実施形態における洗浄装置においては、圧力調整バルブ33によって洗浄室10内におけるガスの圧力を調整することにより、吹付けノズル64から被洗浄物Wに向けて吹付ける洗浄液xと不活性ガスのバブルGbとの吹付け力を調整するようにしたが、吹付けノズル64から被洗浄物Wに向けて吹付ける洗浄液xと不活性ガスのバブルGbとの吹付け力を調整する方法はこのようなものに限定されない。例えば、洗浄室10内における洗浄液xを前記の循環用ポンプ62によって循環用パイプ61から吹付けノズル64に送る量を変更させたり、前記の不活性ガス供給装置71から不活性ガス案内管72を通して吹付けノズル64に送る不活性ガスの量を変更させたりして、吹付けノズル64から被洗浄物Wに向けて吹付ける洗浄液xと不活性ガスのバブルGbとを吹付け力を調整することもできる。
しかし、吹付力を調整するにあたりこのような方法と比較すると、前述のような洗浄室10内のガスの圧力を変化させる方法のほうが、機構の複雑性回避や附属機器類不要となる低コスト化という点で優れている。
そして、前記のように吹付けノズル64から洗浄室10との間で循環される洗浄液xと不活性ガスのバブルGbとを適当な圧力で洗浄室10内における被洗浄物Wに吹付けて被洗浄物Wを洗浄させた後は、図7に示すように、前記の圧力調整バルブ33を閉じで洗浄室10内を減圧させないようにすると共に、循環用パイプ61に設けられた循環用バルブ63及び不活性ガス案内管72に設けた不活性ガス供給用バルブ73を閉じて、前記の吹付けノズル64に洗浄液xと不活性ガスとを供給させないようにする。また、この状態で、前記の不活性ガス供給パイプ41に設けた不活性ガス供給用バルブ42を開けて、不活性ガス供給パイプ41を通して洗浄室10の上部10aから洗浄室10内に不活性ガスを供給すると共に、前記の洗浄液排出パイプ51におけるもう一方の第2排出バルブ53も開けて、洗浄室10内における洗浄液xを、前記の洗浄液排出パイプ51を通して第2排出バルブ53から排出させるようにする。
また、この実施形態においては、循環用パイプ61を通して洗浄液xが循環されると共に、不活性ガス供給装置71から不活性ガス案内管72を通して不活性ガスが供給される前記の吹付けノズル64を、洗浄室10の片側の壁部10cに設けるようにしただけであるが、図8に示すように、前記のような吹付けノズル64を、洗浄室10の両側の壁部10cに対向するようにして設け、各吹付けノズル64から洗浄室10との間で循環される洗浄液xと不活性ガスのバブルGbとを適当な圧力で洗浄室10内における被洗浄物Wに吹付けて、被洗浄物Wを洗浄させるようにすることができ、また洗浄室10の壁部10cに対してさらに多くの吹付けノズル64を設けるようにすることも可能である。
また、被洗浄物Wの形状に応じて吹付ノズル64の位置や向きを変更できるようにしたり、吹付ノズル64を交換可能とし、ノズルの穴の径や形状を異なるものに変更できるようにしたりすることも可能である。
10 :洗浄室
10a :上部
10b :底部
10c :壁部
11 :載置台
20 :洗浄液供給装置
21 :洗浄液供給パイプ
22 :洗浄液供給用バルブ
23 :シャワーノズル
30 :圧力調整手段
31 :ガス吸引パイプ
32 :真空ポンプ
33 :圧力調整バルブ
41 :不活性ガス供給パイプ
42 :不活性ガス供給用バルブ
51 :洗浄液排出パイプ
52 :第1排出バルブ
53 :第2排出バルブ
61 :循環用パイプ
62 :循環用ポンプ
63 :循環用バルブ
64 :吹付けノズル
71 :不活性ガス供給装置
72 :不活性ガス案内管
73 :不活性ガス供給用バルブ
Gb :バブル
W :被洗浄物
x :洗浄液
本発明に係る洗浄装置においては、前記のような課題を解決するため、密閉可能な洗浄室内に洗浄液を収容させ、この洗浄室内を不活性雰囲気にした状態で前記の洗浄液中に被洗浄物を浸漬させて、被洗浄物を洗浄させる洗浄装置において、被洗浄物を浸漬させた洗浄室内における洗浄液を、循環経路により循環させて吹付けノズルに供給すると共に、この吹付けノズルに不活性ガスを供給し、前記の吹付けノズルから前記の洗浄液と不活性ガスとを洗浄室内における被洗浄物に向けて吹付けると共に、前記の洗浄室内のガス圧力を調整する圧力調整手段を設け、前記の圧力調整手段により洗浄室内のガス圧力を調整して、洗浄液中に浸漬させた前記の被洗浄物に対して、前記の吹付けノズルから前記の洗浄液と不活性ガスとを被洗浄物に向けて吹付ける吹付け量を変更させるようにした。
また、本発明に係る洗浄装置においては、前記の圧力調整手段により洗浄室内のガス圧力を調整して、洗浄液中に浸漬させた前記の被洗浄物に対して、前記の吹付けノズルから前記の洗浄液と不活性ガスとを被洗浄物に向けて吹付ける吹付けを変更させるようにしたため、循環経路により循環される洗浄液と不活性ガスとを、洗浄室内における被洗浄物に対して吹付ける吹付け力適切に調整できると共に、この吹付け力に変化をもたせて、被洗浄物に対する洗浄効果を高めることも簡単にできるようになった
ここで、前記のように吹付けノズル64から、洗浄室10内において洗浄液xに浸漬された被洗浄物Wに向けて前記の洗浄液xと不活性ガスのバブルGbとを吹付ける場合において、前記の圧力調整バルブ33によって洗浄室10内におけるガス圧力を調整するにあたり、洗浄室10内におけるガスの圧力を低くすると、図6(A)に示すように、洗浄室10内における洗浄液xを押し付ける圧力が低くなって、前記の循環用ポンプ62から循環用パイプ61を通して吹付けノズル64に導かれる洗浄液xの量や不活性ガス案内管72を通して吹付けノズル64に導かれる不活性ガスの量が少なくなり、吹付けノズル64から前記の洗浄液xと不活性ガスのバブルGbとを被洗浄物Wに向けて吹付ける力が小さくなる。一方、洗浄室10内におけるガスの圧力を高くすると、図6(B)に示すように、洗浄室10内における洗浄液xを押し付ける圧力が高くなって、前記の循環用ポンプ62から循環用パイプ61を通して吹付けノズル64に導かれる洗浄液xの量や不活性ガス案内管72を通して吹付けノズル64に導かれる不活性ガスの量が多くなり、吹付けノズル64から前記の洗浄液xと不活性ガスのバブルGbとを被洗浄物Wに向けて吹付ける力が大きくなる。
本発明に係る洗浄装置においては、前記のような課題を解決するため、密閉可能な洗浄室内に洗浄液を収容させ、この洗浄室内を不活性雰囲気にした状態で前記の洗浄液中に被洗浄物を浸漬させて、被洗浄物を洗浄させる洗浄装置において、被洗浄物を浸漬させた洗浄室内における洗浄液を、循環経路を通して循環用ポンプによって循環させて洗浄液中に設けた吹付けノズルに供給すると共に、この吹付けノズルに不活性ガスを供給し、前記の吹付けノズルから前記の洗浄液と不活性ガスとを洗浄室内における被洗浄物に向けて吹付けると共に、前記の洗浄室内のガス圧力を調整する圧力調整手段を設け、前記の圧力調整手段により洗浄室内のガス圧力を調整して、洗浄液中に浸漬させた前記の被洗浄物に対して、前記の吹付けノズルから前記の洗浄液と不活性ガスとを被洗浄物に向けて吹付ける吹付け圧力を変更させるようにした。
そして、本発明に係る洗浄装置において、前記のように洗浄室内に収容させた洗浄液を循環経路を通して循環用ポンプによって循環させて洗浄液中に設けた吹付けノズルに供給すると共に、この吹付けノズルに洗浄用の不活性ガスを供給し、前記の吹付けノズルから前記の洗浄液と不活性ガスとを被洗浄物に向けて吹付けるようにすると、前記のように循環される洗浄液と不活性ガスとが一緒になって被洗浄物における凹凸の、凹んだ部分や狭い隙間や穴にも適切に吹付けられるようになり、様々な形状を有する被洗浄物が、前記の吹付けノズルから吹き付けられる循環経路により循環される洗浄液と不活性ガスとによって強力に洗浄されるようになる。
また、本発明に係る洗浄装置においては、前記の圧力調整手段により洗浄室内のガス圧力を調整して、洗浄液中に浸漬させた前記の被洗浄物に対して、前記の吹付けノズルから前記の洗浄液と不活性ガスとを被洗浄物に向けて吹付ける吹付け圧力を変更させるようにしたため、循環経路により循環される洗浄液と不活性ガスとを、洗浄室内における被洗浄物に対して吹付ける吹付け力を適切に調整できると共に、この吹付け力に変化をもたせて、被洗浄物に対する洗浄効果を高めることも簡単にできるようになった。
本発明における洗浄装置においては、前記のように洗浄室内に収容させた洗浄液を循環経路を通して循環用ポンプによって循環させて、前記の洗浄液を被洗浄物に向けて吹付ける洗浄液中に設けた吹付けノズルに洗浄用の不活性ガスを供給し、洗浄液中に設けた前記の吹付けノズルから前記の洗浄液と不活性ガスとを被洗浄物に向けて吹付けるようにしたため、前記のように循環される洗浄液と不活性ガスが一緒になって被洗浄物における凹凸等の部分に適切に吹付けられて、様々な形状を有する被洗浄物が、循環経路により循環される洗浄室内における洗浄液と不活性ガスとによって強力に洗浄されるようになる。
また、前記の第1排出バルブ52を開けた状態にする一方、前記の第2排出バルブ53を閉じた状態にし、前記の洗浄室10から洗浄液排出パイプ51を通して前記の第1排出バルブ52と第2排出バルブ53との間に導かれた洗浄液xを洗浄液排出パイプ51から洗浄室10に戻す循環経路として、第1排出バルブ52と第2排出バルブ53との間における洗浄液排出パイプ51から洗浄室10に向かう循環用パイプ61を設け、この循環用パイプ61に洗浄液xを洗浄室10に戻すための循環用ポンプ62と、この循環用パイプ61による洗浄液xの循環と停止とを切り換える循環用バルブ63とを設けると共に、この循環用パイプ61の先端部に前記のように循環させる洗浄液xを洗浄室10内に噴射させる吹付けノズル64を、洗浄室10の片側の壁部10cから洗浄液xに浸漬させた被洗浄物Wに向けて洗浄液x中に設けている。
ここで、前記のように吹付けノズル64から、洗浄室10内において洗浄液xに浸漬された被洗浄物Wに向けて前記の洗浄液xと不活性ガスのバブルGbとを吹付ける場合において、前記の圧力調整バルブ33によって洗浄室10内におけるガス圧力を調整するにあたり、洗浄室10内におけるガスの圧力を低くすると、図6(A)に示すように、洗浄室10内における洗浄液xを押し付ける圧力が低くなって、前記の循環用ポンプ62から循環用パイプ61を通して吹付けノズル64に導かれる洗浄液xや不活性ガス案内管72を通して吹付けノズル64に導かれる不活性ガスの圧力が少なくなり、吹付けノズル64から前記の洗浄液xと不活性ガスのバブルGbとを被洗浄物Wに向けて吹付ける力が小さくなる。一方、洗浄室10内におけるガスの圧力を高くすると、図6(B)に示すように、洗浄室10内における洗浄液xを押し付ける圧力が高くなって、前記の循環用ポンプ62から循環用パイプ61を通して吹付けノズル64に導かれる洗浄液xや不活性ガス案内管72を通して吹付けノズル64に導かれる不活性ガスの圧力大きくなり、吹付けノズル64から前記の洗浄液xと不活性ガスのバブルGbとを被洗浄物Wに向けて吹付ける力が大きくなる。

Claims (5)

  1. 密閉可能な洗浄室内に洗浄液を収容させ、この洗浄室内を不活性雰囲気にした状態で前記の洗浄液中に被洗浄物を浸漬させて、被洗浄物を洗浄させる洗浄装置において、被洗浄物を浸漬させた洗浄室内における洗浄液を、循環経路により循環させて吹付けノズルに供給すると共に、この吹付けノズルに不活性ガスを供給し、前記の吹付けノズルから前記の洗浄液と不活性ガスとを洗浄室内における被洗浄物に向けて吹付けると共に、前記の洗浄室内のガス圧力を調整する圧力調整手段を設けたことを特徴とする洗浄装置。
  2. 請求項1に記載した洗浄装置において、前記の圧力調整手段により洗浄室内のガス圧力を調整して、洗浄液中に浸漬させた前記の被洗浄物に対して、前記の吹付けノズルから前記の洗浄液と不活性ガスとを被洗浄物に向けて吹付ける吹付け速度を変更させることを特徴とする洗浄装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載した洗浄装置において、前記の洗浄液として、炭化水素系の洗浄液を用いたことを特徴とする洗浄装置。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載した洗浄装置において、前記の不活性雰囲気の洗浄室内を減圧状態にして、被洗浄物を洗浄させることを特徴とする洗浄装置。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載した洗浄装置において、前記の不活性ガスに窒素(N)ガスを用いたことを特徴とする洗浄装置。
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