JP2019017143A - 電動機 - Google Patents

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Abstract

【課題】共振発生の抑制と強度担保とを両立することができる電動機を提供すること。【解決手段】トランスアクスルに搭載される電動機であって、電動機は、複数のボス部を有するトランスアクスルケースに複数のボルトを用いて取り付けられ、ボルトの少なくとも1つは、電動機が有するステータの径方向においてトランスアクスルケースと一体で固定され、ステータの回転方向においてトランスアクスルケースと離間して固定され、ボルトが嵌るボス部の断面幅は、ステータの回転方向よりもステータの径方向のほうが厚い。【選択図】図2

Description

本発明は、車両のトランスアクスルに搭載される電動機に関する。
特許文献1に記載の電動機は、車両のトランスアクスルに搭載されるものであって、3つのボス部が設けられたトランスアクスルケースに3本のボルトを用いて取り付けられ、3本のボルトのうち、車両の上下方向における最も中央寄りのボルトの取り付け剛性が、他のボルトの取り付け剛性よりも高くなっている。具体的な、前記最も中央寄りのボルトの取り付け剛性の上げ方としては、電動機が有するステータの外周部に設けられたボルト挿通部が、前記ボルトの軸力によりトランスアクスルケースに締結されると共に、前記ボルトの頭部近傍でブラケットを介してトランスアクスルケースに固定されることによって実現している。
特開2016−054622号公報
特許文献1に記載の電動機のような構造を取ることによって、ステータの捩じれ振動の形状を車両の上下方向の振動形状に変化させることができる。そのため、ステータの振動形状が変わり、トランスアクスルケースの面外一次モード及びステータ捩じれ振動形状が異なる形状となって、共振の発生を抑制することができる。
しかしながら、特許文献1に記載の電動機は、ボルトがステータの径方向においてトランスアクスルケースとは離間して固定されており、前記径方向での強度不足のおそれがあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、共振発生の抑制と強度担保とを両立することができる電動機を提供することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る電動機は、トランスアクスルに搭載される電動機であって、前記電動機は、複数のボス部を有するトランスアクスルケースに複数のボルトを用いて取り付けられ、前記ボルトの少なくとも1つは、前記電動機が有するステータの径方向において前記トランスアクスルケースと一体で固定され、該ステータの回転方向において該トランスアクスルケースと離間して固定され、該ボルトが嵌る前記ボス部の断面幅は、該回転方向よりも該径方向のほうが厚いことを特徴とするものである。
本発明に係る電動機は、ステータの回転方向は低剛性とすることによって、トランスアクスルケース及びステータの共振周波数分散を実現でき、さらにステータの径方向は高剛性とすることによって、ステータの径方向における強度確保を実現することができる。したがって、共振発生の抑制と強度担保とを両立することができるという効果を奏する。
図1は、本実施形態に係るトランスアクスルの要部の模式図である。 図2(a)は、本実施形態に係るトランスアクスルケースの正面図である。図2(b)は、本実施形態に係るトランスアクスルケースのボス近傍の拡大正面図である。図2(c)は、本実施形態に係るトランスアクスルケースのボス近傍の拡大斜視図である。 図3(a)は、図2(b)におけるA−A断面図である。図3(b)は、図2(b)におけるB−B断面図である。 図4(a)は、トランスアクスルにおけるステータ共振の説明図である。図4(b)は、トランスアクスルにおけるリアカバー共振の説明図である。 図5(a)は、従来例に係るトランスアクスルケースの正面図である。図5(b)は、従来例に係るトランスアクスルケースのボス近傍の拡大正面図である。図5(c)は、従来例に係るトランスアクスルケースのボス近傍の拡大斜視図である。 図6(a)は、図5(b)におけるA−A断面図である。図6(b)は、図5(b)におけるB−B断面図である。 図7(a)は、参考構成例に係るトランスアクスルケースの正面図である。図7(b)は、参考構成例に係るトランスアクスルケースのボス近傍の拡大正面図である。図7(c)は、参考構成例に係るトランスアクスルケースのボス近傍の拡大斜視図である。 図8(a)は、図7(b)におけるA−A断面図である。図8(b)は、図7(b)におけるB−B断面図である。 図9は、トランスアクスルケースの捩じれ振動についての説明図である。 図10は、本実施形態に係るトランスアクスルケースのボス近傍の他例の拡大正面図である。 図11(a)は、図10におけるA−A断面図である。図11(b)は、図10におけるB−B,C−C断面図である。
以下に、本発明に係る車両のトランスアクスルに搭載される電動機の一実施形態について説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係るトランスアクスル1の要部の模式図である。トランスアクスル1には、2つの電動機として、ステータS1及びロータR1で構成されるモータMG1と、ステータS2及びロータR2とで構成されるモータMG2とが、トランスアクスルケース10内に取り付けられている。
トランスアクスルケース10に対するモータMG1の取り付けは、ステータS1の外周部におけるステータ回転方向に間隔をあけて形成された不図示の3つの貫通孔それぞれに、ボルト31a,31b,31cを挿通し、それらボルト31a,31b,31cをトランスアクスルケース10に形成された3つのボス部であるボス21a,21b,21c(図2などを参照)に嵌め込み螺合させ、トランスアクスルケース10にステータS1を固定することによってなされる。また、トランスアクスルケース10に対するモータMG2の取り付けは、ステータS2の外周部におけるステータ回転方向に間隔をあけて形成された不図示の3つの貫通孔それぞれに、ボルト32a,32b,32cを挿通し、それらボルト32a,32b,32cをトランスアクスルケース10に形成された3つのボス22a,22b,22c(図2などを参照)に嵌め込み螺合させ、トランスアクスルケース10にステータS2を固定することによってなされる。
なお、トランスアクスルケース10に対するモータMG1及びモータMG2の取り付け構造は基本的に同じであり、以下、モータMG2を例に挙げて本実施形態を説明する。
図2(a)は、本実施形態に係るトランスアクスルケース10の正面図である。図2(b)は、本実施形態に係るトランスアクスルケース10のボス22a近傍の拡大正面図である。図2(c)は、本実施形態に係るトランスアクスルケース10のボス22a近傍の拡大斜視図である。図3(a)は、図2(b)におけるA−A断面図である。図3(b)は、図2(b)におけるB−B断面図である。
本実施形態に係るトランスアクスルケース10においては、モータMG2を取り付けるためのボス22aの形状が、図2及び図3に示すように、ボス22a,22b,22cの形状を、ステータ回転方向ではトランスアクスルケース10の内壁面10aとの間に隙間が形成され、ステータ径方向ではトランスアクスルケース10の内壁面10aと一体化されている。
また、ボス22a,22b,22cの形状を、上述したような形状にしたことによって、図1に示した各ボルト32a,32b,32cは、ステータ径方向においてトランスアクスルケース10と一体で固定され、ステータ回転方向においてトランスアクスルケース10と離間して固定される。また、ボス22a,22b,22cの断面幅は、図3(a)及び図3(b)からわかるように、ステータ回転方向よりもステータ径方向のほうが厚くなっている。
図4(a)は、トランスアクスル1におけるステータ共振の説明図である。図4(b)は、トランスアクスル1におけるリアカバー共振の説明図である。なお、図4(a)に示したトランスアクスル1においては、モータMG1や、モータMG2のロータR2などの図示を省略している。
トランスアクスル1の外殻は、図4(b)に示すように大まかに分けてトランスアクスルケース10とリアカバー11とによって構成されており、トランスアクスルケース10内にモータMG2が取り付けられる。このようにトランスアクスルケース10内にモータMG2が取り付けられたトランスアクスル1においては、図4(a)に示すようなステータ共振(ボス22a,22b,22cをバネとしステータS2をマスとして、ステータS2がステータ回転方向に揺れるステータ回転モード)が発生し得る。さらに、図4(b)に示すようなリアカバー共振(リアカバー11が振動するリアカバー面外一次モード)が発生し得る。
ここで、従来例及び参考構成例に係るトランスアクスルケース110における、モータMG2を取り付けるためのボス122a,122b,122cの形状などについて説明する。なお、従来例及び参考構成例に係るトランスアクスルケース110においては、モータMG1を取り付けるためのボス121a,121b,121cの形状が、モータMG2を取り付けるためのボス122a,122b,122cの形状と同じため説明は省略する。
図5(a)は、従来例に係るトランスアクスルケース110の正面図である。図5(b)は、従来例に係るトランスアクスルケース110のボス122a近傍の拡大正面図である。図5(c)は、従来例に係るトランスアクスルケース110のボス122a近傍の拡大斜視図である。図6(a)は、図5(b)におけるA−A断面図である。図6(b)は、図5(b)におけるB−B断面図である。
従来例に係るトランスアクスルケース110においては、モータMG2を取り付けるためのボス122aの形状が、図5及び図6に示すように、ステータ回転方向及びステータ径方向でトランスアクスルケース110の内壁面110aとの間に隙間が形成されておらず、トランスアクスルケース10の内壁面110aと一体化した形状(以下、従来形状という。)となっている。また、モータMG2を取り付けるための残りのボス122b及びボス122cの形状もボス122aと同様の従来形状となっている。
そして、従来例に係るトランスアクスルケース110のようにモータMG2を取り付けるためのボス122a,122b,122cの形状が、上述したような従来形状であると、次のような問題が生じ得る。すなわち、MGノイズは、1〜1.5[kHz]近傍にて、図4を用いて説明したステータ共振の共振周波数とリアカバー共振の共振周波数とが一致し、ステータ共振とリアカバー共振とが重なることによって大きな音となり悪化する。
そのため、ステータ共振の共振周波数とリアカバー共振の共振周波数とが一致しないようにする方法として、モータMG2を取り付けるための3つのボス122a,122b,122cの低剛性化が考えられる。
図7(a)は、参考構成例に係るトランスアクスルケース110の正面図である。図7(b)は、参考構成例に係るトランスアクスルケース110のボス122a近傍の拡大正面図である。図7(c)は、参考構成例に係るトランスアクスルケース110のボス122a近傍の拡大斜視図である。図8(a)は、図7(b)におけるA−A断面図である。図8(b)は、図7(b)におけるB−B断面図である。
参考構成例に係るトランスアクスルケース110においては、モータMG2を取り付けるためのボス122aの形状が、図7及び図8に示すように、ステータ回転方向及びステータ径方向でトランスアクスルケース110の内壁面110aとの間に隙間が形成されるような円筒状であって、ステータ回転方向及びステータ径方向における剛性が、従来形状よりも低くなるような低剛性形状となっている。また、モータMG2を取り付けるための残りのボス122b及びボス122cの形状もボス122aと同様の低剛性形状となっている。このようにボス122a,122b,122cを低剛性形状とすることによって、ステータ共振の共振周波数を低くし、ステータ共振の共振周波数とリアカバー共振の共振周波数とが一致しないようにして、ステータ共振とリアカバー共振とを分散させることができ、MGノイズが大きな音になるのを抑制することができる。
一方、参考構成例に係るトランスアクスルケース110のように、ボス122a,122b,122cのステータ回転方向及びステータ径方向における剛性が低くなり過ぎると、ボス122a,122b,122cの強度不足による破損や、ステータS2が揺れやすくなることによってステータS2とロータR2とが干渉するおそれがある。
そのため、本実施形態においては、上述したようにボス22a,22b,22cの形状を、ステータ回転方向ではトランスアクスルケース10の内壁面10aとの間に隙間が形成され、ステータ径方向ではトランスアクスルケース10の内壁面10aと一体化されており、ステータ回転方向における剛性が従来形状よりも低く、ステータ径方向における剛性がステータ回転方向よりも高くなるような形状としている。
これにより、ボス22a,22b,22cのステータ回転方向における剛性は低いため、上述したようにステータ共振の共振周波数を低くして、ステータ共振とリアカバー共振とを分散させることができる。また、ボス22a,22b,22cのステータ径方向における剛性は高いため、その分、ボス22a,22b,22cの強度を高めることができ、ボス22a,22b,22cの強度不足による破損や、ステータS2が揺れやすくなることによるステータS2とロータR2との干渉を抑制することができる。
よって、本実施形態においては、ボス22a,22b,22c(ボルト32a,32b,32c)のステータ回転方向の剛性を低くすることによって、トランスアクスルケース10及びステータS2の共振周波数分散を実現でき、さらにボス22a,22b,22c(ボルト32a,32b,32c)のステータ径方向の剛性を高くすることによって、ステータ径方向における強度確保を実現することができる。したがって、共振発生の抑制と強度担保とを両立することができる。
図9は、トランスアクスルケース10の捩じれ振動についての説明図である。図10は、本実施形態に係るトランスアクスルケース10のボス22a近傍の他例の拡大正面図である。図11(a)は、図10におけるA−A断面図である。図11(b)は、図10におけるB−B,C−C断面図である。
図9に示すように、モータMG2がトルクを発生する際には、ステータS2のコイルを流通する電流の高調波成分による強制力が、ステータS2に対してステータ回転方向で作用し、ステータS2がステータ回転方向に振動する。そして、前記強制力によるステータS2のステータ回転方向への振動によって、ステータS2が固定されたトランスアクスルケース10に捩じれ振動が生じると、この捩じれ振動に起因した騒音が発生してしまう。
そのため、図10及び図11に示すように、ボス22a,22b,22cのうち、ボス22aの形状を従来形状とし、ボス22b,22cの形状をステータ回転方向及びステータ径方向における剛性が従来形状よりも低くなるような低剛性形状とする。これにより、ボス22aのステータ回転方向における剛性は高いため、前記強制力によるステータS2の回転方向の振動を低減させることができ、トランスアクスルケース10の捩じれ振動も低減されるため、前記捩じれ振動に起因した騒音を小さくすることができる。また、ボス22b,22cのステータ回転方向における剛性は低いため、上述したようにステータ共振の共振周波数を低くして、ステータ共振とリアカバー共振とを分散させることができる。
なお、ボス22b,22cの形状としては、ボス22bとボス22cとの少なくとも一方が、図2及び図3に示したような、ステータ回転方向における剛性が従来形状よりも低く、ステータ径方向における剛性がステータ径方向よりも高くなるような形状であってもよい。
1 トランスアクスル
10 トランスアクスルケース
10a 内壁面
11 リアカバー
21a ボス
21b ボス
21c ボス
22a ボス
22b ボス
22c ボス
110 トランスアクスルケース
110a 内壁面
121a ボス
121b ボス
121c ボス
122a ボス
122b ボス
122c ボス

Claims (1)

  1. トランスアクスルに搭載される電動機であって、
    前記電動機は、複数のボス部を有するトランスアクスルケースに複数のボルトを用いて取り付けられ、
    前記ボルトの少なくとも1つは、前記電動機が有するステータの径方向において前記トランスアクスルケースと一体で固定され、該ステータの回転方向において該トランスアクスルケースと離間して固定され、該ボルトが嵌る前記ボス部の断面幅は、該回転方向よりも該径方向のほうが厚いことを特徴とする電動機。
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